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JP2019033682A - 微生物培養システム及び微生物の培養方法 - Google Patents

微生物培養システム及び微生物の培養方法 Download PDF

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JP2019033682A
JP2019033682A JP2017155820A JP2017155820A JP2019033682A JP 2019033682 A JP2019033682 A JP 2019033682A JP 2017155820 A JP2017155820 A JP 2017155820A JP 2017155820 A JP2017155820 A JP 2017155820A JP 2019033682 A JP2019033682 A JP 2019033682A
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JP2017155820A
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幹夫 都筑
Mikio Tsuzuki
幹夫 都筑
万里 岩越
Mari Iwakoshi
万里 岩越
章 米谷
Akira Yonetani
章 米谷
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

【課題】 担体表面で微生物を増殖する培養システムにおいて、微生物を効率よく生産できる微生物培養システムを提供する。【解決手段】本発明は、気相中に配置して微生物を付着させるシート状の担体2と、担体2の上から培養液を供給する培養液供給部3と、担体2から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンク5Aとを備えた微生物培養システム1であって、少なくとも一部が担体2に覆われ、筒状に形成された側面部と、天面部と、底面部とを有した中空の気体放出槽4Aを有し、前記天面部、前記側面部又は前記底面部の少なくともいずれかに気体の導入口が形成され、前記側面部に前記気体を前記担体に向けて放出する孔が形成され、気体放出槽4Aが担体2の厚さ方向に気体を放出し、担体2に増殖した微生物を担体2から分離及び流下可能な微生物培養システム1である。【選択図】図1

Description

本発明は、微生物培養システムに関する。
地球温暖化その他の地球環境保護への対策として、温暖化ガスの排出を可及的に抑える取り組み等が各国の産業界に強く求められている。クロレラ等の微細藻類や光合成細菌などの微生物は、COを排出しないでエネルギー生産が可能な資源その他の産業上利用可能な資源として非常に有望視されており、商業レベルでの活用及び効率的な製造に期待が寄せられている。
クロレラ等の微細藻類をエネルギー資源その他の産業上の利用に供するためには、できるだけ低いコストで生産量を向上することが要求されるが、水中で微細藻類を大量培養する場合、大規模なプールやタンクを必要とする。したがって、用地の取得又は設備の大規模化による費用増大等の課題がある。
そこで、土地を有効活用して簡易な設備で単位面積当たりの生産量の向上を図るために、鉛直に立てた担体表面に培養液を自然流下させ、その担体表面で微細藻類等の微生物を継続して増殖させ、自然流下した培養液中から連続的に微生物を回収する培養システムが提案されている(例えば、特許文献1)。この方式では担体表面の薄い水膜が従来法のプール水面に相当し、光(人工光)・炭酸ガス・栄養素を得て順調に光合成がなされる。この方式を格納したユニットでは、担体一枚が同一面積の水面と同等あるいは以上の培養量を得ることおよび担体の並列多層装備により同一床面積当たりでプールなどの従来法の10倍20倍の収穫を期待できる。
さらにこのユニットを上下に積層することで、床面積当たりで従来手法の100倍の培養量確保も期待できる。
量のみならず、現状では国内外の生産地が太陽光の豊富な地域に限られている立地制約を克服し、極地や地下さらには宇宙空間でも培養可能になる。
特開2013−153744号公報
しかし、特許文献1に記載された培養システムは、微生物を回収する際に担体に付着した微生物を掻き出す等の作業が必要となって不便であり、また掻き出し作業時に微生物の培養を中断する必要が生じるため、生産効率が悪いという問題があった。
そこで、本発明は、微生物を効率よく回収できる微生物培養システムを提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)気相中に配置して微生物を付着させるシート状の担体と、前記担体の上から培養液を供給する培養液供給部と、前記担体から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンクとを備えた微生物培養システムであって、
側面部と、天面部と、底面部とを有して筐体状に形成され、これらのうちの少なくとも一部が前記担体に覆われた中空の気体/液体放出槽を有し、
前記天面部、前記側面部又は前記底面部の少なくともいずれかに気体及び/又は液体の導入口が形成され、
少なくとも前記側面部に前記気体及び/又は液体を前記担体に向けて放出する孔又は網目が形成され、
前記気体/液体放出槽が前記担体の厚さ方向に気体及び/又は液体を放出し、前記担体に増殖した微生物を前記担体から分離及び流下可能とした微生物培養システムに関し、
(2)前記孔は、前記側面部に複数形成されている(1)に記載の微生物培養システム、
(3)前記孔を形成する内面は、前記側面部の内側から外側に向かって拡径するテーパ状に形成されている(1)又は(2)に記載の微生物培養システム、
(4)前記網目は、平板状に配される第1の網部材により形成されている(1)に記載の微生物培養システム、
(5)前記担体の表面側に、網目を形成する平板状の第2の網部材が更に配され、前記担体が前記第1の網部材を有する前記側面部及び前記第2の網部材の間に配されている(4)に記載の微生物培養システム、
(6)前記担体が前記側面部に密着配置される(1)から(5)のいずれか一項に記載の微生物培養システム、
(7)前記担体は、パイル地を含んで形成されている(1)から(6)のいずれか一項に記載の微生物培養システム、
(8)前記担体及び前記液体放出槽の全体を液体に浸すプールを更に備えている(1)から(7)のいずれか一項に記載の微生物培養システム、
に関する。
本発明は、また、
(9)天面部、側面部及び底面部を有して中空の筐体状に形成されるとともに、少なくとも前記側面部に微生物を付着させることのできる孔又は網目が形成され、前記孔と中空部とを連通させている担体と、前記担体の上から培養液を供給する培養液供給部と、前記担体から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンクとを備えた微生物培養システムであって、
