JP2019098790A - ステアリングナックル - Google Patents
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Abstract
【課題】ロアアームに連結される下アーム部の屈曲部分における強度を向上できるステアリングナックルを提供する。【解決手段】ステアリングナックル1は、車輪を支持する本体部10と、本体部10から下方に延設され、ロアアーム4に連結される下アーム部11とを備える。下アーム部11は、その先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部にロアアーム4が結合されるロアアーム取付部13を有する。そして、下アーム部11の屈曲部分12において、車幅方向外側に位置する外側部位12oのパーライト率が車幅方向内側に位置する内側部位12iのパーライト率よりも高く、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、ロアアームに連結される下アーム部を備えるステアリングナックルに関する。
自動車などの車両には、車輪を支持するステアリングナックルが設けられている。一般に、ステアリングナックルは、車輪を支持する本体部と、本体部から下方に延設され、ロアアームに連結される下アーム部とを備える。特許文献1には、下アーム部の先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部にロアアームが結合されるロアアーム取付部が設けられたステアリングナックルが開示されている。ロアアーム取付部にロアアームがボールジョイントにより結合され、下アーム部とロアアームとはボールジョイントを介して連結される。
ステアリングナックルは一般に、鋳鉄(例、球状黒鉛鋳鉄)で形成されている。特許文献2には、ステアリングナックルを所定の組成の鋳鋼で形成することで、強度と靭性を向上させる技術が開示されている。
ステアリングナックルの下アーム部のロアアーム取付部には、例えば車両走行中の縁石への衝突(接触)時など、ロアアームから車幅方向の外側に向けて荷重が主に入力される。その際、下アーム部の屈曲部分では、応力集中が生じ易く、強度上の弱点となり易い。したがって、下アーム部の屈曲部分において、ロアアーム取付部に入力される車幅方向外側への荷重に対する強度を改善することが望まれる。
本発明の目的の一つは、ロアアームに連結される下アーム部の屈曲部分における強度を向上できるステアリングナックルを提供することにある。
本発明者は、ロアアームに連結されるステアリングナックルの下アーム部について鋭意検討した結果、次のような知見を得た。図2に示すように、ロアアーム取付部13に車幅方向外側への荷重(図中矢印Fで示す)が入力された際、下アーム部11の屈曲部分12において、車幅方向内側に位置する内側部位12iには引張方向の応力が加わり、車幅方向外側に位置する外側部位12oには圧縮方向の応力が加わる。つまり、屈曲部分12の車幅方向の内側と外側とでは、異なる方向の応力を受けることになる。そして、屈曲部分12の内側部位12iでは、引張方向の応力を受けるため、破断の起点となるき裂が発生し易いことから、伸びが大きい方が望ましい。一方、屈曲部分12の外側部位12oでは、圧縮方向の応力を受けるため、き裂が発生し難いが、屈曲部分12の変形を抑制する観点から、伸びが小さく、降伏点が大きい方が望ましい。
本発明者は、下アーム部の屈曲部分において、車幅方向の内側と外側とで組織を変えることにより、屈曲部分の強度を改善できることを見出した。具体的には、内側部位のパーライト率が低く、外側部位のパーライト率が高くなるように傾斜組織とする(後述する図3を参照)。通常、鋳鉄では、パーライト率が低い組織は、降伏点が小さく、伸びが大きいのに対し、パーライト率が高い組織は、降伏点が大きく、伸びが小さい。上述したように、屈曲部分の内側部位では、引張応力を受けるため、パーライト率を低くして伸びを大きくすることにより、破断の起点となるき裂の発生を抑制できる。一方、屈曲部分の外側部位では、圧縮応力を受けるため、パーライト率を高くして降伏点を大きくすることにより、屈曲部分の変形を抑制できる。これにより、ロアアーム取付部に入力される車幅方向外側への荷重に対して、下アーム部の屈曲部分の破断や変形を抑制でき、屈曲部分の強度が向上する。
