以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
実施の形態1.
<昇降装置の構成>
図1および図2は、本実施の形態に係る落下防止装置1Aが適用される昇降装置の一例を示す図である。図1および図2に示されるように、昇降装置100は、落下防止装置1Aと、ベルト2と、複数のシリンダと、複数のローラと、複数の駆動部とを備える。落下防止装置1Aの詳細は後述する。図1および図2に示される例では、複数のシリンダの昇降方向は鉛直方向に沿っている。また、説明の便宜上、水平方向において複数のシリンダの中央側を内側とよぶ。
複数のシリンダは、例えば、上方から第1シリンダ20、第2シリンダ21、第3シリンダ22、第4シリンダ23を含む。第1シリンダ〜第4シリンダが昇降部材の一例である。第1シリンダ〜第4シリンダは、中空部を有しており、互いに入れ子状に配置されている。第1昇降部材としての第1シリンダ20は第2シリンダ21内に配置され、第2シリンダ21は第3シリンダ22内に配置され、第3シリンダ22は第4シリンダ23内に配置され、第4シリンダ23は昇降されないベースシリンダ24内に配置されている。第1シリンダ20は、第1シリンダ〜第4シリンダのうち、最も内側に配置され、かつ最も上方(先端)に配置される。第1シリンダ20の内部に落下防止装置1Aが固定されている。なお、昇降装置100は、少なくとも1つの昇降部材を備えていればよい。
複数のシリンダの各頂部および各底部には、複数のローラが固定されている。第1シリンダ20の頂部には、後述する落下防止装置1Aを構成するローラ8,9が水平方向に間隔を隔てて固定されている。第1シリンダ20の底部には、2つのローラ30が、水平方向に互いに向かい合うように固定されている。2つのローラ30は、後述するローラ8,9よりも下方に配置されている。2つのローラ30は、例えば後述するローラ8,9よりも外側に配置されている。ローラ8,9は、第1シリンダ20の内部においてベルト2を折り返すためのものである。各ローラ30は、第1シリンダ20の内側と、第1シリンダ20の外側であって第2シリンダ21の内側との間にベルト2を渡すためのものである。
図3に示されるように、第1シリンダ20は、落下防止装置1Aを保持するための保持部25をその頂部に有している。保持部25には、落下防止装置1Aを出し入れするための開口部26が配置されている。開口部26は、第1シリンダ20内部の中空部と通じている。
第2シリンダ21の頂部には、2つのローラ31が水平方向に互いに間隔を隔てて固定されている。第2シリンダ21の底部には、2つのローラ32が水平方向に互いに間隔を隔てて固定されている。各ローラ31は、第2シリンダ21の内部においてベルト2を折り返すためのものである。各ローラ32は、第2シリンダ21の内側と、第2シリンダ21の外側であって第3シリンダ22の内側との間にベルト2を渡すためのものである。
第3シリンダ22の頂部には2つのローラ33が水平方向に互いに間隔を隔てて固定されている。第3シリンダ22の底部には2つのローラ34が水平方向に互いに間隔を隔てて固定されている。各ローラ33は、第3シリンダ22の内部においてベルト2を折り返すためのものである。各ローラ34は、第3シリンダ22の内側と、第3シリンダ22の外側であって第4シリンダ23の内側との間にベルト2を渡すためのものである。
第4シリンダ23の頂部には2つのローラ35が水平方向に互いに間隔を隔てて固定されている。第4シリンダ23の底部には2つのローラ36が水平方向に互いに間隔を隔てて固定されている。各ローラ35は、第4シリンダ23の内部においてベルト2を折り返すためのものである。各ローラ36は、第4シリンダ23の内側と、第4シリンダ23の外側であってベースシリンダ24の内側との間にベルト2を渡すためのものである。
同様に、ベースシリンダ24の頂部には、2つのローラ37が水平方向に互いに間隔を隔てて固定されている。各ローラ37は、ベースシリンダ24の内部においてベルト2を折り返すためのものである。
さらに、第1シリンダ20の底部には、2つのローラ30よりも上方に2つのローラ38が固定されている。各ローラ38は、各ローラ38は、第1シリンダ20に対するベルト2の位置を調整するためのものである。
さらに、第2シリンダ21の頂部には、2つのローラ31よりも下方に2つのローラ39が固定されている。第2シリンダ21の底部には、2つのローラ32よりも上方に2つのローラ40が固定されている。ローラ39およびローラ40は、第2シリンダ21に対するベルト2の位置を調整するためのものである。
