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JP2019002843A - 炎症性疾患の診断方法およびそのためのキット、ならびに炎症疾患の治療のための薬物のスクリーニング方法 - Google Patents

炎症性疾患の診断方法およびそのためのキット、ならびに炎症疾患の治療のための薬物のスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患の診断方法およびそのためのキット、ならびに炎症疾患の治療のための薬物のスクリーニング方法の提供。
【解決手段】非HDL−S1Pレベルを指標とする診断方法およびそのためのキット、ならびにS1PR2もしくはS1PR3の少なくとも一つの阻害活性および/または非HDL−S1Pレベルを指標とする炎症性疾患の治療のための薬剤のスクリーニング方法。
【選択図】図9

Description

本発明は、炎症性疾患の診断方法およびそのためのキットに関する。本発明はさらに、炎症性疾患の治療のための薬物のスクリーニング方法に関する。
炎症および炎症過程は、多くの疾患及び症状の病態生理において主要な役割を果たしている。炎症が関連する疾患の一つとして、動脈硬化症が挙げられる。動脈硬化症は、心疾患や脳血管疾患等の心血管疾患の原因となり得、がんと並んで大きな死亡原因の一つである。したがって、動脈硬化症等の炎症性疾患を適切に診断・治療する方法が強く望まれている。
従来、動脈硬化症の診断においては、まず、動脈硬化の危険因子として知られている脂質異常症の有無を調べ、脂質異常症の危険因子が見出された場合には、脈波測定や頸動脈エコー等の血管機能に関する詳しい検査を行うことが一般的であった。
一般に、脂質異常症は、血液中のリポタンパク質(Very Low-Density Lipoprotein(VLDL)、Low-Density Lipoprotein(LDL)およびHigh-Density Lipoprotein(HDL))に含まれるコレステロールや中性脂肪の量に基づいて判断されている。しかしながら、このようなコレステロールや中性脂肪の量に基づいて判断された脂質異常症の程度が、必ずしも動脈硬化症等の炎症性疾患の病態を反映しないことが明らかになりつつある。
一方、HDLとスフィンゴシン1−リン酸(S1P)とが複合体(HDL−S1P)を形成すること、および、HDL−S1PがS1P受容体の一つであるS1PR1と結合することにより、炎症促進性の接着分子ICAM−1の分泌抑制を介して抗炎症作用を示すことが知られている(非特許文献1)。しかしながら、VLDLやLDLとS1Pとの関連については知られていなかった。
Galvani et al., Science Signaling. 8(389): ra79(2015) "HDL-bound sphingosine 1-phosphate acts as a biased agonist for the endothelial cell receptor S1P1 to limit vascular inflammation." (doi: 10.1126/scisignal.aaa2581.)
このような状況下、本発明者らは、炎症性疾患を診断・治療するためのマーカーの探索に鋭意取り組んだ結果、VLDLやLDLとS1Pとが複合体(以下、「非HDL−S1P」という)を形成すること、および、非HDL−S1Pが、S1P受容体であるS1PR2および/またはS1PR3と結合することにより炎症が惹起されることを見出した。そして、本発明者らは、炎症性疾患の病態と血液中の非HDL−S1Pレベルとの間に高い相関が存在すること、および、非HDL−S1Pレベルが、炎症性疾患の診断・治療のための精度の高いマーカーとして用いられ得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
したがって、本発明は、炎症性疾患の診断方法およびそのためのキット、ならびに炎症性疾患の治療のための薬物のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患の診断のためのデータを収集する方法であって、
被検体から採取された血液中の非HDL−S1Pレベルを測定する工程、および
前記測定工程において得られた測定値を、予め設定した閾値と比較する工程
を含む、方法。
(2)前記非HDL−S1Pレベルが、血液中の非HDL−S1P濃度である、(1)に記載の方法。
(3)前記非HDL−S1Pレベルが、血液中のHDL−S1P濃度に対する非HDL−S1P濃度の比である、(1)に記載の方法。
(4)S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患を治療するための薬物をスクリーニングする方法であって、
S1PR2もしくはS1PR3の少なくとも一つの阻害活性をスクリーニング指標として用いて、前記阻害活性を有する薬物を選定するか、または非HDL−S1Pレベルをスクリーニング指標として用いて、前記レベルを低下させる物質を前記薬物として選定する工程
を含む、方法。
(5)前記スクリーニング指標が前記非HDL−S1Pレベルである場合において、前記非HDL−S1Pレベルが、血液中の非HDL−S1P濃度である、(4)に記載の方法。
(6)前記スクリーニング指標が前記非HDL−S1Pレベルである場合において、前記非HDL−S1Pレベルが、血液中のHDL−S1P濃度に対する非HDL−S1Pの比である、(4)に記載の方法。
(7)非HDL−S1Pと特異的に結合する抗体および非HDL−S1Pを精製するための試薬を含む、S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患の診断用キット。
(8)HDL−S1Pと特異的に結合する抗体およびHDL−S1Pを精製するための試薬をさらに含む、(7)に記載のキット。
本発明によれば、非HDL−S1Pレベルを指標として用いることにより、S1PR2および/またはS1PR3が関与する炎症性疾患の病態の診断や発症予測を、従来の方法より高い精度で、血液検査のような簡便な方法で実施することができる。また、本発明によれば、非HDL−S1Pレベル、S1PR2および/またはS1PR3の阻害活性をスクリーニング指標として用いることにより、S1PR2および/またはS1PR3が関与する炎症性疾患を治療するための薬剤スクリーニングを簡便に実施することができる。
