本発明の実施形態について、図1から図6を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
<おむつの概要>
図1は、本発明に係る展開型の使い捨ておむつの一実施形態を示す正面側から見た斜視図であり、図2は、図1に示されるおむつの伸張状態をトップシート側から見た模式的な平面図であり、図3は、図2に示されるおむつの分解斜視図である。ここで、図2のおむつ及び図3の吸収体については、説明の便宜上、部分的に破断した状態をそれぞれ示している。
図1に示すように、おむつ10は、前身頃領域10Fと、後身頃領域10Rと、これら前身頃領域10F及び後身頃領域10Rをつなぐ股下領域10Cとを備えている。また、着用時に前身頃領域10Fと後身頃領域10Rとで着用者のウエストの部分を取り囲むウエスト周り開口部10Wが形成されている。同様に、前身頃領域10F及び後身頃領域10Rの下端部と股下領域10Cとで着用者の両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部10Lが形成されている。
おむつ10の着用時に、前身頃領域10Fは着用者の腹側に位置し、後身頃領域10Rは着用者の背側に位置する。そして、着用時に股下領域10Cは、着用者の股下を覆い、左右一対の脚周り開口部10Lに、着用者の脚がそれぞれ通された形となる。したがって、脚周り開口部10Lは、着用者の両脚の付け根から太股あたりのいずれかに位置することとなる。
おむつ10は、股下領域10Cと共に前身頃領域10F及び後身頃領域10Rを覆うように設けられたカバーシート11と、カバーシート11の後身頃領域10Rの左右両端縁部に接着された左右一対のファスニングテープ10Aと、カバーシート11の前身頃領域10Fに接着されたフロントパッチシート10Bとをさらに備えている。ファスニングテープ10Aはフロントパッチシート10Bに対して繰り返し剥離可能に接合され、この接合状態においては、脚周り開口部10L及びウエスト周り開口部10Wが形成されている。
仮想線Pは、おむつ中央部において腹側から股下部分を通って背側に向かって延びるものである。具体的には、仮想線Pは、例えば、おむつのウエスト側を上、股下側を下として定義すると、おむつ表面に沿って、かつ上下方向に延びると共に、股下部分を経由して、背側においても上下方向に延びるものである。
図2及び図3に示すように、おむつ10は、外側から順に、良好な手触りを得るために薄い不織布にて形成されるカバーシート11と、液不透過性を有するバックシート12と、吸収体13と、液透過性を有するトップシート(表面シート)14と、疎水性のシート部材で構成された一対の立体ギャザー(側方シート)15とを重ねた積層構造を有しているものである。
カバーシート11は、股下領域10Cの左右両側にそれぞれ脚周り開口部10Lとなる一対の切欠き部11Nが形成されている。カバーシート11と、後述する一対の立体ギャザー15との間には、脚周りギャザーを形成するための一対の糸ゴム16がそれぞれ伸張状態で接着されている。
バックシート12は、一側でカバーシート11に接合されるとともに、他側で吸収体13を介してトップシート14に接合される。また、バックシート12のうち、後身頃領域10Rの上端部に対応する領域には、バックシート12の幅方向に沿って延び、着用者に対してウエスト周りに適度な着用感を与えるための弾性シート10Dが接合されている。
吸収体13は、主にパルプとパルプ中に分散配置されているSAPとで構成された吸収性コア17を、ティシュや不織布等の被覆部材(コアラップ)18によって包んだマット状のものである。吸収性コア17を被覆部材18により包むことで形成される継ぎ目は、例えば、図3に示すように、吸収体13の上面であって前後方向(図2における仮想線Pの延在方向)に延びるように形成される。本実施形態の吸収体13は、前身頃領域10F、股下領域10C、後身頃領域10Rに亘るように、細長い形状をしている。ここで、前後方向(図2における仮想線Pの延在方向)に直交する方向を左右方向とすると、本実施形態の吸収体13は、前後左右の長さが異なる矩形のものである(図2及び図3では、前後の長さが左右の長さより長くなっている)。
