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JP2019028203A - 光学体 - Google Patents

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JP2019028203A
JP2019028203A JP2017146152A JP2017146152A JP2019028203A JP 2019028203 A JP2019028203 A JP 2019028203A JP 2017146152 A JP2017146152 A JP 2017146152A JP 2017146152 A JP2017146152 A JP 2017146152A JP 2019028203 A JP2019028203 A JP 2019028203A
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optical
optical layer
meth
optical body
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俊紀 白岩
Toshiki Shiraiwa
俊紀 白岩
智弘 西川
Toshihiro Nishikawa
智弘 西川
栄治 太田
Eiji Ota
栄治 太田
勉 長浜
Tsutomu Nagahama
勉 長浜
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Dexerials Corp
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Abstract

【課題】第1の光学層と無機層との密着性に優れ、ガラス飛散防止フィルムにも適用可能な光学体の提供。
【解決手段】 凹凸面を有する第1の光学層と、
前記第1の光学層の凹凸面上に配置された無機層と、
前記無機層側に他の凹凸面を有し、該他の凹凸面における凹凸が埋没するように配置された第2の光学層と、
を有し、
前記第1の光学層が、環状構造を側鎖に有するポリアクリレートを含有し、
前記第1の光学層の破断伸び率が、30%以上である、
光学体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学体に関する。
窓ガラス、壁等の被着体に貼り付けることにより、所定の角度で入射する太陽光のうち、可視光領域の波長は室内に入射させつつ、赤外線等の高波長域光線は入射してきた方向に跳ね返すことができる、熱線再帰性を有する光学体が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光学体は、図11に示すように、窓ガラス、壁等の被着体(外部支持体107)に貼り付けられる光学体100であって、無機層101と、無機層101の一方の表面(外部支持体107とは反対側の表面)に形成された第1の光学層102と、無機層101の他方の表面(外部支持体107側の表面)に形成された第2の光学層103と、第1の光学層102の一方の表面(外部支持体107とは反対側の表面)に形成された第1の基材104と、第2の光学層103の一方の表面(外部支持体107側の表面)に形成された第2の基材105と備える構成になっている。そして、光学体100は、粘着層106を介して外部支持体107に貼り付けられる。光学体100は、十分な透明性を有する。
光学体の薄型化、及び製造プロセス低減の観点から、窓ガラス、壁等の外部支持体107と第2の光学層103との間に形成される第2の基材105を省略する検討がなされている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−128512号公報 特開2011−212892号公報
本発明らは、図11の光学体において、外部支持体107と第2の光学層103との間に形成された第2の基材105を省略し、第2の光学層103と粘着層106とを接して積層させ、粘着層106を外部支持体107に貼り付けると、JIS A5759におけるガラス飛散防止フィルムの評価項目である180°ピール試験において層間密着性(特に無機層101と、第1の光学層102との密着性)が不十分になるという問題があることを知見した。
本発明は、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、第1の光学層と無機層との密着性に優れ、ガラス飛散防止フィルムにも適用可能な光学体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 凹凸面を有する第1の光学層と、
前記第1の光学層の凹凸面上に配置された無機層と、
前記無機層側に他の凹凸面を有し、該他の凹凸面における凹凸が埋没するように配置された第2の光学層と、
を有し、
前記第1の光学層が、環状構造を側鎖に有するポリアクリレートを含有し、
前記第1の光学層の破断伸び率が、30%以上である、
ことを特徴とする光学体である。
<2> 前記環状構造が、環を構成する元素に窒素又は酸素を含む前記<1>に記載の光学体である。
<3> JIS A5759で規定される180°ピール試験による剥離力が、8N/25mm以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の光学体である。
<4> 前記ポリアクリレートが、ラジカル重合性ビニル基含有物質の重合体であり、
前記ラジカル重合性ビニル基含有物質が、40質量%以上の環状構造を有する(メタ)アクリレートを含有する、
前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学体である。
<5> 前記第2の光学層の破断伸び率が、60%以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学体である。
<6> 更に、前記第2の光学層に接する粘着層を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の光学体である。
<7> 前記第2の光学層が、粘着層と接して使用される前記<1>から<5>のいずれかに記載の光学体である。
本発明によれば、第1の光学層と無機層との密着性に優れ、ガラス飛散防止フィルムにも適用可能な光学体を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光学体の一例の断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る光学体の一例の断面図である。 図3は、第2の光学層の厚みの最小値を説明するための図である。 図4は、波長選択反射性を有する光学体に対して入射する入射光と、光学体により反射された反射光との関係を示す斜視図である。 図5Aは、第1の光学層に形成された構造体の形状例を示す斜視図である。 図5Bは、図5Aに示す構造体が形成された第1の光学層を備える光学体の一構成例を示す部分断面図である。 図6Aは、本発明の一実施形態に係る光学体における第1の光学層の構成例を示す平面図である。 図6Bは、図6Aに示した第1の光学層のB−B線に沿った断面図である。 図7Aは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その1)。 図7Bは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その2)。 図7Cは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その3)。 図8Aは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その4)。 図8Bは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その5)。 図8Cは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その6)。 図9Aは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その7)。 図9Bは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その8)。 図9Cは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その9)。 図9Dは、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例を説明するための工程図である(その10)。 図10は、実施例における第1の光学層が有する構造体の形状を表す模式図である。 図11は、従来の光学体を被着体(外部支持体)に貼り合わせた例を示す断面図である。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートから選択される1種または2種を意味する。
