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JP2019091040A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 多層積層構造の光線反射を利用しながらも、反射異方性の性質を利用してフィルムの着色が殆どなく、ディスプレイ内容物の劣化を長期にわたり保護可能な、高透明および長波長紫外線カット性を両立した積層フィルムを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂Aを主成分とするA層、および、前記熱可塑性樹脂Aと屈折率が異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層を交互に51層以上積層した積層フィルムであって、フィルム配向方向に振動する直線偏光(X波)を照射して求められる絶対光線透過率、および、配向方向に対して垂直な方向に振動する直線偏光(Y波)を照射して求められる絶対光線透過率のうち、一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%以上、波長420nmにおいて70%以上、波長440nmにおいて80%以上であり、もう一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上である、積層フィルムである。【選択図】なし

Description

本発明は、長波長紫外線カット性を有しながら反射色相が抑制された、高透明な積層フィルムに関する。
熱可塑性樹脂フィルム、中でもポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから、磁気記録材料や包装材料などの多くの用途において、基材フィルムとして広く使用されている。特に、従来から、自動車や建材、エレクトロニクス分野において、紫外線をカットするポリエステルフィルムの需要が存在する。
フラットパネルディスプレイやタッチパネル、車載パネルディスプレイ、デジタルサイネージなどの各種ディスプレイには、光学用フィルムとして、偏光子保護フィルムや位相差フィルムなどが用いられている。液晶ディスプレイでは、バックライトからの光が、一軸配向した偏光子(PVA)を介して直線偏光に変換され、液晶分子が一定の方向に配向した場合にディスプレイ前面まで透過される。液晶ディスプレイ内部の偏光子や液晶分子といった有機分子は、外部から侵入する紫外線により劣化するため、偏光子より視認側に位置するフィルムには紫外線カット性が要求される。また、有機EL用ディスプレイにおいては、発光素子にあたる有機分子が、当該分子の発する波長より短波長の光を受けることで分解・劣化する傾向があり、ディスプレイの長寿命化を目的として紫外線領域ならびに高エネルギー可視光線領域を含む広い波長範囲の光線をカットすることが求められている。
紫外線カット性をポリエステルフィルムに付与する処方として、一般的には、紫外線吸収剤を樹脂に添加する処方が用いられる。(特許文献1)しかしながら、紫外線吸収剤を添加する方法により紫外線カットを達成する場合、紫外線吸収剤の種類や添加量に応じて、フィルム製膜時に口金付近や真空ベント口でブリードアウトが発生する。そのため、製膜工程汚染が発生してフィルムに欠点が生じる、紫外線吸収剤添加濃度が低下してカット性能が弱まる、といった、フィルム自体の品位を損なう問題が発生する。特に、低コスト化・低消費電力・長寿命化といったディスプレイ分野の近年のニーズに対応するため、現行の光学フィルム同等以上の紫外線カット性を示す薄膜フィルムが求められているが、吸収性能はフィルムの厚みと添加濃度の積に依存するため紫外線吸収剤の高濃度添加を避けることが出来ず、著しい製膜装置汚染や、過酷な条件での耐久試験後のフィルム表面への吸収剤析出、による品位低下が顕著となる問題点がある。
樹脂への紫外線吸収剤添加量を削減しつつ、薄膜でも紫外線カット性を達成する処方として、積層フィルムによる光線反射と紫外線吸収剤による吸収を併用する方法が用いられる。(特許文献2,3)これにより、反射が光線カットの一助となるうえ、干渉反射の効果により反射される光線の光路長が増大するため、低濃度吸収剤添加の場合でも同等の吸収性能を達成することが可能となる。
特開2013−210598号公報 特開2016−215643号公報 国際公開第2016/148141号
しかしながら、反射帯域を紫外線領域よりやや長波長位置の高エネルギー可視光線領域までシフトする場合、高エネルギー可視光線領域の光線が積層フィルムの前面に反射されるため、積層フィルム自体が青みを帯びて透明性を失い、ディスプレイに搭載した場合のクリアな表示が失われる問題点が生じる。高画質化をハイエンド特性とするディスプレイ用途では、高繊細かつ高透明な色表示が最も重要視されるため、望まない着色は必ず避ける必要がある。
発明者らの鋭意検討の結果、多層積層構造に基づき反射特性を示す積層フィルムを任意の方向に強く延伸配向させ、反射異方性を発現することで、反射色相を限りなく抑えながらも、より長波長側の可視光短波長領域までの光線を急峻にカットできることを見出した。具体的に、反射異方性とは、配向方向に振動する偏光を照射した場合と配向方向に対し直交方向に振動する偏光を照射した場合とで反射する波長帯域が異なる性質を指し、それぞれの偏光を照射して得られる光線カット性が、自然光を照射した場合よりも急峻になることを見出したものである。
PVAを一軸配向させた偏光子を含む偏光板を透過して得られる光は一般に直線偏光であるため、特定の一方向の偏光しか透過しない。このとき、ディスプレイに用いる偏光板の透過軸方向とフィルム配向軸とを平行または垂直となるように偏光板よりも視認側(上側)に配することで、ディスプレイ背面から透過する光線は、偏光子の影響を受けてより長波長側まで光線カットする性質を示す。一方で、フィルム表面で反射する光線は自然光であるため、直線偏光の波長から想定されるよりも反射色相を抑制する事が出来るものである。
そこで、本発明では上記の延伸による反射異方性の特長を利用し、高エネルギー可視光線領域まで光線カットしながらも着色のない、高透明な積層フィルムを提供する事を目的とする。
本発明は次の構成からなる。すなわち、
熱可塑性樹脂Aを主成分とするA層、および、前記熱可塑性樹脂Aと屈折率が異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層を交互に51層以上積層した積層フィルムであって、
フィルム配向方向に振動する直線偏光(X波)を照射して求められる絶対光線透過率、および、配向方向に対して垂直な方向に振動する直線偏光(Y波)を照射して求められる絶対光線透過率のうち、一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%以上、波長420nmにおいて70%以上、波長440nmにおいて80%以上であり、もう一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上である、積層フィルム。
本発明の積層フィルムは、紫外線領域から高エネルギー可視光線領域までの広い波長範囲の光線を十分にカットしながらも反射色調が抑制され、ディスプレイに搭載した際にも、高透明・高品位に画像表示することができる効果を奏する。
分光反射スペクトルの反射帯域を表す模式図である。 分光反射スペクトルの反射帯域の別の形態を表す模式図である。 反射異方性を示す積層フィルムに対し、X波もしくはY波のいずれかの直線偏光を照射した際の分光透過スペクトルを示す模式図である。 本発明の積層フィルムを好適に利用できる偏光子を有するヘッドアップディスプレイの一態様を示す模式図である。 本発明の積層フィルムを好適に利用できる偏光子を有するヘッドアップディスプレイの一態様を示す模式図である。
以下、本発明の積層フィルムについて詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂Aを主成分とするA層、および、前記熱可塑性樹脂Aと屈折率が異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層を交互に51層以上積層した積層フィルムであって、フィルム配向方向に振動する直線偏光(X波)を照射して求められる絶対光線透過率、および、配向方向に対して垂直な方向に振動する直線偏光(Y波)を照射して求められる絶対光線透過率のうち、一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%以上、波長420nmにおいて70%以上、波長440nmにおいて80%以上であり、もう一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上であることが必要である。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ(1−ブテン),ポリ(4−メチルペンテン),ポリイソブチレン,ポリイソプレン,ポリブタジエン,ポリビニルシクロヘキサン,ポリスチレン,ポリ(α−メチルスチレン),ポリ(p−メチルスチレン),ポリノルボルネン,ポリシクロペンテンなどに代表されるポリオレフィン系樹脂、ナイロン6,ナイロン11,ナイロン12,ナイロン66などに代表されるポリアミド系樹脂、エチレン/プロピレンコポリマー,エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー,エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー,エチレン/アルキルアクリレートコポリマー,エチレン/アクリルメタクリレートコポリマー,エチレン/ノルボルネンコポリマー,エチレン/酢酸ビニルコポリマー,プロピレン/ブタジエンコポリマー,イソブチレン/イソプレンコポリマー,塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマーなどに代表されるビニルモノマーのコポリマー系樹脂、ポリアクリレート,ポリメタクリレート,ポリメチルメタクリレート,ポリアクリルアミド,ポリアクリロニトリルなどに代表されるアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどに代表されるポリエステル系樹脂、ポリエチレンオキシド,ポリプロピレンオキシド,ポリアクリレングリコールに代表されるポリエーテル系樹脂、ジアセチルセルロース,トリアセチルセルロース,プロピオニルセルロース,ブチリルセルロース,アセチルプロピオニルセルロース,ニトロセルロースに代表されるセルロースエステル系樹脂、ポリ乳酸,ポリブチルサクシネートなどに代表される生分解性ポリマー、その他、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリシロキサン、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどを挙げることができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、合成ポリマーであることが好ましく、ポリオレフィン系、アクリル系、ポリエステル系、セルロースエステル系、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォンであることがより好ましい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエステル系、トリアセチルセルロースが特に好ましい。また、これらは1種類単独で利用しても、2種類以上のポリマーブレンドあるいはポリマーアロイとして利用してもよい。
熱可塑性樹脂Bは、熱可塑性樹脂Aと同一の熱可塑性樹脂ではなく、屈折率の異なる樹脂であることが必要である。反射による光線カットを実現する場合、積層する樹脂の層厚み、および、2つの異なる熱可塑性樹脂の屈折率差に基づく式(1)に従い、反射光線の波長が一義的に決定される。(なお、式(1)において、n、nはそれぞれ熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂Bの屈折率、d、dはそれぞれ熱可塑性樹脂Aを主成分とする層、熱可塑性樹脂Bを主成分とする層の層厚みを指す。kは、任意の自然数である。)そのため、同一の屈折率を有する熱可塑性樹脂を利用した場合、熱可塑性樹脂界面での光線反射は発生しない。特定の波長の光線を反射するためには、樹脂の層厚みおよび屈折率差の2種類のパラメータが精密に制御されるべきであるため、屈折率差の数値範囲のみを一概に決定することは困難であるが、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの屈折率の差は0.01以上であることが必要であり、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.05以上である。一方、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの屈折率の差の上限は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、交互積層された各熱可塑性樹脂の層界面での密着性の観点から、0.4となる。
Figure 2019091040
また、これらの異なる熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bは、屈折率が異なることに加えて、同時に熱特性も異なることが好ましい。熱特性が異なるとは、示差走査熱量測定(DSC)において、融点ならびにガラス転移温度が異なることを指す。融点ならびにガラス転移温度が異なることで、積層フィルムを延伸・熱処理する工程において、各々の層の配向状態を高度に制御することが可能となる。配向状態を高度に制御できることにより、各熱可塑性樹脂の層の面内および面直方向の屈折率を制御し、反射する光線波長を制御することが可能となる。特に、延伸工程において樹脂の配向状態に影響を与える、ガラス転移温度や融点は、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bで0.1℃以上異なることが好ましい。ただし、装置における温度制御の精度を鑑みると、融点ならびにガラス転移温度は、1℃以上異なることが好ましく、より好ましくは3℃以上、さらに好ましくは、5℃以上である。一方、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度や融点の差の上限は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、各樹脂を独立して延伸する観点から、50℃以下となる。
なお、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの一方しかガラス転移温度および融点を示さない場合もある。この場合は、温度差として算出はできないが、樹脂の熱特性は異なるものとして解釈してもよい。一方、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bとして、ガラス転移温度ならびに融点を示さない樹脂を利用することは、延伸工程のロールやクリップへの粘着により、積層フィルムが延伸できないことを暗に示しており、二軸延伸工程を必要とする本開発においては好ましくない。
前述した熱可塑性樹脂の中では、強度や耐熱性、透明性および汎用性の観点から、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの少なくとも一方は、ポリエステル系樹脂からなることが好ましい。以下に、好ましいフィルム基材であるポリエステル系樹脂の態様について記述する。
