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JP2019156780A - キサンチンオキシダーゼ阻害剤 - Google Patents

キサンチンオキシダーゼ阻害剤 Download PDF

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JP2019156780A
JP2019156780A JP2018046920A JP2018046920A JP2019156780A JP 2019156780 A JP2019156780 A JP 2019156780A JP 2018046920 A JP2018046920 A JP 2018046920A JP 2018046920 A JP2018046920 A JP 2018046920A JP 2019156780 A JP2019156780 A JP 2019156780A
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沙理 本田
Sari Honda
沙理 本田
俊哉 増田
Toshiya Masuda
俊哉 増田
藤井 繁佳
Shigeyoshi Fujii
繁佳 藤井
真一郎 黒澤
Shinichiro Kurosawa
真一郎 黒澤
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Abstract

【課題】コーヒーに由来するキサンチンオキシダーゼ阻害剤、当該キサンチンオキシダーゼ阻害剤を有効成分とする医薬品及び機能性食品、並びにコーヒーの焙煎豆からキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する化合物を含有する画分を、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物として回収する方法の提供。【解決手段】下記一般式(1)〜(3)[式(1)〜(3)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、水素原子、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基を表す。ただし、R1〜R3の2つ以上が水素原子である場合を除く。]のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体を有効成分とすることを特徴とする、キサンチンオキシダーゼ阻害剤。[化1]【選択図】なし

Description

本発明は、飲食品に由来するキサンチンオキシダーゼ阻害剤に関する。
生活習慣病の一つとして知られている痛風は、プリン体の代謝異常による高尿酸血症を原因として、足の親指等の関節に激しい痛みを伴う疾患である。このような痛みは、液中で増加した尿酸が結晶化し、関節に沈着するために起こる。近年、食生活が急速に変化し、高カロリー、高タンパク、高脂肪の食事を摂る人が増加している。この食生活の変化に伴って痛風の患者も年々増加しており、痛風及び高尿酸血症の予防及び治療に関する関心が高まっている。
痛風は、血液中の尿酸の増加によっておこる病気であり、血液中の尿酸を正常値内にコントロールすることが、痛風や高尿酸血症等の病気に対する予防及び治療の基本である。キサンチンオキシダーゼは、生体内尿酸合成において重要な役割をはたしている酵素であり、このキサンチンオキシダーゼを阻害する薬剤は、痛風や高尿酸血症等の予防薬及び治療薬として有用である。
しかしながら、血中尿酸値調整用薬剤として従来から使用されている尿酸合成抑制剤「アロプリノール」等は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性が一過性であること、副作用を伴うこと等の問題点がある。そこで、副作用のないあるいは少ない天然物由来であり、かつ日常摂取している飲食品由来の尿酸値低減剤が求められている。例えば、特許文献1には、ウイスキー又はその製造に用いられるブナ科コナラ植物から抽出された成分を有効成分とするキサンチンオキシダーゼ阻害剤が開示されており、特許文献2には、大麦の発酵物由来の成分を有効成分とする血清尿酸値低減剤が記載されている。また、特許文献3には、アスコフィラム抽出物及びタマリンド抽出物が、血清中尿酸値低減に有効であることが記載されており、特許文献4には、バラ抽出物を有効成分とするキサンチンオキシダーゼ阻害剤が開示されている。特許文献5にはフェルオイルキナ酸ラクトン類あるいはクマロイルキナ酸ラクトン類にキサンチンオキシダーゼ阻害活性がある事が報告されている。さらに、非特許文献1には、焙煎したコーヒー豆の熱水抽出物中に含まれているクロロゲン酸ラクトンにキサンチンオキシダーゼ阻害活性があることが報告されている。
特許第4988166号公報 特許第5044643号公報 特許第5437672号公報 特許第5498067号公報 特開2017−048185号公報
Honda, et al., Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2014, vol.78(12), p.2110-2116.