また、本明細書において、「単官能(メタ)アクリレート」とは、「ラジカル重合性ビニル官能基を1個有する(メタ)アクリレート」を意味し、「多官能(メタ)アクリレート」とは、「ラジカル重合性ビニル官能基を複数個有する(メタ)アクリレート」を意味する。
(光学体)
本発明の光学体は、第1の光学層と、無機層と、第2の光学層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。係る光学体は、第2の光学層が、粘着層と接して使用される。
本発明者らは、光学体において、外部支持体と第2の光学層との間に配される第2の基材を省略し、第2の光学層と粘着層とを接して積層させ、粘着層を外部支持体に貼り付けると、JIS A5759におけるガラス飛散防止フィルムの評価項目である180°ピール試験において層間密着性(特に無機層と、第1の光学層との密着性)が不十分になるという問題があることを知見した。
そこで、本発明者らは、前記問題を解決するために鋭意検討を行った。そのところ、第第1の光学層を構成する樹脂に特定の分子構造を導入し、かつ第1の光学層の伸び率を制御することで、前記問題が解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
なお、従来の光学体では、第2の光学層と粘着層との間には、基材としてのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが介在する。そして、PETが好影響し、ガラス飛散防止フィルムとして要求される180°ピール試験における層間密着性は問題とならない。
しかし、本発明の光学体では、第2の光学層と粘着層とを接して積層させて使用し、係る基材を省略する。その際に、基材としてのPETがないことが悪影響し、第1の光学層と、無機層との密着性の低さが露呈し、JIS A5759におけるガラス飛散防止フィルムの評価項目である180°ピール試験において、無機層と、第1の光学層との密着性が不十分になる。
そこで、本発明者らは、第2の光学層の組成面及び物性面から検討することによって、第1の光学層と無機層との密着性に優れ、ガラス飛散防止フィルムにも適用可能な光学体が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光学体の一例の断面図である。
図1において、光学体11は、凹凸面2aを有する第1の光学層2と、第1の光学層2の凹凸面2a上に配置された無機層1と、無機層1側に他の凹凸面3aを有し、他の凹凸面3aにおける凹凸が埋没するように配置された第2の光学層3と、第1の光学層2の凹凸面2aと対向する面2b上に配置された第1の基材4とを備える。光学体11は、第2の光学層3の他の凹凸面3aと対向する面3b上(外部支持体側)に配置される第2の基材(図11における第2の基材105)を有さず、第2の光学層3が粘着層に接して使用される。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る光学体の一例の断面図である。
図2において、光学体11は、凹凸面2aを有する第1の光学層2と、第1の光学層2の凹凸面2a上に配置された無機層1と、無機層1側に他の凹凸面3aを有し、他の凹凸面3aにおける凹凸が埋没するように配置された第2の光学層3と、第1の光学層2の凹凸面2aと対向する面2b上に配置された第1の基材4と、第2の光学層3と接する粘着層5とを備える。光学体11は、第2の光学層3の他の凹凸面3aと対向する面3b上(外部支持体側)に配置される第2の基材(図11における符号105)を有さない。
<第1の光学層>
前記第1の光学層は、凹凸面を有する。
前記第1の光学層は、該凹凸面上に形成された無機層を支持し、かつ保護する。
前記第1の光学層の両主面のうち、例えば、一方の面は平滑面であり、他方の面は凹凸面(第1の面)である。無機層は該凹凸面(第1の面)上に配される。
前記第1の光学層は、下記(1)及び(2)を満たす。
(1)前記第1の光学層は、環状構造を側鎖に有するポリアクリレートを含有する。
(2)前記第1の光学層の破断伸び率は、30%以上である。
本発明においては、前記(1)及び(2)が、第1の光学層と無機層との密着性の向上に総合的に寄与しているものと考えられる。
<<ポリアクリレート>>
前記ポリアクリレートは、環状構造を側鎖に有する。
前記ポリアクリレートとは、後述するラジカル重合性ビニル基含有物質の重合体である。
前記環状構造としては、単環であってもよいし、多環であってもよい。
前記環状構造は、環を構成する元素に窒素又は酸素を含んでいてもよい。
前記環状構造としては、例えば、芳香族環、脂肪族環、芳香族複素環、脂肪族複素環などが挙げられる。
前記芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられる。
前記脂肪族環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などが挙げられる。
また、前記脂肪族環は、有橋構造であってもよく、例えば、有橋のシクロアルカン構造(例えば、ノルボルナン構造、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等)、有橋のシクロアルケン構造(例えば、ノルボルネン構造、ビシクロ[2.2.2]オクテン構造、トリシクロデセン構造、テトラシクロドデセン構造等)などが挙げられる。
前記芳香族複素環としては、例えば、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環などが挙げられる。
前記脂肪族複素環としては、例えば、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ピペリジン環、モルホリン環などが挙げられる。
また、前記脂肪族複素環は、有橋構造であってもよく、例えば、オキサノルボルナン構造、チアノルボルナン構造、アザノルボルナン構造、オキサノルボルネン構造、チアノルボルネン構造、アザノルボルネン構造などが挙げられる。
前記ポリアクリレートは、光硬化性樹脂組成物の硬化物とも言える。
<<<光硬化性樹脂組成物>>>
前記光硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性ビニル基含有物質を少なくとも含有し、更に必要に応じて、光ラジカル発生剤などのその他の成分を含有する。
−ラジカル重合性ビニル基含有物質−
前記ラジカル重合性ビニル基含有物質としては、ラジカル重合性ビニル基を有する物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレートモノマー、リン酸基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記第1の光学層及び前記第2の光学層は、例えば、それぞれ異なる光硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましいが、屈折率の観点から、ベース樹脂(即ち、2官能ウレタン(メタ)アクリレート及び単官能(メタ)アクリレート化合物)の種類が同じであることが好ましい。
−−単官能(メタ)アクリレート化合物−−
前記単官能(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂環式単官能(メタ)アクリレートモノマー、含窒素複素環を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、直鎖式単官能(メタ)アクリレートモノマー、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、アルキレンオキサイド鎖を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、硬さ調整の点で、脂環式単官能(メタ)アクリレートモノマー、含窒素複素環を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー等の環状構造を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、特に、ガラス転移温度Tgが80℃以上の環状構造を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
