JP2019034469A - グラビア印刷用のシリンダロールの製造方法、及びグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、凹版を形成するめっき層の強度を十分に確保することのできるグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、筒状のシリンダの外周面における少なくとも凹版を形成する領域の全域に凹部を形成することと、シリンダの外周面における少なくとも凹部の形成された領域にめっき処理を施し、凹部を埋め且つ凹部よりも外側にまで出ためっき層を形成することと、めっき層の外周面に対して切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を施し、該外周面を仕上げ面にすることとを含む。【選択図】図5
Description
本発明は、グラビア印刷用のシリンダロールの製造方法、及びグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法に関する。
一般的に、グラビア印刷に用いられるシリンダロールは、円筒形状のシリンダと、該シリンダの外周を被覆しためっき層とを備え、めっき層の外周面に印刷のデザインに対応した凹版が形成される。
この種のシリンダロールは、所定数量(所定ロット)の印刷が完了すると、別のデザインを印刷可能に再生される。
具体的には、この種のシリンダロールにおいて、所定数量の印刷が完了すると、めっき層が除去(剥離)され、この除去によって露出するシリンダの外周面にめっき処理が施される。そして、新たなめっき層の外周面が研磨されることで、凹版を形成可能な凹凸の少ない或いは凹凸のない仕上げ面にされる。
これに伴い、この種のシリンダロールの製造時及び再生時において、めっき層がシリンダから剥離し易いように、シリンダの外周面が凹凸の少ない或いは凹凸のない面に仕上げられた上で、該外周面がめっき処理される(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記製造方法で製造されたシリンダロール及び上記再生方法で再生されたシリンダロールは、めっき層に作用する力の影響(印刷時における凹版に対する圧接力や研磨加工に伴う力の影響)により、めっき層がシリンダの外周面から剥離したり、めっき層が割れたりする虞がある。すなわち、従来の製造方法及び再生方法においては、再生するときにシリンダからめっき層を剥離することを考慮し、シリンダにおけるめっき層で被覆される面を滑面状に仕上げるため、シリンダロールの外周面(めっき層の外周面)に対して径方向の力が作用したときに、シリンダとめっき層との界面に滑り作用が生じ、めっき層が損傷してしまう虞がある。従って、従来の製造方法及び再生方法で得られたシリンダロールにおいて、凹版を形成する面の剛性が十分ではなかった。
そこで、本発明は、凹版を形成するめっき層の強度を十分に確保することのできるグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法及びグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法は、筒状のシリンダの外周面における少なくとも凹版を形成する領域と対応する領域の全域に凹部を形成することと、シリンダの外周面における少なくとも凹部の形成された領域にめっき処理を施し、凹部を埋め且つ凹部よりも外側にまで出ためっき層を形成することと、めっき層の外周面に対して切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を施し、該外周面を仕上げ面にすることとを含む。
かかる製造方法によれば、シリンダの外周面における少なくとも凹版を形成する領域と対応する領域の全域に凹部を形成するため、シリンダの外周面における表面積がシリンダの外周面を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面に加工した場合に比して大幅に広くなる。そのため、凹部の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層を形成すると、シリンダとめっき層とが密着する面積についても、シリンダの外周面を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面にめっき層を形成した場合に比して大幅に広くなる。
これにより、シリンダとめっき層との接続強度が高まる。さらに、めっき層が凹部を埋めるため、該めっき層の外周面を仕上げ面にするために切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を行う場合や、印刷を行う場合に、めっき層の損傷が防止される。すなわち、めっき層に対してシリンダの径方向の力が作用したときに、めっき層が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層の凹部を埋めた部分がめっき層とシリンダとの相対的な移動を規制する。
これによって、めっき層に仕上げ面を形成するときや印刷時において、めっき層がシリンダから剥離したり割れたりすることが防止される。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法の一態様として、シリンダの外周面に凹部を形成することには、シリンダの周方向に延びる無端環状の溝をシリンダロールの軸線方向に並べて複数形成することを含んでもよい。
かかる製造方法によれば、シリンダの外周面に対し、該シリンダの周方向に延びる無端環状の溝をシリンダロールの軸線方向に並べて複数形成するため、シリンダの外周面が該シリンダの軸心方向において凹凸形状になる。これに伴い、めっき層は、シリンダの軸心方向の複数箇所で溝(凹部)を埋めた状態で形成される。従って、めっき層に対してシリンダの径方向の力が作用したときに、めっき層が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層の複数の溝(凹部)を埋めた部分がめっき層とシリンダとの相対的な移動を規制する。これにより、めっき層の仕上げ面(凹版を形成する領域)が広範囲であっても、めっき層の変形や位置ずれに伴う損傷を防止できる。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法の他態様として、シリンダの外周面に凹部を形成することには、シリンダの周方向及びシリンダの軸線方向の合成方向に延びる螺旋状の溝を形成することを含んでもよい。