前記天面部、前記側面部又は前記底面部の少なくともいずれかに気体及び/または液体の中空部への導入口が形成され、
前記導入口から気体及び/又は液体を導入して前記中空部から前記側面部の前記孔を通して気体及び/又は液体を放出し、前記側面部の孔内に増殖した微生物を前記担体から分離及び流下可能とした微生物培養システムに関し、
(10)前記孔を形成する内面は、前記側面部の内側から外側に向かって拡径するテーパ状に形成されている(9)に記載の微生物培養システム、
(11)微生物が、微細藻類である(1)〜(10)のいずれか一項に記載の微生物培養システム、
に関する。
本発明は、また、
(12)微生物を付着させたシート状の担体を気相中に配置し、前記担体の上から培養液を供給して前記微生物を培養する工程と、増殖した前記微生物を回収する工程とを有する微生物の培養及び回収方法であって、
前記微生物を回収する工程において、前記担体の一方の面から他方の面に向けて気体圧、水圧、気体流又は水流を与え、前記担体に増殖した微生物を前記担体から分離させる微生物の培養及び回収方法に関し、
(13)前記担体の一方の面から他方の面に向けて気体圧、または気体流を与えると同時に、または、その後、前記担体の前記他方の面上に、水または培養液を流出させ、または噴霧する(12)に記載の微生物の培養及び回収方法、
に関する。
本発明は、また、
(14)微生物を付着させ気相中に配置するシート状の担体と、前記担体の上から培養液を供給する培養液供給部と、前記担体から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンクとを備え、側面部と、天面部と、底面部とを有して筐体状に形成され、これらのうちの少なくとも一部が前記担体に覆われた中空の気体/液体放出槽を備え、前記天面部、前記側面部及び前記底面部の少なくともいずれかに気体の導入口が形成され、前記側面部には、前記気体又は液体を前記担体に向けて放出する孔又は網目が形成された微生物培養システムを用いた微生物の培養方法であって、
気体/液体放出層に、二酸化炭素を供給する微生物の培養方法
に関する。
本発明は、また、
(15)微生物を付着させ気相中に配置するシート状の担体と、前記担体の上から培養液を供給する培養液供給部と、前記担体から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンクとを備え、側面部と、天面部と、底面部とを有して筐体状に形成され、これらのうちの少なくとも一部が前記担体に覆われた中空の気体/液体放出槽を備え、前記天面部、前記側面部及び前記底面部の少なくともいずれかに気体の導入口が形成され、前記側面部には、前記気体又は液体を前記担体に向けて放出する孔又は網目が形成された微生物培養システムを用いた微生物の培養方法であって、
前記担体に微生物を坦持すると同時又はその後、気体/液体放出槽内の気体を吸引する微生物の培養方法に関し、
(16)担体上に微生物を坦持する方法が、微生物を担体上に噴霧する、又は、培養液中に微生物を懸濁して担体に供給する方法である(15)に記載の微生物の培養方法、
に関する。
本発明の微生物培養システムは、担体の厚さ方向に気体又は液体を送入させることにより、微生物を揺らす等の物理的な変化を与えて増殖した微生物を担体から引き剥がすことができる。したがって、本発明は、微生物の回収に際して、担体に培養液を供給して微生物の培養を継続させつつ、担体に増殖させた微生物を効率よく回収できるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る微生物培養システムを模式的に示した斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る微生物培養システムの気体放出槽の変形例及び光源の設置例を模式的に示した平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る微生物培養システムを模式的に示した斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る微生物培養システムを模式的に示した斜視図である。 (a)本発明の第3の実施形態に係る微生物培養システムの気体/液体放出槽を示した分解斜視図である。(b)本発明の第3の実施形態に係る微生物培養システムの気体/液体放出槽の左側面図である。 本発明の第4の実施形態に係る微生物培養システムを模式的に示した斜視図である。 (a)本発明の第4の実施形態に係る微生物培養システムの気体/液体放出槽を示した分解斜視図である。(b)本発明の第4の実施形態に係る微生物培養システムの気体/液体放出槽の左側面図である。 本発明の第5の実施形態に係る微生物培養システムを模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の微生物培養システムの一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る微生物培養システムは、図1に模式的に示すように、微生物を培養するためのシステム1Aであって、周方向に延在しかつ鉛直方向に立設するように配置されたシート状の担体2と、担体2に培養液を供給する培養液供給部3と、内部から気体を送出可能な気体放出槽4Aと、担体2から流出した微生物を含む培養液を貯留する流出液タンク5Aと、流出液タンク5Aに貯留された培養液から分離された微生物を収容する収穫容器6と、流出液タンク5Aに貯留された培養液から分離した培養液を循環させる循環流路7と、全体を覆うケース(カバー部材)8と、担体2に光を照射する不図示の光照射部と、を備えている。
担体2は、微生物が付着できるとともに、上方から供給された培養液を内部に浸透させつつ流下させることが可能なものであれば特に限定されず、例えば、綿ブロード、リント布等からなる薄膜や、多孔質状の薄板等の内部に空隙を有する部材からなるものが挙げられる。微生物の大きさが数ミクロンから10数ミクロンであることから、これらが付着し増殖しやすい微細な突起または菌体の数倍程度の直径の孔を有する材が望ましい。
微生物の中には光照射部(光源)だけでなく、光量の少ない空間に生息するものもあるので、担体2を二重化して生息領域を確保することが好ましい場合もある。したがって、微生物の特性に応じて、上記の材質を組み合わせたハイブリッド構造の担体2も好ましい。
具体的には、担体2は、単位面積当たりの保水量が0.2g/cm以上であるものを好適に用いることができる。本明細書において、「保水量」とは、後述の実施例に記載する保水性試験で測定される値を意味する。本発明では、担体2の単位面積当たりの保水量が0.25g/cm以上であるものが好ましく、0.3g/cm以上であるものがより好ましい。
