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JP2019019015A - 無機バインダー及びその製造方法 - Google Patents

無機バインダー及びその製造方法 Download PDF

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Kozo Mizutani
孝三 水谷
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Abstract

【課題】ポルトランド・セメントに代わり得る可能性を秘めた新規な水硬性無機バインダーの提供。【解決手段】膠質炭酸カルシウムと珪酸ソーダを、水溶液を媒体とするスラリー又はペースト中で、常温で反応させる無機バインダーの製造方法及び該製造方法で得られるカルシウム・カーボネート・シリケート系無機材料を主成分とする無機バインダー。大気に曝されていない膠質炭酸カルシウムを有する水媒体のスラリー又はペーストと、珪酸ソーダ水溶液を常温で混練して、膠質炭酸カルシウムと、珪酸ソーダとを反応させる無機バインダーの製造方法。好ましくは、重質炭酸カルシウム粉末と、天然由来又は人工のポゾラン粉末と、重曹粉末と、水酸化カルシウム粉末とを含み、重曹(NaHCO3)粉末と、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)との重量比が、モル比換算値として[NaHCO3/Ca(OH2)]≧1.0である、無機バインダーの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な無機バインダー(inorganic cementitious material)に関し、より具体的には、実質的に無収縮型の水和硬化物を提供することを可能にする水硬性無機バインダーに関する。
水硬性無機バインダー又は水硬性無機セメントとして一般的に知られている材料の代表例としてポルトランド・セメントがあるが、このポルトランド・セメントは1t製造する過程で大気中に約1tの炭酸ガスが放出され、その量は、地球上で排出される全炭酸ガスの約5〜7%にも達することが、近年の炭酸ガスによる地球温暖化の問題がグローバル問題として関心を集める中で、大きな社会問題となっており、従って、ポルトランド・セメントに代わる水硬性無機バインダー又はセメント材料の開発が焦眉の的となっている。
このような背景の下、各国において、ポルトランド・セメント粉末の一部を石灰石粉、カオリン粘土(天然カオリン粘土)、焼成粘土、スラグ、フライアッシュ等々のカーボン負荷の少ない材料粉末で置換する様々な試みがなされているが、そのいずれの場合も、ポルトランド・セメントの一部使用が前提となっており、根本的な解決策には未だ至っていない。 このような背景の中、ポルトランド・セメントを一切使用しない試みの一つとしてジオポリマーがある(特許文献1及び2)(以下、「Davidovitiのジオポリマー」)。また、日本においても、欧州におけるかかるジオポリマーの開発に触発されて研究開発が為されており、その代表例として、非特許文献1及び2がある(以下、「水ガラスによるジオポリマー」)。
米国特許4349386号公報 米国特許4509985号公報 「ジオポリマーバインダーによる鉱物質粉体の常温固化と材料化」資源と素材Vol. 114 p.497-500 (1998) 「ジオポリマーモルタルの耐久性に関する基礎的研究」コンクリート工学年次論文集, Vol.33, No.1, 2011 https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1928/4/12/4_12_609/_pdf https://astamuse.com/ja/keyword/11912785
上述のジオポリマーは将来性が期待されてはいるが以下のように一長一短がある。Davidovitiのジオポリマーは、硬化に伴う収縮が無いと言われているが、常温では硬化することがなく、約80℃にまで加熱する必要があると言われている。一方、日本で研究が進められている水ガラスによるジオポリマーの場合は、常温で硬化させることは可能であるが、硬化に伴う収縮が大きいために現場打設には不適であると言われている(非特許文献2)。また、非特許文献2に紹介されている配合においては、ポルトランド・セメントの使用が前提となっており、それから脱却することができない。
本発明は、かかる背景の下、ポルトランド・セメントを一切使用することなく水と混錬すると自然に発熱した後に凝結し硬化することを特徴とする水硬性無機バインダーであって、かつ、上述の先行文献に紹介されているジオポリマーに使用されている材料とも異なる、全く新規な水硬性無機バインダー及びその製造方法並びにその無機バインダーを使用した人造石及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
ジオポリマーとは異なる反応メカニズムを活用したものが、本発明の発明者と同一の発明者により開発されている(特願2016−121828号)。当該発明は以下の基本的な反応メカニズムを活用している。即ち、一般に、炭酸水素ナトリウム水溶液と水酸化カルシウム水溶液とを混合して撹拌すると炭酸カルシウムの超微細結晶が析出して、
NaHCO3 + Ca(OH)2 → CaCO3 + NaOH + H2O (化1)
この超微粒子結晶の懸濁液が得られるのであるが、この場合の反応溶液中の懸濁物の濃度が小さいときにその懸濁液を自然乾燥しても硬化体は得られない。
ところが、驚くべきことに、出発原料が水溶液ではなく、炭酸水素ナトリウムの粉末と水酸化カルシウムの粉末とを紛体混合した混合紛体に適量の水を加えて混練すると、即座に(混練とほぼ同時に)、特定の炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムの重量比率(あるいはモル比率)によっては凝集によると推測される硬化体が得られ、この硬化体は耐水性を呈することが初めて見出された。特願2016−121828号に係る発明は、この基本的な反応メカニズムに基づく発明であるが、当該発明の権利範囲を不用意に制限することなくその硬化メカニズムを推測すると、最初にアモルファスな炭酸カルシウムの超微粒子(一般に膠質炭酸カルシウムと呼称されるようである)が生成され、これが混練時に結晶化する際に(一般的にカルサイトの結晶であると推察される)、隣り合った結晶同士が連結する結果、耐水性の硬化体が得られるものと推測される。
本発明の実施例のデータを収集する際に見られる現象として、重質炭酸カルシウム粉末(石灰石粉末)で言わば粉体希釈された炭酸水素ナトリウム粉末と水酸化カルシウム粉末との混合粉体を水で混錬する際に、混錬の初期には混錬物が混錬棒の周りに飴玉のように付着する部分と混錬容器の底にパサパサの状態のままで残留する部分とに分かれるものの、暫く(1〜2分ほど)強制的に混錬を継続すると、上記の反応により生成された水が混錬水に加わって、最終的に所望のスラリー状又はペースト状の混錬物が得られることとなる。この混錬物は乾燥させれば、膠質炭酸カルシウム単独の場合と同様に硬化体が得られ、この場合の固着力は工学的な実用性のあるようなレベルではないように思われるが、膠質粘土のような硬化特性を呈すると推測されるので、特殊な用途には適用できる可能性がある。
一方、実用性の観点からすると、所謂ハンドリングタイム(水との混練の開始から凝結あるいは硬化が開始するまでの時間)が十分確保できるものが求められており、この観点からすると、特願2016−121828号に係る発明は、改良の余地があった。