かかる製造方法によれば、シリンダの外周面に対し、該シリンダの周方向及びシリンダの軸線方向の合成方向に延びる螺旋状の溝(凹部)を形成するため、シリンダの外周面が該シリンダの軸心方向において凹凸形状になる。これに伴い、めっき層は、シリンダの軸心方向の複数箇所で溝(凹部)を埋めた状態で形成される。従って、めっき層に対してシリンダの径方向の力が作用したときに、めっき層が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層の溝(凹部)を埋めた部分がめっき層とシリンダとの相対的な移動を規制する。これにより、めっき層の仕上げ面(凹版を形成する領域)が広範囲であっても、めっき層の変形や位置ずれに伴う損傷を防止できる。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法の別の態様として、シリンダの外周面に凹部を形成することには、シリンダの中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝を形成することを含む。
かかる製造方法によれば、シリンダの外周面上に該シリンダの中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝(凹部)を形成し、溝(凹部)の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層を形成するため、めっき層に対してシリンダの径方向の力が作用したときに、シリンダがその力を分散した状態で受ける。
具体的には、シリンダの中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝(凹部)を形成すると、その溝(凹部)を画定する面は、外力の作用方向に対して交差する方向に広がった状態で形成される。これにより、めっき層の溝(凹部)を埋める部分にシリンダの径方向に力が作用した場合、溝(凹部)を画定する面のうちの外力の作用方向に対して交差する方向に広がった面がその力を受け、シリンダの径方向に作用する力をシリンダの径方向に対して交差する方向に分散させる。これにより、めっき層に対して集中的な力が作用することがなく、めっき層の損傷が防止される。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法の別の態様として、めっき層を形成することには、鉄成分を含むシリンダの外周面上に鉄成分を含むめっき層を形成することを含む。
上記製造方法によれば、シリンダ及びめっき層が同種の鉄成分を含むため、シリンダに対するめっき層の密着性が高くなり、シリンダとめっき層との接続強度が高くなる。また、めっき層が鉄成分を含むため、めっき層に対する加工(例えば、仕上げ面に加工することや、使用後に凹版を削り取る加工等)の制限が少なく、加工性の良いものになる。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法は、使用済みのシリンダロールの外周面上に形成された凹版を削り取ることと、凹版を削り取ったシリンダロールの外周面における少なくとも新たな凹版を形成する領域と対応する領域の全域に凹部を形成することと、シリンダロールの外周面における少なくとも凹部の形成された領域にめっき処理を施し、凹部を埋め且つ凹部よりも外側にまで出ためっき層を形成することと、めっき層の外周面に対して切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を施し、該外周面を仕上げ面にすることとを含む。
かかる再生方法によれば、シリンダロールの外周面における少なくとも凹版を形成する領域と対応する領域の全域に凹部を形成するため、シリンダロールの外周面における表面積がシリンダロールの外周面を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面に加工した場合に比して大幅に広くなる。そのため、凹部の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層を形成すると、シリンダロールとめっき層とが密着する面積についても、シリンダロールの外周面を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面にめっき層を形成した場合に比して大幅に広くなる。
これにより、シリンダロールとめっき層との接続強度が高まる。さらに、めっき層が凹部を埋めるため、該めっき層の外周面を仕上げ面にするために切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を行う場合や、印刷を行う場合に、めっき層の損傷が防止される。すなわち、めっき層に対してシリンダロールの径方向の力が作用したときに、めっき層が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層の凹部を埋めた部分がめっき層とシリンダロールとの相対的な移動を規制する。
これによって、めっき層に仕上げ面を形成するときや印刷時において、めっき層がシリンダロールから剥離したり割れたりすることが防止される。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法の一態様として、シリンダロールの外周面に凹部を形成することには、シリンダロールの周方向に延びる無端環状の溝をシリンダロールの軸線方向に並べて複数形成することを含んでもよい。
かかる再生方法によれば、シリンダロールの周方向に延びる無端環状の溝(凹部)をシリンダロールの軸線方向に並べて複数形成するため、シリンダロールの外周面が該シリンダロールの軸心方向において凹凸形状になる。これに伴い、めっき層は、シリンダロールの軸心方向の複数箇所で溝(凹部)を埋めた状態で形成される。従って、めっき層に対してシリンダロールの径方向の力が作用したときに、めっき層が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層の複数の溝(凹部)を埋めた部分がめっき層とシリンダロールとの相対的な移動を規制する。これにより、めっき層の仕上げ面(凹版を形成する領域)が広範囲であっても、めっき層の変形や位置ずれに伴う損傷を防止できる。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法の他態様として、シリンダロールの外周面に凹部を形成することには、シリンダロールの周方向及びシリンダロールの軸線方向の合成方向に延びる螺旋状の溝を形成することを含んでもよい。
