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JP2019099130A - サーモサイフォン式暖房装置 - Google Patents

サーモサイフォン式暖房装置 Download PDF

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JP2019099130A JP2018122682A JP2018122682A JP2019099130A JP 2019099130 A JP2019099130 A JP 2019099130A JP 2018122682 A JP2018122682 A JP 2018122682A JP 2018122682 A JP2018122682 A JP 2018122682A JP 2019099130 A JP2019099130 A JP 2019099130A
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Abstract

【課題】複数の熱源を利用するサーモサイフォン式暖房装置において、一方の熱源を利用して他方の熱源を暖機することを、簡素な構成で実現する。【解決手段】蒸発器14と、気相配管16と、凝縮器と、液相配管17と、蒸発器14に熱伝導可能に接触配置され、作動流体に熱を供給する第1熱供給部18および第2熱供給部19と、第1熱供給部18から作動流体に供給される熱量を制御する制御部とを備え、第1熱供給部18の温度が作動流体の沸点よりも高く且つ第2熱供給部19の温度が作動流体の沸点よりも低い場合、蒸発器14において、第1熱供給部18から供給される熱によって沸騰した作動流体が第2熱供給部19に放熱して凝縮するように蒸発器14、第1熱供給部18および第2熱供給部19が構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、空気を加熱するサーモサイフォン式暖房装置に関する。
従来、特許文献1には、ループ型ヒートパイプによる輸送熱を暖房に利用する車両用暖房装置において、複数の熱源を利用する技術が記載されている。
この従来技術では、ループ型ヒートパイプは、蒸発部、凝縮部、蒸気管および液還流管を環状に接続してなる密閉容器を有し、その内部に作動流体が封入されている。蒸発部では、作動流体の液が加熱されて蒸発して蒸気となる。蒸発部で蒸発した蒸気は、蒸気管内に形成された蒸気流路を通じて凝縮部に異動する。凝縮部では、蒸気が冷却されて凝縮して液となる。凝縮部で凝縮した液は、液還流管内に形成された液還流路を通じて蒸発部に還流する。
ループ型ヒートパイプは、サーモサイフォン式になっている。すなわち、凝縮部で凝縮した液は重力により蒸発部に還流する。
この従来技術では、ループ型ヒートパイプの蒸発部において、作動流体の液が複数の熱源で加熱されるように構成されている。複数の熱源として、車両に搭載されたエンジンの排熱、および電気が用いられるようになっている。
より具体的には、蒸発部は、排熱回収熱交換器と電気ヒータとを有している。排熱回収熱交換器は、エンジンの排気ガスと作動流体の液とを熱交換する。電気ヒータは、排熱回収熱交換器内の液を加熱する。
そして、暖房に必要な熱量やエンジンの排気の熱量に応じて、エンジンおよび電気ヒータが熱源として選択使用されるようになっている。
特開2012−183978号公報
上記従来技術では、エンジンが低温の時はエンジンを暖機する必要がある。エンジンの温度が低いと燃焼が不安定になって不完全燃焼ガスが発生しやすくなるからである。
上記従来技術において、電気ヒータが発生する熱を利用してエンジンを暖機すれば、エンジンを速やかに暖機できるが、電気ヒータの熱をエンジンに伝える構成が複雑になるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、複数の熱源を利用するサーモサイフォン式暖房装置において、一方の熱源を利用して他方の熱源を暖機することを、簡素な構成で実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のサーモサイフォン式暖房装置では、
液相の作動流体が吸熱して蒸発する蒸発器(14)と、
蒸発器(14)で蒸発した気相の作動流体が上昇する気相配管(16)と、
気相配管(16)を通過した作動流体が空気に放熱して凝縮する凝縮器(15)と、
凝縮器(15)で凝縮した作動流体が流下して蒸発器(14)に至る液相配管(17)と、
蒸発器(14)に熱伝導可能に接触配置され、作動流体に熱を供給する第1熱供給部(18、54)および第2熱供給部(19、62)と、
第1熱供給部(18、54)から作動流体に供給される熱量を制御する制御部(30、53)とを備え、
第1熱供給部(18、54)の温度が作動流体の沸点よりも高く且つ第2熱供給部(19、62)の温度が作動流体の沸点よりも低い場合、蒸発器(14)において、第1熱供給部(18、54)から供給される熱によって沸騰した作動流体が第2熱供給部(19、62)に放熱して凝縮するように蒸発器(14)、第1熱供給部(18、54)および第2熱供給部(19、62)が構成されている。
これによると、第1熱供給部(18、54)の熱を蒸発器(14)を介して第2熱供給部(19、62)に伝えることができる。したがって、第1熱供給部(18、54)の熱源を利用して第2熱供給部(19、62)の熱源を暖機することを、簡素な構成で実現できる。