担体2の具体例としては、撚糸又は無撚糸のパイル地等が挙げられ、無撚糸のパイル地が好ましい。パイル地の素材としては特に限定されず、具体的には綿、絹、毛、アクリル、ポリエステル等が挙げられる。
担体2は、シート状に1枚設けられている。担体2の形態は、平板状に限定されるものではなく、円筒状や角筒状であってもよい。
培養液供給部3は、培養液を放出して担体2に供給するための部材である。この培養液供給部3は、管部材3aと、気体放出槽4Aに配される担体2の全体に培養液が行き渡るように、担体2及び気体放出槽4Aの側面部4aの少なくとも上端縁を覆う平板状又は錐形の培養液吐出部3bとを備えている。培養液吐出部3bの下面部には、少なくとも担体2の上端部に沿うように形成された不図示の吐出孔が形成されている。また、培養液供給部3は、培養液を連続的に供給することができるように、不図示の培養液貯留タンク及び養分補給タンクに接続されている。不図示の吐出孔は、鉛直下方に向けて設置されている。
培養液供給部3の培養液の供給能力は、培養液の担体2中の流下速度を5mL/h/m以上から6000mL/h/mまでとし得るものであることが望ましい。この変動幅は微生物の増殖に応じたものである。たとえばクロレラにおいては成長して4分裂し、16時間でそれぞれが分裂前の大きさに成長する。分裂当初は、養分は少量で足りるが成長期には十分に与えることが必要である。これにより、微生物の周囲を常に新鮮な培養液で満たして増殖を維持しつつ、微生物を培養液とともに連続して流下させることができる。また、随時、培養液の流速を変化させたり、担体2に振動等の衝撃を与えたりすることにより、担体2に付着している微生物の表層部を強制的に落下させると、下層部の光合成が活発になり増殖し回収量を増加させることができる。
気体放出槽4Aは、側面部4aと、天面部4bと、底面部4cとを有し、中空の円柱状に形成されている。
側面部4aは、図1には円筒形のものを例示しているが、内部空間を形成し得る筒状であれば、断面視矩形、その他の角筒状であってもかまわない。側面部4aは、外表面積ができるだけ大きく、内部空間の体積ができるだけ小さくなるように形成されていることが好ましく、例えば図2に平面視で示すような形状で設けられていてもよい。
側面部4aの筒形状をこのように形成することで、担体2を配置させることができる領域を大きくしつつ、側面部4a内の空間を出来るだけ小さくすることで気体圧を効率的に高めることができ、消費電力を出来るだけ抑えることが可能となる。なお、このような気体放出槽4Aの場合、図2に示すように光照射部9を設置するとよい。
側面部4aは、担体2の全体を配することができる面積を有し、担体2を密着して配することができるように担体2の端部を確実に固定することができるクリップ等の不図示の固定手段を有している。
図1に示すように、側面部4aには、気体を担体2に向けて放出する孔12が等間隔で複数形成されている。孔12の数及び径は、密着させた担体2の厚さ方向に気体を送り込むことによって担体2に培養された微生物の一部を担体2から振動又は分離させることができ、且つ担体2の全体に気体が送入できるように形成されている。
孔12の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、側面部4aの厚さ方向に一定の径寸法の円形に形成されている。なお、孔12は、側面部4aの内周面から外周面に向けて徐々に拡径するテーパ状に形成されていてもよい。
天面部4b及び底面部4cは、側面部4aの上端開口部及び下端開口部を隙間なく覆って閉塞することができるように形成されている。この構成により、気体放出槽4Aから気体を吐き出すことができるのは孔12のみとなっている。
本実施形態において、天面部4bは、略平板状に形成されている。天面部4bは、培養液供給部3から供給される培養液が効率よく担体2に流れるように、円錐形又は角錐形に形成されていてもよい。
天面部4bには、気体の導入口10が形成されている。導入口10には、不図示のコンプレッサを介して気体を送入する管11が取り付けられている。
管11は、不図示のコンプレッサに接続されており、所望の圧力で気体放出槽4A内に気体を送入できるようになっている。
また、管11には、不図示の開閉弁が取り付けられており、気体放出槽4A内に気体を送入しない場合には閉弁し、気体を送入する場合にのみ開弁できるようになっている。
底面部4cは略平板状に形成されており、担体2から流下する培養液及び微生物が液切れ良く流出液タンク5A内に落とされるように、側面部4aの下端14よりもやや上方において側面部4aの下方側開口部を塞いでいる。
以上のようにして形成された気体放出槽4Aは、脚部15に支持されている。
気体放出槽4Aをから担体2に送り込む気体としては、1〜10%程度のCOを含有する混合空気であるとよい。
微細藻類等の微生物の安定した細胞増殖を維持し、ガス(CO)交換をしやすくするために必要な最小限の水分及び/又は養分を与えるためには、植え付け量にもよるが、0.5m以上の担体の場合は、当初は1000mL/h/m以上、その後は徐々に増加させ5000mL/h/m2の流速で培養液を流すことが必要である。このため、培養液の流速が1500mL/h/mに至るまでは、流速の増加に伴い微生物の流出量も上昇するが、6000mL/h/m以上では流出量の伸びは鈍化する。好ましくは1500mL/h/m以上である。なお、培養液の流速は、担体2の表面の任意の箇所において測定した値である。
一方、流速が大きすぎると、微細藻類等の微生物が担体2に固着し難くなり、増殖率が低下する、養液相が厚くなりCOの交換が行い難くなる、又は物理的刺激により微生物等の微生物にストレスがかかる、といった問題が生じる。
なお、担体2が撚糸又は無撚糸のパイル地等が挙げられ、無撚糸のパイル地により形成されている場合には、担体2に微生物が強固に付着しやすく、微生物の育成が促進されるため、上記に示した以上の流速で培養液を供給することができる。
培養液としては、微生物を通常の方法により培養して、微生物の濃度を高めることが可能な培地の希釈液であれば、特に制限されず、培地としては、例えばCHU培地、JM培地、MDM培地などの一般的な無機培地を用いることが出来る。さらに、培地としては、ガンボーグB5培地、BG11培地、HSM培地の各種培地の希釈液が好ましい。無機培地には、窒素源としてCa(NO・4HOやKNO、NHClが、その他の主要な栄養成分としてKHPOやMgSO・7HO、FeSO・7HOなどが含まれる。また、培地には、微生物の生育に影響を与えない抗生物質等を添加してもよい。培地のpHは4〜10が好ましい。また、可能な場合には、各種産業から排出される廃水等も利用してよい。
