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JP2019066008A - 捩り振動低減装置 - Google Patents

捩り振動低減装置 Download PDF

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JP2019066008A
JP2019066008A JP2017193887A JP2017193887A JP2019066008A JP 2019066008 A JP2019066008 A JP 2019066008A JP 2017193887 A JP2017193887 A JP 2017193887A JP 2017193887 A JP2017193887 A JP 2017193887A JP 2019066008 A JP2019066008 A JP 2019066008A
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貴文 稲垣
Takafumi Inagaki
貴文 稲垣
俊哉 山下
Toshiya Yamashita
俊哉 山下
岡田 卓也
Takuya Okada
岡田  卓也
敦 武藤
Atsushi Muto
敦 武藤
雅啓 白河
Masaki Shirakawa
雅啓 白河
鈴木 裕介
Yusuke Suzuki
裕介 鈴木
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Abstract

【課題】低廉な材料が選択可能あるいは製造コストが抑制可能であって、強度を向上させた捩り振動低減装置を提供する。【解決手段】トルクコンバータ10内に設けられ、トルクを受けて回転するプレート50と、プレート50内の転動室48に揺動可能に収容され、トルクの変動に応じて揺動する転動体46と、トルクを受けて回転し、転動体46およびプレート50をトルクコンバータ10内の作動油から遮蔽する第1カバー54、第2カバー56と、を有して構成される捩り振動低減装置20であって、第1カバー54、第2カバー56は、その回転速度が所定の回転速度以上の場合には、トルクコンバータ10内の作動油の油圧によって回転中心線C方向において転動体46側に変形して転動体46を押圧する押圧部である平坦部54a、56aを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、トルクコンバータ内部に設けられる捩り振動低減装置の強度向上に関するものである。
トルクコンバータ内に設けられ、トルクを受けて回転する回転体、例えばプレートと、そのプレート内の転動室に揺動可能に収容され、トルクの変動に応じて揺動する転動体と、そのトルクを受けて回転し、転動体およびプレートをトルクコンバータ内の作動油から遮蔽するカバーと、を有して構成される捩り振動低減装置が知られている。特許文献1の捩り振動低減装置がそれである。特許文献1の捩り振動低減装置において、トルク変動が発生すると、転動体が転動室内で揺動されることで、トルク変動のエネルギが転動体の揺動によって吸収される。しかし、このような捩り振動低減装置では、トルクコンバータの回転中心線の径方向の外周部においてプレートとカバーとの間に隙間があるため、トルクコンバータが回転中心線を中心にして高速で回転すると、転動体に大きな遠心力がかかって転動体を収容する転動室、すなわちプレートに大きな負荷がかかるため、プレートの強度が高められる必要があった。
これに対して、特許文献2に記載の捩り振動低減装置のように、プレートとカバーとを溶接によって接合することで強度を高めることが提案されている。
特開2015−102115号公報 特開2017−057884号公報
しかし、特許文献2に記載の捩り振動低減装置のように、プレートとカバーとを溶接する場合には、プレートは溶接に適した材料にされねばならなかったり、製造コストの増加を招いてしまったりするなどの課題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、トルクコンバータ内に設けられる捩り振動低減装置において、低廉な材料が選択可能あるいは製造コストが抑制可能であって、転動体を収容する回転体の強度が向上させられる捩り振動低減装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、トルクコンバータ内に設けられ、トルクを受けて回転する回転体と、前記回転体内の転動室に揺動可能に収容され、前記トルクの変動に応じて揺動する転動体と、前記トルクを受けて回転し、該転動体および該回転体を前記トルクコンバータ内の作動油から遮蔽するカバーと、を備える捩り振動低減装置であって、前記カバーは、その回転速度が所定の回転速度以上の場合には、前記トルクコンバータ内の作動油の油圧によって前記回転体の回転中心線方向において前記転動体側に変形して前記転動体を押圧する押圧部を有することにある。
