JP2019032211A - 核医学診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収補正・散乱補正・体動補正を正確に行うことができる核医学診断装置を提供することを目的とする。【解決手段】被検体M内の放射性薬剤から発生した放射線から同時計数回路はサイノグラムを生成する。一方、3Dスキャナ12は(核医学診断の対象たる)乳房を光学撮影して当該乳房の3次元像を取得する。3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定する。それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数サイノグラムを作成する。当該吸収係数サイノグラムを用いてサイノグラムを吸収補正する。3Dスキャナ12で撮影された3次元像の輪郭の内部においてそれぞれ仮定された吸収係数値の分布を表した吸収係数サイノグラムを用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、吸収補正を正確に行うことができる。【選択図】図1
Description
本発明は、核医学診断装置に係り、特に、主に乳房や頭部などの局所的な部位を撮影対象とする技術に関する。
従来、撮影部位が乳房である乳房専用核医学診断装置として、例えばPET(Positron Emission Tomography)装置が用いられる。PETを用いたマンモグラム(乳房撮影)では、図21に示すようなマンモPET装置を用いて行われる。図21は、従来のマンモPET装置の概略側面図である。図21に示すように、被検体Mを載置する天板101と、開口部102aを有したガントリ102と、被検体Mの乳房を取り囲むようにしてリング状に配置され、ガントリ102内に埋設された検出器103と、データを蓄積するコンソール104とを備えている。
予め放射性薬剤を投与した被検体Mの乳房をガントリ102の開口部102aに挿入し、その被検体Mの乳房から放射される511KeVの対消滅光子をガントリ102内の検出器103にて検出する。そして、その光子を検出した時刻を測定し、検出器103内での2つの検出素子での検出時刻差が一定時間 (TW: Time Window)内の場合に、それを一対の対消滅光子として計数(同時計数)し、さらに対消滅発生地点を、検出した検出対の直線上と特定する。
このようにして検出されたデータは「エミッションデータ(Emission Data)」と呼ばれ、このデータをコンソール104に蓄積する。このエミッションデータから画像再構成を行ってPET画像を取得する。特定の病巣に集積しやすい放射性薬剤を被検体Mの乳房に投与することで、被検体Mの乳房にその病巣がある場合にはその病巣がPET画像上に高い画素値となって表れて識別することができる。そして、取得されたPET画像をモニタ(図示省略)に表示し、撮影の成否などを確認した後に画像を診断などに用いるために、コンソール104からサーバーに転送する。
乳房に限らず、PET画像において被検体内の放射能濃度を定量計測するためには、様々なデータ補正処理が必要である。代表的な補正処理には、感度補正,減弱補正,散乱補正,ランダム補正,減衰補正,デッドタイム補正,吸収補正がある。また、PETを用いた検査(撮影)では撮影対象が乳房や頭部などの局所的な部位であっても多大な時間を要する。したがって、体動が必ず生じる。よって、体動補正を行う必要がある。
これらの補正のうち、吸収補正や散乱補正や体動補正では、撮影部位内の定量的なパラメータの分布を表したマップが必要である。従来、上記のようなマップを作成するには、陽電子放出核種の外部線源を照射して得られたトランスミッションデータ(Transmission Data)が必要である。もしくは、トランスミッションデータの替わりにX線CT(Computed Tomography)装置から得られたCTデータや磁気共鳴診断(Magnetic Resonance Imaging)装置から得られたMRIデータを用いてもよい。
これらのデータを用いる場合には、PETでの撮影と同じ体位(姿勢)で撮影しないと精度が下がるという問題がある。また、トランスミッションデータやCTデータでは被曝量が増大するという問題がある。一方、MRIデータではMRI検査に多大な時間を要するという問題がある。
そこで、近年では、このようなデータが不要な再構成アルゴリズムがある(例えば、非特許文献1,2参照)。非特許文献1,2では、消滅放射線の検出時間差(「飛行時間差」とも呼ばれる)(TOF: Time Of Flight)情報を計測するPETの計測データから、吸収係数サイノグラムの分布形状を推定することができる。そして、PET画像および吸収係数サイノグラムを同時に推定することができる。非特許文献1,2における再構成アルゴリズムは、PET画像および吸収係数マップ(例えば吸収係数サイノグラム)を同時に推定することから「同時再構成アルゴリズム」とも呼ばれている。同時再構成アルゴリズムの場合には、TOF情報およびエミッションデータのみを用いて吸収補正などのこれらの補正を行うことができる。
なお、乳房をセッティングするために、CCD(Charge-Coupled Device)のような光学撮影手段をガントリ102(図21を参照)に搭載したマンモPET装置がある(例えば、特許文献1参照)。
A. Rezaei, M. Defrise and J. Nuyts, "ML-reconstruction for TOF-PET with simultaneous estimation of the Attenuation Factors", IEEE Trans. Med. Imag., 33 (7), 1563-1572, 2014
V. Y. Panin, H. Bal, M. Defrise, C. Hayden and M. E. Casey, "Transmission-less Brain TOF PET Imaging using MLACF", 2013 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference, Seoul, Republic of Korea, 2013.
しかしながら、同時再構成アルゴリズムのようにTOF情報およびエミッションデータのみを用いて補正する場合には、次のような問題がある。
すなわち、薬剤の種類によっては撮影部位全体に分布するとは限らない。例えばFDG(フルオロデオキシグルコース)を用いた場合には全身に分布するが、FLT(フルオロチミジン)やFET(フロロエチルチロシン)を用いた場合には撮影部位全体に分布しない。その結果、正確な輪郭情報が判らないので、これらの補正を正確に行うことができない。
すなわち、薬剤の種類によっては撮影部位全体に分布するとは限らない。例えばFDG(フルオロデオキシグルコース)を用いた場合には全身に分布するが、FLT(フルオロチミジン)やFET(フロロエチルチロシン)を用いた場合には撮影部位全体に分布しない。その結果、正確な輪郭情報が判らないので、これらの補正を正確に行うことができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、吸収補正・散乱補正・体動補正を正確に行うことができる核医学診断装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る核医学診断装置は、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出する検出器と、当該検出器で検出された放射線から検査データを生成する検査データ生成手段と、前記被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する光学撮影手段と、当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを作成する吸収係数マップ作成手段と、当該吸収係数マップ作成手段で作成された吸収係数マップを用いて、前記検査データを吸収補正する吸収補正手段とを備えるものである。
すなわち、本発明に係る核医学診断装置は、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出する検出器と、当該検出器で検出された放射線から検査データを生成する検査データ生成手段と、前記被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する光学撮影手段と、当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを作成する吸収係数マップ作成手段と、当該吸収係数マップ作成手段で作成された吸収係数マップを用いて、前記検査データを吸収補正する吸収補正手段とを備えるものである。
[作用・効果]本発明に係る核医学診断装置によれば、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出器が検出し、当該検出器で検出された放射線から検査データ生成手段は検査データを生成する。一方、光学撮影手段は(核医学診断の対象たる)被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する。当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定する。それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを吸収係数マップ作成手段は作成する。当該吸収係数マップを用いて、吸収補正手段は検査データを吸収補正する。光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭は、放射性薬剤の分布に左右されない。したがって、CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭の内部においてそれぞれ仮定された吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、吸収補正を正確に行うことができる。
また、本発明に係る核医学診断装置は、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出する検出器と、当該検出器で検出された放射線から検査データを生成する検査データ生成手段と、前記被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する光学撮影手段と、当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいて、前記放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを作成する散乱投影データ作成手段と、当該散乱投影データ作成手段で作成された散乱投影データを用いて、前記検査データを散乱補正する散乱補正手段とを備えるものである。
[作用・効果]本発明に係る核医学診断装置によれば、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出器が検出し、当該検出器で検出された放射線から検査データ生成手段は検査データを生成する。一方、光学撮影手段は(核医学診断の対象たる)被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する。当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーション(例えばモンテカルロシミュレーション)により求める。当該確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを散乱投影データ作成手段は作成する。当該散乱投影データを用いて、散乱補正手段は検査データを散乱補正する。吸収補正でも述べたように光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭は、放射性薬剤の分布に左右されない。したがって、CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいてシミュレーションにより求まった(放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である)確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、散乱補正を正確に行うことができる。
また、本発明に係る核医学診断装置は、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出する検出器と、当該検出器で検出された放射線から検査データを生成する検査データ生成手段と、前記被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する光学撮影手段と、当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を算出する変化量算出手段と、当該変化量算出手段で求まった変化量を用いて、前記検査データを体動補正する体動補正手段とを備えるものである。
[作用・効果]本発明に係る核医学診断装置によれば、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出器が検出し、当該検出器で検出された放射線から検査データ生成手段は検査データを生成する。一方、光学撮影手段は(核医学診断の対象たる)被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する。当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を変化量算出手段は算出する。そして、当該変化量算出手段で求まった変化量を用いて、体動補正手段は検査データを体動補正する。吸収補正や散乱補正でも述べたように光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭は、放射性薬剤の分布に左右されない。さらに、放射性薬剤の分布は時間的に変動するが、光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭は体動を除けば時間的に変動しない。言い換えれば、3次元像の輪郭において変動した場合には、その変動による変化量が体動によるものと見なされる。したがって、CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を算出し、当該変化量を用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、体動補正を正確に行うことができる。
被検体の撮影部位の一例は乳房である。撮影部位が乳房の場合に、輪郭の内部を水だと仮定して、吸収補正や散乱補正や体動補正を行う。特に、吸収補正の場合には、輪郭の内部を水だと仮定して水の吸収係数値で一律に決定し、水の吸収係数値の分布を表したマップを吸収係数マップとして作成する。水の吸収係数値は既知であって、輪郭の内部を水だと仮定して水の吸収係数値で一律に決定することで、簡易に吸収補正することができる。また、散乱補正の場合には、輪郭の内部を水だと仮定したモデルデータにおいて確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱投影データを作成する。
撮影部位については特に限定されない。局所的な部位であるのが好ましく、例えば頭部でもよい。撮影部位が頭部の場合に、予め得られた被検体の顔表層モデルや骨格モデルや歯列モデルなどと輪郭とを組み合わせて、吸収補正や散乱補正を行う。体動補正を頭部に適用してもよい。
特に、吸収補正の場合には、空気の吸収係数値,脳組織の吸収係数値,骨の吸収係数値を組み合わせて決定して、吸収補正する。なお、脳組織の場合には水で近似可能な領域と見なされるので、水の吸収係数値を用いる。具体的には、吸収補正の場合には、予め得られた被検体の顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータから、輪郭の顔表層に相当する顔表層位置,輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定する。そして、当該骨格位置および当該歯列位置に骨の吸収値を割り当て、骨格位置・歯列位置以外の位置および当該顔表層位置に水または空気の吸収係数値を割り当て、各々の位置に割り当てられた骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値の分布を表したマップを吸収係数マップとして作成する。上述したように水の吸収係数値(脳組織の吸収係数値)は既知であって、骨の吸収係数値や空気の吸収係数値も既知であり、予め得られた被検体の顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータを用いて、各々の位置に骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値をそれぞれ割り当てて決定することで、簡易に吸収補正することができる。
