JP2019093366A - 分離膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜および逆浸透膜等の分離膜を支持する際の優れた製膜性と、流体分離素子製造時に優れた加工性を有することに加え、優れた機械的強度を有しかつ剥離強度が高く、剥離抑制可能な分離膜の提供。【解決手段】熱可塑性連続フィラメントで構成された長繊維不織布からなる分離膜支持体上に、分離機能を有する膜が形成されてなる分離膜であって、前記分離膜支持体と前記膜の界面間におけるマクロボイドの割合が30%以下の分離膜であり、前記分離膜支持体の密度が0.70〜0.95g/cm3であり、かつ最大ポアサイズ径が18μm以上である。【選択図】なし
Description
本発明は、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜および逆浸透膜等の分離膜を支持するための不織布からなる分離膜支持体を用いた分離膜に関するものである。
近年の水処理には、多くの場合において膜技術が適用されている。例えば、浄水場での水処理には、精密ろ過膜や限外ろ過膜が用いられており、海水の淡水化には、逆浸透膜が用いられている。また、半導体製造用水、ボイラー用水、医療用水およびラボ用純水等の処理には、逆浸透膜やナノろ過膜が用いられている。さらに、下廃水の処理には、精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いた膜分離活性汚泥法も適用されている。
これらの分離膜は、その形状から平膜と中空糸膜に大別される。これらの分離膜のうち、主に合成重合体から形成される平膜は、分離機能を有する膜単体では機械的強度に劣るため、一般に不織布や織布等の支持体と一体化して使用されることが多い。
一般に、分離機能を有する膜と支持体は、不織布や織布等の支持体上に、分離機能を有する膜の原料となる高分子重合体の溶液を流延して固着させる方法により一体化される。また、逆浸透膜等の半透膜においては、不織布や織布等の支持体上に高分子重合体の溶液を流延し支持層を形成させた後に、その支持層上に半透膜を形成させる方法等により一体化される。
したがって、支持体となる不織布や織布等には、高分子重合体の溶液を流延した際にそれが過浸透により裏抜けしたり、膜物質が剥離したり、さらには支持体の毛羽立ち等により膜の不均一化やピンホール等の欠点が生じたりすることがないような優れた製膜性が要求される。
また、分離膜の取り扱いを容易にするための流体分離素子の形態としては、平膜のプレートフレーム型、プリーツ型およびスパイラル型等のものが挙げられる。例えば、プレートフレーム型の流体分離素子であれば、所定の大きさにカットした分離膜をフレームに取り付ける工程が必要であり、またスパイラル型の流体分離素子であれば、所定の大きさにカットした分離膜同士の外周部を貼り合わせて封筒状に加工し集水管の周りに巻き付ける工程が必要である。そのため、分離膜支持体には、これらの工程で膜が折れ曲がったり、丸まったりすることがないような優れた加工性が要求される。
さらに、高圧下で使用されることが多い逆浸透膜等の半透膜の場合には、特に、支持体には高い機械的強度と高い寸法安定性および膜剥離強度が要求される。
またさらに、海水淡水化等に使用される逆浸透複合膜の場合には、その逆浸透複合膜が組み込まれている海水淡水化装置を、ある一定の運転圧力で継続して連続運転をする場合もあれば、供給海水の水質や温度の変化や目標とする造水量の管理値の変動などに対応して、運転圧力をその都度変化させるような運転をする場合もある。
実際には、後者のような運転が一般的であるが、その場合、逆浸透複合膜の厚さ方向に付与される運転圧力が変動することにより、逆浸透複合膜はその膜厚方向における伸縮動作を反復し、逆浸透複合膜の支持膜と支持体が剥離することもある。また、装置停機時に透過水側から供給水側に正浸透が働き、支持膜と支持体が剥離することもある。そのため、分離膜支持体には分離膜を形成した際の高い剥離強度も要求される。
従来、このような分離膜支持体として、太い繊維を使用した目開きおよび表面粗度の大きな表面層と、細い繊維を使用した目開きが小で緻密な構造を有する裏面層との二重構造を基本とした多層構造体の不織布からなる分離膜支持体が提案されている(特許文献1参照。)。
また、半透膜形成用重合体溶液を流延し膜形成を行うための不織布からなる半透膜支持体において、その不織布が、通気度が5〜50cc/cm2/secの低密度層と、通気度が0.1cc/cm2/sec以上で5cc/cm2/sec未満の高密度層とを積層一体化した二層構造の不織布であり、全体としての通気度が0.1cc/cm2/sec〜4.5cc/cm2/secの半透膜支持体が提案されている(特許文献2参照。)。
また別に、ポリプロピレンを芯材としポリエチレンを鞘材とする複合繊維からなる不織布を熱処理した基材を用いてなる分離膜であって、分離膜の剥離強度が3kgf/cm2以上である分離膜が提案されている(特許文献3参照。)。また、親水性を有さない不織布からなる分離膜支持体からなり、膜剥離強度が20〜75cN/15mmである分離膜が提案されている(特許文献4参照。)。
確かにこれらの特許文献には、分離膜製造時の製膜性や分離膜の耐久性については提案や記載があり、また分離膜と支持体の剥離強度についても言及されている。しかしながら、上記の従来技術では、剥離強度は向上するものの、剥離の発生に関する記載はない。また特許文献1〜3の抄紙不織布からなる場合、ケバの発生やピンホールによる製膜不良、さらには分離膜を海淡用途等の高圧下で使用する流体分離素子とした場合、膜の落ち込みが発生し流路が閉塞する等の課題があった。それらを解決するためには、特許文献4に記載のような長繊維不織布が用いられる。特に長繊維不織布からなる分離膜支持体は優れた機械強度は有しているものの、製膜時の加熱工程で一部の箇所で剥離が発生したり、上記の分離膜支持体からなる分離膜を流体分離素子とし運転した場合に、高圧下で剥離が発生するという課題があった。また、上記の課題のため、分離膜を構成する支持膜層を薄膜化することができなかった。
そこで本発明の目的は、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜および逆浸透膜等の分離膜を支持する際の優れた製膜性と、流体分離素子製造時に優れた加工性を有することに加え、優れた機械的強度を有しかつ剥離強度が高く、剥離抑制可能な分離膜を提供することにある。
また、本発明の別の目的としては、剥離抑制可能な分離膜が得られることにより分離膜を構成する支持膜層をより薄膜化しても剥離の発生がなく、薄膜化により流体分離素子ユニットあたりの分離膜面積を増大させ、高性能あるいは低コスト化した分離膜を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであり、本発明の分離膜は、熱可塑性連続フィラメントで構成された長繊維不織布からなる分離膜支持体上に、分離機能を有する膜が形成されてなる分離膜であって、前記分離膜支持体と前記膜の界面間のマクロボイドの割合が30%以下であることを特徴とする分離膜である。
本発明の分離膜の好ましい態様によれば、前記の分離膜支持体の密度は0.70〜0.95g/cm3であり、かつ最大ポアサイズ径は18μm以上である。
本発明の分離膜の好ましい態様によれば、前記の分離膜支持体のベック平滑度の表裏差は、10〜40秒である。
本発明の分離膜の好ましい態様によれば、前記の分離膜支持体の通気量は0.8cc/cm/sec以上であり、かつ幅方向のカール高さは6mm以下である。
本発明によれば、熱可塑性連続フィラメントで構成された長繊維不織布を用いてなる分離膜であって、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜および逆浸透膜等の分離膜を支持する際の、流延した高分子重合体溶液が過浸透により裏抜けしたり、膜物質が剥離したり、ピンホール等の欠点が生じたりすることなく、製膜時の加熱工程を有する品種においても剥離がなく優れた製膜性と、流体分離素子製造時に膜が折れ曲がったり、丸まったりすることがないような優れた加工性を有することに加え、分離膜や流体分離素子として使用したときにかかる圧力等で変形したり、破断したりすることのない優れた機械的強度を有する不織布からなる分離膜支持体を用いた、使用中の圧力変動等による分離膜の分離膜支持体からの剥離を抑制できる高い膜剥離強度を有する分離膜を得ることが可能となる。
