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JP2019030113A - ディスク型コイル及びそれを用いた回転電気機械 - Google Patents

ディスク型コイル及びそれを用いた回転電気機械 Download PDF

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JP2019030113A JP2017146825A JP2017146825A JP2019030113A JP 2019030113 A JP2019030113 A JP 2019030113A JP 2017146825 A JP2017146825 A JP 2017146825A JP 2017146825 A JP2017146825 A JP 2017146825A JP 2019030113 A JP2019030113 A JP 2019030113A
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Masaaki Iwatani
公明 岩谷
ゆき 懸田
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ゆき 懸田
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Abstract

【課題】ディスク型コイル及びそれを用いた回転電気機械のモータ効率を向上させる。【解決手段】ディスク形の環状絶縁基板の表裏面に形成された導体パターン1をスルーホール接続で導通させることにより環状絶縁基板の表面の導体パターン1と裏面の導体パターン1との間で少なくとも1回路のコイルを構成するようにしたディスク型コイルにおいて、コイル1本のパターン幅を磁界中を通過する磁束通過部2と磁束通過部2の外の渡り線部3とに区分し、磁束通過部2のパターン幅W2が少なくとも許容される最大の渦電流損が発生するパターン幅よりも狭いパターン幅であり、渡り線部3のパターン幅W4,W5が磁束通過部2のパターン幅W2よりも広くなるようにしている。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁基板上にエッチングやプレス加工で導体パターンを形成したディスク型コイル(平面コイルとも呼ばれる)及びそれを用いた回転電気機械に関するものである。
この種のディスク型コイルは、一般にプリント基板の製造技術を応用して形成されるものであり、絶縁基板上に固定される導体パターンは非常に薄いものなので、必然的にコイルに流せる電流量が制限されてしまう。しかも、限られた大きさの絶縁基板上に導体パターンを形成することから配線量に限界がある。このことから、モータ出力を大きくするには、導体パターンのパターン幅並びに導体間隙を均一に設定することにより、パターン密度を高めて導体パターンを流れる電流値を大きくすることが行われる(特許文献1)。
他方、薄板状の金属材をプレス技術等によって打ち抜いた比較的厚みのある導体パターンの場合には、ディスクを積層する際に、磁石間の距離が大きくなって減磁されることから、あまり導体パターンの厚みを大きくし過ぎることも好ましくはない。
このことから、ディスク型コイルにおいて、高出力/高トルクのものにするには、コイル断面積を増やしてその電流容量を高める必要があるが、エッチングまたは印刷方式によるコイルは、メッキを積み上げて銅・導体の肉厚を厚くしようとしても限界があることから、あるいは減磁の観点から厚くし過ぎることが好ましくないことから、パターン幅を広くして導体抵抗を低減せざるを得ない。つまり、パターン幅を大きく設定することにより、導体抵抗を低くして抵抗損失を低減させるようにしている。
特許第469956号公報
ところが、導体パターンのパターン幅を大きく設定すると、磁束を横切る磁束通過部の導体部分に発生する渦電流損は逆に増加し、回転ロスが増加するという結果が得られた。つまり、導体パターンのパターン幅並びに導体間隙を均一に設定することによりパターン密度を高める場合、パターン幅を狭くすると導体抵抗値が大きくなり、その抵抗値を小さくしようとパターン幅を広くすると渦電流損が増大するという二律相反の関係にあり、モータ効率が低下することが判明した。
