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JP2019039561A - 転がり軸受、自動車電装補機用転がり軸受及び増減速機用転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受、自動車電装補機用転がり軸受及び増減速機用転がり軸受 Download PDF

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JP2019039561A JP2018155590A JP2018155590A JP2019039561A JP 2019039561 A JP2019039561 A JP 2019039561A JP 2018155590 A JP2018155590 A JP 2018155590A JP 2018155590 A JP2018155590 A JP 2018155590A JP 2019039561 A JP2019039561 A JP 2019039561A
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則暁 三輪
Noriaki Miwa
則暁 三輪
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Abstract

【課題】表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができる転がり軸受を提供する。【解決手段】一実施形態に係る転がり軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪の間に配置される転動体とを備える。内輪、外輪及び転動体は、鋼製である。内輪及び外輪の軌道面並びに転動体の転動面の少なくともいずれかには、焼入硬化層が設けられる。焼入硬化層における水素拡散係数は、2.6×10−11m2/sより小さい。【選択図】図5

Description

本発明は、転がり軸受、自動車電装補機用転がり軸受及び増減速機用転がり軸受に関する。
転がり軸受は、水が混入する条件下、すべりを伴う条件下又は通電が起きる条件下等において使用されると、水又は潤滑剤が分解することによって(以下においては、この反応を水素発生反応ということがある。)水素が発生する。この発生した水素は、表面から転がり軸受の内部に侵入する。鋼中の水素は、水素脆性の原因となる。
従来から、特開2000−282178号公報(特許文献1)に記載の転がり軸受及び特許第4434685号公報(特許文献2)に記載の転がり軸受が知られている。
特許文献1に記載の転がり軸受においては、転がり軸受を構成する鋼にクロム(Cr)が多く添加されている。このCrは、転がり軸受の表面に不動態膜を形成させる。この不動態膜は、表面から転がり軸受の内部に水素が浸入することを抑制する。
特許文献2に記載の転がり軸受においては、転がり軸受の表面に、酸化膜が形成されている。この酸化膜は、転がり軸受の表面において水素発生反応が起きることを抑制する。
特開2000−282178号公報 特許第4434685号公報
しかしながら、特許文献1に記載の転がり軸受においては、Crが多く添加されることにより炭化物が粗大化しやすい。粗大化した炭化物は、応力集中源となるおそれがある。
特許文献2に記載の転がり軸受は、過酷な環境下で使用された場合、酸化膜が剥離しやすい。酸化膜が剥離した新生面においては、水素発生反応が生じるおそれがある。そのため、特許文献2に記載の転がり軸受は、過酷な環境下で使用された場合に、水素の侵入を抑制することが困難である。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みたものである。より具体的には、本発明は、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができる転がり軸受を提供する。
本発明の一態様に係る転がり軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪の間に配置される転動体とを備える。内輪、外輪及び転動体は、鋼製である。内輪及び外輪の軌道面並びに転動体の転動面の少なくともいずれかには、焼入硬化層が設けられている。焼入硬化層における水素拡散係数は、2.6×10−11/sより小さい。
上記の転がり軸受において、焼入硬化層は、窒素を含有していてもよい。この場合、焼入硬化層の表面の硬度が上昇することにより、転がり軸受の寿命が改善される。上記の転がり軸受において、焼入硬化層中における窒素濃度は、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下であってもよい。焼入硬化層中の窒素濃度が高くなり過ぎると、焼入硬化層中にCrの窒化物が多く形成され、鋼中のCr濃度が低下する。その結果、焼入硬化層の焼入性が低下する。そのため、この場合には、焼入硬化層の焼入性を確保することができる。
上記の転がり軸受において、焼入硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率は、10パーセント以上40パーセント以下であってもよい。オーステナイト相は、マルテンサイト相よりも水素拡散係数が小さい。そのため、焼入硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率が大きいほど、焼入硬化層の水素拡散係数が低下する。一方で、焼入硬化層中のオーステナイト相は、転がり軸受を使用している間にマルテンサイト相に変態する場合がある。そのため、焼入硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率が大きすぎると、寸法安定性が低下する。したがって、この場合には、寸法安定性を維持しつつ、水素拡散係数を低下させることができる。