そこで、鋭意研究を重ねた結果、水との混練時に炭酸水素ナトリウム分子と水酸化カルシウム分子との邂逅の頻度を減ずれば、ハンドリングタイムを長くすることができるのではないかとの推測の下で、これらの結晶粒子の集合体である紛体を、紛体希釈すべく、炭酸カルシウム(天然由来の石灰石を粉砕して得られた結晶性(カルサイト)炭酸カルシウム)の紛体で希釈した混合紛体(炭酸カルシウム粉末との混合紛体)を準備し、それに水を加えて混練した。ここで天然由来の石灰石紛体を使用した理由は、一般的に天然由来の石灰石紛体はカルサイト結晶の紛体であるので、混練液から析出する炭酸カルシウムの結晶成長サイトを提供する上で有利であると考えられるからである。
しかしながら、この場合でも、ハンドリングタイムを実用性のあるまで長くすることは不可能であった。このことは、炭酸カルシウムの結晶成長に依拠する硬化メカニズムは、ハンドリングタイムを長くするという観点からすると、余り期待の持てるものではないということを示唆している。
そこで更に鋭意研究を重ねた結果、上記の反応系にケイ酸ナトリウム水溶液が加わると、驚くべきことに、ケイ酸ナトリウム水溶液を即座にゲル化すると言われる水酸化カルシウムや炭酸水素ナトリウムが存在していても、ケイ酸ナトリウム水溶液がゲル化しないことが初めて見出された。しかも、本発明者による推測によれば、このケイ酸ナトリウムの構成成分であるケイ酸(SiO2)が石灰石紛体を構成する個々の粒子の表面に結晶成長した超微細な結晶性炭酸カルシウム(以下、「膠質炭酸カルシウム」)と鉱物的に反応してscawtite (Ca7(Si6O18)(CO3)2H2O)又は/及びspurrite (Ca5(SiO4)2(CO3))が生成されて、これらがバインダーの役割を呈しているものと推測される。
これら化合物が生成する際には、上記の化学式から容易に推測できるとおり、その過程で周囲の水分子が鉱物結晶の中に取り込まれて混練時の水が一部無くなるので、密閉容器中で養生すると、当初見られた表面水が硬化と共に消失するという現象が見られるので、このことから何らかの水和物が生成しているものと推測される。また、この反応系には、Na, SiO2, CaCO3しか存在しないので、混練液中から析出した炭酸カルシウムの結晶が連続することが個々の粒子間の距離の観点から不可能な状態で何らかの硬化体が得られるためには、何らかの新種の鉱物結晶による硬化メカニズム以外には考えられないであろう。
ちなみに、石灰石紛体をケイ酸ナトリウム水溶液で混練しても凝集物は得られるが硬化体は得られないどころか、その凝集物も乾燥によるひび割れが激しく発生する。また、石灰石紛体に水酸化カルシウム紛体を混合した混合紛体にケイ酸ナトリウム水溶液を加えても、瞬時にケイ酸ナトリウムがゲル化して、ボソボソの混合物しか得られない。同様に、石灰石紛体に炭酸水素ナトリウム紛体を混合した混合紛体にケイ酸ナトリウム水溶液を加えても、瞬時にケイ酸ナトリウムがゲル化して、ボソボソの混合物しか得られない。
ところが、驚くべきことに、炭酸カルシウムを析出させるためのほぼ等モル比の炭酸水素ナトリウム紛体と水酸化カルシウム紛体との混合物を石灰石紛体で紛体希釈した混合物に水を加えて得られた混練物(スラリー状又はペースト状の混練物)に、水酸化ナトリウム水溶液を加えても、何らゲル化が生じることなく、サラサラとした流動性の高いスラリー状混練物(当初の混練物よりも流動性が高い)が得られる。これに、更に、石灰石紛体を加えて混練すると、糸を引くような粘性の高い流動体が得られ、これを密閉容器に流し込んで、常温で密閉養生すると、所望の硬化体が得られることが初めて見出され、この発見を基に本発明が為されたのである。
なお、本明細書において「膠質炭酸カルシウム」と言う用語は、インターネット上の下記サイトに公開されている非特許文献3又は4に見られるような膠質の特性を有する炭酸カルシウムを意味するものとして使用されている。
第1の発明は、
膠質炭酸カルシウムとケイ酸ナトリウムを、水溶液を媒体とするスラリー又はペースト中で、常温で反応させることを特徴とする無機バインダーの製造方法に係る発明である。
第2の発明は、
大気に曝されていない膠質炭酸カルシウムを有する水媒体のスラリー又はペーストと、
ケイ酸ナトリウム水溶液を、常温で混錬して、膠質炭酸カルシウムとケイ酸ナトリウムとを反応させることを特徴とする無機バインダーの製造方法に係る発明である。
第3の発明は、
上記第1又は第2の発明において、前記無機バインダーが炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物(Calcium carbonate silicates) を主な構成成分とすることを特徴とする無機バインダーの製造方法に係る発明である。
第4の発明は、
炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物であるカルシウム・カーボネート・シリケート(calcium carbonate silicates)系無機材料を主成分とする無機バインダーに係る発明である。
第5の発明は、
天然由来又は人工の無機粉末がカルシウム・カーボネート・シリケート(calcium carbonate silicates)系無機材料を主成分とする無機バインダーで固められていることを特徴とする人造石に係る発明である。
本発明により新規の無機バインダーが得られ、かかる無機バインダーの原料としてポルトランド・セメントは一切含まれていないので地球温暖化防止の観点からすれば極めて環境に優しい無機バインダーが得られる。また、本発明に係る無機バインダーはポルトランド・セメントと同様に水で混錬し常温で硬化させることが可能であり、硬化の過程で収縮が実質的に無い無収縮型の耐水性硬化体が得られ、また、木材等の異種材料との接着力が期待できる耐水性の無機バインダーとしても機能することが期待できるので、様々な応用が可能となる。
本発明に係る無機バインダーの製造方法の基本的な考え方は、炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムとを水溶液中で反応させて膠質炭酸カルシウムを溶液中で生成させる際に、そこで生成したコロイド状あるいは超微細な炭酸カルシウム粒子同士が邂逅して連結体を形成することで凝結することがないような条件で生成させて得られたスラリー状又はペースト状の混錬流体にケイ酸ナトリウム水溶液を加えて混錬することで、水溶液中で、膠質炭酸カルシウムとケイ酸ナトリウムとを常温で反応させて炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物(カルシウム・カーボネート・シリケート(calcium carbonate silicates)の水和物又は無水物)を生成させ、これを無機バインダーとすることである。
ここで、膠質炭酸カルシウムの粒子同士が凝結することを回避するためには、出発原料となる炭酸水素ナトリウム粉末と水酸化カルシウム粉末との混合粉末に意図的に夾雑物粉末を加えることで粉体希釈することが好適に適用される。この場合に使用する夾雑物粉末としては、結晶性炭酸カルシウム(天然由来の石灰石の粉砕物)が好適に使用されるが、この夾雑物粉末を混合する理由は、水溶液中(スラリー中)で析出した膠質炭酸カルシウムの粒子同士が邂逅する機会を物理的に少なくするためであるので、そのような機能を呈することができる粉末であればどのような粉末でも(無機系でも有機系でも良い)使用可能であり、例えば、セメント化学で言うポゾラン系材料粉末であっても良いことは言うまでもない。この粉体希釈させるための夾雑物粉末の混合比率の下限は、好ましくは、炭酸水素ナトリウム粉末と水酸化カルシウム粉末との混合粉末に対する重量比率として約5%以上であり、上限は、無機バインダーの使用目的にも依るが、好ましくは約200%以下であり、より好ましくは、約10%〜約100%である。この下限値未満の場合は、粉体希釈の効果が余り見られず、前記混合粉体に所定量(例えば、W(混錬水)/S(粉末の全重量)=0.5)の水を加えて混錬すると暫くして混錬棒に粉体がまとわりついて混錬が困難になる傾向がある。また、この上限値を越える場合は、相対的にバインダーの量が不足気味になり、最終的に得られる硬化体の強度が小さくなる傾向がある。
