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JP2019069430A - 光触媒シートの製造方法及び光触媒シート - Google Patents

光触媒シートの製造方法及び光触媒シート Download PDF

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JP2019069430A JP2017198009A JP2017198009A JP2019069430A JP 2019069430 A JP2019069430 A JP 2019069430A JP 2017198009 A JP2017198009 A JP 2017198009A JP 2017198009 A JP2017198009 A JP 2017198009A JP 2019069430 A JP2019069430 A JP 2019069430A
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山本 清司
Seiji Yamamoto
清司 山本
伽央里 高畠
Kaori Takabatake
伽央里 高畠
友彦 樋口
Tomohiko Higuchi
友彦 樋口
永吉 英昭
Hideaki Nagayoshi
英昭 永吉
武 江藤
Takeshi Eto
武 江藤
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Abstract

【課題】光触媒粒子を含む溶射材料を合成樹脂シートの表面に溶射して溶射光触媒層を形成する際に、合成樹脂シートが溶けることを防いで形態を保ちながら、抗菌効果を高めることができる量産性に優れた光触媒シートの製造方法及び光触媒シートを提供する。【解決手段】合成樹脂シート12の表面に光触媒粒子11を含む溶射材料を溶射して溶射光触媒層13を形成する際に、合成樹脂シート12の裏面を水冷する。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、汚染物質の無害化、抗菌、及び殺菌を行うことが可能な光触媒機能を備えた光触媒シートの製造方法及び光触媒シートに関する。
近年、病院における院内感染予防や食中毒予防、食品製造現場における衛生管理の観点から、抗菌対策、殺菌対策、及び汚染物質の無害化対策の一方法として、光半導体物質が有する光触媒機能が特に注目を集めている。
この光触媒機能を有する光半導体物質の中でも、特に二酸化チタン(TiO)、とりわけ、ルチル型の結晶構造を有する二酸化チタンは、安価で、化学的安定性に優れ、かつ高い光触媒活性を有しており、その強力な有機物分解活性により、殺菌と同時にグラム陰性菌の細胞壁外壁成分であるエンドトキシンや細菌が産生する毒素(例えば、病原性大腸菌が産生するベロ毒素)等の有害物質の分解を行うことができ、しかも光触媒自体は人体に無害であるという利点を有している。そのため、二酸化チタンを用いた光触媒の研究及び応用開発が行われており、食品容器、建材等の抗菌加工に広く用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
そして、プラスチックフィルムの片面に、有機−無機複合傾斜膜を介して光触媒活性材料層を有する光触媒フィルムも提案されている(特許文献3参照)。
特開2007−51263号公報 特開2006−346651号公報 特許第4118060号明細書
しかしながら、特許文献3は、主に光触媒フィルムの耐候性の向上を目的として、基材となるフィルムの材質を工夫したものであり、光触媒活性材料層の形成方法については、特に制限なく、様々な方法を用いることができると記載されており、その例として、真空蒸着法、スパッタリング法などのPVD法(物理気相蒸着法)や金属溶射法などの乾式法、塗工液を用いる湿式法などが挙げられているものの、一般的な方法しか記載されていない。
