以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図6から図10を参照しながら、本発明の実施形態に係るエクステンション用まつげ(以下、「エクステンション」または「まつげエクステンション(マツエク)」と称する。)100について説明する。図6は、本実施形態のまつげエクステンション100の構成を示す斜視図である。図7および図8は、それぞれ、まつげエクステンション100の構成を示す側面図および上面図である。図9は、まつげエクステンション100の末端端面15a(またはその付近の部位)の構成を示す断面図である。なお、図10は、本実施形態の構造がわかりやすいように、本実施形態のまつげエクステ100の上面側(または下面側)を表にしたもの(100a)と、まつげエクステ100の側面側を表にしたもの(100b)とを重ねて配置したものを示している。
本実施形態のまつげエクステンション100は、先端部11と末端部15とを有する人工まつげ本体部10を備えている。先端部11は尖っている方の部位であるが、必ずしも尖らせる必要はなく、先端をカットしたような形状でもよい。末端部(根本部)15は接着剤(グルー)が付与される部位であり、その人工まつげ本体部10の端面15aの近傍に位置する部位である。人工まつげ本体部10は、まつげ型の形状を有しており、そして、人工まつげ本体部10には、まつげ50に取り付けた時に自然な角度になるようなカーブ(湾曲部10c)が形成されている。本実施形態の人工まつげ本体部10は、樹脂12から構成されている。
本実施形態の人工まつげ本体部10の断面形状は扁平形状を有しており、図9に示すように、扁平形状の幅(W)に対して厚さ(T)が半分以下の寸法である。本実施形態の人工まつげ本体部10の断面は、図1に示したまつげエクステンション1000の円形(略円形)の形状のもよりも、顕著に平べったくなっている。本実施形態の例では、人工まつげ本体部10の断面には、溝、山・谷のような凹凸は形成されておらず、人工まつげ本体部10の断面は、なめらかな面からなる形状となっている。
本実施形態の構成において、扁平形状の厚さ(T)を規定する上面10a−1(第1表面10a)と下面10a−2(第2表面10a)とは、実質的に平行な面となっている。なお、人工まつげ本体部10は全体的に湾曲しているので、上面10a−1と下面10a−2は水平面に延びる平行面というわけではなく、互いに相対的に平行な面(略平行面)となっているものである。図示した例では、上面10a−1と下面10a−2は、ほぼ平坦な面として延びている。本実施形態の人工まつげ本体部10が直線状の場合は、上面10a−1(第1表面10a)と下面10a−2(第2表面10a)は平面であり、そして、互いに平行面である。上面10a−1(第1表面10a)と下面10a−2(第2表面10a)は平面(または略平面)の場合、平面であるので接着剤がより載りやすく、接着が容易になるという利点とともに、人工まつげ本体部10の整列作業が容易になるという利点がある。
また、扁平形状の幅(W)を規定する第1側面10b−1(右面10b)と第2側面10b−2(左面10b)とは、実質的に対称形になるように構成されている。図示した例では、第1側面10b−1および第2側面10b−2は、円形の外縁の一部(円弧)であるが、他の形状にすることも可能である。また、第1側面10b−1および第2側面10b−2を実質的に平面(断面で略直線)にしてもよいし、第1側面10b−1および第2側面10b−2を非対称の構造のものにすることも可能である。第1側面10b−1および第2側面10b−2は、円形の外縁の一部(または、曲線形状)である場合は、直線(平面の側面)の場合と比較して、人工まつげ本体部10(まつげエクステ100)が少し横にずれても、当該曲線形状(曲面の側面)によって接着を保持できるメリットがあり、本来はそのような側面での接着は好ましくないが、まつげエクステ施術の技術が未熟な作業者にとっては精神的な負担を軽減させることができる。本実施形態の幅(W)は、図9に示すように、第1側面10b−1および第2側面10b−2の間の距離が長いところの寸法(または、人工まつげ本体部10の径)のことを意味している。
本実施形態のまつげエクステンション100では、扁平形状の幅(W)を100単位としたときの厚さ(T)は例えば50単位以下、典型的には40単位以下である。図示した例では、幅(W)0.2mm、厚さ(T)0.07mmの構成例を模式的に示しており、その場合は、扁平形状の幅(W)を100単位としたときの厚さ(T)は35単位になるが、それ未満の扁平形状(例えば、30単位以下、25単位以下)にすることも可能である。なお、扁平形状の幅(W)に対して厚さ(T)が半分以下の寸法であれば、絶対的な寸法(mm)も含めて、他の割合にすることも可能である。まつげエクステンション100は、先端部11にしたがって細くなるものが多いので、末端部15(または、端面15a)の寸法を基準にして決めることが望ましい
さらに説明すると、図示した人工まつげ本体部10の末端部15の幅W(または、円形と仮定したときの直径)は、先端部11の幅W(直径)よりも太い。ただし、人工まつげ本体部10の幅Wを一定(または、実質的に一体)な構造にすることもできる。人工まつげ本体部10は、かるく湾曲しており、先端部11のトップは尖っている。言い換えると、人工まつげ本体部10の末端部15の厚さTは、先端部11の幅Tよりも太い。ただし、先端部11のトップ(先端)を尖らせないようにしなくても構わない。本実施形態の人工まつげ本体部10の長さは、例えば5mm〜20mmであり、末端部15の端面15aの幅Wは例えば0.07mm〜1.0mmにすることができる。末端部15の端面15aの厚さTは、端面15aの幅Wの半分以下の寸法(一例では、0.1mm、又は、それ以上)である。
本実施形態の人工まつげ本体部10は、樹脂12から構成されている。言い換えると、人工まつげ本体部10は、化学繊維からなり、樹脂材料から構成されている。本実施形態の人工まつげ本体部10を構成する樹脂は、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、アクリル、塩化ビニル、ナイロンから構成されている。この例の人工まつげ本体部10は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されている。本実施形態の人工まつげ本体部10は、95%以上(質量%)のポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されている。
なお、人工まつげ本体部10は、黒色の他、着色された材料から構成されていてもよい。人工まつげ本体部10は、例えば、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイト、イエローなどの色にすることができ、それによって、カラーエクステンションを実現することが可能である。
本実施形態のまつげエクステンション100によれば、人工まつげ本体部10の断面形状は扁平形状であるので、まつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)の重さ(質量)を軽く(例えば、半分以下に)することができる。したがって、装着の快適性を向上させることができる。さらには、人工まつげ本体部に穴を空けたり溝を付けたりして重さを軽くしたものと比較して、本実施形態のまつげエクステンション100には、軽いとともに、柔らかいという利点もある。すなわち、円形(略円形)のまつげエクステンションの場合よりも、本実施形態のまつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)の方が、薄い部位があることにより、曲がりやすくなり、それが快適性を向上させる。いままでは、柔らかいまつげエクステンションを設計しようとしても、材料の変更・製法の見直しくらいしか実行することができず、製品レベルで良好と言えるような柔らかいまつげエクステンションを構築することは難しかったが、本実施形態の構成によれば、柔らかい(且つ軽い)まつげエクステンション100を実現することができる。すなわち、本実施形態の構成によれば、軽くて柔らかい毛(人工毛、まつげエクステンション)を実現することができる。
図11は、本実施形態のまつげエクステンション100を、使用者(装着者)55のまつげ50に取り付けた様子を示す図である。本実施形態のまつげエクステンション100は、使用者55のまつげ50の長さを延長する人工まつげであり、接着剤(グルー)20によってまつげ50に固定される。図11に示すように、本実施形態のまつげエクステンション100では、人工まつげ本体部10の末端部15のうち、扁平形状における幅広面(10a)の側をまつげ55に接触させて固定させる。これは、人工まつげ本体部10の幅狭面(10b)側をまつげ55に接触させると、接触面積が小さくて、まつげエクステンション100が取れやすくなるからである。
本実施形態のまつげエクステンション100は接着剤(グルー)20によって地まつげ50に接着しているが、持続力を低下させる要因として、次のような力が加わる。まず、まつげエクステンション100(および地まつげ50)の根本に加わる力500(及び501)である。この根本に加わる力500は、目を閉じて擦ったりする際に生じて、この部分に剥がす力(501)が強くかかるために、持続力の低下の要因となる。接着剤20は剥離の力(501)と衝撃(500)に弱いため、この力(500、501)によって、まつげエクステンション100の持続力は低下する。厚みがあるまつげエクステンションほど、持続力は低下しやすいので、本実施形態の扁平まつげエクステンション100の場合、厚みがある円形のまつげエクステンションよりも、この力500の影響を低下させることができるが、本実施形態の扁平まつげエクステンション100でもこの力500は持続力低下の要因である。
次に、丸めるように剥がす力550も、持続力を低下させる要因となる。この丸めるように剥がす力550は、毛先の接着部の隙間(まつげエクステンション100と地まつげ50との間の隙間)に加わる力であり、太くて硬いまつげエクステンション(そして、地まつげ)ほど、グルー20を剥がそうとする力は強くなる。本実施形態の扁平まつげエクステンション100の場合、厚みがある円形のまつげエクステンションよりも薄くて軟らかいので、この力550の影響を低下させることができるが、本実施形態の扁平まつげエクステンション100でもこの力550は持続力低下の要因である。また、地まつげ50にぴったりフィットさせるほど、この力550はかかりにくくなる。
ここで、接着強さと応力の掛かり方について説明する。図12(a)から(d)は、4つの応力を説明しており、外部応力の種類によって接着強度が異なることを説明するための図である。
図12(a)は、第1部材601と第2部材602との間に働く引張の応力600を示している。第1部材601と第2部材602との接触面に接着剤が塗布されており、この場合の接着力は、約1000(相対値)である。また、図12(b)は、第1部材611と第2部材612との間に働く引張剪断の応力610を示している。第1部材611と第2部材612との接触面に接着剤が塗布されており、この場合の接着力は、応力600を1000とした時、約400(相対値)である。まつげエクステンションの場合、指によって、この引張剪断の応力610が加わる。