特許文献1〜5に記載のキサンチンオキシダーゼ阻害活性成分は、原料となる天然物からの精製や単離が困難であるとともに、活性は十分ではない。一方で、非特許文献1には、焙煎コーヒー豆の熱水抽出物中に含まれているキサンチンオキシダーゼ阻害活性がある物質として、クロロゲン酸ラクトン以外については記載がない。
本発明は、世界で最も利用されている嗜好飲料で、しかも痛風予防効果が期待されているコーヒーに由来するキサンチンオキシダーゼ阻害剤、当該キサンチンオキシダーゼ阻害剤を有効成分とする医薬品及び機能性食品、並びにコーヒーの焙煎豆からキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する化合物を含有する画分を、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物として回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、キナ酸ラクトンにカフェ酸、フェルラ酸、クマル酸よりなる群から選ばれた1種類以上の化合物が2つ以上エステル結合したキナ酸ラクトン誘導体は、強力なキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有することを見出し、本発明を完成させた。
[1] 本発明の第一の態様に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、下記一般式(1)〜(3)
Figure 2019156780
[式(1)〜(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基を表す。ただし、R〜Rの2つ以上が水素原子である場合を除く。]
のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体を有効成分とすることを特徴とする、キサンチンオキシダーゼ阻害剤。
[2] 前記[1]のキサンチンオキシダーゼ阻害剤としては、前記R、R、及びRのうち、いずれか2つがそれぞれ独立して、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基であり、残る1つが水素原子であることが好ましい。
[3] 前記[1]のキサンチンオキシダーゼ阻害剤としては、前記R、R、及びRのうち、いずれか2つがカフェオイル基であり、残る1つが水素原子であることが好ましい。
[4] 前記[1]のキサンチンオキシダーゼ阻害剤としては、前記一般式(2)又は(3)で表され、前記R、R、及びRのうち、R、Rがそれぞれ独立して、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基であり、Rが水素原子であるキナ酸ラクトン誘導体を有効成分とすることが好ましい。
[5] 本発明の第二の態様に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、粉砕豆のL*値が30以上45以下である焙煎コーヒー豆の熱水抽出物から脂溶性有機溶媒により抽出された脂溶性有機溶媒抽出物を有効成分とする。
[6] 本発明の第三の態様に係るキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物の製造方法は、粉砕豆のL*値が30以上45以下である焙煎コーヒー豆の熱水抽出物と脂溶性有機溶媒を混合した後、脂溶性有機溶媒層のみを、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物として回収する脂溶性有機溶媒層回収工程を有することを特徴とする。
[7] 前記[6]のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物の製造方法としては、前記脂溶性有機溶媒が、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、又はこれらのいずれかを含む混合溶媒であることが好ましい。
[8] 前記[6]又は[7]のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物の製造方法としては、前記脂溶性有機溶媒層回収工程の後、回収された脂溶性有機溶媒層から、下記一般式(1)〜(3)
Figure 2019156780
[式(1)〜(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基を表す。ただし、R〜Rの2つ以上が水素原子である場合を除く。]
のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体を含む画分を回収する分画工程を有することが好ましい。
[9] 本発明の第四の態様に係る医薬品は、前記[1]〜[5]のいずれかのキサンチンオキシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする。
[10] 前記[9]の医薬品としては、痛風の治療又は再発予防に用いられるのが好ましい。
[11] 本発明の第五の態様に係る機能性食品は、前記[1]〜[5]のいずれかのキサンチンオキシダーゼ阻害剤を含有し、血清中の尿酸値を低減する。
本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、天然にはコーヒーに比較的多く含まれている成分であるキナ酸ラクトン誘導体を有効成分とする。このため、当該キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、高い尿酸値低減効果を備えることに加えて、比較的安全に投与可能であるため、サプリメント等の機能性食品の有効成分や医薬品等の有効成分として好適であり、特に、痛風及び高尿酸血症の予防及び治療のための医薬品の有効成分や、血清中の尿酸値を低減するための機能性食品の有効成分として好適である。
参考例1における、焙煎コーヒー豆中の各種成分の含有量(生豆1g当たり)と焙煎度の関係を示した図である。 参考例1における、焙煎コーヒー豆の色調(L*値)とdiCQLsの含有量(生豆1g当たり)の関係を示した図である。 実施例1における、5−カフェオイルキナ酸の加熱物(超浅煎り)の分取HPLCのクロマトグラムである。 図3に示す各画分を固形分濃度0.3mg/mL又は0.1mg/mLに調製した溶液のキサンチンオキシダーゼ阻害率(%)の測定結果を示した図である。 実施例1における、3,4-diCQL、4,5-diCQL、3,5-diCQLと、5−CQL、3−CQL、及び4−CQLのキサンチンオキシダーゼ阻害率を測定し、IC50を調べた結果を示した図である。
本発明及び本願明細書において、キサンチンオキシダーゼ阻害作用とは、血中の尿酸値が高まることにより引き起こされる各種生理機能を抑制する作用を意味し、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は尿酸値低減作用を有する剤である。
本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体を有効成分とする。下記一般式(1)〜(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基を表す。ただし、R〜Rの2つ以上が水素原子である場合を除く。
Figure 2019156780