本発明におけるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールとを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られる縮重合体のことである。ポリエステルの工業的製造方法としては、公知の如く、エステル交換反応(エステル交換法)や直接エステル化反応(直接重合法)が用いられる。ここで、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、および、それらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも高い屈折率を示すテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく用いられる。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコールなどを挙げることができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。
さらに、ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体などを用いることも出来る。このとき、共重合体を構成する共重合成分としては、前記のジカルボン酸成分およびジオール成分が、それぞれ1種類以上、共重合されていることが好ましい。
本発明における、交互に積層するとは、A層を構成する熱可塑性樹脂AとB層を構成する熱可塑性樹脂Bとが厚さ方向に規則的な配列で積層されていることをいい、A(BA)n、B(AB)n、あるいはA(BA)nB(nは自然数)の規則的な配列に従って樹脂が積層された状態を指す。このように熱特性の異なる樹脂が交互に積層されることにより、積層フィルムを延伸・熱処理する工程において、各々の層の配向状態を高度に制御する事が可能となる。このような層構成の積層フィルムを製膜する場合、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出し、公知の積層装置であるマルチマニホールドタイプのフィードブロックやスタティックミキサー等を用いて積層させることができる。特に、本発明の構成を効率よく得るためには、微細スリットを有するフィードブロックを用いる方法が高精度な積層を実現する上で好ましい。スリットタイプのフィードブロックを用いて積層体を形成する場合、各層の厚みおよびその分布は、スリットの長さや幅を変化させて圧力損失を傾斜させること、またはフィードブロック内での櫛部での任意のセクションでの温度制御を細かく実施することにより達成可能となる。スリットの長さとは、スリット板内でA層とB層を交互に流すための流路を形成する櫛歯部の長さのことである。本発明においては、以下記載簡便化のために、熱可塑性樹脂Aが最外層に位置するA(BA)n(nは自然数)の構成である場合を仮定して記載する。B(AB)n(nは自然数)の場合には、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bを入れ替えて解釈すれば事足りる。
上記のA(BA)nもしくは、B(AB)nの構成の場合、積層体の最表面に位置する熱可塑性樹脂(前者であれば熱可塑性樹脂A、後者であれば熱可塑性樹脂B)が結晶性を示す熱可塑性樹脂であることが好ましい。この場合、当該結晶性を示す熱可塑性樹脂を主成分とする単膜フィルムと同様の製膜工程で、積層フィルムを得ることが可能となるため好ましい。熱可塑性樹脂Aが非結晶性の樹脂からなる場合、後述の一般的な逐次二軸延伸フィルムと同様にして二軸延伸フィルムを得た場合に、ロールやクリップなどの製造設備への粘着による、製膜不良や表面状態の悪化、などの問題が生じる場合がある。
また、A(BA)nBの構成、すなわち、一方の最表面にA層が位置し、反対側の最表面にB層が位置する構成とすることもできる。この場合、熱可塑性樹脂Aおよび/または熱可塑性樹脂Bが非晶性の樹脂である場合、上述と同様の非晶性樹脂に起因する製膜上の問題が発生することがあるため、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bが共に結晶性の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
以上をまとめると、熱可塑性樹脂Aは、結晶性を有するポリエステル系である、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートを用いることが好ましい。中でも、延伸過程において結晶化速度が速すぎず、高精度に積層構造が実現しやすい観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートを用いることがより好ましい。一方で、熱可塑性樹脂Bは、熱可塑性樹脂Aとの密着性・積層性の観点からも、熱可塑性樹脂Aと同一の基本骨格を含むポリエステル系樹脂であることが好ましい。ここで、基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことであり、ポリエチレンテレフタレートの場合はエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの場合はエチレンナフタレートが基本骨格となる。同一の骨格を有することで、積層精度が高く、積層界面での層間剥離(デラミネーション)が生じにくくなるものである。ポリエチレンテレフタレートに対して、ポリエチレンナフタレートは面方向にポリマーが配向しやすい反面、層間剥離をより起こしやすいことから、積層フィルムという観点ではポリエチレンテレフタレートを基本骨格とすることが最も好ましい。
熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bがポリエチレンテレフタレートを基本骨格とする場合において、熱可塑性樹脂Bは、基本骨格を構成していない共重合成分が熱可塑性樹脂A内に含まれる共重合成分と異なる、もしくは、熱可塑性樹脂A内の共重合成分量と異なる量で主成分とならない程度に含まれている、ことが好ましい。ポリエチレンテレフタレートを基本骨格とする場合に好適な共重合成分としては、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド、スピログリコール、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ポリエチレングリコール2000、m−ポリエチレングリコール1000、m−ポリエチレングリコール2000、m−ポリエチレングリコール4000、m−ポリプロピレングリコール2000、ビスフェニルエチレングリコールフルオレン(BPEF)、フマル酸、アセトキシ安息香酸などが挙げられる。中でも、スピログリコールやイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を共重合していることが好ましい。スピログリコールを共重合した場合、ポリエチレンテレフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離も起こりにくい。また、イソフタル酸を共重合した場合は、ベンゼン環内の官能基の位置が直線的でないため結晶性を大きく低下させることができる一方で、平面性が高いため全体的に高い屈折率を示すことが可能である。
本発明の積層フィルムにおいては、上述の熱可塑性樹脂Aを主成分とするA層、および、前記熱可塑性樹脂Aと屈折率が異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層を交互に51層以上積層されてなることが必要である。異なる熱可塑性樹脂が交互に積層されることにより、各層の屈折率の差と層厚みの関係より設計した特定の波長の光線を反射させることが出来る、干渉反射を発現可能となる。特に、干渉反射を発生させる波長帯域を紫外線領域や波長380nm以上440nm以下の高エネルギー可視光線領域に標的化させることで、積層フィルム自体に反射による紫外線カット性及び/又は高エネルギー可視光線カット性を付与することが可能となる。51層より少ない積層数の場合は、広い波長帯域にわたって高い反射率を得られず、十分な光線カットを実現できない。また、51層以上交互に積層されたフィルムの場合、数層〜十数層積層されたフィルムと比較して、均質に各々の樹脂が配分されるため、安定した製膜性や機械物性を得ることが可能となる。さらに、層数が増加するに従い、各々の層での配向の成長を抑制できる傾向がみられ、交互に多くの層を積層することで屈折率などの光学特性を制御しやすくなる。層数は、好ましくは100層以上、より好ましくは200層以上である。層数に上限はないが、層数が増えるに従い、製造装置の大型化に伴う製造コストの増加や、フィルム厚みが厚くなることによるハンドリング性の悪化を招く。特に、フィルム厚みが厚くなることは、熱可塑性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂からなり複屈折性を示す場合に、A層の絶対厚みが増加するために画像表示用部材として用いると虹斑を引き起こすことから好ましくなく、現実的には2000層以下が適している。複屈折性とは、延伸工程を経ることで、延伸方向および面内で延伸方向に垂直な方向、さらに延伸面に垂直な面直方向での屈折率がそれぞれ異なる数値を示す性質を指し、屈折率異方性と称されることもある。
本発明の積層フィルムは、フィルム配向方向に振動する直線偏光(X波)、および、配向方向に対して垂直な方向に振動する直線偏光(Y波)を照射して求められる絶対光線透過率に差があることが必要である。積層フィルムの配向方向は、後述の二軸延伸工程におけるフィルムの長手方向および幅方向への延伸倍率の大きさに主として影響されるが、熱処理・冷却工程でのフィルムの収縮過程などにより複雑な挙動を示すため、一概に延伸方向が配向方向となるとは限らない。そこで、本発明においては、王子計測機器株式会社の光学的な手法をもって配向方向を測定可能な、自動複屈折装置KOBRA−ADシリーズにより得られた配向角の数値をもって配向方向を決定する。配向角の数値が示す方向をX軸方向、当該配向方向に対して垂直な方向をY軸方向と定めることとする。
直線偏光とは、任意方向に一様に振動分布する電磁波である自然光から抽出した、電場の振動方向を含む特定の面方向に振動する光の事を指す。本発明における積層フィルムでは、直線偏光を照射した状態での光線透過率が重要であるため、分光光度計上で、光源から発せられる自然光より直線偏光子を介して抽出された直線偏光を利用する事とする。代表的な直線偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)−ヨウ素配向膜、“ポラロイド”(登録商標)、偏光ニコルプリズム、などが挙げられるが、本発明においては、日立ハイテクサイエンス(株)社の分光光度計U−4100に付属の直線偏光アタッチメントを介して得られた直線偏光を利用することとする。
本発明の積層フィルムは、フィルム配向方向に振動する直線偏光(X波)、および、配向方向に対して垂直な方向に振動する直線偏光(Y波)を照射して求められる絶対光線透過率のうち、一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%以上、波長420nmにおいて70%以上、波長440nmにおいて80%以上であり、もう一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上であることが必要である。絶対光線透過率が前記の数値を示すための方法は特に限られるものではないが、積層フィルムの交互多層積層構造に由来する光線干渉反射の利用、および、当該波長帯域の光線を吸収可能な光吸収剤の利用などが挙げられる。
本発明で利用することができる、積層フィルムの交互多層積層構造由来の光線反射について記載する。本発明の積層フィルムのように、屈折率の異なる熱可塑性樹脂層を交互に積層することで、各層の層厚み設計、および2種の熱可塑性樹脂間の屈折率差に応じて、特定の波長帯域の光線を反射することが可能となる。層厚み設計としては、積層層厚み分布を変化させて、反射する波長帯域を拡張・収縮したり、光線反射率を向上させることができるほか、反射帯域のカット端をシャープに設計したり、なだらかに設計することも可能となる。また、積層フィルムを構成する2種類の熱可塑性樹脂の積層比率を一定のまま厚みを変化させることで自由にシフトさせることもできる。積層層厚み分布を制御し、反射帯域のカット端をシャープになるように設計する場合、一般的な紫外線吸収剤や、染料ならびに顔料などの色素を添加した場合と比べても優れたシャープカットを実現でき、望まない可視光線カットを防止できるため、狭帯域で選択的な光線カット性が求められる材料に好ましく利用することができる。
本発明の積層フィルムにおける層厚み分布としては、フィルムの厚さ方向に対して、片面側から反対面へ向かって増加または減少する層厚み分布や、フィルムの片面側からフィルム中心へ向かって層厚みが増加した後減少する層厚み分布や、フィルムの片面側からフィルム中心へ向かって層厚みが減少した後増加する層厚み分布等が好ましい。層厚み分布の変化の方法としては、線形、等比、階差数列といった連続に変化するものや、10層から50層程度の層がほぼ同じ層厚みを持ち、その層厚みがステップ状に変化するものが好ましい。同じ厚みを有する層が多く存在するほど、特定の波長における積層フィルムの光線反射率が高まるため、層厚みの増加や減少の傾斜分布が複数存在する層厚み分布であることが最も好ましい。
二軸延伸した積層フィルムにおいて、構成する熱可塑性樹脂が複屈折性を示す樹脂の場合には、積層フィルム面内の配向方向とそれに直交する方向、ならびに厚み方向とで異なる屈折率を示す。交互積層している熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bが、二軸延伸工程を経てそれぞれ延伸面内において異なる複屈折性を示した場合、配向方向とそれに直交する方向とで、2つの熱可塑性樹脂間の屈折率差に違いが生じるため、反射帯域や反射端のシャープカット性、反射帯域のプロファイルが変化する。なお、これらの面内屈折率差は、選択する熱可塑性樹脂の種類である程度は決定されるが、加えて、熱可塑性樹脂のガラス転移温度などの熱特性、二軸延伸時の温度条件、延伸倍率などの様々な条件に左右される。
たとえば、熱可塑性樹脂の種類として、熱可塑性樹脂Aに複屈折性を示すポリエチレンテレフタレートを、熱可塑性樹脂Bとして無配向性を示すスピログリコールを共重合したポリエチレンテレフタレートを用いたとする。二軸延伸後には、熱可塑性樹脂Aのみ面内屈折率差を示すため、この場合、反射帯域の長波長側のみがシフト変化し、反射帯域の広さが変化する傾向を示す。また、熱可塑性樹脂Bとして、二軸延伸工程を経てやや複屈折性を示すイソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、反射帯域の長波長のカット端だけでなく短波長のカット端もシフト変化する傾向を示す。このように、複屈折性の異なる熱可塑性樹脂の組み合わせにより、反射波長帯域の端部のシフトの状態が異なる。ここで述べるところの、反射帯域の帯域、短波長端、長波長端は図1に示す部分を指す。
本発明の積層フィルムの製膜工程において、積層フィルムを特定の方向に強く延伸することは、積層フィルムの面内屈折率差を大きくすることができ、また、積層フィルム面全体で配向角が均一になりやすいことから好ましい。配向角が均一な積層フィルムをディスプレイに実装する場合、ディスプレイ内部からの透過光が偏光板を透過して得られる偏光と、積層フィルムの配向方向が同じ向き、もしくは、直交関係となるように積層フィルムを貼り合せることにより、積層フィルムのリタデーションが、虹むらなどの視認性低下を招きやすいと言われている300nm以上3000nm以下の範囲内に入っている場合においても、フィルム面内における配向角のばらつきがないために、虹むらなどの問題を生じなくなる。
