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JP2019032355A - 光拡散板および面発光装置 - Google Patents

光拡散板および面発光装置 Download PDF

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JP2019032355A
JP2019032355A JP2017151505A JP2017151505A JP2019032355A JP 2019032355 A JP2019032355 A JP 2019032355A JP 2017151505 A JP2017151505 A JP 2017151505A JP 2017151505 A JP2017151505 A JP 2017151505A JP 2019032355 A JP2019032355 A JP 2019032355A
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雄一 ▲桑▼原
雄一 ▲桑▼原
Yuichi Kuwabara
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】光散乱性に優れるとともに、耐熱性に優れる光拡散板およびそれを用いた面発光装置の提供。
【解決手段】ガラス基板と、前記ガラス基板の少なくとも一方の主面上に設けられた光散乱膜を有し、前記光散乱膜は、シリカを主成分とするマトリックス、鱗片状シリカ粒子およびシリカより屈折率が高い材料からなる光散乱性粒子を含有し、炭素含有量が30原子%以下であり、膜厚が1.0〜10μmである、光拡散板。
【選択図】図1

Description

本発明は、光拡散板および面発光装置に関する。
近年、液晶テレビおよび液晶モニターなどは大型化する傾向にあり、直下型バックライトユニットに用いられる光拡散板には高い輝度の均質性および強度が求められている。
このような要求に応じて、従来から樹脂製の光散乱板が用いられている。しかしながら、樹脂製の光拡散板は、その耐熱性および耐候性が低いため、光源と光拡散板との距離を近づけすぎると経時的に変形し、光源の形状が目立つようになること、輝度の均質性を維持しにくいことなどの問題がある。さらに、樹脂製の光拡散板は耐水性が低いため、長時間保管すると光拡散板の周辺から侵入した水を吸水することにより膨潤して変形するという問題がある。
これらの問題は、液晶テレビおよび液晶モニターなどの大型化に伴い、面内の温度分布や、外気からの湿気の面内の流入分布が生じやすく、樹脂製の光拡散板の反りに伴う表示ムラが生じやすいことにつながる。
上記課題を解決するため、樹脂マトリックスに各種粒子を分散させたコーティングによりガラス表面に光拡散層を形成させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、コーティングのマトリックスが樹脂成分で構成されており、依然として耐熱性が十分でない。
特開平10−130537号公報 特許第4826582号公報
本発明は、上記観点からなされたものであって、光散乱性に優れるとともに、耐熱性に優れる光拡散板およびそれを用いた面発光装置の提供を目的とする。
本発明は、ガラス基板と、ガラス基板の少なくとも一方の主面上に設けられた光散乱膜を有し、光散乱膜は、シリカを主成分とするマトリックス、鱗片状シリカ粒子およびシリカより屈折率が高い材料からなる光散乱性粒子を含有し、炭素含有量が30原子%以下であり、膜厚が1.0〜10μmである、光拡散板を提供する。
本発明は、また、本発明の光拡散板と、光拡散板の一方の主面に光を照射する複数の光源とを備える、面発光装置を提供する。
本発明によれば、光散乱性に優れるとともに、耐熱性に優れる光拡散板およびそれを用いた面発光装置が提供される。
実施形態の光拡散板の一例の断面図である。 実施形態の面発光装置の一例の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態を、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、変更または変形できる。
図1に示す光拡散板10は、ガラス基板11と、ガラス基板11の一方の主面上に設けられた光散乱膜12とを有する。光拡散板10は、一方の主面への入射光を拡散させながら他方の主面から透過させる光拡散板である。光拡散板10において、ガラス基板11側の主面S1を、光の入射を受ける入射面とした場合、光散乱膜12側の主面S2が発光面となる。反対に、光散乱膜12側の主面S2を入射面とし、ガラス基板11側の主面S1を発光面としてもよい。なお、光拡散板は、ガラス基板11の両方の主面に光散乱膜12を有する構成であってもよい。
光拡散板10において、光散乱膜12は、シリカを主成分とするマトリックス、鱗片状シリカ粒子およびシリカより屈折率が高い材料からなる光散乱性粒子を含有し、炭素含有量が30原子%以下であり、膜厚が1.0〜10μmである。光拡散板10は、光散乱膜12が上記構成を有することで、光散乱性に優れるとともに、耐熱性に優れる。
光拡散板10のヘイズは、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がいっそう好ましい。光拡散板10のヘイズが70%以上であれば、十分な光散乱性を有する。光拡散板10のヘイズは高いほどよく、そのためヘイズ上限は、100%が好ましい。ヘイズは、例えば、ヘイズメーター(村上色彩研究所社製、HR−100型)を用いて、JIS K7136:2000(ISO14782:1999)に記載された方法によって測定される。