なお、本実施形態の吸収体13の形状はこれに限らず、例えば、前後左右の長さが同程度の略正方形のもの、前後端の角が丸く落とされているもの、前後に延びる楕円形のもの、円形のもの等、さまざまな形状を含む。また、吸収体13の股下部分には、一対の脚周り開口部10Lに対応するように、円弧状をなす一対の切欠き部が形成されても良い。なお、本実施形態に係るおむつ10では、被覆部材18で包まれた吸収体13を用いているが、本発明に係る吸収性物品は、被覆部材18で包まれていない吸収性コア17を吸収体13として用いても良い。
一対の立体ギャザー15は、吸収体13の前後方向に沿って設けられ、吸収体13の前後方向に延びる両側縁部のうち、一方の側縁部は略直線形状を呈し、他方の側縁部には、股下付近に切欠き部15Nが形成されている。一対の立体ギャザー15の内側部分がトップシート14に対して非接合状態となっており、立体ギャザー15は、その略直線形状の側縁部に自由端を含む。この自由端には、引っ張り力を作用する弾性部材である糸ゴム19が吸収体13の前後方向に沿って伸張状態で配置されている。一対の立体ギャザー15は、この糸ゴム19により、着用状態において吸収体13の両側縁部に沿って起立可能となる。この一対の立体ギャザー15及びカバーシート11が互いに接合され、前身頃領域10F(腹側)及び後身頃領域10R(背側)における左右方向の端縁にサイドフラップ20が設けられている。詳細は後述するが、少なくとも前身頃領域10Fのサイドフラップ20には剛性領域21が設けられ、サイドフラップ20の曲面形状又は平面形状を維持している。これにより、特許文献1のように、剛性領域21と吸収体13とは、重なって配置されないことから吸収体13の破損を防ぐことができる。なお、本実施形態におけるサイドフラップ20は、カバーシート11及び一対の立体ギャザー15から構成されるものであるが、これに限らず、カバーシート11のみ、又は、一対の立体ギャザー15のみから構成するものであっても良い。
次に、本実施形態における前身頃領域10Fのサイドフラップ20の剛性を高めるために、このサイドフラップ20に設けられる剛性領域21についての詳細を説明する。
<サイドフラップにおける剛性領域(熱融着又は超音波溶着)の配列パターン>
図4は、図2におけるIV部分を拡大した模式図であって、前身頃領域10Fにおけるサイドフラップの剛性領域21(熱融着又は超音波溶着)の配列パターンを説明するための図である。
サイドフラップ20は、カバーシート11と一対の立体ギャザー15との所定の接合面に、ホットメルト接着剤を間欠的に塗布し、互いを接合することにより設けられている(図2及び図3参照)。このサイドフラップ20の非肌当接面側であるカバーシート11には、熱融着又は超音波溶着による剛性領域21がサイドフラップ20の領域のみに設けられている。
剛性領域21の形状は、図4(a)乃至図4(c)に示すような横方向に並列した線形状、図4(d)乃至図4(f)に示すような縦方向に並列した線形状、図4(g)乃至図4(i)に示すような斜め方向に並列した線形状、又は、図4(j)乃至図4(m)に示すような囲まれた形状として設けられている。ここで、サイドフラップ20に設けられる剛性領域21の配列パターンは、サイドフラップ20の周縁部まで形成されていない。これは、サイドフラップ20に設けられる剛性領域21が着用者の肌に直接触れることを防止するためである。次に各配列パターンの詳細について順に説明する
横方向に並列した線形状である剛性領域21の配列パターンをみると、図4(a)は、横方向に並列した直線形状であり、図4(b)は、横方向に千鳥配置された破線形状であり、図4(c)は、縦方向への波線形状である。この横方向に並列した線形状は、横方向の剛性が比較的高く、この線形状の延在する方向と、着用時におけるサイドフラップ20の引っ張り方向とが一致するため、特に、サイドフラップ20の横方向の撚れを効果的に防止しながら引っ張ることができる。ここで、剛性領域21を横方向に並列した直線形状(図4(a))とすると、横方向の剛性は比較的高いものの、熱融着又は超音波溶着面積が大きくなり、作業効率が悪くなってしまう。そこで、剛性領域21を横方向の千鳥配置(図4(b))とすると、破線の間欠部分に、隣接する破線が対向するように配置されていることから、横方向の剛性を確保しつつ、熱融着又は超音波溶着面積を比較的少なくすることができる。一方、剛性領域21を縦方向への波線形状(図4(c))とすると、熱融着又は超音波溶着面積がより大きくなるものの、斜め方向への直線形状により、縦方向の剛性も高めることができる。