ところが、実際に樹脂系素材に金属溶射を行うと、樹脂系素材が高温になって溶けるため、ただ単に金属溶射を転用することはできず、製造時に工夫が必要であるが、それについては検討されていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、光触媒粒子を含む溶射材料を合成樹脂シートの表面に溶射して溶射光触媒層を形成する際に、合成樹脂シートが溶けることを防いで形態を保ちながら、抗菌効果を高めることができる量産性に優れた光触媒シートの製造方法及び光触媒シートを提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る光触媒シートの製造方法は、合成樹脂シートの表面に光触媒粒子を含む溶射材料を溶射して溶射光触媒層を形成する光触媒シートの製造方法において、前記合成樹脂シートの裏面を冷却しながら、前記溶射材料を溶射する。なお、合成樹脂シートの裏面は、水シャワー、氷板上に載置されて冷却されていてもよい。冷媒としては水の他、ドライアイス等であってもよい。
第1の発明に係る光触媒シートの製造方法において、前記冷却は、平板状の水冷式プレートによって行われることが好ましい。
第1の発明に係る光触媒シートの製造方法において、前記合成樹脂シートは、前記水冷式プレートの表面に載置され、前記合成樹脂シートの周縁が、枠体によって押圧されて前記水冷式プレートに保持されることが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る光触媒シートは、合成樹脂シートと、該合成樹脂シートの表面に形成され光触媒粒子を含む溶射光触媒層とを有する。
第2の発明に係る光触媒シートにおいて、前記光触媒粒子は、二酸化チタン粒子であることが好ましい。
第2の発明に係る光触媒シートにおいて、前記光触媒粒子に抗菌性金属が担持されていることが好ましい。
第1の発明に係る光触媒シートの製造方法は、合成樹脂シートの裏面を冷却しながら、溶射材料を溶射することにより、合成樹脂シートが溶射時の熱で溶けることを防止して合成樹脂シートの形態を保ちながら、合成樹脂シートの表面に確実に溶射光触媒層を形成することができ、形態安定性、量産性に優れる。
冷却が、平板状の水冷式プレートによって行われる場合、合成樹脂シート全体を斑なく確実かつ効果的に冷却することができる。
また、合成樹脂シートが、水冷式プレートの表面に載置され、合成樹脂シートの周縁が、枠体によって押圧されて水冷式プレートに保持される場合、合成樹脂シートの浮きやばたつきを防いで合成樹脂シート全体を水冷式プレートの表面に密着させることができ、合成樹脂シートの縮みや焦げ等の発生を確実に防止できる。
第2の発明に係る光触媒シートは、合成樹脂シートと、合成樹脂シートの表面に形成され光触媒粒子を含む溶射光触媒層とを有するので、病院や各種施設における間仕切りとして使用することにより、院内感染予防や食中毒予防、抗菌対策、殺菌対策に効果がある。
光触媒粒子が、二酸化チタン粒子である場合、安価に製造することができ、化学的安定性に優れ、かつ高い光触媒活性を有しており、人体に対する毒性もなく、安全性、機能性に優れる。
光触媒粒子に抗菌性金属が担持されている場合、抗菌性を高めることができる。
本発明の一実施の形態に係る光触媒シートの断面図である。 本発明の一実施の形態に係る光触媒シートの製造方法を示す部分断面正面図である。 同光触媒シートの製造方法を示す平面図である。 溶射光触媒層の拡大断面図である。 光触媒シートのHaze(曇り度)、Tt(全光線透過率)、Td(拡散透過率)、Tp(平行線透過率)の評価結果を示す図である。 光触媒シートのTi量(チタン量)とHaze(曇り度)、Tt(全光線透過率)、Td(拡散透過率)、Tp(平行線透過率)との関係を示す図である。 