また、本発明の光拡散板における波長550nmの全光線透過率は、1%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。本発明の光拡散板における波長550nmの全光線透過率は、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。波長550nmにおける全光線透過率は、分光光度計の積分球ユニットを用いて測定できる。波長550nmにおける全光線透過率は、検体の一方の主表面に対し入射角0゜で入射した波長550nmの入射光に対する、検体の他方の主表面に透過した全透過光の割合(百分率)を意味する。波長550nmにおける全光線透過率は、JIS K7361:1997(ISO 13468−1:1996)に記載された方法によって測定できる。本明細書において、特に断りのない限り全光線透過率は、波長550nmにおける全光線透過率である。なお、全光線透過率は、検体のいずれの主表面から光を入射した場合でも同じ値が得られる。
本発明によれば、例えば、300℃、30分の耐熱試験の前後における光拡散板10の、以下の方法で測定される色味変化(ΔE)を8以下にできる。色味変化(ΔE)は5以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。色味は、光拡散板の光散乱膜側に白色PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを載せた面を入射面として、D65光源、視野角2°、反射光、SCI処理、に設定し、カラーメータ(日本電色工業社製、SD−6000)を用いて測定し、L表色系で出力する。耐熱試験前をL*1*1*1とし、耐熱試験後をL*2*2*2とした場合、色味変化(ΔE)は以下の式で求められる。
ΔE=((a*1−a*2+(b*1−b*2+(L−L0.5
以下、光拡散板10が有する各構成について説明する。
(ガラス基板)
ガラス基板は、ガラスからなる基板であれば、特に制限されない。ガラスは、例えば、透明ガラスでもよく、分相ガラスまたは、結晶化ガラスであってもよい。透明ガラスとしては、例えばソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。
(光散乱膜12)
光散乱膜12は、シリカを主成分とするマトリックス(以下、マトリックス(M)ともいう。)、鱗片状シリカ粒子およびシリカより屈折率が高い材料からなる光散乱性粒子(以下、光散乱性粒子(D)ともいう。)を含有し、炭素含有量が30原子%以下である。
光散乱膜12はマトリックス(M)中に、鱗片状シリカ粒子および光散乱性粒子(D)が分散してなり、これにより光拡散板10は、例えばヘイズが70%以上の光散乱性を有する。さらに光散乱膜12の炭素含有量が30原子%以下であることで、光拡散板10は耐熱性に優れ、例えば、上記色味変化(ΔE)を8以下にできる。
光散乱膜12の膜厚は、1.0μm以上であれば光散乱性を発揮できる。光散乱膜12の膜厚は1.1μm以上が好ましく、1.2μm以上がより好ましい。光散乱膜12の膜厚が10μm以下であればクラックが発生する懸念がなく、クラックからの光の抜けによるヘイズ低下が抑制される。光散乱膜12の膜厚は、8μm以下が好ましい。
なお、光散乱膜12の炭素含有量は、耐熱性の観点から30原子%以下であり、20原子%以下が好ましい。耐熱性の観点からは光散乱膜12は炭素を全く含有しないのが最も好ましいが、耐クラック性等も考慮すると、光散乱膜12のマトリックス(M)が炭素を含有してもよい。
通常、光散乱性粒子(D)には無機粒子が用いられる。よって、光散乱性粒子(D)および鱗片状シリカ粒子は実質的に炭素を含有しない。
マトリックス(M)は、光散乱膜12の成膜成分であり、シリカを主成分とする。「シリカを主成分とする」とは、マトリックス(M)全量に対してSiOを50質量%以上含むことを意味する。マトリックス(M)は、シリカを主成分とすることで光散乱膜12の屈折率(反射率)が低くなりやすい。また、光散乱膜12の化学的安定性や、ガラス基板11との密着性が良好である。マトリックス(M)全量に対するシリカの含有量は、耐摩耗性や耐熱性の観点から、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、シリカ100質量%からなることが特に好ましい。
しかしながら、マトリックス(M)におけるシリカの含有量が多くなるほど、硬さが増し、厚膜化によりクラックや膜剥がれが発生しやすくなる。マトリックス(M)に炭素を含有させることで、マトリックス(M)は柔軟性が付与され、クラックや膜剥がれを抑制できる。このような観点から、マトリックス(M)は炭素を含有してもよく、その場合、マトリックス(M)全量に対する炭素含有量は、10原子%以上が好ましく、20原子%以上がより好ましい。ただし、上記耐熱性の観点から、マトリックス(M)の炭素含有量は、60原子%以下が好ましく、50原子%以下がより好ましい。
マトリックス(M)は、シリカおよび炭素以外の成分として、F、H、B、N等を少量含んでもよい。マトリックス(M)は、例えば、シリカ前駆体から得られる硬化物を主成分として構成される。なお、「シリカ前駆体」とは、シロキサン結合等によりシリカを主成分とする硬化物を形成し得る物質を意味する。マトリックス(M)は、シリカ前駆体から得られる硬化物のみからなってもよく、上記した成分を含んでいてもよい。ただし、上記した成分を含む場合であっても、マトリックス(M)として、シリカを主成分とすることを必須とし、シリカ含有量、炭素含有量が上記範囲内であることが好ましい。