つまり、渦電流の原因は導体パターンのパターン幅に比例して大きくなる為、渦電流の発生による発熱で回転機の出力効率を低下させる。この渦電流を抑制するためには導体パターンのパターン幅を狭くする必要があるが、導体抵抗値が大きくなり電流値に制約を受けるので、出力の大きい回転機を実現することができなくなる。この結果、モータ効率が低下することとなる。
本発明は、モータ効率を向上させることが可能なディスク型コイル及びそれを用いた回転電気機械を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明は、ディスク形の環状絶縁基板の表裏面に形成された導体パターンをスルーホール接続で導通させることにより絶縁基板の表面の導体パターンと裏面の導体パターンとの間で少なくとも1回路のコイルを構成するようにしたディスク型コイルにおいて、コイル1本のパターン幅を磁界中を通過する磁束通過部と磁束通過部の外の渡り線部とに区分し、磁束通過部のパターン幅が許容される最大の渦電流損が発生するパターン幅よりも狭いパターン幅であり、渡り線部のパターン幅が磁束通過部のパターン幅よりも広くするようにしている。
請求項2記載のディスク型コイルは、磁束通過部のパターン幅が0.8mm以内であることを特徴とする。
請求項3記載のディスク型コイルは、導体パターンの終端末あるいは始端末を他のディスク型コイルの導体パターンの始端末あるいは終端末と導通させる積層用のスルーホールを備えることを特徴とする。
請求項4記載のディスク型コイルは、導体パターンが、重巻で1つのコイルを構成するものである。
請求項5記載のディスク型コイルは、導体パターンが、磁束通過部で磁束通過軌跡と直交する径方向へと直線的に延びる磁束通過部導体と、磁束通過部の外の渡り線部導体とで構成され、さらに渡り線部導体は磁束通過軌跡に沿って周方向に配置された渡り線主導体部と、磁束通過部導体と渡り線主導体部とを湾曲した導体で結ぶ渡り線遷移導体部とを備えるものである。
請求項6記載の発明にかかる回転電気機械は、請求項1〜5のいずれか1つに記載のディスク型コイルを電機子としてまたはステータコイルとして備えることを特徴とする。
請求項1記載のディスク型コイルによると、コイル1本のパターン幅を磁界中を通過する磁束通過部と磁束通過部の外の渡り線部とに区分し、磁束通過部のパターン幅を許容される最大の渦電流損が発生するパターン幅よりも狭いパターン幅として渦電流の発生を抑制する一方、磁束通過部の外の渡り線を磁束通過部領域のパターン幅よりも広くすることで導体パターン全体の抵抗値を下げる(抵抗の増加を抑える)ようにして、渦電流と導体抵抗値の双方の低減を両立させることでモータ効率を向上させ得る。
また、請求項2記載のディスク型コイルによれば、磁束通過部のパターン幅を0.8mm以内として渦電流の発生を抑制しつつ導体パターン全体の抵抗値を下げながらパターン密度を高めて出力を増加させ得る。
また、請求項3記載のディスク型コイルによれば、導体パターンの終端末あるいは始端末を他のディスク型コイルの導体パターンの始端末あるいは終端末と導通させる積層用のスルーホールを介して複数層(複数枚)のディスク間で導体パターンを並列接続することにより全体としての導体抵抗をさらに低くすることができる。また、複数層のディスク間の導体パターンを直列接続することにより、電圧をより高くすることができる。
また、請求項4記載のディスク型コイルによれば、導体パターンが、重巻で1つのコイルを構成することによりディスクの表裏の導体パターンを接続するスルーホールが1箇所しか必要とされないので、表裏導体パターン接続用スルーホールで電流の流れが抑制される影響を少なくして電流を流れ易くし、モータ効率をより向上させ得る。しかも、スルーホールの数を圧倒的に少なくできることにより、加工工程数などの大幅削減によりコストダウンを図れる。
