JP2019023511A - ブレーキディスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】開口部に対して突出部を隙間なく嵌合させることができるブレーキディスクの製造方法を提供する。【解決手段】複数の突出部1bが形成されたロータ1を得るためのロータ加工工程と、突出部1bに対応した開口部2cが形成されたブラケット2を得るためのブラケット加工工程と、ブラケット2をロータ加工工程で得られたロータ1の中央孔に挿通させるとともに、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを挿入して嵌合させることで、ブラケット2とロータ1とを一体化させる一体化工程とを有するとともに、突出部1bは、テーパ状に形成されて成り、一体化工程において開口部2cに挿通して嵌合されるものである。【選択図】図1
Description
本発明は、車両の車軸に取り付けられて当該車両の制動を行うためのブレーキディスクの製造方法に関するものである。
乗用車や二輪車等の車両に配設されて当該車両を制動可能なブレーキ装置として、ブレーキディスクとブレーキパッドとを具備したディスクブレーキ装置が普及するに至っている。かかるディスクブレーキ装置は、車両の車輪にブレーキディスクを取り付けて一体に回転可能とするとともに、そのブレーキディスクにブレーキパッドを押圧させることで、制動力を得るよう構成されている。
汎用的なブレーキディスクとして、例えば略円環状板材から成るロータと、該ロータの中央に取り付けられる筒状のブラケットとを有して成るものが挙げられ、このようなブレーキディスクは、当該ブラケットを車両の車軸に取り付けるとともに、ロータにブレーキパッドを押圧させることで制動力を得るよう構成されていた。かかる汎用的なブレーキディスクは、ロータとブラケットとをリベット等の締結手段にて締結することで一体化させていた。
しかるに、本出願人は、従来、中央孔を有する略円環状板材から成り、当該中央孔の開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部が形成されたロータを得るためのロータ加工工程と、筒状部材から成り、突出部に対応した開口部が形成されたブラケットを得るためのブラケット加工工程と、ブラケットをロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させるとともに、ブラケットの開口部にロータの突出部を嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させる一体化工程とを有するブレーキディスクの製造方法について提案した(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来のブレーキディスクの製造方法においては、リベット等の締結手段を不要としつつロータとブラケットとを一体化することができるものの、一体化工程時、突出部を開口部に挿通させる必要があることから、ロータ及びブラケットの高度な位置決め精度が必要となってしまう虞があった。特に、一体化工程において突出部と開口部との間に隙間が生じてしまうと、ガタが生じてしまう虞があり、品質に問題が生じてしまうという不具合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、開口部に対して突出部を隙間なく嵌合させることができるブレーキディスクの製造方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、車両の車軸に取り付けられて当該車両の制動を行うためのブレーキディスクの製造方法において、中央孔を有する略円環状板材から成り、当該中央孔の開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部が形成されたロータを得るためのロータ加工工程と、筒状部材から成り、前記突出部に対応した開口部が形成されたブラケットを得るためのブラケット加工工程と、前記ブラケットを前記ロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させるとともに、前記ブラケットの開口部に前記ロータの突出部を挿入して嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させる一体化工程とを有するとともに、前記突出部は、テーパ状に形成されて成り、前記一体化工程において前記開口部に挿通して嵌合されることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のブレーキディスクの製造方法において