積層フィルムの配向角は、特に、二軸延伸工程において強く延伸したことで、フィルム長手方向もしくは幅方向に配向角を有することが、フィルムをディスプレイ部材と組み合わせる際のロールラミネーションにおける生産性ならびに視認性の観点から好ましい。一般的に二軸延伸の場合、長手方向もしくは幅方向への延伸のうち、より強く延伸した方向に樹脂が配向する傾向があるため、配向角が長手方向もしくは幅方向に配向角を有するためには、長手方向もしくは幅方向のうち一方の延伸倍率がもう一方の延伸倍率よりも高くなることが必要である。積層フィルムの配向角としては、積層フィルムの長手方向および幅方向の延伸方向のうち、より強く延伸した方向(延伸倍率が高い方向)と配向方向のなす角度が10°以下を示すことが好ましく、より好ましくは5°以下、さらに好ましくは3°以下である。積層フィルムの配向角とより強い延伸方向(延伸倍率が高い方向)のなす角度が10°を超える場合、貼り合せるディスプレイのサイズにもよるが、ディスプレイ面内で配向方向がばらつき変化していることで虹むらが観察されるほか、バックライトからの光線の偏光状態が変化して偏光性能が損なわれるため好ましくない場合がある。なお、フィルムを強く延伸する方向は、後述の製膜方法に記載の長手方向の延伸プロセスならびに幅方向の延伸プロセスのそれぞれの延伸倍率の大きさより判断できる。また、後述する本発明における一般的な製膜方法以外に、長手方向の延伸、幅方向の延伸を実施した後、さらに第二の長手方向および/または第二の幅方向延伸プロセスを実施すること、また、幅方向の延伸のみを実施した後、長手方向の延伸プロセスおよび/または第二の幅方向延伸プロセスを実施することなども可能である。その場合、前者においては、長手方向の延伸倍率と第二の長手方向の延伸倍率を掛け合わせた長手総延伸倍率および幅方向の延伸倍率と第二の幅方向の延伸倍率を掛け合わせた幅方向総延伸倍率の比較、後者においては、長手方向の延伸倍率および幅方向の延伸倍率と第二の幅方向の延伸倍率とを掛け合わせた総幅方向延伸倍率との比較により強い延伸軸方向を把握することが可能である。
本発明の積層フィルムは、フィルム配向方向に振動する偏光(X波)もしくはそれに直交する方向に振動する偏光(Y波)のうち、一方の直線偏光の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上であることが必要である。本発明の積層フィルムは、自然光を照射した場合には紫外線領域および高エネルギー可視光線を十分カットできていなくとも、特定の方向に振動するX波もしくはY波の直線偏光を当てることではじめて、紫外線カット性および高エネルギー可視光カット性(以下、長波長紫外線カット性と称する)が発現されることに最も重要な技術的な特徴を有する。本発明の積層フィルムにそれぞれの直線偏光を照射した際の分光透過スペクトルの概略図を図3に記載する。積層フィルムの配向角に対して平行もしくは垂直な方向に振動する直線偏光を照射することで、一方の直線偏光の分光透過スペクトルは自然光を照射した場合の分光透過よりも長波長側にシフトしながら、よりシャープカット性を示し、もう一方の直線偏光を照射した場合の分光透過スペクトルは、より短波長側にシフトしながらシャープカット性を示す。
X波もしくはY波の直線偏光を当てた場合に、長波長紫外線カット性を示し得る側の偏光の絶対光線透過率が400nmにおいて10%未満でない場合、本発明の積層フィルムをディスプレイ用途に実装した場合に、液晶ディスプレイでは内部の液晶層や偏光子の劣化を、また、有機ELディスプレイなど発光素子を有するディスプレイでは、発光層の変質や劣化を効果的に防止することが出来ない。特に屋外用途で用いるディスプレイに対しては、波長380nm以下の紫外線領域を完全にカットしない場合、長期にわたり十分な画像表示ができずに、画像表示素子の輝度低下や、画像表示において偏光子劣化による色調変化などが発生し、視認性が悪化することから好ましくない。そのため、X波およびY波のうち、より長波長側の紫外線カット性を示す偏光の波長400nmにおける絶対光線透過率が、10%未満となるほどの波長カット性が求められる。波長400nmにおける絶対光線透過率は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。無論、0%に限りなく近いことが最たる好適条件である。さらに、高透明・高画質化するためには、可視光線のカット性を最小限に抑制するための急峻な光線カット(シャープカット性)必要があり、波長420nmにおける絶対光線透過率を70%未満、波長440nmにおける絶対光線透過率を80%以上とすることで、積層フィルム自身が強く着色することなく、最も効果的にクリアな画像表示が可能となる。また、有機ELディスプレイの場合には、青色発光素子の発光波長に影響を与えることなく、ディスプレイを構成する有機分子に対し有害な、紫外線および高エネルギー可視光線のみを効果的にカットできる。波長420nmにおける絶対光線透過率は、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下である。波長440nmにおける絶対光線透過率としては、85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
一方で、X波もしくはY波のうち、前記とは異なる側の直線偏光を照射した場合の絶対光線透過率は、波長400nmで10%以上、波長420nmで70%以上、波長440nmで80%以上を示すことが必要である。交互積層構造による反射を用いる場合、反射された外部からの光線が直接的に視認される。このとき反射され視認し得る光線は外光からの自然光であり、面内のあらゆる方向の直線偏光の反射光線が足し合され平均化した性質を示す。長波長紫外線カット性を示しつつ高透明な積層フィルムを得るためには、視認される反射光線の波長帯域は可視光線領域に強くかかってはいけないため、前記の長波長側紫外線カット性を示す直線偏光と異なる直線偏光を照射した場合の絶対光線透過率が、より短波長側において紫外線カット性を示すことで、平均として長波長UVカット性が弱まる性質が求められる。具体的には、波長400nmにおける絶対光線透過率が10%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上を示すことがよい。また、波長420nmにおける絶対光線透過率としては、80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。波長440nmにおける絶対光線透過率としては、90%以上を示すことが好ましい。以上の互いに直交する2種類の偏光を照射した際に光線カット性が異なる積層フィルムであれば、従来の積層構造を有するフィルム以上にディスプレイ内容物の劣化を防止し、長波長紫外線カット性を効果的に利用しながらも反射色相は最小限に抑えることができるため、非常に高透明であり、ディスプレイ非表示時における画像表示をより鮮明なものにすることが可能となる。
本発明の積層フィルムは、波長300nm以上380nm未満における相対光線透過率の最大値が10%以下であることが好ましい。相対光線透過率とは、自然光を光源として用いた際に求められる光線透過率であり、詳しい測定方法については後述する。300nm以上380nm未満という紫外線領域に関しては、先述の通り、ディスプレイ内部の偏光子や液晶分子、発光分子など画像表示の要となる部分の劣化に大きく関与する波長帯域であるため、強く光線カットすることが望ましく、より好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは2%以下である。無論、0%に限りなく近いことが最たる好適条件である。
本発明の積層フィルムは、波長400nm以上におけるカットオフ波長Λが400nm以上440nm以下であり、反射色相b*値の絶対値が10以下であり、波長400nm以上におけるカットオフ波長Λと反射色相b*値が、式(2)の関係式を満足することが好ましい。式(2)を満足することにより、反射光線による着色を限りなく小さくし、本発明の特徴である長波長紫外線カット性ならびに高透明性を共に強く示すことが可能となる。
b*>−0.805Λ+320 式(2)
本発明におけるカットオフ波長とは、積層フィルムに400nmの絶対光線透過率が10%未満を示す直線偏光を照射した際の絶対反射分光スペクトルにおいて、図1および図2に示すとおり、紫外線領域にかかる反射帯域の反射率最大値の半値を示す数値のうち、最も長波長位置に位置する波長を指す。なお、反射帯域とは、光線反射率の絶対値が10nm以上の波長にわたり12%以上を示す一連の帯域を指す。図2のように、反射帯域内に山が複数存在し、反射率最大値の半値を示す波長が複数存在する場合には、最も長波長位置に存在する波長をカットオフ波長と称することとする。このとき、反射帯域が紫外線領域および/または高エネルギー可視光線領域にかからないものは対象外とする。たとえば、波長300nm以上400nm以下の波長帯域および波長500nm以上600nm以下の波長帯域の2種類の波長帯域に反射帯域を有する場合、前者の波長300nm以上400nmの波長帯域における反射率の最大値の半値を示すカットオフ波長Λは、波長300nm以上400nm以下の波長帯域から選択されるべきであって、波長500nm以上600nm以下の波長帯域に同じ反射率を示す波長が存在していた場合であっても、紫外線領域に反射帯域を有していないことから、本発明においては対象とはならない。一方、波長350nm以上450nm以下に一連の反射帯域を有する場合は、波長350nm以上380nm以下の紫外線領域、および、高エネルギー可視光線領域に反射帯域を有することから、本発明において対象の反射帯域となる。
また、反射色相b*値とは、後述の通り、紫外線を含む昼光(D65光源)を積層フィルムに照射した際の反射色相b*値を示す。400nm以上440nmの波長帯域の光線は、高エネルギー可視光線領域にあたり、紫色〜青色の可視光線領域にかかるため、反射される光線は青みを帯びたものとなり、黄色と青色の指標である反射色相b*値に反映される。式(2)を等式にして表される関係式は、本発明の積層フィルムに対して自然光を照射した場合の相対反射スペクトルにおけるカットオフ波長と、b*値との相関を示している。本発明の積層フィルムは、波長400nmにおける絶対光線透過率が10%未満を示す直線偏光を照射して絶対反射分光スペクトルを測定した場合に、自然光を照射して測定した相対光線反射スペクトルと比較して、より長波長側にシャープな光線カット性を示すことに特徴がある。そのため、絶対光線反射スペクトルにおけるカットオフ波長Λは、相対光線反射スペクトルにおけるカットオフ波長よりも大きい数値を示すため、式(2)の不等式を満足するものである。カットオフ波長Λおよび反射色相b*値が式(2)の関係式を満足しない場合、自然光を照射した場合と直線偏光を照射した場合とで分光スペクトルに変化がないこととなり、波長400nm以上440nm以下の高エネルギー可視光線領域にカットオフ波長を有する場合には、積層フィルムが強い紫色〜青色反射、かつ、黄色着色を有するものとなることがある。
本発明の積層フィルムは、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤を含有する層は、熱可塑性樹脂Aを主成分とするA層であっても、熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層であっても、A層B層の両方の層であっても良い。本発明で述べるところの紫外線吸収剤とは、吸光度において300nm以上380nm以下の紫外線領域に極大波長を有する添加剤の事を指す。本発明でいうところの極大波長とは、複数の極大ピークを有する場合、最大の吸光度を有するピーク波長を指す。本発明の積層フィルムのように、A層およびB層を交互積層して反射により光線カットする手法では、2種類の熱可塑性樹脂の組み合わせや、延伸条件・熱処理条件により発現する熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの屈折率差、さらに層厚み分布やフィルム厚みにより適宜光線反射率が変化するため、反射波長帯域にわたって完全に光をカットすることは容易でない。そのため、紫外線吸収剤の含有による光線吸収と、積層フィルムの交互積層による光線反射とを併用することで、より効果的に十分な紫外線カット性を示すことができる。また、光線吸収と光線反射を併用することで、吸収される紫外線の光路長が増加し、反射帯域が紫外線領域に存在しない場合と比較して吸収効率が増大し、完全な紫外線カット性能を容易に達成する事が可能となる。さらに、吸収のみで光線カットする場合と比較して含有量を抑制できるため、フィルム表面に析出する現象(ブリードアウト現象)抑制においても大きな利点を有する。
紫外線吸収剤は、樹脂内部に添加剤として含有させてもよく、樹脂に共重合させてもよい。紫外線吸収剤の多くは低分子量であり、高分子量の紫外線吸収剤でない場合、シート状として溶融吐出した際に空気中に揮散する、熱処理工程や信頼性試験においてフィルムの表面に析出するなどの問題が生じる。そのため、樹脂に共重合させることで、紫外線吸収剤を層内に確実に留めることができ、最表面に位置する層に含有させた場合でも、ブリードアウトの課題をクリアすることが可能となる。樹脂と共重合させる場合には、たとえば、ポリエステル系の樹脂と紫外線吸収剤とを共重合する場合、紫外線吸収剤の多くに含まれるヒドロキシ基末端を、エステル交換反応などを用いてポリエステル樹脂内のカルボキシル基末端と反応させることなどで達成できる。
紫外線吸収剤は、積層フィルムの内層に位置する層のみ、あるいは、積層フィルムの内層に位置する層が積層フィルムの外層に位置する層よりも多く含有することが好ましい。特に、本発明の積層フィルムが、A層が両表層、B層が内層となるように交互に積層された積層フィルムである場合、紫外線吸収剤はB層にのみ含有することが最も好ましい。最表層を含むA層に含有する場合、結晶性の層では添加剤の滞留できる領域である非晶領域の体積が小さく、先述のブリードアウト現象、および、口金付近で昇華・揮散する現象が発生しやすくなり、フィルム製膜機が汚染され、析出物が加工工程において悪影響を及ぼすことがある。内層であるB層にのみ紫外線吸収剤を含有させる場合、最表層に位置する熱可塑性樹脂Aを主成分とするA層が紫外線吸収剤の析出を防ぐフタとしての役割を果たすため、ブリードアウト現象が起こりにくくなり好ましいものとなる。
紫外線吸収剤の含有量は、積層フィルム全重量に対して2.5重量%(wt%)以下であることが好ましく、より好ましくは1.5wt%以下、さらに好ましくは1.0wt%以下である。2.5wt%よりも含有量が多い場合、光線透過率が低下してフィルムの白濁度(ヘイズ値)が高くなり、ディスプレイへ実装した場合に視認性悪化の問題点を生じる場合がある。紫外線吸収剤による紫外線カットを十分なものとするためには、フィルムの全厚みにも依存するが、添加濃度の下限は0.01wt%である。