上述の粉体希釈のために重質炭酸カルシウム粉末(天然由来の炭酸カルシウム粉末)を使用するときはできるだけ細かいものが好ましいが、重質炭酸カルシウムの場合にはその製造が粉砕によるものなので、粉砕に要するエネルギー、粉砕時間等々の産業的な観点からすると、余り細かすぎても実用的ではないので、好適に使用される粒径は平均5〜7μmで、水との混練物の粘性、粘着性等の観点からは、粉砕(ボールミル粉砕)により一般的に得られる粒度分布を有する紛体が好適に使用される。硬化体のより一層の緻密化を企図する場合には、公知の方法で粒度分布を調整した炭酸カルシウム粉体が好適に使用できる。
なお、本願発明において、水との混練物の使用目的を、異種材料の表面に塗布するためのペースト状の混練物(コーティングを主眼とした用途を想定)とした場合の重質炭酸カルシウム粉末の平均粒径の上限は好ましくは180μmである。この180μmと言う数値は、砂として分類される紛体の最小サイズである。これ以上平均粒径が大きくなると、ペースト状態の混練物をコーティング材として塗布する際に、塗布膜にひび割れが発生し易くなるので好ましくはないが、かと言って、このサイズ以上のものを排除する訳でもなく、用途に応じて適宜選択可能である。
かかる炭酸カルシウム紛体の原料は、アラゴナイト、石灰石、方解石、大理石、ドロマイト等の炭酸カルシウム含有天然鉱物が好適に使用できる。本願発明に使用する炭酸カルシウムは、これらの天然鉱物を、ボールミル等を含む各種の公知の粉砕方法により粉砕して得られる重質炭酸カルシウムである。水溶液中から沈殿させる軽質炭酸カルシウムも使用可能であるが、水との混錬物の流動特性や硬化収縮の観点からは、重質炭酸カルシウムが好適に使用される。
また、炭酸カルシウムが使用できるということは、その化学構造の観点からして同様な炭酸マグネシウムも使用可能であると推測されるので、ドロマイトの粉砕によるドロマイト粉末も使用可能であると推測される。
一方、上述の粉体希釈のためにセメント化学で言うポゾラン系材料粉末の具体例は、火山灰、火砕流粉末、フライアッシュ、シリカヒューム(silica fume)、天然シラス粉、シラスバルーン、スラグ粉、フルオロシリケート、メタカオリン(焼カオリン)等々がある。また、通常のポルトランド・セメントの使用も硬化メカニズムの阻害要素にはならないので使用可能である。
これらの他にも、珪灰石粉、炭酸マグネシウム、二酸化ケイ素、炭酸カリウム、シリコアルミネート、ゼオライト、酸化チタン粉、砂岩粉砕物、流紋岩粉砕物等々の無機粉末も使用可能である。
本願発明に使用する炭酸水素ナトリウムの配合量は、水との混錬物を塗料として企図するときは、モル換算したときに、配合する水酸化カルシウムのモル換算量よりも多くすることが好ましいが、水との混錬物の使用目的が塗料ではなく粘土細工用の粘土を企図するときは、場合によっては、水酸化カルシウムの含有量が炭酸水素ナトリウムの含有量よりも多い方が好ましいことがある。しかし、炭酸水素ナトリウムに対する水酸化カルシウムのモル比が1を超える場合には、硬化速度が遅くなる傾向があるので、この点は使用目的に応じて留意する必要がある。
本発明における炭酸水素ナトリウム粉末と水酸化カルシウム粉末のそれぞれモル換算したときの配合比率は、好ましくは、約0.5〜2.5程度であり、より好ましくは約1.0〜1.3程度である。炭酸水素ナトリウムの配合量を、モル換算したときに、配合する水酸化カルシウムのモル換算量よりも多くすることが好ましい理由は、上述した反応メカニズムの推測によれば、水酸化カルシウムと炭酸水素ナトリウムが水溶液中あるいは懸濁水中で反応する際に、同じモル換算量であれば、水酸化カルシウムが混練物中に残留することがなくなり、最終的に得られる硬化体の強度発現の観点からも好ましいからである。また、炭酸水素ナトリウムは過剰に存在すると水酸化カルシウムと反応し切れなかった残留分が、系内での反応の結果生じた水酸化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとが下記の反応を生じて炭酸ナトリウムの結晶が生じるために混錬物が急激に凝結してその後の使用に耐えなくなるという現象が生じるので、炭酸水素ナトリウム粉末と水酸化カルシウム粉末のそれぞれモル換算したときの配合比率には上限があるようである。
NaHCO3 + NaOH → NaCO3 + H2O (化2)
ここにおける水酸化カルシウムの役割は、これまでの実施例から演繹して推測すると、水と混練すると最初に炭酸水素ナトリウム(あるいは、セスキ炭酸ナトリウム)と反応して発熱し、この反応により生成される超微細炭酸カルシウム(アモルファスの炭酸カルシウムと推測され、一般に、膠質炭酸カルシウムと言われている(非特許文献3又は4))が、結晶性の重質炭酸カルシウム(あるいはその他の無機鉱物や無機材料)の粒子の表面に析出又は付着して、この重質炭酸カルシウム(多結晶体である)の表面に存在する一部の結晶表面を核として結晶化して結晶成長した後、これと、ケイ酸ナトリウムとが反応して炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物(calcium carbonate silicates) が生成することで強度が発現すると推測される。ただし、このようなメカニズムは、出願人による推測の域を出るものではなく、したがって、かかる説明が本願発明の権利反には何ら影響しないという前提の下での推測であることに留意する必要がある。
1モルの水酸化カルシウムと1モルの炭酸水素ナトリウムとを水溶液中で完全に反応させると1モルの炭酸カルシウムが生成され(1モルの炭酸カルシウムは100g)、この液相由来の炭酸カルシウムが結晶性炭酸カルシウムの粒子同士を結合させると推測すれば、結晶性炭酸カルシウムの粒子同士の間に形成される空隙がこの液相由来の炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物で埋め尽くされたときが硬化体の密度が最高になるものと推測される。
ここで、結晶性炭酸カルシウムの粒子が全て均一の半径を有する球体だと仮定すれば、それにより占められる空間体積は約70%であるので、残りの約30%がこの液相由来の炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物が生成できる空間体積である。炭酸カルシウムの密度は一般的に2.7g/cmであるので、例えば、10mlの空間の約70%がこの炭酸カルシウムの球体で埋め尽くされて残りの3mlの空間体積が液相由来の炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物で密に充填されるような量の炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムの量は、計算によれば、8.1gの液相由来の炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物を生成するために必要なそれぞれの量であるので、この反応生成物がscawtite (Ca7(Si6O18)(CO3)2H2O)であるとすればその約0.01モルとなり、spurrite (Ca5(SiO4)2(CO3))が生成していると仮定すればその約0.02モルとなるので、これらに必要な炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムはそれぞれ、0.01モルあるいは0.02モルの量となる。
炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムの配合比率は、モル当量として、1:1が最も好ましく、炭酸水素ナトリウムの配合比率がこれよりも大きくなると、後述するケイ酸ナトリウム水溶液を加えて二次混錬物を作成する際に、ケイ酸ナトリウムと残留した炭酸水素ナトリウムとが混錬物中で反応してケイ酸ナトリウムがゲル化する程度が大きく成り過ぎてハンドリングが困難になる可能性があり、好ましくはないが、かと言って、完全に排除するものでもない。
