JP2019036645A - 熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャンバー内にて処理ガスを均一に流すことができる熱処理装置を提供する。【解決手段】チャンバー6の側壁にはチャンバー6内の気体を排出するゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160が設けられる。チャンバー6には、ゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160を覆うように円環形状の排気リング90が装着される。排気リング90には複数の排気口が穿設される。複数の排気口の開口率は、排気リング90の周方向に沿ったゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160からの距離が遠くなるほど高くなる。排気リング90に設けられた複数の排気口の全てについて概ね同程度の強さの負圧が作用することとなり、排気リング90の全周にわたって均一な流量にてチャンバー6内の気体が排気され、チャンバー6内にて処理ガスを均一に流すことができる。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
キセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置においては、極めて高いエネルギーを有するフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーの表面に照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇する。その結果、半導体ウェハーの表面に急激な熱膨張が生じて変形し、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーがサセプタ上で振動、或いは跳躍する現象が生じていた。そして、半導体ウェハーの振動(或いは、跳躍)に伴うサセプタとの摺動や気流の乱れにより、チャンバー内にパーティクルが発生し、それが半導体ウェハーに付着して半導体ウェハーを汚染することとなる。
このため、特許文献1には、チャンバー内に供給する窒素ガスの流量を増大させることによって、発生したパーティクルを効率良くチャンバーから排出して半導体ウェハーにパーティクルが付着するのを防止する技術が提案されている。
しかしながら、チャンバー内に供給する窒素ガスの流量を増大させることは、パーティクル数を低減させるのには効果的であるものの、チャンバー内における処理ガスの流れが不均一となり、半導体ウェハーの温度分布の面内均一性を低下させるという問題が生じていた。
また、フラッシュランプアニールの処理内容によっては、チャンバー内にアンモニア(NH3)やフォーミングガス等の反応性ガスを供給することがある。典型的には、反応性ガスは比較的小さな流量にてチャンバー内に供給されるのであるが、半導体ウェハーの面内における反応均一性を維持するためには、小流量での供給であってもチャンバー内にて処理ガスが均一に流れることが望ましい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、チャンバー内にて処理ガスを均一に流すことができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、略円筒形状の側壁を有するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記基板に光を照射する光照射部と、前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給部と、前記側壁のうち前記チャンバーに対する前記基板の搬入出を行う炉口の側に設けられ、前記チャンバー内の気体を排出する第1排気ポートと、前記側壁のうち前記第1排気ポートとは反対側に設けられ、前記チャンバー内の気体を排出する第2排気ポートと、前記側壁に前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートを覆うように取り付けられ、前記チャンバー内の気体を前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートに導く円環形状の排気リングと、を備え、前記排気リングは、前記チャンバー内の気体を吸引する複数の排気口と、前記複数の排気口と前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートとを連通接続し、前記複数の排気口から吸引した気体を前記排気リングの周方向に沿って前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートに流す円環形状のバッファ部と、を備え、前記複数の排気口の開口率は、前記排気リングの周方向に沿った前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートからの距離が遠くなるほど高くなることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記複数の排気口の開口率は、前記排気リングの周方向に沿って前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートから90°隔てた部位にて最も高くなることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記第1排気ポートに接続された第1排気配管と、前記第2排気ポートに接続された第2排気配管と、前記第1排気配管に設けられ、前記第1排気配管の圧力損失を調整する第1コンダクタンス調整バルブと、前記第2排気配管に設けられ、前記第2排気配管の圧力損失を調整する第2コンダクタンス調整バルブと、をさらに備え、前記炉口を介して前記チャンバーに対する前記基板の搬入出を行う際には、前記第1コンダクタンス調整バルブおよび前記第2コンダクタンス調整バルブによって前記第1排気ポートからの排気流量を前記第2排気ポートからの排気流量よりも多くする。