縦方向に並列した線形状である剛性領域21の配列パターンをみると、図4(d)は、縦方向に並列した直線形状であり、図4(e)は、縦方向に千鳥配置された破線形状であり、図4(f)は、横方向への波線形状である。この縦方向に並列した線形状は、縦方向の剛性が比較的高く、着用時には側腹部に沿うよう折れ曲がるため、フィット感を向上させるとともに、特に、サイドフラップ20の縦方向の撚れを効果的に防止することができる。ここで、剛性領域21を縦方向に並列した直線形状(図4(d))とすると、縦方向の剛性は比較的高いものの、熱融着又は超音波溶着面積が大きくなり、作業効率が悪くなってしまう。そこで、剛性領域21を縦方向の千鳥配置(図4(e))とすると、破線の間欠部分に、隣接する破線が対向するように配置されていることから、縦方向の剛性を確保しつつ、熱融着又は超音波溶着面積を比較的少なくすることができる。一方、剛性領域21を横方向への波線形状(図4(f))とすると、熱融着又は超音波溶着面積がより大きくなるものの、斜め方向への直線形状により、横方向の剛性も高めることができる。
斜め方向に並列した線形状である剛性領域21の配列パターンをみると、図4(g)は、斜め方向に並列した直線形状であり、図4(h)は、斜め方向に千鳥配置された破線形状であり、図4(i)は、斜め方向への波線形状である。この斜め方向に並列した線形状は、斜め方向の剛性が比較的高く、この線形状の延在する方向は、着用時におけるサイドフラップ20の引っ張り方向と同一方向成分を有しているため、特に、サイドフラップ20の斜め方向の撚れを効果的に防止しながら引っ張ることができる。ここで、剛性領域21を斜め方向に並列した直線形状(図4(g))とすると、斜め方向の剛性は比較的高いものの、熱融着又は超音波溶着面積が大きくなり、作業効率が悪くなってしまう。そこで、剛性領域21を斜め方向の千鳥配置(図4(h))とすると、破線の間欠部分に、隣接する破線が対向するように配置されていることから、斜め方向の剛性を確保しつつ、熱融着又は超音波溶着面積を比較的少なくすることができる。一方、剛性領域21を斜め方向への波線形状(図4(i))とすると、熱融着又は超音波溶着面積がより大きくなるものの、斜め方向の剛性をより高めることができる。
囲まれた形状である剛性領域21の配列パターンをみると、図4(j)は、斜めの格子形状であり、図4(k)は、格子形状であり、図4(l)は、輪郭形状であり、図4(m)は、輪郭形状及び筋交い形状である。この囲まれた形状は、いわゆる閉じた形状であり、特に、サイドフラップ20の縦方向及び横方向の撚れを効果的に防止することができ、着用時には、サイドフラップ20の形状を確実に維持することができる。ここで、剛性領域21を斜めの格子形状(図4(j))、又は、格子形状(図4(k))とすると、縦方向及び横方向の剛性は高いものの、熱融着又は超音波溶着面積が大きくなり、作業効率が悪くなってしまう。そこで、剛性領域21を輪郭形状(図4(l))、又は、輪郭形状及び筋交い形状(図4(m))とすると、縦方向及び横方向の剛性を確保しつつ、熱融着又は超音波溶着面積を比較的少なくすることができるとともに、サイドフラップ20の中央部の肌触りを良くすることができる。
本実施形態において、熱融着又は超音波溶着により設けられる剛性領域21は、サイドフラップ20の剛性を高めることができ、サイドフラップ20の形状を、所望の形状、例えば、曲面形状又は平面形状に維持することができる。また、剛性領域21をサイドフラップ20に設けるにあたり、追加の部材を必要とせず、剛性領域21が他の領域と比べて厚くなることを防ぐため、剛性領域21を設けたサイドフラップ20の通気性の機能を維持することができる。さらに、サイドフラップ20に設けられた剛性領域21により、サイドフラップ20のグリップ力を向上させることができる。これにより、着用時に、前身頃領域10Fのサイドフラップ20を後身頃領域10R方向に引っ張る際に、サイドフラップ20に撚れが生じることを防止し、装着をスムーズに行うことができる。