図12(c)は、第1部材621と第2部材622との間に働く割裂の応力620を示している。第1部材621と第2部材622との接触面に接着剤が塗布されており、この場合の接着力は、約100(相対値)である。そして、図12(d)は、第1部材631と第2部材632との間に働く剥離の応力630を示している。第1部材631と第2部材632との接触面に接着剤が塗布されており、この場合の接着力は、約1〜25(相対値)である。まつげエクステンションの場合、大半は、この剥離の力によって外れてしまうものである。なお、この接着力は、まつげエクステンション用グルーの概算理論値から推定算出したものである。
本願発明者は、扁平のまつげエクステンション100を用いながら、さらに、持続力を向上させる手法を検討した結果、2本の扁平まつげエクステンション100を上下から、地まつげ50を挟む取り付け方法(サンドイッチ方式)を創作した。扁平まつげエクステンション100の場合、円形のまつげエクステンションと比較して厚さが薄いので、地まつげ50を上下に挟み込んでも、それほど違和感を与えない。そして、2本の扁平まつげエクステンション100を地まつげ50に接着させることにより、グルー20による接着面が増えて、持続力を向上させることができる。また、1本の地まつげ50の上下に、2本の扁平まつげエクステンション100が装着されることにより、いずれかが外れても片方が残るので、装着後の見た目がきれいな期間を増加させることができる。
図13は、本実施形態におけるサンドイッチ方式のまつげエクステンション構造体100Wの構成を示す模式図(斜視図)である。また、図14は、まつげエクステンション構造体100Wの構成を示す側面図である。なお、理解のしやすさを優先させて、図13の構造(斜視図)と図14の構造(側面図)との間の対応(形状、寸法など)は一致させていない。
本実施形態のまつげエクステンション構造体100Wは、地まつげ50の上下に、扁平まつげエクステンション100Aおよび100Bが装着された構造をしている。扁平まつげエクステンション100Aは、地まつげ50の上側にグルー20によって接着され、一方、扁平まつげエクステンション100Bは、地まつげ50の下側にグルー20によって接着されている。ここで、「上側」および「下側」は、使用者が直立して眼球が水平方向91に向いたときの鉛直方向90に沿った方向を意味しており、使用者が寝ている時(または、斜めになっている時)はそれにあわせて変わるものである。
なお、本実施形態の構成では、地まつげ50の上下に、扁平まつげエクステンション100Aおよび100Bに装着しており、地まつげ50の側面には装着していない。なお、地まつげ50の側面に装着することを禁止するものではないが、地まつげ50の上下に装着することが好ましい。また、地まつげ50の上下方向において同じ部位に(同じ部位の上下面に)、扁平まつげエクステンション100Aおよび100Bの末端部(根本部)15を装着するようにしている。異なる部位に装着することも可能であるが、グルー20の接着の容易性および接着強度(および、見栄え)を考慮すると、地まつげ50の上下方向において同じ部位に装着することが好ましい。図13及び図14に示した例では、地まつげ50の直上方向において扁平まつげエクステンション100Aが位置しており、そして、地まつげ50の直下方向において扁平まつげエクステンション100Bが位置している。ただし、作業者の手でまつげエクステンション100A・100Bを取り付けるので、それらの位置が若干ずれることもある。
図示した例では、地まつげ(人間のまつげ)50の太さは0.05mm前後であり、扁平まつげエクステンション100の厚さは0.1mm以上のものを用いている。図1に示したような丸形のまつげエクステンション1000の場合、根本部115の厚みが多いので、剥離の応力に弱いグルーによる装着は、指やタオルなどの引っかかりによって外れることが多かった。また、引っかかりの少ない根本部115の細いまつげエクステンション1000を使用すると、接着面が減って持続力が低下したり、見た目のボリューム感がでないという問題が生じる。本実施形態の扁平まつげエクステンション100を用いたまつげエクステンション構造体100Wの場合、扁平まつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)の根本部15の厚さが薄く、また、人工まつげ本体部10も(丸形と比較して)軟らかいので、まつげエクステンション100に加わる力(図11中の500及び550)に対して持続力の低下を抑制することができる。そして、それに加えて、サンドイッチ構造をしているので、図11に示した構造と比較して、根本部15におけるグルー20の接着面積が大きくなっていることにより、グルー20の接着力が大きくなっている。さらには、下側の扁平まつげエクステンション100Bが装着されていることにより、図11に示した丸めるように剥がす力550は、直接、上側の扁平まつげエクステンション100Aに加わるのではなく、下側の扁平まつげエクステンション100Bに加わるので、下側の扁平まつげエクステンション100Bを地まつげ50の方に圧縮するように働く。したがって、本実施形態のまつげエクステンション構造体100Wは、図11に示した構造よりも接着強度・持続力は大きくなる。
また、図13に示した扁平まつげエクステンション100A・Bによるまつげエクステンション構造体100Cは、先端部(毛先)11が分かれるようにして装着されているので、ボリューム感が良好に出ている。特に、地まつげ50の本数が少ない人でも、多くのまつげエクステンション100(A・B)を装着することができ、ボリューム感を大幅に増大させることができる。
さらに、本実施形態の構成(100W)によれば、接着力・持続力が向上しているので、接着力が(高刺激タイプものよりも)弱い低刺激タイプのグルー20を使用しても、長期間の持続力を発揮させることができる。丸形のまつげエクステンション1000で片側の接着の場合、20日から30日経つと、半分以下になってしまっていたが、本実施形態の構成では、30日から40日(またはそれ以上)に持続力を伸ばすことができる。
本実施形態のまつげエクステンション構造体100Wは、図15に示すように改変することができる。図15に示したまつげエクステンション構造体100Wにおいては、扁平まつげエクステンション100A・100Bの互いの先端部11が閉じるように(または、互いにくっつくように)構成されている。図示した構成によれば、地まつげ50よりも強い(または弱い)カール10cをかけた扁平まつげエクステンション100A・100Bによって地まつげ50を挟むことで、地まつげ50にパーマをかけなくても、地まつげ50のカールを強く(または弱く)することができる。すなわち、地まつげ50にパーマをかけなくても、所望のカール10cを有する扁平まつげエクステンション100A・100Bを選択して、地まつげ50の上下に装着することによって、地まつげ50のカールを調整することができる。
加えて、図15に構造100Wの場合、扁平まつげエクステンション100A・100Bと地まつげ50との間の隙間が少ない(または実質的にない)ので、図11に示した丸めるように剥がす力550に対抗する接着力が強くなり、持続力が向上する。また、短い地まつげ50を長くしたい場合、接着面を得ることが難しく、それゆえに、持続力が低下しがちであるが、この構造では、地まつげ50をほぼ(又は完全に)覆うように扁平まつげエクステンション100A・100Bを装着するので、短い地まつげ50であっても、持続力を長させることができる。
なお、図13(図14)および図15に示したまつげエクステンション構造体100Wにおいて、上下の扁平まつげエクステンション100A・100Bは、同じ長さのものであってもよいし異なる長さのものであってもよい。そして、上下の扁平まつげエクステンション100A・100Bは、同じカール(10c)のものであってもよいし異なるカール(10c)のものであってもよい。さらには、上下の扁平まつげエクステンション100A・100Bは、同じ性質(太さ・材質・色・特性など)のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
図16は、まつげエクステンション構造体100Wの更なる改変例を示している。図16に示したまつげエクステンション構造体100Wでは、上側の扁平まつげエクステンション100A(ここでは、100A1または100A2)には強いカール(10c)のものを使用している。そして、下側の上側の扁平まつげエクステンション100Aには弱いカール(10c)のものを使用している。このように、上下の扁平まつげエクステンション100A・100Bのカール(10c)を変更することで、見た目の印象を大きく変えることができる。
また、図16に示したよう、上側の扁平まつげエクステンション100Aを、複数段((ここでは、100A1または100A2の二段)にしても構わない。二段(複数段)にすると、よりボリューム感がでて、華やかな感じの印象を与えることができる。なお、所望される使用者がいれば、下側の扁平まつげエクステンション100Bを、複数段(例えば、二段)にすることも可能である。
さらに、本実施形態のまつげエクステンション構造体100Wは、図17Aおよび図17Bに示すように改変してもよい。図17Aおよび図17Bは、本実施形態におけるサンドイッチ方式のまつげエクステンション構造体100Wの改変例を示す模式図(斜視図)、および、上面図である。なお、理解のしやすさを優先させて、図17Aの構造(斜視図)と図17Bの構造(上面図)との間の対応(形状、寸法など)は完全に一致させているものではない。
図17Aおよび図17Bに示したまつげエクステンション構造体100Wでは、地まつげ50に装着する扁平まつげエクステンション100A・100Bの先端部(毛先)11を、地まつげ50の先端51(または、延長方向)からずらすように配置している。そして、上側の扁平まつげエクステンション100Aと、下側の扁平まつげエクステンション100Bとを、左右同じ側でないようにしている。図示した例では、上側の扁平まつげエクステンション100Aは左側に延び、下側の扁平まつげエクステンション100Bは右側に延びるようにグルー20で接着している。このようにすることにより、1本の地まつげ50において、毛先が複数本に見えることで、見た目の印象を変えることができる。
図18Aおよび図18Bに示したまつげエクステンション構造体100Wは、図17Aおよび図17Bの構造の改変例である。当該図18Aおよび図18Bに示したまつげエクステンション構造体100Wでは、上側の扁平まつげエクステンション100Aと、下側の扁平まつげエクステンション100Bとを異なるものを使用している。図示した例では、下側の扁平まつげエクステンション100Bとして、短い人工まつげ本体部10のもの(100S)を用いる。なお、変更するのは、長さだけでなく、太さやカールであってもよい。また、上側・下側の扁平まつげエクステンションのどちらを変更するかも、使用者(55)の要望に応じて決定したらよい。