かかる再生方法によれば、シリンダロールの外周面に対し、該シリンダロールの周方向及びシリンダロールの軸線方向の合成方向に延びる螺旋状の溝(凹部)を形成するため、シリンダロールの外周面が該シリンダロールの軸心方向において凹凸形状になる。これに伴い、めっき層は、シリンダロールの軸心方向の複数箇所で溝(凹部)を埋めた状態で形成される。従って、めっき層に対してシリンダロールの径方向の力が作用したときに、めっき層が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層の溝(凹部)を埋めた部分がめっき層とシリンダロールとの相対的な移動を規制する。これにより、めっき層の仕上げ面(凹版を形成する領域)が広範囲であっても、めっき層の変形や位置ずれに伴う損傷を防止できる。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法の別の態様として、シリンダロールの外周面に凹部を形成することには、シリンダロールの中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝を形成することを含んでもよい。
かかる再生方法によれば、シリンダロールの外周面上に該シリンダロールの中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝(凹部)を形成し、溝(凹部)の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層を形成するため、めっき層に対してシリンダロールの径方向の力が作用したときに、シリンダロールがその力を分散した状態で受ける。
具体的には、シリンダロールの中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝(凹部)を形成すると、その溝(凹部)を画定する面は、外力の作用方向に対して交差する方向に広がった状態で形成される。これにより、めっき層の溝(凹部)を埋める部分にシリンダロールの径方向に力が作用した場合、溝(凹部)を画定する面のうちの外力の作用方向に対して交差する方向に広がった面がその力を受け、シリンダロールの径方向に作用する力をシリンダロールの径方向に対して交差する方向に分散させる。これにより、めっき層に対して集中的な力が作用することがなく、めっき層の損傷が防止される。
本発明に係るグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法の別の態様として、めっき層を形成することには、鉄成分を含むシリンダロールの外周面上に鉄成分を含むめっき層を形成することを含んでもよい。
かかる再生方法によれば、シリンダロール及びめっき層が同種の鉄成分を含むため、シリンダロールに対するめっき層の密着性が高くなり、シリンダロールとめっき層との接続強度が高くなる。また、めっき層が鉄成分を含むため、めっき層に対する加工(例えば、仕上げ面に加工することや、使用後に凹版を削り取る加工等)の制限が少なく、加工性の良いものになる。
本発明は、凹版を形成するめっき層の強度を十分に確保することができるといった優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の一実施形態に係るグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法(以下、単に製造方法という)及びグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法(以下、単に再生方法という)について、添付図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態に係る製造方法及び再生方法の説明に先立ち、製造及び再生の対象とされるシリンダロールについて概略説明する。
図1に示す如く、シリンダロール1は、所謂、版胴であり、外周面20を有する筒状のシリンダ2と、シリンダ2の外周面20を被覆しためっき層3とを含む。
シリンダ2は、シリンダロール1の基材である。シリンダ2は、鉄成分を含む金属部材(例えば、一般構造用炭素鋼)によって、円筒形状に形成される。
めっき層3は、鉄成分を含む金属層である。めっき層3の外周面30は、要求される表面粗さの仕上げ面にされる。めっき層3の外周面(仕上げ面)30には、凹版4が形成される。凹版4は、レーザー彫刻によってめっき層3の外周面(仕上げ面)30に微小な窪み40を多数形成することで作成される。
シリンダロール1は、以上の通りである。続いて、上記構成のシリンダロール1の製造方法について説明する。
まず、筒状のシリンダ2が、図示しない加工装置(例えば、旋盤)にセットされ、図2に示す如く、シリンダ2の外周面20のうちの少なくとも凹版4の形成される領域と対応する領域に対して溝21が形成される。本実施形態において、シリンダ2の外周面20の全域が凹版4を形成する領域とされているため、シリンダ2の外周面20全域に凹部21が形成される。本実施形態において、シリンダ2の外周面20に凹部21として溝が形成される。
具体的には、加工装置(例えば、旋盤)にセットされ、自身の軸心を回転中心にして回転するシリンダ2の外周面20に対して切削工具(例えば、剣バイト)Tを押し当てることで、シリンダ2の外周面20上に周方向の延びた無端環状の溝21が形成される。
本実施形態において、シリンダ2の外周面20全域が凹版4を形成する領域とされる。これに伴い、一つの溝21が形成される度に、シリンダ2に対する切削工具(剣バイト)Tの押し付け位置を変更することで、図3に示す如く、シリンダ2の外周面20に複数の溝21が形成される。
本実施形態において、切削工具Tには、丸先剣バイトが採用される。これにより、溝21は、自身の延びる方向から見て、シリンダ2の中心側から外周側に向けて拡大している。すなわち、溝21は、自身の延びる方向(シリンダ2の軸線と直交する方向)に曲率中心線を有する円弧面を含む面によって画定される。
そして、外周面30に溝21の形成されたシリンダ2に対する洗浄処理が行われる。具体的には、シリンダ2に対し、アルカリ脱脂、水洗、酸洗い、水洗が施される。
このように洗浄処理されたシリンダ2の少なくとも外周面20に対し、めっき処理が施される。本実施形態において、シリンダ2の少なくとも外周面20に対し、鉄めっき処理が施される。