、前記突出部の側面は、前記ロータの中心に対して略10〜30度の角度を有した勾配面とされたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のブレーキディスクの製造方法において、前記一体化工程は、前記ブラケット加工工程で得られたブラケットを前記ロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させた状態で、当該ブラケットの側壁における少なくとも前記開口部が形成された部位を外側に変形させて拡径させ、前記ブラケットの開口部に前記ロータの突出部を挿入して嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のブレーキディスクの製造方法において、前記ブラケット加工工程で得られたブラケットにおける少なくとも前記開口部が形成された部位を内側に変形させて縮径部を得る縮径加工工程を具備するとともに、前記一体化工程は、当該縮径加工工程を経たブラケットを前記ロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させた状態で、当該ブラケットの前記縮径部を外側に変形させて拡径させ、前記ブラケットの開口部に前記ロータの突出部を挿通して嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、突出部は、テーパ状に形成されて成り、一体化工程において開口部に挿通して嵌合されるので、開口部に対して突出部を隙間なく嵌合させることができる。
請求項2の発明によれば、突出部の側面は、前記ロータの中心に対して略10〜30度の角度を有した勾配面とされたので、開口部に対して突出部をより隙間なく且つ円滑に嵌合させることができる。
請求項3の発明によれば、一体化工程は、ブラケット加工工程で得られたブラケットをロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させた状態で、当該ブラケットの側壁における少なくとも開口部が形成された部位を外側に変形させて拡径させ、ブラケットの開口部にロータの突出部を挿入して嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させるので、ブラケットを縮径及び拡径させる工程がそれぞれ必要なものに比べ、製造工程を簡素化することができるとともに、隙間のない状態で突出部を開口部に嵌合させることができる。
請求項4の発明によれば、ブラケット加工工程で得られたブラケットにおける少なくとも開口部が形成された部位を内側に変形させて縮径部を得る縮径加工工程を具備するとともに、一体化工程は、当該縮径加工工程を経たブラケットをロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させた状態で、当該ブラケットの縮径部を外側に変形させて拡径させ、ブラケットの開口部にロータの突出部を挿通して嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させるので、縮径加工工程を経たブラケットの開口部に対して隙間のない状態で突出部を嵌合させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係るブレーキディスクは、自動車や二輪車等の車両の車軸に取り付けられて当該車軸と一体的に回転可能とされ、ブレーキパッドが押圧されることにより車両の制動力を得るためのものであり、図1〜5に示すように、ブレーキパッド(不図示)が押圧され得るロータ1と車両の車軸(不図示)に取り付けられるブラケット2とを一体化させて成るものである。
第1の実施形態に係るブレーキディスクは、自動車や二輪車等の車両の車軸に取り付けられて当該車軸と一体的に回転可能とされ、ブレーキパッドが押圧されることにより車両の制動力を得るためのものであり、図1〜5に示すように、ブレーキパッド(不図示)が押圧され得るロータ1と車両の車軸(不図示)に取り付けられるブラケット2とを一体化させて成るものである。
ロータ1は、図4に示すように、中央孔1aを有する略円環状板材から成り、当該中央孔1aの開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部1bが形成されたもので、本実施形態においては、ステンレス材から成るものである。本実施形態に係る突出部1bは、ロータ1に一体形成された部位から成り、ロータ1の内周縁部において周方向に亘って等間隔に複数突出形成されている。なお、形成される突出部1bの数は任意に設定することができる。