本発明の積層フィルムにおいて用いられる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、トリアジン系、ベンゾオキサジノン系、サリチル酸系、ベンゾオキサジン系をはじめとする、多種の骨格構造を有する紫外線吸収剤を利用することが出来る。2種以上の紫外線吸収剤を併用する場合は、互いに同骨格構造の紫外線吸収剤であってもよく、異なる骨格構造の紫外線吸収剤であってもよい。以下より具体例を例示するが、極大波長が320nm以上380nm以下の波長帯域に存するものに対しては化合物名の後に(※)を付している。本発明で利用する紫外線吸収剤は、320nm以上380nm以下の波長帯域に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤であることが好ましい。極大波長が320nmより短い場合、長波長側の紫外線領域まで十分に吸収性能を発現することは難しい。そのため、波長300nm以上380nm以下の紫外線領域における光線透過率の最大値を10%以下とするためには(※)を付した紫外線吸収剤を利用することが特に好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール(※)、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(※)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール(※)、2−(5−ブチルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−へキシルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−オクチルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−ドデシルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−オクタデシルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−シクロヘキシルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−プロペンオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−(4−メチルフェニル)オキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−ベンジルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(※)、2−(5−へキシルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ第三ブチルフェノール(※)、2−(5−オクチルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ第三ブチルフェノール(※)、2−(5−ドデシルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ第三ブチルフェノール(※)、2−(5−第二ブチルオキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ第三ブチルフェノール(※)などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン(※)、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)、などが挙げられる。
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,6−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジビフェニル−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−s−トリアジン(※)、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−s−トリアジン(※)、2−(4−イソオクチルオキシカルボニルエトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン(※)、2−(4,6−ジフェニル−s−トリアジン−2−イル)−5−(2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ)フェノールなどが挙げられる。
ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤としては、等に限定されないが、2,2’−p−フェニレンビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)、2,2’−p−フェニレンビス(6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(6−クロロ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)、2,2’−p−フェニレンビス(6−メトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(6−ヒドロキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(ナフタレン−2,6−ジイル)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)、2,2’−(ナフタレン−1,4−ジイル)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)、2,2’−(チオフェン−2,5−ジイル)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(※)などを挙げることができる。
その他の紫外線吸収剤として、サリチル酸系では、たとえば、フェニルサリチレート、t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等、その他では、天然物系(たとえば、オリザノール、シアバター、バイカリン等)、生体系(たとえば、角質細胞、メラニン、ウロカニン等)なども利用することが出来る。無機系の紫外線吸収剤の場合、ベースとなる樹脂と相溶せずヘイズの上昇を招き、画像表示した際の視認性を悪化させるため、本発明の積層フィルムにおいて利用することは好ましくない。
本発明に用いる紫外線吸収剤は、紫外線吸収剤の溶解度パラメータをδUVA[(cal/cm1/2]、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂の溶解度パラメータをδpolym[(cal/cm1/2]とした際に、|δUVA−δpolym|≦2.0であることが好ましい。ここで、「紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂」とは、紫外線吸収剤を添加した層における熱可塑性樹脂のうち、最も含有量の多いものをいう。樹脂に添加する紫外線吸収剤と、紫外線吸収剤を添加した層を構成する樹脂との溶解度パラメータを近い数値とすることで、紫外線吸収剤の樹脂への分散が向上する。さらに、紫外線吸収剤同士が結晶核を形成することによる内部ヘイズの上昇や、長期耐久試験後に生じる紫外線吸収剤のブリードアウトに伴うヘイズアップが軽減され、高透明を維持することもできる。上記観点から、|δUVA−δpolym|は1.5以下がより好ましく、さらに好ましくは1.0以下である。
溶解度パラメータは、Hansen、Hoy、およびFedors等の計算法によって推算することができるが、本発明においては、分子構造式に基づき比較的簡便に計算が可能なFedorsの計算法を用いる。Fedorsの計算法では、分子の凝集エネルギー密度およびモル分子体積が置換基の種類や数に依存して溶解度が変化すると考えており、式(3)に従い溶解度パラメータが推算される。ここで、Ecoh(cal/mol)は凝集エネルギーを、Vはモル分子体積(cm/mol)を表す。
Figure 2019091040
熱可塑性樹脂の溶解度パラメータは、分子鎖の繰り返し構造単位をもとにFedorの式を用いて推算することができ、共重合成分由来の構造単位を含む熱可塑性樹脂の溶解度パラメータは、各構造単位の比率に従って比率計算することができる。本発明における溶解度パラメータは、Fedorの式に基づいて計算した推算値の小数第2位を四捨五入した数値とする。なお、代表的な熱可塑性樹脂の溶解度パラメータとしては、酢酸セルロース:11.0、セルロース:15.6、ポリアクリロニトリル:14.8、ポリアミド:13.6、ポリイソブチレン:7.7、ポリエチレン:8.0、ポリエチレンテレフタレート:10.7、ポリ塩化ビニル:10.1、ポリ酢酸ビニル:9.5、ポリスチレン:9.4、ポリビニルアルコール:12.6、ポリブタジエン:8.3、ポリメタクリル酸メチル:9.3などが挙げられる。
上記した熱可塑性樹脂との相溶性が良好となる紫外線吸収剤の組合せとしては、例えば、以下の例が挙げられる。熱可塑性樹脂が酢酸セルロースやポリエチレンテレフタレートである場合には、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−第三ペンチルフェノール(δUVA:11.9)、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(δUVA:12.2)、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−s−トリアジン(δUVA:11.6)、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ビスブトキシフェニル)−s−トリアジン(δUVA:12.7)、などを好適に用いることができる。また、熱可塑性樹脂がポリアクリロニトリルやポリアミドである場合には、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール(δUVA:13.2)や2,2’−p−フェニレンビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(δUVA:14.1)などを好適に用いることができる。なお、熱可塑性樹脂と紫外線吸収剤の好適な組み合わせは上記に限らず、式(3)を満足する組み合わせはいずれも好適である。
本発明に用いる紫外線吸収剤は、前記した紫外線吸収剤と基本分子構造を同じくして、酸素原子を同族の硫黄原子に置換したものを用いることがより好ましい。具体例としては、エーテル基をチオエーテル基に、ヒドロキシル基をメルカプト基に、アルコシキ基をチオ基に変換したものが挙げられる。硫黄原子を含む置換基を有する紫外線吸収剤を用いることで、加熱して樹脂に練り混む際に紫外線吸収剤の熱分解を抑制出来る。また、硫黄原子の利用、ならびに、適切なアルキル鎖を選択することにより、紫外線吸収剤間の分子間力を抑えて、融点を低下させることが可能となるため、熱可塑性樹脂との相溶性を高めることが出来る。樹脂との相溶性を高めることにより、紫外線吸収剤を比較的高濃度添加した場合にも、高透明性を維持することが可能となる。特に、好ましい熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂との相性がよいことに加え、耐熱性が高く、高吸収性能をもつ、硫黄原子を含むベンゾトリアゾール系および/またはトリアジン系の紫外線吸収剤を利用することが最も好ましい。その中でも、式(3)の溶解度パラメータの関係式を満足することが、より長期にわたり高透明を維持する点から好ましい。
本発明で用いる紫外線吸収剤は、官能基のアルキル鎖が長いものがより好ましい。アルキル鎖が長くなることで、分子間相互作用が抑えられて環構造のパッキングが起こりにくくなるため、フィルムを熱処理した際に、紫外線吸収剤同士が結晶構造を形成しにくくなり、結晶化やブリードアウトによるフィルムの白化を抑制することに繋がる。官能基に含まれるアルキル基の長さは、4以上18以下が好ましく、より好ましくは4以上10以下、さらに好ましくは6以上8以下である。アルキル鎖の長さが18より長い場合は、紫外線吸収剤合成時の反応が立体障害により進行しにくいため、紫外線吸収剤の収率低下を招き、現実的ではない。
本発明の積層フィルムに用いることの出来る紫外線吸収剤以外の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、耐熱安定剤、色素、耐候安定剤、有機系易滑剤、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、難燃剤などが、本来満たすべきフィルムの特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。特に、紫外線吸収剤は、製膜工程での樹脂押出工程において酸素による影響を受けた熱劣化、および、紫外線および酸素との反応による光劣化の2種類の影響を受けやすい。そのため、前者に対しては酸化防止剤を、後者に対しては光安定剤を、添加剤として利用することが好ましい。
本発明の積層フィルムは、紫外線領域から高エネルギー可視光領域までの光線をカットし、かつ、可視光領域において高い光線透過率を有し高透明を示すため、特に波長400nm以下の高エネルギー可視光領域までの光線カットを必要とする分野、たとえば、建材や自動車用途ではウィンドウフィルム、工業材料用途では、看板などへの鋼板ラミネート用フィルム、レーザー表面加工用の光線カットフィルム、また、電子デバイス用途ではフォトリソ材料の工程・離型フィルム、ディスプレイ用光学フィルム、その他食品、医療、インクなどの分野においても、内容物の光劣化抑制などを目的としたフィルム用途として利用することが可能である。
特に、本発明の積層フィルムは、透過する偏光に対しては長波長紫外線カット性を示し、表面で反射する光に対しては低反射色を示す特性を備えることから、ディスプレイ、なかでも偏光子を有するディスプレイとして好ましく使用することができる。ディスプレイとは、フラットパネルディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネルや拡張現実(AR)/仮想現実(VR)分野のヘッドアップ/ヘッドマウントディスプレイなどの多種にわたるディスプレイをいう。より具体的には、大画面ビジョン/モニタ、デジタルサイネージ、PCモニタ、医療用モニタ、車載ディスプレイ、テレビ、タブレット、スマートフォン、ウェアラブル端末、スマートウィンドウ、電子ペーパー、デジタルナンバープレートなどの装置が挙げられる。また、ディスプレイに搭載する場合には、積層フィルムの状態であっても良く、後述の通り、積層フィルムにハードコート層や粘着層を積層した積層シートの状態であってもよい。
偏光子を利用するディスプレイ用途のフィルムとしては、たとえば、液晶ディスプレイの場合、偏光板を構成する偏光子保護フィルムや位相差フィルム、アンチグレアやクリアハードコート有するディスプレイ前面に位置する各種表面処理フィルム、バックライト直前に位置する輝度向上フィルム、反射防止フィルム、ITO等に用いる透明導電基材フィルム、タッチセンサー部材の紫外線保護フィルムなどが挙げられる。また、有機ELディスプレイの場合は、発光層よりも視認側(上側)に配される円偏光板を構成するλ/4位相差フィルムや偏光子保護フィルム、外光からの内容物保護の目的で内蔵される各種光学フィルムが挙げられる。特に、特定の方向に振動する偏光に対しては長波長紫外線カット性を示し、また、外光などの自然光は長波長まで影響することなく反射して高透明性を示し得る、本積層フィルムの特徴を活かしうる最適な適用場所として、偏光子よりも視認側(上側)に配されることが好ましい。また、偏光子との間にディスプレイ向けの別の光学フィルムが存在する場合、当該光学フィルムが複屈折性を有する場合に、偏光子を介して得られた偏光子の特性が低下し、十分に本開発の積層フィルムの特徴を活かすことができない可能性がある。そこで、本発明の積層フィルムは、偏光子に隣接しつつ、偏光子よりも視認側に配される偏光子保護フィルムや位相差フィルム、ならびに、透明導電性フィルムとして、もしくは、それらを機能統合した光学フィルムとして利用されることが最も好ましい。偏光子に隣接する際、積層フィルムと偏光子とを貼り合わせる目的で粘着剤を介していてもよい。