また、図19に示した改変例100Wでは、上側の扁平まつげエクステンション100Aの上に、色の異なる扁平まつげエクステンション100Cを積層したものである。さらに、図20に示した改変例100Wでは、下側の扁平まつげエクステンション100Bを、短いもの(100S)に変更したものである。このように、種々のバリエーションのものを構築することができ、本実施形態のまつげエクステンション構造体100Wによれば、使用者(55)の要望に応じて、様々な印象のまつげエクステンションの装飾を実行することができる。
本実施形態のまつげエクステンション構造体100Wの場合、グルー(接着材)20は、人工まつげ本体部10(主に、PBT製の繊維)に対して濡れ性が悪く、そして、弾きやすいことが多い。したがって、図21に示すように、上側の扁平まつげエクステンション100Aの下面10a(図9中の「10a−2」)と地まつげ50の接触面と、下側の扁平まつげエクステンション100Bの上面10a(図9中の「10a−1」)と地まつげ50の接触面との間を覆うとともに、それらの側面10b(図9中の「10b−1」、「10b−2」)も覆うようにグルー20を塗布することが好ましい。
図22に示したまつげエクステンション構造体100Wにおける根本部15領域の断面図(模式図)である。図22に示した例では、扁平まつげエクステンション100A・100Bの接触面(幅広面10a)と側面10bとともに、反対側の幅広面10aも含めて全体を覆うようにグルー20が形成されている。もちろん、このように全体を覆う形態でグルー20を付与(そして硬化)させなくても、地まつげ50との接触面を中心にグルー20を付与することができるが、より持続力を大きくするには、図22に示すように全体をグルー20で覆うような固定の仕方を選択することができる。
図23は、上まつげ50のそれぞれに、まつげエクステンション構造体100Wを形成した様子を示している。図23に示すように、数多くのエクステンション100が上まつげ50に取り付けられている。このような状態でまつげエクステ100がなるべく長時間まつげ50に付いていることが、使用者(ユーザ)55によって好ましい。そして、本実施形態の扁平まつげエクステンション100(100A、100B、または、100S、100C)を用いたまつげエクステンション構造体100Wによって、長い期間の持続力を発揮するものを提供することができる。
本実施形態のまつげエクステンション100の取付け方法(または、まつげエクステンション構造体100Wの製造方法)によれば、まつげエクステンション100(100A、100B)を構成する人工まつげ本体部10の断面形状が扁平形状を有し、その扁平形状を有する人工まつげ本体部10を、地まつげ50の上側および下側の両方に接着させる。したがって、人工まつげ本体部10が扁平形状を有していることにより、まつげエクステンション100(100A、100B)の重さ(質量)を軽く(例えば、半分以下に)することができて装着の快適性を向上させることができるとともに、サンドイッチ構造で地まつげ50を上下の両方から接着することで、まつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)の持続力を向上させることができる。
なお、使用者(装着者)55は、まつげエクステ100によって目を大きく見せたいために、下向きでなく上向きになっていることを好む。その上向き状態を長時間維持するために、本実施形態のまつげエクステ100は、人毛や獣毛でなく、化繊(樹脂製の繊維)から人工まつげ本体部10を構成し、その人工まつげ本体部10を加熱してカール形状を記憶させることが好ましい。ここで、人毛や獣毛は天然素材であるがゆえに加熱だけで形状(湾曲形状)を変化させた場合、水やお湯などによる吸水によってカールがすぐに緩くなって真っ直ぐ(直毛)に戻ってしまう。また、まつげエクステ材料としては長さや形や色艶が均一であることが望ましいが、人毛や獣毛は天然素材であるので、そのような均一さを求めることは困難であり、実際にそのレベルの均一さを要求すれば、製造コストが高くなるとともに、不均一なまつげエクステ材料を用いて施術することは、美容師の操作技術が高度になってしまい好ましくない。さらには、消費者もそのような不均一なまつげエクステ材料を望んでいないということがあり、そして、天然素材からなるまつげエクステは、衛生面でも難があり、下処理が不十分なときは目元の眼病リスクを高める恐れがあるので注意することが求められる。
次に、図24から図29を参照しながら、本実施形態のまつげエクステンション100の製造方法を説明する。図24は、本実施形態の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図24に示すように、まつげエクステンションを製造する場合、まず、まつげエクステ用の樹脂(ポリブチレンテレフタレート:PBT)を用意する(工程S110)。次に、その樹脂(PBT)を、まつげエクステ用の繊維を作製するための金型から押し出して、繊維を作製する(工程S120)。その後、その繊維(まつげエクステ用繊維)を、所定長さ(まつげエクステの加工がしやすい長さ)に切断する(工程S130)。
本実施形態では、工程S110の金型の押出口(開口部)を、扁平形状のものにしている。すなわち、本実施形態の金型の開口部は、幅寸法(W)に対して縦寸法(T)が半分以下の寸法を有する扁平形状の開口部である。これにより、扁平形状のまつげエクステ用繊維を得ることができる。また、工程S110において、円形(または略円形)の開口部を有する金型を用いて、円形形状のまつげエクステ用繊維を作製した後に、そのまつげエクステ用繊維を加工して、扁平形状のまつげエクステ用繊維(または、所定長さの人工まつげ本体部)を得ることも可能である。具体的には、円形形状のまつげエクステ用繊維の上面/下面を除去(カット、研磨など)することで、扁平形状のまつげエクステ用繊維に加工することができる。
次に、その所定長さの繊維を束ねた状態で繊維の先端を薬品に浸して、それによって、繊維の一部を溶解させて、まつげエクステの先端部を作製する(工程S140)。図25に、所定長さの繊維3000がバンド3100で束ねられた状態で、薬品への含浸によって先端部が形成されたもの(人工まつげ本体部)を示す。
次に、その先端部が形成された人工まつげ本体部3000を平板の上に整列させる(工程S150)。図26に、人工まつげ本体部3000を平版3200の上に配置し、その人工まつげ本体部3000の上に重石3300を載せて、人工まつげ本体部3000を整列させる。図26に示すように、人工まつげ本体部3000の先端部3111が揃うようにして(先端部3111が基準になるようにして)、末端部3115Bの方は、長さが揃わなくてもいいようにしている。
次いで、図27に示すように、人工まつげ本体部3000の先端部3111が揃った状態で、テープ3400を貼り、人工まつげ本体部3000を整列させた状態で固定する(同じく工程S150)。次に、図28に示すように、人工まつげ本体部3000の根本(末端部3115B)をきれいに切断し、まつげエクステ製品の長さ(1mm単位の寸法で規定)となるようにした末端部3115の人工まつげ本体部3000を得る(工程S155)。
その後、所定長さに揃った人工まつげ本体部3000に所定曲率のカールを施して(工
程S160)、まつげ形状を有するまつげエクステ100を作製する。カールが施したま
つげエクステ100を図29(a)から(d)に示す。
図29(a)から(d)に示すように、本実施形態のまつげエクステ100は、様々なカール形状にすることができる。図29(a)から(d)では、それぞれ、Iカール、Jカール、Cカール、Dカールのまつげエクステ100を示しているが、それ以外にも、CCカール、SCカール、その他のカール(MIXカール、SSCカール、Lカールなど)のまつげエクステ100もある。
図29(a)に示したまつげエクステ100Aは、Iカールのまつげエクステである。Iカールのまつげエクステ100Aは、ほとんどカールがないまつげエクステであり、あまり派手にしたくなく、自然な仕上がりにしたい人に向いている。特に、元々まつげ55が上向きに生えていて、まつげカーラーいらずの方に向いている。
図29(b)に示したまつげエクステ100Bは、Jカールのまつげエクステである。Jカールのまつげエクステ100Bは、ゆるやかで自然なカールがついているまつげエクステであり、まるで自まつげのような仕上りにしたい人に向いている。日本人の顔立ちに似合うカールで、伏し目になった時、一番美しい目元を演出できる。特に、自まつげが地面と水平に生えている方に向いており、また、前から見て、毛先が上がって見え過ぎないクールな目元がお好みの方に向いている。
図29(c)に示したまつげエクステ100Cは、Cカールのまつげエクステである。Cカールのまつげエクステ100Cは、ビューラーをかけたようなカールがついているまつげエクステである。前から見ると、ほどよく毛先が見えて、その分、目を大きく見せることができ、そして、当該カールが目元を可愛らしく演出することができる。特に、元々まつげがやや下向きに生えている方に向いており、また、前から見て、毛先が上がって見えるためキュートな目元が好みの方に向いている。
図29(d)に示したまつげエクステ100Dは、Dカールのまつげエクステである。Dカールのまつげエクステ100Dは、Cカールよりも更に丸みを帯びたカールが強いまつげエクステである。ビューラーを強くかけたイメージで、お人形のようなパッチリした可愛らしい目元を演出できるので、より目を大きく見せることができる。特に、元々まつげが下向きに生えている方に向いており、また、前から見て、毛先が真上に上がるのでキュートでより丸い目元がお好みの方に向いている。
人工まつげ本体部10のカールを行う(工程S160)には、先端部11基準で高精度に整列した人工まつげ本体部10(図18の人工まつげ本体部3000参照)を加熱して、人工まつげ本体部10の形状を湾曲させ、その形状を記憶(固定)させることによって行う。
例えば、人工まつげ本体部10のカール形状(例えば、図29(a)から(d)参照)になるように、人工まつげ本体部10を型に押し当てて、加熱と冷却を行うことで、所望形状のカールを形成する。具体的には、筒状の金属パイプ(アルミパイプ)やガラス棒に人工まつげ本体部10をテープなどで巻き付けて一定時間加熱することによって、人工まつげ本体部10にカール(10c)を形成する。カールの強弱は巻きつけるパイプの口径を小さくしたり大きくしたりすることによって調整する。なお、人工まつげ本体部10の太さや材料などよっても条件は変化するが、加熱温度は例えば160〜190℃、加熱時間は例えば3〜30分、その後、冷却時間は3〜30分である。毛先の太さによっては加熱と冷却時間を調整し同じ作業を数回繰り返すこともある。これは例示であり、使用する材料や条件または必要とする特性に応じて、適宜好適なものを採用したらよい。
なお、上述したようなカールを天然素材で均一に且つ簡便に形成することは困難である。天然素材でカールを付けるには、毛の構造上、アンモニア系の薬剤で物性を変化させなければ形状を維持できない(いわゆる「パーマ」をかける)。パーマをかけずに、単に加熱して水分を減らして形状を維持させている場合(いわゆる、ドライヤーによるカール形成)、湿度が高い夏場や雨の日だと、すぐにカールが緩くなってしまう。