その他の成分としては、以下の光散乱膜形成用の液状組成物が含有する成分において粒子以外の成分であって、光散乱膜となった際に残留する成分のうち、シリカ前駆体から得られる硬化物を除いた成分である。その他の成分としては、例えば、シリカ前駆体の硬化のための硬化剤、粒子の分散性を向上させるための分散剤、ガラス基板11への濡れ性を高める界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などのうち、光散乱膜に残留する成分が挙げられる。
光散乱膜12は、例えば、後述のようにして、シリカ前駆体と、鱗片状シリカ粒子および光散乱性粒子(D)を含む光散乱膜形成用の液状組成物(以下、液状組成物(X)という)を調製し、液状組成物(X)をガラス基板11の主面上に塗布し、これを硬化させることで形成できる。
シリカ前駆体としては、例えば、アルコキシシラン等の加水分解性基を有するシラン化合物やその加水分解縮合物、シラザン等が挙げられる。シリカ前駆体としては、アルコキシシランおよびその加水分解縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
アルコキシシランとしては、光散乱膜12に耐摩耗性および耐熱性を付与する観点からは、ケイ素原子に4個のアルコキシ基が結合したテトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等)の使用が好ましい。
アルコキシシランとしては、光散乱膜12のクラックや膜剥がれを防止する観点から、ケイ素原子に直接結合している炭素原子を有するアルコキシシラン、例えば、アルキル基を有するアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等)、ビニル基等のアルケニル基を有するアルコキシシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、フェニル基等のアリール基を有するアルコキシシラン等の使用が好ましい。
アルコキシシランとしては、さらに、各種要求に応じて、ケイ素原子にアルコキシ基以外の官能基が結合したアルコキシシラン、例えば、エポキシ基を有するアルコキシシラン(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)、アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシラン(3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等)、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン(パーフルオロポリエーテルトリエトキシシラン等)、パーフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン(パーフルオロエチルトリエトキシシラン等)等を使用してもよい。
シリカ前駆体として、さらに、アルコキシシランに加えて、加水分解性基を有するケイ素原子2つが2価の連結基を介して結合した構造のビスシランを用いてもよい。2価の連結基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等の2価の炭化水素基が挙げられる。2価の炭化水素基は、炭素原子間に−O−、−S−、−CO−および−NR’−(ただし、R’は水素原子または1価の炭化水素基である。)から選ばれる1つまたは2つ以上を組み合わせた基を有していてもよい。2価の連結基は、炭素数2〜8のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基がさらに好ましい。
加水分解性基は、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、イソシアネート基、ハロゲン原子等が挙げられる。アルコキシ基、イソシアネート基およびハロゲン原子(特に塩素原子)が好ましい。アルコキシ基としては、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。複数の加水分解性基は、同じであってもよく異なってもよい。入手しやすさの点では、同じであることが好ましい。
ビスシランが有するケイ素原子には、加水分解性基以外に水素原子または1価の炭化水素基が結合していてもよい。1価の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。1個のケイ素原子に結合する加水分解性基の数は、1〜3であり、反応速度が遅くなりすぎない点から、2または3が好ましく、3が特に好ましい。シリカ前駆体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ前駆体として、加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解縮合物を用いる場合、加水分解および縮合は、公知の方法により実施できる。例えば、テトラアルコキシシランの場合、テトラアルコキシシランの4倍モル以上の水、および触媒として酸またはアルカリを使用する。