本発明の分離膜は、熱可塑性連続フィラメントで構成された長繊維不織布からなる分離膜支持体上に、分離機能を有する膜が形成されてなる分離膜であって、前記の分離膜支持体と前記の膜の界面間のマクロボイドの割合が30%以下の分離膜である。
本発明の分離膜においては、分離膜支持体として熱可塑性連続フィラメントで構成された長繊維不織布を用いることが重要である。このように構成することにより、短繊維不織布を用いたときに起こりやすい、毛羽立ちによって生じる高分子重合体溶液流延時の不均一化や、膜欠点を抑制することができる。
また、本発明の分離膜においては、分離膜支持体と膜の界面間のマクロボイドの割合が30%以下であることが重要であり、マクロボイドの割合は好ましくは25%以下であり、より好ましくは20%である。分離膜支持体と膜の界面間のマクロボイドをこのように設定することにより、分離膜支持体と膜が剥離することなく、分離膜の膜厚を薄膜化した際でも十分な接着性を有する分離膜が得られる。ここで記載しているマクロボイドとは、分離膜支持体中に存在する、表面の孔径よりも径が大きな空隙のことであり、これが極端に大きいと剥離発生の原因となり高圧で分離膜からなる流体分離素子を運転した場合剥離が発生する。
本発明で用いられる分離膜支持体を構成する不織布としては、スパンボンド法によって製造されたスパンボンド不織布が好ましく用いられる。熱可塑性連続フィラメントから構成された長繊維不織布であるスパンボンド不織布を用いることにより、また、スパンボンド不織布は機械的強度により優れていて、分離膜支持体としての使用における製膜性が良好であり、耐久性に優れた分離膜を得ることもできるからである。
また、本発明で用いられる分離膜支持体を複数の不織布層からなる不織布の積層体とすることにより、より均一性に優れた分離膜支持体を得ることができ、さらに分離膜支持体の厚さ方向の密度分布の調整も容易に行うことができる。このような積層体の態様としては、例えば、2層のスパンボンド不織布の積層体や、2層のスパンボンド不織布の層間にメルトブロー不織布を配した3層構造の積層体等を挙げることができる。本発明では、少なくとも1層はスパンボンド不織布であることが好ましく、スパンボンド不織布のみからなることがより好ましい態様である。
本発明における不織布を構成する熱可塑性連続フィラメントを構成する樹脂は、例えば、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体、およびこれらの混合物や共重合体等を挙げることができる。なかでも、より機械的強度や、耐熱性、耐水性および耐薬品性等の耐久性に優れた分離膜支持体を得ることができることから、ポリエステル系重合体が好ましく用いられる。
ポリエステル系重合体は、酸成分とアルコール成分からなるポリエステルである。酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸などの芳香族カルボン酸、アジピン酸やセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびシクロヘキサンカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸などを用いることができる。また、アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリエチレングリコールなどを用いることができる。
ポリエステル系重合体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸およびポリブチレンサクシネート等、またこれらの共重合体を挙げることができ、環境負荷低減の観点からバイオマス資源由来のポリエステル原料を使用することもできる。
また、生分解性ポリマーも、用済み後の廃棄が容易であり環境負荷が小さいことから、不織布を構成する繊維のポリマーとして好ましく用いられる。生分解性樹脂としては、例えば、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸およびポリヒドロキシブチレート等が挙げられる。なかでもポリ乳酸は、石油資源を枯渇させない植物由来の樹脂であり、力学特性や耐熱性も比較的高く、製造コストの低い生分解性樹脂であり好ましく用いられる。本発明で好ましく用いられるポリ乳酸としては、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、D−乳酸とL−乳酸との共重合体、およびこれらのブレンド体が挙げられる。
また、本発明で用いられる分離膜支持体を構成する不織布を構成する繊維は、単一成分からなる繊維でも、複数成分からなる複合型繊維でも、複数種の繊維を混合したいわゆる混繊型でもよいが、本発明で用いられる分離膜支持体においては、高融点重合体の周りに当該高融点重合体の融点よりも低い融点を有する低融点重合体を配した複合型繊維が好ましく用いられる。このような複合型繊維を用いることにより、熱圧着により不織布における繊維同士が強固に接着するため、不織布を分離膜支持体として使用した際、毛羽立ちによる高分子溶液流延時の不均一化や、膜欠点を抑制することができる。また、高融点重合体のみからなる繊維と低融点重合体のみからなる繊維を混合した混繊型に比べ、接着点の数も多くなるため、分離膜支持体として用いた際の機械的強度の向上につながる。
高融点重合体と低融点重合体の融点差は、10〜140℃であることが好ましい。融点差を好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、さらに好ましくは30℃以上とすることにより、複合型繊維の中心部に配した高融点重合体の強度を損なうことなく、機械的強度の向上に資する熱接着性を得ることができる。一方、融点差を好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下とすることにより、熱ロールを用いた熱圧着時にその熱ロールに低融点重合体成分が融着して生産性が低下することを抑制することができる。
高融点重合体の融点は、本発明で用いられる分離膜支持体上に膜を形成する際の製膜性が良好であり耐久性に優れた分離膜を得ることができるという観点から、160〜320℃であることが好ましい。高融点重合体の融点を好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上とすることにより、分離膜または膜分離エレメント製造時に熱が加わる工程を通過しても形態安定性に優れる。一方、高融点重合体の融点を好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは280℃以下とすることにより、不織布製造時に溶融するための熱エネルギーを多大に消費し生産性が低下することを抑制することができる。
また、低融点重合体の融点は、120〜250℃であることが好ましく、より好ましくは140〜240℃である。
また、高融点重合体および低融点重合体の組み合わせ(高融点重合体/低融点重合体)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリ乳酸、およびポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエチレンテレフタレート等の組み合わせを挙げることができる。また、ここに共重合ポリエチレンテレフタレートの共重合成分としては、イソフタル酸等が好ましく用いられる。
複合型繊維における低融点重合体の占める割合は、分離膜支持体に適した不織布を得るという観点から10〜70質量%であることが好ましい態様である。低融点重合体の占める割合を好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上とすることにより、分離膜支持体としての使用に堪える熱接着性を得ることができる。一方、低融点重合体の占める割合を好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下とすることにより、高融点重合体が減少し、より繊維強度が低下することを抑制できる。また熱ロールによる熱圧着時に当該ロールに低融点重合体成分が融着し生産性が低下することを抑制することができる。
不織布には、本発明の効果を損なわない範囲で、結晶核剤、艶消し剤、滑剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤および難燃剤等の添加剤を添加することができる。なかでも、酸化チタン等の金属酸化物は、繊維の表面摩擦を低減し繊維同士の融着を防ぐことにより紡糸性を向上し、また不織布の熱ロールによる熱圧着成形の際、熱伝導性を増すことにより不織布の接着性を向上させる効果がある。また、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪族ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪族モノアミドは、熱ロールとウエブ間の離型性を増すことにより、接着安定性を向上させる効果がある。
