本明細書で開示されるのは、たとえば、生物活性のある細胞のような活性剤のための治療製剤と同様に、その調製方法、及び製剤を必要とする対象の治療方法である。生物活性のある細胞の製剤は生物活性のある腎細胞(BRC)の不均質な混合物又は分画にとって好適であり得る。生物活性のある腎細胞は、尿細管細胞及びエリスロポイエチン(EPO)を産生する腎細胞を含む単離された腎細胞であり得る。BRC細胞集団は濃縮された尿細管及びEPOを産生する細胞の集団を含み得る。BRCは健常な個体からの腎細胞分画に由来する又はそれ自体腎細胞分画である。加えて、健常な個体の相当する腎細胞分画と比べた場合、特定の細胞成分を欠き得るが、依然として治療特性を保持し得る非健常な個体から得られる腎細胞分画が提供される。本開示はまた、健常な個体に比べて細胞成分を欠いている治療上活性のある細胞集団も提供し、その細胞集団は一実施形態では、種々の疾患状態における自己供給源から単離し、増殖させることができる。
生物活性のある細胞製剤が本明細書で記載されるが、本開示は種々の他の活性剤を含有する製剤を企図する。他の好適な活性剤には、限定しないで細胞凝集体、無細胞生体材料、生物活性のある細胞から分泌される生成物、高分子及び低分子の治療剤と同様にそれらの組み合わせが挙げられる。たとえば、1つの型の生物活性のある細胞を治療用分子又は他の型の生物活性のある細胞と共に又はそれを伴わずに生体材料に基づく微小キャリアと組み合わせてもよく、付着しない細胞を無細胞粒子と組み合わせてもよい。
1.定義
特に定義されない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。Principles of Tissue Engineering,第3版(Edited by R Lanza, R Langer, & J Vacanti),2007は当業者に本出願で使用される用語の多数に対する一般的な指針を提供する。当業者は、本発明の実践で使用されればよい、本明細書で記載されるものに類似する又は同等である多数の方法及び材料を認識するであろう。
用語「細胞集団」は本明細書で使用されるとき、好適な組織供給源から、普通、哺乳類から直接単離することによって得られる多数の細胞を指す。単離された細胞集団はその後、試験管内にて培養され得る。当業者は、本発明で使用するために細胞集団を単離し、培養する種々の方法及び本発明で使用するのに好適である細胞集団における種々の数の細胞を十分に理解するであろう。細胞集団は、臓器又は組織、たとえば、腎臓に由来する未分画で不均質な細胞集団であり得る。たとえば、不均質な細胞集団は組織生検から又は臓器全組織から単離され得る。或いは、不均質な細胞集団は、組織生検から又は臓器全組織から樹立される哺乳類細胞の試験管内培養に由来し得る。未分画で不均質な細胞集団は濃縮されない細胞集団とも呼ばれ得る。一実施形態では、細胞集団は生物活性のある細胞を含有する。
用語「生来の臓器」は生きている対象の臓器を意味すべきである。対象は健常であってもよく又は非健常であってもよい。非健常な対象はその特定の臓器に関連する疾患を有し得る。
用語「生来の腎臓」は生きている対象の腎臓を意味すべきである。対象は健常であってもよく又は非健常であってもよい。非健常な対象は腎疾患を有し得る。
用語「再生効果」は、たとえば、腎臓のような生来の臓器に利益を提供する効果を意味すべきである。効果には、限定しないで、生来の臓器に対する損傷の程度の軽減、又は生来の臓器の機能における改善、その回復又は安定化が挙げられ得る。腎臓の損傷は、線維症、炎症、糸球体肥大等の形態であってもよく、対象における生来の臓器に関連する疾患に関係し得る。
用語「混加物」は本明細書で使用されるとき、未分画で不均質な細胞集団に由来する2以上の単離され、濃縮された細胞集団の組み合わせを指す。特定の実施形態によれば、細胞集団は腎細胞集団である。
「濃縮された」細胞の集団又は調製物は、出発集団における特定の細胞型の比率よりも多い比率のその細胞型を含有する出発臓器細胞集団(たとえば、未分画で不均質な細胞集団)に由来する細胞集団を指す。たとえば、出発腎細胞集団は、第1の、第2の、第3の、第4の、第5の等の当該細胞集団について濃縮することができる。本明細書で使用されるとき、用語「細胞集団」、「細胞調製物」及び「細胞プロトタイプ」は相互交換可能に使用される。
態様の1つでは、用語「濃縮された」細胞集団は本明細書で使用されるとき、出発集団におけるEPOを産生することが可能である細胞の比率よりも大きい比率のEPOを産生することが可能である細胞を含有する出発臓器細胞集団(たとえば、腎生検に由来する細胞浮遊液又は培養した哺乳類の腎細胞)に由来する細胞集団を指す。たとえば、用語「B4」は、出発集団に比べて大きな比率のEPO産生細胞、糸球体細胞及び血管細胞を含有する出発腎細胞集団に由来する細胞集団である。細胞集団は1以上の細胞型について濃縮され得るし、1以上の他の細胞型を枯渇させ得る。たとえば、濃縮されたEPO産生細胞集団は、間質線維芽細胞について濃縮され得るし、濃縮されない細胞集団、すなわち、濃縮された細胞集団が由来する出発細胞集団における間質線維芽細胞及び尿細管細胞に比べて尿細管細胞及び集合管上皮細胞を枯渇させ得る。EPO濃縮の又は「B4」の集団を引用する実施形態すべてにおいて、濃縮された細胞集団は、内在性の生来のEPO遺伝子からの酸素調節可能なEPO発現によって明らかにされるように、酸素調節性の方法でEPOを産生することができる細胞を含有する細胞の不均質な集団である。
別の態様では、出発集団におけるその細胞型の比率よりも高い比率の特定の細胞型、たとえば、血管細胞、糸球体細胞又は内分泌細胞を含有する濃縮された腎細胞集団も健常な個体又は対象に由来する出発腎細胞集団と比べたとき、1以上の特定の細胞型、たとえば、血管細胞、糸球体細胞又は内分泌細胞を欠き得るし、又は欠乏し得る。たとえば、態様の1つにおける用語「B4’」又は「B4プライム」は、健常な個体と比べたとき、出発検体の病態に応じて1以上の細胞型、たとえば、血管細胞、糸球体細胞又は内分泌細胞を欠く又は欠乏する出発腎細胞集団に由来する細胞集団である。一実施形態では、B4’細胞集団は慢性腎疾患を有する対象に由来する。一実施形態では、B4’細胞集団は巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)を有する対象に由来する。別の実施形態では、B4’細胞集団は自己免疫性糸球体腎炎を有する対象に由来する。別の態様では、B4’細胞集団は、1以上の細胞型、たとえば、血管細胞、糸球体細胞又は内分泌細胞で後に枯渇させられる又は欠乏する、あらゆる細胞型、たとえば、血管細胞、糸球体細胞又は内分泌細胞を含む出発細胞集団に由来する細胞集団である。さらに別の態様では、B4’は、あらゆる細胞型、たとえば、血管細胞、糸球体細胞又は内分泌細胞を含む出発細胞集団に由来する細胞集団であり、1以上の特定の細胞型、たとえば、血管細胞、糸球体細胞又は内分泌細胞は後に濃縮される。たとえば、一実施形態では、B4’細胞集団は、血管細胞について濃縮されてもよいが、糸球体細胞及び/又は内分泌細胞を枯渇させてもよい。別の実施形態では、B4’細胞集団は、糸球体細胞について濃縮されてもよいが、血管細胞及び/又は内分泌細胞を枯渇させてもよい。別の実施形態では、B4’細胞集団は、内分泌細胞について濃縮されてもよいが、血管細胞及び/又は糸球体細胞を枯渇させてもよい。別の実施形態では、B4’細胞集団は、血管細胞及び内分泌細胞について濃縮されてもよいが、糸球体細胞を枯渇させてもよい。好まれる実施形態では、B4’細胞集団は、単独で又は別の濃縮された細胞集団、たとえば、B2及び/又はB3と混加して、治療特性を保持する。B4’細胞集団は、たとえば、実施例、たとえば、実施例11〜13にて本明細書で記載される。
別の態様では、濃縮された細胞集団は、出発集団における一部のEPO産生細胞と共に1以上の血管、糸球体及び近位尿細管のマーカーを発現する細胞の比率よりも大きい比率の、一部のEPO産生細胞と共に1以上の血管、糸球体及び近位尿細管のマーカーを発現する細胞を含有する上記で議論したような出発腎細胞集団に由来する細胞集団を指す。たとえば、用語「B3」は、出発集団に比べたとき、高い比率の血管細胞及び糸球体細胞と同様に近位尿細管細胞を含有する出発臓器細胞集団に由来する細胞集団を指す。一実施形態では、B3細胞集団は、出発集団と比べたとき、高い比率の近位尿細管細胞を含有するが、B2細胞集団と比べたとき、少ない比率の近位尿細管細胞を含有する。別の実施形態では、B3細胞集団は、出発集団と比べたとき、一部のEPO産生細胞と共に高い比率の血管及び糸球体の細胞マーカーを含有するが、B4細胞集団と比べたとき、一部のEPO産生細胞と共に低い比率の血管及び糸球体の細胞マーカーを含有する。
別の態様では、濃縮された細胞集団は、出発集団における1以上の尿細管細胞マーカーを発現する細胞の比率よりも大きい比率の1以上の尿細管細胞マーカーを発現する細胞を含有する上記で議論されたような出発腎細胞集団に由来する細胞集団も指し得る。たとえば、用語「B2」は、出発集団と比べたとき、高い比率の尿細管細胞を含有する出発腎細胞集団に由来する細胞集団を指す。加えて、1以上の尿細管細胞マーカーを発現する細胞について濃縮された細胞集団(又は「B2」)は、集合管系に由来する一部の上皮細胞を含有し得る。1以上の尿細管細胞マーカーを発現する細胞について濃縮された細胞集団(又は「B2」)は、EPO産生細胞、糸球体細胞及び血管細胞を相対的に枯渇させているけれども、濃縮された集団は、出発集団に比べて小さな比率のこれらの細胞(EPO産生細胞、糸球体細胞及び血管細胞)を含有し得る。一般に、不均質な細胞集団は、枯渇の前の不均質な細胞集団に含有される1以上の細胞型の比率に比べて枯渇させた細胞集団が低い比率のその細胞型を含有するようにその細胞型を枯渇させる。枯渇させられ得る細胞型は腎細胞の任意の型である。たとえば、特定の実施形態では、枯渇させられ得る細胞型には、約1.045g/ml未満の密度を有する集合管及び尿細管系の大きな粒度を持つ、「B1」と呼ばれる細胞が挙げられる。特定の他の実施形態では、枯渇させられ得る細胞型には、細胞残渣及び約1.095g/mlを超える密度を有し、「B5」と呼ばれる粒度が小さく、生存性の小さい小細胞が挙げられる。一部の実施形態では、尿細管細胞について濃縮された細胞集団は相対的に、以下:「B1」、「B5」、酸素調節可能なEPO産生細胞、糸球体細胞及び血管細胞のすべてを枯渇させる。
用語「低酸素の」培養条件は本明細書で使用されるとき、細胞が大気の酸素レベル(約21%)で培養される標準の培養条件に比べて細胞が培養系にて利用可能な酸素レベルの低下に供される培養条件を指す。非低酸素条件は本明細書では正常な又は酸素正常な培養条件と呼ばれる。
用語「酸素調節可能な」は本明細書で使用されるとき、細胞にとって利用可能な酸素の量に基づいて遺伝子発現を(上方又は下方に)調節する細胞の能力を指す。「低酸素誘導可能な」は酸素圧の低下(事前誘導又は出発酸素圧にかかわらず)に応答した遺伝子発現の上方調節を指す。
用語「生体材料」は本明細書で使用されるとき、生きている組織への導入に好適である天然の又は合成の生体適合性材料を指す。天然の生体材料は生物系によって作られる又はそれを起源とする材料である。合成の生体材料は生物系によって作られず又はそれを起源としない材料である。本明細書で開示される生体材料は天然の及び合成の生体適合性材料の組み合わせであり得る。本明細書で使用されるとき、生体材料には、たとえば、高分子のマトリクス及び足場が含まれる。当業者は、生体材料が種々の形態、たとえば、多孔性泡状物、ゲル、液体、ビーズ、固体で構成されてもよく、1以上の天然の又は合成の生体適合性材料を含んでもよいことを十分に理解するであろう。一実施形態では、生体材料はヒドロゲルになることが可能である溶液の液体形態である。
用語「調節された放出」又は同等の用語「制御された放出」、「遅延放出」又は「遅い放出」は、時間をかけて又は個体への投与に続く時間内で一点を越えて生物活性のある細胞のような活性剤を放出する製剤を指す。製剤に応じて所望の時間の範囲、たとえば、数分、数時間、数日、数週、又はそれ以上にわたって生じることができる活性剤の調節された放出は、実質的に投与単位全体が投与の直後に利用される標準製剤と対照的である。組織工学及び再生医学の応用については、好まれる調節された放出の製剤は、局所投与(たとえば、固形臓器への活性剤の直接投与)に続いて複数の時点での活性剤の放出を提供する。たとえば、生物活性のある細胞の調節された放出の製剤は、投与の時点で直ちに細胞の第1の放出を提供し、その後、後の時間に細胞の第2の放出を提供する。活性剤の第2の放出の時間遅延は最初の投与の数分後、数時間後、又は数日後であり得る。一般に、放出の遅延の時間は、活性剤の生体材料キャリアがその構造的な完全性を失うのにかかる時間に相当する。活性剤の遅延放出は、そのような完全性が分解し始めるときに開始し、完全性が完全に機能しなくなるときに完了する。当業者は放出の他の好適なメカニズムを十分に理解するであろう。
用語「貧血」は本明細書で使用されるとき、対象のEPO産生細胞による機能的なEPOタンパク質の不適切な産生及び/又は全身循環へのEPOタンパク質の不適切な放出及び/又は骨髄中の赤芽球がEPOタンパク質に応答できないことによる赤血球数及び/又はヘモグロビンレベルの欠損を指す。貧血の対象は赤血球の恒常性を維持することができない。一般に、貧血は腎臓機能の低下又は喪失(たとえば、慢性腎不全)を伴って生じることができ、相対的なEPOの欠乏に関連する貧血、化学療法又は抗ウイルス療法(たとえば、AZT)のような骨髄抑制療法に関連する貧血、非骨髄性の癌に関連する貧血、HIVのようなウイルスの感染に関連する貧血、及び、たとえば、自己免疫疾患(たとえば、関節リウマチ)、肝疾患及び多臓器不全のような慢性疾患の貧血が生じる。
用語「EPO欠乏症」はエリスロポイエチン受容体アゴニスト(たとえば、組換えEPO又はEPO類似体)で治療可能である、貧血を含む状態又は障害を指す。
用語「臓器関連の疾患」は本明細書で使用されるとき、その機能を実施する臓器の能力の喪失を生じる任意の段階又は程度の急性又は慢性の臓器不全に関連する障害を指す。
用語「腎疾患」は本明細書で使用されるとき、血液濾過並びに過剰な流体、電解質及び血液からの老廃物の排泄の機能を実施する腎臓の能力の喪失を生じる任意の段階又は程度の急性又は慢性の腎不全に関連する障害を指す。腎疾患には貧血のような内分泌機能不全(エリスロポイエチン欠乏症)及びミネラル不均衡(ビタミンD欠乏症)も含まれる。腎疾患は腎臓を起源とし得るし、又は心不全、高血圧症、糖尿病、自己免疫疾患又は肝疾患を含む(が、これらに限定されない)種々の状態に続発し得る。腎疾患は腎臓への急性の損傷の後に発生する慢性の腎不全の状態であり得る。たとえば、虚血による腎臓への損傷及び/又は毒性物質への暴露が急性腎不全の原因となり得る;急性の腎臓損傷の後の不完全な回復が慢性腎不全の発生につながり得る。
用語「治療」は、腎疾患、貧血、EPO欠乏症、尿細管輸送欠損症、又は糸球体濾過欠損症のための治療処置及び予防的な又は防止性の方策の双方を指し、その際、目的は標的とされる障害を反転する、防ぐ又は遅らせる(軽減する)ことである。治療を必要とする者には、腎疾患、貧血、EPO欠乏症、尿細管輸送欠損症、又は糸球体濾過欠損症をすでに有する者、並びに腎疾患、貧血、EPO欠乏症、尿細管輸送欠損症、又は糸球体濾過欠損症を有する傾向がある者、又は腎疾患、貧血、EPO欠乏症、尿細管輸送欠損症、又は糸球体濾過欠損症が予防されるべきである者が挙げられる。用語「治療」には本明細書で使用されるとき、腎機能の安定化及び/又は改善が含まれる。
用語「生体内で接触すること」は本明細書で使用されるとき、細胞の濃縮された集団によって分泌される生成物と生来の臓器との間での生体内での直接的な接触を指す。たとえば、腎細胞の濃縮された集団(又は腎細胞/腎細胞分画を含有する混加物又は構築物)によって分泌される生成物は生体内で生来の腎臓に接触し得る。生体内で直接接触することは、実際、傍分泌、内分泌又は接触分泌であり得る。分泌される生成物は本明細書で記載される様々な生成物の不均質な集団である。
用語「リボ核酸」又は「RNA」は本明細書で使用されるとき、各単位が窒素含有塩基とリボース糖とリン酸から構成されるヌクレオチド単位の鎖を指す。RNAは一本鎖又は二本鎖の形態であってもよい。RNAは、小胞の一部であってもよく、小胞の中にあってもよく、小胞に関連してもよい。小胞はエキソソームであり得る。RNAには限定しないでmRNA、rRNA、小分子RNA、snRNA、snoRNAマイクロRNA(miRNA)、小分子干渉RNA(siRNA)、及び非コーディングRNAが挙げられる。RNAは好ましくはヒトのRNAである。
用語「構築物」は、1以上の合成の又は天然に存在する生体適合性材料で構成される足場又はマトリクスの表面上に又は表面にて堆積される1以上の細胞集団を指す。1以上の細胞集団は、1以上の合成の又は天然に存在する生体適合性材料、ポリマー、タンパク質又はペプチドから構成される生体材料によってコーティングされ、その上に堆積され、それに包埋され、それに付着され、それに播かれ、又はそれに捕捉され得る。1以上の細胞集団は試験管内で又は生体内で生体材料又は足場又はマトリクスと組み合わせられ得る。一般に、足場/生体材料を形成するのに使用される1以上の生体適合性材料は、その上に堆積される細胞集団の少なくとも1つの多細胞で三次元の組織体の形成を指向する、促進する又は許容するように選択される。構築物を生成するのに使用される1以上の生体材料も、構築物又は構築物の細胞成分の内在性の宿主組織との分散及び/又は統合を指向する、促進する又は許容するように、又は構築物又は構築物の細胞成分の生存、生着、認容又は機能的遂行を指向する、促進する又は許容するように選択され得る。
用語「マーカー」又は「生体マーカー」は一般にDNA、RNA、タンパク質、炭水化物、又は糖脂質に基づく分子マーカーを指し、培養された細胞集団におけるその発現又は存在は常法(又は本明細書で開示される方法)によって検出することができ、細胞の特定の型である培養された細胞集団における1以上の細胞に一致する。そのような生体マーカーには、表X及びYで示される遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。マーカーは、細胞によって、又は、染色体上の特定可能な物理的な位置、たとえば、遺伝子、制限エンドヌクレアーゼの認識部位、若しくは生来の細胞により発現されるポリペプチドをコードする核酸(たとえば、mRNA)によって発現されるポリペプチドであり得る。マーカーは、「遺伝子発現マーカー」と呼ばれる遺伝子の発現される領域、又は既知のコーディング機能がないDNAの一部の断片であり得る。生体マーカーは細胞に由来する、たとえば、それから分泌される生成物であり得る。
用語「生体マーカーシグネチャ」、「シグネチャ」、「生体マーカー発現シグネチャ」又は「発現シグネチャ」は本明細書では相互交換可能に使用され、その発現が、細胞集団、たとえば、生物活性のある腎細胞を含む細胞型、たとえば、上皮細胞、尿細管細胞等の指標である生体マーカーの1つ又は組み合わせを指す。生体マーカーシグネチャは、本明細書で提供される方法及び製造にて使用するための細胞集団の好適性の指示器として役立ち得る。一部の実施形態では、生体マーカーシグネチャは「遺伝子シグネチャ」である。用語「遺伝子シグネチャ」は、「遺伝子発現シグネチャ」と相互交換可能に使用され、その発現が細胞型、たとえば、上皮細胞、尿細管細胞等の指標であるポリヌクレオチドの1つ又は組み合わせを指す。一部の実施形態では、生体マーカーシグネチャは「タンパク質シグネチャ」である。用語「タンパク質シグネチャ」は「タンパク質発現シグネチャ」と相互交換可能に使用され、その発現が細胞型、たとえば、上皮細胞、尿細管細胞等の指標であるポリペプチドの1つ又は組み合わせを指す。
用語「発現のレベル」又は「発現レベル」は相互交換可能に使用され、一般に、生物試料におけるポリヌクレオチド又はアミノ酸生成物又はタンパク質の量、又はポリヌクレオチド又はアミノ酸生成物又はタンパク質を発現している細胞の比率のいずれかを指す。「発現すること」又は「発現」及びその文法的変形は、生物試料における検出可能な量でのポリヌクレオチド又はアミノ酸生成物又はタンパク質の存在を指す。たとえば、検出可能である(バックグランド又は対照の値を上回る)タンパク質はタンパク質を発現していると言われ得る。同様に、試料中の細胞の一部がタンパク質を発現するのであれば、試料はタンパク質を発現していると言われ得る。別の方法では、試料は、タンパク質を発現している細胞の比率に関する発現のレベルを有すると言われ得る、たとえば、試料における細胞の60%がタンパク質を発現するのであれば、そのとき、発現のレベルは60%である。
用語「差次的に発現される遺伝子」、「差次的な遺伝子発現」及び相互交換可能に使用されるその同義語は、その発現が、第2の細胞又は細胞集団におけるその発現に比べて第1の細胞又は細胞集団にてさらに高い又はさらに低いレベルに活性化される遺伝子を指す。その用語にはまた、その発現が培養における第1の細胞又は第2の細胞の継代の間に時間をかけて異なる段階でさらに高い又はさらに低いレベルに活性化される遺伝子も含まれる。差次的に発現される遺伝子は、核酸レベル又はタンパク質レベルで活性化され若しくは阻害され得るし、又は選択的スプライシングにさらされて異なるポリペプチド生成物を生じ得ることも理解される。そのような差異は、たとえば、mRNAレベルの変化、ポリペプチドの表面発現、分泌又は他の分配によって証拠付けられ得る。差次的な遺伝子発現には、2以上の遺伝子又はその遺伝子産物の間での発現の比較、又は2以上の遺伝子又はその遺伝子産物の間での発現の比率の比較、又はさらに第1の細胞と第2の細胞の間で異なる、同一遺伝子の異なるプロセッシングを受けた2つの産物の比較が含まれ得る。差次的な発現には、たとえば、第1の細胞と第2の細胞の間での遺伝子又はその発現産物における一時的な発現パターン又は細胞の発現パターンの質的なと同様に量的な双方の差異が含まれる。本開示の目的では、「差次的な遺伝子発現」は、第1の細胞及び第2の細胞における所与の遺伝子の発現の間に差異がある場合存在すると見なされる。マーカーの差次的発現は、細胞集団、混加物又は構築物(第1の細胞)の投与後の患者に由来する細胞(第2の細胞)における発現に比べて、投与の前の患者に由来する細胞に存在し得る。
用語「阻害する」、「下方調節する」、「過少発現する」及び「低減する」は相互交換可能に使用され、1以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードする遺伝子の発現、又はRNA分子若しくは同等のRNA分子のレベル、又は1以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットの活性が、たとえば、1以上の陽性対照及び/又は陰性対照のような1以上の対照に比べて低減されることを意味する。過少発現は、細胞集団、混加物又は構築物の投与後の患者に由来する細胞に比べて投与の前の患者に由来する細胞に存在し得る。
用語「上方調節する」又は「過大発現する」は、1以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットをコードする遺伝子の発現、又はRNA分子若しくは同等のRNA分子のレベル、又は1以上のタンパク質若しくはタンパク質サブユニットの活性が、たとえば、1以上の陽性対照及び/又は陰性対照のような1以上の対照に比べて上昇することを意味するのに使用される。過大発現は、細胞集団、混加物又は構築物の投与前の患者に由来する細胞に比べて投与の後の患者に由来する細胞に存在し得る。
用語「対象」は、たとえば、腎疾患、貧血又はEPO欠乏症のような臓器関連の疾患の1以上の兆候、症状又は他の指標を経験している又は経験したことがある治療に適格な患者を含む単一のヒト対象を意味するべきである。そのような対象には、限定しないで、原因を問わず、腎疾患、貧血又はEPO欠乏症と新しく診断される又は以前診断された、再発又はぶり返しを経験している、又は腎疾患、貧血又はEPO欠乏症のリスクにある対象が挙げられる。対象は腎疾患、貧血又はEPO欠乏症の治療を以前受けていてもよく、又はそのような治療は受けていなくてもよい。
用語「患者」は、任意の単一の動物、さらに好ましくは、治療が所望される哺乳類(たとえば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、動物園動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、のような非ヒト動物、及び非ヒト霊長類を含む)を指す。最も好ましくは本明細書の患者はヒトである。
用語「試料」又は「患者試料」又は「生物試料」は一般に、対象又は患者、体液、生体組織、細胞株、組織培養物、又は他の供給源から得られる任意の生物試料を意味するべきである。その用語には、たとえば、腎生検のような組織生検も含まれる。その用語には、たとえば、培養した哺乳類の腎細胞のような培養細胞も含まれる。哺乳類から組織生検及び培養細胞を得る方法は当該技術で周知である。用語「試料」が単独で使用されるのであれば、それは「試料」が「生物試料」又は「患者試料」であることを依然として意味するべきであり、すなわち、用語は相互交換可能に使用される。
用語「試験試料」は本明細書で開示される方法によって治療されている対象に由来する試料を指す。試験試料は、限定しないで、血液、精液、血清、尿、骨髄、粘膜、組織等を含む哺乳類対象における種々の供給源を起源とし得る。
用語「対照」又は「対照試料」は、陰性又は陽性の結果が試験試料における結果を相互に関連付けるのに役立つことが期待される陰性対照又は陽性対照を指す。好適である対照には限定しないで、正常な赤血球の恒常性に特有の指標を示すことが知られる試料、貧血に特有の指標を示すことが知られる試料、貧血ではないことが知られる対象から得られる試料、及び貧血であることが知られる対象から得られる試料が挙げられる。本明細書で提供される方法で使用するのに好適な追加の対照には、限定しないで、赤血球生成を調節することが知られる医薬剤(たとえば、組換えEPO又はEPO類似体)で治療されている対象に由来する試料が挙げられる。加えて、対照は、本明細書で開示される方法によって治療される前の対象から得られる試料であってもよい。追加の好適な対照は、任意の型又は段階の腎疾患を有することが知られる対象から得られる試験試料、及び任意の型又は段階の腎疾患を有さないことが知られる対象から得られる試料であってもよい。対照は正常で健常な対応する対照であってもよい。当業者は本明細書で使用するのに好適な他の対照を十分に理解するであろう。
「再生予後診断」、「再生的予後診断」又は「再生のための予後診断」は一般に本明細書で記載される細胞集団、混加物又は構築物の投与又は埋め込みの考えられる再生的な経過又は転帰の予想又は予測を指す。再生予後診断については、予想又は予測は以下:埋め込み又は投与の後の機能的臓器(たとえば、腎臓)の改善、埋め込み又は投与の後の機能的な腎臓の発達、埋め込み又は投与の後の改善された腎臓の機能又は許容量の発達、及び埋め込み又は投与に続く生来の腎臓による特定のマーカーの発現の1以上によって知らされ得る。
「再生された臓器」は、本明細書で記載されるような細胞集団、混加物又は構築物の埋め込み又は投与の後の生来の臓器を指す。再生された臓器は、限定しないで、生来の臓器の機能又は許容量の発達、生来の臓器の機能又は許容量の改善、及び生来の臓器における特定のマーカーの発現を含む種々の指標を特徴とする。当業者は再生された臓器を特徴づけるのに他の指標が好適であり得ることを十分に理解するであろう。
