JP2019063901A - 複合部材及び切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】WC基超硬合金同士を、接合層を介して接合した複合部材において、複合部材の接合部の接合強度の向上を図ること。【解決手段】WC基超硬合金部材同士を、Ti箔/Cu箔/Ti箔からなる接合部材を固相拡散接合させて形成した接合層を介して接合した複合部材において、該接合層は、WC基超硬合金部材に隣接し、TiC相の平均面積割合が50%以上であるTiC主体層と、該層に隣接し、平均含有量40原子%以上のTiと平均含有量20原子%以上のCuを含有し、Coの平均含有量が3原子%未満である隣接層が存在する複合部材およびこの複合部材からなる工具。【選択図】図2
Description
本発明は、複合部材及びこの複合部材を用いた切削工具に関し、特に、WC基超硬合金部材同士の接合部の接合強度に優れた複合部材に関し、また、切れ刃に高負荷が作用する合金鋼等の重切削加工において、複合部材の接合部からの破断を抑制した切削工具に関する。
従来から、工具材料としては、WC基超硬合金、TiCN基サーメット、cBN焼結体等が良く知られているが、近年、工具材料を単一素材から形成するのではなく複合部材として工具材料を形成することが提案されている。
例えば、特許文献1には、サーメット焼結体を第1の被接合材1とし、cBN焼結体またはダイヤモンド焼結体を第2の被接合材3とする接合体であって、第1の被接合材および第2の被接合材の間に1000℃未満では液相を生成しない接合材2を介して接合し、該接合は0.1MPa〜200MPaの圧力で加圧しながら通電加熱することによって行うことが提案されており、これによって得られた接合体は、切削中に、ロウ材が液相を生成する温度を超える高温となっても、接合層の接合強度が低下することがないため、高速切削加工工具やCVDコーティング切削工具として好適であるとされている。
また、特許文献2には、超硬合金焼結体を第1の被接合材1とし、cBN焼結体を第2の被接合材2とする接合体において、第1の被接合材および第2の被接合材の間にはチタン(Ti)を含有する接合材3を介して、少なくとも、第2の被接合材の背面と底面からなる2面で接合し、第2の被接合材と接合材との界面には、厚み10〜300nmの窒化チタン(TiN)化合物層を形成し、また、背面の接合層の厚みを、底面の接合層の厚みよりも薄くすることによって、接合強度が高い切削工具等の接合体を得ることが提案されている。
また、特許文献3には、cBNを20〜100質量%含むcBN焼結体と、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、MoおよびWの炭化物、炭窒化物およびこれらの相互固溶体から成る群より選択された少なくとも1種からなる硬質相:50〜97質量%と、残部として、Co、NiおよびFeから成る群より選択された少なくとも1種を主成分とする結合相:3〜50質量%とからなる硬質合金との複合体において、cBN焼結体と硬質合金との間に接合層を設け、該接合層をセラミックス相と金属相とから構成し、さらに、該接合層の厚さを2〜30μmとすることによって、複合体の接合強度を高めることが提案されている。
さらに、特許文献4には、WC基超硬合金部材相互の間に、接合部材としてのTi箔を挟み込み、これを、真空中で加熱、加圧し固相拡散接合させることによって、WC基超硬合金部材に隣接して、TiC相と金属W相からなる第1層を形成し、該第1層に隣接して、TiCo相と金属Ti相からなる第2層を形成し、接合層の中央領域には、Ti層が残存する接合層を介して接合した複合部材が提案されており、この複合部材によれば、WC基超硬合金部材と接合層との密着強度、接合強度にすぐれ、この複合部材を切削工具用材料として用いた場合には、切れ刃に高負荷が作用する鋼や鋳鉄の重切削加工に供した場合であっても、接合部からの破断発生を防止でき、長期の使用に亘って、すぐれた切削性能を発揮するとされている。
前記特許文献1〜3で提案された複合材料あるいはこれからなる切削工具は、通常条件の切削加工では、ある程度の性能を発揮するが、切れ刃に高負荷が作用する切削条件では、接合強度が十分でないため、接合部からの破断を原因として寿命に至るという問題があった。
また、前記特許文献4で提案されている複合材料からなる切削工具は、従来の切削工具と比較すれば、切れ刃に高負荷が作用する切削条件において、すぐれた切削性能を発揮するが、複合材料の接合部に脆弱なTiCo相が形成されること、また、Coの拡散による界面強度の低下等に起因して、より一段と大きな負荷が作用する切削条件下で用いる切削工具としては、接合強度が十分に満足できるものであるとはいえなかった。