この鉄めっき処理において、めっき溶液は、220g/Lの塩化第一鉄と、120g/Lの硫酸第一鉄と、三価の鉄の悪影響を防止するための25g/Lのフッ化ナトリウムと、二価の鉄から三価の鉄への還元剤として5g/Lのピロガロールとが混合されたpH3.5混合液が使用される。そして、このめっき溶液を貯留しためっき槽に対しシリンダ2が浸積され、めっき溶液の温度(浴温)が、65℃に設定され、3A/dm2の電流密度で通電される。そして、この状態で所定時間放置することで、シリンダ2の外周面20上に鉄成分を含むめっき層3が形成される。なお、上記条件では、75時間で700μmのめっき層3が形成される。本実施形態の再生方法において、3cmの厚みのめっき層3を形成する。従って、シリンダ2は、上記の条件下で約3150時間放置される。
これにより、図4に示す如く、シリンダ2の外周面20上にめっき層3が形成される。本実施形態において、シリンダ2の外周面20に複数の溝21が形成されているため、めっき層3はこの複数の溝21の配置(形態)に対応するように形成される。すなわち、めっき層3の外周面31は、溝21と溝21の無い部分との形態に対応して凹凸面になる。
これに伴い、めっき層3の外周面31の凹凸が切削又は研磨によって除去され、図4及び図5に示す如く、凹凸のない或いは凹凸の少ない外周面30が形成される。そして、このめっき層3の外周面30が所定の仕上げ面に仕上げられる。なお、本実施形態において、所定の仕上げ面とは、凹版4をレーザー彫刻するためのレーザー光を全反射させない程度の面に仕上げることをいう。
そして、仕上げ面30に対し、レーザー彫刻によって新たなデザインの凹版4が形成される。
本実施形態において、めっき層3は、比較的厚い厚みで形成されているため、所定数量(所定ロット)の印刷が完了すると、シリンダロール1は、旋盤にセットされ、先のデザインの凹版4が切削工具Tで削り取られた上で、その切削面が仕上げ面30に仕上げ加工される。これにより、めっき層3の外周面30が凹版4を形成可能な仕上げ面30となる。このように、凹版4を削り取って、新たな仕上げ面30にすることが繰り返されるが、図6に示す如く、めっき層3の厚みが新たな凹版4を形成することのできない厚みになると、めっき層3が新調される。
具体的には、所定数量(所定ロット)の印刷が完了した使用済みのシリンダロール1は、図示しない加工装置(例えば、旋盤)にセットされ、図7に示す如く、切削工具(例えば、剣バイト)Tによって外周面30上の凹版4が削り取られる。ここでは、シリンダ2の外周面20がめっき層3によって被覆されたシリンダロール1を対象としているため、新たな凹版4の形成することのできないめっき層3が削り取られる。すなわち、シリンダ2の素地(鉄)が露出するまで、シリンダロール1の外周が削り取られる。本実施形態においては、少なくともシリンダ2の外周面20(製造時に形成した溝21の最大開口幅の位置する面20)が露出するまで、シリンダロール1の外周(めっき層3)が削り取られる。
そして、図8に示す如く、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20のうちの少なくとも凹版4の形成される領域と対応する領域の全域に対して凹部22が形成される。本実施形態において、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20の全域が凹版4を形成する領域とされているため、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20全域に凹部22が形成される。本実施形態において、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に凹部21として溝が形成される。
具体的には、加工装置(例えば、旋盤)にセットされ、自身の軸心を回転中心にして回転するシリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に対して切削工具(例えば、剣バイト)Tを押し当てることで、シリンダ2の外周面20上に周方向の延びた無端環状の溝22が形成される。
本実施形態において、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20全域が凹版4を形成する領域と対応した領域とされるため、一つの溝22が形成される度に、シリンダロール1(シリンダ2)に対する切削工具(剣バイト)Tの押し付け位置を変更することで、図9に示す如く、シリンダ2の外周面20に複数の溝22が形成される。
本実施形態において、切削工具Tには、丸先剣バイトが採用される。これにより、溝22は、自身の延びる方向から見て、シリンダ2の中心側から外周面30側に向けて拡大している。すなわち、溝22は、自身の延びる方向(シリンダ2の軸線と直交する方向)に曲率中心線を有する円弧面を含む面によって画定される。
本実施形態において、製造時に形成した溝21に沿って新たな溝22が形成される。すなわち、製造時に形成した溝21に埋まるめっき層3を削り取り、新たな溝22が形成される。
そして、外周面20に溝22の形成されたシリンダ2に対する洗浄処理が行われる。具体的には、シリンダ2に対し、アルカリ脱脂、水洗、酸洗い、水洗が施される。
このように洗浄処理されたシリンダ2の少なくとも外周面20に対し、めっき処理が施される。本実施形態において、シリンダ2の少なくとも外周面20に対し、鉄めっきが施される。
この鉄めっき処理において、めっき溶液は、220g/Lの塩化第一鉄と、120g/Lの硫酸第一鉄と、三価の鉄の悪影響を防止するための25g/Lのフッ化ナトリウムと、二価の鉄から三価の鉄への還元剤として5g/Lのピロガロールとが混合されたpH3.5混合液が使用される。そして、このめっき溶液を貯留しためっき槽に対しシリンダ2が浸積され、めっき溶液の温度(浴温)が、65℃に設定され、3A/dm2の電流密度で通電される。そして、この状態で所定時間放置することで、シリンダ2の外周面20上に鉄成分を含むめっき層3が形成される。なお、上記条件では、75時間で700μmのめっき層3が形成される。本実施形態の再生方法において、3cmの厚みのめっき層3を形成する。従って、シリンダ2は、上記の条件下で約3150時間放置される。