本発明における硬化メカニズムの正確なものは未だ不明ではあるが、少なくとも、元々の炭酸カルシウム粒子の表面に析出した膠質炭酸カルシウムの結晶同士が相互に連結することで硬化することは企図されておらず(このことは、一次混錬物はスラリー状のものとして準備することからも容易に理解できる)、本発明の権利範囲を制限することはないとの前提の下で推測すると、元々の炭酸カルシウム粒子(あるいは無機鉱物や無機材料)の表面に析出した膠質炭酸カルシウムと、後述する水溶液中のケイ酸ナトリウムとが反応して(実施例において、二次混錬物を作成している最中に、若干ではあるが(一次混錬時ほどではないが)発熱することからも何らかの反応が関与していることが推認できるので、カルシウム−カーボネート−シリケート(calcium carbonate silicates)(水和物又は/及び無水物)が生成して(水和物であるとの推測は、二次混錬物を密閉容器内で常温養生しても該容器内に打設した混錬物の表面に当初見られた表面水が、その後、硬化と共に、消失することに基づく)このcalcium carbonate silicates(アモルファス又は/及び結晶質)が、元々の炭酸カルシウム粒子同士(あるいは無機鉱物粒子同士又は無機材料粒子同士)を結合しているものと推測される。
上記の配合においてのバインダーの機能は、本発明者の上述の推測によれば、炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムとの反応により生成される膠質炭酸カルシウムとケイ酸ナトリウムとの反応により得られるcalcium carbonate silicates であると推測されるので、粉体希釈としての無機鉱物粉末の配合比率が多くなると、強度発現の観点から、好ましくないが、強度が余り要求されないような用途であれば、何ら問題がない。また、炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムの混合物の配合比率が、紛体の全体重量の5重量%を下回ると、最終的に得られる硬化体の強度発現の観点から、好ましくないと推測される。
混錬物のハンドリングタイム(水を加えて混錬を開始した後、凝結又は硬化が始まる前までの時間、即ち、混錬可能時間)は、炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムの配合比率に左右され、炭酸水素ナトリウムのモル比が、水酸化カルシウムのモル比よりも多い程度に応じて、ハンドリングタイムが短くなると云う特異な現象が見られた。具体的には、以下の実施例2に記載されているように、炭酸水素ナトリウムが0.1molで水酸化カルシウムがその半分の0.05molの混錬物の場合には、水を加えて混錬を開始するとほぼ瞬時(約10秒〜20秒ほど)に凝結が始まり、そのまま硬化プロセスに移行すると云う特異性を示した。
この反対に、水酸化カルシウムのモル比が炭酸水素ナトリウムのモル比よりも多い場合には、このような凝結現象も硬化現象も見られない一方で、混合する水の配合比率を下げると、水との混錬物の粘着性が増大し、ポリエチレン製のコップの壁に付着し易くなる傾向が見られた。
また、炭酸水素ナトリウムが100%のもの(医薬品用であるので100%であると推定される)の代わりに、セスキ炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムとの比率がほぼ1:1のもの)を使用した場合には、炭酸水素ナトリウムが100%のものを使用した場合よりも、そのハンドリングタイムが長くなる。従って、炭酸水素ナトリウムの配合量の一部を、天然ソーダ灰、ナトロン等で置換した人工の炭酸水素ナトリウムと天然の炭酸ナトリウム(不純物を含むもの)との混合物も使用することが可能であることが推定され、その場合には、更に、ハンドリングタイムが延びることが推測される。しかしながら、硬化が始まるまでの時間が長くなる傾向があり、場合によっては、2〜3日経過しないと強度が発現しない傾向があった。
ここで、炭酸カルシウムとしては、天然のアラゴナイト、石灰石、方解石、大理石、ドロマイト等の粉砕物、即ち、重質炭酸カルシウムが好適に使用されるが、合成の軽質炭酸カルシウムも使用できることは論を待たない。使用する炭酸カルシウムの粒度は硬化体の外観に影響し、また、強度にも影響を与えることが推測されるが、適度な粘性のペーストやスラリーを得る上では、平均粒径が余り小さいと、必要な水の量が多くなり、結果的に、硬化体の強度が余り期待できないこととなるので、平均粒径は、好ましくは、5〜7μmである。また、粒度分布的には、必ずしも、単分散に近いものである必要はなく、バイモーダルの粒度分布を呈するものでも使用可能であり、従って、炭酸カルシウムの一部を平均粒径が約0.4mm程度の寒水石粉にしても良い。この場合の寒水石は細骨材としての機能を呈するので、その配合比率は、一般的には、炭酸カルシウム粉:寒水石粉の比率が、体積比率で、1:3程度であり、好ましくは、この比率以下の配合比率である。
本発明の水硬性無機材料を水と混錬して硬化させて得られる硬化体の色は白色であるが、水と混錬する前、又は混錬中に、着色剤又は染料を混入することは当然に可能であるが、着色剤としては、無機系の顔料が好適に使用される。この理由は、混錬物は強アルカリ性を呈するので、有機系の顔料では発色しない場合もあるからである。
本発明の水硬性無機材料には、配合基本材料の他に、最終的に得られる硬化体の強度の向上等、その性質を向上させる効果のある高炉スラグのような潜在水硬性材料を、水と混錬する前又は混錬中に加えることが好適に行われる。
以下の実施例、比較例において使用した材料一覧
1)炭酸カルシウム(CaCO3):エスカロン100M(商品名)
天然の石灰石を粉砕したもの
平均粒径5〜7μm(製造元による説明)
三共精粉株式会社
Figure 2019019015
2)炭酸水素ナトリウム粉末(NaHCO3):医薬品グレード
健栄製薬株式会社
3)水酸化カルシウム粉末(Ca(OH)2):Holbein Artist’s Colors #1000
ホルベイン工業株式会社
4)ケイ酸ソーダ(3号)水溶液:セメント急結剤として市販されているもの
ケイ酸ソーダ3号の水溶液と推定される
RiXE セメント急結剤
株式会社RiXE
14日間の自然乾燥による水分比率:約11/30
比重:約8/6(g/cm3
5)メタカオリン(焼カオリン):陶芸用品グレード
陶芸SHOP.COMから
6)シラスバルーン:商品名(ウィンライトMSB−3011)
平均粒径35μm
シラス夢本舗
株式会社ワンワーズ SB事業部
7)セスキ炭酸ナトリウム:商品名(M’s one)
株式会社ウイング
8)透明コップ:ポリエチレン製コップ
百円均一ショップにて市販されている小型タイプの透明のプラスチック製コップ
9)混錬棒:ポリプロピレン製混錬棒
実施例1〜17を纏めて一覧表にすると以下のとおりとなる。
なお、これら実施例に共通することとして、一次混錬物を水で混錬する際には、必ず、発熱する。混錬は、手に持った透明コップの中で行うので、この発熱により、コップの外側が熱く成り過ぎて、一時的に保持するのが困難な場面がある。一混錬物の混錬時間は約2分〜3分程度で、この混錬の後、約4分〜5分ほど静置する。この静置によりコップ内の混錬物の温度は低下するが、若干、ぬくもりが残っている。次に、ケイ酸ナトリウム水溶液を加えるのであるが、この水溶液によりコップ内の混錬物は一時的に温度が低下することが手の感触で判るが、その後、混錬を続けると、次第に温度が上昇する。但し、緩慢な温度である。この混錬を約2分〜3分ほど継続して得られる混錬物は、シャビシャビの状態のもので懸濁液の状態である。ここに、フィラー(固化対象となる粉末)を所定量加えて混錬し、混錬を約5分〜10分ほど継続すると、混錬物に粘りが次第に生じて、混錬棒から垂れ落ちる流体物が糸を引くような状態になる。この状態に達した時点で、所定の容器に流し込んで、常温で密閉養生する。
Figure 2019019015
Figure 2019019015