流出液タンク5Aは、担体2から流出した微生物を含む培養液の貯留槽であり、担体2から流下する培養液を受けられるように上端が開口している。担体2から流出した微生物を含む培養液は、流出液タンク5A内において微生物を高濃度に含む沈殿と、微生物を殆ど含まない上清である培養液とに分離される。
収穫容器6は、流出液タンク5Aで分離された微生物を高濃度に含む沈殿を収容する容器である。
循環流路7は、流出液タンク5Aで分離された培養液(上清液)を回収して再度担体2に供給するためのものである。循環流路7上にはポンプPが設けてあり、これにより回収された培養液を担体2の上方まで汲み上げることができる。汲み上げられた培養液は再度担体2の上から連続的に供給される。再度担体2に供給される培養液は、流出液タンク5A内で分離された上清であるが、微生物を含んでいてもよい。
ケース8は、担体2、培養液供給部3、気体放出槽4A、流出液タンク5A及び循環流路7の全体を覆う外側カバー部材を構成している。ケース8は、少なくとも担体2及び気体放出槽4Aを覆っていれば、他の部材を覆っていることは必須ではない。
気体放出槽4A及び担体2をケース8によって覆うことにより、保温力が高まり、担体2の表面温度を一定に保ちやすくなる。
ケース8の材質は特に限定されず、ガラス、アクリル、ポリスチレン、塩化ビニル等の透明なものが挙げられる。なお、微生物培養システム1Aを用いて光合成を行わずに増殖できる微生物を培養する場合は、ケース8の材質は透明である必要はない。
ケース8内に気体放出槽4A付の担体2が複数設置される場合、流出液タンク5A、収穫容器6および循環流路7は個々に装備せずに共通の装備にすることができる。
不図示の光照射部は、担体2の全面に光を照射する部材であり、例えば、光源として板状をなす蛍光灯、有機EL又はLED等を備えており、適宜、増殖に適した波長や光量を有する光を照射するように構成している。光照射部が照射する光の波長は、380〜780nmの範囲であればよい。赤色光のみで増殖が可能な微細藻類等の微生物に対しては、光照射部は光合成に適した赤色光のみを照射できるとよい。なお、クロレラ等の微細藻類は赤色光のみで良好に増殖し得る。また、光照射部による光の照射は、連続照射でなくとも、100〜10,000Hzの間欠照射光であってもよい。更に、微生物培養システム1Aを屋外に設置し、太陽光を利用することも可能である。屋内設置のまま、太陽光を導入し、人工光と組み合わせることも有効である。
担体2が円筒状や四角管状である場合、担体2の内周面側にも光が照射されるように、担体2の中に棒状の光照射部を更に配置してもよい。
図1では、ケース8の外に光照射部を設置した態様であるが、光照射部はケース8の中に設置されていてもよい。
また、光照射部は、担体2の数に応じて複数設けられていてもよい。
ケース8内には、1〜40%程度のCOを含有する混合空気が充填しており、更にCOを適宜補充すべく送入可能になっていることが好ましく、1〜10%程度のCOを含有する混合空気中であれば、多くの微細藻類等の微生物に良好に光合成を行わせることができる。なお、大気を通気する場合でも微生物の増殖は、速度は遅くなるが、可能である。
或いは、気体放出槽4内に1〜100%程度のCOを含有する混合空気を微加圧状態で定量供給し、担体2を透過させつつ、更に流下している循環培養液にCOを溶かし込み、又は適宜制御しつつケース8に大気を導入させてもよい。COボンベと大気若しくは排ガスとを洗浄精製したガスを供給して流す方式により冷却する場合、COボンベの消費量若しくは精製設備が巨大となってしまう。したがって、流通ガスによらない冷水による循環培養液冷却設備が求められる。この場合、冷却設備は、35℃以下の循環温度の際に冷水を使用して冷却するものであるため、冷凍機が必要となる。これに対し、担体2内の通過によりCOを徐々に吸収させつつ供給する場合、CO放出は、一旦溶けたCOが担体2の表面を流下する際に温度制御用に流れている大気に放散される量だけとなるため、非常に少なくなる。またこの際、流下液の温度は、大気の導入による循環液の水の蒸発により制御される。更にまた、この場合は、微生物の酸欠対策にとっても非常に便宜的となる。すなわち、ケース8に大気を導入させる方法の場合、大気の導入だけで運転適切温度に管理することができ、COの排出ロスも抑えることができる。
なお、図1に示す微生物培養システム1Aではケース8を用いて保温性を高めているが、本発明の微生物培養システムでは、ケース8を用いずに微生物の培養を行うこともできる。
微生物培養システム1Aで培養対象とする微生物は特に限定されず、例えば、クロレラ(系統学的に分けられたパラクロレラを含む)、セネデスムス、ボトリオコッカス、スティココッカス、ナンノクロリス、デスモデスムス等の微細藻類等が挙げられ、より具体的には、Chlorella kessleri、Chlorella vulgaris、Chlorella saccharophila等のクロレラ;分子系統解析によりトレボキシア藻網として分類されるParachlorella kessleri(Chlorella kessleri);セネデスムス属に属するSenedesmus obliquus;スティココッカス属に属するStichococcus ampliformis、ナンノクロリス属に属するNannochloris bacillaris;デスモデスムス属に属するDesmodesmus subspicatus等が挙げられる。その他、付着性の珪藻やシュードコリシスティス、又はシアノバクテリア、更には小型の紅藻や緑藻も可能である。また、この中には、遺伝子組換えしたシアノバクテリアや微細藻類も含まれる。また、微生物培養システム1Aを用いて、例えば、オーランチオキトリウム等の光合成を行わない卵菌類を、有機廃液を用いて培養することも可能である。
本発明においては、培養対象とする微生物は光合成微生物であることが好ましく、その場合、微生物培養システム1Aは光照射部が必須である。
なお、微生物培養システム1Aを用いて光合成を行わずに増殖できる微生物を培養する場合は、光照射部はなくてもよい。
次に、微生物培養システム1Aの使用方法及び作用について説明する。
本発明の微生物培養システム1Aの使用を開始するには、担体2の上に載置しておいた脱脂綿等に微生物を付着させておく。微生物の付着方法は担体2に直接滴下あるいは塗布してもよい。微生物を担体2に速やかに又は確実に担持させるために、微生物を噴霧、滴下又は塗布するのと同時又はその後に、気体放出槽4Aを駆動させて気体放出槽4A内を負圧にし、孔12を通して担体2内の気体を吸引する方法を更に用いてもよい。気体放出槽4Aは、このように微生物の担体2への担持のための装置としても使用することができる。
担体2は、気体放出槽4Aの側面部4aに密着するように配置する。側面部4aは筒状に形成されているため、側面部4aを一周し得る長さの帯状の担体2を用意し、側面部4aの外表面に密着するように巻き付けて固定しておくことができる。そして、ケース8内に下から上に向けて1〜40%程度のCOを含む空気を送入しておく。