光触媒シートの殺菌試験結果を示す図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る光触媒シートの製造方法は、光触媒粒子の一例であるルチル型二酸化チタン粒子11(以下、単に二酸化チタン粒子11という)と、抗菌性金属の一例である銀粒子(図示せず)と、二酸化チタン粒子11に可視光応答性を発揮させる水溶性金属錯体及び水溶性金属塩から選ばれる少なくとも1種類の化合物の一例である塩化鉄(III)を水に混合してスラリーを形成するスラリー形成工程と、スラリーを溶射フレーム中に供給し、塩化ビニール等の合成樹脂シート12(以下、合成樹脂シート12という)の表面に照射して、合成樹脂シート12の表面に二酸化チタン粒子11を含む溶射光触媒層13を形成する溶射工程と、溶射光触媒層13の表面に透光性材料の一例である水溶性アクリル樹脂の水溶液を塗布し、溶射光触媒層13の表層に存在する二酸化チタン粒子11の露出状態を維持しながら、二酸化チタン粒子11同士の隙間にアクリル樹脂を充填して保護層14を形成する封孔処理工程とを有している。以下、詳細に説明する。
1.スラリー形成工程
それぞれ所定量の二酸化チタン粒子11と、銀粒子と、塩化鉄(III)を含む溶射材料、及び水を撹拌槽(図示せず)に供給し撹拌してスラリーを作製する。なお、所定量の塩化鉄(III)を所定量の水に溶解させて予め塩化鉄(III)水溶液を作製しておき、それぞれ所定量の二酸化チタン粒子11と、銀粒子と、塩化鉄(III)水溶液を撹拌槽に供給してもよい。なお、作製したスラリーは、スラリータンク15(図2参照)で撹拌しながら貯留する。
ここで、二酸化チタン粒子11に可視光応答性を発揮させる塩化鉄(III)は、二酸化チタン粒子11中のチタン成分量に対して塩化鉄(III)中の鉄成分量が、例えば、0.05〜0.5質量%の範囲となるように設定する。鉄成分量が0.05質量%未満では、可視光の照射で生成される励起電子の量が少なくなって、二酸化チタン粒子11表面における還元反応が低下するため好ましくない。一方、鉄成分量が0.5質量%を超えると、鉄成分量に対するチタン成分量の割合が相対的に低下し、還元反応量が低下するため好ましくない。
また、抗菌性金属として加える銀粒子は、銀粒子中の銀成分量が、例えば、二酸化チタンに対して、0.5〜4質量%の範囲となるように設定する。銀成分量が0.5質量%未満では、十分な抗菌作用が得られない。一方、銀成分量が4質量%を超えると、抗菌作用の増大効果に比較して、銀粒子の使用量の増加に伴う製造コストの増大が大きくなる。このため、二酸化チタンに対する銀成分量の上限を4質量%とした。
二酸化チタン粒子11の1次粒径は、10〜50nm、例えば30nmであり、スラリー中では、二酸化チタン粒子11が凝集して、例えば、1〜5μmの凝集粒をなしている。ここで、二酸化チタン粒子11の1次粒径が小さくなるほど、二酸化チタン粒子11に対して鉄化合物を均一に担持できる点で有利となるが、二酸化チタン粒子11のコストが上昇するという問題がある。このため、二酸化チタン粒子11に対する鉄化合物の均一担持と製造コストの観点から、二酸化チタン粒子11の1次粒径の範囲を10〜50nmと設定した。
また、銀粒子の粒径は、例えば、0.5〜3μmである。ここで、銀粒子の粒径を小さくするほど、スラリー中に銀粒子を一様に分散させることができ、形成される溶射光触媒層13中にも銀粒子を均一に分散させることができる。しかし、銀粒子の粒径を小さくすると、銀粒子のコストが上昇するという問題がある。このため、スラリー中(溶射光触媒層13中)における銀粒子の均一分散と製造コストの観点から、銀粒子の粒径範囲を0.5〜3μmと設定した。
二酸化チタン粒子11の濃度が、10質量%及び30質量%である2種類のスラリーを作製し、溶射フレーム中にそれぞれ供給して合成樹脂シート12上に溶射光触媒層13を形成する(溶射条件は共通)。
2.溶射工程
図2に示すように、高速溶射装置(特許第3978512号公報参照)に設けた溶射ガン16の先端部にスラリー混合部17を取り付ける。ここで、スラリー混合部17は、溶射ガン16から噴出する溶射フレームが通過する筒状のフレームガイド部18と、フレームガイド部18内を通過する溶射フレーム中にスラリーを噴出させて溶射フレーム中に混入させるノズル19とを有している。そして、合成樹脂シート12を距離を有して溶射ガン16(フレームガイド部18)と対向するように配置し、溶射ガン16から溶射フレームを噴出させながら、スラリータンク15に貯留しているスラリーを、ポンプ15aを用いてスラリー混合部17に供給しながら、溶射ガン16を合成樹脂シート12に対して平行に移動させる。これによって、フレームガイド部18の先端から噴出する溶射フレームの流れに乗せてスラリーを合成樹脂シート12の表面全体に亘って高速で衝突させることができ、合成樹脂シート12の表面に二酸化チタン粒子11を含む溶射光触媒層13を形成することができる。