本実施形態において、前身頃領域10Fにおけるサイドフラップ20にのみ剛性領域21を設けているが、これに限らず、後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20にも剛性領域21を設けても良く、この際、前身頃領域10F及び後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20に設ける剛性領域21の配列パターンを、同一にしても良いし、異ならせても良い。さらに、後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20に剛性領域21を設ける場合には、ファスニングテープ10Aが取り付けられていない領域A(図2の斜線のハッチングで示される領域A)は、ファスニングテープ10Aが取り付けられた領域と比べて剛性が低いことから、領域Aのみに、剛性領域21を設けても良いし、領域Aに加え、ファスニングテープ10Aが取り付けられた領域に剛性領域21を設けても良い。
また、本実施形態の剛性領域21を横方向に並列した線形状(図4(a)乃至図4(c))、縦方向に並列した線形状(図4(d)乃至図4(f))、斜め方向に並列した線形状(図4(g)乃至図4(i))、又は、囲まれた形状(図4(j)及び図4(k))とする場合、隣接する線形状同士を密に配置することにより、線形状の延在方向と垂直な方向への剛性を高めることができる。また、線形状の幅を均一にする必要はなく、例えば、並列した外側の線形状の幅を太くし、内側に向かって線形状の幅を漸減させてもよいし、逆に、並列した外側の線形状の幅を細くし、内側に向かって線形状の幅を漸増させてもよい。
さらに、本実施形態の剛性領域21を囲まれた形状(図4(l)及び図4(m))とする場合、輪郭形状や筋交い形状の幅を均一にする必要はなく、例えば、横方向の剛性領域21の幅を太くし、他の剛性領域21の幅を細くしてもよいし、逆に、縦方向の剛性領域21の幅を太くし、他の剛性領域21の幅を細くしてもよい。
なお、実施形態の剛性領域21の配列パターンにおいて、横方向に並列した線形状、縦方向に並列した線形状、斜め方向に並列した線形状、又は、囲まれた形状のいずれかにするものが示されているが、これに限らず、例えば、曲線形状又は同心円形状や、これらの配列パターンの組合せでもよい。また、剛性領域21の配列パターンは、サイドフラップ20の縦方向及び横方向の端部まで形成されていないが、剛性をさらに高めるために、縦方向及び横方向の端部まで形成されてもよい。また、剛性領域21を熱融着又は超音波溶着によって設けているが、これに限らず、例えば、ホットメルト接着剤等によって設けてもよい。さらに、剛性領域21が、着用者の肌触りを良くするために、サイドフラップ20の非肌当接面側であるカバーシート11に設けられているが、サイドフラップ20の肌当接面側である立体ギャザー15に剛性領域21を設けられてもよい。
次に、本実施形態におけるサイドフラップ20に剛性領域21を設ける工程について説明する。
<サイドフラップに剛性領域(熱融着又は超音波溶着)を設ける工程>
本実施形態におけるおむつ10は、例えば、以下の工程を含む製造方法により製造される。
(1)先ず、カバーシート11と一対の立体ギャザー15との所定の接合面に、ホットメルト接着剤が間欠的に塗布される(以下、「接着剤が塗布される工程」という)。
(2)そして、一対のローラー等によりカバーシート11及び一対の立体ギャザー15は、接触する方向へと押圧され接合される(以下、「押圧接合される工程」という)。
(3)次に、積層されたカバーシート11及び一対の立体ギャザー15の脚周り開口部10Lに対応する位置がカットされ、一対の切欠き部11N,15Nが形成されることにより、サイドフラップ20が、前身頃領域10F及び後身頃領域10Rのウエスト周り両端縁部に設けられる(以下、「サイドフラップが設けられる工程」という)。
ここで、サイドフラップ20に剛性領域21が設けられる工程は、例えば、サイドフラップが設けられる工程(3)のいずれかの前工程、又はサイドフラップが設けられる工程(3)の後工程に行われる。ここで剛性領域21は、カバーシート11の非肌当接面側に設けられる。