また、請求項5記載のディスク型コイルによれば、重巻で形成される導体パターンが、磁束通過部で磁束通過軌跡と直交する径方向へと直線的に延びる磁束通過部導体と、磁束通過部の外の渡り線部導体とで構成され、さらに渡り線部導体は磁束通過軌跡に沿って周方向に配置された渡り線主導体部と、磁束通過部導体と渡り線主導体部とを湾曲した導体で結ぶ渡り線遷移導体部とを備えるので、渡り線遷移導体部や一部例えば最内周の渡り線主導体部が磁束通過部にかかっていても、渦電流損の発生の影響を受けにくいと考えられる。つまり、磁束通過軌跡に沿って周方向に配置された渡り線主導体部の両端の円弧状の渡り線遷移導体部は磁束に対して傾きを以て横切るため、発生する渦電流損が小さくなる。したがって、市販の環状の絶縁基板に対して、磁束通過軌跡ぎりぎりまで、あるいは一部重なっても渡り線部を形成するようにして多くの巻数の導体パターンを形成できるので、パターン密度を高めることができ、モータ出力を増大させ得る。
また、請求項6記載の回転電気機械によれば、請求項1から5のいずれかに記載のディスク型コイルを電機子としてあるいはステータコイルとして使用しているので、渦電流損を抑えつつ導体抵抗を低減させることでモータ効率を向上させ得る。
本発明に係るディスク型コイルを重巻コイルに適用した導体パターンの一実施形態を示す正面図である。 図1の導体パターンで構成される3相ディスク型コイルの一実施形態を示す図で、(A)は表面図、(B)は裏面図、(C)は中央縦断面図である。 本発明に係るディスク型コイルを波巻コイルに適用した導体パターンの一実施形態を示す正面図である。 図3の導体パターンで構成される3相ディスク型コイルの一実施形態を示す図で、(A)は表面図、(B)は中央縦断面図である。 本発明に係るディスク型コイルを重巻コイルに適用した導体パターンの他の実施形態を示す正面図である。 本発明に係るディスク型コイルを重巻コイルに適用した導体パターンのさらに他の実施形態を示す正面図である。 本発明に係るディスク型コイルを重巻コイルに適用した導体パターンのさらに他の実施形態を示す正面図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書においては、導体パターンは、コイル1本のパターン幅を磁界中を通過する部分と磁界外とに大きく区分し、対向させて配置されている一対の永久磁石の間のギャップ(磁気的空隙)に配置されている導体領域(トルク発生あるいは発電に寄与する有効コイル領域)を磁界中を通過する磁束通過部と呼び、ギャップの外に配置されて永久磁石と重ならない導体領域(トルク発生あるいは発電に寄与しないコイル端領域)を磁束通過部の外の渡り線部と呼び、さらに渡り線部導体は磁束通過軌跡に沿って周方向に配置された渡り線主導体部と、磁束通過部導体と渡り線主導体部とを湾曲した導体で結ぶ渡り線遷移導体部とに区分して呼ぶ。
図1に本発明のディスク型コイルを構成する導体パターン・コイルパターンの一実施形態を示す。
この実施形態のディスク型コイルは、例えば絶縁性基板の両面にエッチングまたは印刷技術により導体パターンを形成する両面プリント基板である。導体パターン・コイル1は、特定の構造・形状に限定されず、重巻でも、波巻でも実施可能であるが、本実施形態では、重巻によって逆三角形(扇形)のコイルを形成している。勿論、重巻においても、図示していないその他の形状、例えば4角形型や6角形型としても良い。このような重巻であれば、1巻きで絶縁性基板10の表裏の導体パターン1を繋ぐ表裏導体パターン接続用スルーホール6を設けるスルーホールランド8を少なくとも1つしか必要としない。これに対し、波巻きだと、1つのコイル片ごとに表裏導体パターン接続用スルーホール6を設けるスルーホールランド8を少なくとも2つずつ両端に必要とするため、大量の表裏導体パターン接続用スルーホール6が必要となる。即ち、重巻にすると、表裏導体パターン接続用スルーホール6の数を圧倒的に少なくできる。これにより、加工工程数などの大幅削減によりコストダウンを図れる。また、電流が抑制される影響を受け難くすることができる。本発明者等が実験した結果、絶縁性基板10の裏表の導体パターン1を繋ぐスルーホール6がある場合と無い場合とでは、電流を流さない状況では同じ導体抵抗値であっても、電流を流そうとすると、理由は不明であるが、スルーホール6が存在する方が電流が流れ難いという現象を惹起することを知見するに至った。即ち、表裏導体パターン接続用スルーホール6の数を圧倒的に少なくできる重巻の導体パターン1の方が波巻の導体パターン1よりも高出力化に向くことを明らかにした。