そして、均一な形状(長さ、断面形状、カール)を有するまつげエクステンション100を台紙150に貼ることで(工程S170)、図30に示した製品(まつげエクステ100を収納した容器200)が得られる。図30に示した容器200は、台紙150にきれいに整列して貼られたまつげエクステンション100と、その台紙150を収納する容器本体部215とから構成されている。なお、台紙150に貼らずにバラバラの状態にする場合(例えば、図3に示したケース2000又は袋に入れる場合)は、カール工程(S160)でまつげエクステ100を作製したら、テープ3400から外して、ケース詰め(袋詰め)をしたらよい。
さらに詳しく説明すると、図30に示した製品を作製するには、所望のカール(10c)が形成されたまつげエクステ100のブロック(一列に整列されたまつげエクステ100)を台紙に貼って、まつげエクステ100のブロックを固定する。具体的には、図30に示すようなケース200(本実施形態に係るまつげエクステ用ケース)に収納されている台紙150に、まつげエクステ100のブロックを貼り付ける。図31に示すように、台紙150の表面には粘着層155が形成されており、その粘着層155に、まつげエクステ100の末端部15を貼り付けることで固定する。台紙150の上に固定された状態において、まつげエクステ100の先端部11(尖った先端)は、基準線130に対して高精度に揃った状態を維持している。本実施形態では、基準線130に対して例えば±0.5mmの範囲内(好ましくは±0.2mm)になる精度で、まつげエクステ100を整列している。
本実施形態のケース200は、まつげエクステ100が貼り付けされる台紙150と、台紙150を収納する容器本体部215とから構成されている。図32に示したケース200の場合、台紙150を保持する台紙ストッパー211が設けられている。台紙150は紙(または樹脂)から構成された部材であり、容器本体部215は、樹脂から構成されている(この例では、透明な樹脂)。なお、ケース200は、図32に示したような蝶番形式で連結された容器部(210、215B、215B)に、まつげエクステ100が貼り付けられた台紙150を組み合わせたものであってもよい。
図32は、本実施形態のケース200を開いた場合の構造を示している。ケース200の容器本体部215は、第1カバー215Aと第2カバー215Bとから構成されており、それぞれを順番に閉じるようにすると、図30に示した容器本体部215の態様にすることができる。第1カバー215Aと第2カバー215Bとは、台座部210によって互いに連結されており、台座部210の上に台紙150が配置される。台紙150は、台紙ストッパー211によってケース200内でなるべく動かないように固定されている。つまりは、図19に示した状態において、ケース200の台座部210に、まつげエクステ100(複数本のまつげエクステの一列ブロックを複数列)を貼り付けた台紙150を収納することができる。
この一連の製造工程において大変で手間がかかるのが、人工まつげ本体部の整列工程(S150)である。この整列工程の段階で、きれいに人工まつげ本体部(3000)を整列させておかないと(すなわち、先端部3111が±0.2mmの精度)、その後は、不良品に至る可能性が高くなってしまう。また、この整列工程は、機械の自動化が困難であり、人手に頼らなくてはならず、手間もコストもかかるとともに、工員にも習熟度が求められる。この工程がボトルネックとなって、製造の納期短縮が難しかったり、より一層のコスト削減が難しかったりする。
加えて、本実施形態のまつげエクステンション100の構造(形状)の場合、人工まつ
げ本体部10の断面形状が円形でなく、図6及び図9に示すように扁平形状であるために
、人工まつげ本体部10を転がして、人工まつげ本体部の整列工程(S150)を行うこ
とができないとう制約もある。すなわち、円形の人工まつげ本体部の場合はカール工程(
S160)を行う前は回転させても同じ形なので、人工まつげ本体部の回転(軸方向を中
心に回転)させることで、整列作業(S150)を行うことができる。しかしながら、本
実施形態の人工まつげ本体部10は扁平形状を有しているので、縦と横の形状が異なるの
で回転させることができない。したがって、人工まつげ本体部の整列工程(S150)に
より時間がかかる。
このような状況の中、本願発明者は、人工まつげ本体部10が扁平形状であることを利用できないかと考えて、人工まつげ本体部の整列工程(S150)の改善に取り組んだ。たしかに、人工まつげ本体部10が扁平形状であると、縦と横が混在して回転させることが困難であるが、扁平形状の横の面(すなわち、幅広の表面10a(10a−1、10a−2)の方が、縦(幅狭の表面10b)よりも、安定しやすい。そこで、図26に示した状態で、扁平形状の人工まつげ本体部(3000)を回転させて整列するのではなく、重石3300を載せた状態でトントンと数回たたくと、円形の人工まつげ本体部(3000)を回転させて整列させるよりも、簡単に整列できることを偶然見出した。
なお、円形の人工まつげ本体部(3000)を整列させる場合は、図26に示した状態において、数多くの人工まつげ本体部(3000)を積層(例えば、5cm以上のスタック)させて整列作業を行うことができるが、本実施形態の扁平形状の人工まつげ本体部(3000、10)の場合は、そのように高く積むと整列作業がうまく行かない。扁平形状の人工まつげ本体部(3000、10)を単層にして重石3300を載せて(人の手で)トントンと振動を加えると整列作業をすると、上手く整列させることができる。単層が理想的であるが、扁平形状の人工まつげ本体部(3000、10)を1cm以下の高さで積層させた状態で重石3300によって配列状態を整えることも可能である。2cm以下でも上手くいくことがあるが、あまり高く積層させない方が好ましい。加えて、トントンと振動を加えることで、人工まつげ本体部(3000、10)の配列をきちんと揃えることができる整列作業を実行できるので、人の手の作業だけでなく、機械化の導入も容易になる。
また、図30及び図31に示したブロック170の他、図33に示したようなブロック150を構築することも可能である。図33に示したブロック150は、本実施形態の人工まつげ本体部10が一本一本独立しているのではなく、互いに隣接する人工まつげ本体部10の末端部(根本部)15が接着した構造を有している。すなわち、図33に示したブロック170は、人工まつげ本体部10の末端部15が互いに接着(例えば、融着、圧着、接着剤・粘着剤による密着固定など)がなされている。したがって、本実施形態の人工まつげ本体部10は、ピンセットまたは手によって、人工まつげ本体部10を1本1本取り外すことができる。そして、その取り外した人工まつげ本体部10をまつげ50に装着することができる。
さらに、本実施形態のまつげエクステンション100では、複数の人工まつげ本体部10を均一のカーブ(湾曲部)10cにしたが、本実施形態の手法ではカーブ形状を高精度に制御できるので、複数種類のカーブ形状(湾曲部10c)を含めた複数の人工まつげ本体部10を含むブロック170を形成しても構わない。本実施形態の構成では、人工まつげ本体部10が扁平形状(10a、10b)を有しており、その結果、カール形成精度が優れているので、複数種類のカールを含むブロック150も作製することができる。
加えて、上述した実施形態のまつげエクステンション100では、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12を、専らポリブチレンテレフタレート(PBT)としたが(例えば、95%以上)、それに変更を加えることができる。例えば、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12を、ポリブチレンテレフタレート(PBT)と、ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料とから構成することができる。ここで、樹脂の全体を100質量%としたときに、低温変性樹脂材料が50質量%以上含まれるようにすると、一度、湾曲部10cが形成された人工まつげ本体部10(または、湾曲部10cが形成されていない人工まつげ本体部10)を、まつげカーラー(ビューラー)によって所望のカール(第2のカール)の曲率に変更することができる。ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料は、例えば、ナイロン、ポリ塩化ビニル、および、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などである。これらのうちの1種の材料(低温変性樹脂材料)を用いてもよいし、いくつかの種類を混ぜた材料(低温変性樹脂材料)を用いてもよい。ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料の温度特性は、例えば、高分子のガラス転移点(ガラス転移点)によって決定することができるが、物理的・化学的な特性も重要であるが、それとともに、まつげカーラーによって変性するかどうかの温度がポイントとなる。低温変性樹脂材料が50質量%以上含まれているとしれば、その具体的に割合は適宜好適なものを採用することができる。
本実施形態の好適な構成においては、低温変性樹脂材料としてポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を使用することができ、低温変性樹脂材料がポリトリメチレンテレフタレート(PTT)の場合であれば、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を70質量%程度含めるようにしてもよい。ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を10質量%にすることも可能であるが、形状の安定性・まつげエクステンションに求められる特性を考慮すると、樹脂12の全てをポリトリメチレンテレフタレート(PTT)とするよりかはポリエチレンテレフタレート(PET)と混合の方にしてもよい。また、低温変性樹脂材料を50質量%以上の例を示したが、低温変性樹脂材料に使用する材料、または、まつげエクステンションに求められる特性によっては、低温変性樹脂材料の割合を30質量%以上の範囲にしても構わない。
まつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)が専らポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されている場合は、人工まつげ本体部10に湾曲部(カール)10cを施すのに、180℃前後の温度で5分から120分の加熱を、毛の太さ別に行う。これは、まつげエクステンション100が円形の場合でも同様である。このカール加熱処理を行った後は、再度のカール変更を行うことは難しく、仮に二度目のカールを行ったとしても高精度のカール形状の制御を行うことは困難である。また、まつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)が専らポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されている場合、比較的低温(120°前後)でカールを作るまつげ用ホットカーラー(ビューラー)では、人工まつげ本体部10に湾曲部(カール)10cを施すことはできない。ここで、本実施形態の改変例の構成によれば、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とともに、低温変性樹脂材料が含まれているので、比較的低温(120°前後)でカールを作るまつげ用ホットカーラー(ビューラー)でも、人工まつげ本体部10のカールの曲率を変更することができる。