さらに、第3シリンダ22の頂部には、2つのローラ33よりも下方に2つのローラ41が固定されている。第3シリンダ22の底部には、2つのローラ34よりも上方に2つのローラ42が固定されている。ローラ41およびローラ42は、第3シリンダ22に対するベルト2の位置を調整するためのものである。
さらに、第4シリンダ23の頂部には、2つのローラ35よりも下方に2つのローラ43が固定されている。第4シリンダ23の底部には、2つのローラ36よりも上方に2つのローラ44が固定されている。ローラ43およびローラ44は、第4シリンダ23に対するベルト2の位置を調整するためのものである。さらに、ベースシリンダ24の頂部には、2つのローラ37よりも下方に2つのローラ45が固定されている。
ベルト2は、各ローラに渡されている。ベルト2は、第1シリンダ20の内部に固定されている落下防止装置1のローラ8,9により折り返されている。ベルト2においてローラ8に渡されている部分よりも第1駆動部50側に位置する部分が、一方のローラ30〜45に渡されている。ベルト2においてローラ9に渡されている部分よりも第2駆動部51側に位置する部分が、他方のローラ30〜45に渡されている。以下において、ベルト2において折り返し部材のローラ8に渡されている部分よりも第1ストッパのローラ5側に渡されている部分をベルト2の一端側とよび、ベルト2においてローラ9に渡されている部分よりもローラ7側に渡されている部分をベルト2の他端側とよぶ。
複数の駆動部は、第1駆動部50と第2駆動部51とを含む。第1駆動部50は、ベルト2の上記一端側を巻取りまたは送り出す。第2駆動部51は、ベルト2の上記他端側を巻取りまたは送り出す。第1駆動部50および第2駆動部51は、第1駆動部50によるベルト2の一端側の巻取り量または送り出し量が、第2駆動部51によるベルト2の他端側の巻取り量または送り出し量と等しくなるように、制御される。これにより、第1シリンダ20内に配置されているベルト2は、第1シリンダ20に対する相対的な位置関係が保持されている。第1駆動部50および第2駆動部51は、例えば複数のシリンダの外部に配置されている。
<落下防止装置の構成>
図3および図4に示されるように、落下防止装置1Aは、第1構造体3、第2構造体4、第1ストッパ、第2ストッパ、折り返し部材、および台座10を備える。
第1ストッパは、ローラ5とブロック6とを含む。第2ストッパは、ローラ7とブロック6とを含む。折り返し部材は、ローラ8およびローラ9を含む。ローラ5、ブロック6、ローラ7、ローラ8およびローラ9は、台座10に固定されている。第1ストッパおよび第2ストッパは、鉛直方向に延びる第1シリンダ20の中心線に対し、線対称に配置されている。第1ストッパは、第2ストッパと水平方向に間隔を隔てて配置されている。
ローラ5は、ローラ8の下方にローラ8と間隔を隔てて配置されている。ローラ7は、ローラ9の下方にローラ9と間隔を隔てて配置されている。ローラ5は水平方向においてローラ7と間隔を隔てて配置されている。ローラ8は、水平方向にローラ9と間隔を隔てて配置されている。ローラ5、ローラ7、ローラ8およびローラ9は、例えばローラ30よりも内側に配置されている。ローラ5は、例えばローラ7と同等の構成を有している。ローラ8は、ローラ9と同等の構成を有している。
ローラ5およびローラ7は、ブロック6を挟んで対向するように配置されている。ローラ5は、水平方向にブロック6と間隔を隔てて配置されている。ローラ7は、水平方向にブロック6と間隔を隔てて配置されている。ローラ5とブロック6との間の隙間は、水平方向におけるローラ8の最外周面よりも内側に配置されている。ローラ7とブロック6との間の隙間は、水平方向におけるローラ9の最外周面よりも内側に配置されている。
第1シリンダ20内において、ベルト2は、ローラ30の他に、落下防止装置1Aのローラ5,7〜9に渡されている。図2に示される2つのローラ30間に渡されたベルト2は、ローラ8およびローラ9により折り返されている。ローラ8と1つのローラ30との間に渡されたベルト2は、ローラ5とブロック6との間に通されている。ローラ8と他のローラ30との間に渡されたベルト2は、ローラ7とブロック6との間に通されている。
第1シリンダ20内において2つのローラ30間に渡されているベルト2は、ローラ8およびローラ9により鋭角を成すように屈曲されている。さらに、ローラ8とローラ30との間に渡されているベルト2は、ローラ5により鈍角を成すように屈曲されている。ローラ9とローラ30との間に渡されているベルト2は、ローラ7により鈍角を成すように屈曲されている。