酸としては、無機酸(HNO、HSO、HCl等。)、有機酸(ギ酸、シュウ酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸等。)が挙げられる。アルカリとしては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、pH10.5〜12の電解還元水等が挙げられる。触媒としては、アルコキシシランの加水分解縮合物の長期保存性の点から、酸が好ましい。
光散乱膜12におけるマトリックス(M)の割合は、鱗片状シリカ粒子および光散乱性粒子(D)を除いた割合であり、体積分率で、30〜90%が好まししく、40〜80%がより好ましい。体積分率としては、例えば、光散乱膜12の断面をSEM観察することで求められる面積分率をそのまま体積分率とみなして使用できる。
具体的には、光散乱膜12の膜厚方向の断面SEM画像について、膜厚方向に直交する方向の任意の幅1.5μmの範囲を、画像解析ソフトにより解析して、マトリックス(M)、鱗片状シリカ粒子、および光散乱性粒子(D)の面積分率(解析断面の全面積(厚さ×1.5μm)を100%とした場合の百分率(%))を求める。同様に光散乱膜12の膜厚方向の断面SEM画像について、別の任意の幅1.5μmの範囲を2箇所解析し面積分率を求める。最終的には、合計3箇所の厚さ×1.5μmの範囲についての面積分率を平均して評価に用いる。
(鱗片状シリカ粒子)
鱗片状シリカ粒子における「鱗片状」とは扁平な形状を意味する。粒子の形状は、透過型電子顕微鏡(以下、TEMとも記す。)を用いて確認できる。
光散乱膜12において鱗片状シリカ粒子は、光散乱膜12の主面の面方向に対して個々の厚さ方向が略垂直となる方向にマトリックス(M)中に配列、分散される。すなわち、光散乱膜12の主面の面方向に対して鱗片状シリカ粒子の面方向が平行となるように配列、分散される。そのため、鱗片状シリカ粒子は、光散乱膜12の製膜時に、シリカ前駆体が硬化してマトリックス(M)となる際の硬化収縮による応力の発生を抑制できる。
光散乱膜12における鱗片状シリカ粒子の体積分率は3〜40%が好ましく、5〜30%がより好ましい。鱗片状シリカ粒子の体積分率は3%以上であると光散乱膜12製膜時の硬化収縮による応力の発生を抑制できる。鱗片状シリカ粒子の体積分率は40%以下であると充分な機械強度が得られる。
鱗片状シリカ粒子は、例えば、薄片状のシリカ1次粒子と複数枚の薄片状のシリカ1次粒子が、互いに面間が平行的に配向し重なって形成されるシリカ2次粒子からなる。シリカ2次粒子は、通常、積層構造の粒子形態を有する。鱗片状シリカ粒子はシリカ1次粒子とシリカ2次粒子のいずれか一方のみからなるものでもよい。
鱗片状シリカ粒子の粒径は、平均最長粒子径と平均アスペクト比を用いて規定できる。鱗片状シリカ粒子の「平均最長粒子径」は、体積基準で求めた粒度(最長長さ)分布の全体積を100%とした累積体積分布曲線において50%となる点の粒子径、すなわち体積基準累積50%径(D50)とする。粒度分布は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定した頻度分布及び累積体積分布曲線で求められる。
鱗片状シリカ粒子の平均最長粒子径は、0.1μm以上であれば、膜厚が厚くても光散乱膜12のクラックや膜剥がれが十分に抑えられるので好ましく、0.3μm以上がより好ましい。鱗片状シリカ粒子の平均最長粒子径は、10μm以下であれば、液状組成物(X)における分散安定性が良好となるので好ましく、3μm以下がより好ましい。
鱗片状シリカ粒子の平均最長粒子径は、光散乱膜12の膜厚に対し0.05以上の比率であれば、光散乱膜12の主面の面方向に対して鱗片状シリカ粒子の面方向が平行となるように配列しやすく、ガラス面に対して平行方向の引っ張り応力が緩和されることでクラック抑制効果があるので好ましい。鱗片状シリカ粒子の平均最長粒子径は、光散乱膜12の膜厚に対し0.8以下の比率であれば光散乱膜12の均一性が維持されるので好ましい。平均最長粒子径/膜厚が十分に大きければ、鱗片状シリカ粒子の面方向がガラス面に対して平行に配列されやすくなる。
「アスペクト比」は、粒子の厚さに対する粒子径の比(最長長さ/厚さ)とし、「平均アスペクト比」は、無作為に選択された50個の粒子のアスペクト比の平均値である。粒子の厚さは、原子間力顕微鏡(以下、AFMとも記す。)によって測定され、最長長さは、TEMによって測定される。
シリカ1次粒子の厚さは、0.001〜0.1μmが好ましい。シリカ1次粒子の厚さが上記範囲内であれば、互いに面間が平行的に配向して1枚または複数枚重なった鱗片状のシリカ2次粒子を形成できる。シリカ1次粒子の平均アスペクト比は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。
シリカ2次粒子の厚さは、0.001〜1μmが好ましく、0.005〜0.5μmがより好ましい。シリカ2次粒子の厚さに対する平均アスペクト比は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。シリカ2次粒子は、融着することなく互いに独立に存在していることが好ましい。
鱗片状シリカ粒子は、市販のもの、それを加工したもの等を用いてもよく、製造したものを用いてもよい。鱗片状シリカ粒子は、粉体を用いてもよく、分散媒に分散させた分散液を用いてもよい。鱗片状シリカ粒子の市販品としては、例えば、AGCエスアイテック社製のサンラブリー(登録商標)シリーズが挙げられる。