これにより、図10に示す如く、シリンダ2の外周面20上にめっき層3が形成される。本実施形態において、シリンダ2の外周面20に複数の溝22が形成されているため、めっき層3はこの複数の溝22の配置(形態)に対応するように形成される。すなわち、めっき層3の外周面31は、溝22と溝22の無い部分との形態に対応して凹凸面になる。
これに伴い、めっき層3の外周面31の凹凸が切削又は研磨によって除去され、図10及び図11に示す如く、凹凸のない或いは凹凸の少ない外周面30が形成される。そして、このめっき層3の外周面30が所定の仕上げ面に仕上げられる。なお、本実施形態において、所定の仕上げ面とは、凹版4をレーザー彫刻するためのレーザー光を全反射させない程度の面に仕上げることをいう。
そして、仕上げ面30に対し、レーザー彫刻によって新たなデザインの凹版4が形成される。
以上のように、本実施形態に係るシリンダロール1の製造方法は、筒状のシリンダ2の外周面20における少なくとも凹版4を形成する領域と対応する領域の全域に凹部21を形成することと、シリンダ2の外周面20における少なくとも凹部21の形成された領域にめっき処理を施し、凹部21を埋め且つ凹部21よりも外側にまで出ためっき層3を形成することと、めっき層3の外周面30に対して切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を施し、該外周面30を仕上げ面にすることとを含む。
上記製造方法によれば、シリンダ2の外周面20における少なくとも凹版4を形成する領域と対応する領域の全域に凹部21を形成するため、シリンダ2の外周面20における表面積がシリンダ2の外周面20を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面に加工した場合に比して大幅に広くなる。そのため、凹部21の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層3を形成すると、シリンダ2とめっき層3とが密着する面積についても、シリンダ2の外周面20を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面にめっき層3を形成した場合に比して大幅に広くなる。
これにより、シリンダ2とめっき層3との接続強度が高まる。さらに、めっき層3が凹部21を埋めるため、該めっき層3の外周面30を仕上げ面30にするために切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を行う場合や、印刷を行う場合に、めっき層3の損傷が防止される。すなわち、めっき層3に対してシリンダ2の径方向の力が作用したときに、めっき層3が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層3の凹部21を埋めた部分がめっき層3とシリンダ2との相対的な移動を規制する。
これによって、めっき層3に仕上げ面30を形成するときや印刷時において、めっき層3がシリンダ2から剥離したり割れたりすることが防止される。
本実施形態の製造方法において、シリンダ2の外周面20に凹部21を形成することには、シリンダ2の周方向に延びる無端環状の溝21をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成することを含む。
上記製造方法によれば、シリンダ2の周方向に延びる無端環状の溝(凹部)21をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成するため、シリンダ2の外周面20が該シリンダ2の軸心方向において凹凸形状になる。これに伴い、めっき層3は、シリンダ2の軸心方向の複数箇所の溝(凹部)21を埋めた状態で形成される。従って、めっき層3に対してシリンダ2の径方向の力が作用したときに、めっき層3が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層3の複数の溝(凹部)21を埋めた部分がめっき層3とシリンダ2との相対的な移動を規制する。これにより、めっき層3の仕上げ面30(凹版4を形成する領域)が広範囲であっても、めっき層3の変形や位置ずれに伴う損傷を防止できる。
本実施形態に係る製造方法において、シリンダ2の外周面20に凹部21を形成することには、シリンダ2の中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝21を形成することを含む。
上記製造方法によれば、シリンダ2の外周面20上に該シリンダ2の中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝(凹部)21を形成し、溝(凹部)21の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層3を形成するため、めっき層3に対してシリンダ2の径方向の力が作用したときに、シリンダ2がその力を分散した状態で受ける。
具体的には、シリンダ2の中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝(凹部)21を形成すると、その溝21を画定する面は、外力の作用方向に対して交差する方向に広がった状態で形成される。これにより、めっき層3の溝(凹部)21を埋める部分にシリンダ2の径方向に力が作用した場合、溝(凹部)21を画定する面のうちの外力の作用方向に対して交差する方向に広がった面がその力を受け、シリンダ2の径方向に作用する力をシリンダ2の径方向に対して交差する方向に分散させる。これにより、めっき層3に対して集中的な力が作用することがなく、めっき層3の損傷が防止される。
本実施形態に係る製造方法において、めっき層3を形成することには、鉄成分を含むシリンダ2の外周面上に鉄成分を含むめっき層3を形成することを含む。
上記製造方法によれば、シリンダ2及びめっき層3が同種の鉄成分を含むため、シリンダ2に対するめっき層3の密着性が高くなり、シリンダ2とめっき層3との接続強度が高くなる。また、めっき層3が鉄成分を含むため、めっき層3に対する加工(例えば、仕上げ面30に加工することや、使用後に凹版4を削り取る加工等)の制限が少なく、加工性の良いものになる。
本実施形態に係るシリンダロール1の再生方法は、使用済みのシリンダロール1の外周面30上に形成された凹版4を削り取ることと、凹版4を削り取ったシリンダロール1の外周面20における少なくとも新たな凹版4を形成する領域と対応する領域の全域に凹部22を形成することと、シリンダロール1の外周面20における少なくとも凹部22の形成された領域にめっき処理を施し、凹部22を埋め且つ凹部22よりも外側にまで出ためっき層3を形成することと、めっき層3の外周面30に対して切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を施し、該外周面30を仕上げ面にすることとを含む。