凝縮器(15)は、作動流体と空気とを他の熱媒体を介することなく熱交換させる熱交換器のみならず、凝縮器(15)で作動流体と空気とを他の熱媒体を介して熱交換させる熱交換器も含む。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の模式図である。 第1実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の暖房用冷媒回路の全体構成図である。 第1実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の全体構成図である。 第1実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の蒸発器、電気ヒータおよびエンジン冷却水熱交換器の正面図である。 図4のV−V断面図である。 図5のVI−VI断面図である。 第2実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の蒸発器、電気ヒータおよびエンジン冷却水熱交換器の断面図である。 第3実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の蒸発器、電気ヒータおよびエンジン冷却水熱交換器の断面図である。 第4実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の蒸発器、電気ヒータおよびエンジン冷却水熱交換器の正面図である。 図9のX−X断面図である。 図10のXI−XI断面図である。 第5実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の全体構成図である。 第6実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の冷房用冷媒回路の構成図である。 第7実施形態におけるサーモサイフォン式暖房装置の全体構成図である。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すサーモサイフォン式暖房装置10は、車両1の車室内空間2(換言すれば空調対象空間)へ送風される空気を加熱する車両用暖房装置である。図1中、上下前後の矢印は、車両1の上下前後の各方向を示している。図1は、車両1の上下方向が重力方向と平行になっている状態を示している。
車両1はハイブリッド車である。ハイブリッド車は、エンジン(換言すれば内燃機関)および走行用電動モータから走行用の駆動力を得る車両である。ハイブリッド車などの電動車は、二次電池などの蓄電装置に蓄えた電気エネルギーをインバータなどを介して走行用モータに供給する。
サーモサイフォン式暖房装置10は、車両1の車室内空間2およびエンジンルーム3に配置されている。車室内空間2およびエンジンルーム3は、隔壁4によって互いに仕切られている。
サーモサイフォン式暖房装置10は、暖房用冷媒回路11、空調ケーシング12および室内送風機13を備える。
暖房用冷媒回路11には、冷媒が封入充填されている。暖房用冷媒回路11は、作動流体としての冷媒が循環する熱媒体回路である。本実施形態では、冷媒としてHFO−1234yfやHFC−134aなどのフロン系冷媒が用いられている。暖房用冷媒回路11の冷媒は暖房用作動流体である。
暖房用冷媒回路11は、冷媒の蒸発および凝縮により熱移動を行うヒートパイプである。暖房用冷媒回路11は、ガス状の冷媒が流れる流路と、液状の冷媒が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォンである。
図2および図3に示すように、暖房用冷媒回路11は、蒸発器14、凝縮器15、ガス冷媒配管16および液冷媒配管17を有している。
蒸発器14はエンジンルーム3に配置されている。蒸発器14は、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19から吸熱して冷媒を蒸発させる吸熱用熱交換器である。蒸発器14は暖房用蒸発器である。
電気ヒータ18は、電力が供給されることによって発熱する発熱体である。電気ヒータ18は、暖房用冷媒回路11の冷媒に熱を供給する第1熱供給部である。
冷却水熱交換器19は、冷却水回路20の冷却水と蒸発器14の冷媒とを熱交換させる熱交換器である。冷却水熱交換器19は、暖房用冷媒回路11の冷媒に熱を供給する第2熱供給部である。
蒸発器14は、電気ヒータ18との間で熱伝導可能になっている。蒸発器14は、冷却水熱交換器19との間で熱伝導可能になっている。
図4、図5、図6に示すように、蒸発器14は、薄型直方体状の外形を有している。冷却水熱交換器19および電気ヒータ18は、直方体状の外形を有している。
冷却水熱交換器19は蒸発器14のうち車両上下方向に対して傾斜した上方側の面に熱伝導可能に接触配置されている。電気ヒータ18は蒸発器14のうち車両上下方向に対して傾斜した下方側の面に熱伝導可能に接触配置されている。すなわち、冷却水熱交換器19および電気ヒータ18は、蒸発器14を挟み込んでいる。
電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、蒸発器14に対して着脱可能になっている。例えば、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、ボルトおよびナットによって蒸発器14に締結固定されている。
蒸発器14に対する電気ヒータ18および冷却水熱交換器19の着脱は、冷媒や冷却水が漏れることなく行うことが可能になっている。
蒸発器14と冷却水熱交換器19との間、および蒸発器14と電気ヒータ18との間に、板状の熱伝導部材が介在していてもよい。
蒸発器14は、電気ヒータ18が下方側、冷却水熱交換器19が上方側になるように、車両上下方向に対して傾斜してエンジンルーム3に固定されている。
図1に示すように、凝縮器15は車室内空間2に配置されている。凝縮器15は、蒸発器14で蒸発した冷媒と車室内空間2へ送風される空気と熱交換させることによって冷媒を冷却凝縮させるとともに空気を加熱する熱交換器である。凝縮器15は暖房用凝縮器である。
凝縮器15は、蒸発器14よりも車両の上方側に配置されている。凝縮器15は、室内送風機13とともに空調ケーシング12に収容されている。
空調ケーシング12および室内送風機13は車室内空間2に配置されている。空調ケーシング12は、車室内空間2へ送風される空気が流れる空気通路を形成している。
室内送風機13は、空気を吸い込んで空調ケーシング12内の空気通路へ送風する。室内送風機13は、凝縮器15に空気を送風する送風部である。
空調ケーシング12には、図示しない空気冷却用熱交換器およびエアミックスドアが収容されている。空気冷却用熱交換器は、図示しない冷凍サイクルの低圧冷媒と、車室内空間2へ送風される空気とを熱交換させて空気を冷却する熱交換器である。空気冷却用熱交換器は、空調ケーシング12内の空気流れにおいて、凝縮器15の上流側に配置されている。
エアミックスドアは、空調ケーシング12から車室内空間2へ吹き出される空調風の温度を調整する空気温度調整部である。エアミックスドアは、空気冷却用熱交換器で冷却された空気のうち、凝縮器15を通過する空気の風量と、凝縮器15をバイパスする空気の風量との割合を調節する風量割合調整部である。
