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JP2019030588A - チューブポート及びポート部材付き輸液バック - Google Patents

チューブポート及びポート部材付き輸液バック Download PDF

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JP2019030588A
JP2019030588A JP2017154522A JP2017154522A JP2019030588A JP 2019030588 A JP2019030588 A JP 2019030588A JP 2017154522 A JP2017154522 A JP 2017154522A JP 2017154522 A JP2017154522 A JP 2017154522A JP 2019030588 A JP2019030588 A JP 2019030588A
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宏達 高橋
Hirotatsu Takahashi
宏達 高橋
高木 直樹
Naoki Takagi
直樹 高木
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

【課題】水蒸気バリア性及び酸素バリア性、寸法安定性、及び視認性に優れるチューブポート、及び該チューブポートを備えたチューブポート付き輸液バックを提供することを目的とする。
【解決手段】輸液バックに取り付けられるチューブポートであって、ポリ塩化ビニリデンを含む樹脂層Iを有する筒状成形体を備える、チューブポート。
【選択図】図1

Description

本発明は、チューブポート及びチューブポート付き輸液バックに関する。
輸液袋類のような医薬品等を収容する容器(以下、「輸液バック」ともいう。)は、バリア層が施された包装材(フィルム)と液の流路となる口栓により構成される。口栓の種類としては、その末端が、中空針が刺通可能でありかつ突き刺された隙間から液が漏れないように構成された弾性体等の閉鎖栓により閉鎖されたタイプのポート(以下、「閉鎖栓型ポート」ともいう。)や、閉鎖栓に代えて、上部をねじり開封するツイストオフタイプのコネクタや、分岐型のコネクタ、キャップ付きのコネクタ等が接続可能なチューブタイプのポート(以下、「チューブポート」ともいう。)がある。この口栓は、容器との密着性の観点、閉鎖栓やコネクタとの密着性の観点、廃棄焼却の観点、薬液との接触性の観点等から、種々の性能が要求されるが、必ずしもガスバリア性向上に対する施策がなされているわけではない。
例えば、特許文献1には、耐熱性及びポリエチレン製の輸液バックとの密着性の向上を目的として、高密度ポリエチレンを含む樹脂材料からなる外層と、ランダムポリプロピレン及び/又はブロックポリプロピレンを含む樹脂材料からなる内層とを有するチューブポートが開示されているが、引用文献1で用いられているポリオレフィンは、酸素、二酸化炭素などのガスを透過し易く、例えば、酸化し易い薬剤や、炭酸ガスの吸収に伴うpHの変動を抑制すべき薬液などを収容、保存する用途には、必ずしも適切でない。そのため、バリア層が施された包装材で構成された輸液バックを用いて、全体のバリア性を向上させたとしても、結局、口栓の低バリア性の影響により、内容物の劣化抑制で無視できないものとなる。
このような問題に対し、チューブポートではなく閉鎖栓型ポートの例ではあるが、特許文献2においては、本質的にガスを透過させないバリアを形成する少なくとも1つの層を備えるシート材料とそれをシールして得られる容器が記載されており、その容器には、口栓としても本質的にガスを透過させないチューブを用いることが開示されている。
特開2012−29895号公報 特表2004−536630号公報
チューブポートには、ポリオレフィンやポリ塩化ビニルなどの材料で構成される種々のコネクタとの密着性(シール性)が要求されるのに対して、閉鎖栓型ポートには、中空針が刺通可能である弾性体との密着性(シール性)が要求されるという点において、少なくとも両者に求められる材質性能は異なる。そのため、引用文献2で開示される閉鎖栓型ポートにおいて、一応のバリア性が示されているからと言って、引用文献1で開示されるチューブポートにおいても容易に同様のバリア性が達成されるとは直ちにいえるものではない。
その上、特許文献2において、不透過の対象とするガスは実質的に酸素のみであり、その酸素不透過手段としては水蒸気難透過性に相対的に劣るエチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)を用いることしか開示がない。しかしながら、輸液バックとしては、酸素のみならず水蒸気等のバリア性も要求され得るのであり、特許文献2に開示される手段をもってしても十分なバリア性が達成されているとは言い難い。
また、チューブポートと輸液バックやコネクタの密着部分の剥離等に着目すれば、高湿下におけるチューブポートの寸法安定性もバリア性に影響があるものと考えられる。この点、EVOHを用いる特許文献2に記載の方法では、水蒸気バリア性に劣り、また高湿下の寸法安定性にも問題がある。さらに、通常のEVOHではレトルト滅菌処理、オートクレーブ滅菌処理を行うとデラミネーション、白化等が発生する問題をも有している。
その上、異物が混入した場合や、内容物の成分の一部が結晶化している場合、コネクタとの接続が不完全な場合に、チューブポートの外観からそれら欠陥を把握できることが望ましい。そのため、チューブポートとしては、所定のバリア性を有しつつもその内部の視認性に優れるものが望まれる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、水蒸気バリア性及び酸素バリア性、輸液バック及びコネクタとの密着性、並びに、視認性に優れるチューブポート、及び該チューブポートを備えたチューブポート付容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定の樹脂層を有する筒状成形体を用いることにより、上記問題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記の通りである。
〔1〕
輸液バックに取り付けられるチューブポートであって、
ポリ塩化ビニリデンを含む樹脂層Iを有する筒状成形体を備える、
チューブポート。
〔2〕
前記筒状成形体の水蒸気透過度が、1000g・μm/m2・24hrs・atm(38℃・90%RH)以下である、
〔1〕に記載のチューブポート。
〔3〕
前記筒状成形体の酸素透過度が、1000mL・μm/m2・24hrs・atm(23℃・65%RH)以下である、
〔1〕又は〔2〕に記載のチューブポート。