サイドフラップ20に剛性領域21が設けられる工程を、サイドフラップが設けられる工程(3)のいずれかの前工程とする場合、サイドフラップ20が設けられる予定の領域に剛性領域21を精度良く位置合わせし、設ける必要がある。ただし、剛性領域21を、サイドフラップ20の領域の縦方向の上端部まで設ける場合(例えば、縦方向に並列した直線形状(図4(d))がサイドフラップ20の領域の縦方向の上端部まで延在する場合)においては、サイドフラップ20の領域の縦方向の上端部から切欠き部11Nに亘って剛性領域21を設けても、サイドフラップが設けられる工程(3)において、切欠き部11Nをカットするため、剛性領域21を精度良く位置合わせする必要はない。
サイドフラップ20に剛性領域21が設けられる工程を、サイドフラップが設けられる工程(3)の後工程とする場合、サイドフラップ20の領域を直接確認しながら、剛性領域21を設けることができるため、サイドフラップが設けられる工程(3)のいずれかの前工程とする場合と比べ、簡単に剛性領域21の位置合わせをすることができる。
次に、別の実施形態における前身頃領域10Fのサイドフラップ20に設けられる剛性領域22についての詳細を説明する。
<サイドフラップにおける剛性領域(補強部材)の配列パターン>
図5は、図4のサイドフラップにおける剛性領域の別の実施形態を示す模式図であって、前身頃領域10Fにおけるサイドフラップの剛性領域22(補強部材)の配列パターンを説明するための図である。
サイドフラップ20は、カバーシート11と一対の立体ギャザー15との所定の接合面に、ホットメルト接着剤を間欠的に塗布し、互いを接合することにより設けられている(図2及び図3参照)。このサイドフラップ20の非肌当接面側であるカバーシート11、又は、カバーシート11と一対の立体ギャザー15との間には、補強部材による剛性領域22がサイドフラップ20の領域のみに設けられている。
剛性領域22の形状は、図5(a)に示すような横方向に並列した直線形状、図5(b)に示すような縦方向に並列した直線形状、図5(c)に示すような斜め方向に交差する直線形状、図5(d)乃至図5(g)に示すような囲まれた形状、又は、図5(h)及び図5(i)に示すようなC字形状として設けられている。ここで、サイドフラップ20に設けられる剛性領域22の配列パターンは、サイドフラップ20の周縁部まで形成されていない。これは、サイドフラップ20に設けられる剛性領域22が着用者の肌に直接触れることを防止するためである。以下、これらを順に説明する。
横方向に並列した直線形状である剛性領域22の配列パターン(図5(a))をみると、この横方向に並列した直線形状の延在する方向と、着用時におけるサイドフラップ20の引っ張り方向とが一致するため、特に、サイドフラップ20の横方向の撚れを効果的に防止しながら引っ張ることができる。さらに、横方向に並列した線形状(図4(a)乃至図4(c))と比べ、設置面積を少なくすることができ、サイドフラップ20の肌触りを向上させることができる。
縦方向に並列した直線形状である剛性領域22の配列パターン(図5(b))をみると、この縦方向に並列した直線形状により、着用時には側腹部に沿うよう折れ曲がるため、フィット感を向上させるとともに、特に、サイドフラップ20の縦方向の撚れを効果的に防止することができる。さらに、縦方向に並列した線形状(図4(d)乃至図4(f))と比べ、設置面積を少なくすることができ、サイドフラップ20の肌触りを向上させることができる。
斜め方向に交差する直線形状である剛性領域22の配列パターン(図5(c))をみると、この斜め方向に並列した線形状の延在する方向は、着用時におけるサイドフラップ20の引っ張り方向と同一方向成分を有しているため、特に、サイドフラップ20の斜め方向の撚れを効果的に防止しながら引っ張ることができる。
囲まれた形状である剛性領域22の配列パターン(図5(d)乃至図5(g))をみると、図5(d)は、輪郭形状であり、図5(e)は、四角形状であり、図5(f)は、輪郭形状及び筋交い形状であり、図5(g)は、四角形状及び筋交い形状である。この囲まれた形状をサイドフラップ20に設けることにより、特に、サイドフラップ20の縦方向及び横方向の撚れを効果的に防止することができ、着用時には、サイドフラップ20の形状を確実に維持することができる。ここで、剛性領域22を輪郭形状(図5(d))又は四角形状(図5(e))とすると、着用時におけるサイドフラップ20を引っ張る力により、剛性領域22が変形するおそれがある。そこで、剛性領域22を輪郭形状及び筋交い形状(図5(f))又は四角形状及び筋交い形状(図5(g))とし、いわゆるトラス構造を採用することにより、剛性領域22の変形を抑制することができる。