図2に示すように、凝縮器15は、薄型直方体状の外形を有している。凝縮器15は、熱交換コア部15a、上側ヘッダ15bおよび下側ヘッダ15cを有している。熱交換コア部15aは、上側ヘッダ15bと下側ヘッダ15cとの間に配置されている。
熱交換コア部15aは、複数本のチューブを有している。複数本のチューブ内には冷媒が流れる。複数本のチューブは上下方向に延びている。複数本のチューブは所定の間隔で互いに積層されており、複数本のチューブ同士の間に空気が流れるようになっている。複数本のチューブ同士の間の空気通路には放熱フィンが設けられている。複数本のチューブ内を流れる冷媒と、複数本のチューブ間を流れる空気とが熱交換される。
複数本のチューブの上端部は上側ヘッダ15bに接続されている。上側ヘッダ15bにはガス冷媒配管16が接続されている。上側ヘッダ15bは、複数本のチューブに冷媒を分配する冷媒分配タンクである。
複数本のチューブの下端部は下側ヘッダ15cに接続されている。下側ヘッダ15cには液冷媒配管17が接続されている。下側ヘッダ15cは、複数本のチューブから流出した冷媒を集合させる冷媒集合タンクである。
ガス冷媒配管16および液冷媒配管17は、蒸発器14と凝縮器15とを接続する配管であり、隔壁4を貫通して車室内空間2およびエンジンルーム3の両方に配置されている。
ガス冷媒配管16は、蒸発器14で蒸発したガス冷媒を凝縮器15に導く暖房用気相配管である。液冷媒配管17は、凝縮器15で凝縮した液冷媒を蒸発器14に導く暖房用液相配管である。図2中、ガス冷媒配管16内および液冷媒配管17内の破線は、液冷媒の液面を模式的に示している。液冷媒の液面は、蒸発器14よりも上方に位置している。
蒸発器14は、伝熱性に優れる金属(例えばアルミニウム合金)で形成されている。蒸発器14は、熱交換コア部14a、上側ヘッダ14bおよび下側ヘッダ14cを有している。熱交換コア部14aは、上側ヘッダ14bと下側ヘッダ14cとの間に配置されている。
熱交換コア部14aは、複数本のチューブを有している。複数本のチューブ内には冷媒が流れる。複数本のチューブは上下方向に延びている。複数本のチューブは、冷却水熱交換器19側の面から電気ヒータ18側の面に向かって細長く延びる偏平的な断面形状を有している。
複数本のチューブの上端部は上側ヘッダ14bに接続されている。上側ヘッダ14bにはガス冷媒配管16が接続されている。上側ヘッダ14bは、複数本のチューブから流出した冷媒を集合させる冷媒集合タンクである。
複数本のチューブの下端部は下側ヘッダ14cに接続されている。下側ヘッダ14cには液冷媒配管17が接続されている。下側ヘッダ14cは、複数本のチューブに冷媒を分配する冷媒分配タンクである。
図3に示すように、冷却水回路20は、エンジン21、ポンプ22、ラジエータ23、バルブ24およびリザーブタンク25を有している。冷却水回路20には、冷却水が封入充填されている。例えば冷却水は、不凍液(いわゆるLLC)や水等である。冷却水回路20は、エンジン21を冷却水で冷却するための回路である。
エンジン21は、燃料を燃焼させて走行用駆動力を発生させる。エンジン21は、冷却水が流通するウォータージャケットを有している。ウォータージャケットを冷却水が流れることによって、エンジン21が冷却され、冷却水が加熱される。
エンジン21の燃焼によって発生する排熱は、ウォータージャケットを流れる冷却水に伝えられる。これにより、エンジン21が冷却される。
ポンプ22は、冷却水を吸入して吐出する。ラジエータ23は、エンジン21で加熱された冷却水と外気とを熱交換させて冷却水を放熱する。
冷却水熱交換器19は、ラジエータ23に対して、冷却水が並列に流れる。ラジエータ23と冷却水熱交換器19との冷却水流れの分岐部には、バルブ24が配置されている。バルブ24は、冷却水熱交換器19とラジエータ23とに対する冷却水の流量割合を調整する流量割合調整部である。リザーブタンク25は、余剰冷却水を貯留する冷却水貯留部である。
制御装置30は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置30は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。制御装置30の出力側には各種制御対象機器が接続されている。制御装置30は、各種制御対象機器の作動を制御する制御部である。
制御装置30によって制御される制御対象機器は、室内送風機13、電気ヒータ18、ポンプ22およびバルブ24等である。
制御装置30のうち室内送風機13を制御するソフトウェアおよびハードウェアは、送風能力制御部である。制御装置30のうち電気ヒータ18を制御するソフトウェアおよびハードウェアは、発熱量制御部である。制御装置30のうちポンプ22を制御するソフトウェアおよびハードウェアは、冷却水流量制御部である。制御装置30のうちバルブ24を制御するソフトウェアおよびハードウェアは、冷却水流れ制御部である。
制御装置30の入力側には、凝縮器温度センサ31、冷却水温度センサ32、内気温度センサ33および外気温度センサ34等の種々の制御用センサ群が接続されている。
凝縮器温度センサ31は、凝縮器15の温度を検出する凝縮器温度検出部である。例えば、凝縮器温度センサ31は、凝縮器15の放熱フィンの温度を検出するフィンサーミスタや、凝縮器15内の冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ等である。
内気温度センサ33は、車室内空気(以下、内気と言う。)の温度を検出する内気温度検出部である。外気温度センサ34は、車室外空気(以下、外気と言う。)の温度を検出する外気温度検出部である。
冷却水温度センサ32は、冷却水回路20の冷却水の温度を検出する冷却水温度検出部である。例えば、冷却水温度センサ32は、エンジン21から流出した冷却水の温度を検出する熱媒体温度センサ等である。
制御装置30の入力側には、各種操作スイッチが接続されている。操作スイッチは、操作パネル35に設けられており、乗員によって操作される。操作パネル35は車室内前部の計器盤付近に配置されている。制御装置30には、各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
各種操作スイッチは、空調スイッチ、温度設定スイッチ等である。空調スイッチは、空調を行うか否かを設定する。温度設定スイッチは、車室内の設定温度を設定する。