〔実施例18〕
以下に続く実施例において使用した炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウムは、上記実施例1〜17において使用したものと同一種類のものである。
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬してもトロトロとしたペースト状になるだけで、何ら凝結も硬化もしなかった。
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬すると発熱しつつパサパサ状の小さな塊(直径約0.5程度)の集合体となるも、ペースト状とかスラリー状にはならなかった。
上記の混錬物Aの配合物を約30秒ほど混錬して混錬物Aを作成して約3分後に上記混錬物Bの配合物を約30秒ほど混錬して混錬物Bを作成し、混錬物Bを作成した後、約10秒ほど経過した後、これらの混錬物Aと混錬物Bを使用して、透明コップの中に作成された混錬物B(パサパサ状の混錬物)を全て、同じく透明コップの中に作成された混錬物A(ペースト状の混錬物)に加えて混錬棒でもって混錬した。この混錬中に更なる発熱があり、混練を約5分ほど継続すると、透明コップの中で急速に凝結が開始して、コップの壁に付着しつつそのまま硬化が始まった。得られた硬化物は、水中に浸漬しても、崩壊しなかった(耐水性があった)。この硬化体の強度については、手元に圧縮試験機がなかったので未測定ではあったが、当該コップの底に生成した硬化体の横脇を、コップの外側から指で押さえても相当な抵抗力が認められた。また、3日後に硬化体をコップから取り出して(コップを半田ごてで分解)得られた硬化体の底部のエッジを厚み5mm程度のガラステーブルに軽く打ちつけたところ、通常の天然の石と同様な音がした。