カフェオイル基を下記式(a)に、フェルロイル基を下記式(b)に、クマロイル基を下記式(c)に、それぞれ示す。式(a)〜(c)中、「*」が付された結合手は、一般式(1)〜(3)中のシクロヘキサン環に結合した酸素原子との結合手を示す。
Figure 2019156780
一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体としては、前記R、R、及びRのうち、いずれか1つが水素原子であり、残る2つがカフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基である化合物であってもよく、前記R、R、及びRの全てがそれぞれ独立して、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基であってもよい。
、R、及びRのうち、いずれか1つが水素原子である場合、残る2つの基は、同種の基であってもよく、異種の基であってもよい。同様に、R、R、及びRの全てがカフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基の場合、これら3つ基は全て同種の基であってもよく、2種以上の基が組み合わせられていてもよい。
一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体のR、R、及びRの基の組み合わせを表1に示す。表1中、「H」は水素原子、「(a)」はカフェオイル基、「(b)」はフェルロイル基、「(c)」はクマロイル基を示す。
Figure 2019156780
本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤の有効成分としては、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体であって、R及びRがそれぞれ独立して、カフェオイル基、フェルロイル基、若しくはクマロイル基であり、Rが水素原子であるキナ酸ラクトン誘導体が好ましく、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体であって、表1の組み合わせ1、2、又は3で表されるキナ酸ラクトン誘導体がより好ましく、一般式(2)又は(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体であって、表1の組み合わせ1、2、又は3で表されるキナ酸ラクトン誘導体がさらに好ましく、一般式(2)又は(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体であって、表1の組み合わせ1で表されるキナ酸ラクトン誘導体が特に好ましい。
本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体を、1種類のみ含有していてもよく、2種類以上を組み合わせて含有していてもよい。例えば、本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、有効成分として、表1の組み合わせ1の一般式(1)で表されるジカフェオイルキナ酸ラクトンのみを含有するものであってもよく、表1の組み合わせ1の一般式(1)で表されるキナ酸ラクトン誘導体と表1の組み合わせ1の一般式(2)で表されるキナ酸ラクトン誘導体と表1の組み合わせの一般式(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体を含有するものであってもよい。
一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体は、例えば、キナ酸ラクトン(一般式(1)〜(3)であって、R、R、及びRの全てが水素原子である化合物)の水酸基と、カフェ酸、フェルラ酸、又はp−クマル酸のカルボキシル基とを、脱水縮合させることによって合成することができる。脱水縮合反応は、常法により行うことができる。
また、一般式(1)で表されるキナ酸ラクトン誘導体は、例えば、1−カフェオイルキナ酸(CAS ID:1241-87-8)、3−カフェオイルキナ酸(CAS ID:327-97-9)、5−カフェオイルキナ酸、1,3−ジカフェオイルキナ酸(CAS ID:19870-46-3)、3,4−ジカフェオイルキナ酸(CAS ID:14534-61-3)、4,5−ジカフェオイルキナ酸(CAS ID:57378-72-0)、1,3−ジカフェオイルキナ酸(CAS ID:30964-13-7)、3,5−ジカフェオイルキナ酸(CAS ID:2450-53-5)、4,5−ジフェルロイルキナ酸、3,5−ジフェルロイルキナ酸、3−フェルロイルキナ酸(CAS ID:1899-29-2)、4−フェルロイルキナ酸(CAS ID:2613-86-7)、5−フェルロイルキナ酸、4,5−ジフェルロイルキナ酸、3,5−ジフェルロイルキナ酸、3,4−ジフェルロイルキナ酸、3−p−クマロイルキナ酸(CAS ID:1899-30-5)、4−p−クマロイルキナ酸(CAS ID:93451-44-6)、5−p−クマロイルキナ酸(CAS ID:32451-86-8)、1−p−クマロイルキナ酸、3−カフェオイル−4−フェルロイルキナ酸、3−カフェオイル−5−フェルロイルキナ酸、4−カフェオイル−5−フェルロイルキナ酸、1−カフェオイル−5−フェルロイルキナ酸、3−フェルロイル−4−カフェオイルキナ酸、3−フェルロイル−5−カフェオイルキナ酸、4−フェルロイル−5−カフェオイルキナ酸等のクロロゲン酸を加熱処理し、シクロヘキサン環に結合したカルボキシル基と水酸基の脱水反応により合成することができる。クロロゲン酸の加熱処理によるラクトン化は、常法により行うことができる。
一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体は、焙煎度が浅い焙煎コーヒー豆に比較的多く含まれており、焙煎度が高くなるとかえって含有量は減少する。また、キナ酸ラクトン誘導体は、焙煎コーヒー豆の熱水抽出物から脂溶性有機溶媒により抽出することができる。すなわち、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体は、焙煎度が浅い焙煎コーヒー豆の熱水抽出物から脂溶性有機溶媒抽出により、抽出して回収することもできる。すなわち、本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物の製造方法(以下、「本発明に係る組成物の製造方法」ということがある。)は、焙煎度が浅い焙煎コーヒー豆から、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体を抽出して、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物(以下、「キサンチンオキシダーゼ阻害組成物」ということがある。)を得る方法である。具体的には、焙煎度が浅い焙煎コーヒー豆の熱水抽出物と脂溶性有機溶媒を混合した後、脂溶性有機溶媒層のみを、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物として回収する脂溶性有機溶媒層回収工程を有する。
