<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を、図1〜図11(b)を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置1の一例としてタンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置1に限られず、他の方式の画像形成装置であってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。また、本実施形態では、画像形成装置1は、中間転写ベルト44bを有し、感光ドラム81から中間転写ベルト44bに各色のトナー像を一次転写した後、各色の複合トナー像をシートSに一括して二次転写する方式としている。但し、これには限られず、シート搬送ベルトで搬送されたシートに感光ドラムから直接に転写する方式を採用してもよい。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体(以下、装置本体という)10を備えている。装置本体10は、シート給送部30と、画像形成部40と、シート搬送部15と、シート排出部11と、制御部70と、を備えている。尚、記録材であるシートSは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。装置本体10には、温湿度センサ12や、インダクタンスセンサ(検知手段)26(図3参照)、現像装置20の駆動源13(図4参照)などが設けられている。温湿度センサ12は、装置本体10の内部の環境情報として温湿度を検知可能である。
シート給送部30は、装置本体10の下部に配置されており、シートSを積載して収容するシートカセット31と、給送ローラ32とを備え、収容されたシートSを画像形成部40に給送する。
画像形成部40は、画像形成ユニット80と、ホッパ41(図3参照)と、トナー容器42と、レーザスキャナ43と、中間転写ユニット44と、二次転写部45と、定着装置46とを備えている。画像形成部40は、画像情報に基づいてシートSに画像を形成可能である。なお、本実施形態の画像形成装置1は、フルカラーに対応するものであり、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kは、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。トナー容器42y,42m,42c,42kも同様に、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。このため、図1中では4色の各構成について同符号の後に色の識別子を付して示すが、明細書中では色の識別子を付さずに符号のみで説明する場合がある。
トナー容器42は、例えば円筒形状のボトルであり、トナーが収容され、各画像形成ユニット80の上方に、ホッパ41(図3参照)を介して連結して配置されている。これらトナー容器42及びホッパ41は、現像容器21に現像剤を補給する補給手段を構成する。レーザスキャナ43は、帯電ローラ82により帯電された感光ドラム81の表面を露光して、感光ドラム81の表面上に静電潜像を形成する。
画像形成ユニット80は、4色のトナー画像を形成するための4個の画像形成ユニット80y,80m,80c,80kを含んでいる。各画像形成ユニット80は、トナー画像を形成する感光ドラム81と、帯電ローラ82と、現像装置20と、不図示のクリーニングブレードとを備えている。また、感光ドラム81と、帯電ローラ82と、現像装置20と、後述する現像スリーブ24とについても、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。
感光ドラム(像担持体)81は、例えば、直径30mmのアルミニウムシリンダの外周面に負極性の帯電極性を持つよう形成された感光層を有し、所定のプロセススピード(周速度)で矢印方向に回転する。帯電ローラ82は、感光ドラム81の表面に接触して、感光ドラム81の表面を、例えば、一様な負極性の暗部電位に帯電させる。感光ドラム81の表面では、帯電後、レーザスキャナ43によって画像情報に基づいて静電像が形成される。感光ドラム81は、形成された静電像を担持して、周回移動し、現像装置20によってトナーで現像される。現像装置20の詳細な構成については、後述する。現像されたトナー像は、後述する中間転写ベルト44bに一次転写される。一次転写後の感光ドラム81は、不図示の前露光部によって表面を除電される。
中間転写ユニット44は、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kの上方に配置されている。中間転写ユニット44は、駆動ローラ44a、1次転写ローラ44y,44m,44c,44k等の複数のローラと、これらのローラに巻き掛けられた中間転写ベルト44bとを備えている。1次転写ローラ44y,44m,44c,44kは、感光ドラム81y,81m,81c,81kにそれぞれ対向して配置され、中間転写ベルト44bに当接する。
中間転写ベルト44bに1次転写ローラ44y,44m,44c,44kを介して正極性の転写バイアスが印加されることにより、感光ドラム81y,81m,81c,81k上のそれぞれの負極性を持つトナー像が中間転写ベルト44bに順に多重転写される。これにより、中間転写ベルト44bは、感光ドラム81y,81m,81c,81kの表面で静電像を現像して得られたトナー像を転写して移動する。
二次転写部45は、二次転写内ローラ45aと、二次転写外ローラ45bとを備えている。二次転写外ローラ45bに正極性の二次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト44bに形成されたフルカラー画像をシートSに転写する。定着装置46は、定着ローラ46a及び加圧ローラ46bを備えている。定着ローラ46aと加圧ローラ46bとの間をシートSが挟持され搬送されることにより、シートSに転写されたトナー像は加熱及び加圧されてシートSに定着される。シート搬送部15は、シート給送部30から給送されたシートSを画像形成部40からシート排出部11に搬送する。シート排出部11は、フェイスダウントレイになっており、排出口10aから排出されたシートSを積載する。