上記再生方法によれば、シリンダロール1の外周面20における少なくとも凹版4を形成する領域と対応する領域の全域に凹部22を形成するため、シリンダロール1の外周面30における表面積がシリンダロール1の外周面20を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面に加工した場合に比して大幅に広くなる。そのため、凹部22の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層3を形成すると、使用済みのシリンダロール1とめっき層3とが密着する面積についても、使用済みのシリンダロール1の外周面20を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面にめっき層3を形成した場合に比して大幅に広くなる。
これにより、シリンダロール1とめっき層3との接続強度が高まる。さらに、めっき層3が凹部22を埋めるため、該めっき層3の外周面30を仕上げ面にするために切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を行う場合や、印刷を行う場合に、めっき層3の損傷が防止される。すなわち、めっき層3に対してシリンダロール1の径方向の力が作用したときに、めっき層3が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層3の凹部22を埋めた部分がめっき層3の移動を規制する。
これによって、めっき層3に仕上げ面30を形成するときや印刷時において、めっき層3が剥離したり割れたりすることが防止される。
本実施形態に係る再生方法において、シリンダロール1の外周面20に凹部22を形成することには、シリンダロール1の周方向に延びる無端環状の溝22をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成することを含む。
上記再生方法によれば、シリンダロール1の周方向に延びる無端環状の溝(凹部)22をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成するため、シリンダロール1の外周面20が該シリンダロール1の軸心方向において凹凸形状になる。これに伴い、めっき層3は、シリンダロール1の軸心方向の複数箇所で溝(凹部)22を埋めた状態で形成される。従って、めっき層3に対してシリンダロール1の径方向の力が作用したときに、めっき層3が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層3の複数の溝(凹部)22を埋めた部分がめっき層3の移動を規制する。これにより、めっき層3の仕上げ面30(凹版4を形成する領域)が広範囲であっても、めっき層3の変形や位置ずれに伴う損傷を防止できる。
本実施形態に係る再生方法において、シリンダロール1の外周面20に凹部22を形成することには、シリンダロール1の中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝22を形成することを含む。
上記再生方法によれば、シリンダロール1の外周面20上に該シリンダロール1の中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝(凹部)22を形成し、溝(凹部)22の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層3を形成するため、めっき層3に対してシリンダロール1の径方向の力が作用したときに、シリンダロール1がその力を分散した状態で受ける。
具体的には、シリンダロール1の中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝(凹部)22を形成すると、その溝(凹部)22を画定する面は、外力の作用方向に対して交差する方向に広がった状態で形成される。これにより、めっき層3の溝(凹部)22を埋める部分にシリンダロール1の径方向に力が作用した場合、溝(凹部)22を画定する面のうちの外力の作用方向に対して交差する方向に広がった面がその力を受け、シリンダロール1の径方向に作用する力をシリンダロール1の径方向に対して交差する方向に分散させる。これにより、めっき層3に対して集中的な力が作用することがなく、めっき層3の損傷が防止される。
本実施形態に係る再生方法において、めっき層3を形成することには、鉄成分を含むシリンダロール1の外周面上に鉄成分を含むめっき層3を形成することを含む。
上記再生方法によれば、シリンダロール1及びめっき層3が同種の鉄成分を含むため、シリンダロール1に対するめっき層3の密着性が高くなり、シリンダロール1とめっき層3との接続強度が高くなる。また、めっき層3が鉄成分を含むため、めっき層3に対する加工(例えば、仕上げ面30に加工することや、使用後に凹版4を削り取る加工等)の制限が少なく、加工性の良いものになる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に凹部21,22として溝を形成したが、これに限定されない。例えば、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に凹部21,22として単一また複数の窪みを形成してもよい。このようにすれば、シリンダ2の外周面20における表面積がシリンダ2の外周面20を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面に加工した場合に比して大幅に広くなる。そのため、凹部21の形成された領域に対してめっき処理を施してめっき層3を形成すると、シリンダ2とめっき層3とが密着する面積についても、シリンダ2の外周面20を凹凸の少ない面或いは凹凸のない面にめっき層3を形成した場合に比して大幅に広くなる。