さらに説明すると、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12において低温変性樹脂材料が50%以上含まれている場合、加熱温度80℃以上のまつげカーラー(例えば120℃以下(または130℃以下)の温度の加熱式まつげカーラー(または、加圧式まつげカーラー))を用いて、カールの弱いまつげエクステ(例えば図29(a)参照)、少し強いまつげエクステ(例えば図29(b)参照)、少し強いまつげエクステ(例えば図29(c)参照)、非常に強いまつげエクステ(例えば図29(d)参照)に調整することができる。これにより、カールの度合い別のまつげエクステ(例えば、図29(a)〜(d)のまつげエクステ100A〜100D)を在庫として用意しておく必要がなくなる。また、既製品である所定のカールのまつげエクステをユーザに装着するだけでなく、ユーザの細かい要求(趣味、好み)にあわせたカールを持ったまつげエクステをそのユーザに装着することもできるようになる。
カールしたまつげエクステンションを複数種類で多数用意する場合、製品によっては人気のないものも在庫として抱える必要があり、すると、半年から1年以内で形状にばらつきが生じたり、雑菌が繁殖してカビが生えたりする可能性が高まるので、それを見越して、廃棄処分されることが多い。また、まつげエクステ技術者(施術者)とユーザ(消費者)との間で相互に意思確認を行った上で施術を行っても、稀に、装着後のカールの角度が気に入らないということも起こりえた。本実施形態の改変例のまつげエクステンションによれば、まつげ用ホットカーラー(ビューラー)によって、任意の角度(曲率)のカーブを人工まつげ本体部10につけることができるので、多品種の在庫を抱える問題を緩和することができるとともに、ユーザが所望するカールを有するまつげエクステンションを実現することができる。
なお、本実施形態の改変例のまつげエクステンションの場合、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12において低温変性樹脂材料が含まれているので(少なくとも40%、典型的には50%以上)、製造段階のカール工程(図24の工程S160)において、毛先(先端部11)の方が根本(末端部15)よりも細いので溶けてしまうおそれがある。これは、円形の人工まつげ本体部10でも同様であるが、扁平形状の人工まつげ本体部10の方が、より毛先が溶けてしまう可能性が高くなる。そこで、金属パイプ(例えば、アルミパイプ)を加熱源として、そのパイプに人工まつげ本体部10(3000)を巻き付けて、カールを施す場合、先端部(毛先)11の部分の温度が低くなるような温度調整を行っておくことが好ましい。そのような温度調整を行う場合、金属パイプ(または、それに適用するヒーター)の熱伝導率(または、抵抗率)の調整しておくことが好ましい。さらには、先端部(毛先)11の部分が溶けることがあるので、溶けた毛先(または、溶ける可能性があった毛先)を切断して、先端部11をきれいに揃えておくこともできる。
<第2実施形態>
上述した実施形態のまつげエクステンション100について、さらに次のような改変を行うことができる。本実施形態の人工まつげ本体部10(3000)の整列工程(図24のS150)においては、扁平形状による整列の困難性とともに、人工まつげ本体部10(3000)の静電気による整列の困難性も存在する。すなわち、人工まつげ本体部10(3000)は樹脂(例えば、PBT)から構成されており、当該樹脂は、誘電体(絶縁性材料)であるので、静電気を持ちやすい。まつげのように細い樹脂繊維(人工まつげ本体部3000)が静電気を持った場合、それぞれが静電気で引っ付きあって、簡単には、きれいな整列状態にはならない。もし静電気の影響を緩和することができれば、人工まつげ本体部3000を図27に示したようなきれいな整列状態(均一配列状態)にすることが容易になる可能性が開ける。したがって、扁平形状による整列の困難性とともに、静電気による整列の困難性も解消することができる。
しかしながら、人工まつげ本体部3000は樹脂製(PBT製)であるので、その樹脂(誘電体)が静電気を持つことは物性であるので、人工まつげ本体部3000を構成する樹脂が静電気を持ってしまうことは仕方ない。また、当該樹脂(PBT)は、疎水性材料であるので、静電気を防止するために霧吹きのようなものをかけても、当該樹脂の表面に水滴(霧吹きの粒子)が付くだけで、樹脂の内部に吸い込まず逆に水によってくっついてしまう上、さらに乾燥させる工程も必要となり製造工数が増える。すなわち、整列作業に悪影響をもたらしてしまう。
本願発明者は、まず、整列工程(S150)における作業空間の湿度を上げることで静電気の発生を調整しようとするような発想もしてみたが、実際に、広い工場内でそのようなことは無理であり、仮にそのようなことを行うと、まつげエクステの製造コストがあがってしまうので好ましくない。また、当該樹脂(PBT)に水を導入したとしても、疎水性の樹脂と水とは上手く混合しないので、人工まつげ本体部(まつげエクステ)の材料としては好ましくない。
そのような中、人工まつげ本体部(3000)を構成する材料(樹脂材料)に、親水性の材料(含水材料)を混練することで、人工まつげ本体部の含水率を調整・コントロールできないかというアイデアを思いつき、それを実行してみたところ、その含水率が調整された人工まつげ本体部の整列作業は、静電気の抑制効果によって良好に実行できた。さらに、その含水率が調整された人工まつげ本体部(3000)をカールする工程(S160)を実行したところ、人工まつげ本体部(まつげエクステ)のカール(湾曲)の持続時間をコントロールすることができることもわかった。したがって、上述した実施形態における人工まつげ本体部10の扁平形状によるカール形状制御の特徴に加えて、さらにカールの特性を向上させることができる。
図34は、第2実施形態のまつげエクステンション101の構造を示している。図35及び図36は、それぞれ、図34のA線に沿った断面図、および、B部分の拡大断面図である。また、図37は、第2実施形態のまつげエクステンション101の製造方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態(第2実施形態)のまつげエクステンション101は、先端部11と末端部15とを有する人工まつげ本体部10を備えており、人工まつげ本体部10は、樹脂12から構成されている。本実施形態の構成(101)において、人工まつげ本体部10の含水率は調整されている。人工まつげ本体部10の含水率を調整すること(高めること)によって、静電気の発生を防止/抑制することができ、そして、人工まつげ本体部10の含水率を調整することで(具体的には、上限を設定することで)、人工まつげ本体部10のカール(湾曲部10c)の持続力(持続時間)をコントロールすることができる。
本実施形態の人工まつげ本体部10の含水率(質量%)は、例えば、0.1%を超え10%以下である。より良い静電気発生の防止(抑制)を満たす観点からは、人工まつげ本体部10の含水率(質量%)の下限値(「以上」の基準値となる値)は、例えば0.2%以上、または、0.3%以上であることが好ましい。本実施形態の人工まつげ本体部10の含水率の一例は、0.2%以上5%以下であり、または、0.2%以上1%以下、あるいは、0.3%(±0.1%)、または、0.4%(±0.1%)、0.5%(±0.1%)、1.0%(±0.1%)もしくは1.0%(±0.5%)である。含水率の測定は、市販の加熱乾燥式水分計(例えば、PETペレットの含水率を測定可能な装置)を用いて行うことができる。ただし、公定試験法(加熱乾燥法)、近赤外分光法、その他の含水率の測定手法を排除するものではない。
本実施形態の人工まつげ本体部10は、含水率を調整する成分(30)を含有している。さらに説明すると、人工まつげ本体部10を構成する樹脂(例えば、PBT)は、疎水性材料であるので、樹脂中に水を混練させることが難しく、また、均一に水を含有させることが困難である。また、樹脂中に水が含浸しているというよりか、樹脂とは分離した形態で水が含有されているとすると、水を含有する人工まつげ本体部10から水分が蒸発したり、蒸発しなかったりして、含水率のコントロールが難しく、含水率を一定に制御することが難しくなる。本実施形態の人工まつげ本体部10では、含水率を調整する成分(「含水率調整成分30」などと称する)が樹脂12に配合されている。
本実施形態の含水率調整成分30は、水分を保持できる成分で、その成分が樹脂12に混練されると、樹脂12中に均一に分散されるような成分であることが好ましい。そのような含水率調整成分は、人工まつげ本体部10の表面10aに露出することができるが、完全に均一に分散されている必要はなく、人工まつげ本体部10の含水率を調整(向上)できるのであれば、人工まつげ本体部10の表面10a(または10b)には存在して静電気を防止し、人工まつげ本体部10の中心部(コア)には存在していない(または、密度/濃度が少ない)状態であってもよい。なお、含水率調整成分が樹脂12中に均一に分散していなくてよいが、静電気防止機能を果たす観点からは、少なくとも、人工まつげ本体部10の表面(表面部)10aには存在している方が好ましい。
本実施形態の構成において、含水率調整成分は、例えば、水分を保持可能な天然由来高分子成分である。そのような天然由来高分子成分としては、タンパク質(場合によっては、ペプチドも含む)またはタンパク質を含む材料、多糖類または多糖類を含む材料を挙げることができ、種々あるタンパク質または多糖類のうちで、特性/製造プロセス条件にあわせて、適宜好適なものを選択して使用する他、アミノ酸(またはその誘導体)、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸、寒天、アルギン酸(またはその誘導体)、キチン、キトサンなどを使用することができる。含水率調整成分として、天然由来高分子成分を使用した場合は、天然材料というイメージから、ユーザに安心感を与えることができるが、含水率調整成分としては、水分を保持可能な人工材料(例えば、親水性/水分保持可能な人工高分子材料・親水性ポリマー)を使用することができる。また、水分を保持できる無機材料(例えば、親水性無機材料、酸化金属材料(酸化金属イオン粒子)、金属イオン材料(金属イオン粒子など)を使用することも可能である。さらに、上述した材料の組み合わせ(混合物)を用いることも可能であるし、上述した材料の誘導体(例えば、エステル、修飾基付加、塩など)またはそれらの混合物を用いることも可能である。加えて、人工まつげ本体部10の樹脂12中に良好に含水率調整成分を分散させる観点からは、含水率調整成分は粒子状であることが好ましく、例えば、30μm以下程度の粒径(平均粒径)を有しており、好ましくは、20μm以下(または10μm以下)の粒径のものであって粒径ができるだけ揃っているもの(粒径分布がきれいなもの)がよい。ただし、粒子形態であることや粒径の数字などは、製造/使用するまつげエクステによって好適なものを選択すればよく、それらのものに限定されるものではない。