次に、上記構成における作動を説明する。制御装置30は、冷却水温度センサ32、内気温度センサ33および外気温度センサ34からの入力信号、ならびに空調スイッチおよび温度設定スイッチからの操作信号等に基づいて、車室内空間2を暖房するか否か、およびエンジン21を暖機するか否かを決定する。
車室内空間2を暖房する場合、制御装置30は、室内送風機13を作動させる。車室内空間2を暖房する場合、制御装置30は、冷却水温度センサ32からの入力信号に基づいて暖房熱源を決定する。
具体的には、冷却水回路20の冷却水の温度が蒸発器14内の冷媒の飽和温度よりも低い場合、暖房熱源を電気ヒータ18に決定し、冷却水回路20の冷却水の温度が蒸発器14内の冷媒の飽和温度よりも高い場合、暖房熱源をエンジン21とする。冷却水回路20の冷却水の温度が蒸発器14内の冷媒の飽和温度よりも高い場合、暖房熱源をエンジン21および電気ヒータ18の両方にしてもよい。
暖房熱源として電気ヒータ18を用いる場合、制御装置30は、電気ヒータ18に電力を供給して電気ヒータ18を発熱させる。
暖房熱源としてエンジン21を用いない場合、制御装置30は、冷却水熱交換器19への冷却水供給が遮断、または冷却水流量が低減されるように、ポンプ22およびバルブ24の少なくとも一方を制御する。
電気ヒータ18が発熱すると、蒸発器14内の冷媒の飽和温度より高くなり、電気ヒータ18の熱が蒸発器14内の液冷媒を沸騰気化させる。
冷却水回路20の冷却水の温度が蒸発器14内の冷媒の飽和温度よりも高い場合、冷却水熱交換器19を流れる冷却水の熱が蒸発器14内の液冷媒を沸騰気化させる。
蒸発器14内で気化したガス冷媒は、密度差によって上昇し、ガス冷媒配管16を通じて凝縮器15へ達する。凝縮器15の温度が、室内送風機13によって送風される空気の温度よりも高くなると、ガス冷媒は、室内送風機13によって送風される空気へ放熱して冷却凝縮し、液体になって液冷媒配管17を流下し、再び蒸発器14へ供給される。
室内送風機13によって車室内空間2へ送風される空気が凝縮器15で加熱されることによって、車室内空間2の暖房が実現される。
エンジン21を暖機する場合、制御装置30は、電気ヒータ18に電力を供給して電気ヒータ18を発熱させる。制御装置30は、室内送風機13を停止、または室内送風機13の送風量を低下させる。
制御装置30は、冷却水熱交換器19へ冷却水が供給され、ラジエータ23への冷却水の供給が遮断されるように、ポンプ22およびバルブ24を制御する。
電気ヒータ18が発熱すると、図6の白抜き矢印に示すように、蒸発器14の熱交換コア部14aを介した熱伝導によって、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱される。さらに、沸騰凝縮熱伝達によっても、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱される。
沸騰凝縮熱伝達によって冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱される原理を説明する。冷却水が蒸発器14内の冷媒よりも低温ならば、蒸発器14の冷媒チューブ内において、電気ヒータ18からの熱によって沸騰蒸発した冷媒が、図5の熱交換コア部14a内の破線矢印に示すように上方へ移動して冷却水熱交換器19側へ放熱して凝縮する。
そして、凝縮した冷媒は図5の熱交換コア部14a内の実線矢印に示すように下方へ移動して電気ヒータ18からの熱によって再び沸騰蒸発する。すなわち、蒸発器14の冷媒チューブ内において、小さなサーモサイフォン回路を形成する。これにより、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱されてエンジン21が暖機される。
図6に示した沸騰凝縮熱伝達について、因果関係と作用とを説明する。電気ヒータ18、蒸発器14の熱交換コア部14a、冷却水熱交換器19は、重力方向下方側から上方側に向かって、この順番で重なるように配置されている。
重力方向下方側の電気ヒータ18の熱で熱交換コア部14a内の液冷媒が沸騰すると、発生したガス冷媒の気泡が浮力により重力方向上方側へ移動する。重力方向上方側へ移動したガス冷媒の気泡は、重力方向上方側に接する冷却水熱交換器19の冷却水へ熱を放出して凝縮する。一方、冷却水熱交換器19の冷却水は加熱される。
熱交換コア部14a内において凝縮した液冷媒は周囲のガス冷媒よりも重いので、液冷媒がガス冷媒よりも下方へ流れる。このようにして、熱交換コア部14a内で沸騰・凝縮のサーモサイフォン流れが生じる。
このように、電気ヒータ18、蒸発器14の熱交換コア部14aおよび冷却水熱交換器19の間での熱伝導に加えて、沸騰・凝縮による熱伝達が行われることによって、電気ヒータ18から冷却水熱交換器19内の冷却水への熱移動が促進される。
車室内空間2を暖房しつつエンジン21を暖機する場合、制御装置30は、室内送風機13の送風量と冷却水熱交換器19の冷却水流量とのバランスを調整する。
エンジン21の暖機が終了して、エンジン21が暖房熱源として充分に利用できるようになった後には、暖房熱源として、電気ヒータ18とエンジン21を併用するか、エンジン21のみを用いて電気ヒータ18を停止させればよい。
本実施形態では、蒸発器14、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、電気ヒータ18の温度が冷媒の沸点よりも高く且つ冷却水熱交換器19の温度が冷媒の沸点よりも低い場合、蒸発器14において、電気ヒータ18から供給される熱によって沸騰した冷媒が冷却水熱交換器19に放熱して凝縮するように構成されている。
これによると、電気ヒータ18の熱を蒸発器14を介して冷却水熱交換器19に伝えることができる。したがって、電気ヒータ18を利用してエンジン21を暖機することを、簡素な構成で実現できる。
本実施形態では、ポンプ22およびバルブ24は、冷却水熱交換器19とエンジン21との間の熱移動量を調整する。これにより、電気ヒータ18から供給される熱量のうちエンジン21の暖機に利用される熱量を調整することができるので、暖房と暖機とを適宜切り替えることができる。
本実施形態では、冷却水熱交換器19は、電気ヒータ18よりも重力方向上方に位置している。これにより、沸騰凝縮熱伝達によって、電気ヒータ18の熱を蒸発器14を介して冷却水熱交換器19に効果的に伝えることができる。