これにより、シリンダ2とめっき層3との接続強度が高まる。さらに、めっき層3が凹部21を埋めるため、該めっき層3の外周面30を仕上げ面30にするために切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を行う場合や、印刷を行う場合に、めっき層3の損傷が防止される。すなわち、めっき層3に対してシリンダ2の径方向の力が作用したときに、めっき層3が力の作用方向と交差する方向に変形或いは位置ずれを起こそうとしても、めっき層3の凹部21を埋めた部分がめっき層3とシリンダ2との相対的な移動を規制する。これにより、めっき層3に仕上げ面30を形成するときや印刷時において、めっき層3がシリンダ2から剥離したり割れたりすることが防止される。
なお、この場合においても、シリンダロール1に対して径方向の力が作用したときに、その力を分散させるべく、凹部21,22は、シリンダロール1(シリンダ2)の中心側から外周に向けて開口幅(或いは開口径)が拡大するように形成されることが好ましい。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、シリンダロール1(シリンダ2)の周方向に延びる無端環状の溝21,22をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成するに際し、隣り合う溝21,22同士を近接させたが、これに限定されない。例えば、図12に示す如く、シリンダロール1(シリンダ2)の周方向に延びる無端環状の溝21,22をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成するに際し、隣り合う溝21,22を周方向に間隔をあけて配置してもよい。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、シリンダロール1(シリンダ2)の周方向に延びる無端環状の溝21,22をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成するに際し、同形且つ同サイズの溝21,22を形成したが、これに限定されない。例えば、図13に示す如く、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に複数の溝21,22を形成するに当たり、シリンダロール1(シリンダ2)の外周に異なるサイズの溝21a,21b,22a,22bを形成してもよい。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、シリンダロール1(シリンダ2)の周方向に延びる無端環状の溝21,22をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成するに際し、周方向から見て形状及びサイズが一定の溝21,22を形成したが、これに限定されない。例えば、図14に示す如く、溝21,22を形成するに当たり、該溝21,22の延びる方向の複数箇所に深さの深い部分23を形成してもよい。すなわち、溝21,22の延びる方向における複数箇所に、溝21,22の底部分を窪ませた窪み部23を形成してもよい。このようにすれば、シリンダロール1(シリンダ2)とめっき層3との密着面積が溝21,22のみを形成した場合に比して広くなるとともに、めっき層3がシリンダロール1(シリンダ2)の窪み部23に入り込むため、シリンダロール1(シリンダ2)とめっき層3との接続が強固になる。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に周方向から見て半円弧状の溝21,22を形成したが、これに限定されない。例えば、図15に示す如く、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に周方向から見て逆三角形状の溝21,22を形成してもよいし、図16に示す如く、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に周方向から見て逆台形状の溝21,22を形成してもよい。このようにしても、溝21,22の開口幅がシリンダロール1(シリンダ2)の中心側から外周に向けて拡大し、溝21,22を画定する面が外力の作用方向に対して交差する面(傾斜面)を含むため、シリンダロール1(シリンダ2)の径方向の力が作用したときに、該力がシリンダロール1(シリンダ2)とめっき層3との界面において分散する。従って、上記実施形態と同様に、めっき層3に対して集中的な力が作用することが阻止されるため、めっき層3の破損が防止される。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に周方向に延びる溝21,22を形成したが、これに限定されない。例えば、図17及び図18に示す如く、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に該シリンダロール1(シリンダ2)の軸心方向に延びる複数の溝21,22を周方向に並べて形成してもよい。この場合においても、溝21,22は、図17に示す如く、自身の延びる方向から見て半円弧状又は半楕円弧に形成されてよいし、図18に示す如く、自身の延びる方向から見て逆三角形状に形成されてもよい。また、図示しないが、溝21,22は、自身の延びる方向から見て逆台形状に形成されてもよい。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に溝21,22を形成するに当たり、シリンダロール1(シリンダ2)の中心側から外周側に向けて開口幅が拡大する溝21,22を形成したが、これに限定されない。例えば、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に溝21,22を形成するに当たり、シリンダロール1(シリンダ2)の中心側から外周側に向けて開口幅が一定又は略一定の溝21,22(例えば、自身の延びる方向から見て矩形状の溝21,22)を形成してもよい。
また、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に溝21,22を形成するに当たり、シリンダロール1(シリンダ2)の中心側から外周側に向けて開口幅が縮小する溝21,22(例えば、自身の延びる方向から見て逆T字状や鉤形状の溝21,22)を形成してもよい。