そこで、切れ刃に高負荷が作用する重切削条件においても、接合部からの破断等が生じないような、より接合強度の高い接合部を有する複合部材およびこれからなる切削工具が望まれている。
また、前記特許文献4で提案されている複合材料からなる切削工具は、従来の切削工具と比較すれば、切れ刃に高負荷が作用する切削条件において、すぐれた切削性能を発揮するが、複合材料の接合部に脆弱なTiCo相が形成されること、また、Coの拡散による界面強度の低下等に起因して、より一段と大きな負荷が作用する切削条件下で用いる切削工具としては、接合強度が十分に満足できるものであるとはいえなかった。
そこで、切れ刃に高負荷が作用する重切削条件においても、接合部からの破断等が生じないような、より接合強度の高い接合部を有する複合部材およびこれからなる切削工具が望まれている。
本発明者らは、前記従来の複合部材およびこれからなる切削工具の問題点を解決すべく、WC基超硬合金とWC基超硬合金からなる複合部材およびこの複合材からなる切削工具、例えば、超高圧高温焼結時にcBN焼結体の焼結と同時にWC基超硬合金(裏打ち材)を接合した複合焼結体からなる切刃部とWC基超硬合金工具基体(台金)とを接合部材を介して接合した切削工具において、その接合部の接合強度を改善する方策について鋭意研究した。
その結果、WC基超硬合金部材同士を、接合層を介して接合した複合部材において、接合部材として、例えば、Ti箔とCu箔との積層部材を用いて接合することにより、WC基超硬合金部材に隣接してTiC相を主体とするTiC主体層を形成し、さらに、該TiC主体層に隣接して40原子%以上のTiと20原子%以上のCuを含有し、かつ、Co含有量を3原子%未満に低減した隣接層を形成した場合には、WC基超硬合金部材から接合層へのCoの拡散が抑制されるために、複合部材の接合部に脆弱なTiCo相が形成されることはなく、また、Coの拡散による界面強度の低下が生じることもなく、すぐれた接合強度を備える複合部材を得られることを見出した。
その結果、WC基超硬合金部材同士を、接合層を介して接合した複合部材において、接合部材として、例えば、Ti箔とCu箔との積層部材を用いて接合することにより、WC基超硬合金部材に隣接してTiC相を主体とするTiC主体層を形成し、さらに、該TiC主体層に隣接して40原子%以上のTiと20原子%以上のCuを含有し、かつ、Co含有量を3原子%未満に低減した隣接層を形成した場合には、WC基超硬合金部材から接合層へのCoの拡散が抑制されるために、複合部材の接合部に脆弱なTiCo相が形成されることはなく、また、Coの拡散による界面強度の低下が生じることもなく、すぐれた接合強度を備える複合部材を得られることを見出した。
そして、切削工具用の材料として、前記複合部材を用いた場合には、切れ刃に高負荷が作用する鋼や鋳鉄の重切削加工に供した場合であっても、接合部からの破断発生を防止でき、長期の使用に亘って、すぐれた切削性能を発揮することができることを見出したのである。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
「(1)一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bが、接合層を介して接合されている複合部材であって、
(a)一方のWC基超硬合金部材Aに隣接して、TiC相を50面積%以上含有するTiC主体層Aが0.5〜3μmの平均層厚で形成され、
(b)前記TiC主体層Aの接合層中央側に隣接して、平均含有量40原子%以上のTiと平均含有量20原子%以上のCuを含有し、Coの平均含有量が3原子%未満である隣接層Aが2〜15μmの平均層厚で形成されていることを特徴とする複合部材。
(2)前記(1)に記載の複合部材において、
(a)他方のWC基超硬合金部材Bの接合層中央側に隣接して、TiC相を50面積%以上含有するTiC主体層Bが0.5〜3μmの平均層厚で形成され、
(b)前記TiC主体層Bの接合層中央側に隣接して、平均含有量40原子%以上のTiと平均含有量20原子%以上のCuを含有し、Coの平均含有量が3原子%未満である隣接層Bが2〜15μmの平均層厚で形成され、
(c)前記隣接層Aと前記隣接層Bの間に残存Cu層が存在することを特徴とする(1)に記載の複合部材
(3)前記(1)または(2)に記載の複合部材から構成されていることを特徴とする切削工具。」
を特徴とするものである。
「(1)一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bが、接合層を介して接合されている複合部材であって、
