JP2019162038A - プレートの製造方法、製造装置、及び製造プログラム、並びに製造されたプレート - Google Patents
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Abstract
Description
これらの微量の遺伝子検出においては、定量解析を行う場合に、標準試料を用いる必要がある。例えば、特定の塩基配列を有するDNA断片を限界希釈し、得られた希釈液のリアルタイムPCRの結果から、目的とする分子数を含む希釈液を選別する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特定のコピー数のDNA断片を細胞に遺伝子組み換え技術により導入し、培養した細胞を単離することにより、目的のコピー数のDNA断片を含有する標準試料の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
目的の塩基配列を有する核酸に標識を付与する標識付与工程と、
前記標識が付与された核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分する微小区画化工程と、
前記微小区画に区分する前、又は前記微小区画に区分した後に、前記標識を検出する標識検出工程と、
前記標識を検出した結果をもとに、前記微小区画の1区画内に存在する核酸の前記目的の塩基配列の数を特定する塩基配列の数特定工程と、
前記目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む前記微小区画をプレートのウェルに配する核酸配置工程と、
を含むことを特徴とする。
しかし、1分子あるいは極めて低分子数のDNAの検出を対象とした方法は、いまのところ確立されていない。このような検出方法においては、含まれるDNAの分子数がわかっているサンプル(標準試料)の提供が必要であるが、従来の技術では数分子レベルでの標準試料の供給は困難である。
上記特許文献2に記載の方法には、1分子の核酸の標準試料を作製する方法が記載されている。しかし、上記特許文献2に記載の方法では、2分子以上の核酸の標準試料の作製は難しい。また上記特許文献2に記載の方法では、対象配列を有するDNA断片を細胞に導入するため、細胞由来の核酸や細胞質などの夾雑物が含有する。細胞由来の夾雑物が含有された標準試料は、非特異的な増幅が起きたりPCRなどの反応において反応効率が低下するなどの問題が生じるため、できるだけ標準試料には、細胞由来の夾雑物が含有されていないことが望ましい。
また、1分子あるいは極めて低分子数のRNAの検出を対象とした方法はいまだ提供されていない。
本発明のプレートの製造方法によれば、目的の塩基配列の数が特定された核酸を、該目的の塩基配列の数が所定数となるよう、プレート上の所定のウェルに分注することができる。これにより、精度の高い標準試料を作製することができる。このような高精度の標準試料を用いることで、DNAやRNAを対象とした核酸増幅技術を含む遺伝子検査に基づく分析検査の性能評価や精度管理が良好に行える。
本発明のプレートの製造方法は、標識付与工程と、微小区画化工程と、標識検出工程と、塩基配列の数特定工程と、核酸配置工程と、を含む。本発明のプレートの製造方法は、必要に応じて、その他の工程を含むことができる。
本発明のプレートの製造装置は、標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を用いて、微小区画化手段と、標識検出手段と、塩基配列の数特定手段と、核酸配置手段と、を有する。本発明のプレートの製造装置は、必要に応じて、その他の手段を有することができる。
本発明のプレートの製造プログラムは、核酸を含む微小区画をプレートのウェルに配するプレートの製造方法に用いるプログラムである。
本発明のプレートの製造プログラムは、標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分し、微小区画に区分する前、又は微小区画に区分した後に、標識を検出する、処理をコンピュータに実行させる。また本発明のプレートの製造プログラムは、標識を検出した結果をもとに、微小区画の1区画内に存在する核酸の目的の塩基配列の数を特定し、目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む微小区画をプレートのウェルに配する、処理をコンピュータに実行させる。