光散乱性粒子(D)はシリカより屈折率が高い材料から構成される。シリカの屈折率は、1.46であり、シリカより屈折率が高い材料としては、無機材料が好ましく、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化インジウムおよび酸化スズから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。光散乱性粒子(D)の構成材料とシリカとの屈折率差は、高い光散乱性を得るために、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。このような観点から光散乱性粒子(D)は、酸化チタン粒子が特に好ましい。
光散乱性粒子(D)の形状としては、球状、楕円状、針状、板状、棒状、円すい状、円柱状、立方体状、長方体状、ダイヤモンド状、星状、鱗片状、不定形状等が挙げられる。光散乱性粒子(D)は、各粒子が独立した状態で存在していてもよく、各粒子が鎖状に連結していてもよく、各粒子が凝集していてもよい。各粒子が独立した状態で分散していることが好ましい。光散乱性粒子(D)は、中実粒子でもよく、中空粒子でもよく、多孔質粒子等の穴あき粒子でもよい。光散乱性粒子(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光散乱性粒子(D)の平均粒子径は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。光散乱性粒子(D)の平均粒子径は、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、5μm以下が特に好ましい。光散乱性粒子(D)の平均粒子径は、平均最長粒子径(ただし、光散乱性粒子(D)の形状が球状の場合は、粒子径に長短の差はない)であり、鱗片状シリカ粒子の粒径と同様の方法で求められる。
光散乱膜12における光散乱性粒子(D)の体積分率は5%以上であればマトリックス成分との屈折率界面が十分に形成されるので好ましく、10%以上がより好ましい。光散乱膜12における光散乱性粒子(D)の体積分率は50%以下であれば良好な光散乱性が得られるので好ましく、40%以下がより好ましい。
光散乱性粒子(D)が酸化チタン粒子の場合、粒子形状は球状、針状、板状等が好ましく、平均粒子径は、0.3〜5.0μmが好ましい。光散乱性粒子(D)が酸化チタン粒子の場合、光散乱膜12におけるチタン含有量は3原子%以上であればマトリックス成分との屈折率界面が形成されるので好ましい。また、光散乱膜12におけるチタン含有量は60原子%以下であれば良好な光散乱性が得られるので好ましい。光散乱膜12におけるチタン含有量は50原子%以下がより好ましく、40原子%以下が特に好ましい。
光散乱膜12は、必要に応じて、鱗片状シリカ粒子、光散乱性粒子(D)以外のその他の粒子を含有してもよい。その他の粒子としては、例えば、球状シリカ粒子等が挙げられる。
ガラス基板11の主面上に光散乱膜12を製膜するには、まず、シリカ前駆体、鱗片状シリカ粒子および光散乱性粒子(D)を含む液状組成物(X)を調製する。液状組成物(X)は通常、液状媒体を含有する。液状組成物(X)におけるシリカ前駆体の含有量は、固形分全量に対してSiO換算で10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。液状組成物(X)の固形分は、液状組成物(X)において、液状媒体等の光散乱膜12の成形過程で消失する成分を除く全成分の含有量の合計であり、シリカ前駆体の含有量は、SiO換算の含有量である。
液状組成物(X)における鱗片状シリカ粒子の含有量は、固形分全量に対して、2〜60質量%が好ましく、4〜40質量%がより好ましい。液状組成物(X)における光散乱性粒子(D)の含有量は、固形分全量に対して、8〜80質量%が好ましく、12〜80質量%がより好ましい。
液状媒体は、シリカ前駆体を溶解または分散させるものであり、鱗片状シリカ粒子および光散乱性粒子(D)を分散させるものである。すなわち、液状媒体は、シリカ前駆体を溶解または分散する溶媒または分散媒としての機能と、鱗片状シリカ粒子および光散乱性粒子(D)を分散する分散媒としての機能の両方を有するものであってもよい。
液状媒体としては、例えば、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物、含硫黄化合物等が挙げられる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
セロソルブ類としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。含窒素化合物としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。含硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。液状媒体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ前駆体がアルコキシシランの加水分解縮合物を含む場合、アルコキシシランの加水分解に水が必要となるため、アルコキシシランの加水分解後に液状媒体の置換を行わない限り、液状媒体には少なくとも水が含まれる。
液状媒体は、水と他の液体との混合液であってもよい。他の液体としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物、含硫黄化合物等が挙げられる。他の液体のうち、シリカ前駆体の溶媒としては、アルコール類が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールが特に好ましい。
