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JP2019068670A - ブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータ - Google Patents

ブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータ Download PDF

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JP2019068670A
JP2019068670A JP2017193791A JP2017193791A JP2019068670A JP 2019068670 A JP2019068670 A JP 2019068670A JP 2017193791 A JP2017193791 A JP 2017193791A JP 2017193791 A JP2017193791 A JP 2017193791A JP 2019068670 A JP2019068670 A JP 2019068670A
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康明 篠▲崎▼
Yasuaki Shinozaki
康明 篠▲崎▼
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Mabuchi Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】製造時の特別な工程管理を要することなく安価なコストで実施可能とした上で、ブラシの摩耗過程における接点位相角の変化量を確実に縮小して、これに起因する種々の不具合を未然に防止できるブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータを提供する。【解決手段】ブラシアーム21の撓みに伴う弾性によりコミテータ10の外周面にブラシ22を摺接させると共に、ブラシ22の摩耗に伴ってブラシアーム21を角度変化させながらブラシ22の摺接を維持する。ブラシ22の摩耗に伴ってブラシアーム21が角度変化したときにブラシ22の軸線基点が移動する円弧軌跡(P1-P2)の中心Cbを、コミテータ10に対するブラシ22の接離方向においてブラシ長さの中点P01と一致させることにより、コミテータ10に対するブラシ22の接線方向での軸線基点の変動幅S2を低減してブラシ22の接点位相角の変化量を縮小する。【選択図】図3

Description

本発明は、アーマチャ(電機子)への給電のためにブラシを支持してコミテータ(整流子)の外周面に摺接させるブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータに関する。
この種のブラシ付きモータは、ハウジングの内周面にステータを構成する界磁マグネットを固定すると共に、ハウジング内で回転可能に支持された回転軸上にロータを構成するアーマチャ及びコミテータを設けている。ハウジング内にはブラシホルダ装置の一対のブラシベースを固定し、それらのブラシベース上にブラシアームの基端を固定すると共に、各ブラシアームの先端側にブラシを固定している。モータの運転中のブラシはバネ等の弾性体によりブラシアームを介して押圧されコミテータの外周面に摺接し、これによりアーマチャの複数の巻線の内で通電させる巻線や流す電流の向きを連続的に逆転してロータの回転を継続させる。
このような弾性体の押圧力を利用したアーム式のブラシホルダ装置では、ブラシの摩耗に伴ってブラシアームが角度変化し、それに伴いコミテータに対するブラシの角度(以下、接点位相角と称する)が変化する。接点位相角が変化するとコミテータとの通電タイミングにズレが生じ、コミテータとの間に発生する火花が増加してブラシ寿命が短くなる上に、モータの効率や出力を低下させる要因にもなる。この点に着目した技術として特許文献1に記載されたものを挙げることができる。