本発明のプレートの製造方法は、本発明のプレートの製造装置を用い、本発明のプレートの製造装置は、本発明のプレートの製造方法を実施することと同義であるので、本発明の製造方法の説明を通じて本発明のプレートの製造装置の詳細についても明らかにする。また、本発明のプレートの製造プログラムは、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明のプレートの製造装置として実現させることから、本発明のプレートの製造装置の説明を通じて本発明のプレートの製造プログラムの詳細についても明らかにする。
標識付与工程とは、目的の塩基配列を有する核酸に標識を付与する工程である。
<<目的の塩基配列を有する核酸>>
目的の塩基配列とは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、以下のものであると好ましい。
目的の塩基配列は、感染症検査に用いられる塩基配列(ウイルスの保存領域)、自然界に存在しない塩基配列、遺伝子組換えに用いられる塩基配列、動物由来の塩基配列、植物由来の塩基配列などが挙げられる。
核酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DNA、RNAなどが挙げられる。
尚、本発明においては、目的とする塩基配列そのもの(例えば、1遺伝子であるいわゆる最小単位)を1コピーともいう。さらにこの目的の塩基配列である1コピーを有し、その他の塩基配列も含む、一つにつながれた核酸の一つの単位を1分子ともいう。本発明では、検出する核酸1つ(1分子の核酸)に対して、その核酸の中に含まれている目的の塩基配列は1コピーであるのが好ましい。
標識物質が蛍光物質である場合、例えば、蛍光物質としては、フルオレセイン、テトラメチルローダミン、シアニン、テキサスレッド、ジエチルアミノクマリン、リサミン、ROX、TAMRA、R6G、R110などが挙げられる。
標識が付されたヌクレオシドを、PCR反応で増幅させる方法、RNA Polymeraseを用いて転写反応する方法、及びTdT反応1本鎖DNAの3’末端に目的のヌクレオチドを付加する方法のいずれかの方法を用いて、核酸に付加することなどが挙げられる。
尚、使用するプライマーは目的の塩基配列に応じて選択することができ、増幅反応条件もプライマーのTm値から決定できる。
標識されたヌクレオチドを付加する数は、標識によって異なるが100以上が好ましく、500以上がより好ましく、1,000以上がさらに好ましい。100を下回ると検出下限となる可能性がある。
標識が付されたヌクレオチドとしては、例えば、標識が付されたデオキシウリジン三リン酸、デオキシアデノシン三リン酸、デオキシグアノシン三リン酸、デオキシチミジン三リン酸、デオキシシチジン三リン酸が挙げられる。
核酸に標識を付与する方法として、例えば、標識されたヌクレオチドと標識されていないヌクレオチドを混合してPCR増幅したり、PCR増幅において、塩基配列におけるチミンを蛍光標識されたウラシルに置換する方法が好ましく挙げられる。
(i)目的の塩基配列を有するDNAに対し、蛍光標識されたデオキシウリジン三リン酸を用いて増幅処理することにより、標識が付与された目的の塩基配列を有するDNAを得る。尚、該増幅処理後に、蛍光標識された鎖を除去するために、Uracil−N−Glycosylase(UNG)処理を行なってもよい。
(ii)目的の塩基配列を有するDNAに対し、標識が付されたヌクレオチドと、RNA Polymeraseとを用い反応させることにより、RNAを合成し、標識が付与されたRNAを得る。尚、RNA合成処理とともに、鋳型となるDNAを除去するために、DNase処理を行なってもよい。
微小区画化工程とは、標識が付与された核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分する工程である。
微小区画に区分するとは、目的の塩基配列を1コピー有する核酸とその核酸に付与される標識との対を1単位としてみたときに、その単位を基準に、標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を微小区画内に配置することをいう。
本発明では、標識が付与された核酸を含有する核酸含有溶液が上記1単位を基準として微小区画内に配置されるように区分されればよく、微小区画の形態に特に制限はなく、例えば、核酸含有溶液が液体状態で区画化されても、ゲル状態で区画化されてもよい。
好ましい態様としては、核酸含有溶液が液体状態で、例えば、液滴として微小区画化されることが挙げられる。
液滴とは、表面張力によりまとまった液体のかたまりをいう。
本発明の微小区画化する好ましい態様として、プレートのウェルに着弾される1液滴内に、上記1単位を基準とする標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を配置する態様が挙げられる。