液状組成物(X)中の液状媒体の含有量は、液状組成物(X)の固形分濃度に応じた量とされる。液状組成物(X)の固形分濃度は、液状組成物(X)の全量(100質量%)に対し、0.05〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。固形分濃度が上記範囲の下限値以上であれば、液状組成物(X)の液量を少なくできる。固形分濃度が上記範囲の上限値以下であれば、光散乱膜12の膜厚の均一性が向上する。
液状組成物(X)は、さらに本発明の目的を損なわない限り、必要に応じてシリカ前駆体の硬化のための硬化剤や、その他の成分を含んでもよい。その他の成分は、例えば、鱗片状シリカ粒子や光散乱性粒子(D)の分散性を向上させるための分散剤、ガラス基板11への濡れ性を高める界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などが例示される。
液状組成物(X)は、次いでガラス基板11の主面上に塗布され、必要に応じて乾燥や硬化処理することにより形成される。
液状組成物(X)を塗布する方法は、例えば、スプレーコート法、スキージコート法、フローコート法、バーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ダイコート法などの公知の方法を、特に制限なく適用できる。塗布方法はスプレーコート法が特に好ましい。
液状組成物(X)の塗布を、スプレーコート法により行う場合、例えば、回転霧化頭を備える静電塗装ガンを有する静電塗装装置を用いて、液状組成物(X)を帯電させガラス基板11の主面上に噴霧することにより塗布できる。これにより、ガラス基板11の主面上に、液状組成物(X)の塗膜が形成される。静電塗装装置は、ガン本体と、回転霧化頭とを備え、回転霧化頭を回転駆動することにより、回転霧化頭に供給された液状組成物(X)を遠心力により霧化して放出することで、液状組成物(X)をガラス基板11の主面に向けて噴霧する。
静電塗装装置は、回転霧化頭を備える静電塗装ガンを備えるものであれば、公知の静電塗装装置を採用できる。静電塗装ガンは、回転霧化頭を備えるものであれば、公知の静電塗装ガンを採用できる。
液状組成物(X)の硬化は通常加熱により行う。液状組成物(X)の硬化は、ガラス基板11に塗布する際にガラス基板11を加熱することによって塗布と同時に行ってもよく、液状組成物(X)をガラス基板11に塗布した後、塗膜を加熱することによって行ってもよい。加熱温度は、30℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。加熱温度は700°以下が好ましく、400°以下がより好ましい。
得られる光散乱膜12において、波長550nmの全光線透過率は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。波長550nmの全光線透過率は、70%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。また、得られる光散乱膜12の表面S2は、平坦であってもよく、微細な凹凸構造、例えば、JIS B0601−2001に規定される算術平均粗さRaが0.01〜0.1μm程度の凹凸の構造を有していてもよい。
以上、本発明の光拡散板について、ガラス基板11の一方の主面上に光散乱膜12を有する光拡散板10を例に説明したが、光拡散板10を、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、変更または変形できる。例えば、本発明の光拡散板は必要に応じて、ガラス基板11の主面上に光散乱膜12以外の耐擦傷性層、アルカリバリア層、防汚層、導電層等の他の層を有してもよい。また、ガラス基板11の光散乱膜12が形成されない主面S1に微細な凹凸構造、例えば、中心線平均粗さが50μm以下、凹凸部の平均間隔が5mm以下の凹凸の構造を設けてもよい。
[面発光装置]
本発明の面発光装置は、本発明の光拡散板と、光拡散板の一方の主面に光を照射する複数の光源とを備える。図2は、例えば、図1に示す実施形態の光拡散板を用いた、実施形態の面発光装置の一例の断面図である。
面発光装置20は、例えば、フレーム23と、フレーム23に支持される複数の光源21と、複数の光源21からの光を拡散透過させる光拡散板10と、複数の光源21からの光を光拡散板10に向けて反射する光反射板22とを有する。
光拡散板10は、ガラス基板11側の主面S1を入射面、光散乱膜12側の主面S2を発光面として、入射面S1が複数の光源21および光反射板22に対向するように配置されている。光拡散板10は、複数の光源21からの光を、ガラス基板11側の入射面S1から光散乱膜12側の発光面S2に拡散透過させる。面発光装置20において、光拡散板10の発光面S2が、面発光装置20の発光面となる。
面発光装置20は本発明の光拡散板10を用いることにより、光散乱性に優れるとともに、耐熱性を有する。そのため、光拡散板10と光源21との間隔を小さくしても発光面の色味の経時変化が殆どなく、面発光装置20の薄型化が可能となる。光拡散板10の入射面S1や発光面S2の対角線長さは、面発光装置20の大面積化のため、好ましくは1200mm以上である。