焙煎コーヒー豆の焙煎度は、一般的に明度(L*値)で表すことができる。焙煎度が低いほうが明度が大きく、焙煎度が高くなるほど明度は小さくなる。例えば、粉砕豆を色差計にて分析した際の明度は、深煎りの焙煎豆でL*値21程度であり、中煎りの焙煎豆でL*値25程度であり、浅煎りの焙煎豆でL*値30程度である。
本発明及び本願明細書において、焙煎コーヒー豆のL*値は、焙煎コーヒー豆を粉砕して得られた粉砕豆のL*値である。粉砕豆のL*値は、例えば、粉砕豆を積分球付き紫外可視分光光度計に設置して反射光スペクトルを測定し、得られた反射光スペクトルから色彩計算を行うことで測定できる。
一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体の含有量がより多いことから、本発明に係る組成物の製造方法において原料として用いる焙煎コーヒー豆としては、粉砕豆のL*値が30以上45以下のものが好ましく、30以上40以下のものがより好ましく、32以上40以下のものがさらに好ましく、32以上38以下のものがよりさらに好ましい。なお、粉砕豆のL*値がこのように大きい焙煎コーヒー豆は、焙煎が不十分であり、コーヒーらしい香味がほとんどなく、酸味がかなり強く、一般的にコーヒー飲料としては適さないものである。
原料として用いる焙煎コーヒー豆の種類や産地は特に限定されず、アラビカ種であってもよく、ロバスタ種であってもよく、リベリカ種であってもよく、これらをブレンドしたものであってもよい。また、焙煎方法も特に限定されるものではなく、直火焙煎法、熱風焙煎法、遠赤外線焙煎法、炭火式焙煎法、マイクロ波焙煎法等の一般的にコーヒー豆の焙煎に使用されるいずれの方法で行ったものであってもよい。
抽出効率が高くなるため、焙煎コーヒー豆は、熱水抽出される前に粉砕されていることが好ましい。焙煎コーヒー豆の粉砕は、ロールミル等の一般的な粉砕機を用いて行うことができる。粉砕度は特に限定されるものではなく、粗挽き、中粗挽き、中挽き、中細挽き、細挽きなどの種々の形状の焙煎コーヒー豆を用いることができる。
焙煎コーヒー豆の熱水抽出物は、焙煎コーヒー豆の粉砕物に加熱した水を接触させて水溶性固形分を抽出させることにより得られる。抽出方法は、一般的にコーヒーを淹れる際に用いられる方法や、インスタントコーヒーを製造する際に、焙煎コーヒー豆の粉砕物から可溶性固形分を抽出する際に用いられる方法により行うことができる。具体的には、ドリップ式、エスプレッソ式、サイフォン式、パーコレーター式、コーヒープレス(フレンチプレス)式等のいずれを用いて行ってもよい。
焙煎コーヒー豆の熱水抽出物と脂溶性有機溶媒を混合することにより、熱水抽出物中の一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体が脂溶性有機溶媒に抽出される。つまり、脂溶性有機溶媒層(脂溶性有機溶媒抽出物)を、本発明におけるキサンチンオキシダーゼ阻害組成物とすることができ、これを水層や不溶物から分離して回収する。脂溶性有機溶媒による抽出及び脂溶性有機溶媒層の回収は、一般的な有機溶媒による抽出方法や分液方法と同様にして行うことができる。
脂溶性有機溶媒としては、水と相分離可能であり、かつ一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体のような比較的極性の低い成分が溶解可能な有機溶媒であれば特に限定されるものではないが、回収された脂溶性有機溶媒抽出物から除去が容易であることから、揮発性の高い有機溶媒が好ましい。当該脂溶性有機溶媒としては、具体的には、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン(塩化メチレン)、ジエチルエーテル、又はこれらのいずれかを少なくとも含む混合溶媒が挙げられる。本発明に係る組成物の製造方法においては、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体の抽出効率が高いことから、酢酸エチルが特に好ましい。
焙煎コーヒー豆の熱水抽出物は、そのまま脂溶性有機溶媒による抽出に供されてもよく、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体は回収されるが、これより分子量の大きい化合物を除去する処理を行った後に脂溶性有機溶媒による抽出に供されてもよい。焙煎コーヒー豆の熱水抽出物中には、キサンチンオキシダーゼ促進活性を有する高分子化合物が含まれている場合があるため、焙煎コーヒー豆の熱水抽出物から高分子量画分を予め除くことにより、より一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体の含有濃度の高い脂溶性有機溶媒抽出物が得られる。高分子量画分を除去する方法としては、例えば、分画分子量が1000〜3000の限外濾過膜を用い、限外濾過膜を通過した画分を、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体を含む画分として回収する方法が挙げられる。
本発明に係る組成物の製造方法が脂溶性有機溶媒層回収工程のみからなる場合、前記脂溶性有機溶媒抽出物が、当該製造方法により製造されるキサンチンオキシダーゼ阻害組成物である。こうして得られた脂溶性有機溶媒抽出物は、脂溶性有機溶媒を除去して濃縮することができる。また、当該組成物から脂溶性有機溶媒を完全に除去することにより、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体を含む固形状のキサンチンオキシダーゼ阻害組成物が得られる。脂溶性有機溶媒の除去は、エバポレーター等の一般的に有機溶媒を除去する際に用いられる方法を適宜利用することができる。
得られた脂溶性有機溶媒抽出物には、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体以外の成分も含まれる。そこで、本発明に係る組成物の製造方法は、脂溶性有機溶媒層回収工程の後に、さらに、この脂溶性有機溶媒抽出物から一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体を精製する工程を有していてもよい。すなわち、本発明に係る組成物の製造方法は、前記脂溶性有機溶媒層回収工程の後、回収された脂溶性有機溶媒層(脂溶性有機溶媒抽出物)から、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体を回収する分画工程を有していてもよい。分画工程においては、2種類以上含まれている一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体を、まとめて回収してもよく、各キナ酸ラクトン誘導体の種類ごとに分画して回収してもよい。なお、当該分画工程における「特定の化合物の回収」は、回収する目的の化合物の回収後の組成物全体に占める割合(質量)が、回収前の脂溶性有機溶媒抽出物全体に占める割合(質量)よりも高くなればよく、当該化合物を完全に単離精製する方法に限定されるものではない。