本発明では、目的の塩基配列を1コピー有する核酸とその核酸に付与される標識とからなる1単位が、その1単位を基準として液滴中に配置されるが、より好ましくは、1単位1液滴となるように区分されている態様である。
但し、1液滴に2単位入ってしまった場合を除く趣旨ではない。1液滴に2単位入っている場合でも、核酸に付与されている標識に対して行なった検出結果から、液滴中に目的の塩基配列が2コピー分入っていることを特定すれば、1液滴中に含まれる目的の核酸配列のコピー数を特定することができるからである。
これにより、目的の塩基配列を1コピー有する核酸に対し、その核酸に付く標識となる物質の数(量)が対応付けられ、標識を検出することにより、その検出された結果から、目的の塩基配列のコピー数を正確に特定することができる。
また、本発明では、標識する物質は、核酸に直接付与しており、細胞を用いて標識を行なっていないため、細胞を含まない態様で液滴化している。したがって、液滴を分注した各ウェルの中には、細胞を構成する成分、例えば、細胞膜、細胞質、その他細胞から分解されたものなどの細胞由来のものは入っていない。これにより、製造されたプレートを使ってそれ以降の反応を行う際、細胞由来の夾雑物が含有されていないため、反応効率の低下等の問題を防止することができる。
液滴に区分する方法としては、プレートのウェルに着弾させる1液滴内に、上記1単位を基準とする標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を配置することができる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて各種の方法が選択できる。
例えば、液滴を吐出する方法が挙げられる。液滴を吐出する方法としては、例えば、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を有する液滴形成装置を用いて液滴を吐出する方法や、フローサイトメーター/セルソーターを用いて液滴を吐出する方法などが挙げられる。
液滴に区分する方法の具体的実施形態については、後述する。
標識検出工程とは、微小区画に区分する前、又は微小区画に区分した後に、標識を検出する工程である。
微小区画に区分する前、又は微小区画に区分した後に、標識を検出する具体的実施形態については、後述する。
標識を検出する方法としては、例えば、光学的ラベルを光学的に検出する、電気的又は磁気的ラベルを検出する、あるいは放射線ラベルの放射線量を検出等が挙げられる。
中でも、蛍光ラベルを光学的に検出することが、好ましい。
塩基配列の数特定工程とは、標識を検出した結果をもとに、微小区画の1区画内に存在する核酸の目的の塩基配列の数を特定する工程である。
上述したように、目的の塩基配列を1コピー有する核酸に対し、その核酸に付く標識(具体的には、標識物質、例えば、蛍光物質)の数(量)は対応付けられている。目的の塩基配列を1コピー有する核酸とその核酸に付いている標識物質とが対になり1単位を形成し、その1単位を基準に1区画内に含まれている。したがって、その標識を検出し、その結果(検出量)をもとにすれば、目的の塩基配列のコピー数を正確に特定することができる。例えば、蛍光強度を測定することにより、その蛍光強度の結果をもとに、どのくらいの標識物質が付与されているかが特定でき、さらにはその標識物質が付いている目的の塩基配列のコピー数を特定することができる。
核酸配置工程とは、目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む微小区画をプレートのウェルに配する工程である。
上述したように、<塩基配列の数特定工程>において、1液滴中に存在する目的の塩基配列のコピー数が特定できる。したがって、プレート上の所望の位置のウェルに、目的の塩基配列の数が所望の数となるよう、液滴を所定の数分注することができる。
ウェルに配される核酸における目的の塩基配列のコピー数としては、一般的に感染症の検量線用途、例えばノロウイルスの通知法では100から107までの領域で検量線が作製されることから、100コピー以上107コピー以下が好ましい。
以下、本発明のプレートの製造方法、製造装置の具体的な実施形態について、説明する。
<<<液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を有する液滴形成装置を用いて液滴を吐出し、液滴吐出後に標識を検出する方法>>>