ブラケット2は、図5に示すように、側壁2a及び底部2bを有した有底の筒状部材から成り、側壁2aには、ロータ1の突出部1bに対応した開口部2cが複数形成されたものであり、本実施形態においては、アルミ材(アルミニウムを主な組成として含む材料であって、アルミニウム合金等を含む)から成る。本実施形態に係るブラケット2の外径寸法Lbは、ロータ1の中央孔1aの内径寸法La(対向する突出部1b間の寸法)より若干小さく設定されており、当該ロータ1の中央孔1aにブラケット2を挿通し得るようになっている。
しかるに、本実施形態に係る開口部2cは、側壁2aの全周に亘って形成された貫通孔(ブラケット2の内部と外部とを貫通させた孔)から成り、ロータ1の中央孔1aにブラケット2を挿通させた状態において、突出部1bに対して略同一形状で且つ同一位置に形成されている。なお、ブラケット2の底部2bには、複数の取付孔2dが同心円上に形成されており、かかる取付孔2d及び車両の車軸に形成されたボルト孔(不図示)にボルト等を挿通して締め付けることで、ロータ1及びブラケット2から成るブレーキディスクを車両に取付可能とされている。図中符号2eは、ブラケット2の底部2bに形成された貫通孔を示している。
しかして、本実施形態に係るブレーキディスクは、図1〜3に示すように、ブラケット2をロータ1の中央孔1aに挿通させるとともに、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させることで、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させて成るものである。すなわち、ブラケット2をロータ1の中央孔1aに挿通させた状態で、突出部1bが開口部2cに挿入されて嵌合することで、ブラケット2に対するロータ1の軸方向(図2における上下方向)の抜け止めと回転方向の係止とが同時に行われているのである。
すなわち、本実施形態に係るブレーキディスクは、ロータ1及びブラケット2の2部品にて成るとともに、溶着や接着工程を経ず、かつ、リベットやネジ等の締結手段を用いることなく、当該ロータ1及びブラケット2を一体化させて成るのである。また、開口部2cに挿通した突出部1bを塑性変形させることで、開口部2cに対して突出部1bをかしめ、ブラケット2とロータ1とを一体化させるようにするのが好ましい。
ここで、本実施形態に係る突出部1bは、図3、4に示すように、テーパ状(突出方向に向かって幅が直線状且つ連続的に狭くなる形状)に形成されて成り、一体化工程において開口部2cに挿通して嵌合されるよう構成されている。すなわち、一体化工程において、突出部1bが開口部2cに挿入される際、当該突出部1bは、その幅寸法が開口部2cの開口寸法と合致した位置にて嵌合することとなり、両者の間(突出部1bの側面1ba及び側面1bbと開口部2cの内周壁の間)に隙間がない状態で嵌合がなされるのである。さらに、本実施形態に係る突出部1bの側面(1ba、1bb)は、図4に示すように、ロータ1の中心に対してα(好ましくは略10〜30度)の角度を有した勾配面とされているが、これと異なる他の角度であってもよい。
次に、本実施形態に係るブレーキディスクの製造方法について、図9に示すフローチャート等に基づいて説明する。
本実施形態に係るブレーキディスクは、図9に示すように、ロータ加工工程S1と、ブラケット加工工程S2と、一体化工程S3と、拡径加工工程S4とを有している。ロータ加工工程S1は、図4で示す如きステンレス材から成るロータ1(中央孔1aを有する略円環状板材から成り、当該中央孔1aの開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部1bが形成されたロータ)を得るための工程である。具体的には、ロータ加工工程S1において、板状部材を略円環状に抜き加工(トリミング加工)してロータ1を得るとともに、そのトリミング加工によって、突出部1bがテーパ状に形成されるようになっている。
本実施形態に係るブレーキディスクは、図9に示すように、ロータ加工工程S1と、ブラケット加工工程S2と、一体化工程S3と、拡径加工工程S4とを有している。ロータ加工工程S1は、図4で示す如きステンレス材から成るロータ1(中央孔1aを有する略円環状板材から成り、当該中央孔1aの開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部1bが形成されたロータ)を得るための工程である。具体的には、ロータ加工工程S1において、板状部材を略円環状に抜き加工(トリミング加工)してロータ1を得るとともに、そのトリミング加工によって、突出部1bがテーパ状に形成されるようになっている。