複合型繊維の複合形態としては、効率的に繊維同士の熱接着点を得られる点から、例えば、同心芯鞘型、偏心芯鞘型および海島型等を挙げることができる。
また、不織布を構成する繊維の横断面形状としては、円形断面、扁平断面、多角形断面、多葉断面および中空断面等を挙げることができる。
なかでも、複合形態としては、同心芯鞘型を、繊維の横断面形状としては円形断面や扁平断面とすることが、熱圧着により繊維同士を強固に接着させることができ、さらには得られる分離膜支持体の厚さを低減し、流体分離素子ユニットあたりの分離膜面積を増大させることができる。
不織布を構成する繊維の平均単繊維直径は、8〜14μmであることが好ましい態様である。繊維の平均単繊維直径を好ましくは8μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは11μm以上とすることにより、不織布製造時に紡糸性に優れ、また分離膜支持体内部の空隙をいずれの箇所でも維持でき、製膜時に流延させた高分子重合体溶液が分離膜支持体内部に速やかに浸透し、強固に接着することで膜剥離強度に優れた分離膜を得ることができる。一方、繊維の平均単繊維直径を好ましくは14μm以下、より好ましくは13μm以下、さらに好ましくは12μm以下とすることにより、均一性に優れた不織布および分離膜支持体を得ることができ、また分離膜支持体を高密度化できるため、高分子重合体溶液の流延時の過浸透等が少なく、良好な製膜性を得ることができる。
本発明で用いられる分離膜支持体を構成する不織布の目付は、20〜150g/m2であることが好ましい態様である。目付を好ましくは20g/m2以上、より好ましくは30g/m2以上、さらに好ましくは40g/m2以上とすることにより、高分子溶液流延時の過浸透等が少なく良好な製膜性を得ることができ、高い膜剥離強度および機械的強度を有し耐久性に優れた分離膜を得ることができる。一方、目付を好ましくは150g/m2以下、より好ましくは120g/m2以下、さらに好ましくは90g/m2以下とすることにより、分離膜の厚さを低減し、流体分離素子ユニットあたりの分離膜面積を増大させることができる。
本発明で用いられる分離膜支持体を構成する不織布の厚さは、0.03〜0.20mmであることが好ましい態様である。不織布の厚さを好ましくは0.03mm以上、より好ましくは0.04mm以上、さらに好ましくは0.05mm以上とすることにより、高分子溶液流延時の過浸透等が少なく良好な製膜性を得ることができ、また高い寸法安定性を有するため製膜後のカールや折れ曲がりを抑制し流体分離素子製造時の優れた加工性を得ることができ、高い膜剥離強度および機械的強度を有し耐久性に優れた分離膜を得ることができる。一方、不織布の厚さを好ましくは0.20mm以下、より好ましくは0.16mm以下、さらに好ましくは0.12mm以下とすることにより、分離膜の厚さを低減し、流体分離素子ユニットあたりの分離膜面積を増大させることができる。
本発明で用いられる分離膜支持体を構成する不織布の密度は、0.70〜0.95g/cm3であることが好ましい態様である。不織布の密度を好ましくは0.70g/cm3以上、より好ましくは0.75g/cm3以上、さらに好ましくは0.80g/cm3以上とすることにより、高分子溶液流延時の過浸透等が少なく良好な製膜性を得ることができ、高い膜剥離強度および機械的強度を有し耐久性に優れた分離膜を得ることができる。一方、不織布の密度を好ましくは0.95g/cm3以下、より好ましくは0.92/cm3以下、さらに好ましくは0.90g/cm3以下とすることにより、高分子溶液流延時に分離膜支持体内部に速やかに浸透し、強固に接着し、膜剥離強度に優れた分離膜を得ることができる。
本発明で用いられる分離膜支持体を構成する不織布の最大ポアサイズ径は、18μm以上60μm以下であることが好ましい態様である。不織布の最大ポアサイズ径を好ましくは18μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは22μm以上とすることにより、高分子溶液流延時に分離膜支持体内部に速やかに浸透し、凝固液に浸漬し固着させる場合には、高分子溶液を流延させた反対側の面から分離膜支持体内部への凝固液の浸透性も向上し、凝固液を過浸透させる前に凝固し分離膜と分離膜支持体を強固に接着することができる。
一方、不織布の最大ポアサイズ径を好ましくは60μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下とすることにより、高分子溶液流延時の過浸透等が少なく良好な製膜性を得ることができる。
不織布の最大ポアサイズ径は、繊維の単繊度、不織布の目付および積層時の接着性等を調整することにより制御できる。
本発明で用いられる分離膜支持体を構成する不織布は、親水性を有さない不織布であることが好ましい態様である。分離膜支持体として親水性を有さない不織布を用いることにより、分離膜の原料となる高分子溶液を流延し、固着させるにあたって、水を主成分とする凝固液に浸漬し固着させる方法が広く用いられるが、このとき高分子溶液を流延させた反対側の面から分離膜支持体内部への凝固液の浸透を適度に抑制し、分離膜支持体内部へ高分子溶液が十分に浸透することにより、分離膜と分離膜支持体を強固に接着することができる。
本発明で用いられる親水性を有さない不織布とは、不織布上に水を滴下したときに、その水滴がすぐに不織布に浸透しない不織布のことである。
この水滴が不織布に浸透するまでの時間、すなわち吸水時間は、JIS L1907(2010年版)7.1.1滴下法を用い測定したときに15秒以上180秒以下であることが好ましい態様である。不織布の吸水時間を好ましくは15秒以上、より好ましくは20秒以上、さらに好ましくは25秒以上とすることにより、分離膜製造時に水を主成分とする凝固液の分離膜支持体内部への過度の浸透を抑制し、支持体上に流延した高分子溶液が支持体内部へ十分に浸透した後に凝固させ、形成した分離膜の膜剥離強度を向上させることができる。ここで不織布の吸水時間を15秒以上とするためには、不織布を構成する繊維のポリマーとしてポリエステル系重合体、中でもポリエチレンテレフタレートやその共重合体を用いることが好ましい。また、不織布や不織布を構成する繊維の製造時に油剤類を使用しない、スパンボンド法やメルトブロー法が不織布の製造方法として好ましく用いられる。またさらに、油剤類を使用する場合にはその使用量を極力少なくしたり、製造後の洗浄や乾燥により油剤類を除去したりすることにより、不織布中に存在する油剤類の量を0.1質量%以下とすることが好ましい。
また、不織布の吸水時間を好ましくは180秒以下、より好ましくは120秒以下、さらに好ましくは60秒以下とすることにより、高分子溶液流延時の浸透不十分による剥離を防ぐことができる。
本発明で用いられる分離膜支持体を構成する不織布における膜の製膜面と反対面(非製膜面)との表裏差は、JIS P8119(1998年版)によるベック平滑度により製膜面の方が大きいことが好ましく、その差が10〜40秒であることが好ましい態様である。ベック平滑度は、積層条件を調整することにより制御することができる。
不織布の表面(製膜面)と裏面(非製膜面)のベック平滑度差を好ましくは10秒以上、より好ましくは15秒以上、さらに好ましくは20秒以上とすることにより、分離膜製造時に水を主成分とする凝固液の分離膜支持体裏面から内部への過度の浸透を抑制し、分離膜支持体上に流延した高分子溶液が分離膜支持体内部へ十分に浸透した後に凝固させ、形成した分離膜の膜剥離強度を向上させることができ、また、分離膜製造時の巻取工程において製膜面と裏面が擦過することにより生じる分離膜面の傷を抑制できる。一方、不織布のベック平滑度による差を好ましくは60秒以下、より好ましくは50秒以下、さらに好ましくは45秒以下とすることにより、分離膜製造時に分離膜支持体内部の空気が速やかに排出され、部分的な膜剥離強度の低下を抑制し、またピンホールなどの製膜欠点の発生を抑制することができる。