−−−脂環式単官能(メタ)アクリレートモノマー−−−
前記脂環式単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−含窒素複素環を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー−−−
前記含窒素複素環を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、アクリロイルモルホリンが好ましい。
−−−直鎖式単官能(メタ)アクリレートモノマー−−−
前記直鎖式単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n−オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー−−−
前記水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−アルキレンオキサイド鎖を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー−−−
前記アルキレンオキサイド鎖を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートが好ましい。
−−多官能(メタ)アクリレートモノマー−−
前記多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、環状の架橋剤がより好ましい。
前記多官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることで、室温での貯蔵弾性率を大きく変化させることなく、硬化物を耐熱化することができるからである。室温での貯蔵弾性率が大きく変化すると、光学体が脆くなり、ロール・ツー・ロール工程などによる光学体の作製が困難となる。
前記環状の架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート〔エトキシ化イソシアヌ―ル酸トリ(メタ)アクリレート〕、カプロラクトン変性トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、可撓性の点で、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート(エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート)が好ましい。
−−−2官能ウレタン(メタ)アクリレート−−−
前記多官能(メタ)アクリレートモノマーの一例としての前記2官能ウレタン(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL8402、KRM8296(以上ダイセル・オルネクス(株)製)、CN9001、CN978、CN962(以上サートマー社製)、紫光UV6640B、紫光UV3300B、UV3200B(以上日本合成化学工業(株)製)、TEAI−2000、TE−2000(以上、日本曹達株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、柔軟性及び耐候性の点で、脂肪族2官能アクリレート(例えば、EBECRYL8807)が好ましい。
前記2官能ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−30℃以上45℃以下が好ましい。前記ガラス転移温度が−30℃以上45℃以下であると、引張破断伸び率と柔軟性を向上させることができる。なお、ここで言うガラス転移温度は、前記(メタ)アクリレートの単独重合物の値を指す。
前記光硬化性樹脂組成物の前記ラジカル重合性ビニル基含有物質における前記多官能(メタ)アクリレートモノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以上70質量%以下が好ましく、50質量%以上60質量%以下が好ましい。前記多官能(メタ)アクリレートモノマーは、反応性が高いため、前記含有量が、好ましい範囲内であると、前記第1の光学層における残存前記光ラジカル発生剤量を低減しやすくなる。
−−リン酸基含有(メタ)アクリレート−−
前記リン酸基含有(メタ)アクリレートを添加剤として、含有させることにより、無機層との密着性を向上させることができる。
前記リン酸基含有(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ジ−2−メタクリロキシエチルフォスフェート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合性ビニル基含有物質は、環状構造を有する(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。前記環状構造としては、前記ポリアクリレートの説明で例示した前記環状構造が挙げられる。
前記環状構造を有する(メタ)アクリレートの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、150〜500などが挙げられる。
前記環状構造を有する(メタ)アクリレートは、例えば、単官能であっても、多官能であってもよいが、単官能であることが好ましい。
前記ラジカル重合性ビニル基含有物質は、前記第1の光学層と、前記無機層とのより良好な密着性を得る点で、前記環状構造を有する(メタ)アクリレートを40質量%以上含有することが好ましく、40質量%以上60質量%以下含有することがより好ましい。
−光ラジカル発生剤−
前記光ラジカル発生剤としては、光によってラジカルを発生する有機物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651) ・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173)
・2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュア127)
・2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819)
・オキシフェニル酢酸2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル及びオキシフェニル酢酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(イルガキュア745)
、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、これらは、光重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などと称されることもある。
前記光硬化性樹脂組成物における前記光ラジカル発生剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%以上7.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、シランカップリング剤などが挙げられる。
−−シランカップリング剤−−
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第1の光学層の厚みの最小値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2μm以上が好ましく、2μm以上40μm以下がより好ましく、2μm以上25μm以下が更により好ましく、2μm以上10μm以下が特に好ましい。前記第1の光学層の厚みの最小値が2μm以上であることにより、プリズム効果を低減させて、十分な透明性が得ることができる。
前記第1の光学層は、前記第2の光学層よりも、貯蔵弾性率が大きくて硬いことが好ましい。なお、これは、前記第1の光学層を構成する樹脂に多官能(メタ)アクリレートモノマーが含有されていることにより、達成される。