図2に示すように、制御部(調整部)70はコンピュータにより構成され、例えばCPU71と、各部を制御するプログラムを記憶するROM72と、データを一時的に記憶するRAM73と、外部と信号を入出力する入出力回路(I/F)74とを備えている。CPU71は、画像形成装置1の制御全体を司るマイクロプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPU71は、入出力回路74を介して、シート給送部30、画像形成部40、シート搬送部15、操作部に接続され、各部と信号をやり取りすると共に動作を制御する。制御部70には、温湿度センサ12、インダクタンスセンサ26、現像装置20の駆動源13などが接続されており、これら温湿度センサ12及びインダクタンスセンサ26等の検知結果に基づいて駆動源13等を制御可能である。即ち、制御部70は、駆動源13を制御することにより後述する第2搬送スクリュ(搬送部材)23の回転速度を調整可能である。
制御部70は、CMYK画像データの600dpiにおける1画素毎のレベル(0〜255レベル)を画像1面分積算することで、ビデオカウント値を算出することができる。
制御部70は、ビデオカウント値に基づいて、現像スリーブ24や各スクリュ22,23等の回転速度等を制御する。また、制御部70は、例えば、所定枚数の画像形成ごと、あるいは電源オン時などに調整モードを実行可能である。調整モードについては、後述する。
次に、このように構成された画像形成装置1における画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、まず感光ドラム81が回転して表面が帯電ローラ82により帯電される。そして、レーザスキャナ43により画像情報に基づいてレーザ光が感光ドラム81に対して発光され、感光ドラム81の表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像にトナーが付着することにより、現像されてトナー画像として可視化され、中間転写ベルト44bに転写される。
一方、このようなトナー像の形成動作に並行して給送ローラ32が回転し、シートカセット31の最上位のシートSを分離しながら給送する。そして、中間転写ベルト44bのトナー画像にタイミングを合わせて、シートSが二次転写部45に搬送される。更に、中間転写ベルト44bからシートSに画像が転写され、シートSは、定着装置46に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱及び加圧されてシートSの表面に定着され、排出口10aから排出されてシート排出部11に積載される。
次に、本実施形態で使用される負帯電特性のトナー(非磁性)と正帯電特性のキャリアを含む二成分現像剤について、詳細に説明する。トナーは、スチレン系樹脂やポリエステル樹脂等の結着樹脂、カーボンブラックや染料、顔料等の着色剤、さらには必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。トナーの体積平均粒径は、粒径が小さすぎるとキャリアと摩擦し難くなるため帯電量を制御しづらくなり、大きすぎると精細なトナー像を形成できなくなることから、4μm〜10μmが好ましく、より好ましくは8μm以下である。また、最近では定着性を良くするために、融点の低いトナーあるいはガラス転移点の低い(例えば70℃以下)トナーが用いられる。さらには、定着後の分離性を良くするためにワックスを含有するトナーが用いられる。本実施形態では、ワックスを含有する粉砕トナーを用いる。
トナーの体積平均粒径は、以下に示す装置及び方法にて測定した。測定装置として、SD−2000シースフロー電気抵抗式粒度分布測定装置(シスメックス社製)を使用した。測定方法を以下に示す。一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%塩化ナトリウム水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加えたものに、さらに測定試料であるトナーを0.5〜50mg加える。このトナーを懸濁した電解水溶液を超音波分散器で約1〜3分間、分散処理する。分散処理後、SD−2000シースフロー電気抵抗式粒度分布測定装置により、アパーチャとして100μmアパーチャを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求める。こうして求めた体積平均分布より、トナーの体積平均粒径を得る。
キャリアは、例えば表面酸化あるいは未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、あるいは酸化物フェライトなどが好適に使用可能である。これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。キャリアの体積平均粒径は20〜60μm、好ましくは30〜50μmである。キャリアの抵抗率は107Ωcm以上、好ましくは108Ωcm以上である。本現像装置20では、抵抗率が108Ωcmの磁性キャリアを用いる。
キャリアの抵抗率は、一方の電極に加圧した状況で電圧印加することに伴い回路に流れる電流に基づき抵抗率を得る方法によって測定した。具体的には、測定電極面積4cm、電極間間隔0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用いて、該セルの片方の電極に1kgの重量で加圧した状況下で両電極間に電圧E(V/cm)を印加して測定した。磁性キャリアの体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)を用いて測定した。測定方法は、まず体積基準で粒径0.5〜350μmの範囲を対数分割して測定し、それからそれぞれの測定チャンネルにおける粒子数を測定する。そして、この測定結果から体積50%のメジアン径をもって磁性キャリアの体積平均粒径とする。
次に、現像装置20について、図3及び図4に基づいて詳細に説明する。現像装置20は、装置本体10に着脱可能で、現像剤を収容する現像容器21と、第1搬送スクリュ22と、第2搬送スクリュ23と、現像スリーブ24と、規制ブレード25と、インダクタンスセンサ26と、を有している。現像装置20は、感光ドラム81上に形成された静電像をトナーにより現像する。現像容器21は、感光ドラム81に対向する位置に、現像スリーブ24が露出する開口部21aを有している。
現像容器21は、略中央部にて長手方向に延在する隔壁27を有している。現像容器21は、この隔壁27によって水平方向に現像室21bと攪拌室21cとに区画されている。現像剤は、これら現像室21b及び攪拌室21cに収容されている。現像室21bは、現像スリーブ24に現像剤を供給する。攪拌室21cは、現像室21bに連通し、現像スリーブ24からの現像剤を回収して攪拌する。現像室21bと攪拌室21cとの間の隔壁27には、両端部において現像室21bと攪拌室21cとを相互に連通させる2つの連通部27a,27bが形成されている。尚、本実施形態の現像装置20では、現像室21bと攪拌室21cとは水平方向に配置されているが、これには限られず、現像室と攪拌室とが上下に配置されていたり、あるいは、その他の形態の現像装置であってもよい。