高脂肪食を20週間摂取させた後の各種マウスの腹部第動脈切片のOil red O染色像および染色像に基づく動脈硬化巣面積の定量値を表すグラフである。 高脂肪食を20週間摂取させた後の各種マウスの血漿中のコレステロール濃度を表すグラフ、および中性脂肪濃度を表すグラフである。 H]標識したコレステロールを経腸投与した2時間後の各種マウスの血漿中のリポタンパク質分画中の[H]カウントの測定値を表すチャートである。 H]標識したコレステロールまたは各種スフィンゴ脂質を含む培地で対照細胞(Caco−2細胞)およびNPC1L1高発現細胞を培養した場合の、それぞれの細胞におけるコレステロールまたは各種スフィンゴ脂質の取り込み量([H]カウントに基づく測定値)を表すグラフである。 H]標識したスフィンゴミエリンを経腸投与した2時間後の各種マウスの血漿および肝臓中のスフィンゴミエリンの量、ならびに両者の合算値(いずれも[H]カウントに基づく測定値)を表すグラフである。 A:S1Pおよび各種スフィンゴ脂質の標本を展開した薄層クロマトグラフィーである。B〜E:[H]標識したスフィンゴミエリンを経腸投与した2時間後の各種マウスの消化管腔液(B)、小腸上皮細胞(C)、肝臓(D)および血漿(E)のそれぞれにおける、スフィンゴミエリン、スフィンゴシンおよびS1Pのそれぞれの量(いずれも[H]カウントに基づく測定値)である。 通常食(A)または高脂肪食(B)を20週間摂取させた後の各種マウスの血漿中の各リポタンパク質分画中のS1P濃度の測定値を表すチャートである。 培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に、HDL−S1PまたはVLDL−S1Pを添加し、S1PR1阻害剤(W146)を添加した場合の、培養上清中のsICAM−1の量を表すグラフである。 培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に、VLDL−S1Pを添加し、S1PR2阻害剤(JTE−013)および/またはS1PR3阻害剤(TY−52156)を添加した場合の、培養上清中のsICAM−1の量を表すグラフである。 MTマウスに、S1PR2阻害剤(JTE−013)またはS1PR3阻害剤(TY−52156)を含む高脂肪食を20週間摂取させた後の各マウスの腹部大動脈切片のOil red O染色像および染色像に基づく動脈硬化巣面積の定量値を表すグラフである。 MTマウスに、S1PR2阻害剤(JTE−013)またはS1PR3阻害剤(TY−52156)を含む高脂肪食を20週間摂取させた後の各マウスの血漿中のコレステロール濃度を表すグラフ、および中性脂肪濃度を表すグラフである。
発明の具体的説明
炎症性疾患の診断のためのデータの収集方法
本発明のデータの収集方法は、S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患の診断のためのデータを収集するものである。
本発明の方法は、被検体から予め取得されたもの、例えば血液、尿、細胞および組織等を処理する方法、またはこれらを分析する等して各種データを収集する方法を含む。
本発明の方法におけるS1PR2および/またはS1PR3が関与する炎症性疾患(以下、「S1PR2/3関連炎症性疾患」ともいう)としては、S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患であれば特に限定されないが、例えば、動脈硬化症および動脈硬化関連疾患が挙げられる。動脈硬化関連疾患としては、動脈硬化に起因する疾患であれば特に限定されないが、例えば、大動脈瘤、狭心症および心筋梗塞等の心疾患、ならびに脳梗塞、脳血栓、脳卒中、脳出血およびクモ膜下出血等の脳血管疾患が挙げられる。また、本発明における炎症性疾患の治療には、その疾患の根治のみならず、症状の改善も含まれ、例えば、血流の増加に起因する発赤および腫脹の抑制、マクロファージや白血球により産生される発熱物質に起因する発熱の抑制、および食細胞により産生されるプロスタグランジン等に起因する疼痛の抑制等が挙げられる。
本発明の方法においては、被検体から採取された血液中の非HDL−S1Pレベルの測定を行う。
本発明の方法における「非HDL−S1Pレベル」とは、非HDL−S1Pを構成するS1Pの絶対量、例えば、試料中に含まれる非HDL−S1Pを構成するS1Pの濃度等であってもよく、また、非HDL−S1Pを構成するS1Pの相対量、例えば、試料中に含まれるHDL−S1Pを構成するS1Pの量に対する非HDL−S1Pを構成するS1Pの量(例えば、非HDL−S1Pを構成するS1P濃度/HDL−S1Pを構成するS1P濃度)であってもよい。
本発明の方法において、試料中に含まれる非HDL−S1Pを構成するS1P量およびHDL−S1Pを構成するS1P量の測定は、当業者に公知のクロマトグラフィーおよび/または定量分析を用いて実施することができる。
本発明の方法においては、血液が試料として用いられ、好ましくは血漿が用いられる。なお、本発明の方法の実施を妨げない範囲内において、血液に代えて、血液以外の細胞や組織等を試料として用いることもできる。
血液を試料として用いる場合、まず、遠心分離により、血液から血漿を分離する。次いで、分離した血漿をサイズ排除クロマトグラフィーにかけて、HDL分画、LDL分画およびVLDL分画に分離する。得られたLDL分画およびVLDL分画を併せて非HDL分画とする。また、LDLやVLDLに特異的に含まれるアポタンパク質(アポリポタンパク質B)を特異的に吸着するカラムまたは粒子(デキストラン硫酸など)を用いて、血液中からLDLやVLDLを特異的に分取することにより、血漿をHDL分画および非HDL分画に分離することもできる。
得られた非HDL分画を、クロマトグラフィーおよび/または定量分析にかける。クロマトグラフィーとしては、液体クロマトグラフィー(LC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー等が用いられ、好ましくはHPLCが用いられる。また、定量分析の方法としては、抗体や蛍光物質を用いた定量方法(ELISA法等)および赤外線を用いた定量方法(FT−IR法等)等が用いられる。また、カラムクロマトグラフィーと質量分析装置を用いた定量分析を一体的に行うLC/MSやLC/MS/MSを使用することもできる。
また、HDL−S1Pを構成するS1Pの濃度の測定は、サイズ排除クロマトグラフィーにより得られたHDL分画を、上述したのと同様にクロマトグラフィーおよび/または定量分析にかけることにより行うことができる。