その上で、培養液供給部3から担体2中を5mL/h/m以上の速度で流下するように培養液を連続的に供給しつつ、380〜780nmの波長の赤色光を照射する。この光照射は植付当初は15−40μmolm−2−1程度の弱い光量とし、成長に従って100−150μmolm−2−1程度まで増量する。また、光合成生物の夜間に分裂をするという特性から、増殖初期には消灯時間を設けることも好ましい。この際、担体表面の液温および気温は、33〜37℃に設定しておく。
一定時間が経過すると、担体2に培養液が行き渡り、培養液供給部3から更に培養液が供給され、気体放出槽4Aの側面部4aの外周面に密接するよう配置された担体2が培養液を介して側面部4aの外周面にぴったりと密着し、この状態で微生物が培養される。
その後、一定量の微生物が培養されたら、気体放出槽4A内に一定の圧力で気体を送入する。気体の送入は、微生物が振動し得るように小刻みにしてもよい。そうすると、気体放出槽4Aから担体2の厚さ方向に送入される気体により微生物が振動して、付着している担体2の表面から分離して培養液と共に流下し、担体2の下端から培養液が流出液タンク5Aに流れ落ちる。
担体2から流下した微生物は流出液タンク5Aの培養液中に沈殿し、流出液タンク5Aの下方に設置された収穫容器6に取り込まれる。
一方、流出液タンク5A内に溜められた微生物の一部を含む培養液の上清液は、ポンプPにより汲み上げられ、循環流路7を経由して培養液供給部3に再供給され、担体2に繰り返し放出される。
微生物を含む培養液が培養液供給部3に再供給されることにより、不図示の培養液貯留タンクからの培養液の供給が調整され、不図示の養分補給タンクから必要な養分が培養液供給部3に適宜供給され、培養液と共に担体2に放出される。
また、分裂成長速度に応じて、定着している微細藻の表層を流下させることで下層部の光合成が活性化され、分裂増殖が始まる。
以上の動作を繰り返すことにより、微生物を連続的に培養しつつ、培養された微生物が収穫される。
このように構成した本実施形態に係る微生物培養システム1Aによれば、気体放出槽4Aから担体2に対して送り込まれる気体により、増殖した微生物を担体2から分離させて、効率的に微生物を回収することができる。したがって、本発明の微生物培養システム1Aによれば、微生物培養システム1Aの稼働を中断することなく微生物を培養しつつ回収できるため、微生物の生産効率を高めることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図3を用いて説明する。第2の実施形態について、第1の実施形態の微生物培養システム1Aと同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、主として微生物培養システム1Aと異なる点について説明する。
第2の実施形態の微生物培養システム1Bは、気体放出槽4Aに代えて液体放出槽4Bを用いる。微生物培養システム1Bは、液体放出槽4Bの内部空間に管11から培養液などの液体を送入し、孔12から担体2に向けて液体を放出して微生物を担体2から分離させる点で微生物培養システム1Aと異なっている。
液体放出槽4Bは、孔12から円滑かつ所望の圧力で液体を放出することができるように径及び数を設けている点を除いて、気体放出槽4Aと同じ構成で形成されている。液体放出槽4Bの側面部4a形状も、気体放出槽4Aと同様に、筒状で担体2の配置面積ができる限り広く、内部空間の体積ができる限り小さく形成されていればどのような形状であってもよい。
流出液タンク5Bは、流下する培養液をほぼ全て受けられるようになっていれば第1の実施形態の流出液タンク5Aと同様のものを使用してもよいが、側板が底板から培養液供給部3の培養液吐出部3bの上方まで立ち上がり、培養液吐出部3bの上方を覆って、担体2、培養液吐出部3b及び液体放出槽4Bを取り囲んでこれらを液密に封止できるものを用いることがより好ましい。なお、流出液タンク5Bは、少なくとも担体2及び液体放出槽4Bを培養液で浸すことができるプール状のものであって、微生物の培養に光照射部が必要である場合には透光性の高い材質で形成されていればよい。
このように少なくとも担体2及び液体放出槽4Bを取り囲んで封止できる流出液タンク5Bを用いた場合には、担体2の微生物がある程度増殖して回収可能になった際に、流出液タンク5B内を培養液で満たして、液体放出槽4Bから放出する培養液の差圧をなくすことが可能となる。
このような流出液タンク5Bを用いた場合には、流出液タンク5Bを培養液で浸した後は、ポンプPで流出液タンク5B内の培養液を流出液タンク5Bの外に汲み出しつつ培養を継続する。
なお、第1及び第2の実施形態の微生物培養システム1A,1Bの側面部4aは、複数の孔12が形成された円筒状の部材を用いた場合を一例として説明したが、側面部4aは、網部材により形成されたものであってもよい。
この場合、側面部4aに用いられる網部材としては、特に限定されないが、アルミニウム、ステンレス等の金属により形成された金網、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂等の樹脂;カーボン等からなるネットにより形成されているとよい。また、網目の大きさは、0.5mm〜10mmのものを用いることができ、1mm〜5mmが好ましい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図4に示すように、本実施形態の微生物培養システム1Cは、主に、直方体の筐体状ないし箱状に形成され、側面部4m,4m,4n,4nの少なくとも一部に担体2を配する網部材20を設けた気体/液体放出槽4Cを有している点で、微生物培養システム1A,1Bと異なっている。
具体的に、気体/液体放出槽4Cは、図5(a),(b)に示すように、天面部4b、底面部4c及びこれらの両端部同士を連結する一対の側面部4m,4mからなる枠体21と、枠体21の開口部21pを覆う網部材20を具備した一対の側面部4n,4nとを備えている。
網部材20を備えた側面部4n,4nの外周部と枠体21の開口端部とは隙間なく密着し、気体/液体放出槽4Cが略網目のみから気体及び/又は液体を放出するようになっている。
網部材20の表面には、網部材20全体覆うように担体2が配され固定されている。
枠体21を形成する底面部4cには、棒状の脚部22が設けられている。なお、気体/液体放出槽4Cを確実に支持できるのであれば、脚部22の形状及び本数は特に限定されない。
図4に示すように、枠体21の底面部4cには気体及び/又は液体を気体/液体放出槽4Cの内部空間へ導入するための管11が備えられている。管11には、気体及び/又は液体を圧送する不図示のコンプレッサが接続されている。
