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JP2019031470A - Nk細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物およびその製造方法 - Google Patents

Nk細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】NK細胞の培養上清を含む、新規な抗腫瘍組成物を提供する。
【解決手段】本開示に係る抗腫瘍組成物は、NK細胞を培養することによって得られたNK細胞培養上清を含む。本開示においては前記抗腫瘍組成物の製造方法、および腫瘍の治療方法も提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、NK細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物およびその製造方法に関する。
免疫細胞療法は、手術、放射線治療、抗がん剤治療に次ぐ第4の治療として近年広く普及し一定の効果を上げている。なかでもナチュラルキラー細胞(NK細胞)療法は、治療効果が高く適応疾患が多いため、他の免疫細胞療法をしのぐ注目を集めている。
NK細胞は、細胞性免疫細胞の一つであり、体内を広く循環し、腫瘍細胞やウイルス感染細胞などの異常細胞を攻撃する。NK細胞はT細胞やB細胞とは異なり、免疫感作を経なくとも異常細胞に直接攻撃ができるため、腫瘍免疫療法に用いる細胞として現在最も有力視されている。
NK細胞が腫瘍細胞を殺傷する主な機序としては、パーフォリンやグランザイム等の細胞障害活性を有するプロテアーゼを内包する細胞内顆粒を放出して腫瘍細胞を傷害しアポトーシスを誘導する経路、および、Fasリガンドを介して腫瘍細胞にアポトーシスを誘導する経路が知られている。いずれの経路においても、NK細胞がレセプターを介して腫瘍細胞を認識し、腫瘍細胞に接触して強力な細胞傷害活性が発揮される。
上記のようなNK細胞が癌細胞を傷害する機序を利用して、がん患者から採取したNK細胞を用いるNK細胞療法は既に実用化されている(非特許文献1)。
典型的には、患者から血液を採取し、血中のリンパ球を分離してNK細胞を活性化および増殖させ、これを患者の体内に戻す。これを1クールとして6クールを繰り返し行う方法が一般的である。
しかし、従来のNK細胞療法では、NK細胞の採取と培養のために複数回の自己血採取が必要であり、患者の負担が大きく、また完全なオーダーメイド治療であるためコスト面で高額になる。そのためNK細胞療法は効果があるにもかかわらず多くの患者にとってその恩恵にあずかることのできない特殊医療にとどまっているという克服すべき現実がある。
上記の問題の他に、自己NK細胞療法には宿命的課題がある。採血からNK細胞が必要量まで増えるまでの待機期間を要するという問題である。一刻を争う腫瘍の治療にとってこの点は重大な障害となっている。
Sutlu et al., Journal of Internal Medicine,266;154-181
本開示の目的は、上記の状況に鑑みて、新たな抗腫瘍組成物およびその製造方法を提供することである。
発明者らは、鋭意研究した結果、NK細胞の培養上清(NKCM)が高い腫瘍抑制効果を有することを見出した。
本開示は、以下の態様を含む。
<1> ナチュラルキラー細胞培養上清を含む、抗腫瘍組成物。
<2> ナチュラルキラー細胞を含まない、<1>に記載の抗腫瘍組成物。
<3> 無細胞である、<1>または<2>に記載の抗腫瘍組成物。
<4> ナチュラルキラー細胞が、他家のナチュラルキラー細胞である、<1>〜<3>のいずれか一つに記載の抗腫瘍組成物。
<5> 前記ナチュラルキラー細胞培養上清が、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩及び保存からなる群から選択される1以上によって処理されたものである、<1>〜<4>のいずれか一つに記載の抗腫瘍組成物。
<6> 血清を含まない、<1>〜<5>のいずれか一つに記載の抗腫瘍組成物。
<7> 腫瘍が扁平上皮癌である<1>〜<6>のいずれか一つに記載の抗腫瘍組成物。
<8> 腫瘍が舌癌である<1>〜<7>のいずれか一るに記載の抗腫瘍組成物。
<9> (1)ナチュラルキラー細胞を培養する工程;および
(2)前記ナチュラルキラー細胞の培養により得られた培養上清を回収する工程、
を含む、抗腫瘍組成物の製造方法。
<10> 前記ナチュラルキラー細胞を培養する工程において、培養液に血清が含まれない培養を含む、<9>に記載の抗腫瘍組成物の製造方法。
<11> ナチュラルキラー細胞が、他家のナチュラルキラー細胞である、<9>または<10>に記載の抗腫瘍組成物の製造方法。
<12> 回収した培養上清に対して、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩及び保存からなる群より選択される少なくとも1の処理を行う工程をさらに含む、<9>〜<11>のいずれか一つに記載の抗腫瘍組成物の製造方法。
<13> ナチュラルキラー細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物を、治療を必要とする対象に投与することを含む、腫瘍の治療方法。
<14> ナチュラルキラー細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物を、対象に有効な量投与することを含む、腫瘍の予防および/又は進行抑制方法。
<15> ナチュラルキラー細胞培養上清の、抗腫瘍組成物の製造における使用。
本発明によれば、ナチュラルキラー細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物およびその製造方法、が提供される。
NK細胞は細胞性免疫を担う細胞であり、腫瘍細胞を殺傷する主な機序は、NK細胞が腫瘍細胞を認識し、腫瘍細胞の近傍でパーフォリン等の細胞障害性物質を放出するか、Fasリガンドを介してアポトーシスを惹起することであると考えられている。したがって、NK細胞の培養上清に着目した腫瘍治療用組成物は検討されていない。