なお、高速溶射装置では、高圧酸素にブースターコンプレッサーで高圧空気を混合することで、酸素使用量の削減とフレームの更なる高速化を実現することができる。
溶射温度条件は、例えば、フレーム温度が700〜2500℃であり、フレーム噴出速度は800〜2000m/秒であるが、更に低い温度、低い噴出速度であってもよい。また、フレームガイド部18の先端と合成樹脂シート12の表面との距離(溶射距離)は150〜200mmである。常温の合成樹脂シート12に溶射を開始すると、合成樹脂シート12表面の温度は徐々に上昇する。このため、溶射時の熱で合成樹脂シート12が溶けることを防止するために、合成樹脂シート12の冷却を行う必要がある。
図2に示すように、合成樹脂シート12は、水冷式プレート20の表面に載置され、裏面から冷却される。水冷式プレート20は、平板状のプレート本体20aの裏面に、蛇行した水冷パイプ20bを取り付けたものであり、水冷パイプ20bに冷却水を流すことによりプレート本体20aを介して合成樹脂シート12を裏面から冷却することができる。プレート本体20a及び水冷パイプ20bの材質としては熱伝導率のよいアルミニウムや銅が好適に用いられるがこれらに限定されるものではない。プレート本体20aと水冷パイプ20bは溶接等により固定される。このとき、水冷パイプ20bの口径、配置間隔、通水量は、適宜、選択することができるが、合成樹脂シート12表面の温度が融点未満、好ましくはガラス移転温度に達しない程度の冷却能力が得られるようにする。なお、別途、水冷パイプ20bを設ける代わりに、プレート本体20aに空洞部(通水路)を設け、冷却水を通水してもよい。
次に、水冷式プレート20への合成樹脂シート12の固定方法について説明する。
図2、図3に示すように、水冷式プレート20のプレート本体20aの表面に合成樹脂シート12を載置した状態で、上から枠体21を被せ、合成樹脂シート12の周縁を枠体21によって押圧して水冷式プレート20(プレート本体20a)に固定(保持)する。合成樹脂シート12の周縁が固定されることにより、合成樹脂シート12の浮きや周縁でのばたつきを防いで合成樹脂シート12全体を水冷式プレート20(プレート本体20a)の表面に密着させることができる。この結果、溶射時の合成樹脂シート12の縮みや焦げ等の発生を確実に防止できる。なお、枠体21は上面に開口部21aを有しており、合成樹脂シート12の周縁を除く大部分が露出しているので、合成樹脂シート12のほぼ全面に溶射光触媒層13を形成することができる。
塩化鉄(III)の鉄成分は、スラリー中では鉄イオン(III)として存在しているので、スラリーを溶射フレーム中に混入させた際、鉄イオン(III)の一部は水と反応してナノサイズのFeO(OH)を生成すると共にFeO(OH)は二酸化チタン粒子11の表面に固定化(担持)され、鉄イオン(III)の残部は水と反応してナノサイズのFeO(OH)を生成し、更に酸化されてナノサイズのFeに変化すると共にFeは二酸化チタン粒子11の表面に固定化(担持)される。図4に溶射光触媒層13を構成している二酸化チタン粒子11を模式的に示す。ここで、符号22は、二酸化チタン粒子11の表面に固定化されたFe微粒子、符号23は、二酸化チタン粒子11の表面に固定化されたFeO(OH)微粒子である。
なお、溶射時、合成樹脂シート12の表層部は溶射フレームに曝され加熱されているので、二酸化チタン粒子11が合成樹脂シート12表面に高速度で衝突することにより、二酸化チタン粒子11の一部は合成樹脂シート12の表層部に喰い込み、アンカー効果により二酸化チタン粒子11は合成樹脂シート12表面に密着する。溶射が終了すると、枠体21と、溶射光触媒層13が形成された合成樹脂シート12を水冷式プレート20から取り外し、室温で溶射光触媒層13が所定温度(例えば30℃)以下になるまで養生(徐冷)する。