(a)一方のWC基超硬合金部材Aに隣接して、TiC相を50面積%以上含有するTiC主体層Aが0.5〜3μmの平均層厚で形成され、
(b)前記TiC主体層Aの接合層中央側に隣接して、平均含有量40原子%以上のTiと平均含有量20原子%以上のCuを含有し、Coの平均含有量が3原子%未満である隣接層Aが2〜15μmの平均層厚で形成されていることを特徴とする複合部材。
(2)前記(1)に記載の複合部材において、
(a)他方のWC基超硬合金部材Bの接合層中央側に隣接して、TiC相を50面積%以上含有するTiC主体層Bが0.5〜3μmの平均層厚で形成され、
(b)前記TiC主体層Bの接合層中央側に隣接して、平均含有量40原子%以上のTiと平均含有量20原子%以上のCuを含有し、Coの平均含有量が3原子%未満である隣接層Bが2〜15μmの平均層厚で形成され、
(c)前記隣接層Aと前記隣接層Bの間に残存Cu層が存在することを特徴とする(1)に記載の複合部材
(3)前記(1)または(2)に記載の複合部材から構成されていることを特徴とする切削工具。」
を特徴とするものである。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
図1に示すように、一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bとの間に接合部材を配置し(図1(a)参照)、接合部材を介して一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bとを突き合わせ、所定の加圧力を付加した状態で、所定の温度、時間をかけて、WC基超硬合金部材と接合部材とを固相拡散接合する(図1(b)参照)ことにより、WC基超硬合金部材相互が接合層を介して接合された本発明の複合部材を作製することができる(図1(c)参照)。
図2は、図1(c)の拡大模式図を示すが、図2において、一方のWC基超硬合金部材Aに隣接してTiC主体層Aが形成され、該TiC主体層Aの接合部層中央側に隣接して隣接層Aが形成される。
また、他方のWC基超硬合金部材Bに隣接してTiC主体層Bが形成され、該TiC主体層Bの接合層中央側に隣接して隣接層Bが形成される。
さらに、前記隣接層Aと前記隣接層Bに挟まれる接合層の中央領域には、残存Cu層が存在することが好ましい。
そして、一方のWC基超硬合金部材A−TiC主体層A−隣接層A―(残存Cu層)−隣接層B−TiC主体層B−他方のWC基超硬合金部材Bの順に接合された複合部材が構成される。
本発明でいう接合層とは、前記一方のWC基超硬合金部材Aと前記他方のWC基超硬合金部材Bとの間に形成された前記TiC主体層A、隣接層A、残存Cu層、隣接層BおよびTiC主体層Bからなる層の全体をいう。
また、他方のWC基超硬合金部材Bに隣接してTiC主体層Bが形成され、該TiC主体層Bの接合層中央側に隣接して隣接層Bが形成される。
さらに、前記隣接層Aと前記隣接層Bに挟まれる接合層の中央領域には、残存Cu層が存在することが好ましい。
そして、一方のWC基超硬合金部材A−TiC主体層A−隣接層A―(残存Cu層)−隣接層B−TiC主体層B−他方のWC基超硬合金部材Bの順に接合された複合部材が構成される。
本発明でいう接合層とは、前記一方のWC基超硬合金部材Aと前記他方のWC基超硬合金部材Bとの間に形成された前記TiC主体層A、隣接層A、残存Cu層、隣接層BおよびTiC主体層Bからなる層の全体をいう。
複合部材の作製に際し、本発明で採用する固相拡散接合とは、次のような接合手段である。
即ち、接合部材を介してWC基超硬合金部材とWC基超硬合金部材とを突き合わせ、所定の加圧力を付加した状態で、所定の温度、時間保持することにより、接合部材とWC基超硬合金成分を反応させ合金を形成させる。この際、接合層を構成する各層の組成、層厚を適切に制御することにより優れた強度を有する接合とすることができる。
なお、接合部材を用いたWC基超硬合金部材同士の固相拡散接合に際しては、接合部材自身の融点が1000℃以上の比較的高温であること、1000℃以下でWC基超硬合金と反応すること、反応で生じる脆性相が接合界面の強度を低下させないように反応を制御することが可能なこと、WC基超硬合金と接合部材の相互拡散において、拡散速度が不均衡となることにより生じるカーケンダルボイドが発生しにくいこと等の条件が求められる。
本発明では、このような要求に適う接合部材として、例えば、Ti箔とCu箔の積層箔を使用した。
Ti箔とCu箔の積層箔の好適な形態は、「2〜15μm厚のTi箔/1〜8μm厚のCu箔/2〜15μm厚のTi箔」の様に、Cu箔の表面と裏面をTi箔で挟み込んだサンドイッチ構造の積層箔である。