〔4〕
前記筒状成形体が、最外層に、ポリオレフィンを含む樹脂層IIを有する、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のチューブポート。
〔5〕
前記筒状成形体が、最内層に、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン、及びエチレンビニルアセテートからなる群より選ばれる1種以上を含む樹脂層IIIを有する、
〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のチューブポート。
〔6〕
前記筒状成形体が、前記樹脂層Iと前記樹脂層IIの間に配される樹脂層IV、及び/又は、前記樹脂層I及び前記樹脂層IIIの間に配される樹脂層Vをさらに有する、
〔5〕に記載のチューブポート。
〔7〕
輸液バックと、該輸液バックに取り付けられた〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のチューブポートと、を有する、チューブポート付き輸液バック。
本発明によれば、水蒸気バリア性及び酸素バリア性、輸液バック及びコネクタとの密着性、並びに、視認性に優れるチューブポート、及び該チューブポートを備えたチューブポート付き輸液バックを提供することができる。
本実施形態のチューブポートを備えたチューブポート付き輸液バックを表す側面図である。 本実施形態のチューブポートを軸方向からみた断面図である。 視認性試験の態様を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔チューブポート〕
本実施形態のチューブポートは、ポリ塩化ビニリデン含む樹脂層Iを有する筒状成形体を備える。なお、「チューブポート」とは、上記のとおり、輸液バックの液の流路となる口栓のうち、輸液バックが接着(溶着)される端(以下、「輸液バック内端」ともいう。)と、輸液バックの外部に露出し、各種コネクタ等が接続可能なように構成された端(以下、「コネクタ接続端」ともいう。)とを有するものをいい、閉鎖栓型ポートとは区別される(図1)。例えば、輸液バックが、2枚のフィルムを中心が保液用の空間となるように張り合わせて構成したものである場合には、チューブポートは、その輸液バック内端が、輸液バックを構成する2枚のフィルムの内面と、チューブポートの外周とが接着(溶着)するように輸液バックに挿入される。輸液バック内に輸液を注入する際は、このチューブポートを介して輸液バック内に輸液を注入することができる。また、注入後は、チューブポートのコネクタ接続端に各種コネクタを接続し、高圧蒸気滅菌処理をすることもできる。チューブポートは、輸液バックの非使用時においては、コネクタとともに輸液バックを密封する部材となり、使用時においては液が輸液バックの内外を液体連通させるようにする部材となる。
図1に、本実施形態のチューブポートを備えたチューブポート付き輸液バックを表す側面図を示し、図2にチューブポートを軸方向からみた断面図を示す。本実施形態のチューブポート10は、輸液バック20からその先端(コネクタ接続端)が一部露出するよう輸液バック20に取り付けられる。輸液バック20から露出するチューブポート10の先端には、コネクタ2が筒状成形体1の内壁と密着して設けられている。コネクタ2は、例えば、捻ることで開封が可能なツイストオフ型の構造を有する。本実施形態のチューブポート10は、医療用、食品用(飲料含む)の輸液バックに使用することができる。
従来のチューブポートは、酸素バリア性及び/又は水蒸気バリア性に劣るため、液体を収容する輸液バック自体が酸素バリア性及び水蒸気バリア性を有していたとしても、チューブポートを経由して透過した酸素及び水蒸気が輸液バック内の内容物を劣化させたり、逆に、輸液バックの内容物中の成分がチューブポートを経由して外部に発散したりするという問題がある。
これに対して、本実施形態のチューブポートは、所定の筒状成形体を備えることにより、酸素、水蒸気等のガス侵入を嫌う輸液バック内の医薬品、食品等の劣化を防ぐことができ、衛生性と安全性を保ちつつ長期保存を可能とすることができ、また、輸液バックの内容物中の成分がチューブポートを経由して外部に発散したりすることを抑制することができる。さらに、本実施形態によれば、殺菌の観点からのチューブポート付き輸液バックに高圧蒸気滅菌処理又は熱水処理等を施してもバリア性を維持することができる。
〔筒状成形体〕
樹脂層Iを有する筒状成形体を用いることにより、チューブポートの酸素バリア性及び/又は水蒸気バリア性を担保することができ、輸液バック内の医薬品、食品等の劣化を防ぐことができ、衛生性と安全性を保ちつつ長期保存を可能とすることができる。また、高湿下における寸法安定性にも優れ、内部の視認性(透明性)にも優れるものとなる。なお、本実施形態において、「樹脂層」とは、筒状成形体の側壁に沿って配される筒状の層をいう。
筒状成形体は、ポリ塩化ビニリデンを含む樹脂層Iを有するものであれば特に制限されず、樹脂層Iの単層構造であってもよいし、必要に応じて他の樹脂層と組み合わせた多層構造であってもよい。多層構造としては、特に制限されないが、例えば、最内層と、最外層とを有する2層構造、及び、最内層と、1層以上の中間層と、最外層とを有する3層以上の構造が挙げられる。多層構造の場合、樹脂層Iは最内層、中間層、最外層のいずれであってもよい。図1に、3層構造を有する場合の筒状成形体の概略断面図を示す。図1においては、中間層に樹脂層Iが配され、最外層に後述する樹脂層IIが配され、最内層に後述する樹脂層IIIが配されている。樹脂層I、樹脂層II、樹脂層IIIの層厚は、それぞれh1、h2、h3とする。
樹脂層I以外の他の樹脂層としては、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン(以下、「PO」ともいう。)を含む樹脂層II、及び熱可塑性エラストマー(以下、「TPE」ともいう。)、ポリプロピレン(以下、「PP」ともいう。)、及びエチレンビニルアセテート(以下、「EVA」ともいう。)からなる群より選ばれる1種以上を含む樹脂層III、及びその他の樹脂層が挙げられる。その他の樹脂層としては、特に制限されないが、例えば、樹脂層I及び樹脂層IIの間に配される樹脂層IV、及び樹脂層I及び樹脂層IIIの間に配される樹脂層Vが挙げられる。
〔樹脂層I:ポリ塩化ビニリデン〕
樹脂層Iは、チューブポートの酸素バリア性及び水蒸気バリア性、高湿下における寸法安定性、内部の視認性の向上に寄与する。樹脂層Iはポリ塩化ビニリデンを含むものであり、好ましくはポリ塩化ビニリデンからなるものである。樹脂層Iを構成するポリ塩化ビニリデンとしては、塩化ビニリデン単独重合体、及び、塩化ビニリデン単量体とそれと共重合可能な単量体との塩化ビニリデン共重合体が含まれる。