<<破断伸び率>>
前記第1の光学層の破断伸び率は、30%以上である。前記第1の光学層の破断伸び率としては、例えば、30%以上200%以下が挙げられる。
前記破断伸び率は、例えば、以下のように求めることができる。
離型処理PET基材上に、第1の光学層に相当する平均厚み100μmの平滑なフィルムを作製する。当該フィルムを、前記離型処理PET基材から剥離して、長さ100mm×幅25mmに切断し、試験片を得る。
測定は、JIS A5759 2008に従い行う。試験速度300mm/minで引張り試験を3回行い、その破断時のひずみの平均値を測定する。
<<硬化収縮率>>
前記第1の光学層が、光硬化性樹脂組成物の硬化物である場合、その硬化収縮率は、12%以下であることが好ましい。そうすることにより、前記第1の光学層と前記無機層との密着性をより向上させることができる。
前記硬化収縮率は、例えば、5%以上12%以下である。
前記硬化収縮率は、例えば、以下のようにして測定できる。
前記第1の光学層を形成するための光硬化性樹脂組成物について、硬化前の組成物と硬化物(硬化後の組成物)の比重を電子比重計(MIRAGE社製SD−120L)を用いて測定し、両者の比重差から次式により算出する。
硬化収縮率(%)=
100×〔(硬化物の比重)−(組成物の比重)〕/(硬化物の比重)
<無機層>
前記無機層は、前記第1の光学層の凹凸面上に配置された層である。
前記無機層としては、少なくとも近赤外線を反射する反射層が好ましい。前記反射層としては、例えば、下記積層膜などが挙げられる。前記反射層の一例の詳細については、図4を用いて後述する。
前記無機層の前記第2の光学層側の表面は酸化物からなることが好ましい。
前記酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ZnOを主成分とした酸化物、Nbを主成分とした酸化物、などが挙げられる。
前記無機層の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。前記平均膜厚が20μm以下であると、透過光が屈折する光路が短くなり、透過像が歪んで見えるのを防止することができる。
前記無機層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、蒸着法、ディップコーティング法、ダイコーティング法などを用いることができる。
前記無機層の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、積層膜、透明導電層、機能層、半透過層などが挙げられる。これらは、1種単独でもよいし、2種以上でもよい。
<<積層膜>>
前記積層膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)屈折率の異なる低屈折率層及び高屈折率層を交互に積層してなる積層膜、(ii)赤外領域において反射率の高い金属層と、可視領域において屈折率が高く反射防止層として機能する光学透明層、または透明導電層とを交互に積層してなる積層膜、などが挙げられる。
−金属層−
前記金属層には、赤外領域において反射率の高い金属が使用される。
赤外領域において反射率の高い金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Cr、Ti、Pd、Co、Si、Ta、W、Mo、Geなどの単体、これらの単体を2種以上含む合金、などが挙げられる。これらの中でも、実用性の点で、Ag系、Cu系、Al系、Si系、Ge系が好ましい。
前記合金としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、AlCu、AlTi、AlCr、AlCo、AlNdCu、AlMgSi、AgPdCu、AgPdTi、AgCuTi、AgPdCa、AgPdMg、AgPdFe、Ag、SiB、などが好ましい。
前記金属層の腐食を抑えるために、金属層に対してTi、Ndなどの材料を添加することが好ましい。特に、金属層の材料としてAgを用いる場合には、上記材料を添加することが好ましい。
−光学透明層−
前記光学透明層は、可視領域において屈折率が高く反射防止層として機能する光学透明層である。
前記光学透明層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン等の高誘電体、などが挙げられる。
前記光学透明層成膜時の下層金属の酸化劣化を防ぐ目的で、成膜する光学透明層の界面に数nm程度のTiなどの薄いバッファー層を設けてもよい。ここで、バッファー層とは、上層成膜時に、自らが酸化することで下層である金属層などの酸化を抑制するための層である。
<<透明導電層>>
前記透明導電層は、可視領域において透明性を有する導電性材料を主成分とする透明導電層である。
前記透明導電層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモンドープ酸化錫、カーボンナノチューブ含有体等の透明導電物質、などが挙げられる。
また、前記透明導電層として、前記透明導電物質のナノ粒子や金属などの導電性を持つ材料のナノ粒子、ナノロッド、ナノワイヤーを樹脂中に高濃度に分散させた層を用いてもよい。
<<機能層>>
前記機能層は、外部刺激により反射性能などが可逆的に変化するクロミック材料を主成分とする層である。
前記クロミック材料は、例えば、熱、光、侵入分子などの外部刺激により構造を可逆的に変化させる材料である。
前記クロミック材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フォトクロミック材料、サーモクロミック材料、ガスクロミック材料、エレクトロクロミック材料、などが挙げられる。
前記フォトクロミック材料は、光の作用により構造を可逆的に変化させる材料である。
前記フォトクロミック材料は、紫外線等の光照射により、反射率、色等の物性を可逆的に変化させることができる材料である。
前記フォトクロミック材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Cr、Fe、NiなどをドープしたTiO、WO、MoO、Nb等の遷移金属酸化物、などを挙げることができる。また、これらの層と屈折率の異なる層を積層することで波長選択性を向上させることもできる。
前記サーモクロミック材料とは、熱の作用により構造を可逆的に変化させる材料である。
前記サーモクロミック材料は、加熱により、反射率や色などの様々な物性を可逆的に変化させることができる。
前記サーモクロミック材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、VO、などが挙げられる。また、転移温度や転移カーブを制御する目的で、W、Mo、Fなどの元素を添加することもできる。
また、VOなどのサーモクロミック材料を主成分とする薄膜を、TiOやITOなどの高屈折率体を主成分とする反射防止層で挟んだ積層構造としてもよい。
または、コレステリック液晶などのフォトニックラティスを用いることもできる。前記コレステリック液晶は層間隔に応じた波長の光を選択的に反射することができ、この層間隔は温度によって変化するため、加熱により、反射率や色などの物性を可逆的に変化させることができる。この時、層間隔の異なるいくつかのコレステリック液晶層を用いて反射帯域を広げることも可能である。
エレクトロクロミック材料とは、電気により、反射率や色などの様々な物性を可逆的に変化させることができる材料である。
前記エレクトロクロミック材料としては、例えば、電圧の印加により構造を可逆的に変化させる材料を用いることができる。前記エレクトロクロミック材料の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロトンなどのドープまたは脱ドープにより、反射特性が変わる反射型調光材料、などが挙げられる。
前記反射型調光材料とは、具体的には、外部刺激により、光学的な性質を透明な状態と、鏡の状態、及び/又はその中間状態に制御することができる材料である。前記反射型調光材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マグネシウム及びニッケルの合金材料、マグネシウム及びチタンの合金材料を主成分とする合金材料、WOやマイクロカプセル中に選択反射性を有する針状結晶を閉じ込めた材料、などが挙げられる。
