JP2019081675A - 複層ガラス用スペーサおよび複層ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを提供する。【解決手段】重合体水素化物を含み、前記重合体水素化物がアルコキシシリル基を有する、複層ガラス用スペーサ。前記重合体水素化物が重合体(X)の水素化物のアルコキシシラン変性体であり、前記重合体(X)が、芳香族ビニル単量体単位を含む重合体ブロック[A]を少なくとも2つ含有し、鎖状共役ジエン単量体単位を含む重合体ブロック[B]を少なくとも1つ含有するブロック共重合体[C]であることが好ましく、前記ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の含有量と重合体ブロック[B]の含有量との質量比(重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B])が3/7以上3/2以下であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、複層ガラス用スペーサおよび複層ガラスに関するものである。
近年、複層ガラスは省エネルギーの観点から注目され、急速に普及している。複層ガラスの多くは、金属等の材料からなるスペーサを介して少なくとも2枚のガラス板を対向させ、ガラス板相互間に中空層を形成してなる。そして、ガラス板とスペーサとの間に一次シール材を介在させることによって、中空層は外気から遮断されている。さらに、対向しているガラス板の周縁部の内面とスペーサの外周面とで構成された空隙(凹部)は、ポリスルフィド系シール材またはシリコーン系シール材などの常温硬化型の二次シール材により封着されている。
上述した常温硬化型の二次シール材を用いた場合、複層ガラスを製造した後、二次シール材が硬化するための長時間の養生が必要であるため、製品を出荷するまでの期間が長期化するとともに、工場内に養生用のスペースを設ける必要があるという問題があった。
そこで、熱可塑性樹脂組成物からなるスペーサを用いることで、常温硬化型の二次シール材を使用しない複層ガラスが提案されている。
例えば、特許文献1では、ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンとを所定の割合で含む熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂スペーサを用いることで、常温硬化型の二次シール材を不要とする複層ガラスが提案されている。
例えば、特許文献1では、ブチル系ゴムと結晶性ポリオレフィンとを所定の割合で含む熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂スペーサを用いることで、常温硬化型の二次シール材を不要とする複層ガラスが提案されている。
ここで、上記従来技術に係る熱可塑性樹脂組成物製の複層ガラス用スペーサは、単独ではガラス板に対する接着性が不十分であるため、必要に応じて、上述した一次シール材としての接着剤を介してガラス板に接着される。しかし、接着剤を用いた場合であっても、複層ガラス用スペーサとガラス板との間の接着強度は十分ではなかった。
そこで、本発明は、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを提供することを目的とする。また、本発明は、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを備える複層ガラスを提供することを目的とする。
そこで、本発明は、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを提供することを目的とする。また、本発明は、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを備える複層ガラスを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、所定の重合体水素化物を含む複層ガラス用スペーサがガラス板に対して優れた接着性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の複層ガラス用スペーサは、複層ガラスを構成するガラス板相互間に中空層を形成するために前記ガラス板相互間に介在配置され、前記ガラス板に接着する複層ガラス用スペーサであって、重合体水素化物を含み、前記重合体水素化物がアルコキシシリル基を有することを特徴とする。このように、複層ガラス用スペーサが上述した所定の重合体水素化物を含めば、ガラス板に対して優れた接着性を発揮することができる。
ここで、本発明の複層ガラス用スペーサは、前記重合体水素化物が重合体(X)の水素化物のアルコキシシラン変性体であり、前記重合体(X)が、芳香族ビニル単量体単位を含む重合体ブロック[A]を少なくとも2つ含有し、鎖状共役ジエン単量体単位を含む重合体ブロック[B]を少なくとも1つ含有するブロック共重合体[C]であり、前記ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の含有量と重合体ブロック[B]の含有量との質量比(重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B])が3/7以上3/2以下であることが好ましい。前記重合体水素化物が重合体の水素化物のアルコキシシラン変性体であり、前記重合体が、上述した所定の重合体ブロック[A]と重合体ブロック[B]とを所定の数および質量比で含有するブロック共重合体[C]であれば、ガラス板に対して優れた接着性を有しつつ、高い水蒸気バリア性を有する複層ガラス用スペーサを提供することができる。
さらに、本発明の複層ガラス用スペーサは、2枚の表層と、前記表層相互間に介在配置される少なくとも1枚の中間層とを備える積層体からなる複層ガラス用スペーサであり、前記表層が、前記重合体水素化物を含む樹脂組成物からなり、前記中間層が、重合体(X’)の水素化物を含む樹脂組成物からなり、前記重合体(X’)が、芳香族ビニル単量体単位を含む重合体ブロック[A’]を少なくとも2つ含有し、鎖状共役ジエン単量体単位を含む重合体ブロック[B’]を少なくとも1つ含有するブロック共重合体[C’]であり、前記ブロック共重合体[C’]中の重合体ブロック[A’]の含有量と重合体ブロック[B’]の含有量との質量比(重合体ブロック[A’]/重合体ブロック[B’])が3/7以上3/2以下であることが好ましい。複層ガラス用スペーサが上述した所定の積層体からなる複層ガラス用スペーサであれば、ガラス板に対して優れた接着性を有しつつ、更に高い水蒸気バリア性を発揮することができる。
また、本発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の複層ガラスは、少なくとも2枚のガラス板と、前記ガラス板相互間に中空層が形成されるように前記ガラス板相互間に介在配置され、前記ガラス板に接着する複層ガラス用スペーサとを備える複層ガラスであって、前記複層ガラス用スペーサが上述した複層ガラス用スペーサであることを特徴とする。複層ガラス用スペーサとして上述した複層ガラス用スペーサを用いれば、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを備える複層ガラスを提供することができる。
さらに、本発明の複層ガラスは、前記複層ガラス用スペーサの前記ガラス板に対する180°剥離強度が13N/10mm以上であることが好ましい。前記ガラス板に対する180°剥離強度が上述した値以上である前記複層ガラス用スペーサを用いれば、ガラス板に対する接着性に更に優れた複層ガラス用スペーサを備える複層ガラスを提供することができる。
なお、本発明において、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する180°剥離強度は、JIS K 6854−2に準拠して測定することができる。
なお、本発明において、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する180°剥離強度は、JIS K 6854−2に準拠して測定することができる。
本発明によれば、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを提供することができる。そして、本発明によれば、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを備える複層ガラスを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の複層ガラス用スペーサは、本発明の複層ガラスの製造に用いられる。そして、本発明の複層ガラスは、少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層が形成されるように、前記ガラス板相互間に本発明の複層ガラス用スペーサを介在配置し、本発明の複層ガラス用スペーサを介して前記ガラス板を接着させることによって製造される。
ここで、本発明の複層ガラス用スペーサは、本発明の複層ガラスの製造に用いられる。そして、本発明の複層ガラスは、少なくとも2枚のガラス板の相互間に中空層が形成されるように、前記ガラス板相互間に本発明の複層ガラス用スペーサを介在配置し、本発明の複層ガラス用スペーサを介して前記ガラス板を接着させることによって製造される。
(複層ガラス用スペーサ)
本発明の複層ガラス用スペーサは、所定の重合体水素化物を含むことを特徴とし、任意にその他の成分をさらに含んでいてもよい。そして、本発明の複層ガラス用スペーサは、上述した所定の重合体水素化物を含んでいるため、ガラス板に対する接着性に優れる。
本発明の複層ガラス用スペーサは、所定の重合体水素化物を含むことを特徴とし、任意にその他の成分をさらに含んでいてもよい。そして、本発明の複層ガラス用スペーサは、上述した所定の重合体水素化物を含んでいるため、ガラス板に対する接着性に優れる。
<重合体水素化物>
本発明の複層ガラス用スペーサに含まれる重合体水素化物はアルコキシシリル基を有することが必要である。重合体水素化物がアルコキシシリル基を有することで、複層ガラス用スペーサはガラス板に対して優れた接着性を発揮することができる。
ここで、アルコキシシリル基としては、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を高める観点から、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基が好ましく、トリメトキシシリル基がより好ましい。
重合体水素化物の具体例としては、(1)重合体(X)の水素化物のアルコキシシラン変性体、(2)重合体(Y)のアルコキシシラン変性体の水素化物、および(3)アルコキシシリル基を有する重合体(Z)の水素化物が挙げられる。ここで、(2)重合体(Y)のアルコキシシラン変性体の水素化物、または(3)アルコキシシリル基を有する重合体(Z)の水素化物を製造する場合、水素化反応の条件によっては重合体(Y)または(Z)が有するアルコキシシリル基の一部が分解されるおそれがある。したがって、十分な数のアルコキシシリル基を有する重合体水素化物を用いて、ガラス板に対する接着性に優れる複層ガラス用スペーサを製造するためには、重合体水素化物として、(1)重合体(X)の水素化物のアルコキシシラン変性体を用いることが特に好ましい。
本発明の複層ガラス用スペーサに含まれる重合体水素化物はアルコキシシリル基を有することが必要である。重合体水素化物がアルコキシシリル基を有することで、複層ガラス用スペーサはガラス板に対して優れた接着性を発揮することができる。