特許文献1のブラシホルダ装置は、ブラシの摩耗に伴ってブラシアームが角度変化する際に、ブラシが円弧状の軌跡を移動する点に着目した技術である。ブラシの形状を移動軌跡に倣った円弧形状に形成することにより、ブラシの摩耗に関わらず常に同一の接点位相角が保たれるように配慮している。
実開昭62−057566号公報
しかしながら、特許文献1の技術により所期の効果を達成するのは、ブラシホルダ装置の製造上の制約から限界があった。即ち、上記のようにブラシの摩耗に関わらず常に同一の接点位相角を保つには、ブラシが移動軌跡に倣った正確な円弧形状であること、及びブラシの向きを正しく取り付け、正規角度(ブラシの軸線を中心とした角度)でブラシアームに取り付けられること等の要件を満足する必要がある。
これらの要件を満足するには、ブラシの成型工程及び組付工程でブラシ形状や組み込み方向、取付角度を極めて厳格に管理しなければならず、製造コストを高騰させる要因になる。ブラシの組み込み方向を違えた場合、却って接点位相角のずれが拡大してしまう懸念があり、小型モータの場合はブラシが小さい為、組み込み方向の間違えを目視や画像で判別することが困難である。また、工程管理を厳格に実施したとしても、製造誤差に起因して上記要件を満足できずに接点位相角が変化して不具合を引き起こす場合もあり、対策として確実性に乏しいという問題もある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、製造時の特別な工程管理を要することなく安価なコストで実施可能とした上で、ブラシの摩耗過程における接点位相角の変化量を確実に縮小して、これに起因する種々の不具合を未然に防止することができるブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のブラシホルダ装置は、ブラシベース上にブラシアームの基端が固定されると共に、該ブラシアームの先端側にブラシが固定され、ロータの回転軸と同心に設けられたコミテータの外周面に前記ブラシアームの撓みに伴う弾性により前記ブラシを摺接させると共に、前記ブラシの摩耗に伴って前記ブラシアームを角度変化させながら前記ブラシの摺接を維持可能とされたブラシホルダ装置において、コミテータ中心からブラシの接離方向長さの中心までの距離を100%としたときに 、前記ブラシの摩耗に伴って前記ブラシアームが角度変化したときに該ブラシの軸線基点が移動する軌跡の中心が、前記コミテータに対する前記ブラシの接離方向において該ブラシの長さの中点から±17%以内の距離に設定されていることを特徴とする(請求項1)。
このように構成したブラシホルダ装置によれば、ブラシの摩耗に伴ってブラシアームを角度変化させながらコミテータに対するブラシの摺接が維持され、このときのブラシの接触面の軸線基点は軌跡を辿ってコミテータに接近する。ブラシの長さの中点に対して円弧軌跡の中心が接離方向で±17%以内の距離に設定されているため、ブラシの初期の軸線基点と末期の軸線基点とはコミテータに対するブラシの接線方向で接近する。このため、ブラシの初期から末期までの軸線基点の接線方向の変動幅が減少し、変動幅と相関するブラシの接点位相角の変化量も縮小される。結果として、接点位相角の変化によって発生するブラシとコミテータとの通電タイミングのズレを抑制可能となる。
その他の態様として、前記ブラシの中心軸線が、前記コミテータに対する前記ブラシの接線方向において、摩耗に伴ってブラシの軸線基点が移動する円弧軌跡の中心とブラシの接線方向中心の間の距離を100%としたときに、前記コミテータの回転中心から±2.3%以内の距離に設定されていることが好ましい(請求項2)。
このように構成したブラシホルダ装置によれば、コミテータの回転中心に対するブラシの中心軸線の接線方向の距離Yを変化させると、ブラシの接触角度は図6に示すように変化する。接触角度の許容範囲(84〜95°)を満たす距離Yとして、図中の(b)に示す接離方向の距離X=+17%の場合には距離Y=0〜2.3%が求められ、図中の(c)に示す距離X=−17%の場合には距離Y=0〜−2.3%が求められる。結果として距離Yを±2.3%以内に設定すれば、ブラシの接触角度を許容範囲内にとどめられる。