微生物培養システム1Cにおいて、培養液供給部3は管状に形成され、担体2の上方に位置するようにケース8の天板部8bの下面に不図示の固定部材等により固定されている。培養液供給部3の供給孔3cは、担体2に向けて、すなわち鉛直下方に向けられている。
図5(a)に示す網部材20は、特に限定されないが、アルミニウム、ステンレス等の金属;ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂等の樹脂;カーボン等からなるネットにより形成されている。
網目の大きさは、0.5mm〜10mmのものを用いることができ、1mm〜5mmが好ましい。
なお、網部材20は、側面部4nの一部に設けられていてもよい。その場合、網部材20以外の部分は、液密又は気密な部材により形成される。
次に、微生物培養システム1Cの使用方法及び作用について、微生物培養システム1Aと異なる点について説明する。
微生物培養システム1Cを稼働する準備として、まず、微生物を担持させた担体2を気体/液体放出槽4Cの網部材20の全体を覆うように配して固定する。この気体/液体放出槽4Cをケース8内に設置した上で、培養液供給部3から担体2に培養液を供給して微生物を培養する。なお、微生物の担体2への担持においては、第1の実施形態で示したように、気体/液体放出槽4C内を負圧にして担体2内の気体を吸引し、微生物を担体2に取り込んでもよい。
担体2に一定量の微生物が培養されたら、管11を通じて下方から気体/液体放出槽4C内に一定の圧力で気体を送入する。気体の送入は、微生物が振動し得るように小刻みにしてもよい。そうすると、気体は網部材20の網目を抜け、更に担体2の厚さ方向に送入され、微生物が振動して、付着している担体2の表面から分離して培養液と共に流下し、担体2の下端から培養液が流出液タンク5Aに流れ落ちる。
運転時の循環培養液中には微生物が存在しているが、希薄でありほぼ透明な状態になる。一方、剥離液には高濃度な微生物が存在する。その量は一回の剥離操作で担体に存在する微生物量に対し5〜30%の剥離量になる。この剥離回収液は、流出液タンクを切り替えて受けることにより、高濃度のまま遠心沈降機による濃縮する工程に送る事ができる。
担体2から微生物を分離するには、気体を用いるほか、液体を用いて剥離する方法を採用することもできる。液体で剥離する場合、気体/液体放出槽4Cの内側から網部材20の網目を通して水や培養液等を所定の水圧で送出し、担体2の厚さ方向に流し込む。この際、同時に担体2の表面に噴霧して又は液体を流して担体2に付着した微生物を剥離してもよい。又は、担体2を備えた枠体21が収まる大きさのプールに水や培養液等の液体を溜めておき、担体2及び網部材20が固定された枠体21を液体中に浸漬して徐々に引き上げることにより、流下する液体の自重で微生物を押し流す方法であってもよい。枠体21を液体中に浸漬して引き上げる場合、例えば30秒で250mmの速さで引き上げる。
担体2から微生物を分離するには、気体を用いる方法、液体で流下させる方法、液体中に浸漬する方法を適宜組み合わせることができる。
このように構成した本実施形態に係る微生物培養システム1Cによれば、気体及び/又は液体を用いて増殖した微生物を担体2から分離させて、効率的に微生物を回収することができる。担体2から微生物を分離するために気体及び/又は液体を用いる場合、微生物培養システム1Cの稼働を中断することなく微生物を培養しつつ回収できる。
枠体21を液体中に浸漬する場合は、枠体21を一旦ケース8から取り出して容器に浸漬する必要があるが、その後、枠体21を元の位置に戻すだけで、容易に培養を再開することができる。したがって、微生物培養システム1Cによれば、微生物の生産効率を高めることができる。
なお、微生物培養システム1Cは、枠体21の互いに対向する開口部、すなわち側面部4n,4nに網部材20を設けた例を示したが、他の側面部4m、天面部4b及び底面部4cにも網部材20が設けられていてもよい。微生物を気体等で流下させやすいことを考えると、少なくとも側面部4m,4mに網部材20が設けられていることが好ましい。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図6又は図7(a),(b)に示すように、第4の実施形態の微生物培養システム1Dは、第3の実施形態の気体/液体放出槽4Cを形成する一対の網部材(以下「第1の網部材20」という)に配された担体2の表面側に、第2の網部材31を更に配している。
第2の網部材31の素材及び網目の大きさは、第3の実施形態の微生物培養システム1Cにおいて用いられた網部材20と同様のものを用いることができる。なお、第2の網部材31は、担体2を保護するとともに、通過した気体又は水流の勢いを抑えつつ微生物の飛散を防止する目的で配されるものであるため、第1の網部材20よりも網目が大きく形成されていてもよい。
微生物培養システム1Dは、第2の網部材31により、担体2を保護し、かつ、担体2の裏面(一方の面)から表面(他方の面)に向けて気流又は水流等を送出した際に、担体2において培養された微生物が飛散することを抑えることができる。
前記目的に鑑みると、第2の網部材31は、担体2と隙間を空けて配されていてもよい。
なお、微生物培養システム1Dは、枠体21の互いに対向する両開口部に第1の網部材20及び第2の網部材31を設けた例を示したが、他の側面部4m、天面部4b及び底面部4cにも第1の網部材20及び第2の網部材31が設けられていてもよい。微生物を気体等で流下させやすいことを考えると、少なくとも側面部4m,4mに第1の網部材20及び第2の網部材31が設けられていることが好ましい。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態について、第1又は第2の実施形態の微生物培養システム1Aと同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、主として微生物培養システム1Aと異なる点について説明する。
図8に示すように、第5の実施形態の微生物培養システム1Eは、気体/液体放出槽4Cを担体2として兼用する点で、気体放出槽4A又は液体放出槽4Bにシート状の担体2を配した第1又は第2の実施形態の微生物培養システム1A,1Bと相違している。
具体的に、微生物培養システム1Eの気体/液体放出槽4Eは、側面部4a,天面部4b及び底面部4cを備え、中空の円筒状の筐体を形成している。そして、気体/液体放出槽4Cの側面部4aには、内部空間Sと連通している孔12が形成されている。なお、この場合に形成される孔12の内面についても、側面部4aの内周面から外周面に向かって拡開するテーパ状に形成されたものであってもよい。
気体/液体放出槽4Eは、気体放出槽4A及び液体放出槽4Bと同様の素材により形成可能である。気体/液体放出槽4Eの表面は、微細藻類が付着しやすいように粗面となる加工がされていることが好ましい。