本発明の捩り振動低減装置によれば、前記カバーは、その回転速度が所定の回転速度以上の場合には、前記トルクコンバータ内の作動油の油圧によって前記回転体の回転中心線方向において前記転動体側に変形して前記転動体を押圧する押圧部を有する。従って、回転速度が高速になると、自動的にカバーが変形して転動体を押圧することにより遠心力に抗するようになるため、転動体を収容する回転体の強度を必要以上に高めなくとも良い。よって、低廉な材料が選択されたり、製造コストが抑制されたりすることが可能となる。
本発明の一実施例である捩り振動低減装置が適用されたトルクコンバータの断面図である。 図1の捩り振動低減装置を矢印A方向から見た外観図である。 図1の捩り振動低減装置を矢印A方向から見た図であって、第1カバーを取り外した図である。 図2の捩り振動低減装置を切断線IVで切断した断面図である。 図4の捩り振動低減装置が高速で回転したときの断面図である。 トルクコンバータのトルク変動と回転速度との関係を示す特性図である。 本発明の他の実施例である捩り振動低減装置の断面図である。 図7の捩り振動低減装置が高速で回転したときの断面図である。 本発明のさらに他の実施例である捩り振動低減装置の断面図である。 図9の捩り振動低減装置が高速で回転したときの断面図である。
本発明の一実施形態において、前記押圧部は、前記転動体の転動面に対向した平坦部であることにある。
本発明の一実施形態において、前記押圧部は、前記転動体の外縁部に対向した斜面形状の段差部であることにある。
本発明の一実施形態において、前記転動体の外縁部と前記カバーの外周部との間にステーを有し、前記押圧部は、前記ステーに作用して前記転動体を回転中心線Cの径方向において外周側から内周側へ押圧することにある。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である車両に搭載されるトルクコンバータ10の断面図である。トルクコンバータ10は、図示しないエンジンと変速機との間に設けられ、エンジンのトルクを増幅して変速機に伝達する流体伝動装置である。トルクコンバータ10は、エンジンから動力が伝達されることにより回転中心線Cを中心にして回転駆動させられる。
トルクコンバータ10は、エンジンの動力が入力されるフロントカバー12と、フロントカバー12に連結されているポンプインペラ14と、ポンプインペラ14と回転中心線C方向で対向して配置されているタービンランナ16と、ロックアップクラッチ18と、回転中心線C方向でタービンランナ16とロックアップクラッチ18との間に設けられている捩り振動低減装置20と、を含んで構成されている。
フロントカバー12は、有底円筒状に形成され、エンジンの図示しないクランク軸に接続されている。フロントカバー12の開口側の端部が、ポンプインペラ14の回転中心線Cを基準とする外周端部に溶接によって連結されている。ポンプインペラ14は、断面が円弧状の環状に形成されるポンプシェル22と、ポンプシェル22に取り付けられる複数枚のポンプブレード24と、を備えて構成されている。このフロントカバー12およびポンプシェル22によって囲まれる空間内に作動油が封入されている。
タービンランナ16は、ポンプインペラ14と回転中心線C方向で対向する位置に配置されている。タービンランナ16は、断面が円弧状の環状に形成されるタービンシェル28と、タービンシェル28に取り付けられる複数枚のタービンブレード30と、を備えて構成されている。タービンシェル28の内周部が、クラッチハブ32にリベット34によって接続されている。なお、クラッチハブ32の内周部が、変速機の入力軸33にスプライン嵌合によって動力伝達可能に接続されている。
回転中心線C方向で互いに対向するポンプインペラ14とタービンランナ16との間に、ステータ35が配置されている。ステータ35の内周部は、ワンウェイクラッチ36および中間部材38を介して図示しない非回転部材であるケースに連結されている。
エンジンによりフロントカバー12を介してポンプインペラ14が回転駆動させられると、トルクコンバータ10内の作動油の流体流が発生し、その流体流によってタービンランナ16が回転して動力が伝達される。ステータ35は、作動油の流体流を制御するために配設されている。