以下において、ベルト2においてローラ5とローラ8との間に渡されている部分を第1部分とよび、該第1部分の延在する方向を第1方向とよぶ。ベルト2においてローラ7とローラ9との間に渡されている部分を第2部分とよび、該第2部分の延在する方向を第2方向とよぶ。第1方向は第2方向と交差している。第1方向および第2方向は、水平方向と交差する。水平方向において第1方向および第2方向に直交する方向を第3方向とする。ローラ5,7,8,9の回転軸は、第3方向に沿って延びている。ベルト2の延在方向に垂直な断面の長手は、第3方向に沿って延びている。
第1構造体3および第2構造体4は、ベルト2に固定されている。第1構造体3は、ローラ5およびブロック6とローラ8との間に渡されたベルト2の第1部分に固定されている。第1構造体3は、例えば当該第1部分の中央部に固定されている。第2構造体4は、ローラ7およびブロック6とローラ9との間に渡されたベルト2の第2部分に固定されている。第2構造体4は、例えば当該第2部分の中央部に固定されている。好ましくは、第1構造体3は、例えば上記第1部分においてローラ8とローラ5の中間に固定されている。好ましくは、第2構造体4は、例えば上記第2部分においてローラ9とローラ7の中間に近い部分に固定されている。好ましくは、第1方向における第1構造体3とローラ5との間隔は、第2方向における第2構造体4とローラ9との間隔と同等である。好ましくは、第2方向における第2構造体4とローラ7との間隔は、第1方向における第1構造体3とローラ8との間隔と同等である。ベルト2の延在方向に垂直な断面の短手方向における第1構造体3および第2構造体4の幅は、ベルト2の当該短手の長さ(厚み)超えである。なお、上記第3方向における第1構造体3および第2構造体4の幅は、ベルト2の上記長手の長さ(幅)以下であってもよいし、以上であってもよい。
言い換えると、第1構造体3は、第2構造体4よりも、第1駆動部50側に位置するベルト2に固定されており、第2構造体4は、第1構造体3よりも、第2駆動部51側に位置するベルト2に固定されている。第1構造体3および第2構造体4は、接着および緊締を含む任意の方法により固定されていてもよいが、好ましくはネジ固定されている。
第1方向と交差する方向において、ローラ5とブロック6との間隔はベルト2の幅以上第1構造体3の幅未満である。第2方向と交差する方向において、ローラ7とブロック6との間隔はベルト2の幅以上第2構造体4の幅未満である。
第1構造体3は、第1構造体3と第2駆動部51との間に位置するベルト2の一部が破断したときに、第1シリンダ20〜第4シリンダ23の合計重量を支持し得る張力が第1構造体3と第1駆動部50との間に位置するベルト2に印加された状態(第1状態)を保持し得るように、ベルト2に固定されている。第2構造体4は、第2構造体4と第1駆動部50との間に位置するベルト2の一部が破断したときに、第1シリンダ20〜第4シリンダ23の合計重量を支持し得る張力が第2構造体4と第2駆動部51との間に位置するベルト2に印加された状態(第2状態)を保持し得るように、ベルト2に固定されている。
落下防止装置1Aは、上記第1状態において、第1構造体3がローラ5およびブロック6と接触している状態が維持されるように、設けられている。同様に、落下防止装置1Aは、上記第2状態において、第2構造体4がローラ7およびブロック6と接触している状態が維持されるように、設けられている。
落下防止装置1Aは、第1シリンダ20に対して着脱可能に設けられている。落下防止装置1Aの水平方向の最大幅は、上記保持部25の開口部26の内径よりも小さい。落下防止装置1Aの台座10は、上記保持部25により保持された状態と、保持部25から取り外された状態とを切り替え可能に設けられている。台座10は、例えば保持部25に対してネジ固定されている。保持部25の開口部26は、蓋部27により塞がれている。蓋部27は、保持部25に対して着脱可能に設けられている。蓋部27は、例えば保持部25にネジ固定されている。
落下防止装置1Aは、第1構造体3および第2構造体4が固定されているベルト2と同時に、昇降装置100に対して着脱され得る。言い換えると、落下防止装置1Aと第1構造体3および第2構造体4が固定されているベルト2とを備える落下防止ユニット101(図4参照)は、昇降装置100に取り付けられた状態と、昇降装置100から取り外された状態とを切替可能である。
<昇降装置の動作>
図5は、第1シリンダ20が第2シリンダ21に対して昇降される際の昇降動作を説明するための図である。図5において、ローラ31は、自身が移動し得る範囲内において最も下方に位置するか、あるいは下方への移動が制限された状態にある。図5に示されるように、第1シリンダ20の内部で折り返されているベルト2の一端側が第1駆動部50によって図5中の矢印Aの方向に巻き取られ、かつベルト2の他端側が第2駆動部51によって図5中の矢印Bの方向に巻き取られることにより、第1シリンダ20はローラ30とローラ31との間隔を狭めるように上昇する。このとき、第1駆動部50によるベルト2の巻取り量が、第2駆動部51によるベルト2の巻取り量と等しされることにより、2つのローラ30間に渡されたベルト2は第1シリンダ20に対して停止している。