偏光子を有するディスプレイ用途として、本発明の積層フィルムを利用する場合、前記X波およびY波のうち、波長400nmにおける絶対光線透過率が10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上を示す直線偏光の光軸と、ディスプレイ内の偏光子の透過軸とが平行に配置されて用いられることが好ましい。なお、ここでいう平行とは、波長400nmにおいて10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上を示す直線偏光の光軸と、ディスプレイ内の偏光子の透過軸とのなす角度が0°以上10°以下であることを表し、好ましくは0°以上5°以下である。前述の通り、長波長紫外線カット性を示しうる方向と偏光子の透過軸とが略平行に配されない場合、ディスプレイの偏光性が損なわれたり、虹ムラなどの視認性低下の問題を生じたり、長波長紫外線カット性が十分に示されないため、ディスプレイ内容物の保護が十分に達成されない上、画像表示が悪化する。無論、前記X波およびY波のうち、波長400nmにおける絶対光線透過率が10%以上を示す直線偏光の光軸と、ディスプレイ内の偏光子の透過軸とが略平行に配置されてしまった場合は、外光の自然光を反射する際には高透明性を維持できるものの、偏光を透過する上での長波長紫外線カット性は弱まるため、ディスプレイ内容物の劣化が発生する場合がある。
さらに、本発明の積層フィルムは、偏光子を有するヘッドアップディスプレイ用途として好ましく適用することができる。ヘッドアップディスプレイは、表示部から発せられた光を投影部材へと投射し、無限遠点に虚像を映し出すことで、情報を通常の視界内に重ねて表示するディスプレイであり、自動車や航空、船舶、医療用途、さらに、VRやARなどのヘッドマウントディスプレイ用途の表示装置として用いられる。通常のディスプレイは、投影部近傍に表示部が隣接する構成となるため、表示部が発する光を主に正面方向から視認する態様である。一方、ヘッドアップディスプレイは、表示部が発する光が、直接あるいは反射鏡(コールドミラー)などを介して投影部に照射されることにより形成される虚像を視認する態様である。すなわち、ヘッドアップディスプレイにおいては、投影部と表示部は隣接しておらず、通常、視認者が表示部からの光を正面から直接視認することもない(図4、5)。なお、投影部を構成する材料については、虚像の表示が可能であれば特に限定されず、例えばガラスや樹脂等とすることができる。
前述の通り、ヘッドアップディスプレイでは、視認者が投影部に形成された虚像を視認する。そのため、本発明の積層フィルムを用いても、反射帯域が可視光線領域にかかることによる透明性の低下や、二軸延伸で生じる光学異方性に起因した偏光サングラスを介して観察される虹色模様等、視認性に関する問題は生じず、視認者に対してはクリアな表示が得られる。その一方で、ディスプレイを構成する偏光子や表示パネル、自発光パネル部に対しては、本発明の積層フィルム本来の光線カット効果が得られる。また、ヘッドアップディスプレイでは、視認者が偏光状態の表示を直接視認することもないため、偏光サングラスを介して表示部(投影部材)を視認した場合であっても、虹色模様を発することがなく、クリアに画像を視認することが可能となる。
特に、車載向けのヘッドアップディスプレイの場合は、図4のように表示パネル部や自発光パネル部などの表示部が車両内部に搭載される構成や、図5のように投影部材に内蔵あるいは貼合された表示部に投光装置からの光を当てて表示する構成などが用いられる。以下、図4及び5におけるヘッドアップディスプレイについて、簡単に説明する。図4のヘッドアップディスプレイにおいては、内装パネル部10の内部に位置する表示部11が発する光が、反射鏡12で反射されて投影部材13に到達することにより、視認される虚像14が形成される(このときの光路を15で示す。)。このとき視認者は投影部材13上で視認される虚像14を視認することとなる。また、図5のヘッドアップディスプレイにおいては、投影部材13に内蔵あるいは貼合された表示部11に投光装置16からの光が到達することにより、視認される虚像14が形成される。このとき視認者は、表示部11と投影部材13の複合体上で視認される虚像14を視認することとなる。
ヘッドアップディスプレイにおける本発明の積層フィルムの配置は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、図4の構成においては、内装パネル部10内に入射する外光による表示部11の構成成分の劣化を軽減する点で、表示部11の前面(外面)に配置することが好ましい。さらに、このように本発明の積層フィルムを配置した場合は、積層フィルムが光学異方性を示していても視認者が偏光状態の表示を直接視認することがないため、偏光サングラスなどを介しても視認される虚像14に虹色模様が発生しにくくなる点でも好ましい。また、図5の構成においては、表示部11が窓ガラスなどに直接的に設置されている状況が想定され、表示部11の両面が外光に曝されうるため、外光によるぎらつきなどを軽減するために偏光板の構成成分で光吸収を行うことがある。この点を考慮すると、偏光板の劣化を軽減するために、本発明の積層フィルムを偏光板の前面に設置することが好ましい。
次に、本発明の積層フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。もちろん本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。
熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは減圧下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上の温度で加熱溶融された各樹脂は、ギヤポンプ等で押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などが取り除かれる。これらの樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、シート状に吐出される。そして、ダイから吐出されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。
また、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの複数の樹脂は、2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出し、シート状で吐出される前に多層積層装置へ送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイ、フィードブロック、およびスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、本発明の積層フィルムの層構成を効率よく得るためには、微細スリットを有するフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物発生量が少なく、積層数が極端に多い場合でも、高精度な積層が可能となる。また、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上する。また、この装置では、各層の厚みをスリットの形状(長さ、幅)で調整できるため、任意の層厚みを達成することが可能となったものである。
このようにして所望の層構成に形成した溶融多層積層体をダイへと導き、上述の通りキャスティングフィルムが得られる。得られたキャスティングフィルムは、つづいて長手方向および幅方向に二軸延伸されることが好ましい。延伸は、逐次に二軸延伸しても良いし、同時に二軸延伸してもよい。また、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。
逐次二軸延伸の場合についてまず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための一軸延伸を指し、通常は、ロールの周速差により施され、1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃の範囲内に設定することが好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸をいう。幅方向の延伸は通常、テンターを用いて、フィルムの幅方向両端部をクリップで把持しながら搬送して、対向するクリップ間の距離を徐々に広げることで行う。延伸の倍率は樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、低配向角およびフィルムの熱寸法安定性を付与するために熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理などを併用してもよい。
特に、本発明の積層フィルムに特徴的な反射異方性を発現するためには、先述の通り、長手方向および幅方向の、延伸倍率が異なることが好ましい。このとき、長手方向ならびに幅方向の延伸を1度ずつ実施したうえで、さらに2度目の長手方向もしくは幅方向への延伸を実施することも可能である。これにより、積層フィルムに対して特定の方向へのさらなる強い配向を付与することができる。2度目の長手方向もしくは幅方向の延伸を実施する際には、長手方向ならびに幅方向の合計の延伸倍率がそれぞれ2〜7倍を示し、長手方向と幅方向とで倍率が異なっていればよい。特に、長手方向と幅方向の延伸倍率の差は、絶対値として0.5倍以上3.0倍以下で異なっていることが好ましく、より好ましくは1.0倍以上2.0倍以下である。倍率が3.0倍よりも大きく異なる場合、強く延伸した方向に積層フィルムが裂けやすくなり好ましくない場合がある。長手方向と幅方向の延伸倍率の差が0.5倍よりも小さい場合、配向方向とそれに垂直な方向のぞれぞれの直線偏光を照射した際に、反射異方性が十分発現しないことがある。
つづいて、同時二軸延伸の場合について説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率は樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。また、面内の特定方向への配向を強く発現するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を異なる数値にすることも好ましい。延伸速度は同じ速度でもよく、異なる速度で長手方向と幅方向に延伸してもよい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして同時二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/または直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。二軸延伸されたフィルムは、このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
以上のようにして得られた積層フィルムは、巻き取り装置を介して必要な幅にトリミングされ、巻き取り皺が付かないようにロールの状態で巻き取られる。なお、巻き取り時に巻姿改善のためにフィルム幅方向の両端部にエンボス処理を施しても良い。
本発明の積層フィルムは、より強く配向延伸される方向が、幅方向であることが好ましい。長手方向に強く延伸する場合、上述の通りロール間の周速差を利用した引張により延伸することから、延伸時にフィルムとロールが擦れて傷がついてしまう問題点や、延伸時に幅方向にフィルムが収縮するネッキング現象が発生しフィルムの厚み斑を誘発しやすくなる場合がある。幅方向延伸においては、幅方向をクリップで把持して延伸するため、擦れて傷が発生する問題は生じず、また、強いネックダウンを生じる可能性も低いことから好ましい。
本発明の積層フィルムを延伸する際、延伸時の延伸速度が、0.8m/分以上10m/分以下であることが好ましい。延伸速度を当該範囲に設定することで、積層フィルムに適度な熱供給ができ、幅方向での均一な配向延伸と異方性が達成可能となる。延伸速度が0.8m/分以下の場合、積層フィルムを構成する樹脂の複屈折性が十分に発現できず、幅方向の任意の位置において異方性が異なり、生産性低下を招く場合がある。一方、10m/分より大きくした場合、熱が十分に供給されないまま積層フィルムを急に延伸することとなり、フィルム幅方向位置で延伸むらを生じ、フィルムの破断を招く場合がある。適度な熱供給を行い、かつ、幅方向で均一な延伸を実施できる、より好ましい延伸速度は3m/分以上5m/分以下である。
本発明の積層フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、1〜200μmであることが好ましい。ディスプレイ用途の光学フィルムの近年の薄膜化傾向に則ると、40μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以下である。下限はないものの、紫外線吸収剤添加と反射異方性を併用しつつ紫外線ならびに高エネルギー可視光線領域において十分な光線カット性を付与するためには、ある程度の厚みを有する必要があり、また、ロール巻取り性を安定なものとし、フィルム破れなく製膜するためには、現実的には10μm以上の厚みであることが好ましい。10μmより薄い場合、目的とする光学性能を付与できないほか、後述のハードコート層を設けた際に、硬化処理後に積層シートがカールを生じる場合がある。
次に、本発明の積層フィルムに硬化性樹脂Cを主成分とするハードコート層を設けた積層シートについて記述する。
本発明の積層フィルムは、最表層の上部に耐擦傷や寸法安定性、接着性・密着性などの機能を付加するために、硬化性樹脂Cを主成分とするハードコート層(C層)を少なくとも片面に設けてなる積層シートとすることも好ましい態様して挙げられる。ディスプレイ用途フィルムの場合、ロール状となったフィルムを他のディスプレイ部材と張り合わせるための搬送工程を必要とするが、フィルムと搬送用のロールとが擦れることにより傷が発生すると、ディスプレイに実装した際に発生した傷により視認性が悪化する問題が生じる。また、ディスプレイ用途では、100℃前後での高温条件での長期耐熱試験、60℃前後で90%RH以上95%RH以下の高湿条件での長期耐湿熱試験、ならびに、100℃近傍から氷点下まで温度を幾度にわたり上下させるヒートショック試験などの、過酷な条件の長期信頼性試験において、フィルムの性状が変化しないことが要求される。延伸により配向結晶化して複屈折性を示す本発明の積層フィルムの場合、長期信頼試験を行うと、熱収縮によりフィルムの寸法が変化する可能性がある。このような熱収縮によりフィルムの厚みが増加すると、反射帯域がシフトして、より長波長側の可視光線まで反射することで着色を生じるなどの問題点が生じることがある。そのため、寸法安定性に寄与するハードコート層を積層フィルムの少なくとも片面に塗布することが、フィルムの性状、特にフィルム寸法を維持するために好ましい。加えて、架橋性の高いハードコート層を積層することにより、積層フィルム内部に含まれているオリゴマーや添加剤などの析出をさらに抑制することが出来る。ハードコート層は、積層フィルムの上に直接コーティングされてもよく、前述の製造方法に記載の通り、易滑性や易接着性などの機能を付与できるインラインコーティング層を設けた上にコーティングされてもよい。