C字形状である剛性領域22の配列パターン(図5(h)及び図5(i))をみると、図5(h)は、輪郭形状の外周縁のみの形状であり、図5(i)は、四角形状の外周縁のみの形状である。このC字形状をサイドフラップ20に設けることにより、特に、サイドフラップ20の縦方向及び横方向の撚れを効果的に防止することができ、着用時には、サイドフラップ20の少なくとも一部の輪郭形状を確実に維持することができる。また、囲まれた形状(図5(d)乃至図5(g))よりも縦方向の剛性は低くなるものの、補強部材を減らすことができ、作業効率を向上させることができる。
本実施形態において、補強部材により設けられる剛性領域22は、熱融着又は超音波溶着により設けられる剛性領域21と比べ、様々な材料の中から選択することができるため、サイドフラップ20の剛性を調節する自由度が比較的高なっている。これにより、サイドフラップ20の剛性を簡単に所望の値へと高めることができ、サイドフラップ20の形状を、所望の形状、例えば、曲面形状又は平面形状に維持することができる。また、サイドフラップ20に設けられた剛性領域22により、サイドフラップ20のグリップ力を向上させることができる。これにより、着用時に、前身頃領域10Fのサイドフラップ20を後身頃領域10R方向に引っ張る際に、サイドフラップ20に撚れが生じることを防止し、装着をスムーズに行うことができる。
本実施形態において、前身頃領域10Fにおけるサイドフラップ20にのみ剛性領域22を設けているが、これに限らず、後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20にも剛性領域22を設けても良く、この際、前身頃領域10F及び後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20に設ける剛性領域22の配列パターンを、同一にしても良いし、異ならせても良い。さらに、後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20に剛性領域22を設ける場合には、ファスニングテープ10Aが取り付けられていない領域A(図2の斜線のハッチングで示される領域A)は、ファスニングテープ10Aが取り付けられた領域と比べて剛性が低いことから、領域Aのみに、剛性領域22を設けても良いし、領域Aに加え、ファスニングテープ10Aが取り付けられた領域に剛性領域22を設けても良い。
また、実施形態の剛性領域22を横方向に並列した直線形状(図5(a))、又は、縦方向に並列した直線形状(図5(b))とする場合、隣接する線形状同士を密に配置することにより、線形状の延在方向と垂直な方向への剛性を高めることができる。また、線形状の幅を均一にする必要はなく、例えば、並列した外側の線形状の幅を太くし、内側に向かって線形状の幅を漸減させてもよいし、逆に、並列した外側の線形状の幅を細くし、内側に向かって線形状の幅を漸増させてもよい。
さらに、本実施形態の剛性領域22を斜め方向に交差する直線形状(図5(c))、囲まれた形状(図5(d)乃至図5(g))、又は、C字形状(図5(h)及び図5(i))とする場合、補強部材の幅を均一にする必要はなく、例えば、横方向、縦方向又は斜め方向のいずれかの補強部材の幅を太くし、その他の補強部材の幅を細くしてもよい。さらに、これらの補強部材を一体成形することにより、又は、別体に設けられる補強部材を互いの交差部において固定することにより、サイドフラップ20の縦方向及び横方向の剛性をさらに高めることができる。
なお、実施形態の剛性領域22の配列パターンにおいて、横方向に並列した直線形状、縦方向に並列した直線形状、斜め方向に交差する直線形状、囲まれた形状、又は、C字形状のいずれかにするものが示されているが、これに限らず、例えば、曲線形状又は同心円形状や、これらの配列パターンの組合せでもよい。また、剛性領域22の配列パターンは、サイドフラップ20の縦方向及び横方向の端部まで形成されていないが、剛性をさらに高めるために、縦方向及び横方向の端部まで形成されてもよい。また、剛性領域22を構成する補強部材の材料は、例えば、不織布、フィルム、ゴム、発泡体、またはこれらの組合せでもよい。さらに、剛性領域22が、着用者の肌触りを良くするために、サイドフラップ20の非肌当接面側であるカバーシート11、又は、カバーシート11と一対の立体ギャザー15との間に設けられているが、サイドフラップ20の肌当接面側である立体ギャザー15に設けられてもよい。