また、NK細胞を含まない培養上清(NKCM)のみで固形腫瘍の増大を抑制する、もしくは固形腫瘍が縮小する程の高い抗腫瘍効果が得られることは、NK細胞による腫瘍細胞の傷害の機序から考えて予想外の結果であるといえる。
NK細胞の培養上清を使用する場合には、NK細胞自体を移植するよりも拒絶反応が抑制されるため、必ずしも自己のNK細胞からNKCMを調製する必要は無い。したがって、他家のNK細胞からNKCMを調製することもできる。他家のNK細胞を用いることによって、予めNK細胞培養上清を調製し保存することが可能となり、NK細胞が増殖するまでの待機期間を短縮することができる。その他、採血が不要になるなど、他家由来のNKCMを用いることによるメリットは計り知れない。
SCCVII細胞注入から15日目の担癌マウスの腫瘍の外観を示す。 SCCVII細胞注入から35日目の、NKCMによる治療を行った実験群と、治療を行わなかった対照群の担癌マウスの腫瘍の外観を示す。 担癌マウスにおいて、NKCMによる治療を行った実験群と、治療を行わなかった対照群の腫瘍径の経時変化を示す。 担癌マウスにおいて、NKCMによる治療を行った実験群と、治療を行わなかった対照群のNK細胞活性の経時変化を示す。 担癌マウスにおいて、NKCMによる治療を行った実験群と、治療を行わなかった対照群の腫瘍組織のHE染色像を示す。 症例1の動注化学療法後とNKCM治療後の舌癌の外観を示す。 症例2のNKCM治療後の舌癌および左顎下部の転移巣の外観を示す図である。 症例2のNKCM治療後の左顎下部の転移巣のPET画像を示す図である。 症例2の原発巣およびリンパ節を穿刺して得た組織のHE染色像を示す。
<ナチュラルキラー(NK)細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物>
本開示に係る抗腫瘍組成物は、NK細胞を培養することによって得られたNK細胞培養上清を含む。
本開示において「抗腫瘍効果」は、通常用いられる意味で用いられ、がんの増殖または浸潤をインビトロまたはインビボにおいて抑制する効果を有することを指す。
本開示に係るNK細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物においては、NK細胞を培養して得られたNK細胞培養上清を抗腫瘍組成物の有効成分として用いる。NK細胞培養上清が抗腫瘍効果を示す機序については明らかではないが、NK細胞培養上清にサイトカイン等の生理活性物質が含まれていることが機序の一つとして考えられる。
しかし、従来行われているNK細胞療法の主要な機序は、NK細胞の細胞傷害活性に基づいており、NK細胞培養上清単独で固形腫瘍の縮小あるいは増大の抑制をし得るほどの高い抗腫瘍効果が得られることは予想外の現象である。
なお、本発明は、前記推定に何ら拘束されるものではない。
本開示におけるNK細胞培養上清は、NK細胞を培養して得られるものである。以下の説明ではその製法も併せて説明する。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、自然免疫において働くリンパ球の1種である。T細胞とは異なり、感作を必要とせずにがん細胞やウィルスに感染した細胞に対して細胞傷害活性を発揮する。
本開示において、NK細胞は表面抗原CD56が陽性のリンパ球を指す。大部分のNK細胞ではCD3は陰性である。しかし、T細胞の一部にはCD3が陽性かつCD56が陽性であるサブセットが存在し、このような細胞はナチュラルキラー細胞とT細胞の性質併せ持っており、ナチュラルキラーT細胞と称されている。本開示においては、ナチュラルキラーT細胞もナチュラルキラー細胞に含まれるものとする。
NK細胞の採集方法は周知であり常法に従えばよく、方法は特に限定されない。
NK細胞は、ヒトもしくは非ヒト動物の血液から簡便に採集することができる。血液は特に限定されず、末梢血、動脈血または臍帯血などを利用可能である。一般的には、対象から全血を採取し、フィコール(登録商標)を用いた密度勾配遠心によってNK細胞を含む末梢血単核球画分を出発材料とすればよい。あるいは、血液成分分離装置などを用いて末梢血単核球(PBMC)を分離採取してもよい。
フローサイトメトリーなどの装置を利用して、PBMCからCD56陽性の画分を分離してもよい。PBMCを培養することによってNK細胞を特異的に増殖させることも可能である。例えば、Sutlu et al., Journal of Internal Medicine,266;154-181に記載されているような種々の培養条件で培養すればよい。もしくは、BINKIT(登録商標、株式会社日本バイオセラピー研究所社製)などのNK細胞を特異的に増殖するための市販のキットなども用いることができる。
または、iPS細胞、胚性幹細胞または成体幹細胞などの幹細胞を分化誘導してNK細胞を調製してもよいし、末梢血、臍帯血などから得られる造血前駆細胞を分化誘導してNK細胞を調製してもよい。
従来のNK細胞療法においては、投与対象となる患者からNK細胞を採取し、NK細胞を加工した後に本人に投与する。本開示のNK細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物としては、自己のNK細胞を培養することによって得られる培養上清を用いてもよいし、投与対象ではない他家のNK細胞を培養して得られる培養上清を用いてもよい。
つまり、本開示のNK細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物は、NK細胞の由来が自家であるか他家であるかの由来に関係なく、誰にでも投与することができる。
他家のNK細胞を培養して得られる培養上清を用いることには以下のような有利な点がある。
1)採血の必要が無い。
2)予め大量に生産し保存することが可能である。
3)大幅なコストダウンが期待でき多くの患者がNK免疫療法を受けられる。
4)NKCMは保存できるため、治療開始までの待機期間がない。