「再生された腎臓」は本明細書で記載されるような細胞集団、混加物又は構築物の埋め込み又は投与の後の生来の腎臓を指す。再生された腎臓は、限定しないで、生来の腎臓の機能又は許容量の発達、生来の腎臓の機能又は許容量の改善、及び生来の腎臓における特定のマーカーの発現を含む種々の指標を特徴とする。当業者は再生された腎臓を特徴づけるのに他の指標が好適であり得ることを十分に理解するであろう。
用語「細胞凝集体」又は「スフェロイド」は、単層としての増殖とは対照的に3Dの増殖を可能にするように培養された凝集体又は集合体を指す。用語「スフェロイド」は凝集体が幾何的に球状であることを暗示しないことが言及される。凝集体は明確に定義された形態によって高度に構造化され得る、又はそれは構造化されない塊であり得る;それは単一の細胞型若しくは1を超える細胞型を含み得る。細胞は一次単離物又は永続的な細胞株、又は2つの組み合わせであり得る。この定義に含まれるのはオルガノイド及び器官型培養物である。
用語「常温」は本開示の製剤が対象に投与される温度を指す。一般に常温は温度が制御された環境の温度である。常温は約18℃〜約30℃の範囲である。一実施形態では、常温は、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、又は約30℃である。
単語「標識」は本明細書で使用される場合、核酸プローブ又は抗体のような試薬に直接又は間接的に抱合され又は融合され、それが抱合され又は融合される試薬の検出を円滑にする化合物又は組成物を指す。標識はそれ自体が検出可能であり得る(たとえば、放射線同位元素標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、標識は検出可能である基質化合物又は組成物の化学変化を触媒し得る。その用語は、プローブ又は抗体に検出可能な基質をカップリングする(すなわち、物理的連結)ことによるプローブ又は抗体の直接的な標識と同様に直接的に標識される別の試薬との反応性によるプローブ又は抗体の間接的な標識を包含するように意図される。間接的な標識の例には、蛍光で標識された二次抗体を用いた一次抗体の検出及びそれが蛍光的に標識されたストレプトアビジンによって検出できるようなビオチンによるDNAプローブの末端標識が挙げられる。
用語「検出」には直接的な検出及び間接的な検出を含む検出する手段が含まれる。
「キット」は、少なくとも1つの試薬、たとえば、腎疾患の治療のための薬物、又は本明細書で記載されるような生体マーカーの遺伝子若しくはタンパク質を特異的に検出するためのプローブを含む製品(たとえば、包装物又は容器)である。製品は好ましくは本明細書で開示される方法を実施するために単位として普及され、流通され、又は販売される。
2.細胞集団
本開示の製剤は、腎疾患の治療にて使用するための、特定の生物活性のある成分又は細胞型について濃縮され、及び/又は特定の不活性の又は望ましくない成分又は細胞型を枯渇させた、単離された不均質な腎細胞の集団及びその混加物を含有し得る、すなわち、腎機能の安定化及び/又は改善及び/又は再生を提供することは、その内容全体が参照によって本明細書に組み入れられるPresnellらのU.S.2011−0117162及びIlaganらのPCT/US2011/036347にて以前記載された。製剤は、健常個体に比べて細胞成分を欠くが、治療特性を保持する単離された腎細胞の分画を含有し得る、すなわち、腎機能の安定化及び/又は改善及び/又は再生を提供し得る。本明細書で記載される細胞の細胞集団、細胞分画及び/又は混加物は、健常個体、腎疾患の個体、又は本明細書で記載されるような対象に由来し得る。
本開示は、限定しないで単離された細胞集団、細胞分画、混加物、濃縮された細胞集団、細胞凝集体、及びそれらの組み合わせを含む種々の生物活性のある細胞集団との使用に好適である製剤を提供する。実施形態では、生物活性のある細胞集団は生物活性のある腎細胞である。
生物活性のある細胞集団
本開示は、必要とする対象における標的の臓器又は組織に投与されるべきである生物活性のある細胞集団に好適である治療用製剤を企図する。生物活性のある細胞集団は一般に対象への投与の際、潜在的に治療特性を有する細胞集団を指す。たとえば、必要とする対象への投与の際、生物活性のある腎細胞集団は対象における腎機能の安定化及び/又は改善及び/又は再生を提供することができる。治療特性には再生効果が含まれ得る。
生物活性のある細胞集団には限定しないで、たとえば、胚性幹細胞、羊膜幹細胞、成人幹細胞(たとえば、造血、乳腺、腸管、間葉、胎盤、肺、骨髄、血液、臍帯、内皮、歯髄、脂肪、神経、嗅神経、神経堤、精巣)、誘導された多能性幹細胞;遺伝子操作した細胞;並びに生体の供給源に由来する細胞集団又は組織の外植片が挙げられる。本開示の製剤は、2011年6月9日に出願されたBasuらのPCT/US11/39859にて記載されたような腎臓脂肪に由来する細胞集団と共に;2011年3月3日に出願されたLudlowらのU.S.2010−0131075及びLudlowらのPCT/US11/35058にて記載されたような脂肪由来の又は末梢血由来の平滑筋細胞と共に;又はAtalaのU.S.6,576,019にて記載されたような膀胱由来の尿路上皮細胞若しくは平滑筋細胞と共に使用されてもよく、そのそれぞれは全体として参照によって本明細書に組み入れられる。生物活性のある細胞集団は実際、単離されてもよく、濃縮されてもよく、精製されてもよく、均質であってもよく、又は不均質であってもよい。当業者は本開示の製剤で使用するのに好適である他の生物活性のある細胞集団を十分に理解するであろう。
一実施形態では、細胞の供給源は意図される標的の臓器又は組織と同一である。たとえば、腎細胞は、腎臓に投与される製剤で使用される腎臓から供給され得る。別の実施形態では、細胞の供給源は意図される標的の臓器又は組織と同一ではない。たとえば、エリスロポイエチンを発現している細胞は腎臓に投与される製剤で使用される腎臓脂肪から供給され得る。
態様の1つでは、本開示は、生物活性のある成分について濃縮され、不活性の又は望ましくない成分を枯渇させた腎細胞の不均質集団の特定の亜分画を含有する製剤を提供し、出発集団よりも優れた治療成果及び再生成果を提供する。たとえば、本明細書で記載される生物活性のある腎細胞、たとえば、B2、B4及びB3、不活性の又は望ましくない成分を枯渇させる腎細胞、たとえば、B1及びB5は単独で又は混加されて、腎機能の安定化及び/又は改善及び/又は再生のために使用される製剤の一部であることができる。
別の態様では、製剤は、単独で、又は他の生物活性のある亜分画、たとえば、B2及び/又はB3と混加された場合、治療特性、たとえば、腎機能の安定化及び/又は改善及び/又は再生を保持する、特定の亜分画B4、1以上の細胞型、たとえば、血管細胞、内分泌細胞又は内皮細胞を枯渇させた又は欠損した、すなわちB4’を含有する。好まれる実施形態では、生物活性のある細胞集団はB2である。特定の実施形態では、B2細胞集団はB4又はB4’と混加される。他の実施形態では、B2細胞集団はB3と混加される。他の実施形態では、B2細胞集団はB3及びB4の双方と、又はB3及び/又はB4の特定の細胞成分と混加される。
B2細胞集団は、以下:メガリン、キュビリン、ヒアルロン酸シンターゼ2(HAS2)、ビタミンD3 25−ヒドロキシラーゼ(CYP2D25)、N−カドヘリン(Ncad)、E−カドヘリン(Ecad)、アクアポリン−1(Aqp1)、アクアポリン−2(Aqp2)、RAB17、メンバーRAS癌遺伝子ファミリー(Rab17)、GATA結合タンパク質3(Gata3)、FXYDドメイン含有イオン輸送調節因子4(Fxyd4)、溶質キャリアファミリー9(ナトリウム/水素交換体)、メンバー4(Slc9a4)、アルデヒド脱水素酵素3ファミリー、メンバーB1(Aldh3b1)、アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA3(Aldh1a3)、及びカルパイン−8(Capn8)、及び集合管マーカーアクアポリン−4(Aqp4)の1以上から成る群から選択される尿細管細胞マーカーの発現を特徴とする。B2はB3及び/又はB4よりも大きく、さらに粒状化されるので、約1.045g/ml〜約1.063g/ml(齧歯類)の間、約1.045g/ml〜1.052g/ml(ヒト)の間、及び約1.045g/ml〜約1.058g/ml(イヌ)の間の浮遊密度を有する。
B3細胞集団は、一部のEPO産生細胞と共に血液細胞、糸球体細胞、及び近位尿細管細胞のマーカーの発現を特徴とし、B2及びB4に比べて中間的なサイズ及び粒度であるので、約1.063g/ml〜約1.073g/ml(齧歯類)の間、約1.052g/ml〜約1.063g/ml(ヒト)の間、及び約1.058g/ml〜約1.063g/ml(イヌ)の間の浮遊密度を有する。B3は、以下:アクアポリン7(Aqp7)、FXYDドメイン含有イオン輸送調節因子2(Fxyd2)、溶質キャリアファミリー17(リン酸ナトリウム)、メンバー3(Slc17a3)、溶質キャリアファミリー3、メンバー1(Slc3a1)、クラウジン2(Cldn2)、ナプシンAアスパラギン酸ペプチダーゼ(Napsa)、溶質キャリアファミリー2(促進されたグルコース輸送体)、メンバー2(Slc2a2)、アラニル(膜)アミノペプチダーゼ(Anpep)、膜貫通タンパク質27(Tmem27)、アシル−CoAシンターゼ中鎖ファミリーメンバー2(Acsm2)、グルタチオンペルオキシダーゼ3(Gpx3)、フルクトース−1、6−二リン酸1(Fbp1)、及びアラニングリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ2(Agxt2)の1以上から成る群から選択されるマーカーの発現を特徴とする。B3はまた、血管発現マーカー血小板内皮細胞接着分子(Pecam)及び糸球体発現マーカーポドシン(Podn)によっても特徴づけられる。
B4細胞集団は、以下:PECAM、VEGF、KDR、HIF1a、CD31、CD146;以下:ポドシン(Podn)、及びネフリン(Neph)の1以上を含有する糸球体マーカーのセット;並びに未分画(UNFX)のB2及びB3に比べて酸素調節可能なEPOを濃縮した集団の1以上を含有する血管マーカーのセットの発現を特徴とする。B4はまた、以下のマーカー:ケモカイン(C−X−Cモチーフ)受容体4(Cxcr4)、エンドセリン受容体B型(Ednrb)、コラーゲンV型、アルファ2(Col5a2)、カドヘリン5(Cdh5)、プラスミノーゲン活性化因子、組織(Plat)、アンギオポイエチン2(Angpt2)、キナーゼ挿入ドメインタンパク質受容体(Kdr)、分泌されたタンパク質、酸性のシステインリッチ(オステオネクチン)(Sparc)、セルグリシン(Srgn)、TIMPメタロペプチダーゼ阻害剤3(Timp3)、ウィルムズ腫瘍1(Wt1)、ウイングレス型MMTV組込み部位ファミリー、メンバー4(Wnt4)、G−タンパク質シグナル伝達4(Rgs4)の調節、血小板内皮細胞接着分子(Pecam)、及びエリスロポイエチン(Epo)の1以上を含有する血管マーカーセットの発現を特徴とする。B4はまた、B2又はB3のいずれかと比べて小さく、粒状化の少ない細胞も特徴とし、約1.073g/ml〜約1.091g/ml(齧歯類)の間、約1.063g/ml〜約1.091g/mL(ヒト及びイヌ)の間の浮遊密度を持つ。
B4’細胞集団は、1.063g/ml〜1.091g/mlの浮遊密度を有し、以下のマーカー:PECAM、vEGF、KDR、HIF1a、ポドシン、ネフリン、EPO、CK7、CK8/18/19を発現すると定義される。一実施形態では、B4’細胞集団は、以下:PECAM、vEGF、KDR、HIF1a、CD31、CD146の1以上を含有する血管マーカーのセットの発現を特徴とする。別の実施形態では、B4’細胞集団は分泌マーカーEPOの発現を特徴とする。一実施形態では、B4’細胞集団は以下:ポドシン(Podn)及びネフリン(Neph)の1以上を含有する糸球体マーカーセットの発現を特徴とする。特定の実施形態では、B4’細胞集団は、以下:PECAM、vEGF、KDR、HIF1aの1以上を含有する血管マーカーのセットの発現及び内分泌マーカーEPOの発現を特徴とする。別の実施形態では、B4’はB2又はB3のいずれかと比べて小さく、粒状化の少ない細胞も特徴とし、約1.073g/ml〜約1.091g/ml(齧歯類)の間、約1.063g/ml〜約1.091g/mL(ヒト及びイヌ)の間の浮遊密度を持つ。
態様の1つでは、本開示は、約1.063g/ml〜約1.091g/mLの間の密度を有するエリスロポイエチン(EPO)産生細胞、血液細胞、及び糸球体細胞の少なくとも1つを含有するヒト腎細胞の単離され、濃縮されたB4’集団を含有する製剤を提供する。一実施形態では、B4’細胞集団は血管マーカーの発現を特徴とする。特定の実施形態では、B4’細胞集団は糸球体マーカーの発現を特徴とする。一部の実施形態では、B4’細胞集団は酸素調節可能なエリスロポイエチン(EPO)の発現が可能である。
一実施形態では、製剤はB4’細胞集団を含有するが、1.045g/ml〜1.052g/mlの密度を有する尿細管細胞を含むB2細胞集団を含まない。別の実施形態では、B4’細胞集団の製剤は、<1.045g/mlの密度を有する集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含むB1細胞集団を含まない。さらに別の実施形態では、B4’細胞集団の製剤は、細胞残渣と、低い粒度及び生存性で>1.091g/mlの密度を持つ小細胞とを含むB5細胞集団を含まない。
一実施形態では、B4’細胞集団を含有する製剤は、1.045g/ml〜1.052g/mlの間の密度を有する尿細管細胞を含むB2細胞集団;<1.045g/mlの密度を有する集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含むB1細胞集団;及び細胞残渣と、低い粒度及び生存性で>1.091g/mlの密度を持つ小細胞とを含むB5細胞集団を含まない。一部の実施形態では、B4’細胞集団は腎疾患を有する対象に由来し得る。
態様の1つでは、本開示は、第1の細胞集団、1.045g/ml〜1.052g/mlの間の密度を有する尿細管細胞の単離され、濃縮された集団を含むB2と、第2の細胞集団、約1.063g/ml〜約1.091g/mLの間の密度を有するエリスロポイエチン(EPO)産生細胞及び血液細胞を含むが、糸球体細胞を枯渇させたB4’とを含むヒト腎細胞の混加物を含有する製剤を提供し、その際、混加物は、<1.045g/mlの密度を有する集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含むB1細胞集団、又は細胞残渣と、低い粒度及び生存性で>1.091g/mlの密度を持つ小細胞とを含むB5細胞集団を含まない。特定の実施形態では、B4’細胞集団は血管マーカーの発現を特徴とする。一実施形態では、B4’細胞集団は糸球体マーカーの発現を特徴としない。特定の実施形態では、B2はさらに集合管上皮細胞を含む。一実施形態では、製剤は、受容体が介在するアルブミンの取り込みが可能である細胞の混加物を含有する。別の実施形態では、細胞の混加物は酸素調節可能なエリスロポイエチン(EPO)の発現が可能である。一実施形態では、混加物は試験管内及び生体内の双方で高分子量種のヒアルロン酸(HA)の産生を生じる及び/又は刺激することが可能であるHAS-2を発現する細胞を含有する。実施形態すべてにおいて、第1と第2の細胞集団は腎臓組織又は培養した腎細胞に由来し得る(Basu et al. Lipids in Health and Disease, 2011, 10:171)。
一実施形態では、製剤は生体内送達の際、再生刺激を提供することが可能である混加物を含有する。他の実施形態では、混加物は生体内送達の際、糸球体濾過、尿細管再吸収、尿生成、及び/又は内分泌機能の低下を軽減し、それを安定化し、又は改善することが可能である。一実施形態では、B4’細胞集団は腎疾患を有する対象に由来する。
態様の1つでは、本開示は、約1.063g/ml〜約1.091g/mLの間の密度を有するエリスロポイエチン(EPO)産生細胞、血液細胞、及び糸球体細胞の少なくとも1つを含むヒト腎細胞の単離され、濃縮されたB4’集団を含有する製剤を提供する。一実施形態では、B4’細胞集団は血管マーカーの発現を特徴とする。特定の実施形態では、B4’細胞集団は糸球体マーカーの発現を特徴としない。発現されない糸球体マーカーはポドシンであってもよい。一部の実施形態では、B4’細胞集団は酸素調節可能なエリスロポイエチン(EPO)の発現が可能である。
一実施形態では、B4’細胞集団を含有する製剤は1.045g/ml〜1.052g/mlの間の密度を有する尿細管細胞を含むB2細胞集団を含まない。別の実施形態では、B4’細胞集団製剤は<1.045g/mlの密度を有する集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含むB1細胞集団を含まない。さらに別の実施形態では、B4’細胞集団製剤は細胞残渣と、低い粒度及び生存性で>1.091g/mlの密度を持つ小細胞とを含むB5細胞集団を含まない。
一実施形態では、B4’細胞集団を含有する製剤は、1.045g/ml〜1.052g/mlの間の密度を有する尿細管細胞を含むB2細胞集団;<1.045g/mlの密度を有する集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含むB1細胞集団;及び細胞残渣と、低い粒度及び生存性で>1.091g/mlの密度を持つ小細胞とを含むB5細胞集団を含まない。一部の実施形態では、B4’細胞集団は腎疾患を有する対象に由来し得る。
態様の1つでは、本開示は、1.045g/ml〜1.052g/mlの間の密度を有する尿細管細胞の単離され、濃縮された集団を含む第1の細胞集団B2と、約1.063g/ml〜約1.091g/mLの間の密度を有するエリスロポイエチン(EPO)産生細胞及び血液細胞を含むが、糸球体細胞を枯渇させた第2の細胞集団B4’とを含むヒト腎細胞の混加物を含有する製剤を提供し、その際、混加物は、<1.045g/mlの密度を有する集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含むB1細胞集団、又は細胞残渣と、低い粒度及び生存性で>1.091g/mlの密度を持つ小細胞とを含むB5細胞集団を含まない。特定の実施形態では、B4’細胞集団は血管マーカーの発現を特徴とする。一実施形態では、B4’細胞集団は糸球体マーカーの発現を特徴としない。特定の実施形態では、B2はさらに集合管上皮細胞を含む。一実施形態では、細胞の混加物は、受容体が介在するアルブミンの取り込みが可能である細胞の混加物を含有する。別の実施形態では、細胞の混加物は酸素調節可能なエリスロポイエチン(EPO)の発現が可能である。一実施形態では、混加物は試験管内及び生体内の双方で高分子量種のヒアルロン酸(HA)の産生を生じる及び/又は刺激することが可能であるHAS-2を発現する細胞を含有する。実施形態すべてにおいて、第1と第2の細胞集団は腎臓組織又は培養した腎細胞に由来し得る。
別の態様では、本開示は、細胞分画又は濃縮した細胞集団(たとえば、B1、B2、B3、B4(又はB4’)及びB5)の組み合わせを含む不均質な腎細胞集団を含有する製剤を提供する。一実施形態では、組み合わせは約1.045g/ml〜約1.091g/mlの間の浮遊密度を有する。他の一実施形態では、組み合わせは約1.045g/ml未満〜約1.099g/ml又は1.100g/mlの間の浮遊密度を有する。別の実施形態では、組み合わせは密度勾配による分離によって、たとえば遠心によって決定されるような浮遊密度を有する。さらに別の実施形態では、細胞分画の組み合わせはB1及び/又はB5を枯渇させたB2、B3及びB4(又はB4’)を含有する。一部の実施形態では、細胞分画の組み合わせはB2、B3、B4(又はB4’)及びB5を含有するが、B1は枯渇させる。B1及び/又はB5を枯渇させた時点で、B2、B3及びB4(又はB4’)の細胞分画の組み合わせを含有する製剤の調製に先立って組み合わせを続いて試験管内で培養し得る。
本開示の発明者らは驚くべきことにB1を枯渇させたB2、B3、B4及びB5の試験管内の培養がB5の枯渇を生じることを発見した。一実施形態では、B5は少なくとも1、2、3、4又は5回の継代の後、枯渇する。他の一実施形態では、本明細書で記載される条件下で継代されるB2、B3、B4及びB5の細胞分画の組み合わせは、継代細胞集団の約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、又は約0.5%未満である比率でのB5を有する継代細胞集団を提供する。
別の実施形態では、B4’は細胞分画の組み合わせの一部である。他の一実施形態では、B5の枯渇を試験管内で培養することは低酸素条件下である。
一実施形態では、製剤は、生体内送達の際、再生刺激を提供することが可能である混加物を含有する。他の実施形態では、混加物は生体内送達の際、糸球体濾過、尿細管再吸収、尿生成、及び/又は内分泌機能の低下を軽減し、それを安定化し、又は改善することが可能である。一実施形態では、B4’細胞集団は腎疾患を有する対象に由来する。
好まれる実施形態では、製剤はB3及び/又はB4との併用でB2を含む混加物を含有する。別の好まれる実施形態では、混加物はB3及び/又はB4’との併用でB2を含む。他の好まれる実施形態では、混加物は、(i)B3及び/又はB4との併用でB2、又は(ii)B3及び/又はB4’との併用でB2から成る又はから本質的に成る。
B4’細胞集団を含有する混加物は非健常対象からも得られるB2及び/又はB3細胞集団を含有し得る。非健常対象はB4’分画が得られる対象と同じであり得る。B4’細胞集団とは対照的に、非健常対象から得られるB2及びB3細胞集団は通常、健常な個体に由来する出発腎細胞集団に比べて1以上の特定の細胞型を欠損していない。
PresnellらのWO/2010/056328にて記載されたように、B2及びB4の細胞集団は、B2細胞集団にてさらに具体的に濃縮されるマーカーであるヒアルロン酸シンターゼ−2(HAS−2)の作用を介して試験管内及び生体内の双方で高分子量種のヒアルロン酸(HA)を発現することが可能であることが見いだされている。5/6NxモデルにおけるB2による処理は、生体内でのHAS−2の強い発現及び処理した組織内での高分子量HAの予想された産生に付随して線維症を軽減することが示された。とりわけ、未処理のままの5/6NxモデルはHAS−2の限定された検出及び高分子量HAの少ない産生を伴った線維症を生じた。理論によって束縛されるのを望まないで、B2(及びB4によってある程度)によって優勢に産生されるこの抗炎症性の高分子量のHAは、腎線維症の軽減及び腎再生の助けにて細胞調製物と相乗して作用する。結果的に、本開示はヒアルロン酸を含む生体材料と共に本明細書で記載される生物活性のある腎細胞を含有する製剤を包含する。本開示によって企図されるのはまた、埋め込んだ細胞による直接的な産生又は産生の刺激を介した再生刺激の生体材料成分の提供である。
態様の1つでは、本開示は、必要とする対象における腎疾患、貧血及び/又はEPO欠乏症の治療で使用するためのEPO産生腎細胞の単離された不均質な集団を含有する製剤を提供する。一実施形態では、細胞集団は腎生検に由来する。別の実施形態では、細胞集団は腎組織全体に由来する。他の一実施形態では、細胞集団は腎生検又は腎組織全体から樹立される哺乳類腎細胞の試験管内培養物に由来する。実施形態すべてにおいて、これらの集団は、本明細書では濃縮されない細胞集団とも呼ばれる未分画の細胞集団である。
別の態様では、本開示は、濃縮された亜集団におけるエリスロポイエチン(EPO)産生細胞の比率が出発の又は当初の細胞集団におけるEPO産生細胞の比率よりも大きくなるようにさらに濃縮されるEPO産生腎細胞の単離された集団を含有する製剤を提供する。一実施形態では、濃縮されたEPO産生細胞分画は、濃縮されない当初の集団に含有される間質線維芽細胞及び尿細管細胞に比べて高い比率の間質線維芽細胞及び低い比率の尿細管細胞を含有する。特定の実施形態では、濃縮されたEPO産生細胞分画は、濃縮されない当初の集団に含有される糸球体細胞、血管細胞及び集合管細胞に比べて高い比率の糸球体細胞及び血管細胞並びに低い比率の集合管細胞を含有する。そのような実施形態では、これらの集団は本明細書では「B4」細胞集団と呼ばれる。
別の態様では、本開示は、1以上の追加の腎細胞集団と混加されるEPO産生腎細胞集団を含有する製剤を提供する。一実施形態では、EPO産生細胞集団はEPO産生細胞について濃縮された第1の細胞集団、たとえば、B4である。別の実施形態では、EPO産生細胞集団は、EPO産生細胞について濃縮されない第1の細胞集団、たとえば、B2である。別の実施形態では、第1の細胞集団は第2の腎細胞集団と混加される。一部の実施形態では、第2の細胞集団は尿細管細胞について濃縮され、それは尿細管細胞の表現型の存在によって明らかにされ得る。別の実施形態では、尿細管細胞の表現型は尿細管細胞マーカーの1つの存在によって示され得る。別の実施形態では、尿細管細胞の表現型は1以上の尿細管細胞マーカーの存在によって示され得る。尿細管細胞マーカーには、限定しないで、メガリン、キュビリン、ヒアルロン酸シンターゼ2(HAS2)、ビタミンD3 25−ヒドロキシラーゼ(CYP2D25)、N−カドヘリン(Ncad)、E−カドヘリン(Ecad)、アクアポリン−1(Aqp1)、アクアポリン−2(Aqp2)、RAB17、メンバーRAS癌遺伝子ファミリー(Rab17)、GATA結合タンパク質3(Gata3)、FXYDドメイン含有イオン輸送調節因子4(Fxyd4)、溶質キャリアファミリー9(ナトリウム/水素交換体)、メンバー4(Slc9a4)、アルデヒド脱水素酵素3ファミリー、メンバーB1(Aldh3b1)、アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA3(Aldh1a3)、及びカルパイン−8(Capn8)が挙げられる。別の実施形態では、第1の細胞集団は、限定しないで間質由来の細胞、尿細管細胞、集合管由来の細胞、糸球体由来の細胞及び/又は血液若しくは脈管に由来する細胞を含む幾つかの型の腎細胞の少なくとも1つと混加される。
本開示の製剤は、B2及び/又はB3との混加物の形態で、又は濃縮された細胞集団、たとえば、B2+B3+B4/B4’の形態でB4又はB4’を含有するEPO産生腎細胞集団を含み得る。
態様の1つでは、製剤は、培養系の酸素圧の低下がEPOの発現の誘導を生じるようなEPOの発現及び酸素への生体応答性を特徴とするEPO産生腎細胞集団を含有する。一実施形態では、EPO産生細胞集団はEPO産生細胞について濃縮される。一実施形態では、利用可能な酸素の正常な大気(約21%)のレベルで培養される細胞集団に比べて培養系での利用可能な酸素レベルの低下に細胞が供される条件下で細胞集団を培養した場合、EPOの発現が誘導される。一実施形態では、低い酸素条件で培養されたEPO産生細胞は正常な酸素条件で培養されたEPO産生細胞に比べて高いレベルのEPOを発現する。一般に、利用可能な酸素の低下したレベル(低酸素培養条件ともいう)での細胞の培養は、低下した酸素のレベルが利用可能な酸素の正常レベル又は正常酸素レベル(正常又は正常酸素培養条件ともいう)での細胞の培養に比べて低下することを意味する。一実施形態では、低酸素細胞培養条件には、およそ1%未満の酸素、およそ2%未満の酸素、およそ3%未満の酸素、およそ4%未満の酸素又はおよそ5%未満の酸素で細胞を培養することが挙げられる。別の実施形態では、正常又は正常酸素培養条件には、約10%酸素、約12%酸素、約13%酸素、約14%酸素、約15%酸素、約16%酸素、約17%酸素、約18%酸素、約19%酸素、約20%酸素、又は約21%酸素で細胞を培養することが挙げられる。