図1の導体パターン1は、外側から内側へ渦巻き状に巻き始めて内側で巻き終り、更に絶縁性基板10の裏面側ではその逆に内側から巻き始めて外側で巻き終る、所謂、重ね巻の例を示す。絶縁性基板10の表裏の導体パターン1同士は、最内周の導体の末端に形成されている表裏導体パターン接続用スルーホール6を介して導通され、最小単位の1つのコイルを形成するように形成されている。他方、各導体パターン1の最外周の導体の末端は絶縁性基板10の内周側に引き出されて始端末パターン及び終端末パターンを形成し、その末端には同相接続スルーホール7を穿孔するスルーホールランド9が形成されている。この同相接続スルーホール7を介して同一基板10上の他の同相の導体パターン1と導通されて1つのコイル回路(1相のコイル回路)を形成するように設けられている。さらに、1つのコイル回路の両端のフリーとなっている始端末パターン及び終端末パターンとして利用されるスルーホールランド9並びに同相接続スルーホール7は、複数層(複数枚)のディスク間で導体パターン1を並列接続あるいは直列接続する場合には、積層用のスルーホールランド及びスルーホールとして利用される。
導体パターン1は、磁束通過部で磁束通過軌跡と直交する径方向へと直線的に延びる磁束通過部2と、磁束通過部2の外の渡り線部3とに大きく分けて構成され、さらに渡り線部3は磁束通過軌跡12に沿って周方向に配置された渡り線主導体部5と、磁束通過部2と渡り線主導体部5とを湾曲した導体で結ぶ渡り線遷移導体部4とで構成される。この導体パターン1は、コイル1本のパターン幅を磁界中を通過する部分と磁界外とに大きく区分され、磁束と直角に配置されている直線的な磁束通過部2のパターン幅W2は渦電流の発生が少なくとも許容範囲に収まる程度に狭く、磁束通過軌跡12と平行にあるいは磁束と斜交する磁束通過部2の外の渡り線部3のパターン幅W4,W5は磁束通過部2のそれよりも広くして回路全体の導体抵抗を下げ得るように形成されている。尚、湾曲した導体から成る渡り線遷移導体部4は磁束通過部(直線部)2ほど磁束を直角に横切らないので、渦電流損が発生する割合が磁束通過部2よりも小さい。しかも、パターン幅W4が広がることで導体抵抗が下がる。したがって、渦電流のある程度の抑制と導体抵抗低減が同時に解決できる。しかも、渡り線部3の導体断面積を大きくすることで、導体パターン1の冷却効果も向上する。尚、図中の符号13はシャフトを貫通させるセンターホールである。
本発明者等の実験によれば、磁束を横切る磁束通過部2には渦電流が発生し、その大きさはパターン幅W2を広くするほどに増加することが明らかとなった。そこで、磁束通過部2におけるパターン幅W2は、少なくとも許容される最大の渦電流損が発生するパターン幅よりも狭いパターン幅、好ましくは渦電流が十分に抑制されるパターン幅にすることが望まれる。例えば、パターン厚み200μmのエッチングによる導体パターン1の場合には、パターン幅W2が1mmを超えると許容される最大の渦電流損を超える渦電流が発生することから、1mmを超えないパターン幅W2であることが好ましい。その反面、パターン幅W2を狭くして行くと、導体断面積が小さくなって導体抵抗が増大して行く。したがって、磁束通過部2のパターン幅W2は、渦電流が抑制されるパターン幅で尚且つ導体抵抗の増大が許容される限り小さくできる断面積が確保できるパターン幅に形成することが必要である。このことから、渦電流の発生を抑えるためには、磁束通過部2のパターン幅W2は、少なくとも許容される最大の渦電流損に抑えることができるパターン幅、例えば1mm以下、好ましくは0.8mm以内にすることである。