また、散乱補正の場合には、予め得られた被検体の顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータから、輪郭の顔表層に相当する顔表層位置,輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定することにより輪郭を模したモデルデータを再構築する。再構築された当該モデルデータにおいて確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱投影データを作成する。
また、上述したこれらの本発明に係る核医学診断装置の一例(前者の例)は、検査データを再構成することにより再構成画像を生成する再構成手段と、当該再構成手段で生成された再構成画像と、光学撮影手段で取得された3次元像とを同じモニタに並べて表示する並列表示制御手段とを備える構成である。
また、上述したこれらの本発明に係る核医学診断装置の他の一例(後者の例)は、検査データを再構成することにより再構成画像を生成する再構成手段と、当該再構成手段で生成された再構成画像と、光学撮影手段で取得された3次元像とを重畳表示する重畳表示制御手段とを備える構成である。また、前者の例および後者の例を組み合わせてもよい。
撮影部位が乳房の場合に、被検体を伏臥位状態で水平面に載置し、乳房を下方に案内して通す開口部を有する天板を備え、当該天板の当該開口部は、左右の乳房がともに挿入可能なサイズで構成され、天板の開口部の下部に検出器を設ける構造が好ましい。乳房を撮影する場合には、被検体を伏臥位状態で天板の水平面に載置し、天板の開口部に左右いずれかの乳房を下方に案内して通す。開口部は、左右の乳房がともに挿入可能なサイズで構成されている。左右いずれか一方の乳房を開口部に下方に案内して通した状態で、開口部の下部に設けられた検出器によって当該一方の乳房を撮影する。当該一方の乳房の撮影が終了したら、他方の乳房を開口部に下方に案内して通した状態で、開口部の下部に設けられた検出器によって当該他方の乳房を撮影する。このように、開口部は、左右両方の乳房を個別に通して、それぞれの撮影が可能である。
本発明に係る核医学診断装置によれば、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出器が検出し、当該検出器で検出された放射線から検査データ生成手段は検査データを生成する。一方、光学撮影手段は(核医学診断の対象たる)被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する。
吸収補正の場合には、光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定する。それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを吸収係数マップ作成手段は作成する。当該吸収係数マップを用いて、吸収補正手段は検査データを吸収補正する。CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭の内部においてそれぞれ仮定された吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、吸収補正を正確に行うことができる。
散乱補正の場合には、光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求める。当該確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを散乱投影データ作成手段は作成する。当該散乱投影データを用いて、散乱補正手段は検査データを散乱補正する。CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいてシミュレーションにより求まった(放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である)確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、散乱補正を正確に行うことができる。
体動補正の場合には、光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を変化量算出手段は算出する。そして、当該変化量算出手段で求まった変化量を用いて、体動補正手段は検査データを体動補正する。CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を算出し、当該変化量を用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、体動補正を正確に行うことができる。
吸収補正の場合には、光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定する。それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを吸収係数マップ作成手段は作成する。当該吸収係数マップを用いて、吸収補正手段は検査データを吸収補正する。CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭の内部においてそれぞれ仮定された吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、吸収補正を正確に行うことができる。
散乱補正の場合には、光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求める。当該確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを散乱投影データ作成手段は作成する。当該散乱投影データを用いて、散乱補正手段は検査データを散乱補正する。CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいてシミュレーションにより求まった(放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である)確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、散乱補正を正確に行うことができる。
体動補正の場合には、光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を変化量算出手段は算出する。そして、当該変化量算出手段で求まった変化量を用いて、体動補正手段は検査データを体動補正する。CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段で撮影された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を算出し、当該変化量を用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、体動補正を正確に行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1(a)は、実施例1〜3に係るマンモPET装置の概略側面図であり、図1(b)は、図1(a)の乳房検査用ガントリの概略平面図であり、図1(c)は、図1(a)の3Dスキャナの拡大図であり、図2は、実施例1に係るマンモPET装置のブロック図である。後述する実施例2〜5も含めて、本実施例1では核医学診断装置としてPET装置を例に採って説明するとともに、後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では撮影部位が乳房である乳房専用核医学診断装置としてマンモPET装置を例に採って説明する。また、図1は実施例1〜3とも共通の構成である。
図1(a)は、実施例1〜3に係るマンモPET装置の概略側面図であり、図1(b)は、図1(a)の乳房検査用ガントリの概略平面図であり、図1(c)は、図1(a)の3Dスキャナの拡大図であり、図2は、実施例1に係るマンモPET装置のブロック図である。後述する実施例2〜5も含めて、本実施例1では核医学診断装置としてPET装置を例に採って説明するとともに、後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では撮影部位が乳房である乳房専用核医学診断装置としてマンモPET装置を例に採って説明する。また、図1は実施例1〜3とも共通の構成である。
図1(a)に示すように、マンモPET装置1は、被検体Mを伏臥位状態で水平面に載置する天板2を備えている。後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では天板2は、乳房を下方に案内して通す開口部2aを有している。天板2の開口部2aがともに挿入可能なサイズで構成されている。天板2の下部には、被検体M内の放射性薬剤から発生した放射線(光子)を検出する検出器3を搭載した乳房検査用ガントリ4を備え、天板2を支持する基台5を備えている。その他に、マンモPET装置1は、同時計数回路6(図2を参照)と画像処理部7(図2を参照)とコントローラ8(図2を参照)とメモリ部9(図2を参照)と入力部10(図2を参照)とモニタ11(図2も参照)と3Dスキャナ12(図2も参照)とを備えている。さらに、本実施例1ではマンモPET装置1は、吸収係数マップ作成部15(図2を参照)を備えている。同時計数回路6は、本発明における検査データ生成手段に相当し、本実施例1の画像処理部7は、本発明における吸収補正手段および再構成手段に相当し、コントローラ8は、本発明における並列表示制御手段および重畳表示制御手段に相当し、3Dスキャナ12は、本発明における光学撮影手段に相当し、吸収係数マップ作成部15は、本発明における吸収係数マップ作成手段に相当する。
図1(a)および図1(b)に示すように、乳房検査用ガントリ4は、乳房の周囲を取り囲むように配置された複数の検出器3を収容するリング状の筐体4aと、その筐体4aを上下方向に昇降移動させるように駆動する昇降駆動機構4bとを備えている。図1(b)では、簡略化のために、8つの検出器3のみを図示しているが、実際にはそれ以上の数の検出器3を備えていることに留意されたい。
検出器3や筐体4aとともに乳房検査用ガントリ4が、床面に設置されたレールR(図1(a)を参照)上のみを移動するようにする。このようにレールR上のみを乳房検査用ガントリ4が移動することにより、天板2および乳房検査用ガントリ4は幾何学的に制限を持たす。言い換えれば、例えばキャスタによって乳房検査用ガントリを自在に移動させる場合には、被検体と装置との位置合わせの自由度が高く、衝突防止は操作者に依存している。そこで、例えば開口部2aの真下にレールRが位置するように設計し、レールR上のみの乳房検査用ガントリ4の移動によって、天板2および乳房検査用ガントリ4が幾何学的に制限を持たすことで、被検体Mと装置との位置合わせを適切に行うことができる。
具体的には、先ず、乳房検査用ガントリ4は開口部2aから離れた位置にあり、開口部2aに被検体Mの乳房が挿入したことを操作者が視覚的に確認した後に、検出器3を収容した筐体4aの中心と開口部2aの中心とが一致するように乳房検査用ガントリ4を移動させる。筐体4aの中心と開口部2aの中心とが一致した後に、筐体4aを上昇移動させるように昇降駆動機構4bが駆動することにより、検出器3を乳房に近接させる方向(上方向)に移動させることができる。乳房検査用ガントリ4の移動は一方向ずつの移動(レールR上の水平移動,筐体4aの昇降移動)であり、移動距離が決まっている。したがって、図1(a)に示すように、被検体Mから離れた位置にて入力部10(図2を参照)の操作パネル10aなどから簡便に操作することができる。また、非接触の衝突防止センサ(例えば距離センサ)などを乳房検査用ガントリ4に設置することで、位置合わせを自動的にセッティングすることも可能となる。
なお、本実施例1の3Dスキャナ12は後述する吸収補正のための光学撮影部(光学カメラ)であるが、3Dスキャナ12とは別に光学カメラを備えてもよい。光学カメラで得られた光学像をモニタ11に表示することで、装置近傍では視覚的に確認し難い角度からの乳房の挿入の確認やセッティングの確認を遠方にて行うことができる。
さらに、検査(撮影)終了時に乳房が開口部2aに挿入されたままの状態で乳房検査用ガントリが移動すると、乳房検査用ガントリと乳房との衝突が起こり得る。そこで、例えば天板2に荷重がかかっていることを検知するセンサや接触センサを天板2に設置したり、光学カメラで得られた光学像を画像処理して、被検体Mが開口部2aから乳房を抜いたことを確認した後のみ乳房検査用ガントリ4を移動させるように制御するのが好ましい。つまり、被検体Mが開口部2aから乳房を抜いたことを確認してからしか、乳房検査用ガントリ4の移動ができないように制御するのが好ましい。
予め放射性薬剤を投与した被検体Mを伏臥位状態で天板2に載置し、伏臥位状態の被検体Mの乳房を開口部2aに挿入する。挿入した乳房の撮影を行うために、開口部2aに被検体Mの乳房が挿入したことを操作者が視覚的に確認した後に乳房検査用ガントリ4を移動させる。検出器3を収容した筐体4aの中心と開口部2aの中心とが一致した後に、筐体4aを上昇移動させるように昇降駆動機構4bが駆動することにより、検出器3を乳房に近接させる方向(上方向)に移動させる。開口部2aに挿入した乳房からの光子を検出器3が計数して、同時計数したときのみ同時計数回路6(図2を参照)に送り込む。これによって、開口部2aに挿入した乳房を撮影する。
開口部2aに挿入した乳房の撮影が終了すれば、当該乳房を開口部2aから抜く。他方の乳房を撮影するために当該他方の乳房を開口部2aに挿入する。そして、同様に撮影する。なお、特別な事情がない限り、左右の乳房をそれぞれ撮影する。
次に、図2に示すように、同時計数回路6で同時計数された同時計数データをサイノグラムからなる検査データとして収集(生成)する。生成された当該検査データを画像処理部7およびコントローラ8に送り込み、この検査データを蓄積しつつ画像処理部7は再構成することにより再構成画像であるPET画像を取得する。本実施例1では、吸収係数マップ作成部15で作成された吸収係数マップ(例えば吸収係数サイノグラム)を用いて、検査データ(サイノグラム)を再構成して吸収補正する。本実施例1では、吸収係数サイノグラムを画像再構成の計算式(例えば逐次近似式)に組み込んで吸収の影響が排除されたPET画像を取得することによって、吸収補正を行う。吸収係数サイノグラムを組み込んだ画像再構成の計算式については公知の手法であるので、その説明を省略する。画像処理部7は、GPU(Graphics Processing Unit)などで構成されている。
コントローラ8は、中央演算処理装置(CPU)あるいはプログラムデータに応じて内部の使用するハードウェア回路(例えば論理回路)が変更可能なプログラマブルデバイス(例えばFPGA(Field Programmable Gate Array))などで構成されている。なお、本実施例1では、コントローラ8は、並列表示制御の機能および重畳表示制御の機能を備えている。これらの機能については詳しく後述する。
メモリ部9は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体で構成されている。後述する実施例2〜5も含めて、本実施例1では、同時計数回路6で収集(生成)された検査データ,画像処理部7で再構成されたPET画像,3Dスキャナ12で取得された3次元像についてはメモリ部9に書き込んで記憶し、必要に応じてメモリ部9から読み出す。また、本実施例1では、吸収係数マップ作成部15で作成された吸収係数サイノグラムについてもメモリ部9に書き込んで記憶し、必要に応じてRAMから読み出す。
入力部10は、操作者が入力したデータや命令をコントローラ8に送り込む。入力部10は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。
モニタ11は、後述する図4や図5の態様を画面に表示するように構成されている。また、モニタ11はタッチパネルで構成されていてもよく、モニタ11が入力部10の機能を有するように構成してもよい。