第1搬送スクリュ22は、現像室21bに現像スリーブ24の軸方向に沿って現像スリーブ24と略平行に配置され、現像室21b内の現像剤を攪拌しつつ搬送する。第1搬送スクリュ22は、現像容器21に回転自在に設けられ磁性を有する軸部22aと、軸部22aの周囲に設けられて一体回転し、回転により現像容器21の内部の現像剤を搬送方向D1に搬送する螺旋状の羽根22bと、を有している。
第2搬送スクリュ23は、攪拌室21c内に第1搬送スクリュ22の軸と略平行に配置され、攪拌室21c内の現像剤を第1搬送スクリュ22と反対方向に搬送する。第2搬送スクリュ23は、現像容器21に回転自在に設けられ磁性を有する軸部(回転軸)23aと、軸部23aと一体回転し、回転により現像容器21内の現像剤を搬送方向D1に搬送する螺旋状の非磁性の羽根23bと、を有している。現像室21bと攪拌室21cとは、現像剤を攪拌しつつ搬送する現像剤の循環経路を構成している。各スクリュ22,23は、現像剤を相反する方向に搬送するとともに、これらのスクリュ22,23の対向位置においては現像剤を相互に反対方向に搬送する。トナーは、各スクリュ22,23によって攪拌されることにより、キャリアと摺擦して負極性に摩擦帯電される。各スクリュ22,23及び現像スリーブ24は、駆動源13によって回転駆動され、各スクリュ22,23は回転することで現像容器21内の現像剤を攪拌しつつ搬送する。尚、本実施形態では、各スクリュ22,23の羽根22b,23bは、いずれも螺旋状であるが、これには限られず、羽根は、軸部22a,23aに対して傾斜して設けた不連続の平板状であってもよい。
第2搬送スクリュ23は、両端側を除く部分において、羽根23bのピッチ間に複数のリブ23dを有している。即ち、第2搬送スクリュ23は、周方向に現像剤の搬送能力が異なる複数の突部として、羽根23bを有すると共にリブ23dを周方向に複数有している。また、第2搬送スクリュ23は、軸部23aの表面から径方向に突出し、周方向に羽根23bと異なる位置、かつ、回転軸線方向に検知面26aと重なる位置に設けられたパドル(リブ、所定突部)23pを有している。パドル23pは、複数の突部のうち周方向の搬送能力が最も高く設けられている。パドル23pの詳細については、後述する。
本実施形態では、第1搬送スクリュ22は、軸部22aの周りに非磁性材料で構成された羽根22bをスパイラル状に設けたスクリュ構造であって、スクリュ径は直径20mmでスクリュピッチは20mmで、回転数は400rpmに設定している。第2搬送スクリュ23も、軸部23aの周りに非磁性材料で構成された羽根23bをスパイラル状に設けたスクリュ構造である。第2搬送スクリュ23のスクリュ径は直径20mmで、スクリュピッチは補給口28が配置されている側は30mmで、補給口28が配置されていない側のピッチを20mmとしており、補給口28を設けた方の搬送性を大きくしている。回転数は400rpmに設定している。
攪拌室21cにおいて、現像剤の搬送方向D1の上流側の端部には、上方に開口した補給口28が形成され、補給口28にはホッパ41が接続されている。ホッパ41は、トナーとキャリアを混合した補給用二成分現像剤(通常はトナー/補給用現像剤=100%〜80%)を収容する。ホッパ41から供給されたトナーは、補給口28から攪拌室21cに補給される。トナー容器42からホッパ41を介して攪拌室21cに供給される補給剤の量は、トナー容器42の回転回数によって概ね決定される。この回転回数は、制御部70で求められたビデオカウント値、あるいは現像容器21内に設置されたインダクタンスセンサ26の検出信号等に基づいて、制御部70により設定される。制御部70は、インダクタンスセンサ26の検出信号に基づき算出されるトナーとキャリアの比率に従って、トナー濃度が重量比で10%程度となる量の補給剤を供給するように、回転回数を調整する。このようにして、画像形成時に消費された量と略同量のトナーを補給するようにしている。
現像装置20では、上述のように補給剤が補給されるようになっているが、現像容器21内の現像剤が多くなり過ぎると、現像剤の撹拌が不十分となって濃度ムラやカブリが発生したり、あるいは現像容器21から現像剤が溢れ出したりする。そこで、現像容器21内の現像剤が多くなり過ぎないように、余剰な現像剤は現像容器21から排出されるようになっている。
攪拌室21c内の現像剤を搬送する第2搬送スクリュ23の搬送方向下流側には、第2搬送スクリュ23と逆方向に現像剤を搬送する返しスクリュ23cと、第2搬送スクリュ23と同方向に現像剤を搬送する排出スクリュ23eとが順に設けられている。返しスクリュ23cは、攪拌室21c内において循環経路外から循環経路内に押し戻すように現像剤の一部を搬送する。第2搬送スクリュ23と返しスクリュ23cとは、連通部27bに対向する位置にそれらの接続箇所(継ぎ目)が位置するように設けられる。返しスクリュ23cによって押し戻されなかった現像剤は、排出スクリュ23e側に搬送される。排出スクリュ23eの搬送方向下流側には、排出スクリュ23eによって搬送された現像剤を現像容器21外へ排出させるための排出口29が設けられている。
第2搬送スクリュ23によって排出口29側へ現像剤は搬送されるが、搬送された現像剤の多くは返しスクリュ23cによって押し戻されて、連通部27bを通過し現像室21bに受け渡される。これに対し、返しスクリュ23cによって押し戻されなかった一部の現像剤は、返しスクリュ23cを乗り越え、排出スクリュ23eによって排出口29まで搬送される。このようにして排出口29まで搬送された現像剤は、排出口29から現像容器21の外に余剰現像剤として排出される。排出口29は、下方に開口しており、現像剤は落下することで排出口29から排出される。排出口29から排出された現像剤は、不図示の回収容器に回収される。
現像装置20では、例えば返しスクリュ23cの長さが長過ぎると、現像剤の排出が必要以上に抑制され、現像容器21内の現像剤量が多くなりすぎて現像剤の帯電性能の低下が進行してしまう。反対に、返しスクリュ23cが短すぎると、現像剤の排出が必要以上に促進され、現像容器21内の現像剤量が少なくなりすぎて現像スリーブ24上の現像剤のコート量が安定しなくなり得る。そのため、返しスクリュ23cの長さ、直径、ピッチは、現像装置20の構成や排出条件、現像容器21内の現像剤量、目標とする排出量に応じて適宜変更される。