ここで、パターン幅W2の最小幅は、現在のエッチング加工技術では0.2mmが限界とされていることから、このパターン幅を最小値としているが、これに特にかぎられるものではなく、0.2mm以下のパターンでも形成できる加工技術が開発された際にはそれによって形成できる最小幅を採用しても良いことは言うまでもない。そこで、磁束通過部2のパターン幅W2は、導体厚み(導電材厚み)に関係なく例えば0.2mm〜1mm、好ましくは0.2mm〜0.8mm、より好ましくは0.4mm〜0.8mmの範囲内で形成するようにしている。例えば、エッチング(厚み200μm)によって形成される導体パターン1の場合には0.6−0.8mm、薄板状の金属材をプレス技術等によって打ち抜いた比較的厚みのある導体パターン1の場合には幅を狭くして(幅0.2mmに近づける)断面積を維持することが好ましい。導体パターン1の厚みが増すと、ディスク型コイルを積層する際に導体パターン1の厚みが増して磁石間の距離が大きくなり、減磁されることから、あまり導体パターン1の厚みを大きくし過ぎることも得策ではない。つまり、上述の「磁束通過部2のパターン幅W2は、導体厚み(同電材厚み)に関係なく」とは、基板銅厚は自ずと限界があることから、導体パターン1の銅厚(導電材厚み)は考慮するまでもなくという程度の意味である。
他方、渡り線部3の渡り線主導体部5のパターン幅W5並びに渡り線遷移導体部4のパターン幅W4は、磁束通過部2のパターン幅W2よりも広く形成されており、好ましくは磁束通過部2のパターン幅W2の1.2倍以上に形成されている。これにより、磁束通過部2における渦電流の発生を抑えつつ導体パターン1の全体としての導体抵抗の低減を図ることができる。ここで、渡り線部3のパターン幅W4,W5は、少なくとも磁束通過部2のパターン幅W2の1.2倍以上であれば、パターン全体の抵抗値を下げる効果が得られ、出力増加が期待できる。その反面、渡り線部3のパターン幅W4,W5を磁束通過部2のパターン幅W2の1.2倍未満であると、パターン全体の抵抗値を下げる効果が薄れるので、出力増加が期待できない。他方、渡り線部3のパターン幅W4,W5は、広がるほどに電気抵抗を下げうるので好ましいが、同時に同じ基板サイズであれば形成できる導体パターンのコイル巻数を減らすことに繋がるので、磁束通過部2のパターン幅W2の3〜4倍までとすることが好ましい。即ち、磁束通過部のパターン幅の1.2倍〜3倍若しくは4倍の範囲内で渡り線部3のパターン幅W5を広くすれば、導体パターン全体の導体抵抗値を下げながら、コイル巻数を稼ぐことができる。この場合、導体パターンの全体の電気抵抗値を下げながら多くの巻数の導体パターンを形成できるので、パターン密度を高めることができ、モータ出力を増大させ得る。また、環状絶縁基板のサイズを市販の規格品よりも大きくすれば、磁束通過部2のパターン幅W2の3〜4倍を超えることも可能であり、磁束通過部2のパターン幅W2のを超えても、パターン全体の抵抗値を下げる効果は得られる。しかしながら、規格外の環状絶縁基板を採用することはコスト高となると共にモータも大型化してしまう問題が伴う。また、市販の環状絶縁基板の大きさは決まっていることから、磁束通過部2の外の渡り線部3のパターン幅W4,W5を磁束通過部2のパターン幅W2の3〜4倍を超える広さにしながら同時に巻数を増やそうとすると絶縁基板上に収まり決らないし、収まるように巻数を減らすと出力が減る。このことから、渡り線部の渡り線主導体部5のパターン幅W5は、磁束通過部のパターン幅W2が0.2〜0.4mmのときには、W2×1.2〜4倍の範囲内であることが好ましく、パターン幅W2が0.5〜0.8mmのときには、W2×1.2〜3倍の範囲内であることが好ましい。