〔実施例19〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬すると発熱しつつ約15秒ほど後に瞬結してコップの壁に沿って2mmほどの厚さで付着しそのまま硬化した。この硬化体の強度については、手元に圧縮試験機がなかったので未測定ではあったが、当該コップの壁にへばりついた状態で硬化した硬化体の横脇を、コップの外側から指で押さえても相当な抵抗力が認められた。また、3日後に硬化体をコップから取り出して(コップを半田ごてで分解)得られた硬化体の底部のエッジを厚み5mm程度のガラステーブルに軽く打ちつけたところ、通常の天然の石と同様な音がした。

〔実施例20〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬すると発熱しつつ約15秒ほど後に瞬結してコップの壁に沿って3mmほどの厚さで付着しそのまま硬化した。

〔実施例21〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬してもドロっとしたペースト状になるだけで、何ら凝結も硬化もしなかった。
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬すると発熱しつつパサパサ状の小さな塊(直径約0.5程度)の集合体となるも、ペースト状とかスラリー状にはならなかった。
上記の混錬物Aの配合物を約30秒ほど混錬して混錬物Aを作成して約3分後に上記混錬物Bの配合物を約30秒ほど混錬して混錬物Bを作成し、混錬物Bを作成した後、約10秒ほど経過した後、これらの混錬物Aと混錬物Bを使用して、透明コップの中に作成された混錬物B(パサパサ状の混錬物)を全て、同じく透明コップの中に作成された混錬物A(ペースト状の混錬物)に加えて混錬棒でもって混錬した。この混錬中に更なる発熱があり、混練を約5分ほど継続すると、透明コップの中で急速に凝結が開始して、コップの壁に付着しつつそのまま硬化が始まった。得られた硬化物は、水中に浸漬しても、崩壊しなかった(耐水性があった)。この硬化体の強度については、手元に圧縮試験機がなかったので未測定ではあったが、当該コップの底に生成した硬化体の横脇を、コップの外側から指で押さえても相当な抵抗力が認められた。また、3日後に硬化体をコップから取り出して(コップを半田ごてで分解)得られた硬化体の底部のエッジを厚み5mm程度のガラステーブルに軽く打ちつけたところ、通常の天然の石と同様な音がした。

〔実施例22〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって約20分ほど混錬してペースト状の混練物を得た。続いて、このペースト状の混練物を、縦30cm、横22.5cm、厚さ4mmのベニヤ板の表面に、縦約12cm、幅22.5cm、厚さ約1mmで、直接塗布して硬化させた。硬化体は、その後何ら収縮することなく強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。

〔実施例23〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって約20分ほど混錬してペースト状の混練物を得た。続いて、このペースト状の混練物を、縦30cm、横22.5cm、厚さ4mmのベニヤ板の表面に、縦約12cm、幅22.5cm、厚さ約1mmで、直接塗布して硬化させた。硬化体は、2〜3か所で、肉眼でも認識できる微細な収縮ひび割れが見られたが、その後何らひび割れが成長することもなく、強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。