現像装置20では、例えば厚紙プリントを行う際に現像剤をシートへ十分に定着させるため、プロセス速度を変更する制御が行われる場合がある。例えば厚紙モードでは、厚紙モードでない場合のプロセス速度=120mm/secから、1/2速=60mm/secにプロセス速度を変更することがある。プロセス速度が変更された場合、第1搬送スクリュ22及び第2搬送スクリュ23の回転速度は、プロセス速度変更前の250rpmから1/2速=125rpmに変わる。このように、第1搬送スクリュ22と第2搬送スクリュ23とが複数の回転速度で回転され得る場合には、回転速度が変わることに応じて排出口29にまで到達する現像剤量が変動する。即ち、現像剤の排出量が変わり、現像容器21内の現像剤量が変動し易くなる。
そこで、現像装置20では、返しスクリュ23cと排出スクリュ23eとの間に、フランジ状のつば部23fが設けられている。これにより、プロセス速度の変更に伴う現像容器21内の現像剤量の変動を抑えるようにしている。つば部23fは、第2搬送スクリュ23の回転速度の変更前後で、第2搬送スクリュ23と返しスクリュ23cとの搬送能力の違いによって、排出口29に向かって搬送される現像剤にかかる慣性力の差を低減させる。これにより、回転速度の変更に応じて排出口29に到達する現像剤量の変動が抑制され、第2搬送スクリュ23の回転速度が変更したとしても、現像剤の排出量を変動させずに一定の排出量で排出できるようにしている。
現像スリーブ(現像剤担持体)24は、現像容器21内の現像剤を担持して、感光ドラム81に対向する現像領域に搬送する。現像スリーブ24は、例えばアルミニウムや非磁性ステンレス等の非磁性材料で構成され、本実施形態では直径20mmのアルミニウム製としている。現像スリーブ24の内側には、ローラ状のマグネットローラ24aが、現像容器21に対して非回転状態で固定設置されている。マグネットローラ24aは、現像磁極S1と、現像剤を搬送する磁極S2、N1、N2、S3と、を有している。このうち同極であるS3極とS2極は、隣り合って現像容器21の内部側に設置されており、極間に反発磁界が形成されているため、現像スリーブ24の表面から現像剤が離間されるよう剥ぎ取られた現像剤は現像室21bに回収される。
現像装置20内の現像剤は、マグネットローラ24aにより現像スリーブ24上に担持される。その後、現像スリーブ24上の現像剤は規制ブレード25により層厚を規制され、現像スリーブ24が回転することによって感光ドラム81と対向した現像領域に回転搬送される。現像領域で現像スリーブ24上の現像剤は穂立ちして磁気穂を形成する。現像スリーブ24と感光ドラム81とが最近接する領域におけるこれらの隙間は、約300μmである。このため、現像領域に搬送された現像剤は感光ドラム81を摺擦する。磁気穂を感光ドラム81に接触させることにより、トナーを感光ドラム81に供給することで、感光ドラム81の静電潜像をトナー像として現像する。
規制ブレード25は、現像スリーブ24の長手方向軸線に沿って延在した板状のアルミニウムなどで形成された非磁性部材で構成され、現像領域よりも現像スリーブ24の回転方向上流側に配設されている。そして、この規制ブレード25の先端部と現像スリーブ24との間を、現像剤のトナーとキャリアの両方が通過して現像領域へと送られる。尚、規制ブレード25の現像スリーブ24の表面との間隙(ギャップ)を調整することによって、現像スリーブ24上に担持した現像剤の磁気穂の穂切り量が規制されて、現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。尚、規制ブレード25と現像スリーブ24との最近接位置の間隔は、200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。本実施形態では、これを500μmに設定して、規制ブレード25によって現像スリーブ24上の単位面積当たりの現像剤のコート量を、例えば30mg/cm2程度に規制している。
現像スリーブ24は、規制ブレード25による磁気穂の穂切りによって層厚を規制された現像剤を担持したまま、感光ドラム81との対向面において同一方向に回転し、担持した現像剤を現像領域に搬送する。例えば、感光ドラム81の周速は300mm/secであり、現像スリーブ24の周速は540mm/sec、即ち感光ドラム81の周速の1.8倍である。感光ドラム81に対する現像スリーブ24の周速比は、通常0.3〜3.0倍の間、好ましくは0.5〜2.0倍の間に設定する。周速比が大きいほど現像効率は高まるが、大きすぎるとトナー飛散や現像剤劣化等の問題が生じやすいので、周速比は0.5〜2.0倍の範囲内に設定するのが好ましい。
インダクタンスセンサ26は、装置本体10に設けられており、装置本体10に装着された現像容器21の側面に当接し、現像容器21の側壁を介在して第2搬送スクリュ23の軸部23aに対向して配置される。インダクタンスセンサ26は、制御部70に接続されており、攪拌室21c内を搬送される現像剤のトナー濃度を検知して、電気信号を制御部70に送信する。インダクタンスセンサ26は、検知面26aが第2搬送スクリュ23に径方向の外側から対向して配置され、現像容器21内のトナー濃度を検知して信号を出力する。感光ドラム81上の静電潜像の現像により、現像装置20内の現像剤のトナー濃度が低下するので、攪拌室21c内の現像剤に対向して設けたインダクタンスセンサ26により、攪拌室21cで現像剤のトナー濃度を検出する。インダクタンスセンサ26は、制御電圧の印加により、現像容器21の内部の現像剤の透磁率を検出可能である。制御部70は、インダクタンスセンサ26を利用して、自動トナー補給制御(ATR)を実行可能としている。これにより、制御部70は、第2搬送スクリュ23によって、補給口28から供給されたトナーと攪拌室21c内にある現像剤とを攪拌及び搬送して、現像剤のトナー濃度を一定に制御している。
インダクタンスセンサ26には、図示を省略したが、電源電圧(例えば5.0V)印加用の束線と、制御電圧(例えば4.0〜6.0V)印加用の束線と、アース用の束線と、出力電圧用の束線の4つの不図示の束線が配線されている。トナー濃度が低くなり、検知面26a近傍を通過する現像剤に含まれるキャリアの割合が相対的に増加した場合には透磁率が大きくなり、インダクタンスセンサ26の出力電圧は上昇する。反対に、トナー濃度が高くなり、検知面26a近傍を通過する現像剤に含まれるキャリアの割合が相対的に減少した場合には透磁率が小さくなり、インダクタンスセンサ26の出力電圧は低下する。
一般的に、高温多湿環境においては現像剤のトナー帯電量が低下して、トナー粒子間あるいはキャリア粒子間のクーロン反発力を低下させるため、現像剤の嵩密度は上昇する。また、低温低湿環境においては現像剤のトナー帯電量が増加して、トナー粒子間あるいはキャリア粒子間のクーロン反発力を増加させるため、現像剤の嵩密度は低下する。インダクタンスセンサ26は、トナー濃度が変わらなくても現像剤の嵩密度が変わってしまうと、異なる出力電圧、即ち検知結果を出力する。即ち、トナー濃度が同じ現像剤であっても、高温多湿環境下であるか低温低湿環境下であるかによって、インダクタンスセンサ26からは異なる検知結果が得られる。