また、請求項4の発明は、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、略円筒形状の側壁を有するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記基板に光を照射する光照射部と、前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給部と、前記側壁の一部に設けられ、前記チャンバー内の気体を排出する排気ポートと、前記側壁に前記排気ポートを覆うように取り付けられ、前記チャンバー内の気体を前記排気ポートに導く円環形状の排気リングと、を備え、前記排気リングは、前記チャンバー内の気体を吸引する複数の排気口と、前記複数の排気口と前記排気ポートとを連通接続し、前記複数の排気口から吸引した気体を前記排気リングの周方向に沿って前記排気ポートに流す円環形状のバッファ部と、を備え、前記複数の排気口の開口率は、前記排気リングの周方向に沿った前記排気ポートからの距離が遠くなるほど高くなることを特徴とする。
請求項1から請求項3の発明によれば、複数の排気口の開口率は、排気リングの周方向に沿った第1排気ポートおよび第2排気ポートからの距離が遠くなるほど高くなるため、複数の排気口の全てについて概ね同程度の強さの負圧が作用することとなり、排気リングの全周にわたって均一な流量にてチャンバー内の気体が排気され、チャンバー内にて処理ガスを均一に流すことができる。
特に、請求項3の発明によれば、炉口を介してチャンバーに対する基板の搬入出を行う際には、第1コンダクタンス調整バルブおよび第2コンダクタンス調整バルブによって第1排気ポートからの排気流量を第2排気ポートからの排気流量よりも多くするため、基板の搬入出にともなって炉口から流入したパーティクルを効果的に排出することができる。
請求項4の発明によれば、複数の排気口の開口率は、排気リングの周方向に沿った排気ポートからの距離が遠くなるほど高くなるため、複数の排気口の全てについて概ね同程度の強さの負圧が作用することとなり、排気リングの全周にわたって均一な流量にてチャンバー内の気体が排気され、チャンバー内にて処理ガスを均一に流すことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。図1の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである(本実施形態ではφ300mm)。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略円筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には排気リング90が装着されている。排気リング90および反射リング68は、ともに円環状に形成されている。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61、反射リング68および排気リング90によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68および排気リング90が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68および排気リング90が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、排気リング90の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
さらに、チャンバー側部61には、貫通孔61aが穿設されている。チャンバー側部61の外壁面の貫通孔61aが設けられている部位には放射温度計20が取り付けられている。貫通孔61aは、後述するサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を放射温度計20に導くための円筒状の孔である。貫通孔61aは、その貫通方向の軸がサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの主面と交わるように、水平方向に対して傾斜して設けられている。貫通孔61aの熱処理空間65に臨む側の端部には、放射温度計20が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21が装着されている。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中には供給バルブ84が介挿されている。供給バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、例えば窒素(N2)等の不活性ガス、または、水素(H2)、アンモニア(NH3)等の反応性ガス、或いはそれらを混合した混合ガスを用いることができる(本実施形態では窒素ガス)。
チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気する2つの排気口であるゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160が形設されている。ゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160は、いずれも凹部62よりも下側位置に形設されている。ゲートバルブ側排気ポート(第1排気ポート)150は、チャンバー側部61のうち搬送開口部66の側に設けられている。一方、メイン排気ポート(第2排気ポート)160は、チャンバー側部61のうちゲートバルブ側排気ポート150とは反対側に設けられている。すなわち、ゲートバルブ側排気ポート150とメイン排気ポート160とは円筒形状のチャンバー側部61の径方向両端に相対向するように180°離れて設けられている。
ゲートバルブ側排気ポート150には、第1排気配管151が接続されている。メイン排気ポート160には、第2排気配管161が接続されている。第1排気配管151と第2排気配管161とは合流して排気部190に接続される。すなわち、ゲートバルブ側排気ポート150とメイン排気ポート160とは共通の排気部190に接続されて負圧が付与される。排気部190としては、例えば真空ポンプや熱処理装置1が設置される工場の排気ユーティリティを用いることができる。