ここで不織布のベック平滑度差を10〜40秒とするためには、不織布を一体化するための熱圧着の方法として、上下1対のフラットロールにより不織布を熱圧着し、一体化する方法が好ましく用いられる。また上下1対のフラットロールとしては金属製ロールと弾性ロールを対にして用い、弾性ロールに接触する面を不織布の裏面とすることが好ましい。またさらに、弾性ロールの硬度(Shore D)を70〜99とすることも、不織布のベック平滑度差を10〜40秒とするために好ましい態様である。
本発明で用いられる分離膜支持体からなる不織布の通気量は、幅方向いずれの箇所を測定しても、0.8cc/cm2/sec以上であることが好ましい態様である。不織布の通気量を好ましくは0.8cc/cm2/sec以上、より好ましくは1.0cc/cm2/sec以上、さらに好ましくは1.2cc/cm2/sec以上とすることにより、高分子溶液流延時の過浸透等が少なく良好な製膜性を得ることができ、分離膜薄膜化時の剥離も防止することができる。一方、分離膜支持体からなる不織布の通気量を好ましくは30cc/cm2/sec以下、より好ましくは20cc/cm2/sec以下さらに好ましくは10cc/cm2/sec以下とすることにより、高分子溶液流延時の樹脂の裏抜けが少なく均一に樹脂を製膜することができる。
不織布の通気量は、繊維直径や、不織布の目付および積層条件等により制御することができる。
本発明の分離膜支持体からなる不織布の幅方向のカール高さは、6mm以下であることが好ましい態様である。不織布の幅方向のカール高さを好ましくは6mm以下、より好ましくは5.5mm以下、さらに好ましくは5.0mm以下とすることにより、分離膜形成後に流体分離素子にする際、分離膜を筐体に納める工程でのカールを抑制し、加工性に優れる分離膜が得られる。
不織布の幅方向のカール高さについては、不織布の積層条件、不織布の目付および不織布を構成する繊維を制御することが影響する。
次に、本発明で用いられる分離膜支持体と本発明の分離膜の製造方法について説明する。
本発明において、不織布を構成する繊維として芯鞘型等の複合型繊維とする場合は、通常の複合方法を採用することができる。
不織布を製造する方法として、スパンボンド法の場合は、溶融した熱可塑性重合体をノズルから押し出し、これを高速吸引ガスにより吸引延伸して紡糸した後、移動コンベア上に繊維を捕集して繊維ウエブとし、さらに得られた繊維ウエブに、連続的に熱圧着等を施すことにより一体化して、長繊維不織布を製造することができる。その際、繊維ウエブを構成する繊維をより高度に配向結晶化させるため、紡糸速度は2000m/分以上であることが好ましく、紡糸速度はより好ましくは3000m/分以上であり、さらに好ましくは4000m/分以上である。
不織布を製造する方法として、メルトブロー法を用いる場合は、溶融した熱可塑性重合体に加熱高速ガス流体を吹き当てることにより、その熱可塑性重合体を引き伸ばして極細繊維化し、捕集して長繊維不織布を製造することができる。
また、前述した不織布の積層体の製造方法としては、例えば、2層の不織布からなる積層体の製造方法の場合は、1対のロールで得られた仮接着状態の不織布を2層重ね合わせた後、熱圧着により一体化する方法が好ましく用いることができる。また、2層のスパンボンド不織布の層間にメルトブロー不織布を配した3層構造の積層体の製造方法としては、1対のロールで得られた仮接着状態のスパンボンド不織布2層の間に、別ラインで製造したメルトブロー不織布を挟むように重ね合わせた後、熱圧着により一体化する方法や、一連の捕集コンベア上部に配されたスパンボンド用ノズル、メルトブロー用ノズル、スパンボンド用ノズルからそれぞれ押し出され、繊維化されたウエブを順に捕集し、積層し、熱圧着する方法を好ましく用いることができる。
ここで、積層不織布を一体化するための熱圧着の方法としては、樹脂膜を形成した際に製膜性が良好であり、機械的強度と耐久性に優れ、さらには膜剥離強度に優れる分離膜を得るために、表面が平滑であり機械的強度に優れる点で、上下1対のフラットロールにより不織布を熱圧着し、一体化する方法を好ましく用いることができる。
このフラットロールとは、ロールの表面に凹凸のない金属製ロールや弾性ロールのことであり、金属製ロールと金属製ロールを対にしたり、金属製ロールと弾性ロールを対にしたりして用いることができる。特に、不織布の表面の繊維の融着を抑え、形態を保持することにより、分離膜支持体として使用した際に樹脂膜の膜剥離強度を向上できることから、不織布を加熱した金属製ロールと弾性ロールにより熱圧着する方式が好ましく用いられる。さらに、樹脂膜の膜剥離強度を向上させると共に、分離膜製造時に支持体上に流延した高分子重合体溶液の過浸透を抑制できることから、不織布の金属製ロールと接触した面を分離膜支持体の製膜面に、弾性ロールと接触した面を分離膜支持体の裏面に用いることが好ましい。
ここで弾性ロールとは、金属製ロールと比較して弾性を有する材質からなるロールのことである。弾性ロールの材質としては、ペーパー、コットンおよびアラミドペーパー等のいわゆるペーパーロールや、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂および硬質ゴム等の樹脂製ロール等が挙げられる。
弾性ロールの硬度(Shore D)は、70〜99であることが好ましい。弾性ロールの硬度(Shore D)を好ましくは70以上、より好ましくは75以上、さらに好ましくは80以上とすることにより、不織布の弾性ロールと接触した面を裏面に用いた際に、分離膜支持体の裏面の平滑性を向上させ、分離膜製造時に水を主成分とする凝固液の分離膜支持体裏面から内部への過度の浸透を抑制し、分離膜支持体上に流延した高分子溶液が、分離膜支持体内部へ十分に浸透した後に凝固させ、形成された樹脂膜の膜剥離強度を向上させることができる。一方、弾性ロールの硬度(Shore D)を好ましくは99以下、より好ましくは95以下、さらに好ましくは91以下とすることにより、不織布の弾性ロールと接触した面を裏面に用いた際に、分離膜支持体の裏面の平滑性の過度の向上を抑制することで、分離膜製造時に水を主成分とする凝固液が分離膜支持体内部へ浸透することが可能となり、製膜面に流延した高分子重合体溶液の過浸透、すなわち裏抜けを抑制することができる。
また、2本以上のフラットロールの構成としては、金属/弾性ロールの組み合わせを製造工程中で連続して、または非連続で2組以上用いる2本ロール×2組方式、2本ロール×3組方式や、弾性/金属/弾性、弾性/金属/金属、金属/弾性/金属などの3本ロール方式なども好ましく用いることができる。
2本ロール×2組方式の場合、不織布に対して2度熱と圧力を加えることができるため、不織布の特性のコントロールが容易になり、製造する際の速度を上げることも可能となり、また1組目と2組目の弾性ロール接触面の反転が容易なため不織布の表裏面の表面特性のコントロールもしやすくなる。
一方、3本ロール方式の場合、例えば、弾性1/金属/弾性2の弾性1/金属ロール間で熱圧着した不織布を折り返して金属/弾性2ロール間でさらに熱圧着することにより、上記2本ロール×2組方式と同じように不織布に対して2度熱と圧力を加えることができる上、連続した2本ロール×2組方式に比べ設備費の抑制や省スペース化が可能となる。
これらの弾性ロールを2本以上使用する製造方法においては、不織布と1段目に接触する弾性ロールと2段目に接触する弾性ロールの硬度(Shore D)を変更させることができる。
金属ロールの表面温度は、不織布を構成する繊維の少なくとも表面を構成する高分子重合体の融点よりも20〜90℃低いことが好ましく、さらには30〜70℃低いことが好ましい。金属ロールの表面温度が不織布を構成する繊維の少なくとも表面を構成する高分子重合体の融点よりも20℃以上低ければ、不織布表面繊維の過度の融着を抑制することができ、高分子重合体溶液が浸透しやすくなり、膜剥離強度に優れた分離膜支持体を得ることができる。
一方、金属ロールの表面温度と不織布を構成する繊維の少なくとも表面を構成する高分子重合体の融点の差が90℃以下であれば、不織布を構成する繊維同士を強固に接着させ、また不織布を高密度化することにより機械的強度に優れた分離膜支持体を得ることができ、また、高分子重合体溶液の流延時の過浸透等が少なく良好な製膜性を得ることができる。
さらに、金属ロールと弾性ロールの間に温度差を設け、弾性ロールの表面温度を金属ロールの表面温度よりも10〜120℃低い温度とすることも好ましい態様である。
金属ロールの加熱方式としては、誘導発熱方式や熱媒循環方式等を好ましく用いることができるが、均一性に優れた分離膜支持体が得られることから、不織布幅方向の温度差は中心値に対して±3℃以内であることが好ましく、より好ましくは±2℃以内である。