ここで、FeO(OH)は、可視光の照射により価電子帯の電子を伝導帯に励起させ、伝導帯に励起された励起電子を二酸化チタン粒子11側に供給する機能を有する。その結果、溶射光触媒層13に可視光が照射されると、FeO(OH)中の鉄は酸化力を有する4価になって光触媒反応を示し、励起電子が供給された二酸化チタン粒子11側では、チタンが還元力を有する3価になって光触媒反応を示すことになる。
3.封孔処理工程
溶射光触媒層13が所定温度以下になると、合成樹脂シート12を高圧洗浄機等を用いて洗浄し、乾燥させる。なお、洗浄後の合成樹脂シート12に空気を噴きつけ、付着した水を除去してから乾燥させてもよい。
溶射光触媒層13の表面に塗布されて保護層14を形成する水溶性アクリル樹脂の水溶液は、例えば、チオ硫酸銀水溶液に所定量の水溶性アクリル樹脂を溶解させたもので、チオ硫酸銀水溶液に加える水溶性アクリル樹脂量は、溶射光触媒層13の表層に存在する二酸化チタン粒子11の露出状態を維持しながら、二酸化チタン粒子11同士の隙間にアクリル樹脂を充填することができるように、塗布回数に応じて設定する。
ここで、チオ硫酸銀とアクリル樹脂量との水溶液を塗布した合成樹脂シート12を乾燥させると、塗布層中の水溶性アクリル樹脂は硬化して耐水性を備えるので、塗布層が保護層14となる。そして、塗布層中にはチオ硫酸銀が存在しているので、得られた保護層14にはチオ硫酸銀が保持されることになって、保護層14は抗菌作用を示す。
保護層14の形成後は、高圧洗浄機等を用いて洗浄し、乾燥させる。なお、洗浄後の合成樹脂シート12(溶射光触媒層13及び保護層14)に空気を噴きつけ、付着した水を除去してから乾燥させてもよい。但し、この保護層14は必ずしも形成する必要はなく、封孔処理工程を省略し、溶射光触媒層13を露出してもよい。溶射光触媒層13を露出させると抗菌作用が増加する。
以上の工程により、図1に示す本発明の一実施の形態に係る光触媒シート10が形成される。光触媒シート10は、合成樹脂シート12の表面に光触媒粒子として二酸化チタン粒子を含む溶射光触媒層13が形成されたものであり、さらに、二酸化チタン粒子には抗菌性金属として銀粒子が担持されている。
続いて、本発明の一実施の形態に係る光触媒シート10の作用について説明する。
スラリーを溶射フレーム中に混入させると、鉄イオン(III)の一部は水と反応してナノサイズのFeO(OH)を生成すると共にFeO(OH)は二酸化チタン粒子11の表面に担持され、鉄イオン(III)の残部は水と反応してナノサイズのFeO(OH)を生成し、更に酸化されてナノサイズのFeに変化すると共にFeは二酸化チタン粒子11の表面に担持される。
FeO(OH)及びFeが担持された二酸化チタン粒子11は、溶射フレームに曝され加熱されて塑性変形し易い状態になっている合成樹脂シート12の表面に高速度で衝突するので、二酸化チタン粒子11の一部は合成樹脂シート12の表層部に喰い込み、アンカー効果により合成樹脂シート12表面に密着する。そして、合成樹脂シート12の表層部に密着した二酸化チタン粒子11の上部に更に二酸化チタン粒子11が衝突しながら溶射光触媒層13を形成していく。
ここで、スラリー中に存在する鉄イオン(III)は溶射時の熱の影響を強く受け難いため、二酸化チタン粒子11に担持されるFeO(OH)とFeでは、Feに比較して、FeO(OH)の割合が多い。このため、溶射光触媒層13に可視光が照射されると、FeO(OH)は価電子帯の電子を伝導帯に励起させ、伝導帯に励起された励起電子は二酸化チタン粒子11側に移動するため、FeO(OH)中の鉄は酸化力を有する4価に、励起電子が移動してきた二酸化チタン粒子11側ではチタンが還元力を有する3価になって、それぞれ光触媒反応を示すことになる。
なお、溶射光触媒層13に紫外線が照射された場合、二酸化チタンは価電子帯の電子を伝導帯に励起させ、伝導帯に励起された励起電子はFe微粒子22側に移動するため、励起電子を放出した二酸化チタン粒子11側ではチタンが酸化力を有する3価に、励起電子が移動してきたFe中の鉄は還元力を有する3価になって、それぞれ光触媒反応を示すことになる。