即ち、接合部材を介してWC基超硬合金部材とWC基超硬合金部材とを突き合わせ、所定の加圧力を付加した状態で、所定の温度、時間保持することにより、接合部材とWC基超硬合金成分を反応させ合金を形成させる。この際、接合層を構成する各層の組成、層厚を適切に制御することにより優れた強度を有する接合とすることができる。
なお、接合部材を用いたWC基超硬合金部材同士の固相拡散接合に際しては、接合部材自身の融点が1000℃以上の比較的高温であること、1000℃以下でWC基超硬合金と反応すること、反応で生じる脆性相が接合界面の強度を低下させないように反応を制御することが可能なこと、WC基超硬合金と接合部材の相互拡散において、拡散速度が不均衡となることにより生じるカーケンダルボイドが発生しにくいこと等の条件が求められる。
本発明では、このような要求に適う接合部材として、例えば、Ti箔とCu箔の積層箔を使用した。
Ti箔とCu箔の積層箔の好適な形態は、「2〜15μm厚のTi箔/1〜8μm厚のCu箔/2〜15μm厚のTi箔」の様に、Cu箔の表面と裏面をTi箔で挟み込んだサンドイッチ構造の積層箔である。
本発明は、複合部材の作製にあたり、WC基超硬合金部材と接合部材とを固相拡散接合させることから、最終的に形成された複合部材の接合層には、成分組成の異なる層、即ち、一方のWC基超硬合金部材Aから他方のWC基超硬合金部材Bに向けて、TiC主体層A、隣接層A、残存Cu層、隣接層BおよびTiC主体層Bの各層が形成される。
そして、一方のWC基超硬合金部材Aに隣接して形成されるTiC主体層A、また、他方のWC基超硬合金部材Bに隣接して形成されるTiC主体層B(なお、以下では、TiC主体層AとTiC主体層Bを総称して、単に、「TiC主体層」という場合がある。)は、主として、TiC相と金属W相からなる層であり、該層においてTiC相が占める面積割合は50面積%以上であることが好ましい。
また、前記TiC主体層の平均層厚は0.5〜3μmであることが好ましい。
そして、一方のWC基超硬合金部材Aに隣接して形成されるTiC主体層A、また、他方のWC基超硬合金部材Bに隣接して形成されるTiC主体層B(なお、以下では、TiC主体層AとTiC主体層Bを総称して、単に、「TiC主体層」という場合がある。)は、主として、TiC相と金属W相からなる層であり、該層においてTiC相が占める面積割合は50面積%以上であることが好ましい。
また、前記TiC主体層の平均層厚は0.5〜3μmであることが好ましい。
ここで、前記TiC主体層の熱膨張係数は、WC基超硬合金より大きいが金属Tiよりは小さいため、TiC主体層の見掛け熱膨張係数は、WC基超硬合金と金属Tiとの中間の値となる。
したがって、WC基超硬合金に接してTiC主体層が形成されることによって、熱膨張係数の違いによりWC基超硬合金と接合層との間に発生する接合時の熱応力が緩和され、また、残留応力の形成も抑制されるため、強固な接合強度を備えた接合部を有する複合部材を得ることができる。
したがって、WC基超硬合金に接してTiC主体層が形成されることによって、熱膨張係数の違いによりWC基超硬合金と接合層との間に発生する接合時の熱応力が緩和され、また、残留応力の形成も抑制されるため、強固な接合強度を備えた接合部を有する複合部材を得ることができる。
TiC主体層にこのような熱膨張係数を有せしめるためには、TiC主体層に占めるTiC相の平均面積割合を50面積%以上とすることが必要である。
これは、TiC相の平均面積割合が50面積%未満である場合には、TiC主体層の有する応力緩和の作用を十分に果たすことができなくなるからである。
また、TiC主体層の層厚が、0.5μm未満では十分な応力緩和を図ることができず、一方、層厚が3μmを超えると、TiC主体層の脆性が顕在化し、複合部材の接合層に高負荷が作用した場合にクラックの発生、クラックの進展経路となりやすく、WC基超硬合金と強固な接合状態を維持することができなくなるので、TiC主体層の層厚は、0.5〜3μmとする。
これは、TiC相の平均面積割合が50面積%未満である場合には、TiC主体層の有する応力緩和の作用を十分に果たすことができなくなるからである。
また、TiC主体層の層厚が、0.5μm未満では十分な応力緩和を図ることができず、一方、層厚が3μmを超えると、TiC主体層の脆性が顕在化し、複合部材の接合層に高負荷が作用した場合にクラックの発生、クラックの進展経路となりやすく、WC基超硬合金と強固な接合状態を維持することができなくなるので、TiC主体層の層厚は、0.5〜3μmとする。