弾性ロールの加熱方式としては、加圧時に加熱した金属ロールと接触することで加熱される接触加熱方式や、より厳密に弾性ロールの表面温度をコントロールできる、赤外線ヒーターなどを使用した非接触加熱方式などを好ましく用いることができる。弾性ロールの不織布幅方向の温度差は、中心値に対して±10℃以内であることが好ましく、±5℃以内であることがより好ましい。弾性ロールの不織布幅方向の温度差をさらに厳密にコントロールするには、赤外線ヒーターなどを幅方向に分割して設置し、それぞれの出力を調整することができる。
また、フラットロールの線圧は、196〜4900N/cmであることが好ましい。フラットロールの線圧は、より好ましくは490〜4900N/cmであり、さらに好ましくは980〜4900N/cmである。フラットロールの線圧が196N/cm以上であれば、不織布を構成する繊維同士を強固に接着させ、また不織布を高密度化することにより機械的強度に優れた分離膜支持体を得ることができ、また、高分子重合体溶液の流延時の過浸透等が少なく良好な製膜性を得ることができる。
一方、フラットロールの線圧が4900N/cm以下であれば、不織布表面繊維の過度の融着を抑制することができ、高分子重合体溶液の不織布内部への浸透を妨げず、膜剥離強度に優れた分離膜支持体を得ることができる。
本発明の分離膜支持体の製造方法は、2〜5層積層された不織布層を熱圧着により一体化することが好ましい態様である。積層数が2層以上であれば、単層時に比べて地合いが向上し、十分な均一性が得られる。また、積層数が5層以下であれば、積層時にシワが入ることを抑制し、そして層間の剥離を抑制することができる。
また、スパンボンド不織布の熱圧着方法としては、1対のフラットロールのみで不織布を熱圧着するのではなく、より精密に不織布の特性をコントロールするために、2段階接着方式を採用することもできる。すなわち、不織布を1対のフラットロール間で予備熱圧着して、または1本のフラットロールと繊維ウエブの捕集に用いられる捕集コンベア間で予備熱圧着して、仮接着状態の不織布を得た後に、連続工程であるいは仮接着状態の不織布を巻き取った後に、さらにそれをもう1度フラットロール間で熱圧着するような2段階接着方式も好ましく用いることができる。
この2段階接着方式での1段階目の予備熱圧着においては、2段階目の熱圧着時に不織布をより高密度化できることから、その仮接着の状態の不織布の充填密度を0.1〜0.3g/cm3とすることが好ましい。その際の1段階目の予備熱圧着に用いられるフラットロールの温度は、不織布を構成する繊維の融点よりも20〜120℃低く、線圧は49〜686N/cmであることが好ましい。
本発明の分離膜とは、上記の分離膜支持体の上に、分離機能を有する膜を形成してなる分離膜である。そのような分離膜の例として、浄水場での水処理や工業プロセス用水の製造等に利用される精密ろ過膜、限外ろ過膜や、半導体製造用水、ボイラー用水、医療用水およびラボ用純水等の処理や、海水淡水化処理に利用されるナノろ過膜、逆浸透膜等の半透膜が挙げられる。分離膜の製造方法としては、上記の分離膜支持体の少なくとも片方の表面上に、高分子重合体溶液を流延して分離機能を有する膜を形成させ分離膜とする方法が好ましく用いられる。また、分離膜が半透膜の場合は、分離機能を有する膜を支持層と半透膜層を含む複合膜とし、この複合膜を分離膜支持体の少なくとも片方の表面上に積層することも好ましい形態である。
本発明の分離膜支持体に流延する高分子重合体溶液は、膜となった際に分離機能を有するものであり、例えば、ポリスルホンやポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンおよび酢酸セルロースなどの溶液が好ましく用いられる。なかでも特に、化学的、機械的および熱的な安定性の点で、ポリスルホンとポリアリールエーテルスルホンの溶液が好ましく用いられる。溶媒は、膜形成物質に応じて、適宜選定することができる。
また、分離膜が支持層と半透膜層を含む複合膜の場合の半透膜として、多官能酸ハロゲン化物と多官能アミンとの重縮合などによって得られる架橋ポリアミド膜などが好ましく用いられる。
本発明で用いられる分離膜支持体を構成する支持膜層の厚さは20〜100μmの範囲内にあることが好ましい態様である。支持膜層の厚さを好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、より好ましくは35μm以上とすることにより、流体分離素子として使用した際でも、十分な機械的強度と膜剥離強度を有した分離膜がえることができる。
一方、支持膜層の厚さを好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは70μm以下とすることにより、分離膜の厚さを低減し、流体分離素子ユニットあたりの分離膜面積を増大させることができる。
また、支持膜層と半透膜層を含む複合膜の場合、樹脂膜の厚さは複合膜の強度および流体素子とした際の十分な充填密度を得るために、30〜250μmであることが好ましく、より好ましくは50〜200μmであり、また分離膜の厚さは、90〜300μmであることが好ましい態様である。
本発明の分離膜は、膜剥離強度がいずれの箇所でも20gf/50mm以上であることが好ましい。膜剥離強度を好ましくは20gf/50mm以上、より好ましくは25gf/50mm以上、さらに好ましくは30gf/50mm以上とすることにより、流体分離素子として使用した際の運転圧力の変動や、分離膜の洗浄ためのいわゆる逆洗操作により分離膜が支持体から剥離することを防止し、薄膜化時にも剥離のも防止可能な分離膜とすることができる。
膜剥離強度は、繊維間空隙の向上により樹脂との凝固速度を促進し、マクロボイドの発生を制御して達成することができる。
本発明において流体分離素子とは、例えば、海水淡水化装置に組み込む際に取り扱いを容易にするため、上記の分離膜を筐体に納めた流体分離素子である。その形態としては、平膜のプレートフレーム型、プリーツ型およびスパイラル型等のものが挙げられ、なかでも特に、分離膜が透過液流路材と供給液流路材と共に集水管の周りにスパイラル状に巻き付けられた、スパイラル型のものが好ましく用いられる。そして、複数の流体分離素子を直列あるいは並列に接続して、分離膜ユニットとすることができる。
[測定方法]
(1)融点(℃):
パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。また、示差走査型熱量計において、融解吸熱曲線が極値を示さない樹脂については、ホットプレート上で加熱し、顕微鏡観察により樹脂が完全に溶融した温度を融点とした。
(1)融点(℃):
パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。また、示差走査型熱量計において、融解吸熱曲線が極値を示さない樹脂については、ホットプレート上で加熱し、顕微鏡観察により樹脂が完全に溶融した温度を融点とした。
(2)固有粘度IV:
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度IVは、次の方法で測定した。オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを、下記の式により求めた。
・ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
(ここで、ηはポリマー溶液の粘度、η0はオルソクロロフェノールの粘度、tは溶液の落下時間(秒)、dは溶液の密度(g/cm3)、t0はオルソクロロフェノールの落下時間(秒)、d0はオルソクロロフェノールの密度(g/cm3)を表す。)
次いで、相対粘度ηrから下記の式により、固有粘度IVを算出した。
・IV=0.0242ηr+0.2634。
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度IVは、次の方法で測定した。オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを、下記の式により求めた。
・ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
(ここで、ηはポリマー溶液の粘度、η0はオルソクロロフェノールの粘度、tは溶液の落下時間(秒)、dは溶液の密度(g/cm3)、t0はオルソクロロフェノールの落下時間(秒)、d0はオルソクロロフェノールの密度(g/cm3)を表す。)
次いで、相対粘度ηrから下記の式により、固有粘度IVを算出した。
・IV=0.0242ηr+0.2634。
(3)不織布の目付(g/m2):