また、第1搬送スクリュ22及び第2搬送スクリュ23の回転速度が変更された場合にも、検知面26a近傍の現像剤の嵩密度は変化する。例えば、回転速度が1/2速に変更された場合には、現像剤の搬送速度が遅くなる影響で嵩密度が上昇することから、インダクタンスセンサ26の出力電圧は上昇する。即ち、トナー濃度が同じ現像剤であっても、第1搬送スクリュ22及び第2搬送スクリュ23の回転速度が変更されると、インダクタンスセンサ26からは異なる検知結果が得られることになる。これにより、トナー濃度の検知精度が低下してしまう。
そこで、この現像装置20では、動作環境(温度、相対湿度、水分量など)やプロセス速度を変更するモード(等速モード、厚紙1/2速モードなど)の指定に応じて、インダクタンスセンサ26に印加する制御電圧を変更するようにしている。この制御電圧を変えることによって、動作環境やプロセス速度が変わったとしても、トナー濃度が同じであれば、インダクタンスセンサ26の検知精度の低下を抑制することができる。
現像装置20では、トナー容器42から補給剤が補給され、現像容器21内の現像剤が多くなると、過剰な現像剤が現像容器21から排出されるようになっている。この際、現像容器21内の現像剤量は、補給される補給剤量と排出される現像剤量の関係で変動し得る。現像剤量が多くなると自重により現像剤の嵩密度が上昇し得ることから、インダクタンスセンサ26の出力電圧は上昇し得る。即ち、トナー濃度が同じ現像剤であっても、現像容器21内の現像剤量によって、インダクタンスセンサ26からは異なる検知結果が得られることになる。そうであると、正しいトナー濃度を検知することができない。
そこで、本実施形態の現像装置20では、異なるプロセス速度でのインダクタンスセンサ26の検知結果を用いて現像容器21内の現像剤量を推定し、インダクタンスセンサ26の検知結果を補正できるようにしている。この補正によって、現像容器21内の現像剤の量が変化したとしても、トナー濃度を高精度に検知することができる。インダクタンスセンサ26の検知結果を用いて現像容器21内の現像剤の量を推定し、インダクタンスセンサ26の検知結果を補正する詳細な手法については後述する。
次に、攪拌室21c内に配置されるインダクタンスセンサ26並びにその近傍の周辺構成について、図4〜図5(b)を用いて具体的に説明する。本実施形態では、羽根23bの羽根径は一律でなく、少なくともインダクタンスセンサ26に対向する範囲の羽根径はそれ以外の箇所の羽根径と異なっている。例えば、インダクタンスセンサ26に対向する範囲の羽根径は直径13mmであり、それ以外の羽根径は直径16mmとしている。羽根径が小径化されている羽根23bの軸方向の範囲は、例えば12mmである。尚、第2搬送スクリュ23の軸部23aの軸径は、例えば直径6mmである。また、羽根23bの1ピッチは、例えば20mmである。
攪拌室21cは、現像容器21の底部が第2搬送スクリュ23の外周部(詳しくは羽根23bの外周)に沿って、例えば直径18mmの半円形状に形成されている。本現像装置20では、第2搬送スクリュ23の外周部と底部との間に、1mmのクリアランスが確保されている。
インダクタンスセンサ26は、例えばセンサ本体からの高さが4mmで、直径が8mm程度の円柱形状の検知面26aを有する。図5(a)に示すように、インダクタンスセンサ26は、検知面26aが攪拌室21c(図4参照)の底面から例えば2mm程度、第2搬送スクリュ23側に突出するように設けられている。検知面26aは、円形状の面であり、第2搬送スクリュ23の回転軸に向けられている。具体的には、検知面26aの検知面の中心と第2搬送スクリュ23の回転軸中心とを結ぶ直線と、水平線とが45°の角度をなすように、インダクタンスセンサ26は配設されている。本現像装置20では、検知面26aと第2搬送スクリュ23の外周部との間に0.5mm以上のクリアランスが確保されている。
上述したように、検知面26aは第2搬送スクリュ23側に向けて突出されている。その理由は、検知面26a近傍では現像剤を所定値以上の流速で通過させる必要があるからである。一般的に、第2搬送スクリュ23の回転軸中心から離れた外周側では、回転軸中心に近い内周側に比べると現像剤の搬送力は弱まる。そのため、第2搬送スクリュ23の外周部と底部との間に1mmのクリアランスが確保されている箇所では、現像剤の流速が遅くなる。そして、現像剤の流速が所定値以下になった場合には、検知面26a近傍に現像剤Deが滞留し易くなる。そうなると、仮に検知面26aが突出されていないとすると、補給剤が補給されたとしても現像剤の入れ替えが生じずに、その結果、トナー濃度の誤検知を誘発し得る。そこで、現像剤が滞留しやすい1mmの範囲外に検知面26aを突出させることで、現像剤が滞留し難い箇所でトナー濃度の検知を行い得るようにしている。
ただし、攪拌室21c内に検知面26aを突出させ過ぎると、羽根23bに干渉する可能性がある。その場合、干渉を避けるために、羽根23bの羽根径をさらに小さくする必要がある。しかし、羽根23bの羽根径を小さくした場合には、検知面26a近傍の現像剤の流速が遅くなり得ることから、羽根23bの羽根径をより小さくするのは難しい。これに鑑み、検知面26aの突出量は羽根23bに干渉しない1.0〜2.5mm程度とするのが望ましい。
第2搬送スクリュ23のリブ23dは、例えば20mmピッチで設けられた羽根23bのピッチ間に設けられている。第2搬送スクリュ23のインダクタンスセンサ26の検知面26aに対向する箇所には、リブ23dの代わりにパドル23pが設けられている。パドル23pは、回転軸線方向長さが9mm、径方向長さが3.5mmに形成されている。この場合、パドル23pの外縁部が羽根23bと同じ直径13mmの円周上を通過するので、パドル23pは検知面26aの近傍の現像剤の搬送を補助し得る。尚、羽根23bの搬送方向上流側の所定範囲内には、循環経路全体での現像剤の循環バランスの観点からリブ23dが配置されていない。
図5(a)に示すように、パドル23pがインダクタンスセンサ26の検知面26aと対向する位置を通過する際は、パドル23pの回転方向下流側で現像剤Deが搬送され、回転方向上流側に現像剤が少ない疎空間Spが生じ易い。したがって、回転する第2搬送スクリュ23の羽根23b及びパドル23pが現像剤を攪拌搬送する場合、インダクタンスセンサ26周辺の現像剤の挙動は、現像容器21内の現像剤量によって次のようになる。