3Dスキャナ12は、被検体Mの乳房を光学撮影して当該乳房の3次元像を取得する。3Dスキャナ12は、乳房検査用ガントリ4(図1を参照)に設けられている。図1(c)に示すように3Dスキャナ12は、赤外光を照射する光源12aと、乳房からの放射光を検出することにより光学撮影する2つのカメラ12bとを備えている。具体的な3Dスキャナ12の機能については詳しく後述する。
吸収係数マップ作成部15は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数サイノグラムを作成する。吸収係数マップ作成部15は、コントローラ8と同様のCPUあるいはプログラマブルデバイス、または画像処理部7と同様のGPUなどで構成されている。具体的な吸収係数マップ作成部15の機能については詳しく後述する。
次に、本実施例1の吸収補正を含んだ一連の画像処理について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、実施例1の吸収補正を含んだ一連の画像処理のフローチャートであり、図4は、光学撮影で得られた乳房の3次元像とPET画像との並列表示の態様であり、図5は、光学撮影で得られた乳房の3次元像とPET画像との重畳表示の態様である。なお、予め放射性薬剤を投与した被検体M(図1(a)を参照)の乳房は開口部2a(図1(a)を参照)に既に挿入されており、検出器3(図1を参照)は乳房に既に近接しており、乳房の撮影の準備は既に完了しているとして説明する。
(ステップS1)光学撮影
3Dスキャナ12(図1および図2を参照)の光源12a(図1(c)を参照)から乳房に赤外光を照射する。各々のカメラ12b(図1(c)を参照)は、乳房からの放射光を検出することにより光学撮影する。そして、三角測量法を用いて乳房の3次元像を取得する。3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を、コントローラ8(図2を参照)を介して吸収係数マップ作成部15(図2を参照)に送り込む。また、乳房の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図2を参照)にも送り込む。
3Dスキャナ12(図1および図2を参照)の光源12a(図1(c)を参照)から乳房に赤外光を照射する。各々のカメラ12b(図1(c)を参照)は、乳房からの放射光を検出することにより光学撮影する。そして、三角測量法を用いて乳房の3次元像を取得する。3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を、コントローラ8(図2を参照)を介して吸収係数マップ作成部15(図2を参照)に送り込む。また、乳房の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図2を参照)にも送り込む。
(ステップS2)吸収係数サイノグラムの作成
吸収係数マップ作成部15は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数サイノグラムを作成する。閾値処理によって3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を二値化処理するのが好ましい。乳房の3次元像を二値化処理することにより、乳房における輪郭および輪郭の内部を“1”,乳房における輪郭の外部を“0”とする。
吸収係数マップ作成部15は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数サイノグラムを作成する。閾値処理によって3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を二値化処理するのが好ましい。乳房の3次元像を二値化処理することにより、乳房における輪郭および輪郭の内部を“1”,乳房における輪郭の外部を“0”とする。
後述する実施例2,3も含めて、本実施例1では撮影部位が乳房である。したがって、輪郭の内部を水だと仮定して水の吸収係数値で一律に決定し、水の吸収係数値の分布を表したサイノグラムを吸収係数サイノグラムとして作成する。水の吸収係数値は既知であって、水の吸収係数値である0.0096/mmを用いる。吸収係数マップ作成部15で作成された吸収係数サイノグラムを、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、吸収係数サイノグラムをメモリ部9に書き込んで記憶する。
(ステップS3)検査データの生成
続いて、被検体Mの乳房内の放射性薬剤から発生した放射線(光子)を検出器3が検出し、同時計数回路6(図2を参照)で同時計数された同時計数データをサイノグラムからなる検査データとして収集(生成)する。生成された当該検査データを画像処理部7(図2を参照)およびコントローラ8に送り込む。
続いて、被検体Mの乳房内の放射性薬剤から発生した放射線(光子)を検出器3が検出し、同時計数回路6(図2を参照)で同時計数された同時計数データをサイノグラムからなる検査データとして収集(生成)する。生成された当該検査データを画像処理部7(図2を参照)およびコントローラ8に送り込む。
(ステップS4)吸収補正・再構成
画像処理部7は検査データを蓄積しつつ再構成することにより再構成画像であるPET画像を取得する。その際に、吸収係数サイノグラムをメモリ部9から読み出して、コントローラ8を介して画像処理部7に送り込み、吸収係数サイノグラムを逐次近似式に組み込んで吸収補正を行う。なお、吸収係数画像から放射線(光子)の透過率を求め、検査データから透過率を除算することで放射線(光子)の吸収の影響が排除されたデータに変換することによって、吸収補正を行ってもよい。すなわち、再構成の前に吸収補正を行ってもよい。吸収補正後のPET画像を、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、吸収補正後のPET画像をメモリ部9に書き込んで記憶する。
画像処理部7は検査データを蓄積しつつ再構成することにより再構成画像であるPET画像を取得する。その際に、吸収係数サイノグラムをメモリ部9から読み出して、コントローラ8を介して画像処理部7に送り込み、吸収係数サイノグラムを逐次近似式に組み込んで吸収補正を行う。なお、吸収係数画像から放射線(光子)の透過率を求め、検査データから透過率を除算することで放射線(光子)の吸収の影響が排除されたデータに変換することによって、吸収補正を行ってもよい。すなわち、再構成の前に吸収補正を行ってもよい。吸収補正後のPET画像を、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、吸収補正後のPET画像をメモリ部9に書き込んで記憶する。
(ステップS5)モニタへの表示
光学撮影で得られた乳房の3次元像および吸収補正後のPET画像をメモリ部9から読み出して、コントローラ8を介してモニタ11(図1,図2,図4および図5を参照)に送り込む。図4では、コントローラ8は、光学撮影で得られた乳房の3次元像P1とPET画像P2とを同じモニタ11に並べて表示制御(並列表示制御)している。図5では、コントローラ8は、光学撮影で得られた乳房の3次元像P1とPET画像P2とを重ね合わせて表示制御(重畳表示制御)している。図4や図5では、乳房を被検体Mの前から後に向かって見るビュー方向である腹背方向(Antero-Posterior)(すなわち正面)で表示しているが、ビュー方向を切り替えてもよい。例えば、頭から足下に向かって見るビュー方向である頭尾方向(CC: Cranio-Caudal)(「Top View」とも呼ばれる),乳房の内側から外側に向かって見るビュー方向である内外側斜位(MLO: Medio-Lateral Oblique)に切り替えてもよい。ただし、撮影部位が乳房であって、図1(a)のような方向から光学撮影する場合には、背腹方向(Postero-Anterior)(すなわち背面)のビュー方向については切り替えることができないことに留意されたい。
光学撮影で得られた乳房の3次元像および吸収補正後のPET画像をメモリ部9から読み出して、コントローラ8を介してモニタ11(図1,図2,図4および図5を参照)に送り込む。図4では、コントローラ8は、光学撮影で得られた乳房の3次元像P1とPET画像P2とを同じモニタ11に並べて表示制御(並列表示制御)している。図5では、コントローラ8は、光学撮影で得られた乳房の3次元像P1とPET画像P2とを重ね合わせて表示制御(重畳表示制御)している。図4や図5では、乳房を被検体Mの前から後に向かって見るビュー方向である腹背方向(Antero-Posterior)(すなわち正面)で表示しているが、ビュー方向を切り替えてもよい。例えば、頭から足下に向かって見るビュー方向である頭尾方向(CC: Cranio-Caudal)(「Top View」とも呼ばれる),乳房の内側から外側に向かって見るビュー方向である内外側斜位(MLO: Medio-Lateral Oblique)に切り替えてもよい。ただし、撮影部位が乳房であって、図1(a)のような方向から光学撮影する場合には、背腹方向(Postero-Anterior)(すなわち背面)のビュー方向については切り替えることができないことに留意されたい。
本実施例1に係るマンモPET装置1によれば、被検体M内の放射性薬剤から発生した放射線を検出器3が検出し、当該検出器3で検出された放射線から同時計数回路6は検査データ(各実施例ではサイノグラム)を生成する。一方、光学撮影手段(各実施例では3Dスキャナ12)は(核医学診断の対象たる)被検体M(本実施例1では乳房)を光学撮影して当該乳房の3次元像を取得する。当該光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定する。それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数マップ(本実施例1では吸収係数サイノグラム)を吸収係数マップ作成部15は作成する。当該吸収係数マップ(吸収係数サイノグラム)を用いて、吸収補正手段(本実施例1では画像処理部7)は検査データ(サイノグラム)を吸収補正する。光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像の輪郭は、放射性薬剤の分布に左右されない。したがって、CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段(3Dスキャナ12)で撮影された3次元像の輪郭の内部においてそれぞれ仮定された吸収係数値の分布を表した吸収係数マップ(吸収係数サイノグラム)を用いることで、放射性薬剤が撮影部位(乳房)全体に分布していない場合であっても、吸収補正を正確に行うことができる。
本実施例1では撮影部位が乳房である。撮影部位が乳房の場合に、輪郭の内部を水だと仮定して、吸収補正を行う。輪郭の内部を水だと仮定して水の吸収係数値で一律に決定し、水の吸収係数値の分布を表したマップを吸収係数マップ(吸収係数サイノグラム)として作成する。水の吸収係数値は既知であって、輪郭の内部を水だと仮定して水の吸収係数値で一律に決定することで、簡易に吸収補正することができる。
図4に示すように、再構成手段(画像処理部7)で生成された再構成画像(図4ではPET画像P2)と、光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像(図4では3次元像P1)とを同じモニタ11に並べて表示(並列表示)している。図5に示すように、再構成手段(画像処理部7)で生成された再構成画像(図5ではPET画像P2)と、光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像(図5では3次元像P1)とを重ね合わせて表示(重畳表示)している。また、図4の態様および図5の態様を組み合わせてもよい。
本実施例1のように撮影部位が乳房の場合に、被検体Mを伏臥位状態で水平面に載置し、乳房を下方に案内して通す開口部2aを有する天板2を備え、当該天板2の当該開口部2aは、左右の乳房がともに挿入可能なサイズで構成され、天板2の開口部2aの下部に検出器3を設ける構造が好ましい。乳房を撮影する場合には、被検体Mを伏臥位状態で天板2の水平面に載置し、天板2の開口部2aに左右いずれかの乳房を下方に案内して通す。開口部2aは、左右の乳房がともに挿入可能なサイズで構成されている。左右いずれか一方の乳房を開口部2aに下方に案内して通した状態で、開口部2aの下部に設けられた検出器3によって当該一方の乳房を撮影する。当該一方の乳房の撮影が終了したら、他方の乳房を開口部2aに下方に案内して通した状態で、開口部2aの下部に設けられた検出器3によって当該他方の乳房を撮影する。このように、開口部2aは、左右両方の乳房を個別に通して、それぞれの撮影が可能である。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
図6は、実施例2に係るマンモPET装置のブロック図である。上述した実施例1と共通する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略するとともに、図示を省略する。
図6は、実施例2に係るマンモPET装置のブロック図である。上述した実施例1と共通する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略するとともに、図示を省略する。
上述した実施例1では光学撮影された3次元像を用いた吸収補正であった。これに対して、本実施例2では光学撮影された3次元像を用いた散乱補正を行う。
マンモPET装置1(図1を参照)は、上述した実施例1と同様の天板2(図1を参照)と検出器3(図1を参照)と乳房検査用ガントリ4(図1を参照)と基台5(図1を参照)とを備えている。マンモPET装置1は、図6に示すように、上述した実施例1と同様の同時計数回路6と画像処理部7とコントローラ8とメモリ部9と入力部10とモニタ11と3Dスキャナ12とを備えている。さらに、本実施例2ではマンモPET装置1は、散乱投影データ作成部25を備えている。同時計数回路6は、本発明における検査データ生成手段に相当し、本実施例2の画像処理部7は、本発明における散乱補正手段および再構成手段に相当し、コントローラ8は、本発明における並列表示制御手段および重畳表示制御手段に相当し、3Dスキャナ12は、本発明における光学撮影手段に相当し、散乱投影データ作成部25は、本発明における散乱投影データ作成手段に相当する。
本実施例2では、散乱投影データ作成部25で作成された散乱投影データ(例えば散乱サイノグラム)を用いて、検査データ(サイノグラム)を再構成して散乱補正する。本実施例2では、散乱サイノグラムを画像再構成の計算式(例えば逐次近似式)に組み込んで散乱線の影響が排除されたPET画像を取得することによって、散乱補正を行う。散乱サイノグラムを組み込んだ画像再構成の計算式については公知の手法であるので、その説明を省略する。
散乱投影データ作成部25は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱サイノグラムを作成する。散乱投影データ作成部25は、コントローラ8と同様のCPUあるいはプログラマブルデバイス、または画像処理部7と同様のGPUなどで構成されている。具体的な散乱投影データ作成部25の機能については詳しく後述する。
次に、本実施例2の散乱補正を含んだ一連の画像処理について、図7〜図9を参照して説明する。図7は、実施例2の散乱補正を含んだ一連の画像処理のフローチャートであり、図8は、モンテカルロシミュレーションを応用し散乱線成分を求めるEffective Source Scatter Estimation(ESSE)法で用いられている散乱線モデルの模式図であり、図9は、ESSE法における散乱サイノグラムの作成のフローチャートである。上述した実施例1と同様に乳房の撮影の準備は既に完了しているとして説明する。
(ステップS11)光学撮影
図7のステップS11は、上述した実施例1のステップS1と同じであるので、その説明については省略する。本実施例2では、3Dスキャナ12(図1および図6を参照)で取得された乳房の3次元像を、コントローラ8(図6を参照)を介して散乱投影データ作成部25(図6を参照)に送り込む。また、乳房の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図6を参照)にも送り込む。
図7のステップS11は、上述した実施例1のステップS1と同じであるので、その説明については省略する。本実施例2では、3Dスキャナ12(図1および図6を参照)で取得された乳房の3次元像を、コントローラ8(図6を参照)を介して散乱投影データ作成部25(図6を参照)に送り込む。また、乳房の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図6を参照)にも送り込む。