他の一実施形態では、およそ5%未満の利用可能な酸素で細胞を培養し、大気の(約21%)酸素で培養された細胞とEPOの発現レベルを比較することによってEPOの誘導又は高い発現が得られ、それを観察することができる。別の実施形態では、細胞の培養物がある期間大気の酸素(約21%)で培養される第1の培養相と利用可能な酸素レベルが下げられ、同じ細胞をおよそ5%未満の利用可能な酸素で培養する第2の培養相とを含む方法によってEPOを発現することが可能である細胞の培養物にてEPOの誘導が得られる。別の実施形態では、低酸素条件に応答性であるEPOの発現はHIF1αによって調節される。当業者は当該技術で既知の他の酸素操作培養条件が本明細書で記載される細胞に使用され得ることを十分に理解するであろう。
態様の1つでは、製剤は、潅流条件への生体応答性(たとえば、EPOの発現)を特徴とするEPOを産生する哺乳類細胞の濃縮された集団を含有する。一実施形態では、潅流条件には、一時的な、間欠的な又は連続的な流体の流れ(潅流)が挙げられる。一実施形態では、原動力が流れを介して細胞に伝えられるような方法で、細胞が培養される培地を間欠的に又は連続的に循環させる又は撹拌する場合、EPOの発現が機械的に誘導される。一実施形態では、一時的な、間欠的な又は連続的な流体の流れに供された細胞は、それらが三次元構造として存在するような又はそのような三次元構造を形成する枠組み及び/又は空間を提供する物質上に存在するような方法で培養される。一実施形態では、細胞は多孔性ビーズ上で培養され、振動台、軌道を回る台、又はスピナーフラスコによって間欠的な又は連続的な流体の流れに供される。別の実施形態では、細胞は三次元足場上で培養され、足場が固定され、流体が足場を通って又は横切って指向的に流れる用具に入れられる。当業者は、当該技術で既知の他の潅流培養条件が本明細書で記載される細胞に使用され得ることを十分に理解するであろう。
細胞凝集体
他の態様の1つでは、本開示の製剤は細胞の凝集体又はスフェロイドを含有する。一実施形態では、細胞凝集体は本明細書で記載される生物活性のある細胞集団を含む。別の実施形態では、細胞凝集体は、たとえば、腎細胞の混加物、濃縮された腎細胞集団及び腎細胞分画の組み合わせのような生物活性のある腎細胞を含む。
特定の実施形態では、本開示の生物活性のある腎細胞は本明細書でさらに記載されるような3D形式で培養され得る。一部の実施形態では、用語「オルガノイド」は生来の腎臓に一致する表現型及び/又は機能を伴った細胞の蓄積を指す。一部の実施形態では、オルガノイドは、所与の組織にて生体内で通常見いだされる種々の系列の細胞の混合された集団を含む。一部の実施形態では、本開示のオルガノイドは、本開示の細胞が凝集体を形成する、同様にスフェロイド、オルガノイド又はそれらの組み合わせを形成し得る任意の手段を介して試験管内で形成される。そのような凝集体、スフェロイド又はオルガノイドは一部の実施形態では、特定の臓器と一致する構造を仮定する。一部の実施形態では、そのような凝集体、スフェロイド又はオルガノイドは、特定の臓器の細胞によって通常発現される表面マーカーを発現する。一部の実施形態では、そのような凝集体、スフェロイド又はオルガノイドは、特定の臓器の細胞によって通常発現される化合物又は物質を産生する。特定の実施形態では、本開示の細胞は天然基材、たとえば、ゼラチン上で培養され得る。他の実施形態では、本開示の細胞は合成基材、たとえば、PGLA上で培養され得る。
活性のない細胞集団
本明細書で記載されるように、生物活性のある成分について濃縮され、活性のない又は望ましくない成分を枯渇させた腎細胞の不均質な集団の特定の亜分画は、出発集団よりも優れた治療成果及び再生成果を提供する。好まれる実施形態では、本開示によって提供される製剤は、B1及び/又はB5細胞集団を枯渇させている細胞集団を含有する。たとえば、以下:B2、B3及びB4(又はB4’)の2以上の混加物;B2、B3及びB4(又はB4’)の濃縮された細胞集団はB1及び/又はB5を枯渇させてもよい。
B1細胞集団は、約1.045g/ml未満の浮遊密度を有する集団の細胞を伴った集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含む。B5細胞集団は、細胞残渣と、低い粒度及び生存性で約1.091g/mlを超える浮遊密度を有する小さな細胞とで構成される。
細胞集団を単離し、培養する方法
態様の1つでは、本開示の製剤は、腎臓組織から単離され、及び/又は培養されている細胞集団を含有する。腎疾患、貧血、EPO欠乏症、尿細管輸送欠損症、及び糸球体濾過欠損症の治療を含む治療用途のために製剤にて使用されるであろう腎細胞成分、たとえば、濃縮された細胞集団を分離し、単離するために方法が本明細書で提供される。一実施形態では、細胞集団は、新しく消化された、すなわち、機械的に若しくは酵素的に消化された腎臓組織から、又は哺乳類の腎細胞の不均質な試験管内の培養から単離される。
製剤は、密度勾配での分離がB4’を含むB4及びB2及び/又はB3の分画双方にて細胞の向上した分布及び組成を提供するのに先立って、低酸素培養条件で培養されている腎細胞の不均質な混合物を含有し得る。B2からのB4における酸素依存性細胞の濃縮は、病んだ腎臓及び病んでいない腎臓の双方から単離された腎細胞について観察された。理論に束縛されることを望まないで、これは、以下現象:(1)低酸素培養期間の間での特定の細胞成分の選択的な生き残り、死滅又は増殖;(2)低酸素培養に応答して細胞の粒度及び/又はサイズが変化し、それによって密度勾配分離の間に浮遊密度が変化し、その後、局在が変化すること;並びに(3)低酸素培養期間に応答して細胞の遺伝子/タンパク質の発現が変化し、それによって勾配の所与の分画の中で細胞の差次的特性が生じること;の1以上により得る。従って、一実施形態では、製剤は尿細管細胞について濃縮された細胞集団を含有し、たとえば、B2は低酸素耐性である。
細胞集団を分離し、単離する例となる技法には、当該集団の中に含有される様々な細胞型の差次的な比重に基づいた密度勾配による分離が挙げられる。所与の細胞型の比重は、細胞内の粒度の程度、水の細胞内容量及び他の因子によって影響され得る。態様の1つでは、本開示は、ヒト、イヌ及び齧歯類を含むが、これらに限定されない多数の種にわたる細胞集団、たとえば、B2及びB4’を含むB4の単離について最適な勾配条件を提供する。好まれる実施形態では、密度勾配を用いて、尿細管細胞分画の新規の濃縮集団、すなわち、腎細胞の不均質な集団に由来するB2細胞集団を得る。一実施形態では、密度勾配を用いて、EPO産生細胞分画の新規の濃縮集団、すなわち、腎細胞の不均質な集団に由来するB4細胞集団を得る。他の実施形態では、密度勾配を用いて、腎臓の尿細管細胞、糸球体細胞、及び内皮細胞の濃縮された亜集団を得る。一実施形態では、EPO産生細胞及び尿細管細胞は双方とも赤血球及び細胞残渣から分離される。一実施形態では、EPO産生細胞、糸球体細胞、及び血管細胞が、他の細胞型から及び赤血球及び細胞残渣から分離される一方で、尿細管細胞及び集合管細胞は他の細胞型から及び赤血球及び細胞残渣から付随して分離される。他の一実施形態では、内分泌細胞、糸球体細胞及び血管細胞が他の細胞型から及び赤血球及び細胞残渣から分離される一方で、尿細管細胞及び集合管細胞の亜集団は他の細胞型から及び赤血球及び細胞残渣から付随して分離される。
態様の1つでは、本開示の製剤は、以下に記載される特定のカギとなる特徴に基づいて、水中に60%の非イオン性ヨウ素化化合物イオジキサノールを含むOPTIPREP(登録商標)(Axis−Shield)密度勾配媒体を部分的に用いて生成される細胞集団を含有する。しかしながら、当業者は、任意の密度勾配又は他の手段、たとえば、本開示の細胞集団を単離するのに必要な特徴を含む、当該技術で既知の細胞表面マーカーを用いた免疫的な分離を使用してもよいことを認識するであろう。密度勾配を介した細胞の亜集団の分離に寄与する同じ細胞の特徴(サイズ及び粒度)を利用してフローサイトメトリー(前方散乱=フローサイトメトリーを介したサイズの反映、及び側面散乱=粒度の反映)を介して細胞の亜集団を分離することができることも当業者によって認識されるべきである。重要なことには、密度勾配媒体は当該の特定の細胞に向かって低い毒性を有するべきである。密度勾配媒体が当該の特定の細胞に向かって低い毒性を有するべきである一方で、本開示は当該細胞の選択過程で役割を担う勾配媒体の使用を企図する。理論によって束縛されることを望まないで、イオジキサノールを含む勾配によって回収される本明細書で開示される細胞集団は、負荷工程と回収工程の間で細胞の感知できる喪失があるので、イオジキサノール耐性である思われるということは、勾配の条件下でのイオジキサノールへの暴露は特定の細胞の排除につながることを示唆している。イオジキサノール勾配の後、特定のバンドで現れる細胞は、イオジキサノール及び/又は密度勾配への暴露の悪影響に耐性である。結果として、本明細書で記載される細胞集団の単離及び/又は選択にて軽度から中程度の腎毒性である追加の造影剤の使用も企図される。加えて、密度勾配媒体はヒト血漿中のタンパク質の結合すべきではなく、又は当該細胞の機能に有害に影響すべきではない。
別の態様では、本開示は蛍光活性化細胞分類(FACS)用いて腎臓の細胞型を濃縮し及び/又は枯渇させている細胞集団を含有する製剤を提供する。一実施形態では、腎臓の細胞型はBDのFACSAria(商標)又は同等物を用いて濃縮し、及び/又は枯渇させ得る。
別の態様では、製剤は磁気細胞分類を用いて腎臓の細胞型を濃縮し及び/又は枯渇させている細胞集団を含有する。一実施形態では、腎臓の細胞型はMiltenyiのオートMACS(登録商標)システム又は同等物を用いて濃縮し、及び/又は枯渇させ得る。
別の態様では、製剤は三次元培養の対象とされている腎細胞集団を含み得る。態様の1つでは、細胞集団を培養する方法は連続的な潅流を介する。一実施形態では、三次元培養及び連続的な潅流を介して培養された細胞集団は、静的に培養された細胞集団に比べると、さらに大きな細胞充実性及び相互接続性を示す。別の実施形態では、三次元培養及び連続的な潅流を介して培養された細胞集団は、そのような細胞集団の静的培養と比べると、EPOのさらに高い発現、と同様にカドヘリンのような腎尿細管関連の遺伝子の高い発現を示す。さらに別の実施形態では、連続的な潅流を介して培養された細胞集団は、静的に培養された細胞集団に比べると、さらに高いレベルのグルコース及びグルタミンの消費を示す。
本明細書で記載されるように、本明細書で提供される製剤のための細胞集団を調製する方法にて低い酸素条件又は低酸素条件が使用され得る。しかしながら、低い酸素を調整する工程のない、細胞集団を調製する方法が使用され得る。一実施形態では、正常酸素条件が使用され得る。
当業者は当該技術で既知の単離及び培養の他の方法が本明細書で記載される細胞に使用され得ることを十分に理解するであろう。
3.生体材料
種々の生体材料を活性剤と組み合わせて本開示の治療用製剤を提供し得る。生体材料は任意の好適な形状(たとえば、ビーズ)又は形態(たとえば、液体、ゲル等)であってもよい。Bertramらの米国の公開された出願20070276507(その全体が参照によって本明細書に組み入れられる)に記載されたように、高分子のマトリクス又は足場はいくつもの望ましい構成に成形されて全体的な系、構造又は空間のいくつもの制約を満たし得る。一実施形態では、本開示のマトリクス又は足場は三次元であってもよく、臓器又は組織の構造の寸法及び形状に適合するように成形され得る。たとえば、腎疾患、貧血、EPO欠乏症、尿細管輸送欠損症又は糸球体濾過欠損症を治療するための高分子足場の使用では、三次元(3−D)マトリクスが使用され得る。種々の異なって成形された3−Dの足場が使用され得る。当然、高分子マトリクスは様々なサイズ及び形状に成形されて様々な大きさの患者に適合し得る。高分子マトリクスは他の方法でも成形されて患者の特定のニーズを受け入れ得る。別の実施形態では、高分子のマトリクス又は足場は生体適合性で多孔性の高分子足場であり得る。足場は、連続気泡ポリ乳酸(OPLA(登録商標))、セルロースエーテル、セルロース、セルロース性エステル、フッ素化ポリエチレン、石炭酸、ポリ−4−メチルペンタン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリベンゾオキサゾール、ポリカーボネート、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフルオロオレフィン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリオキサジアゾール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリトリアゾール、ポリウレタン、ポリビニル、ポリフッ化ビニリデン、再生セルロース、シリコーン、尿素−ホルムアルデヒド、コラーゲン、ゼラチン、アルギン酸塩、ラミニン、フィブロネクチン、絹、エラスチン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、アガロース、又はそれらのコポリマー又は物理的な混合物を含むが、これらに限定されない種々の合成の又は天然存在する材料から形成され得る。足場の構成は、液体の懸濁液から、軟性の多孔性足場に、剛性の形状保持型の多孔性足場に及ぶ。一実施形態では、構成はヒドロゲルになることが可能である溶液の液体形態である。
ヒドロゲルは種々の高分子材料から形成されてもよく、種々の生物医学応用で有用である。ヒドロゲルは親水性ポリマーの三次元ネットワークとして物理的には記載することができる。ヒドロゲルの種類に応じてそれらは種々の比率の水分を含有するが、完全に水に溶解することはない。その高い水含量にもかかわらず、ヒドロゲルは、親水性残基の存在のお蔭で大量の液体をさらに結合することが可能である。ヒドロゲルはそのゲル状の構造を変えることなく広範に膨潤する。ヒドロゲルの基本的な物理的な特徴は、使用されるポリマーの特性及び製品の追加の特定の装備に従って特に修飾することができる。
好ましくは、ヒドロゲルは、生物学的に不活性であり、生理学的に哺乳類の組織と適合性であるポリマー、生物学的に導出される物質、合成で導出される物質又はそれらの組み合わせで作られる。ヒドロゲルの材料は好ましくは炎症反応を誘導しない。ヒドロゲルを形成するのに使用することができる他の物質の例には、(a)修飾されたアルギン酸塩、(b)一価のカチオンに暴露することによってゲル化する多糖類(たとえば、ゲランゴム及びカラーギーナン)、(c)非常に粘性の液体であり又は揺変性であり、構造の緩やかな変化によって時間をかけてゲルを形成する多糖類(たとえば、ヒアルロン酸)、(d)ゼラチン又はコラーゲン、及び(e)ポリマーヒドロゲル前駆体(たとえば、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー及びタンパク質)が挙げられる。米国特許第6,224,893B1号はヒドロゲルを作るのに好適である種々のポリマー及びそのようなポリマーの化学的特性の詳細な記載を提供している。
足場又は生体材料の特徴は、細胞が足場又は生体材料に付着し、相互作用するのを可能にし得る、及び/又は細胞をその中へ捕捉することができる多孔性の空間を提供し得る。一実施形態では、多孔性の足場又は生体材料は、多孔性足場として構成される生体材料上に(たとえば、細胞の付着によって)及び/又は足場の孔の中に(たとえば、細胞の捕捉によって)細胞の1以上の集団又は混加物が加わる又は堆積するのを可能にする。別の実施形態では、足場又は生体材料は足場の中での細胞:細胞及び/又は細胞:生体材料の相互作用を可能にして又は促進して本明細書で記載されたような構築物を形成する。
一実施形態では、生体材料は5.1kDA〜>2×106kDaの範囲のサイズのヒアルロン酸(HA)分子を含有するヒドロゲルの形態でのHAで構成される。別の実施形態では、生体材料は5.1kDA〜>2×106kDaの範囲のサイズのHA分子も含有する多孔性泡形態でのヒアルロン酸で構成される。さらに別の実施形態では、生体材料は連続気泡構造及び約50ミクロン〜約300ミクロンの孔サイズを有するポリ乳酸(PLA)系の泡状物で構成される。さらに別の実施形態では、特定の細胞集団、優先的にはB2、しかしB4も、特に腎内埋め込みの後、ヒアルロン酸シンターゼ−2(HAS−2)を介した高分子量ヒアルロン酸の合成を直接提供し、及び/又は刺激する。
本明細書で記載される生体材料は、たとえば、試験管内又は生体内での特定の外部条件に応答するようにも設計され、適合させられ得る。一実施形態では、生体材料は温度感受性(試験管内又は生体内のいずれかで)である。別の実施形態では、生体材料は酵素分解への暴露に応答するように適合させられる(試験管内又は生体内のいずれかで)。外部条件への生体材料の応答は本明細書で記載されるように微調整することができる。記載される製剤の温度感受性は、製剤における生体材料の比率を調整することによって変えることができる。たとえば、最終製剤(たとえば、液体、ゲル、ビーズ等)におけるゼラチンの温度感受性を調節するように溶液におけるゼラチンの比率を調整することができる。或いは、生体材料を化学的に架橋して酵素分解に対する大きな耐性を提供し得る。たとえば、カルボジイミド架橋剤を用いてゼラチンビーズを化学的に架橋し、それによって内在性の酵素への感受性の低下を提供し得る。
態様の1つでは、外部条件への生体材料の応答は生体材料の構造的完全性の喪失に関係する。温度感受性及び酵素分解への耐性が上記で提供されるけれども、物質の完全性の喪失が異なる生体材料で生じ得る他のメカニズムが存在する。これらのメカニズムには、熱力学的なもの(たとえば、融解、拡散(たとえば、生体材料からのイオン性架橋剤の周囲の組織への拡散)のような相転移)、化学的なもの、酵素的なもの、pH(たとえば、pH感受性のリポソーム)、超音波及び光解離性のもの(光貫通)が挙げられるが、これらに限定されない。生体材料が構造的な完全性を失う正確なメカニズムは変化するであろうが、通常、メカニズムは埋め込みの時又は埋め込み後のいずれかで始動する。
当業者は、他の種類の合成の又は天然に存在する当該技術で既知の物質を用いて本明細書で記載されるような足場を形成し得ることを十分に理解するであろう。
態様の1つでは、本明細書で記載されるような構築物は上記で参照された足場又は生体材料から作られる。
4.構築物
態様の1つでは、本開示は、必要とする対象にて腎疾患、貧血又はEPO欠乏症を治療するための本明細書で記載される1以上の細胞集団を有する埋め込み可能な構築物を含有する製剤を提供する。一実施形態では、構築物は、生体適合性材料又は生体材料、1以上の合成の又は天然に存在する生体適合性材料で構成される足場又はマトリクス、及び付着及び/又は捕捉によって足場の表面に堆積された又は埋め込まれた本明細書で記載される細胞の1以上の細胞集団又は混加物で作られる。特定の実施形態では、構築物は、生体材料と、生体材料成分で被覆された、その上に堆積した、その中に堆積した、それに付着した、それに捕捉された、それに埋め込まれた、それに播かれた又はそれに混ぜ合わせられた本明細書で記載される細胞の1以上の細胞集団又は混加物とから作られる。濃縮された細胞集団又はその混加物を含む、本明細書で記載される細胞集団のいずれかをマトリクスと組み合わせて用いて構築物を形成し得る。
態様の1つでは、製剤は本明細書で記載されるような外部条件に応答するように設計された又は適合させた生体材料で作られる構築物を含有する。その結果、構築物における生体材料との細胞集団の関連性の性質は外部条件に応じて変化するであろう。たとえば、細胞集団の温度感受性生体材料との関連性は温度によって変化する。一実施形態では、構築物は、細胞集団と、約8℃以下で実質的に固体状態及びほぼ常温以上で実質的に液体状態を有する生体材料とを含有し、その際、細胞集団は約8℃以下では生体材料に浮遊させる。
しかしながら、細胞集団はほぼ常温以上で実質的に自由に生体材料の容量全体にわたって動くことができる。さらに低い温度で実質的に固相にて浮遊させた細胞集団を有することは、液体における細胞に比べて、たとえば、足場依存性の細胞のように細胞にとって安定性の利点を提供する。さらに、実質的に固体状態にて浮遊させた細胞を有することは、以下の利益:(i)細胞の沈殿を防ぐ;(ii)浮遊させた状態で生体材料に細胞を係留したままにすることができる;(iii)生体材料の容量全体にわたって細胞がさらに均一に分散されたままにすることができる;(iv)細胞凝集体の形成を防ぐ、及び(v)製剤の保存及び輸送の間で細胞にとってさらに良好な保護を提供する;の1以上を提供する。対象への投与につながるそのような特徴を保持することができる製剤は、少なくとも、製剤における細胞の全体的な健康がさらに良好で均一であり、一貫した投与量の細胞が投与されるので、有利である。
別の実施形態では、構築物の堆積される細胞集団又は細胞成分は、酸素調節可能なEPO産生細胞について濃縮された第1の腎細胞集団である。別の実施形態では、第1の腎細胞集団は、酸素調節可能なEPO産生細胞に加えて糸球体細胞及び血管細胞を含有する。一実施形態では、第1の腎細胞集団はB4’細胞集団である。他の一実施形態では、構築物の堆積される細胞集団又は細胞成分には、第1の濃縮された腎細胞集団と第2の腎細胞集団が含まれる。一部の実施形態では、第2の腎細胞集団は酸素調節可能なEPO産生細胞について濃縮されない。別の実施形態では、第2の腎細胞集団は腎尿細管細胞について濃縮される。別の実施形態では、第2の腎細胞集団は腎尿細管細胞について濃縮され、集合管上皮細胞を含有する。他の実施形態では、腎尿細管細胞は、限定しないで、メガリン、キュビリン、ヒアルロン酸シンターゼ2(HAS2)、ビタミンD3 25−ヒドロキシラーゼ(CYP2D25)、N−カドヘリン(Ncad)、E−カドヘリン(Ecad)、アクアポリン−1(Aqp1)、アクアポリン−2(Aqp2)、RAB17、メンバーRAS癌遺伝子ファミリー(Rab17)、GATA結合タンパク質3(Gata3)、FXYDドメイン含有イオン輸送調節因子4(Fxyd4)、溶質キャリアファミリー9(ナトリウム/水素交換体)、メンバー4(Slc9a4)、アルデヒド脱水素酵素3ファミリー、メンバーB1(Aldh3b1)、アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA3(Aldh1a3)、及びカルパイン−8(Capn8)を含み得る1以上の尿細管細胞マーカーの発現を特徴とする。
一実施形態では、生体材料又は足場の上に堆積して又はそれと混ぜ合わせられて構築物を形成する細胞集団は、たとえば、自己供給源のような種々の供給源に由来する。限定しないで、同種又は同系(自家の又は同質の)の供給源を含む非自己の供給源も使用に好適である。
当業者は、生体材料に細胞集団を堆積させて又はさもなければそれと混ぜ合わせて構築物を形成する幾つかの好適な方法があることを十分に理解するであろう。
態様の1つでは、構築物は本明細書で記載される使用方法で使用するのに好適である。一実施形態では、構築物は、任意の病因の腎疾患、貧血、又は任意の病因のEPO欠乏症のために治療を必要とする対象への投与に好適である。他の実施形態では、構築物は赤血球恒常性における改善又はその回復を必要とする対象への投与に好適である。別の実施形態では、構築物は改善された腎機能を必要とする対象への投与に好適である。
さらに別の態様では、本開示は、(a)1以上の生体適合性の合成ポリマー又は天然に存在するタンパク質若しくはペプチドを含む生体材料と、(b)生体材料で被覆された、その上に又は中に堆積した、それに捕捉された、その中に浮遊させた、その中に埋め込まれた及び/又はさもなければそれと混ぜ合わせられた1.045g/ml〜1.052g/mlの間の密度を有する尿細管細胞の単離され、濃縮された集団を含む第1の細胞集団B2及び1.063g/ml〜1.091g/mlの間の密度を有するエリスロポイエチン(EPO)産生細胞及び血管細胞を含むが、糸球体細胞を枯渇させた第2の細胞集団B4’を含む腎疾患を有する対象に由来する哺乳類腎細胞の混加物とを含む、改善された腎機能を必要とする対象への埋め込みのための構築物を提供する。特定の実施形態では、混加物は、<1.045g/mlの密度を有する集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含むB1細胞集団、又は細胞残渣と、低い粒度及び生存性で>1.091g/mlの密度を持つ小細胞とを含むB5細胞集団を含まない。
一実施形態では、構築物は血管マーカーの発現を特徴とするB4’細胞集団を含む。一部の実施形態では、B4’細胞集団は糸球体マーカーの発現を特徴としない。特定の実施形態では、混加物は酸素調節可能なエリスロポイエチン(EPO)の発現が可能である。実施形態すべてにおいて、混加物は哺乳類の腎臓組織又は培養された腎細胞に由来し得る。
一実施形態では、構築物は、混加物の捕捉及び/又は付着に好適な三次元(3−D)の多孔性生体材料として構成された生体材料を含む。別の実施形態では、構築物は、哺乳類細胞を埋め込む、付着させる、浮遊させる、又は被覆するのに好適な液体又は半液体として構成された生体材料を含む。さらに別の実施形態では、構築物は、ヒドロゲル形態で優勢に高い分子量種のヒアルロン酸(HA)で構成された生体材料を含む。別の実施形態では、構築物は、多孔性泡状形態で優勢に高い分子量種のヒアルロン酸で構成された生体材料を含む。さらに別の実施形態では、構築物は、約50ミクロン〜約300ミクロンの間の孔を有するポリ乳酸系の泡状物で構成された生体材料を含む。さらに別の実施形態では、構築物は、改善された腎機能を必要とする対象にとって自己である腎試料に由来し得る1以上の細胞集団を含む。特定の実施形態では、試料は腎生検である。一部の実施形態では、対象は腎疾患を有する。さらに他の実施形態では、細胞集団は非自己の腎試料に由来する。一実施形態では、構築物は赤血球の恒常性を提供する。
5.腎細胞の表現型の特徴付け
工程の任意の段階で単離された細胞はその表現型によって特徴付けられ得る。一実施形態では、細胞は濃縮されている不均質な腎細胞集団である。さらなる実施形態では、濃縮された不均質な腎細胞集団は低酸素条件下で少なくとも24時間培養されている。さらにさらなる実施形態では、濃縮された不均質な腎細胞集団は密度勾配に供されている。
試料における種々の生体マーカーの存在(たとえば、発現)及び/又はレベル/量は、免疫組織化学法(「IHC」)、ウエスタンブロット解析、免疫沈降、分子結合アッセイ、ELISA、ELIFA、蛍光活性化細胞分類(「FACS」)、MassARRAY、プロテオミクス、生化学的酵素活性アッセイ、in situハイブリッド形成、サザン解析、ノーザン解析、全ゲノム配列決定、定量的リアルタイムPCR(「qRT−PCR」)及び他の増幅型検出方法、たとえば、分枝DNA、SISBA、TMA等)を含むポリメラーゼ鎖反応(「PCR」)、RNA−Seq、FISH、マイクロアレイ解析、遺伝子発現プロファイリング、及び/又は遺伝子発現の連続解析(「SAGE」)、と同様にタンパク質、遺伝子及び/又は組織のアレイ解析によって実施することができる多種多様なアッセイのいずれか1つを含むが、これらに限定されない、その多くが当該技術で既知であり、技量のある熟練者によって理解されている多数の方法によって解析することができる。遺伝子及び遺伝子産物の状況を評価するための典型的なプロトコールは、たとえば、Ausubelら編、1995,Current Protocols In Molecular Biology,Units 2(ノーザンブロット),4(サザンブロット),15(免疫ブロット)及び18(PCR解析)にて見いだされる。Rules Based Medicine又はMeso Scale Discoveryから利用可能なもののような多重免疫アッセイも使用され得る。