前記機能層の具体的構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)第2の光学層上に、上記合金層、Pdなどを含む触媒層、薄いAlなどのバッファー層、Taなどの電解質層、プロトンを含むWOなどのイオン貯蔵層、透明導電層が積層された構成、(ii)第2の光学層上に透明導電層、電解質層、WOなどのエレクトロクロミック層、透明導電層が積層された構成、などが挙げられる。
これらの構成では、透明導電層と対向電極の間に電圧を印加することにより、電解質層に含まれるプロトンが合金層にドープまたは脱ドープされる。これにより、合金層の透過率が変化する。また、波長選択性を高めるために、エレクトロクロミック材料をTiOやITOなどの高屈折率体と積層することが望ましい。
また、その他の構成として、第2の光学層上に透明導電層、マイクロカプセルを分散した光学透明層、透明電極が積層された構成、が挙げられる。この構成では、両透明電極間に電圧を印加することにより、マイクロカプセル中の針状結晶が配向した透過状態にしたり、電圧を除くことで針状結晶が四方八方を向き、波長選択反射状態にすることができる。
<<半透過層>>
前記半透過層は、例えば、単層または複数層の金属層からなり、半透過性を有するものである。
前記金属層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述の積層膜の金属層と同様のものを用いることができる。
<第2の光学層>
前記第2の光学層は、前記無機層側に他の凹凸面(第2の面)を有し、該他の凹凸面(第2の面)における凹凸が埋没するように配置(形成)され、前記無機層を保護する。
前記第2の光学層は、例えば、光硬化性樹脂組成物(第2の光硬化性樹脂組成物)の硬化物である。
前記第2の光学層の両主面のうち、例えば、一方の面は平滑面であり、他方の面は他の凹凸面(第2の面)である。第1の光学層の凹凸面と第2の光学層の他の凹凸面とは、互いに凹凸を反転した関係にある。
<<光硬化性樹脂組成物(第2の光硬化性樹脂組成物)>>
前記第2の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性ビニル基含有物質を少なくとも含有し、更に必要に応じて、光ラジカル発生剤などのその他の成分を含有する。
<<<ラジカル重合性ビニル基含有物質>>>
前記ラジカル重合性ビニル基含有物質としては、ラジカル重合性ビニル基を有する物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1の光学層の説明において例示した前記ラジカル重合性ビニル基含有物質などが挙げられる。
前記第2の光硬化性樹脂組成物のラジカル重合性ビニル基含有物質における前記多官能(メタ)アクリレートモノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30質量%以上75質量%以下が好ましく、40質量%以上60質量%以下が好ましい。前記多官能(メタ)アクリレートモノマーは、反応性が高いため、前記含有量が、好ましい範囲内であると、前記第2の光学層における残存前記光ラジカル発生剤量を低減しやすくなる。
また、前記第2の光硬化性樹脂組成物のラジカル重合性ビニル基含有物質における前記リン酸基含有(メタ)アクリレートの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第2の光学層と前記無機層との密着性の向上の点で、0.01質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
<<<光ラジカル発生剤>>>
前記光ラジカル発生剤としては、光によってラジカルを発生する有機物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1の光学層の説明において例示した前記光ラジカル発生剤などが挙げられる。
前記第2の光硬化性樹脂組成物における前記光ラジカル発生剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
前記第2の光学層の厚みの最小値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2μm以上が好ましく、2μm以上40μm以下がより好ましく、2μm以上25μm以下が更により好ましく、2μm以上10μm以下が特に好ましい。前記第2の光学層の厚みの最小値が2μm以上であることにより、プリズム効果を低減させて、十分な透明性が得ることができる。
前記第2の光学層の厚みの最小値とは、例えば、図3においては「A」で表され、「第1の光学層の厚みが最大であるときの第2の光学層の厚み」を意味する。
<<破断伸び率>>
前記第2の光学層の破断伸び率は、60%以上が好ましく、140%以上がより好ましく、200%以上が特に好ましい。前記第2の光学層の破断伸び率としては、例えば、60%以上250%以下が挙げられる。
前記破断伸び率は、例えば、以下のように求めることができる。
離型処理PET基材上に、第2の光学層に相当する平均厚み100μmの平滑なフィルムを作製する。当該フィルムを、前記離型処理PET基材から剥離して、長さ100mm×幅25mmに切断し、試験片を得る。
測定は、JIS A5759 2008に従い行う。試験速度300mm/minで引張り試験を3回行い、その破断時のひずみの平均値を測定する。
<粘着層>
前記粘着層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系、シリコン系などが挙げられるが、前記粘着層は、光学特性や耐候性の観点から、アクリル系粘着層であることが好ましい。
前記アクリル系粘着層は、アクリル系ポリマーを含有する粘着層である。
また、耐候性を向上させるために、粘着層にはUV吸収剤を含有しても良い。
前記粘着層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上30μm以下が好ましく、10μm以上20μm以下がより好ましい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、例えば、基材などが挙げられる。
<<基材>>
前記基材は、前記第1の光学層の凹凸面と対向する面上に配置され、通常、透明性を有する。
前記基材は、エネルギー線透過性を有することが好ましい。これにより、前記基材と前記無機層との間に介在させた光硬化性樹脂組成物に対して、前記基材側からエネルギー線を照射し、前記光硬化性樹脂組成物を硬化させることができるからである。
前記基材の形状としては、光学体に可撓性を付与する観点から、フィルム状を有することが好ましいが、特にこの形状に限定されるものではない。
前記基材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、などが挙げられる。
前記基材の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生産性の観点から、38μm以上100μm以下が好ましい。
<破断伸び率>
前記光学体の破断伸び率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60%以上が好ましく、60%以上1,000%以下がより好ましく、60%以上500%以下が特に好ましい。
前記光学体の破断伸び率が60%以上であることにより、JIS−A5759に規定される「ガラス飛散防止フィルム」に好適に適合することができる。
前記光学体の引張破断伸び率は、例えば、以下の方法で測定される。
JIS A5759 2008に従い測定を行う。試験長さ100mm×幅25mmの試験片を作製し、試験速度300mm/minで引張り試験を3回行い、その破断時のひずみの平均値を測定する。
<貯蔵弾性率>
前記光学体の25℃における貯蔵弾性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3.0×10Pa以下が好ましい。前記光学体の25℃における貯蔵弾性率としては、例えば、1.0×10Pa以上3.0×10Pa以下が挙げられる。
前記光学体の60℃における貯蔵弾性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5.0×10Pa以上が好ましい。前記光学体の60℃における貯蔵弾性率としては、例えば、5.0×10Pa以上1.0×10Pa以下が挙げられる。