このようにしても、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20を凹凸の少ない或いは凹凸のない面にした場合に比して、シリンダロール1(シリンダ2)とめっき層3との密着面積が大きくなるため、シリンダロール1(シリンダ2)とめっき層3との接続強度が高くなる。従って、めっき層3の剥がれや割れ等が防止される。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、シリンダロール1(シリンダ2)の周方向に延びる無端環状の溝21,22をシリンダロール1の軸線方向に並べて複数形成したが、これに限定されない。例えば、シリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に溝21,22を形成するに当たり、シリンダロール1(シリンダ2)の周方向及びシリンダロール1(シリンダ2)の軸線方向の合成方向に延びる螺旋状の溝21,22を形成してもよい。
上記実施形態の製造方法及び再生方法において、切削加工によってシリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に溝21,22を形成したが、これに限定されない。例えば、レーザー彫刻によってシリンダロール1(シリンダ2)の外周面20に溝21,22を形成してもよい。
上記実施形態の再生方法において、シリンダ2の外周面20が鉄成分を含むめっき層3で被覆されたシリンダロール1を対象に再生したが、再生されるシリンダロール1は、これに限定されない。本発明における再生方法の対象とされるシリンダロール1は、例えば、シリンダ2の外周面20がクロムや銅等のめっき層3で被覆されたものや、シリンダ2そのものがシリンダロール1とされたもの(シリンダロール1が単素材で形成されたもの)であってもよい。
クロムや銅等のめっき層3を有するシリンダロール1を再生する場合、凹版4を削り取るのに併せてめっき層3を削り取り、シリンダ2の外周面20に溝21,22を形成した上で、めっき層3を形成すればよい。この場合のめっき層3は、削り取っためっき層3と同種のものでもよいが、シリンダ2が鉄成分を含む素材で形成されている場合、上記実施形態と同様に、鉄成分を含むめっき層3を形成することが好ましい。
そして、シリンダ2そのものがシリンダロール1とされる場合、シリンダロール1の外周面30上の凹版4を削り取った後に該切削面に溝21,22を形成した上で、めっき層3を形成すればよい。この場合、クロムや銅等のめっき層3でもよいが、シリンダ2が鉄成分を含む素材で形成される場合、上記実施形態と同様に、鉄成分を含むめっき層3を形成することが好ましい。
1…シリンダロール、2…シリンダ、3…めっき層、4…凹版、20…外周面、21,22…溝(凹部)、23…窪み部、30…外周面(仕上げ面)、31…外周面、40…窪み、T…切削工具(バイト)
Claims (10)
- 筒状のシリンダの外周面における少なくとも凹版を形成する領域と対応する領域の全域に凹部を形成することと、シリンダの外周面における少なくとも凹部の形成された領域にめっき処理を施し、凹部を埋め且つ凹部よりも外側にまで出ためっき層を形成することと、めっき層の外周面に対して切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を施し、該外周面を仕上げ面にすることとを含むことを特徴とするグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法。
- シリンダの外周面に凹部を形成することには、シリンダの周方向に延びる無端環状の溝をシリンダロールの軸線方向に並べて複数形成することを含む請求項1に記載のグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法。
- シリンダの外周面に凹部を形成することには、シリンダの周方向及びシリンダの軸線方向の合成方向に延びる螺旋状の溝を形成することを含む請求項1に記載のグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法。
- シリンダの外周面に凹部を形成することには、シリンダの中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝を形成することを含む請求項1乃至3の何れか1項に記載のグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法。
- めっき層を形成することには、鉄成分を含むシリンダの外周面上に鉄成分を含むめっき層を形成することを含む請求項1乃至4の何れか1項に記載のグラビア印刷用のシリンダロールの製造方法。
- 使用済みのシリンダロールの外周面上に形成された凹版を削り取ることと、凹版を削り取ったシリンダロールの外周面における少なくとも新たな凹版を形成する領域と対応する領域の全域に凹部を形成することと、シリンダロールの外周面における少なくとも凹部の形成された領域にめっき処理を施し、凹部を埋め且つ凹部よりも外側にまで出ためっき層を形成することと、めっき層の外周面に対して切削加工及び研磨加工の少なくとも何れか一方を施し、該外周面を仕上げ面にすることとを含むことを特徴とするグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法。
- シリンダロールの外周面に凹部を形成することには、シリンダロールの周方向に延びる無端環状の溝をシリンダロールの軸線方向に並べて複数形成することを含む請求項6に記載のグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法。
- シリンダロールの外周面に凹部を形成することには、シリンダロールの周方向及びシリンダロールの軸線方向の合成方向に延びる螺旋状の溝を形成することを含む請求項6に記載のグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法。
- シリンダロールの外周面に凹部を形成することには、シリンダロールの中心側から外周に向けて開口幅が拡大する溝を形成することを含む請求項6乃至8の何れか1項に記載のグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法。
- めっき層を形成することには、鉄成分を含むシリンダロールの外周面上に鉄成分を含むめっき層を形成することを含む請求項6乃至9の何れか1項に記載のグラビア印刷用のシリンダロールの再生方法。
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2017
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