態様の1つでは、不均質な腎細胞試料における2以上の生体マーカーの存在を検出する方法が提供され、該方法は、抗体のその同族リガンド(すなわち、生体マーカー)との結合を可能にする条件下で生体マーカーに向けられた抗体に試料を接触させることと、たとえば、抗体と生体マーカーとの間に複合体が形成されるかどうかを検出することによって、結合した抗体の存在を検出することとを含む。一部の実施形態では、1以上の生体マーカーの存在の検出は免疫組織化学法による。
特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体のいずれかは不均質な腎細胞試料における生体マーカーの存在を検出するのに有用である。用語「検出すること」は本明細書で使用されるとき、定量的な検出又は定性的な検出を包含する。特定の実施形態では、生物試料はSRC試料を含む。
特定の実施形態では、不均質な腎細胞は、AQP1、AQP2、AQP4、カルビンジン、カルポニン、CD117、CD133、CD146、CD24、CD31(PECAM−1)、CD54(ICAM−1)、CD73、CK18、CK19、CK40〜67、CK7、CK8、CK8/18、CK8/18/19、コネキシン43、キュビリン、CXCR4(フシン)、DBA、E−カドヘリン(CD324)、EPO(エリスロポイエチン)、GGT1、GLEPP1(糸球体上皮タンパク質1)、ヘプトグロビン、Itgb1(インテグリンβ1)、KIM−1/TIM−1(腎臓損傷分子−1/T−細胞免疫グロブリン及びムチン含有分子)、MAP−2(微小管結合タンパク質2)、メガリン、N−カドヘリン、ネフリン、NKCC(Na−K−Cl−共輸送体)、OAT−1(有機アニオン輸送体1)、オステオポンチン、Pan−カドヘリン、PCLP1(ポドカリキシン−様1分子)、ポドシン、SMA(平滑筋α−アクチン)、シナプトポジン、THP(タム・ホースフォールタンパク質)、ビメンチン、及びαGST−1(αグルタチオンS−トランスフェラーゼ)から選択される生体マーカーの検出を可能にする1以上の試薬によって特定される。特定の実施形態では、生体マーカーはモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体によって検出される。
一実施形態では、検出可能な標識は放射活性のある原子を含んで放射性抱合体を形成する。放射性抱合体の製造には種々の放射活性のある同位元素が利用可能である。例には、211At、131I、125I、90Y、186Re、188Re、153Sm、212Bi、32P、212Pb及びLuの放射性同位元素が挙げられる。放射性抱合体を検出に使用する場合、それは、シンチグラフ検査用の放射性原子、たとえば、99Tc-m(準安定性の核異性体)あるいは123I、又は核磁気共鳴(NMR)画像診断(磁気共鳴画像診断MRIとしても知られる)用のスピン標識、たとえば、ヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガン及び鉄を含み得る。
1回の試験で1を超える検出可能な標識(色素を含む)が使用される場合、各標識を試料に存在する他の検出可能なシグナルを実質的に妨害することなく独立して検出することができるように検出可能な標識を選択することが好まれる。たとえば、検出可能な標識(色素を含む)は検出条件下で異なる色を示す異なる蛍光分子であり得る。
検出は、好適な方法、たとえば、免疫蛍光顕微鏡像、フローサイトメトリー、ファイバー/光走査サイトメトリー、又はレーザー走査サイトメトリーに基づく方法によって実施することができる。
一部の実施形態では、細胞における生体マーカーの発現は細胞におけるmRNAを評価することによって判定される。細胞におけるmRNAを評価する方法は周知であり、それには、たとえば、相補性のDNAプローブを用いたハイブリッド形成アッセイ(たとえば、1以上の遺伝子に特異的な標識されたリボプローブを用いたIn situハイブリッド形成、ノーザンブロット及び関連する技法)、及び種々の核酸増幅アッセイ(たとえば、遺伝子の1以上に特異的な相補性のプライマーを用いたRT−PCR、及び他の増幅型検出方法、たとえば、分枝DNA、SISBA、TMA等)が挙げられる。一部の実施形態では、試験試料における生体マーカーの発現は参照試料と比較される。たとえば、試験試料は病んだ組織試料であってもよく、参照試料は正常な組織に由来してもよい。
哺乳類に由来する試料は、ノーザンブロット、ドットブロット又はPCR解析を用いてmRNAについて都合よくアッセイすることができる。加えて、そのような方法は、生物試料における標的mRNAのレベルを決定するのを可能にする1以上の工程(たとえば、アクチンファミリーのメンバーのような「ハウスキーピング」遺伝子の比較対照のmRNA配列を同時に調べることによって)を含むことができる。任意で、増幅された標的cDNAの配列を決定することができる。
任意の方法には、マイクロアレイ法によって組織又は細胞の試料における標的mRNAのようなmRNAを調べる又は検出するプロトコールが含まれる。核酸マイクロアレイを用いて、試験試料及び対照試料に由来する試験及び対照のmRNA試料を逆転写し、標識してcDNAプローブを生成する。次いで、固相支持体に不動化された核酸のアレイに対してプローブをハイブリッド形成させる。アレイは、アレイの各メンバーの配列及び位置が知られるように構成される。たとえば、その発現が再生反応を引き出すことが可能である細胞集団と相関する遺伝子の選択は固相支持体上にアレイで示され得る。標識されたプローブの特定アレイメンバーとのハイブリッド形成はプローブが由来する試料がその遺伝子を発現することを示す。
一部の実施形態によれば、存在及び/又はレベル/量は前述の遺伝子のタンパク質の発現のレベルを観察することによって測定される。特定の実施形態では、方法は、生体マーカーの結合を可能にする条件下で本明細書で記載される生体マーカーに対する抗体に生物試料を接触させることと、抗体と生体マーカーとの間で複合体が形成されるかどうかを検出することとを含む。
特定の実施形態では、試料における生体マーカータンパク質の存在及び/又はレベル/量はIHC及び染色プロトコールを用いて調べられる。細胞のIHC染色は試料におけるタンパク質の存在を判定する又は検出する信頼できる方法であることが示されている。態様の1つでは、生体マーカーのレベルは、(a)抗体による試料(たとえば、腎細胞試料)のIHC解析を行うことと(b)試料における生体マーカーのレベルを測定することを含む方法を用いて測定される。一部の実施形態では、IHC染色の強度は参照値に対して決定される。
IHCは、たとえば、形態染色及び/又は蛍光In situハイブリッド形成のような追加の技法と組み合わせて実施され得る。IHCの2つの一般的な方法:直接アッセイと間接アッセイが利用可能である。第1のアッセイによれば、標的抗原への抗体の結合が直接測定される。この直接アッセイは、さらなる抗体の相互作用なしで視覚化することができる、たとえば、蛍光タグ又は酵素で標識した一次抗体のような標識された試薬を使用する。典型的な間接アッセイでは、抱合されていない一次抗体が抗原に結合し、次いで標識された二次抗体が一次抗体に結合する。二次抗体が酵素標識に抱合される場合、発色性の基質又は蛍光基質を加えて抗原の視覚化を提供する。幾つかの二次抗体は一次抗体の異なるエピトープと反応し得るのでシグナルの増幅が生じる。
IHCで使用される一次抗体及び/又は二次抗体は通常、検出可能な部分で標識される。一般に以下のカテゴリー:(a)たとえば、35S、14C、125I、3H、及び131Iのような放射性同位元素;(b)コロイド状金粒子;(c)希土類キレート剤(ユーポリウムキレート剤)、テキサス赤、ローダミン、フルオレセイン、ダンシル、リサミン、ウンベリフェロン、フィコクリセリン、フィコシアニン、又はたとえば、SPECTRUM ORANGE7及びSPECTRUM GREEN7のような市販の蛍光色素分子及び/又は上述の1以上の誘導体を含むが、これらに限定されない蛍光標識;(d)種々の酵素/基質標識にグループ分けすることができる多数の標識が利用可能であり、米国特許第4,275,149号はこれらの一部の概説を提供している。酵素標識の例には、ルシフェラーゼ(たとえば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ;米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸脱水素酵素、ウレアーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のようなペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖オキシダーゼ(たとえば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース−6−リン酸脱水素酵素)、複素環オキシダーゼ(たとえば、ウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼ、等が挙げられる。
酵素/基質の組み合わせの例には、たとえば、基質としての過酸化水素を伴った西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、発色性基質としてのリン酸パラ−ニトロフェニルを伴ったアルカリホスファターゼ(AP)、及び発色性基質(たとえば、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ)又は蛍光性基質(たとえば、メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシダーゼ)を伴ったβ−D−ガラクトシダーゼ(β−D−Gal)が挙げられる。これらの一般的な概説については、米国特許第4,275,149号及び同第4,318,980号を参照のこと。
例となる方法では、抗体/生体マーカーの複合体が形成するのに十分な条件下で生体マーカーに特異的な抗体に試料を接触させてもよく、次いで複合体を検出する。生体マーカーの存在は、たとえば、血漿又は血清を含む多種多様な組織及び試料をアッセイするためのウエスタンブロット及びELISA法のような多数の方法のよって検出され得る。そのようなアッセイ形式を用いた広い範囲の免疫アッセイ法が利用可能であり、たとえば、米国特許第4,016,043号、同第4,424,279号及び同第4,018,653号を参照のこと。これらには、非競合型の片側アッセイ及び両側アッセイの双方又は「サンドイッチ」アッセイ、と同様に従来の競合結合アッセイが含まれる。これらのアッセイには標識された抗体の標的生体マーカーへの直接結合も含まれる。
組織又は細胞の試料における選択された生体マーカーの存在及び/又はレベル/量は機能又は活性に基づいたアッセイを手段としても調べられ得る。たとえば、生体マーカーが酵素であれば、組織又は細胞の試料における所与の酵素活性の存在を測定する又は検出する当該技術で既知のアッセイを行い得る。
特定の実施形態では、試料は、アッセイした生体マーカーの量と使用した試料の質の変動性における双方の差異、及び実行したアッセイ間の変動性について基準化される。そのような基準化は、たとえば、ACTBのような周知のハウスキーピング遺伝子を含む特定の基準化生体マーカーのレベルを検出し、組み入れることによって達成され得る。或いは、基準化は、アッセイした遺伝子すべて又はその大きなサブセットの平均の又は中央値のシグナルに基づく(大域基準化アプローチ)。遺伝子ごとを基準にして、対象の腫瘍のmRNA又はタンパク質の測定され、基準化された量を参照セットで見いだされる量と比較する。対象当たりの調べた腫瘍当たりの各mRNA又はタンパク質の基準化された発現レベルは、参照セットで測定された発現レベルの比率をして表すことができる。解析される特定の対象試料で測定される存在及び/又は発現のレベル/量は、百分率でこの範囲内に入り、それは当該技術で周知の方法によって測定される。
実施形態では、サイトケラチンはCK8、CK18、CK19及びそれらの組み合わせから選択される。特定の実施形態では、サイトケラチンはCK8、CK18、CK19、CK8/CK18、CK8/CK19、CK18/CK19又はCK8/CK18/CK19であり、その際「/」はそれに隣接するサイトケラチンの組み合わせを指す。実施形態すべてにおいて、サイトケラチンは約80%、約85%、約90%又は約95%を超える発現のレベルを有する。
実施形態では、GGTはGGT−1である。実施形態すべてにおいて、GGTは約10%、約15%、約18%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、又は約60%を超える発現のレベルを有する。
6.使用方法
別の態様では、本開示の製剤は疾患の治療のために投与され得る。たとえば、本明細書で記載される製剤の一部として生物活性のある細胞が生来の臓器に投与され得る。一実施形態では、生物活性のある細胞は、投与の対象である生来の臓器を供給源としてもよく、又は標的の生来の臓器ではない供給源に由来してもよい。
態様の1つでは、本開示は、本明細書で記載されるような腎細胞集団及び腎細胞の混加物を含有する製剤によって、必要とする対象にて腎疾患、貧血、又はEPO欠乏症を治療する方法を提供する。一実施形態では、方法は、EPO産生細胞について濃縮された第1の腎細胞集団を含む組成物を含有する製剤を対象に投与することを含む。別の実施形態では、第1の細胞集団は、EPO産生細胞、糸球体細胞及び血管細胞について濃縮される。一実施形態では、第1の腎細胞集団はB4’細胞集団である。別の実施形態では、組成物はさらに1以上の追加の腎細胞集団を含み得る。一実施形態では、追加の細胞集団はEPO産生細胞について濃縮されない第2の細胞集団である。別の実施形態では、追加の細胞集団はEPO産生細胞、糸球体細胞及び血管細胞について濃縮されない第2の細胞集団である。別の実施形態では、組成物は、本明細書で記載される疾患又は障害の治療のための、生体材料の中に堆積させ、上に堆積させ、中に埋め込まれ、それで被覆され、中に浮遊させ、又は中に捕捉されて、本明細書で記載されるような埋め込み可能な構築物を形成する腎細胞集団又は腎細胞の混加物も含む。一実施形態では、細胞集団は単独で使用され、又は他の細胞若しくは生体材料、たとえば、ヒドロゲル、多孔性の足場、若しくは生来の若しくは合成のペプチド若しくはタンパク質との組み合わせで使用されて急性又は慢性の病態における再生を刺激する。
別の態様では、本明細書で開示される方法による対象における腎疾患の有効な治療は、赤血球生成及び/又は腎機能の種々の指標を介して見ることができる。一実施形態では、赤血球の恒常性の指標には、限定しないで、ヘマトクリット(HCT)、ヘモグロビン(HB)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)、赤血球数(RBC)、網状赤血球の数、網状赤血球の%、平均赤血球容積(MCV)及び赤血球分布幅(RDW)が挙げられる。他の一実施形態では、腎機能の指標には、限定しないで、血清アルブミン、アルブミン対グロブリンの比(A/G比)、血清リン、血清ナトリウム、腎臓サイズ(超音波によって測定される)、血清カルシウム、リン:カルシウムの比、血清カリウム、タンパク尿、尿クレアチニン、血清クレアチニン、血中尿素窒素(BUN)、コレステロールレベル、トリグリセリドレベル、及び糸球体濾過率(GFR)が挙げられる。さらに、一般的な健康及び良好状態の幾つかの指標には、限定しないで、体重の増減、生存、血圧(平均全身血圧、拡張期血圧又は収縮期血圧)及び身体的持久運動能力が挙げられる。
別の実施形態では、生物活性のある腎細胞製剤による有効な治療は腎機能の1以上の指標の安定化によって証拠付けられる。腎機能の安定化は、本明細書の方法によって治療されていない対象における指標に比べたとき、本明細書で提供される方法によって治療された対象における同じ指標の変化の所見によって明らかにされる。或いは、腎機能の安定化は、治療前の対象における指標と比べたとき、本明細書で提供される方法によって治療された同じ対象における同じ指標の変化の所見によって明らかにされる。第1の指標における変化は値の増加又は減少であり得る。一実施形態では、本開示によって提供される治療には、対象にて観察される血中尿素窒素(BUN)のレベルが本開示の方法によって治療されていない類似の病態を持つ対象に比べて低い、対象におけるBUNレベルの安定化が挙げられ得る。他の一実施形態では、治療には、対象にて観察される血清クレアチニンのレベルが本開示の方法によって治療されていない類似の病態を持つ対象に比べて低い、対象における血清クレアチニンレベルの安定化が挙げられ得る。別の実施形態では、治療には、対象にて観察されるヘマトクリット(HCT)のレベルが本開示の方法によって治療されていない類似の病態を持つ対象に比べて高い、対象におけるHCTレベルの安定化が挙げられ得る。別の実施形態では、治療には、対象にて観察される赤血球(RBC)のレベルが本開示の方法によって治療されていない類似の病態を持つ対象に比べて高い、対象におけるRBCレベルの安定化が挙げられ得る。当業者は、本明細書で記載される又は当該技術で既知である1以上の追加の指標を測定して対象における腎疾患の有効な治療を判定し得ることを十分に理解するであろう。
別の態様では、本開示は対象にて赤血球の恒常性を提供する方法で使用するための製剤に関する。一実施形態では、方法は、(a)本明細書で記載されるような、腎細胞集団、たとえば、B2若しくはB4’、又は腎細胞の混加物、たとえば、B2/B4’及び/又はB2/B3、又は濃縮された腎細胞集団を含有する製剤を対象に投与する工程と、(b)対象に由来する生物試料にて、赤血球生成指標のレベルが対照における指標レベルに比べて異なることを測定する工程とを含み、その際、指標レベルにおける差異は(i)対象が投与工程(a)に応答性であることを示す、又は(ii)対象における赤血球の恒常性を示す。別の実施形態では、方法は、(a)本明細書で記載されるような腎細胞集団又は腎細胞の混加物を対象に投与する工程と、(b)対象に由来する生物試料にて、赤血球生成指標のレベルが対照における指標レベルに比べて異なることを測定する工程とを含み、その際、指標レベルにおける差異は(i)対象が投与工程(s)に応答性であることを示す、又は(ii)対象における赤血球の恒常性を示す。別の実施形態では、方法は、(a)生体材料又は生体適合性の高分子足場を提供する工程と、(b)本明細書で記載される方法で生体材料又は足場の上又は中に本開示の腎細胞集団又は腎細胞の混加物を堆積させて埋め込み可能な構築物を形成する工程と、(c)構築物を含有する製剤を調製する工程と、(d)対象に構築物を埋め込む工程と、(e)対象に由来する生物試料にて、赤血球生成指標のレベルが対照における指標レベルに比べて異なることを測定する工程とを含み、その際、指標レベルにおける差異は(i)対象が投与工程(a)に応答性であることを示す、又は(ii)対象における赤血球の恒常性を示す。
別の態様では、本開示は、必要とする対象にて腎機能の安定化及び赤血球の恒常性の回復の双方を提供する方法にて使用するための製剤に関するものであり、前記対象は腎機能の欠損及び貧血及び/又はEPO欠乏症の双方を有する。一実施形態では、方法は、以下の細胞型:尿細管由来の細胞、糸球体由来の細胞、間質由来の細胞、集合管由来の細胞、間質組織由来の細胞又は血管系に由来する細胞の少なくとも1つを含有する本明細書で記載されるような腎細胞集団又は腎細胞の混加物を含有する製剤を投与する工程を含む。別の実施形態では、集団又は混加物はEPO産生細胞及び尿細管上皮細胞の双方を含有し、尿細管細胞は以下のマーカー:メガリン、キュビリン、ヒアルロン酸シンターゼ2(HAS2)、ビタミンD3 25−ヒドロキシラーゼ(CYP2D25)、N−カドヘリン(Ncad)、E−カドヘリン(Ecad)、アクアポリン−1(Aqp1)、アクアポリン−2(Aqp2)、RAB17、メンバーRAS癌遺伝子ファミリー(Rab17)、GATA結合タンパク質3(Gata3)、FXYDドメイン含有イオン輸送調節因子4(Fxyd4)、溶質キャリアファミリー9(ナトリウム/水素交換体)、メンバー4(Slc9a4)、アルデヒド脱水素酵素3ファミリー、メンバーB1(Aldh3b1)、アルデヒド脱水素酵素1ファミリー、メンバーA3(Aldh1a3)、及びカルパイン−8(Capn8)の少なくとも1つによって特定されている。この実施形態では、対象の治療は、治療されていない対象又は治療前の対象の指標のいずれかと比べて、赤血球生成の少なくとも1つの指標の改善に付随した腎機能の少なくとも1つの指標の改善によって明らかにされる。
態様の1つでは、本開示は、EPO産生細胞について濃縮された腎細胞集団又は本明細書で記載されるようなEPO産生細胞について濃縮された細胞集団を含有する腎細胞の混加物を投与することによって、(i)腎疾患、貧血又はEPO欠乏症を治療する方法、(ii)腎機能を安定化する方法、(iii)赤血球の恒常性を回復する方法、又は(iv)それらの任意の組み合わせでの使用のための製剤を提供し、その際、投与の有益な効果はEPO産生細胞について濃縮されない細胞集団を投与する効果よりも大きい。別の実施形態では、濃縮された細胞集団は血清の血中尿素窒素(BUN)の改善されたレベルを提供する。別の実施形態では、濃縮された細胞集団は血清におけるタンパク質の改善された保持を提供する。別の実施形態では、濃縮された細胞集団は血清コレステロール及び/又はトリグリセリドの改善されたレベルを提供する。別の実施形態では、濃縮された細胞集団はビタミンDの改善されたレベルを提供する。一実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べて改善されたリン:カルシウムの比を提供する。別の実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べてヘモグロビンの改善されたレベルを提供する。さらなる実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べて血清クレアチニンの改善されたレベルを提供する。さらに別の実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べてヘマトクリットの改善されたレベルを提供する。さらなる実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べて赤血球数(RBC#)の改善されたレベルを提供する。一実施形態では、ヘマトクリットの改善されたレベルは正常な健全レベルの95%まで回復する。さらなる実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べて改善された網状赤血球数を提供する。他の実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べて改善された網状赤血球の比率を提供する。さらに他の実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べて赤血球容積分布幅(RDW)の改善されたレベルを提供する。さらに別の実施形態では、濃縮された細胞集団は濃縮されない細胞集団に比べてヘモグロビンの改善されたレベルを提供する。さらに別の実施形態では、濃縮された細胞集団は、骨髄の細胞充実度が正常に近く、骨髄:赤血球の比が正常に近くなるように骨髄における赤血球生成の応答を提供する。
別の態様では、本開示は、濃縮した細胞集団を投与することによって(i)腎疾患、貧血又はEPO欠乏症を治療する方法、(ii)腎機能を安定化する方法、(iii)赤血球の恒常性を回復する方法、又は(iv)それらの任意の組み合わせでの使用のための製剤を提供し、その際、本明細書で記載される腎細胞集団又は腎細胞集団の混加物を投与する有益な効果は、組換えEPO(rEPO)を投与することによって提供される有益な効果と比べた場合、改善された赤血球の恒常性を特徴とする。一実施形態では、集団又は混加物は、必要とする対象に投与されると、組換えEPOタンパク質の投与に比べて改善された赤血球の恒常性(ヘマトクリット、ヘモグロビン又はRBC#によって測定される)を提供する。一実施形態では、集団又は混加物は、投与されると、対照におけるヘマトクリットよりも約10%の上下に満たない、組換えEPOに比べてヘマトクリット、RBC又はヘモグロビンの改善されたレベルを提供する。さらなる実施形態では、集団又は混加物の単回の投与又は送達は、投与されると、組換えEPOタンパク質の単回の投与又は送達が赤血球の恒常性における改善を提供する期間を有意に超える期間の間、治療された対象にて赤血球の恒常性における改善(ヘマトクリット、ヘモグロビン又はRBC#の上昇によって測定される)を提供する。別の実施形態では、集団又は混加物は、本明細書で記載されるような用量で投与されると、対応する健常対照における正常レベルの約110%を上回るヘマトクリット、ヘモグロビン又はRBC#を生じない。さらなる実施形態では、集団又は混加物は、本明細書で記載されるような用量で投与されると、本明細書で記載されるような用量で送達される組換えEPOタンパク質に比べて優れた赤血球の恒常性(ヘマトクリット、ヘモグロビン又はRBC#によって測定される)を提供する。別の実施形態では、組換えEPOは約100IU/kg、約200IU/kg、約300IU/kg、約400IU/kg、又は約500IU/kgの用量で送達される。当業者は当該技術で既知の組換えEPOの他の投与量が好適であり得ることを十分に理解するであろう。
本開示の別の実施形態は、必要とする対象にて腎疾患、貧血又はEPO欠乏症を治療するための薬物を調製するための、必要とする対象にて赤血球の恒常性を提供するための、必要とする対象にて腎機能を改善するための、又は生来の腎臓に再生効果を提供するための、本明細書で記載される濃縮された細胞集団及びその混加物を含む少なくとも1つの細胞集団、又は本明細書で記載される埋め込み可能な構築物、又は本明細書で記載されるような分泌産物を含有する製剤の使用を指向する。
本開示の別の実施形態は、特定の検証された治療特質に基づく特定の細胞亜集団の選択に基づいた、特定の病因の腎疾患の治療のための特定の濃縮された細胞集団(本明細書で記載される)を含有する製剤を指向する。