液滴吐出後に標識を検出する方法の一例として、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を有する液滴形成装置を用いて液滴を吐出し、その後、標識を検出する方法が挙げられる。
これは、液滴を吐出後、プレート上のウェル内に液滴が着弾する前に、標識を検出する方法である。
−液滴形成方法−
標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸の溶液(以下、特定の核酸溶液ともいう)を、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を用いて、液滴として吐出する。
吐出とは、標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸の溶液を液滴として飛翔させることをいう。
オンデマンド方式としては、例えば、液体に圧力を加えることによって液体を吐出する圧力印加方式、加熱による膜沸騰によって液体を吐出するサーマル方式、静電引力によって液滴を引っ張ることによって液滴を形成する静電方式等の既知の複数の方式などが挙げられる。
液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の構成例を図1A〜図1Cに示す。
図1Aは、電磁バルブ方式の液滴吐出ヘッドの一例を示す模式図である。電磁バルブ方式の液滴吐出ヘッドは、電動機13a、電磁弁12、液室10、特定の核酸溶液14、及びノズル11を有する。
電磁バルブ方式の液滴吐出ヘッドとしては、例えば、TechElan社のディスペンサなどを好適に用いることができる。
また、図1Bは、ピエゾ方式の液滴吐出ヘッドの一例を示す模式図である。ピエゾ方式の液滴吐出ヘッドは、圧電素子13b、液室10、特定の核酸溶液14、及びノズル11を有する。
ピエゾ方式の液滴吐出ヘッドとしては、Cytena社のシングルセルプリンターなどを好適に用いることができる。
また、より好ましい構成として図1Cに示した構成なども挙げられる。図1Cは、図1Bにおける圧電素子を用いたピエゾ方式の液滴吐出ヘッドの変形例の模式図である。図1Cの液滴吐出ヘッドは、圧電素子13c、液室10、特定の核酸溶液14、及びノズル11を有する。
図1Cの液滴吐出ヘッドでは、図示していない制御装置からの圧電素子13cに対して電圧印加することにより、紙面横方向に圧縮応力が加わりメンブレンを紙面上下方向に変形させることができる。
液滴吐出ヘッドは、圧電素子に形成された上下電極に、パルス状の電圧を印加することにより液滴を吐出することができる。図2A〜図2Cは、それぞれのタイミングにおける液滴の状態を示す模式図である。図2Aは、まず、圧電素子13cに電圧を印加することにより、メンブレン15が急激に変形することによって、液室10内に保持された特定の核酸溶液とメンブレン15との間に高い圧力が発生し、この圧力によってノズル部から液滴が外に押し出される。次に、図2Bに示すように、圧力が上方に緩和するまでの時間、ノズル部からの液押し出しが続き液滴が成長する。最後に、図2Cに示すように、メンブレン15が元の状態に戻る際に特定の核酸溶液とメンブレン15との界面近傍の液圧力が低下し、液滴16が形成される。
図3に示すように、液滴を着弾させるプレートの製造装置2は、液滴形成装置1と、プレート23と、ステージ24と、制御装置25とを有している。
図4Aを用いて、液滴の吐出後に標識を検出する方法であって、光学的に標識を検出する方法について、以下説明する。
図4Aは、液滴形成装置の一例を示す模式図である。図4Bは、液滴形成装置の他の一例を示す模式図である。図4Aに示すように、液滴形成装置1は、液滴形成手段である液滴吐出ヘッド30と、駆動手段34と、標識物質の検出手段である光照射手段(光源)35及び受光手段(受光素子)36と、制御手段37とを有する。
駆動手段34によって液滴吐出ヘッド30から液滴が吐出され、駆動手段34からの駆動信号と同期して発光する光Lによって飛翔液滴中の蛍光標識が蛍光を発する。その蛍光を受光素子36が受光し、受光素子36からの標的物質の検出結果の情報をもとに、飛翔液滴中の目的の塩基配列のコピー数がカウントされる。
図4A及び図4Bを用いて、さらに詳しく説明する。
コピー数を計数する手段は、例えば、受光素子36が受光した光量と予め設定された閾値とを比較して、蛍光標識された目的の塩基配列を有する核酸21のコピー数を特定(計数)することができる。
上述した、オンデマンド方式以外の方式で液滴を吐出する方法として、例えば、連続的に液滴を吐出させるコンティニュアス方式による液滴形成方法が挙げられる。