以上の通り、他家NK細胞由来の培養上清は一種の生物製剤と考えることができ、新たな腫瘍治療薬としての産業的価値が極めて高い。また、他家NK細胞として、健常人に由来するNK細胞を用いることによって、より抗腫瘍効果が高いNK細胞培養上清を得ることができる。
NK細胞の培養液は通常用いられるものを使用することができる。例えば、10〜15%ウシ胎児血清(FBS)を含有するDMEM、DMEM/F12又はDME培養液(これらの培養液にはさらに、LIF、penicillin/streptomycin、puromycin、L-グルタミン、非必須アミノ酸類、β-メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)または市販の培養液[例えば、BINKIT(登録商標)(バイオセラピー研究所社製)に含まれるNK細胞初期培地およびNK細胞継代培地]などが含まれる。
培養条件は特に限定はされないが、例えば、5%CO存在下にて37℃で振とう培養すればよい。
採取対象への侵襲性が低く、十分な数のNK細胞を得られるという観点から、採取した末梢血単核球を培養しNK細胞を増殖させることが好ましい。好ましくは、細胞数が1.0×10個程度となるまで培養を行う。
採取した末梢血単核球あるいは単離したNK細胞を出発材料として、例えば、Sutlu et al., Journal of Internal Medicine,266;154-181に記載されているような条件で培養することによって、NK細胞を増殖させることができる。
BINKIT(登録商標、株式会社日本バイオセラピー研究所社製)など市販のキットを用いて培養を行い、末梢血単核球のうちNK細胞を選択的に増殖させることもできる。増殖を促進するために、種々のフィーダー細胞と共に培養してもよい。
あるいは、採取した末梢血単核球または培養した末梢血単核球からCD3+陽性の血球をビーズ法などにより除くことによってもNK細胞を得ることができる。
本開示の抗腫瘍組成物の抗腫瘍効果を高める観点から、NK細胞の培養に用いるNK細胞は活性化されていることが好ましい。また、NK細胞を活性化することによって、増殖も促進することができる。
NK細胞を活性化する方法は特に限定されない。例えば、NK細胞の培養液にインターロイキン−2(IL−2)またはインターロイキン−15を添加する方法をあげることができる。
また、癌細胞株であるK−562やHFWTなどと混合培養するか、これらの細胞から調製したタンパク質を添加することによってもNK細胞を活性化することができる。
NK細胞を活性化する種々の方法は公知であり、例えば、Granzinら、Front Immunol.2017,26;8:p458などに記載の方法を用いることができる。
本開示の抗腫瘍組成物に含まれるNK細胞培養上清は、アレルギー反応等の不要な反応を抑制できる場合があることから、無血清であることが好ましい。
例えば、血清を含まない培地(無血清培地)でNK細胞を培養することによって、血清を含まない培養上清を調製することができる。1回又は複数回の継代培養を行うことにし、最後又は最後から数回の継代培養を無血清培地で培養することによっても、血清を含まない培養上清を得ることができる。一方、回収した培養上清から、透析やカラムによる溶媒置換などを利用して血清を除去することによっても、血清を含まない培養上清を得ることができる。
血清を含まないNK細胞の培養上清を調製するためには、全過程を通して或いは最後又は最後から数回の継代培養についは無血清培地を使用するとよい。尚、基本培地としてはDMEMの他、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)(GIBCO社等)、ハムF12培地(HamF12)(SIGMA社、GIBCO社等)、RPMI1640培地等を用いることができる。二種以上の基本培地を併用することにしてもよい。混合培地の一例として、IMDMとHamF12を等量混合した培地(例えば商品名:IMDM/HamF12(GIBCO社)として市販される)を挙げることができる。また、培地に添加可能な成分の例として、血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清等)、血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)、ウシ血清アルブミン(BSA)、抗生物質、各種ビタミン、各種ミネラルを挙げることができる。
培養上清を得るための培養時間としては、例えば5時間〜20日間であり、また、1日〜14日間、6日〜14日間であってもよい。培養温度は例えば36℃〜38℃、例えば37℃、であり、CO濃度は4〜6%、例えば5%、である。また、培養は、例えば非接着性条件下での三次元培養、例えば浮遊培養(例えば、分散培養、凝集浮遊培養など)により行えばよい。
培養後に、細胞成分を分離除去することによって、NK細胞の培養上清を得ることができる。本開示において、培養上清とは、培養液から細胞成分を分離除去した上清そのものだけでなく、各種処理(例えば、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩、保存等)を適宜施した培養上清もその範囲に含む。培養上清の処理方法の詳細は後述する。本開示において培養上清は細胞成分を含まない。このため、本開示における培養上清は、培養に用いられたNK細胞は含んでいない。
本開示に係る抗腫瘍組成物は、NK細胞の培養上清を有効成分として含むものであり、ある実施形態においては、抗腫瘍組成物は組成物全体としてもNK細胞を含まない。また、別の実施形態では、抗腫瘍組成物は組成物全体としても細胞(細胞の種類は問わない)を含まない。つまり、無細胞である。当該実施形態の抗腫瘍組成物は、この特徴によってNK細胞は当然のこと、NK細胞を含む各種組成物と明確に区別される。この実施形態の典型例は、NK細胞を含まず、NK細胞の培養上清のみで構成された抗腫瘍組成物である。