さらに、第1シリンダ20の内部で折り返されているベルト2の一端側が第1駆動部50によって送り出されて、かつベルト2の他端側が第2駆動部51によって送り出されることにより、第1シリンダ20はローラ30とローラ31との間隔を広げるように下降する。このとき、第1駆動部50によるベルト2の送り出し量が、第2駆動部51によるベルト2の送り出し量と等しされることにより、2つのローラ30間に渡されたベルト2は第1シリンダ20に対して停止している。つまり、第1駆動部50による巻取り量および送り出し量が第2駆動部51による巻取り量および送り出し量と等しく制御されることにより、昇降装置100の昇降動作中、第1構造体3および第2構造体4がローラ5、ブロック6、およびローラ7〜9に対して停止している。
図6は、第1シリンダ20に加え第2シリンダ21を含めた昇降動作を説明するための図である。図6に示される昇降動作は、基本的に図5に示される昇降動作と同様に行われ得る。すなわち、図6に示される昇降動作においても、第1駆動部50による巻取り量および送り出し量が第2駆動部51による巻取り量および送り出し量と等しく制御されることにより、第1構造体3および第2構造体4がローラ5、ブロック6、およびローラ7〜9に対して停止している。
なお、さらに第3シリンダ22を考慮した場合の昇降動作も、図5および図6に示される昇降動作と同様に行われ得る。
また、図1〜図5に示される昇降装置100では、第1シリンダ〜第4シリンダは、同時に昇降される。例えば、第1駆動部50および第2駆動部51によりベルト2が巻き取られると、ローラ30とローラ31との間の間隔、ローラ32とローラ33との間の間隔、およびローラ34とローラ35との間の間隔がそれぞれ狭められることにより、第1シリンダ20が第2シリンダ21に対して、第2シリンダ21が第3シリンダ22に対して、第3シリンダ22が第4シリンダ23に対して、第4シリンダ23がベースシリンダ24に対して、それぞれ上昇する。
<落下防止装置の動作>
図7は、ベルト2が破断していない正常状態の落下防止装置1Aを示す図である。上述のように、昇降装置100の昇降動作において、落下防止装置1Aのローラ8,9により折り返されたベルト2の一端側および他端側の巻取り量および送り出し量を等しくすることにより、ローラ5、ブロック6、およびローラ7〜9に対する第1構造体3および第2構造体4の相対的な位置関係は保持されている。
図8は、第1構造体3と第2駆動部51との間に渡されたベルト2が破断した状態の落下防止装置1Aを示す図である。図8に示されるように、例えば少なくとも第1シリンダ20がその最下点より上昇している状態において第1構造体3と第2駆動部51との間に渡されたベルト2が破断すると、当該破断箇所を起点に第1駆動部50と第2駆動部51との間に渡されたベルト2間に印加されていた張力が開放される。これにより、ベルト2において破断箇所よりも第1駆動部50側に位置する部分は、破断箇所から離れるように動き、第1構造体3が第1ストッパとしてのローラ5およびブロック6と接触する。これにより、第1構造体3と第1駆動部50との間に渡されたベルト2には、張力が印加される。
上述のように、第1構造体3は、第1シリンダ20〜第4シリンダ23の合計重量を支持し得る張力が第1構造体3と第1駆動部50との間に位置するベルト2に印加された上記第1状態を保持し得るように、ベルト2に固定されている。そのため、第1構造体3と第2駆動部51との間に渡されたベルト2が破断すると、第1構造体3はローラ5およびブロック6と接触しながらもベルト2に固定された状態が維持される。このとき、第1構造体3と第1駆動部50との間に渡されたベルト2に、第1シリンダ〜第4シリンダのうち上記破断時に各最下点よりも上昇していたものの合計重量を支持し得る張力が印加される。その結果、落下防止装置1Aにより、第1シリンダ〜第4シリンダのうち上記破断時に各最下点よりも上昇していたものの落下が停止する。
同様に、落下防止装置1Aは、第2構造体4と第1駆動部50との間に渡されたベルト2が破断したときにも、第1シリンダ〜第4シリンダのうち上記破断時に各最下点よりも上昇していたものの落下を停止することができる。具体的には、少なくとも第1シリンダ20がその最下点より上昇している状態において第2構造体4と第1駆動部50との間に渡されたベルト2が破断すると、当該破断箇所を起点に第1駆動部50と第2駆動部51との間に渡されたベルト2間に印加されていた張力が開放される。これにより、ベルト2において破断箇所よりも第2駆動部51側に位置する部分は、破断箇所から離れるように動き、第2構造体4が第2ストッパとしてのローラ7およびブロック6と接触する。これにより、第2構造体4と第2駆動部51との間に渡されたベルト2には、張力が印加される。