〔実施例24〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって約20分ほど混錬してペースト状の混練物を得た。続いて、このペースト状の混練物を、縦30cm、横22.5cm、厚さ4mmのベニヤ板の表面にケイ酸ソーダ水溶液(乾燥固形分:水が2:1重量比)を塗布して乾燥させたものの全表面に亘って、厚さ約0.11mm程度で塗布して硬化させた。硬化体は、その後何らひび割れが成長することもなく、強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。

〔実施例25〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって約20分ほど混錬してペースト状の混練物を得た。続いて、このペースト状の混練物を、縦30cm、横22.5cm、厚さ4mmのベニヤ板の表面にケイ酸ソーダ水溶液(乾燥固形分:水が2:1重量比)を塗布して乾燥させたものに、縦約12cm、幅22.5cm、厚さ約0.5mmで、直接塗布して硬化させた。硬化体は、2〜3か所で、肉眼でも認識できる微細な収縮ひび割れが見られたが、その後何らひび割れが成長することもなく、強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。

〔実施例26〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって約20分ほど混錬してペースト状の混練物を得た。続いて、このペースト状の混練物を、縦30cm、横22.5cm、厚さ4mmのベニヤ板の表面にケイ酸ソーダ水溶液(乾燥固形分:水が2:1重量比)を塗布して乾燥させたものに、縦約12cm、幅22.5cm、厚さ約0.5mmで、直接塗布して硬化させた。硬化体は、その後何らひび割れが発生することもなく、強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。

〔実施例27〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬すると発熱しつつペースト状の混練物が得られた。
この混練物Aに、ケイ酸ソーダ水溶液を10重量部加えて、さらに混練して、スラリー状の混練物を得て、これを、毛先の幅約2cmの刷毛で、縦30cm、横22.5cm、厚さ4mmのベニヤ板の表面に、縦約12cm、幅22.5cm、厚さ約0.1mm程度で、直接塗布して硬化させた。硬化体は、その後何らひび割れが発生することもなく、強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。

〔実施例28〕
上記で最終的に得られたスラリー状の混練物の残留部に、炭酸カルシウムを2重要部加えて更なるスラリー状の混練物を得て、これを上記と同様にして、ベニヤ板の表面に直接塗布して硬化させた。硬化体は、その後何らひび割れが発生することもなく、強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。

〔実施例29〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬すると発熱しつつ約10分ほど後に瞬結してコップの壁に沿って3mmほどの厚さで付着しそのまま硬化した。この硬化体の強度については、手元に圧縮試験機がなかったので未測定ではあったが、当該コップの壁にへばりついた状態で硬化した硬化体の横脇を、コップの外側から指で押さえても相当な抵抗力が認められた。また、3日後に硬化体をコップから取り出して(コップを半田ごてで分解)得られた硬化体の底部のエッジを厚み5mm程度のガラステーブルに軽く打ちつけたところ、通常の天然の石と同様な音がした。

〔実施例30〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって約20分ほど混錬してペースト状の混練物を得た。続いて、このペースト状の混練物の一部を使用して、縦30cm、横22.5cm、厚さ4mmのベニヤ板の表面にケイ酸ソーダ水溶液(乾燥固形分:水が2:1重量比)を塗布して乾燥させたものに、縦約5cm、幅22.5cm、厚さ約15mmで、刷毛で塗布して硬化させた。また、絵筆を使用して、漢字(造語で人偏に木と土とが書かれた造語)を描いて硬化させた。硬化体は、その後何らひび割れが発生することもなく、強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。

〔実施例31〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えて混錬棒でもって混錬すると発熱しつつ約30秒から1分ほど後に瞬結してコップの壁に沿って3mmほどの厚さで付着しそのまま硬化した。この硬化体の強度については、手元に圧縮試験機がなかったので未測定ではあったが、当該コップの壁にへばりついた状態で硬化した硬化体の横脇を、コップの外側から指で押さえても相当な抵抗力が認められた。また、3日後に硬化体をコップから取り出して(コップを半田ごてで分解)得られた硬化体の底部のエッジを厚み5mm程度のガラステーブルに軽く打ちつけたところ、通常の天然の石と同様な音がした。

〔実施例32〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えてポリプロピレン製混錬棒でもって混錬すると発熱しつつ約20秒ほどで凝固・硬化が始まり、コップの壁に沿って付着しそのまま硬化した。この硬化体の強度については、手元に圧縮試験機がなかったので未測定ではあったが、当該コップの壁にへばりついた状態で硬化した硬化体の横脇を、コップの外側から指で押さえても相当な抵抗力が認められ、また、コップにへばり付いて硬化している硬化体の底の角でガラス板を叩くと、石で叩いたときと同様な独特の音を発したことからも、その強度の程度が推測された。

〔実施例33〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えてポリプロピレン製混錬棒でもって混錬すると発熱しつつ約20秒ほどで凝固・硬化が始まり、コップの壁に沿って付着しそのまま硬化した。この硬化体の強度については、手元に圧縮試験機がなかったので未測定ではあったが、当該コップの壁にへばりついた状態で硬化した硬化体の横脇を、コップの外側から指で押さえても相当な抵抗力が認められ、また、コップにへばり付いて硬化している硬化体の底の角でガラス板を叩くと、石で叩いたときと同様な独特の音を発したことからも、その強度の程度が推測された。

〔実施例34〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えてポリプロピレン製混錬棒でもって混錬すると発熱しつつ約20秒ほどで凝固・硬化が始まり、コップの壁に沿って付着しそのまま硬化した。この硬化体の強度については、手元に圧縮試験機がなかったので未測定ではあったが、当該コップの壁にへばりついた状態で硬化した硬化体の横脇を、コップの外側から指で押さえても相当な抵抗力が認められた。