コンティニュアス方式では、液滴を加圧してノズルから押し出す際に圧電素子やヒーターによって定期的なゆらぎを与え、それによって微小な液滴を連続的に作り出すことができる。さらに、飛翔中の液滴の吐出方向を電圧を印加することによって制御することにより、ウェルに着弾させるか、回収部に回収するかを選ぶことも可能である。
このような方式は、セルソーター、又はフローサイトメーターで用いられており、例えば、ソニー株式会社製の装置名:セルソーターSH800を用いることができる。
尚、セルソーター、又はフローサイトメーターは、液滴吐出前に標識を検出する態様で使用することもできる。よって、その場合の態様については、下記<<(2)液滴吐出前に標識を検出する実施形態>>の欄で詳しく説明する。
上述した光学的な検出を、電気的又は磁気的な検出に変えることもできる。電気的又は磁気的に検出する方法としては、図5に示すように、液室10から特定の核酸溶液を液滴22としてプレート39に吐出する液滴吐出ヘッドの直下に、コピー数計数のためのコイル38がセンサとして設置されている。核酸には特定の磁気ビーズが付加されており、磁気ビーズが付着した核酸がコイル中を通過する際に発生する誘導電流によって、飛翔液滴中の目的の塩基配列の有無を検出することができる。
<<<フローサイトメーター/セルソーターを用いて、液滴吐出前に標識を検出する方法>>>
液滴を吐出する前に標識を検出する方法としては、図6に示すマイクロ流路41中を通過してきた特定の核酸21をカウントする方法が挙げられる。図6はセルソーター装置において用いられている方法であり、例えば、ソニー株式会社製のセルソーターSH800を用いることができる。図6では、マイクロ流路41中に光源44からレーザー光を照射して散乱光や蛍光を、集光レンズ43を用いて検出器42により検出することによって目的の塩基配列を有する核酸の有無を識別しながら液滴を形成することが可能である。本方法を用いることによって、マイクロ流路41中に通過した目的の塩基配列のコピー数を特定することができる。特定の核酸21が存在する領域、存在しない領域のそれぞれに対応した液滴が吐出されるため、特定の核酸21が液滴内に配置されている液滴を選択することができ、特定の核酸21が液滴内に配置されている液滴のみをウェル中に着弾させることができる。これにより、所定のコピー数の目的の塩基配列を有する核酸を、ウェル中に着弾させることができる。
フローサイトメーター/セルソーターの形態としては、図7Aに示すキャピラリー方式のフローセル、図7Bに示すシース液方式のフローセル、いずれも用いることができる。
図7A、及び図7Bにおいて、符号41はマイクロ流路を、符号21は目的の塩基配列を有する核酸(特定の核酸)を、符号45は光源を、符号46は分光器・検出器を、符号47は荷電手段を、符号48はシース液導入を示す。
荷電手段47は、水流が液滴に分かれる直前に+又は−の荷電を加える手段である。これにより、特定の核酸が含まれている液滴を+又は−に帯電させることができる。例えば、液滴が偏光板の間を落下するとき、帯電されている液滴は+に荷電した液滴は−極板側に、−に荷電した液滴は+極板側に、引き寄せられる。これにより、特定の核酸が含まれる液滴をプレートのウェル上に着弾させることができる。一方、帯電されなかった液滴はそのまま落下するため、回収して廃棄することができる。
ドロップレットジェネレータを用いて、液滴吐出前に標識を検出することもできる。ドロップレットジェネレータでは、例えば、図8で示すように、液滴吐出前にマイクロ流路内で標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸(特定の核酸)21を含む液滴51が形成されている。マイクロ流路内で液滴状態を形成する方法としては、特許第3746766号の方法等を用いることができる。
図8において、符号21は特定の核酸を、符号51は液滴を、符号52は光源を、符号53は分光器・検出器を、符号54は負電極を、符号55は正電極を、符号56はオイル導入を示す。
ドロップレットジェネレータでは、特定の核酸が含まれる液滴を含まれていない液滴と区別した後、該液滴を吐出することにより、特定の核酸が含まれる液滴をプレートのウェル上に着弾させることができる。
プレートの製造プログラムは、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明のプレートの製造装置において、プレートの製造方法を実行させるものである。
プレートの製造プログラムによる処理は、プレートの製造装置を構成する制御部を有するコンピュータを用いて実行することができる。