上述のように、第2構造体4は、第1シリンダ20〜第4シリンダ23の合計重量を支持し得る張力が第2構造体4と第2駆動部51との間に位置するベルト2に印加された上記第2状態を保持し得るように、ベルト2に固定されている。そのため、第2構造体4と第1駆動部50との間に渡されたベルト2が破断すると、第2構造体4はローラ7およびブロック6と接触しながらもベルト2に固定された状態が維持される。このとき、第2構造体4と第2駆動部51との間に渡されたベルト2に、第1シリンダ〜第4シリンダのうち上記破断時に各最下点よりも上昇していたものの合計重量を支持し得る張力が印加される。その結果、落下防止装置1Aにより、第1シリンダ〜第4シリンダのうち上記破断時に各最下点よりも上昇していたものの落下が停止する。
<作用効果>
以上のように、実施の形態1に係る落下防止装置1Aは、ベルト2に固定される第1構造体3および第2構造体4と、第1構造体3に対してベルト2の延在方向の一方側に配置され、第1構造体3の一方側への移動を止め得る第1ストッパとしてのローラ5およびブロック6と、第2構造体4に対してベルト2の延在方向の他方側に配置され、第2構造体4の他方側への移動を止め得る第2ストッパとしてのローラ7およびブロック6とを備える。
このような落下防止装置1Aは、上述のように、第1構造体3と第2駆動部51との間に渡されたベルト2が破断したときに、第1構造体3およびこれに固定されたベルト2の上記一方側への移動を止め得ることができる。落下防止装置1Aにより、第1シリンダ〜第4シリンダのうち上記破断時に各最下点よりも上昇していたものの落下が停止する。さらに、上記落下防止装置1Aは、上述のように、第2構造体4と第1駆動部50との間に渡されたベルト2が破断したときに、第2構造体4およびこれに固定されたベルト2の上記他方側への移動を止め得ることができる。そのため、落下防止装置1Aによれば、ベルト2における破断箇所によらず、第1シリンダ〜第4シリンダのうち上記破断時に各最下点よりも上昇していたものの落下を停止することができる。
このような落下防止装置1Aの当該落下防止作用は、昇降装置100の昇降動作を実現するベルト2に固定された第1構造体3および第2構造体4と、第1ストッパおよび第2ストッパとにより実現される。そのため、落下防止装置1Aでは従来の落下防止装置において必須であった補助ベルトは不要であり、落下防止装置1Aは従来の落下防止装置と比べて小型化、軽量化、および低コスト化の少なくともいずれかを実現し得る。
上記昇降装置100では、ベルト2の一部が第1シリンダ〜第4シリンダの内部に渡されている。昇降装置100において、第1構造体3および第2構造体4は当該ベルト2の一部に固定されている。つまり、落下防止装置1Aは第1シリンダ20の内部に固定されている。このような昇降装置100は、ベルト2が第1シリンダ〜第4シリンダの外部に渡されている場合と比べて、ベルト2の破断リスクが低減されている。さらに、上記落下防止装置1Aによれば、昇降装置100におけるベルト2の配設箇所を変更することなく、昇降装置100に取り付けられ得る。
上記落下防止装置1Aにおいて、第1構造体3および第2構造体4は、第1ストッパまたは第2ストッパと接触したときにも、ベルト2に固定された状態が維持されるように、設けられている。
そのため、落下防止装置1Aは、第1構造体3と第2駆動部51との間に渡されたベルト2が破断したときに、第1構造体3およびこれに固定されたベルト2の上記一方側への移動を止め得ることができる。さらに、落下防止装置1Aは、第2構造体4と第1駆動部50との間に渡されたベルト2が破断したときには、第2構造体4およびこれに固定されたベルト2の上記他方側への移動を止め得ることができる。
上記落下防止装置1Aにおいて、第1構造体3および第2構造体4は、ベルト2にネジ固定されている。このようにすれば、第1構造体3および第2構造体4は、第1ストッパまたは第2ストッパと接触したときにも、ベルト2に固定された状態が維持される。
上記落下防止装置1Aは、ベルト2を折り返して、ベルト2の延在方向を第1方向および第2方向とする折り返し部材としてのローラ8およびローラ9をさらに備える。ローラ5およびブロック6は、ローラ8と第1方向において間隔を隔てて配置されている。ローラ7およびブロック6は、ローラ9と第2方向において間隔を隔てて配置されている。第1構造体3は、ローラ8とローラ5との間に渡されているベルト2に固定されている。第2構造体4は、ローラ9とローラ7との間に渡されているベルト2に固定されている。