また別の態様として、請求項1に記載のブラシホルダ装置を搭載してブラシ付きモータを構成することが望ましい(請求項3)。
このように構成したブラシ付きモータによれば、そのブラシホルダ装置により請求項1または2に記載した作用効果が得られる。
本発明のブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータによれば、製造時の特別な工程管理を要することなく安価なコストで実施可能とした上で、ブラシの摩耗過程における接点位相角の変化量を確実に縮小して、これに起因する種々の不具合を未然に防止することができる。
実施形態のブラシ付きモータを示す断面図である。 エンドベル内のブラシホルダ装置をフロント側から見た図である。 実施形態のブラシホルダ装置の摩耗に伴うブラシの移動軌跡を示す模式図である。 実施形態のブラシホルダ装置の仕様及び試験結果を従来技術のものと比較した説明図である。 ブラシの摩耗が進行したときのブラシホルダ装置を示す図3に対応する模式図である。 コミテータの回転中心に対するブラシの中心軸線の接線方向への距離Yを変化させたときのブラシの接触角度を求めたシミュレーションによる解析結果を示す図である。 従来技術のブラシホルダ装置の摩耗に伴うブラシの移動軌跡を示す模式図である。
以下、本発明を具体化したブラシホルダ装置、及びそれを搭載したブラシ付きモータの一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のブラシ付きモータを示す断面図であり、図中の左方がモータのフロント側に相当し、右方がモータのリア側に相当する。
モータ1のハウジング2は、金属ケース3及び合成樹脂製のエンドベル4により構成されている。金属ケース3はリア側に向けて開口する有底円筒状をなし、その開口部を閉塞するように、エンドベル4を金属ケース3の開口端の段差部に嵌め込み、金属ケース3の開口端の一部を切り曲げすることでエンドベル4をかしめ固定している。
金属ケース3の内周面には2極の界磁マグネット5が金属ケース3の内周面に設けた突起(不図示)とバネ(不図示)により固定され、これらの界磁マグネット5とヨークとして機能する金属ケース3とによりステータ6(固定子)が構成されている。界磁マグネット5の内側にはロータ7(回転子)が配設され、ロータ7は回転軸8、アーマチャ9(電機子)及びコミテータ10(整流子)から構成されている。なお、界磁マグネット5は、接着剤によって金属ケース3に固定、もしくは突起、バネと接着剤を併用してもよい。
ロータ7の回転軸8のフロント側は金属ケース3内の軸受12により回転可能に支持され、回転軸8のリア側はエンドベル4内の軸受13により回転可能に支持され、この回転軸8が金属ケース3からフロント側に突出してモータ1の出力軸として機能する。
アーマチャ9は、回転軸8上に固定されたコア14に3極の巻線15を巻回して構成され、コア14の外周面と界磁マグネット5の内周面との間には磁気ギャップとして所定のクリアランスが形成されている。コミテータ10はエンドベル4内に位置するように回転軸8上に設けられ、外周面を覆うように円筒状が周方向に3片に分割された導体片を有する。図示はしないが、これらの各導体片は巻線15の各極に対して電気的に接続されている。
なお、巻線15の極数、コミテータ10の導体片数は必ずしも3ではない。巻線15の極数は2以上の自然数であり、コミテータ10は巻線15の極数の0.5倍、または自然数倍を採りうる。
回転軸8上のアーマチャ9とコミテータ10との間には冷却ファン16が装着され、回転軸8と共に冷却ファン16が回転してアーマチャ9や以下に述べるブラシホルダ装置18を冷却する機能を奏する。
エンドベル4内には、コミテータ10を内包するようにブラシホルダ装置18が配設されており、このブラシホルダ装置18の構成について以下に説明する。
図2はエンドベル4内のブラシホルダ装置18をフロント側から見た図である。