ところで、ステアリングナックルは、鋳鉄の溶湯を鋳型に注湯し、鋳型内で冷却して鋳造することで製造されている。従来の鋳造方法では、一般的に鋳型全体を均一的に冷却しており、鋳型の内面に接するステアリングナックルの表面側から冷却され、表面側は冷却速度が速く、中心側ほど冷却速度が遅くなる。そのため、冷却速度の差により、表面部ではパーライト率が低く、中心部ほどパーライト率が高い組織となる。図5は、従来のステアリングナックルに備わる下アーム部の屈曲部分における断面(図2のA−A断面)の組織を模式的に示したものである。図5において、左下がりの斜線のハッチングで示す部位、横線のハッチングで示す部位、右下がりの斜線のハッチングで示す部位、縦線のハッチングで示す部位の順にパーライト率が高いことを表している。従来のステアリングナックルの場合、下アーム部の屈曲部分において、図5に示すように、車幅方向の内側と外側とでは実質的に同じ組織となり、内側部位及び外側部位では中心部に比べてパーライト率が低い組織となる。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものである。以下、本発明について説明する。
(1)本発明の一態様に係るステアリングナックルは、
車輪を支持する本体部と、
前記本体部から下方に延設され、ロアアームに連結される下アーム部と、を備えるステアリングナックルであって、
前記下アーム部は、先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部に前記ロアアームが結合されるロアアーム取付部を有し、
前記下アーム部の屈曲部分において、車幅方向外側に位置する外側部位のパーライト率が車幅方向内側に位置する内側部位のパーライト率よりも高く、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する。
車輪を支持する本体部と、
前記本体部から下方に延設され、ロアアームに連結される下アーム部と、を備えるステアリングナックルであって、
前記下アーム部は、先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部に前記ロアアームが結合されるロアアーム取付部を有し、
前記下アーム部の屈曲部分において、車幅方向外側に位置する外側部位のパーライト率が車幅方向内側に位置する内側部位のパーライト率よりも高く、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する。
上記ステアリングナックルは、下アーム部の屈曲部分において、外側部位のパーライト率が内側部位のパーライト率よりも高く、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する。上記ステアリングナックルによれば、屈曲部分の内側部位のパーライト率が低く、伸びが大きいため、引張応力によるき裂の発生を抑制できる。また、屈曲部分の外側部位のパーライト率が高く、降伏点が大きいため、圧縮応力による変形を抑制できる。したがって、上記ステアリングナックルは、ロアアーム取付部に入力される車幅方向外側への荷重に対し、下アーム部の屈曲部分の破断や変形を抑制できる。よって、ロアアームに連結される下アーム部の屈曲部分における強度を向上できる。
本発明の実施形態に係るステアリングナックルを、図面を参照して説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」とは、車両の正面を「前」とし、これを基準とする方向を意味する。図中、矢印FRは車両前後方向の前側、矢印UPは車両上下方向の上側、矢印INは車幅方向の内側(中央側)、矢印OUTは外側を示す。
[実施形態1]
〔ステアリングナックル〕
図1〜図3を参照して、実施形態1に係るステアリングナックル1を説明する。ステアリングナックル1は、図1に示すように、車輪2を支持する本体部10と、本体部10から下方に延設され、ロアアーム4に連結される下アーム部11とを備える。下アーム部11は、その先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部にロアアーム4が結合されるロアアーム取付部13を有する(図2も参照)。その他、ステアリングナックル1には、ナックルアーム21と上アーム部31とを備える。ステアリングナックル1は、鋳鉄、具体的には球状黒鉛鋳鉄からなる鋳造品であり、本体部10、下アーム部11、ナックルアーム21及び上アーム部31が一体に形成されている。ステアリングナックル1の特徴の1つは、図2、図3に示すように、下アーム部11の屈曲部分12において、車幅方向外側に位置する外側部位12oのパーライト率が車幅方向内側に位置する内側部位12iのパーライト率よりも高く、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する点にある。図1は、左前輪を支持するステアリングナックル1を車両前方から見た状態を示している。以下、ステアリングナックル1の各部について主に図1を参照して説明し、その後、下アーム部11の屈曲部分12の組織について図2、図3を参照して詳しく説明する。