このようにすれば、第1駆動部50の巻取り量および送り出し量が第2駆動部51の巻取り量および送り出し量と等しく制御されることにより、ベルト2が破断していない正常状態において、ローラ5、ブロック6、およびローラ7〜9に対する第1構造体3および第2構造体4の相対的な位置関係は保持されている。
仮に、正常状態において落下防止装置1Aにおける第1構造体3および第2構造体4の相対的な位置関係が変更される構成では、昇降動作を妨げないために、第1構造体3と第1ストッパとの間隔、および第2構造体4と第2ストッパとの間隔は、上記相対的な位置関係の変更量よりも長く設定される必要がある。これに対し、上記落下防止装置1Aは、正常状態における第1構造体3と第1ストッパとの間隔、および第2構造体4と第2ストッパとの間隔が十分に短くされても、昇降装置100の昇降動作を妨げない。さらに、正常状態における第1構造体3と第1ストッパとの間隔、および第2構造体4と第2ストッパとの間隔が十分に短くされていれば、ベルト2の破断時に落下防止装置1Aが作用するまでの第1シリンダ〜第4シリンダの落下量を短くすることができる。
また、折り返し部材がローラ8,9により構成されているため、ベルト2の上記一端側に印加される張力は、上記他端側に印加される張力と等しくされ得る。
上記落下防止装置1Aにおいて、第1ストッパは、第1部材としてのローラ5と、第1方向と交差する方向においてローラ5と間隔を隔てて配置されているブロック6とを含む。第1方向と交差する方向において、ローラ5とブロック6との間隔はベルト2の幅以上第1構造体3の幅未満である。第2ストッパは、第3部材としてのローラ7と、第2方向と交差する方向においてローラ7と間隔を隔てて配置されている第4部材としてのブロック6を含む。つまり、上記落下防止装置1Aでは、第2部材と第4部材とは一体として設けられている。第2方向と交差する方向において、ローラ7とブロック6との間隔はベルト2の幅以上第2構造体の幅未満である。
このようにすれば、ベルト2は、上記正常状態において、第1シリンダ20に対し第1構造体3が第1ストッパにまたは第2構造体4が第2ストッパに接触しない限りにおいて移動が許容されている。そのため、上記落下防止装置1Aを備える昇降装置100では、上記正常状態においてベルト2の移動が許容されない構成と比べて、第1駆動部50および第2駆動部51の巻き戻し量または送り出し量を高精度に制御する必要がない。
上記落下防止装置1Aにおいて、第1構造体3および第1ストッパは、第1構造体3と第2駆動部51との間に渡されたベルト2が破断したときに、互いに点接触可能に設けられているのが好ましい。第2構造体4および第2ストッパは、第2構造体4と第1駆動部50との間に渡されたベルト2が破断したときに、互いに点接触可能に設けられているのが好ましい。例えば、第1構造体3は、ローラ5およびブロック6の各々と点接触可能に設けられている曲面を有している。第2構造体4は、ローラ7およびブロック6の各々と点接触可能に設けられている曲面を有している。
このようにすれば、第1構造体3と第1ストッパとの接触面積および第2構造体4と第2ストッパとの接触面積が抑えられているため、昇降装置100において破断したベルト2のみを交換して復旧を図る場合に、ベルト2の交換が容易となる。
好ましくは、第1方向における第1構造体3とローラ5との間隔は、第2方向における第2構造体4とローラ9との間隔と同等である。好ましくは、第2方向における第2構造体4とローラ7との間隔は、第1方向における第1構造体3とローラ8との間隔と同等である。
昇降装置100が昇降動作を行う際に、ベルト2に不均一な張力が印可されると、ベルト2は第1シリンダ20に対して動いて張力のバランスを調整する。そのため、第1方向における第1構造体3とローラ5との間隔および第1構造体3とローラ8との間隔は、上記バランス調整時に互いが接触しないように、それぞれ決められた最小間隔より長く設計されている必要が有る。第2方向における第2構造体4とローラ7との間隔および第2構造体4とローラ9との間隔についても、同様の理由により、それぞれ決められた最小間隔より長く設計されている必要が有る。さらに、第1方向における第1構造体3とローラ5との間隔と、第2方向における第2構造体4とローラ9との間隔、及び、第2方向における第2構造体4とローラ7との間隔と、第1方向における第1構造体3とローラ8との間隔の各々が上記バランス調整時に適切な距離に調整されることで、各部材が破断時に受ける衝撃を緩和することができる。その結果、例えばベルト2のみの交換で落下防止装置1Aの台座10を繰り返し使用することも可能となる。
実施の形態2.