ブラケット加工工程S2は、図5で示す如きアルミ材から成るブラケット2(筒状部材から成り、突出部1bに対応した開口部2cが形成されたブラケット)を得るための工程であり、例えば図10で示す如きプレス加工装置を用いてブラケット2の外観形状を得るものとされる。かかるブラケット加工工程S2で用いられるプレス加工装置は、上型U1と下側D1とを有しており、これら上型U1と下側D1との近接又は衝合によって絞り加工を施し、ブラケット2の外観形状を得るものであり、その後、パンチ等によりブラケット2の所定位置に開口部2cが形成されるようになっている。
一体化工程S3は、ブラケット加工工程S2で得られたブラケット2をロータ加工工程S1で得られたロータ1の中央孔1aに挿通させるとともに、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させることで、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させる工程である。すなわち、本実施形態に係る一体化工程S3は、ブラケット2の側壁2aにおける少なくとも開口部2cが形成された部位を外側に変形させて拡径させる拡径加工工程S4を有しており、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させる工程である。
具体的には、拡径加工工程S4は、図6、7に示すように、ブラケット加工工程S2で得られたブラケット2(筒状の状態のブラケット2)をロータ加工工程S1で得られたロータ1の中央孔1aに挿通させた状態とし、当該ブラケット2の開口部2cが形成された部位(ブラケット2における開口側の側壁全体)を外側に変形させて拡径(開口側側壁を膨出)させることで拡径部2aa(図8参照)を形成することにより、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させ、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させる工程とされている。
ここで、本実施形態に係るロータ1は、その突出部1bがテーパ状に形成されており、一体化工程S3(拡径加工工程S4)において突出部1bをブラケット2の開口部2cに挿入させると、突出部1bの側面1ba及び側面1bbと開口部2cの内周壁の間に隙間がない状態で嵌合(隙間のない位置で嵌合)されるようになっている。これにより、少なくともロータ1とブラケット2との間の周方向のガタを抑制することができる。これにより、少なくともロータ1とブラケット2との間の周方向のガタを抑制することができるとともに、突出部1bがテーパ状とされることにより、開口部2cに対して所謂くさび効果によってより強固に嵌合させることができる。
また、突出部1bがテーパ状に形成されることにより、突出部1bが開口部2cに挿入する時、開口部2cに対して突出部1bの挿入位置がずれていても、テーパ状の側面(1ba、1bb)にて突出部1bが案内され、正常に突出部1bを開口部2cに挿入させることができる。なお、本実施形態においては、ブラケット2とロータ1とが一体化されると、ロータ1の突出部1bが形成されていない範囲と、ブラケット2の側壁2aとの間に隙間部Hが生じるようになっているが、かかる隙間部Hがなるべく生じないよう設定してもよい。
また、本実施形態の一体化工程S3においては、例えば図11、12で示す如きプレス加工装置を用いて一体化させ得るものとされている。かかる一体化工程S3で用いられるプレス加工装置は、図11に示すように、下方に向かって突出した作動部Rを有した上型U2と、作動部Rと当接して周方向に向かって移動可能な複数のスライド部材K及びプレス部材Mを有した下型D2とを有している。
そして、上型U2を下降させることにより、作動部Rをスライド部材Kの基端部に当接させると、当該作動部Rが下型D2において周方向に移動し、当該ブラケット2の開口部2cが形成された部位(ブラケット2における開口側の側壁全体)を外側に変形させて拡径(開口側側壁を膨出)させることで拡径部2aa(図8参照)を形成する。これにより、側面(1ba、1bb)にて突出部1bが案内されてブラケット2の開口部2cに挿入して嵌合することとなり、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させることができる。なお、本実施形態においては、ブラケット2とロータ1とが一体化されると、ロータ1の突出部1bが形成されていない範囲と、ブラケット2の側壁2aとの間に隙間部Hが生じるようになっているが、かかる隙間部Hが生じないよう設定してもよい。