本実施形態では、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、蒸発器14に対して互いに反対側に位置している。これにより、蒸発器14に電気ヒータ18および冷却水熱交換器19を効率良く配置できるので、装置体格を小型化できる。
電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、蒸発器14に対して互いに同一側に位置していてもよい。
本実施形態では、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、蒸発器14に対して着脱可能になっている。
これにより、車両1への組み付け性やメンテナンス性を向上させることができる。また、電気ヒータ18や冷却水熱交換器19の代わりに種々の機器を蒸発器14に用いることが容易であるので、熱源のバリエーション展開が容易となる。
(第2実施形態)
上記実施形態では、蒸発器14は、車両上下方向に対して傾斜してエンジンルーム3に固定されているが、図7に示すように、蒸発器14は、電気ヒータ18が下方側、冷却水熱交換器19が上方側になるように、車両上下方向に対して垂直な向きでエンジンルーム3に固定されている。
本実施形態においても、上記実施形態と同様に、エンジン21および電気ヒータ18の少なくとも一方を熱源として車室内空間2を暖房できる。
エンジン21を暖機する場合、上記実施形態と同様に、制御装置30は、電気ヒータ18に電力を供給して電気ヒータ18を発熱させる。電気ヒータ18が発熱すると、蒸発器14の熱交換コア部14aを介した熱伝導によって、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱される。
さらに、図7の熱交換コア部14a内の破線矢印および実線矢印に示すように、沸騰凝縮熱伝達によっても、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱される。
したがって、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱されてエンジン21が暖機される。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、蒸発器14は車両上下方向に対して傾斜してエンジンルーム3に固定されており、上記第2実施形態では、蒸発器14は車両上下方向に対して垂直な向きでエンジンルーム3に固定されているが、本実施形態では、図8に示すように、蒸発器14は、車両上下方向に対して平行な向きでエンジンルーム3に固定されている。
本実施形態においても、上記実施形態と同様に、エンジン21および電気ヒータ18の少なくとも一方を熱源として車室内空間2を暖房できる。
エンジン21を暖機する場合、上記実施形態と同様に、制御装置30は、電気ヒータ18に電力を供給して電気ヒータ18を発熱させる。電気ヒータ18が発熱すると、蒸発器14の熱交換コア部14aを介した熱伝導によって、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱される。
さらに、図8の熱交換コア部14a内の破線矢印および実線矢印に示すように、沸騰凝縮熱伝達によっても、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱される。
したがって、冷却水熱交換器19内の冷却水が加熱されてエンジン21が暖機される。
図8に示した沸騰凝縮熱伝達について、因果関係と作用とを説明する。電気ヒータ18により、熱交換コア部14a内に沸騰が発生する。この沸騰により発生した気泡状のガス冷媒の密度は液冷媒の密度よりも低いので、ガス冷媒に浮力が生じ、ガス冷媒が重力方向上方へ移動する。
ガス冷媒の気泡が、熱交換コア部14a内の冷媒流路よりも大きく成長すれば、熱交換コア部14aのうち冷却水熱交換器19側の壁面に接触して凝縮し、液化する。
電気ヒータ18と冷却水熱交換器19との間の距離が短く、熱交換コア部14aの上下方向高さ(換言すれば、熱交換コア部14aのチューブ長さ)が充分にある場合には、熱交換コア部14aのチューブのうち電気ヒータ18と冷却水熱交換器19との間に位置する部位にガス冷媒の気泡が接触する。チューブの当該部位には冷却水熱交換器19から冷熱が伝わるので、チューブの当該部位に接触したガス冷媒の気泡が凝縮する。
したがって、ガス冷媒の気泡が熱交換コア部14aよりも上方へ移動する前に、ガス冷媒を凝縮させることができる。
(第4実施形態)
上記実施形態では、電気ヒータ18およびエンジン21から蒸発器14内の冷媒に熱を供給するが、本実施形態では、図9、図10および図11に示すように、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19に加えて、インバータ40からも蒸発器14内の冷媒に熱を供給する。
インバータ40は、二次電池などの蓄電装置から供給された直流電力を交流電力に変換して走行用モータに供給する。インバータ40は、作動に伴って発熱する発熱機器である。インバータ40は、蒸発器14に熱伝導可能に接触配置され、冷媒に熱を供給する第3熱供給部である。
インバータ40で発生した熱は、そのまま蒸発器14に伝えられる。すなわち、インバータ40は、蒸発器14に供給される熱量を任意に調整することができない熱供給部である。これに対し、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、蒸発器14に供給される熱量を任意に調整することができる熱供給部である。
具体的には、制御装置30が電気ヒータ18に供給する電力を調整することによって、電気ヒータ18から蒸発器14に供給される熱量を任意に調整することができる。制御装置30がポンプ22およびバルブ24のうち少なくとも1つを制御することによって、エンジン21から冷却水熱交換器19を介して蒸発器14に供給される熱量を任意に調整することができる。
電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、蒸発器14の熱交換コア部14aのうち冷媒チューブ積層方向の一端側(図11の右上側)に配置されている。インバータ40は、蒸発器14のうち冷媒チューブ積層方向の他端側(図11の左下側)に配置されている。