インラインコーティング層は、易滑性や易接着性などの機能を付与できるだけでなく、硬化性樹脂Cを主成分とするハードコート層を積層する際に、積層フィルムとの密着性を向上させる効果も奏するため塗布することが好ましい。インラインコーティング層は、後述の好ましい製造方法に記載の通り、積層フィルム上に必要に応じてコロナ処理を施した上でワイヤーメタバーを用いて均一な膜を形成し、熱処理工程において水などの溶媒成分を乾燥することにより形成することが可能である。インラインコーティング層の屈折率としては、積層フィルムを構成する熱可塑性樹脂Aの屈折率と、ハードコート層を構成する硬化性樹脂Cの屈折率との間の数値を示すことが好ましく、より好ましくは両樹脂の屈折率の中間の値を示すことである。たとえば、後述の実施例のように、熱可塑性樹脂Aとしてポリエチレンテレフタレート、硬化性樹脂Cとしてアクリル樹脂を用いる場合、前者は延伸後の屈折率が1.65程度、後者は屈折率が1.50程度と屈折率差が大きくなることから、密着性の悪化を引き起こす可能性がある。そのため、該コーティング層の屈折率は1.50以上1.60以下の値を有することが好ましく、より好ましくは1.55以上1.58以下である。
硬化性樹脂Cを主成分とするハードコート層は、本発明の積層フィルムとその他ディスプレイ構成部材との粘着剤を介した貼りあわせを鑑みて、片面のみに塗布することが好ましい態様として挙げることが出来るが、片面に塗布する場合はハードコート層の硬化収縮および積層フィルムの熱収縮とのバランスが保たれていない場合、積層シートを適用した部材のカールの問題が発生することがある。そのため、カールの発生が問題となる用途においては、ハードコート層は積層フィルムの両面に塗布されていることも好ましい態様として挙げられる。
本発明の積層シートに用いる硬化性樹脂Cは、高透明で耐久性があるものが好ましく、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッソ系樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂を単独または混合して使用できる。硬化性や可撓性、生産性の点において、硬化性樹脂Cはポリアクリレート樹脂に代表されるアクリル樹脂などの活性エネルギー線硬化型樹脂からなることが好ましい。また、フレキシブルディスプレイ用フィルムとして適用する場合に求められる、折り曲げ時の耐擦傷性を付加する場合、硬化性樹脂Cは熱硬化性のウレタン樹脂からなることが好ましい。
以下、ハードコート層の構成成分として用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂について説明する。該活性エネルギー線硬化型樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(メタクロイルチオフェニル)スルフィド、2,4−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,3,5−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、ビス(4− (メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルフィド、ジ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フォスフェートなどの多官能(メタ)アクリル系化合物を用いることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いることが出来る。
また、これら多官能(メタ)アクリル系化合物とともに、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬度、透明性、強度、屈折率などをコントロールするため、スチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジメタリルフタレート、ジアリルビフェニレート、あるいはバリウム、鉛、アンチモン、チタン、錫、亜鉛などの金属と(メタ)アクリル酸との反応物などを用いることができる。これらは1種もしくは2種以上を用いてもよい。
活性エネルギー線硬化型樹脂を硬化させる方法として、例えば、紫外線を照射する方法を用いることができるが、この場合には、前記化合物に対し、0.01〜10重量部程度の光重合開始剤を加えることが望ましい。
本発明に用いる活性エネルギー線硬化型樹脂には、塗工時の作業性の向上、塗工膜厚のコントロールを目的として、本発明の効果を損なわない範囲において、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの有機溶剤を配合することができる。
本発明における活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波を意味し、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。紫外線源により硬化する場合は、酸素阻害を防ぐ点で酸素濃度が出来るだけ低い方が好ましく、窒素雰囲気下で硬化する方がより好ましい。また、電子線方式の場合は、装置が高価でかつ不活性気体下での操作が必要であるが、光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点から有利である。
ハードコート層の厚みは、使用方法により適切に調整されるべきであるが、ディスプレイ用途の薄膜傾向およびハードコート性能の両立の観点から鑑みると、通常は1.0〜6.0μmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0μmであり、さらに好ましくは1.0〜1.5μmの範囲である。ハードコート層の厚みが6.0μmより厚い場合、コーティング基材を硬化させる際に積層フィルムがハードコート層の硬化収縮力に負けて、積層シートのカールが強く発生する場合がある。積層フィルムの両面に塗布する場合には、それぞれのハードコート層の厚みが同じ厚みを有することが好ましい。上面のハードコートと下面のハードコートとで厚みが異なる場合には、それぞれのハードコート層硬化時の収縮応力のバランスが崩れるため、積層シート全体でカールが発生する可能性がある。
耐擦傷性を付加するための、硬化性樹脂Cを主成分とするハードコート層の構成成分として用いられる熱硬化性ウレタン樹脂としては、ポリカプロラクトンセグメントならびにポリシロキサンセグメントおよび/またはポリジメチルシロキサンセグメントを有する共重合体樹脂を、イソシアネート基を有する化合物と熱反応により架橋させた樹脂が好ましい。熱硬化性ウレタン樹脂を適用することで、ハードコート層を強靭にすると同時に弾性回復性を助長することが可能となり、耐擦傷性を積層フィルムに付加することが可能となる。
接着性・密着性を付加するために利用される硬化性樹脂Cとしては、ディスプレイ用光学フィルムとして、特に偏光子との貼り合わせとして用いる場合には、PVAとの密着において良好な効果を奏する、脂環式エポキシ基を有する化合物、ポリオールのポリアクリレート、オキセタン化合物、アルキルアクリレートを単量体単位とする重合体の4種の組み合わせで構成される光硬化性樹脂を用いることが好ましい。
本発明におけるハードコート層には、前述した種々の紫外線吸収剤および/または色素を添加してもよい。積層フィルム内およびハードコート層に分けて添加することで、樹脂内に添加する紫外線吸収剤および色素の添加濃度を減少させることが出来、樹脂押出時に発生するブリードアウト現象を抑制することが出来るため好ましい。また、色素をハードコート層に添加する場合、仮に視認側への反射光線により積層シート自体に青みを帯びた着色が観察された場合においても、色素の吸収により低減することが可能となり、画像表示入切時においてクリアな色表示が可能となる点から好ましい。
ハードコート層に添加する紫外線吸収剤および/又は色素の添加濃度は、ハードコート層を構成する樹脂組成物全体に対して10wt%以下であることが好ましく、より好ましくは5wt%以下である。添加濃度については、添加剤の吸収性能やカット性能に関与するハードコート層の厚みを鑑みて、目的とするカット性能を達成できるように適宜調節されるべきであるが、10wt%を超える場合、ハードコートの硬化時や促進信頼性試験後において各種添加剤の表面析出による白化が発生するうえ、積層フィルムとハードコート層の界面において紫外線吸収剤および/または色素が析出し、積層フィルムおよびハードコート層の密着性が悪化する場合もある。
本発明の積層シートのハードコート層(C層)に添加することができる色素として、特に、波長380nm以上410nm以下もしくは波長470nm以上500nm以下に最大となる極大波長を有する色素を用いることが好ましい。高エネルギー可視光線である波長380nm以上440nm以下の光線を反射する場合、反射光線として、紫色〜青色の可視光線が視認される可能性がある。当該反射光線の色相を低減し、透明色に近づけるためには、黄色色相を呈する吸収剤を添加してニュートラルな色相とする方法が挙げられる。この時、反射光線をそのまま吸収し反射率を低下する目的で波長380nm以上410nm以下の波長帯域に極大波長を有する色素を添加しても良く、色相調整をする目的でより強い黄色色相を呈する波長470nm以上500nm以下に極大波長を有する色素を添加しても良い。
本発明において、色素としては、彩度に優れ狭帯域の波長をシャープカットできる染料を添加しても良く、染料よりも耐熱性や耐光性に優れている顔料を用いてもよい。顔料は、有機顔料、無機顔料、クラシカル顔料に大別することが出来るが、添加対象である熱可塑性樹脂との相溶性の観点から鑑みて、有機顔料を利用することが好ましい。色素の構造としては、特に限定されないが、βナフトール系,ナフトールAS系,アセト酢酸アリールアミド系,アセト酢酸アリールアミド系,ピラゾロン系,βオキシナフトエ酸系,βオキシナフトエ酸アニリド系,アセト酢酸アニリド系などのアゾ系、銅フタロシアニン,ハロゲン化銅フタロシアニン,無金属フタロシアニン,銅フタロシアニンレーキなどのフタロシアニン系、その他、アシルアミノイエロー系、アゾメチン系、アニリン系、アリザリン系、アントラキノン系、アントラピリミジン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、インジゴイド系、インダントロン系、インドール系、キサンテン系、キナクリドン系、キノフタロン系、ジオキサジン系、ジクロロイソビオラントロン系、ジブロムアントアントロン系、スレン系、チオインジゴ系、トリアジン系、トリフェニルメタン系、ナフタルイミド系、ニトロン系、ピラントロン系、ピラゾロン系、フルオルビン系、フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、ベンゾトリアゾール系、天然有機色素が挙げられる。特に、波長380nm以上410nm以下の波長帯域に極大波長を有する染料および顔料を使用することが、反射光線を吸収することができるため反射率を低下させることで着色を抑制できるため好ましいが、そのような色素としては、アゾ系、アントラキノン系、ジオキサジン系、トリアジン系、ナフタルイミド系,フタロシアニン系、ベンジルイジン系、ベンゾトリアゾール系を好ましく用いることが出来る。また、波長470nm以上500nm以下の波長帯域に極大波長を有する染料および/または顔料を使用することが、色調補正により紫〜青色の着色を低減することができるため好ましいが、そのような色素としては、アゾ系、アントラキノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、などが挙げられる。
本発明の積層フィルムまたは積層シートには、紫外線吸収剤および/または色素を含む粘着層を積層してもよい。該粘着層は、ディスプレイ用フィルムの場合、本発明の積層フィルムまたは積層シートに対して、視認側(上側)に配されても良く、バックライト側(下側)に配されても良く、また、両側に配されても良い。粘着層に色素を添加する場合、ハードコート層に含有させる場合と比較して厚みが大きい層であることから、添加量削減に寄与する。
積層フィルムの反射および/または吸収、および、粘着層の吸収を介して本発明の目的とする長波長紫外線カット性を達成する場合、色素としてより狭帯域カット性を有する染料を用いると、エネルギーの強い紫外線を受けることで染料自身が光分解しやすい。そのため、本発明の積層フィルムの光線反射および光線吸収の併用による紫外線カット性を利用し、粘着層に紫外線吸収剤および/または色素を含有させ、さらに積層フィルムが粘着剤よりも視認側に位置する構成とすることで、粘着剤に含有する色素の劣化を積層フィルムにより十分防止することが出来るため、長波長紫外線カット性が長期にわたり維持され、より好ましい態様となる。
粘着層は、積層フィルム基材に直接塗工後、乾燥して粘着層を形成し、さらに剥離シートを貼り合わせることで、粘着シートを得る方法でも良く、剥離シートに塗工した粘着剤を積層フィルム基材上に転写する方法でも良い。塗工方法は、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、リップコ−ター、グラビアコーター、ブレードコーターなどの種々の塗工方法を利用することがきる。粘着層の厚みは、5μm以上150μm以下であることが好ましく、より好ましくは、10μm以上80μm以下である。粘着層厚みが5μm未満のときは粘着性が不十分である場合があり、150μmを超えると粘着シート自体のコストが嵩むため望ましくない。粘着剤の種類としては、特に限定はされないが、先述した密着性・接着性向上を付加するために利用される硬化性樹脂として記載したもの、また、アクリル系の光学粘着剤(OCA)や、液状のアクリル系光学粘着剤(LOCA)を用いることが、透明性ならびに耐久性に優れていることから最も好ましい。
以下、本発明のディスプレイについて説明する。本発明のディスプレイは、本発明の積層フィルムを含んでなる。ここで、「本発明の積層フィルムを含んでなる」とは、ディスプレイを構成する部材として、本発明の積層フィルムまたは積層シートを含むことをいう。本発明の積層フィルムや積層シートが、透過する偏光に対しては長波長紫外線カット性を示し、表面で反射する光に対しては低反射色を示す特性を備えることから、このような態様とすることにより、画像処理装置の視認性を向上させ、かつ長波長紫外線による偏光子の劣化を軽減することができる。
以下、実施例に沿って本発明について説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。各特性は、以下の手法により測定した。
(特性の測定方法および効果の評価方法)
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)層厚み、積層数、積層構造
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、RuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。また、1枚の画像に取り込められるすべての層の中で最も厚みの薄い層(薄膜層)の厚みにあわせて、薄膜層厚みが50nm未満の場合は10万倍、薄膜層厚みが50nm以上500nm未満である場合は4万倍、500nm以上である場合は1万倍の拡大倍率にて観察を実施し、層厚み、積層数、積層構造を特定した。
(2)配向角