分画工程において、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体を回収する方法としては、特に限定されるものではなく、一般的に複数の化合物を含む組成物から目的の化合物を精製する場合に使用される方法の中から適宜選択して使用することができる。当該方法としては、例えば、カラムクロマトグラフィー法が挙げられる。目的の化合物を含む画分は、当該化合物の化学合成品(標品)の保持時間を指標として回収することができる。例えば、脂溶性有機溶媒抽出物から、ODSカラム(C18カラム)等の逆相系カラムを用いた高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)法や中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)法により、一般式(1)〜(3)で表されるキナ酸ラクトン誘導体をまとめて精製する、又はそれぞれを単離精製することができる。
本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、有効成分である一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体のみからなるものであってもよく、他の成分を含有するものであってもよい。当該他の成分としては、一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体によるキサンチンオキシダーゼ阻害作用を損なわないものであればよく、例えば、賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)、安定剤、保存剤、pH調整剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤、矯味剤、甘味料、酸味料、香料、着色料等として用いられている各種物質を、所望の製品品質に応じて適宜含有させてもよい。
本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤の剤型は、特に限定されるものではなく、各種の剤型を適用できる。当該剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、スプレー剤、注射剤、坐剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。服用が容易であることから、本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤の剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等の経口投与に適したものが好ましい。
本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤の有効成分であるキナ酸ラクトン誘導体は、焙煎コーヒー豆に比較的多く含まれている物質であり、比較的安全に服用できる。そこで、これらは、飲食品、飼料、化粧料、医薬品等の原料として好適であり、特に、体内における尿酸の産生又は蓄積による影響を抑制するために摂取される飲食品、飼料、化粧料、医薬品等の有効成分として好適である。具体的には、本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、尿酸の産生又は蓄積によって引き起こされる各種疾患の予防又は治療に用いられる医薬品やサプリメント等の機能性食品の有効成分として有用である。
また、例えば、本発明に係るキサンチンオキシダーゼ阻害剤はそのまま、液体コーヒー、インスタントコーヒー等に添加して使用することもできる。ここで、液体コーヒーとしては、缶又はいわゆるペットボトル容器に入れられて市販されているコーヒー飲料(若しくはコーヒー入り飲料と呼ばれるもの)が挙げられる。また、インスタントコーヒーとしては、焙煎粉砕コーヒーを熱湯で抽出した抽出液を噴霧又は凍結乾燥方法により水分を除去した可溶性粉末コーヒーと呼ばれるものが挙げられる。コーヒーミックス飲料としては、可溶性粉末コーヒーに砂糖、クリーミングパウダーなどを添加して混合した飲料などが挙げられる。
次に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
<キサンチンオキシダーゼ阻害活性測定>
以下の実施例等において、特に記載のない限り、サンプルのキサンチンオキシダーゼ阻害活性は、次のようにして測定した。
まず、1mmol/Lのキサンチン水溶液10μLと、DMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解させたサンプル10μLと、12.5mmol/Lのリン酸バッファー(pH7.8)160μLを混合した反応液を、37℃で5分間、プレインキュベーションした。サンプルに代えてDMSOを用いたものをコントロールの反応液とした。次いで、当該反応液に、XOバッファー(0.027unit/mLとなるようにキサンチンオキシダーゼをバッファーに溶解したもの)20μLを添加し、37℃で10分間インキュベートして反応させた後、3%のHCLO水溶液25μLを添加して反応を停止させた。その後、20μLの反応液を、以下の条件でHPLCシステムにインジェクトし、尿酸濃度を決定した。
HPLC条件;
カラム:Mightysil RP-18 GP Aqua(250×4.6mm(内径))(関東化学社製)、
溶媒:CHOH−0.1%リン酸水溶液(2.5:97.5(v/v))、
流速:0.5mL/分、
温度:35℃、
検出波長:290nm及び270nm。
キサンチンオキシダーゼ阻害率は、下記式により算出した。
[阻害率(%)]=([コントロールの尿酸のピーク面積]−[サンプルの尿酸のピーク面積])×100/[コントロールの尿酸のピーク面積]
<コーヒー豆の焙煎方法>
以下の実施例等において、特に記載のない限り、コーヒー豆は、以下の通りに焙煎した。
まず、コーヒー生豆を、加熱温度(210℃)に調整しておいた試験管内に投入した。次いで、この試験管を加熱装置「METAL BATH MB−1H−U II」(製品番号:123240、小池精密機器製作所製)に設置し、210℃で所定時間加熱することにより、焙煎コーヒー豆を得た。加熱装置の温度制御は、防水型デジタル温度計「セーフティサーモSN3000」(製品番号:NO123736、熱研製)を用いて行った。また、加熱中、試験管上部に発生する水分は、ティッシュで吸収して除去した。
焙煎コーヒー豆中の各種成分の含有量は、加熱前後でのコーヒー豆の重量を測定し、重量減少率を算出して、生豆相当での含有量として求めた。
<コーヒー豆のL*値の測定>
以下の実施例等において、特に記載のない限り、コーヒー豆のL*値は、以下の通りに測定した。
まず、焙煎コーヒー豆は、コーヒーミル(MJ516、メリタジャパン社製)を使って粉砕した。
また、コーヒー生豆は、粉砕機「Blender WB−1」(大阪ケミカル社製)を使って粉砕した。
次いで、得られた粉砕物を、粉末セル(PSH−002、日本分光社製)に入れて、積分球(ISV−922、日本分光社製)を装着した紫外可視分光光度計「V−750 spectrophotometer」(日本分光社製)に設置し、以下の条件で反射光スペクトルを測定した。
(スペクトル条件)
測定モード:%T
バンド幅:5nm
走査速度:400nm/分
データ間隔:1nm
波長:380〜800nm
各コーヒー豆について得られたスペクトルパターンに基づいて、色彩評価(カラー診断) プログラム(v. 2. 0. 1. 1.、日本分光社製)を用いて以下の条件でスペクトルから色彩計算を行うことで、コーヒー豆の色調をL*a*b*で評価した。
(色彩計算条件)
表色系:L*a*b*
視野:2度
光源:D65
データ間隔:5nm
等色関数:JIS Z8701−1999.