本開示に係る抗腫瘍組成物は他の成分を追加的に含んでもよい。追加的に含まれ得る成分としては、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を含有させることもできる。賦形剤としては乳糖、デンプン、ソルビトール、D-マンニトール、白糖等を用いることができる。崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等を用いることができる。緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等を用いることができる。乳化剤としてはアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラ腫瘍ト等を用いることができる。懸濁剤としてはモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができる。無痛化剤としてはベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビトール等を用いることができる。安定剤としてはプロピレングリコール、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等を用いることができる。抗生物質、pH調整剤、サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子(例えば、TNF−α)、インターフェロン(例えば、IFN−α、βまたはγ))等を含有してもよい。
本開示に係る抗腫瘍組成物の最終的な形態は特に限定されない。形態の例は液体状(液状、ゲル状など)及び固体状(粉状、細粒、顆粒状など)である。本開示に係る抗腫瘍組成物は、吸入に適した形態を有していてもよく、例えば、ネブライザーやディフューザーによって霧状に散布可能な液体の形態を有していてもよい。
従来、NK細胞を用いた免疫細胞療法は実用化されている。細胞を利用する場合、生体から採取した細胞を培養し、その後回収して投与される。従来のNK細胞免疫療法においては、通常、一連の操作の過程で培養上清は廃棄され生理的緩衝液などに置換される。従って、最終的には培養上清を積極的に含むものではない。このことに鑑みれば、NK細胞の培養上清を含む点において、本開示に係る抗腫瘍組成物は、NK細胞を有効成分として使用した組成物などとは、文言上は勿論のこと実質的にも峻別される。
しかし、実施形態によっては、本開示に係る抗腫瘍組成物はNK細胞の培養上清に加えてNK細胞を含むものであってもよい。
本開示に係る抗腫瘍組成物は、NK細胞の培養上清を含有することにより、抗腫瘍効果を奏する。本開示に係る抗腫瘍組成物は、in vivoにおいても腫瘍抑制効果が認められ、従来のNK細胞療法に匹敵する効果を有している。
また、本発明の抗腫瘍組成物は、腫瘍の発症前に投与し、腫瘍が診断されない対象に予防的に用いてもよい。例えば、点鼻薬の剤型は簡便に投与することが可能であり、予防的な使用に適している。本開示に係る抗腫瘍組成物を習慣的に用いることにより、多岐に渡る腫瘍を、極めて初期の発生段階において抑制することが可能である。
本開示においては、
(1)NK細胞を培養する工程;および、(2)前記NK細胞の培養により得られた培養上清を回収する工程、を含む、抗腫瘍組成物の製造方法も提供される。
NK細胞培養上清を含む抗腫瘍組成物についての記載は、本開示の製造方法にも適用することができる。
NK細胞培養上清の調製方法の好ましい例として、以下の一例をあげることができる。
(i)健常人から全血を採取する(例えば、約50mL)。
(ii)フィコール(登録商標)等を用いた密度勾配遠心によって末梢血単核球(PBMC)を含む画分を分離する。
(iii)分離したPBMCを、BINKIT for NK Cells Expansion from PBMCs(商品名、株式会社日本バイオセラピー社製)を用いて、10%FBSを含有するDMEM培地において、37℃、5%COの条件で3日間培養し、キットの使用方法に従ってNK細胞を増殖させる。
(iv)インターロイキン2(IL−2)6000IU/mLを培養液に添加し、7℃、5%COの条件で14日間培養し、NK細胞を増殖させつつ活性化する。
(v)細胞数が1.0×10個程度に増殖してから、遠心分離によって細胞を回収しPBSに懸濁する。PBSにて約2回洗浄してもよい。
(vi)フェノールレッドを含有せず、かつ、IL-2を含有しない無血清のDMEM培地400mLに交換し、37℃、5%COの条件で48時間培養する。
(vii)遠心分離によって培養上清を回収する。
本開示の製造方法は、前記回収された培養上清に遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、保存、および脱塩の中から選択される一つ以上の処理を施す工程をさらに含んでもよい。このような工程を含むことにより、抗腫瘍組成物の取り扱いや保存、運搬がより容易になる。また、前記製造方法は、前記回収された培養上清に、追加の成分を添加する工程をさらに含んでいてもよい。そのような追加の成分の添加により、抗腫瘍組成物全体の特性を向上することが可能である。各々の工程ならびに追加の成分等については、本開示に係る抗腫瘍組成物の説明において記載した事項がそのまま当てはまる。前記回収された培養上清に遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、保存、および脱塩の中から選択される一つ以上の処理を施す工程と、前記回収された培養上清に、追加の成分を添加する工程の両方を含む場合には、両工程はどちらを先に行ってもよく、また可能な場合には同時並行して行ってもよい。
上記工程(2)においては、NK細胞の培養上清を回収する。例えば、スポイトやピペットなどで培養液を吸引して回収することができる。回収した培養上清はそのまま或いは一以上の処理を経た後に本開示に係る抗腫瘍組成物の有効成分として使用される。ここでの処理として、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩、保存(例えば、4℃、−10℃〜−80℃)を例示することができる。尚、NK細胞の培養上清は、複雑高度な精製をしなくとも、所期の作用を示す。このため、本開示に係る抗腫瘍組成物は簡便な工程でも製造することができる。複雑な精製工程を要しないことは、精製に伴う活性の低下を回避できる点においても有利である。