前記TiC主体層Aに隣接して隣接層Aが、さらに、前記TiC主体層Bに隣接して隣接層Bが形成されるが、隣接層Aおよび隣接層B(なお、以下では、隣接層Aと隣接層Bを総称して、単に、「隣接層」という場合がある。)は、いずれも、平均層厚が2〜15μmの層であって、10原子%以上のTiとともに10原子%以上のCuを含有する層である。なお、本発明においては、隣接層におけるCoの平均含有量を3原子%未満に低減するという観点から、隣接層は平均含有量40原子%以上のTiとともに平均含有量20原子%以上のCuを含有することが肝要である。
前記隣接層においては、接合部材として用いた積層箔(例えば、Cu箔を中間に設けたTi箔/Cu箔/Ti箔というサンドイッチ構造の積層箔)のCu成分の作用により、WC基超硬合金部材からのCoの拡散が抑えられるため、隣接層におけるCoの平均含有量は3原子%未満に低減・抑制される。
その結果、複合部材の隣接層には脆弱なTiCo相が形成されることはなく、また、Coの拡散にともなうWC基超硬合金部材内部の空隙形成による接合界面強度の低下が生じることもないため、すぐれた接合強度を備えた複合部材となる。
なお、隣接層に含有されるCoの平均含有量が3%未満となるのは、接合部材として用いたCu成分の作用によるものであるが、既述のTiC主体層においても、WC基超硬合金部材から拡散してきたW、Cあるいは接合部材の成分であるCuが微量含有されることはあるが、WC基超硬合金部材からの拡散によるCoの含有はほとんど観察されることがなく、これも、接合部材として用いたCu成分の作用によるものであると推測される。
前記隣接層においては、接合部材として用いた積層箔(例えば、Cu箔を中間に設けたTi箔/Cu箔/Ti箔というサンドイッチ構造の積層箔)のCu成分の作用により、WC基超硬合金部材からのCoの拡散が抑えられるため、隣接層におけるCoの平均含有量は3原子%未満に低減・抑制される。
その結果、複合部材の隣接層には脆弱なTiCo相が形成されることはなく、また、Coの拡散にともなうWC基超硬合金部材内部の空隙形成による接合界面強度の低下が生じることもないため、すぐれた接合強度を備えた複合部材となる。
なお、隣接層に含有されるCoの平均含有量が3%未満となるのは、接合部材として用いたCu成分の作用によるものであるが、既述のTiC主体層においても、WC基超硬合金部材から拡散してきたW、Cあるいは接合部材の成分であるCuが微量含有されることはあるが、WC基超硬合金部材からの拡散によるCoの含有はほとんど観察されることがなく、これも、接合部材として用いたCu成分の作用によるものであると推測される。
前記隣接層の平均層厚は、2μm未満であると、隣接層が断続的に形成され、隣接層の間隙からWC基超硬合金部材のCoが拡散し、部分的に脆弱なTiCo相が形成され、また、WC基超硬合金部材内部の空隙形成による接合界面強度の低下が生じ、一方、隣接層の平均層厚が15μmを超える場合には、隣接層内に形成されるTi−Cu金属間化合物の脆性が顕在化し、隣接層内破断を生じやすくなることから、隣接層の平均層厚は、2〜15μmとする。
なお、隣接層には、平均含有量40原子%以上のTiが含有されるとともに、平均含有量20原子%以上のCuも含有されていることにより、WC基超硬合金部材からのCo拡散を抑止する効果が顕著に発揮され、隣接層におけるCoの平均含有量が3原子%未満になるが、隣接層におけるTiの平均含有量が40原子%未満、もしくはCuの平均含有量が20原子%未満になると、WC基超硬合金部材からのCo拡散を抑止する作用が低減され、隣接層におけるCoの平均含有量が3原子%以上となってしまうので、隣接層のTiの平均含有量は40原子%以上、Cuの平均含有量は20原子%以上とする。
また、前記隣接層Aと前記隣接層Bに挟まれる接合層の中央領域には、残存Cu層が存在することが好ましいが、残存Cu層の層厚が50μmを超えると残存Cu層内部での破断が生じやすくなることから、残存Cu層の層厚は50μm以下であることが好ましい。
なお、隣接層には、平均含有量40原子%以上のTiが含有されるとともに、平均含有量20原子%以上のCuも含有されていることにより、WC基超硬合金部材からのCo拡散を抑止する効果が顕著に発揮され、隣接層におけるCoの平均含有量が3原子%未満になるが、隣接層におけるTiの平均含有量が40原子%未満、もしくはCuの平均含有量が20原子%未満になると、WC基超硬合金部材からのCo拡散を抑止する作用が低減され、隣接層におけるCoの平均含有量が3原子%以上となってしまうので、隣接層のTiの平均含有量は40原子%以上、Cuの平均含有量は20原子%以上とする。
また、前記隣接層Aと前記隣接層Bに挟まれる接合層の中央領域には、残存Cu層が存在することが好ましいが、残存Cu層の層厚が50μmを超えると残存Cu層内部での破断が生じやすくなることから、残存Cu層の層厚は50μm以下であることが好ましい。