本発明の方法においては、血液中の非HDL−S1Pレベルの測定値と、予め設定した閾値との比較を行う。
本発明において、閾値は、人種、性別、年齢等に応じて設定された、健常時の被検体および/または健常者の集団において測定された非HDL−S1Pレベル(健常非HDL−S1Pレベル)に基づいて予め設定することができる。そして、健常非HDL−S1Pレベルは、上述の手法により健常時の被検体および/または健常者の集団において測定されたS1Pの定量値を参照して、公知の統計的手法を用いて設定することができる。上記健常非HDL−S1Pレベルの具体的な設定方法としては、例えば、(健常非HDL−S1Pレベルの平均値±標準偏差)またはROC(Receiver Operating Characteristic)分析等が挙げられ、好ましくはROC分析である。
炎症性疾患の診断方法
本発明の診断方法は、S1PR2/3関連炎症性疾患を診断するものである。本発明の診断方法では、血液中の非HDL−S1Pレベルを指標として用いる。
本発明の診断方法は、上記炎症性疾患の診断のためのデータの収集方法の手順により収集された診断のためのデータに基づいて行われる。
本発明の診断方法において、例えば、被検体から採取された血液中の非HDL−S1Pレベルが、予め設定した閾値と比較して低い場合には、被検体は炎症性疾患に罹患していないと判断する。一方、被検体から採取された血液中の非HDL−S1Pレベルが、予め設定した閾値と比較して高い場合には、被検体は炎症性疾患に罹患していると判断する。また、ある期間の起点と終点における非HDL−S1Pレベルの比較において、終点における非HDL−S1Pレベルが起点における非HDL−S1Pレベルよりも低い場合には、被検体の炎症性疾患は寛解傾向にあると判断する。一方、終点における非HDL−S1Pレベルが起点における非HDL−S1Pレベルよりも高い場合には、被検体の炎症性疾患は増悪傾向にあると判断する。閾値の設定は、上記炎症性疾患の診断のためのデータの収集方法における設定方法に準じる。
炎症性疾患を治療するための薬物のスクリーニング方法
本発明のスクリーニング方法は、S1PR2/3関連炎症性疾患を治療するための薬物をスクリーニングするものである。本発明のスクリーニング方法では、S1PR2もしくはS1PR3の少なくとも一つの阻害活性(以下、「S1PR2/3阻害活性」ともいう)、または非HDL−S1Pレベルをスクリーニング指標として用いて、前記薬物を選定する。
S1PR2/3阻害活性をスクリーニング指標として用いる場合、S1PR2/3阻害活性を有することが確認された候補物質を、S1PR2/3関連炎症性疾患を治療するための薬物として特定する。候補物質がS1PR2/3阻害活性を有するかどうかの確認は、当業者であれば適切に実施することができる。例えば、S1PR2/3阻害活性をスクリーニング指標として用いた薬物のスクリーニング方法は、例えば、遺伝子導入により、ヒト体内と同じ環境下でS1PR2/3遺伝子が発現するように操作された細胞を用意し、候補物質の存在下または非存在下でS1PR2/3遺伝子の発現試験を行い、S1PR2/3のmRNA量またはタンパク質量を比較することにより、候補物質のS1PR2/3阻害活性を確認することができる。また、同様に、ヒト体内と同じ環境でS1PR2/3が機能するアッセイ系を用意し、候補薬物の存在下または非存在下で試験を行い、S1PR2/3タンパク質の機能(非HDL−S1Pによる炎症惹起作用)を比較することにより、候補物質のS1PR2/3阻害活性を確認することができる。
一方、非HDL−S1Pレベルをスクリーニング指標として用いる場合、非HDL−S1Pレベルを低下させる活性を有することが確認された候補物質を、S1PR2/3関連炎症性疾患を治療するための薬物として特定する。候補物質が非HDL−S1Pレベルを低下させる活性を有するかどうかの確認は、当業者であれば適切に実施することができる。例えば、炎症を惹起したマウス等の血液中の非HDL−S1Pを構成するS1P濃度を測定し、その後、候補物質を投与し、投与後の血液中の非HDL−S1Pを構成するS1P濃度を測定し、候補物質の投与前後における非HDL−S1Pを構成するS1P濃度を比較することにより、候補物質が非HDL−S1Pレベルを低下させる活性を有するかどうかを確認することができる。
本発明のスクリーニング方法では、小分子、低分子物質、高分子物質、核酸分子、タンパク質、ペプチド等、様々なタイプの物質を候補物質とすることができる。
さらに、S1PR2/3阻害活性を有する薬物および/または非HDL−S1Pレベルを低下させる活性を有する薬物(以下、「本発明の薬物」ともいう)を含む、S1PR2/3関連炎症性疾患を治療するための医薬組成物が提供される。また、本発明によれば、治療上有効な量の本発明の薬物を被検体に投与することを含む、S1PR2/3関連炎症性疾患を治療または予防する方法が提供される。さらに、本発明によれば、S1PR2/3関連炎症性疾患を治療するための医薬の製造における、S1PR2/3関連炎症性疾患を治療するための薬物の使用が提供される。本発明の薬物としては、小分子、低分子物質、高分子物質、核酸分子、タンパク質、ペプチド等、様々なタイプの物質を用いることができる。
治療または予防の対象となる被検体は、好ましくは哺乳動物、例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。
炎症性疾患の診断用キット
本発明のキットは、S1PR2/3関連炎症性疾患を診断するためのものである。本発明のキットは、非HDL−S1Pと特異的に結合する抗体および非HDL−S1Pを精製するための試薬を含む。非HDL−S1Pと特異的に結合する抗体は、非HDL−S1Pを検出・定量することができるように、予め標識をされていることが好ましい。一方、キットは、非HDL−S1Pと特異的に結合する抗体に結合する標識された二次抗体をさらに含んでいてもよく、当該標識された二次抗体を用いて非HDL−S1Pを検出・定量することもできる。
実施例1:NPC1L1が動脈硬化症に及ぼす影響を評価するモデルマウスの作製
本実施例では、以下の手順に従って、NPC1L1が動脈硬化症に及ぼす影響を解析するための動脈硬化症モデルマウス(MT/NPC1L1 KO(MT/KO)マウス)を作製した。
まず、NPC1L1の発現が欠損したNPC1L1ノックアウトマウス(NPC1L1 KO)を、NPC1L1遺伝子のエキソンの一部をネオマイシンカセットに置換したターゲティングベクターをC57BL/6Jマウス由来のES細胞に導入し、得られたES細胞を用いて、Science Translational Medicine, 7, 275ra 223 (2015)に記載の方法により作製した。