ロックアップクラッチ18は、フロントカバー12とクラッチハブ32との間に動力伝達可能に設けられている。ロックアップクラッチ18は、ロックアップピストン40と、ロックアップピストン40の外周側に固定されている摩擦材42と、を備えて構成されている。ロックアップピストン40は、回転中心線C方向でフロントカバー12と隣り合う位置に配設されている。ロックアップピストン40の内周端部は、クラッチハブ32の円筒状に形成された部位の外周面に回転中心線C方向に相対移動可能に嵌合している。摩擦材42は、ロックアップピストン40が回転中心線C方向でフロントカバー12側に移動した際に、そのフロントカバー12と接触する位置に固定されている。
ロックアップピストン40の外周部が、トーショナルダンパ44を介してクラッチハブ32に動力伝達可能に連結されている。トーショナルダンパ44は、フロントカバー12からロックアップクラッチ18を介して伝達されるエンジンのトルク変動を低減する、よく知られた振動低減装置である。ロックアップピストン40の外周部は、円筒状に形成されており、その端部に、周方向に連なる複数個の切欠が形成されている。トーショナルダンパ44の外周端部には、その切欠と嵌合する突起が形成されている。従って、トーショナルダンパ44は、ロックアップピストン40に対して相対回転不能、且つ、回転中心線C方向への相対移動可能とされている。
ロックアップクラッチ18は、ロックアップピストン40の回転中心線C方向の両側で作用する油圧の圧力差に応じて回転中心線C方向に移動する。例えば、回転中心線C方向でロックアップピストン40のフロントカバー12側の油圧が、回転中心線C方向でロックアップピストン40のトーショナルダンパ44側の油圧よりも高い場合には、ロックアップピストン40は、回転中心線C方向でフロントカバー12から遠ざかる方向に移動させられる。このとき、ロックアップクラッチ18の摩擦材42がフロントカバー12に押し付けられないため、ロックアップクラッチ18は解放される。
一方、回転中心線C方向でロックアップピストン40のトーショナルダンパ44側の油圧が、回転中心線C方向でフロントカバー12側の油圧よりも高い場合には、ロックアップピストン40は、回転中心線C方向でフロントカバー12側に移動させられる。このとき、ロックアップクラッチ18の摩擦材42がフロントカバー12に押し付けられるため、フロントカバー12に入力された動力の一部または全部が、ロックアップクラッチ18およびトーショナルダンパ44を介してクラッチハブ32に伝達される。また、ロックアップクラッチ18を介して伝達されたトルク変動は、トーショナルダンパ44によって低減される。
回転中心線C方向でタービンランナ16とトーショナルダンパ44との間に、捩り振動低減装置20が設けられている。捩り振動低減装置20は、トルクコンバータ10内に設けられ、ロックアップクラッチ18を介して伝達されたエンジンのトルク変動、あるいは回転軸(例えば、クラッチハブ32等)の捩り振動を低減するために設けられている。図2は、図1の捩り振動低減装置20を矢印A方向から見た外観図であり、図3は、図1の捩り振動低減装置20を矢印A方向から見た図であって、後述する第1カバー54を取り外した状態を示している。図4は、図2の捩り振動低減装置20を切断線IVで切断した断面図であり、捩り振動低減装置20が回転していないときの断面図である。図5は、図4の捩り振動低減装置20が高速で回転したときの断面図である。
以下、捩り振動低減装置20が回転していないときの状態を示す図4について説明する。捩り振動低減装置20は、周方向に等角度間隔で複数個配置(本実施例では8個)されている転動体46と、転動体46を揺動可能に収容する転動室48が形成されているプレート50(回転体)と、転動体46およびプレート50を収容するカバー52と、を備えて構成されている。
カバー52は、回転中心線C方向で互いに向き合う第1カバー54および第2カバー56を備えて構成されている。
第1カバー54は、円盤状に形成されている。第2カバー56は、円盤状の形成部およびその円盤状の形成部の外周端部から回転中心線C方向で第1カバー54に向かって伸びる円筒部を有する。第2カバー56の円筒部の端部の内周面と、第1カバー54の外周端面とが接触させられた状態で、第2カバー56と第1カバー54とが接触面全体(全周)に渡って溶接によって接合されている。従って、第1カバー54と第2カバー56との間に環状空間62が形成され、この環状空間62内にプレート50および転動体46が収容される。