ここで、図1に示す本実施形態の導体パターン1は、磁束通過軌跡12(永久磁石11と重なる領域)の外に渡り線部3の渡り線主導体部5並びに渡り線遷移導体部4が形成されているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては、渡り線部3の一部例えば図2に示すように外径側の渡り線主導体部5の最内周部分並びに渡り線遷移導体部4の一部に磁束通過軌跡12が重なるように導体パターン1を形成しても良い。渡り線部3は磁束を直角に切らないので、発生する電流損も小さくなる。特に、磁束通過部2との境界にある両端の渡り線遷移導体部4は円弧状であり磁束に対して傾きを以て横切るため、発生する渦電流損も小さくなる。したがって、渡り線主導体部5の一部例えば最内周部分が磁束通過軌跡12にかかっていても、渦電流損の発生の影響を受けにくいと考えられる。しかも、絶縁基板10のサイズを変更せずに巻数を増やして出力を増加させることができる。
上述の実施形態にかかる導体パターン1によれば、コイル1本のパターン幅を磁界中を通過する磁束通過部2と磁束通過部2の外の渡り線部3とに区分し、磁束通過部2のパターン幅W2を少なくとも許容される最大の渦電流損が発生するパターン幅よりも狭いパターン幅として渦電流の発生を抑制すると共に、渡り線部3のパターン幅W4,W5を磁束通過部2のパターン幅W2よりも広くして回路全体としての導体抵抗を下げるようにしているので、モータ効率を向上させることができる。加えて、複数層・複数枚のディスク型コイルの導体パターン1を並列接続することで、あるいは同一基板の他のコイルの導体パターン1を並列接続することでさらに導体抵抗を低下させてモータ効率を向上させることができる。
さらに、図2に本発明のディスク型コイルを3相導体パターンに適用した一実施形態を示す。このディスク型コイル14は、絶縁基板10,導体パターン1,表裏導体パターン接続用スルーホール6,同相接続スルーホール7を有し、内周縁側に配置された表裏導体パターン接続用スルーホール6並びに同相接続スルーホール7を介して絶縁基板1の表面並びに裏面に形成された導体パターン1を電気的に接続して絶縁基板の円周方向に1巡りすることで1つのコイル回路を形成するようにして3相10磁極の導体パターンが形成されている。即ち、絶縁基板10の表面並びに裏面の同じ位置に互いに逆向きに形成された渦巻き状の導体パターン1同士を表裏導体パターン接続用スルーホール6を介して導通することにより、最小単位の1つのコイルを形成するように形成されている。そして、各最小単位のコイルを形成する導体パターン1の同相接続スルーホール7を介して同一基板上の他の同相の導体パターン1と導通されて1つのコイル回路(1相のコイル回路)を形成するようにして3回路のコイルが形成されている。勿論、導体パターン1は上述の3相・3回路に限られず、1単位若しくは2単位(2回路)、あるいは4単位(4回路)以上でも可能である。
ここで、1つのコイル回路の両端のフリーとなっている同相接続スルーホール7は、始端末パターン及び終端末パターンとして、あるいは複数層(複数枚)のディスク型コイル14の間で導体パターン1を並列接続あるいは直列接続する場合の積層用のスルーホールとして利用される。尚、本実施形態では、3組(U,V,Wの3相)の導体パターン1を形成しているが、これに特に限らなければならない理由はない。直流回転電気のための単相の導体パターン1として構成することも可能である。しかしながら、インバータ技術が進んでいる現状では、敢えて単相モータとして造る意義も少ない。3相でコイルをつくると、ディスク1枚でも回路を作れるし、交流モータもできる。さらに、複数枚のディスク型コイル14を重ねることで出力を大きくできる。
また、絶縁基板10は、中央部にセンターホール(軸孔)13が穿孔された円環状のディスクから成り、例えば絶縁性の合成樹脂材あるいは紙によって構成されている。この絶縁基板10の材質並びに導体パターン1の製作方法については特定の材質・手法に限定されるものではなく、適宜材質・手法が選定される。例えば、絶縁基板10は、硬質性,フレキシブル性のいずれをも選択することができる。一般に、絶縁基板10は、紙フェノール、ガラス・エポキシに大別され、さらには紙とガラス基材とを混合したコンポジット基板、セラミック基板などが使われることもある。