さらに別の態様では、本開示は、1.045g/ml〜1.052g/mlの間の密度を有する尿細管細胞の単離され、濃縮された集団を含む第1の細胞集団B2と、1.063g/ml〜1.091g/mlの間の密度を有するエリスロポイエチン(EPO)産生細胞及び血管細胞を含むが、糸球体細胞を枯渇させた第2の細胞集団B4’とを含む哺乳類腎細胞の混加物を含む製剤を対象に投与することを含む、必要とする対象にて腎疾患を治療する方法にて使用するための製剤を提供し、その際、混加物は、<1.045g/mlの密度を有する集合管及び尿細管系の大きな顆粒細胞を含むB1細胞集団、又は細胞残渣と、低い粒度及び生存性で>1.091g/mlの密度を持つ小細胞とを含むB5細胞集団を含まない。特定の実施形態では、方法は、対象に由来する試験試料にて腎機能の指標のレベルが対照の指標のレベルと比べて異なることを決定することを含み、その際、指標のレベルにおける差異は対象における1以上の腎機能の低下の軽減、安定化又は改善を示す。一実施形態では、方法で使用されるB4’細胞集団は血管マーカーの発現を特徴とする。特定の実施形態では、方法で使用されるB4’細胞集団は糸球体マーカーの発現を特徴としない。一実施形態では、方法で使用される細胞の混加物は酸素調節可能なエリスロポイエチン(EPO)の発現が可能である。特定の実施形態では、開示の方法によって治療される腎疾患にはエリスロポイエチン(EPO)欠乏症が伴う。特定の実施形態では、EPO欠乏症は貧血である。一部の実施形態では、EPO欠乏症又は貧血は対象における腎不全に続発する。他の一部の実施形態では、EPO欠乏症又は貧血は、慢性腎不全、原発性EPO欠乏症、化学療法又は抗ウイルス療法、非骨髄性の癌、HIV感染、肝疾患、心不全、関節リウマチ、又は多臓器系不全から成る群から選択される障害に続発する。特定の実施形態では、方法で使用される組成物はさらに、1以上の生体適合性の合成ポリマー及び/又は天然に存在するタンパク質若しくはペプチドを含む生体材料を含み、その際、混加物は、生体材料に被覆され、その上又は中に堆積され、中に捕捉され、浮遊させられ、埋め込まれ及び/又はさもなければそれと混ぜ合わせられる。特定の実施形態では、本開示の製剤で使用される混加物は哺乳類の腎臓組織又は培養された哺乳類の腎細胞に由来する。他の実施形態では、混加物は必要とする対象に対して自己である腎試料に由来する。一実施形態では、試料は腎生検である。他の実施形態では、製剤は非自己の腎試料に由来する混加物を含有する。
さらに別の態様では、本開示は、それを必要とする対象にて腎疾患、貧血又はEPO欠乏症を治療するのに有用な薬物を調製するための、細胞調製物及び本明細書で記載される混加物又は本開示の埋め込み可能な構築物を含有する製剤の使用を提供する。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象にて生来の腎臓の再生方法にて使用するための製剤を提供する。一実施形態では、方法は、本明細書で記載される細胞集団、混加物又は構築物を対象に投与する又は埋め込む工程を含む。再生された生来の腎臓は、限定しないで、生来の腎臓における機能又は許容量の発達、生来の腎臓における機能又は許容量の改善、及び生来の腎臓における特定のマーカーの発現を含む多数の指標を特徴とし得る。一実施形態では、発達した又は改善された機能又は許容量は上記で記載された赤血球の恒常性及び腎臓の機能の種々の指標に基づいて観察され得る。別の実施形態では、再生された腎臓は1以上の幹細胞マーカーの差次的な発現を特徴とする。幹細胞マーカーは、以下:SRY(性決定領域Y)−ボックス2(Sox2);未分化胚性細胞転写因子(UTF1);マウスからのNodalホモログ(NODAL);プロミニン1(PROM1)又はCD133(CD133);CD24;及びそれらの任意の組み合わせ(その全体が参照によって本明細書に組み入れられるIlaganらのPCT/US2011/036347を参照のこと)の1以上であり得る。別の実施形態では、幹細胞マーカーの発現は対照に比べて上方調節される。
濃縮された細胞集団及びその混加物を含む本明細書で記載される細胞集団、と同様にそれを含有する構築物を用いて生来の腎臓に再生効果を提供し得る。効果は、細胞自体及び/又は細胞から分泌される生成物によって提供され得る。再生効果は、以下:上皮/間葉の移行の低減(TGF−βシグナル伝達の減衰を介し得る);腎線維症の軽減;腎炎症の軽減;生来の腎臓における幹細胞マーカーの差次的発現;埋め込んだ細胞及び/又は生来の細胞の腎損傷、たとえば、尿細管損傷の部位への移動;腎損傷、たとえば、尿細管損傷の部位での埋め込んだ細胞の生着;腎機能の指標(本明細書で記載されるような)の1以上の安定化;赤血球の恒常性(本明細書で記載されるような)の回復、及びそれらの任意の組み合わせの1以上を特徴とし得る。
7.再生をモニターする方法
別の態様では、本開示は、本明細書で記載される細胞集団、混和物又は構築物を含有する製剤の対象への投与又は埋め込みに続く生来の腎臓の再生をモニターする予後診断法を提供する。一実施形態では、方法は、対象から得た試験試料及び対照試料におけるマーカー発現のレベルを検出する工程を含み、その際、対照試料に比べて試験試料におけるマーカーの発現の高いレベルは対象における生来の腎臓の再生の予測である。別の実施形態では、方法は試料における1以上の幹細胞マーカーの発現の検出を含む。幹細胞マーカーは、Sox2;UTF1;NODAL;CD133;CD24;及びそれらの任意の組み合わせから選択され得る(IlaganらのPCT/US2011/036347の実施例11を参照)。検出工程は、幹細胞マーカーの発現が対照試料に比べて試験試料で上方調節される又は高いことを判定することを含んでもよく、その際、発現の高いレベルは対象の生来の腎臓の再生の予測である。他の一実施形態では、幹細胞マーカーのmRNAの発現が検出される。他の実施形態では、mRNA発現の検出はPCRに基づく方法、たとえば、qRT−PCRを介し得る。In situハイブリッド形成をmRNA発現の検出に用い得る。別の実施形態では、抗幹細胞マーカー剤を用いて幹細胞マーカーのポリペプチド発現も検出され得る。他の一実施形態では、剤はマーカーに対する抗体である。別の実施形態では、幹細胞マーカーのポリペプチド発現は免疫組織化学法又はウエスタンブロットを用いて検出される。当業者は、マーカーのmRNA発現及び/又はポリペプチド発現を検出するための他の方法を十分に理解するであろう。
別の態様では、本開示は、本明細書で記載される細胞集団、混和物又は構築物を含有する製剤の埋め込み又は投与の後での患者の予後評価の方法を提供する。一実施形態では、方法は、前記対象から得られた試験試料にてマーカーの発現のレベルを検出する工程と、(b)対照試料に関連するマーカーの発現のレベル(又は対照の参照値)に比べた試験試料における発現のレベルを決定することと、(c)マーカー発現のレベルの決定に基づいて患者の再生予後を予測することとを含み、その際、対照試料(又は対照の参照値)に比べて試験試料におけるマーカーの発現の高いレベルは対象における再生の予測である。
他の態様の1つでは、本開示は、本明細書で記載される細胞集団、混和物又は構築物を含有する製剤の対象への投与又は埋め込みに続く生来の腎臓の再生をモニターする予後診断法を提供し、その際非侵襲性の方法が使用される。組織生検の代替として、治療を受けている対象における再生の成果は、体液、たとえば、尿の検査から評価することができる。対象に由来する供給源である尿から得られる微小胞は、限定しないで、本開示の細胞集団による治療によって影響を受けた腎細胞集団に最終的に由来する特定のタンパク質及びmiRNAを含む特定の成分を含有する。これらの成分には、幹細胞の複製及び分化、アポトーシス、炎症及び免疫調節に関与する因子が含まれ得る。微小胞に関連するmiRNA/タンパク質の発現パターンの一時的な解析は、本開示の細胞集団、混和物又は構築物を投与されている対象の腎臓の中での再生の成果の連続的なモニタリングを可能にする。
対象の尿に流しだされた腎臓に由来する小胞及び/又は腎臓に由来する小胞の管腔内容物を再生の成果を示す生体マーカーについて解析し得る。
一実施形態では、本開示は、腎疾患(KD)の患者が治療用製剤による治療に応答性であるかどうかを評価する方法を提供する。方法は、対照試料における小胞の量と比較して又は関連して、治療剤で治療されたKD患者から得た試験試料における小胞又はその管腔内容物の量を測定する又は検出する工程を含んでもよく、その際、対照試料における小胞又はその管腔内容物の量に比べて試験試料における小胞又はその管腔内容物の多い又は少ない量は、治療剤による治療に対する治療された患者の応答性を示す。
本開示は、KD患者における治療剤による治療の有効性をモニターする方法を提供する。一実施形態では、方法は、対照試料における小胞又はその管腔内容物の量と比較して又は関連して、治療剤で治療されたKD患者から得た試験試料における小胞の量を測定する又は検出する工程を含み、その際、対照試料における小胞又はその管腔内容物の量に比べて試験試料における小胞又はその管腔内容物の多い又は少ない量は、KD患者における治療剤による治療の有効性を示す。
本開示は、剤が腎疾患(KD)を治療するのに有効である患者の亜集団を特定する方法を提供する。一実施形態では、方法は、対照試料から得られる試料における小胞又はその管腔内容物の量に比べた、患者亜集団に由来する試料における小胞又はその管腔内容物の存在と剤の有効性との間での相関を判定する工程を含み、その際、対照試料における小胞又はその管腔内容物の量に比べて患者亜集団に由来する試料における小胞又はその管腔内容物の多い又は少ない量は、剤が患者亜集団にてKDを治療するのに有効であることを示す。
測定する工程又は検出する工程は、試験試料、たとえば、尿に存在し得るmiRNA又は他の分泌された生成物の量を解析することを含み得る。
非侵襲性の予後診断法は、本明細書で記載される細胞集団、混和物又は構築物の投与又は埋め込みの前に及び/又は後で対象から尿試料を得る工程を含み得る。小胞及び他の分泌された生成物は、限定しないで、望ましくない残渣を取り除く遠心を含む標準の技法を用いて尿試料から単離され得る(それぞれその全体が参照によって本明細書に組み入れられるZhou et al. 2008. Kidney Int. 74(5):613-621; Skog et al. U.S. Published Patent Application No. 20110053157)。
本開示は、治療に続いて対象にて再生の成果を検出する非侵襲性の方法に関する。方法には、治療された対象に由来する尿にて小胞又はその管腔内容物を検出することが関与する。管腔内容物は1以上のmiRNAであってもよい。個々のmiRNAの組み合わせ又はパネルの検出はそのような予後診断法に好適であり得る。例となる組み合わせには、以下:miR−24;miR−195;miR−871;miR−30b−5p;miR−19b;miR−99a;miR−429;let−7f;miR−200a;miR−324−5p;miR−10a−5p;及びそれらの任意の組み合わせの2以上が挙げられる。一実施形態では、miRNAの組み合わせには、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11以上の個々のmiRNAが含まれ得る。当業者は、他のmiRNA及びmiRNAの組み合わせがそのような予後診断法での使用に好適であり得ることを十分に理解するであろう。追加のmiRNAの供給源には、マンチェスター大学のライフサイエンス部門が主催し、維持しているhttp://mirbase.orgのmiRBaseが挙げられる。
当業者は、再生を検出する予後診断法が、本明細書で記載される細胞集団及び構築物は別として、当該技術で既知の他の治療剤で治療された対象に好適であり得ることを十分に理解するであろう。
一部の実施形態では、決定する工程は、(i)試験試料及び対照におけるマーカー発現(又は小胞/小胞内容物)の差次的なレベルを測定する;及び/又は(ii)試験試料及び対照におけるマーカー発現の差次的なレベルを測定することから得られたデータを解析する目的で、好適なプロッセッサによって実行されるソフトウエアプログラムの使用を含む。好適なソフトウエア及びプロッセッサは当該技術で周知であり、市販されている。プログラムは、たとえば、CD−ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、DVD、又はプロッセッサに関連するメモリのような有形的表現媒体に保存されたソフトウエアで具体化されるが、当業者は、プログラム全体又はその一部がプロッセッサ以外のデバイスによって代わりに実行され、及び/又は周知の方法でファームウエア及び/又は専用のハードウエアにて具体化されてもよいことを容易に十分に理解するであろう。
決定する工程に続いて、測定結果、知見、診断、予後診断、予測及び/又は治療勧告が通常記録され、たとえば、技師、医師及び/又は患者に伝えられる。特定の実施形態では、コンピュータを用いてそのような情報を関心のある関係者、たとえば、患者及び/又は主治医の伝達する。一部の実施形態では、結果又は診断が伝達される国又は法域とは異なる国又は法域にてアッセイが実施され、又はアッセイ結果が解析される。
好まれる実施形態では、マーカー発現の差次的レベルを有する試験対象にて測定されたマーカー発現のレベルに基づく予後診断、予測及び/又は治療勧告は、アッセイが完了し、予後診断及び/又は予測が生成された後、できるだけ早く対象に伝達される。結果及び/又は関連する情報は対象の主治医によって対象に伝達され得る。或いは、結果は、書面、伝達の電子形態、たとえば、Eメール又は電話を含む伝達手段によって試験対象に直接伝達され得る。伝達は、たとえば、Eメール伝達の場合のようにコンピュータの使用によって円滑にされ得る。特定の実施形態では、予後試験の結果及び/又は試験から引き出された結論及び/又は試験に基づく治療勧告を含有する情報が生成され、電気通信で技量のある熟練者に精通するコンピュータのハードウェアとソフトウエアの組み合わせを用いて対象に自動的に送達される。ヘルスケア志向の伝達システムの一例は米国特許第6,283,761号に記載されているが、本開示は、この特定の伝達システムを利用する方法に限定されない。本開示の方法の特定の実施形態では、試料のアッセイ、再生の予後診断及び/又は予測、及びアッセイ結果又は予後診断の伝達を含む方法工程のすべて又は一部が多様な(たとえば、外国の)法域で実施され得る。
別の態様では、本明細書で記載される予後診断法は、埋め込み及び投与の再生的成功に関する関心のある関係者への情報を提供する。
実施形態すべてにおいて、本明細書で記載されるようなそのような治療を必要とする対象に再生された腎臓を提供する方法は、本明細書で記載されるような再生の予後診断評価の埋め込み後工程を含み得る。
8.生物活性のある細胞製剤
本明細書で記載される製剤は、対象に投与される生物活性のある腎細胞のような活性剤のための有利な環境を創る特性を有する生体材料を組み入れる。一実施形態では、製剤は、活性剤が生体材料と共に製剤化される時点から対象への投与の時点まで有利な環境を提供する第1の生体材料を含有する。他の一実施形態では、有利な環境は、対象に投与するのに先立って流体における細胞(本明細書で記載されるような)に対して実質的に固体状態に浮遊させた生物活性のある細胞を有する利点に関係する。別の実施形態では、第1の生体材料は温度感受性の生体材料である。温度感受性の生体材料は、(i)約8℃以下で実質的に固体状態を有し、且つ(ii)常温以上で実質的に液体状態を有する。一実施形態では、常温はほぼ室温である。
別の態様では、製剤は、製剤化の時点から対象への投与の後の時点まで組み合わせた細胞のために有利な環境を提供する第2の生体材料と組み合わせた生物活性のある細胞を含有する。一実施形態では、第2の生体材料によって提供される有利な環境は、対象への投与の時点まで、及び投与の後の時間の間、構造的な完全性を保持する生体材料にて細胞を投与する利点に関する。一実施形態では、埋め込み後の第2の生体材料の構造的な完全性は数分、数時間、数日又は数週である。一実施形態では、構造的な完全性は1ヵ月未満、1週間未満、1日未満又は1時間未満である。相対的に短い期間の構造的完全性は、それが入れられた組織又は臓器との組み込まれた要素の相互作用に対して妨害又は障壁であることなく、制御された取り扱い、配置又は分散で組織又は臓器の標的位置に活性剤と生体材料を送達することができる製剤を提供する。
別の実施形態では、第2の生体材料は、第1の生体材料とは異なる感度を有する温度感受性の生体材料である。第2の生体材料は、(i)ほぼ常温以下で実質的に固体状態、及び(ii)約37℃以上で実質的に液体状態を有する。一実施形態では、常温はほぼ室温である。
一実施形態では、第2の生体材料は架橋されたビーズである。架橋されたビーズは、本明細書で記載されるように、架橋の程度に応じて微調整可能な生体内の滞留時間を有し得る。別の実施形態では、架橋されたビーズは生物活性のある細胞を含み、本明細書で記載されるように、酵素分解に耐性である。
本開示の製剤は、活性剤、たとえば、生物活性のある細胞と組み合わせた第2の生体材料と共に又はそれを伴わずに、活性剤、たとえば、生物活性のある細胞と組み合わせた第1の生体材料を含み得る。製剤が第2の生体材料を含む場合、それは温度感受性ビーズであってもよく及び/又は架橋されたビーズであってもよい。種々の代表的な製剤が以下の実施例にて提供される(図3〜7も参照)。
本明細書で記載される生物活性のある細胞の調製物、混加物及び/又は構築物を生物活性のある細胞製剤として投与することができる。態様の1つでは、製剤は、細胞と、本明細書で記載される細胞の調製物、混加物及び/又は構築物に安定性を提供する1以上の生体材料とを含む。一実施形態では、生体材料は、温度に応じて少なくとも2つの異なる相又は状態を維持することができる温度感受性の生体材料である。生体材料は、第1の温度における第1の状態、第2の温度における第2の状態及び/又は第3の温度における第3の状態を維持することが可能である。第1の、第2の又は第3の状態は実質的に固体状態、実質的に液体状態、又は実質的に半固体状態又は実質的に半液体状態であり得る。一実施形態では、生体材料は、第1の温度における第1の状態及び第2の温度における第2の状態を有し、その際、第1の温度は第2の温度よりも低い。
他の一実施形態では、温度感受性の生体材料の状態は約8℃以下の温度では実質的に固体状態である。他の実施形態では、実質的に固体状態は、約1℃、約2℃、約3℃、約4℃、約5℃、約6℃、約7℃、又は約8℃で維持される。一実施形態では、実質的に固体状態はゲルの形態を有する。他の実施形態では、温度感受性の生体材料の状態は常温以上で実質的に液体状態である。一実施形態では、実質的に液体状態は約31℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、又は約37℃で維持される。一実施形態では、常温はほぼ室温である。
別の実施形態では、温度感受性の生体材料の状態はほぼ常温以下の温度で実質的に固体状態である。一実施形態では、常温はほぼ室温である。別の実施形態では、実質的に固体状態は約17℃、約16℃、約15℃、約14℃、約13℃、約12℃、約11℃、約10℃、約9℃、約8℃、約7℃、約6℃、約5℃、約4℃、約3℃、約2℃、約1℃にて維持される。一実施形態では、実質的に固体状態はビーズの形態を有する。別の実施形態では、温度感受性の生体材料の状態は約37℃以上で実質的に液体状態である。一実施形態では、実質的に液体状態は約37℃、約38℃、約39℃、又は約40℃で維持される。
温度感受性の生体材料は、溶液の形態、ビーズの形態、又は本明細書で記載される及び/又は当業者に既知の他の好適な形態で提供され得る。本明細書で記載される細胞の集団及び調製物は、温度感受性の生体材料に被覆され、その上に堆積され、その中に埋め込まれ、それに付着させ、それに播かれ、浮遊させ、又は捕捉され得る。或いは、温度感受性の生体材料は、細胞なしで、たとえば、スペーサービーズの形態で提供され得る。
他の実施形態では、温度感受性の生体材料は、第1の状態と第2の状態の間で遷移状態を有する。一実施形態では、遷移状態は、約8℃の温度とほぼ常温の間での固液遷移状態である。一実施形態では、常温はほぼ室温である。他の一実施形態では、固液遷移状態は、約8℃、約9℃、約10℃、約11℃、約12℃、約13℃、約14℃、約15℃、約16℃、約17℃、及び約18℃の1以上の温度にて存在する。
温度感受性の生体材料は、所与の温度にてセンチポイズ(cP)で測定される特定の粘度を有する。一実施形態では、生体材料は25℃にて約1cP〜約5cP、約1.1cP〜約4.5cP、約1.2cP〜約4cP、約1.3cP〜約3.5cP、約1.4cP〜約3.5cP、約1.5cP〜約3cP、約1.55cP〜約2.5cP、又は約1.6cP〜約2cPの粘度を有する。別の実施形態では、0.75%(w/v)溶液は37℃で約1.0cP〜約1.15cPの粘度を有する。37℃での粘度は、約1.0cP、約1.01cP、約1.02cP、約1.03cP、約1.04cP、約1.05cP、約1.06cP、約1.07cP、約1.08cP、約1.09cP、約1.10cP、約1.11cP、約1.12cP、約1.13cP、約1.14cP、又は約1.15cPであり得る。他の一実施形態では、生体材料はゼラチン溶液である。ゼラチンは溶液にて約0.5%、約0.55%、約0.6%、約0.65%、約0.7%、約0.75%、約0.8%、約0.85%、約0.9%、約0.95%又は約1%、(w/v)で存在する。一例では、生体材料はPBS中0.75%(w/v)のゼラチン溶液である。一実施形態では、0.75%(w/v)の溶液は25℃で約1.6cP〜約2cPの粘度を有する。一実施形態では、0.75%(w/v)の溶液は37℃で約1.07cP〜約1.08cPの粘度を有する。ゼラチン溶液はPBS、DMEM、又は別の好適な溶媒にて提供され得る。
態様の1つでは、生物活性のある細胞製剤は細胞生存剤も含む。一実施形態では、細胞生存剤は、抗酸化剤、酸素キャリア、免疫調節因子、細胞動員因子、細胞付着因子、抗炎症剤、血管形成因子、創傷治癒因子、及び生物活性のある細胞から分泌される生成物から成る群から選択される。
抗酸化剤は他の分子の酸化を阻害する能力を特徴とする。抗酸化剤には、限定しないで、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(Trolox(登録商標))、カロテノイド、フラボノイド、イソフラボン、ユビキノン、グルタチオン、リポ酸、スーパーオキシドジスムターゼ、アスコルビン酸、ビタミンE、ビタミンA、混合カロテノイド(たとえば、βカロテン、αカロテン、γカロテン、ルテイン、リコペン、フィトペン、フィトフルエン、及びアスタキサンチン)、セレニウム、コエンザイムQ10、インドール−3−カルビノール、プロアントシアニジン、レスベラトロール、クエルセチン、カテキン、サリチル酸、クルクミン、ビリルビン、シュウ酸、フィチン酸、リポ酸、バニリン酸、ポリフェノール、フェルラ酸、テアフラビン、及びそれらの誘導体の1以上が挙げられる。当業者は本開示で使用するのに好適な他の抗酸化剤を十分に理解するであろう。
酸素キャリアは酸素を運び、放出する能力を特徴とする。それらには、限定しないで、パーフルオロカーボン及びパーフルオロカーボンを含有する医薬剤が挙げられる。好適なパーフルオロカーボン系酸素キャリアには、限定しないで、臭化パーフルオロオクチル(C8F17Br);パーフルオロジクロロタン(C8F16C12);臭化パーフルオロデシル;パーフルオブロン;パーフルオロデカリン;パーフルオロトリポピルアミン;パーフルオロメチルシクロピペリジン;フルオソール(登録商標)(パーフルオロデカリン&パーフルオロトリポピルアミン);パーフトラン(登録商標)(パーフルオロデカリン&パーフルオロメチルシクロピペリジン);オキシゲント(登録商標)(臭化パーフルオロデシル&パーフルオブロン);オシシト(商標)(パーフルオロ(tert−ブチルシクロヘキサン))が挙げられる。当業者は、本開示で使用するのに好適な他のパーフルオロカーボン系酸素キャリアを十分に理解するであろう。
免疫調節因子には、限定しないで、オステオポンチン、FASリガンド因子、インターロイキン、形質転換増殖因子β、血小板由来増殖因子、クラステリン、トランスフェリン、活性化の際調節され、正常なT細胞が発現し、分泌するタンパク質(RANTES)、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤−1(Pai−1)、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン6(IL−6)、α−1−ミクログロブリン、及びβ−2−ミクログロブリンが挙げられる。当業者は、本開示で使用するのに好適な他の免疫調節因子を十分に理解するであろう。
抗炎症剤又は免疫抑制剤(以下に記載される)も製剤の一部であり得る。当業者は、本製剤及び/又は治療で使用するのに好適な他の抗酸化剤を十分に理解するであろう。
細胞動員因子には、限定しないで、単球走化タンパク質1(MCP―1)及びCXCL−1が挙げられる。当業者は、本製剤及び/又は治療で使用するのに好適な他の細胞動員因子を十分に理解するであろう。
細胞付着因子には、限定しないで、フィブロネクチン、プロコラーゲン、コラーゲン、ICAM−1、結合組織増殖因子、ラミニン、プロテオグリカン、RGD及びYSIGRのような特異的な細胞接着ペプチドが挙げられる。当業者は、本製剤及び/又は治療で使用するのに好適な他の細胞付着因子を十分に理解するであろう。
血管形成因子には、限定しないで、マトリクスメタロプロテアーゼ1(MMP1)、マトリクスメタロプロテアーゼ2(MMP2)、血管内皮増殖因子F(VEGF)、マトリクスメタロプロテアーゼ9(MMP−9)、組織阻害剤又はメタロプロテアーゼ−1(TIMP−1)、血管内皮増殖因子F(VEGF)、アンギオポイエチン−2(ANG−2)が挙げられる。当業者は本製剤及び/又は治療で使用するのに好適な他の血管形成因子を十分に理解するであろう。
創傷治癒因子には、限定しないで、角化細胞増殖因子1(KGF−1)、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、カルビンジン、クラステリン、シスタチンC、トレフォイル因子3が挙げられる。当業者は本製剤及び/又は治療で使用するのに好適な他の創傷治癒因子を十分に理解するであろう。
本明細書で記載される生物活性のある細胞から分泌される生成物も細胞生存剤として生物活性のある細胞製剤に添加され得る。
他の態様の1つでは、製剤には、本明細書で記載される温度感受性の生体材料と生体材料を含有する生体適合性のビーズの集団が含まれる。一実施形態では、ビーズは架橋される。架橋は、たとえば、カルボジイミド;アルデヒド(たとえば、フルフラル、アクロレイン、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリセリルアルデヒド)、スクシンイミド−系架橋剤{スベリン酸ビス(スルホスクシンイミジル)(BS3)、グルタル酸ジスクシンイミジル(DSG)、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)、ジチオビス(プロピオン酸ジスクシンイミジル)、エチレングリコールビス(コハク酸スルホジスクシンイミジル)、エチレングリコールビス(コハク酸スルホジスクシンイミジル)(EGS)、ビスグルタル酸(スルホジスクシンイミジル)グルタル酸(BS2G)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)};エポキシド(エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル);糖類(グルコース糖及びアルドース糖);スルホン酸及びp−トルエンスルホン酸;カルボニルジイミダゾール;ゲニピン;イミン;ケトン;ジフェニルホスホリルアジド(DDPA);塩化テレフタロイル;硝酸セリウム(III)六水和物;微生物トランスグルタミナーゼ;及び過酸化水素のような当業者に既知の好適な架橋剤を用いて達成され得る。当業者は、本方法、製剤及び/又は治療にて使用するのに好適な他の架橋剤及び架橋方法を十分に理解するであろう。