第1排気配管151の経路途中には、第1排気バルブ152と第1コンダクタンス調整バルブ153とが介挿されている。第1排気バルブ152は、例えば電磁弁等の第1排気配管151の経路を開閉するためのバルブである。第1コンダクタンス調整バルブ153は、第1排気配管151の圧力損失を調整するための圧力制御バルブである。第1コンダクタンス調整バルブ153によって、排気部190からゲートバルブ側排気ポート150に付与される負圧を調整することができる。なお、第1排気バルブ152および第1コンダクタンス調整バルブ153の設置位置は、いずれが第1排気配管151の上流側であっても良い。
第2排気配管161の経路途中には、第2排気バルブ162と第2コンダクタンス調整バルブ163とが介挿されている。第2排気バルブ162は、第1排気バルブ152と同じく、第2排気配管161の経路を開閉するためのバルブである。第2コンダクタンス調整バルブ163は、第2排気配管161の圧力損失を調整するための圧力制御バルブである。第2コンダクタンス調整バルブ163によって、排気部190からメイン排気ポート160に付与される負圧を調整することができる。なお、第2排気バルブ162および第2コンダクタンス調整バルブ163の設置位置は、いずれが第2排気配管161の上流側であっても良い。
図1に示すように、チャンバー6の内壁下部には、ゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160を覆うように排気リング90が装着される。図8は、排気リング90の外観を示す斜視図である。説明の便宜上、図8には円環形状の排気リング90の半円部分を示している。概略円筒形状のチャンバー側部61の内壁面下部に装着される排気リング90は円環形状を有する。円環形状の排気リング90をその径方向に沿って切断した断面はコの字形状を有する。排気リング90がチャンバー6に装着された状態においては、排気リング90のコの字形状の内側部分とチャンバー側部61の内壁面との間にバッファ部95が形成される。バッファ部95は、排気リング90とチャンバー側部61との間に形成される円筒形状の空間である。
また、図8に示すように、排気リング90には複数の排気口96が穿設されている。本実施形態では、複数の排気口96のそれぞれは丸穴である。複数の排気口96は、排気リング90の周方向に沿って排気リング90の壁面に一列に設けられる。複数の排気口96は、チャンバー6内の熱処理空間65に臨むように設けられる。複数の排気口96とゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160とはバッファ部95を介して連通接続されることとなる。従って、排気部190によってゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160に付与された負圧はバッファ部95を介して複数の排気口96に作用することとなる。これにより、チャンバー6内の気体は排気リング90の複数の排気口96から吸引される。複数の排気口96から吸引された気体は、排気リング90の周方向に沿って円環形状のバッファ部95内を流れてゲートバルブ側排気ポート150および/またはメイン排気ポート160に流入する。
複数の排気口96の開口率は、排気リング90の周方向に沿ったゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160からの距離が遠くなるほど高くなる。複数の排気口96の開口率とは、排気リング90の壁面における単位面積当たりの排気口96の面積である。複数の排気口96が高い密度で設けられているほど、複数の排気口96の開口率も高くなる。本実施形態においては、ゲートバルブ側排気ポート150とメイン排気ポート160とがチャンバー6の径方向両端に相対向するように180°離れて設けられており、排気リング90の周方向に沿ってゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160から90°隔てた部位における複数の排気口96の開口率が最も高くなる。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。
サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形の平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。
保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。
保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm〜φ280mm(本実施形態ではφ270mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。
図2に戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。
チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。
また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。
また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、放射温度計20が半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、放射温度計20が開口部78およびチャンバー側部61の貫通孔61aに装着された透明窓21を介して半導体ウェハーWの下面から放射された光を受光して当該半導体ウェハーWの温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。複数のフラッシュランプFLが配列される領域は半導体ウェハーWの平面サイズよりも大きい。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された円筒形状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する光照射部である。