更に、溶射光触媒層13の表面には、溶射光触媒層13の表層に存在する二酸化チタン粒子11の露出状態を維持しながら、二酸化チタン粒子11同士の隙間を充填するチオ硫酸銀を含んだアクリル樹脂からなる保護層14が存在しているので、二酸化チタン粒子11同士の隙間に異物が滲入することが防止できる。このため、二酸化チタン粒子11同士の隙間に滲入した異物をベースにして異物が付着し、溶射光触媒層13の表面が異物で覆われることが防止でき、光触媒機能を長期間に亘って維持することが可能になる。更に、保護層14もチオ硫酸銀が保持されているので抗菌作用を示す。これにより、光触媒シート10(溶射光触媒層13)による汚染物質の無害化、抗菌、及び殺菌の各作用が長期間継続される。この光触媒シート10は、スライド式のカーテンとしてカーテンレールに吊下げたり、枠状のフレームに貼り付けたりして使用することができ、病院等のベッドその他の間仕切りとして好適である。
溶射光触媒層13の表面に水溶性アクリル樹脂の水溶液を塗布して保護層14を形成したが、溶射光触媒層13の表面に常温で硬化するガラス質コーティング材料を塗布することもできる。ここで、常温で硬化するガラス質コーティング材料は、常温で加水分解してシリカガラスに変化する有機ケイ素高分子化合物を含有する主剤(例えば、メチル基又はフェニル基を有するオルガノポリシロキサン)と、シリカガラスの形成を促進する架橋剤(例えば、アルコキシ基、アンロキシ基、オキシム基等の官能性側鎖を有するオルガノシロキサン)と、硬化を促進する硬化触媒(例えば、亜鉛、アルミニウム、コバルト、スズ等の含金属有機化合物及びハロゲン)とで構成されたホーマーテクノロジ株式会社販売の「ヒートレスガラス」(一液タイプのシリカ溶液)が好適に使用できる。そして、このガラス質コーティング材料を、溶射光触媒層13の表層に存在する二酸化チタン粒子11の露出状態を維持しながら、二酸化チタン粒子11同士の隙間に充填するように一乃至数回、刷毛塗り、スピンコート等の方法で塗布する。なお、このガラス質コーティング材料に銀の超微粒子を加える。ガラス質コーティング材料を塗布した光触媒シート12を乾燥させると、塗布層中のガラス質コーティング材料は、空気中の水分と反応して硬化してシリカガラスに変化し、塗布層が保護層となる。そして、塗布層中には銀の超微粒子が存在しているので、保護層は銀による抗菌作用を示す。
また、常温で硬化するガラス質コーティング材料として、パーヒドロポリシラザンを主剤とし、空気中の水分との反応を促進するアミン系の触媒を含有する材料を使用することもできる。
合成樹脂シート(基材)として、厚さ0.3mmの塩化ビニール製透明シートを用いて、溶射時のスラリー濃度や銀の担持量等を変えながら、Haze(曇り度)、Tt(全光線透過率)、Td(拡散透過率)、Tp(平行線透過率)、蛍光X線測定、抗菌性能の評価(試験No.1〜26)を行った。ここで、基材1は防炎性であり、基材2は非防炎性である。なお、比較のために、半透明基材(防炎性)についても、同様の評価(試験No.27〜29)を行った。これらの評価結果を表1に示す。
Figure 2019069430
また、表1の試験No.1〜26につき、Haze(曇り度)、Tt(全光線透過率)、Td(拡散透過率)、Tp(平行線透過率)の評価結果をグラフにしたものを図5に示す。基材が透明シートの場合、表(溶射面)と裏(非溶射面)でこれらの値にほとんど違いは見られなかった。なお、半透明シートの場合、表(凹凸面)に溶射することで透過性が向上することがわかったが、裏(平面)に溶射しても大きな差は見られなかった。
次に、表1の試験No.1〜26の評価結果から、溶射材料に含まれるTi量(チタン量)を横軸とし、Haze(曇り度)、Tt(全光線透過率)、Td(拡散透過率)、Tp(平行線透過率)を縦軸としたグラフを図6に示す。この結果から、特に、Ti量(チタン量)とTt(全光線透過率)の間に高い相関が認められた。