塩化ビニリデン単量体と共重合可能な単量体(以下、「コモノマー」ということもある。)としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル;アクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;メタクリル酸;メチルアクリロニトリル;酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも、水蒸気バリア性及び酸素バリア性と押出加工性のバランスの観点からアクリル酸エステル、メチルアクリロニトリルが好ましい。これらの共重合可能な単量体は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体及び塩化ビニリデン−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−メチルアクリロニトリル共重合体のコモノマー含有量は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは1〜35質量%であり、さらに好ましくは2〜25質量%であり、よりさらに好ましくは2〜15.5質量%であり、さらにより好ましくは4〜15質量%であり、特に好ましくは5〜15質量%である。塩化ビニリデン共重合体中のコモノマー含有量が1質量%以上であることにより、押出時の溶融特性がより向上する傾向にある。また、塩化ビニリデン共重合体のコモノマー含有量が40質量%以下であることにより、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより向上する傾向にある。
また、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体のコモノマー含有量は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは1〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜25質量%であり、よりさらに好ましくは4〜15質量%であり、特に好ましくは5〜15質量%である。ある。塩化ビニリデン共重合体のコモノマー含有量が1質量%以上であることにより、押出時の溶融特性がより向上する傾向にある。また、塩化ビニリデン共重合体のコモノマー含有量が40質量%以下であることにより、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより向上する傾向にある。
ポリ塩化ビニリデンのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−10℃以上であり、より好ましくは−7℃以上であり、さらに好ましくは−2℃以上である。Tgが−10℃以上であることにより、押出成形時の安定性に優れる傾向にある。また、Tgは、好ましくは18℃以下であり、より好ましくは15℃以下であり、さらに好ましくは13℃以下である。Tgが18℃以下であることにより、切断加工時の断面美観性により優れる傾向にある。
ポリ塩化ビニリデンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5×104〜1.5×105であり、より好ましくは6×104〜1.3×105であり、さらに好ましくは7×104〜1×105である。重量平均分子量(Mw)が5×104以上であることにより、押出時の溶融特性がより向上する傾向にある。また、重量平均分子量(Mw)が1.5×105以下であることにより、熱安定性を維持した溶融押出が可能となる傾向にある。なお、本実施形態において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー法(GPC法)により、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
樹脂層Iの厚さは、好ましくは5〜1500μmであり、より好ましくは10〜1000μmであり、さらに好ましくは25〜700μmであり、特に好ましくは50〜500μmである。樹脂層の厚さが上記範囲内であることにより、筒状成形体をより多くの用途に使用することができる。
〔樹脂層II:ポリオレフィン〕
樹脂層IIはポリオレフィンを含む層であり、好ましくはポリオレフィンからなる層である。ポリオレフィンとしては、特に制限されないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン等のポリエチレン系樹脂(以下、「PE」ともいう。);ポリプロピレン(以下、「PP」ともいう。);シクロオレフィンポリマー(以下、「COP」ともいう。)が挙げられる。このなかでも、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はシクロオレフィンポリマーが好ましい。樹脂層IIを構成する樹脂としては、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
樹脂層IIを構成する高密度ポリエチレンとしては、特に限定されないが、ポリエチレン単独重合体、1−ブテンなどのα−オレフィンと共重合させ短い分岐(SCB)構造を持たせた共重合体が挙げられる。高密度ポリエチレンの密度は、0.942〜0.965である。
樹脂層IIを構成するポリプロピレンとしては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン単独重合体;ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリプロピレン共重合体が挙げられる。
また、樹脂層IIを構成するシクロオレフィンポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、単量体として、単環シクロオレフィンモノマー及び/又はノルボルネン系モノマーを含むポリマーが挙げられる。単環シクロオレフィンモノマー及びノルボルネン系モノマーは、それぞれ1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