上記の転がり軸受において、焼入硬化層の硬度は、58HRC以上64HRC以下であってもよい。軌道面及び転動面は、接触応力を受けても変形しないことが求められるために、軌道面又は転動面に設けられる焼入硬化層には、硬度が要求される。一方で、焼入硬化層の硬度が過度に高い場合、靱性が低下する。そのため、この場合には、軌道面又は転動面の靱性を確保しつつ、接触応力が印加されることによる軌道面又は転動面の変形を抑制することができる。
上記の転がり軸受において、鋼は、高炭素クロム軸受鋼であってもよい。この高炭素クロム軸受鋼は、SUJ2又はSUJ3であってもよい。
本発明の一態様に係る自動車電装補機用転がり軸受は、回転駆動される軸を、静止部材に対して回転可能に支持する。自動車電装補機用転がり軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪の間に配置される転動体とを備える。内輪、外輪及び転動体は鋼製である。内輪及び外輪の軌道面並びに転動体の転動面の少なくともいずれかには、焼入硬化層が設けられ、焼入硬化層における水素拡散係数は、2.6×10−11/sより小さい。
上記の自動車電装補機用転がり軸受において、焼入硬化層は、窒素を含有していてもよい。上記の自動車電装補機用転がり軸受において、焼入硬化層中における窒素濃度は、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下であってもよい。
上記の自動車電装補機用転がり軸受において、焼入硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率は、10パーセント以上40パーセント以下であってもよい。上記の自動車電装補機用転がり軸受において、焼入硬化層の硬度は、58HRC以上64HRC以下であってもよい。
本発明の一態様に係る増減速機用転がり軸受は、入力軸の回転を遊星歯車を用いて増減速させて出力軸に伝える増減速機において油潤滑されながら遊星歯車を回転可能に支持する。増減速機用転がり軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪の間に配置される転動体とを備える。内輪、外輪及び転動体は鋼製である。内輪及び外輪の軌道面並びに転動体の転動面の少なくともいずれかには、焼入硬化層が設けられ、焼入硬化層における水素拡散係数は、2.6×10−11/sより小さい。
上記の増減速機用転がり軸受において、焼入硬化層は、窒素を含有していてもよい。上記の増減速機用転がり軸受において、焼入硬化層中における窒素濃度は、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下であってもよい。
上記の増減速機用転がり軸受において、焼入硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率は、10パーセント以上40パーセント以下であってもよい。上記の増減速機用転がり軸受において、焼入硬化層の硬度は、58HRC以上64HRC以下であってもよい。
本発明の一態様に係る転がり軸受、自動車電装補機用転がり軸受及び増減速機用転がり軸受によると、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができる。
第1実施形態に係る転動部品10の断面図である。 図1の領域IIにおける拡大図である。 水素拡散係数の測定装置20の模式図である。 第1実施形態に係る転動部品10の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態に係る転がり軸受100の断面図である。 転動疲労試験における回転条件を示すグラフである。 第2実施形態に係る転がり軸受200が用いられた自動車電装補機の断面図である。 第2実施形態に係る転がり軸受200の断面図である。 第3実施形態に係る転がり軸受400が用いられた増速機500の断面図である。 第3実施形態に係る転がり軸受400の断面図である。
図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。以下の図面において、同一又は相当する部分に同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さないものとする。
(第1実施形態に係る転動部品の構成)
以下に、第1実施形態に係る転動部品の構成を説明する。
図1は、第1実施形態に係る転動部品10の断面図である。図1に示すように、第1実施形態に係る転動部品10は、スラスト玉軸受の内輪(すなわち、軸軌道盤)である。但し、転動部品10は、これに限られるものではない。転動部品10は、スラスト玉軸受の外輪(すなわち、ハウジング軌道盤)であってもよい。転動部品10は、スラスト玉軸受の転動体であってもよい。
転動部品10は、鋼製である。転動部品10に用いられる鋼は、例えばJIS規格(JIS4805:2008)に定める高炭素クロム軸受鋼である。転動部品10に用いられる鋼は、JIS規格(JIS4805:2008)に定めるSUJ2又はSUJ3であってもよい。転動部品10に用いられる鋼は、AMS6491に定めるM50等の高速度鋼であってもよい。
転動部品10は、リング状の形状を有している。転動部品10は、上面10aと、底面10bと、内周面10cと、外周面10dとを有している。底面10bは、上面10aの反対面である。内周面10c及び外周面10dは、上面10a及び底面10bに連なっている。上面10aは、転動部品10の軌道面となっている。
図2は、図1の領域IIにおける拡大図である。図2に示すように、転動部品10は、焼入硬化層11を有している。焼入硬化層11は、転動部品10の表面にある。より具体的には、焼入硬化層11は、転動部品10の上面10a(軌道面)にある。
焼入硬化層11における水素拡散係数は、2.6×10−11/sより小さい。焼入硬化層11における水素拡散係数は、2.1×10−11/s以下であってもよい。焼入硬化層11における水素拡散係数は、1.9×10−11/s以下であってもよい。