ここで、アルコキシシリル基としては、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を高める観点から、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基が好ましく、トリメトキシシリル基がより好ましい。
重合体水素化物の具体例としては、(1)重合体(X)の水素化物のアルコキシシラン変性体、(2)重合体(Y)のアルコキシシラン変性体の水素化物、および(3)アルコキシシリル基を有する重合体(Z)の水素化物が挙げられる。ここで、(2)重合体(Y)のアルコキシシラン変性体の水素化物、または(3)アルコキシシリル基を有する重合体(Z)の水素化物を製造する場合、水素化反応の条件によっては重合体(Y)または(Z)が有するアルコキシシリル基の一部が分解されるおそれがある。したがって、十分な数のアルコキシシリル基を有する重合体水素化物を用いて、ガラス板に対する接着性に優れる複層ガラス用スペーサを製造するためには、重合体水素化物として、(1)重合体(X)の水素化物のアルコキシシラン変性体を用いることが特に好ましい。
上記(1)の重合体水素化物は、まず、重合体(X)を調製し、次いで、当該重合体(X)を水素化し、さらに、得られた水素化物をアルコキシシラン変性させることにより調製される。
また、上記(2)の重合体水素化物は、まず、重合体(Y)を調製し、次いで、当該重合体(Y)をアルコキシシラン変性させて、さらに、得られたアルコキシシラン変性体を水素化することにより調製される。
さらに、上記(3)の重合体水素化物は、まず、アルコキシシリル基を有する重合体(Z)を調製し、次いで、当該重合体(Z)を水素化することにより調製される。
また、上記(2)の重合体水素化物は、まず、重合体(Y)を調製し、次いで、当該重合体(Y)をアルコキシシラン変性させて、さらに、得られたアルコキシシラン変性体を水素化することにより調製される。
さらに、上記(3)の重合体水素化物は、まず、アルコキシシリル基を有する重合体(Z)を調製し、次いで、当該重合体(Z)を水素化することにより調製される。
以下に、上述した(1)〜(3)の重合体水素化物を調製するために用いられる重合体(X)、(Y)および(Z)、ならびにアルコキシシラン変性および水素化の方法について詳述する。
[重合体(X)および(Y)]
重合体(X)および(Y)は、分子構造中に不飽和結合を有するものであれば、特に限定されることはなく、1種類の単量体単位のみを含む重合体であっても、複数種類の単量体単位を含む共重合体であってもよく、共重合体である場合は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体などのいずれであってもよい。
不飽和結合としては、炭素−炭素不飽和結合、炭素−窒素不飽和結合、炭素−酸素不飽和結合などが挙げられるが、好ましくは炭素−炭素不飽和結合、より好ましくは炭素−炭素二重結合である。なお、炭素−炭素不飽和結合には芳香環を構成する不飽和結合も含まれる。
重合体(X)および(Y)としては、特に限定されることはないが、芳香族ビニル単量体単位と鎖状共役ジエン単量体単位とを含む共重合体を用いることが好ましい。重合体(X)および(Y)として、芳香族ビニル単量体単位と鎖状共役ジエン単量体単位とを含む共重合体を用いれば、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を更に高めることができる。なお、本明細書中において、重合体が「単量体単位を含む」とは、「その単量体を用いて得た重合体中に単量体由来の構造単位が含まれている」ことを意味する。また、本明細書中で「(共)重合体」とは、「重合体または共重合体」を指す。
重合体(X)および(Y)は、分子構造中に不飽和結合を有するものであれば、特に限定されることはなく、1種類の単量体単位のみを含む重合体であっても、複数種類の単量体単位を含む共重合体であってもよく、共重合体である場合は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体などのいずれであってもよい。
不飽和結合としては、炭素−炭素不飽和結合、炭素−窒素不飽和結合、炭素−酸素不飽和結合などが挙げられるが、好ましくは炭素−炭素不飽和結合、より好ましくは炭素−炭素二重結合である。なお、炭素−炭素不飽和結合には芳香環を構成する不飽和結合も含まれる。
重合体(X)および(Y)としては、特に限定されることはないが、芳香族ビニル単量体単位と鎖状共役ジエン単量体単位とを含む共重合体を用いることが好ましい。重合体(X)および(Y)として、芳香族ビニル単量体単位と鎖状共役ジエン単量体単位とを含む共重合体を用いれば、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を更に高めることができる。なお、本明細書中において、重合体が「単量体単位を含む」とは、「その単量体を用いて得た重合体中に単量体由来の構造単位が含まれている」ことを意味する。また、本明細書中で「(共)重合体」とは、「重合体または共重合体」を指す。
さらに、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する優れた接着性と高い水蒸気バリア性とを両立する観点から、重合体(X)および(Y)は芳香族ビニル単量体単位を含む重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン単量体単位を含む重合体ブロック[B]とを所定の数および質量比で含有するブロック共重合体[C]であることが好ましい。当該ブロック共重合体[C]を重合体(X)および(Y)として用いれば、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を高めることができるとともに、乾燥剤の使用量を削減しつつ、または乾燥剤を用いることなく、複層ガラス用スペーサに優れた水蒸気バリア性を付与できることが期待される。
以下、重合体(X)および(Y)が上述したブロック共重合体[C]である場合の組成および構造について詳述するが、重合体(X)および(Y)は、この記載に限定されるものではない。
以下、重合体(X)および(Y)が上述したブロック共重合体[C]である場合の組成および構造について詳述するが、重合体(X)および(Y)は、この記載に限定されるものではない。
―ブロック共重合体[C]―
―重合体ブロック[A]
重合体ブロック[A]に好適に含まれる芳香族ビニル単量体単位を形成しうる芳香族ビニル単量体としては、スチレンおよびその誘導体が挙げられ、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、4−モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン、および4−フェニルスチレンなどが挙げられる。これらの中でも、複層ガラス用スペーサの水蒸気バリア性を高める観点から、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、および4−フェニルスチレンを用いることが好ましく、工業的な入手の容易さから、スチレンを用いることが特に好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
―重合体ブロック[A]
重合体ブロック[A]に好適に含まれる芳香族ビニル単量体単位を形成しうる芳香族ビニル単量体としては、スチレンおよびその誘導体が挙げられ、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、4−モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン、および4−フェニルスチレンなどが挙げられる。これらの中でも、複層ガラス用スペーサの水蒸気バリア性を高める観点から、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、および4−フェニルスチレンを用いることが好ましく、工業的な入手の容易さから、スチレンを用いることが特に好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
そして、重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル単量体単位の含有割合は、重合体ブロック[A]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、特に好ましくは100質量%である。重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル単量体単位の含有割合が80質量%以上であれば、ブロック共重合体[C]から得られる重合体水素化物の耐熱性を高めて、複層ガラス用スペーサの高温耐久性を向上させることができる。
なお、重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を含んでいてもよく、そのようなその他の単量体単位は、鎖状共役ジエン単量体単位であってもよい。また、その他の単量体単位を形成しうる単量体としては、複層ガラス用スペーサの水蒸気バリア性を高める観点から、極性基を含有しないものが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテンなどの鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサンなどの環状オレフィンが挙げられる。
ここで、ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の数は、通常5つ以下、好ましくは4つ以下、より好ましくは3つ以下であり、また、好ましくは2つ以上である。
なお、ブロック共重合体[C]が重合体ブロック[A]を複数有する場合は、複数の重合体ブロック[A]の単量体組成は同一あってもよく、異なっていてもよい。
なお、ブロック共重合体[C]が重合体ブロック[A]を複数有する場合は、複数の重合体ブロック[A]の単量体組成は同一あってもよく、異なっていてもよい。
―重合体ブロック[B]
重合体ブロック[B]に好適に含まれる鎖状共役ジエン単量体単位を形成しうる鎖状共役ジエン単量体としては、特に限定されないが、複層ガラス用スペーサの水蒸気バリア性を高める観点から、極性基を含有しないものが好ましく、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが好ましく挙げられる。これらの中でも、工業的な入手の容易さから1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体ブロック[B]に好適に含まれる鎖状共役ジエン単量体単位を形成しうる鎖状共役ジエン単量体としては、特に限定されないが、複層ガラス用スペーサの水蒸気バリア性を高める観点から、極性基を含有しないものが好ましく、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが好ましく挙げられる。これらの中でも、工業的な入手の容易さから1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