図1,2に示すように、エンドベル4内のコミテータ10を中心とした180°対向する位置にはそれぞれ金属製のブラシベース19が固定され、各ブラシベース19には端子20が一体形成または接続されている。各端子20はエンドベル4内から外部のリア側に向けて突出し、外部電源と接続された図示しない給電ケーブルを接続可能となっている。
各ブラシベース19上の一側にはブラシアーム21の固定面21a(基端)がカシメ等により固定され、ブラシベース19を介してブラシアーム21は端子20と電気的に接続されている。固定面21aの近傍においてブラシアーム21には所定の曲率をなすR部21bが形成され、このR部21bよりもブラシ22を保持しているブラシアーム21の先端側には途中1か所、鈍角に屈曲部分が形成されて先端をコミテータ10側に指向させている。この屈曲部分はブラシ22とコミテータ10の接触角度を適切にするために設けるものであり、直線状や曲線状であってもよい。なお、この屈曲部分を設ける場合、エンドベル4内のブラシベース19、ブラシアーム21の配置によっては直角、鋭角となってもよい。
各ブラシアーム21の先端にはカーボン製のブラシ22が固定され、各ブラシ22はコミテータ10を挟んで180°対向して位置している。結果として一対のブラシアーム21及びブラシ22は、コミテータ10を中心として点対称となる互い違いの位置関係に配置されている。なお、端子20の配置など設計的な事情によっては、一対のブラシアーム21は、コミテータ10の中心を通る直線に関して線対称に配置してもよい。
各ブラシアーム21はベリリウム銅等の弾性に富んだ板材から製作され、その基端側の領域を除いてフロント側及びリア側の端縁21cが直角に折曲されている。これによりブラシアーム21は基端側の領域には弾性が付与されると共に、それ以外の領域には剛性が付与され、基端側の領域を撓ませて弾性によりそれぞれのブラシ22をコミテータ10の外周面に当接させている。
給電ケーブルから端子20に給電されると、ブラシアーム21、ブラシ22及びコミテータ10を介しアーマチャ9の巻線15に電流が流されてコア14に磁界が発生し、界磁マグネット5の磁界との吸引及び反発作用によりロータ7が回転する。ロータ7の回転に伴って各ブラシ22がコミテータ10の外周面に摺接して、アーマチャ9の複数の巻線15の内で通電させる巻線15や流す電流の向きを連続的に切り替え、それに伴ってコア14の磁界が連続的に変化してロータ7が回転し続ける。
ところで、アーム式のブラシホルダ装置では、ブラシの摩耗に伴って接点位相角が変化することにより整流時の火花の増加など種々の不具合が発生するため、その対策として特許文献1の技術では、ブラシを移動軌跡に倣った円弧形状に形成している。しかし、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、ブラシ形状やブラシアームへの取付角度を厳格に管理する必要が生じて製造コストが高騰する上に、所期の効果が達成できない場合もあり確実性に乏しい。
図3は本実施形態のブラシホルダ装置18の摩耗に伴うブラシ22の移動軌跡を示す模式図であり、詳しくはブラシ22の軸線基点(ブラシ22の中心軸線L上の根元箇所)の移動軌跡を示している。なお、以下の説明では、図中の左右方向をコミテータ10に対するブラシ22の接離方向と表現し、図中の上下方向をコミテータ10に対するブラシ22の接線方向と表現する。
図に示すブラシ22が摩耗していない新品時(以下、ブラシ22の初期と称する)には軸線基点が図中のP1に位置し、ブラシ22の摩耗に伴ってブラシアーム21を角度変化させながら軸線基点は円弧軌跡を辿ってコミテータ10に接近し、これによりコミテータ10に対するブラシ22の摺接が維持される。
そして、ブラシ22が全て摩耗した時点(以下、ブラシ22の末期と称する)で、ブラシ22の軸線基点はコミテータ10に最接近したP2の位置に達する。P1からP2までの軸線基点の移動距離は、曲線と直線の相違はあるもののブラシ22の長さ(コミテータ10に対する接離方向の寸法)と近似し、初期から末期までのブラシ22の摩耗代とも見なせる。