焼入硬化層11における水素拡散係数は、1.6×10−11/s以下であってもよい。焼入硬化層11における水素拡散係数は、1.4×10−11/s以下であってもよい。焼入硬化層11における水素拡散係数は、0.15×10−11/s以下であってもよい。
水素拡散係数は、電気化学的水素透過法により測定される。図3は、水素拡散係数の測定装置20の模式図である。図3に示すように、測定装置20は、アノード槽21と、カソード槽22と、アノード電極23と、カソード電極24と、ガルバノスタット25と、ポテンショスタット26とを有している。アノード槽21とカソード槽22は、試験片27により分断されている。試験片27は、厚さLを有している。厚さLは、例えば、1mmである。アノード電極23及びカソード電極24は、白金(Pt)により形成されている。
アノード槽21には、アノード液28が入れられている。アノード液28は、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液である。カソード槽22には、カソード液29が入れられている。カソード液29は、0.05mol/Lの硫酸にチオ尿酸を混ぜたものである。アノード電極23は、アノード液28に浸漬されている。カソード電極24は、カソード液29に浸漬されている。
ガルバノスタット25の端子の一方は、カソード電極24に接続されている。ガルバノスタット25の端子の他方は、試験片27に接続されている。ポテンショスタット26の端子の一方は、アノード電極23に接続されている。ポテンショスタット26の端子の他方は、試験片27に接続されている。
水素拡散係数の測定においては、ガルバノスタット25により、試験片27に電流が供給される。これにより、試験片27のカソード液29側に、水素が発生する。この発生した水素は、カソード液29側の表面から、試験片27の内部に侵入する。
試験片27の内部に侵入した水素は、試験片27中を拡散しながら移動する。試験片27のアノード液28側の面に到達した水素は、イオン化する。これにより、イオン化電流が流れる。イオン化電流が流れ始めるまでの時間をtb、試験片27の厚さをLとした場合に、水素拡散係数は、L/(15.3×tb)により求められる。なお、水素拡散係数の測定は、20℃以上25℃以下の範囲内において行われる。
焼入硬化層11は、マルテンサイト相と、オーステナイト相とを含んでいる。焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率は、10パーセント以上40パーセント以下であることが好ましい。
焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率の測定は、X線回折により行われる。すなわち、焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率は、焼入硬化層11におけるオーステナイト相の回折ピークとマルテンサイト相の回折ピークとの強度比を測定することにより、決定される。
焼入硬化層11は窒素を含有していてもよい。焼入硬化層11中における窒素濃度は、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下であることが好ましい。焼入硬化層11中における窒素濃度は、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)により測定される。
焼入硬化層11の硬度は、58HRC以上64HRC以下であることが好ましい。焼入硬化層11の硬度は、JIS Z2245:2016に定める方法にしたがって測定される。
(第1実施形態に係る転動部品の製造方法)
以下に、第1実施形態に係る転動部品10の製造方法を説明する。
図4は、第1実施形態に係る転動部品10の製造方法を示す工程図である。図4に示すように、第1実施形態に係る転動部品10の製造方法は、準備工程S1と、焼き入れ工程S2と、焼き戻し工程S3と、後処理工程S4を有している。焼き入れ工程S2は、準備工程S1の後に行われる。焼き戻し工程S3は、焼き入れ工程S2の後に行われる。後処理工程S4は、焼き戻し工程S3の後に行われる。
準備工程S1においては、第1実施形態に係る転動部品10の製造方法が実施されることにより転動部品10となる加工対象物が準備される。この加工対象物は、転動部品10が例えばスラスト玉軸受の内輪又は外輪である場合、鋼製のリング状部材である。この加工対象物は、転動部品10が例えばスラスト玉軸受の転動体である場合、鋼製の球状部材である。
加工対象物を構成する鋼は、例えば、軸受鋼である。好ましくは、加工対象物を構成する鋼は、JIS規格(JIS4805:2008)に定められる高炭素クロム軸受鋼である。加工対象物を構成する鋼は、JIS規格(JIS4805:2008)に定められるSUJ2又はSUJ3であってもよい。加工対象物を構成する鋼は、AMS6491に定めるM50等の高速度鋼であってもよい。
焼き入れ工程S2においては、加工対象物を構成する鋼に対する焼き入れが行われる。焼き入れ工程S2は、加熱工程S21と冷却工程S22とを有している。加熱工程S21においては、加工対象物の加熱が行われる。加熱工程S21においては、加工対象物は、加工対象物を構成する鋼のA点以上の温度(以下においては、加熱温度という)まで加熱される。加熱温度は、例えば800℃以上900℃以下である。
加熱工程S21における加工対象物の加熱は、例えば加熱炉内で行われる。加熱炉内の雰囲気は、例えばRXガスである。加熱炉内の雰囲気には、窒素を含有するガスが添加されてもよい。窒素を含有するガスの具体例は、アンモニアガスである。加熱工程S21においては、加工対象物が加熱温度まで昇温された後、当該加熱温度で所定時間(以下においては、保持時間という)保持される。