そして、重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン単量体単位の含有割合は、重合体ブロック[B]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン単量体単位の含有割合が80質量%以上であれば、ブロック共重合体[C]から得られる重合体水素化物の柔軟性が高まるため、複層ガラス用スペーサの加工性を向上させることができる。
なお、重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を含んでいてもよく、そのようなその他の単量体単位は、芳香族ビニル単量体単位であってもよいし、その他の単量体単位は「重合体ブロック[A]」の項で上述した鎖状オレフィンおよび環状オレフィンから形成されてもよい。
ここで、ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[B]の数は、通常4つ以下、好ましくは3つ以下、より好ましくは2つ以下、更に好ましくは1つである。
なお、ブロック共重合体[C]が重合体ブロック[B]を複数有する場合は、複数の重合体ブロック[B]の単量体組成は同一あっても異なっていてもよい。
なお、ブロック共重合体[C]が重合体ブロック[B]を複数有する場合は、複数の重合体ブロック[B]の単量体組成は同一あっても異なっていてもよい。
―重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B]の質量比
ここで、ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の含有量と重合体ブロック[B]の含有量との質量比(重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B])は、3/7以上であることが好ましく、2/3以上であることがより好ましく、3/2以下であることが好ましく、11/9以下であることがより好ましい。重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B]の質量比が3/7以上であれば、ブロック共重合体[C]から得られる重合体水素化物の耐熱性を高めて、複層ガラス用スペーサの高温耐久性を向上させることができる。一方、重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B]の質量比が3/2以下であれば、ブロック共重合体[C]から得られる重合体水素化物の柔軟性が高まるため、複層ガラス用スペーサの加工性を向上させることができる。
ここで、ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の含有量と重合体ブロック[B]の含有量との質量比(重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B])は、3/7以上であることが好ましく、2/3以上であることがより好ましく、3/2以下であることが好ましく、11/9以下であることがより好ましい。重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B]の質量比が3/7以上であれば、ブロック共重合体[C]から得られる重合体水素化物の耐熱性を高めて、複層ガラス用スペーサの高温耐久性を向上させることができる。一方、重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B]の質量比が3/2以下であれば、ブロック共重合体[C]から得られる重合体水素化物の柔軟性が高まるため、複層ガラス用スペーサの加工性を向上させることができる。
―ブロック構造
ブロック共重合体[C]のブロックの構造は、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでも良いが、機械的強度の観点から、鎖状型ブロックであるものが好ましい。また、ブロック共重合体[C]は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合した構造(すなわち、A−B−Aの順に並んだ構造)を少なくとも1箇所有することが好ましい。
そして、ブロック共重合体[C]の特に好ましい構造としては、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合してなるトリブロック共重合体(A−B−A)、および、重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、さらに、該2つの重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合してなるペンタブロック共重合体(A−B−A−B−A)が挙げられ、トリブロック共重合体(A−B−A)が最も好ましい。
ブロック共重合体[C]のブロックの構造は、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでも良いが、機械的強度の観点から、鎖状型ブロックであるものが好ましい。また、ブロック共重合体[C]は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合した構造(すなわち、A−B−Aの順に並んだ構造)を少なくとも1箇所有することが好ましい。
そして、ブロック共重合体[C]の特に好ましい構造としては、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合してなるトリブロック共重合体(A−B−A)、および、重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、さらに、該2つの重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合してなるペンタブロック共重合体(A−B−A−B−A)が挙げられ、トリブロック共重合体(A−B−A)が最も好ましい。
―重合体(X)および(Y)の調製方法―
重合体(X)および(Y)の調製方法は特に限定されず、各種の単量体を含む単量体組成物を、既知の方法で重合することにより、重合体(X)および(Y)を調製することができる。例えば、ブロック共重合体[C]は、リビングアニオン重合を用いて、芳香族ビニル単量体を含有する単量体組成物と鎖状共役ジエン単量体を含有する単量体組成物とを交互に重合させることで調製することができる。
重合体(X)および(Y)の調製方法は特に限定されず、各種の単量体を含む単量体組成物を、既知の方法で重合することにより、重合体(X)および(Y)を調製することができる。例えば、ブロック共重合体[C]は、リビングアニオン重合を用いて、芳香族ビニル単量体を含有する単量体組成物と鎖状共役ジエン単量体を含有する単量体組成物とを交互に重合させることで調製することができる。
[アルコキシシリル基を有する重合体(Z)]
アルコキシシリル基を有する重合体(Z)は、分子構造中にアルコキシシリル基および不飽和結合を有すれば、特に限定されることはなく、1種類の単量体単位のみを含む重合体であっても、複数種類の単量体単位を含む共重合体であってもよく、共重合体である場合は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体などのいずれであってもよい。
不飽和結合としては、「重合体(X)および(Y)」の項で上述したものが挙げられる。
アルコキシシリル基を有する重合体(Z)は、分子構造中にアルコキシシリル基および不飽和結合を有すれば、特に限定されることはなく、1種類の単量体単位のみを含む重合体であっても、複数種類の単量体単位を含む共重合体であってもよく、共重合体である場合は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体などのいずれであってもよい。
不飽和結合としては、「重合体(X)および(Y)」の項で上述したものが挙げられる。
そして、アルコキシシリル基を有する重合体(Z)の具体例としては、アルコキシシリル基含有単量体と、芳香族ビニル単量体および鎖状共役ジエン単量体などの他の単量体との共重合体などが挙げられる。
アルコキシシリル基含有単量体は、アルコキシシリル基と、他の単量体と共重合可能な構造(例えば、炭素−炭素二重結合などの重合性不飽和結合、また、アルコキシシリル基を除く)とを含む単量体であれば特に限定されない。
そして、アルコキシシリル基含有単量体としては、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を高める観点から、ビニルシラン系単量体や、(メタ)アクリルシラン系単量体を用いることが好ましい。なお、本明細書中において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
ビニルシラン系単量体の具体例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
(メタ)アクリルシラン系単量体の具体例としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
そして、アルコキシシリル基含有単量体としては、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を高める観点から、ビニルシラン系単量体や、(メタ)アクリルシラン系単量体を用いることが好ましい。なお、本明細書中において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
ビニルシラン系単量体の具体例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
(メタ)アクリルシラン系単量体の具体例としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
他の単量体としては、上述したアルコキシシリル基含有単量体以外の単量体であって、当該単量体を用いて得られた重合体中の当該単量体由来の構造単位(単量体単位)に不飽和結合が含まれていれば、特に限定されることはない。このような他の単量体の具体例としては、芳香族ビニル単量体および鎖状共役ジエン単量体などが挙げられる。そして、芳香族ビニル単量体および鎖状共役ジエン単量体としては、「重合体(X)および(Y)」の項で上述した芳香族ビニル単量体および鎖状共役ジエン単量体を用いることができる。
重合体(Z)の調製方法は特に限定されず、例えば、上述したアルコキシシリル基含有単量体と、その他の単量体とを含む単量体組成物を、既知の方法で重合することにより、重合体(Z)を調製することができる。また、その他の単量体のみを含む単量体組成物を既知の方法で重合した後、重合停止剤を添加せず、アルコキシシリル基含有単量体を添加することで、その他の単量体単位のみを含む重合体のリビング末端からさらにアルコキシシリル基含有単量体を重合させて、重合体(Z)を調製することもできる。
[水素化方法]
重合体(X)、重合体(Y)のアルコキシシラン変性体、および重合体(Z)中の不飽和結合を水素化する方法(水素化方法)としては特に限定されず、既知の方法を採用することができるが、水素化率を高くしつつ、重合体鎖切断反応を抑制しうる水素化方法が好ましい。さらに、重合体の水素化により得られる水素化物は、例えば上述した鎖状共役ジエン単量体に由来する、重合体の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、当該主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、ならびに、例えば上述した芳香族ビニル単量体に由来する、芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化した高分子であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