一実施形態では、ビーズはカルボジイミド架橋したビーズである。カルボジイミド架橋したビーズは、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDC)、DCC−N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)から成る群から選択されるカルボジイミドで架橋され得る。低濃度のEDCで処理したビーズは多数の遊離の1級アミンを有することが期待される一方で、高濃度の架橋剤で処理した試料は1級アミンのほとんどがアミド結合に関わる。335nmにて分光光度計で検出できる1級アミンとピクリルスルホン酸との間の共有結合によって発色する橙色の強度は、試料に存在する1級アミンの数に比例する。試料に存在するタンパク質のミリグラム当たりで標準化されると、存在する遊離のアミンの数と架橋に使用されたEDCの当初の濃度との間に逆相関を認めることができる。この結果は、反応に使用したカルボジイミドの量によって決定づけされる差次的なビーズの架橋を示す。一般に、架橋されたビーズは架橋されていないビーズに比べて遊離の1級アミンの数の低下を示す。遊離の1級アミンの数は約335nmにて分光光度計にて検出され得る。
架橋されたビーズは架橋されていない生体適合性のビーズに比べて酵素分解への感度の低下を有し、それによって生体内での微調整可能な滞留時間を持つビーズを提供する。たとえば、架橋されたビーズはコラゲナーゼのような内在性酵素に耐性である。架橋されたビーズの提供は、(a)所望の部位に付着する細胞の送達及び生来の組織及び血管の供給の再生及び内方成長のための空間の創製;(b)細胞がその微小環境を樹立し、機能させ、作り直し、それ自体の細胞外マトリクス(ECM)を分泌することができるように十分長くその部位で存続する能力;(c)周囲の組織による移植細胞の統合の促進;(d)実質的に固体形態に細胞を埋め込む能力;(e)宿主組織による送達された細胞/材料の組織内方成長又は統合に対して有意なバリアを提供しない短期の構造的完全性;(f)実質的に固体形態における生体内の局在送達による埋め込みの間の組織内での細胞の分散の防止;(g)流体中に浮遊させた細胞に比べて足場依存性細胞の改善された安定性及び生存性;並びに(h)細胞が送達される際の、(i)実質的に固体形態(たとえば、ビーズに付着させた)及び(ii)実質的に液体状態(たとえば、流体中に浮遊させた)における二相性の放出特性の1以上を円滑にする生体材料の開発及び製造に基づく送達系の一部である。
一実施形態では、本開示はゼラチンを含有する架橋されたビーズを提供する。架橋されないゼラチンビーズは、完全性を迅速に失い、細胞が注入部位から分散するので生物活性のある細胞製剤には好適ではない。それに対して、高度に架橋されたゼラチンビーズは注入部位に長く存続しすぎて、新たなECM分泌、細胞の統合及び組織再生を妨げ得る。本開示は微調整される架橋ビーズの生体内滞留時間を可能にする。生体材料の生分解性を誂えるために、異なる架橋剤濃度のカルボジイミドを用いる一方で、全体的な反応条件を試料すべてについて一定に保った。たとえば、カルボジイミド架橋したビーズの酵素感受性は、約ゼロ〜約1Mで架橋剤の濃度を変えることによって微調整することができる。一部の実施形態では、濃度は、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、約20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、約31mM、約32mM、約33mM、約34mM、約35mM、約36mM、約37mM、約38mM、約39mM、約40mM、約41mM、約42mM、約43mM、約44mM、約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、又は約100mMである。架橋剤の濃度はまた、約0.15M、約0.2M、約0.25M、約0.3M、約0.35M、約0.4M、約0.45M、約0.5M、約0.55M、約0.6M、約0.65M、約0.7M、約0.75M、約0.8M、約0.85M、約0.9M、約0.95M、又は約1Mであり得る。別の実施形態では、架橋剤は、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDC)である。一実施形態では、EDC架橋したビーズはゼラチンビーズである。
架橋されたビーズは播種、付着又は被包に都合が良い特定の特徴を有し得る。たとえば、ビーズは多孔性表面を有し得る及び/又は実質的に中空であり得る。孔の存在は、多孔性ではない又は平滑な表面に比べて多数の細胞が付着するのを可能にする細胞付着の多い表面を提供する。加えて、多孔性構造は、新たな組織の形成を支える多孔性ビーズとの宿主組織の統合を支援することができる。ビーズは、一般的な粒子分布パターンに相当するWeibullプロットに適合することができるサイズ分布を有する。一実施形態では、架橋されたビーズは、約120μm、約115μm、約110μm、約109μm、約108μm、約107μm、約106μm、約105μm、約104μm、約103μm、約102μm、約101μm、約100μm、約99μm、約98μm、約97μm、約96μm、約95μm、約94μm、約93μm、約92μm、約91μm、又は約90μm未満の平均直径を有する。架橋されたビーズの特徴は鋳造法に応じて変化する。たとえば、空気の流れを用いて液体ゼラチン溶液をエアロゾル化し、薄層クロマトグラフィ試薬の噴霧器(ACE Glassware)によって液体窒素中に噴霧する方法を用いて、前述の特徴を有するビーズを提供する。当業者は、鋳造法のパラメータを調節することがビーズの異なる特徴、たとえば、異なるサイズ分布を誂える機会を提供することを十分に理解するであろう。
最終的な生物活性のある細胞製剤に相当する細胞と共にビーズを培養する細胞培養法を用いた製剤化に先立って、架橋されたビーズの細胞適合性を試験管内で評価する。たとえば、生物活性のある腎細胞製剤の調製に先立ってビーズを一次腎細胞と共に培養し、生細胞/死細胞アッセイを用いて細胞適合性を確認する。特定の製剤では、生体適合性の架橋されたビーズを約5%(w/w)〜約15%(w/w)の溶液の容量で溶液中の温度感受性の生体材料と混ぜ合わせる。架橋されたビーズは溶液の容量の約5%(w/w)、約5.5%(w/w)、約6%(w/w)、約6.5%(w/w)、約7%(w/w)、約7.5%(w/w)、約8%(w/w)、約8.5%(w/w)、約9%(w/w)、約9.5%(w/w)、約10%(w/w)、約10.5%(w/w)、約11%(w/w)、約11.5%(w/w)、約12%(w/w)、約12.5%(w/w)、約13%(w/w)、約13.5%(w/w)、約14%(w/w)、約14.5%(w/w)又は約15%(w/w)で存在し得る。
別の態様では、本開示は、数分、数時間又は数日程度の期間にわたって分解する生体材料を含有する製剤を提供する。これは、その後数日、数週間又は数カ月にわたってゆっくり分解する固形材料の埋め込みに焦点を置く大きなボディ又は取り組みとは対照的である。
別の態様では、本開示は、送達マトリクスと一緒に生物活性のある細胞と共に播かれる生体適合性の架橋されたビーズを有する製剤を提供する。一実施形態では、送達マトリクスは、以下の特性:生体適合性、生分解性/生体吸収性、対象への埋め込みに先立って及び埋め込みの間実質的に固体状態、埋め込み後の構造的完全性(実質的に固体状態)の喪失、及び細胞の生存性を支える細胞適合性の環境の1以上を有する。埋め込みの間にスペースを空けた埋め込んだ粒子(たとえば、架橋されたビーズ)を保持する送達マトリクスの能力は生来の組織の内方成長を向上させる。送達マトリクスが存在しなければ、埋め込みの間に細胞化されるビーズの圧縮は十分な組織の内方成長には不適切な余地をもたらし得る。送達マトリクスは固形製剤の埋め込みを円滑にする。加えて、構造的完全性の短い持続時間は、埋め込みの直後、マトリクスが宿主組織による送達された細胞/材料の組織内方成長又は統合に対する十分なバリアを提供しないことを意味する。送達マトリクスは、埋め込みの間に送達された材料が組織の中で分散するのを妨げるのに固形単位の挿入が役立つので、本明細書で記載される製剤の局在化を提供する。細胞に基づく製剤については、固形の送達マトリクスは流体に浮遊させた細胞に比べて足場依存性細胞の安定性及び生存性を改善する。
一実施形態では、送達マトリクスは細胞と共に播かれない生体適合性ビーズの集団である。別の実施形態では、播かれないビーズは個々の細胞/播かれたビーズ全体にわたって、及びその間にて分散する。播かれないビーズは移植に先立って及び移植直後に個々の細胞/播かれたビーズ間で「スペーサービーズ」として作用する。スペーサービーズは、第1の温度で実質的に固体状態及び第2の温度で実質的に液体状態を有する温度感受性の生体材料を含有し、その際、第1の温度は第2の温度より低い。たとえば、スペーサービーズは、本明細書で記載されるものように、ほぼ常温以下で実質的に固体状態及び約37℃で実質的に液体状態を有する生体材料を含有する。一実施形態では、常温はほぼ室温である。別の実施形態では、生体材料はゼラチン溶液である。ゼラチン溶液は、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約10.5%、又は約11%、(w/v)で存在する。ゼラチン溶液はPBS、細胞培養培地(たとえば、DMEM)又は別の好適な溶媒にて提供され得る。
態様の1つでは、本開示は、実質的に固体形態(たとえば、スペーサービーズ)で埋め込まれ、次いで生体への埋め込みに続いて液化する/融解する又はさもなければ構造的完全性を喪失する生体材料を含有する製剤を提供する。これは、液体として注入され、次いで体内で固化することができる材料の使用に焦点を置く相当規模の取り組みとは対照的である。
製剤化に先立って、スペーサービーズの温度感受性を評価することができる。スペーサービーズを標識し、非標識の温度非感受性ビーズと混合することができる。次いで混合物を37℃でインキュベートして物理的遷移における変化を観察する。高温での標識された温度感受性ビーズの形状の喪失が経時的に認められる。たとえば、温度感受性ゼラチンビーズはアルシアンブルー色素と共に作製されて物理的遷移のマーカーとして役立つ。青色のゼラチンビーズをCultispherSビーズ(白)混合し、カテーテルに負荷し、次いで37℃にて1×PBS、pH7.4中に押し出し、インキュベートする。青色のゼラチンビーズの形状の喪失は異なる時点にて顕微鏡で追跡される。青色のゼラチンビーズの物理的状態の変化は長いインキュベート時間と共に顕著になる30分後、眼に見える。ビーズは材料の粘性のために完全には分散しない。
本明細書で記載される生物活性のある細胞製剤を用いて腎臓への注入のための腎細胞に基づく製剤を調製し得る。しかしながら、当業者は、製剤が他の多くの型の生物活性のある細胞集団に好適であることを十分に理解するであろう。たとえば、本開示は任意の固形の臓器又は組織への注入のための生物活性のある細胞のための製剤を企図する。
態様の1つでは、本明細書で記載される生物活性のある細胞製剤は設定された数の細胞を含有するであろう。一実施形態では、製剤のための細胞の総数は、約104、約105、約106、約107、約108、又は約109である。一実施形態では、本明細書で記載される製剤のための細胞の投与量は標的臓器又は標的組織の推定質量又は機能的質量に基づいて算出され得る。特定の実施形態では、生物活性のある細胞製剤は、製剤による治療の対象である宿主臓器の重量に基づく細胞の数に相当する投与量を含有する。たとえば、生物活性のある腎細胞製剤は約150グラムのヒト腎臓の平均重量に基づく。一実施形態では、腎臓のグラム(g)当たりの細胞の数は約600個/g〜約7.0×107個/gである。一部の実施形態では、腎臓のグラム当たりの細胞の数は、約600細胞/g、約1000細胞/g、約1500細胞/g、約2000細胞/g、約2500細胞/g、約3000細胞/g、約3500細胞/g、約4000細胞/g、約4500細胞/g、約5000細胞/g、約5500細胞/g、約6000細胞/g、約6500細胞/g、約7000細胞/g、約7500細胞/g、約8000細胞/g、約8500細胞/g、約9000細胞/g、約9500細胞/g、又は約10、000細胞/gである。
他の実施形態では、腎臓のグラム当たりの細胞の数は、約1.5×104細胞/g、約2.0×104細胞/g、約2.5×104細胞/g、約3.0×104細胞/g、約3.5×104細胞/g、約4.0×104細胞/g、約4.5×104細胞/g、約5.0×104細胞/g、約5.5×104細胞/g、約6.0×104細胞/g、約6.5×104細胞/g、約7.0×104細胞/g、約7.5×104細胞/g、約8.0×104細胞/g、約9.5×104細胞/gである。
他の実施形態では、腎臓のグラム当たりの細胞の数は、約1.0×105細胞/g、約1.5×105細胞/g、約2.0×105細胞/g、約2.5×105細胞/g、約3.0×105細胞/g、約3.5×105細胞/g、約4.0×105細胞/g、約4.5×105細胞/g、約5.0×105細胞/g、約5.5×105細胞/g、約6.0×105細胞/g、約6.5×105細胞/g、約7.0×105細胞/g、約7.5×105細胞/g、約8.0×105細胞/g、約8.5×105細胞/g、約9.0×105細胞/g、又は約9.5×105細胞/gである。
他の実施形態では、腎臓のグラム当たりの細胞の数は、約1.0×106細胞/g、約1.5×106細胞/g、約2.0×106細胞/g、約2.5×106細胞/g、約3.0×106細胞/g、約3.5×106細胞/g、約4.0×106細胞/g、約4.5×106細胞/g、約5.0×106細胞/g、約5.5×106細胞/g、約6.0×106細胞/g、約6.5×106細胞/g、約7.0×106細胞/g、約7.5×106細胞/g、約8.0×106細胞/g、約8.5×106細胞/g、約9.0×106細胞/g、約9.5×106細胞/g、1.0×107細胞/g、又は約1.5×107細胞/gである。
細胞の総数は製剤について選択されてもよく、製剤の容積は正しい投与量に達するように調整されてもよい。
一部の実施形態では、製剤は単回投与量又は単回投与量プラス追加の投与量である対象へ細胞の投与量を含有する。他の実施形態では、投与量は本明細書で記載される構築物を手段として提供され得る。本明細書で記載される腎細胞集団又は腎細胞集団の混加物の治療上有効な量は、対象によって安全に受け取られる細胞の最大数から腎疾患の治療、たとえば、1以上の腎機能の安定化、低下率の低下又は改善に必要な細胞の最少数まで及ぶことができる。
本明細書で記載される腎細胞集団又はその混加物の治療上有効な量を薬学上許容可能なキャリア又は賦形剤に懸濁させることができる。そのようなキャリアには、基本培養培地プラス1%血清アルブミン、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、コラーゲン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、フィブリン糊、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。製剤は投与の方式に適合すべきである。
結果的に、本開示は、腎細胞集団又はその混加物、たとえば、B2細胞集団を単独で、又はB3及び/又はB4又はB4’細胞集団と混加させて含有する製剤の、対象における腎疾患を治療するために薬物を製造するための使用を提供する。一部の実施形態では、薬物はさらに組換えポリペプチド、たとえば、増殖因子、ケモカイン又はサイトカインをさらに含む。さらなる実施形態では、薬物はヒト腎臓に由来する細胞集団を含む。薬物を製造するために使用される細胞は、本明細書で記載される方法に提供される変形物のいずれかを用いて単離し、導出し、又は濃縮することができる。
腎細胞集団又はその混加物、又は組成物は、ヒトへの投与に適合する医薬組成物として日常の手順に従って製剤化される。通常、静脈内投与、動脈内投与又は腎被膜内への投与のための組成物は、たとえば、無菌の等張水性緩衝液中の溶液である。必要に応じて、組成物は注射部位での疼痛を改善するための局所麻酔剤を含むこともできる。一般に、成分は、単位剤形で、たとえば、活性剤の量を示すアンプルのような密封した容器における凍結乾燥した濃縮物として別々に又は一緒に混合して供給される。組成物が点滴で投与されるべきである場合、無菌の医薬等級の水又は生理食塩水を含有する点滴ビンにそれを分配することができる。組成物が注射によって投与される場合、成分を投与に先立って混合できるように注射用の無菌の水又は生理食塩水のアンプルを提供することができる。
薬学上許容可能なキャリアは、投与される特定の組成物によって、と同様に組成物を投与するのに使用される特定の方法によって部分的に決定される。従って、医薬組成物の多種多様な好適な製剤がある(たとえば、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるAlfonso R Gennaro (ed), Remington: The Science and Practice of Pharmacy, formerly Remington's Pharmaceutical Sciences 20th ed., Lippincott, Williams & Wilkins, 2003を参照のこと)。医薬組成物は一般に、無菌で実質的に等張物として、米国食品医薬品局の製造管理及び品質管理に関する基準(GMP)に完全に則って製剤化される。
態様の1つはさらに、腎細胞集団、たとえば、B2細胞集団を単独で、又はB3及び/又はB4又はB4’細胞集団と組み合わせて含み、薬学上許容可能なキャリアを含む医薬製剤を提供する。一部の実施形態では、製剤は104〜109個の哺乳類腎臓に由来する細胞を含む。
放出制御製剤
態様の1つでは、本開示の製剤は放出制御製剤として提供される。一般に、制御放出は、投与の際、第1の活性剤の最初の放出に第2の活性剤の少なくとも1回の追加のその後の放出が続くことを特徴とする。第1と第2の活性剤は同一であってもよいし、異なっていてもよい。一実施形態では、製剤は同一製剤における複数の成分を介して制御放出を提供する。別の実施形態では、制御放出製剤は、製剤の容量全体にわたって活性剤が自由に移動するのを可能にし、それによって投与の際、標的部位での即時放出を可能にする第1の成分の一部としての活性剤を含有する。第1の成分は実質的に液相と実質的に固相を有する温度感受性の生体材料であってもよく、その際、第1の成分は投与の時点で実質的に液相である。一実施形態では、製剤の容量全体にわたって実質的に自由に移動し、それによって投与の際、標的部位にて即時放出されるような実質的に液相にある活性剤。
別の実施形態では、制御放出製剤は、活性剤が第2の成分に付着し、堆積され、被覆され、埋め込まれ、播かれ又は捕捉され、投与の前及び後で、標的部位に存続する第2の成分の一部としての活性剤を有する。第2の成分は活性剤がそれに会合することができ、それによって投与の時点で第2の成分からの活性剤の即時放出を妨げる構造要素を含有する。たとえば、第2の成分は実質的に固体形態、たとえば、生体適合性ビーズで提供され、架橋されて生体内での酵素分解を妨げ得る又は遅らせ得る。一実施形態では、実質的に固体形態での活性剤は、投与の前後で製剤内での構造的完全性を保持するので、投与の際、標的部位に活性剤を即座に放出しない。制御放出製剤に好適なキャリアは本明細書で記載されているが、当業者は本明細書で使用するのに適する他のキャリアを十分に理解するであろう。
一実施形態では、製剤は、細胞、ナノ粒子、治療用分子等を含む送達される要素の最初の迅速な送達/放出を提供し、その後、要素のさらに遅い遅延放出を提供する。本開示の製剤は、送達される剤が非付着形態(たとえば、溶液中の細胞)及び付着形態(たとえば、ビーズ又は別の好適なキャリアと一緒での細胞)の双方で提供されるそのような二相性の放出特性のために設計することができる。最初の投与の際、重荷をおろした剤が送達の部位に即時に提供される一方で、重荷を負わせた剤の放出は以前付着させた剤が放出される時点でキャリア(たとえば、ビーズ)の構造的完全性が機能しなくなるまで遅らせる。以下で議論するように、放出の他の好適なメカニズムが当業者によって十分に理解されるであろう。
放出の時間遅延は活性剤の性質に基づいて調整することができる。たとえば、生物活性のある細胞製剤における放出の時間遅延は、およそ数秒、数分、数時間又は数日であり得る。一部の状況では、数週間程度の遅延が適当であってもよい。小分子又は大分子のような他の活性剤については、製剤における放出の時間遅延は、数秒、数分、数時間、数日、数週又は数カ月程度であり得る。製剤が異なる時間遅延放出特性を提供する異なる生体材料を含有することも可能である。たとえば、第1の活性剤を伴った第1の生体材料は第1の放出時間を有してもよく、第2の活性剤を伴った第2の生体材料は第2の放出時間を有してもよい。第1の活性剤及び第2の活性剤は同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
本明細書で議論されるように、遅延放出の時間は一般に生体材料の構造的完全性の喪失のための時間に相当し得る。しかしながら、当業者は遅延放出の他のメカニズムを十分に理解するであろう。たとえば、活性剤は、特定の生体材料の分解時間、たとえば、高分子マトリクスからの薬剤の拡散に無関係に時間をかけて連続して放出され得る。加えて、生物活性のある細胞は、生体材料及び生物活性のある細胞を含有する製剤から離れて生来の組織に移動することができる。一実施形態では、生物活性のある細胞は生体材料、たとえば、ビーズから離れて生来の組織に移動する。
エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルソエステル及びポリ乳酸のような生分解性で生体適合性のポリマーを使用することができる。製剤に吸収を遅らせる剤、たとえば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを含めることによって注射用製剤の延長された吸収をもたらすことができる。そのような製剤の調製のための多数の方法が特許権を有しており、又は一般に当業者に既知である。たとえば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson編、Marcel Dekker社,New York,1978を参照のこと。ポリペプチド剤の制御放出又は延長放出に適用できる追加の方法は、たとえば、そのすべてが参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第6,306,406号及び同第6,346,274号、並びにたとえば、米国特許出願番号US20020182254及びUS20020051808にて記載されている。
9.投与の方法及び経路
本開示の生物活性のある細胞製剤は単独で、又は他の生物活性のある成分と組み合わせて投与することができる。製剤は固形臓器の内部に組み込んだ組織工学要素を注入し、又は埋め込んで組織を再生するのに好適である。加えて、製剤は中空臓器の壁に組織工学要素を注入し、又は埋め込んで組織を再生するのに使用される。
態様の1つでは、本開示は、必要とする対象に本明細書で記載される生物活性のある細胞製剤を提供する方法を提供する。一実施形態では、生物活性のある細胞の供給源は、自己又は同種、又は同系(自家の又は同質の)、及びそれらの組み合わせであってもよい。供給源が自己である場合、方法には免疫抑制剤の投与が含まれ得る。好適な免疫抑制剤には、限定しないで、アザチオプリン、サイクロホスファミド、ミゾリビン、シクロスポリン、タクロリムス水和物、クロラムブシル、ロベンザリット二ナトリウム、オーラノフィン、アルプロスタジル、グスペリムス塩酸塩、ビオシンソルブ、ムロモナブ、アレファセプト、ペントスタチン、ダクリズマブ、シロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、レフロノミド、バシリキシマブ、ドルナーゼα、ビンダリド、クラドリビン、ピメクロリムス、イロデカキン、セデリズマブ、エファリズマブ、エベロリムス、アニスペリムス、ガビリモマブ、ファラリモマブ、クロファラビン、ラパマイシン、シプリズマブ、サイレイト、LDP−03、CD4、SR−43551、SK&F−106615、IDEC−114、IDEC−131、FTY−720、TSK−204、LF−080299、A−86281、A−802715、GVH−313、HMR−1279、ZD−7349、IPL−423323、CBP−1011、MT−1345、CNI−1493、CBP−2011、J−695、LJP−920、L−732531、ABX−RB2、AP−1903、IDPS、BMS−205820、BMS−224818、CTLA4−1g、ER−49890、ER−38925、ISAtx−247、RDP−58、PNU−156804、LJP−1082、TMC−95A、TV−4710、PTR−262−MG、及びAGI−1096(米国特許第7、563、822号を参照)が挙げられる。当業者は、他の好適な免疫抑制剤を十分に理解するであろう。
主題の開示の治療方法には、本明細書で記載される生物活性のある細胞製剤の送達が関与する。一実施形態では、意図される利益の部位への細胞の直接投与が好まれる。必要とする対象は、1以上の濃縮された腎細胞集団、及び/又はそれを含有する混加物又は構築物から分泌される生成物と一緒に本明細書で記載される生物活性のある細胞製剤に生来の腎臓を生体内で接触させることによっても治療され得る。
分泌された生成物に生来の腎臓を生体内で接触させる工程は、細胞培養培地、たとえば、調整培地に由来する分泌された生成物の集団を含有する製剤の使用/投与を介して、又は生体内で生成物を分泌することが可能である濃縮された細胞集団、及び混加物又は構築物の埋め込みによって達成され得る。生体内で接触させる工程は生来の腎臓に再生効果を提供する。
細胞及び/又は分泌された生成物を対象に投与する種々の手段は、本明細書の観点から当業者に明らかであろう。そのような方法には対象における標的部位への細胞の注入が挙げられる。
細胞及び/又は分泌された生成物を送達の用具又は媒体に挿入することができ、それは対象への注入又は埋め込みによる導入を円滑にする。特定の実施形態では、送達媒体は天然の物質を含むことができる。他の特定の実施形態では、送達媒体は合成の物質を含むことができる。一実施形態では、送達媒体は臓器の構造を模倣する又は適宜適合する構造を提供する。他の実施形態では、送達媒体は実際流体様である。そのような送達用具には、レシピエント対象の体内に細胞及び流体を注入するためのチューブ、たとえば、カテーテルを挙げることができる。好まれる実施形態では、チューブがさらに、細胞がそれを介して所望の位置で対象に導入され得る針、たとえば、注射器を有する。一部の実施形態では、哺乳類の腎臓に由来する細胞集団は、カテーテルを介して血管に投与するために製剤化される(用語「カテーテル」は血管に物質を送達するための種々のチューブ様の系のいずれかを含むように意図される)。或いは、細胞は、たとえば、織物、編み物、組みヒモ、メッシュ、及び不織布のような繊維製品、穴あきフィルム、スポンジ及び泡状物、たとえば、多孔性ビーズのようなビーズ、微粒子、ナノ粒子等(たとえば、Cultispher-Sゼラチンビーズ、Sigma)を含むが、これらに限定されない生体材料又は足場の中に又は上に挿入することができる。細胞は種々の異なる形態での送達のために調製することができる。たとえば、細胞は溶液又はゲルに浮遊させることができる。細胞は、細胞が生きたままである薬学上許容可能なキャリア又は希釈剤と混合することができる。薬学上許容可能なキャリア又は希釈剤には、生理食塩水、水性緩衝溶液、溶媒及び/又は分散媒が挙げられる。そのようなキャリア及び希釈剤の使用は当該技術で周知である。溶液は好ましくは無菌で且つ流体であり、等張であることが多い。好ましくは、溶液は製造及び保存の条件下で安定であり、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等の使用を介して、たとえば、細菌及び真菌のような微生物の汚染作用に対して保護される。当業者は、細胞集団及びその混加物の送達に使用される送達媒体は上述の特徴の組み合わせを含むことができることを十分に理解するであろう。