プレートの製造装置は、例えば、図3で示すように、液滴形成装置1と、プレート23と、ステージ24と、制御装置25とを有する。液滴形成装置1は、図4Aで示すように、液滴吐出ヘッド30と、駆動手段34と、光源35と、受光素子36と、制御手段37とを有する。ここで、プレートの製造装置における制御装置25は、液滴形成装置1の制御手段37を兼ねることもできる。
そして、このプレートの製造装置における制御装置25において、プレートの製造プログラムを実行することができる。
上記本発明のプレートの製造方法により、以下のプレートが製造される。
本発明のプレートは、少なくとも1つのウェルを有する。
プレートにおけるウェルには、目的の塩基配列の数が特定された核酸が含まれており、細胞を構成する成分、例えば、細胞膜、細胞質、その他細胞から分解されたものなどの細胞由来のものは入っていない。
プレートは、プレートを認識するための認識手段と、ウェルに含まれている核酸に関する情報を保持する情報保持手段とを有する。
ウェルは、その形状、数、容積、材質、色などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ウェルの形状としては、核酸などを配することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平底、丸底、U底、V底等の凹部、プレート上の区画などが挙げられる。
ウェルの数は、少なくとも1つであり、2以上の複数であることが好ましい。
ウェルの容積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一般的な核酸検査装置に用いられる試料量を考慮すると、10μL以上1,000μL以下が好ましい。
ウェルの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ふっ素樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
プレートの材質、形状、大きさ、構造などについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
プレートの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体、セラミックス、金属、ガラス、石英ガラス、プラスチックスなどが挙げられる。これらの中でも、プラスチックスが好ましい。
認識手段は、プレートに設けられ、プレートを認識するための手段である。
認識手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メモリ、ICチップ、バーコード、QRコード(登録商標)、Radio Frequency Identifier(以下、「RFID」とも称することがある)、色分け、印刷などが挙げられる。
認識手段を設ける位置及び認識手段の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
情報保持手段は、プレートの測定領域以外の部位に、複数のウェルに収容されている核酸に関する情報を記憶する手段である。なお、プレートの測定領域とは、測定対象物を保持可能なウェル部をいう。
情報保持手段としては、例えば、メモリ、ICチップなどが挙げられる。
プレートの測定領域以外の部位としては、測定する領域以外の部位であれば、プレートの内部であってもプレートの外部であってもよい。
情報保持手段は、プレートから着脱可能に設けられていることが好ましい。情報保持手段の着脱方法としては、プレートと情報保持手段の境界部にミシン目を設けておくことにより、必要に応じてミシン目に沿って情報保持手段を切り離すことができる。これにより、プレートを分析装置に挿入する際には、情報保持手段をプレートから切り離して、切り離した情報保持手段を読み取り装置に入れて、両者を対応付けすることができる。
情報保持手段は、結合部材によりプレートに取り付けられていることが好ましい。これにより、情報保持手段の紛失を防止することができる。結合部材としては、例えば、紐、磁石などが挙げられる。
認識手段に記憶させる情報としては、ウェルに含まれている核酸に関する情報であり、各ウェルにおける、目的の塩基配列のコピー数の情報や、その他、例えば、分析結果(発光強度等)、核酸の種類、測定日時、測定者の氏名などの情報が挙げられる。
情報保持手段に記憶されている情報の読み取りは、外部の情報読み取り装置を用いて行うことができ、プレートを分析装置に装着した際に、装置に内蔵している読み取り機構により行うことができる。
目的の塩基配列を有する核酸(Template)としてCRM 6204−b(産業技術総合研究所:配列番号1)に、2μMのReverse Primer、PCR Fluorescein Labeling Mix、H2Oを、下記表1で示す処方で加えた。そして、65℃、5分間処理し、Solution1を得た。