以上により、ロータ1及びブラケット2が一体化されたブレーキディスクを得ることができる。本実施形態によれば、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bが嵌合して当該ブラケット2とロータ1とが一体化されてブレーキディスクを得ることができるので、ロータ1及びブラケット2としてそれぞれ最適な材料を選択することができ、かつ、締結手段等を不要とすることができることから、軽量化を図り得るとともに部品点数を削減できる。
また、本実施形態に係る一体化工程は、ブラケット加工工程S2で得られたブラケット2(円筒形状)をロータ加工工程S1で得られたロータ1の中央孔1aに挿通させた状態で、当該ブラケット2の側壁における少なくとも開口部2cが形成された部位(本実施形態においてはブラケット2の開口側側壁)を外側に変形させて拡径させ、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させることで、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させるので、締結手段等を不要とすることができることから、軽量化を図り得るとともに部品点数を削減できるとともに、ブラケットを縮径及び拡径させる工程がそれぞれ必要なものに比べ、製造工程を簡素化することができるとともに、隙間のない状態で突出部1bを開口部2cに嵌合させることができる。
特に、本実施形態に係る突出部1bは、テーパ状に形成されて成り、一体化工程において開口部2cに挿通して嵌合されるので、開口部2cに対して突出部を隙間なく嵌合させることができる。さらに、本実施形態に係る突出部1bの側面(1ba、1bb)は、ロータ1の中心に対して略10〜30度の角度を有した勾配面とされたので、開口部2cに対して突出部1bをより隙間なく且つ円滑に挿通させて嵌合させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るブレーキディスクについて説明する。
本実施形態に係るブレーキディスクは、第1の実施形態と同様、自動車や二輪車等の車両の車軸に取り付けられて当該車軸と一体的に回転可能とされ、ブレーキパッドが押圧されることにより車両の制動力を得るためのものであり、図13〜15に示すように、ブレーキパッド(不図示)が押圧され得るロータ1と車両の車軸(不図示)に取り付けられるブラケット2とを一体化させて成るものである。
本実施形態に係るブレーキディスクは、第1の実施形態と同様、自動車や二輪車等の車両の車軸に取り付けられて当該車軸と一体的に回転可能とされ、ブレーキパッドが押圧されることにより車両の制動力を得るためのものであり、図13〜15に示すように、ブレーキパッド(不図示)が押圧され得るロータ1と車両の車軸(不図示)に取り付けられるブラケット2とを一体化させて成るものである。
ロータ1は、図16に示すように、中央孔1aを有する略円環状板材から成り、当該中央孔1aの開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部1bが形成されたもので、第1の実施形態と同様、ステンレス材から成るものである。本実施形態に係る突出部1bは、ロータ1に一体形成された部位から成り、ロータ1の内周縁部において周方向に亘って等間隔に複数突出形成されている。
ブラケット2は、図17、18に示すように、側壁2a及び底部2bを有した有底の筒状部材から成り、側壁2aには、ロータ1の突出部1bに対応した開口部2cが複数形成されたものであり、第1の実施形態と同様、アルミ材(アルミニウムを主な組成として含む材料であって、アルミニウム合金等を含む)から成る。かかるブラケット2の外径寸法は、ロータ1の中央孔1aの内径寸法(対向する突出部1b間の寸法)より若干大きく設定されており、後述する縮径加工工程を経ることにより、当該ロータ1の中央孔1aにブラケット2を挿通し得るようになっている。
しかるに、本実施形態に係る開口部2cは、第1の実施形態と同様、側壁2aの全周に亘って形成された貫通孔(ブラケット2の内部と外部とを貫通させた孔)から成り、ロータ1の中央孔1aにブラケット2を挿通させた状態において、突出部1bに対して略同一形状で且つ同一位置に形成されている。なお、ブラケット2の底部2bには、複数の取付孔2dが同心円上に形成されており、かかる取付孔2d及び車両の車軸に形成されたボルト孔(不図示)にボルト等を挿通して締め付けることで、ロータ1及びブラケット2から成るブレーキディスクを車両に取付可能とされている。図中符号2eは、ブラケット2の底部2bに形成された貫通孔を示している。