貯蔵弾性率は、例えば、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメンツ(株)製RSA3)を用い、測定周波数1Hzで測定する。
<180°ピール試験>
前記光学体は、JIS A5759で規定される180°ピール試験による剥離力が、8N/25mm以上であることが好ましい。
前記剥離力は、例えば、8N/25mm以上50N/25mm以下である。
ここで定義される剥離力は、前記光学体の各層間の密着性を示す指標であり、界面剥離が生じていない状態での剥離力である。即ち、180°ピール試験において層間の界面剥離が生じている場合は、たとえ8N/25mm以上の値が得られても、その値は「剥離力」であるとは評価されない。
180°ピール試験は、例えば、以下のようにして行う。
第2の光学層に粘着層が貼着された光学体を用意する。
それを、長さ250mm×幅25mmに切断し、試験片を得る。
得られた試験片を、厚さ3mm、幅50mm、長さ125mmの板ガラスに貼り付ける。貼付け後、JIS Z 0237に規定する圧着ローラを用いて毎分約300mmの速さで1往復させて圧着させる。その後、試験片を24時間静置する。
試験装置には、オートグラフAGS−X 50N((株)島津製作所)を用いる。
試験片の遊び部分を180°に折り返し、25mmはがした後、フィルム(遊び部分)を上部チャックに、板ガラスは下部チャックに挟む。引張速さ毎分300mmで引きはがしを行い、その時の荷重を測定する。20mm間隔で4点の荷重を測定する。粘着力(剥離力、N/25mm幅)は、4点の測定荷重の平均値とする。試験結果は、3枚の試験片の平均値とする。
<透過像鮮明度>
前記光学体において、透過性を持つ波長帯に対する透過像鮮明度に関し、2.0mmの光学くしを用いたときの値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60%以上が好ましく、75%以上がより好ましい。
更に、前記光学体において、透過性を持つ波長帯に対する透過像鮮明度に関し、0.5mmの光学くしを用いたときの値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60%以上が好ましく、75%以上がより好ましい。透過像鮮明度の値が60%以上75%未満であると、光源のように非常に明るい物体のみ回折パターンが気になるが、外の景色を鮮明に見ることができる。透過像鮮明度の値が75%以上であれば、回折パターンは殆ど気にならない。
ここで、透過像鮮明度の値は、スガ試験機製ICM−1Tを用いて、JIS K−7374:2007に準じて測定したものである。ただし、透過させたい波長がD65光源波長と異なる場合は、透過したい波長のフィルターを用いて校正した後に測定することが好ましい。
<波長選択反射性>
図4は、波長選択反射性を有する光学体11に対して入射する入射光と、光学体11により反射された反射光との関係を示す斜視図である。光学体11は、光Lが入射する入射面S1を有する。光学体11は、入射角(θ、φ)で入射面S1に入射した光Lのうち、特定波長帯の光Lを選択的に正反射(−θ、φ+180°)以外の方向に指向反射するのに対して、特定波長帯以外の光Lを透過する。また、光学体11は、上記特定波長帯以外の光に対して透明性を有する。透明性としては、後述する透過像鮮明度の範囲を有するものであることが好ましい。但し、θ:入射面S1に対する垂線lと、入射光Lまたは反射光Lとのなす角である。φ:入射面S1内の特定の直線lと、入射光Lまたは反射光Lを入射面S1に射影した成分とのなす角である。ここで、入射面内の特定の直線lとは、入射角(θ、φ)を固定し、光学体11の入射面S1に対する垂線lを軸として光学体11を回転したときに、φ方向への反射強度が最大になる軸である。但し、反射強度が最大となる軸(方向)が複数ある場合、そのうちの1つを直線lとして選択するものとする。なお、垂線lを基準にして時計回りに回転した角度θを「+θ」とし、反時計回りに回転した角度θを「−θ」とする。直線lを基準にして時計回りに回転した角度φを「+φ」とし、反時計回りに回転した角度φを「−φ」とする。
選択的に指向反射する特定の波長帯の光、及び透過させる特定の光は、光学体11の用途により異なる。例えば、外部支持体としての窓材に対して光学体11を適用する場合、選択的に指向反射する特定の波長帯の光は近赤外光であり、透過させる特定の波長帯の光は可視光であることが好ましい。具体的には、選択的に指向反射する特定の波長帯の光が、主に波長帯域780nm以上2100nm以下の近赤外線であることが好ましい。近赤外線を反射することで、光学体をガラス窓などの窓材に貼り合わせた場合に、建物内の温度上昇を抑制することができる。したがって、冷房負荷を軽減し、省エネルギー化を図ることができる。ここで、指向反射とは、正反射以外のある特定の方向への反射光強度が、正反射光強度より強く、かつ、指向性を持たない拡散反射強度よりも十分に強いことを意味する。ここで、反射するとは、特定の波長帯域、例えば近赤外域における反射率が好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上であることを示す。透過するとは、特定の波長帯域、例えば可視光域における透過率が好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上であることを示す。
波長選択反射性を有する光学体11において、指向反射する方向φoが−90°以上、90°以下であることが好ましい。光学体11を外部支持体に貼った場合、上空から入射する光のうち、特定波長帯の光を上空方向に戻すことができるからである。周辺に高い建物がない場合にはこの範囲の光学体11が有用である。また、指向反射する方向が(θ、−φ)近傍であることが好ましい。近傍とは、好ましく(θ、−φ)から5度以内、より好ましくは3度以内であり、さらに好ましくは2度以内の範囲内のずれのことをいう。この範囲にすることで、光学体11を外部支持体に貼った場合、同程度の高さが立ち並ぶ建物の上空から入射する光のうち、特定波長帯の光を他の建物の上空に効率良く戻すことができるからである。このような指向反射を実現するためには、例えば球面や双曲面の一部や三角錐、四角錘、円錐などの3次元構造体を用いることが好ましい。(θ、φ)方向(−90°<φ<90°)から入射した光は、その形状に基づいて(θo、φo)方向(0°<θo<90°、−90°<φo<90°)に反射させることができる。または、一方向に伸びた柱状体にすることが好ましい。(θ、φ)方向(−90°<φ<90°)から入射した光は、柱状体の傾斜角に基づいて(θo、−φ)方向(0°<θo<90°)に反射させることができる。
波長選択反射性を有する光学体11において、特定波長帯の光の指向反射が、再帰反射近傍方向、すなわち、入射角(θ、φ)で入射面S1に入射した光に対する、特定波長帯の光の反射方向が、(θ、φ)近傍であることが好ましい。光学体11を外部支持体に貼った場合、上空から入射する光のうち、特定波長帯の光を上空に戻すことができるからである。ここで近傍とは5度以内が好ましく、より好ましくは3度以内であり、さらに好ましくは2度以内である。この範囲にすることで、光学体11を外部支持体に貼った場合、上空から入射する光のうち、特定波長帯の光を上空に効率良く戻すことができるからである。また、赤外線センサーや赤外線撮像のように、赤外光照射部と受光部が隣接している場合は、再帰反射方向は入射方向と等しくなければならないが、特定の方向からセンシングする必要がない場合は、厳密に同一方向とする必要はない。
<凹凸形状>
図5Aに示すように、第1の光学層2を構成する構造体2cの形状を、光学体11の入射面S1または出射面S2に垂直な垂線lに対して非対称な形状としてもよい。この場合、構造体2cの主軸lが、垂線lを基準にして構造体2cの配列方向aに傾くことになる。ここで、構造体2cの主軸lとは、構造体断面の底辺の中点と構造体の頂点とを通る直線を意味する。地面に対して略垂直に配置された外部支持体としての窓材に光学体11を貼る場合には、図5Bに示すように、構造体2cの主軸lが、垂線lを基準にして外部支持体としての窓材の下方(地面側)に傾いていることが好ましい。一般に窓を介した熱の流入が多いのは昼過ぎ頃の時間帯であり、太陽の高度が45°より高いことが多いため、上記形状を採用することで、これら高角度から入射する光を効率的に上方に反射できるからである。図5A及び図5Bでは、プリズム形状の構造体2cを垂線lに対して非対称な形状とした例が示されている。なお、プリズム形状以外の構造体2cを垂線lに対して非対称な形状としてもよい。例えば、コーナーキューブ体を垂線lに対して非対称な形状としてもよい。