保持時間が長くなるほど、又は加熱温度が高くなるほど、加熱工程S21において、加工対象物を構成する鋼材中の炭素がオーステナイト相に溶け出す。オーステナイト相中の炭素量が多いほど、残留オーステナイト相が多くなる傾向がある。そのため、保持時間及び加熱温度を制御することにより、焼入硬化層11中のオーステナイト相の体積比率を制御することができる。
加工対象物を構成する鋼材中のオーステナイト安定化元素の量が増加すると、残留オーステナイト相が多くなる傾向にある。そのため、加工対象物を構成する鋼材にオーステナイト安定化元素である合金元素を多く含む鋼種を用いる又は加熱工程S21において加熱雰囲気に窒素を含有するガスを添加することにより、焼入硬化層11中のオーステナイト相の体積比率を制御することができる。
加工対象物を構成する鋼材中の窒素は、加工対象物を構成する鋼材中のCr等との間で窒化物を形成する。この窒化物は、加工対象物を構成する鋼材中に微細に分散することにより、加工対象物を構成する鋼材を硬化させる。また、窒化物は水素のトラップサイトになるため、水素拡散係数が小さくなる。そのため、加熱工程S21において、窒素を含有するガスの濃度、加熱温度及び保持時間を制御することにより、焼入硬化層11の硬度及び水素拡散係数を制御することができる。
冷却工程S22においては、加工対象物の冷却が行われる。冷却工程S22において、加工対象物は、加熱温度から加工対象物を構成する鋼のM点以下の温度(以下においては、冷却温度という)まで冷却される。冷却工程S22における加工対象物の冷却は、従来周知の任意の冷媒を用いて行われる。加工対象物の冷却に用いられる冷媒は、例えば油又は水である。
なお、冷却工程S22における冷却温度及び冷却速度は、冷却工程S22において生じるマルテンサイト相の量(別の観点からいえば、冷却工程S22後においてもオーステナイト相のまま残留する量)に影響する。そのため、冷却温度及び冷却速度を制御することによっても、焼入硬化層11中のオーステナイト相の体積比率を制御することができる。
焼き戻し工程S3においては、加工対象物を構成する鋼が焼き戻される。加工対象物の焼き戻しは、加工対象物をA点未満の温度(以下においては、焼き戻し温度という)で所定時間(以下においては、焼き戻し時間という)保持することにより行われる。焼き戻し温度は、例えば180℃である。焼き戻し時間は、例えば2時間である。
焼き戻し工程S3においては、冷却工程S22によってもマルテンサイト相とならなかったオーステナイト相が、フェライト相と炭化物相とに分解される。フェライト相及び炭化物相へと分解されるオーステナイト相の量は、焼き戻し温度及び焼き戻し時間を制御することにより、変化する。そのため、焼き戻し温度及び焼き戻し時間を制御することによっても、焼入硬化層11中のオーステナイト相の体積比率を制御することができる。
後処理工程S4においては、加工対象物に対する後処理が行われる。後処理工程S4においては、例えば、加工対象物の洗浄、加工対象物に対する研削、研磨等の機械加工等が行われる。以上により、転動部品10の製造が行われる。
(第1実施形態に係る転がり軸受の構成)
以下に、第1実施形態に係る転がり軸受100の構成を説明する。図5は、第1実施形態に係る転がり軸受100の断面図である。図5に示すように、転がり軸受100は、スラスト玉軸受である。但し、転がり軸受100は、これに限られるものではない。
転がり軸受100は、内輪30と、外輪40と、転動体50と、保持器60とを有している。内輪30及び外輪40は、各々の軌道面が対向するように配置されている。転動体50は、内輪30と外輪40との間に配置されている。保持器60は、内輪30と外輪40との間に配置されている。保持器60には、貫通穴が設けられている。保持器60の貫通穴に転動体50が通されることにより、周方向における転動体50同士の間隔が保持されている。保持器60は、例えば樹脂材料により形成されている。内輪30、外輪40及び転動体50の少なくとも1つは、上記の転動部品10である。すなわち、内輪30及び外輪40の軌道面並びに転動体50の転動面のうちの少なくとも1つには、上記の焼入硬化層11が設けられている。
(第1実施形態に係る転動部品及び転がり軸受の効果)
以下に、第1実施形態に係る転動部品10及び第1実施形態に係る転がり軸受100の効果を説明する。
上記のとおり、第1実施形態に係る転動部品10において、焼入硬化層11における水素拡散係数は、2.6×10−11/sより小さい。そのため、第1実施形態に係る転動部品10においては、表面から侵入した水素が焼入硬化層11の内部に拡散するためにより長時間を要する。そのため、第1実施形態に係る転動部品によると、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができる。
窒素は、転動部品10を構成する鋼中の合金元素との間で、窒化物を形成する。そのため、焼入硬化層11が窒素を含有している場合には、焼入硬化層11中の窒化物の含有量が増加する結果、焼入硬化層11の水素拡散係数が低下するとともに、焼入硬化層11の硬度が上昇する。
焼入硬化層11中の窒素濃度が0.6重量パーセントを超えると、窒素と反応して窒化物となるCrが多くなる。窒素と反応して窒化物となったCrは、焼入硬化層11の焼入性の向上に寄与しない。他方で、焼入硬化層11中の窒素濃度が0.05重量パーセント未満では、窒化物の形成量が少なく、焼入硬化層11の硬度上昇及び水素拡散係数低減に与える影響が少ない。そのため、焼入硬化層11中の窒素濃度が、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下の場合、窒素導入に伴う硬度上昇及び水素拡散係数低減を行いつつ、焼入硬化層11の焼入性を確保することができる。