〔ステアリングナックル〕
図1〜図3を参照して、実施形態1に係るステアリングナックル1を説明する。ステアリングナックル1は、図1に示すように、車輪2を支持する本体部10と、本体部10から下方に延設され、ロアアーム4に連結される下アーム部11とを備える。下アーム部11は、その先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部にロアアーム4が結合されるロアアーム取付部13を有する(図2も参照)。その他、ステアリングナックル1には、ナックルアーム21と上アーム部31とを備える。ステアリングナックル1は、鋳鉄、具体的には球状黒鉛鋳鉄からなる鋳造品であり、本体部10、下アーム部11、ナックルアーム21及び上アーム部31が一体に形成されている。ステアリングナックル1の特徴の1つは、図2、図3に示すように、下アーム部11の屈曲部分12において、車幅方向外側に位置する外側部位12oのパーライト率が車幅方向内側に位置する内側部位12iのパーライト率よりも高く、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する点にある。図1は、左前輪を支持するステアリングナックル1を車両前方から見た状態を示している。以下、ステアリングナックル1の各部について主に図1を参照して説明し、その後、下アーム部11の屈曲部分12の組織について図2、図3を参照して詳しく説明する。
(本体部)
本体部10は、車幅方向に貫通する支持孔が形成されており、この支持孔にベアリング(図示せず)を介して車軸3が挿入され、車軸3に固定された車輪2を回転自在に支持する。車輪2には、タイヤ2tが組み付けられる。
本体部10は、車幅方向に貫通する支持孔が形成されており、この支持孔にベアリング(図示せず)を介して車軸3が挿入され、車軸3に固定された車輪2を回転自在に支持する。車輪2には、タイヤ2tが組み付けられる。
(下アーム部)
下アーム部11は、本体部10から下方に延設され、ロアアーム4に連結される。下アーム部11の先端部(下端部)は、車幅方向内側に向けて屈曲する屈曲部分12が形成され、その先端部にロアアーム4が結合されるロアアーム取付部13が設けられている。ロアアーム取付部13にロアアーム4がボールジョイント15により結合され、下アーム部11とロアアーム4とはボールジョイント15を介して連結されている。下アーム部11(屈曲部分12を含む)の断面(下アーム部11の長手方向に直交する断面)の面積は、例えば400mm2以上700mm2以下である。
下アーム部11は、本体部10から下方に延設され、ロアアーム4に連結される。下アーム部11の先端部(下端部)は、車幅方向内側に向けて屈曲する屈曲部分12が形成され、その先端部にロアアーム4が結合されるロアアーム取付部13が設けられている。ロアアーム取付部13にロアアーム4がボールジョイント15により結合され、下アーム部11とロアアーム4とはボールジョイント15を介して連結されている。下アーム部11(屈曲部分12を含む)の断面(下アーム部11の長手方向に直交する断面)の面積は、例えば400mm2以上700mm2以下である。
下アーム部11のロアアーム取付部13には、例えば車両走行中の縁石への衝突(接触)時など、図2に示すように、ロアアーム4から車幅方向の外側に向けて荷重(図中矢印Fで示す)が入力される。その際、屈曲部分12において、車幅方向内側に位置する内側部位12iでは引張応力が生じ、車幅方向外側に位置する外側部位12oでは圧縮応力が生じる。
(ナックルアーム)
ナックルアーム21は、本体部10から前方に延設され、タイロッド5に連結される。ナックルアーム21の先端部(前端部)には、タイロッド5が結合されるタイロッド取付部23が設けられており、ボールジョイント25によりタイロッド5が結合されている。
ナックルアーム21は、本体部10から前方に延設され、タイロッド5に連結される。ナックルアーム21の先端部(前端部)には、タイロッド5が結合されるタイロッド取付部23が設けられており、ボールジョイント25によりタイロッド5が結合されている。
(上アーム部)