そして、導体パターン1は、絶縁基板10の両面に貼付した銅系,アルミニウム系等の箔を例えばフォトリソ法によるエッチングで部分的に溶解腐食させて所要のパターンに形成されたり、パターンメッキ転写法による導電性微細パターン形成技術や導体導電性塗料による印刷若しくは3Dプリンターでの成形あるいは薄板状の金属材をプレス技術等によって所要のパターンに打ち抜いたものを絶縁基板10の表裏面に貼着することなどにより形成されている。因みに、導体パターン1は、エッチングによれば200μm程度のパターン厚みで、転写法によれば500μm程度のパターン厚みで形成できる。本実施形態における絶縁基板10は、ガラス・エポキシ基板(FR−4)を基材として、これに銅箔を表裏両面に貼付したものが使用され、エッチングで加工されている。
渦巻き状に巻かれた各導体パターン1は、例えば本実施形態の場合、磁束通過部2のパターン幅W2が0.6mm、渡り線主導体部5のパターン幅W5が1.0mm、渡り線遷移導体部4のパターン幅W4が0.6mmから1.0mmへと漸次広がりながら湾曲する導体で形成され、パターン厚みは200μmである。また、スルーホールランド部分8,9は、スルーホール6,7を穿孔する機械加工上の要請から求められるパターン幅で形成されている。
以上のように構成されたディスク型コイル14の場合、磁束通過部2の導体に発生する渦電流が抑制され、尚且つ渡り線部3のパターン幅W4,W5が広がって導体抵抗が低減されていることから、導体パターン1としての全体の導体抵抗が低減したことで、最適なコイル巻数が得られると共に抵抗値(R)、渦電流(A)を低減して、誘導機効率の改善ができる。
しかして、上述の実施形態にかかるディスク型コイルを電機子としてまたはステータコイルとして組み込んだ回転電気機械によれば、渦電流の発生を抑制すると共にコイル回路全体としての導体抵抗を下げることができ、モータ効率を向上させることができる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば図1〜図2に示す各実施形態では、主に重巻の導体パターン1でコイルを形成した例を挙げて本発明を説明しているが、これに特に限定されるものではなく、様々な導体パターン1、例えば図3及び図4に示されるような波巻状の導体パターン1’に適用することも可能である。
波巻コイルの場合、絶縁基板10の表面と裏面との間で交互に波形に折返して1つのコイルを構成するように形成されている。つまり、図3に示す導体パターン1’をコイル半部として表裏で1/2ピッチ分ずらして形成したものを両端の表裏導体パターン接続用スルーホール6’,6”で順次導通させたものを1単位として、例えば図4に示すように、環状絶縁基板に対して3単位が位相して形成されることにより、3相10磁極の導体パターンが形成されている。
この導体パターン1’においても、磁束通過軌跡12と直交する径方向へと直線的に延びる磁束通過部2と、磁束通過部2の外の渡り線部3とで構成され、さらに渡り線部3は磁束通過軌跡12に対して傾斜しながら周方向に延ばされた渡り線主導体部5と、磁束通過部2と渡り線主導体部5とを湾曲した導体で結ぶ渡り線遷移導体部4とを備え、磁束通過部2のパターン幅W2が少なくとも許容される最大の渦電流損が発生するパターン幅よりも狭いパターン幅とされると共に、渡り線部3のパターン幅W4,W5が磁束通過部2のパターン幅W2よりも広くなるように形成されている。
例えば、本実施形態の場合、磁束通過部2のパターン幅W2が0.6mmで、渡り線部3の渡り線主導体部5のパターン幅W5が磁束通過部2のパターン幅W2よりも広く1.0mmに設定されると共に、渡り線遷移導体部4のパターン幅W4が0.6mm〜1.0mmの範囲で漸次広がるように設けられている。この波巻のディスク型コイルにおいても、重巻のディスク型コイルと同様に、磁束通過部2における渦電流の発生を抑えつつ導体パターン1の全体としての導体抵抗の低減を図ることができ、モータ効率を向上させ得た。尚、図4中の符号15は絶縁基板のフランジ部分、16,17,18,19は各導体パターン1’がスルーホール接続されて3回路のコイルが形成された末端のフランジ部分15に引き出された始端末パターン及び終端末パターンを形成するランドであり、それぞれコイルパターン巻始め右回りランド、コイルパターン巻始め左回りランド、コイルパターン巻終り右回りランド、コイルパターン巻終り右回りランドを示す。また、符号20は各ランドの引き出し部分である。