次いで、市販のLDL(低比重リポタンパク質)レセプター(LDLR)機能欠損マウス(MTマウス)(RBRC−AES2281、理化学研究所バイオリソースセンター製)と、上記のように作製されたNPC1L1とを交配させて、MT×NPC1L1 KO(MT/KO)マウスを作製した。
作製された8〜10週齢のMT/KOマウスを、高脂肪食(ウェスタンダイエット、EPS益新株式会社製、0.21%コレステロール+41%kcal乳脂肪含有)の自由摂取条件下で20週間飼育した(MT/KO Eze(−)マウス)。
また、8〜10週齢のMTマウスを上記と同様の摂取条件下で20週間飼育したマウス(MT Eze(−)マウス)、および8〜10週齢のMTマウスをエゼチミブ(KEMPROTEC社製)20μg/g高脂肪食で混合した高脂肪食の自由摂取条件下で20週間飼育したマウス(MT Eze(−)マウス)を対照群として準備した。
飼育開始20週間後の各マウスの腹部大動脈から切片を採取し、4%パラホルムアルデヒド・リン酸緩衝液に浸けて4℃条件下で一晩インキュベーションした。インキュベーション終了後、以下の手順に従って、動脈硬化巣の形成をOil Red Oにより染色して解析した。まず、動脈切片をPBS中で10分間室温インキュベーションし、60%イソプロパノールに置換して10分間室温でインキュベーションした。次いで、Oil Red O溶液に置換して30分間室温インキュベーションした。最後に、60%イソプロパノール溶液で動脈切片を洗浄し、PBS中で4℃保存した。動脈切片のOil Red O染色像を、一眼レフカメラ(EOS Kiss X4、キヤノン株式会社製)を用いて撮影し、画像編集ソフト(Photoshop Extended CS6、Adobe Systems社製)を用いて動脈切片全面積中の染色面積の割合を算出した。
腹部大動脈切片のOil Red O染色像、および染色像に基づく動脈硬化巣面積の定量結果を表すグラフを図1に示す。
また、飼育開始20週間後に、各マウスから採血し、13,000rpmにて3分間遠心分離して、血漿およびリポタンパク質を分離した。血漿およびリポタンパク質分離後の各フラクション中のコレステロールおよび中性脂肪の濃度測定を、それぞれコレステロールE−テストワコーおよびトリグリセライドE−テストワコー(いずれも、和光純薬工業株式会社製)を用いて測定した。測定結果を表すグラフを図2に示す。
図1の結果から、NPC1L1の機能が欠損していないMTマウス(図1のMT Eze(−))においては、広範囲にわたり動脈硬化巣が形成されていた。一方、エゼチミブによりNPC1L1の機能を阻害したMTマウス(図1のMT Eze(+))、およびNPC1L1の機能を欠損したMT/KOマウス(図1のMT/KO Eze(−))においては、MT Eze(−)と比べて動脈硬化巣の面積割合が有意に低かった。これらの結果から、NPC1L1が、動脈硬化巣の増大、ひいては動脈硬化症の発症および増悪に影響を及ぼし得ることが明らかとなった。
また、図2の結果から、NPC1L1の機能が欠損していないMTマウス(図2のMT Eze(−))においては、血漿中のコレステロール濃度および中性脂肪濃度が高かった。一方、エゼチミブによりNPC1L1の機能を阻害したMTマウス(図2のMT Eze(+))、およびNPC1L1の機能を欠損したMT/KOマウス(図2のMT/KO Eze(−))においては、MT Eze(−)と比べて血漿中のコレステロール濃度および中性脂肪濃度のいずれも有意に低かった。これらの結果から、NPC1L1が、動脈硬化巣の増大、ひいては動脈硬化症の発症および増悪に影響を及ぼし得る、血液中脂質濃度の上昇に関与することが明らかとなった。
したがって、図1および2の結果から、NPC1L1が動脈硬化症に及ぼす影響を解析するための動脈硬化症モデルマウスとして、MT/KOマウスを使用できることが分かった。
実施例2:NPC1L1を介して吸収されたNPC1L1基質の分布の解析
本実施例では、NPC1L1を介して吸収されたNPC1L1基質(コレステロール)の挙動について確認を行った。
実施例1で使用したのと同じMTマウスおよびMT/KOマウスに、マウス血漿ブランクまたは、3mg/mlのエゼチミブ溶液(マウス血漿ブランクにエゼチミブを溶解して作製)を100μl/20g体重にて静脈内投与した。次いで、それぞれのマウスに、[H]で標識したコレステロール([H]コレステロール)を十二指腸カニューレ法により経腸投与した。投与2時間後に、マウスから採血し、13,000rpmにて3分間遠心分離して、血漿を得た。得られた血漿のリポタンパク質を、サイズ排除クロマトグラフィーにより、VLDL分画、LDL分画、HDL分画およびアルブミン分画に分けて分離した。具体的には、得られた血漿300μlをSuperose 6カラム(GE Healthcare社製)にインジェクションし、AKTA Prime(GE Healthcare社製)を用いてPBSを0.2ml/分の流速で送液し、モデル2110フラクションコレクター(Bio-Rad Laboratories社製)を用いてカラム溶出液を500μlずつ採取し、VLDL分画、LDL分画、HDL分画およびアルブミン分画に分けて分離した。
得られた各分画中の[H]コレステロール関連化合物の量を、液体シンチレーションカウンター(Perkin Elmer社製)を使用して、[H]カウントとして測定した。結果を図3に示す。
図3に示されるように、エゼチミブによりNPC1L1の機能を阻害したMTマウス(MT Eze(+))、およびNPC1L1の機能を欠損したマウス(MT/KO Eze(−))においては、NPC1L1の機能が阻害されていないMT Eze(−)と比べて、VLDL分画中の[H]コレステロール関連化合物含有量が低下した。一方、HDL分画中の[H]コレステロール関連化合物含有量は、いずれのマウスにおいても同程度であった。血液中において、VLDL中の中性脂肪がリポプロテインリパーゼによって加水分解されることで、VLDLがLDLに代謝されることを考慮すると、上記の結果から、NPC1L1を介して吸収されたコレステロールが、VLDL/LDL分画に存在するリポタンパク質に分布することが示された。また、NPC1L1以外の経路を介して吸収されたコレステロールは、HDL分画に存在するリポタンパク質に分布することが示された。