プレート50は、円盤状に形成されている。プレート50の回転中心線Cを基準とする外周端部において、プレート50は第1カバー54および第2カバー56から離れている。また、プレート50のうち転動体46が収容される位置よりも内周側における第1カバー54と第2カバー56との間の回転中心線C方向の長さは、回転中心線C方向から見て転動体46と重なる位置における第1カバー54と第2カバー56との間の回転中心線C方向の長さに比べて短い。第1カバー54および第2カバー56の内周部は、プレート50の内周部を挟み込んだ状態でリベット穴51に挿入されたリベット34によってクラッチハブ32に締結固定されている。第1カバー54の内周部とプレート50の内周部との間には第1シール部材70が介在し、第2カバー56の内周部とプレート50の内周部との間には第2シール部材72が介在し、第1カバー54および第2カバー56の内部にある環状空間62は、トルクコンバータ10内の作動油から遮断されている。
プレート50には、転動体46を揺動可能に収容する転動室48が形成されている。転動室48は、プレート50に形成される扇形状の空間であり、この空間に転動体46が収容される。転動体46は、プレート50よりも回転中心線C方向の厚みを有する略円柱形状の部材である。転動体46は、互いに対向する円形の第1面46a、第2面46b、および第1面46aと第2面46bとの間の円筒形状の外周面46cを有する。転動体46の外周面46cには、転動室48の壁面と嵌合するための嵌合溝64が形成されている。転動体46は、その嵌合溝64が転動室48の内周側の壁面および外周側の壁面と係合することで、転動室48の壁面に沿って周方向に揺動可能とされている。すなわち、プレート50の厚み方向の中心を通って回転中心線Cに垂直な転動面Prに沿って転動体46は揺動可能とされている。また、転動体46の嵌合溝64が、転動室48の壁面と嵌合することで、転動体46の転動室48からの脱落が阻止されている。転動体46の第1面46aは第1カバー54に対向し、それぞれ転動面Prに平行である。また、転動体46の第2面46bは第2カバー56の円盤状の形成部に対向し、それぞれ転動面Prに平行である。
捩り振動低減装置20にトルク変動が伝達されると、転動室48に収容されている転動体46が、そのトルク変動に応じて転動室48の周壁面に沿って転動(揺動)することで、トルク変動による振動(捩り振動)が抑制される。
第1カバー54は、転動体46の第1面46aに対向した押圧部である平坦部54aを有する。また、第2カバー56は、転動体46の第2面46bに対向した押圧部である平坦部56aを有する。第1カバー54の平坦部54aと転動体46の第1面46aとの間の回転中心線C方向の長さおよび第2カバー56の平坦部56aと転動体46の第2面46bとの間の回転中心線C方向の長さは、いずれも長さL1である。
図6は、トルクコンバータ10のトルク変動T(dB)と回転速度N(rpm)との関係を示す特性図である。振動特性上、図6に示すように、トルクコンバータ10の回転速度Nが低速である場合にトルク変動Tは大きく、回転速度Nが高速である場合にトルク変動Tは小さい。トルク変動Tについて必要とされる性能がT1であるとき、回転速度Nが所定の回転速度N1よりも低速の場合にトルク変動の低減が必要とされ、回転速度Nが所定の回転速度N1よりも高速の場合にはトルク変動の低減はあまり必要とされない。したがって、トルク変動が比較的小さくなるトルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1よりも高速の場合には、トルク変動による振動の低減はあまり必要とされないにもかかわらず、高速の回転に伴って発生する転動体46の遠心力がプレート50に加えられてしまうため、プレート50はこの遠心力に耐えうる強度が必要とされる。
以下、捩り振動低減装置20が高速で回転したときの状態を示す図5について説明する。トルクコンバータ10内の作動油の油圧は、トルクコンバータ10の回転速度Nが高まるにつれて遠心力のために回転中心線Cの径方向の外周側で高くなる。そのため、第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが高まるにつれてトルクコンバータ10内の作動油の油圧によって転動体46側に変形させられる。そして、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、図5に示すように、第1カバー54の押圧部である平坦部54aは、転動体46側に長さL1だけ変形させられて転動体46の第1面46aを転動面Pr側へ押圧する。また、第2カバー56の押圧部である平坦部56aは、転動体46側に長さL1だけ変形させられて転動体46の第2面46bを転動面Pr側へ押圧する。転動体46は、両側から挟みこんでいる第1カバー54の平坦部54aおよび第2カバー56の平坦部56aによる摩擦力のためにその動きが制止される。すなわち、転動体46にかかる遠心力の増加分は上記摩擦力によって減じられるため、転動体46からプレート50に加えられる力は抑制される。