キャリブレーションには、白色版(X=95.04、Y=99.99、Z=108.87)とRoast Color Classification Systemコーヒー色調プレート「SCAA(Specialty Coffee Association of America)」(Agtron社製)を用いた。コーヒー色調プレートは、粉末セルに入るサイズに切断して、焙煎豆粉砕物と同様に反射光スペクトルを測定してスペクトルから色彩計算を行った。
コーヒー色調プレートのL*値(mean±SE、n=3):[Plate No.95(very light):32.38±0.10、Plate No.85(light):30.55±0.08、Plate No.75(moderately light):28.70±0.12、Plate No.65(light medium):27.45±0.15、Plate No.55(medium):24.93±0.09、Plate No.45(moderately dark)22.69±0.12、Plate No.35(dark):21.24±0.09、Plate No.25(very dark):20.43±0.09]
[参考例1]
焙煎コーヒー豆から各種成分を分離精製し、各成分のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を調べた。
<焙煎コーヒー豆>
コーヒー生豆(ブラジルサントスN02(Code:BS・G))2.3gを、210℃で10、20、30、40分間加熱して焙煎した。
各焙煎コーヒー豆の明度を測定したところ、表2の通りであった。
Figure 2019156780
<焙煎コーヒー豆の熱水抽出>
まず、コーヒー生豆又は焙煎コーヒー豆の粉砕物1.00gに熱水10mLを添加した後、15分間に一度攪拌しながら、室温で30分間静置して熱水抽出を行った。次いで、遠心分離(2000rpm、5分間)して上澄み液を全量分取した。上澄み液を取り除いたコーヒー豆残渣に熱水10mLを新たに添加し、同様にして熱水抽出を行い、遠心分離して上澄み液を全量分取した。残ったコーヒー豆残渣から同様にして熱水抽出し、同様にして熱水抽出を行い、遠心分離して上澄み液を全量分取した。合計3回の熱水抽出で得た熱水抽出液(上澄み液)を全量合わせて30mLにメスアップした。
<各種成分分析>
ピロガロール(Pyr)及びジカフェオイルキナ酸ラクトン類(diCQLs)は酢酸エチル画分から、クロロゲン酸類(CAs)、クロロゲン酸ラクトン類(CLs)及びジカフェオイルキナ酸類(diCQAs)は熱水抽出液から、下記条件でそれぞれ分析して定量した。
(Pyr定量)[検量線:y=26,747x−1812.7(range of x=0.25−5nmol)]
カラム:J-Pak Symphonia C18(4.6×250mm)
溶媒:(A)0.1%リン酸/HO、(B)CHCN
グラジエント条件:(B)0%(10分)、10%(20分)、100%(25−35分)、0%(40−55分)
流速:1.0mL/分
検出波長:268nm
インジェクション量:20μL
(CAs又はCLs定量)[検量線:y=905,995x+135,060(range of x=0.5−5nmol)]
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−II(4.6×250mm)
溶媒:(A)0.1%リン酸/HO、(B)CHCN
グラジエント条件:(B)5%(0分)、45%(40分)、100%(50−55分)、5%(55.1−65分)
流速:1.0mL/分
検出波長:320nm
インジェクション量:20μL
(diCQAs又はdiCQLs定量)[検量線:y=1,094,612x+55,117(range of x=0.1−5nmol)]
カラム:COSMOSIL PBr(3.0×150mm)
溶媒:(A)0.1%リン酸/HO:(B)CHCN=70:30(容量比)
流速:0.7mL/分
検出波長:320nm
インジェクション量:20μL
図1は、各成分の含有量を生豆1g当たりに換算した結果(mean±SE、n=3)を、コーヒー生豆の焙煎時間ごとにプロットした図である。横軸の加熱時間の下の括弧書き内の数値は、各コーヒー豆のL*値を示す。また、図2は、横軸をコーヒー豆の色調(L*値)、縦軸をdiCQLsの含有量(生豆1g当たり)としてプロットした図である。この結果、加熱時間が長くなるほど、クロロゲン酸の含有量が低下し、ピロガロールの含有量が増大した。diCQLsの含有量は、焙煎時間が10分の超浅煎り豆で最大になった。特に、L*値が30〜45の焙煎コーヒー豆が、diCQLsの含有量が多いことが確認された。なお、粉砕豆のL*値が30〜45の焙煎コーヒー豆の熱水抽出液は、強い酸味と渋味(えぐみ)を呈し、コーヒー飲料としては適さないものであった。
[実施例1]
下記の3種類のジカフェオイルキナ酸ラクトン[3,4-O-dicaffeoyl-γ-quinide(3,4−diCQL)、4,5-O-dicaffeoyl-muco-γ-quinide(4,5−diCQL)、及び3,5-O-dicaffeoyl-epi-δ-quinide(3,5−diCQL)]を単離精製し、それぞれのキサンチンオキシダーゼ活性を調べた。