気体/液体放出槽4Eが以上のように形成された微生物培養システム1Eは、孔12内等において微生物が増殖可能となり、筐体状に形成された気体/液体放出槽4Eの内部空間Sに気体を送入することで、孔12を形成する面に増殖した微生物を気体/液体放出槽4Cから分離させ流下可能となる。
本発明の微生物培養システム1Eは、このような構成によっても、第1及び第2の実施形態にて例示した作用、機能及び効果を奏する上に、構成がシンプルとなる。
なお、気体/液体放出槽4Eの側面部4aの周りには、側面部4aの表面との間に隙間を設けて、微生物及び培養液の飛散を防止し、気体/液体放出槽4Eの孔12から放出された微生物及び培養液を流出液タンク5Aに落とす不図示のカバー体が配されていてもよい。
また、気体/液体放出槽4Eとしては、円筒形上のものに限らず、上面視矩形又は多角形の中空の角柱状であってもよい。また、側面部4aは、網部材を有したものであってもよい。具体的には、例えば、図4に示す担体2を取り外して枠体21に網部材20を有した側面部4nを配した構成の気体/液体放出槽を用い、網部材20において微生物を培養してもよい。
この場合も、網部材20と間隔を空けて網部材20に平行に前述した第2の網部材31等と同様のカバーを配してもよい。
以上、本発明の微生物培養システム1A−1Eについて説明したが、本発明は前記各実施形態の構成を適宜組み合わせて微生物培養システムを構成してもよい。
また、本発明の微生物培養システムは、例えば、流出液タンク5A,5B等内に貯留した培養液からの微生物の回収は、ろ過、遠心処理、又は、自然沈降のいずれによってもよい。なお、微生物が細胞外に排出する物質を収穫する場合には、吸着や濃縮等のその他の方法を適用する。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限り、前述した種々の構成の一部又は全部を適宜組み合わせて構成してもよい。
以下に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図6に示すような培養システム1Dを用いてクロレラ(Chlorella kessleri 11h)を培養した。
担体2としては、幅150mm×長さ250mmの無撚糸で織りあげたパイル地(保水量:0.395g/cm)を2枚用いた。
担体2の「保水量」は、下記の方法で測定した。
[1]保水量を測定するサンプルは3cm×26cmの大きさで用意し、乾燥重量を測定した。
[2]十分量の水道水を入れた容器にサンプルを入れ3分間放置し、サンプルに十分に水を含ませた。
[3]ピンセットを使ってサンプルを容器から取り出し、持ち上げた状態で5秒間水が垂れ落ちるのを待って水を切った。
[4]水を含んだサンプルの重量を測定した。この時点で水が垂れても、垂れた水を含めた重量を測定した。
[5][4]で測定した重量からサンプルの乾燥重量を引き、サンプル1cmあたりに含まれる水の量を算出した。
測定は各サンプルにつき5回ずつ行い、平均値を「保水量(g/cm)」とした。
枠体21の開口部及び網部材21の寸法を共に幅150mm×長さ250mmの矩形とする枠体21及び側面部4n(枠部材21の四方に枠縁を有したもの)を用いた。
網部材21として、素材がステンレス・SUS304の金網で、網目の大きさが12メッシュのものを用いた。
この網部材21を備えた側面部4n,4n(それぞれ、上下左右の枠縁の幅は10mmであり、全体の寸法が縦270mm×横170mm)を枠体21(枠体21の上下左右の開口端面の幅は10mmであり、縦270mm×横170mm)の両端開口部に配置して枠縁部分において密着固定し、気体/液体放出槽4Dとした。
枠体21の奥行き寸法(すなわち側面部4n,4n間の寸法)は、3cmとした。
側面部4nの網部材20を覆うように上記担体2を配して固定した。
また、担体2の表面に、更に上記と同様の網部材21を配置して固定した。
なお、気体/液体放出槽4Dには減圧弁(図6においては図示せず)を接続しておいた。
循環流路7の下流側には、ポンプP(エーハイム社製1046)が設けてある。
ケース8としては、市販のガラスケース(ガラスの厚さ3mm)を用いた。
光照射部9としては、赤色LED(イフェクト社製)を用いた。
本培養システム1Dを用いて、管11からケース8内に下から上に向けて10%COを含む空気を1.0L/min程度の速度で導入し、それらを上から下に向けて循環させ、また流出液タンク5内の培地にバブリングしつつ、培養液として植物組織培養培地ガンボーグB5を10倍希釈したものを使用して、5400mL/h/mの速度で培養液を供給しつつ、8.3W/mの強度の赤色光を照射しながら、室温(33〜37℃)でクロレラの培養を行った。
担体2の表面温度は、培養中一定して33〜35℃であった。
担体2から流出したクロレラを含む培養液は、流出液タンク5に集めた。なお、流出液タンク5内でクロレラが増殖するのを防ぐため、流出液タンク5は黒い布で覆った。
培養開始後、約4から7日間培養を行い、目視による表面状況を確認後、剥離処理を行い、剥離量の測定値+剥離後の残量測定値から剥離前の付着量を算出し、運転方法の違いによる剥離状況の差を確認した。
枠体21の正面側に配された担体2の裏面(すなわち網部材20に対向させた面)に向けて気体を送出し、担体2の表面全体に純水を吹き付けた。この動作を連続して60秒間行った。この際の減圧弁のセット値は0.05MPaであった。
この実験では、剥離前に付着していたクロレラの量が51.7g/mで、クロレラの剥離量は、13.6g/mであり、培養された微生物の回収量は、約26%であった。
担体2に直接純水を噴霧すると、純水が直接に吹き付けられた箇所が優先的に剥離したため、剥離が斑になった。
[実施例2]
実施例1と同様にして担体2においてクロレラを培養した。
培養を開始し、約4から7日間培養を行い、目視による表面状況を確認後、微生物培養システム1Dから気体/液体放出槽4Dを取り外した。そして、気体/液体放出槽4Dの全体を、容器内に張った純水に浸漬させ、気体/液体放出槽4Dの外表面及び内部空間を純水で満たした。その後、気体/液体放出槽4Dを引き上げ速度250mm/30秒で引き上げた。
この実験では、剥離前に付着していたクロレラの量は、25.3g/mで、クロレラの剥離量は、8.5g/mであり、培養された微生物の回収量は、約34%であった。
なお、剥離の均一性は見られたが、剥離操作に要した純水量が多く得られた剥離液は非常に薄いものであった。
[実施例3]
実施例1と同様にして担体2においてクロレラを培養した。
培養を開始し、約4から7日間培養を行い、目視による表面状況を確認後、気体/液体放出槽4Dから前記担体2の裏面(すなわち網部材20に対向させていた面)に向けて気体を送出し、更に前記担体2の表面全体に純水を噴霧することにより加水した。この動作を連続して40秒間行った。この際の減圧弁のセット値は0.1MPaであった。