このブラシ22の摩耗過程においてアーム式のブラシホルダ装置18の構造上、接点位相角の変化が避けられず、従来から接点位相角の変化量が小さいほど望ましいことは判っていたが、具体的な設定手法については確立されていないのが現状であった。
以上の特許文献1の不具合及び接点位相角に対する現状の認識を鑑みて、本発明者はブラシ22の摩耗過程における接点位相角の変化量と、ブラシ22の軸線基端が円弧軌跡を辿って移動したときのコミテータ10に対する接線方向の変動幅(図3にS2、図7にS1で示す)との相関に着目した。
上記のようにブラシ22の軸線基点は摩耗過程において円弧軌跡を辿って移動し、それに伴いコミテータ10に対するブラシ22の接線方向に位置変位(変動)する。このときのブラシ22の軸線基点の接線方向の変動幅(以下、単に接線方向の変動幅と称する場合もある)は、ブラシ22の接点位相角の変化量と相関し、接線方向の変動幅が少ないほど接点位相角の変化量も少なくなる。従って、摩耗過程におけるブラシ22の接線方向の変動幅を可能な限り低減すれば、接点位相角の変化量を最小限にとどめることが可能となる。
以上の知見に基づき本実施形態では、ブラシ22の接線方向の変動幅を低減すべくブラシアーム21の各要件を最適設定しており、その詳細を以下に説明する。
ブラシアーム21の各要件の中で、ブラシ22の接線方向の変動幅に影響する重要な要件は、摩耗過程でブラシ22が辿る円弧軌跡の中心位置である。
図7はブラシ22の接線方向の変動幅に着目していない従来技術のブラシホルダ装置31の摩耗に伴うブラシ22の移動軌跡を示す模式図である。
図7に示すブラシ22の初期状態において、ブラシ22の軸線基点はコミテータ10の回転中心Ccに対し接線方向で一致するP1に位置し、摩耗に伴ってブラシ22の軸線基点が移動する円弧軌跡の中心Cbは、ブラシ22の長さの中点P01に対し接離方向で距離X(この例では、後述のように1.373mm)だけコミテータ10側にずれている。
ブラシ22の摩耗に伴って軸線基点は円弧軌跡を辿ってコミテータ10に接近し、ブラシ22の末期には軸線基点がコミテータ10に最接近したP2に達する。
ブラシ22の長さの中点P01に対して円弧軌跡の中心Cbがコミテータ10側にずれているため、ブラシ22の初期のP1に対して末期のP2はコミテータ10に対する接線方向でブラシアーム21の先端側に位置変位する。結果として、P1からP2まで移動する過程で軸線基点は接線方向にS1だけ変動する。
なお、初期状態のブラシ22の軸線基点P1をコミテータ10の回転中心Ccに接線方向で一致させても一致させなくても、接線方向の変動幅S1はほとんど変化しない。
そして、このときのブラシ22の接点位相角(コミテータ10に対するブラシ22の角度)は、ブラシ22の軸線基端の接線方向の変動幅S1に相関した値となる。ブラシ22の軸線基端が円弧軌跡を辿って移動したときに接線方向に大きく変動するには、その際にブラシ22が大きく角度変化する必要があり、結果として接点位相角の変化量が大になることから、両者の間に相関関係が成立するためである。
一方、図3に示す本実施形態のブラシホルダ装置18は、円弧軌跡の中心Cbが接離方向でブラシ22の長さの中点P01に対してずれることなく一致している点(距離X=0mm)が相違する。
本実施形態の円弧軌跡の中心Cbは、曲率半径Rをなすブラシアーム21のR部21bの中心と一致している。このため、R部21bの湾曲形状から円弧軌跡の中心Cbを特定することができる。
そして、ブラシ22の摩耗に伴って軸線基点は円弧軌跡を辿ってコミテータ10に接近し、ブラシ22の末期にはP2に達する。ブラシ22の長さの中点P01に対して円弧軌跡の中心Cbが接離方向で一致しているため、ブラシ22の初期のP1に対して末期のP2は接線方向で一致し、結果としてP1からP2まで移動する過程で軸線基点は接線方向にS2だけ変動する。
P1に対してP2がブラシアーム21の先端側に位置変位する従来技術に比較し、本実施形態はP1に対してP2が接線方向で一致する。このためP2が位置変位しない分だけ、本実施形態の軸線基点の接線方向の変動幅S2は従来技術の変動幅S1に比較して減少し、結果としてブラシ22の接点位相角の変化量も従来技術に比較して縮小される。幾何学的な見地から、同一の円弧軌跡(中心Cbからの半径及びブラシ長さが同一)において本実施形態の変動幅S2が最小値となることから、接点位相角の変化量も最小限にとどめることができる。