上アーム部31は、本体部10から上方に延設され、ストラット式サスペンション6のショックアブソーバー6aに連結される。上アーム部31の先端部(上端部)には、ショックアブソーバー6aが結合されるストラット取付部33が設けられており、ボルト35によりショックアブソーバー6aが結合されている。
上アーム部31は、本体部10から上方に延設され、ストラット式サスペンション6のショックアブソーバー6aに連結される。上アーム部31の先端部(上端部)には、ショックアブソーバー6aが結合されるストラット取付部33が設けられており、ボルト35によりショックアブソーバー6aが結合されている。
(下アーム部の屈曲部分の組織)
下アーム部11の屈曲部分12の組織について、図3を参照して説明する。図3は、図2に示す屈曲部分12のA−A断面(下アーム部11の長手方向に直交する断面)の組織を模式的に示している。図3において、左下がりの斜線のハッチングで示す部位、横線のハッチングで示す部位、右下がりの斜線のハッチングで示す部位、縦線のハッチングで示す部位の順にパーライト率が高いことを表している。本実施形態では、下アーム部11の屈曲部分12において、図3に示すように、車幅方向の内側と外側とで組織が異なっている。具体的には、パーライト率が車幅方向の内側よりも外側の方が高くなるように変化しており、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する。つまり、図2に示す外側部位12oのパーライト率が内側部位12iのパーライト率がよりも高くなっている。そのため、屈曲部分12のうち、内側部位12iでは伸びが大きいのに対し、外側部位12oでは降伏点が大きい。外側部位12oパーライト率は、組成や鋳造条件などにもよるが、例えば、内側部位12iのパーライト率の1.5倍以上、更に2倍以上であることが挙げられる。
下アーム部11の屈曲部分12の組織について、図3を参照して説明する。図3は、図2に示す屈曲部分12のA−A断面(下アーム部11の長手方向に直交する断面)の組織を模式的に示している。図3において、左下がりの斜線のハッチングで示す部位、横線のハッチングで示す部位、右下がりの斜線のハッチングで示す部位、縦線のハッチングで示す部位の順にパーライト率が高いことを表している。本実施形態では、下アーム部11の屈曲部分12において、図3に示すように、車幅方向の内側と外側とで組織が異なっている。具体的には、パーライト率が車幅方向の内側よりも外側の方が高くなるように変化しており、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する。つまり、図2に示す外側部位12oのパーライト率が内側部位12iのパーライト率がよりも高くなっている。そのため、屈曲部分12のうち、内側部位12iでは伸びが大きいのに対し、外側部位12oでは降伏点が大きい。外側部位12oパーライト率は、組成や鋳造条件などにもよるが、例えば、内側部位12iのパーライト率の1.5倍以上、更に2倍以上であることが挙げられる。
「パーライト率」とは、断面における単位面積あたりに占めるパーライト組織の面積割合のことをいう。パーライト率は、断面の組織を金属顕微鏡などで観察して、画像解析により、観察視野中のパーライト組織の面積を計測し、黒鉛を除いた組織の面積を100%として、パーライト組織が占める面積割合を算出することによって測定することができる。本例では、屈曲部分の曲げの径方向に沿った断面をとり、屈曲部分の断面の中心(重心)を通り径方向に沿う直線上の複数箇所(例えば4箇所以上)を観察して、それぞれのパーライト率を測定することにより、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率を求める。測定条件としては、例えば、倍率:50倍以上、視野サイズ:500μm×500μm以上とすることが挙げられる。パーライト以外の組織としては、主にフェライト組織が挙げられる。
ステアリングナックル1の組成は、公知の鋳鉄(例えば球状黒鉛鋳鉄)の組成を採用でき、C、Si、Mn、P、Sを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成とすることが挙げられる。その他、例えばMg、Cu、Crなどの元素を添加してもよい。
ステアリングナックル1は、鋳鉄の溶湯を鋳型に注湯し、鋳型内で冷却して鋳造することで製造されている。図3に示す下アーム部11の屈曲部分12の断面組織は、鋳造時、下アーム部11の屈曲部分12において、車幅方向外側に位置する外側部位12o(図2参照)の冷却速度を車幅方向内側に位置する内側部位12i(図2参照)の冷却速度よりも遅くすることで得られる。外側部位12oの冷却速度を内側部位12iよりも遅くすることで、外側部位12oのパーライト率を内側部位12iよりも高くすることができる。これは、冷却速度が速いとパーライトが生成され難く、冷却速度が遅いほどパーライトが生成されるからである。