ここで、単環シクロオレフィンモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン等が挙げられる。また、ノルボルネン系モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、2−ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンなどの三環体、テトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセンなどの四環体、トリシクロペンタジエンなどの五環体、テトラシクロペンタジエンなどの七環体等が挙げられる。単環シクロオレフィンモノマー及びノルボルネン系モノマーは、アルキル置換体(メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体など)、アルキリデン置換体(例えば、エチリデン置換体)、アリール置換体(例えば、フェニル、トリル置換体)、並びにエポキシ基、メタクリル基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン基、エーテル結合含有基、エステル結合含有基などの極性基を有する誘導体であってもよい。
樹脂層IIの厚さは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下であり、よりさらに好ましくは10μm以下である。樹脂層IIの厚さが100μm以下であることにより、筒状成形体の柔軟性がより向上する傾向にある。特に、厚さが20μm以下であることにより、筒状成形体の透明性もより向上する傾向にある。樹脂層IIの厚さの下限は特に制限されず、3μm以上である。
樹脂層IIは、筒状成形体の最外層(チューブポートの最外層)に設けられることが好ましい。ポリオレフィン、特に、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はシクロオレフィンポリマーを含む樹脂層IIを筒状成形体の最外層(チューブポートの最外層)に設けることにより、輸液バックを構成するフィルムとの密着性がより向上する傾向にある。
〔樹脂層III〕
樹脂層IIIは、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン、及びエチレンビニルアセテートからなる群より選ばれる1種以上を含む層である。このなかでも、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン、及びエチレンビニルアセテートが好ましく、熱可塑性エラストマーがより好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、又は、水添スチレン−共役ジエンブロック共重合体等のポリスチレン−ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーのようなこれらの共重合体エラストマーが挙げられる。このなかでも、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン−ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。このような熱可塑性エラストマーを用いることにより、輸液バックを構成するフィルムとの密着性がより向上する傾向にある。
エチレンビニルアセテート中の酢酸ビニルの含有量は、エチレンビニルアセテート100質量%に対して、好ましくは1〜35質量%であり、より好ましくは5〜30質量%であり、さらに好ましくは10〜25質量%であり、特に好ましくは15〜20質量%である。酢酸ビニルの含有量が上記範囲内であることにより、コネクタとの密着性がより向上する傾向にある。
ポリプロピレンとしては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン単独重合体;ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリプロピレン共重合体が挙げられる。
樹脂層IIIの厚さは、好ましくは3〜200μmであり、より好ましくは3〜100μmであり、さらに好ましくは3〜50μmであり、よりさらに好ましくは3〜20μmであり、さらにより好ましくは3〜10μmである。
樹脂層IIIは、筒状成形体の最内層(チューブポートの最内層)に設けられることが好ましい。熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン、又はエチレンビニルアセテートを含む樹脂層IIIを筒状成形体の最内層(チューブポートの最内層)に設けることにより、チューブポートとコネクタとの密着性がより向上する傾向にある。
〔樹脂層IV〕
樹脂層IVは、樹脂層I及び樹脂層IIの間に配される樹脂層である。樹脂層IVを構成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン、エチレンビニルアセテートが挙げられる。このなかでも、熱可塑性エラストマー及びエチレンビニルアセテートが好ましく、熱可塑性エラストマーがより好ましい。このような樹脂を用いることにより、樹脂層Iと樹脂層IIの接着性がより向上する傾向にある。なお、上記樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、樹脂層IVは上記樹脂を含む層であり、好ましくは上記樹脂からなる層である。
熱可塑性エラストマーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。このなかでも、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。このような熱可塑性エラストマーを用いることにより、樹脂層Iと樹脂層IIの接着性がより向上する傾向にある。
エチレンビニルアセテート中の酢酸ビニルの含有量は、エチレンビニルアセテート100質量%に対して、好ましくは1〜35質量%であり、より好ましくは5〜30質量%であり、さらに好ましくは10〜25質量%であり、特に好ましくは15〜20質量%である。酢酸ビニルの含有量が上記範囲内であることにより、樹脂層Iと樹脂層IIの接着性がより向上する傾向にある。
樹脂層IVの厚さは、好ましくは3〜200μmであり、より好ましくは5〜100μmであり、さらに好ましくは5〜75μmである。
〔樹脂層V〕
樹脂層Vは、樹脂層I及び樹脂層IIIの間に配される樹脂層である。樹脂層Vを構成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン、エチレンビニルアセテートが挙げられる。このなかでも、熱可塑性エラストマー及びエチレンビニルアセテートが好ましく、熱可塑性エラストマーがより好ましい。このような樹脂を用いることにより、樹脂層Iと樹脂層IIIの接着性がより向上する傾向にある。なお、上記樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、樹脂層Vは上記樹脂を含む層であり、好ましくは上記樹脂からなる層である。
熱可塑性エラストマーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。このなかでも、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。このような熱可塑性エラストマーを用いることにより、樹脂層Iと樹脂層IIIの接着性がより向上する傾向にある。