構造体2cをプリズム形状とする場合、プリズム形状の構造体2cの傾斜角度α(図1)は、例えば45°である。構造体2cは、窓材に適用した場合に、上空から入射した光を反射して上空に多く戻す観点からは、傾斜角がなるべく45°以上傾斜した平面または曲面を有することが好ましい。このような形状にすることで、入射光はほぼ1回の反射で上空へ戻るため、波長選択反射膜の反射率がそれ程高く無くとも効率的に上空方向へ入射光を反射できると共に、波長選択反射膜における光の吸収を低減できるからである。
図6Aは、本発明の一実施形態に係る光学体における第1の光学層の構成例を示す平面図である。図6Bは、図6Aに示した第1の光学層のB−B線に沿った断面図である。
第1の光学層2の一主面には、構造体2cが2次元的に配列されている。この配列は、最稠密充填状態での配列であることが好ましい。例えば、第1の光学層2の一主面には、構造体2cを最稠密充填状態で2次元配列することによりデルタ稠密アレイなどの稠密アレイが形成されている。デルタ稠密アレイは、例えば図6A〜図6Bに示すように、三角形状の底面を有する構造体2c(例えば三角錐)を最稠密充填状態で配列させたものである。
また、第1の光学層2の表面に形成される構造体2cの形状は1種類に限定されるものではなく、複数種類の形状の構造体2cを第1の光学層の表面に形成するようにしてもよい。複数種類の形状の構造体2cを表面に設ける場合、複数種類の形状の構造体2cからなる所定のパターンが周期的に繰り返されるようにしてもよい。また、所望とする特性によっては、複数種類の構造体2cがランダム(非周期的)に形成されるようにしてもよい。
<光学体の製造方法>
以下、図7A〜図7C、図8A〜図8C、及び図9A〜図9Dを参照して、本発明の一実施形態に係る光学体の製造方法の一例について説明する。なお、以下に示す製造プロセスの一部または全部は、生産性を考慮して、ロール・ツー・ロールにより行われることが好ましい。但し、金型の作製工程は除くものとする。
まず、図7Aに示すように、例えばバイト加工またはレーザー加工などにより、第1の光学層2を構成する構造体2cと同一の凹凸形状の金型21、またはその金型21の反転形状を有する金型(レプリカ)を形成する。次に、図7Bに示すように、例えば溶融押し出し法または転写法などを用いて、金型21の凹凸形状をフィルム状の樹脂材料に転写する。転写法としては、型に光硬化性樹脂組成物を流し込み、エネルギー線を照射して硬化させる方法、樹脂に熱や圧力を加え、形状を転写する方法、または樹脂フィルムをロールから供給し、熱を加えながら型の形状を転写する方法(ラミネート転写法)などが挙げられる。これにより、図7Cに示すように、一主面に構造体2cを有する第1の光学層2が形成される。
また、図7Cに示すように、第1の基材4上に、第1の光学層2を形成するようにしてもよい。この場合には、例えば、フィルム状の第1の基材4をロールから供給し、該第1の基材4上に光硬化性樹脂組成物を塗布した後に型に押し当て、型の形状を転写し、紫外線等のエネルギー線を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させる方法が用いられる。
次に、図8Aに示すように、その第1の光学層2の一主面上に無機層1としての波長選択反射層(機能性層)を成膜する。無機層1としての波長選択反射層の成膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ディップコーティング法、ダイコーティング法、ウェットコーティング法、スプレーコーティング法などが挙げられ、これらの成膜方法から、構造体2cの形状などに応じて適宜選択することが好ましい。次に、図8Bに示すように、必要に応じて、無機層1としての波長選択反射層に対してアニール処理31を施す。アニール処理の温度は、例えば100℃以上250℃以下の範囲内である。
次に、図8Cに示すように、光硬化性樹脂組成物22を、無機層1としての波長選択反射層上に塗布する。
次に、図9Aのように、コーター等で光硬化性樹脂組成物22を所定厚みに塗り広げて凹凸構造を埋めることにより、積層体を形成する。
次に、図9Bに示すように、例えばエネルギー線32により光硬化性樹脂組成物22を硬化させるとともに、積層体に対して圧力33を加える。前記エネルギー線としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線などが挙げられる。これらの中でも、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。積算照射量としては、特に制限はなく、樹脂の硬化特性、樹脂や基材4の黄変抑制などを考慮して、適宜選択することができる。積層体に加える圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01MPa以上1MPa以下が好ましい。積層体に加える圧力が、0.01MPa未満であると、フィルムの走行性に問題が生じ、一方、1MPaを超えると、ニップロールとして金属ロールを用いる必要があり、圧力ムラが生じ易い。
以上により、図9Cに示すように、無機層1としての波長選択反射層上に第2の光学層3が形成され、光学体11が得られる。
更に、本発明の光学体は、第2の光学層3の無機層1側と反対側に粘着層5が形成されていてもよい。粘着層5の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第2の光学層3上に粘着剤組成物を塗布して形成してもよいし、第2の光学層3と粘着層5とをラミネート加工により貼り合わせることで形成してもよい。
なお、第2の光学層3の他の凹凸面3aと対向する面3bの平坦度は、コーターヘッド等の平坦度、及び、樹脂の厚さ(凹凸の埋まり具合)に起因する。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
<光学体の作製>
図10に示す四角錐形状の構造体2dを表面に有する第1の光学層を形成可能な転写金型を用いた転写法により、PET基材A4300(東洋紡株式会社製、厚み50μm)上に、下記光硬化性樹脂組成物A1を用いて、図10に示す四角錐形状の構造体2dを表面に有する第1の光学層を形成した。具体的には、PET基材A4300上に、下記光硬化性樹脂組成物A1を塗布した後、前記転写金型を用いた転写法により構造体2dを形成し、その後、紫外線を照射して硬化させて第1の光学層を形成した。
形成した第1の光学層上に、下記構成の無機層を真空スパッタ法により形成した。形成した無機層上に、下記光硬化性樹脂組成物B1を塗布し、紫外線を照射して硬化させて第2の光学層を形成した。
以上により、光学体を得た。硬化後の第2の光学層の最薄部の厚みは20μmであった。光学体の厚みは、85μmであった。
<<光硬化性樹脂組成物A1>>
以下の表1に記載の材料を混合して、光硬化性樹脂組成物A1を得た。
表1中の数値の単位は、「環状構造含有率」を除き、質量部である。
「環状構造含有率」とは、第1の光学層の樹脂成分であるラジカル重合性ビニル基含有物質の総量に対する、環状構造を有する(メタ)アクリレートの割合(質量%)である。
表1中の材料の詳細は以下のとおりである。
・EBECRYL8807:2官能ウレタンアクリレート、ダイセル・オルネクス株式会社製
・NKエステルA9300:多官能アクリレートモノマーとしてのエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、新中村化学工業株式会社製
・ACMO:含窒素複素環を有する単官能アクリレートモノマーとしてのアクリロイルモルホリン、KJケミカルズ株式会社製
・A−NOD−N:多官能アクリレートモノマーとしての1,9−ノナンジオールジアクリレート、新中村化学工業株式会社製
・AMP−10G:アクリル酸2−フェノキシエチル、新中村化学工業株式会社製
・IBXA:イソボルニルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製
・アロニックスM−111:ノニルフェノールEO変性アクリレート、東亞合成株式会社製