王子計測機器株式会社の自動複屈折装置KOBRA−21ADHを利用した。サンプルを積層フィルム幅方向中央部、および、幅方向中央と幅方向両末端との中間点、の計3か所から長手方向4cm×幅方向5cmに切り出し、各々標準位相差測定モードで波長590nmでのフィルム面内での屈折率最大方位を測定し、配向方向とした。長手方向もしくは幅方向に強く延伸したフィルムにおいては、強く延伸した(より倍率の高い)方向を0°とし、強く延伸した軸方向からの配向方向のなす角を配向角と定義した。3サンプルの示す配向角のうち、最も大きい数値を示したサンプルを本積層フィルムの配向角とした。
(3)自然光を照射した場合の相対光線透過率
日立製の分光光度計U−4100を使用した。積分球を取り付け、酸化アルミニウム標準白色板(本体付属)の反射を100%としたときの、300nm以上380nm以下の波長領域の光線透過率の最大値を読み取った。測定条件として、スキャン速度を600nm/min,サンプリングピッチを1nmに設定し、高分解能測定モードにて連続的に測定した。
(4)直線偏光を照射した場合の絶対光線透過率
日立製の分光光度計U−4100を使用した。鏡面を用いた直入射検知器を使用し、光源からの自然光を、付属の偏光アタッチメントを介して光源の光線を特定の方向の直線偏光へと変換し、300nm以上800nm以下の波長領域の連続測定時における400nm,420nm,440nmの絶対光線透過率を読み取った。測定条件として、スキャン速度を600nm/min,サンプリングピッチを1nmに設定し、高分解能測定モードにて連続的に測定した。
(5)反射スペクトル・光線反射率
日立製の分光光度計U−4100を使用した。積分球を取り付け、酸化アルミニウム標準白色板(本体付属)の反射を100%としたときの、300nm以上800nm以下の波長領域での相対光線反射率を測定し、該範囲での反射スペクトルとした。条件として、スキャン速度を600nm/min,サンプリングピッチを1nmに設定し、連続的に測定した。
(6)反射色相b*値
コニカミノルタセンシング製の分光測色計CM3600dを用いて、積層フィルムの反射色相b*を測定した。測定径が8mmのMVDアタッチメントを取り付け、視野角10°で、光源をD65光源としたときのSCIモードにおけるb*値を読み取った。10cm四方のサンプル面内でランダムに5点測定し、平均値を測定値とした。
(7)ハードコート層の形成(実施例19〜22)
後述する実施例16〜19の項に記載されている紫外線吸収剤および/または色素を添加した、ハードコート層を構成する活性エネルギー線硬化型ウレタンアクリル樹脂(日本合成化学工業(株)製 紫光UV−1700B[屈折率:1.50])を、積層フィルムの最表面上にバーコーターを用いて均一に塗布した。次いで、ハードコート層の表面から13cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製 H04−L41)で、積算照射強度が180mJ/cmとなるように紫外線を照射し、硬化させ、積層フィルム上にハードコート層が積層された積層シートを得た。なお、紫外線の積算照射強度測定には工業用UVチェッカー(日本電池(株)製UVR−N1)を用いた。
(8)ガラス転移温度、融点
セイコー電子工業(株)製の示差走査熱量計EXSTAR DSC6220を用いた。測定ならびに温度の読み取りは、JIS−K−7122(1987年)に従って実施した。熱可塑性樹脂試料10mgをアルミニウム製受皿上、25℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温させた後に、急冷し、再度25℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温させた際の、室温から昇温した際のベースラインと段差転移部分の変曲点での接線との交点における温度をガラス転移温度、吸熱ピークのピークトップを融点とした。
(9)促進耐候試験
アップル社製のスマートフォンである“iPhone”(登録商標)6を使用した。液晶パネルを取り外し、最も視認側に位置する偏光板の最表面に積層フィルムを、光学粘着剤OCAを介して貼り合せた上で、再度“iPhone”(登録商標)6の筐体に組み込み、促進耐候試験用のディスプレイとした。作成したディスプレイを、視認側を光照射面としてスガ試験機社製のサンシャインウエザーメーターSS80に設置し、500時間の促進耐候試験を実施した。当該装置は太陽光と類似した3倍の強度の光スペクトルを有しており、擬似的に屋外での長期使用を想定した試験を実施する事が出来る。処理条件としては、槽内温度60℃、槽内湿度50%RH、照度180W/mとした。
(10)コントラスト(輝度)評価
トプコンテクノハウス社製の輝度測定装置BM7を用いて測定した。全面白色表示における輝度をA、ならびに、全面黒色表示における輝度をBとし、式(4)に従いコントラスト値を算出した。促進耐候試験前後のコントラスト変化量に準じて、優劣を下記の通り評価した。
コントラスト=B/A 式(4)
◎:耐候試験戦後のコントラスト変化が3%未満
○:耐候試験前後のコントラスト変化が3%以上5%未満
△:耐候試験前後のコントラスト変化が5%以上10%未満
×:耐候試験前後のコントラスト変化が10%以上。
(11)ディスプレイ色相評価
コニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM3600dを用い、黒表示における反射測色値を測定した。ディスプレイに本発明の積層フィルムを組み込む前後での反射色相の変化を評価した。測定条件は、測定径8mm,視野角10°,光源D65とし、反射SCIでのL値、a*値およびb*値を読み取った。式(5)に従った色値の変化量に従い、色相変化の優劣を評価した。
色相変化量=√{(L試験後−L試験前)+(a*試験後−a*試験前)+(b*試験後−b*試験前)} 式(5)
◎:色相変化量が2未満
〇:色相変化量が2以上5未満
△:色相変化量が5以上10未満
×:色相変化量が10以上
(実施例1)
熱可塑性樹脂Aとして、屈折率が1.58、融点が258℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。また熱可塑性樹脂Bとして融点を持たない屈折率が1.55の非晶性樹脂であるシクロヘキサンジカルボン酸(CHDC)20mol%ならびにスピログリコール(SPG)15mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート(PET/SPG15/CHDC20)(δpolym=10.5)を用いた。準備した結晶性ポリエステルAと熱可塑性樹脂Bをそれぞれ、2台の単軸押出機に投入し、前者は280℃、後者は260℃で溶融させて、混練した。次いで、それぞれFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギヤポンプにて計量しながら、スリット数301個のフィードブロックにて合流させて、積層比1.0の厚さ方向に交互に301層積層された積層体とした。ここでは、スリット長さは階段状になるように設計し、間隔は全て一定とした。得られた積層体は、層厚みが60nm以上80nm以下の範囲で、熱可塑性樹脂A層が151層、熱可塑性樹脂B層が150層となるように構成されており、厚さ方向に交互に積層されていた。また、層厚み分布はフィルムの厚み方向において、フィルムの片端より中央に向かって層厚みが階段状に単調増加した後、反対側の片端に向かって層厚みが階段状に単調減少する分布になっていた。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度が25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸の積層キャストフィルムを得た。
得られた積層キャストフィルムを、100℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、フィルム長手方向に3.0倍延伸し、その後一旦冷却した。つづいて、この積層一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、そのフィルム両面の処理面に(#4のメタバーで易滑層となる粒径100nmのコロイダルシリカを3wt%含有した酢酸ビニル・アクリル系樹脂を含有した)屈折率1.57を示す水系塗剤をコーティングし、透明・易滑・易接着層を形成した。
この積層一軸延伸フィルムをテンターに導き、90℃の熱風で予熱後、140℃の温度でフィルム幅方向に5.0倍延伸した。ここでの幅方向への延伸速度は4m/分、温度は一定とした。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で210℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度条件で幅方向に1%の弛緩処理を施し、その後巻き取ることで、積層フィルムを得た。積層フィルムの厚みは20μmであり、幅方向に強く延伸したことで、配向角は3°を示した。配向角に平行な方向および垂直な方向に対してそれぞれの直線偏光を照射した際の分光スペクトルを評価したところ、表1に示す数値を示し、反射異方性を有していることを確認できた。反射スペクトルとしては、反射色相b*値は−6を示しており、反射の色味は強く視認されず、フィルムとして比較的高透明なものであった。
耐候試験用のディスプレイには、偏光子の透過軸方向と積層フィルムの幅方向とが平行になるように光学粘着剤を介して貼り合わせた。耐候試験前後のディスプレイの輝度測定を実施したところ、積層構造による反射のみで紫外線カットを行っているため、偏光子の劣化を完全には抑制することができず、輝度がやや変化する結果を示したが、ディスプレイに実装し、屋外においても長期にわたり使用できるに足る性質を有していた。
(比較例1)
実施例1において、スリット数41個のフィードブロックにて合流させて、積層比1.0の厚さ方向に交互に41層積層された積層体とし、フィルム厚みを10μmとなるように設計した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルム最表面に位置する熱可塑性樹脂A層はそれぞれ3μmの厚みを有する表層厚膜層を形成した。紫外線領域および高エネルギー可視光線における反射性能が十分でなく、また、延伸性も良くなかったために反射異方性の波形にも乱れが生じ、本開発の積層フィルムのコンセプトとしては適さないものであった。ディスプレイへ実装しても、内容物劣化による輝度悪化が著しいものとなった。
(実施例2)
実施例1において、スリット数51個のフィードブロックにて合流させて、積層比1.0の厚さ方向に交互に51層積層された積層体とし、厚み15μmの積層体とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。実施例2における積層フィルムは、紫外線を反射しつつも製膜性を向上するために、積層フィルム最表面に位置する熱可塑性樹脂A層はそれぞれ5μmの厚みを有する表層厚膜層を形成した。実施例2の積層フィルムの性能は表1に示すとおりであり、実施例1と比較してやや反射性能に劣っているものの、ディスプレイとして使用可能な性質を有していた。
(実施例3)
実施例1において、スリット数101個のフィードブロックにて合流させて、積層比1.0の厚さ方向に交互に101層積層させた積層体とし、厚み16μmの積層体とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルム最表面に位置する熱可塑性樹脂A層は、それぞれ5μmの厚みを有する表層厚膜層を形成した。実施例3の積層フィルムの性能は表1に示す通りであり、実施例2よりも広帯域・高反射に紫外線領域を反射し、ディスプレイ部材として使用することができる性能を有していた。
(実施例4)
実施例1において、スリット数201個のフィードブロックにて合流させて、積層比1.0の厚さ方向に交互に201層積層させた積層体とし、厚み15μmの積層体とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルム最表面に位置する熱可塑性樹脂A層は、それぞれ1μmの厚みを有する表層厚膜層を形成した。実施例4の積層フィルムの性能は表1に示す通りであり、紫外線領域全体にわたり高反射に紫外線領域を反射しており、ディスプレイ部材として長期使用することができる性能を有していた。
(実施例5)
実施例1において、スリット数501個のフィードブロックにて合流させて、積層比1.0の厚さ方向に交互に501層積層された積層体とし、厚み35μmの積層体とした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。スリット数を増加したことで、紫外線領域の反射率が向上し、実施例1と比較して紫外線カット性に優れる性質を示しており、十分ディスプレイに実装できる性質を有していた。
(実施例6)
実施例1において、フィルムの全厚みを16μmとし、反射波長帯域を長波長側にシフトした以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。反射波長を長波長側にシフトした場合でも、反射異方性は保たれており、全体的に透過率が低下する傾向を示した。その一方で、積層フィルムの色味は、反射による青色色相が強くなる傾向を示した。しかしながら、ディスプレイに実装した際のカット性は良好であり、ディスプレイ部材として実装できる性質を有していた。
(実施例7)
実施例1において、積層キャストフィルムを100℃に設定したロール群で加熱した後、長手方向に3.6倍に延伸し、冷却、コーティング工程を経て、140℃の温度で幅方向に3.3倍延伸した。その後、前者同様の100℃に設定したロール群で加熱した後に長手方向に1.2倍の第2の延伸を実施することで、積層フィルムを得た。長手方向への延伸倍率は4.3倍であり、配向角は1°を示した。長手方向と幅方向の延伸倍率差が小さいため、反射異方性は実施例1と比較するとやや弱い傾向を示した。偏光子の透過軸方向と積層フィルムの長手方向が平行となるように貼り合わせディスプレイを作成後、促進耐候試験を実施したところ、実施例1と同等の輝度変化量を示し、ディスプレイ部材として長期使用に耐えうる性質を有していた。
(実施例8)
実施例1において、140℃の温度で幅方向に6.0倍延伸した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。幅方向により強く延伸したことで、配向方向とそれに垂直な方向での反射異方性がより強まる傾向を示した。反射異方性が高まったことで、反射スペクトル全体がより広い波長帯域にわたる形となり、ディスプレイ搭載後の色相変化が実施例1と比較してやや高まる結果を示した。
(実施例9)
実施例8において、140℃の温度で幅方向に7.0倍延伸した以外は、実施例8と同様にして積層フィルムを得た。幅方向に非常に強く延伸したことで、反射異方性は高まったものの、テンター出口において積層フィルムの幅方向への引裂きが顕著に確認された。切れ端のサンプルを評価したところ、ディスプレイに搭載するのに十分な性質を有していた。
(比較例2)
実施例1において、積層キャストフィルムを100℃に設定したロール群で加熱した後、長手方向に3.3倍に延伸し、冷却、コーティング工程を経て、140℃の温度で幅方向に3.3倍延伸し、延伸倍率を長手方向と幅方向とで一致させた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルム自体は反射異方性を示さないため、配向角は39°を示したが、いずれの方向に振動する直線偏光を照射した場合であっても、一定の分光透過スペクトルを示した。シャープカット性は示すものの、高エネルギー可視光領域のカット性は不十分であり、ディスプレイに搭載した際の輝度変化が大きくなる結果を示した。