(ステップS12)散乱サイノグラムの作成
散乱投影データ作成部25は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱サイノグラムを作成する。上述した実施例1と同様に、閾値処理によって3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を二値化処理することにより、乳房における輪郭および輪郭の内部を“1”,乳房における輪郭の外部を“0”とするのが好ましい。
散乱投影データ作成部25は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱サイノグラムを作成する。上述した実施例1と同様に、閾値処理によって3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を二値化処理することにより、乳房における輪郭および輪郭の内部を“1”,乳房における輪郭の外部を“0”とするのが好ましい。
上述した実施例1,後述する実施例3も含めて、本実施例2では撮影部位が乳房である。したがって、輪郭の内部を水だと仮定したモデルデータにおいて確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱サイノグラムを作成する。例えばモンテカルロシミュレーションを応用し散乱線成分を求めるEffective Source Scatter Estimation(以下、「ESSE」と略記する)法で用いられている散乱線モデル(図8を参照)を、3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像における輪郭の内部を水だと仮定したモデルデータに置き換える。
そして、Three-Dimensional Ordered Subsets Expectation Maximization (3D-OSEM)法に散乱補正を組み込んだ画像再構成法であるAstonish法によって後述するステップS14で散乱補正・再構成する。ESSE法の具体的な手法については、参考文献1,2を参照されたい(参考文献1:“フィリップス社製エミッションCT装置「BRIGHTVIEW X」のご紹介”、[online] 、日立製作所、インターネット< URL : http://www.innervision.co.jp/ad/suite/hitachi/technical_notes/151265>)。また、ESSE法を用いて投影データ中の散乱成分を推定する具体的な手法については、参考文献2を参照されたい(参考文献2:冨口 静二、“SPECT/CT時代の新しい3次元画像再構成法(Astonish)”、[online] 、インターネット< URL : http://www.hitachi.co.jp/products/healthcare/products-support/contents/medix/pdf/vol48/P25-30.pdf>)。
3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像における輪郭の内部を水だと仮定したモデルデータを、図8に示すようにESSE法で用いられている散乱線モデル(水の吸収体)とする。図8中の符号Aは光子の発生源かつ散乱線の原因となる線源で、図8中の符号BはA点の線源から発生した散乱線が最終的に検出器3(図1も参照)に垂直に向かう点である。また、図8中の符号A(X)はA点の線源であり、図8中の符号τ(X´)はB点から乳房の輪郭(体表)までの距離であり、図8中の符号As(X´)はB点で発生した散乱線が体表までの距離τ(X´)で減弱を受け検出器3で検出される散乱線の線源である。
図8のモデルでは、下記のような確率P1〜P4がそれぞれ定義されている。P1はA点から発生した散乱線がB点に向かう確率であり、P2はB点から発生した散乱線が検出器3に向かう確率であり、P3はこの散乱線が検出器3で減弱せずに入射する確率であり、P4はこの散乱線が減弱されるが検出器3で検出される確率である。ESSE法では図8のモデルを利用し、B点で発生した散乱線が体表までの距離τ(X´)で減弱を受け、検出器3で検出されて計測されるAs(X´)として求められ、これより投影データ中の散乱成分(すなわち散乱投影データ)を推定している。
より具体的に説明すると、先ず、モンテカルロシミュレーションを用いて、モデルから確率P1〜P4を考慮した散乱線の線源カーネル(Scatter Source Kernel)k(図9を参照)が計算される。また、最後に発生した散乱線の減弱係数(μS)から水の減弱係数(μ0)を減算した相対的散乱線減弱係数カーネル(Relative Scatter Source Attenuation Coefficient Kernel)ΔμS(=μS−μ0)(図9を参照)もシミュレーションにより算出される。次に、これらのカーネルk,ΔμSから3つのカーネルk,k×ΔμS,k×(ΔμS)2を作成する。
次に、図9に示すように、これら3つのカーネルk,k×ΔμS,k×(ΔμS)2をA点の線源(Source)の放射能分布に畳み込み(コンボリューションし)、3つの像をそれぞれ作成する。これに、それぞれ係数1,−τ,1/2τ2を掛け、総和して一つの像にする。この像が下記(1)式中の括弧内に相当する像である。ここで、上述したようにτはB点から乳房の輪郭(体表)までの距離である。
この像に電子密度の分布(Electron Density)(ρS)を掛けたものが実効散乱線の線源AS(図9では「Effective Scatter Source」で表記)となる(上記(1)式を参照)。ASを順投影(Forward Projection)することで、ある収集角度での投影データに含まれる散乱線成分が推定される。なお、順投影する場合には、Collimator Distance Response(CDR)によるボケを考慮して散乱線成分は計算される(図9では「FP with CDR blur」で表記)。これにより、投影データ中の散乱成分(図9では「Scatter Estimation」で表記)を推定することができる。
このように推定された投影データ中の散乱成分を散乱サイノグラムとして作成する。散乱投影データ作成部25で作成された散乱サイノグラムを、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、散乱サイノグラムをメモリ部9に書き込んで記憶する。
(ステップS13)検査データの生成
図7のステップS13は、上述した実施例1のステップS3と同じであるので、その説明については省略する。
図7のステップS13は、上述した実施例1のステップS3と同じであるので、その説明については省略する。
(ステップS14)散乱補正・再構成
画像処理部7(図6を参照)は検査データを蓄積しつつ再構成することにより再構成画像であるPET画像を取得する。その際に、散乱サイノグラムをメモリ部9から読み出して、コントローラ8を介して画像処理部7に送り込み、散乱サイノグラムを逐次近似式(本実施例2では3D-OSEM法の逐次近似式)に組み込んで散乱補正を行う。なお、推定した散乱線の分布を検査データから差分して散乱線の影響(バイアス)が排除されたデータに変換することによって、散乱補正を行ってもよい。すなわち、再構成の前に散乱補正を行ってもよい。散乱補正後のPET画像を、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、散乱補正後のPET画像をメモリ部9に書き込んで記憶する。
画像処理部7(図6を参照)は検査データを蓄積しつつ再構成することにより再構成画像であるPET画像を取得する。その際に、散乱サイノグラムをメモリ部9から読み出して、コントローラ8を介して画像処理部7に送り込み、散乱サイノグラムを逐次近似式(本実施例2では3D-OSEM法の逐次近似式)に組み込んで散乱補正を行う。なお、推定した散乱線の分布を検査データから差分して散乱線の影響(バイアス)が排除されたデータに変換することによって、散乱補正を行ってもよい。すなわち、再構成の前に散乱補正を行ってもよい。散乱補正後のPET画像を、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、散乱補正後のPET画像をメモリ部9に書き込んで記憶する。
(ステップS15)モニタへの表示
図7のステップS15は、上述した実施例1のステップS5と同じであるので、その説明については省略する。
図7のステップS15は、上述した実施例1のステップS5と同じであるので、その説明については省略する。
本実施例2に係るマンモPET装置1によれば、被検体M内の放射性薬剤から発生した放射線を検出器3が検出し、当該検出器3で検出された放射線から同時計数回路6は検査データ(各実施例ではサイノグラム)を生成する。一方、光学撮影手段(各実施例では3Dスキャナ12)は(核医学診断の対象たる)被検体M(本実施例2では乳房)を光学撮影して当該乳房の3次元像を取得する。当該光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーション(例えば本実施例2ではモンテカルロシミュレーション)により求める。当該確率から散乱線の分布を表した散乱投影データ(本実施例2では散乱サイノグラム)を散乱投影データ作成部25は作成する。当該散乱投影データ(散乱サイノグラム)を用いて、散乱補正手段(本実施例2では画像処理部7)は検査データ(サイノグラム)を散乱補正する。上述した実施例1の吸収補正でも述べたように光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像の輪郭は、放射性薬剤の分布に左右されない。したがって、CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段(3Dスキャナ12)で撮影された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいてシミュレーション(モンテカルロシミュレーション)により求まった(放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である)確率から散乱線の分布を表した散乱投影データ(散乱サイノグラム)を用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、散乱補正を正確に行うことができる。
上述した実施例1と同様に本実施例2では撮影部位が乳房である。撮影部位が乳房の場合に、輪郭の内部を水だと仮定したモデルデータにおいて確率をシミュレーション(モンテカルロシミュレーション)により求め、当該確率から散乱投影データ(散乱サイノグラム)を作成する。
本実施例2の並列表示や重畳表示については、上述した実施例1と同じであるので、その説明については省略する。また、本実施例2の開口部2a(図1(a)を参照)の作用・効果についても、上述した実施例1と同じであるので、その説明については省略する。
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。
図10は、実施例3に係るマンモPET装置のブロック図である。上述した実施例1,2と共通する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略するとともに、図示を省略する。
図10は、実施例3に係るマンモPET装置のブロック図である。上述した実施例1,2と共通する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略するとともに、図示を省略する。
上述した実施例1では光学撮影された3次元像を用いた吸収補正であって、上述した実施例2では光学撮影された3次元像を用いた散乱補正であった。これに対して、本実施例3では光学撮影された3次元像を用いた体動補正を行う。
マンモPET装置1(図1を参照)は、上述した実施例1,2と同様の天板2(図1を参照)と検出器3(図1を参照)と乳房検査用ガントリ4(図1を参照)と基台5(図1を参照)とを備えている。マンモPET装置1は、図10に示すように、上述した実施例1,2と同様の同時計数回路6と画像処理部7とコントローラ8とメモリ部9と入力部10とモニタ11と3Dスキャナ12とを備えている。さらに、本実施例3ではマンモPET装置1は、変化量算出部35と体動補正部36とを備えている。同時計数回路6は、本発明における検査データ生成手段に相当し、本実施例3の画像処理部7は、本発明における再構成手段に相当し、コントローラ8は、本発明における並列表示制御手段および重畳表示制御手段に相当し、3Dスキャナ12は、本発明における光学撮影手段に相当し、変化量算出部35は、本発明における変化量算出手段に相当し、体動補正部36は、本発明における体動補正手段に相当する。
変化量算出部35は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を算出する。体動補正部36は、変化量算出部35で求まった変化量を用いて、検査データ(サイノグラム)を体動補正する。変化量算出部35および体動補正部36は、コントローラ8と同様のCPUあるいはプログラマブルデバイス、または画像処理部7と同様のGPUなどで構成されている。具体的な変化量算出部35および体動補正部36の機能については詳しく後述する。
次に、本実施例3の体動補正を含んだ一連の画像処理について、図11および図12を参照して説明する。図11は、実施例3の体動補正を含んだ一連の画像処理のフローチャートであり、図12(a)は、平行移動に関する体動前後の各乳房像の模式図であり、図12(b)は、回転移動に関する体動前後の各乳房像の模式図である。上述した実施例1,2と同様に乳房の撮影の準備は既に完了しているとして説明する。
(ステップS21)光学撮影
図11のステップS21は、上述した実施例1のステップS1,上述した実施例2のステップS11と同じであるので、その説明については省略する。ただし、上述した実施例1,2と相違して、本実施例3では後述するステップS23での再構成が完了するまでは、3Dスキャナ12(図1および図2を参照)による光学撮影を継続して行い、体動に伴う時間的な変化が生じたか否かをコントローラ8(図10を参照)が確認する。本実施例3では、3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を、コントローラ8を介して変化量算出部35(図10を参照)に送り込む。また、乳房の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図10を参照)にも送り込む。
図11のステップS21は、上述した実施例1のステップS1,上述した実施例2のステップS11と同じであるので、その説明については省略する。ただし、上述した実施例1,2と相違して、本実施例3では後述するステップS23での再構成が完了するまでは、3Dスキャナ12(図1および図2を参照)による光学撮影を継続して行い、体動に伴う時間的な変化が生じたか否かをコントローラ8(図10を参照)が確認する。本実施例3では、3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を、コントローラ8を介して変化量算出部35(図10を参照)に送り込む。また、乳房の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図10を参照)にも送り込む。
(ステップS22)検査データの生成
図11のステップS22は、上述した実施例1のステップS3,上述した実施例2のステップS13と同じであるので、その説明については省略する。
図11のステップS22は、上述した実施例1のステップS3,上述した実施例2のステップS13と同じであるので、その説明については省略する。
(ステップS23)再構成
画像処理部7(図10を参照)は検査データを蓄積しつつ再構成することにより再構成画像であるPET画像を取得する。上述した実施例1,2と相違して、本実施例3では後述するステップS26で再構成が完了したとコントローラ8が判断するまでは、画像処理部7による再構成を継続して行う。
画像処理部7(図10を参照)は検査データを蓄積しつつ再構成することにより再構成画像であるPET画像を取得する。上述した実施例1,2と相違して、本実施例3では後述するステップS26で再構成が完了したとコントローラ8が判断するまでは、画像処理部7による再構成を継続して行う。
(ステップS24)体動?