30cm×50cmの不織布を3個採取して、各試料の質量をそれぞれ測定し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算し、小数点以下第一位を四捨五入した。
30cm×50cmの不織布を3個採取して、各試料の質量をそれぞれ測定し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算し、小数点以下第一位を四捨五入した。
(4)不織布の厚さ(mm):
JIS L1906(2000年版)の5.1に基づいて、直径10mmの加圧子を使用し、荷重10kPaで不織布の幅方向1mあたり等間隔に10点を0.01mm単位で厚さを測定し、その平均値の小数点以下第三位を四捨五入した。
JIS L1906(2000年版)の5.1に基づいて、直径10mmの加圧子を使用し、荷重10kPaで不織布の幅方向1mあたり等間隔に10点を0.01mm単位で厚さを測定し、その平均値の小数点以下第三位を四捨五入した。
(5)不織布の密度(g/cm3):
不織布の目付を不織布の厚さより除して、その小数点以下第三位を四捨五入した。
不織布の目付を不織布の厚さより除して、その小数点以下第三位を四捨五入した。
(6)平均単繊維直径(μm):
平均単繊維直径は、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で500〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の単繊維の直径を測定し、それらの平均値を、小数点以下第一位を四捨五入して平均単繊維直径を求めた。
平均単繊維直径は、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で500〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の単繊維の直径を測定し、それらの平均値を、小数点以下第一位を四捨五入して平均単繊維直径を求めた。
(7)不織布の最大ポアサイズ(μm):
ASTM F316−86に準じ、PMI社製“パームポロメーター”を用い、測定試薬としてPMI社製の“ガルヴィック”を用い、シリンダー圧力を150kPaとし、WET UP−DRY UPの測定条件で実施した。
ASTM F316−86に準じ、PMI社製“パームポロメーター”を用い、測定試薬としてPMI社製の“ガルヴィック”を用い、シリンダー圧力を150kPaとし、WET UP−DRY UPの測定条件で実施した。
(8)不織布のベック平滑度差(秒):
ベック平滑度試験機を用い、JIS P8119(1998年版)に基づいて、不織布の表面(製膜面)と裏面(非製膜面)について、それぞれ5点の測定を実施した。5点の平均値の小数点以下第一位を四捨五入した値を表面と裏面の差をベック平滑度差とした。
ベック平滑度試験機を用い、JIS P8119(1998年版)に基づいて、不織布の表面(製膜面)と裏面(非製膜面)について、それぞれ5点の測定を実施した。5点の平均値の小数点以下第一位を四捨五入した値を表面と裏面の差をベック平滑度差とした。
(9)不織布の通気量最低値(cc/cm2/sec):
JIS L 1906:2000 4.8(1)フラジール形法に基づいて、気圧計の圧力125Paで、不織布の幅方向10cm等間隔で測定し、測定値の最低の値を最低値とした(N=5)。ただし、その最低値は小数点以下第二位を四捨五入した。
JIS L 1906:2000 4.8(1)フラジール形法に基づいて、気圧計の圧力125Paで、不織布の幅方向10cm等間隔で測定し、測定値の最低の値を最低値とした(N=5)。ただし、その最低値は小数点以下第二位を四捨五入した。
(10)不織布のカール高さ(mm):
不織布のカール高さは、不織布の任意の部分から縦(不織布長さ方向)25cm×横(不織布幅方向)25cmのサンプルを3個採取し、沸騰水中に5分間浸漬してから取り出し、平らな台上で不織布の平滑度が大きい面を上にして自然乾燥する。3個のサンプルそれぞれについて、不織布の幅方向側の両側辺中央部の高さ(台との距離)を0.5mm単位で測定し、それらを平均し、小数点以下第二位を四捨五入して沸騰水カール高さを算出した。
不織布のカール高さは、不織布の任意の部分から縦(不織布長さ方向)25cm×横(不織布幅方向)25cmのサンプルを3個採取し、沸騰水中に5分間浸漬してから取り出し、平らな台上で不織布の平滑度が大きい面を上にして自然乾燥する。3個のサンプルそれぞれについて、不織布の幅方向側の両側辺中央部の高さ(台との距離)を0.5mm単位で測定し、それらを平均し、小数点以下第二位を四捨五入して沸騰水カール高さを算出した。
(11)マクロボイドの割合(%):
製膜したポリスルホン膜の断面を剃刀刃で切断し、切断したサンプルの断面を、走査型電子顕微鏡で300倍の写真を10箇所撮影し、不織布より膜厚20μm間のポリスルホン膜内のマクロボイド(不織布―ポリスルホン膜間の空隙を含む)幅方向の孔の長さを計測し、撮影した断面全体の長さより除して求めた。 ただし、その平均値は、小数点以下第一位を四捨五入した。また、マクロボイドは幅方向5μm以上のものを計測した。
製膜したポリスルホン膜の断面を剃刀刃で切断し、切断したサンプルの断面を、走査型電子顕微鏡で300倍の写真を10箇所撮影し、不織布より膜厚20μm間のポリスルホン膜内のマクロボイド(不織布―ポリスルホン膜間の空隙を含む)幅方向の孔の長さを計測し、撮影した断面全体の長さより除して求めた。 ただし、その平均値は、小数点以下第一位を四捨五入した。また、マクロボイドは幅方向5μm以上のものを計測した。
(12)膜剥離強度(gf/50mm):
作製したポリスルホン膜を全幅方向に50mmに長手方向13cmに切り出し、菊水製キクラフトテープをポリスルホン膜面に貼り付け、その一端のポリスルホン層を長手方向8cm分を分離膜支持体から引き剥がし、定速伸長型引張試験機のつかみ部の一方にポリスルホン層を、もう一方に分離膜支持体を固定し、つかみ間隔が50mmで、引張速度50mm/分の条件で、強力を測定し、強力が安定したつかみ間隔15mmから75mmとなるまでの強力の平均値を計算し、少数点以下第一位を四捨五入した値を膜剥離強度とし、その平均値と最小値を、分離膜の膜剥離強度((N=5)の平均値)および最小値((N=5)の平均値)とした。
作製したポリスルホン膜を全幅方向に50mmに長手方向13cmに切り出し、菊水製キクラフトテープをポリスルホン膜面に貼り付け、その一端のポリスルホン層を長手方向8cm分を分離膜支持体から引き剥がし、定速伸長型引張試験機のつかみ部の一方にポリスルホン層を、もう一方に分離膜支持体を固定し、つかみ間隔が50mmで、引張速度50mm/分の条件で、強力を測定し、強力が安定したつかみ間隔15mmから75mmとなるまでの強力の平均値を計算し、少数点以下第一位を四捨五入した値を膜剥離強度とし、その平均値と最小値を、分離膜の膜剥離強度((N=5)の平均値)および最小値((N=5)の平均値)とした。
(13)耐久性評価:
メッシュ状織物からなる供給液流路材、上記の海水淡水化用逆浸透膜、耐圧シート、および透過液流路材(溝幅200μm、溝深さ150μm、溝密度40本/2.54cm、厚さ200μmのポリエステル製シングルトリコット)を用い、有効膜面積40m2のスパイラル型の流体分離素子(エレメント)を作製した。
メッシュ状織物からなる供給液流路材、上記の海水淡水化用逆浸透膜、耐圧シート、および透過液流路材(溝幅200μm、溝深さ150μm、溝密度40本/2.54cm、厚さ200μmのポリエステル製シングルトリコット)を用い、有効膜面積40m2のスパイラル型の流体分離素子(エレメント)を作製した。
次に、作製した流体分離素子について、逆浸透圧が7MPaで、海水塩分濃度が3質量%で、運転温度が40℃の各条件で耐久性試験を実施し、1000時間運転後に流体分離素子を解体し、分離膜の剥離の有無を確認した。
[実施例1]
(芯成分)
固有粘度IVが0.65、融点が260℃、酸化チタンの含有量が0.3質量%のポリエチレンテレフタレート樹脂を、水分率10ppmに乾燥したものを芯成分として用いた。
(芯成分)
固有粘度IVが0.65、融点が260℃、酸化チタンの含有量が0.3質量%のポリエチレンテレフタレート樹脂を、水分率10ppmに乾燥したものを芯成分として用いた。
(鞘成分)
固有粘度IVが0.66、イソフタル酸共重合率が11モル%、融点が230℃、酸化チタンの含有量が0.2質量%の共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を、水分率10ppmに乾燥したものを鞘成分として用いた。