重合体の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素化する方法としては、例えば、特開2015−78090号公報等に記載された方法を挙げることができる。
また、重合体の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合ならびに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する方法としては、例えば、国際公開第2011/096389号、国際公開第2012/043708号等に記載された方法を挙げることができる。
なお、上述した方法で得られる水素化物は、通常、水素化触媒および/または重合触媒などを除去した後、水素化物を含む反応溶液から回収して得られる。回収された水素化物の形態は限定されるものではないが、例えばペレット形状とすることができる。
重合体(X)、重合体(Y)のアルコキシシラン変性体、および重合体(Z)中の不飽和結合を水素化する方法(水素化方法)としては特に限定されず、既知の方法を採用することができるが、水素化率を高くしつつ、重合体鎖切断反応を抑制しうる水素化方法が好ましい。さらに、重合体の水素化により得られる水素化物は、例えば上述した鎖状共役ジエン単量体に由来する、重合体の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、当該主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、ならびに、例えば上述した芳香族ビニル単量体に由来する、芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化した高分子であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
重合体の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素化する方法としては、例えば、特開2015−78090号公報等に記載された方法を挙げることができる。
また、重合体の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合ならびに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する方法としては、例えば、国際公開第2011/096389号、国際公開第2012/043708号等に記載された方法を挙げることができる。
なお、上述した方法で得られる水素化物は、通常、水素化触媒および/または重合触媒などを除去した後、水素化物を含む反応溶液から回収して得られる。回収された水素化物の形態は限定されるものではないが、例えばペレット形状とすることができる。
―水素化率―
上述した水素化方法により得られる水素化物において、重合体の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。また、重合体中の芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されている場合、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。
なお、水素化率は、本明細書の実施例に記載の方法により測定することができる。
上述した水素化方法により得られる水素化物において、重合体の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。また、重合体中の芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されている場合、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。
なお、水素化率は、本明細書の実施例に記載の方法により測定することができる。
[アルコキシシラン変性方法]
アルコキシシラン変性は通常、上記重合体(X)の水素化物または重合体(Y)と、エチレン性不飽和シラン化合物とを、過酸化物の存在下で反応(シラン変性)させて、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)にアルコキシシリル基を導入することにより行なわれる。
なお、導入されるアルコキシシリル基は、後述のエチレン性不飽和シラン化合物に対応する。ここで、アルコキシシリル基は、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)に直接結合されてもよく、アルキレン基やアルキレンオキシカルボニルアルキレン基などの2価の有機基を介して結合されてもよい。
アルコキシシラン変性は通常、上記重合体(X)の水素化物または重合体(Y)と、エチレン性不飽和シラン化合物とを、過酸化物の存在下で反応(シラン変性)させて、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)にアルコキシシリル基を導入することにより行なわれる。
なお、導入されるアルコキシシリル基は、後述のエチレン性不飽和シラン化合物に対応する。ここで、アルコキシシリル基は、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)に直接結合されてもよく、アルキレン基やアルキレンオキシカルボニルアルキレン基などの2価の有機基を介して結合されてもよい。
―エチレン性不飽和シラン化合物―
シラン変性に用いるエチレン性不飽和シラン化合物としては、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)と反応(例えばグラフト重合)して、当該重合体水素化物または重合体にアルコキシシリル基を導入しうるものであれば、特に限定されない。このようなエチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましく、ビニルトリメトキシシランがより好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)100質量部に対して、通常0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、通常10質量部以下であり、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下である。
シラン変性に用いるエチレン性不飽和シラン化合物としては、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)と反応(例えばグラフト重合)して、当該重合体水素化物または重合体にアルコキシシリル基を導入しうるものであれば、特に限定されない。このようなエチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましく、ビニルトリメトキシシランがより好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)100質量部に対して、通常0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、通常10質量部以下であり、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下である。
―過酸化物―
シラン変性に用いる過酸化物としては、1分間半減期温度が170〜190℃のものが好ましく使用され、例えば、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどの有機過酸化物が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
過酸化物の使用量は、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)100質量部に対して、通常0.05質量部以上であり、好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは0.2質量部以上であり、通常2質量部以下であり、好ましくは1質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以下である。
シラン変性に用いる過酸化物としては、1分間半減期温度が170〜190℃のものが好ましく使用され、例えば、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどの有機過酸化物が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
過酸化物の使用量は、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)100質量部に対して、通常0.05質量部以上であり、好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは0.2質量部以上であり、通常2質量部以下であり、好ましくは1質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以下である。
―反応方法―
重合体(X)の水素化物または重合体(Y)とエチレン性不飽和シラン化合物とを過酸化物の存在下で反応させる方法は特に限定されないが、例えば、これらの成分を二軸押出機にて混練することにより、当該重合体水素化物または重合体にアルコキシシリル基を導入することができる。混練温度は、反応させる重合体水素化物または重合体の種類によって適宜調整することができる。混練時間は、通常0.1分以上であり、好ましくは0.2分以上であり、より好ましくは0.3分以上であり、通常10分以下であり、好ましくは5分以下であり、より好ましくは2分以下である。このような混練時間となるように適宜設定して、連続的に混練、押し出しをすればよい。
重合体(X)の水素化物または重合体(Y)とエチレン性不飽和シラン化合物とを過酸化物の存在下で反応させる方法は特に限定されないが、例えば、これらの成分を二軸押出機にて混練することにより、当該重合体水素化物または重合体にアルコキシシリル基を導入することができる。混練温度は、反応させる重合体水素化物または重合体の種類によって適宜調整することができる。混練時間は、通常0.1分以上であり、好ましくは0.2分以上であり、より好ましくは0.3分以上であり、通常10分以下であり、好ましくは5分以下であり、より好ましくは2分以下である。このような混練時間となるように適宜設定して、連続的に混練、押し出しをすればよい。
―アルコキシシリル基の導入量―
上述のようにしてシラン変性を行うことにより重合体(X)の水素化物または重合体(Y)に導入されるアルコキシシリル基の量は、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)100質量部当たり、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましく、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが更に好ましい。アルコキシシリル基の導入量が、当該重合体水素化物または重合体100質量部当たり0.1質量部以上であれば、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を高めることができ、また、複層ガラス用スペーサの高温耐久性を向上させることができる。一方、アルコキシシリル基の導入量が、当該重合体水素化物または重合体100質量部当たり10質量部以下であれば、アルコキシシリル基同士の架橋を抑制して、複層ガラス用スペーサの高温耐久性を向上させることができる。