本発明の複合部材は、例えば、以下に示す方法によって作製することができる。
まず、一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bの、それぞれの接合面にブラスト処理を施して、接合面に歪を導入する前処理を行う。
次いで、一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bとの間に、接合部材であるTi箔とCu箔の積層箔(例えば、Ti箔/Cu箔/Ti箔からなるサンドイッチ構造の積層箔)を挟み込み、これを、真空中、700〜900℃の所定温度に5〜600分間保持し、加圧力0.5〜10MPaの条件で加圧し、固相拡散接合することによって、一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bとが接合層を介して接合された複合部材を作製することができる。
ここで、WC基超硬合金部材の接合面に、歪を導入する前処理を行ったことにより、接合時にWCとTiとの反応が促進され、700〜900℃という比較的低温条件下でも均一な反応が実現され、TiC主体層と隣接層が所定の層厚で形成され、また、隣接層Aと隣接層Bに挟まれた接合層のほぼ中央部に残存Cu層を残留形成することも可能である。
まず、一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bの、それぞれの接合面にブラスト処理を施して、接合面に歪を導入する前処理を行う。
次いで、一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bとの間に、接合部材であるTi箔とCu箔の積層箔(例えば、Ti箔/Cu箔/Ti箔からなるサンドイッチ構造の積層箔)を挟み込み、これを、真空中、700〜900℃の所定温度に5〜600分間保持し、加圧力0.5〜10MPaの条件で加圧し、固相拡散接合することによって、一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bとが接合層を介して接合された複合部材を作製することができる。
ここで、WC基超硬合金部材の接合面に、歪を導入する前処理を行ったことにより、接合時にWCとTiとの反応が促進され、700〜900℃という比較的低温条件下でも均一な反応が実現され、TiC主体層と隣接層が所定の層厚で形成され、また、隣接層Aと隣接層Bに挟まれた接合層のほぼ中央部に残存Cu層を残留形成することも可能である。
本発明の複合部材は、例えば、一方のWC基超硬合金部材Aを切刃部側とし、他方のWC基超硬合金部材Bを工具基体とすることにより切削工具を構成することができる。
つまり、複合部材の一方のWC基超硬合金部材Aを、切刃部側であるcBN焼結体の裏打ち材とし、他方のWC基超硬合金部材Bを工具基体(台金)とすることにより、cBN切削工具を形成することができる。
つまり、複合部材の一方のWC基超硬合金部材Aを、切刃部側であるcBN焼結体の裏打ち材とし、他方のWC基超硬合金部材Bを工具基体(台金)とすることにより、cBN切削工具を形成することができる。
本発明の複合部材の接合層の測定方法として、走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分光器を用いて、接合層を縦断面観察し、WC基超硬合金部材と接合層の界面を中心として、界面に垂直な方向±100μmの範囲内において元素マッピングを行う。マッピングの結果からWC、Co、金属W、TiC、TiCu相、Ti、Cuの各々の存在箇所を特定すると共に、WCとCoが存在する箇所を超硬合金部材、金属WとTiCが存在する箇所をTiC主体層、TiとCuが各々10原子%以上存在する箇所を隣接層、主として金属Cuが存在する箇所を残存Cu層とする。
WC基超硬合金部材同士の突き合わせ面に垂直な直線を1μm以上の間隔で10本引き、これら直線が各層を横断する距離を平均することにより各層の厚さを求める。また、マッピング結果から画像処理によりTiC主体層および隣接層を分離、抽出すると共に、TiC主体層内のTiC相が占める面積割合を求めることができる。更に、隣接層内で互いに1μm以上離れた点10点の点組成分析を行い、その平均値から隣接層内のTi、CuおよびCoの平均含有量を求めることができる。
なお、TiC主体層には、Cuがほとんど含有されないことを確認している。
WC基超硬合金部材同士の突き合わせ面に垂直な直線を1μm以上の間隔で10本引き、これら直線が各層を横断する距離を平均することにより各層の厚さを求める。また、マッピング結果から画像処理によりTiC主体層および隣接層を分離、抽出すると共に、TiC主体層内のTiC相が占める面積割合を求めることができる。更に、隣接層内で互いに1μm以上離れた点10点の点組成分析を行い、その平均値から隣接層内のTi、CuおよびCoの平均含有量を求めることができる。