固有粘度IVが0.66、イソフタル酸共重合率が11モル%、融点が230℃、酸化チタンの含有量が0.2質量%の共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を、水分率10ppmに乾燥したものを鞘成分として用いた。
(紡糸・繊維ウエブ捕集)
上記の芯成分および鞘成分を、それぞれ295℃と270℃の温度で溶融し、口金温度が300℃、芯/鞘の質量比率が80/20で同心芯鞘型(断面円形)に複合して細孔から紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4200m/分で紡糸して、移動するネットコンベアー上に繊維ウエブとして捕集した。
上記の芯成分および鞘成分を、それぞれ295℃と270℃の温度で溶融し、口金温度が300℃、芯/鞘の質量比率が80/20で同心芯鞘型(断面円形)に複合して細孔から紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4200m/分で紡糸して、移動するネットコンベアー上に繊維ウエブとして捕集した。
(予備熱圧着)
上記のようにして捕集した繊維ウエブを、上下1対の金属製フラットロール間に通し、各フラットロール表面温度が130℃で、線圧が588N/cmで予備熱圧着し、平均単繊維直径が11.4μm、目付が38g/m2で、厚さが0.18mmの仮接着状態のスパンボンド不織布(a)を得た。
上記のようにして捕集した繊維ウエブを、上下1対の金属製フラットロール間に通し、各フラットロール表面温度が130℃で、線圧が588N/cmで予備熱圧着し、平均単繊維直径が11.4μm、目付が38g/m2で、厚さが0.18mmの仮接着状態のスパンボンド不織布(a)を得た。
(積層熱圧着)
得られた仮接着状態のスパンボンド不織布(a)を2枚重ね合わせ、その積層不織布を、上が硬度(Shore D)91、表面平均粗さRaが4μmの樹脂製の弾性ロールで、中が金属ロールで、下が硬度(Shore D)75、表面平均粗さRaが4μmの樹脂製の弾性ロールの1組の3本フラットロールの中−下間に通し23m/分で熱圧着し、さらにその積層不織布を折り返して上−中間を通し熱圧着し、熱圧着した積層不織布の弾性ロールと接触させた裏面を、表面温度が45℃の金属製の冷却ロールに1秒間接触させ、目付が76g/m2、厚さが0.09mm、密度が0.82g/cm3、最大ポアサイズ径24.6μm、平滑度差が33秒、通気量最低値が1.25cc/cm2/sec、カール高さが3.6mmのスパンボンド不織布を製造し、分離膜支持体を得た。このときの3本フラットロールの表面温度は、上が100℃、中が180℃、下が140℃とし、線圧は1715N/cmとした。
得られた仮接着状態のスパンボンド不織布(a)を2枚重ね合わせ、その積層不織布を、上が硬度(Shore D)91、表面平均粗さRaが4μmの樹脂製の弾性ロールで、中が金属ロールで、下が硬度(Shore D)75、表面平均粗さRaが4μmの樹脂製の弾性ロールの1組の3本フラットロールの中−下間に通し23m/分で熱圧着し、さらにその積層不織布を折り返して上−中間を通し熱圧着し、熱圧着した積層不織布の弾性ロールと接触させた裏面を、表面温度が45℃の金属製の冷却ロールに1秒間接触させ、目付が76g/m2、厚さが0.09mm、密度が0.82g/cm3、最大ポアサイズ径24.6μm、平滑度差が33秒、通気量最低値が1.25cc/cm2/sec、カール高さが3.6mmのスパンボンド不織布を製造し、分離膜支持体を得た。このときの3本フラットロールの表面温度は、上が100℃、中が180℃、下が140℃とし、線圧は1715N/cmとした。
(分離膜形成)
[ポリスルホン膜]
得られた分離膜支持体を、12m/分の速度で巻き出し、その上にポリスルホン(ソルベイアドバンスドポリマーズ社製の“Udel”(登録商標)−P3500)の16質量%ジメチルホルムアミド溶液(キャスト液)を50μm厚みで、室温(20℃)でキャストし、ただちに純水中に室温(20℃)で10秒間浸漬した後、75℃の温度の純水中に120秒間浸漬し、続いて90℃の温度の純水中に120秒間浸漬し、100N/全幅の張力で巻き取り、ポリスルホン膜を形成して分離膜を作製した。このときキャスト液の裏抜けが全く見られず、また作製した分離膜のマクロボイドの割合は19%で、膜剥離強度は71gf/50mmであり、剥離強度の最低値は45gf/50mmであった。結果を表1に示す。
[ポリスルホン膜]
得られた分離膜支持体を、12m/分の速度で巻き出し、その上にポリスルホン(ソルベイアドバンスドポリマーズ社製の“Udel”(登録商標)−P3500)の16質量%ジメチルホルムアミド溶液(キャスト液)を50μm厚みで、室温(20℃)でキャストし、ただちに純水中に室温(20℃)で10秒間浸漬した後、75℃の温度の純水中に120秒間浸漬し、続いて90℃の温度の純水中に120秒間浸漬し、100N/全幅の張力で巻き取り、ポリスルホン膜を形成して分離膜を作製した。このときキャスト液の裏抜けが全く見られず、また作製した分離膜のマクロボイドの割合は19%で、膜剥離強度は71gf/50mmであり、剥離強度の最低値は45gf/50mmであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
ポリスルホン膜形成時の膜の厚みを35μmで実施したこと以外は、実施例1と同様にして分離膜支持体および分離膜を作製した。分離膜製膜時のキャスト液の裏抜けは全く見られず、また作製した分離膜のマクロボイドの割合は18%で、膜剥離強度は69gf/50mmであり、剥離強度の最低値は40gf/50mmであった。結果を表1に示す。
ポリスルホン膜形成時の膜の厚みを35μmで実施したこと以外は、実施例1と同様にして分離膜支持体および分離膜を作製した。分離膜製膜時のキャスト液の裏抜けは全く見られず、また作製した分離膜のマクロボイドの割合は18%で、膜剥離強度は69gf/50mmであり、剥離強度の最低値は40gf/50mmであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
分離膜支持体作製時の吐出量を調整し紡糸速度4200m/分で紡糸して、平均単繊維直径が11.0μmのスパンボンド不織布を使用したこと以外は、実施例2と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。得られた分離膜支持体は、密度が0.86g/cm3、最大ポアサイズ径が21.7μm、平滑度差が34秒、通気量最低値が0.95cc/cm2/sec、カール高さが3.4mmであった。また、分離膜製膜時もキャスト液の裏抜けが全く見られず、作製した分離膜のマクロボイドの割合は28%で、膜剥離強度は57gf/50mmであり、剥離強度の最低値は40gf/50mmであった。結果を表1に示す。
分離膜支持体作製時の吐出量を調整し紡糸速度4200m/分で紡糸して、平均単繊維直径が11.0μmのスパンボンド不織布を使用したこと以外は、実施例2と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。得られた分離膜支持体は、密度が0.86g/cm3、最大ポアサイズ径が21.7μm、平滑度差が34秒、通気量最低値が0.95cc/cm2/sec、カール高さが3.4mmであった。また、分離膜製膜時もキャスト液の裏抜けが全く見られず、作製した分離膜のマクロボイドの割合は28%で、膜剥離強度は57gf/50mmであり、剥離強度の最低値は40gf/50mmであった。結果を表1に示す。
[実施例4]
分離膜支持体作製時の吐出量を調整し紡糸速度4200m/分で紡糸して、平均単繊維直径が12.6μmのスパンボンド不織布を使用したこと以外は、実施例2と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。得られた分離膜支持体は、密度が0.79g/cm3、最大ポアサイズ径が26.9μm、平滑度差が29秒、通気量最低値が1.51cc/cm2/sec、カール高さが3.8mmであった。また、分離膜製膜時もキャスト液の裏抜けは若干見られたものの製膜性には問題なく、作製した分離膜のマクロボイドの割合は15%で、膜剥離強度は83gf/50mmであり、剥離強度の最低値は50gf/50mmであった。結果を表1に示す。