光拡散板10と各光源21との間隔は、面発光装置20の薄型化のため、好ましくは、15mm以下、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは8mm以下、特に好ましくは6mm以下である。光拡散板10と各光源21との間隔は、各光源21からの光が入射面S1の狭い範囲に集中しないように、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上である。
複数の光源21は、同一平面上に行列状に並べられてよい。各光源21は、例えば発光ダイオード(LED)である。LEDは、特に制限されないが、例えば白色LEDである。なお、各光源21は、冷陰極管などであってもよい。
光反射板22は、光拡散板10の発光面S2の輝度を高めるために、光源21を基準として光拡散板10とは反対側に設けられ、複数の光源21からの光を光拡散板10に向けて反射する。光反射板22による光の反射は、正反射、拡散反射のいずれでもよい。
フレーム23は、複数の光源21と、光拡散板10と、光反射板22とを支持する。図2に示すように複数の光源21が光反射板22に固定される場合、フレーム23は光反射板22を支持することで複数の光源21を支持する。なお、複数の光源21は専用の固定板に固定されてもよく、フレーム23は固定板を支持することで複数の光源21を支持してよい。
面発光装置20は、例えば、液晶表示装置の直下型のバックライトとして用いられ、液晶パネルの背面側に配設され、液晶パネルに光を照射する。
なお、面発光装置20は、その発光面がユーザの視線またはその延長線と交わるものであればよく、その用途は特に制限されない。例えば、面発光装置20は、部屋の室内を照らす照明装置として用いられてもよい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によっては限定されない。図1に示すのと同様のガラス基板11の一方の主面上に光散乱膜12が積層されてなる光拡散板10を作製し評価した。例1〜3が実施例であり、例4〜9が比較例である。
[例1]
(液状組成物(X)の調製)
変性エタノール(日本アルコール販売社製、ソルミックス(登録商標)AP−11、エタノール85質量%、イソプロピルアルコール10質量%、メタノール5質量%の混合溶媒。)に、蒸留水、テトラエトキシシラン(信越シリコーン社製、KBE−04)、メチルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−13)、鱗片状シリカ粒子分散液(AGCエスアイテック社製、サンラブリーLFS HN150を解砕し、水に分散させた鱗片状シリカ粒子(平均最長粒子径:175nm、平均アスペクト比(平均最長粒子径/平均厚み):80、鱗片状シリカ粒子濃度5質量%)の分散液)、チタニア粒子(KRONOS社製、KR−310、平均粒子径:400nm)をこの順に加え、30分間撹拌した。シリカ前駆体であるテトラエトキシシラン(TEOS)とメチルトリメトキシシラン(MTMS)の質量比(TEOS:MTMS)は、0.7:0.3であった。
次に、この溶液に、イオン交換水および硝酸水溶液(硝酸濃度:61質量%)を加え、60分間撹拌した。以上の工程により、液状組成物(X)が調製された。液状組成物(X)中のTEOS、MTMS、鱗片状シリカ粒子、およびチタニア粒子の固形分濃度比(質量比)は、28:12:12:48であり、総固形分濃度は5.0質量%であった。なお、得られる光散乱膜におけるマトリックスは、TEOSおよびMTMSの硬化物からなり、シリカ含有量は83質量%である。例2〜8においても同様である。
(光拡散板の作製)
縦100mm×横100mm×厚さ5mmの寸法のガラス基板(ソーダライムガラス(旭硝子株式会社製、FL5)を準備した。このガラス基板を洗浄、乾燥後、その一方の主面(100mm×100mmの一方の領域)に、上記で得られた液状組成物(X)を、静電塗装装置(液体静電コーター、旭サナック社製)によって塗布して塗膜を形成した。静電塗装装置の静電塗装ガンとしては、回転霧化式静電自動ガン(旭サナック社製、サンベル、ESA120、カップ径70mm)を用いた。
静電塗装装置のコーティングブース内の温度を25±1.5℃の範囲内、湿度を50%±10%の範囲内に調節した。静電塗装装置のチェーンコンベア上に、あらかじめ30℃±3℃に加熱しておいたガラス基板を、ステンレス板を介して配置した。チェーンコンベアで3.0m/分で等速搬送しながら、ガラス基板の一方の主面上に、静電塗装法によって、25±1.5℃の範囲内の温度の液状組成物(X)を3回塗布した。塗布流量は100cm/分とした。得られた塗膜付きのガラス基板を120℃で10分間加熱して、ガラス基板の一方の主面上に光散乱膜が積層されてなる光拡散板を得た。
[例2〜8]
液状組成物(X)における、TEOS、MTMS、鱗片状シリカ粒子、およびチタニア粒子の各濃度を表1のとおり変更し、光散乱膜作製の際の塗布流量、塗工回数を表1のとおり変更した以外は、例1と同様の方法により、光拡散板を製造した。
[例9]
白インキ(帝国インキ社製Z;GL−HF679)を、ベーカー式アプリケータ(1mill)を用いて例1と同様のガラス基板に塗工したものを、150℃の電気炉で30分間加熱することで、ガラス基板の一方の主面上に光散乱膜が積層されてなる光拡散板を製造した。なお、得られた光散乱膜は、マトリックスの樹脂中に白色粉体(チタニア粒子)が分散したものである。
(物性測定および評価)
上記で得られた各例の光拡散板について、物性の測定および評価を行った。
<膜厚測定>