被検体M(図1(a)を参照)の乳房において体動が生じたか否かをコントローラ8が判断する。体動が生じていないとコントローラ8が判断した場合にはステップS26に進み、体動が生じたとコントローラ8が判断した場合にはステップS25に進む。体動は、開口部2a(図1(a)を参照)である程度の制限があるので、ここでは説明の便宜上、平行移動,回転移動,あるいはこれらの組み合わせによるものとして説明する。
被検体M(図1(a)を参照)の乳房において体動が生じたか否かをコントローラ8が判断する。体動が生じていないとコントローラ8が判断した場合にはステップS26に進み、体動が生じたとコントローラ8が判断した場合にはステップS25に進む。体動は、開口部2a(図1(a)を参照)である程度の制限があるので、ここでは説明の便宜上、平行移動,回転移動,あるいはこれらの組み合わせによるものとして説明する。
(ステップS25)体動補正
ステップS24で体動が生じたとコントローラ8が判断した場合には、変化量算出部35は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を算出する。上述した実施例1,2と同様に、閾値処理によって3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を二値化処理することにより、乳房における輪郭および輪郭の内部を“1”,乳房における輪郭の外部を“0”とするのが好ましい。
ステップS24で体動が生じたとコントローラ8が判断した場合には、変化量算出部35は、3Dスキャナ12で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を算出する。上述した実施例1,2と同様に、閾値処理によって3Dスキャナ12で取得された乳房の3次元像を二値化処理することにより、乳房における輪郭および輪郭の内部を“1”,乳房における輪郭の外部を“0”とするのが好ましい。
二値化処理後の乳房の3次元像を用いて、ある断層面における乳房像を取得する。体動によって、図12(a)に示すように、ある断層面における体動前の乳房像P11に対して平行移動した当該断層面における体動後の乳房像P12が出力されたとする。平行移動による写像変換をf1とすると、変化量算出部35は写像変換f1を求める。変化量算出部35で求まった写像変換f1を、コントローラ8を介して体動補正部36(図10を参照)に送り込む。当該断層面を直交するLORの検査データに逆写像変換f1 −1を施すことで、体動補正部36は当該断層面を直交するLORの検査データを体動補正する。ここで、LOR(Line Of Response)は、同時計数する2つの検出器を結ぶ仮想上の直線である。
同様に、体動によって、図12(b)に示すように、ある断層面における体動前の乳房像P13に対して回転移動した当該断層面における体動後の乳房像P14が出力されたとする。回転移動による写像変換をf2とすると、変化量算出部35は写像変換f2を求める。変化量算出部35で求まった写像変換f2を、コントローラ8を介して体動補正部36に送り込む。当該断層面を直交するLORの検査データに逆写像変換f2 −1を施すことで、体動補正部36は当該断層面を直交するLORの検査データを体動補正する。なお、より正確に体動補正するために複数の互いに異なる断層面における写像変換をそれぞれ求めて、該当する断層面を直交するLORの検査データに逆写像変換をそれぞれ施すのが好ましい。体動補正後の検査データを画像処理部7およびコントローラ8に送り込む。そして、ステップS26に進む。
(ステップS26)再構成が完了?
ステップS24で体動が生じたとコントローラ8が判断した場合には、体動補正部36による体動補正後の検査データを画像処理部7が再構成する。ステップS24で体動が生じていないとコントローラ8が判断した場合には、体動補正前の検査データを画像処理部7が再構成する。この画像処理部7による再構成が完了したか否かをコントローラ8が判断する。再構成が完了していないとコントローラ8が判断した場合にはステップS23に戻って、再構成が完了したとコントローラ8が判断するまでステップS23〜S26をループして繰り返す。再構成が完了したとコントローラ8が判断した場合にはステップS27に進む。PET画像を、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、PET画像をメモリ部9に書き込んで記憶する。
ステップS24で体動が生じたとコントローラ8が判断した場合には、体動補正部36による体動補正後の検査データを画像処理部7が再構成する。ステップS24で体動が生じていないとコントローラ8が判断した場合には、体動補正前の検査データを画像処理部7が再構成する。この画像処理部7による再構成が完了したか否かをコントローラ8が判断する。再構成が完了していないとコントローラ8が判断した場合にはステップS23に戻って、再構成が完了したとコントローラ8が判断するまでステップS23〜S26をループして繰り返す。再構成が完了したとコントローラ8が判断した場合にはステップS27に進む。PET画像を、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、PET画像をメモリ部9に書き込んで記憶する。
(ステップS27)モニタへの表示
図11のステップS27は、上述した実施例1のステップS5,上述した実施例2のステップS15と同じであるので、その説明については省略する。ただし、光学撮影で得られた乳房の3次元像を表示する際には、体動前の乳房の3次元像、または体動補正後の乳房像を再構成した3次元像を用いる。
図11のステップS27は、上述した実施例1のステップS5,上述した実施例2のステップS15と同じであるので、その説明については省略する。ただし、光学撮影で得られた乳房の3次元像を表示する際には、体動前の乳房の3次元像、または体動補正後の乳房像を再構成した3次元像を用いる。
本実施例3に係るマンモPET装置1によれば、被検体M内の放射性薬剤から発生した放射線を検出器3が検出し、当該検出器3で検出された放射線から同時計数回路6は検査データ(各実施例ではサイノグラム)を生成する。一方、光学撮影手段(各実施例では3Dスキャナ12)は(核医学診断の対象たる)被検体M(本実施例3では乳房)を光学撮影して当該乳房の3次元像を取得する。当該光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量(本実施例3では写像変換)を変化量算出部35は算出する。そして、当該変化量算出部35で求まった変化量(写像変換)を用いて、体動補正部36は検査データ(サイノグラム)を体動補正する。上述した実施例1の吸収補正や上述した実施例2の散乱補正でも述べたように光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像の輪郭は、放射性薬剤の分布に左右されない。さらに、放射性薬剤の分布は時間的に変動するが、光学撮影手段(3Dスキャナ12)で取得された3次元像の輪郭は体動を除けば時間的に変動しない。言い換えれば、3次元像の輪郭において変動した場合には、その変動による変化量が体動によるものと見なされる。したがって、CT画像やMRI画像を用いずに、光学撮影手段(3Dスキャナ12)で撮影された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量(写像変換)を算出し、当該変化量(写像変換)を用いることで、放射性薬剤が撮影部位全体に分布していない場合であっても、体動補正を正確に行うことができる。
上述した実施例1,2と同様に本実施例3では撮影部位が乳房である。本実施例3の並列表示や重畳表示については、上述した実施例1,2と同じであるので、その説明については省略する。また、本実施例3の開口部2a(図1(a)を参照)の作用・効果についても、上述した実施例1,2と同じであるので、その説明については省略する。
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。
図13(a)は、レールを備えた場合の実施例4,5に係る頭部PET装置の概略側面図であり、図13(b)は、レールを備えない場合の実施例4,5に係る頭部PET装置の概略側面図であり、図14は、実施例4に係る頭部PET装置のブロック図である。後述する実施例5も含めて、本実施例4では撮影部位が頭部である専用核医学診断装置として頭部PET装置を例に採って説明する。また、図13は実施例4,5とも共通の構成である。
図13(a)は、レールを備えた場合の実施例4,5に係る頭部PET装置の概略側面図であり、図13(b)は、レールを備えない場合の実施例4,5に係る頭部PET装置の概略側面図であり、図14は、実施例4に係る頭部PET装置のブロック図である。後述する実施例5も含めて、本実施例4では撮影部位が頭部である専用核医学診断装置として頭部PET装置を例に採って説明する。また、図13は実施例4,5とも共通の構成である。
図13(a)に示すように、頭部PET装置41は、被検体Mを仰臥位状態で水平面に載置する天板42と、被検体M内の放射性薬剤から発生した放射線(光子)を検出する検出器3を搭載した頭部検査用ガントリ44とを備え、天板42を支持する基台45を備えている。その他に、頭部PET装置41は、上述した実施例1〜3と同様の同時計数回路6(図14を参照)と画像処理部7(図14を参照)とコントローラ8(図14を参照)とメモリ部9(図14を参照)と入力部10(図14を参照)とモニタ11(図14も参照)と光学撮影ガントリ46(図14も参照)とを備えている。さらに、本実施例4では頭部PET装置41は、吸収係数マップ作成部47(図14を参照)を備えている。同時計数回路6は、本発明における検査データ生成手段に相当し、本実施例4の画像処理部7は、本発明における吸収補正手段および再構成手段に相当し、コントローラ8は、本発明における並列表示制御手段および重畳表示制御手段に相当し、光学撮影ガントリ46は、本発明における光学撮影手段に相当し、吸収係数マップ作成部47は、本発明における吸収係数マップ作成手段に相当する。