オーステナイト相は、マルテンサイト相よりも水素拡散係数が小さい。そのため、焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率が大きいほど、焼入硬化層11の水素拡散係数が低下する。一方で、焼入硬化層11中のオーステナイト相は、転動部品10を使用している間にマルテンサイト相に変態する場合がある。そのため、焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率が大きすぎると、寸法安定性が低下する。したがって、焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率が10パーセント以上40パーセント以下である場合には、寸法安定性を維持しつつ、水素拡散係数を低下させることができる。
転動部品10の表面(軌道面)は、接触応力を受けても変形しないことが求められる。そのため、転動部品10の表面にある焼入硬化層11には、硬度が要求される。一方で、焼入硬化層11の硬度が過度に高い場合、靱性が低下する。したがって、焼入硬化層11の硬度が58HRC以上64HRC以下である場合には、転動部品10の表面における靱性を確保しつつ、接触応力が印加されることによる転動部品10の表面の変形を抑制することができる。
上記のとおり、第1実施形態に係る転がり軸受100を構成する内輪30、外輪40及び転動体50の少なくとも1つは、転動部品10である。そのため、第1実施形態に係る転がり軸受100によると、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができる。
(転動疲労試験)
以下に、第1実施形態に係る転動部品10に対して実施した転動疲労試験を説明する。
<供試材>
表1に、上記の転動疲労試験に供した供試材の作製条件、焼入硬化層11中における窒素濃度、焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率及び焼入硬化層11における水素拡散係数を示す。表1に示すように、供試材1〜供試材3に用いられた鋼種は、SUJ2である。供試材4及び供試材5に用いられた鋼種は、SUJ3である。供試材6に用いられた鋼種は、M50である。
供試材1及び供試材4に対する加熱工程S21は、850℃の加熱温度、RXガス雰囲気中において行われた。供試材6に対する加熱工程S21は、約1100℃の加熱温度、RXガス雰囲気中において行われた。供試材2、供試材3及び供試材5に対する加熱工程S21は、850℃の加熱温度、アンモニアガスを添加したRXガス雰囲気中において行われた。なお、供試材2及び供試材5においては、焼入硬化層11中の窒素濃度が0.2重量パーセントとなるようにアンモニアガスの濃度が調整され、供試材3においては、焼入硬化層11中の窒素濃度が0.4重量パーセントとなるようにアンモニアガスの濃度が調整された。供試材1〜供試材6に対しては、焼き戻し工程S3は、180℃の焼き戻し温度、2時間(120分)の焼き戻し時間で行われた。
供試材1の焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率は、8.9パーセントであった。供試材2の焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率は、21.7パーセントであった。
供試材3の焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率は、29.6パーセントであった。供試材4中の焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率は、20.3パーセントであった。供試材5の焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率は、31.8パーセントであった。供試材6の焼入硬化層11中におけるオーステナイト相の体積比率は、3.3パーセントであった。
供試材1の焼入硬化層11の水素拡散係数は、2.63×10−11/sであった。供試材2の焼入硬化層11の水素拡散係数は、2.09×10−11/sであった。
供試材3の焼入硬化層11の水素拡散係数は、1.60×10−11/sであった。供試材4の焼入硬化層11の水素拡散係数は、1.88×10−11/sであった。供試材5の焼入硬化層11の水素拡散係数は、1.40×10−11/sであった。供試材6の焼入硬化層11の水素拡散係数は、0.15×10−11/sであった。
<転動疲労試験方法>
各供試材を用いてスラスト玉軸受を構成した。なお、このスラスト玉軸受の転動体は、SUS440C製の鋼球とした。このスラスト玉軸受には、潤滑剤として、グリコール系潤滑油に純水を混合したもの用いた。これにより、このスラスト玉軸受は、水素が軌道面から侵入しうる状況とされた。
転動疲労試験は、このスラスト玉軸受に4.9kNのアキシャル荷重を加えた状態(この状態において、軌道面と転動体との間における最大接触面圧は、弾性ヘルツ接触計算で2.3GPaとなる)で、内輪を外輪に対して相対的に回転させることにより行われた。図6は、転動疲労試験における回転条件を示すグラフである。図6に示すように、内輪の外輪に対する相対的な回転は、0.5秒間を1サイクルとして行われた。
この0.5秒間のうち、最初の0.1秒間においては、回転速度が0回転/分から2500回転/分まで直線的に増加した。次の0.3秒間においては、回転速度が2500回転/分で保持された。次の0.1秒間においては、回転速度が2500回転/分から0回転/分まで直線的に減少した。
<転動疲労試験結果>
表2に、転動疲労試験結果を示す。表2中において、L10及びL50は、各供試材を用いて構成したスラスト玉軸受の剥離寿命(軌道面にフレーキングが生じるまでの時間)を2母数ワイブル分布にあてはめて求めた10パーセント寿命及び50パーセント寿命であり、eは当該2母数ワイブル分布のワイブルスロープ(形状母数)である。
表2に示すように、供試材2〜供試材6を用いて構成したスラスト玉軸受は、供試材1を用いて構成したスラスト玉軸受よりも長い剥離寿命を示している。上記のとおり、供試材1においては、焼入硬化層11の水素拡散係数が2.6×10−11/s以上である一方、供試材2〜供試材6においては、焼入硬化層11の水素拡散係数が2.6×10−11/s未満であった。この比較から、焼入硬化層11が2.6×10−11/s未満の水素拡散係数を有することにより、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制できることが実験的に明らかとされた。