・ビスコート#155:シクロヘキシルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製
・ビスコート#150:テトラヒドロフルフリルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製
・イルガキュア127:光ラジカル発生剤(光重合開始剤)、BASFジャパン株式会社製
<<無機層の構成>>
(第1の光学層)/Nb(32nm)/AgPdCu(11nm)/Al−ZnO(8nm)/Nb(70nm)/AgPdCu(11nm)/AZO(32nm)/(第2の光学層)
<<光硬化性樹脂組成物B1>>
以下の表2に記載の材料を混合して、光硬化性樹脂組成物B1を得た。
表2中の材料の詳細は以下のとおりである。
・EBECRYL8807:2官能ウレタンアクリレート、ダイセル・オルネクス株式会社製
・ACMO:含窒素複素環を有する単官能アクリレートモノマーとしてのアクリロイルモルホリン、KJケミカルズ株式会社製
・AMP−10G:アクリル酸2−フェノキシエチル、新中村化学工業株式会社製
・ライトエステルP−2M:リン酸含有アクリレートとしての2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、共栄社化学株式会社製
・イルガキュア127:光ラジカル発生剤(光重合開始剤)、BASFジャパン株式会社製
得られた光学体を以下の試験・測定に供した。結果を表3に示す。
<180°ピール試験>
JIS A 5759に準じて試験を行った。具体的には以下のようにして、180°ピール試験を行った。
作製した光学体の第2の光学層に、粘着層(平均厚み16μm、MF58UV0455、巴川製紙所製)を貼り付けた。
それを、長さ250mm×幅25mmに切断し、試験片を得た。
得られた試験片を、厚さ3mm、幅50mm、長さ125mmの板ガラスに貼り付けた。貼付け後、JIS Z 0237に規定する圧着ローラを用いて毎分約300mmの速さで1往復させて圧着させた。その後、試験片を24時間静置した。
試験装置には、オートグラフ AGS−X 50N((株)島津製作所)を用いた。
試験片の遊び部分を180°に折り返し、25mmはがした後、フィルム(遊び部分)を上部チャックに、板ガラスは下部チャックに挟んだ。引張速さ毎分300mmで引きはがしを行い、その時の荷重を測定した。20mm間隔で4点の荷重を測定した。粘着力(剥離力、N/25mm幅)は、4点の測定荷重の平均値とした。試験結果は、3枚の試験片の平均値とした。
以下の評価基準で評価した。
なお、粘着層には、第1の光学層と無機層との間、及び第2の光学層と無機層との間で界面破壊が無いと仮定した場合に、8N/25mm以上の剥離力を実現する粘着層を用いた。
〔評価基準〕
○:8N/25mm以上の剥離力であり、かつ第1の光学層と無機層との間で界面破壊がない。
△:8N/25mm以上の剥離力であるが、第1の光学層と無機層との間で一部に界面破壊がある
×:8N/25mm以上の剥離力であるが、第1の光学層と無機層との間で界面破壊がある。
なお、全ての試料において、第2の光学層と無機層との間では界面破壊はなかった。
<臭い>
光学体が含有するモノマーの臭いを官能評価で評価した。評価者が光学体の臭いの有無を以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:臭いがない。
×:臭いがある。
<硬化収縮率>
第1の光学層の硬化収縮率を測定した。
具体的には光硬化性樹脂組成物A1について、硬化前の組成物と硬化物(硬化後の組成物)の比重を電子比重計(MIRAGE社製SD−120L)を用いて測定し、両者の比重差から次式により算出した。得られた結果を表2に示す。
硬化収縮率(%)=
100×〔(硬化物の比重)−(組成物の比重)〕/(硬化物の比重)
<引張破断伸び率の測定>
<<第1の光学層の破断伸び率>>
光硬化性樹脂組成物A1を用いて、離型処理PET基材上に、第1の光学層に相当する平均厚み100μmの平滑なフィルムを作製した。当該フィルムを、前記離型処理PET基材から剥離して、長さ100mm×幅25mmに切断し、試験片を得た。
当該フィルムを作製する際には、第1の光学層を形成する際と同様の光照射を行った。
測定は、JIS A5759 2008に従い行った。試験速度300mm/minで引張り試験を3回行い、その破断時のひずみの平均値を測定した。
<<第2の光学層の破断伸び率>>
光硬化性樹脂組成物B1を用いて、離型処理PET基材上に、第2の光学層に相当する平均厚み100μmの平滑なフィルムを作製した。当該フィルムを、前記離型処理PET基材から剥離して、長さ100mm×幅25mmに切断し、試験片を得た。
当該フィルムを作製する際には、第2の光学層を形成する際と同様の光照射を行った。
測定は、JIS A5759 2008に従い行った。試験速度300mm/minで引張り試験を3回行い、その破断時のひずみの平均値を測定した。
<貯蔵弾性率>
各試料について、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメンツ(株)製RSA3)を用い、測定周波数1Hzで貯蔵弾性率(Pa)(25℃又は60℃)を測定した。
なお、測定の際には、基材PETA4300を除去した状態で測定を行った。
(実施例2〜3)
実施例1において、光硬化性樹脂組成物A1を、表1に記載の光硬化性樹脂組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学体を作製した。
作製した光学体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示した。
(比較例1〜3)
実施例1において、光硬化性樹脂組成物A1を、表1に記載の光硬化性樹脂組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学体を作製した。
作製した光学体について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示した。
表3中、「E」は、10のべき乗である。例えば、「E+09」は、10を意味する。
以上より、第1の光学層と、無機層と、第2の光学層とを備える光学体において、第1の光学層が、環状構造を側鎖に有するポリアクリレートを含有し、第1の光学層の破断伸び率が30%以上であることにより、第1の光学層と無機層との密着性に優れ、ガラス飛散防止フィルムにも適用可能な光学体が得られることが分かった。
本発明の光学体は、フィルムとして、多岐に亘って適用可能であるが、特に、窓ガラス、壁等に貼り付ける熱線再帰フィルムとして好適に用いることができる。
1 無機層
2 第1の光学層
2a 凹凸面
2b 面
3a 凹凸面
3 第2の光学層
4 第1の基材
5 粘着層
11 光学体
22 光硬化性樹脂組成物
100 光学体
101 無機層
102 第1の光学層
103 第2の光学層
104 第1の基材
105 第2の基材
106 粘着層
107 外部支持体

Claims (7)

  1. 凹凸面を有する第1の光学層と、
    前記第1の光学層の凹凸面上に配置された無機層と、
    前記無機層側に他の凹凸面を有し、該他の凹凸面における凹凸が埋没するように配置された第2の光学層と、
    を有し、
    前記第1の光学層が、環状構造を側鎖に有するポリアクリレートを含有し、
    前記第1の光学層の破断伸び率が、30%以上である、
    ことを特徴とする光学体。
  2. 前記環状構造が、環を構成する元素に窒素又は酸素を含む請求項1に記載の光学体。
  3. JIS A5759で規定される180°ピール試験による剥離力が、8N/25mm以上である請求項1から2のいずれかに記載の光学体。
  4. 前記ポリアクリレートが、ラジカル重合性ビニル基含有物質の重合体であり、
    前記ラジカル重合性ビニル基含有物質が、40質量%以上の環状構造を有する(メタ)アクリレートを含有する、
    請求項1から3のいずれかに記載の光学体。
  5. 前記第2の光学層の破断伸び率が、60%以上である請求項1から4のいずれかに記載の光学体。
  6. 更に、前記第2の光学層に接する粘着層を有する請求項1から5のいずれかに記載の光学体。
  7. 前記第2の光学層が、粘着層と接して使用される請求項1から5のいずれかに記載の光学体。

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