まず、現像容器21内の現像剤量が少ない場合で、現像剤Deの剤面の殆どが、図5(b)の破線Mのように、第2搬送スクリュ23の軸部23aの中心軸よりより低い場合、現像剤の第2搬送スクリュ23の搬送方向の分布は、次のようになる。即ち、現像剤Deは、羽根23bの搬送方向下流側の面に押されるようにして搬送され、羽根23bの上流側に少なく下流側に多い分布となる。また、このような現像剤面の分布になるため、現像容器21内の現像剤総量が少ないほど、パドル23p周辺における現像剤量が少なくなり、空振り(パドル23pの回転方向上流及び下流が空隙である状態)に近い状態になる。また、この場合、嵩密度の変化量は小さく、且つインダクタンスセンサ26の検知領域に空気層が多くなる。
次に、現像剤Deの剤面が、図5(b)の細実線Nのように、第2搬送スクリュ23の軸部23aに掛かるかそれ以上の高さでは、現像剤の挙動は次のようになる。即ち、現像剤の挙動は、羽根23b及びパドル23pの回転によって現像剤が高速で巻き上げられ、多少の空気と混ざり合ってより離散的な動きをする。そのため、現像剤は空気を一定量含んだ状態になるが、現像剤量が変化しても一定の嵩の状態を安定的に得ることができる。
一方、現像剤Deの剤面が、第2搬送スクリュ23の羽根23bやパドル23pの頂点以上の高さとなるほど、現像容器21内の現像剤量が多い状態では、第2搬送スクリュ23の回転力を受けるのは羽根23bやパドル23pの回転半径内の現像剤である。したがって、羽根23bやパドル23pの回転半径より上方にある現像剤は第2搬送スクリュ23の回転力を受け難くなる。また、現像剤の自重によって現像剤の剤面高さが高いほど羽根23bやパドル23pの回転半径内においても嵩が密な状態になる。
ここで、インダクタンスセンサ26の検知結果を用いて現像容器21内の現像剤の量を推定し、インダクタンスセンサ26の検知結果を補正する手法について説明する。まず、第2搬送スクリュ23の回転とインダクタンスセンサ26に出力される信号との関係について説明する。
図6(a)は、第2搬送スクリュ23が等速モード(第1速度)で数回転する間にインダクタンスセンサ26に出力される信号の一例である。インダクタンスセンサ26に出力される信号は、第2搬送スクリュ23の回転に合わせ増減する。まず、信号の増減の意味について説明する。図5(a)に示すように、羽根23bがインダクタンスセンサ26近傍を通過する際、またパドル23pがインダクタンスセンサ26近傍を通過する際には、現像剤Deが羽根23bまたはパドル23pによってインダクタンスセンサ26側へ圧縮される。
インダクタンスセンサ26は現像剤の嵩密度が増加すると信号が大きくなるため、現像剤が羽根23bまたはパドル23pによってインダクタンスセンサ26側へ圧縮されると信号が大きくなる。一方、羽根23bまたはパドル23pがインダクタンスセンサ26近傍を通過した直後は、インダクタンスセンサ26近傍の現像剤が羽根23bまたはパドル23pによって掻き取られ、疎空間Spが発生し得る。そのため、インダクタンスセンサ26近傍の現像剤の嵩密度が低下し、インダクタンスセンサ26の信号は小さくなる。本実施形態の第2搬送スクリュ23を用いた際には、パドル23pによるインダクタンスセンサ26近傍の現像剤の圧縮または掻き取りの影響が、羽根23bよりも大きい。このため、パドル23pがインダクタンスセンサ26近傍を通過する際に、インダクタンスセンサ26から信号の最大値X1aと最小値Y1aとが出力される。
ここで、最大値X1aは、第2搬送スクリュ23のパドル23pの移動により発生され、パドル23pが検知面26aと対向する位置を通過する前後に現れる2つのピーク値のうち、先に現れるピーク値である。また、最小値Y1aは、第2搬送スクリュ23のパドル23pの移動により発生され、パドル23pが検知面26aと対向する位置を通過する前後に現れる2つのピーク値のうち、後に現れるピーク値である。尚、本実施形態では、最大値X1aとは、第2搬送スクリュ23を第1速度で回転した時にインダクタンスセンサ26により検知される第1出力信号の波形における1周期ごとに現れる最大値の複数個の平均としている。また、最小値Y1aとは、第2搬送スクリュ23を第1速度で回転した時にインダクタンスセンサ26により検知される第1出力信号の波形における1周期ごとに現れる最小値の複数個の平均としている。
図6(b)は、図6(a)と同じトナー濃度、同じ現像剤量の状態で、プロセス速度を厚紙1/2速モード(第2速度)に変更した際に、第2搬送スクリュ23が回転する間にインダクタンスセンサ26に出力される信号の一例である。1回転に要する時間は、図6(a)のt1aに対して、約2倍のt2aに延びている。図6(a)の信号と比べると、第2搬送スクリュ23が1回転する間にインダクタンスセンサ26に出力される信号の波形が異なっている。特に、現像剤がパドル23pによって掻き取られた際の最小値Y2aが、図6(a)の最小値Y1aに比べて大きくなっている。尚、本実施形態では、最小値Y2aとは、第2搬送スクリュ23を第1速度とは異なる第2速度で回転した時にインダクタンスセンサ26により検知される第2出力信号における1周期ごとに現れる最小値の複数個の平均としている。
プロセス速度が遅くなると信号最小値が大きくなる理由について説明する。信号最小値は、パドル23pによって現像剤が掻き取られることで生じる。プロセス速度が遅くなると、パドル23pが現像剤を掻き取る速度に対し、掻き取った現像剤が重力によって再びインダクタンスセンサ26近傍に流入する速度、また搬送方向前後から現像剤がインダクタンスセンサ26近傍に流入する速度の影響が大きくなる。このため、信号最小値はプロセス速度が速い場合に比べ大きくなる。
また、現像剤がインダクタンスセンサ26近傍に流入する量は、現像容器21内の現像剤の量が多い程、多くなる。図7(a)に、図6(a)に比べ現像容器21内の現像剤量が多い場合の第2搬送スクリュ23が等速モードで数回転する間にインダクタンスセンサ26に出力される信号の一例を示す。また、図7(b)に図6(b)に比べ現像容器21内の現像剤量が多い場合の第2搬送スクリュ23が厚紙1/2速モードで数回転する間にインダクタンスセンサ26に出力される信号の一例を示す。1回転に要する時間は、図7(a)のt1bに対して、約2倍のt2bに延びている。
現像容器21内の現像剤量が多い場合に、等速モードと厚紙1/2速モードでの最小値Y2−Y1の差分が大きくなっている。図8に、現像容器21内の現像剤量と、等速モード及び厚紙1/2速モードでの最小値の差分dY(=Y2−Y1)との関係を示す。図8に示すように、現像容器21内の現像剤量が多くなる程、等速モード及び厚紙1/2速モードでの最小値の差分dYが大きくなっていることがわかる。この関係を用いることで、等速モード及び厚紙1/2速モードでの最小値の差分dYから現像容器21内の現像剤量を推定できる。