次に、図37を参照しながら、本発明の実施形態に係るまつげエクステンション101の製造方法を説明する。
まず、樹脂12の含水率を調整する工程(S210)を行う。樹脂12は、上述したように、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエステル、アクリル、塩化ビニル、ナイロンなどであり、本実施形態の典型的なケースでは、樹脂12はPBTであるが、他の樹脂を使用してもよい。また、上述したように、ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料を混合させることも可能である。そして、樹脂12(例えば、PBTなど)に、含水率調整成分30(または、吸湿・吸水成分)を入れて、混練する。また、すでに混練した状態の樹脂12を用意してもよい。含水率調整成分30には水分を含ませたり、自然に水を吸収した状態で含水率調整成分30を使用することも可能である。
なお、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12にポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を含めた場合(または、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)から人工まつげ本体部10を構成した場合)、次のような利点を得ることができる。以下説明すると、まず、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12として典型的に使用されるポリブチレンテレフタレート(PBT)と比較して、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)は、そもそも、人工まつげ本体部10にするには高い技術的な障壁があり、具体的には、コストが高く、カール加工(高温長時間加熱処理)を工夫しなければ製造できないという問題があった。ここで、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を用いた場合でその樹脂12の含水率を高めると、シアノアクリレート系の接着剤の強度を低下させずに、接着剤の硬化を早めることができるという利点が得られる。そして、施術をした後に洗顔や入浴をするまでの時間を短縮することができる。また、施術を受ける人が刺激を感じる時間が短くなるとともに、施術をする技術者が硬化までの蒸気による刺激臭等を感じる時間も短くなる。完全硬化が早まりホルムアルデヒド等の化学物質による皮膚刺激性が低下する。さらには、刺激物質が低下することによって、刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、角膜炎、結膜炎、目の充血などの発病リスクも低下する。加えて、製造面においても、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を用いた場合、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を用いた場合と比較して、カール加工時間を短くすることができ、カール工程の製造効率(生産性)を向上させることができる。
本実施形態においては、含水率調整成分30は、樹脂(PBT)12を100質量部としたときに、例えば0.01質量部から5質量部までの配合割合(境界値は含む)で、樹脂12に配合される。なお、含水率調整成分30の配合割合は、人工まつげ本体部10を整列させる工程(S250)、および、人工まつげ本体部10のカールを行う工程(S260)の際における人工まつげ本体部10の含水率にあわせて決定される。したがって、ターゲット(目標)としている所望の含水率に応じ、そして、使用する含水率調整成分30の種類(または、含水率調整成分30に含まれる水分量)にあわせて、適宜、適切な値(割合、質量)を採用したらよい。なお、少量の含水率調整成分30であっても多くの水(水分)を保持することがあるので、含水率調整成分30の割合(質量%、または、質量割合)が、水の割合(含水率(%)など)の値になるとは限らない。
本実施形態の構成おいて、人工まつげ本体部10(樹脂12を含む全体の質量)に含有させる含水率調整成分30の配合割合(質量%)は10%以下(または場合よっては15%以下)であり、実際の製品における実用性を考慮すると5%以下である。含水率調整成分30の配合割合が多すぎると、人工まつげ本体部10を構成する混合物(樹脂12および含水率調整成分30が混合された材料)の物性が、樹脂12単独のものと比べて変化してしまい、まつげエクステンション101のカーブ(湾曲)が出せなくなったり、所定の柔らかさが出なくなったりする可能性がでてくる。本実施形態の一例の含水率調整成分の配合割合(質量%)は、2%以下、または、約1%または1%以下(好適には、1%、または1%程度、例えば1%±0.3%、または1%±0.5%など)である。また、物性の変化を極力抑えるために、上限を1%として、例えば0.5%±0.1%などの範囲で、配合割合を決定してもよい。人工まつげ本体部10のカーブ(湾曲)が出せて、他の条件(柔らかさなど)を満たせるのであれば、含水率調整成分30の配合割合は、上記の数字に限定されず、適宜好適なものにしても構わない。なお、本実施形態では、人工まつげ本体部10に全体の質量に対する含水率調整成分30の質量を配合割合で表しているが、場合によっては、人工まつげ本体部10全体基準でなく、樹脂12基準の方が配合割合を決める方が便利であれば、樹脂12を100質量部として、含水率調整成分30の質量の割合(例えば、10質量部以下(または15質量部以下))を代用しても構わない。
本実施形態のまつげエクステ101を着色する場合には、含水率調整成分30を樹脂12に混合する段階(工程S210)で、樹脂12に顔料を入れて、着色を行うことができる。樹脂12の着色(または染色)は、黒色にすることができる他、例えば、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイト、イエローなどの色にすることができる。含水率調整成分30と顔料(着色剤)とを同時に樹脂12に混合してもよいし、含水率調整成分30を導入した後に顔料を樹脂12に混合してもよい。また、顔料を導入した後に含水率調整成分30を樹脂12に混合しても構わない。なお、白または透明の繊維(樹脂繊維)を後から染色することもできる。
次に、含水率調整成分を含む樹脂(含水樹脂)12を金型から押し出す(工程S220)。金型には、人工まつげ本体部10の形状(断面形状)を規定する開口部が形成されている。本実施形態では、図25に示すような扁平形状を有する開口部を規定する金型を用いている。含水率調整成分30を含む樹脂(樹脂混合物)12を金型から押し出すと、図35に示した断面形状を有する繊維状の材料が得られる。
次に、押し出しした繊維状の材料を、まつげエクステ100(人工まつげ本体部10)の加工がしやすい長さに切断する(工程S230)。すなわち、まつげエクステ100に対応する所定の長さに切断する。切断するときは、所定長さで繊維状の材料をカッター(切断装置)で切断すればよい。その後、切断して所定の長さ(まつげエクステ100に対応する長さ)になった人工まつげ本体部10の先端を薬品につけて、人工まつげ本体部10の先端部11を形成する(工程S240)。すなわち、樹脂12を溶解させる薬品に人工まつげ本体部10の一部(先端)をつけることで、樹脂12の一部を溶解させて、人工まつげ本体部10の径を細めて先端部11を形成する。
次に、人工まつげ本体部10を整列させる(工程S250)。具体的には、図26に示すように、先端部11(3111)を有する人工まつげ本体部10(3000)を平板3200の上に置いて、次いで、重石(文鎮のような器具)3300で、人工まつげ本体部10(3000)を抑えることにより、人工まつげ本体部10を整列させる。
ここで、本実施形態の人工まつげ本体部10は、含水率(水分量)が調整されているので、静電気の発生が防止(抑制)されている。なお、典型的な人工まつげ本体部3000(含水率調整成分が配合されていない人工まつげ本体部)の場合、典型的な人工まつげ本体部3000に静電気が発生する。結果として、軽くて細い人工まつげ本体部3000は当該静電気で複数本が密着してしまい、簡単に整列させることができない。加えて、典型的な人工まつげ本体部3000(含水率調整成分30が配合されていない人工まつげ本体部)の静電気の発生を防止するために、霧吹きなどで人工まつげ本体部3000に水滴をつけたら、軽くて細い人工まつげ本体部3000は水でベタベタになってしまい、整列作業を行うことができなくなってしまう。
一方、本実施形態の人工まつげ本体部10の場合、静電気の発生がないので、軽くて細い人工まつげ本体部10であっても、簡単に且つきれいに人工まつげ本体部10(3000)の整列を行うことができる。含水率が制御されていない人工まつげ本体部110の整列工程を行う場合、この整列工程は、熟練の工員でも、例えば4センチ幅×8センチ幅で6分以上(一例では、6〜10分)かかるが、本実施形態の人工まつげ本体部10の整列工程(S250)の場合、同様のスキルの工員で、例えば3分以下(一例では、2〜3分)で行うことができ、時間は二分の一以下にすることができ、さらに熟練度の低い工員でも、静電気の影響がないので、作業時間は同じように短縮することができる。また、整列工程(S250)の際における人工まつげ本体部10の取り扱いが簡便になるので、人工まつげ本体部10の不良品発生率を下げることができ、すなわち、歩留まりを向上させることができる。
先端が尖った先端部11を基準にして整列を揃えて(整列精度:±0.2mm以内)、隣接する人工まつげ本体部10の間の隙間がなくなるようにきれいに埋めたら、その整列(整列した人工まつげ本体部10のブロック)をテープで留めて固定する。次に、人工まつげ本体部10の根本(末端部15)を切断する。なお、先端部11が溶けている場合には、先端部11を切断する工程を加えてもよい。
その後、人工まつげ本体部10のカールを行う(工程S260)。このカール工程は、先端部11基準で高精度に整列した人工まつげ本体部10(3000)を加熱して、人工まつげ本体部10の形状を湾曲させ、その形状を記憶(固定)させることによって行う。例えば、人工まつげ本体部10のカール形状(例えば、図16(a)から(d)参照)になるように、人工まつげ本体部10を型に押し当てて、加熱と冷却を行うことで、所望形状のカールを形成する。上述したように、具体的には、筒状の金属パイプ(アルミパイプ)やガラス棒に人工まつげ本体部10をテープなどで巻き付けて一定時間加熱することによって、人工まつげ本体部10にカール(10c)を形成する。カールの強弱は巻きつけるパイプの口径を小さくしたり大きくしたりすることによって調整する。なお、低温変性樹脂材料を樹脂12に含めている場合は、一定の曲率の湾曲部10cの人工まつげ本体部10(または、直毛の人工まつげ本体部10)を作製しておいて、後から、まつげカーラーで湾曲部10cを形成することもできる。