Figure 2019156780
<4,5−diCQL及び3,5−diCQLの精製>
4,5−diCQL及び3,5−diCQLは、5−カフェオイルキナ酸(5−CQA)を加熱して得られた加熱物からそれぞれ単離精製した。
具体的には、まず、2gの5-CQA(精製品)を、コーヒー豆の焙煎と同様に、210℃で10分間加熱処理(超浅煎り)した。
得られた加熱物を、以下の条件でODSカラムによるHPLCを行い、各分画を分取した。
(HPLC分取条件)
カラム:ODSカラム「COSMOSIL 5C18-AR-II」(20×250mm)
溶媒:(A)1% AcOH/HO、(B)CHCN
グラジエント条件:(B)0−20分(20%)、20.1−40分(25%)、40.1−60分(30%)、60.1−80分(100%)
流速:9.6mL/分
検出波長:320nm
図3に、分取HPLCのクロマトグラムを示す。クロマトグラム中、「1」から「14」は分取した各画分を示す。各画分の濃縮物重量(mg)を測定した結果を表3に示す。表中、「Ex」は、クロマト用サンプル調製時の不溶物であり,クロマト精製のできなかった部分である。
Figure 2019156780
各画分を固形分濃度0.3mg/mL又は0.1mg/mLに調製した溶液について、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を調べた。結果を図4に示す。図中、「F.C.:ca. 0.3 mg/mL」各画分を固形分濃度0.3mg/mLに調製した溶液の結果であり、「F.C.:ca. 0.1 mg/mL」が各画分を固形分濃度0.1mg/mLに調製した溶液の結果である。画分2は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有することが知られているクロロゲン酸が含まれている画分である。最もキサンチンオキシダーゼ阻害活性が高かった画分12は、画分2よりもキサンチンオキシダーゼ阻害活性が高かった。
最も活性が強力であった画分12の40mgを、溶媒を(A)1% AcOH/HOと(B)CHCNの混合溶媒[(A):(B)=70:30(容量比)]とした以外は、本実施例のdiCQLの精製時のHPLC条件と同じ条件で5回のリサイクル分取HPLCを行い、さらに精製した。この結果、14mgの4,5−diCQLと8mgの3,5−diCQLを単離精製した。
<3,4-diCQLの単離精製>
3,4-diCQLは5-CQA加熱物にはほとんど見られなかった。このため、100gのインドネシア産コーヒー生豆(インドネシアWIB−1、Code:IN・G)から単離精製した3,4-diCQAを加熱して得られた加熱物から単離精製した。
具体的には、まず、30mgの3,4-diCQAと3gの海砂の混合物を、コーヒー豆の焙煎と同様に、210℃で10分間加熱処理(超浅煎り)した。
得られた加熱物を、溶媒を(A)1% AcOH/HOと(B)CHCNの混合溶媒[(A):(B)=70:30(容量比)]とした以外は本実施例のdiCQLの精製時のHPLC条件と同じ条件で3回リサイクル分取HPLCを行い、10mgの3,4−diCQLを単離精製した。
各diCQLsの構造解析データを下記に示す。
<3,4-diCQL>
DART-MS m/z 497 [M+H]+; 1H NMR (400 MHz in CD3OD) δppm 2.10-2.35 (2H, m, H2 ax, eq), 2.40-2.70 (2H, m, H6ax, eq), 4.95 (1H, dd, J=6.6, 5.0 Hz, H5eq), 5.18 (1H, ddd, J=11.5, 6.6, 4.7 Hz, H3ax), 5.62 (1H, dd, J=5.0, 4.7 Hz, H4eq), 6.15 (1H, d, J=16.0 Hz, H5), 6.38 (1H, d, J=16.0 Hz, H5’’), 6.68 (1H, d, J=8.0 Hz, H3’), 6.78 (1H, d, J=8.0 Hz, H3”), 6.81 (1H, d, J=8.0, 2.0 Hz, H2’), 6.96 (1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz, H2”), 6.99 (1H, d, J=2.0 Hz, H1’), 7.09 (1H, d, J=2.0 Hz, H1”), 7.48 (1H, d, J=16.0 Hz, H4’), 7.63 (1H, d, J=16.0 Hz, H4”); NOEs were observed 8.8% between the peaks at 5.18 and 5.62 ppm, 1.7% between the peaks at 5.18 and 2.10 ppm, 3.2% between the peaks at 5.62 and 4.95 ppm.