実施例3:NPC1L1を介したスフィンゴ脂質の吸収に関するin vitroにおける解析
本実施例では、スフィンゴ脂質がNPC1L1の基質であることを、in vitroで確認した。
エタノールに溶解させたコレステロール溶液(1μM)、メタノールに溶解させたホスファチジルコリン(50μM)、96%エタノールに溶解させたタウロコール酸ナトリウム(2mM)、および各種[H]ラベル体([1,2,6,7−H(N)]コレステロール(0.04μCi/ml)、スフィンゴミエリン(ウシ)[コリンメチル−H](0.04μCi/ml)、またはスフィンゴシンD−エリスロ−[3−H])(0.04μCi/ml)を混合させた溶液を作製し、エゼチミブ添加群(Eze(+))群に関してはメタノールに溶解させたエゼチミブ(40μM)を添加した。そして、Nガスを用いてこれら混合液を乾固させた。ここに、トランスポートバッファー(118mM NaCl、23.8mM NaHCO、4.38mM KCl、0.96mM KHPO、1.2mM MgSO、12.5mM HEPES、5mMグルコース、1.53mM CaCl溶液をpH7.4に調整)を加えた後、10分間の撹拌および3時間の振盪過程を経て、これを各種化合物の細胞内取り込み実験のミセル溶液として用いた。
ヒト結腸癌由来のCaco−2細胞(対照細胞)、およびNPC1L1を高発現させたCaco−2細胞(NPC1L1高発現細胞)のそれぞれを、12ウェルプレート(Falcon社製)に1×10細胞/ウェルの濃度で播種した後、2〜3日おきに培地交換を行い、14日間培養した。次いで、細胞をトランスポートバッファーで2回洗浄した後、トランスポートバッファー下で細胞を30分間インキュベーションした。そして、トランスポートバッファーを各種[H]ラベル体含有ミセルに置換して2時間インキュベートした。インキュベーション後、氷冷したトランスポートバッファーで細胞を2回洗浄し、0.2N水酸化ナトリウム溶液を添加して4℃で一晩インキュベーションして細胞を可溶化した。翌日、1N塩酸を用いて中和した。細胞可溶化液中の[1,2,6,7−H(N)]コレステロール、スフィンゴミエリン(ウシ)[コリンメチル−H]、スフィンゴシンD−エリスロ−[3−H]の放射活性を、液体シンチレーションカウンター(Perkin Elmer社製)を用いて測定した。結果を図4に示す。
図4に示されるように、陽性対照としてのコレステロールと同様に、スフィンゴミエリンおよびスフィンゴシンのいずれも、NPC1L1高発現細胞による取り込み量が有意に上昇し、エゼチミブ添加により取り込み量が有意に低下した。これらの結果から、スフィンゴ脂質がNPC1L1の基質となり得ることが示された。
実施例4:NPC1L1を介したスフィンゴ脂質の吸収に関するin vivoにおける解析
本実施例では、スフィンゴ脂質がNPC1L1の基質であることを、in vivoで確認した。
実施例1で使用したのと同じMTマウスおよびMT/KOマウスに、実施例2と同様の方法でマウス血漿ブランクまたはエゼチミブ溶液を静脈内投与した。次いで、それぞれのマウスに、コリン部のメチル基を[H]で標識したスフィンゴミエリン([H]スフィンゴミエリン)を十二指腸カニューレ法により経腸投与した。次いで、実施例2と同様の方法で血漿を得た。また、静脈内投与2時間後に肝臓を採取し、100mg程度を計量した後、1mlのSolvable(Perkin Elmer社製)を添加し、55℃で肝臓が完全に溶解するまでインキュベーションした。得られた肝臓溶解液に100μlの過酸化水素水を添加して、55℃で約1時間さらにインキュベーションして脱色した。最後に、10mlのHionic Fluor(Perkin Elmer社製)を添加してよく撹拌し、解析に用いる肝臓溶液とした。
血漿および肝臓溶液中の[H]カウントを測定し、投与した[H]スフィンゴミエリンの総[H]カウントに対する割合をそれぞれ算出した。血漿および肝臓溶液についての算出値の合計値を、スフィンゴミエリンの吸収量の指標とした。各マウスにおける血漿および肝臓溶液における算出値、ならびに両者の合計値を図5に示す。
図5A−Cに示されるように、MTマウスと比べて、MT/KOマウスでは、血漿および肝臓溶液、ならびにその合算値のいずれにおいてもスフィンゴミエリン由来化合物量が有意に低下した。また、エゼチミブの投与により、MTマウスではスフィンゴミエリン由来化合物の量が有意に低下したのに対し、MT/KOマウスにおいては有意な変動は認められなかった。これらの結果から、in vivoにおいて、スフィンゴミエリンがNPC1L1の基質となり得ることが示された。
実施例5:NPC1L1基質の代謝の検証
本実施例では、NPC1L1を介して吸収されたスフィンゴ脂質がS1Pの供給源になり得ることを確認した。
スフィンゴミエリンは消化管腔内および体内において代謝されることが知られているため、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いたスフィンゴミエリン代謝物の解析を行った。図6Aに示すように、スフィンゴミエリン、ならびにスフィンゴミエリン代謝物であるスフィンゴシンおよびS1P(以下、スフィンゴミエリン関連化合物ともいう)の標本を用いて、それぞれについてTLCによる分離を確認した。有機層に分布するスフィンゴミエリンおよびスフィンゴシンは、クロロホルム:メタノール=80:20混合溶液を展開溶媒として用いて添加した。また、水層に分布するS1Pは、1−ブタノール:酢酸:水=3:1:1混合溶液を展開溶媒として用いて展開した。
実施例1で使用したのと同じMTマウスおよびMT/KOマウスに、実施例2と同様の方法でマウス血漿ブランクまたはエゼチミブ溶液を静脈内投与した。次いで、それぞれのマウスに、実施例4で使用したものと同じ[H]スフィンゴミエリンを十二指腸カニューレ法により経腸投与した。投与2時間後に、各マウスから消化管腔液、小腸上皮細胞、肝臓および血漿を採取した。小腸上皮細胞および肝臓については、それぞれ100mgを細切した後、200μlのRIPA bufferに懸濁し、超音波破砕を行い、15,000rpmにて遠心後、上清を回収し各ホモジナイズ溶液とした。血漿50μl、小腸上皮ホモジナイズ溶液100μlおよび肝臓ホモジナイズ溶液100μlのそれぞれに対して、20倍量のクロロホルム:メタノール=2:1溶液を添加し、10〜20分室温インキュベート後、2,000rpmで5分間遠心して水層を分取した。次いで、得られた水層に、添加したクロロホルム:メタノール=2:1溶液の0.2倍量の生理食塩水をクロロホルム層に添加して、撹拌後、2,000rpmで5分間遠心して水層を分取した。さらに、得られた水層に、クロロホルム:メタノール=2:1溶液の0.2倍量の7M NHCl溶液をクロロホルム層に添加して、撹拌後、2,000rpmで5分間遠心して水層を分取した。得られた水層画分を、Amicon(登録商標) Ultra(10k)-0.5 Centrifugal Filter Devices(Millipore社製)により濃縮して、解析用の試料とした。クロロホルム層は、乾固させた後、クロロホルム:メタノール=2:1溶液に再溶解させて、解析用の試料とした。