従って、本実施形態のブラシホルダ装置18によれば、ブラシ22の摩耗過程における接点位相角の変化量を確実に低減でき、これによりコミテータ10との通電タイミングのズレを抑制できる。よって、通電タイミングのズレに起因する種々の不具合、例えばコミテータ10との間に発生する火花によるブラシ寿命の短縮化、或いはモータの効率や出力の低下等を未然に防止することができる。
そして、以上の作用効果を得るためには、摩耗に伴ってブラシ22の軸線基点が移動する円弧軌跡の中心Cbを、接離方向においてブラシ22の長さの中点P01に一致させるだけであり、ブラシアーム21の他の要件(例えば、ブラシアーム21の長さ、撓み領域の長さ、板厚、板幅等)は、例えば図7の従来技術のブラシホルダ装置31と全く相違ない。
従って、ブラシ22の成型工程では通常の形状にブラシ22を成型し、組付工程では通常のようにブラシアーム21にブラシ22を固定(例えば、ブラシアーム21の保持孔内にブラシ22の基端を挿入・保持)するだけでよく、特許文献1に技術のようにブラシ形状や取付角度を厳格に管理する必要は一切ない。このため、各工程での厳格な管理に起因する製造コストの高騰を未然に防止でき、非常に安価なコストで実施することができる。
また、ブラシホルダ装置18の製造時において、軸線基点の円弧軌跡の中心Cbとブラシ22の長さの中点P01とを正規の位置関係に保てば、上記作用効果は必ず達成でき、対策として非常に高い確実性を実現することができる。
なお、以上のように軸線基点の円弧軌跡の中心Cbとブラシ22の長さの中点P01とを正規の位置関係に設定しているのであるが、ある程度の製造誤差は現実的に避けられない。そこで本実施形態では、誤差の許容範囲を設定している。
具体的には、ブラシ長さの中点P01を基準として円弧軌跡の中心Cbが接離方向に±1.0mmの範囲内に位置していれば望ましい製品寿命(実働時間)を得られる 。この許容範囲内であれば、ブラシ長さの中点P01と円弧軌跡の中心Cbとが一致(誤差=0mm)している場合に比較して、接点位相角の変化量はほとんど増加しないとの知見に基づく。
図4は本実施形態のブラシホルダ装置18の仕様及び試験結果を図7の従来技術のものと比較した説明図である。
なお、実施形態と従来技術とは、ブラシ長さの中点P01に対する円弧軌跡の中心Cbの距離Xだけが相違し、それ以外は同一仕様である。例えば、コミテータ外径は共にφ8.6mmに設定され、ブラシアーム21の各要件についても同一設定されている。そして、ブラシホルダ装置18,31が組み込まれたモータ1の仕様も同一であり、例えば外径はφ35.8mmに設定されている。
従来技術では、ブラシ長さの中点P01に対する円弧軌跡の中心Cbの距離Xが1.373mm(+はコミテータ10側へのズレを意味する)であり、許容範囲の±1.0mmを逸脱している。これに対して実施形態では、製造誤差により円弧軌跡の中心Cbがブラシ長さの中点P01と一致してないものの、その距離Xは0.873mmであるため±1.0mmの許容範囲の条件を満たしている。
本発明者は、実施形態と従来技術のブラシホルダ装置18,31の寿命試験を実施し、それぞれについて初期から末期までの実働時間を複数回計測した。図4中に示すように、従来技術に比較して実施形態では実働時間が大幅に延長化されており、上記距離Xに関する許容範囲の設定が適切であることの証左と見なせる。
よって本実施形態では、円弧軌跡の中心Cbを接離方向でブラシ22の長さの中点P01に一致させたが、必ずしも一致させる必要はない。寿命試験の結果から明らかなように、中点P01に対する円弧軌跡の中心Cbの接離方向での距離Xを±1.0mm以内に設定すれば、ブラシ22の初期の軸線基点と末期の軸線基点とがブラシ22の接線方向で接近して接線方向の変動幅が減少することから、接点位相角の変化量を十分に低減できる。本発明は、このような中心Cbの位置設定も本発明は含むものとする。