単離された腎細胞集団、たとえば、B2細胞集団を単独で、又はB4’及び/又はB3と混加して含有する製剤の投与の方式には、全身性の注入、腎内(たとえば、実質)注入、静脈内注射又は動脈内注射及び活性の意図される部位での組織への直接的な注入が挙げられるが、これらに限定されない。使用される投与の追加の方式には、直接開腹を介した、直接の腹腔鏡を介した、経皮の又は経皮膚の単回又は複数回の注入が挙げられる。使用される投与のその上さらなる追加の方式には、たとえば、逆行注入及び尿管腎盂注入が挙げられる。投与の外科的手段には、たとえば、部分的な腎摘出及び構築物の埋め込み、部分的な腎摘出、部分的な腎盂摘出、網±腹膜による血管形成、多焦点生検針経路、円錐又はピラミッドから円筒及び腎極のような代替物のような、しかし、これらに限定されない1工程手順、と同様に、たとえば、移植のためのオルガノイド/内部生物反応器を含む2工程手順が挙げられる。一実施形態では、細胞の混加物を含有する製剤は同時に同じ経路を介して送達される。別の実施形態では、制御された混加物を含む細胞組成物のそれぞれは、特定の位置に別々に、又は特定の方法を介して同時に又は一時的に制御された方法で本明細書で記載される方法の1以上によって送達される。
ヒトにおける適当な細胞埋め込みの投与量は、細胞の活性、たとえば、EPO産生に関連する既存の情報から決定することができ、又は前臨床試験で行った投与試験から外挿することができる。試験管内の培養及び生体内での動物実験から、細胞の量を定量し、埋め込み材料の適当な投与量を算出するのに使用することができる。さらに、追加の埋め込みを行うことができるかどうか又は結果的に埋め込んだ材料を減らすことができるかどうかを決定するように患者をモニターすることができる。
選択された細胞外マトリクス成分、たとえば、当該技術で既知のコラーゲン又はヒアルロン酸の1以上の型、及び/又は増殖因子、血小板濃縮血漿及び薬剤を含む1以上の他の成分を細胞集団及びその混加物に加えることができる。
当業者は、本明細書で記載される分泌された生成物に好適な種々の製剤及び投与の方法を十分に理解するであろう。
10.製造物品及びキット
本開示はさらに、本明細書で記載されるような高分子のマトリクス及び足場及び関連する物質、及び/又は細胞培養培地及び使用の指示書を含むキットを含む。使用の指示書は、たとえば、細胞の培養又は細胞及び/又は細胞生成物の投与のための指示書を含有し得る。一実施形態では、本開示は本明細書で記載されるような足場及び指示書を含むキットを提供する。さらに別の実施形態では、キットはマーカー発現の検出のための剤、その剤の使用のための試薬、及び使用の指示書を含む。このキットは、本明細書で記載される細胞集団、混加物又は構築物の埋め込み又は投与に続く対象における生来の腎臓の再生予後診断を判定する目的で使用され得る。キットはまた、本明細書で記載される細胞集団、混加物又は構築物の生物治療有効性を判定するのにも使用され得る。
別の実施形態は、必要とする対象の治療に有用な生物活性のある細胞を含有する製造物品である。製造物品は、容器と、容器上の又はそれに関連したラベル又は添付文書とを含む。好適な容器には、たとえば、ビン、バイアル、注射器等が挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックのような種々の材料から形成され得る。容器は、状態を治療するのに有効である組成物を保持し、無菌のアクセスポートを有し得る(たとえば、容器は注射針で穴開けできるストッパーを有する溶液バッグ又はバイアルであり得る)。製剤における少なくとも1つの活性剤が本明細書で提供されるような生物活性のある細胞集団である。ラベル又は添付文書は特定の状態を治療するために製剤が使用されることを示す。ラベル又は添付文書は患者に製剤を投与するための指示書をさらに含むであろう。本明細書で記載されるコンビナトリアル療法を含む製造物品及びキットも企図される。添付文書は、そのような治療用製品の使用に関する適応、用途、投与量、投与、禁忌、及び/又は警告についての情報を含有する治療用製品の市販包装に通例含まれる指示書を指す。一実施形態では、添付文書は、たとえば、腎臓の疾患又は障害のような疾患又は障害を治療するのに製剤が使用されることを示す。それはさらに、他の緩衝剤、希釈剤、充填剤、針及び注射器を含む商業的な及びユーザーの見地から望ましい他の物質を含み得る。種々の目的、たとえば、再生の成果の評価に有用であるキットも提供される。尿に由来する小胞及び/又はその内容物、たとえば、核酸(たとえば、miRNA)、本明細書で記載されるような小胞、エキソソーム等のための検出剤を含有するキットを提供することができる。検出剤には、限定しないで、核酸のプライマー及びプローブ、と同様に所望の標的の試験管内検出のための抗体が挙げられる。製造物品と同様に、キットは、容器と、容器上の又はそれに関連したラベル又は添付文書とを含む。容器は少なくとも1つの検出剤を含む組成物を保持する。たとえば、希釈剤及び緩衝液又は対照検出剤を含有する追加の容器が含まれ得る。ラベル又は添付文書は、試験管内での予後診断又は診断の意図する用途のための指示書と同様に組成物の記載を提供し得る。
11.報告
本開示の方法は、商業目的で実践される場合、一般に再生予後診断の報告又は要約を作出する。本開示の方法は、本明細書で記載される細胞集団、混加物又は構築物を含有する製剤の投与又は埋め込みの前及び後での再生の考えられる経過又は成果の予測を含む報告を作出するであろう。報告には予後診断に関する指標の情報が含まれ得る。本開示の方法及び報告はさらに、報告をデータベースに保存することを含むことができる。或いは、方法はさらに対象に関するデータベースにて報告を創り、報告にデータを追加することができる。一実施形態では、報告は紙の報告であり、別の実施形態では、報告は聴覚報告であり、別の実施形態では、報告は電子報告である。報告は医師及び/又は患者に提供されることが企図される。報告を受け取ることにはさらに、データ及び報告を含むサーバーコンピュータへのネットワーク接続を確立することと、サーバーコンピュータからのデータ及び報告を要求することが含まれ得る。本明細書で提供される方法は全体として又は部分的に自動化もされ得る。
本明細書で説明的に記載される本発明は、本明細書で具体的に開示されない要素(単数)又は要素(複数)、限定(単数)又は限定(複数)の非存在下で好適に実践され得る。従って、たとえば、本明細書の各場合では、用語「comprising(を含む)」、「consisting essentially of(から本質的に成る)」及び「consisting of(から成る)」は他の2つの用語のいずれかと置き換えられ得る。従って、その用語の1つを用いる本発明の実施形態については、本発明は、これらの用語の1つがこれらの用語の別のもので置き換えられる別の実施形態も含む。各実施形態では、用語は確立された意味を有する。従って、たとえば、一実施形態は、多数の成分を「comprising(を含む)」製剤を包含してもよく、別の実施形態は、同じ成分「consisting essentially of(から本質的に成る)」製剤を包含し、第3実施形態は、同じ成分「consisting of(から成る)」製剤を包含する。採用されている用語及び表現は、限定ではなく記載の用語として使用され、そのような用語及び表現の使用において示された及び記載された特徴又はその一部の同等物を排除する意図はないが、請求される本発明の範囲内で種々の改変が可能であることが認識される。従って、本発明は好まれる実施形態及び任意の特徴によって具体的に開示されてきたが、開示された本明細書の概念の改変及び変更が当業者によって用いられてもよく、そのような改変及び変更は添付のクレームによって定義されるような本発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。
前述の明細書は当業者が本発明を実践するのを可能にするのに十分である見なされる。以下の実施例は説明目的のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを決して意図するものではない。実際、本明細書で示され、記載されたものに加えた本発明の種々の改変は前述の記載から当業者に明らかになるであろうし、添付のクレームの範囲内に入る。
本明細書で引用された特許、特許出願及び参考文献はすべてその全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
この実施例は、不均質な腎細胞集団の単離及び性状分析、及び再生療法製品の製造のための以下の実施例で使用される種々の培地製剤及び溶液の組成を提供する。
不均質で未分画の腎細胞集団の単離
この実施例は、ヒトからの未分画(UNFX)で不均質の腎細胞集団の単離を説明する。最初の組織解離を行ってヒト腎臓組織に由来する不均質な細胞浮遊液を生成した。
腎生検を介した腎臓組織は不均質の腎細胞集団の供給源物質を提供した。皮質組織、皮質髄質接合部又は髄質組織の1以上を含む腎臓組織を使用し得る。皮質髄質接合部組織を使用することが好まれる。瘢痕組織を回避する複数の生検コア(最少2)がCKD腎臓から求められた。最終NKAの予定された埋め込みのおよそ4週間前に臨床現場にて治験医師によって患者から腎臓組織が得られた。組織を実施例1の組織輸送培地に移した。
次いで、細胞抽出のために組織を処理する前に入ってくるバイオバーデンを減らすために組織を実施例1の組織洗浄溶液で洗浄した。
実施例1の消化溶液にて組織を細かく刻み、秤量し、解離させた。得られた細胞浮遊液をダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)+10%ウシ胎児血清(FBS)(カリフォルニア州、カールスバッドのInvitrogen)で中和し、洗浄し、無血清、無補完剤の角化細胞培地(KSFM)(Invitrogen)に再浮遊させた。次いで細胞浮遊液を15%(w/v)イオジキサノール(OptiPrep(商標)、Sigma)勾配に供し、赤血球及び残渣を取り除いた後、実施例1の腎細胞増殖培地にてcm2当たり25,000個の密度で組織培養処理したポリスチレンのフラスコ又はディッシュにて培養を開始した。たとえば、細胞を25×106細胞/フラスコで150mlの50:50培地にてT500Nuncフラスコに入れてもよい。
単離された腎細胞集団の細胞増殖
腎細胞の増殖は、受け取った組織の量及び受入組織からの腎細胞の単離の成功に左右される。単離された細胞は必要に応じて凍結保存することができる(以下を参照)。腎細胞の増殖動態は、個々の患者から単離される細胞の固有の生存性のために試料ごとに異なり得る。
受入組織、表3.1の生存性から生じる細胞の回収の範囲に適合する定義された細胞増殖の過程が開発された。腎細胞の増殖には、定義された細胞培養手順を用いた腎細胞増殖培地、表1.1における閉鎖培養容器(たとえば、T−フラスコ、細胞工場、HyperStacks(登録商標))での一連の継代が関与する。
ヒトの臨床試験のためにBPEを含まない培地を開発してBPEの使用に関連する固有のリスクを排除した。細胞増殖、表現型(CK18)及び細胞機能(GGT及びLAPの酵素活性)を無BPE培地で評価し、動物試験で使用したBPE含有培地と比べた。腎細胞増殖、表現型及び機能は2つの培地で同等だった(データは示さず)。
当初のT−フラスコ(継代0)で細胞増殖が認められ、汚染の視覚的兆候がなければすぐに、培養培地を置き換え、その後、2〜4日ごとに(図2B)交換した。顕微鏡下での培養物の視覚的観察によって細胞を評価し、腎細胞の形態を確認した。培養物は、細胞が一緒にクラスターを作るために閉まった舗装構造と敷石状所見を特徴的に示した。これらの形態的特徴は増殖の間に変化し、継代のたびに存在しなくてもよい。細胞の増殖の全体を通して採用された培養容器における様々なレベルの集密度で細胞の画像ライブラリを用いて細胞培養の集密度を推定した。
培養容器が少なくとも50%の集密度、図2Bである場合、腎細胞をトリプシン処理によって継代させた。腎細胞増殖培地を含有する容器に剥がした細胞を回収し、数え、細胞生存率を算出した。各細胞継代で、NKA、図2Bの形成に必要とされる細胞数を増やすために十分な数の培養容器にて500〜4000個/cm2で細胞を播いた。5%CO
2環境での37℃のインキュベータに培養容器を入れた。上記で記載したように、細胞の形態及び集密度をモニターし、組織培養培地を2〜4日ごとに交換した。表3.2はヒトドナーに由来する6つの腎生検の細胞の単離及び増殖の間で観察されたヒト腎細胞の生存率を列記する。
異なる患者に由来する組織の固有の生存率は培養にて様々な細胞の収率を生じる。従って、各継代で必要とされる細胞継代のタイミング又は培養容器の数及び種類を厳密に定義して標的の細胞数を達成するのは実践的ではない。通常、腎細胞は2又は3回継代を受けるが、培養の持続時間及び細胞の収率は細胞の増殖率に応じて変化し得る。これは、6人の患者に由来する培養の持続時間及び細胞の収率(計算)が示される図3にて例示される。
回収又は継代のためにEDTA伴った0.25%トリプシン(Invitrogen)で細胞を剥がした。生存率はトリパンブルー排除によって評価し、計数は血球計を用いて手動で、又は自動化Cellometer(登録商標)計数システム(マサチューセッツ州、ローレンスのNexcelom Bioscience)によって行った。
培養した細胞の凍結保存
増やした腎細胞を日常的に凍結保存して個々の患者に由来する細胞増殖の固有の生存率を調整し、所定の臨床スケジュールで製品を送達した(図2B)。凍結保存した細胞は別のNKA必要とする(たとえば、患者の病気、予期しない過程事象による遅延)事象における細胞のバックアップ供給源も提供する。細胞を凍結保存し、融解の際生きて機能的な細胞を回収する条件を確立した。
凍結保存については、細胞を約50×106個/mlの最終濃度にて凍結保存溶液(実施例1を参照)に浮遊させ、バイアルに分注した。約50×106個/mlの細胞を含有する1mlのバイアルを制御された速度のフリーザーの凍結チャンバーに入れ、予めプログラムされた速度で凍結した。凍結後、製造過程の保存のために細胞を液体窒素フリーザーに移した。
SRC細胞集団の調製
凍結保存した細胞から増殖させる最終培養容器から又はスケジュール、図2Bに応じて増やした培養物から直接、選択された腎細胞(SRC)を調製することができる。
凍結保存した細胞を使用するのであれば、細胞を融解し、最終増殖の一工程のために組織培養容器に入れた。組織培養容器がおよそ50〜100%の集密度であれば、細胞はSRC分離のための処理の用意ができていた。培地の交換及びNKAの最終洗浄が最終生成物における残留凍結保存溶液を希釈する。
最終細胞培養容器が少なくとも50%の集密度に達するとすぐに、培養容器を37℃で5%CO2環境にて2%酸素に設定した低酸素インキュベータに移し、一晩培養した。図2Cを参照。2%酸素に設定した酸素制御インキュベータにて細胞を48時間保持し得る。さらに生理的に関連する低酸素(2%)環境への暴露は細胞の分離効率を改善し、VEGFのような低酸素誘導マーカーのさらに大きな検出を可能にした。
十分な時間(たとえば、一晩〜48時間)細胞を低酸素条件に暴露した後、EDTAを伴う0.25%トリプシン(Invitrogen)で細胞を剥がした。生存率はトリパンブルー排除によって評価し、計数は血球計を用いて手動で、又は自動化Cellometer(登録商標)計数システム(マサチューセッツ州、ローレンスのNexcelom Bioscience)によって行った。細胞をDPBSで1回洗浄し、約850×106個/mlでDPBSに再浮遊させた。
密度勾配遠心を用い、細胞の浮遊密度に基づいて回収される腎細胞集団を分離した。単一工程7%イオジキサノール密度勾配溶液(OptiMEM中OptiPrep;60%(w/v);実施例1を参照)にて腎細胞浮遊液を分離した。
7%OptiPrep勾配溶液を調製し、使用前に所望の密度示す屈折率を測定した(R.I.1.3456±0.0004)。回収した腎細胞を勾配溶液の上に重層した。遠心管又は細胞処理装置(たとえば、COBE2991)のいずれかにて密度勾配を室温にて(ブレーキなしで)800gで20分間遠心した。およそ1.045g/mlを超える浮遊密度を示す細胞分画を遠心後、明瞭なペレット、図4として回収した。1.045g/ml未満の浮遊密度を維持する細胞を排除し、捨てた。
SRCペレットをDPBSに再浮遊させた(図2C)。最終生成物におけるOptiPrep、FBS、培養培地及び補助的な物質の持ち越しを4回のDPBS洗浄と1回のゼラチン溶液の工程によってできるだけ少なくした。
治療潜在力のある細胞を正常な及び慢性的に病んだ腎臓組織から単離し、増殖させることができる。
本試験の目的は、高含量解析(HCA)を介してヒトNKA細胞の機能的な特徴づけを決定することだった。高含量画像化(HCI)は、多数の試料にわたって2以上の蛍光プローブ(多重化)用いて複数の細胞内事象の同時画像化を提供する。高含量解析(HCA)は、高含量画像化にて捕捉された複数の細胞パラメータの同時定量測定を提供する。手短には、標準の生検手順を用いて5人の進行性慢性腎疾患(CKD)ヒトの腎臓及び3つの非CKDのヒト腎臓から採取したコア生検から未分画の(UNFX)の培養物を生成し(Aboushwareb et al., World J Urol 26, 295, 2008))、独立して維持した。UNFXの生体外での2回の継代の後、細胞を回収し、密度勾配法(BasuらのWO2012/064369の実施例2に記載された)に供して、亜分画B2、B3及び/又はB4を含む亜分画を生成した。
IlaganらのPCT/US2011/036347の表10.1にて要約されたように非CKD及びCKDのヒトドナーからヒト腎臓組織を入手した。IlaganらのPCT/US2011/036347の図4はHK17及びHK19試料の組織病理的特徴を示す。非CKD(3/3)及びCKD(5/5)の腎臓すべてから生体外の培養を確立した。当該領域(ROI)を定義するヒトNKA細胞におけるアルブミン輸送の高含量解析(HCA)は、IlaganらのPCT/US2011/036347の図5(ヒトNKA細胞におけるアルブミン輸送のHCA)にて示されている。非CKD及びCKDの腎臓に由来するNKA細胞におけるアルブミン輸送の定量的な比較はIlaganらのPCT/US2011/036347の図6にて示されている。IlaganらのPCT/US2011/036347の図6にて示されたように、アルブミン輸送はCKDに由来するNKA培養では損なわれない。尿細管細胞を濃縮したB2と尿細管細胞を枯渇させたB4亜分画との間でのマーカーの発現の比較解析はIlaganらのPCT/US2011/036347の図7(CK8/18/19)にて示されている。
尿細管細胞を濃縮したB2と尿細管細胞を枯渇させたB4亜分画との間でのアルブミン輸送の比較機能解析はIlaganらのPCT/US2011/036347の図8にて示されている。亜分画B2は近位尿細管細胞にて濃縮されるので、高いアルブミン輸送機能を示す。
アルブミンの取り込み:24穴コラーゲンIVプレート(BD Biocoat(商標))にて集密まで増殖させた細胞の培養培地を、1×抗真菌/抗細菌剤及び2mMのグルタミンを含有するフェノールレッドを含まない、無血清の低グルコースDMEM(pr−/s−/lgDMEM)で18〜24時間置き換えた。アッセイの直前、細胞を洗浄し、pr−/s−/lgDMEM+10mMのHEPES、2mMのグルタミン、1.8mMのCaCl2及び1mMのMgCl2と共に30分間インキュベートした。25μg/mlのローダミンを抱合させたウシアルブミン(Invitrogen)に細胞を30分間暴露し、氷冷PBSで洗浄してエンドサイトーシスを止め、直ちに25μg/mlのHoechst核色素を含有する2%パラホルムアルデヒドで固定した。阻害実験については、アルブミン添加の10分前に1μMの受容体関連のタンパク質(RAP)(ジョージア州、ノークロスのRay Biotech)を加えた。BD Pathway(商標)855 High−Content BioImager(Becton Dickinson)によって顕微鏡による画像化及び解析を行った(Kelley et al. Am J Physiol Renal Physiol. 2010 Nov;299(5):F1026-39. Epub Sep 8, 2010を参照)。
結論として、HCAは細胞レベルのデータを生じ、他のアッセイ、たとえば、遺伝子又はタンパク質の発現によって検出可能ではない集団動態を明らかにすることができる。アルブミン輸送(HCA−AT)機能を測定するための定量化できる生体外のHCAアッセイを利用してヒトNKA表現型の成分としてのヒト腎臓の尿細管細胞を特徴づけることができる。HCA−ATが細胞機能の比較評価を可能にしたということは、アルブミン輸送のコンピテント細胞がヒトCKD腎臓に由来するNKA培養物で保持されたことを示している。NKA培養物の特定の亜分画、B2及びB4は表現型及び機能にてはっきり異なることが示され、B2は高いアルブミン輸送活性を持つ尿細管細胞濃縮分画を表した。ヒトのCKDに由来するB2細胞亜分画は、生体内で有効性を示した(上記で示したように)齧歯類のB2細胞と表現型で及び機能的に類似する。
勾配分離の前の低酸素培養はバンドの分布、組成及び遺伝子発現に影響する
表現型B2及びB4の分布及び組成の対する酸素条件の効果を明らかにするために、様々な種に由来するネオ腎細胞集団を勾配工程に先立って様々な酸素条件に暴露した。Kelleyら、2010、上記にて記載されたように、ラットの細胞単離及び培養開始のための標準の手順を用いて齧歯類のネオ腎臓増強(NKA)細胞の調製物(RK069)を確立した。フラスコはすべて21%の酸素(大気)条件で2〜3日培養した。培地を交換し、フラスコの半分を2%酸素に設定した酸素制御インキュベータに移動させた一方で、残りのフラスコを21%酸素条件でさらに24時間保持した。次いで上記で記載された標準の酵素による回収手順を用いて各設定の条件から細胞を回収した。標準の手順に従って勾配工程を準備し、「正常酸素」(21%酸素)及び「低酸素」(2%酸素)の培養物を別々に回収し、隣り合って同一に勾配工程に適用した。双方の条件で4つのバンドとペレットが生成され、勾配全体にわたる細胞の分布は21%と2%の酸素条件バッチで異なった(表7.1)。具体的には、B2の収率が低酸素で上昇し、付随してB3は減少した。さらに、B4に特異的な遺伝子(たとえば、エリスロポイエチン)の発現は、低酸素で培養された細胞から生成された結果として生じる勾配で上昇した(PresnellらのWO/2010/056328の図73)。
BasuらのWO2012/064369にて記載されたように、イヌの細胞単離及び培養(齧歯類の細胞単離及び培養手順に類似する)のための標準の手順を用いてイヌのNKA細胞調製物(DK008)を確立した。フラスコすべてを21%(大気)酸素条件で4日間培養し、次いでフラスコのサブセットを低酸素(2%)に24時間移した一方で、フラスコのサブセットを21%で維持した。その後、フラスコの各サブセットを回収し、同一の勾配工程に供した。ラットの結果に類似して、低酸素で培養したイヌの細胞は、大気の酸素で培養したイヌの細胞とは異なって勾配全体にわたって分布した(表7.1)。再び、B2の収率は、B3の分布の付随する低下と併せて、勾配工程前の低酸素暴露と共に上昇した。
上記のデータは、勾配工程の前の低酸素への暴露がB2の組成と同様に特定の特殊化された細胞(エリスロポイエチン産生細胞、血管細胞及び糸球体細胞)のB4への分布を高めることを示している。従って、Basuら、上記にて記載されたような低酸素培養とその後の密度勾配分離は種を越えて「B2」及び「B4」の細胞集団を生成する有効な方法である。
自己免疫性糸球体腎炎患者の試料から単離された腎細胞の未分画混合物の性状分析
自己免疫性糸球体腎炎患者の試料から腎細胞の未分画混合物を上述のように単離した。腎臓組織から単離し、増やした腎細胞の特定の亜集団の先入観のない遺伝子型組成を明らかにするために、定量的リアルタイムPCR(qRTPCT)解析(Brunskill et al., Dev. Cell. 2008 November; 15(5):781-791)を採用して細胞の亜分画間で差次的な細胞型特異的な及び経路特異的な遺伝子発現パターンを特定した。IlaganらのPCT/US2011/036347の表6.1に示されたように、HK20は自己免疫性糸球体腎炎患者の試料である。IlaganらのPCT/US2011/036347の表6.2に示されたように、HK20から生成された細胞はqRTPCRによって判定すると糸球体細胞を欠いている。
巣状分節状糸球体硬化症の症例から単離された治療上関連する生物活性のある腎細胞集団の遺伝的プロファイル
腎臓組織から単離し、増やした腎細胞の特定の亜集団の先入観のない遺伝子型組成を明らかにするために、定量的リアルタイムPCR(qRTPCR)解析(Brunskill et al., 上記、2008)を採用して細胞の亜分画間で差次的な細胞型特異的な及び経路特異的な遺伝子発現パターンを特定した。糸球体の大部分が破壊されている巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)の症例に由来するヒト調製物HK023を回収時でのB4分画における糸球体細胞の存在について評価した。手短には、標準の生検手順を用いて腎臓から採取された4種のコア生検のそれぞれから未分画(UNFX)の培養物を生成し(Aboushwareb et al., World J Urol 26, 295, 2008)、独立して維持した。UNFXの生体外での2回の継代の後、細胞を回収し、BasuらのWO2012/064369の実施例6に従って密度勾配法に供し、齧歯類、イヌ、及び他のヒト検体で実施された研究に基づいて内分泌細胞、血管細胞及び糸球体細胞について濃縮されることが知られる亜分画B4を含む亜分画を生成した。
HK023のそれぞれ独立したUNFX試料からB4分画を別々に回収したが、それは、1.063〜1.091g/mlの間での浮遊密度を持つ細胞の異なるバンドとして現れた。各試料からRNAを単離し、定量的リアルタイムPCRによってポドシン(糸球体細胞マーカー)及びPECAM(内皮細胞マーカー)の発現について調べた。重度FSGSの症例から生検で生成した試料から予想されるように、B4分画におけるポドシン(+)の糸球体細胞の存在は矛盾しており、試料の2/4でポドシンは検出できなかった。それに対して、PECAM+血管細胞は生検で開始した培養の4/4でB4分画に一貫して存在した。従って、重度の病態のヒト腎臓でさえ、B4分画は1.063〜1.091g/mlの密度範囲で単離することができる。
さらに、IlaganらのPCT/US2011/036347の表7.2で示されたように、ヒト試料(HK018)は密度勾配遠心の後のqRTPCRによって検出されなかったポドシン(糸球体細胞マーカー)を表示した。
蛍光活性化細胞分類法(FACS)を用いた生存可能な腎細胞型の濃縮/枯渇
蛍光活性化細胞分類法(FACS)を用いて、単離された一次腎臓組織から1以上の単離された腎細胞を濃縮してもよく、及び/又は1以上の特定の腎細胞型を枯渇させてもよい。
試薬:70%エタノール;洗浄緩衝液(PBS);50:50腎細胞培地(50%DMEM高グルコース);50%角化細胞−SFM;トリパンブルー0.4%;腎臓内皮細胞のためのCD31及び糸球体細胞のためのネフリンのような標的の腎細胞集団に対する一次抗体;相当するアイソタイプ特異的な蛍光二次抗体;染色緩衝液(PBS中で0.05%BSA)。