このようにして得られた小腸上皮細胞、肝臓および血漿のそれぞれの有機層試料および水層試料、ならびに消化管腔液について、上記と同様の展開条件でTLC展開を行った。展開後、スフィンゴミエリン、スフィンゴシンおよびS1Pのそれぞれに相当する部分の放射活性([H]カウント)を測定した。消化管腔液については、消化管腔液の放射活性に対する各化合物の放射活性の割合を算出した(図6B)。また、小腸上皮細胞、肝臓および血漿については、投与した[H]標識スフィンゴミエリンの総[H]カウントに対する割合をそれぞれ算出した(図6C−E)。
図6Bに示されるように、消化管腔液中の総[H]カウントに対するスフィンゴミエリン関連化合物のそれぞれについて[H]カウントを解析したところ、いずれのマウスにおいても40〜50%程度がスフィンゴミエリンで構成されていた。また、消化管腔内において、若干のスフィンゴシンの生成が確認された一方、S1Pはほとんど生成していないことが示された。
図6Cに示されるように、小腸上皮細胞へのスフィンゴミエリン関連化合物の移行量を解析したところ、スフィンゴミエリンの移行量はエゼチミブ投与およびNPC1L1のいずれの場合にも減少傾向であった。また、スフィンゴシン移行は、NPC1L1依存的な制御を受けていることが示された。
図6Dに示されるように、肝臓へのスフィンゴミエリン関連化合物の移行量を解析したところ、スフィンゴミエリンはほとんど検出されなかった。一方、スフィンゴシンおよびS1Pの移行は、NPC1L1依存的な制御を受けていることが示された。
図6Eに示されるように、血漿中のスフィンゴミエリン関連化合物を解析したところ、いずれのスフィンゴミエリン関連化合物の移行も、NPC1L1依存的な制御を受けていることが示された。
上記の結果から、NPC1L1を介して吸収されたスフィンゴミエリンおよび/またはスフィンゴシンが、血漿中のS1Pの供給源となり得ることが示された。
実施例6:NPC1L1依存的な非HDL−S1P濃度変化の検証
本実施例では、NPC1L1がスフィンゴシン1−リン酸(S1P)の濃度に及ぼす影響について検討した。
まず、実施例1で使用したのと同じMTマウスを通常食(FR−1、フナバシファーム製)の自由摂取条件下で20週間飼育した(通常食MT Eze(−)マウス)。飼育開始20週間後に、マウスから採血し、13,000rpmにて3分間遠心分離して、血漿を得た。得られた血漿のリポタンパク質を、サイズ排除クロマトグラフィーにより、VLDL分画、LDL分画、HDL分画およびアルブミン分画に分けて分離した。具体的には、得られた血漿300μlをSuperose 6カラム(GE Healthcare社製)にインジェクションし、AKTA Prime(GE Healthcare社製)を用いてPBSを0.2ml/分の流速で送液し、モデル2110フラクションコレクター(Bio-Rad Laboratories社製)を用いてカラム溶出液を500μlずつ採取し、VLDL分画(13〜20番目分画)、LDL分画(21〜31番目分画)、HDL分画(32〜39番目分画)およびアルブミン分画(40番目以降分画)に分けて分離した。
得られた各フラクションに、内部標準物質としてのピオグリタゾンを終濃度100ng/mlとなるように添加して溶液を得た。得られた溶液に、溶液量の4倍量のアセトニトリルを添加して撹拌し、次いで、溶液量の4倍量のメタノールを添加して除タンパク質処理を行った。除蛋白処理後の溶液を乾固し、次いで、メタノールで再溶解して溶液を得た。ACQUITY UPLC(登録商標) sample managerおよびbinary solvent manager(いずれもWaters社製)で構成される液体クロマトグラフィーにより、ACQUITY UPLC BEH C18カラム(1.7μm、2.1mm×100mm)(Waters社製)を用いて、得られた溶液からS1Pおよびピオグリタゾンをそれぞれ分離した。分離されたS1Pおよびピオグリタゾンを、タンデム四重極質量分析計(Xevo(商標) TQ MS)を用いたLC/MS/MSにより、下記表1に示す条件で検出・測定した。測定結果を図7Aに示す。
次に、実施例1で使用したのと同じMT Eze(−)マウス、MT Eze(+)マウスおよびMT/KO Eze(−)マウスを用いて、通常食MT Eze(−)マウスについて行ったのと同様の方法により、それぞれのマウスの血漿中のS1Pを検出・測定した。測定結果を図7Bに示す。
図7Aに示されるように、通常食の自由摂取条件下で20週間飼育したMTマウスにおいては、HDL結合型S1P(HDL−S1P)とアルブミン結合型S1P(アルブミン−S1P)が形成されていた。また、図7Bに示されるように、高脂肪食の自由摂取条件下で20週間飼育したMT/KOマウスにおいても同様にHDL−S1Pとアルブミン−S1Pで構成されていた(MT/KO Eze(−))。一方、MTマウスにおいては、VLDLまたはLDL分画中に高濃度でS1Pが検出された(MT Eze(−))。そして、このVLDL/LDL結合型S1P(VLDL/LDL−S1P)は、エゼチミブ混餌投与によりほぼ消失した(MT Eze(+))。
これらの結果から、VLDL/LDL分画中のS1P濃度は、NPC1L1依存的に変動することが示された。
実施例7:S1PR1阻害剤が非HDL−S1P依存的な炎症に及ぼす影響の検証
本実施例では、S1PR1阻害剤が非HDL−S1P依存的な炎症に及ぼす影響について検討した。