ところで、本実施形態では、ブラシアーム21のR部21bの中心が軸線基端の円弧軌跡の中心Cbと一致しているため、R部21bの湾曲形状から中心Cbを特定可能であったが、両者が一致してないブラシアームも存在する。そして上記説明から明らかなように、ブラシ長さの中点P01に一致させるべきは、その位置を仮想的にしか特定できない円弧軌跡の中心Cbである。
しかしながら、ブラシアーム21の撓みの基端に位置するR部21bは、形状が異なる種々のブラシアーム21の何れにおいても円弧軌跡の中心Cbのごく近接に位置する。このため、近似的にR部21bの中心を円弧軌跡の中心Cbと見なして、接離方向でブラシ長さの中点P01に一致させてもよい。
結果として、円弧軌跡の中心Cbもブラシ長さの中点P01にごく近接することから、この場合でも軸線基端の接線方向の変動幅、ひいては接点位相角の変化量を十分に縮小でき、実施形態と遜色のない作用効果が得られる。本発明では、このようにR部21bの中心をブラシ長さの中点P01に一致させる場合も含むものとする。
なお、本実施例のコミテータ10の外径は直径7.55mm、ブラシ22の接離方向の長さは4.3mmである。中点P01に対する円弧軌跡の中心Cbの接離方向での距離Xの最適寸法はモータの大きさによって変化する。ブラシ22の接離方向位置は、コミテータ10の径とブラシ22の接離方向寸法に依存することから、中点P01に対する円弧軌跡の中心Cbの接離方向での距離Xの最適寸法は、コミテータ10の中心Ccとブラシ中心の距離(図3のA寸法)に対する比率として捉えればよい。本実施例では、コミテータ10の中心Ccとブラシ中心の距離は7.55/2+4.3/2=5.925mmであるから、許容範囲±1.0mmはコミテータ10の中心Ccとブラシ中心の距離の±17%となる。
一方、以上の説明では、初期及び末期のブラシ22の中心軸線Lとコミテータ10の回転中心Ccとの接線方向の位置関係について言及しなかったが、上記接離方向の距離Xの場合と同様に許容範囲が存在する。
例えば、コミテータ10の回転角度=90°で整流する条件の下に、図3に示すブラシ22の初期状態において、接離方向でブラシ22の長さの中点P01に対して円弧軌跡の中心Cbを一致(距離X=0mm)させ、且つ接線方向でコミテータ10の回転中心Ccに対してブラシ22の中心軸線Lを一致(距離Y=0mm)させた場合を想定する。
ブラシ22の摩耗が次第に進行すると、それに伴い例えば図5に示すように、コミテータ10の外周面に対するブラシ22の接触角度(基準角度0°からのコミテータ10の回転角度を意味し、図中のブラシ中心軸線L上のP2位置)が進角側に変化する。ブラシ22の接触角度の変化状況は距離X,Yの設定に応じて異なるものの、ブラシ22の初期から末期までの全ての期間に亘ってブラシ22の接触角度を目標値の90°付近にとどめる必要がある。
そこで、距離X,Yを変化させてブラシ22の初期から末期までのコミテータ10に対する接触角度の変化をシミュレーションにより解析した。
上記したように距離Xの許容範囲は±1.0mm(コミテータ側を+、反コミテータ側を−)であるため、距離X=0mm,+1.0mm,−1.0mmの3種の条件の下で、それぞれ距離Yを変化させたシミュレーションを実施した。目標値を90°とした場合に許容できるブラシ22の接触角度として84〜95°を定め、ブラシ22の初期から末期までにおいて接触角度が許容範囲内を逸脱しない距離Y(ブラシアーム21の先端側を+、基端側を−)を求めた。
図6の解析結果に示すように、各距離Xの設定で共通する傾向として、ブラシ22の摩耗進行と共に変化するブラシアーム21の角度に応じて、ブラシ22の接触角度は進角側への変化後に遅角側に変化しており、図中の(a)に示す接離方向の最適値である距離X=0mmに比較して、図中の(b)に示す距離X=+1.0mm及び(c)に示す−1.0mmでは、共に接触角度の変化が大きい。距離X=+1.0mmでは、上記接触角度の許容範囲(84〜95°)を満たす距離Yとして、Y=0〜+0.3mmが求められ、距離X=−1.0mmでは、接触角度の許容範囲を満たす距離Yとして、Y=0〜−0.3mmが求められる。