さらに、各種条件において、経過時間を横軸とし、生菌数を縦軸とした殺菌試験結果のグラフを図7に示す。これにより、スラリー濃度(Ti量)が高い程、殺菌効果があることがわかった。但し、表面を研磨した場合、殺菌効果が低下するおそれがあるわかった。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
溶射光触媒層を形成する溶射材料は、少なくとも光触媒機能を有する金属化合物を含んでいれば特に限定されず、二酸化チタンの他に、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化銀、酸化マンガン、酸化銅、酸化鉄、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物半導体、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化インジウム、硫化鉛、硫化銅、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化アンチモン、硫化ビスマス等の金属硫化物半導体、チタン酸ストロンチウム、セレン化カドミウム、タンタル酸カリウム及びこれらの混合物を使用することができる。なお、二酸化チタンには、結晶構造の違いによりアナターゼ(Anatase)型やルチル(Rutile)型等が存在するが、結晶構造は特に限定されず、一方のみを用いても良いし、これらの混合物を用いても良い。
また、可視光応答型の溶射光触媒層とするために、二酸化チタンの結晶格子中に、硫黄,炭素,窒素等をドープしたり、増感剤として、鉄以外に、銅、クロム、ニッケル等の金属錯体又は金属塩から選ばれる少なくとも1以上の化合物を混合又は担持させたりしてもよい。
さらに、抗菌性金属として、銀以外に、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム、鉄やこれらの化合物等を光触媒粒子に担持することができる。
溶射光触媒層を形成する方法としては、溶射であれば特に限定されず、フレーム溶射以外に、高速フレーム溶射、ガス式溶射、アーク溶射、プラズマ溶射、線爆溶射等の電気式溶射、コールドスプレー法等の方法を用いることができる。
さらに、上記実施の形態のスラリーに、吸着剤(例えば、ゼオライト、シリカゲル)を混合することができる。これによって、ガス(例えば、ホルムアルデヒド)吸着性を有する光触媒シートを製造できる。
10:光触媒シート、11:二酸化チタン粒子(ルチル型二酸化チタン粒子)、12:合成樹脂シート、13:溶射光触媒層、14:保護層、15:スラリータンク、15a:ポンプ、16:溶射ガン、17:スラリー混合部、18:フレームガイド部、19:ノズル、20:水冷式プレート、20a:プレート本体、20b:水冷パイプ、21:枠体、21a:開口部、22:Fe微粒子、23:FeO(OH)微粒子

Claims (6)

  1. 合成樹脂シートの表面に光触媒粒子を含む溶射材料を溶射して溶射光触媒層を形成する光触媒シートの製造方法において、前記合成樹脂シートの裏面を冷却しながら、前記溶射材料を溶射することを特徴とする光触媒シートの製造方法。
  2. 請求項1記載の光触媒シートの製造方法において、前記冷却は、平板状の水冷式プレートによって行われることを特徴とする光触媒シートの製造方法。
  3. 請求項2記載の光触媒シートの製造方法において、前記合成樹脂シートは、前記水冷式プレートの表面に載置され、前記合成樹脂シートの周縁が、枠体によって押圧されて前記水冷式プレートに保持されることを特徴とする光触媒シートの製造方法。
  4. 合成樹脂シートと、該合成樹脂シートの表面に形成され光触媒粒子を含む溶射光触媒層とを有することを特徴とする光触媒シート。
  5. 請求項4記載の光触媒シートにおいて、前記光触媒粒子は、二酸化チタン粒子であることを特徴とする光触媒シート。
  6. 請求項4又は5記載の光触媒シートにおいて、前記光触媒粒子に抗菌性金属が担持されていること特徴とする光触媒シート。
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