このような第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1となったときに第1カバー54の平坦部54aおよび第2カバー56の平坦部56aが回転中心線C方向、すなわち転動体46の厚み方向において転動体46側に長さL1だけ変形させられて転動体46の第1面46aおよび第2面46bをそれぞれ押圧する構造とされるように、第1カバー54および第2カバー56の材料、形状(例えば、平坦部54aと転動体46とが対向する面の長さL1)などが実験等により予め求められ、これに基づいて作製される。
本実施例の捩り振動低減装置20によれば、第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、トルクコンバータ10内の作動油の油圧によって回転中心線C方向において転動体46側に変形させられて転動体46を押圧する平坦部54a、56aをそれぞれ有する。従って、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、自動的に第1カバー54および第2カバー56が変形させられて転動体46を押圧することにより遠心力に抗するような摩擦力が働くため、転動体46を収容するプレート50の強度が必要以上に高められなくとも良い。よって、低廉な材料が選択されたり、製造コストが抑制されたりすることが可能となる。
図7は、本発明の他の実施例である捩り振動低減装置80の断面図であり、捩り振動低減装置80が回転していないときの断面図である。図8は、図7の捩り振動低減装置80が高速で回転したときの断面図である。捩り振動低減装置80は、前述の実施例1と同様にトルクコンバータ10内に配設されている。なお、以下の説明において前述の実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
以下、捩り振動低減装置80が回転していないときの状態を示す図7について説明する。第1カバー54は、転動体46の一方の外縁部46dに対向した斜面形状の段差部54bを有する。また、第2カバー56は、転動体46の他方の外縁部46dに対向した斜面形状の段差部56bを有する。なお、転動体46の外縁部46dとは、転動体46の第1面46aまたは第2面46bと外周面46cとの境界部分であって、且つ回転中心線Cを基準とする径方向において最も外周側にある部分である。第1カバー54と転動体46の第1面46aとの間の回転中心線C方向の長さおよび第2カバー56と転動体46の第2面46bとの間の回転中心線C方向の長さは、いずれも回転中心線C方向から見て転動体46の中央付近の位置では長さL1であるが、転動体46の外縁部46dの位置では長さL1よりも短い長さL2である。すなわち、第1カバー54および第2カバー56は、いずれも転動体46の外縁部46dより少し内周側の位置から少し外周側の位置に対向した位置において、次第に転動面Prに近づくような斜面形状とされており、この斜面形状の部分が第1カバー54の段差部54bおよび第2カバー56の段差部56bである。
以下、捩り振動低減装置80が高速で回転したときの状態を示す図8について説明する。上述のように、トルクコンバータ10内の作動油の油圧は、トルクコンバータ10の回転速度Nが高まるにつれて遠心力のために外周側で高くなる。そのため、第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが高まるにつれてトルクコンバータ10内の作動油の油圧によって転動体46側に変形させられる。そして、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、図8に示すように、第1カバー54の押圧部である段差部54bは、転動体46側に長さL2だけ変形させられて転動体46の一方の外縁部46dを押圧する。また、第2カバー56の押圧部である段差部56bは、転動体46側に長さL2だけ変形させられて転動体46の他方の外縁部46dを押圧する。したがって、第1カバー54の押圧部である段差部54bおよび第2カバー56の押圧部である段差部56bは、転動体46の外縁部46dをそれぞれ両側から挟みこむと共に、転動体46を回転中心線Cの径方向において内周側へ押圧する。このとき、転動体46は、第1カバー54の段差部54bおよび第2カバー56の段差部56bから遠心力とは反対向きの力で押圧されるため、転動体46からプレート50に加えられる遠心力による力は、この押圧による力によって弱められる。
このような第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1となったときに第1カバー54の段差部54bおよび第2カバー56の段差部56bが回転中心線C方向、すなわち転動体46の厚み方向において転動体46側に長さL2だけ変形させられて転動体46の外縁部46dをそれぞれ押圧する構造とされるように、第1カバー54および第2カバー56の材料、形状(例えば、転動体46の外縁部46dの位置における第1カバー54と転動体46との間の回転中心線C方向の長さL2)などが実験等により予め求められ、これに基づいて作製される。