したがって、蒸発器14の熱交換コア部14aのうちインバータ40と接触している第1蒸発部141は、蒸発器14の熱交換コア部14aのうち電気ヒータ18および冷却水熱交換器19と接触している第2蒸発部142に対して、冷媒が並列に流れる。
蒸発器14の第1蒸発部141は、蒸発器14の第2蒸発部142に対して、所定間隔を空けて配置されている。
インバータ40の温度が冷媒の飽和温度よりも高い場合、蒸発器14の第1蒸発部141の冷媒がインバータ40の熱によって沸騰気化して、ガス冷媒配管16を通じて凝縮器15へ達する。
インバータ40の温度が冷媒の飽和温度よりも低い場合、蒸発器14の第1蒸発部141の冷媒は沸騰気化することなく液の状態で滞留する。蒸発器14の第2蒸発部142の冷媒は、蒸発器14の第2蒸発部141に対して並列に流れるので、蒸発器14の第1蒸発部141の冷媒が液の状態で滞留していても、蒸発器14の第2蒸発部142で沸騰気化した冷媒は、ガス冷媒配管16を通じて凝縮器15へ達することができる。
したがって、インバータ40の温度が冷媒の飽和温度よりも低い場合であっても、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19の少なくとも一方の熱によって冷媒を沸騰気化させてガス冷媒配管16を通じて凝縮器15へ達するようにすることができ、ひいては車室内空間2の暖房を行うことができる。
すなわち、インバータ40から蒸発器14に供給される熱量を任意に調整することができなくても、インバータ40の温度が冷媒の飽和温度よりも低い場合に電気ヒータ18および冷却水熱交換器19の少なくとも一方の熱によって車室内空間2の暖房を行うことができる。
蒸発器14の第1蒸発部141と蒸発器14の第2蒸発部142との間に空隙があるので、インバータ40の温度が冷媒の飽和温度よりも低い場合に電気ヒータ18および冷却水熱交換器19の熱がインバータ40側に放出されてしまうことを抑制できる。
本実施形態では、蒸発器14は、冷媒が互いに並列に流れる第1蒸発部141および第2蒸発部142を有している。電気ヒータ18および冷却水熱交換器19は、第1蒸発部141に接触配置されている。インバータ40は、第2蒸発部142に接触配置されている。
これにより、インバータ40の温度上昇が冷却水熱交換器19よりも遅くても、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19による冷媒の蒸発が阻害されることを抑制できる。電気ヒータ18および冷却水熱交換器19の熱がインバータ40側に放出されてしまうことを抑制できる。
(第5実施形態)
上記実施形態では、電気ヒータ18、エンジン21およびインバータ40から蒸発器14内の冷媒に熱を供給するが、本実施形態では、図12に示すように、電気ヒータ18、エンジン21、暖房用ヒートポンプ50およびトランスアクスル51から蒸発器14内の冷媒に熱を供給する。
さらに、上記実施形態では、空調ケーシング12内の空気通路において、車室内空間2へ送風される空気の冷却を、冷凍サイクルの低圧冷媒との熱交換によって行うが、本実施形態では、空調ケーシング12内の空気通路において、車室内空間2へ送風される空気の冷却を、サーモサイフォン式の冷房用冷媒回路52によって行う。
暖房用ヒートポンプ50は、暖房用圧縮機53、ヒートポンプ熱交換器54、暖房用膨張弁55および暖房用蒸発器56を有している。暖房用圧縮機53は、暖房用ヒートポンプ50の冷媒を吸入して圧縮して吐出する。
ヒートポンプ熱交換器54は、暖房用圧縮機53から吐出された高圧冷媒と蒸発器14の冷媒とを熱交換させて暖房用ヒートポンプ50の高圧冷媒の熱を蒸発器14の冷媒に供給する熱交換器である。ヒートポンプ熱交換器54は、暖房用冷媒回路11の冷媒に熱を供給する第1熱供給部である。
暖房用膨張弁55は、ヒートポンプ熱交換器54で熱交換された冷媒を減圧する減圧部である。暖房用蒸発器56は、暖房用膨張弁55で減圧された冷媒と外気とを熱交換させて冷媒に吸熱させる熱交換器である。
トランスアクスル51は、エンジン21の図示しない出力軸に連結されている。トランスアクスル51は、作動に伴って発熱する発熱機器である。
トランスアクスル51は、オイル回路60に配置されている。オイル回路60は、トランスアクスル51を潤滑するためのオイルが循環する回路である。オイルの温度が低すぎるとオイルの粘性が高くなりすぎて走行抵抗となってしまったり高回転ギア段への切替ができなくなってしまうことから、トランスアクスル51を暖機する必要がある。
オイル回路60は、オイルポンプ61、オイル熱交換器62、オイル放熱器63およびオイルバルブ64を有している。オイルポンプ61は、オイル回路60のオイルを吸入して吐出する。
オイル熱交換器62は、トランスアクスル51を冷却したオイルと蒸発器14の冷媒とを熱交換させてオイルの熱を蒸発器14の冷媒に供給する熱交換器である。オイル熱交換器62は、暖房用冷媒回路11の冷媒に熱を供給する第2熱供給部である。
オイル放熱器63は、トランスアクスル51を冷却したオイルと外気とを熱交換させてオイルを冷却する熱交換器である。
オイル熱交換器62およびオイル放熱器63は、オイルの流れに対して互いに並列に配置されている。
オイルバルブ64は、オイル熱交換器62側へのオイル流量と、オイル放熱器63側へのオイル流量との割合を調節する弁である。
蒸発器14は、電気ヒータ18およびヒートポンプ熱交換器54が下方側、冷却水熱交換器19およびオイル熱交換器62が上方側になるように、車両上下方向に対して傾斜してエンジンルーム3に固定されている。
電気ヒータ18およびヒートポンプ熱交換器54は、蒸発器14のうち車両上下方向に対して傾斜した下方側の面に熱伝導可能に接触配置されている。冷却水熱交換器19およびオイル熱交換器62は蒸発器14のうち車両上下方向に対して傾斜した上方側の面に熱伝導可能に接触配置されている。
電気ヒータ18は、ヒートポンプ熱交換器54よりも下方側に配置されている。オイル熱交換器62は、冷却水熱交換器19よりも上方側に配置されている。
電気ヒータ18およびオイル熱交換器62は、蒸発器14を挟み込んでいる。ヒートポンプ熱交換器54および冷却水熱交換器19は、蒸発器14を挟み込んでいる。
冷房用冷媒回路52には、冷媒が封入充填されている。冷房用冷媒回路52は、暖房用冷媒回路11と同様に、作動流体としての冷媒が循環する熱媒体回路である。本実施形態では、冷媒としてHFO−1234yfやHFC−134aなどのフロン系冷媒が用いられている。冷房用冷媒回路52の冷媒は冷房用作動流体である。