なお、本発明において、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)100部当たりに導入されるアルコキシシリル基の量は、当該重合体水素化物または重合体から得られたアルコキシシラン変性体の1H−NMR測定(測定溶媒:重クロロホルム)により得られるアルコキシ基のプロトンに基づくピーク面積比から算出することができる。
上述のようにしてシラン変性を行うことにより重合体(X)の水素化物または重合体(Y)に導入されるアルコキシシリル基の量は、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)100質量部当たり、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましく、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが更に好ましい。アルコキシシリル基の導入量が、当該重合体水素化物または重合体100質量部当たり0.1質量部以上であれば、複層ガラス用スペーサのガラス板に対する接着性を高めることができ、また、複層ガラス用スペーサの高温耐久性を向上させることができる。一方、アルコキシシリル基の導入量が、当該重合体水素化物または重合体100質量部当たり10質量部以下であれば、アルコキシシリル基同士の架橋を抑制して、複層ガラス用スペーサの高温耐久性を向上させることができる。
なお、本発明において、重合体(X)の水素化物または重合体(Y)100部当たりに導入されるアルコキシシリル基の量は、当該重合体水素化物または重合体から得られたアルコキシシラン変性体の1H−NMR測定(測定溶媒:重クロロホルム)により得られるアルコキシ基のプロトンに基づくピーク面積比から算出することができる。
[重合体水素化物の物性]
―分子量―
重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は、20,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましく、40,000以上であることが更に好ましく、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることが更に好ましい。重合体水素化物の重量平均分子量が20,000以上であれば、得られる複層ガラス用スペーサの機械的強度を高めることができ、200,000以下であれば、複層ガラス用スペーサの加工性を向上させることができる。
また、重合体水素化物の分子量分布(Mw/Mn)は、5以下であることが好ましく、4以下であることが好ましく、3以下であることが更に好ましい。分子量分布が5以下であれば、複層ガラス用スペーサの高温耐久性や機械的強度を高めることができる。
―分子量―
重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は、20,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましく、40,000以上であることが更に好ましく、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることが更に好ましい。重合体水素化物の重量平均分子量が20,000以上であれば、得られる複層ガラス用スペーサの機械的強度を高めることができ、200,000以下であれば、複層ガラス用スペーサの加工性を向上させることができる。
また、重合体水素化物の分子量分布(Mw/Mn)は、5以下であることが好ましく、4以下であることが好ましく、3以下であることが更に好ましい。分子量分布が5以下であれば、複層ガラス用スペーサの高温耐久性や機械的強度を高めることができる。
<その他の成分>
複層ガラス用スペーサは、所望の効果が得られる範囲内で、上述した重合体水素化物以外の樹脂および添加剤などを含有していてもよい。ここで、添加物としては、例えば、滑剤、顔料、帯電防止剤、可塑剤、老化防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、発泡剤、乾燥剤、充填材などが挙げられる。
複層ガラス用スペーサは、所望の効果が得られる範囲内で、上述した重合体水素化物以外の樹脂および添加剤などを含有していてもよい。ここで、添加物としては、例えば、滑剤、顔料、帯電防止剤、可塑剤、老化防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、発泡剤、乾燥剤、充填材などが挙げられる。
<複層ガラス用スペーサの構造>
本発明の複層ガラス用スペーサの構造としては、上述した所定の重合体水素化物を含むものであれば、特に限定されることはなく、例えば、1)単層構造、2)積層構造、3)被覆構造、などが挙げられる。
本発明の複層ガラス用スペーサの構造としては、上述した所定の重合体水素化物を含むものであれば、特に限定されることはなく、例えば、1)単層構造、2)積層構造、3)被覆構造、などが挙げられる。
具体的に、1)の単層構造は、所定の重合体水素化物を含む樹脂組成物からなる単層構造である。なお、1)の単層構造を有する複層ガラス用スペーサ中の所定の重合体水素化物の含有量は、特に限定されることはない。
また、2)の積層構造は、具体的には、2枚の表層と、前記表層相互間に介在配置される少なくとも1枚の中間層とを備える積層体からなる構造であり、前記表層は、所定の重合体水素化物を含む樹脂組成物からなる構造である。なお、上記2枚の表層は互いに同一の組成の樹脂組成物からなるものであってもよいし、異なる組成の樹脂組成物からなるものであってもよい。
さらに、3)の被覆構造は、具体的には、芯体と前記芯体を被覆する被覆体からなる構造であり、前記被覆体は、所定の重合体水素化物を含む樹脂組成物からなる構造である。
なお、2)の積層構造または3)の被覆構造を有する複層ガラス用スペーサ中の所定の重合体水素化物の含有量は、特に限定されることはない。
さらに、3)の被覆構造は、具体的には、芯体と前記芯体を被覆する被覆体からなる構造であり、前記被覆体は、所定の重合体水素化物を含む樹脂組成物からなる構造である。
なお、2)の積層構造または3)の被覆構造を有する複層ガラス用スペーサ中の所定の重合体水素化物の含有量は、特に限定されることはない。
ここで、2)の積層構造中の中間層、または3)の被覆構造中の芯体は、それぞれ2)の積層構造中の表層、または3)の被覆構造中の被覆体を構成する樹脂組成物よりも高い水蒸気バリア性を有する樹脂組成物等の材料からなることが好ましい。なお、2)の積層構造中の中間層、または3)の被覆構造中の芯体を構成する材料は、「その他の成分」の項で上述した添加剤を含有していてもよい。
さらに、2)の積層構造中の中間層または3)の被覆構造中の芯体は、重合体(X’)の水素化物を含む樹脂組成物からなり、前記重合体(X’)が、芳香族ビニル単量体単位を含む重合体ブロック[A’]を少なくとも2つ含有し、鎖状共役ジエン単量体単位を含む重合体ブロック[B’]を少なくとも1つ含有するブロック共重合体[C’]であり、前記ブロック共重合体[C’]中の重合体ブロック[A’]の含有量と重合体ブロック[B’]の含有量との質量比(重合体ブロック[A’]/重合体ブロック[B’])が3/7以上3/2以下であることがより好ましい。複層ガラス用スペーサが、2)の積層構造または3)の被覆構造を有し、さらに、2)の積層構造中の中間層または3)の被覆構造中の芯体が上述した所定の樹脂組成物からなれば、ガラス板に対する優れた接着性を有しつつ、更に高い水蒸気バリア性を発揮することができる。
さらに、2)の積層構造中の中間層または3)の被覆構造中の芯体は、重合体(X’)の水素化物を含む樹脂組成物からなり、前記重合体(X’)が、芳香族ビニル単量体単位を含む重合体ブロック[A’]を少なくとも2つ含有し、鎖状共役ジエン単量体単位を含む重合体ブロック[B’]を少なくとも1つ含有するブロック共重合体[C’]であり、前記ブロック共重合体[C’]中の重合体ブロック[A’]の含有量と重合体ブロック[B’]の含有量との質量比(重合体ブロック[A’]/重合体ブロック[B’])が3/7以上3/2以下であることがより好ましい。複層ガラス用スペーサが、2)の積層構造または3)の被覆構造を有し、さらに、2)の積層構造中の中間層または3)の被覆構造中の芯体が上述した所定の樹脂組成物からなれば、ガラス板に対する優れた接着性を有しつつ、更に高い水蒸気バリア性を発揮することができる。
なお、重合体ブロック[A’]に含まれる芳香族ビニル単量体単位を形成しうる芳香族ビニル単量体としては、「重合体ブロック[A]」の項で上述した芳香族ビニル単量体を用いることができる。また、重合体ブロック[B’]に含まれる鎖状共役ジエン単量体単位を形成しうる鎖状共役ジエン単量体としては、「重合体ブロック[B]」の項で上述した鎖状共役ジエン単量体を用いることができる。
そして、複層ガラス用スペーサに含まれる所定の重合体水素化物が上述したブロック共重合体[C]の水素化物のアルコキシシラン変性体である場合、重合体ブロック[A’]および[B’]ならびにブロック共重合体[C’]は、それぞれ重合体ブロック[A]および[B]ならびにブロック共重合体[C]と同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
そして、複層ガラス用スペーサに含まれる所定の重合体水素化物が上述したブロック共重合体[C]の水素化物のアルコキシシラン変性体である場合、重合体ブロック[A’]および[B’]ならびにブロック共重合体[C’]は、それぞれ重合体ブロック[A]および[B]ならびにブロック共重合体[C]と同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
<複層ガラス用スペーサの製造方法>
複層ガラス用スペーサの製造方法としては、特に限定されることはない。例えば、上記1)の単層構造を有する複層ガラス用スペーサを製造する場合、上述した所定の重合体水素化物を含む樹脂組成物を複層ガラス用スペーサの形状に成形する方法などが用いられる。また、上記2)の積層構造または3)の被覆構造を有する複層ガラス用スペーサを製造する場合、ブロック共重合体[C]の水素化物のアルコキシシラン変性体を含む樹脂組成物と、ブロック共重合体[C’]の水素化物を含む樹脂組成物とを2)の積層構造または3)の被覆構造を有する形状に成形する方法などが用いられる。さらに、3)の被覆構造を有する複層ガラス用スペーサは、ブロック共重合体[C’]の水素化物を含む樹脂組成物を芯体の形状に成形した後に、所定の重合体水素化物、好ましくはブロック共重合体[C]の水素化物のアルコキシシラン変性体を含む樹脂組成物を前記芯体にコーティングする方法によっても製造することができる。
複層ガラス用スペーサの製造方法としては、特に限定されることはない。例えば、上記1)の単層構造を有する複層ガラス用スペーサを製造する場合、上述した所定の重合体水素化物を含む樹脂組成物を複層ガラス用スペーサの形状に成形する方法などが用いられる。また、上記2)の積層構造または3)の被覆構造を有する複層ガラス用スペーサを製造する場合、ブロック共重合体[C]の水素化物のアルコキシシラン変性体を含む樹脂組成物と、ブロック共重合体[C’]の水素化物を含む樹脂組成物とを2)の積層構造または3)の被覆構造を有する形状に成形する方法などが用いられる。さらに、3)の被覆構造を有する複層ガラス用スペーサは、ブロック共重合体[C’]の水素化物を含む樹脂組成物を芯体の形状に成形した後に、所定の重合体水素化物、好ましくはブロック共重合体[C]の水素化物のアルコキシシラン変性体を含む樹脂組成物を前記芯体にコーティングする方法によっても製造することができる。