エチレンビニルアセテート中の酢酸ビニルの含有量は、エチレンビニルアセテート100質量%に対して、好ましくは1〜35質量%であり、より好ましくは5〜30質量%であり、さらに好ましくは10〜25質量%であり、特に好ましくは15〜20質量%である。酢酸ビニルの含有量が上記範囲内であることにより、樹脂層Iと樹脂層IIIの接着性がより向上する傾向にある。
樹脂層Vの厚さは、好ましくは3〜200μmであり、より好ましくは5〜100μmであり、さらに好ましくは5〜75μmである。
(その他の添加剤)
角樹脂層は、必要に応じて、公知の可塑剤、熱安定剤、着色剤、有機系滑剤、無機系滑剤、界面活性剤、加工助剤等その他の添加剤を含んでいてもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチルトリブチルサイトレート、アセチル化モノグリセライド、ジブチルセバケート等が挙げられる。
熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化植物油や、エポキシ系樹脂、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
〔層構成〕
多層構造を有する筒状成形体の層構成としては、特に限定されないが、例えば、PVDC/COP、PVDC/PP、PVDC/HDPE、TPE/PVDC、PP/PVDC、EVA/PVDC、TPE/PVDC/COP、PP/PVDC/COP、EVA/PVDC/COP、TPE/PVDC/PP、PP/PVDC/PP、EVA/PVDC/PP、TPE/PVDC/HDPE、PP/PVDC/HDPE、EVA/PVDC/HDPE、TPE/PVDC/TPE/COP、PP/PVDC/TPE/COP、EVA/PVDC/TPE/COP、TPE/PVDC/TPE/PP、PP/PVDC/TPE/PP、EVA/PVDC/TPE/PP、TPE/PVDC/TPE/HDPE、PP/PVDC/TPE/HDPE、EVA/PVDC/TPE/HDPE、TPE/PVDC/EVA/COP、PP/PVDC/EVA/COP、EVA/PVDC/EVA/COP、TPE/PVDC/EVA/PP、PP/PVDC/EVA/PP、EVA/PVDC/EVA/PP、TPE/PVDC/EVA/HDPE、PP/PVDC/EVA/HDPE、EVA/PVDC/EVA/HDPE、PP/TPE/PVDC/TPE/COP、EVA/TPE/PVDC/TPE/COP、PP/TPE/PVDC/TPE/PP、EVA/TPE/PVDC/TPE/PP、PP/TPE/PVDC/TPE/HDPE、EVA/TPE/PVDC/TPE/HDPE、等が挙げられる。なお、「PVDC/PO」という表記は、PVDC層とPO層が筒状成形体の内側から外側へ向けて積層されていることを示す。
〔水蒸気透過度〕
38℃・90%RHにおける樹脂層の水蒸気透過度は、好ましくは1000g・μm/m2・24hrs・atm以下であり、より好ましくは500g・μm/m2・24hrs・atm以下であり、さらに好ましくは300g・μm/m2・24hrs・atm以下であり、よりさらに好ましくは200g・μm/m2・24hrs・atm以下であり、さらにより好ましくは100g・μm/m2・24hrs・atm以下であり、特に好ましくは50g・μm/m2・24hrs・atm以下であり、最も好ましくは25g・μm/m2・24hrs・atm以下である。38℃・90%RHにおける筒状成形体の水蒸気透過度の下限は特に制限されず、0g・μm/m2・24hrs・atm(検出限界)である。本明細書において「RH」は、相対湿度を意味する。
38℃・90%RHにおける筒状成形体の水蒸気透過度が1000g・μm/m2・24hrs・atm以下であることにより、内容物の劣化抑制、衛生性と安全性がより向上する傾向にある。なお、38℃・90%RHにおける筒状成形体の水蒸気透過度は、塩化ビニリデン共重合体を選択して用いることにより、低下させることができる。また、38℃・90%RHにおける筒状成形体の水蒸気透過度は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔酸素透過度〕
23℃・65%RHにおける樹脂層の酸素透過度は、好ましくは1000mL・μm/m2・24hrs・atm以下であり、より好ましくは80mL・μm/m2・24hrs・atm以下であり、さらに好ましくは50mL・μm/m2・24hrs・atm以下であり、よりさらに好ましくは45mL・μm/m2・24hrs・atm以下であり、さらにより好ましくは35mL・μm/m2・24hrs・atm以下であり、特に好ましくは30mL・μm/m2・24hrs・atm以下であり、最も好ましくは25mL・μm/m2・24hrs・atm以下である。23℃・65%RHにおける樹脂層の酸素透過度の下限は特に制限されず、0mL・μm/m2・24hrs・atm(検出限界)である。
23℃・65%RHにおける筒状成形体の酸素透過度が1000mL・μm/m2・24hrs・atm以下であることにより、内容物の劣化抑制、衛生性と安全性がより向上する傾向にある。なお、23℃・65%RHにおける筒状成形体の酸素透過度は、塩化ビニリデン共重合体を選択して用いることにより、低下させることができる。また、23℃・65%RHにおける筒状成形体の酸素透過度は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔酸素透過度維持率〕
筒状成形体の23℃・65%RHにおける酸素透過度を、23℃、90%RHの高湿度下における酸素透過度で割り算し、100で掛け算した数値を酸素透過度維持率として評価し、湿度による酸素バリア性の悪化がないものを100%とした。その酸素透過度維持率は、好ましくは80〜100%であり、より好ましくは90〜100%であり、さらに好ましくは95〜100%である。殺菌消毒の観点から、包装する内容物を加熱した状態で輸液バックに封入したり、内容物を封入した輸液バックを加熱したりすることがある。このような場合においても、酸素透過度維持率が上記範囲内であることにより、酸素透過度等のバリア性の低下をより抑制できる傾向にある。なお、酸素透過度維持率は、塩化ビニリデン共重合体を選択して用いることにより、向上させることができる。
〔コネクタ〕
コネクタを構成する材質としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル等の上記バリア性樹脂が挙げられる。このなかでも、筒状成形体の内壁との密着性の観点から、ポリプロピレンが好ましい。なお、コネクタの形状はチューブポートに接続可能なものであれば特に制限されず、市販品を使用することができる。