上記のとおり、供試材1の焼入硬化層11は、オーステナイト相の体積比率が10パーセント未満である一方、供試材2〜供試材5の焼入硬化層11は、オーステナイト相の体積比率が10パーセント以上40パーセント以下の範囲内にあった。この比較から、焼入硬化層11中のオーステナイト相の体積比率が10パーセント以上40パーセント以下の範囲内にあることにより、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制できることが実験的に明らかとされた。
供試材5を用いて構成したスラスト玉軸受は、供試材4を用いて構成したスラスト玉軸受よりも長い剥離寿命を示していた。上記のとおり、供試材4の焼入硬化層11は、窒素を含んでいない一方、供試材5の焼入硬化層11は、窒素を含んでいる。この比較から、焼入硬化層11が窒素を含むことにより、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生をさらに抑制できることが実験的に明らかとされた。
(第2実施形態に係る転がり軸受の構成)
以下に、第2実施形態に係る転がり軸受200の構成を説明する。なお、以下においては、第1実施形態に係る転がり軸受100の構成と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
図7は、第2実施形態に係る転がり軸受200が用いられた自動車電装補機の断面図である。図7に示されるように、自動車電装補機は、例えば、オルタネータ300である。なお、自動車電装補機は、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、ファンカップリング装置、中間プーリ、電動ファンモータ等であってもよい。
オルタネータ300は、ロータ301と、ハウジング302と、シャフト303と、ステータ304と、プーリ305と、転がり軸受200とを有している。ハウジング302は、ロータ301を取り囲むように配置されている。シャフト303は、ロータ301の中央部を貫通し、かつハウジング302の壁面を貫通するように、シャフト303が配置されている。シャフト303は、エンジン(図示せず)等の動力源で発生した動力で回転駆動される。ハウジング302の内部においてロータ301の外周面と対向するように、ステータ304が配置されている。
シャフト303とハウジング302との間には、転がり軸受200が配置されている。シャフト303は、転がり軸受200により、ハウジング302に回転可能に支持されている。すなわち、転がり軸受200は、自動車電装補機用転がり軸受である。
シャフト303の一方端部には、ハウジング302の外部において、プーリ305が取り付けられている。プーリ305は、円環形状を有している。プーリ305の外周面には係合溝305aが形成されている。係合溝305aには、伝動ベルト(図示せず)が掛けられる。
伝動ベルトがエンジン(図示せず)等からの動力によって回転することにより、シャフト303が中心軸周りに回転駆動される。ロータ301は、シャフト303とともに、シャフト303の中心軸周りに回転する。その結果、ロータ301がステータ304に対して相対的に回転することになり、ロータ301とステータ304との間の電磁誘導によりステータ304のコイルに起電力が生じる。
図8は、第2実施形態に係る転がり軸受200の断面図である。転がり軸受200は、図8に示されるように、例えば深溝玉軸受である。但し、転がり軸受200は、これに限られるものではない。転がり軸受200は、内輪31と、外輪41と、転動体51と、保持器61とを有している。なお、図示されていないが、転がり軸受200には、潤滑用のグリースが封入されている。
内輪31は、リング状の形状を有している。内輪31は、外周面31aを有している。外周面31aは、内輪31の軌道面を構成している。内輪31には、シャフト303が挿入されている。外輪41は、リング状の形状を有している。外輪41は、内周面41aを有している。内周面41aは、外輪41の軌道面を構成している。外輪41は、ハウジング302に取り付けられている。内輪31及び外輪41は、外周面31a及び内周面41aが互いに対向するように配置されている。
転動体51は、球状の形状を有している。転動体51は、内輪31及び外輪41の間に配置されている。より具体的には、転動体51は、外周面31a及び内周面41aの間に配置されている。転動体51は、表面51aを有している。表面51aは、転動体51の転動面を構成している。
内輪31、外輪41及び転動体51は、鋼製である。内輪31、外輪41及び転動体51に用いられる鋼は、例えば、JIS規格(JIS4805:2008)に定める高炭素クロム軸受鋼である。内輪31、外輪41及び転動体51に用いられる鋼は、JIS規格に定めるSUJ2又はSUJ3であってもよい。内輪31、外輪41及び転動体51に用いられる鋼は、AMS6491に定めるM50等の高速度鋼であってもよい。内輪31及び外輪41の軌道面並びに転動体51の転動面のうちの少なくとも1つには、上記の焼入硬化層11が設けられている。
保持器61は、リング状の形状を有している。保持器61は、内輪31と外輪41との間に配置されている。保持器61には、貫通穴が設けられている。保持器61の貫通穴に転動体51が通されることにより、周方向における転動体51同士の間隔が保持されている。保持器61は、例えば樹脂材料により形成されている。
内輪31、外輪41及び転動体51の製造方法は、第1実施形態に係る転動部品10の製造方法と同様であるため、ここではその説明を省略する。
(第2実施形態に係る転がり軸受の効果)
以下に、第2実施形態に係る転がり軸受200の効果を説明する。なお、以下においては、第1実施形態に係る転がり軸受100の効果と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