しかして、本実施形態に係るブレーキディスクは、図13〜15に示すように、ブラケット2をロータ1の中央孔1aに挿通させるとともに、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させることで、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させて成るものである。すなわち、ブラケット2をロータ1の中央孔1aに挿通させた状態で、突出部1bが開口部2cに挿入されて嵌合することで、ブラケット2に対するロータ1の軸方向の抜け止めと回転方向の係止とが同時に行われているのである。
すなわち、本実施形態に係るブレーキディスクは、ロータ1及びブラケット2の2部品にて成るとともに、溶着や接着工程を経ず、かつ、リベットやネジ等の締結手段を用いることなく、当該ロータ1及びブラケット2を一体化させて成るのである。また、開口部2cに挿通した突出部1bを塑性変形させることで、開口部2cに対して突出部1bをかしめ、ブラケット2とロータ1とを一体化させるようにするのが好ましい。
ここで、本実施形態に係る突出部1bは、図15、16に示すように、テーパ状(突出方向に向かって幅が直線状且つ連続的に狭くなる形状)に形成されて成り、一体化工程において開口部2cに挿通して嵌合されるよう構成されている。すなわち、一体化工程において、突出部1bが開口部2cに挿入される際、当該突出部1bは、その幅寸法が開口部2cの開口寸法と合致した位置にて嵌合することとなり、両者の間(突出部1bの側面1ba及び側面1bbと開口部2cの内周壁の間)に隙間がない状態で嵌合がなされるのである。さらに、本実施形態に係る突出部1bの側面(1ba、1bb)は、図16に示すように、ロータ1の中心に対してα(好ましくは略10〜30度)の角度を有した勾配面とされているが、これと異なる他の角度であってもよい。
次に、本実施形態に係るブレーキディスクの製造方法について、図20に示すフローチャート等に基づいて説明する。
本実施形態に係るブレーキディスクは、図20に示すように、ロータ加工工程S1と、ブラケット加工工程S2と、縮径加工工程S3と、一体化工程S4とを有している。ロータ加工工程S1は、図16で示す如きステンレス材から成るロータ1(中央孔1aを有する略円環状板材から成り、当該中央孔1aの開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部1bが形成されたロータ)を得るための工程である。具体的には、ロータ加工工程S1において、板状部材を略円環状に抜き加工(トリミング加工)してロータ1を得るとともに、そのトリミング加工によって、突出部1bがテーパ状に形成されるようになっている。
本実施形態に係るブレーキディスクは、図20に示すように、ロータ加工工程S1と、ブラケット加工工程S2と、縮径加工工程S3と、一体化工程S4とを有している。ロータ加工工程S1は、図16で示す如きステンレス材から成るロータ1(中央孔1aを有する略円環状板材から成り、当該中央孔1aの開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部1bが形成されたロータ)を得るための工程である。具体的には、ロータ加工工程S1において、板状部材を略円環状に抜き加工(トリミング加工)してロータ1を得るとともに、そのトリミング加工によって、突出部1bがテーパ状に形成されるようになっている。
ブラケット加工工程S2は、図17、18で示す如きアルミ材から成るブラケット2(筒状部材から成り、突出部1bに対応した開口部2cが形成されたブラケット)を得るための工程であり、第1の実施形態と同様、例えば図10で示す如きプレス加工装置を用いてブラケット2の外観形状を得るものとされる。かかるブラケット加工工程S2で用いられるプレス加工装置は、上型U1と下側D1とを有しており、これら上型U1と下側D1との近接又は衝合によって絞り加工を施し、ブラケット2の外観形状を得るものであり、その後、パンチ等によりブラケット2の所定位置に開口部2cが形成されるようになっている。
縮径加工工程S3は、図10に示すように、ブラケット加工工程S2で得られたブラケット2における少なくとも開口部2cが形成された部位(本実施形態においては、開口部2cを含む所定範囲であってブラケットの開口縁部から延設された部位)を内側に変形(塑性変形)させて縮径部2fを得る工程であり、例えば図21で示す如きプレス加工装置を用いて当該縮径部2fを得るものとされている。かかる縮径加工工程S3で用いられるプレス加工装置は、内側に向かって膨出した部位aを有した上型U3と下側D3とを有しており、これら上型U3と下側D3との近接又は衝合によって、上型U3の部位aがブラケット2を内側に押圧して縮径部2fを形成し得るようになっている。