〔チューブポートの製造方法〕
本実施形態のチューブポートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、単層又は多層構造の筒状成形体を成形し、それをそのまま筒状成形体として用いる方法;単層又は多層構造の筒状成形体を成形した後、その周りに筒状成形体の最外層を構成する樹脂を射出成形することにより、筒状成形体を製造する方法が挙げられる。後者の方法は、チューブポートに筒状成形体が内挿されたような構成となる。
成型方法としては、押出成形加工、射出成形加工、又はブロー成形加工等が挙げられる。この中でも、筒状成形体の製造しやすさの観点から、樹脂を溶融させて筒状に押出成形する押出成形加工が好ましい。
〔チューブポート付き輸液バック〕
本実施形態のチューブポート付き輸液バックは、輸液バックと、該輸液バックに取り付けられた上記チューブポートと、を有する。また、必要に応じて、チューブポートの先端部内にはコネクタが設けられてもよい。
輸液バックの構成部材としては、積層フィルム、アルミニウム箔層を有する積層フィルム、及び金属蒸着されたフィルムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。このなかでも、チューブポートとの密着性の観点から、最内層は合成樹脂であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない
〔酸素透過度及び水蒸気透過度、及び酸素透過度維持率を測定するための代用測定サンプルの作製〕
筒状成形体の酸素透過度、水蒸気透過度、及び酸素透過度維持率の測定においては、筒状成形体の層構造(樹脂の種類、積層順序、各層の厚み比率)を模した多層フィルムである代用測定サンプルを作製し、当該代用測定サンプルの酸素透過度、水蒸気透過度、及び酸素透過度維持率の測定値から、筒状成形体の酸素透過度、水蒸気透過度、及び酸素透過度維持率を算出した。
筒状成形体の代用測定フィルムは、ダイレクトインフレーション装置を用い、共押出多層ダイを用いて、筒状成形体と同様の層の構成比率を有し、層の厚みは筒状成形体の1/10となるような多層フィルムを製膜することにより得た。以下、代用測定フィルムというときは、筒状成形体と同様の層の構成比率を有し、層の厚みは筒状成形体の1/10となるようなフィルムをいうものとする。
代用測定フィルムのその厚みあたりの酸素透過度及び水蒸気透過度を測定し、得られた測定値に、代用測定フィルムの厚みを掛け算することにより、厚み1μm当りの酸素透過度及び水蒸気透過度を得た。厚み1μm当りの各種透過度が小さいほどバリア性が高いと評価することができるため、厚み1μm当りの各種透過度を比較することにより、筒状成形体の厚みとした場合の各種バリア性を評価することが可能である。
厚み1μm当りの透過度=代用測定フィルムの透過度×代用測定フィルムの厚み
〔酸素透過度(OTR)〕
酸素透過度(OTR)は、ASTM D−3985に準拠して測定した。具体的には、Mocon OX−TRAN 2/20を使用して、23℃、65%RHの条件で、所定の厚みの代用測定サンプルを測定した。得られた測定値を、筒状成形体の厚みで掛け算して、厚み1μm当りの酸素透過度(小数点以下は四捨五入する)を得た。なお、酸素透過度の単位(mL・μm/m2・24hrs・atm)とは、厚み1μm当りの酸素透過度を示すものである。
〔水蒸気透過度(WVTR)〕
水蒸気透過度(WVTR)は、ASTM F−372に準拠して測定した。具体的には、Mocon PERMATRAN−W398を使用して、38℃、90%RHの条件で、所定の厚みの代用測定サンプルを測定した。得られた測定値を、筒状成形体の厚みで掛け算して、厚み1μm当りの水蒸気透過度(小数点以下は四捨五入する)を得た。なお、水蒸気透過度の単位(g・μm/m2・24hrs・atm)とは、厚み1μm当りの水蒸気透過度を示すものである。
〔酸素透過度維持率〕
酸素透過度維持率は、ASTM D−3985に準拠して測定した。具体的には、Mocon OX−TRAN 2/20を使用して、23℃、65%RHの条件及び23℃、90%RHの条件で、所定の厚みの代用測定サンプルを測定した。得られた測定値を、筒状成形体の厚みで掛け算することにより、厚み1μm当りの酸素透過度(小数点以下は四捨五入する)を得た。その後、23℃、65%RHの条件の酸素透過度を、23℃、90%RHの条件の酸素透過度で割り算(小数点以下は四捨五入する)し、100%で掛け算することにより酸素透過度維持率を得た。
〔ガラス転移温度(Tg)〕
パーキンエルマー社のDiamond DSCを使用して測定した。実施例及び比較例で用いた各樹脂を5mg〜10mgのサンプルとし、装置にセットした。−50℃から190℃までサンプルを昇温したときの吸熱曲線から、中間点ガラス転移温度をJIS K−7121に従い求めた。尚、昇降温は10℃/分の速度で行った。
〔視認性〕
実施例及び比較例で得られたチューブポート1000本に対し、121℃、0.2MPa、20分間の条件でオートクレーブ滅菌処理を行った。処理後に内側の水分をよふき取り、チューブの内側に黒の油性ペンで幅、長さ共に1mmの四角形を書き、これを異物とみなした。内側に異物を記載したチューブポート10本をそれぞれ100名のパネラーに見せ、図3のA方向(異物を模した四角形のマークが記載された部分とは径方向に反対側の方向)から筒状成形体を観察し、チューブポートの中に異物が認められるかについて1本毎に評価をし、0点〜2点の官能検査点数化を行った。
2点:チューブポートの中の異物を鮮明に認識する事ができる
1点:チューブポートの中に異物がある事を(ぼやけてはいるが)認識する事がきる。
0点:チューブポートの中に異物がある事を認識する事ができない
総計1000本の官能検査点数の平均値の小数点第1位を四捨五入して評価点とした。得られた評価点に基づき、以下の基準に従って視認性を評価した。
A:官能検査点数の平均値が1.5以上
B:官能検査点数の平均値が0.5以上1.5未満
C:官能検査点数の平均値が0.5未満
〔密着性1;輸液バッグ本体とチューブポートの密着性評価〕
輸液バッグ本体のフィルムとチューブポートの溶着部分における剥離強度を測定した。具体的には、高圧蒸気滅菌処理した後、輸液バッグ本体とチューブポートの溶着部分を輸液バッグの幅方向に幅5mmの短冊状に切り出し、JIS Z 0238に準拠して、23±2℃、相対湿度50±5%、剥離速度300mm/分の条件で剥離試験を行い、90度剥離強度(N/5mm)を測定した。
〔密着性2;チューブポートとコネクタの密着性評価〕
コネクタをチューブポートに差し込んで高圧蒸気滅菌処理した後、コネクタごとチューブポートを切断し、コネクタとチューブポートの密着部を剥離させた後のコネクタ側の剥離面の様子とから、次の評価基準にて評価した。