<NK細胞培養上清の濃縮方法>
本開示に係る抗腫瘍組成物は、濃縮されていてもよい。好ましい濃縮倍率は、1.1〜50倍であり、より好ましくは2〜20倍であり、4〜10倍であることが特に好ましい。NK細胞培養上清の濃縮方法としては、培養上清の濃縮に通常用いられている方法を適用することができる。濃縮方法の例としては、例えば、以下の二つの方法を挙げることができる。
1.スピンカラム濃縮法
NK細胞培養上清を、アミコン(登録商標)ウルトラ−15 (メルク社製)を用いて濃縮する。具体的な操作手順は次の通りである。15mlずつ分注後3500回転で15分遠沈する。スピンカラム濃縮法により、NK細胞培養上清を1.2〜20倍程度に濃縮することができる。
2.エタノール沈殿濃縮法
培養上清をエタノール沈殿法を用いて濃縮する。具体的な操作手順は次の通りである。
(i) 培養上清5mlに対し100%エタノール45mLを加え、混和し、−20℃で60分間放置する。
(ii) 4℃、×15000gで15分間遠心する。
(iii) 上澄みを除去し、90%エタノール10mLを加え、よく攪拌する。
(iv) 4℃、×15000gで5分間遠心する。
(v) 上澄みを除去し、得られたペレットを滅菌水500μLに溶解し、マイクロテストチューブへ回収し、濃縮NK細胞培養上清とする。
<NK細胞培養上清の凍結乾燥方法>
また本開示に係る抗腫瘍組成物に含まれるNK細胞培養上清は、凍結または凍結乾燥されたものであってもよいし、凍結乾燥された培養上清を適切な溶媒に溶解したものでもよい。これにより、良好な保存安定性が得られる。NK細胞培養上清の凍結乾燥方法としては、培養上清の凍結乾燥に通常用いられている方法を適用することができる。
本開示においては、本開示に係る抗腫瘍組成物を、治療を必要とする対象に有効な量投与することを含む、腫瘍の治療方法、も提供される。前記対象は、ヒト、またはヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)であってもよい。
本開示においては、本開示に係る抗腫瘍組成物を、対象に有効な量投与することを含む、腫瘍の予防および/又は進行抑制方法、も提供される。
一般に腫瘍は、進行すればするほど治療はより困難になる。このため、そうした腫瘍の早期発見が重要となる訳であるが、毎年の検診によって早期発見が確実にできるわけではない。この点を考慮すると、腫瘍の発生前、もしくは微小な腫瘍が発生した段階において予め治療を開始できることが望ましいが、そのような治療に用いられる薬剤は継続的に用いられるものである以上、投与対象者に与える負担が少ないものであることが望ましい。これらの要求を満たすことは、従来の知見では困難であった。しかし、本開示に係る抗腫瘍組成物は、経鼻でも投与可能であり、また腫瘍一般に広く有効性を有する。このことから、前記抗腫瘍組成物は、上記のような、発症前もしくはごく早期の微小な腫瘍の早期処置(進行抑制)に高い有効性を有する。
抗腫瘍組成物の投与量は、未処理の培養上清の量に換算して、例えば0.1mg/kg/日〜1000mg/kg/日であり、また、1mg/kg/日〜100mg/kg/日であってもよい。また、投与の方法は特に制限されない。例えば、抗組成物の投与は、非経口投与であることが好ましく、非経口投与としては、全身性投与であっても局所投与であってもよい。局所投与の例としては、目的組織への注入、塗布又は噴霧などを挙げることができる。前記抗腫瘍組成物の投与方法の例としては、静脈内投与、動脈内投与、門脈内投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、経肺投与(経肺吸収)及び経鼻投与等を挙げることができる。中でも、経鼻投与、経肺投与等は、低侵襲性であり、好ましい。また、経鼻投与によれば、血液脳関門(BBB)の通過可能性について懸念する必要が無いため、脳に関係する腫瘍に対して特に有効である。投与スケジュールとしては例えば一日一回〜数回、二日に一回、或いは三日に一回などを採用できる。投与スケジュールの作成においては、対象(レシピエント)の性別、年齢、体重、病態などを考慮することができる。
投与方法の選択は、治療対象となる腫瘍の種類、臓器等に基づいて当業者により行うことができる。
なお、実施形態によっては、本開示に係る抗腫瘍組成物に加えて、他の抗腫瘍作用を有する物質を投与してもよい。
例えば、抗腫瘍作用を有する薬剤、NK細胞、T細胞、NKT細胞、B細胞および樹状細胞等の免疫細胞を、本開示の抗腫瘍組成物と同時に、または別々のタイミングで、対象に投与することができる。免疫細胞を用いる場合には、採取後に免疫機能を活性化する処理を行うことが好ましい。前記抗腫瘍組成物と抗腫瘍作用を有する薬剤または免疫細胞を併用する場合には、前記抗腫瘍組成物を含有する第1構成要素と、抗腫瘍作用を有する薬剤または免疫細胞を含有する第2構成要素とからなるキットを用いて投与を行ってもよい。各構成要素は、例えば各々別々のカプセルであったり、あるいは別々のアンプルあるいはバイアルであってもよい。この場合、第1構成要素を投与した治療対象に対して、第1構成要素の投与と同時又は投与後に第2構成要素を投与してもよい。尚、ここでの「同時」は厳密な同時性を要求するものではない。従って、両要素を混合した後に対象へ投与する等、両要素の投与が時間差のない条件下で実施される場合は勿論のこと、片方の投与後、速やかに他方を投与する等、両要素の投与が実質的な時間差のない条件下で実施される場合もここでの「同時」の概念に含まれる。
前記抗腫瘍作用を有する薬剤の好適な例としては以下のようなものを挙げることができる。例えば、イブリツモマブチウキセタン、イマチニブ、エベロリムス、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、スニチニブ、セツキシマブ、ソラフェニブ、ダサチニブ、タミバロテン、トラスツズマブ、トレチノイン、パニツムマブ、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、ラパチニブ、リツキシマブまたはニボルマブなどの種々の分子標的薬;IL−2、IL−15、インターフェロン−α、インターフェロン−βまたはインターフェロンγなどの種々のサイトカインがあげられる。