本実施例の捩り振動低減装置20によれば、第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、トルクコンバータ10内の作動油の油圧によって回転中心線C方向において転動体46側に変形させられて転動体46の外縁部46dを押圧する段差部54b、56bをそれぞれ有する。従って、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、自動的に第1カバー54および第2カバー56が変形させられて転動体46の外縁部46dを回転中心線Cの径方向において内周側へ押圧することにより遠心力に抗する。本実施例では、第1カバー54および第2カバー56が、転動体46の外縁部46dを回転中心線Cの径方向において内周側へ直接的に押圧するため、前述の実施例1のような摩擦力よりも更に安定して遠心力に抗することができる。そのため、転動体46を収容するプレート50の強度が必要以上に高められなくとも良い。よって、低廉な材料が選択されたり、製造コストが抑制されたりすることが可能となる。
図9は、本発明のさらに他の実施例である捩り振動低減装置90の断面図であり、捩り振動低減装置90が回転していないときの断面図である。図10は、図9の捩り振動低減装置90が高速で回転したときの断面図である。捩り振動低減装置90は、前述の実施例1および実施例2と同様にトルクコンバータ10内に配設されている。なお、以下の説明において前述の実施例1および実施例2と共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
以下、捩り振動低減装置90が回転していないときの状態を示す図9について説明する。本実施例では、環状空間62のうち、転動体46の外縁部46dと第2カバー56の円筒部の内周面との間の空間に、ステー74が配設されている。ステー74は、例えばステンレス製のタスキステーである。ステー74は、4つのアーム部が3つの関節部74a、74b、および74cで連結されている。3つの関節部のうち中央の関節部74aは、第2カバー56の円筒部の内周面に固定されている。ステー74の両端のアーム部の外側端部74dおよび74eには、転動体46の外縁部46dに対向するように断面がL字型の金具74f、74gがそれぞれ取り付けられている。金具74f、74gは、転動体46が転動室48内で揺動される範囲内で回転中心線Cの周方向において転動体46の外縁部46dに対向している。捩り振動低減装置90が比較的低速で回転しているときステー74には遠心力が外周側に加えられるため、図9に示すように、固定されていない関節部74bおよび関節部74cは図中上方の力を受けて、関節部74bは第1カバー54の内面に接触し、関節部74cは第2カバー56の内面に接触する。これに伴い、ステー74の両端のアーム部も図9における図中上方の力を受け、転動体46の外縁部46dと金具74f、74gとの間には隙間が設けられるようになっている。
第1カバー54は、ステー74の関節部74bと対向した押圧部54cを有している。また、第2カバー56は、ステー74の関節部74cと対向した押圧部56cを有している。
以下、捩り振動低減装置90が高速で回転したときの状態を示す図10について説明する。上述のように、トルクコンバータ10内の作動油の油圧は、トルクコンバータ10の回転速度Nが高まるにつれて遠心力のために外周側で高くなる。そのため、第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが高まるにつれてトルクコンバータ10内の作動油の油圧によって、転動体46側に変形させられる。そして、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、図10に示すように、第1カバー54の押圧部54cは、ステー74の関節部74bを転動面Pr側へ押圧する。また、第2カバー56の押圧部56cは、ステー74の関節部74cを転動面Pr側へ押圧する。したがって、第1カバー54の押圧部54cおよび第2カバー56の押圧部56cは、回転中心線C方向においてステー74の関節部74bおよび関節部74cを両側から挟みこんで押圧する。このため、ステー74の関節部74bおよび関節部74cは、回転中心線Cの径方向において内周側へ滑るように移動させられ、その結果、ステー74の両端のアーム部は、回転中心線Cの径方向において内周側への力を受ける。そして、ステー74の両端のアーム部に取り付けられた金具74f、74gは、転動体46を回転中心線Cの径方向において外周側から内周側へ押圧する。すなわち、第1カバー54の押圧部54cおよび第2カバー56の押圧部56cは、ステー74を介して、回転中心線Cの径方向において外周側から内周側へ転動体46を押圧する。このとき、ステー74の両端のアーム部に取り付けられた金具74f、74gによって、転動体46は遠心力とは反対向きの力で押圧されるため、転動体46からプレート50に加えられる遠心力による力は、この押圧による力によって弱められる。