A:チューブポートからコネクタを取り外すことができない。剥離は凝集破壊であり剥離面上にはチューブ片が見られた。
B:チューブポートからコネクタを取り外すことができない。剥離は界面剥離であり剥離面は平滑であった。
C:チューブポートからコネクタを取り外すことができる。
〔チューブポート付き輸液バックの製造方法〕
実施例及び比較例で得られた筒状成形体をチューブポートとして用いた
得られたチューブポートにコネクタとしてポリプロピレン製のツイフトオフスパイクポート(マルジ社製)をチューブの先端に差し込み、栓をした。栓を取り付けたものを、最内層がポリプロピレン(日本ポリプロピレン株式会社ノバッテクPP EA−9)からなる輸液バックに取り付けて、ヒートシールをし、121℃で20分間のオートクレーブ滅菌処理をおこなった。
〔実施例1〕
内側から、樹脂層IIIとして熱可塑性エラストマー(TPE−A;三菱ケミカル株式会社製、製品名:ゼラスMC721AP)、樹脂層Iとして塩化ビニリデン共重合体(PVDC−A;塩化ビニリデン(VDC)/メチルアクリレート(MA)=96/4(質量%)、重量平均分子量8×104、Tg=5℃、旭化成株式会社製)、樹脂層IVとしてTPE−A、樹脂層IIとしてシクロオレフィンポリマー(COP;日本ゼオン株式会社製、ZEONOR 1020Rと日本ゼオン株式会社製、ZEONEX690Rの等量混合物)の順で層を形成するように、共押出多層筒状ダイスを装着した溶融押出設備を用いて筒状に連続押出した。その後、外径サイジング装置付の冷水槽で内直径6mmに調整し、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体を得た。また、同様の樹脂を用いて厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例2〕
樹脂層Iを構成する樹脂として、PVDC−A樹脂に代えて、塩化ビニリデン共重合体(PVDC−B;塩化ビニリデン(VDC)/メチルアクリレート(MA)=92/8(質量%)、重量平均分子量8×104、Tg=13℃、旭化成株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例3〕
樹脂層Iを構成する樹脂として、PVDC−A樹脂に代えて、塩化ビニリデン共重合体(PVDC−C;塩化ビニリデン(VDC)/塩化ビニル(VC)=89/11(質量%)であり、重量平均分子量8×104、Tg=−7℃、旭化成株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例4〕
樹脂層Iを構成する樹脂として、PVDC−A樹脂に代えて、塩化ビニリデン共重合体(PVDC−D;塩化ビニリデン(VDC)/メチルアクリレート(MA)=90/10(質量%)であり、重量平均分子量8×104、Tg=14℃、旭化成株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例5〕
樹脂層Iを構成する樹脂として、PVDC−A樹脂に代えて、塩化ビニリデン共重合体(PVDC−E;塩化ビニリデン(VDC)/塩化ビニル(VC)=95/5(質量%)、重量平均分子量8×104、Tg=−8℃、旭化成株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例6〕
樹脂層IIIを構成する樹脂として、TPE−A樹脂に代えて、エチレンビニルアセテート(EVA;旭化成株式会社製、製品名サンテック−EVA EF1522)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例7〕
樹脂層IIIを構成する樹脂として、TPE−A樹脂に代えて、ポリポロピレンポリマー(PP;日本ポリプロ株式会社製、製品名:ノバテックPP EA−9)を用い、樹脂層Vを構成する樹脂としてTPE−Aを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの5層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例8〕
樹脂層IIIを構成する樹脂として、TPE−A樹脂に代えて、熱可塑性エラストマー(TPE−B: 三菱ケミカル株式会社製、製品名:ゼラス719)を用い、樹脂層Vを構成する樹脂としてTPE−A樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの5層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例9〕
樹脂層IIを構成する樹脂として、COP樹脂に代えて、高密度ポリエチレン(HDPE;旭化成株式会社製、製品名:サンテック−HD B770)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例10〕
樹脂層IIを構成する樹脂として、COP樹脂に代えて、HDPE樹脂を用い、樹脂層IVを構成する樹脂として、TPE−A樹脂に代えて、EVAを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例11〕
樹脂層IIを構成する樹脂として、COP樹脂に代えて、ポリポロピレンポリマー(PP;日本ポリプロ株式会社製、製品名:ノバテックPP EA−9)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
[実施例12]
PVDC−A樹脂からなる樹脂層Iの厚みを100μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み500μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み50μmの代用測定フィルムを得た
〔実施例13〕
PVDC−A樹脂からなる樹脂層Iの厚みを500μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み900μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み90μmの代用測定フィルムを得た
〔実施例14〕
COP樹脂からなる樹脂層IIの厚みを50μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして内直径6mm、厚み650μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み65μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例15〕