本開示に係る抗腫瘍組成物に加えて前記抗腫瘍作用を有する薬剤を投与することによって、相乗的な強い抗腫瘍作用を発揮することができる。
本開示の抗腫瘍組成物は、ヒトを含む哺乳類の、多岐にわたるがんに対して有効である。がんとしては、例えば、咽頭癌、喉頭癌、舌癌などの口腔癌、肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌、子宮癌、外陰部癌、皮膚癌、乳癌、卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌、胆嚢癌、腎臓癌、前立腺癌、悪性黒色腫、甲状腺癌、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、繊維肉腫、白血病や悪性リンパ腫、骨髄腫があげられる。
がんの組織分類としては、扁平上皮癌、腺癌またはその他の癌のいずれであってもよいが、扁平上皮癌であることが好ましい。扁平上皮癌の例として、咽頭癌、喉頭癌、舌癌などの口腔癌、肺癌、食道癌、子宮癌、外陰部癌、皮膚癌、腎臓癌などがあげられる。
本開示に係る抗腫瘍組成物は、固形がんに対しても高い抗腫瘍効果を有する。
抗腫瘍効果は、内在性の免疫細胞の能力に基づいて達成されるものであってもよい。本開示に係る抗腫瘍組成物は、サイトカイン等の種々の成分を含んでおり、これらの成分がNK細胞などの内在性の免疫細胞の能力を刺激して、抗腫瘍効果を発揮することが考えられる。
本開示の抗腫瘍組成物の投与対象は特に限定はされない。例えば、ヒト、またはヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)であってもよい。
本開示によれば、NK細胞を培養することによって得られたNK細胞培養上清の、抗腫瘍組成物の製造における使用も提供される。前記NK細胞培養上清、前記抗腫瘍組成物および使用方法の詳細については、前述の説明(本開示に係る抗腫瘍組成物およびその製造方法、ならびに本開示に係る各種治療方法の説明等を参照)のとおりである。
以下に本発明の実施例について説明するが、これに限定されるものではない。また実施例中の%は、特に断らない限り、重量(質量)基準である。
実施例1:ヒトナチュラルキラー細胞培養上清(NKCM)の調製
<NKCM原液およびNKCM5倍濃縮液の調製>
<ナチュラルキラー細胞培養上清(NKCM)の調製>
健常人ボランティアより末梢血を採取し、遠心分離をした後にリンパ球画分を回収し、Ficoll−Hypaque比重法(GE Health Care社)によって末梢単核球(PBMC)を分離した。
次に、PBMCをBINKIT for NK Cells Expansion from PBMCs(商品名、バイオセラピー研究所製)に含まれているNK cell initial medium に懸濁し、さらにBINKITに含まれているNKCM cell initial cocktelを加え、10%FBS添加DMEM培地にて、5%CO,37℃の条件下でマグネチック・ビーズを用いた浮遊培養法で3日間培養し、NK細胞を特異的に増殖させた。続いて、得られたNK細胞を、インターロイキン2(IL−2)6000IU/mLを添加した10%FBS添加DMEM培地にて、5%CO,37℃の条件下でマグネチック・ビーズを用いた浮遊培養法で14日間培養して1億個まで増殖させた。
培養液を遠心分離しNK細胞を回収した(細胞数は1.0×10個)。回収した細胞をPBSに懸濁し2回洗浄を行った。
次に、400mlのフェノールレッドおよびIL−2を含まない無血清DMEM培地に交換し、48時間培養した。遠心分離によって培養上清を回収し、回収した培養上清をさらに2000回転で3分間遠心し、沈殿物を除去し、さらに濾過を行ってNK細胞培養上清(NKCM)を得た。これを、NKCM原液と呼ぶ。後に培養上清を回収した。NK細胞は破棄した。
また、上記の方法において、14日間培養した際にIL−2を添加しない培地を用いて培養を行って得られたNKCMを「新鮮NKCM」と称する。
<NKCM5倍濃縮液の作成>
NKCM原液を、遠心用フィルターユニット(アミコン ウルトラ15(商品名)(メルク社製))を通過させて、試験管に15mlずつ分注し、3500回転で15分間遠心分離を行った。上清を回収し、NKCM5倍濃縮液とした。
なお、特に記載しない限り、NKCM原液およびNKCM5倍濃縮液は、IL−2を添加して培養することによって活性化された、活性化NK細胞より得られたものを指すものとする。
<ウイルス検査>
HBs抗原(精密)、HBs抗体(精密)、HBc抗体、HIV抗原・抗体
RPR定性、HTLV−I第三世代、HCV抗体、ヒトパルボB19IgG、エンドトキシン、マイコプラズマ培養、無菌検査(直接法)を実施した。結果は全て陰性であった。
実施例2:マウスにおける抗腫瘍効果の検証
<担癌動物の作成および治療>
7週齢のメスのC3H/HeJマウス(中部科学資材より購入)の体幹部皮下に、マウス皮膚扁平上皮癌由来のSCCVII細胞(近畿大学西村恭昌博士より供与)(5継代、5X10/0.2mL)を注入し、腫瘍細胞が生着して腫瘍直径が15mmまで増殖した15日目に、NKCMの投与を開始した(注入日を0日とする)。
実験群においては、C3H/HeJマウス(n=4)に、上記で調製したNKCM5倍濃縮液を、1日1回10μmLの用量で14日間にわたり毎日経鼻投与を行った。対照群(n=4)においては、NKCM5倍濃縮液に代えて生理食塩水を同様に投与した。
<評価方法>
(1)腫瘍径の計測
実験群および対照群の担癌マウスの腫瘍の長径と短径とを、SCCVII細胞の注入日を0日としたときの0、5、15、20、25、30および35日目に、ノギスを用いて測定した。長径と短径の和の1/2を腫瘍径とした。
CCVII細胞の注入日を0日としたときの、15日目における実験群と対照群の腫瘍径に有意な差はなく平均値15±3mmであった(図1A)。35日目においては、NKCMを投与していない対照マウスでは腫瘍径が増大し、最大35mmであった。これに対して、NKCMを投与したマウスでは腫瘍増大が停止し、1例では腫瘍が縮小した(図1B、図2、表1)。