<落下防止装置の構成>
図9は、実施の形態2に係る落下防止装置の一例を示す図である。図9に示されるように、実施の形態2に係る落下防止装置1Bは、基本的には実施の形態1に係る落下防止装置1Aと同様の構成を備えるが、第1ストッパの一部が第1シリンダ20により構成されている点で異なる。
第1ストッパは、第1シリンダ20の上記中空部の内周面28と、上記第1方向と交差する水平方向において当該内周面28と間隔を隔てて配置されている第5部材としてのローラ5とを含む。水平方向において、第1シリンダ20の内周面28とローラ5との間隔は、ベルト2の幅(厚み)以上第1構造体3の幅未満である。
第2ストッパは、第1シリンダ20の上記中空部の内周面28と、上記第2方向と交差する水平方向において当該内周面28と間隔を隔てて配置されている第6部材としてのローラ7とを含む。水平方向において、第1シリンダ20の内周面28とローラ7との間隔は、ベルト2の幅(厚み)以上第2構造体4の幅未満である。
このような落下防止装置1Bは、実施の形態1に係る落下防止装置1Aと基本的に同様の構成を備えているため、落下防止装置1Aと同様の効果を奏することができる。さらに、上記落下防止装置1Bでは、落下防止装置1Aのブロック6が不要である。そのため、落下防止装置1Bは、落下防止装置1Aと比べて簡易な構造とされており、低コストである。なお、図10に示されるローラ5およびローラ7は、一体として設けられていてもよい。
実施の形態3.
<落下防止装置の構成>
図10は、実施の形態3に係る落下防止装置の一例を示す図である。図10に示されるように、実施の形態3に係る落下防止装置1Cは、基本的には実施の形態1に係る落下防止装置1Aと同様の構成を備えるが、第1ストッパが第2ストッパと第1方向において間隔を隔てて配置されている点で異なる。言い換えると、第1ストッパおよび第2ストッパは、鉛直方向に延びる第1シリンダ20の中心線に対し、線対称に配置されていない。
第1ストッパは、落下防止装置1Aの第1ストッパと同様の構成を有しており、例えばローラ5とブロック6とを含む。
第2ストッパは、例えばベルト2を折り返して、ベルト2の延在方向を第1方向および第2方向とするローラ8と、水平方向においてローラ8と間隔を隔てて配置されている第7部材としてのブロック11とを含む。水平方向において、ローラ8とブロック11との間隔はベルト2の幅(厚み)以上第1構造体3の幅未満である。
実施の形態3に係る落下防止装置1Cは、実施の形態1に係る落下防止装置1Aと基本的に同様の構成を備えているため、落下防止装置1Aと同様の効果を奏することができる。
さらに、落下防止装置1Cは、第1ストッパと第2ストッパとの間に渡されて、第1方向に延在するベルト2に固定されている第1構造体3のみを備えていればよい。落下防止装置1Cでは、落下防止装置1Aにおいて第2方向に延在するベルト2に固定されている第2構造体4が不要となる。そのため、落下防止装置1Cは、落下防止装置1Aと比べて簡易な構造とされており、低コストである。
<変形例>
実施の形態1〜3に係る落下防止装置は、以下のように構成されていてもよい。
落下防止装置1A〜1Cは、第1ストッパおよび第2ストッパの位置を変更可能に設けられていてもよい。具体的には、台座10には、ローラ5、ブロック6およびローラ7を固定可能な領域が複数設けられていてもよい。図11に示される落下防止装置1Aの変形例では、ローラ5、ブロック6およびローラ7が、図2〜図7に示される落下防止装置1Aと比べてローラ8およびローラ9により近い位置に配置されていてもよい。
このようにすれば、上記正常状態における第1構造体3とローラ5およびブロック6との間隔および第2構造体4とローラ7およびブロック6との間隔は、図2〜図7に示される構成での当該間隔と比べて、短くされ得る。その結果、ベルト2の破断時に落下防止装置1Aが作用するまでの第1シリンダ〜第4シリンダの落下量は、図2〜図7に示される構成での当該落下量と比べて、短くされ得る。
落下防止装置1Aおよび落下防止装置1Bは、折り返し部材として1つのローラ8のみを備えていてもよい。この場合、図12に示されるように、ローラ8は水平方向において2つのローラ30間の中央に配置されているのが好ましい。
また、落下防止装置1A〜1Cにおいて、第1ストッパまたは第2ストッパを構成する第1部材、第3部材、第5部材、および第6部材の各々は、ローラとして構成されているがこれに限られるものではない。第1部材、第3部材、第5部材、および第6部材は、例えばブロックとして構成されていてもよい。