頭部検査用ガントリ44は、被検体Mの体軸周りを取り囲むように配置された複数の検出器3を収容するリング状の筐体44aを備えている。光学撮影ガントリ46は、被検体Mの頭部を光学撮影して当該頭部の3次元像を取得する。光学撮影ガントリ46は、赤外光を照射する光源46aと、頭部からの放射光を検出することにより光学撮影するカメラ46bとを備えている。光源46aおよびカメラ46bは、被検体Mの体軸周りを回転移動するように構成されており、光源46aおよびカメラ46bが回転移動しながら光学撮影することにより頭部の3次元像を取得する。検出器3を収容した筐体44aの中心と光源46aおよびカメラ46bの回転軌道の中心とが一致するように、頭部検査用ガントリ44および光学撮影ガントリ46は設けられている。具体的な光学撮影ガントリ46の機能については詳しく後述する。
後述する実施例5も含めて、本実施例4では基台45は、天板42を上下方向に昇降移動させるように構成されており、天板42に載置された被検体Mの頭部が、頭部検査用ガントリ44の筐体44aの中心に一致し、かつ光学撮影ガントリ46の光源46aおよびカメラ46bの回転軌道の中心に一致するように、天板42を上下方向に昇降移動させる。
図13(a)に示すように、検出器3や筐体44aとともに頭部検査用ガントリ44が、床面に設置されたレールR上のみを移動するようにする。また、光源46aやカメラ46bとともに光学撮影ガントリ46が当該レールR上のみを移動するようにする。なお、光学撮影ガントリ46による光学撮影の後に頭部検査用ガントリ44による撮影を行うので、被検体Mの手前に光学撮影ガントリ46が配置され、被検体Mの奥に頭部検査用ガントリ44が光学撮影ガントリ46に隣接して配置される。被検体Mの体軸に沿った天板42の中心軸の真下にレールRが位置するように設計し、上述した実施例1でも述べたように、レールR上のみの頭部検査用ガントリ44および光学撮影ガントリ46の移動によって、天板42および頭部検査用ガントリ44・光学撮影ガントリ46が幾何学的に制限を持たすことで、被検体Mと装置との位置合わせを適切に行うことができる。
具体的には、先ず、頭部検査用ガントリ44および光学撮影ガントリ46は被検体Mから離れた位置にあり、天板42に被検体Mを仰臥位状態で載置したことを操作者が視覚的に確認した後に、被検体Mの頭部が、頭部検査用ガントリ44の筐体44aの中心に一致し、かつ光学撮影ガントリ46の光源46aおよびカメラ46bの回転軌道の中心に一致するように天板42を上下方向に昇降移動させる。そして、各ガントリ44,46を被検体Mの頭部に近接させるようにレールR上に移動させる。各ガントリ44,46の移動は一方向ずつの移動(レールR上の水平移動)であり、移動距離が決まっている。したがって、図13(a)に示すように、被検体Mから離れた位置にて入力部10(図14を参照)の操作パネル10aなどから簡便に操作することができる。
なお、図13(a)ではレールRを備えた場合であったが、図13(b)のようにレールを備えない場合であって、基台45に対して天板42が被検体Mの体軸に沿って水平移動してもよい。つまり、図13(a)では天板42を固定した状態で各ガントリ44,46のみを移動させて位置合わせを行ったが、図13(b)では各ガントリ44,46を固定した状態で天板42のみを移動させて位置合わせを行う。図13(b)の場合には、図13(a)と同様に、天板42に被検体Mを仰臥位状態で載置したことを操作者が視覚的に確認した後に、被検体Mの頭部が、頭部検査用ガントリ44の筐体44aの中心に一致し、かつ光学撮影ガントリ46の光源46aおよびカメラ46bの回転軌道の中心に一致するように天板42を上下方向に昇降移動させる。そして、被検体Mの頭部を各ガントリ44,46に近接させるように基台45に対して天板42を被検体Mの体軸に沿って水平移動させる。
また、図13(a)の構成と図13(b)の構成とを組み合わせてもよい。さらに、上述した実施例1でも述べたように、天板42に荷重がかかっていることを検知するセンサや接触センサを天板42に設置したり、光学カメラで得られた光学像を画像処理してもよい。被検体Mが天板42に載置されている時のみ、各ガントリ44,46、あるいは天板42を移動させるように制御するのが好ましい。
予め放射性薬剤を投与した被検体Mを仰臥位状態で天板42に載置する。被検体Mの頭部の撮影を行うために、天板42に被検体Mを仰臥位状態で載置したことを操作者が視覚的に確認した後に天板42を上下方向に昇降移動させる。被検体Mの頭部が頭部検査用ガントリ44の光学撮影ガントリ46の筐体44aの中心かつ光源46aおよびカメラ46bの回転軌道の中心に一致した後に、図13(a)のように天板42を固定した状態で各ガントリ44,46のみを移動させる、あるいは図13(b)のように各ガントリ44,46を固定した状態で天板42のみを移動させる。光学撮影ガントリ46に頭部が位置するようにセッティングして光学撮影ガントリ46による光学撮影を行う。
光学撮影が完了した後に頭部検査用ガントリ44に頭部が位置するようにセッティングして頭部検査用ガントリ44による撮影を行う。具体的には、頭部検査用ガントリ44にセッティングされた頭部からの光子を検出器3が計数して、同時計数したときのみ同時計数回路6(図14を参照)に送り込む。これによって、頭部検査用ガントリ44にセッティングされた頭部を撮影する。
次に、図14に示すように、上述した実施例1と同様に同時計数回路6で同時計数された同時計数データをサイノグラムからなる検査データとして収集(生成)する。生成された当該検査データを画像処理部7およびコントローラ8に送り込み、この検査データを蓄積しつつ画像処理部7は再構成することにより再構成画像であるPET画像を取得する。本実施例4では、上述した実施例1と同様に吸収係数マップ作成部47で作成された吸収係数マップ(例えば吸収係数サイノグラム)を用いて、検査データ(サイノグラム)を再構成して吸収補正する。
吸収係数マップ作成部47は、光学撮影ガントリ46で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数サイノグラムを作成する。吸収係数マップ作成部47は、コントローラ8と同様のCPUあるいはプログラマブルデバイス、または画像処理部7と同様のGPUなどで構成されている。具体的な吸収係数マップ作成部47の機能については詳しく後述する。
次に、本実施例4の吸収補正を含んだ一連の画像処理について、図15および図16を参照して説明する。図15(a)は、実施例4の吸収補正を含んだ一連の画像処理のフローチャートであり、図15(b)は、吸収係数サイノグラムの作成に関するフローチャートであり、図16は、各々のモデルデータの変形に関する説明に供する模式図である。なお、予め放射性薬剤を投与した被検体M(図13を参照)の頭部は光学撮影ガントリ46(図13および図14を参照)に既にセッティングされており、頭部の撮影の準備は既に完了しているとして説明する。
(ステップS31)光学撮影
光学撮影ガントリ46の光源46a(図13を参照)は被検体Mの体軸周りを回転移動しながら、光源46aから頭部に赤外光を照射する。光源46aの体軸周りの回転移動に同期して光学撮影ガントリ46のカメラ46bは体軸周りを回転移動しながら、頭部からの放射光を検出することにより光学撮影する。そして、体軸周りの回転移動に伴う光学撮影によって頭部の3次元像を取得する。光学撮影ガントリ46で取得された頭部の3次元像を、コントローラ8(図14を参照)を介して吸収係数マップ作成部47(図14を参照)に送り込む。また、頭部の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図14を参照)にも送り込む。
光学撮影ガントリ46の光源46a(図13を参照)は被検体Mの体軸周りを回転移動しながら、光源46aから頭部に赤外光を照射する。光源46aの体軸周りの回転移動に同期して光学撮影ガントリ46のカメラ46bは体軸周りを回転移動しながら、頭部からの放射光を検出することにより光学撮影する。そして、体軸周りの回転移動に伴う光学撮影によって頭部の3次元像を取得する。光学撮影ガントリ46で取得された頭部の3次元像を、コントローラ8(図14を参照)を介して吸収係数マップ作成部47(図14を参照)に送り込む。また、頭部の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図14を参照)にも送り込む。
(ステップS32)吸収係数サイノグラムの作成
吸収係数マップ作成部47は、光学撮影ガントリ46で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数サイノグラムを作成する。上述した実施例1〜3と同様に、閾値処理によって光学撮影ガントリ46で取得された頭部の3次元像を二値化処理することにより、頭部における輪郭および輪郭の内部を“1”,頭部における輪郭の外部を“0”とするのが好ましい。図15(a)のステップS32(吸収係数サイノグラムの作成)をより具体化したのが図15(b)である。以下、図15(b)を参照して説明する。
吸収係数マップ作成部47は、光学撮影ガントリ46で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数サイノグラムを作成する。上述した実施例1〜3と同様に、閾値処理によって光学撮影ガントリ46で取得された頭部の3次元像を二値化処理することにより、頭部における輪郭および輪郭の内部を“1”,頭部における輪郭の外部を“0”とするのが好ましい。図15(a)のステップS32(吸収係数サイノグラムの作成)をより具体化したのが図15(b)である。以下、図15(b)を参照して説明する。
上述した実施例1〜3では被検体の撮影部位は乳房であったが、後述する実施例5も含めて、本実施例4では被検体の撮影部位は頭部である。なお、実施例1〜3のように撮影部位が乳房の場合には、輪郭の内部を水だと仮定して水の吸収係数値で一律に決定したが、本実施例4のように撮影部位が頭部の場合には、空気の吸収係数値,脳組織の吸収係数値,骨の吸収係数値を組み合わせて決定する。
輪郭情報のみでは、頭部の内部におけるどの部分が、空気,脳組織または骨のいずれに相当するのかが判らない。そこで、頭部の内部を特定するために、予め得られた被検体の顔表層モデルや骨格モデルや歯列モデルなどと輪郭情報とを組み合わせる。このときには、年齢や性別や人種毎に各々のモデルをそれぞれ用意するのが好ましい。撮影の対象の被検体から、年齢や性別や人種に該当するモデル(顔表層モデルや骨格モデルや歯列モデルなど)を選択する。
(ステップS33)選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致?