また、重巻の導体パターン1においても、図1に示す実施形態の巻き方に限定されるものではなく、様々な巻き方が採用できる。例えば、図5に示すように、絶縁性基板の外周縁側寄りの位置(以下、基板外周側と呼ぶ)を起点にして外側から内側へ渦巻き状に巻いて最内周の導体の末端に形成されている表裏導体パターン接続用スルーホール6を介して裏面の導体パターン1に導通され、更に絶縁性基板10の裏面側ではその逆に内側から外側へ渦巻き状に巻いて絶縁性基板の内周縁側寄りの位置(以下、基板内周側と呼ぶ)に形成された最外周の導体の末端の同相接続スルーホール7を穿孔するスルーホールランド9で巻き終る、所謂、基板外周側巻始め、基板内周側巻き終わりのシングル重ね巻としても良い。また、図6に示すように両端のスルーホールランド8,9部分を除いて導体パターンの巻始めから巻き終わりに掛けて終始連続的にスリットを線幅中央に入れて磁石N極からS極に跨がらせる重ね巻としても良い。さらには、図7に示すように、2本の導体パターンを並列に形成した重ね巻とし、同相接続スルーホール7の配線により直列又は並列接続を可能とするようにしても良い。図7の実施形態の場合、基板内周側から巻始め、基板内周側で巻き終わる重ね巻としているが、これに特に限られるものではなく、例えば基板外周側から巻始め、基板内周側で巻き終わることも、さらには基板外周側から巻始めて基板外周側で巻き終わる重ね巻としても良い。尚、図5〜図7に示す実施形態の導体パターン1については、図1の導体パターンと同じ構成のものについては同じ符号を付し、その詳細な説明を省略している。
1 導体パターン
2 磁束通過部
3 渡り線部
4 渡り線遷移導体部
5 渡り線主導体部
10 絶縁基板
12 磁束通過軌跡
W2 磁束通過部のパターン幅
W4 渡り線遷移導体部のパターン幅
W5 渡り線主導体部のパターン幅

Claims (6)

  1. ディスク形の環状絶縁基板の表裏面に形成された導体パターンをスルーホール接続で導通させることにより前記環状絶縁基板の表面の前記導体パターンと裏面の前記導体パターンとの間で少なくとも1回路のコイルを構成するようにしたディスク型コイルにおいて、 前記コイル1本のパターン幅を磁界中を通過する磁束通過部と磁束通過部の外の渡り線部とに区分し、
    前記磁束通過部のパターン幅が少なくとも許容される最大の渦電流損が発生するパターン幅よりも狭いパターン幅であり、
    前記渡り線部のパターン幅が前記磁束通過部のパターン幅よりも広い
    ことを特徴とするディスク型コイル。
  2. 前記磁束通過部のパターン幅が0.8mm以内であることを特徴とする請求項1記載のディスク型コイル。
  3. 前記導体パターンの終端末あるいは始端末を他のディスク型コイルの導体パターンの始端末あるいは終端末と導通させる積層用のスルーホールを備えることを特徴とする請求項1または2記載のディスク型コイル。
  4. 前記導体パターンは、重巻で1つのコイルを構成するものである請求項1から3のいずれか1つに記載のディスク型コイル。
  5. 前記導体パターンは、前記磁束通過部で磁束通過軌跡と直交する径方向へと直線的に延びる磁束通過部と、前記磁束通過部の外の渡り線部とで構成され、さらに前記渡り線部は前記磁束通過軌跡に沿って周方向に配置された渡り線主導体部と、前記磁束通過部と前記渡り線主導体部とを湾曲した導体で結ぶ渡り線遷移導体部とを備えるものである請求項4記載のディスク型コイル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のディスク型コイルを電機子としてまたはステータコイルとして備えることを特徴とする回転電気機械。
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