また、落下防止装置1A,1Cにおいて、第1ストッパまたは第2ストッパを構成する第2部材、第4部材および第7部材の各々は、ブロックとして構成されているがこれに限られるものではない。第2部材、第4部材および第7部材は、例えばローラとして構成さされていてもよい。
落下防止装置1A,1Cにおいて、第1ストッパおよび第2ストッパの少なくともいずれかは、1つの部材により構成されていてもよい。図13に示されるように、第1ストッパは第8部材12のみにより構成されていてもよい。第1方向および第2方向に垂直な水平方向(以下、第3方向という)から視たときに、第8部材12は、例えば第1方向に延在するベルト2を挟んで配置された2点で第1構造体3と接触可能に設けられている。同様に、第2ストッパは第9部材13のみにより構成されていてもよい。第3方向から視たときに、第9部材13は、例えば第2方向に延在するベルト2を挟んで配置された2点で第2構造体4と接触可能に設けられている。第8部材12および第9部材13は、上記第3方向においてベルト2と間隔を隔てて配置されており、ベルト2と干渉しない。
落下防止装置1A,1Cにおいて、第1ストッパおよび第2ストッパの少なくともいずれかは、上記第3方向においてベルト2を挟んで間隔を隔てて配置された複数のストッパ部材により構成されていてもよい。上記第3方向において、当該複数のストッパ部材間の間隔は、ベルト2の幅以上第1構造体3または第2構造体4の幅未満であればよい。
図14に示されるように、落下防止装置1Bにおいて、第1ストッパは、第2ストッパと第1方向において間隔を隔てて配置されていてもよい。この場合、落下防止装置1Bは、構造体として、第1ストッパと第2ストッパとの間に渡されるベルト2に固定されている第1構造体3のみを備えていればよい。図14に示される落下防止装置1Bにおいて、第2ストッパは、第1シリンダ20の上記中空部の内周面28と、上記第1方向と交差する水平方向において当該内周面28と間隔を隔てて配置されている第6部材としてのローラ8とを含む。水平方向において、第1シリンダ20の内周面28とローラ8との間隔は、ベルト2の幅(厚み)以上第1構造体3の幅未満である。このようにしても、ベルト2が破断したときに、第1ストッパまたは第2ストッパが第1構造体3およびこれに固定されたベルト2の上記一方または他方への移動を止めることができる。さらに、当該落下防止装置1Bでは、第2構造体4が不要となる。そのため、図14に示される落下防止装置1Bは、図9に示された落下防止装置1Bと比べて、簡易な構造とされており、低コストである。
図15に示されるように、落下防止装置1Cは、上記第1方向と交差する方向においてブロック6と間隔を隔てて配置されている部分14aと、ローラ8と間隔を隔てて配置されている部分14bと、部分14aと部分14bとの間を接続している部分14cとを含むブロック14を備えていてもよい。異なる観点から言えば、ブロック14の上記部分14aは、第1部材としてのブロック6と間隔を隔てて配置されており、第2部材として構成されている。ブロック14の上記部分14bは、第3部材としてのローラ8と間隔を隔てて配置されており、第4部材として構成されている。部分14aと部分14bとは部分14cにより接続されていることにより、一体として構成されている。部分14cは、例えば第1構造体3と接触しないように設けられている。上記第3方向から視たブロック14の平面形状は、例えばC字状である。このようにしても、ベルト2が破断したときに、ブロック6および部分14aを含む第1ストッパ、またはローラ8および部分14bを含む第2ストッパが第1構造体3およびこれに固定されたベルト2の上記一方または他方への移動を止めることができる。さらに、図15に示される落下防止装置1Cは、図10に示された落下防止装置1Cと比べて、簡易な構造とされており、低コストである。
また、落下防止装置1A〜1Cのいずれかを備える昇降装置100は、複数のシリンダ間にロック機構を備えていてもよい。このような昇降装置100は、例えば第1シリンダ20、第2シリンダ21、第3シリンダ22を順に昇降させることができる。
また、落下防止装置1A〜1Cのいずれかを備える落下防止ユニットおよび昇降装置100は、線状体としてベルト2に代えてワイヤを備えていてもよい。この場合、落下防止装置1A〜1Cは、ワイヤに固定された少なくとも1つの構造体を備えていればよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。