COP樹脂からなる樹脂層IIの厚みを20μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして内直径6mm、厚み620μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み62μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例16〕
COP樹脂からなる樹脂層IIの厚みを10μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして内直径6mm、厚み610μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み61μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例17〕
TPE−A樹脂からなる樹脂層IIIの厚みを150μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして内直径6mm、厚み600μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み60μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例18〕
TPE−A樹脂からなる樹脂層IIIの厚みを100μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして内直径6mm、厚み550μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み55μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例19〕
TPE−A樹脂からなる樹脂層IIIの厚みを70μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして内直径6mm、厚み520μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み53μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例20〕
TPE−A樹脂からなる樹脂層IIIの厚みを60μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして内直径6mm、厚み510μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み51μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例21〕
樹脂層IVを設けなかったこと以外は実施例1と同様にして内直径6mm、厚み600μmの3層構造からなる筒状成形体、及び厚み60μmの代用測定フィルムを得た。
〔実施例22〕
樹脂層IVを設けなかったこと、樹脂層IIIを構成する樹脂として、TPE−Aに代わりEVAを用いたこと以外は実施例1と同様にして内直径6mm、厚み600μmの3層構造からなる筒状成形体、及び厚み60μmの代用測定フィルムを用いた
〔比較例1〕
樹脂層Iを構成する樹脂として、PVDC−A樹脂に代えて、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH;株式会社クラレ製、製品名:エバール L171B)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔比較例2〕
樹脂層Iを構成する樹脂として、PVDC−A樹脂に代えて、MXD6ポリアミド樹脂(PA;三菱ガス化学株式会社製、製品名S6007)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔比較例3〕
樹脂層IIIを構成する樹脂として、TPE−A樹脂に代えて、低密度ポリエチレン(LDPE:旭化成株式会社製、製品名:サンテック−LD M2203)を用い、樹脂層Vを構成する樹脂としてTPE−Aを用い、樹脂層Iを構成する樹脂として、PVDC−Aに代えてEVOHを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの5層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
〔比較例4〕
樹脂層IIを構成する樹脂として、COP樹脂に代えて、LDPE樹脂を用い、樹脂層Iを構成する樹脂として、PVDC−A樹脂に代えてEVOH樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内直径6mm、厚み700μmの4層構造からなる筒状成形体、及び厚み70μmの代用測定フィルムを得た。
なお、EVOHを用いた比較例1では、酸素透過度維持率が低い上、吸湿時に層の寸法が変化し、層間のデラミネーションや、輸液バックやコネクタとの密着性が低下する現象、並びにそれ伴う視認性の低下が認められた。
本発明のチューブポートは、輸液バックに用いられるチューブポートとして、産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. 輸液バックに取り付けられるチューブポートであって、
    ポリ塩化ビニリデンを含む樹脂層Iを有する筒状成形体を備える、
    チューブポート。
  2. 前記筒状成形体の水蒸気透過度が、1000g・μm/m2・24hrs・atm(38℃・90%RH)以下である、
    請求項1に記載のチューブポート。
  3. 前記筒状成形体の酸素透過度が、1000mL・μm/m2・24hrs・atm(23℃・65%RH)以下である、
    請求項1又は2に記載のチューブポート。
  4. 前記筒状成形体が、最外層に、ポリオレフィンを含む樹脂層IIを有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のチューブポート。
  5. 前記筒状成形体が、最内層に、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン、及びエチレンビニルアセテートからなる群より選ばれる1種以上を含む樹脂層IIIを有する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のチューブポート。
  6. 前記筒状成形体が、前記樹脂層Iと前記樹脂層IIの間に配される樹脂層IV、及び/又は、前記樹脂層I及び前記樹脂層IIIの間に配される樹脂層Vをさらに有する、
    請求項5に記載のチューブポート。
  7. 輸液バックと、該輸液バックに取り付けられた請求項1〜6のいずれか1項に記載のチューブポートと、を有する、チューブポート付き輸液バック。
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