従って、実施形態で述べた距離Xに関する条件に加えて、コミテータ10の回転中心Ccに対するブラシ22の中心軸線Lの接線方向への距離Yを±0.3mm以内に設定すれば、ブラシ22の初期から末期までの全ての期間に亘ってブラシ22の接触角度が許容範囲内にとどめられる。よって、コミテータ10との通電タイミングのズレを抑制でき、重複する説明はしないが、通電タイミングのズレに起因する種々の不具合をより確実に防止することができる。
なお、本実施例のブラシ22の接線方向の長さは3.7mm、摩耗に伴ってブラシ22の軸線基点が移動する円弧軌跡の中心Cbとブラシ22の接線方向中心までの距離は13.28mmである。コミテータ10の回転中心Ccに対するブラシ22の中心軸線Lの接線方向への距離の最適寸法はモータの大きさによって変化する。ブラシ22の接線方向位置は、摩耗に伴ってブラシ22の軸線基点が移動する円弧軌跡の中心Cbとブラシ22の接線方向中心までの距離に依存することから、コミテータ10の回転中心Ccに対するブラシ22の中心軸線Lの接線方向への距離の最適寸法範囲は、摩耗に伴ってブラシ22の軸線基点が移動する円弧軌跡の中心Cbとブラシ22の接線方向中心までの距離(図3のB寸法)に対する比率として捉えればよい。したがって±1.0mmは±17%となる。コミテータ10の回転中心Ccに対するブラシ22の中心軸線Lの接線方向への距離Yの許容範囲±0.3mmは、摩耗に伴ってブラシ22の軸線基点が移動する円弧軌跡の中心Cbとブラシ22の接線方向中心までの距離の±2.3%となる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態及び別例では、ステータ6を2極、アーマチャ9を3極としたブラシ付きモータ1及び当該モータ1に搭載されるブラシホルダ装置18に具体化した。しかし、ブラシ付きモータであれば仕様は上記実施形態に限定されるものではなく、その極数等を任意に変更可能である。
また、上記実施形態及び別例のブラシホルダ装置18,31の仕様は任意に変更可能であり、例えばブラシアーム21の形状や各要件、或いはブラシ22の材質等を変更してもよい。
7 ロータ
8 回転軸
10 コミテータ
18 ブラシホルダ装置
19 ブラシベース
21 ブラシアーム
21a 固定面(基端)
22 ブラシ
L 中心軸線
P1,P2 軸線基点
P01,P02 中点

Claims (3)

  1. ブラシベース上にブラシアームの基端が固定されると共に、該ブラシアームの先端側にブラシが固定され、ロータの回転軸と同心に設けられたコミテータの外周面に前記ブラシアームの撓みに伴う弾性により前記ブラシを摺接させると共に、前記ブラシの摩耗に伴って前記ブラシアームを角度変化させながら前記ブラシの摺接を維持可能とされたブラシホルダ装置において、
    コミテータ中心からブラシの接離方向長さの中心までの距離を100%としたときに、前記ブラシの摩耗に伴って前記ブラシアームが角度変化したときに該ブラシの軸線基点が移動する軌跡の中心が、前記コミテータに対する前記ブラシの接離方向において該ブラシの長さの中点から±17%以内の距離に設定された
    ことを特徴とするブラシホルダ装置。
  2. 摩耗に伴ってブラシの軸線基点が移動する円弧軌跡の中心とブラシの接線方向中心の間の距離を100%としたときに、前記ブラシの中心軸線が、前記コミテータに対する前記ブラシの接線方向において前記コミテータの回転中心から±2.3%以内の距離に設定された
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラシホルダ装置。
  3. 請求項1または2に記載のブラシホルダ装置を搭載したブラシ付きモータ。
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JP7576065B2 (ja) 2022-08-26 2024-10-30 マブチモーター株式会社 モータ

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