(比較例3)
比較例2において、積層フィルム厚みを20μmから21μmへと上げ、分光透過スペクトルを長波長側へとシフトした以外は、比較例2と同様にして積層フィルムを得た。こちらも、配向角は42°を示したものの、いずれの方向に振動する直線偏光を照射した場合でも、分光透過スペクトルは一定の波形を示した。シャープカット性および長波長紫外線カット性は示すものの、ディスプレイ実装後の反射による青色色相が非常に強く、ディスプレイ部材として好ましいものではなかった。
(比較例4)
実施例1において、100℃に設定したロール群で長手方向に3.3倍に延伸し、さらに、140℃の温度で幅方向に3.6倍延伸した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。長手方向と幅方向の延伸倍率の差が小さいため反射異方性が小さく、配向方向への直線偏光を照射した場合と、配向方向に直交する方向の直線偏光を照射した場合とで反射スペクトルに違いがなかった。紫外線領域および高エネルギー可視光線領域におけるカット性が不十分なため、内容物劣化を抑制できず、ディスプレイに搭載した際の輝度変化が大きくなる結果を示した。
(実施例10)
実施例1において、テンター内で220℃の熱風にて熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。熱処理温度を上げたことで、幅方向位置での配向角はやや悪化したものの、ディスプレイに実装しても虹むらは強く視認されず、十分使用するに足る性質を有していた。
(実施例11)
実施例1において、熱可塑性樹脂B内に、分子量が650g/molのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)(δUVA=12.2)を、熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層を構成する樹脂組成物に対して2wt%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。紫外線吸収剤の添加に伴い、紫外線領域のカット性が十分なものとなった。一方で、促進耐候試験後に積層フィルムがやや白化する傾向を示しており、輝度変化量としては実施例1と大差ない結果を示した。
(実施例12)
実施例1において、熱可塑性樹脂B内に、分子量が700g/molのトリアジン系紫外線吸収剤(2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−s−トリアジン)(δUVA=11.6)を、熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層を構成する樹脂組成物に対して1.5wt%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。本トリアジン系紫外線吸収剤は、紫外線を広範囲にわたって高効率に吸収し、かつ、アルキル差が長いことから非晶性でブリードアウトしにくい性質を示すため、実施例9と比較して、促進耐候試験後の輝度変化がより抑制され、長期にわたり使用されるディスプレイの部材に適した性質を示した。
(比較例5)
実施例1において、熱可塑性樹脂Aならびに熱可塑性樹脂Bとして融点が258℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、熱可塑性樹脂Bの中に実施例12で使用したものと同じ紫外線吸収剤を添加して、熱可塑性樹脂AならびにBを主成分とするA層ならびにB層を樹脂組成物に対して0.75wt%となるように添加した以外は、2台の単軸押出機に投入し擬似単膜フィルムを作成した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。単膜構成のために、反射帯域は発生せず、通常の紫外線吸収剤入り単膜フィルムとしての性質を示した。反射色相は示さず高透明であるものの、紫外線領域および高エネルギー可視光線領域の波長を十分カットできないために、長期にわたり使用されるディスプレイ用部材としては使用できない性質であった。
(実施例13)
実施例12において、積層フィルムの厚みを19.5μmとし、反射波長帯域を短波長シフトした以外は、実施例12と同様にして積層フィルムを得た。実施例12対比で、短波長シフトしたことで反射色相を抑制でき、偏光照射時に長波長側を示すスペクトルは実施例12と同様に長波長紫外線領域を十分にカットする性質を示したことから、長期にわたり使用されるディスプレイ用部材として好ましい性質を有していた。
(実施例14)
実施例1において、熱可塑性樹脂B内に、分子量が454g/molのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2−(5−ドデシルチオ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−第三ブチル−4−メチルフェノール)(δUVA=11.2)を、熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層を構成する樹脂組成物に対して2wt%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。硫黄原子を有する紫外線吸収剤を添加したことで、吸収帯域がやや長波長側にシフトし極大吸収波長が369nmを示したことで、高エネルギー可視光線領域の光線までカットする性質を示した。これにより反射色相の強さが低下し、より高透明な積層フィルムを得ることができた。
(実施例15)
実施例12において、幅方向の延伸速度を0.8m/分とした以外は、実施例12と同様にして積層フィルムを得た。延伸速度が遅くなったことで、幅方向位置において配向の状態が異なり、幅方向位置では配向角が10°を示し、中央位置では1°を示した。性能は表に記載の通りであり、ディスプレイ部材として長期使用に耐えうる性質を示していた。
(実施例16)
実施例12において、幅方向の延伸速度を10m/分とした以外は、実施例12と同様にして積層フィルムを得た。延伸速度を早くしたことで、幅方向位置での均一性はより優れたものとなったが、時折フィルム破れが確認された。中央位置で0°、幅方向位置で2°の配向角を示した。表に記載の通り、優れた反射異方性を示した。
(実施例17)
実施例12において、幅方向の延伸速度を15m/分とした以外は、実施例12と同様にして積層フィルムを得た。フィルム破れが頻発したが、破れた積層フィルムを評価したところ、中央位置および幅方向位置でともに0°の配向角を示しており、優れた幅方向均一性を示した。
(実施例18)
実施例12において、幅方向の延伸速度を0.5m/分とした以外は、実施例12と同様にして積層フィルムを得た。幅方向位置での配向角が16°と高い数値を示したが、それぞれの位置での配向方向ならびにそれに直交する方向の反射異方性は実施例11と同等の性質を示した。
(実施例19)
実施例12で得た積層フィルムを配向軸方向と偏光子の透過軸方向とが垂直となるように貼り合わせて評価を行った。軸が垂直になったことで、よりバックライトからの透過光のカット性は、表に記載の短波長カット性の性質を示した。これにより、紫外線カット性は実施例12と比較して低下する傾向を示し、促進耐候試験においては実施例1と同等の輝度変化量を示したが、ディスプレイ用部材として長期使用に耐えうる性質を示した。
(実施例20)
実施例12で得た積層フィルムの片面にハードコート層を設けて、ハードコート層内に極大吸収波長が382nmのナフタルイミド系の色素を、ハードコート層を構成する樹脂組成物に対して1wt%となるように添加した以外は、実施例12と同様にして積層フィルムを得た。極大吸収波長382nmを示すナフタルイミド系の染料を添加したことで、積層フィルムの反射光線を吸収できるため、反射色相を実施例12よりも低減でき、より高透明な積層フィルムを得ることができた。耐候試験後にナフタルイミド系色素がややカット性を失う傾向を示したものの、長期で使用するに足る性質は示しており、その他の性質は、実施例12で得たものと同等であった。
(実施例21)
実施例20において、ハードコート層内の色素を極大吸収波長が478nmのアゾ系黄色顔料とし、同顔料を含有量がハードコート層を構成する樹脂組成物に対して0.3wt%となるように添加した以外は、実施例20と同様にして積層フィルムを得た。色相調整のための顔料添加であり、反射光線の青色色相を黄色顔料で中和したことで、反射色相をニュートラルに近づけることができ、高透明な積層フィルムを得た。その他の性質は、実施例20で得たものと同等であった。
(実施例22)
実施例12において、積層フィルムの片面にハードコート層を設け、ハードコート層を設けた面と反対面に、最大吸収波長382nmのナフタルイミド系色素を0.3wt%添加したアクリル系光学粘着剤を、バーコートにて厚み20μmとなるように塗布した。粘着剤を塗布後、100℃のオーブンで2〜3分乾燥し、さらに40℃の熱風オーブン内で2日間エージング処理を実施することで、積層体を得た。本積層体の光学性能は実施例20と同等のものであった。ハードコート層が視認側の最前面に配されるようにディスプレイに貼り合せたところ、積層フィルムが紫外線領域の光線を十分にカットできる性質を有しているため、実施例20で示されたような色素の劣化が全く発生せず、長期にわたりシャープな長波長紫外線カット性を示した。
(実施例23)
実施例20において、ハードコート層に添加するナフタルイミド系色素の添加量を0.5wt%に減量し、さらに、ハードコート層を設けた面と反対面に、最大吸収波長382nmのナフタルイミド系色素を0.3wt%添加したアクリル系光学粘着剤を、バーコートにて厚み20μmとなるように塗布した以外は、実施例20と同様にして積層体を得た。粘着剤の処理工程は実施例22と同様にして実施した。本積層体は、反射色相も抑制でき、かつ、粘着剤に添加した色素の効果で、シャープな長波長紫外線カット性を長期にわたり示した。
以下、各実施例および比較例のフィルムの評価結果等を表1〜4に示す。
Figure 2019091040
Figure 2019091040
Figure 2019091040
Figure 2019091040
本発明の積層フィルムは、ディスプレイの偏光板前面位置に、偏光子の透過軸方向と配向角が略平行になるように配することで、偏光子を透過して得られる直線偏光を照射した場合に、特異な長波長紫外線カット性を発現でき、かつ、外部からの自然光に対しては前記ほどの長波長紫外線カット性を示さないために、高透明でありながら従来の積層フィルムよりも高効率に長期にわたってディスプレイ内容物の劣化を防止することができる。ディスプレイとして、偏光板を用いる用途では広く使用することができ、特に、屋外で使用されるディスプレイである、デジタルサイネージ分野や車載用ディスプレイ分野において強い効果を発揮することができる。
1:反射率の最大値
2:反射率の最大値の半値
3:カットオフ波長
4:短波長側の反射カット端
5:長波長側の反射カット端
6:反射帯域
7:自然光を照射したときの分光透過スペクトル
8:X波もしくはY波のうち、短波長カット性を示す偏光を照射したときの分光透過スペクトル
9:X波もしくはY波のうち、長波長カット性を示す偏光を照射したときの分光透過スペクトル
10:内装パネル部
11:表示部
12:反射鏡
13:投影部材
14:視認される虚像
15:光路
16:投光装置

Claims (15)

  1. 熱可塑性樹脂Aを主成分とするA層、および、前記熱可塑性樹脂Aと屈折率が異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層を交互に51層以上積層した積層フィルムであって、
    フィルム配向方向に振動する直線偏光(X波)を照射して求められる絶対光線透過率、および、配向方向に対して垂直な方向に振動する直線偏光(Y波)を照射して求められる絶対光線透過率のうち、一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%以上、波長420nmにおいて70%以上、波長440nmにおいて80%以上であり、もう一方の絶対光線透過率が、波長400nmにおいて10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上である、積層フィルム。
  2. 波長300nm以上380nm未満における相対光線透過率の最大値が10%以下である、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 波長400nm以上におけるカットオフ波長Λが400nm以上440nm以下であり、反射色相b*値の絶対値が10以下であり、波長400nm以上におけるカットオフ波長Λと反射色相b*値が式(2)の関係式を満足する、請求項1または2に記載の積層フィルム。
    b*>−0.805Λ+320 式(2)
  4. 紫外線吸収剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 前記紫外線吸収剤の溶解度パラメータをδUVA[(cal/cm1/2]、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂の溶解度パラメータをδpolym[(cal/cm1/2]とした際に、|δUVA−δpolym|≦2.0であることを特徴とする、請求項4に記載の積層フィルム。
  6. 前記紫外線吸収剤が、硫黄原子を含むベンゾトリアゾール系および/またはトリアジン系の紫外線吸収剤である、請求項4または5に記載の積層フィルム。
  7. ディスプレイ用途に用いられる、請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 偏光子を有するディスプレイ用途に用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
  9. 偏光子を有するディスプレイ用途として用いられる際、前記X波およびY波のうち、波長400nmにおいて10%未満、波長420nmにおいて70%未満、波長440nmにおいて80%以上を示す直線偏光の光軸と、ディスプレイ内の偏光子の透過軸とが平行に配置されて用いられる、請求項8に記載の積層フィルム。
  10. 偏光子を有するディスプレイ用途として用いられる際、ディスプレイ内部において偏光子よりも視認側に配置されて用いられる、請求項8または9に記載の積層フィルム。
  11. 偏光子を有するヘッドアップディスプレイ用途に用いられる、請求項8〜10のいずれかに記載の積層フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の積層フィルムの少なくとも片面に、硬化性樹脂Cを主成分とするハードコート層(C層)を設けてなる、積層シート。
  13. 硬化性樹脂Cを主成分とするハードコート層(C層)に、紫外線吸収剤、および/または、波長380nm以上410nm以下もしくは波長470nm以上500nm以下に最大となる極大波長を有する色素を含んでなる、請求項12に記載の積層シート。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載の積層フィルムまたは、請求項12に記載の積層シートに、紫外線吸収剤および/または色素を含む粘着層を設けてなる、積層体。
  15. 請求項1〜11のいずれかに記載の積層フィルムを含んでなる、ディスプレイ。
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