樹脂組成物を成形する方法としては、特に限定されることはなく、既知の方法を用いることができる。具体的には、射出成形、射出圧縮成形、ガスアシスト法射出成形、押出成形、多層押出成形、回転成形、熱プレス成形、ブロー成形、発泡成形、3Dプリンターによる造形などの方法が挙げられる。
また、樹脂組成物をコーティングする方法としては、ディッピング法;刷毛等による塗布法;スプレー法;ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター等のコーターによるコーティング法などの既知の方法が挙げられる。
また、樹脂組成物をコーティングする方法としては、ディッピング法;刷毛等による塗布法;スプレー法;ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター等のコーターによるコーティング法などの既知の方法が挙げられる。
(複層ガラス)
本発明の複層ガラスは、少なくとも2枚のガラス板と、前記ガラス板相互間に中空層が形成されるように前記ガラス板相互間に介在配置され、前記ガラス板に接着する複層ガラス用スペーサとを備える複層ガラスであって、前記複層ガラス用スペーサが上述した本発明の複層ガラス用スペーサであることを特徴とする。
よって、本発明の複層ガラスは、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを備える。これにより、本発明の複層ガラスは、特に高温高湿環境下で保管された場合であっても、複層ガラスを構成するガラス板相互間での剥離が良好に防止されるため、優れた耐久性を有する。
さらに、本発明の複層ガラスは、前記複層ガラス用スペーサの前記ガラス板に対する180°剥離強度が13N/10mm以上であることが好ましく、15N/10mm以上であることがより好ましく、20N/10mm以上であることが更に好ましい。前記ガラス板に対する180°剥離強度が上述した値以上である前記複層ガラス用スペーサを用いれば、ガラス板に対する接着性に更に優れた複層ガラス用スペーサを備える複層ガラスを提供することができる。
本発明の複層ガラスは、少なくとも2枚のガラス板と、前記ガラス板相互間に中空層が形成されるように前記ガラス板相互間に介在配置され、前記ガラス板に接着する複層ガラス用スペーサとを備える複層ガラスであって、前記複層ガラス用スペーサが上述した本発明の複層ガラス用スペーサであることを特徴とする。
よって、本発明の複層ガラスは、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを備える。これにより、本発明の複層ガラスは、特に高温高湿環境下で保管された場合であっても、複層ガラスを構成するガラス板相互間での剥離が良好に防止されるため、優れた耐久性を有する。
さらに、本発明の複層ガラスは、前記複層ガラス用スペーサの前記ガラス板に対する180°剥離強度が13N/10mm以上であることが好ましく、15N/10mm以上であることがより好ましく、20N/10mm以上であることが更に好ましい。前記ガラス板に対する180°剥離強度が上述した値以上である前記複層ガラス用スペーサを用いれば、ガラス板に対する接着性に更に優れた複層ガラス用スペーサを備える複層ガラスを提供することができる。
<ガラス板>
本発明の複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板は、厚みおよび材質等がお互いに同一であっても、異なっていてもよい。
ガラス板の厚みは特に限定されることはなく、複層ガラスの用途に応じて好適な厚みを選択することができる。
ガラス板の材質は、特に限定されることはなく、例えば、アルミノシリケート酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ウランガラス、カリガラス、ケイ酸ガラス、結晶化ガラス、ゲルマニウムガラス、石英ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどが挙げられる。また、ガラス板の材質として、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の有機ガラスを用いることもできる。
本発明の複層ガラスを構成する少なくとも2枚のガラス板は、厚みおよび材質等がお互いに同一であっても、異なっていてもよい。
ガラス板の厚みは特に限定されることはなく、複層ガラスの用途に応じて好適な厚みを選択することができる。
ガラス板の材質は、特に限定されることはなく、例えば、アルミノシリケート酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ウランガラス、カリガラス、ケイ酸ガラス、結晶化ガラス、ゲルマニウムガラス、石英ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどが挙げられる。また、ガラス板の材質として、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の有機ガラスを用いることもできる。
<複層ガラスの製造方法>
複層ガラスの製造方法は特に限定されることはなく、例えば、2枚のガラス板相互間に中空層が形成されるように前記2枚のガラス板相互間に本発明の複層ガラス用スペーサを介在配置させた状態で、複層ガラス用スペーサと前記2枚のガラス板とを圧着または熱圧着させることにより、複層ガラスを製造することができる。このとき、複層ガラス用スペーサはガラス板に直接的に接着していることが好ましい。なお、必要に応じて、上述した圧着または熱圧着は真空条件下で行なうこともできる。
複層ガラスの製造方法は特に限定されることはなく、例えば、2枚のガラス板相互間に中空層が形成されるように前記2枚のガラス板相互間に本発明の複層ガラス用スペーサを介在配置させた状態で、複層ガラス用スペーサと前記2枚のガラス板とを圧着または熱圧着させることにより、複層ガラスを製造することができる。このとき、複層ガラス用スペーサはガラス板に直接的に接着していることが好ましい。なお、必要に応じて、上述した圧着または熱圧着は真空条件下で行なうこともできる。
また、2枚のガラス板を所望の間隔に保持し、適当な直径のシリンダーを備える押出機を用いて、上述した所定の重合体水素化物を含む樹脂組成物を溶融させ、適当な先端形状を有するダイから押し出しながら、前記2枚のガラス板相互間に介在配置させて、冷却することによっても、複層ガラスを製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、本実施例における、「部」および「%」は、特記しない限り、質量基準である。
なお、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、水素化率、ガラス板に対する接着性(180°剥離強度)、および透湿度は以下の方法を用いて測定または評価した。
なお、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、水素化率、ガラス板に対する接着性(180°剥離強度)、および透湿度は以下の方法を用いて測定または評価した。
<重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)>
製造例で得られるブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体の重量平均分子量(Mw)は、THFを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリスチレン換算値として測定した。
なお、測定機器としては東ソー社製「HLC8120GPC」を用い、カラムとしては東ソー社製「TSKgelカラム」を用いた。また、測定は、流速0.600mL/分、サンプル注入量20μL、カラム温度40℃の条件下で行なった。
さらに上記と同様にして、数平均分子量(Mn)を測定した後、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
製造例で得られるブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体の重量平均分子量(Mw)は、THFを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリスチレン換算値として測定した。
なお、測定機器としては東ソー社製「HLC8120GPC」を用い、カラムとしては東ソー社製「TSKgelカラム」を用いた。また、測定は、流速0.600mL/分、サンプル注入量20μL、カラム温度40℃の条件下で行なった。
さらに上記と同様にして、数平均分子量(Mn)を測定した後、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
<水素化率>
製造例の水素化反応に用いるブロック共重合体[C]と、水素化反応により得られるブロック共重合体水素化物とについて、溶媒として重クロロホルムを用いた1H−NMR測定を行い、ブロック共重合体[C]の主鎖、側鎖および芳香環に存在した全不飽和結合のうち消失した不飽和結合の割合を算出することで、ブロック共重合体水素化物の水素化率を求めた。
製造例の水素化反応に用いるブロック共重合体[C]と、水素化反応により得られるブロック共重合体水素化物とについて、溶媒として重クロロホルムを用いた1H−NMR測定を行い、ブロック共重合体[C]の主鎖、側鎖および芳香環に存在した全不飽和結合のうち消失した不飽和結合の割合を算出することで、ブロック共重合体水素化物の水素化率を求めた。
<ガラス板に対する接着性(剥離強度)>
各実施例および比較例で得られる樹脂シートとソーダガラス板とを真空加圧接着して作製される接着性評価用試験片について、JIS K 6854−2に基づいて、樹脂シートの非接着部位から剥離速度100mm/分で180°剥離試験を行なった。180°剥離強度は、接着性評価用試験片を作製した後の初期の値、および85℃、85%RHの高温高湿環境に接着性評価用試験片を1000時間暴露した後の値を測定した。180°剥離強度の値が大きいほど、樹脂シートはガラス板に対する接着性に優れる。
各実施例および比較例で得られる樹脂シートとソーダガラス板とを真空加圧接着して作製される接着性評価用試験片について、JIS K 6854−2に基づいて、樹脂シートの非接着部位から剥離速度100mm/分で180°剥離試験を行なった。180°剥離強度は、接着性評価用試験片を作製した後の初期の値、および85℃、85%RHの高温高湿環境に接着性評価用試験片を1000時間暴露した後の値を測定した。180°剥離強度の値が大きいほど、樹脂シートはガラス板に対する接着性に優れる。
<透湿度>
各実施例および比較例で得られる樹脂シートから試験片を作製し、JIS Z 0208の方法に準じて、40℃、90%RHの環境条件での透湿度を測定し、得られた値を比較した。透湿度の値が低いほど、樹脂シートは水蒸気バリア性に優れる。
各実施例および比較例で得られる樹脂シートから試験片を作製し、JIS Z 0208の方法に準じて、40℃、90%RHの環境条件での透湿度を測定し、得られた値を比較した。透湿度の値が低いほど、樹脂シートは水蒸気バリア性に優れる。