図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、円筒形状のガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。
制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、給気のための供給バルブ84が開放されるとともに、排気用の第1排気バルブ152および第2排気バルブ162が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。供給バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、第1排気バルブ152および第2排気バルブ162が開放されると、排気リング90の複数の排気口96からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。複数の排気口96から吸引された気体は円環形状のバッファ部95内を流れてゲートバルブ側排気ポート150および/またはメイン排気ポート160に流入し、第1排気配管151および/または第2排気配管161を経て熱処理装置1の外部に排出される。なお、排気リング90によるチャンバー6内の気体の排気についてはさらに後述する。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。このときには、半導体ウェハーWの搬入にともなって装置外部の雰囲気を巻き込むおそれがあるが、チャンバー6には窒素ガスが供給され続けているため、搬送開口部66から窒素ガスが流出して、そのような外部雰囲気の巻き込みを最小限に抑制することができる。
搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、半導体ウェハーWは、パターン形成がなされて不純物が注入された表面を上面として保持部7に保持される。複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWが石英にて形成された保持部7のサセプタ74によって水平姿勢にて下方より保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの下面に照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が放射温度計20によって測定されている。すなわち、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から開口部78を介して放射された赤外光を透明窓21を通して放射温度計20が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、放射温度計20による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、放射温度計20によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。
このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、基板Wの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLがサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃以上の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は放射温度計20によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、放射温度計20の測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
ところで、フラッシュ加熱時には極めて高いエネルギーを有するフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーWの表面に照射するため、一瞬で半導体ウェハーWの表面温度が急速に上昇する。その結果、半導体ウェハーWの表面に急激な熱膨張が生じて変形し、半導体ウェハーWの下面とサセプタ74との摺動や気流の乱れが生じてチャンバー6内にパーティクルが発生することがあった。このようなパーティクルは半導体ウェハーWを汚染する原因となるため、チャンバー6内にガス供給孔81から供給する窒素ガスの流量を例えば100リットル/分に増大させることによって、発生したパーティクルを効率良くチャンバー6から排出するのが効果的である。なお、窒素ガスの流量を増大させるタイミングは、特に限定されるものではなく、適宜の時点(例えば、フラッシュ光照射の直前または直後)とすることができる。しかし、チャンバー6内に供給する窒素ガスの流量を増大させると、チャンバー6内における窒素ガスの流れが不均一となり、熱処理中の半導体ウェハーWの温度分布の面内均一性が低下するおそれがある。
このため、本実施形態においては、複数の排気口96を設けた排気リング90によってチャンバー6内の処理ガスを均一に排気するようにしている。図9は、排気リング90によるチャンバー6からの排気の流れを模式的に示す図である。図9は、チャンバー6内を上方から見た図である。
排気部190にて発生した負圧は直接的にはゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160に作用する。よって、排気リング90に設けられた複数の排気口96のうちゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160に近い排気口96ほど強い負圧が作用することとなる。強い負圧が作用する排気口96からは弱い負圧が作用する排気口96からよりも大きな流量にて気体が排気される。なお、ゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160のそれぞれに付与される負圧の大きさは第1コンダクタンス調整バルブ153および第2コンダクタンス調整バルブ163によって調整可能であるが、本実施形態ではゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160に等しい負圧が付与されている。