一体化工程S4は、縮径加工工程S3を経たブラケット2をロータ加工工程S1で得られたロータ1の中央孔1aに挿通させるとともに、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させることで、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させる工程である。特に、本実施形態に係る一体化工程S4は、縮径加工工程S3を経たブラケット2をロータ加工工程S1で得られたロータ1の中央孔1aに挿通させた状態で、当該ブラケット2の縮径部2fを外側に変形させて拡径させ、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させることで、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させる工程とされている。
本実施形態の一体化工程S4においては、例えば図22で示す如きプレス加工装置を用いて一体化させ得るものとされている。かかる一体化工程S4で用いられるプレス加工装置は、パンチ部Pを有した上型U4と下側D4とを有しており、これら上型U4と下側D4との近接又は衝合によって、パンチ部Pが縮径部2fを外側に押圧し、開口部2cに突出部1bを挿入して嵌合させ得るようになっている。すなわち、本実施形態によれば、予め縮径加工工程S3にて縮径部2fが形成されているので、ブラケット2をロータ1の中央孔1aに挿通させる際、突出部1bがブラケット2の側壁2aに干渉してしまうのを回避でき、挿通後、縮径部2fを再び拡径させ、開口部2cに突出部1bを嵌合し得るのである。
ここで、本実施形態に係るロータ1は、その突出部1bがテーパ状に形成されており、一体化工程S4において突出部1bをブラケット2の開口部2cに挿入させると、突出部1bの側面1ba及び側面1bbと開口部2cの内周壁の間に隙間がない状態で嵌合(隙間のない位置で嵌合)されるようになっている。これにより、少なくともロータ1とブラケット2との間の周方向のガタを抑制することができるとともに、突出部1bがテーパ状とされることにより、開口部2cに対して所謂くさび効果によってより強固に嵌合させることができる。
また、突出部1bがテーパ状に形成されることにより、突出部1bが開口部2cに挿入する時、開口部2cに対して突出部1bの挿入位置がずれていても、テーパ状の側面(1ba、1bb)にて突出部1bが案内され、正常に突出部1bを開口部2cに挿入させることができる。なお、本実施形態においては、第1の実施形態と同様、ブラケット2とロータ1とが一体化されると、ロータ1の突出部1bが形成されていない範囲と、ブラケット2の側壁2aとの間に隙間部Hが生じるようになっているが、かかる隙間部Hがなるべく生じないよう設定してもよい。
以上により、ロータ1及びブラケット2が一体化されたブレーキディスクを得ることができる。本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bが嵌合して当該ブラケット2とロータ1とが一体化されてブレーキディスクを得ることができるので、ロータ1及びブラケット2としてそれぞれ最適な材料を選択することができ、かつ、締結手段等を不要とすることができることから、軽量化を図り得るとともに部品点数を削減できる。
特に、本実施形態によれば、縮径加工工程S3を経たブラケット2をロータ加工工程S1で得られたロータ1の中央孔1aに挿通させた状態で、当該ブラケット2の縮径部2fを外側に変形させて拡径させ、ブラケット2の開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させることで、当該ブラケット2とロータ1とを一体化させるので、縮径加工工程S3を経たブラケット2の開口部2cに対して隙間のない状態で突出部1bを嵌合させることができる。したがって、開口部2cとしての孔にロータ1の突出部1bを嵌合させることで、ブラケット2に対するロータ1の抜け止めと、回転方向に対する係止とを併せて図ることができるとともに、ロータ1とブラケット2とをより強固に一体化させることができる。
さらに、本実施形態に係る突出部1bは、テーパ状に形成されて成り、一体化工程において開口部2cに挿通して嵌合されるので、開口部2cに対して突出部を隙間なく嵌合させることができる。さらに、本実施形態に係る突出部1bの側面(1ba、1bb)は、ロータ1の中心に対して略10〜30度の角度を有した勾配面とされたので、開口部2cに対して突出部1bをより隙間なく且つ円滑に挿通させて嵌合させることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、側壁及び底部を有したブラケット2の側壁において、開口縁から切り欠いた切欠きを開口部としたものを用いるようにしてもよい。すなわち、上記実施形態(第1の実施形態及び第2の実施形態)における開口部2cが側壁に形成された孔であるのに対し、当該孔に代えて、側壁において開口縁から切り欠いた切欠きを開口部2cとし、当該開口部2cにロータ1の突出部1bを嵌合させるものとしてもよいのである。