(製造例1)
<ブロック共重合体[C]の調製>
撹拌装置を備え、内部が十分に窒素置換された反応器に、脱水シクロヘキサン300部およびジエチルエーテル0.475部を投入した。その後、全容を60℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.91部を加えた。引き続き、全容を60℃で撹拌しながら、脱水スチレン25部を70分間に亘って連続的に反応器内に添加して重合反応を進め、添加終了後、そのまま、さらに60℃で20分間全容を撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定したところ、この時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に、脱水イソプレン50部を130分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間撹拌を続けた。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
その後、さらに、反応液に脱水スチレン25部を70分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま60分撹拌した。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合添加率はほぼ100%であった。
<ブロック共重合体[C]の調製>
撹拌装置を備え、内部が十分に窒素置換された反応器に、脱水シクロヘキサン300部およびジエチルエーテル0.475部を投入した。その後、全容を60℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.91部を加えた。引き続き、全容を60℃で撹拌しながら、脱水スチレン25部を70分間に亘って連続的に反応器内に添加して重合反応を進め、添加終了後、そのまま、さらに60℃で20分間全容を撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定したところ、この時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に、脱水イソプレン50部を130分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間撹拌を続けた。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
その後、さらに、反応液に脱水スチレン25部を70分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま60分撹拌した。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合添加率はほぼ100%であった。
ここで、反応液に、イソプロピルアルコール1.0部を加えて反応を停止させ、重合体溶液を得た。重合体溶液に含まれるブロック共重合体[C]は、スチレン単量体単位からなる重合体ブロック[A]とイソプレン単量体単位からなる重合体ブロック[B]とがA−B−Aの順に並んでなるトリブロック共重合体であり、ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の含有量と重合体ブロック[B]の含有量との質量比(重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B])は1/1であった。
<ブロック共重合体水素化物[D]の調製>
次に、上記の重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としての珪藻土担持型ニッケル触媒(日揮触媒化成社製「E22U」、ニッケル担持量60%)4.0部、および脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
次に、上記の重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としての珪藻土担持型ニッケル触媒(日揮触媒化成社製「E22U」、ニッケル担持量60%)4.0部、および脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、得られた溶液に、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](ADEKA社製「AO60」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製「コントロ」)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液からシクロヘキサン、キシレンおよびその他の揮発成分を除去した。溶融ポリマーをダイからストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーによりカッティングしてペレット状のブロック共重合体[C]の水素化物(ブロック共重合体水素化物[D])94部を得た。
得られたブロック共重合体水素化物[D]の水素化率は、「主鎖および側鎖」ならびに「芳香環」のいずれもほぼ100%であった。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製「コントロ」)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液からシクロヘキサン、キシレンおよびその他の揮発成分を除去した。溶融ポリマーをダイからストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーによりカッティングしてペレット状のブロック共重合体[C]の水素化物(ブロック共重合体水素化物[D])94部を得た。
得られたブロック共重合体水素化物[D]の水素化率は、「主鎖および側鎖」ならびに「芳香環」のいずれもほぼ100%であった。
<アルコキシシラン変性体[E]の調製>
得られたブロック共重合体水素化物[D]のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部、および、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油社製「パーヘキサ(登録商標)25B」)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(東芝機械社製「TEM37B」)を用いて、樹脂温度200℃、混練時間60〜70秒で混練した。得られた混練物を、ストランド状に押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、ブロック共重合体水素化物[D]のアルコキシシラン変性体(アルコキシシラン変性体[E])のペレット97部を得た。
得られたアルコキシシラン変性体[E]の重量平均分子量(Mw)は41500、分子量分布(Mw/Mn)は2.51であった。
得られたブロック共重合体水素化物[D]のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部、および、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油社製「パーヘキサ(登録商標)25B」)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(東芝機械社製「TEM37B」)を用いて、樹脂温度200℃、混練時間60〜70秒で混練した。得られた混練物を、ストランド状に押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、ブロック共重合体水素化物[D]のアルコキシシラン変性体(アルコキシシラン変性体[E])のペレット97部を得た。
得られたアルコキシシラン変性体[E]の重量平均分子量(Mw)は41500、分子量分布(Mw/Mn)は2.51であった。
アルコキシシラン変性体[E]のFT−IRスペクトルには、1090cm−1にSi−OCH3基、825cm−1および739cm−1にSi−CH2基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのSi−OCH3基(1075cm−1)、Si−CH基(808cm−1および766cm−1)に由来する吸収帯と異なる位置に観察された。
また、アルコキシシラン変性体[E]の1H−NMRスペクトル(測定溶媒:重クロロホルム)を測定したところ、3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づくピークが観察された。当該ピーク面積比からブロック共重合体水素化物[D]100部に対してビニルトリメトキシシラン1.9部が結合したことが確認された。
また、アルコキシシラン変性体[E]の1H−NMRスペクトル(測定溶媒:重クロロホルム)を測定したところ、3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づくピークが観察された。当該ピーク面積比からブロック共重合体水素化物[D]100部に対してビニルトリメトキシシラン1.9部が結合したことが確認された。
(実施例1)
<樹脂シート[F1]の製造>
上記で得られた樹脂としてのアルコキシシラン変性体[E]を、Tダイ式フィルム溶融押出成形機(東芝機械社製「TEM37B」;Tダイ幅400mm)を使用して、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃の条件にて押出成形し、樹脂シート[F1](厚さ:380μm)を得た。得られた樹脂シート[F1]は、ロールに巻き取って回収した。そして、樹脂シート[F1]を用いて、透湿度の評価を行なった。結果を表1に示す。
<樹脂シート[F1]の製造>
上記で得られた樹脂としてのアルコキシシラン変性体[E]を、Tダイ式フィルム溶融押出成形機(東芝機械社製「TEM37B」;Tダイ幅400mm)を使用して、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃の条件にて押出成形し、樹脂シート[F1](厚さ:380μm)を得た。得られた樹脂シート[F1]は、ロールに巻き取って回収した。そして、樹脂シート[F1]を用いて、透湿度の評価を行なった。結果を表1に示す。
さらに、樹脂シート[F1]について、端部に非接着部位を設けつつ、厚さ2mm、幅25mm、長さ75mmのソーダガラス板と重ね合せ、真空ラミネータ(日清紡メカトロニクス社製「PVL0202」)を用いて、170℃の温度にて、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧接着することにより、接着性評価用試験片を作製した。得られた接着性評価用試験片を用いて、ガラス板に対する接着性(剥離強度)を評価した。結果を表1に示す。
(製造例2)
製造例1と同様にして得られたブロック共重合体水素化物[D]のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部、および、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油社製「パーヘキサ(登録商標)25B」)0.2部を添加した。この混合物を、サイドフィーダーを備えたTダイ式フィルム溶融押出成形機(東芝機械社製「TEM37B」)を用いて、樹脂温度200℃、混練時間60〜70秒で混練した。次いで、サイドフィーダーから軟化剤としてのポリイソブチレン(PIB)水素化物(日油社製「日油ポリブテン SH10」、重量平均分子量(Mw):2700)を、ブロック共重合体水素化物[D]100部に対して10部の割合となるように連続的に添加しながら、混練物を樹脂温度190℃でストランド状に押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングして、アルコキシシラン変性体[E]とPIB水素化物とを含む樹脂組成物のペレット104部を得た。