まず、ScienCell Research Laboratoriesより入手したヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を、5%FBS(ScienCell Research Laboratories製)、1% Endothelial Cell Growth Supplement(ScienCell Research Laboratories製)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(ScienCell Research Laboratories製))を添加したEndothelial Cell Medium(ScienCell Research Laboratories製)中で、37℃、5%COの条件下で培養して、本実施例で使用するHUVECを得た。
次に、実施例1で使用したのと同じMTマウスとNPC1L1トランスジェニックマウス(NPC1L1 Tgマウス、Jaxon Laboratory製)を交配させて、MT×NPC1L1 Tgマウスを作製した。作製された8〜12週齢MT×NPC1L1 Tgマウスに高脂肪食(ウェスタンダイエット、EPS益新株式会社製、0.21%コレステロール+41%kcal乳脂肪含有)を6週間以上摂取させた後、採血を行い、13,000rpmで3分間遠心分離して、血漿を得た。得られた血漿のリポタンパク質を、サイズ排除クロマトグラフィーにより、VLDL分画、LDL分画、HDL分画およびアルブミン分画に分けて分離した。具体的には、得られた血漿300μlをSuperose 6カラム(GE Healthcare社製)にインジェクションし、AKTA Prime(GE Healthcare社製)を用いてPBSを0.2ml/分の流速で送液し、モデル2110フラクションコレクター(Bio-Rad Laboratories社製)を用いてカラム溶出液を500μlずつ採取し、VLDL分画、LDL分画、HDL分画およびアルブミン分画に分けて分離した。
得られたVLDL分画およびHLD分画のそれぞれを、Amicon(登録商標) Ultra-15(Millipore社製)を用いて元の血漿と同じ体積まで濃縮して、本実施例で使用するVLDL−S1P溶液およびHDL−S1P溶液を得た。濃縮後のVLDL−S1P濃度は5ng/ml〜15ng/mlの範囲であり、HDL−S1P濃度は30ng/ml〜50ng/mlであった。
上記のようにして得たHUVECを12ウェルプレート(Falcon社製)に1×10細胞/ウェルの濃度で播種し、播種の翌日から、Recombinant human TNF−α(RSD社製)を溶解した200μlのFBS非含有Endotherial Cell Medium(TNF−α濃度:5ng/ml)に200μlのVLDL−S1P溶液またはHDL−S1P溶液を混合した細胞培養培地に代えて培養した。次いで、S1PR1阻害剤(W146、Cayman社製)を、終濃度10μMとなるように添加した。
S1PR1阻害剤添加24時間後に培養上清を採取し、Human sICAM-1/CD54 Quantikine ELISA Kit(RSD社製)を用いて、培養上清中の可溶性ICAM-1(sICAM−1)の量を、VLDL−S1P溶液およびHDL−S1P溶液のいずれも添加せず、TNF−αのみを添加した場合を100%とする相対値として測定した。測定結果を図8に示す。
図8に示されるように、HDL−S1Pを添加することにより、培養上清中のsICAM−1濃度が低下した。一方、HDL−S1Pによる培養上清中の濃度低下は、S1PR1阻害剤(W146)を添加し場合に抑制された。これらの結果から、HDL−S1Pは、S1PR1を介して炎症を抑制し得ることが示された。また、HDL−S1Pによる炎症抑制効果は、S1PR1阻害剤により抑制され得ることが示された。
また、VLDL−S1Pを添加することにより、培養上清中のsICAM−1濃度が上昇した。一方、S1PR1阻害剤(W146)を添加した場合でも、VLDL−S1Pによる培養上清中のsICAM−1濃度上昇は抑制されなかった。これらの結果から、VLDL−S1Pにより惹起される炎症は、S1PR1介して惹起されるものではないことが示された。また、S1PR1阻害剤を使用しても、VLDL−S1Pにより惹起される炎症は抑制されないことが示された。
実施例8:S1PR2阻害剤およびS1PR3阻害剤が非HDL−S1P依存的な炎症に及ぼす影響の検証
本実施例では、S1PR2阻害剤およびS1PR3阻害剤が炎症惹起に及ぼす影響について検討した。
まず、ScienCell Research Laboratoriesより入手したヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を、5%FBS(ScienCell Research Laboratories製)、1% Endothelial Cell Growth Supplement(ScienCell Research Laboratories製)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(ScienCell Research Laboratories製))を添加したEndothelial Cell Medium(ScienCell Research Laboratories製)中で、37℃、5%COの条件下で培養して、本実施例で使用するHUVECを得た。
次に、8〜12週齢のLDLR−MT×NPC1L1 Tgマウスに高脂肪食(ウェスタンダイエット、EPS益新株式会社製、0.21%コレステロール+41%kcal乳脂肪含有)を6週間以上摂取させた後、採血を行い、13,000rpmで3分間遠心分離して、血漿を得た。得られた血漿のリポタンパク質を、サイズ排除クロマトグラフィーにより、VLDL分画、LDL分画、HDL分画およびアルブミン分画に分けて分離した。具体的には、得られた血漿300μlをSuperose 6カラム(GE Healthcare社製)にインジェクションし、AKTA Prime(GE Healthcare社製)を用いてPBSを0.2ml/分の流速で送液し、モデル2110フラクションコレクター(Bio-Rad Laboratories社製)を用いてカラム溶出液を500μlずつ採取し、VLDL分画、LDL分画、HDL分画およびアルブミン分画に分けて分離した。
得られたVLDL分画を、Amicon(登録商標) Ultra-15(Millipore社製)を用いて元の血漿と同じ体積まで濃縮して、本実施例で使用するVLDL−S1P溶液を得た。濃縮後のVLDL−S1P濃度は5ng/ml〜15ng/mlの範囲であった。