選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致するか否かをコントローラ8が判断する。選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致するとコントローラ8が判断した場合にはステップS34に進み、選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致しないとコントローラ8が判断した場合にはステップS36に進む。
選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致するか否かをコントローラ8が判断する。選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致するとコントローラ8が判断した場合にはステップS34に進み、選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致しないとコントローラ8が判断した場合にはステップS36に進む。
(ステップS34)各位置の決定
ステップS33で、選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致するとコントローラ8が判断した場合には、そのときの骨格モデルや歯列モデルなどを選択することにより、輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定する。
ステップS33で、選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致するとコントローラ8が判断した場合には、そのときの骨格モデルや歯列モデルなどを選択することにより、輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定する。
(ステップS35)各吸収値の割り当て
そして、当該骨格位置および当該歯列位置に骨の吸収値を割り当て、骨格位置・歯列位置以外の位置および当該顔表層位置に水または空気の吸収係数値を割り当て、各々の位置に割り当てられた骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値の分布を表したマップを吸収係数サイノグラムとして作成する。予め得られた被検体の顔表層モデルや骨格モデルや歯列モデルなどと輪郭情報とを組み合わせて、輪郭の内部構造を特定する手法については、参考文献3〜6を参照されたい(参考文献3:特表2004−512919、参考文献4:特開2003−044873号公報、参考文献5:小島 潔、外3名、「MRIイメージからの骨格抽出と高忠実な骨格および関節のモーションキャプチャリング」、社団法人 情報処理学会 研究報告、2005/3/4、2005-CV IM-148 (13)、p. 101-108、参考文献6:辛 貞殷、「三次元人体スキャンデータからの特徴点抽出とその応用」、慶応義塾大学大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻 2008年度、p.21-25)。吸収係数マップ作成部47で作成された吸収係数サイノグラムを、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、吸収係数サイノグラムをメモリ部9に書き込んで記憶する。
そして、当該骨格位置および当該歯列位置に骨の吸収値を割り当て、骨格位置・歯列位置以外の位置および当該顔表層位置に水または空気の吸収係数値を割り当て、各々の位置に割り当てられた骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値の分布を表したマップを吸収係数サイノグラムとして作成する。予め得られた被検体の顔表層モデルや骨格モデルや歯列モデルなどと輪郭情報とを組み合わせて、輪郭の内部構造を特定する手法については、参考文献3〜6を参照されたい(参考文献3:特表2004−512919、参考文献4:特開2003−044873号公報、参考文献5:小島 潔、外3名、「MRIイメージからの骨格抽出と高忠実な骨格および関節のモーションキャプチャリング」、社団法人 情報処理学会 研究報告、2005/3/4、2005-CV IM-148 (13)、p. 101-108、参考文献6:辛 貞殷、「三次元人体スキャンデータからの特徴点抽出とその応用」、慶応義塾大学大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻 2008年度、p.21-25)。吸収係数マップ作成部47で作成された吸収係数サイノグラムを、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、吸収係数サイノグラムをメモリ部9に書き込んで記憶する。
(ステップS36)選択されたモデルの変形
ステップS33で、選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致しないとコントローラ8が判断した場合には、図16に示すように、選択された顔表層モデルS10を頭部の輪郭形状S0に合わせて変形させる。変形による写像変換をf3とすると、顔表層モデルS10に写像変換f3を施すことで、頭部の輪郭形状S0に合わせて顔表層モデルS10をS20に変形させる。同様に、そのときの骨格モデルS11や歯列モデルS12も頭部の輪郭形状S0に合わせて変形させる。骨格モデルS11や歯列モデルS12に写像変換f3をそれぞれ施すことで、頭部の輪郭形状S0に合わせて骨格モデルS11や歯列モデルS12をS21,S22に変形させる。そして、ステップS34に戻る。
ステップS33で、選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致しないとコントローラ8が判断した場合には、図16に示すように、選択された顔表層モデルS10を頭部の輪郭形状S0に合わせて変形させる。変形による写像変換をf3とすると、顔表層モデルS10に写像変換f3を施すことで、頭部の輪郭形状S0に合わせて顔表層モデルS10をS20に変形させる。同様に、そのときの骨格モデルS11や歯列モデルS12も頭部の輪郭形状S0に合わせて変形させる。骨格モデルS11や歯列モデルS12に写像変換f3をそれぞれ施すことで、頭部の輪郭形状S0に合わせて骨格モデルS11や歯列モデルS12をS21,S22に変形させる。そして、ステップS34に戻る。
なお、ステップS36で変形を行った後にステップS34,S35を行う場合には、変形した骨格モデルS21に該当する骨格位置および変形した歯列モデルS22に該当する歯列位置をそれぞれ決定する。そして、当該骨格位置および当該歯列位置に骨の吸収値を割り当て、骨格位置・歯列位置以外の位置および当該顔表層位置に水または空気の吸収係数値を割り当て、各々の位置に割り当てられた骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値の分布を表したマップを吸収係数サイノグラムとして作成する。以下、図15(a)に戻って説明する。
(ステップS37)検査データの生成
続いて、被検体Mの頭部内の放射性薬剤から発生した放射線(光子)を検出器3が検出し、同時計数回路6(図14を参照)で同時計数された同時計数データをサイノグラムからなる検査データとして収集(生成)する。生成された当該検査データを画像処理部7(図14を参照)およびコントローラ8に送り込む。
続いて、被検体Mの頭部内の放射性薬剤から発生した放射線(光子)を検出器3が検出し、同時計数回路6(図14を参照)で同時計数された同時計数データをサイノグラムからなる検査データとして収集(生成)する。生成された当該検査データを画像処理部7(図14を参照)およびコントローラ8に送り込む。
(ステップS38)吸収補正・再構成
図15(a)のステップS38は、上述した実施例1のステップS4と同じであるので、その説明については省略する。
図15(a)のステップS38は、上述した実施例1のステップS4と同じであるので、その説明については省略する。
(ステップS39)モニタへの表示
図15(a)のステップS39は、上述した実施例1のステップS5と同じであるので、その説明については省略する。ただし、上述した実施例1〜3では被検体の撮影部位が乳房であったのに対して、後述する実施例5も含めて、本実施例4では被検体の撮影部位は頭部である。したがって、光学撮影で得られた頭部の3次元像とPET画像とを同じモニタ11(図13および図14を参照)に並べて表示制御(並列表示制御)する、あるいは光学撮影で得られた頭部の3次元像とPET画像とを重ね合わせて表示制御(重畳表示制御)する。
図15(a)のステップS39は、上述した実施例1のステップS5と同じであるので、その説明については省略する。ただし、上述した実施例1〜3では被検体の撮影部位が乳房であったのに対して、後述する実施例5も含めて、本実施例4では被検体の撮影部位は頭部である。したがって、光学撮影で得られた頭部の3次元像とPET画像とを同じモニタ11(図13および図14を参照)に並べて表示制御(並列表示制御)する、あるいは光学撮影で得られた頭部の3次元像とPET画像とを重ね合わせて表示制御(重畳表示制御)する。
上述した実施例1では被検体の撮影部位が乳房であったのに対して、本実施例4では被検体の撮影部位は頭部であるのを除けば、本実施例4に係る頭部PET装置41の吸収補正に関する作用・効果については、上述した実施例1と同じであるので、その説明については省略する。
本実施例4では撮影部位が頭部である。本実施例4のように撮影部位が頭部の場合には、空気の吸収係数値,脳組織の吸収係数値,骨の吸収係数値を組み合わせて吸収補正を行う。なお、脳組織の場合には水で近似可能な領域と見なされるので、水の吸収係数値を用いる。具体的には、予め得られた被検体Mの顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータから、輪郭の顔表層に相当する顔表層位置,輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定する。そして、当該骨格位置および当該歯列位置に骨の吸収値を割り当て、骨格位置・歯列位置以外の位置および当該顔表層位置に水または空気の吸収係数値を割り当て、各々の位置に割り当てられた骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値の分布を表したマップを吸収係数マップ(本実施例4では吸収係数サイノグラム)として作成する。上述したように水の吸収係数値(脳組織の吸収係数値)は既知であって、骨の吸収係数値や空気の吸収係数値も既知であり、予め得られた被検体Mの顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータを用いて、各々の位置に骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値をそれぞれ割り当てて決定することで、簡易に吸収補正することができる。
本実施例4の並列表示や重畳表示については、上述した実施例1〜3と同じであるので、その説明については省略する。
次に、図面を参照して本発明の実施例5を説明する。
図17は、実施例5に係る頭部PET装置のブロック図である。上述した実施例4と共通する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略するとともに、図示を省略する。
図17は、実施例5に係る頭部PET装置のブロック図である。上述した実施例4と共通する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略するとともに、図示を省略する。
上述した実施例4では光学撮影された3次元像を用いた吸収補正であった。これに対して、本実施例5では光学撮影された3次元像を用いた散乱補正を行う。
頭部PET装置41(図13を参照)は、上述した実施例4と同様の天板42(図13を参照)と検出器3(図13を参照)と頭部検査用ガントリ44(図13を参照)と基台45(図13を参照)とを備えている。頭部PET装置41は、図17に示すように、上述した実施例4と同様の同時計数回路6と画像処理部7とコントローラ8とメモリ部9と入力部10とモニタ11と光学撮影ガントリ46とを備えている。さらに、本実施例5では頭部PET装置41は、散乱投影データ作成部51を備えている。同時計数回路6は、本発明における検査データ生成手段に相当し、本実施例5の画像処理部7は、本発明における散乱補正手段および再構成手段に相当し、コントローラ8は、本発明における並列表示制御手段および重畳表示制御手段に相当し、光学撮影ガントリ46は、本発明における光学撮影手段に相当し、散乱投影データ作成部51は、本発明における散乱投影データ作成手段に相当する。
本実施例5では、上述した実施例2と同様に散乱投影データ作成部51で作成された散乱投影データ(例えば散乱サイノグラム)を用いて、検査データ(サイノグラム)を再構成して散乱補正する。
散乱投影データ作成部51は、光学撮影ガントリ46で取得された3次元像の輪郭を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱サイノグラムを作成する。散乱投影データ作成部51は、コントローラ8と同様のCPUあるいはプログラマブルデバイス、または画像処理部7と同様のGPUなどで構成されている。具体的な散乱投影データ作成部51の機能については詳しく後述する。
次に、本実施例5の散乱補正を含んだ一連の画像処理について、図18を参照して説明する。図18(a)は、本実施例5の散乱補正を含んだ一連の画像処理のフローチャートであり、図18(b)は、散乱サイノグラムの作成に関するフローチャートである。上述した実施例4と同様に頭部の撮影の準備は既に完了しているとして説明する。
(ステップS41)光学撮影
図18(a)のステップS41は、上述した実施例4のステップS31と同じであるので、その説明については省略する。本実施例5では、光学撮影ガントリ46(図13および図17を参照)で取得された頭部の3次元像を、コントローラ8(図17を参照)を介して散乱投影データ作成部51(図17を参照)に送り込む。また、頭部の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図17を参照)にも送り込む。
図18(a)のステップS41は、上述した実施例4のステップS31と同じであるので、その説明については省略する。本実施例5では、光学撮影ガントリ46(図13および図17を参照)で取得された頭部の3次元像を、コントローラ8(図17を参照)を介して散乱投影データ作成部51(図17を参照)に送り込む。また、頭部の3次元像を、コントローラ8を介してメモリ部9(図17を参照)にも送り込む。
(ステップS42)散乱サイノグラムの作成
散乱投影データ作成部51は、光学撮影ガントリ46で取得された3次元像の輪郭を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱サイノグラムを作成する。上述した実施例1〜4と同様に、閾値処理によって光学撮影ガントリ46で取得された頭部の3次元像を二値化処理することにより、頭部における輪郭および輪郭の内部を“1”,頭部における輪郭の外部を“0”とするのが好ましい。図18(a)のステップS42(散乱サイノグラムの作成)をより具体化したのが図18(b)である。以下、図18(b)を参照して説明する。
散乱投影データ作成部51は、光学撮影ガントリ46で取得された3次元像の輪郭を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱サイノグラムを作成する。上述した実施例1〜4と同様に、閾値処理によって光学撮影ガントリ46で取得された頭部の3次元像を二値化処理することにより、頭部における輪郭および輪郭の内部を“1”,頭部における輪郭の外部を“0”とするのが好ましい。図18(a)のステップS42(散乱サイノグラムの作成)をより具体化したのが図18(b)である。以下、図18(b)を参照して説明する。
上述した実施例1〜3では被検体の撮影部位は乳房であったが、上述した実施例4と同様に本実施例5では被検体の撮影部位は頭部である。したがって、実施例2のように撮影部位が乳房であって散乱補正を行う場合には、輪郭の内部を水だと仮定したモデルデータにおいて確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱サイノグラムを作成した。これに対して、本実施例5のように撮影部位が頭部であって散乱補正を行う場合には、実施例4と同様に予め得られた被検体の顔表層モデルや骨格モデルや歯列モデルなどと輪郭情報とを組み合わせることにより頭部の内部を特定する。
具体的には、予め得られた被検体の顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータから、輪郭の顔表層に相当する顔表層位置,輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定することにより輪郭を模したモデルデータを再構築する。そのためには、上述した実施例4でも述べたように、撮影の対象の被検体から、年齢や性別や人種に該当するモデル(顔表層モデルや骨格モデルや歯列モデルなど)を選択する。
(ステップS43)選択された顔表層モデルに頭部の輪郭が一致?