冷房用冷媒回路52は、冷媒の蒸発および凝縮により熱移動を行うヒートパイプである。冷房用冷媒回路52は、ガス状の冷媒が流れる流路と、液状の冷媒が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォンである。
冷房用冷媒回路52は、冷房用蒸発器65、冷房用凝縮器66、冷房用ガス冷媒配管67および冷房用液冷媒配管68を有している。
冷房用蒸発器65は空調ケーシング12内に収容されている。冷房用蒸発器65は、電気ヒータ18および冷却水熱交換器19から吸熱して冷媒を蒸発させる吸熱用熱交換器である。
冷房用蒸発器65は、空調ケーシング12内の空気流れにおいて、凝縮器15の上流側に配置されている。空調ケーシング12内の空気流れにおいて、冷房用蒸発器65と凝縮器15との間にはエアミックスドア69が配置されている。
エアミックスドア69は、空調ケーシング12から車室内空間2へ吹き出される空調風の温度を調整する空気温度調整部である。エアミックスドア69は、空気冷却用熱交換器で冷却された空気のうち、凝縮器15を通過する空気の風量と、凝縮器15をバイパスする空気の風量との割合を調節する風量割合調整部である。
冷房用凝縮器66は、冷房用ヒートポンプ熱交換器70および冷房用冷却水熱交換器71との間で熱伝導可能になっている。
冷房用凝縮器66は、薄型直方体状の外形を有している。冷房用ヒートポンプ熱交換器70および冷房用冷却水熱交換器71は、直方体状の外形を有している。
冷房用凝縮器66は、冷房用ヒートポンプ熱交換器70および冷房用冷却水熱交換器71が上方側になるように、車両上下方向に対して傾斜してエンジンルーム3に固定されている。
冷房用ヒートポンプ熱交換器70および冷房用冷却水熱交換器71は冷房用凝縮器66のうち車両上下方向に対して傾斜した上方側の面に熱伝導可能に接触配置されている。
冷房用凝縮器66と冷房用ヒートポンプ熱交換器70との間、および冷房用凝縮器66と冷房用冷却水熱交換器71との間に、板状の熱伝導部材が介在していてもよい。
冷房用冷却水熱交換器71は、冷房用ヒートポンプ熱交換器70よりも上方に配置されている。
冷房用ヒートポンプ熱交換器70は、冷房用ヒートポンプサイクル72の低圧冷媒に冷房用凝縮器66から吸熱させて冷房用ヒートポンプサイクル72の低圧冷媒を蒸発させる熱交換器である。冷房用ヒートポンプ熱交換器70は、冷房用冷媒回路52の冷媒から吸熱する吸熱部である。
冷房用ヒートポンプサイクル72は、冷房用圧縮機73、冷房用ヒートポンプ凝縮器74、冷房用膨張弁75および冷房用ヒートポンプ熱交換器70を有している。
冷房用圧縮機は、冷房用ヒートポンプサイクル72の冷媒を吸入して圧縮して吐出する。冷房用ヒートポンプ凝縮器74は、冷房用圧縮機から吐出された高圧冷媒と外気とを熱交換させて高圧冷媒を冷却凝縮させる熱交換器である。
冷房用膨張弁75は、冷房用凝縮器66で熱交換された冷媒を減圧する減圧部である。冷房用ヒートポンプ熱交換器70は、冷房用膨張弁75で減圧された冷媒と冷房用凝縮器66の冷媒とを熱交換させて冷房用膨張弁75で減圧された冷媒に吸熱させる熱交換器である。
冷房用冷却水熱交換器71は、冷房用冷却水回路76の冷却水に冷房用凝縮器66から吸熱させる熱交換器である。冷房用冷却水熱交換器71は、冷房用冷媒回路52の冷媒から吸熱する吸熱部である。
冷房用冷却水回路76は、冷房用凝縮器66の冷媒を冷却するための冷却水が循環する回路である。冷房用冷却水回路76は、冷房用冷却水ポンプ77、冷房用冷却水熱交換器71、冷房用ラジエータ78および冷房用リザーブタンク79を有している。
冷房用冷却水ポンプ77は、冷房用冷却水回路76の冷却水を吸入して吐出するポンプである。冷房用冷却水熱交換器71は、冷房用冷却水回路76の冷却水の冷熱で冷房用凝縮器66を冷却させる熱交換器である。
冷房用ラジエータ78は、冷房用冷却水熱交換器71で冷房用凝縮器66から吸熱した冷却水を外気に放熱させる熱交換器である。冷房用リザーブタンク79は、冷房用冷却水回路76の余剰冷却水を貯留する冷却水貯留部である。
冷房用ヒートポンプ熱交換器70の冷媒は冷房用冷却水熱交換器71の冷却水よりも低温にすることが可能であるので、本実施形態のように、冷房用ヒートポンプ熱交換器70は冷房用冷却水熱交換器71よりも重力方向下方に配置されているのが好ましい。
本実施形態では、冷房用凝縮器66と冷房用液相配管68と冷房用蒸発器65と冷房用気相配管67と冷房用ヒートポンプ熱交換器70および冷房用冷却水熱交換器71とを有している。
これにより、暖房をループ型のサーモサイフォン(具体的には暖房用冷媒回路11)で行うのみならず、冷房もループ型のサーモサイフォン(具体的には冷房用冷媒回路52)で行うことができる。
本実施形態では、1つの蒸発器14に、電気ヒータ18、冷却水熱交換器19、ヒートポンプ熱交換器54およびオイル熱交換器62を接触配置している。換言すれば、電気ヒータ18、冷却水熱交換器19、ヒートポンプ熱交換器54およびオイル熱交換器62を1つの蒸発器14に集約している。そのため、小型軽量化を実現できる。
(第6実施形態)
上記第5実施形態では、1つの冷房用凝縮器66に冷房用ヒートポンプ熱交換器70および冷房用冷却水熱交換器71が熱的に接触配置されているが、本実施形態では、図13に示すように、2つの冷房用凝縮器66、80が冷房用冷媒流れにおいて並列に配置されていて、一方の冷房用凝縮器66(換言すれば第1冷房用凝縮器)には冷房用ヒートポンプ熱交換器70が熱的に接触配置されており、他方の冷房用凝縮器80(換言すれば第2冷房用凝縮器)は、冷房用冷媒回路52の冷媒と外気とを熱交換させて冷房用冷媒回路52の冷媒を冷却凝縮させる。外気送風機81は、他方の冷房用凝縮器80に外気を送風する外気送風部である。
本実施形態においても、上記第5実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第7実施形態)
上記第5実施形態では、凝縮器15の熱を暖房に利用するが、本実施形態では、図14に示すように、凝縮器15の熱を暖房のみならずエンジン21の暖機にも利用する。
冷却水回路20の冷却水熱交換器19は、空調ケーシング12内に収容されており、凝縮器15のうち空気流れ上流側の面に熱伝導可能に接触配置されている。