人工まつげ本体部10の太さや水分率によっても値は変化するが、加熱温度は例えば160〜190℃、加熱時間は例えば3〜30分、その後、冷却時間は3〜30分である。毛先の太さによっては加熱と冷却時間を調整し同じ作業を数回繰り返すこともある。なお、カール工程(S260)では加熱処理を行うので、含水率調整成分を質量%で表示する場合は、全体の重さが変化すると、その値が変わる場合があるので留意する必要がある。例えば、カール工程(S260)が終わった直後における含水率調整成分の配合割合(質量%)は0.01%以上5%以下であるが、これは例示であり、使用する材料や条件または必要とする特性に応じて、適宜好適なものを採用したらよい。
次に、所望のカール(10c)が形成されたまつげエクステ101のブロック(一列に整列されたまつげエクステ101)を台紙に貼って、まつげエクステ101のブロックを固定する(工程S270)。これは、上述した図30および図31に示したものと同様でる。
なお、図4に示したケース2000と比較して、図30及び図32に示したケース200は、次のような利点がある。まず、図4に示したケース2000は蝶番構造部位があるので、そこが壊れやすいが、図20に示したケース200は、蝶番構造部位がないので構造的に強く、また、第1カバー215Aと第2カバー215Bと台座部210と台紙ストッパー211とを一連の部材(樹脂)で作製することができるので、製造的な面でもメリットがある。また、図4に示したケース2000の場合、ケース2000に衝撃が加わると、折角、きれいに整列させたまつげエクステ1000のブロック1500が崩れてしまうことが多い。特に、容器部2300が硬質樹脂で構成されている場合、衝撃がまつげエクステ1000に伝わりやすく、整列を崩してしまいやすい。一方、図32に示したケース200(第1カバー215Aと第2カバー215Bと台座部210と台紙ストッパー211の連続した一連部材)を軟質樹脂(例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル系樹脂など)から構成した場合、衝撃を全体で受け止めて、まつげエクステ101(100)の整列が崩れ難い。本実施形態の製造方法によって、まつげエクステ101(100)の整列が簡便になったことに加えて、本実施形態のケース200を用いれば、その整列が、外部からの衝撃で崩れることを抑制することができる。なお、台紙に貼らずにバラバラの状態で保管する場合(例えば、図3に示したケース2000又は袋に入れる場合)は、整列工程(S250)からカール工程(S260)を経て、まつげエクステ101を作製して、ケース詰め(袋詰め)をしたらよい。この場合でも、長さをきちんと揃えるための整列工程(S250、および、S255)における静電気抑制効果のメリットを得ることができる。
<実施例>
次に、人工まつげ本体部10中の含水率に対する静電気体感度、整列時間、および、作業効率の体感変化との関係についての実験を行い、その結果を図38に示す。本実験は、のようにして行った。すなわち、カールしていないPBTベースの人工まつげ本体部(10、3000)を用意し、整列作業(S250)を行い、作業員による静電気体感度、整列時間、作業効率の体感変化を評価した。なお、ここでは、人工まつげ本体部10中の含水率の効果に焦点をしぼって検証するために、人工まつげ本体部10の断面形状は円形のもので行ったが、静電気抑制の効果については、人工まつげ本体部10の断面形状が扁平形状の場合でも同様の傾向を示す。
含水率(%)が「無」のサンプルは、含水調整成分を混入させていない人工まつげ本体部である。ただし、含水調整成分が含有されていなくても、含水率(%)が「無」のサンプルは、周囲の水分・湿度の影響で、0.1%未満(または、0.1%以下)の含水率を示した。含水率(%)が0.20%、0.30%、1.00%、5.00%のサンプルは、含水調整成分を含有(配合)させることで含水率を調整した人工まつげ本体部10である。室温・湿度および工員の熟練度によるバラツキをできるだけおさえるべく、同一の場所で、同日に同じ時間に2名の工員で整列工程(S250)を行い、その工程の際の静電気体感度、整列時間(平均)、作業効率の体感変化を実験により確認した。なお、静電気については、電子機器による測定(数値)よりも、人間の手の感度の方がより意味があるものであるので(すなわち、繊細なものがわかるとともに、整列工程の評価として意味があるので)、そちらを採用した。
図38のテーブルに示すように、まず、含水率が「無」のサンプルでは、静電気体感度は「強」であり、整列時間(平均)は6分30秒であった。これが通常の整列工程である。作業効率の体感としては、整列に静電気が邪魔をするために手直しが2分ほどかかった。
含水率が0.20%のサンプルでは、静電気体感度は「強」であり、整列時間(平均)は5分20秒であった。整列時間は、「無」のサンプルよりも、約1分短縮された(約2割の時間短縮ができた)。静電気体感度の変化としては、静電気の減少の体感はないが、整列の手直しの時間は短縮した。
含水率が0.30%のサンプルでは、静電気体感度は「弱」であり、整列時間(平均)は2分45秒であった。整列時間は、「無」のサンプルよりも、約4分短縮された(約6割の時間短縮ができた)。静電気体感度の変化としては、明らかに整列しやすくなり、手直しの時間は大幅に短縮した。
含水率が1.00%のサンプルでは、静電気体感度は「弱」であり、整列時間(平均)は2分10秒であった。整列時間は、「無」のサンプルよりも、約4分20秒短縮された(約6割以上の時間短縮ができた)。非常に整列しやすくなり、また、部分的な手直しの必要性はほぼゼロになった。
含水率が5.00%のサンプルでは、静電気体感度は「無し」であり、静電気は感じられなくなった。整列時間(平均)は3分00秒であった。整列時間は、「無」のサンプルよりも、約3分30秒短縮された(約5割の時間短縮ができた)。整列はしやすいが、部分的な直しが若干必要となった。
この実施例からわかるように、含水調整成分を配合して含水率を調整した人工まつげ本体部10の整列工程は大幅に改善した。この実施例では、特に、含水率が0.20%〜5.00%の範囲において整列時間の向上が見られ、含水率が0.30%から1.00%の範囲において手直しの時間がほぼゼロになったか、大幅に短縮できた。
なお、含水率を多くすれば静電気の影響が減るので良いのであるが、その一方で、含水率が高くなればなるほど、カール(10c)を維持する期間は短くなるという関係が本願発明者によって見出された。また、空気中の水分で硬化が開始する接着剤(20)を使用しているので、含水率(水分率)が高すぎるまつげエクステ101(人工まつげ本体部10)を用いると、接着剤の硬化速度が必要以上に早まるため施術が困難になる。さらに、含水率が高すぎると、含水率が低い場合と比較して、膨張しやすいため、接着剤(20)の破壊につながる可能性があり、それゆえに、まつげエクステの装着持続力が低下する可能性を高める。まつげエクステ(人工まつげ本体部)の含水率が多くなればなるほど、カール(10c)の維持期間が短くなるという関係があるので、含水率の値に上限を設けることで(すなわち、所定値以下の含水率にすることで)、カール(湾曲)の持続時間をコントロールし、カール形状が崩れて(緩くなって)しまうケースを抑制することができる。なお、上述した実施形態における扁平形状の人工まつげ本体部10を用いた場合、そのようなカール形状が崩れてしまう場合でもより高精度に制御することが可能となる。本実施形態の構成においては、人工まつげ本体部10中の含水率(質量%)は、10%以下が好ましく、例えば5%以下(場合によっては、3%以下、または、2%以下もしくは1%以下)である。
本実施形態に係るまつげエクステ101の製造方法では、樹脂12の含水率を調整した後(S210)、その樹脂12を金型から押し出し(S220)、押し出しした繊維状の材料を切断する(S230)。これにより、先端部11を有する人工まつげ本体部10を形成した後に、人工まつげ本体部10を整列させるときに(S250)、人工まつげ本体部10に発生する静電気を抑制することができ、その結果、人工まつげ本体部10の整列工程(S250)を簡単に行うことが可能となる。人工まつげ本体部10の整列工程は、非常に手間がかかる工程であったが、本実施形態の製造方法によれば、静電気抑制できることで、簡単に且つきれいに整列工程(S250)を実行することができる。また、樹脂12の含水率を調整する工程において、樹脂12に含水率調整成分30(静電気抑制成分)を含有させることで、樹脂12中に水を直接導入して含水率を調整する場合と比較して、樹脂12中の含水率のコントロールを容易に行うことができる。
さらに、本実施形態の手法においては、整列工程(S250)にて整列させたその人工まつげ本体部10のブロック(170)を(一括で)カールすることによって(S260)、高精度で整列した状態のまつげエクステ101を1つのブロック(1列のまつげエクステンション)にすることができ、次いで、台紙150に固定(粘着)することができる(S270)。なお、まつげエクステ101を台紙150に固定した後に外して(例えば、サロンへ配送した後に外して)、ばらばらの状態で保管して、その状態から施術に使用しても構わない。
加えて、本実施形態に係るまつげエクステ100は、含水率調整成分(静電気抑制成分)30を含有している。これにより、本実施形態の係る人工まつげ本体部10の含水率の調整が容易となるので(含水率の上限を制御できるので)、当該まつげエクステ101のカールの持続時間のコントロール/制御ができる。これにより、静電気抑制の効果(整列工程の作業効率性)を優先させすぎて、まつげエクステ100のカール(10c)が不良になってしまうという可能性を低下させることができるので、消費者(装着者)の満足を維持することができる。
また、本実施形態の更なる改変として、人工まつげ本体部10に抗菌成分(抗菌剤)を含有させるようにすることもできる。本実施形態の改変例における抗菌成分(抗菌材料)は、金属粒子(例えば、1マイクロメートル以下の金属微粒子(ナノ粒子))、または、金属を含む抗菌剤(金属イオン単独の抗菌剤も含む)から構成されている。例えば、本実施形態の抗菌成分の一例は、銀イオン(Ag+)であり、具体的には、銀ナノ粒子、銀コロイド溶液の粒子(銀コロイド粒子)などである。ここで、抗菌性を有する銀イオン(Ag+)は、例えば、銀イオン水、銀ナノ粒子(銀ナノ粒子が入った銀ナノ溶液)、銀コロイド粒子などの形態で利用することができる。銀イオン(Ag+)は、原子としての銀(Ag)から電子が外れた陽イオンとして存在している銀イオンのことであり、大きさは銀原子とほぼ同じで200ピコメートル程度のいわゆる原子の大きさである。銀ナノ粒子は、銀をナノメートルのオーダーにした粒子である。また、鉱物であるアルミナシリカに微粒子化した銀イオンを保持させた銀ナノ粒子を用いることも可能である。銀コロイド粒子は、コロイド状の銀粒子であり、例えば、脱イオン化された電解液中で半永久的に浮遊状態(コロイド状態)を保持されているものである。銀コロイド粒子の直径は、例えば、0.0001μmのものもあり、その場合は、毛髪の太さ(80μm)の80万分の1の大きさに該当する。