自動車電装補機用転がり軸受は、高温・高速回転環境下において用いられるが、この際に、転がり軸受に封入されているグリースが分解され、水素が発生する。この発生した水素が転がり軸受を構成する各転動部品の内部に侵入することにより、水素脆性の原因となる。しかしながら、転がり軸受200においては、内輪31及び外輪41の軌道面並びに転動体51の転動面のうちの少なくとも1つには、上記の焼入硬化層11が設けられているため、表面から侵入した水素が拡散するためにより長時間を要する。そのため、転がり軸受200によると、表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができる。
(第3実施形態に係る転がり軸受の構成)
以下に、第3実施形態に係る転がり軸受400の構成を説明する。なお、以下においては、第1実施形態に係る転がり軸受100の構成と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
図9は、第3実施形態に係る転がり軸受400が用いられた増速機500の断面図である。図9に示されるように、増速機500は、入力軸501と、中間出力軸502と、出力軸503と、一次増速機504と、二次増速機505と、ハウジング506と、転がり軸受400とを有している。つまり、転がり軸受400は、増速機用転がり軸受である。なお、以下においては、転がり軸受400を増速機用転がり軸受として説明するが、転がり軸受400は、減速機用転がり軸受としても用いることができる。
一次増速機504は、遊星歯車機構で構成されている。具体的には、一次増速機504は、キャリア504aと、遊星歯車504bと、リングギア504cと、太陽歯車504dとを有している。キャリア504aは、入力軸501と一体となっている。遊星歯車504bは、キャリア504aに設置されている。太陽歯車504dは、中間出力軸502と一体となっている。リングギア504cは、遊星歯車504b及び太陽歯車504dと噛み合わされている。このようにして、入力軸501の回転は、キャリア504a、遊星歯車504b及びリングギア504cを介して中間出力軸502に伝達される。
転がり軸受400は、遊星歯車504bの軸を回転可能に支持している。なお、転がり軸受400は、遊星歯車504bの軸以外の軸についても、同様に回転可能に支持していてもよい。転がり軸受400は、ハウジング506内の潤滑油貯留槽506aに貯留された潤滑油506bに浸漬される。潤滑油貯留槽506aに貯留されている潤滑油506bは、配管及びポンプ(図示せず)で循環させられる。
二次増速機505は、歯車505a〜歯車505dを有している。歯車505a〜歯車505dで構成される歯車列は、中間出力軸502の回転を出力軸503へと伝達する。以上により、増速機500は、入力軸501の回転を増速して出力軸503に伝達する。
図10は、第3実施形態に係る転がり軸受400の断面図である。図10に示されるように、転がり軸受400は、転がり軸受400は、例えば深溝玉軸受である。但し、転がり軸受400は、これに限られるものではない。転がり軸受400は、内輪32と、外輪42と、転動体52と、保持器62とを有している。
内輪32は、リング状の形状を有している。内輪32は、外周面32aを有している。外周面32aは、内輪32の軌道面を構成している。外輪42は、リング状の形状を有している。外輪42は、内周面42aを有している。内周面42aは、外輪42の軌道面を構成している。内輪32及び外輪42は、外周面32a及び内周面42aが互いに対向するように配置されている。
転動体52は、球状の形状を有している。転動体52は、内輪32及び外輪42の間に配置されている。より具体的には、転動体52は、外周面32a及び内周面42aの間に配置されている。転動体52は、表面52aを有している。表面52aは、転動体52の転動面を構成している。
内輪32、外輪42及び転動体52は、鋼製である。内輪32、外輪42及び転動体52に用いられる鋼は、例えば、JIS規格(JIS4805:2008)に定める高炭素クロム軸受鋼である。内輪32、外輪42及び転動体52に用いられる鋼は、JIS規格に定めるSUJ2又はSUJ3であってもよい。内輪32、外輪42及び転動体52に用いられる鋼は、AMS6491に定めるM50等の高速度鋼であってもよい。内輪32及び外輪42の軌道面並びに転動体52の転動面のうちの少なくとも1つには、上記の焼入硬化層11が設けられている。
保持器62は、リング状の形状を有している。保持器62は、内輪32と外輪42との間に配置されている。保持器62には、貫通穴が設けられている。保持器62の貫通穴に転動体52が通されることにより、周方向における転動体52同士の間隔が保持されている。保持器62は、例えば樹脂材料により形成されている。
内輪32、外輪42及び転動体52の製造方法は、第1実施形態に係る転動部品10の製造方法と同様であるため、ここではその説明を省略する。
(第3実施形態に係る転がり軸受の効果)
以下に、第3実施形態に係る転がり軸受400の効果を説明する。なお、以下においては、第1実施形態に係る転がり軸受100の効果と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
増減速機は風力発電装置等に組み込まれて屋外で使用されることが多いため、増減速機用の転がり軸受においては、潤滑油中に水が混入しやすく、水素の発生量が多くなる。転がり軸受400においては、内輪32及び外輪42の軌道面並びに転動体52の転動面のうちの少なくとも1つには、上記の焼入硬化層11が設けられているため、表面から侵入した水素が拡散するためにより長時間を要する。そのため、転がり軸受400によると、上記のような状況下でも表面から水素が浸入することに伴う水素脆性の発生を抑制することができる。
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