<4,5-diCQL>
DART-MS m/z 497 [M+H]+; 1H NMR (400 MHz in CD3OD) δppm 2.16 (1H, dd, J=14.0, 1.3 Hz, H6ax), 2.40-2.47 (3H, m, H2ax, eq, H6eq), 4.95 (1H, ddd, J=6.0, 5.0, 1.3 Hz, H3eq), 5.12 (1H, brd, J=5.0 Hz, H4eq), 5.29 (1H, dd, J=5.0, 1.3 Hz, H5eq), 6.20 (1H, d, J=16.0 Hz, H5), 6.35 (1H, d, J=16.0 Hz, H5’’), 6.78 (1H, d, J=8.0 Hz, H3’), 6.80 (1H, d, J=8.0 Hz, H3”), 6.96 (1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz, H2’), 7.00 (1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz, H2”), 7.05 (1H, d, J=2.0 Hz, H1’), 7.08 (1H, d, J=2.0 Hz, H1”), 7.57 (1H, d, J=16.0 Hz, H4’), 7.65 (1H, d, J=16.0 Hz, H4”); NOEs were observed 2.7% between the peaks at 5.29 and 2.47 ppm, 1.3% between the peaks at 5.29 and 2.16 ppm, 5.0% between the peaks at 5.29 and 5.12 ppm.
<3,5-diCQL>
DART-MS m/z 497 [M+H]+; 1H NMR (400 MHz in CD3OD) δppm 1.87-1.94 (2H, m, H2eq, H6eq), 2.45 (1H, dd, J= 15.2, 10.0 Hz, H6ax), 2.68 (1H, dd, J=15.2, 9.2 Hz, H2ax), 4.90 (1H, dd, J=4.4, 1.6 Hz, H4eq), 5.27 (1H, ddd, J=10.0, 5.0, 4.4 Hz, H5ax), 5.54 (1H, dd, J=9.2, 2.8, 1.6 Hz, H3eq), 6.29 (1H, d, J=16.0 Hz, H5), 6.32 (1H, d, J=16.0 Hz, H5’’), 6.76 (1H, d, J=8.0 Hz, H3’), 6.78 (1H, d, J=8.0 Hz, H3”), 6.96 (1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz, H2’), 6.99 (1H, dd, J=8.0, 2.0 Hz, H2”), 7.05 (1H, d, J=2.0 Hz, H1’), 7.07 (1H, d, J=2.0 Hz, H1”), 7.58 (1H, d, J=16.0 Hz, H4’), 7.64 (1H, d, J=16.0 Hz, H4”); NOEs were observed 3.5% between the peaks at 5.54 and 2.68 ppm, 2.8% between the peaks at 5.27 and 2.45 ppm.
<キサンチンオキシダーゼ阻害率の測定>
精製した3,4-diCQL、4,5-diCQL及び3,5-diCQLと、5−CQL、3−CQL、及び4−CQLのキサンチンオキシダーゼ阻害率を測定し、キサンチンオキシダーゼ阻害強度(IC50)を調べた。測定結果を図5に示す。3,4-diCQL、4,5-diCQL及び3,5-diCQLのIC50は、それぞれ、350μM、21.5μM、及び47.8μMと非常に低く、これらは強いキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有していることが確認された。特に、4,5-diCQL及び3,5-diCQLは、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有することが知られているCQLsよりもキサンチンオキシダーゼ阻害活性が強かった。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)〜(3)
    Figure 2019156780
    [式(1)〜(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基を表す。ただし、R〜Rの2つ以上が水素原子である場合を除く。]
    のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体を有効成分とすることを特徴とする、キサンチンオキシダーゼ阻害剤。
  2. 前記R、R、及びRのうち、いずれか2つがそれぞれ独立して、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基であり、残る1つが水素原子である、請求項1に記載のキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
  3. 前記R、R、及びRのうち、いずれか2つがカフェオイル基であり、残る1つが水素原子である、請求項1に記載のキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
  4. 前記一般式(2)又は(3)で表され、前記R、R、及びRのうち、R、Rがそれぞれ独立して、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基であり、Rが水素原子であるキナ酸ラクトン誘導体を有効成分とする、請求項1に記載のキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
  5. 粉砕豆のL*値が30以上45以下である焙煎コーヒー豆の熱水抽出物から脂溶性有機溶媒により抽出された脂溶性有機溶媒抽出物を有効成分とする、キサンチンオキシダーゼ阻害剤。
  6. 粉砕豆のL*値が30以上45以下である焙煎コーヒー豆の熱水抽出物と脂溶性有機溶媒を混合した後、脂溶性有機溶媒層のみを、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物として回収する脂溶性有機溶媒層回収工程を有することを特徴とする、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物の製造方法。
  7. 前記脂溶性有機溶媒が、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、又はこれらのいずれかを含む混合溶媒である、請求項6に記載のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物の製造方法。
  8. 前記脂溶性有機溶媒層回収工程の後、回収された脂溶性有機溶媒層から、下記一般式(1)〜(3)
    Figure 2019156780
    [式(1)〜(3)中、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素原子、カフェオイル基、フェルロイル基、又はクマロイル基を表す。ただし、R〜Rの2つ以上が水素原子である場合を除く。]
    のいずれかで表されるキナ酸ラクトン誘導体を含む画分を回収する分画工程を有する、請求項6又は7に記載のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する組成物の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のキサンチンオキシダーゼ阻害剤を含有することを特徴とする、医薬品。
  10. 痛風の治療又は再発予防に用いられる、請求項9に記載の医薬品。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のキサンチンオキシダーゼ阻害剤を含有し、血清中の尿酸値を低減する機能性食品。
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