なお、銀イオンは、各種の細菌の細胞に強く吸着し、細菌の細胞酵素をブロッキングして死滅させることができる。したがって、銀イオンによって細菌の繁殖を制御することができる。また、銀イオンは、抗菌効果が比較的強い特徴を有するとともに、人体に対して極めて安全性が高いという特徴を有しており、したがって、本実施形態の抗菌まつげエクステ100(101)が間違って人間の口に入ったとしても、銀イオンによる問題は実質的に生じない利点がある。
また、本実施形態の抗菌成分は、銀イオン(Ag+)以外のものを使用することができる。例えば、金コロイド溶液に含まれている金コロイド粒子、または、白金コロイド溶液に含まれている白金コロイド粒子などである。金コロイド粒子は、1マイクロメートル以下の金微粒子(ナノ粒子)が、流体中に分散しているコロイド状態の粒子である。白金コロイド粒子(白金ナノコロイド粒子)は、白金の微粒子によって形成されたコロイド状態の粒子である。なお、本実施形態においてナノ粒子とは、粒径がナノオーダー(例えば、1〜1000nm、または、1〜100nm)の粒子のことを称することがあり、1nm以下の粒子を含む場合もある。このナノ粒子は、比表面積が極めて大きいこと等により、一般的な大きさの固体(バルク)の材料とは異なる性質を示すことがあり、その特性の一つとして、抗菌性を示す場合、抗菌剤として利用することができる。さらに、金属イオンによる抗菌剤について説明したが、抗菌効果を奏する条件において、他の抗菌材料を人工まつげ本体部10に配合することも可能である。例えば、銀イオンのような金属イオンに代えて(または、金属イオン(銀イオン)とともに)、酸化チタンを人工まつげ本体部10に配合させることができる。なお、銀イオン、酸化チタンの他の抗菌材料を用いることも可能である。抗菌材料としては、無機系抗菌剤(金属イオンの静菌作用を利用したもの)、有機系抗菌剤(有機物を利用した抗菌剤。合成系抗菌剤または天然系抗菌剤)を挙げることができる。
本実施形態の改変例における抗菌剤(例えば、銀イオン)の効果は、まつげエクステンション100(101)をユーザに装着した時の抗菌効果だけでなく、まつげエクステンション100(101)を保管しておく時の在庫がバクテリアの増殖を抑制するため衛生的であるという点での抗菌効果もある。
加えて、上述したまつげエクステ100(101)では、人工まつげ本体部10の表面10a(10b)に凹凸部やザラザラ部が形成されていないものを示したが、それに限らず、まつげエクステ100の表面10a(10b)に凹凸部やザラザラ部が形成させることにより、まつげエクステンション100の表面10a(10b)を粗面化させたものに改変することも可能である。まつげエクステンション100の表面10a(10b)を粗面化することにより、接着剤(グルー)の接着力を向上させることができるという利点がある。そのようなまつげエクステの一例としては、具体的には、図39から図41に示すように、ザラザラした表面部(粗面化した表面部)40を有するまつげエクステ102にすることができる。
図39は、本実施形態のまつげエクステ102の構成を示す斜視図である。図40は、図39中のA−A線に沿った断面図を示している。図41は、図39中のB部分における拡大断面図を示している。
本実施形態のまつげエクステ102では、人工まつげ本体部10の少なくとも幅広面10a側に、ザラザラした表面部40が形成されている。図示した例では、幅広面10a側とともに幅狭面10b側にも形成されている。両方(10a、10b)に形成されている方がより接着力が向上する点で好ましいが、まつげに主に接着するのは、幅広面10aであるので、幅広面10a側に専らザラザラした表面部40(粗面化した表面部)が形成されていてもよい。
また、ザラザラした表面部40(粗面化した表面部)は、人工まつげ本体部10の長手方向における中間点よりも根本部15の端面15a側に、ザラザラした表面部40が形成されている。特に、ザラザラした表面部40は、まつげと接する領域に形成されていればよく、接着剤20が付与される箇所だけに選択的に形成することも可能である。
本実施形態のザラザラした表面部40は、複数の粒状の凹凸41を含んでいる。図示した例では、当該粒状の凹凸41からなるザラザラした表面部40は、根本部(末端部)15の全周にわたって形成されている。したがって、根本部15の表面の全方位において、ザラザラした表面部40が形成されており、接着剤20を何れの方向から根本部15に付与しても、ザラザラした表面部40の上に塗布することができる。
本実施形態の構成において、人工まつげ本体部10のザラザラした表面部40は、フロスト加工を施すことによって形成されている。言い換えると、人工まつげ本体部10には、フロスト加工によって生じた凹凸41が形成されている。フロスト加工とは、表面を霜のようにザラザラさせる加工(または、磨りガラスのようにザラザラさせる加工)のことをいい、本実施形態では、サンドブラストによって人工まつげ本体部10に凹凸41を形成する。サンドブラストは、表面に砂などの研磨材を吹き付ける加工方法のことである。例えば、人工まつげ本体部10の根本部15に、コンプレッサによる圧縮空気に研磨剤を混ぜて吹き付けることにより、当該根本部15にザラザラした表面部40を形成することができる。サンドブラストに使用するサンド(研磨材)は、いわゆる砂に限らず、人工まつげ本体部10に凹凸41を形成するのに適した研磨剤を使用することができる。
本実施形態の凹凸41の深さ(凸部から凹部までの高さの差)は、例えば、0.01mm〜0.1mm程度であるが、それに限定されるものではない。具体的には、ザラザラした表面部40を形成するために使用したフロスト加工(例えば、サンドブラスト)の条件によって決定されるとともに、使用するフロスト加工にあわせて適宜好適な凹凸41を形成することが可能である。
加えて、人工まつげ本体部10に貫通孔を形成して、その貫通孔によって、ザラザラした表面部40を形成することも可能である。貫通孔を形成した場合には、まつげエクステ102の重さ(質量)をさらに軽くすることができるという利点も得られる。まつげエクステ102の一本一本の重さは軽くても、それらは使用者のまつげに取り付けられるものであるから、エクステンションの重さを軽くできることは、使用者(装着者)の装着感に影響を与えることができ、その結果、つけ心地の感じのよいエクステンションを実現することができる。
本実施形態のザラザラした表面部40は、ヤスリ(具体的には、紙ヤスリ)を擦りつけることによって形成することができる。紙ヤスリは、研磨加工に用いる紙状のシートに研磨材を塗布した工具である。紙ヤスリによって、ザラザラした表面部40を形成する場合、使用する紙ヤスリの粗さ(番手)によって、ザラザラした表面部40の凹凸41の形状・深さなどを調整することができる。
人工まつげ本体部10の根本部15にザラザラした表面部40を形成する場合、多数の人工まつげ本体部10を揃えて、次いで、サンドブラストを根本部15に施すことにより、一度の処理で、ザラザラした表面部40を有する人工まつげ本体部10を多数形成することができる。また、多数の人工まつげ本体部10を揃えた状態で、根本部15に紙ヤスリを施すことにより、一度の処理で、ザラザラした表面部40を有する人工まつげ本体部10を多数形成することも可能である。もちろん、一本の人工まつげ本体部10に紙ヤスリを施して、ザラザラした表面部40を形成しても構わない。加えて、本実施形態のまつげエクステ102は、ザラザラした表面部40(凹凸41)はレーザ照射によって形成してもよい。
本実施形態のまつげエクステ102では、人工まつげ本体部10の根本部15はザラザラした表面部40を有しているので、当該ザラザラした表面部40によって、接着剤20を保持することが容易となり、使用者のまつげ50と人工まつげ本体部10との接着性を良好にすることができる。すなわち、上述したエクステンション100(101)の効果に加えて、さらに接着性を良好にすることができる。さらに説明すると、本実施形態のまつげエクステ102の場合、ザラザラした表面部40により、平滑の場合の表面と比較して表面積が増えたことによって(あるいは、凹凸41によって)接着剤20の保持がよく、それゆえに、接着剤20の付きがよい。
また、凹凸・ザラザラにするような人工まつげ本体部10の改変(凹凸、ざらざら)は、加熱、加圧、レーザ照射などの手法を用いて(あるいは、それらを組み合わせて)、線または線状のものを、人工まつげ本体部10の表面に形成することによって行うことができる。凹凸・ざらざらのための線(線分)は、人工まつげ本体部10の長手方向に沿って形成してもよいし、人工まつげ本体部10の長手方向でない側の方向(例えば、円周方向、斜め方向)に形成してもよい。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、図23に示した例では、上まつげ50にまつげエクステ100を装着したが、下まつげにまつげエクステ100を装着しても構わない。また、上述した改変例の形態を、相互に(矛盾しない限り)適用することも可能である。さらに、上述した例では、1本のまつげ50に、1本のまつげエクステ100(101、102)を装着したが、複数本(2本とか3本、4本とか)の人工まつげ本体部10が一つのまつげエクステ100になった構成のもの(枝分かれしたまつげエクステ、二股になったまつげエクステなど)を、まつげ50に装着してもよい。また、まつげエクステンション100A・100Bを湾曲のものとしたが、例えば、場合によっては、まつげエクステンション100Bを直毛(または、僅かに湾曲したもの)にしてもよい場合があり得る。なお、上述したまつげエクステンション100の取付手法では、主に接着剤による固定を用いたが、それ以外の接着方法・固定方法(例えば、紐で縛る、バンド(輪)による収縮など)もあり得る。勿論、現状の技術では、接着剤20による硬化固定が好ましい。
上述の実施形態の構成では、複数のまつげエクステ100を台紙150に整列させた例で説明したが、本実施形態のまつげエクステ100は、ばらばらの状態で、袋に入れて保管したり、図3に示したようなケース2000に収納しても構わない。具体的には、本実施形態における静電気防止(含水率調整)のまつげエクステ100を製造した後に、図28に示したテープ3400から外して、袋やケース2000に入れても良いし、台紙150に一度貼った後に袋やケース2000に入れても構わない。
加えて、本実施形態の技術ないし特徴は、人工まつげ本体部10が扁平形状のものにより好適なものであるが、円形(略円形)のものでも好適なものが存在し、それも十分な技術的効果を奏し、そのような特徴の積極利用も技術的価値が高いものである。例えば、まつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)を構成する樹脂12に低温変性樹脂材料を配合させて、任意のカールを形成することができる技術は、円形の人工まつげ本体部にも好適に適用可能である点を付言しておく。また、扁平形状の人工まつげ本体部10は、上下面が平面のものの他、断面の全体が曲線のもの、断面が矩形(または略矩形)のもの等も含まれ得る。また、上述した技術のうち、まつげエクステンションだけでなく、つけまつげに適用できる技術もあり得る。なお、上述の実施形態および第2実施形態の区分けは便宜上のものであり、その点においても各特徴は相互に適用できるものである。