このような第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1となったときに第1カバー54の押圧部54cおよび第2カバー56の押圧部56cが回転中心線C方向、すなわち転動体46の厚み方向において転動体46側に変形させられてステー74を介して転動体46を回転中心線Cの径方向において外周側から内周側へそれぞれ押圧する構造とされるように、第1カバー54および第2カバー56の材料、形状などが実験等により予め求められ、これに基づいて作製される。
本実施例の捩り振動低減装置90によれば、第1カバー54および第2カバー56は、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、トルクコンバータ10内の作動油の油圧によって回転中心線C方向において転動体46側に変形させられてステー74を介して転動体46を回転中心線Cの径方向において外周側から内周側へ押圧する押圧部54c、56cをそれぞれ有する。従って、トルクコンバータ10の回転速度Nが所定の回転速度N1以上の場合には、自動的に第1カバー54および第2カバー56が変形させられて転動体46が回転中心線Cの径方向において内周側へ押圧されることにより遠心力に抗する。本実施例では、第1カバー54および第2カバー56と転動体46との間の摩耗の懸念が低減されるようにステー74が用いられているため、長期にわたって性能を維持しつつ安定して遠心力に抗することができる。そのため、転動体46を収容するプレート50の強度が必要以上に高められなくとも良い。よって、低廉な材料が選択されたり、製造コストが抑制されたりすることが可能となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例1、実施例2、実施例3では、第1カバー54の押圧部54a、54b、54cと転動体46との寸法関係および第2カバー56の押圧部56a、56b、56cと転動体46との寸法関係は、それぞれ同じであったが、これに限らない。第1カバー54および第2カバー56の形状は、転動体46を押圧するようにそれぞれ独立に決められて良い。例えば、実施例1における平坦部54a、56a、実施例2における斜面形状の段差部54b、56b、および実施例3における押圧部54c、56cは、いずれも第1カバー54または第2カバー56のいずれか一方のみに設けられても良い。
前述の実施例1、実施例2、実施例3では、第1カバー54の内周部とプレート50の内周部との間には第1シール部材70が介在し、第2カバー56の内周部とプレート50の内周部との間には第2シール部材72が介在していたが、第1シール部材70および第2シール部材72は必須の構成ではない。例えば、プレート50の内周部は第1カバー54の内周部または第2カバー56の内周部のいずれか一方に固定され、その固定された部分を内包するように第1カバー54の内周部と第2カバー56の内周部とが溶接されていることで、第1カバー54および第2カバー56の内部にある環状空間62がトルクコンバータ10内の作動油から遮断されていても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:トルクコンバータ
20、80、90:捩り振動低減装置
46:転動体
48:転動室
50:プレート(回転体)
54:第1カバー(カバー)
56:第2カバー(カバー)

Claims (1)

  1. トルクコンバータ内に設けられ、トルクを受けて回転する回転体と、前記回転体内の転動室に揺動可能に収容され、前記トルクの変動に応じて揺動する転動体と、前記トルクを受けて回転し、該転動体および該回転体を前記トルクコンバータ内の作動油から遮蔽するカバーと、を備える捩り振動低減装置であって、
    前記カバーは、その回転速度が所定の回転速度以上の場合には、前記トルクコンバータ内の作動油の油圧によって前記回転体の回転中心線方向において前記転動体側に変形して前記転動体を押圧する押圧部を有する
    ことを特徴とする捩り振動低減装置。
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