次に、インダクタンスセンサ26の検知結果を用いて現像容器21内の現像剤量を推定し、インダクタンスセンサ26の検知結果を補正して現像容器21内のトナー濃度を調整する調整モードの手順について、図9のフローチャートを用いて説明する。この調整モードは、例えば、所定枚数の画像形成ごとに実行したり、あるいは電源オン時などに実行する。
まず、制御部70は、第2搬送スクリュ23を、第1速度(図6(a)及び図7(a)の等速モードに対応)で回転する(ステップS1)。制御部70は、インダクタンスセンサ26からの信号波形の最小値Y1と最大値X1とを読み取る(ステップS2)。図10(a)に現像容器21内の現像剤量がαである時における現像容器21内の現像剤のトナー濃度と、第1速度におけるインダクタンスセンサ26からの信号波形の最大値X1との関係を示す。このグラフの関係から、信号波形の最大値X1を用いて、現像剤トナー濃度Dtを算出できる。しかし、この現像剤トナー濃度Dtは、現像容器21内の現像剤量がαである時には正しいトナー濃度であるが、現像剤量がαでない時には誤差を含んでいる。
次に、制御部70は、第2搬送スクリュ23を、第2速度(図6(b)及び図7(b)の厚紙1/2モードに対応)で回転する(ステップS3)。制御部70は、インダクタンスセンサ26からの信号波形の最小値Y2を読み取る(ステップS4)。制御部70は、第1速度での最小値Y1と第2速度での最小値Y2との差分dYを算出し(ステップS5)、この差分dYに基づいて現像容器21内の現像剤量を算出する(ステップS6)。即ち、制御部70は、第1出力信号の波形の最小値Y1と、第2出力信号の波形の最小値Y2と、の差分dYに基づいて現像剤量を算出する。図10(b)に、現像容器21内の現像剤量と、第1速度での最小値Y1及び第2速度での最小値Y2との差分dYと、の関係を示す。図10(b)に示すように、第1速度での最小値Y1と第2速度での最小値Y2との差分dYを用いて、現像容器21内の現像剤量βを算出できる。
そして、制御部70は、得られた現像容器21内の現像剤量に基づいて、第1速度での最大値X1の現像剤量による補正値dXを算出する(ステップS7)。図11(a)に、現像容器21内の現像剤量と第1速度での最大値X1との関係を示す。図11(a)に示すように、現像容器21内の現像剤量がαの時に比べ、現像容器21内の現像剤量がαより大きいβの時は第1速度での最大値が補正値dXだけ大きくなっていることがわかる。
制御部70は、第1速度での最大値X1と第1速度での最大値X1の補正値dXとに基づいて、トナー濃度X0を算出する(ステップS8)。即ち、制御部70は、現像容器21内の現像剤量に基づいて、第2搬送スクリュ23を第1速度(所定速度)で回転した時にインダクタンスセンサ26により検知される出力信号の波形の最大値X1の補正値dXを算出する。そして、制御部70は、最大値X1と補正値dXとに基づいて調整モードを実行する。
図11(b)に、現像容器21内の現像剤量がαである時における現像容器21内の現像剤のトナー濃度と第1速度での最大値X1との関係を再度示す。図11(a)から、現像容器21内の現像剤量がαの時に比べ、現像容器21内の現像剤量がαより大きいβの時は第1速度での最大値X1がdXだけ大きくなることがわかっている。このため、図11(b)において、現像容器21内の現像剤量の影響を補正するためには、第1速度での最大値X1よりもdX小さいX0に対応するトナー濃度Dt0を用いれば良い。そして、制御部70は、補正後のトナー濃度Dt0に基づいて、トナー補給を実行する(ステップS9)。以上の手順によって、現像容器21内の現像剤量の影響を考慮してトナー濃度を補正し、補正されたトナー濃度Dt0を目標トナー濃度値にするように補給剤を補給制御することで、現像容器21内の現像剤トナー濃度を安定させることができる。上述したように、制御部70は、調整モードにおいて、第1速度での最小値Y1と第2速度での最小値Y2とを用いて得られた現像容器21内の現像剤量に基づいて、トナー容器42及びホッパ41を制御して現像容器21内のトナー濃度を調整する。特に、本実施形態では、制御部70は、調整モードにおいて、インダクタンスセンサ26により検知される出力信号(最大値X1)と、現像容器21内の現像剤量と、に基づいて、トナー容器42及びホッパ41を制御して現像容器21内のトナー濃度を調整する。
上述したように本実施形態の現像装置20によれば、制御部70は、現像容器21内の現像剤量に基づいて、調整モードを実行している。即ち、制御部70は、現像容器21内の現像剤量に基づいて、第1速度での最大値X1と第1速度での最大値X1の補正値dXとを算出し、トナー濃度X0を算出して、トナー容器42及びホッパ41を制御して現像容器21内のトナー濃度を調整する。このため、現像容器21内の現像剤量の変動に応じてトナー濃度を補正できない場合に比べて、現像剤量の変動に応じて高精度にトナー濃度を補正することができ、現像容器21内の現像剤量が変動しても、トナー濃度を安定して制御することができる。
また、本実施形態の現像装置20によれば、制御部70は、調整モードにおいて、第1速度での最小値Y1と第2速度での最小値Y2とに基づいて、現像容器21内の現像剤量を算出している。このため、現像容器21内の現像剤量を高精度に算出することができ、トナー濃度の補正値を高精度に取得することができる。
また、本実施形態の現像装置20によれば、制御部70は、調整モードの実行過程において現像剤量を算出している。このため、算出した現像容器21内の現像剤量を用いて、例えば補給トナーによる現像容器内トナー濃度の変化を推定し、補給剤補給タイミングを制御すること等も可能である。
上述した実施形態の現像装置20では、制御部70は、第1速度での最小値Y1と第2速度での最小値Y2とに基づいて、現像容器21内の現像剤量を算出しているが、これには限られない。例えば、制御部70は、形成した画像の画像比率(ビデオカウント値)に基づいた方法や、その他の方法により、現像容器21内の現像剤量を算出するようにしてもよい。
(実施例1)
上述した現像装置20により調整モードを実行し、現像容器21内の現像剤の量を推定して補給制御を行なった。そして、画像を印刷する前と、10万枚の画像印刷を行なった後とに、現像容器21内の現像剤のトナー濃度を測定し、差分を算出した。トナー濃度は、現像容器21内から現像剤を1g取り出し、中性洗剤を用いて現像剤からトナーのみを溶かし分離し、乾燥させて得られたキャリア重量wgから1g−wg/1gの計算式を用いて算出した。その結果を、表1に示す。表1に示すように、トナー濃度の変動は、0.5%に抑えられた。
(比較例)