以上より、NKCMが抗腫瘍効果を有することがわかる。
(2)NK細胞活性の測定
SCCVII細胞の注入日を0日としたときの、0日目、15日目、35日目に、51Cr遊離法により、NK細胞活性を測定した。実験群および対照群の担癌マウスから血液を採取し、血液から前述の通りNK細胞を分離した。NK細胞に、51Cr-標的細胞(ヒト慢性骨髄性白血病由来K562細胞株)を、NK細胞:51Cr-標的細胞数が1:1、3:1、10:1となる3通りの比率で加え、200μLの完全RPMI培地中でU底の96穴マイクロプレートにて5%CO、37℃で4時間培養した。51Cr-標的細胞は、50μCiの51Crと共に1時間培養し、51Crを含まない培養液で2回洗浄して調製した。
続いて、培養上清を回収し、ガンマカウンター(CRC−55tW(商品名)、キャピンテック社製)を用いて、51Cr感度エネルギーウィンドウ(300−400keV)で遊離した51Crの放射線量を測定した。これを実験遊離値とした。
また、51Cr-標的細胞を、NK細胞を加えない以外は実験遊離値を決定したときと同様に操作して得られた51Crの放射線量を自然遊離値とした。51Cr-標的細胞に4%SDSを加えてインキュベートして得られた51Crの放射線量を最大遊離値とした。
NK細胞活性は以下のようにして算出した。

NK細胞活性(%)=(実験遊離値−自然遊離値)/(最大遊離値−自然遊離値)×100

NK細胞:51Cr-標的細胞数が1:1、3:1、10:1の場合のそれぞれについてNK細胞活性(%)を算出し、それらの平均値を用いてNK細胞活性の評価を行った。
NK細胞活性の測定結果を表2および図3に示す。実験群ではNKCM投与後にNK細胞活性が漸増したのに対して、対照群ではNK細胞活性が減少したか不変であった。
SCCVII細胞の注入日を0日としたときの、0日目のNK細胞活性は、対照群が6.7%、実験群が6.5%であった。15日目のNK細胞活性は、実験群と対照群のいずれにおいても0日目と比べてやや低下し、対照群が5.7%、実験群が5.8%であった。35日目のNK細胞活性は、対照群が5.0%であったのに対して、治療群では7.6%と有意に増加した(p<0.05)。

以上より、NKCMが、NK細胞活性を上昇させる効果を有することがわかる。
<腫瘍の組織学的観察>
SCCVII細胞の注入日を0日としたときの、35日目に、実験群および対照群のマウスそれぞれ1匹づつから腫瘍を摘出し、ホルマリン固定し、パラフィンに包埋して組織切片を作成した。組織切片を常法によってヘマトキシリン・エオシン(HE)染色した。
NKCM非投与の対照マウスでは、腫瘍内に増殖活発な腫瘍細胞が認められた。これに対して、NKCMを投与したマウスでは。壊死した腫瘍細胞が多数みられた(図4)。
NKCMが腫瘍細胞を殺傷し細胞死に導いたと考えられる。
実施例3:健常人由来NKCMとがん患者由来NKCMの比較
C3Hマウスに自然発生した扁平上皮癌より、SCCVII株を作成した(近畿大学西村恭昌博士より供与)。10%FBS含有DMEM培地中で、5%CO、37℃の条件で培養し細胞を増殖させた。
SCCVII細胞を回収し、5000個/ウェルを6穴の平板マルチプレートに播種し、10%FBS含有DMEM培地中で、5%CO、37℃の条件で培養を行った。このとき、培地に(1)癌患者5名の末梢血単核球から実施例1に記載の方法で得たNKCM原液(IL−2活性化あり)、(2)健常人5名の末梢血単核球から実施例1に記載の方法において14日間の培養時にIL−2による活性化を行わずに得た新鮮NKCM原液(IL−2活性化なし)、または、(3)健常人5名の末梢血単核球から実施例1に記載の方法で得たNKCM原液(IL−2活性化あり)を培養液の20体積%添加し、3日後にMTT法(Mosmann T. et al., Journal of immunological methods 65 (1-2): pp55〜63)にて細胞増殖能を評価した。
評価結果を表3に示す。表3中、標準増殖能はSCCVIIに何も添加せずに上記の条件で培養したときの細胞数を示す。全ての群でSCCVII細胞の増殖が抑制された。抑制効果は、(3)のIL−2により活性化を行った健常人由来のNKCM原液が最も高く、次いで(2)のIL−2により活性化を行わなかった健常人由来のNKCM原液が高く、(1)のがん患者由来のNKCM原液が最も低かった。健常人から採取したNK細胞はがん患者由来のNK細胞より高い抗腫瘍効果を示した。
従来、NK細胞療法においては、自己から採取したNK細胞が用いられている。癌患者においては、NK細胞の活性は低下していることが多い。そのため、従来のNK細胞療法においてはNK細胞をIL−2などで活性化してから体内に戻す方法が行われることがしばしば行われている。健常人のNK細胞に由来するNKCMは、NK細胞の活性化を行わなくとも、がん患者由来のNKCMより高い抗腫瘍効果を示し、NK細胞の活性化によってさらに高い抗腫瘍効果を示した。以上のように、健常人のNK細胞を用いて本開示の抗腫瘍組成物を調製することによって、著しく高い抗腫瘍効果を有する抗腫瘍組成物が得られた。
実施例4:臨床研究 症例1
<患者背景>
58歳の男性であり、右側舌縁部に扁平上皮癌を有していた。国際対がん連合(UICC)の基準によるTNM分類はT3N0M0であった。
患者は、ブレオマイシンによる動注化学療法を受けたが腫瘍の増大が続いた。NKCM投与を開始する前には、右舌側部から中央部にかけて25mm×30mmの硬結を認め、中央に20mm×25mmの潰瘍を伴っていた。また、SCC抗原の測定値は3.5ng/mL、NK細胞活性は15%であった。
<投与方法>
NKCM(原液)50mLを、週に1回、合計4回経静脈点滴投与した。また、NKCM5倍濃縮液5mLを、週に1回、合計28回の点鼻投与を並行して行った。
<経過>
NKCM投与開始4週目で腫瘍の増殖は停止し、潰瘍の縮小、疼痛の緩和がみられた。投与終了時には腫瘍は縮小していた(図5)。血液所見として、SCC抗原が0.5ng/mLに低下し、NK細胞活性は29%に向上した。現在、腫瘍の再発はみられず経過は良好である。