本実施形態においては、排気リング90の周方向に沿ったゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160からの距離が遠くなるほど開口率が高くなるように複数の排気口96が設けられている。より具体的には、複数の排気口96の開口率は、排気リング90の周方向に沿ってゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160から90°隔てた部位において最も高くなる。従って、排気リング90に設けられた複数の排気口96の全てについて概ね同程度の強さの負圧が作用することとなる。その結果、図9に示すように、円環形状の排気リング90の全周にわたって(つまり、半導体ウェハーWの外周の全体にわたって)均一な流量にてチャンバー6内の気体が排気され、チャンバー6内に供給する処理ガスの流量を増大させてもチャンバー6内に処理ガスを均一に流すことが可能となる。これにより、熱処理時の半導体ウェハーWの温度分布の面内均一性も維持することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、排気リング90に丸穴の排気口96を設けていたが、排気口96の形状は丸穴に限定されるものではなく、種々の形態を採用することができる。図10は、他の形状の排気口を設けた排気リング90を示す斜視図である。図10に示す例では、複数の長穴の排気口196を排気リング90に穿設している。また、図10に示す例においても、複数の排気口196の開口率は、排気リング90の周方向に沿ったゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160からの距離が遠くなるほど高くなる。排気口196の形状を除く図10に示す排気リング90の残余の構成は上記実施形態(図8)と同様である。図10に示すような排気リング90であっても半導体ウェハーWの外周の全体にわたって均一な流量にてチャンバー6内の気体を排気することができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、排気リング90に設ける排気口の形状は他の形状の穴や切り欠きであっても良い。
また、上記実施形態においては、ゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160に等しい負圧が付与されていたが、第1コンダクタンス調整バルブ153および第2コンダクタンス調整バルブ163によってゲートバルブ側排気ポート150とメイン排気ポート160とに異なる大きさの負圧を作用させるようにしても良い。例えば、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が開放され、搬送開口部66を介してチャンバー6に対する半導体ウェハーWの搬入出を行う際には、搬送開口部66からパーティクルが流入しやすくなる。そこで、第1コンダクタンス調整バルブ153および第2コンダクタンス調整バルブ163によってゲートバルブ側排気ポート150に作用する負圧をメイン排気ポート160に作用する負圧よりも大きくする。これにより、ゲートバルブ側排気ポート150からの排気流量がメイン排気ポート160からの排気流量よりも多くなり、搬送開口部66から流入したパーティクルを効果的に排出することができる。
また、上記実施形態においては、チャンバー6にゲートバルブ側排気ポート150およびメイン排気ポート160の2つの排気ポートが設けられていたが、これに限定されるものではなく、チャンバー6に設ける排気ポートの数は1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。チャンバー6に設ける排気ポートの数にかかわらず、排気リング90の周方向に沿った排気ポートからの距離が遠くなるほど開口率が高くなるように複数の排気口96を設けることにより、複数の排気口96の全てについて概ね同程度の強さの負圧を作用させることができる。その結果、チャンバー6内に処理ガスを均一に流すことができる。
また、本発明に係る技術は、チャンバー6内に大流量にて処理ガスを供給する場合のみならず、チャンバー6内に比較的小さな流量にて処理ガスを供給する場合にも好適に適用することができる。例えば、アンモニアやフォーミングガス等の反応性ガスをチャンバー6内に比較的小さな流量(例えば、5リットル/分)にて供給する場合に本発明に係る技術を適用すれば、チャンバー6内に反応性ガスを均一に流すことができ、半導体ウェハーWの面内における反応均一性を向上させることができる。さらに、本発明に係る技術は、チャンバー6内を減圧雰囲気(例えば、5kPa)として半導体ウェハーWの処理を行う場合にも適用することが可能であり、チャンバー6内に存在する処理ガスを均一に半導体ウェハーWの面内に流すことができる。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る熱処理装置により、高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の熱処理、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化を行うようにしても良い。
また、本発明に係る技術は、フラッシュランプアニール装置に限定されるものではなく、ハロゲンランプを使用した枚葉式のランプアニール装置やCVD装置などのチャンバー内に所定の処理ガスを供給するとともに、チャンバー内の気体を排気する装置に好適に適用することができる。
1 熱処理装置
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
63 上側チャンバー窓
64 下側チャンバー窓
65 熱処理空間
74 サセプタ
81 ガス供給孔
85 処理ガス供給源
90 排気リング
95 バッファ部
150 ゲートバルブ側排気ポート
151 第1排気配管
152 第1排気バルブ
153 第1コンダクタンス調整バルブ
160 メイン排気ポート
161 第2排気配管
162 第2排気バルブ
163 第2コンダクタンス調整バルブ