手順:生物学的な安全キャビネット(BSC)を清浄化する標準の手順に従って、一時単離細胞又は培養細胞に由来する腎細胞の単個細胞浮遊液をT500のT/C処理フラスコから得て、腎細胞培地に再浮遊し、氷上に置き得る。次いでトリパンブルー排除法によって細胞数及び生存率を決定する。腎細胞の濃縮/枯渇については、たとえば、少なくとも70%の生存率で10〜50×106個の生細胞の間にて不均質集団から糸球体細胞又は内皮細胞を得る。次いで1μg/0.1mlの染色緩衝液/1×106個の細胞(必要に応じて力価)の出発濃度での標的細胞に特異的な一次抗体で腎細胞の不均質な集団を染色する。標的抗体を、たとえば、CD31 PE(腎内皮細胞に特異的)のように抱合させることができ、又はネフリン(腎糸球体細胞に特異的)のように未抱合であることができる。
次いで光から保護して氷上で又は4℃で細胞を30分間染色する。30分間のインキュベートの後、300×gで5分間の遠心によって細胞を洗浄する。次いで抱合したアイソタイプ特異的な二次抗体を必要とするかどうか応じてペレットをPBS又は染色緩衝液のいずれかに再浮遊させる。細胞が蛍光色素を抱合した一次抗体で標識されるのであれば、107個の細胞当たり2mlのPBSに細胞を再浮遊させ、FACSaria又は同等のセルソーターに進む。細胞が蛍光色素に抱合された抗体で標識されないのであれば、そのときは、1μg/0.1ml/106個の細胞の出発濃度にてアイソタイプ特異的な蛍光色素抱合の二次抗体で細胞を標識する。
次いで光から保護して氷上で又は4℃で細胞を30分間染色する。30分間のインキュベートの後、300×gで5分間の遠心によって細胞を洗浄する。遠心の後、5×106/PBSのmlの濃度でペレットをPBSに再浮遊させ、次いで12×75mm当たり4mlを無菌チューブに移す。
製造元の指示書(BDのFACSariaユーザーマニュアル)によって生細胞の無菌の仕分けのためにFACSariaを準備する。試料チューブをFACSariaに負荷し、取得を開始した後、PMT電圧を調整する。特定の波長を用いた蛍光強度を用いて腎臓特異的な細胞型を選択するようにゲートを引く。陰性集団を選択するように別のゲートを引く。いったん所望のゲートを引いて陽性の標的集団と陰性の集団を内包すると、製造元の指示書を用いて細胞を仕分けする。
1mlの腎細胞培地を満たした15mlの円錐チューブの1つに陽性の標的集団を回収し、陰性の集団を別の15mlの円錐チューブに回収する。回収の後、各チューブの試料をフローサイトメトリーによって解析し、純度を決定する。回収した細胞を300×gにて5分間の遠心によって洗浄し、さらなる解析及び実験のためにペレットを腎細胞培地に再浮遊させる。
磁気細胞分類法を用いた腎細胞型の濃縮/枯渇
単離された一次腎臓組織から1以上の単離された腎細胞を濃縮してもよく、及び/又は1以上の特定の腎細胞型を枯渇させてもよい。
試薬:70%エタノール;洗浄緩衝液(PBS);50:50腎細胞培地(50%DMEM高グルコース);50%角化細胞−SFM;トリパンブルー0.4%;実行緩衝液(PBS、2mMのEDTA、0.5%BSA);すすぎ緩衝液(PBS、2mMのEDTA);清浄溶液(70%v/vエタノール);MiltenyiFCRブロック試薬;たとえば、CD31(PECAM)又はネフリン、又は二次抗体のようなIgGアイソタイプ、標的抗体に特異的なMiltenyiマイクロビーズ。
手順:生物学的な安全キャビネット(BSC)を清浄化する標準の手順に従って、一時単離物又は培養物に由来する腎細胞の単個細胞浮遊液を得て、腎細胞培地に再浮遊させる。次いでトリパンブルー排除法によって細胞数及び生存率を決定する。腎細胞の濃縮/枯渇については、たとえば、少なくとも70%の生存率で少なくとも106〜4×109個までの間の生細胞にて不均質集団から糸球体細胞又は内皮細胞を得る。
濃縮/枯渇のアプローチための最良の分離は当該標的細胞に基づいて決定される。たとえば、ネフリン抗体を用いた糸球体細胞の10%未満の標的頻度の濃縮については、MiltenyiオートMACA又は同等物、機器プログラムPOSSELDS(選択モードでの二重陽性選択)を使用する。10%超える標的頻度の枯渇については、MiltenyiオートMACS又は同等物、機器プログラムDEPLETES(選択モードでの枯渇)を使用する。
15mlの円錐遠沈チューブにて0.05%BSAを伴う0.1mlのPBS当たり1μg/106個の細胞を加え、その後4℃にて15分間インキュベートすることによって、標的特異的な一次抗体、たとえば、糸球体細胞用のネフリンrbポリクローナル抗体で生細胞を標識する。
標識した後、107個の細胞当たり1〜2mlの緩衝液を加え、その後300×gで5分間遠心することによって細胞を洗浄し、未結合の一次抗体を取り除く。洗浄した後、0.05%BSAを伴う0.1mlのPBS当たり1μg/106個の細胞でのアイソタイプ特異的な二次抗体、たとえば、ニワトリ抗ウサギPEを加え、その後4℃にて15分間インキュベートする。
インキュベートの後、107個の細胞当たり1〜2mlの緩衝液を加え、その後300×gで5分間遠心することによって細胞を洗浄し、未結合の二次抗体を取り除く。上清を除き、107個の総細胞当たり60μlの緩衝液に細胞ペレットを再浮遊させ、その後、107個の総細胞当たり20μlのFCRブロック試薬を加え、次いでよく混合する。
20μlの直接MACSマイクロビーズ(たとえば、抗PEマイクロビーズ)を加え、混合し、次いで4℃で15分間インキュベートする。
インキュベートの後、標識容量の10〜20倍の緩衝液を加え、その後300×gで5分間細胞浮遊液を遠心することによって細胞を洗浄し、108個の細胞当たり500μl〜2mlの緩衝液に細胞ペレットを再浮遊させる。
製造元の指示書によって、オートMACSシステムを清浄し、オートMACSを用いた磁気細胞分離に備えて準備する。出口ポートの下に新しい無菌の回収チューブを置く。オートMACS細胞分離プログラムを選択する。選択のためにPOSSELDSプログラムを選択する。枯渇のためにはDEPLETESプログラムを選択する。
標識した細胞を取り込みポートに挿入し、次いでプログラムを開始する。細胞の選択又は枯渇の後、試料を回収し、使用まで氷上に置く。枯渇させた又は選択した試料の純度はフローサイトメトリーによって検証する。
濃縮した不均質な腎細胞集団の表現型の特徴づけ
以下の実施例は実施例5の選択された不均質なヒト腎細胞を特徴づけるフローサイトメトリーの使用を詳述する。不均質な腎細胞集団は、その再生潜在力で周知である腎上皮細胞から主として構成された。他の実質(血管)及び間質(集合管)の細胞は自己細胞集団にてまばらに存在し得る。
フローサイトメトリーを用いた腎細胞マーカーの発現解析によって細胞の表現型をモニターする。細胞の表現型解析は、解析される細胞型に特異的な抗原性マーカーの使用に基づく。フローサイトメトリー解析は解析される抗原性マーカーを発現する試料集団における細胞の定量的測定を提供する。
腎細胞の表現型の特徴づけに有用であるとして種々のマーカーが文献にて報告されている:(i)サイトケラチン;(ii)輸送膜タンパク質(アクアポリン及キュビリン);(iii)細胞結合分子(アドへリン、分化抗原群、及びレクチン);及び(iv)代謝酵素(グルタチオン)。腎臓全体の消化物に由来する培養物で見いだされる細胞の大半は上皮細胞及び内皮細胞なので、調べるマーカーはこれら2群に特異的なタンパク質の発現に焦点を置く。
サイトケラチンは、多数の種類の上皮細胞によって様々な程度に発現される中間フィラメントタンパク質のファミリーである。上皮細胞によって発現されるサイトケラチンのサブセットは上皮の種類に左右される。たとえば、サイトケラチン7、8、18及び19はすべて腎臓及び残りの尿生殖器と同様に消化管及び呼吸器の正常な単層上皮によって発現される。これらのサイトケラチンは組み合わせて上皮細胞の構造的な完全性に関与する。この組み合わせは酸性(I型)及び塩基性(II型)双方のケラチンファミリーを表し、腎細胞にて豊富に発現されるのが見いだされる(Oosterwijk et al., J Histochem Cytochem, 38(3):385-392, 1990)。本明細書での使用に好まれるサイトケラチンはCK8、CK18、CK19及びそれらの組み合わせである。
アクアポリンは、細胞への水の出入りを可能にする一方でイオン及び他の溶質の通過を妨げる輸送膜タンパク質である。文献では13のアクアポリンが記載されており、そのうち6つが腎臓で見いだされる(Nielsen et al., J Histochem Cytochem, 38(3):385-392, 2002)。水流を調節するのに厳密な制御を発揮することによるアクアポリン2は水に対する高い透過性を有するので、水が浸透圧勾配の方向に流れるのを可能にする腎集合管上皮細胞の原形質膜に関与する(Bedford et al., J Am Soc Nephrol, 14(10):2581-2587, 2003; Takataet al., Histochem Cell Biol, 130(2):197-209, 2008; Tamma et al., Endocrinology, 148(3):1118-1130, 2007)。アクアポリン1は近位尿細管の特徴である(Baer et al., Cells Tissues Organs:184(1), 16-22, 2006; Nielsen et al., 2002, supra)。
キュビリンは輸送膜受容体タンパク質である。それがタンパク質メガリンと同時局在すると、それらは一緒にアルブミンのようなキュビリン結合リガンドの内部移行を促進する。キュビリンは腸管及び腎臓の上皮の中に局在する(Christensen,. Am J Physiol Renal Physiol, 280(4):F562-573, 2001)。
CXCR4はSDF1のケモカイン受容体として役立つ輸送膜タンパク質である。リガンドの結合の際、細胞内カルシウムのレベルは上昇し、MAPK1/MAPK3の活性化が高められる。CXCR4は腎臓で構成的に発現され、腎臓の発達及び管状形成で重要な役割を担う(Ueland et al., Dev Dyn, 238(5):1083-1091, 2009)。
カドヘリンはカルシウム依存性の細胞付着タンパク質である。それらは4つの群に分類され、E−カドヘリンは上皮組織に見いだされ、移動及び増殖を調節することに関与する。E−カドヘリンは、腎臓の遠位尿細管を構成する上皮細胞のアドへリン接合部に局在することが見いだされている膜貫通糖タンパク質である(Prozialeck et al., BMC Physiol, 4:10, 2004; Shen et al., Mod Pathol, 18(7):933-940, 2005)。
DBA(ドリコス豆凝集素)は、腎集合管構造の表面に運ばれるα−N−アセチルガラクトサミン結合レクチン(細胞結合タンパク質)であり、腎集合管及び遠位尿細管を発生させる一般的なマーカーと見なされ、マーカーとして使用される(Michael et al., J Anat 210(1):89-97, 2007; Lazzeri et al., J Am Soc Nephrol 18 (12):3128-3138, 2007)。
分化抗原群31(CD31;血小板内皮細胞接着分子、PECAM−1としても知られる)は内皮細胞と同様に免疫細胞の選択集団によって発現される細胞接着タンパク質である。内皮細胞では、このタンパク質は細胞の境界で濃縮される(DeLisser, 1997)。分化抗原群146(CD146)はアクチン細胞骨格と会合する細胞間接合部で内皮細胞の細胞接着及び結合に関与する。血管内皮及び平滑筋によって強く発現されて、CD146は現在内皮細胞系列のマーカーとして使用されており(Malyszko et al., J Clin Endocrinol Metab, 89(9):4620-4627, 2004)、CD31のイヌ同等物である。
γ−グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)は、グルタチオンのγ−グルタミル部分の、アミノ酸、ペプチド又は水であってもよい受容体への転移を触媒してグルタミンを形成する代謝酵素である。この酵素はまたグルタチオンの合成及び分解並びに細胞膜を横切るアミノ酸の移行にて役割を担う。GGTは腎臓の近位尿細管細胞を含む多数の組織の細胞膜に存在する(Horiuchi et al., Eur J Biochem, 87(3):429-437, 1978; Pretlow et al., J Histochem Cytochem, 35(4):483-487, 1987; Welbourne et al., Am J Physiol, 277(4 Pt 2):F501-505, 1999)。表12.1はフローサイトメトリーによって検出されるようなこれらのマーカーを発現する特定の型の腎細胞のリストを提供する。
特定の生体マーカーの表現型について実施例5のSRC細胞を調べた。
免疫表現型タイピングについて:100μlの細胞浮遊液に特定の抗体を加え、暗所にて混合物を4℃で30〜45分間インキュベートした。インキュベートの後、細胞をPBSで洗浄し、遠心して過剰な抗体を取り除いた。細胞を細胞/PBSμlに再浮遊させ、フローサイトメトリーによって解析した。FACSariaフローサイトメータ(Becton Dickinson)及びFlowJoソフトウエア(Treestar社)によってフローサイトメトリー解析を行った。表面マーカーの表現型を特徴づけるのに使用した抗体を表12.2及び12.3に示す。アイソタイプ特異的な一次抗体の陰性対照をすべての実験で使用した。適当なアイソタイプが一致する対照を用いて陰性集団にゲートをかけた。
付着性培養物の最初の組織の解離又はトリプシン処理から細胞浮遊液を生成し、フローサイトメトリーで解析して細胞成分を特定した。採用した抗体は表12.2及び12.3(上記)に列記する。アイソタイプ特異的な一次抗体の陰性対照をすべての実験で使用した。標識した細胞をFACSariaフローサイトメータ(Becton Dickinson)及びFlowJoソフトウエア(Treestar社)によって解析した。適当なアイソタイプが一致する対照を用いて陰性集団にゲートをかけた。4℃にて一晩インキュベートした後、細胞をペレットにし、Triton緩衝液(PBS中0.2%TritonX−100)で洗浄し、蛍光色素AlexaA647(Invitrogen)に抱合させた二次抗体ヤギ抗マウスIgG2Aを含有する1mlのDBPSに再浮遊させ、さらに30分間インキュベートした。次いで細胞を洗浄し、FACSaria及びFlowJoソフトウエアを用いた製造元の指示書による解析のために1mlのPBSに再浮遊させた。陰性対照として、同じ蛍光色素に抱合させたアイソタイプが一致するモノクローナル抗体と共に並行して細胞をインキュベートした。
図5(表現型分布)は集団における各表現型の比率の値としてプロットしたSRC集団でのこれらマーカーの定量された発現を示す。
CK8/18/19は種を越えて検出される最も一貫して発現される腎細胞タンパク質である。GGT1及びアクアポリン1(AQP1)は一貫しているが、様々なレベルで発現される。DBA、アクアポリン2(AQP2)、E−カドヘリン(CAD)、CK7及びCXCR4もさらに変動は大きいが、適度なレベルで認められ、CD31/146及びキュビリンは最も発現が低い。表12.4は、選択されたマーカー、SRCにおける表現型の比率値の範囲及び平均、及び選択の論拠を提供する。
SRC遺伝子の発現
タンパク質の産生についても調べたアクアポリン2、E−カドヘリン、キュビリン、VEGF及びCD31を含む、ヒト腎臓培養物から単離されたSRCの定量的リアルタイムポリメラーゼ鎖反応(qRTPCR)による遺伝子発現のプロファイル。表12.5における遺伝子型マーカーは腎細胞培養物で見いだされることが予想され得る細胞集団を代表する。NCAD、キュビリン及びCYP2R1は尿細管上皮細胞のマーカーであり、AQP2及びECADは集合管及び遠位尿細管のマーカーである。ポドシン及びネフリンは有足細胞のマーカーである。VEGF及びCD31は内皮マーカーである。VEGF及びEPOは種々の異なる組織及び細胞型に存在する関連するmRNAを伴った酸素応答性遺伝子である。
用いた遺伝子プローブはTaqManから入手した。継代2回のヒト腎細胞を70〜90%の集密度で回収した。動物細胞からの全RNAの精製についてのプロトコールに従って、QiagenのRNeasyプラスミニキットを用いて細胞からRNAを精製した。製造元の指示書に従ってInvitrogenのSuperScript(登録商標)VILO(商標)cDNA合成キットを用いて1.4μgに等しい容量のRNAからcDNAを生成した。SRC集団(n=3)についての平均したqPCRデータを表12.5に示す。
結果は、NCAD、キュビリン及びCYP2R1の相対的に高いレベルの発現によって証拠付けられたように尿細管上皮細胞の集団が存在することを示唆している。遠位集合管尿細管及び遠位尿細管のマーカーAQP2及びECADは相対的に低く、CD31内皮マーカーはさらに低い(表12.5)
早期の遺伝子型の評価に基づいて表現型マーカー及び機能的マーカーを選択した。VEGF遺伝子の発現レベルは高く、アクアポリン2遺伝子の発現レベルは低かったが、それはタンパク質の解析データに一致する(表12.4及び表12.6)。
SRCの酵素活性
PrestoBlueの代謝及びVEGF及びKIM−1の産生によって生存細胞の存在及びSRCの機能を明らかにした。
SRCは調整培地の解析を介して検出することができるタンパク質を活発に分泌する。細胞の機能は、PrestoBlueを代謝する及びVEGF(血管内皮増殖因子)及びKIM−1(腎臓損傷分子−1)分泌する細胞の能力によって評価される。
PrestoBlueを代謝するその能力によって生存可能で機能する細胞をモニターすることができる。PrestoBlue細胞生存性試薬は、細胞透過性で非蛍光の青色色素である修飾されたレザズリン系のアッセイ試薬である。十分に生存可能で増殖する細胞に入る際、その色素は、脱水素酵素が関与する天然の細胞過程を介して、蛍光又は吸光度によって測定することができる明るい赤色蛍光色素分子に還元される。
生体分子VEGF及びKIM−1は、腎臓の損傷及び機能の感度の良い且つ特異的な解析用非臨床生体マーカーとして提案されたものからの分子の選択を代表する(Sistare, 2010; Warnock, 2010)。生体内では、これらのマーカーは双方とも尿細管の機能、損傷及び/又は修復を示し、試験管内では、尿細管上皮細胞の培養の認識された特徴である。KIM−1は、損傷及び細胞の代謝回転の間に脱落するアポトーシス細胞を認識し、貪食するのに役立つ腎臓近位尿細管の膜に係留される細胞外タンパク質である。腎細胞によって構成的に発現されるVEGFは、細胞の分裂、移動、内皮細胞の生き残り及び血管出芽を促進する極めて重要な血管形成因子及び生存促進因子である。SRCはVEGFのmRNAを構成的に発現し(表12.5)、且つタンパク質を活発に産生する(表12.6)として特徴づけられている。これらのタンパク質は腎細胞及びSRCに暴露された培養培地にて検出され得る。表12.6は腎細胞及びSRCの培養に由来する調整培地に存在するVEGF及びKIM−1の量を提示する。腎細胞をほぼ集密まで培養した。腎細胞培養物及びSRCへの一晩の暴露に由来する調整培地をVEGF及びKIM−1について調べた。
腎臓の近位尿細管で見いだされる2つの特定の酵素:GGT(γ−グルタミルトランスペプチダーゼ)及びLAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)(Chung, 1982, J Cell Biol. 95(1):118-126)の活性を測定することによってSRCの細胞機能、プレフォーミュレーションも評価した。細胞にてこれらの酵素の活性を測定する方法は、活性のある酵素を発現している細胞に加えると、切断され、発色性生成物を放出する酵素特異的な基質を溶液で利用する(Nachlas, 1960 J Biophys Biochem Cytol 7:261-264; Tate, 1974 Proc. Natl Acad. Sci. USA 71(9):3329-3333)。細胞に暴露した溶液の吸光度を測定し、それは活性酵素から生じる切断生成物の量に対して相対的である。GGTに利用される基質はL−グルタミン酸γ−ニトロアナリド塩酸塩であり、LAPの基質はL−ロイシンp−ニトロアナリドである。図6はヒトドナー(BP1〜BP4)から作製した6つのSRC試料におけるLAP及びGGTの活性を示す。
SRCの特徴づけの要約
画像ライブラリにおける画像との培養所見の比較によって細胞を増やしている間、細胞の形態をモニターした。各細胞継代にて細胞増殖の動態をモニターした。細胞増殖は患者ごとに変動すると予想される。トリパンブルー色素排除及び/又はPrestoBlueの代謝によってSRCの数及び生存率をモニターした。SRCはCK18、GGT1の表現型発現を特徴とする。加えて、AQP2の発現をモニターし得る。PrestoBlueの代謝並びにVEGF及びKIM−1の産生を生存可能で機能的なSRCの存在のマーカーとして使用する。LAP及びGGTによる遺伝子発現プロファイリング及び酵素活性の測定によってSRCの機能をさらに解明することができる。
生体材料の調製
NKA(ゼラチン溶液)で使用した生体材料は2つのカギとなるパラメータを特徴とする:
濃度−ゼラチン溶液の濃度は分光光度計用いて280nmでの吸光度によって測定する。ゼラチンの濃度は濃度に対する吸光度の較正曲線から決定される。
変換試験−変換試験は、2〜8℃の温度でゲルを形成し、維持するゼラチン溶液の能力及び室温で液化するゲルの視覚評価を提供する。
他の生体材料の特徴の解明
NKAで使用した生体材料をさらにレオロジー特性及び粘度について特徴づけることができる。レオロジー及び粘度の試験は検証目的のみのために行われ、他の業者から入手される生体材料の拡大された特徴づけに使用されるように意図される。
生体材料のレオロジー特性はCouetteセル型のレオメータの使用を介して先ず4℃にて、次いで25℃にて測定することができる。各温度にて少なくとも30分間試料を平衡化する。低温での許容可能な保存モジュール(G’>10)は2〜8℃のNKAの配送及び輸送の温度にてゲルを形成し、維持する溶液の能力を反映する。高温での許容可能な喪失モジュール(G”<10)はNKAの送達及び埋め込みに必要とされる室温で液化するゲルの能力を反映する。
生体材料の粘度は円錐平板粘度計を用い、37℃で200〜300s−1の剪断率にて測定する。1.05〜1.35cPの範囲の粘度を持つ溶液は18〜27ゲージの針を介して効率的に送達され得る。
NKA製剤の調製では、ゼラチンをDPBSにて特定された濃度(0.88±0.12%、w/v)に溶解し、ゼラチン溶液を形成する(図2D)。0.1μmのフィルターを介してゼラチン溶液をフィルター滅菌し、チューブに分注した。NKAの凍結又は製剤化に先立ってゼラチン溶液の放出のために試料を採取した。製剤化の準備が整ったバルク材料としてゲル化させたヒドロゲルを保存する、冷蔵する又は凍結する(図2D)。
NKAの製剤化
トリパンブルー色素排除を用いて実施例5に由来する洗浄したSRCを数えた。ゼラチン溶液を冷却保存から取り出し、26〜30℃に温めることによって液化した。必要とされる数の細胞を含有するSRC浮遊液の容量を遠心し、最終洗浄工程のために液体ゼラチン溶液に再浮遊させた。この浮遊液を遠心し、SRCペレットを十分なゼラチン溶液に再浮遊させて製剤化されたNKAにて100×106個/mlの結果的なSRC濃度を達成した(図2D)。
NKAは無菌の単回使用の10ml注射器で提示される。最終容量は、100×106SRC/mlのNKAの濃度及び3.0×106SRC/腎重量のg(MRIにより推定された)の標的用量から算出された。
NKAの充填及びゼラチン
NKA製品は、組織処理及び細胞培養の操作のためのBSCにおけるNKA包装にて注射器に無菌的に充填した(図2D)。生存可能及び非生存可能な試料採取を含む動的空気試料採取を充填工程の間に行った。
製剤化したNKAは50mlの無菌の遠心チューブに含有された。無菌のカニューレを10mlの移送注射器に連結した。カニューレを介して50mlのチューブから移送注射器にNKAを手動で引き込んだ。カニューレを外し、NKA包装配管の末端で移送注射器をルアーロック接続金具に接続した。移送注射器にてプランジャーを押すことによってNKA包装における注射器にNKAを移した。最少8.5mlの製品をNKA包装における注射器に移した。注射器を反転させ、プランジャーをゆっくり押すことによって注射器に捕捉された空気を取り除いた。充填が完了した後、NKA包装の配管をRF封止剤で密封した。移送注射器における残りの製品は50mlのチューブに戻した。品質管理(放出試験)試料は50mlのチューブから取った。2〜8℃で冷却しながらNKA包装を最低2時間回転させて細胞を浮遊液で保持し、最終的なゲル化NKAを形成した(図2D)。
細胞がゼラチン溶液に沈殿しないようにゲル化が起きるには迅速な冷却が必要とされる。注射器におけるゼラチン溶液の温度を冷蔵条件に置きながらモニターした。迅速な温度低下が認められた。1時間後、温度は最終温度4.4℃の0.3℃以内に低下した。
ゼラチン溶液の冷却はゲル化工程を開始するが、SRCが保存上ゲルにて浮遊したままであるように形成したゲルが安定するには限定された時間量が必要とされた。製剤化されたNKAを含有する注射器を一晩又は1.25時間回転させ、次いで一晩直立状態を保持した。その後、内容物を取り出し、製品の4つの異なる区分で細胞の濃度を測定した。解析は、4つの区分の間に差異はなかったので、いったんNKAを最低1.25時間低温で回転すると測定可能な細胞沈殿は起きないことを示している(データは示さず)。
NKAの包装及び発送
NKAは、NKAシッパーへの適当な文書と共に包装された。シッパーは臨床現場への輸送の間、2〜8℃の温度範囲を維持するように意図される。冷却して(ゲル化して)製剤化された製品は3日間の保存可能期間を有する。
温度記録計をNKA包装に含めて配送中の温度をモニターした。NKAのバッチ番号は、品質グループによって配送/受取ログブックに記録された固有の患者IDに対して検証した。NKAシッパーは宅配業者又は類似の確実な輸送機関を介して臨床現場に発送された。
NKA(SRC細胞集団)の埋め込み
この実施例は選択された不均質なヒト腎細胞の再生特性を明らかにする。
NKAの送達系
NKAの送達系は細胞送達に適合性のカニューレ(針)と注射器で構成された。様々な業者が用語カニューレ及び針を用いて細胞送達製品を記載する。この記載について、用語カニューレ及び針は相互交換可能に使用される。提案された臨床試験は、ヒトのサイズと解剖に適合させた動物試験で使用された同じ送達系(カニューレ及び注射器)を利用した。腹腔鏡外科処置を使用した。
NKA送達系の主な成分はカニューレだった。NKAに適合性であるカニューレを用いた。
NKAの埋め込み
埋め込みの準備では、腎臓への注入の直前にNKAを室温に温めて製品を液化した。
細胞送達に適合性の針又はカニューレ及び注射器を介してNKAを腎臓皮質への注入の対象とした。腎被膜を貫通する穴開け針(カニューレ)の使用によって腎臓皮質への送達針/カニューレの導入が可能になった。NKAを含有する注射器を送達針に取り付けNKAを腎臓皮質の複数部位に注入した。図7の模式図は、細胞送達に適合性の針を用いた腎臓へのNKA注入の概念及び固形臓器への分布を説明する。
NKAは腎臓皮質に直接送達された。患者におけるNKAの送達は標準的な腹腔鏡処置を用いた。
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