他家NKCM投与に関連すると思われる悪心、呼吸不全、熱発、全身倦怠感、アレルギー反応などの合併症はみられなかった。
実施例5:臨床研究 症例2
<患者背景>
80歳の女性であり、左側舌縁部に扁平上皮癌を有していた。国際対がん連合(UICC)の基準によるTNM分類はT4aN3M0であった。初診時、左舌縁に表在性のいわゆるカリフラワー状の、35mm×20mmの巨大な腫瘤を認めた。生検の結果、中等度分化型扁平上皮癌であった。その時点でのSCC抗原は6.5ng/mL、NK細胞活性は10%であった。
動注化学療法(ブレオマイシン)と放射線治療によって舌腫瘍はほぼ消滅し、SCC抗原が1.2ng/mLに低下し、NK細胞活性は12%に改善し、腫瘍はほぼ消失した。
しかし、その1年後、左顎下部に転移巣が発見されたため、部分頸部廓清術を実施した。
<投与方法>
部分頸部廓清術の術後当日より、NKCM(原液)50mLを、週に1回、合計4回経静脈点滴投与した。また、NKCM5倍濃縮液5mLを、週に1回、合計28回の点鼻投与を並行して行った。
<経過>
NKCMの投与終了時には、頸部転移巣は残存するものの、SCC抗原は1.5ng/mL、NK細胞活性20%を維持していた。NKCMの投与終了後現在まで、頸部転移巣および口腔内ともに腫瘍増大は認めず、他の転移巣も発見されず全身状態は良好であった(図6A)。左顎下部の転移巣の増大が認められないことは、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)による画像でも確認された(図6B)。さらに、原発巣および顎下リンパ節を穿刺して得た組織のHE染色像はいずれも大星および下里の分類においてグレード3(non−viableと思われる癌細胞のみが認められる)であった(図6C)。
他家NKCM投与に関連すると思われる悪心、呼吸不全、熱発、全身倦怠感、アレルギー反応などの合併症はみられなかった。
以上に述べた通り、他家のNK細胞培養上清(NKCM)が自家のNK細胞療法と同等の腫瘍制御効果をもつことが明らかになった。本開示の抗腫瘍組成物は、症例1および2において示されたように、舌癌のような固形癌およびその転移巣に対しても抗腫瘍効果を有していた。
このように、NK細胞を含まない、NK細胞の培養上清は高い腫瘍制御効果を示し、新しいがん治療薬として有用である。他家の生細胞を血管内投与した場合には強い拒絶反応が予測されるが、培養上清にはたとえ他家細胞由来であってもアレルギー反応が皆無であることは、体性幹細胞培養上清に関する発明者らの多くの実験が証明しており、今回の他家NKCMにおいてもアレルギー反応は全くみられなかった。
NKCMは、従来のNK細胞療法の弱点を克服しつつ、同等の効果が期待できる画期的な腫瘍治療薬である。
NKCMがNK細胞療法に匹敵するほどの高い抗腫瘍効果を示す機序は不明であるが、NKCMに含まれるサイトカイン等が患者に内在するNK細胞を活性化したことが考えられる。しかし、1回投与量50mL程度のNKCMに含まれるIFNα/β等のサイトカインの投与によりNK細胞療法に匹敵するほどの高い抗腫瘍効果が得られることは予想外の結果であった。
<NK細胞培養上清の保存安定性>
異なる3人より調製したNK細胞培養上清3検体を、表4に示す温度条件で3か月間保存し、培養液中のTNF−α濃度をSRL社に委託してELIZA法により測定した。各培養上清の調製直後のTNF−α濃度も同様に測定した。結果を表4に示す。いずれの検体でも−20℃または−80℃では、3か月保存した後にTNF-αの低下はわずかであった。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に援用されて取り込まれる。

Claims (12)

  1. ナチュラルキラー細胞培養上清を含む、抗腫瘍組成物。
  2. ナチュラルキラー細胞を含まない、請求項1に記載の抗腫瘍組成物。
  3. 無細胞である、請求項1または請求項2に記載の抗腫瘍組成物。
  4. ナチュラルキラー細胞が、健常人に由来する他家のナチュラルキラー細胞である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の抗腫瘍組成物。
  5. 前記ナチュラルキラー細胞培養上清が、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩及び保存からなる群から選択される1以上によって処理されたものである、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の抗腫瘍組成物。
  6. 血清を含まない、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の抗腫瘍組成物。
  7. 腫瘍が、扁平上皮癌である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗腫瘍組成物。
  8. 腫瘍が、舌癌である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗腫瘍組成物。
  9. (1)ナチュラルキラー細胞を培養する工程;および
    (2)前記ナチュラルキラー細胞の培養により得られた培養上清を回収する工程、
    を含む、抗腫瘍組成物の製造方法。
  10. 前記ナチュラルキラー細胞を培養する工程において、培養液に血清が含まれない培養を含む、請求項9に記載の抗腫瘍組成物の製造方法。
  11. ナチュラルキラー細胞が、健常人に由来する他家のナチュラルキラー細胞である、請求項9または請求項10に記載の抗腫瘍組成物の製造方法。
  12. 回収した培養上清に対して、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩及び保存からなる群より選択される少なくとも1の処理を行う工程をさらに含む、請求項9〜請求項11のいずれか一項に記載の抗腫瘍組成物の製造方法。
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