ここで、Reverse Primerは、Thermofisher:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製(配列番号3)を用いた。PCR Fluorescein Labeling Mixは、Roche:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製を用いた。
ここで、SuperScriptIVは、Thermofisher:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製を用いた。
ここで、Taq DNA Polymeraseは、Roche:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製を用いた。PCR Buffer with MgCl2は、Roche:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製を用いた。Forward Primerは、Thermofisher:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製(配列番号2)を用いた。Reverse Primerは、Thermofisher:サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製(配列番号3)を用いた。PCR Fluorescein Labeling Mixは、Roche:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製を用いた。
液滴内における目的の塩基配列の数がわかっているので、プレートの全てのウェルに対し、目的の塩基配列が10コピーになるよう、液滴を分注した。
これにより、目的の塩基配列の数が既知である核酸をウェルに配したプレートを作製できた。
<1> 目的の塩基配列を有する核酸に標識を付与する標識付与工程と、
前記標識が付与された核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分する微小区画化工程と、
前記微小区画に区分する前、又は前記微小区画に区分した後に、前記標識を検出する標識検出工程と、
前記標識を検出した結果をもとに、前記微小区画の1区画内に存在する核酸の前記目的の塩基配列の数を特定する塩基配列の数特定工程と、
前記目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む前記微小区画をプレートのウェルに配する核酸配置工程と、
を含むことを特徴とするプレートの製造方法である。
<2> 前記標識付与工程は、標識が付されたヌクレオシドを、増幅反応、転写反応、及びTdT反応のうちいずれかの反応を用いて、前記核酸に付加することにより行う、前記<1>に記載のプレートの製造方法である。
<3> 前記ヌクレオシドが、ウリジンである、前記<2>に記載のプレートの製造方法である。
<4> 目的の塩基配列を有するDNAに対し、前記標識が付されたヌクレオシドと、RNA Polymeraseとを反応させることにより、RNAを合成し、標識が付与されたRNAを合成する工程をさらに含む、前記<2>から<3>のいずれかに記載のプレートの製造方法である。
<5> 前記微小区画化工程が、液滴を形成することにより行われる、前記<1>から<4>のいずれかに記載のプレートの製造方法である。
<6> 前記標識の検出が、光学的ラベルの検出、電気的又は磁気的ラベルの検出、及び放射線ラベルの検出のいずれかである、前記<1>から<5>のいずれかに記載のプレートの製造方法である。
<7> 標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分する微小区画化手段と、
前記微小区画に区分する前、又は前記微小区画に区分した後に、前記標識を検出する標識検出手段と、
前記標識を検出した結果をもとに、前記微小区画の1区画内に存在する核酸の前記目的の塩基配列の数を特定する塩基配列の数特定手段と、
前記目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む前記微小区画をプレートのウェルに配する核酸配置手段と、
を有することを特徴とするプレートの製造装置である。
<8> 核酸を含む微小区画をプレートのウェルに配するプレートの製造方法に用いるプレートの製造プログラムであって、
標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分し、