この実験では、剥離前に付着していたクロレラの量は、56.8g/mであった。クロレラの剥離量は、11.7g/mであり、培養された微生物の回収量は、約21%であった。担体2に直接液体を噴霧すると剥離が斑になった。
[実施例4]
実施例1と同様にして担体2においてクロレラを培養した。
培養を開始し、約4から7日間培養を行い、目視による表面状況を確認後、気体/液体放出槽4Dから前記担体2の裏面(すなわち網部材20に対向させていた面)に向けて気体を送出し、更に担体2の表面に直接に純水を掛けずに、側面部4nの上枠部分(すなわち網部材20の上部分)に純水を掛け、自然流下により加水した。この動作を連続して40秒間行った。この際の減圧弁のセット値は0.15MPaであった。
この実験では、剥離前に付着したクロレラの量は、36.5g/mであった。この方法によるクロレラの剥離量は、6.67g/mであり、培養された微生物の回収量は、約18%であった。
実施例1,3と比較して、目視上は、担体2に斑になっている部分が明らかに少なくなっていた。
1A−1E・・・微生物培養システム
2・・・担体
3・・・培養液供給部
4A・・・気体放出槽
4B・・・液体放出槽
4C−4E・・・気体/液体放出槽
6・・・収穫容器
7・・・循環流路
8・・・ケース

Claims (16)

  1. 気相中に配置して微生物を付着させるシート状の担体と、前記担体の上から培養液を供給する培養液供給部と、前記担体から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンクとを備えた微生物培養システムであって、
    側面部と、天面部と、底面部とを有して筐体状に形成され、これらのうちの少なくとも一部が前記担体に覆われた中空の気体/液体放出槽を有し、
    前記天面部、前記側面部又は前記底面部の少なくともいずれかに気体及び/又は液体の導入口が形成され、
    少なくとも前記側面部に前記気体及び/又は液体を前記担体に向けて放出する孔又は網目が形成され、
    前記気体/液体放出槽が前記担体の厚さ方向に気体及び/又は液体を放出し、前記担体に増殖した微生物を前記担体から分離及び流下可能とした微生物培養システム。
  2. 前記孔は、前記側面部に複数形成されている請求項1に記載の微生物培養システム。
  3. 前記孔を形成する内面は、前記側面部の内側から外側に向かって拡径するテーパ状に形成されている請求項1又は2に記載の微生物培養システム。
  4. 前記網目は、平板状に配される第1の網部材により形成されている請求項1に記載の微生物培養システム。
  5. 前記担体の表面側に、網目を形成する平板状の第2の網部材が更に配され、前記担体が前記第1の網部材を有する前記側面部及び前記第2の網部材の間に配されている請求項4に記載の微生物培養システム。
  6. 前記担体が前記側面部に密着配置される請求項1から5のいずれか一項に記載の微生物培養システム。
  7. 前記担体は、パイル地を含んで形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の微生物培養システム。
  8. 前記担体及び前記液体放出槽の全体を液体に浸すプールを更に備えている請求項1から7のいずれか一項に記載の微生物培養システム。
  9. 天面部、側面部及び底面部を有して中空の筐体状に形成されるとともに、少なくとも前記側面部に微生物を付着させることのできる孔又は網目が形成され、前記孔と中空部とを連通させている担体と、前記担体の上から培養液を供給する培養液供給部と、前記担体から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンクとを備えた微生物培養システムであって、
    前記天面部、前記側面部又は前記底面部の少なくともいずれかに気体及び/または液体の中空部への導入口が形成され、
    前記導入口から気体及び/又は液体を導入して前記中空部から前記側面部の前記孔を通して気体及び/又は液体を放出し、前記側面部の孔内に増殖した微生物を前記担体から分離及び流下可能とした微生物培養システム。
  10. 前記孔を形成する内面は、前記側面部の内側から外側に向かって拡径するテーパ状に形成されている請求項9に記載の微生物培養システム。
  11. 微生物が、微細藻類である請求項1〜10のいずれか一項に記載の微生物培養システム。
  12. 微生物を付着させたシート状の担体を気相中に配置し、前記担体の上から培養液を供給して前記微生物を培養する工程と、増殖した前記微生物を回収する工程とを有する微生物の培養及び回収方法であって、
    前記微生物を回収する工程において、前記担体の一方の面から他方の面に向けて気体圧、水圧、気体流又は水流を与え、前記担体に増殖した微生物を前記担体から分離させる微生物の培養及び回収方法。
  13. 前記担体の一方の面から他方の面に向けて気体圧、または気体流を与えると同時に、または、その後、前記担体の前記他方の面上に、水または培養液を流出させ、または噴霧する請求項12に記載の微生物の培養及び回収方法。
  14. 微生物を付着させ気相中に配置するシート状の担体と、前記担体の上から培養液を供給する培養液供給部と、前記担体から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンクとを備え、側面部と、天面部と、底面部とを有して筐体状に形成され、これらのうちの少なくとも一部が前記担体に覆われた中空の気体/液体放出槽を備え、前記天面部、前記側面部及び前記底面部の少なくともいずれかに気体の導入口が形成され、前記側面部には、前記気体又は液体を前記担体に向けて放出する孔又は網目が形成された微生物培養システムを用いた微生物の培養方法であって、
    気体/液体放出層に、二酸化炭素を供給する微生物の培養方法。
  15. 微生物を付着させ気相中に配置するシート状の担体と、前記担体の上から培養液を供給する培養液供給部と、前記担体から流出した前記微生物を含む培養液を貯留する流出液タンクとを備え、側面部と、天面部と、底面部とを有して筐体状に形成され、これらのうちの少なくとも一部が前記担体に覆われた中空の気体/液体放出槽を備え、前記天面部、前記側面部及び前記底面部の少なくともいずれかに気体の導入口が形成され、前記側面部には、前記気体又は液体を前記担体に向けて放出する孔又は網目が形成された微生物培養システムを用いた微生物の培養方法であって、
    前記担体に微生物を坦持すると同時又はその後、気体/液体放出槽内の気体を吸引する微生物の培養方法。
  16. 担体上に微生物を坦持する方法が、微生物を担体上に噴霧する、又は、培養液中に微生物を懸濁して担体に供給する方法である請求項15に記載の微生物の培養方法。
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