蒸発器14は、電気ヒータ18が下方側、オイル熱交換器62が上方側になるように、車両上下方向に対して傾斜してエンジンルーム3に固定されている。
電気ヒータ18は、蒸発器14のうち車両上下方向に対して傾斜した下方側の面に熱伝導可能に接触配置されている。オイル熱交換器62は蒸発器14のうち車両上下方向に対して傾斜した上方側の面に熱伝導可能に接触配置されている。電気ヒータ18およびオイル熱交換器62は、蒸発器14を挟み込んでいる。
室内送風機13が冷却水熱交換器19および凝縮器15へ向けて空気を送風することにより、空気が冷却水熱交換器19および凝縮器15によって加熱されて車室内空間2に吹き出される。すなわち、凝縮器15の熱が暖房に利用される。また、冷却水熱交換器19の熱(換言すればエンジン21の熱)も暖房に利用される。
室内送風機13が送風を停止する、または送風量を少なく抑えると、凝縮器15から冷却水熱交換器19へ熱伝導が行われる。これにより、冷却水熱交換器19で冷却水回路20の冷却水が加熱され、加熱された冷却水がエンジン21を循環するのでエンジン21を暖機できる。
トランスアクスルや電池が冷却水回路20に配置されていれば、トランスアクスルや電池を暖機することもできる。
冷却水熱交換器19および凝縮器15によって加熱された空気は、暖房のみならず、種々の機器類の暖機に利用されてもよい。
暖機対象の種々の機器類は、凝縮器15に熱伝導可能に接触配置されていれば、空気を介することなく凝縮器15で直接暖機できる。
(他の実施形態)
上記実施形態を適宜組み合わせ可能である。上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。
(1)上記実施形態では、凝縮器15は、蒸発器14で蒸発した冷媒と車室内空間2へ送風される空気とを他の熱媒体を介することなく熱交換させるようになっているが、凝縮器15は、蒸発器14で蒸発した冷媒と車室内空間2へ送風される空気とを、他の熱媒体を介して熱交換させるようになっていてもよい。
(2)上記実施形態では、熱源は電気ヒータ18、エンジン21、インバータ40、トランスアクスル51であるが、熱源は電池、走行用モータ、インタークーラ等であってもよい。
これらの熱源と蒸発器14との間の熱移動は、冷却水等の熱媒体を介して行うことが望ましい。これらの熱源と蒸発器14との間で移動する熱量をポンプやバルブで調整することが可能となるからである。
熱源が電池である場合、電池を下限温度(例えば0℃以上)に暖機することによって、電池の入出力特性を改善することができる。
(3)上記実施形態では、車両1はハイブリッド車であるが、車両1は電気自動車や燃料電池自動車等であってもよい。
14 蒸発器
15 凝縮器
16 ガス冷媒配管(気相配管)
17 液冷媒配管(液相配管)
18 電気ヒータ(第1熱供給部)
19 エンジン冷却水熱交換器(第2熱供給部)
21 エンジン(熱源)
22 ポンプ(調整部)
24 バルブ(調整部)
30 制御装置(制御部)

Claims (7)

  1. 液相の作動流体が吸熱して蒸発する蒸発器(14)と、
    前記蒸発器で蒸発した気相の前記作動流体が上昇する気相配管(16)と、
    前記気相配管を通過した前記作動流体が空気に放熱して凝縮する凝縮器(15)と、
    前記凝縮器で凝縮した前記作動流体が流下して前記蒸発器に至る液相配管(17)と、
    前記蒸発器に熱伝導可能に接触配置され、前記作動流体に熱を供給する第1熱供給部(18、54)および第2熱供給部(19、62)と、
    前記第1熱供給部から前記作動流体に供給される熱量を制御する制御部(30、53)とを備え、
    前記第1熱供給部の温度が前記作動流体の沸点よりも高く且つ前記第2熱供給部の温度が前記作動流体の沸点よりも低い場合、前記蒸発器において、前記第1熱供給部から供給される熱によって沸騰した前記作動流体が前記第2熱供給部に放熱して凝縮するように前記蒸発器、前記第1熱供給部および前記第2熱供給部が構成されているサーモサイフォン式暖房装置。
  2. 前記第2熱供給部の熱源(21、51)と、
    前記第2熱供給部と前記熱源との間の熱移動量を調整する調整部(22、24、61、64)とを備える請求項1に記載のサーモサイフォン式暖房装置。
  3. 前記第2熱供給部は、前記第1熱供給部よりも重力方向上方に位置している請求項1または2に記載のサーモサイフォン式暖房装置。
  4. 前記第1熱供給部および前記第2熱供給部は、前記蒸発器に対して互いに反対側に位置している請求項1ないし3のいずれか1つに記載のサーモサイフォン式暖房装置。
  5. 前記蒸発器に熱伝導可能に接触配置され、前記作動流体に熱を供給する第3熱供給部(40)を備え、
    前記蒸発器は、前記作動流体が互いに並列に流れる第1蒸発部(141)および第2蒸発部(142)を有しており、
    前記第1熱供給部および前記第2熱供給部は前記第1蒸発部に接触配置されており、
    前記第3熱供給部(40)は前記第2蒸発部に接触配置されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載のサーモサイフォン式暖房装置。
  6. 前記第1熱供給部および前記第2熱供給部は、前記蒸発器に対して着脱可能になっている請求項1ないし5のいずれか1つに記載のサーモサイフォン式暖房装置。
  7. 前記作動流体は暖房用作動流体であり、
    前記蒸発器は暖房用蒸発器(14)であり、
    前記凝縮器は暖房用凝縮器(15)であり、
    前記液相配管は暖房用液相配管(17)であり、
    前記気相配管は暖房用気相配管であり、
    さらに、気相の冷房用作動流体が放熱して凝縮する冷房用凝縮器(66)と、
    前記冷房用凝縮器で凝縮した液相の前記冷房用作動流体が流下する冷房用液相配管(68)と、
    前記冷房用液相配管を通過した前記冷房用作動流体が前記空気から吸熱して蒸発する冷房用蒸発器(65)と、
    前記冷房用蒸発器で蒸発した前記冷房用作動流体が上昇して前記冷房用凝縮器に至る冷房用気相配管(67)と、
    前記冷房用凝縮器に熱伝導可能に接触配置され、前記冷房用作動流体から吸熱する複数の吸熱部(70、71)とを備える請求項1ないし6のいずれか1つに記載のサーモサイフォン式暖房装置。
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