外側部位12oの冷却速度を内側部位12iの冷却速度よりも遅くする方法としては、鋳型を温度制御することが挙げられる。例えば、鋳型における下アーム部11の屈曲部分12に対応する箇所において、内側部位12i側を急冷する冷却機構及び外側部位12o側を徐冷する加熱機構のうち、少なくとも一方を設けることが挙げられる。鋳型の構成の一例としては、図4(A)に示すように、鋳型40において、下アーム部11の屈曲部分12に対応する箇所のうち、内側部位12i側に冷却機構として冷却水配管41を配設することが挙げられる。或いは、外側部位12o側に加熱機構としてヒータ(図示せず)を埋設することが挙げられる。冷却機構としては、内側部位12i側の鋳型40の外周面に放熱フィン(図示せず)を設け、放熱フィンに風を当てて内側部位12i側の冷却速度を速くしてもよい。外側部位12o側にも冷却水配管を設けてもよく、この場合、外側部位12o側の冷却水配管の本数や流路断面積を内側部位12i側よりも減らしたり、外側部位12o側の冷却水配管に流れる冷却水の温度を内側部位12i側よりも高くすることが挙げられる。
また、別の一例としては、図4(B)に示すように、外側部位12o側に押し湯42を設け、押し湯42により外側部位12oの冷却速度を遅くしてもよい。
<作用効果>
上述した実施形態1のステアリングナックル1は、次の作用効果を奏する。
ロアアーム4に連結される下アーム部11の屈曲部分12において、外側部位12oのパーライト率が内側部位12iのパーライト率よりも高く、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する。よって、屈曲部分12の内側部位12iのパーライト率が低く、伸びが大きいのに対し、外側部位12oのパーライト率が高く、降伏点が大きい。そのため、ロアアーム4からロアアーム取付部13に車幅方向外側への荷重が入力された際、引張応力を受ける内側部位12iでは、伸びが大きいので、引張応力によるき裂の発生を抑制できる。一方、圧縮応力を受ける外側部位12oでは、降伏点が大きいので、圧縮応力による変形を抑制できる。したがって、ロアアーム取付部13に入力される車幅方向外側への荷重に対して、下アーム部11の屈曲部分12の破断や変形を抑制でき、屈曲部分12の強度を向上できる。
上述した実施形態1のステアリングナックル1は、次の作用効果を奏する。
ロアアーム4に連結される下アーム部11の屈曲部分12において、外側部位12oのパーライト率が内側部位12iのパーライト率よりも高く、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を有する。よって、屈曲部分12の内側部位12iのパーライト率が低く、伸びが大きいのに対し、外側部位12oのパーライト率が高く、降伏点が大きい。そのため、ロアアーム4からロアアーム取付部13に車幅方向外側への荷重が入力された際、引張応力を受ける内側部位12iでは、伸びが大きいので、引張応力によるき裂の発生を抑制できる。一方、圧縮応力を受ける外側部位12oでは、降伏点が大きいので、圧縮応力による変形を抑制できる。したがって、ロアアーム取付部13に入力される車幅方向外側への荷重に対して、下アーム部11の屈曲部分12の破断や変形を抑制でき、屈曲部分12の強度を向上できる。
以上説明した本発明の実施形態に関連して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
鋳鉄の溶湯を鋳型に注湯し、鋳型内で冷却して鋳造するステアリングナックルの製造方法であって、
前記ステアリングナックルは、
車輪を支持する本体部と、前記本体部から下方に延設され、ロアアームに連結される下アーム部とを備え、
前記下アーム部の先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部に前記ロアアームが結合されるロアアーム取付部を有しており、
前記下アーム部の屈曲部分において、車幅方向外側に位置する外側部位の冷却速度を車幅方向内側に位置する内側部位の冷却速度よりも遅くして鋳造する工程を備えるステアリングナックルの製造方法。
鋳鉄の溶湯を鋳型に注湯し、鋳型内で冷却して鋳造するステアリングナックルの製造方法であって、
前記ステアリングナックルは、
車輪を支持する本体部と、前記本体部から下方に延設され、ロアアームに連結される下アーム部とを備え、