本実施形態において、サイドフラップ20におむつを構成する部材とは別体の補強部材を設けるものを示したが、これに限らず、おむつを構成する部材(例えば、フロントパッチシート10B、バックシート12又はトップシート14等)をサイドフラップ20の領域に重なるように延在させたものを補強部材としてもよく、これにより、補強部材の位置合わせが必要なくなり、部品点数を減らすことができる。
次に、本実施形態におけるサイドフラップ20に剛性領域22を設ける工程について説明する。
<サイドフラップに剛性領域(補強部材)を設ける工程>
サイドフラップ20に設けられる剛性領域22を、カバーシート11の非肌当接面側に設ける場合と、カバーシート11と一対の立体ギャザー15との間に設ける場合とについて順に説明する。
まず、剛性領域22をカバーシート11の非肌当接面側に設ける場合について説明する。サイドフラップ20に剛性領域22が設けられる工程は、前述のおむつの製造工程で示した、サイドフラップが設けられる工程(3)のいずれかの前工、又はサイドフラップが設けられる工程(3)の後工程に行われる。
サイドフラップ20に剛性領域22が設けられる工程を、サイドフラップが設けられる工程(3)のいずれかの前工程とする場合、サイドフラップ20が設けられる予定の領域に剛性領域22を精度良く位置合わせし、設ける必要がある。
サイドフラップ20に剛性領域22が設けられる工程を、サイドフラップが設けられる工程(3)の後工程とする場合、サイドフラップ20の領域を直接確認しながら、剛性領域22を設けることができるため、サイドフラップが設けられる工程(3)のいずれかの前工程とする場合と比べ、簡単に剛性領域22の位置合わせをすることができる。
次に、剛性領域22をカバーシート11と一対の立体ギャザー15との間に設ける場合について説明する。サイドフラップ20に剛性領域22が設けられる工程は、押圧接合される工程(2)の前工程に行われる。接着剤が塗布される工程(1)において、カバーシート11と一対の立体ギャザー15との所定の接合面に塗布されたホットメルト接着剤を利用して、サイドフラップ20が設けられる予定の領域に剛性領域22を精度良く位置合わせし、設ける必要がある。
次に、さらに別の実施形態における前身頃領域10Fのサイドフラップ20に設けられる剛性領域23,24についての詳細を説明する。
<サイドフラップにおける剛性領域(蛇腹形状)の配列パターン>
図6は、図4のサイドフラップにおける剛性領域のさらに別の実施形態を示す斜視図であって、前身頃領域10Fにおけるサイドフラップの剛性領域23,24(折り曲げ線23及び谷折り線24による蛇腹形状)の配列パターンを説明するための図である。
サイドフラップ20は、カバーシート11と一対の立体ギャザー15との所定の接合面に、ホットメルト接着剤を間欠的に塗布し、互いを接合することにより設けられている(図2及び図3参照)。このサイドフラップ20の肌当接面側である立体ギャザー15には、蛇腹形状による剛性領域23,24がサイドフラップ20の領域のみに設けられている。
剛性領域23,24の形状は、図6(a)に示すような縦方向の蛇腹形状、図6(b)に示すような斜め方向の蛇腹形状として設けられている。以下、これらを順に説明する。
縦方向の蛇腹形状である剛性領域23,24の配列パターン(図6(a))をみると、この縦方向に並列した直線形状(折り曲げ線23及び谷折り線24)により、着用時には側腹部に沿うよう折れ曲がるため、フィット感を向上させるとともに、特に、サイドフラップ20の縦方向の撚れを効果的に防止することができ、さらに、通気性を向上させることができる。
斜め方向の蛇腹形状である剛性領域23,24の配列パターン(図6(b))をみると、この斜め方向に並列した直線形状(折り曲げ線23及び谷折り線24)の延在する方向は、着用時におけるサイドフラップ20の引っ張り方向と同一方向成分を有しているため、特に、サイドフラップ20の斜め方向の撚れを効果的に防止しながら引っ張ることができ、さらに、通気性を向上させることができる。また、斜め方向の蛇腹形状(図6(b))は、縦方向の蛇腹形状(図6(a))と比べ設置面積を少なくすることができるため、作業効率を向上させることができる。