上記のようにして得たHUVECを12ウェルプレート(Falcon社製)に1×10細胞/ウェルの濃度で播種し、播種の翌日から、Recombinant human TNF−α(RSD社製)を溶解した200μlのFBS非含有Endotherial Cell Medium(TNF−α濃度:5ng/ml)に200μlのVLDL−S1P溶液を混合した細胞培養培地に変えて培養した。次いで、S1PR2阻害剤(JTE−013、Cayman社製)またはS1PR3阻害剤(TY−52156、RSD社製)を、終濃度50μMとなるように添加した。
S1PR2阻害剤またはS1PR3阻害剤添加24時間後に培養上清を採取し、Human sICAM-1/CD54 Quantikine ELISA Kit(RSD社製)を用いて、培養上清中の可溶性ICAM-1(sICAM−1)の量を、VLDL−S1P溶液を添加せず、TNF−αのみを添加した場合を100%とする相対値として測定した。測定結果を図9に示す。
図9に示されるように、VLDL−S1Pを添加することにより、培養上清中のsICAM−1濃度が上昇した。一方、S1PR2阻害剤(JTE−013)およびS1PR3阻害剤(TY−52156)のいずれを添加した場合にも、VLDL−S1Pによる培養上清中のsICAM−1濃度上昇は有意に抑制された。さらに、S1PR2阻害剤およびS1PR3阻害剤を併用した場合には、sICAM−1濃度上昇がほぼ完全に抑制された。これらの結果から、VLDL−S1Pは、S1PR2およびS1PR3のそれぞれを介して炎症を惹起し得ることが示された。また、S1PR2阻害剤およびS1PR3阻害剤を単独使用または併用することにより、VLDL−S1Pにより惹起される炎症が抑制され得ることが示された。
実施例9:S1PR2阻害剤およびS1PR3阻害剤が動脈硬化症に及ぼす影響の検証
本実施例では、S1PR2阻害剤およびS1PR3阻害剤が動脈硬化症の発症・増悪に及ぼす影響について検討した。
まず、実施例1で使用したものと同じMTマウス(8〜10週齢)を3群に分け、それぞれ、高脂肪食(ウェスタンダイエット、EPS益新株式会社製、0.21%コレステロール+41%kcal乳脂肪含有)(対照群)、S1PR2阻害剤(JTE−013)を20μg/g高脂肪食で混合した高脂肪食(JTE−013混餌群)、およびS1PR3阻害剤(TY−52156)を20μg/g高脂肪食で混合した高脂肪食(TY−52156混餌群)の自由摂取条件下で20週間飼育した。
飼育開始20週間後の各群のマウス腹部大動脈から切片を採取し、4%パラホルムアルデヒド・リン酸緩衝液に浸けて4℃条件下で一晩インキュベーションした。インキュベーション終了後、以下の手順に従って、動脈硬化巣の形成をOil Red Oにより染色して解析した。まず、動脈切片をPBS中で10分間室温インキュベーションし、60%イソプロパノールに置換して10分間室温でインキュベーションした。次いで、Oil Red O溶液に置換して30分間室温インキュベーションした。最後に、60%イソプロパノール溶液で動脈切片を洗浄し、PBS中で4℃保存した。動脈切片のOil Red O染色像を、一眼レフカメラ(EOS Kiss X4、キヤノン株式会社製)を用いて撮影し、画像編集ソフト(Photoshop Extended CS6、Adobe Systems社製)を用いて動脈切片全面積中の染色面積の割合を算出した。
腹部大動脈切片のOil Red O染色像、および染色像に基づく動脈硬化巣面積の定量結果を表すグラフを図10に示す。
また、飼育開始20週間後に、各マウスから採血し、13,000rpmにて3分間遠心分離して、血漿およびリポタンパク質を分離した。血漿およびリポタンパク質分離後の各フラクション中のコレステロールおよび中性脂肪の濃度測定を、それぞれコレステロールE−テストワコーおよびトリグリセライドE−テストワコー(いずれも、和光純薬工業株式会社製)を用いて測定した。測定結果を表すグラフを図11に示す。
図10に示されるように、JTE−013混餌群およびTY−52156混餌群のいずれにおいても、動脈硬化巣面積が有意に低下した。一方、図11に示されるように、JTE−013混餌群およびTY−52156混餌群のいずれにおいても、血漿中のコレステロール濃度および中性脂肪濃度が上昇傾向を示した。これらの結果から、S1PR2阻害剤およびS1PR3阻害剤は、血漿中のコレステロール濃度および中性脂肪濃度を低下させることなく、動脈硬化症の進行を抑制し得ることが示された。

Claims (8)

  1. S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患の診断のためのデータを収集する方法であって、
    被検体から採取された血液中の非HDL−S1Pレベルを測定する工程、および
    前記測定工程において得られた測定値を、予め設定した閾値と比較する工程
    を含む、方法。
  2. 前記非HDL−S1Pレベルが、血液中の非HDL−S1P濃度である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記非HDL−S1Pレベルが、血液中のHDL−S1P濃度に対する非HDL−S1P濃度の比である、請求項1に記載の方法。
  4. S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患を治療するための薬物をスクリーニングする方法であって、
    S1PR2もしくはS1PR3の少なくとも一つの阻害活性をスクリーニング指標として用いて、前記阻害活性を有する薬物を選定するか、または非HDL−S1Pレベルをスクリーニング指標として用いて、前記レベルを低下させる物質を前記薬物として選定する工程
    を含む、方法。
  5. 前記スクリーニング指標が前記非HDL−S1Pレベルである場合において、前記非HDL−S1Pレベルが、血液中の非HDL−S1P濃度である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記スクリーニング指標が前記非HDL−S1Pレベルである場合において、前記非HDL−S1Pレベルが、血液中のHDL−S1P濃度に対する非HDL−S1Pの比である、請求項4に記載の方法。
  7. 非HDL−S1Pと特異的に結合する抗体および非HDL−S1Pを精製するための試薬を含む、S1PR2およびS1PR3の少なくとも一つが関与する炎症性疾患の診断用キット。
  8. HDL−S1Pと特異的に結合する抗体およびHDL−S1Pを精製するための試薬をさらに含む、請求項7に記載のキット。
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