図18(b)のステップS43は、上述した実施例4のステップS33と同じであるので、その説明については省略する。
図18(b)のステップS43は、上述した実施例4のステップS33と同じであるので、その説明については省略する。
(ステップS44)各位置の決定
図18(b)のステップS44は、上述した実施例4のステップS34と同じであるので、その説明については省略する。
図18(b)のステップS44は、上述した実施例4のステップS34と同じであるので、その説明については省略する。
(ステップS45)各吸収値の割り当て
そして、当該骨格位置および当該歯列位置に骨の吸収値を割り当て、骨格位置・歯列位置以外の位置および当該顔表層位置に水または空気の吸収係数値を割り当て、各々の位置に割り当てられた骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値の分布を表したマップを、再構築されたモデルデータとする。再構築された当該モデルデータにおいて確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱サイノグラムを作成する。上述した実施例2でも述べたように、例えばモンテカルロシミュレーションを応用し散乱線成分を求めるESSE法で用いられている散乱線モデル(図8を参照)を、再構築されたモデルデータに置き換える。
そして、当該骨格位置および当該歯列位置に骨の吸収値を割り当て、骨格位置・歯列位置以外の位置および当該顔表層位置に水または空気の吸収係数値を割り当て、各々の位置に割り当てられた骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値の分布を表したマップを、再構築されたモデルデータとする。再構築された当該モデルデータにおいて確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱サイノグラムを作成する。上述した実施例2でも述べたように、例えばモンテカルロシミュレーションを応用し散乱線成分を求めるESSE法で用いられている散乱線モデル(図8を参照)を、再構築されたモデルデータに置き換える。
再構築されたモデルデータにおいてESSE法によって確率を求める手法については、実施例2の水の吸収体が、再構築されたモデルデータに置き換わっただけなので、その説明を省略する。ESSE法によって推定された投影データ中の散乱成分を散乱サイノグラムとして作成する。散乱投影データ作成部51で作成された散乱サイノグラムを、コントローラ8を介してメモリ部9に送り込む。そして、散乱サイノグラムをメモリ部9に書き込んで記憶する。
(ステップS46)選択されたモデルの変形
図18(b)のステップS46は、上述した実施例4のステップS36と同じであるので、その説明については省略する。以下、図18(a)に戻って説明する。
図18(b)のステップS46は、上述した実施例4のステップS36と同じであるので、その説明については省略する。以下、図18(a)に戻って説明する。
(ステップS47)検査データの生成
図18(a)のステップS47は、上述した実施例4のステップS37と同じであるので、その説明については省略する。
図18(a)のステップS47は、上述した実施例4のステップS37と同じであるので、その説明については省略する。
(ステップS48)散乱補正・再構成
図18(a)のステップS48は、上述した実施例2のステップS14と同じであるので、その説明については省略する。
図18(a)のステップS48は、上述した実施例2のステップS14と同じであるので、その説明については省略する。
(ステップS49)モニタへの表示
図18(a)のステップS49は、上述した実施例4のステップS39と同じであるので、その説明については省略する。
図18(a)のステップS49は、上述した実施例4のステップS39と同じであるので、その説明については省略する。
上述した実施例2では被検体の撮影部位が乳房であったのに対して、本実施例5では被検体の撮影部位は頭部であるのを除けば、本実施例5に係る頭部PET装置41の散乱補正に関する作用・効果については、上述した実施例2と同じであるので、その説明については省略する。
本実施例5では撮影部位が頭部である。本実施例5のように撮影部位が頭部の場合には、予め得られた被検体の顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータから、輪郭の顔表層に相当する顔表層位置,輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定することにより輪郭を模したモデルデータを再構築する。再構築された当該モデルデータにおいて確率をシミュレーション(モンテカルロシミュレーション)により求め、当該確率から散乱投影データ(散乱サイノグラム)を作成する。
本実施例5の並列表示や重畳表示については、上述した実施例1〜4と同じであるので、その説明については省略する。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、核医学診断装置としてPET装置を例に採って説明したが、本発明は、単一の放射線を検出するSPECT(Single Photon Emission CT)装置などにも適用することができる。
(2)上述した各実施例では、データ形式がサイノグラムのときであったが、サイノグラムに限定されない。投影データであれば、例えばデータ形式がヒストグラムであってもよい。したがって、上述した実施例1,4では、吸収係数マップは吸収係数サイノグラムであったが、吸収係数マップは吸収係数ヒストグラムであってもよい。また、上述した実施例2,5では、散乱投影データは散乱サイノグラムであったが、散乱投影データは散乱ヒストグラムであってもよい。
(3)上述した実施例1〜3では被検体の撮影部位が乳房であって、上述した実施例4,5では被検体の撮影部位が頭部であったが、「課題を解決するための手段」の欄でも述べたように、撮影部位については特に限定されない。ただし、撮影対象は乳房や頭部などの局所的な部位であるのが好ましい。上述した実施例4,5のように撮影部位が頭部の場合に、予め得られた被検体の顔表層モデルや骨格モデルや歯列モデルなどと輪郭とを組み合わせて、実施例4の吸収補正や実施例5の散乱補正を行う。実施例3の体動補正を頭部に適用してもよい。
(4)上述した実施例1〜3では、図1(a)および図1(b)に示すように、乳房の周囲を取り囲むようにリング状の筐体4aに複数の検出器3を収容し、上述した実施例4,5では、図13に示すように、被検体Mの体軸周りを取り囲むようにリング状の筐体44aに複数の検出器3を収容したが、検出器の構成については特に限定されない。例えば、検出器を内蔵した平板で乳房を挟んで圧迫してマンモグラムを行う圧迫のタイプであってもよい。
(5)上述した各実施例では、光学撮影手段は、赤外光を照射する3Dスキャナあるいは赤外線を照射する光源を備えた光学撮影ガントリであったが、光学撮影手段の光の種類については特に限定されない。例えば可視光であってもよい。ただし、可視光を照射する場合には、外部からの光を誤って検出する可能性があるので、外部を遮蔽するように周囲の機器を構成するのが好ましい。特に、上述した実施例1〜3のように被検体の撮影部位が乳房である場合には、外部を遮蔽する筐体(ガントリ)を床面に備え、当該筐体(ガントリ)に図1(a)の天板2を搭載する。これにより、乳房を外部から遮断して見えにくくするという効果をも奏する。
(6)上述した実施例1〜3では、伏臥位状態で被検体の乳房を撮影し、上述した実施例4,5では、仰臥位状態で被検体の頭部を撮影したが、核医学診断装置の構造としては、被検体を臥位状態で水平面に載置する天板を必ずしも備える必要はない。例えば、変形例(4)のように検出器を内蔵した平板で乳房を挟んで圧迫して乳房を撮影する場合には座位状態で行う。
(7)上述した実施例1〜3では、光学撮影手段として3Dスキャナ12(図1および図2を参照)を用いて、撮影部位である乳房に赤外光を照射し、乳房からの放射光を検出して、三角測量法を用いて乳房の3次元像を取得したが、乳房を光学撮影するのに3Dスキャナに限定されない。例えば、上述した実施例4,5のように撮影部位である頭部を中心にして、被検体の体軸周りを回転移動する光源46aおよびカメラ46b(いずれも図13を参照)を乳房に適用してもよい。具体的には、図19に示すように、乳房の周りを回転移動する光源46aおよびカメラ46bをマンモPET装置1が備えてもよい。
(8)上述した実施例1〜3では、左右の乳房をそれぞれ撮影したが、特別な事情があれば、片方の乳房のみを撮影してもよい。また、1つの開口部2a(図1(a)を参照)で左右の乳房をそれぞれ下方に案内して通して撮影したが、右の乳房を下方に案内して通す開口部,左の乳房を下方に案内して通す開口部を2つ有してもよい。
(9)上述した実施例2,5の散乱補正では、シミュレーションはモンテカルロシミュレーションであったが、モンテカルロシミュレーションに限定されない。例えば単一散乱シミュレーション(SSS: Single Scatter Simulation)法であってもよい。
(10)上述した実施例2,5の散乱補正では、光学撮影手段(実施例2では3Dスキャナ12、実施例5では光学撮影ガントリ46)で取得された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいて、放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを作成したが、さらに、図20に示すように輪郭の外部を横切るLOR(図20の二点鎖線を参照)は、撮影部位の内部における散乱によるものとして、輪郭の外部を横切るLORを除外してもよい。
(11)上述した各実施例の吸収補正や散乱補正や体動補正を互いに組み合わせてもよい。吸収補正,散乱補正,体動補正を全て組み合わせてもよいし、吸収補正,散乱補正を組み合わせてもよいし、散乱補正,体動補正を組み合わせてもよいし、吸収補正,散乱補正を組み合わせてもよい。
以上のように、本発明は、乳房専用核医学診断装置や頭部専用核医学診断装置などの局所的な部位を撮影対象とした核医学診断装置に適している。
1 … マンモPET装置
2 … 天板
2a … 開口部
3 … 検出器
6 … 同時計数回路
7 … 再構成手段
8 … コントローラ
12 … 3Dスキャナ
15、47 … 吸収係数マップ作成部
25、51 … 散乱投影データ作成部
35 … 変化量算出部
36 … 体動補正部
41 … 頭部PET装置
46 … 光学撮影ガントリ
P1 … (光学撮影で得られた)乳房の3次元像
P2 … PET画像
M … 被検体
2 … 天板
2a … 開口部
3 … 検出器
6 … 同時計数回路
7 … 再構成手段
8 … コントローラ
12 … 3Dスキャナ
15、47 … 吸収係数マップ作成部
25、51 … 散乱投影データ作成部
35 … 変化量算出部
36 … 体動補正部
41 … 頭部PET装置
46 … 光学撮影ガントリ
P1 … (光学撮影で得られた)乳房の3次元像
P2 … PET画像
M … 被検体
Claims (10)
- 核医学診断装置であって、
被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出する検出器と、
当該検出器で検出された放射線から検査データを生成する検査データ生成手段と、
前記被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する光学撮影手段と、
当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部において吸収係数値をそれぞれ仮定し、それぞれ仮定された当該吸収係数値の分布を表した吸収係数マップを作成する吸収係数マップ作成手段と、
当該吸収係数マップ作成手段で作成された吸収係数マップを用いて、前記検査データを吸収補正する吸収補正手段と
を備える、
核医学診断装置。 - 核医学診断装置であって、
被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出する検出器と、
当該検出器で検出された放射線から検査データを生成する検査データ生成手段と、
前記被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する光学撮影手段と、
当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭の内部を模したモデルデータにおいて、前記放射線の総イベント数に対する、散乱線による放射線の検出数の比率である確率をシミュレーションにより求め、当該確率から散乱線の分布を表した散乱投影データを作成する散乱投影データ作成手段と、
当該散乱投影データ作成手段で作成された散乱投影データを用いて、前記検査データを散乱補正する散乱補正手段と
を備える、
核医学診断装置。 - 核医学診断装置であって、
被検体内の放射性薬剤から発生した放射線を検出する検出器と、
当該検出器で検出された放射線から検査データを生成する検査データ生成手段と、
前記被検体を光学撮影して当該被検体の3次元像を取得する光学撮影手段と、
当該光学撮影手段で取得された3次元像の輪郭を用いて、体動に伴う時間的な変化量を算出する変化量算出手段と、
当該変化量算出手段で求まった変化量を用いて、前記検査データを体動補正する体動補正手段と
を備える、
核医学診断装置。 - 請求項1に記載の核医学診断装置において、
前記被検体の撮影部位が乳房である場合に、前記輪郭の内部を水だと仮定して水の吸収係数値で一律に決定し、水の吸収係数値の分布を表したマップを前記吸収係数マップ作成手段は前記吸収係数マップとして作成する、
核医学診断装置。 - 請求項1に記載の核医学診断装置において、
前記被検体の撮影部位が頭部である場合に、予め得られた前記被検体の顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータから、前記輪郭の顔表層に相当する顔表層位置,前記輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および前記輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定し、当該骨格位置および当該歯列位置に骨の吸収値を割り当て、骨格位置・歯列位置以外の位置および当該顔表層位置に水または空気の吸収係数値を割り当て、各々の位置に割り当てられた骨の吸収係数値および水または空気の吸収係数値の分布を表したマップを前記吸収係数マップ作成手段は前記吸収係数マップとして作成する、
核医学診断装置。 - 請求項2に記載の核医学診断装置において、
前記被検体の撮影部位が乳房である場合に、前記輪郭の内部を水だと仮定した前記モデルデータにおいて前記確率をシミュレーションにより求め、当該確率から前記散乱投影データを前記散乱投影データ作成手段は作成する、
核医学診断装置。 - 請求項2に記載の核医学診断装置において、
前記被検体の撮影部位が頭部である場合に、予め得られた前記被検体の顔表層モデル,骨格モデルおよび歯列モデルからなるモデルデータから、前記輪郭の顔表層に相当する顔表層位置,前記輪郭の内部における骨格に相当する骨格位置および前記輪郭の内部における歯列に相当する歯列位置をそれぞれ決定することにより前記輪郭を模した前記モデルデータを再構築し、再構築された当該モデルデータにおいて前記確率をシミュレーションにより求め、当該確率から前記散乱投影データを前記散乱投影データ作成手段は作成する、
核医学診断装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の核医学診断装置において、
前記検査データを再構成することにより再構成画像を生成する再構成手段と、
当該再構成手段で生成された再構成画像と、前記光学撮影手段で取得された3次元像とを同じモニタに並べて表示する並列表示制御手段と
を備える、
核医学診断装置。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の核医学診断装置において、
前記検査データを再構成することにより再構成画像を生成する再構成手段と、
当該再構成手段で生成された再構成画像と、前記光学撮影手段で取得された3次元像とを重畳表示する重畳表示制御手段と
を備える、
核医学診断装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の核医学診断装置において、
前記被検体の撮影部位が乳房である場合に、
前記被検体を伏臥位状態で水平面に載置し、乳房を下方に案内して通す開口部を有する天板を備え、
当該天板の当該開口部は、左右の乳房がともに挿入可能なサイズで構成され、
前記天板の開口部の下部に前記検出器を設ける、
核医学診断装置。
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2017
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