〔実施例35〕
Figure 2019019015
上記の粉体を透明コップの中で均一な粉体混合物になるように混ぜて、そこに水を加えてポリプロピレン製混錬棒でもって混錬すると発熱はしたがその熱量は、上記の他の例と比較すると小さく、コップの壁に沿って付着はするものの、凝固が開始するまで(コップの壁にへばり付いたものがずり落ちなくなるまで)の時間も約20分ほどと長かった。さらに、一般的に乾燥速度が速くなる混練棒に付着したものであっても凝固が始まってから硬化が始まるまでに数時間必要であった。さらに、混練棒に付着した硬化体には、ところどころ乾燥ひび割れと思われるひび割れが肉眼でも見られた。

〔実施例36〕
上述の実施例に使用した同じ材料でもって、更に、以下の実施を行った。混錬時等の条件については以下のことが実施例に共通する。透明コップの中にそれぞれの所定の量の粉末を入れた後コップを傾けて回転させながらプラスチック製スプーンで適宜かき混ぜながら粉末混合する。その後、所定量の水を加えてポリプロピレン製の混錬棒でもってコップの中で混錬する。この混錬時に粉体が一部混錬棒に纏わり着く現象がみられるがその場合でも強制混錬を継続すると、炭酸水素ナトリウムと水酸化カルシウムとの反応により水が出てくるので、最終的には、問題なくスラリー状又はペースト状の混錬物が得られる。所定の時間混錬した後に、蓋付のポリプロピレン製の容器(底辺側の幅:約5cm;長さ:約9cm;深さ:約4cm)に流し込んで(混錬物の粘性が高いときは適宜振動を加えて)蓋をして常温で密閉養生する。
なお、この養生条件は、上述の実施例1〜17においても共通である。
Figure 2019019015
上記におけるハンドリングタイムは約20〜30分程度であった。凝結時間は約2時間ほどで、1日養生した後に脱型して、その打撃音(一方の角を指でもって垂らしながら他方の下端部近くをテーブルスプーンで軽く叩いたときの音)は天然スレートの打撃音に近い音であった。

〔実施例37〕
Figure 2019019015
上記における凝結時間は約2時間ほどで、1日養生した後に脱型して、その打撃音(一方の角を指でもって垂らしながら他方の下端部近くをテーブルスプーンで軽く叩いたときの音)は天然スレートの打撃音に近い音であった。

〔実施例38〕
Figure 2019019015
1日養生した後に脱型して、その打撃音(一方の角を指でもって垂らしながら他方の下端部近くをテーブルスプーンで軽く叩いたときの音)は天然スレートの打撃音に近い音であった。

〔実施例39〕
Figure 2019019015
1日養生した後に脱型して、その打撃音(一方の角を指でもって垂らしながら他方の下端部近くをテーブルスプーンで軽く叩いたときの音)は天然スレートの打撃音に近い音であった。

〔実施例40〕
Figure 2019019015
1日養生した後に脱型して、その打撃音(一方の角を指でもって垂らしながら他方の下端部近くをテーブルスプーンで軽く叩いたときの音)は鈍い音(強度の弱い多孔質物に特有の鈍い音)であった。
比較例1
Figure 2019019015
比較例2
Figure 2019019015
コーティング材の比較例として、無機塗料として一般に応用されているケイ酸ソーダ水溶液を炭酸カルシウムと混合した混合物を、縦30cm、横22.5cm、厚さ4mmのベニヤ板の表面にケイ酸ソーダ水溶液(乾燥固形分:水が2:1重量比)を塗布して乾燥させたものに、縦約10cm、幅22.5cm、厚さ約0.2mmで、直接塗布して乾燥硬化させた。硬化体は、乾燥収縮によるひび割れを多数発現させ、一部には幅2mm程度の大きなひび割れが発生したが、その後何らひび割れが成長することもなく、強固にベニヤ板に付着した状態を維持した。
本発明に係る無機バインダーは環境に優しい材料であり、ポルトランド・セメントの一部を代替できる可能性があるので、産業上極めて重要な材料となり得る。
以上、本願発明について実施例を参照しつつ詳細に説明したが、当業者は、かかる説明を基にして、特許請求の要旨及び範囲から逸脱せずに、変更及び改良を本発明に加えることができることは論を待たなく、そのような変更及び改良も、本願発明の権利範囲に含まれることは明らかである。

Claims (7)

  1. 膠質炭酸カルシウムとケイ酸ナトリウムを、水溶液を媒体とするスラリー又はペースト中で、常温で反応させることを特徴とする無機バインダーの製造方法。
  2. 大気に曝されていない膠質炭酸カルシウムを有する水媒体のスラリー又はペーストと、
    ケイ酸ナトリウム水溶液を、常温で混錬して、膠質炭酸カルシウムとケイ酸ナトリウムとを反応させることを特徴とする無機バインダーの製造方法。
  3. 前記無機バインダーが炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物(Calcium carbonate silicates) を主な構成成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機バインダーの製造方法。
  4. 炭酸カルシウムとシリカとの反応生成物であるカルシウム・カーボネート・シリケート(calcium carbonate silicates)系無機材料を主成分とする無機バインダー。
  5. 天然由来又は人工の無機粉末とカルシウム・カーボネート・シリケート(calcium carbonate silicates)系無機材料を主成分とする無機バインダーを主な構成成分とする人造石。
  6. 重質炭酸カルシウム粉末と天然由来又は人工のポゾラン粉末と炭酸水素ナトリウム粉末と水酸化カルシウム粉末とを含む無機バインダー用混合粉末。
  7. 前記炭酸水素ナトリウム粉末と水酸化カルシウム粉末との重量比が、モル比換算値として、炭酸水素ナトリウム/水酸化カルシウム≧1.0であることを特徴とする請求項6に記載の無機バインダー用混合粉末。
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