前記微小区画に区分する前、又は前記微小区画に区分した後に、前記標識を検出し、
前記標識を検出した結果をもとに、前記微小区画の1区画内に存在する核酸の前記目的の塩基配列の数を特定し、
前記目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む前記微小区画をプレートのウェルに配する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプレートの製造プログラムである。
<9> 少なくとも1つのウェルを有するプレートであって、
前記ウェルが、目的の塩基配列の数が特定された核酸を含み、
前記ウェルには、細胞を構成する成分は含まれておらず、
前記プレートは、前記プレートを認識するための認識手段と、前記ウェルに含まれている前記核酸に関する情報を保持する情報保持手段とを有することを特徴とするプレートである。
2 プレートの製造装置
23 プレート
24 ステージ
25 制御装置
30 液滴吐出ヘッド
34 駆動手段
35 光源
36 受光素子
37 制御手段
Claims (9)
- 目的の塩基配列を有する核酸に標識を付与する標識付与工程と、
前記標識が付与された核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分する微小区画化工程と、
前記微小区画に区分する前、又は前記微小区画に区分した後に、前記標識を検出する標識検出工程と、
前記標識を検出した結果をもとに、前記微小区画の1区画内に存在する核酸の前記目的の塩基配列の数を特定する塩基配列の数特定工程と、
前記目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む前記微小区画をプレートのウェルに配する核酸配置工程と、
を含むことを特徴とするプレートの製造方法。 - 前記標識付与工程は、標識が付されたヌクレオシドを、増幅反応、転写反応、及びTdT反応のうちいずれかの反応を用いて、前記核酸に付加することにより行う、請求項1に記載のプレートの製造方法。
- 前記ヌクレオシドが、ウリジンである、請求項2に記載のプレートの製造方法。
- 目的の塩基配列を有するDNAに対し、前記標識が付されたヌクレオシドと、RNA Polymeraseとを反応させることにより、RNAを合成し、標識が付与されたRNAを合成する工程をさらに含む、請求項2から3のいずれかに記載のプレートの製造方法。
- 前記微小区画化工程が、液滴を形成することにより行われる、請求項1から4のいずれかに記載のプレートの製造方法。
- 前記標識の検出が、光学的ラベルの検出、電気的又は磁気的ラベルの検出、及び放射線ラベルの検出のいずれかである、請求項1から5のいずれかに記載のプレートの製造方法。
- 標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分する微小区画化手段と、
前記微小区画に区分する前、又は前記微小区画に区分した後に、前記標識を検出する標識検出手段と、
前記標識を検出した結果をもとに、前記微小区画の1区画内に存在する核酸の前記目的の塩基配列の数を特定する塩基配列の数特定手段と、
前記目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む前記微小区画をプレートのウェルに配する核酸配置手段と、
を有することを特徴とするプレートの製造装置。 - 核酸を含む微小区画をプレートのウェルに配するプレートの製造方法に用いるプレートの製造プログラムであって、
標識が付与された目的の塩基配列を有する核酸を含有する核酸含有溶液を微小区画に区分し、
前記微小区画に区分する前、又は前記微小区画に区分した後に、前記標識を検出し、
前記標識を検出した結果をもとに、前記微小区画の1区画内に存在する核酸の前記目的の塩基配列の数を特定し、
前記目的の塩基配列の数が特定された核酸を含む前記微小区画をプレートのウェルに配する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプレートの製造プログラム。 - 少なくとも1つのウェルを有するプレートであって、
前記ウェルが、目的の塩基配列の数が特定された核酸を含み、
前記ウェルには、細胞を構成する成分は含まれておらず、
前記プレートは、前記プレートを認識するための認識手段と、前記ウェルに含まれている前記核酸に関する情報を保持する情報保持手段とを有することを特徴とするプレート。
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