上記の実施形態は、転動部品及び当該転動部品を用いた軸受に特に有利に適用される。
10 転動部品、10a 上面、10b 底面、10c 内周面、10d 外周面、11 焼入硬化層、20 測定装置、21 アノード槽、22 カソード槽、23 アノード電極、24 カソード電極、25 ガルバノスタット、26 ポテンショスタット、27 試験片、28 アノード液、29 カソード液、30,31,32 内輪、40,41,42 外輪、50 転動体、60,61,62 保持器、100,200,400 転がり軸受、300 オルタネータ、301 ロータ、302 ハウジング、303 シャフト、304 ステータ、305 プーリ、305a 係合溝、500 増速機、501 入力軸、502 中間出力軸、503 出力軸、504 一次増速機、504a キャリア、504b 遊星歯車、504c リングギア、504d 太陽歯車、505 二次増速機、505a,505b,505c,505d 歯車、506 ハウジング、506a 潤滑油貯留槽、506b 潤滑油、L 厚さ、S1 準備工程、S2 焼き入れ工程、S3 焼き戻し工程、S4 後処理工程、S21 加熱工程、S22 冷却工程。

Claims (17)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪の間に配置される転動体とを備え、
    前記内輪、前記外輪及び前記転動体は、鋼製であり、
    前記内輪及び前記外輪の軌道面並びに前記転動体の転動面の少なくともいずれかには、焼入硬化層が設けられ、
    前記焼入硬化層における水素拡散係数は、2.6×10−11/sより小さい、転がり軸受。
  2. 前記焼入硬化層は、窒素を含有する、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記焼入硬化層中における窒素濃度は、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下である、請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 前記焼入硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率は、10パーセント以上40パーセント以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  5. 前記焼入硬化層の硬度は、58HRC以上64HRC以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  6. 前記鋼は、高炭素クロム軸受鋼である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  7. 前記高炭素クロム軸受鋼は、SUJ2又はSUJ3である、請求項6に記載の転がり軸受。
  8. 回転駆動される軸を静止部材に対して回転可能に支持する自動車電装補機用転がり軸受であって、
    内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪の間に配置される転動体とを備え、
    前記内輪、前記外輪及び前記転動体は、鋼製であり、
    前記内輪及び前記外輪の軌道面並びに前記転動体の転動面の少なくともいずれかには、焼入硬化層が設けられ、
    前記焼入硬化層における水素拡散係数は、2.6×10−11/sより小さい、自動車電装補機用転がり軸受。
  9. 前記焼入硬化層は、窒素を含有する、請求項8に記載の自動車電装補機用転がり軸受。
  10. 前記焼入硬化層中における窒素濃度は、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下である、請求項9に記載の自動車電装補機用転がり軸受。
  11. 前記焼入硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率は、10パーセント以上40パーセント以下である、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の自動車電装補機用転がり軸受。
  12. 前記焼入硬化層の硬度は、58HRC以上64HRC以下である、請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の自動車電装補機用転がり軸受。
  13. 入力軸の回転を遊星歯車を用いて増減速させて出力軸に伝える増減速機において油潤滑されながら前記遊星歯車を回転可能に支持する増減速機用転がり軸受であって、
    内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪の間に配置される転動体とを備え、
    前記内輪、前記外輪及び前記転動体は、鋼製であり、
    前記内輪及び前記外輪の軌道面並びに前記転動体の転動面の少なくともいずれかには、焼入硬化層が設けられ、
    前記焼入硬化層における水素拡散係数は、2.6×10−11/sより小さい、増減速機用転がり軸受。
  14. 前記焼入硬化層は、窒素を含有する、請求項13に記載の増減速機用転がり軸受。
  15. 前記焼入硬化層中における窒素濃度は、0.05重量パーセント以上0.6重量パーセント以下である、請求項14に記載の増減速機用転がり軸受。
  16. 前記焼入硬化層中におけるオーステナイト相の体積比率は、10パーセント以上40パーセント以下である、請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の増減速機用転がり軸受。
  17. 前記焼入硬化層の硬度は、58HRC以上64HRC以下である、請求項13〜請求項16のいずれか1項に記載の増減速機用転がり軸受。
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