分離膜支持体作製時の吐出量を調整し紡糸速度4200m/分で紡糸して、平均単繊維直径が12.6μmのスパンボンド不織布を使用したこと以外は、実施例2と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。得られた分離膜支持体は、密度が0.79g/cm3、最大ポアサイズ径が26.9μm、平滑度差が29秒、通気量最低値が1.51cc/cm2/sec、カール高さが3.8mmであった。また、分離膜製膜時もキャスト液の裏抜けは若干見られたものの製膜性には問題なく、作製した分離膜のマクロボイドの割合は15%で、膜剥離強度は83gf/50mmであり、剥離強度の最低値は50gf/50mmであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
分離膜支持体作製時の吐出量を調整し紡糸速度4200m/分で紡糸して、平均単繊維直径が10.6μmのスパンボンド不織布を使用したこと以外は実施例2と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。得られた分離膜支持体は、密度が0.81g/cm3、最大ポアサイズ径が17.0μm、平滑度差が40秒、通気量最低値が0.71cc/cm2/sec、カール高さが3.6mmであった。また、分離膜製膜時もキャスト液の裏抜けが全く見られず、作製した分離膜のマクロボイドの割合は46.6%で、膜剥離強度は40gf/50mmであり、剥離強度の最低値は8gf/50mmであった。結果を表1に示す。
分離膜支持体作製時の吐出量を調整し紡糸速度4200m/分で紡糸して、平均単繊維直径が10.6μmのスパンボンド不織布を使用したこと以外は実施例2と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。得られた分離膜支持体は、密度が0.81g/cm3、最大ポアサイズ径が17.0μm、平滑度差が40秒、通気量最低値が0.71cc/cm2/sec、カール高さが3.6mmであった。また、分離膜製膜時もキャスト液の裏抜けが全く見られず、作製した分離膜のマクロボイドの割合は46.6%で、膜剥離強度は40gf/50mmであり、剥離強度の最低値は8gf/50mmであった。結果を表1に示す。
[比較例2]
積層熱圧着時の積層速度を16m/分に変更したこと以外は、実施例2と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。得られた分離膜支持体は密度が0.84g/cm3、最大ポアサイズ径15.5μm、平滑度差が44秒、通気量最低値0.64cc/cm2/sec、カール高さ3.3mmであった。また、分離膜製膜時もキャスト液の裏抜けが全く見られず、作製した分離膜のマクロボイドの割合は50.1%で、膜剥離強度は38gf/50mmであり、剥離強度の最低値は9gf/50mmであった。結果を表1に示す。
積層熱圧着時の積層速度を16m/分に変更したこと以外は、実施例2と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。得られた分離膜支持体は密度が0.84g/cm3、最大ポアサイズ径15.5μm、平滑度差が44秒、通気量最低値0.64cc/cm2/sec、カール高さ3.3mmであった。また、分離膜製膜時もキャスト液の裏抜けが全く見られず、作製した分離膜のマクロボイドの割合は50.1%で、膜剥離強度は38gf/50mmであり、剥離強度の最低値は9gf/50mmであった。結果を表1に示す。
[比較例3]
ポリスルホン膜形成時の膜の厚みを35μmで実施したこと以外は、比較例1と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。作製した分離膜のマクロボイドの割合は43.6%で、膜剥離強度は47gf/50mmであり、剥離強度の最低値は14gf/50mmであった。結果を表1に示す。
ポリスルホン膜形成時の膜の厚みを35μmで実施したこと以外は、比較例1と同様にして分離膜支持体およびポリスルホン膜を作製した。作製した分離膜のマクロボイドの割合は43.6%で、膜剥離強度は47gf/50mmであり、剥離強度の最低値は14gf/50mmであった。結果を表1に示す。
得られた分離膜支持体と分離膜の特性は、表1に示したとおりであり、実施例1〜4で得られた分離膜を用いて流体分離素子を作製したところ、加工性は良好であり、さらに作製した流体分離素子の耐久性評価を実施した結果、いずれも膜接着状態も良好であり、耐久性に優れたものであった。
一方、比較例1〜3では、分離膜支持体とポリスルホン膜間で剥離が発生するものであった。また、比較例1ではスパイラル型の流体分離素子作製時、カールが高く加工することができなかった。
Claims (4)
- 熱可塑性連続フィラメントで構成された長繊維不織布からなる分離膜支持体上に、分離機能を有する膜が形成されてなる分離膜であって、前記分離膜支持体と前記膜の界面間におけるマクロボイドの割合が30%以下であることを特徴とする分離膜。
- 分離膜支持体の密度が0.70〜0.95g/cm3であり、かつ最大ポアサイズ径が18μm以上であることを特徴とする請求項1記載の分離膜。
- 分離膜支持体のベック平滑度の表裏差が10〜40秒であることを特徴とする請求項1又は2記載の分離膜。
- 分離膜支持体の通気量が0.8cc/cm2/sec以上であり、かつ幅方向のカール高さが6mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017227080A JP2019093366A (ja) | 2017-11-27 | 2017-11-27 | 分離膜 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2017227080A JP2019093366A (ja) | 2017-11-27 | 2017-11-27 | 分離膜 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019093366A true JP2019093366A (ja) | 2019-06-20 |
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ID=66972420
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2017227080A Pending JP2019093366A (ja) | 2017-11-27 | 2017-11-27 | 分離膜 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2019093366A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020067522A1 (ja) | 2018-09-28 | 2020-04-02 | Hoya株式会社 | 累進屈折力レンズおよびその設計方法 |
| CN114130225A (zh) * | 2021-09-14 | 2022-03-04 | 江苏拓邦环保科技有限公司 | 反渗透膜、高通量反渗透膜、高脱硼反渗透膜及制备方法 |
| CN114514065A (zh) * | 2019-09-18 | 2022-05-17 | 韩国商东丽先端素材股份有限公司 | 反渗透膜及其制备方法 |
| WO2023276614A1 (ja) | 2021-06-28 | 2023-01-05 | 旭化成株式会社 | 正浸透膜、及びそれを含む正浸透膜モジュール |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013108788A1 (ja) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | 東レ株式会社 | 複合半透膜およびその製造方法 |
| WO2015046215A1 (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-02 | 東レ株式会社 | 不織布、分離膜支持体、分離膜、流体分離素子および不織布の製造方法 |
| JP2016029221A (ja) * | 2014-07-25 | 2016-03-03 | 東レ株式会社 | 不織布および分離膜支持体 |
-
2017
- 2017-11-27 JP JP2017227080A patent/JP2019093366A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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