光散乱膜の膜厚方向の断面のSEM(日立社製、S−4300)画像について、膜厚方向に直交する方向の任意の幅1.5μmの範囲を選択して最も厚い部分の膜厚を測定した。同様に光散乱膜の膜厚方向の断面SEM画像について、別の任意の幅1.5μmの範囲を2箇所選択して最も厚い部分の膜厚を測定した。合計3箇所で測定した膜厚を平均して膜厚とした。
<炭素(C)含有量>
SEM−EDX(日立社製、S−4300および堀場社製、EMAX)を用いた。光散乱膜表面を加速電圧15keVで観察し、任意の3点について炭素の元素比率[原子%]を測定し平均をとった。
<チタン(Ti)含有量>
SEM−EDX(日立社製、S−4300および堀場社製、EMAX)を用いた。光散乱膜表面を加速電圧15keVで観察し、任意の3点についてチタンの元素比率[原子%]を測定し平均をとった。
<鱗片状シリカ粒子濃度>
光散乱膜の膜厚方向の断面のSEM(日立社製、S−4300)画像について、膜厚方向に直交する方向の任意の幅1.5μmの範囲を、画像解析ソフトにより解析して鱗片状シリカ粒子の面積分率(解析断面の全面積(厚さ×1.5μm)を100%とした場合の百分率(%))を求めた。具体的には、解析断面の画像から観察される鱗片状シリカ粒子の断面を黒で塗りつぶし、画像解析ソフトを用いて塗りつぶし部分の面積分率を算出した。同様に光散乱膜の膜厚方向の断面SEM画像について、別の任意の幅1.5μmの範囲を2箇所解析し、面積分率を求めた。最終的には、合計3箇所の厚さ×1.5μmの範囲についての面積分率を平均し、得られた値を体積分率[%]とみなした。
<クラック有無>
顕微鏡にて倍率100倍で光散乱膜の表面の109μm×145μmの範囲を観察し、クラックの有無を確認した。
<ヘイズ>
ヘイズメーター(村上色彩研究所社製、HR−100型)を用いて、JIS K7136:2000に規定されている方法に従って、光拡散板のヘイズを測定した。なお、ガラス基板として用いたソーダライムガラス(旭硝子株式会社製、FL5)のヘイズは、0%であった。
<耐熱試験の前後の色変化(ΔE)>
300℃、30分の耐熱試験の前後における光拡散板の色味を以下の方法で測定し、色味変化(ΔE)を求めた。色味は、光拡散板の光散乱膜側に白色PETフィルムを載せた面を入射面として、D65光源、視野角2°、反射光、SCI処理、に設定し、カラーメータ(日本電色工業社製、SD−6000)を用いて測定し、L表色系で出力した。耐熱試験前をL*1*1*1とし、耐熱試験後をL*2*2*2とした場合、色味変化(ΔE)を以下の式で求めた。
ΔE=((a*1−a*2+(b*1−b*2+(L−L0.5
結果を光散乱膜の製造に用いた液状組成物(X)の組成、塗膜条件等とともに表1に示す。
Figure 2019032355
例1〜3の光拡散板の光散乱膜は、シリカ前駆体、鱗片状シリカ粒子およびチタニア粒子を含有する組成物の硬化物であり、膜厚1.0〜10μmを満たすものであり、炭素含有量が30原子%以下であるので、クラックがなく、90%超の高いヘイズを有し、耐熱試験後色変化ΔEも1未満と小さかった。
例4の光散乱膜の膜厚は1.0μm未満であり、また例8の光散乱膜は光散乱性粒子であるチタニア粒子を含有しないため、ヘイズが低く、光拡散性も小さかった。
例5の光散乱膜の膜厚は10μm超であり、また例6、7は鱗片状シリカ粒子を含有しないため、クラックを発生した。さらにクラックを通じた光漏れによって低ヘイズになったと考えられる。
樹脂組成物の硬化物である例9の光散乱膜では、炭素含有量が多すぎて耐熱試験後色変化ΔEが8超と、耐熱性が大きく劣っていた。
10…光拡散板、11…ガラス基板、12…光散乱膜、S1…光散乱膜側の主面、S2…ガラス基板側の主面
20…面発光装置、21…光源、22…光反射板、23…フレーム

Claims (8)

  1. ガラス基板と、前記ガラス基板の少なくとも一方の主面上に設けられた光散乱膜を有し、
    前記光散乱膜は、シリカを主成分とするマトリックス、鱗片状シリカ粒子およびシリカより屈折率が高い材料からなる光散乱性粒子を含有し、炭素含有量が30原子%以下であり、膜厚が1.0〜10μmである、光拡散板。
  2. 前記光散乱性粒子は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化インジウムおよび酸化スズから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1記載の光拡散板。
  3. 前記光散乱性粒子は酸化チタン粒子である請求項2記載の光拡散板。
  4. 前記光散乱膜はチタン含有量が3〜60原子%である請求項3に記載の光拡散板。
  5. 前記鱗片状シリカ粒子の平均最長粒子径が0.1〜10μmであり、平均アスペクト比が2以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散板。
  6. 前記光散乱膜における前記鱗片状シリカ粒子の体積分率が3〜40%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光拡散板。
  7. 前記光拡散板のヘイズは70%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光拡散板。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光拡散板と、前記光拡散板の一方の主面に光を照射する複数の光源とを備える、面発光装置。
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