前記下アーム部の先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部に前記ロアアームが結合されるロアアーム取付部を有しており、
前記下アーム部の屈曲部分において、車幅方向外側に位置する外側部位の冷却速度を車幅方向内側に位置する内側部位の冷却速度よりも遅くして鋳造する工程を備えるステアリングナックルの製造方法。
付記1のステアリングナックルの製造方法によれば、下アーム部の屈曲部分において、外側部位の冷却速度を内側部位の冷却速度よりも遅くすることで、外側部位のパーライト率を内側部位のパーライト率よりも高くして、車幅方向内側から外側にかけてパーライト率が増加する傾斜組織を形成できる。屈曲部分の内側部位のパーライト率を低くして伸びを大きくすることにより、引張応力によるき裂の発生を抑制できる。また、屈曲部分の外側部位のパーライト率を高くして降伏点を大きくすることにより、圧縮応力による変形を抑制できる。よって、ロアアーム取付部に入力される車幅方向外側への荷重に対して、下アーム部の屈曲部分の破断や変形を抑制できる。したがって、上記ステアリングナックルの製造方法は、ロアアームに連結される下アーム部の屈曲部分における強度を向上できる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のステアリングナックルは、乗用車や貨物車などの自動車に利用可能である。
1 ステアリングナックル
2 車輪
2t タイヤ
3 車軸
4 ロアアーム
5 タイロッド
6 サスペンション
6a ショックアブソーバー
10 本体部
11 下アーム部
12 屈曲部分
12i 内側部位
12o 外側部位
13 ロアアーム取付部
15 ボールジョイント
21 ナックルアーム
23 タイロッド取付部
25 ボールジョイント
31 上アーム部
33 ストラット取付部
35 ボルト
40 鋳型
41 冷却水配管
42 押し湯
2 車輪
2t タイヤ
3 車軸
4 ロアアーム
5 タイロッド
6 サスペンション
6a ショックアブソーバー
10 本体部
11 下アーム部
12 屈曲部分
12i 内側部位
12o 外側部位
13 ロアアーム取付部
15 ボールジョイント
21 ナックルアーム
23 タイロッド取付部
25 ボールジョイント
31 上アーム部
33 ストラット取付部
35 ボルト
40 鋳型
41 冷却水配管
42 押し湯
Claims (1)
- 車輪を支持する本体部と、
前記本体部から下方に延設され、ロアアームに連結される下アーム部と、を備えるステアリングナックルであって、
前記下アーム部は、先端部が車幅方向内側に向けて屈曲し、その先端部に前記ロアアームが結合されるロアアーム取付部を有し、
前記下アーム部の屈曲部分において、車幅方向外側に位置する外側部位のパーライト率が車幅方向内側に位置する内側部位のパーライト率よりも高く、車幅方向外側から内側にかけてパーライト率が減少する傾斜組織を有するステアリングナックル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017228402A JP2019098790A (ja) | 2017-11-28 | 2017-11-28 | ステアリングナックル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017228402A JP2019098790A (ja) | 2017-11-28 | 2017-11-28 | ステアリングナックル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019098790A true JP2019098790A (ja) | 2019-06-24 |
Family
ID=66975294
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2017228402A Pending JP2019098790A (ja) | 2017-11-28 | 2017-11-28 | ステアリングナックル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2019098790A (ja) |
-
2017
- 2017-11-28 JP JP2017228402A patent/JP2019098790A/ja active Pending
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