実施例1に対して、第1速度での最大値X1aから補正せずにトナー濃度を算出して、補給制御を行なった。その結果を、表1に示す。表1に示すように、トナー濃度の変動は、1.0%に上昇した。表1から、現像容器21内の現像剤の量を推定し、インダクタンスセンサ26の検知結果を補正した結果を用いて補給制御を行なった実施例1の方が、比較例に比べてトナー濃度の初期からの変動が抑えられていることがわかる。従って、本実施形態の現像装置20によれば、現像容器21内の現像剤量が変動しても、トナー濃度を安定して制御することができることが確認された。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を、図12及び図13を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、制御部70は、第1速度での最小値Y1aと第2速度での最小値Y2aとの差分dYに基づいて、現像剤量を得ることなく調整モードを実行する点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
上述した第1の実施形態では、図9に示すように、最小値の差分dYから現像剤量を算出し(ステップS6)、現像剤量から補正値dXを算出している(ステップS7)。そこで、第2の実施形態では、図12に示すように、最小値の差分dYから補正値dXを直接算出している(ステップS10)。最小値の差分dYから補正値dXを算出するためには、図13に示すような事前に求めた関係を利用することができる。
上述したように本実施形態の現像装置20によっても、現像容器21内の現像剤量の変動に応じてトナー濃度を補正できない場合に比べて、現像剤量の変動に応じて高精度にトナー濃度を補正することができる。このため、現像容器21内の現像剤量が変動しても、トナー濃度を安定して制御することができる。特に、本実施形態によれば、現像剤量を得ることなく補正値dXを算出することができるので、処理をより軽負荷に高速で行なうことが可能になる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を、図14(a)、(b)を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、制御部70は、第2速度は1/3速モードである点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
上述した第1の実施形態では、第2速度は厚紙1/2速モードとしている。これに対し、本実施形態では、更なる厚紙や凹凸の激しい紙に対応するために、1/3速モードを第2速度としている。1/3速モードでは、等速モードのプロセス速度=120mm/secから、1/3速=40mm/secにプロセス速度が変更される。プロセス速度が変更された場合、第1搬送スクリュ22及び第2搬送スクリュ23の回転速度は、プロセス速度変更前の250rpmから1/3速=83rpmに変わる。
上述した第1の実施形態では、等速モードと厚紙1/2速モードとの2つのプロセス速度を持つ現像装置20について説明したが、1/2速モードよりも遅いモードであってもよい。例えば、等速モードと厚紙1/2速モードとの他に、1/2速モードよりも遅いモードも選択できるようにしてもよい。この場合、インダクタンスセンサ26により検知される波形の最小値はプロセス速度が速くなる程小さくなるため、波形最小値は複数選択可能なプロセス速度のうちで一番速い場合の波形最小値と一番遅い場合の波形最小値を比較するのがより良い。図14(a)は、等速モード及び1/2速モードの波形最小値の差分と現像容器21内の現像剤量の関係と、等速モード及び1/3速モードの波形最小値の差分と現像容器21内の現像剤量との関係を示すグラフである。図14(b)は、図14(a)のグラフの一部の拡大図である。
図14(b)を用いて、波形最小値は複数選択可能なプロセス速度のうちで一番速い場合の波形最小値と一番遅い場合の波形最小値を比較するのがより良い理由を説明する。波形最小値の差分dYは、測定誤差ΔdYを含む可能性がある。ここで、等速モード及び1/2速モードの波形最小値の差分値と現像容器21内の現像剤量とから算出した値を、dβ1とする。また、等速モード及び1/3速モードの波形最小値の差分値と現像容器21内の現像剤量とから算出した値を、dβ2とする。この場合、dβ1よりもdβ2の方が小さくなる。そのため、等速モード及び1/3速モードの波形最小値の差分値から現像剤量βを算出した場合の方が、より高精度に現像容器21内の現像剤量を算出することが可能となる。したがって、複数選択可能なプロセス速度のうちで一番速い場合の波形最小値と一番遅い場合の波形最小値を比較することで、より精度良く現像容器21内の現像剤量を推定することが可能となり、トナー濃度値をより高精度に得ることが可能となる。
上述したように本実施形態の現像装置20によっても、現像容器21内の現像剤量の変動に応じてトナー濃度を補正できない場合に比べて、現像剤量の変動に応じて高精度にトナー濃度を補正することができる。このため、現像容器21内の現像剤量が変動しても、トナー濃度を安定して制御することができる。特に、本実施形態によれば、最小値の差分をより大きく取ることができるので、トナー濃度値をより高精度に得ることが可能となる。
(実施例2)
上述した第3の実施形態の現像装置20により調整モードを実行し、実施例1と同様に現像容器21内の現像剤の量を推定して補給制御を行なった。その結果を、表2に示す。表2に示すように、トナー濃度の変動は、0.3%に抑えられた。表2から、実施例2は実施例1よりも、更にトナー濃度の初期からの変動が抑えられていることがわかる。従って、本実施形態の現像装置20によれば、現像容器21内の現像剤量が変動しても、トナー濃度を安定して制御することができることが確認された。
<他の実施形態>
上述した各実施形態では、各色の感光ドラム81から中間転写ベルト44bに各色のトナー像を一次転写した後に、シートSに各色の複合トナー像を一括して二次転写する構成の画像形成装置1について説明したが、これには限られない。例えば、転写材搬送ベルトに担持され搬送されるシートSに感光ドラム81から直接転写する直接転写方式の画像形成装置であってもよい。また、感光ドラム81はドラム状の感光体に限らず、ベルト状の感光体であってもよい。さらには、帯電方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記した方式に限られるものでない。
尚、上述した実施形態では、現像容器21が現像室21bと攪拌室21cとに水平方向に区画されている横撹拌型の現像装置を例に説明したが、この構成には限られない。即ち、現像容器21が現像室と攪拌室とに上下方向に区画されている縦撹拌型の現像装置についても、本発明を適用することは可能である。
また、上述した実施形態では、プロセス速度が2〜3種類である場合について説明したが、これには限られず、より多くの種類、あるいは連続的に可変のプロセス速度を採用してもよい。