本実施形態において、蛇腹形状により設けられる剛性領域23,24は、サイドフラップ20の剛性を高めることができ、サイドフラップ20の形状を、所望の形状、例えば、曲面形状又は平面形状に維持することができる。また、剛性領域23,24を設けるにあたり、追加の部材を必要としないため、部品点数を減らすことができる。さらに、サイドフラップ20に設けられた剛性領域23,24により、サイドフラップ20のグリップ力を向上させることができる。これにより、着用時に、前身頃領域10Fのサイドフラップ20を後身頃領域10R方向に引っ張る際に、サイドフラップ20に撚れが生じることを防止し、装着をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態において、前身頃領域10Fにおけるサイドフラップ20にのみ剛性領域23,24を設けているが、これに限らず、後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20にも剛性領域23,24を設けても良く、この際、前身頃領域10F及び後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20に設ける剛性領域23,24の配列パターンを、同一にしても良いし、異ならせても良い。さらに、後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20に剛性領域23,24を設ける場合には、ファスニングテープ10Aが取り付けられていない領域A(図2の斜線のハッチングで示される領域A)は、ファスニングテープ10Aが取り付けられた領域と比べて剛性が低いことから、領域Aのみに、剛性領域23,24を設けても良いし、領域Aに加え、ファスニングテープ10Aが取り付けられた領域に剛性領域23,24を設けても良い。
なお、実施形態の剛性領域23,24を蛇腹形状(図6(a)及び図6(b))とする場合、隣接する折り曲げ線23及び谷折り線24同士を密に配置することにより、蛇腹形状の延在方向と垂直な方向への剛性を高めることができる。また、実施形態の剛性領域23,24において、着用者の肌触りを良くするために、サイドフラップ20の肌当接面側である立体ギャザー15に設けられているが、サイドフラップ20の非肌当接面側であるカバーシート11に設けられてもよい。
次に、本実施形態におけるサイドフラップ20に設けられる剛性領域23,24を設ける工程について説明する。
<サイドフラップに剛性領域(蛇腹形状)を設ける工程>
サイドフラップ20に剛性領域23,24が設けられる工程は、前述のおむつの製造工程で示した、接着剤が塗布される工程(1)の前工程に行われる。サイドフラップ20に剛性領域23,24を設ける工程において、サイドフラップ20が設けられる予定の領域にプレス等による折り畳み加工による剛性領域23,24を精度良く位置合わせし、設ける必要がある。ただし、サイドフラップ20の領域の縦方向の上端部(縦方向の蛇腹形状(図6(a))及び斜め方向の蛇腹形状(図6(b))の縦方向の上端部)においては、サイドフラップ20の領域の縦方向の上端部から切欠き部11Nに亘って剛性領域23,24を設けても、サイドフラップが設けられる工程(3)において、切欠き部11Nをカットするため、剛性領域23,24を精度良く位置合わせをする必要はない。ここで、サイドフラップ20に斜め方向の蛇腹形状(図6(b))を設ける場合には、切欠き部15Nとともにカットされる蛇腹形状の領域を少なくすることができるため、生産性を向上させることができる。
本実施形態では、少なくとも前身頃領域10Fにおけるサイドフラップ20にのみ、熱融着又は超音波溶着による剛性領域21、補強部材による剛性領域22、及び、蛇腹形状による剛性領域23,24のいずれか一つを設けるものであるが、これに限らず、これらの組合せを設けても良い。さらに、後身頃領域10Rにおけるサイドフラップ20にも、熱融着又は超音波溶着による剛性領域21、補強部材による剛性領域22、及び、蛇腹形状による剛性領域23,24のいずれか一つ、又は、これらの組合せを設けてもよい。