製造例1と同様にして得られたブロック共重合体水素化物[D]のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部、および、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油社製「パーヘキサ(登録商標)25B」)0.2部を添加した。この混合物を、サイドフィーダーを備えたTダイ式フィルム溶融押出成形機(東芝機械社製「TEM37B」)を用いて、樹脂温度200℃、混練時間60〜70秒で混練した。次いで、サイドフィーダーから軟化剤としてのポリイソブチレン(PIB)水素化物(日油社製「日油ポリブテン SH10」、重量平均分子量(Mw):2700)を、ブロック共重合体水素化物[D]100部に対して10部の割合となるように連続的に添加しながら、混練物を樹脂温度190℃でストランド状に押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングして、アルコキシシラン変性体[E]とPIB水素化物とを含む樹脂組成物のペレット104部を得た。
(実施例2)
得られた上記樹脂組成物を用い、溶融樹脂温度を170℃、Tダイ温度を170℃に変更した以外は、実施例1と同様にして押出成形し、樹脂シート[F2](厚さ:380μm)を得た。得られた樹脂シートは、ロールに巻き取って回収した。そして、樹脂シート[F2]を用いて、透湿度の評価を行なった。結果を表1に示す。
得られた上記樹脂組成物を用い、溶融樹脂温度を170℃、Tダイ温度を170℃に変更した以外は、実施例1と同様にして押出成形し、樹脂シート[F2](厚さ:380μm)を得た。得られた樹脂シートは、ロールに巻き取って回収した。そして、樹脂シート[F2]を用いて、透湿度の評価を行なった。結果を表1に示す。
さらに、樹脂シート[F2]について、真空ラミネータの温度を170℃から140℃に変更した以外は実施例1と同様にして、接着性評価用試験片を作製し、ガラス板に対する接着性(剥離強度)を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
製造例1と同様にしてブロック共重合体水素化物[D]とアルコキシシラン変性体[E]とを調製した後、3台の押出成形機(テクノベル社製「SZW20−25MG」)を用意し、そのうち1台で中間層用としてブロック共重合体水素化物[D]を、2台で表層用としてアルコキシシラン変性体[E]を溶融混練し、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃の条件にて、フィードブロック型のTダイ(Tダイ幅300mm)に導入し、層の厚さの比([E]/[D]/[E])が100/180/100となるように押出成形して、樹脂シート[F3](厚さ:380μm)を得た。得られた樹脂シート[F3]は、ロールに巻き取って回収した。そして、樹脂シート[F3]を用いて、透湿度の評価を行なった。結果を表1に示す。
製造例1と同様にしてブロック共重合体水素化物[D]とアルコキシシラン変性体[E]とを調製した後、3台の押出成形機(テクノベル社製「SZW20−25MG」)を用意し、そのうち1台で中間層用としてブロック共重合体水素化物[D]を、2台で表層用としてアルコキシシラン変性体[E]を溶融混練し、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃の条件にて、フィードブロック型のTダイ(Tダイ幅300mm)に導入し、層の厚さの比([E]/[D]/[E])が100/180/100となるように押出成形して、樹脂シート[F3](厚さ:380μm)を得た。得られた樹脂シート[F3]は、ロールに巻き取って回収した。そして、樹脂シート[F3]を用いて、透湿度の評価を行なった。結果を表1に示す。
さらに、樹脂シート[F3]について、実施例1と同様にして、接着性評価用試験片を作製し、ガラス板に対する接着性(剥離強度)を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
製造例1と同様にして得られたブロック共重合体水素化物[D]を用い、実施例1と同様の条件で押出成形し、樹脂シート[F4](厚さ:380μm)を得た。得られた樹脂シート[F4]は、ロールに巻き取って回収した。そして、樹脂シート[F4]を用いて、透湿度の評価を行なった。さらに、樹脂シート[F4]について、実施例1と同様にして、接着性評価用試験片を作製し、ガラス板に対する接着性(剥離強度)を評価した。結果を表1に示す。
製造例1と同様にして得られたブロック共重合体水素化物[D]を用い、実施例1と同様の条件で押出成形し、樹脂シート[F4](厚さ:380μm)を得た。得られた樹脂シート[F4]は、ロールに巻き取って回収した。そして、樹脂シート[F4]を用いて、透湿度の評価を行なった。さらに、樹脂シート[F4]について、実施例1と同様にして、接着性評価用試験片を作製し、ガラス板に対する接着性(剥離強度)を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
樹脂シート[F5]としてポリビニルブチラール(PVB)からなるシート(ソルーシア社製「Saflex(登録商標)RF41」;厚さ:380μm)を用いて、透湿度の評価を行なった。さらに、真空ラミネータの温度を170℃から140℃に変更した以外は実施例1と同様にして、接着性評価用試験片を作製し、ガラス板に対する接着性(剥離強度)を評価した。結果を表1に示す。
樹脂シート[F5]としてポリビニルブチラール(PVB)からなるシート(ソルーシア社製「Saflex(登録商標)RF41」;厚さ:380μm)を用いて、透湿度の評価を行なった。さらに、真空ラミネータの温度を170℃から140℃に変更した以外は実施例1と同様にして、接着性評価用試験片を作製し、ガラス板に対する接着性(剥離強度)を評価した。結果を表1に示す。
表1より、所定の重合体水素化物を含む実施例1〜3の樹脂シートはガラス板に対して優れた接着性を有するため、当該シートを用いれば、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを提供することができることがわかる。
一方、所定の重合体水素化物を含まない比較例1および2の樹脂シートは、ガラス板に対する接着性に劣るため、当該シートを用いても、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを提供することができないことがわかる。
一方、所定の重合体水素化物を含まない比較例1および2の樹脂シートは、ガラス板に対する接着性に劣るため、当該シートを用いても、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを提供することができないことがわかる。
本発明によれば、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを提供することができる。そして、本発明によれば、ガラス板に対する接着性に優れた複層ガラス用スペーサを備える複層ガラスを提供することができる。
Claims (5)
- 複層ガラスを構成するガラス板相互間に中空層を形成するために前記ガラス板相互間に介在配置され、前記ガラス板に接着する複層ガラス用スペーサであって、
重合体水素化物を含み、
前記重合体水素化物がアルコキシシリル基を有する、複層ガラス用スペーサ。 - 前記重合体水素化物が重合体(X)の水素化物のアルコキシシラン変性体であり、
前記重合体(X)が、芳香族ビニル単量体単位を含む重合体ブロック[A]を少なくとも2つ含有し、鎖状共役ジエン単量体単位を含む重合体ブロック[B]を少なくとも1つ含有するブロック共重合体[C]であり、
前記ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の含有量と重合体ブロック[B]の含有量との質量比(重合体ブロック[A]/重合体ブロック[B])が3/7以上3/2以下である、請求項1に記載の複層ガラス用スペーサ。 - 2枚の表層と、前記表層相互間に介在配置される少なくとも1枚の中間層とを備える積層体からなる複層ガラス用スペーサであり、
前記表層が、前記重合体水素化物を含む樹脂組成物からなり、
前記中間層が、重合体(X’)の水素化物を含む樹脂組成物からなり、
前記重合体(X’)が、芳香族ビニル単量体単位を含む重合体ブロック[A’]を少なくとも2つ含有し、鎖状共役ジエン単量体単位を含む重合体ブロック[B’]を少なくとも1つ含有するブロック共重合体[C’]であり、前記ブロック共重合体[C’]中の重合体ブロック[A’]の含有量と重合体ブロック[B’]の含有量との質量比(重合体ブロック[A’]/重合体ブロック[B’])が3/7以上3/2以下である、請求項1または2に記載の複層ガラス用スペーサ。 - 少なくとも2枚のガラス板と、前記ガラス板相互間に中空層が形成されるように前記ガラス板相互間に介在配置され、前記ガラス板に接着する複層ガラス用スペーサとを備える複層ガラスであって、
前記複層ガラス用スペーサが請求項1〜3のいずれかに記載の複層ガラス用スペーサである、複層ガラス。 - 前記複層ガラス用スペーサの前記ガラス板に対する180°剥離強度が13N/10mm以上である、請求項4に記載の複層ガラス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017209787A JP2019081675A (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | 複層ガラス用スペーサおよび複層ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2017209787A JP2019081675A (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | 複層ガラス用スペーサおよび複層ガラス |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019081675A true JP2019081675A (ja) | 2019-05-30 |
Family
ID=66670810
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2017209787A Pending JP2019081675A (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | 複層ガラス用スペーサおよび複層ガラス |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2019081675A (ja) |
-
2017
- 2017-10-30 JP JP2017209787A patent/JP2019081675A/ja active Pending
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