さらに、本実施形態に係る突出部1bは、その側面(1ba、1bb)が突出方向に向かって幅が直線状且つ連続的に狭くなる形状(すなわち、側面1ba及び側面1bbの2面が幅方向に対してテーパ形状を成すもの)とされているが、当該テーパ形状に加え、或いは当該テーパ形状に代え、突出方向に向かって厚さ寸法が直線状且つ連続的に狭くなるテーパ形状(すなわち、側面1ba及び側面1bbのそれぞれが厚み方向にテーパ形状を成すもの)を有した突出部1bとしてもよい。なお、突出部1bのテーパ形状は、上記実施形態の如くロータ1のプレス加工(抜き加工)時に同時に形成するものの他、2回目又は2回目以降のプレス加工時にテーパ形状を形成するようにしてもよい。
また、第1の実施形態に係るロータ加工工程S1、ブラケット加工工程S2、一体化工程S3、拡径加工工程S4、或いは第2の実施形態に係るロータ加工工程S1、ブラケット加工工程S2、縮径加工工程S3、一体化工程S4は、図示した如きプレス加工装置を用いるものに限定されず、任意の加工装置や工具等を用いて行われるものであってもよい。さらに、ロータ1の突出部、及びブラケット2の開口部の寸法は、当該開口部に突出部を嵌合し得るものであれば、任意のものとすることができる。
突出部は、テーパ状に形成されて成り、一体化工程において開口部に挿通して嵌合されるブレーキディスクの製造方法であれば、他の形態のものであってもよい。
1 ロータ
1a 中央孔
1b 突出部
1ba、1bb 側面
2 ブラケット
2a 側壁
2b 底部
2c 開口部
2d 取付孔
2e 貫通孔
2f 縮径部
H 隙間部
1a 中央孔
1b 突出部
1ba、1bb 側面
2 ブラケット
2a 側壁
2b 底部
2c 開口部
2d 取付孔
2e 貫通孔
2f 縮径部
H 隙間部
Claims (4)
- 車両の車軸に取り付けられて当該車両の制動を行うためのブレーキディスクの製造方法において、
中央孔を有する略円環状板材から成り、当該中央孔の開口縁において内側に向かって突出した複数の突出部が形成されたロータを得るためのロータ加工工程と、
筒状部材から成り、前記突出部に対応した開口部が形成されたブラケットを得るためのブラケット加工工程と、
前記ブラケットを前記ロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させるとともに、前記ブラケットの開口部に前記ロータの突出部を挿入して嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させる一体化工程と、
を有するとともに、前記突出部は、テーパ状に形成されて成り、前記一体化工程において前記開口部に挿通して嵌合されることを特徴とするブレーキディスクの製造方法。 - 前記突出部の側面は、前記ロータの中心に対して略10〜30度の角度を有した勾配面とされたことを特徴とする請求項1記載のブレーキディスクの製造方法。
- 前記一体化工程は、前記ブラケット加工工程で得られたブラケットを前記ロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させた状態で、当該ブラケットの側壁における少なくとも前記開口部が形成された部位を外側に変形させて拡径させ、前記ブラケットの開口部に前記ロータの突出部を挿入して嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブレーキディスクの製造方法。
- 前記ブラケット加工工程で得られたブラケットにおける少なくとも前記開口部が形成された部位を内側に変形させて縮径部を得る縮径加工工程を具備するとともに、前記一体化工程は、当該縮径加工工程を経たブラケットを前記ロータ加工工程で得られたロータの中央孔に挿通させた状態で、当該ブラケットの前記縮径部を外側に変形させて拡径させ、前記ブラケットの開口部に前記ロータの突出部を挿通して嵌合させることで、当該ブラケットとロータとを一体化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のブレーキディスクの製造方法。
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2018
- 2018-07-20 JP JP2018136736A patent/JP2019023511A/ja active Pending
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