なお、TiC主体層には、Cuがほとんど含有されないことを確認している。
本発明は、一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bを、接合部材としてTi箔とCu箔の積層箔を用い、固相拡散接合によって形成した接合層を介して接合した複合部材であって、該接合層は、TiC主体層と、平均含有量40原子%以上のTiと平均含有量20原子%以上のCuを含有し、かつ、Coの平均含有量が3原子%未満である隣接層と、好ましくは残存Cu層からなり、かつ、脆弱なTiCo層を形成することなく、Co拡散による界面強度の低下を防止し、さらに、複合部材全体にわたっての熱膨張係数を制御することによって内部残留応力をできるだけ小さくしていることから、一方のWC基超硬合金部材A−接合層−他方のWC基超硬合金部材B間ですぐれた接合強度を有し、その結果、複合部材全体としての強度も向上し、複合部材に高負荷が作用したような場合でも、接合層部分での破断を生じることはない。
したがって、上記複合部材から構成される切削工具は、切刃に高負荷が作用する重切削加工に供した場合であっても、接合層部分からの破断を生じることはないため、長期の使用に亘って、すぐれた切削性能を発揮する。
したがって、上記複合部材から構成される切削工具は、切刃に高負荷が作用する重切削加工に供した場合であっても、接合層部分からの破断を生じることはないため、長期の使用に亘って、すぐれた切削性能を発揮する。
つぎに、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
なお、以下に記載する実施例は、本発明の一つの態様であって、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
なお、以下に記載する実施例は、本発明の一つの態様であって、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
原料粉末として、いずれも0.5〜1μmの平均粒径を有するWC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr3C2粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度1400℃、保持時間1時間の条件で焼結し、表1に示される4種のWC基超硬合金焼結体(以下、単に「超硬合金」と云う)A−1〜A−4を形成した。
次に、cBN焼結体の原料粉末として、いずれも0.5〜4μmの範囲内の平均粒径を有するcBN粉末、TiN粉末、TiCN粉末、TiB2粉末、TiC粉末、AlN粉末、Al2O3粉末を用意し、これら原料粉末を所定の配合組成で配合し、ボールミルで24時間アセトンを用いて湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で直径15mm×厚さ1mmの寸法をもった圧粉体にプレス成形した。
ついで、前記超硬合金A−1〜A−4を、直径15mm×厚さ2mmのサイズの焼結体とし、これを、cBN焼結体の焼結時の裏打ち材とし、裏打ち材上に前記cBN圧粉体を表2に示す組合せで積層し、ついでこの積層体を、超高圧発生装置を用いて、温度:1300℃、圧力:5.5GPa、時間:30分の条件で焼結し、複合焼結体B−1〜B−4を作製した。
複合焼結体B−1〜B−4のcBN焼結体の組成について、cBN焼結体断面研磨面のSEM観察結果の画像分析によりcBNの面積%を容量%として求めた。
cBN以外の成分については、主結合相およびその他の結合相を構成している成分を確認するに止めた。その結果を表2に示す。
ついで、前記超硬合金A−1〜A−4を、直径15mm×厚さ2mmのサイズの焼結体とし、これを、cBN焼結体の焼結時の裏打ち材とし、裏打ち材上に前記cBN圧粉体を表2に示す組合せで積層し、ついでこの積層体を、超高圧発生装置を用いて、温度:1300℃、圧力:5.5GPa、時間:30分の条件で焼結し、複合焼結体B−1〜B−4を作製した。
複合焼結体B−1〜B−4のcBN焼結体の組成について、cBN焼結体断面研磨面のSEM観察結果の画像分析によりcBNの面積%を容量%として求めた。
cBN以外の成分については、主結合相およびその他の結合相を構成している成分を確認するに止めた。その結果を表2に示す。
次に、表3に示されるTi箔/Cu箔/Ti箔からなる積層箔等を接合部材として用意した。