190 排気部
96,196 排気口
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
63 上側チャンバー窓
64 下側チャンバー窓
65 熱処理空間
74 サセプタ
81 ガス供給孔
85 処理ガス供給源
90 排気リング
95 バッファ部
150 ゲートバルブ側排気ポート
151 第1排気配管
152 第1排気バルブ
153 第1コンダクタンス調整バルブ
160 メイン排気ポート
161 第2排気配管
162 第2排気バルブ
163 第2コンダクタンス調整バルブ
190 排気部
96,196 排気口
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
Claims (4)
- 基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
略円筒形状の側壁を有するチャンバーと、
前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板に光を照射する光照射部と、
前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給部と、
前記側壁のうち前記チャンバーに対する前記基板の搬入出を行う炉口の側に設けられ、前記チャンバー内の気体を排出する第1排気ポートと、
前記側壁のうち前記第1排気ポートとは反対側に設けられ、前記チャンバー内の気体を排出する第2排気ポートと、
前記側壁に前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートを覆うように取り付けられ、前記チャンバー内の気体を前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートに導く円環形状の排気リングと、
を備え、
前記排気リングは、
前記チャンバー内の気体を吸引する複数の排気口と、
前記複数の排気口と前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートとを連通接続し、前記複数の排気口から吸引した気体を前記排気リングの周方向に沿って前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートに流す円環形状のバッファ部と、
を備え、
前記複数の排気口の開口率は、前記排気リングの周方向に沿った前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートからの距離が遠くなるほど高くなることを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1記載の熱処理装置において、
前記複数の排気口の開口率は、前記排気リングの周方向に沿って前記第1排気ポートおよび前記第2排気ポートから90°隔てた部位にて最も高くなることを特徴とする熱処理装置。 - 請求項1または請求項2記載の熱処理装置において、
前記第1排気ポートに接続された第1排気配管と、
前記第2排気ポートに接続された第2排気配管と、
前記第1排気配管に設けられ、前記第1排気配管の圧力損失を調整する第1コンダクタンス調整バルブと、
前記第2排気配管に設けられ、前記第2排気配管の圧力損失を調整する第2コンダクタンス調整バルブと、
をさらに備え、
前記炉口を介して前記チャンバーに対する前記基板の搬入出を行う際には、前記第1コンダクタンス調整バルブおよび前記第2コンダクタンス調整バルブによって前記第1排気ポートからの排気流量を前記第2排気ポートからの排気流量よりも多くすることを特徴とする熱処理装置。 - 基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
略円筒形状の側壁を有するチャンバーと、
前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板に光を照射する光照射部と、
前記チャンバー内に処理ガスを供給するガス供給部と、
前記側壁の一部に設けられ、前記チャンバー内の気体を排出する排気ポートと、
前記側壁に前記排気ポートを覆うように取り付けられ、前記チャンバー内の気体を前記排気ポートに導く円環形状の排気リングと、
を備え、
前記排気リングは、
前記チャンバー内の気体を吸引する複数の排気口と、
前記複数の排気口と前記排気ポートとを連通接続し、前記複数の排気口から吸引した気体を前記排気リングの周方向に沿って前記排気ポートに流す円環形状のバッファ部と、
を備え、
前記複数の排気口の開口率は、前記排気リングの周方向に沿った前記排気ポートからの距離が遠くなるほど高くなることを特徴とする熱処理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017157407A JP2019036645A (ja) | 2017-08-17 | 2017-08-17 | 熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017157407A JP2019036645A (ja) | 2017-08-17 | 2017-08-17 | 熱処理装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019036645A true JP2019036645A (ja) | 2019-03-07 |
Family
ID=65637896
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2017157407A Pending JP2019036645A (ja) | 2017-08-17 | 2017-08-17 | 熱処理装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2019036645A (ja) |
-
2017
- 2017-08-17 JP JP2017157407A patent/JP2019036645A/ja active Pending
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