次いで、超硬合金A−1〜A−4と複合焼結体B−1〜B−4の間に、表3に示される接合部材を挿入介在させ、表4に示す条件、即ち、1〜50μmの厚さのTi箔/Cu箔/Ti箔からなる積層箔を接合部材とし、1×10−3Pa以下の真空中、700〜900℃の範囲内の所定温度に5〜600分間保持し、0.5〜10MPaの加圧力を付加した条件、で複合焼結体と超硬合金を加圧接合し、表6に示す本発明複合部材1〜9を作製した。なお、複合焼結体はcBN焼結体が外面、裏打ち材が内面となるよう、即ち裏打ち材であるWC基超硬合金と工具基体(台金)であるWC基超硬合金が接合部材を介し接合するように配置した。
比較のために、表3に示される接合部材を用い、これを、超硬合金A−1〜A−4と複合焼結体B−1〜B−4の間に介在装入し、表5に示す条件で、複合焼結体と超硬合金を加圧接合し、表8に示す比較例複合部材1〜10を作製した。複合焼結体の接合配置は本発明複合部材と同様とした。
高温せん断強度測定試験:
上記で作製した本発明複合部材1〜9及び比較例複合部材1〜10について、接合部の強度を測定するためにせん断強度測定試験を行った。
試験に使用する試験片は、上記で作製した本発明複合部材1〜9及び比較例複合部材1〜10から、複合焼結体:1.5mm(W)×1.5mm(L)×0.75mm(H)、WC基超硬合金基体(台金):1.5mm(W)×4.5mm(L)×1.5mm(H)のサイズとなるように切り出してせん断強度測定用試験片とした。
試験片の上下面をクランプで把持固定し、1辺が1.5mmの超硬合金からなる角柱状の押圧片を用い、雰囲気温度を600℃として、試験片の上面略中心付近に荷重を加え、試験片が破断する荷重を測定した。
表6、表7に、測定されたせん断強度の値を示す。
上記で作製した本発明複合部材1〜9及び比較例複合部材1〜10について、接合部の強度を測定するためにせん断強度測定試験を行った。
試験に使用する試験片は、上記で作製した本発明複合部材1〜9及び比較例複合部材1〜10から、複合焼結体:1.5mm(W)×1.5mm(L)×0.75mm(H)、WC基超硬合金基体(台金):1.5mm(W)×4.5mm(L)×1.5mm(H)のサイズとなるように切り出してせん断強度測定用試験片とした。
試験片の上下面をクランプで把持固定し、1辺が1.5mmの超硬合金からなる角柱状の押圧片を用い、雰囲気温度を600℃として、試験片の上面略中心付近に荷重を加え、試験片が破断する荷重を測定した。
表6、表7に、測定されたせん断強度の値を示す。
また、本発明複合部材1〜9及び比較例複合部材1〜10について、WC基超硬合金と接合部の縦断面の組成分析を、走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分光器を用いて行った。
WC基超硬合金部材と接合層の界面を中心として、界面に垂直な方向±100μmの範囲内において、元素マッピングを行い、WC相、Co相、TiC相、金属W相、TiCu相および金属Cu相を特定するとともに、超硬合金部材、TiC主体層、隣接層、残存Cu層を特定した。隣接層はTi及びCuを各々10原子%以上含有する層を隣接層として特定した。
元素マッピングの結果から、TiC主体層におけるTiC相が占める面積割合を測定した。
また、TiC主体層については、該層を超硬部材側層、中央層、隣接層側層と厚さ方向に三等分し、元素マッピング結果から各層における金属W相の面積割合を求めた。
さらに、TiC主体層、隣接層および残存Cu層の層厚を求めた。
隣接層内で互いに1μm以上離れた点10点の点組成分析を行い、その平均値から隣接層内のTi、CuおよびCoの平均含有量を求めた。
なお、Cu含有量が90原子%を超えて含有される接合層の中央部分領域を、残存Cu層として特定した。
表6、表8に、TiC主体層A、隣接層A、残存Cu層、ならびにせん断強度結果を示す。
表7、表9にTiC主体層B、隣接層Bの測定結果を示す。なお、本発明複合部材1〜4および比較例複合部材1〜4、10についてはTiC主体層Aと隣接層A、およびTiC主体層Bと隣接層Bが実質的に同等であったため、TiC主体層Bと隣接層Bの記載は省略した。
WC基超硬合金部材と接合層の界面を中心として、界面に垂直な方向±100μmの範囲内において、元素マッピングを行い、WC相、Co相、TiC相、金属W相、TiCu相および金属Cu相を特定するとともに、超硬合金部材、TiC主体層、隣接層、残存Cu層を特定した。隣接層はTi及びCuを各々10原子%以上含有する層を隣接層として特定した。
元素マッピングの結果から、TiC主体層におけるTiC相が占める面積割合を測定した。
また、TiC主体層については、該層を超硬部材側層、中央層、隣接層側層と厚さ方向に三等分し、元素マッピング結果から各層における金属W相の面積割合を求めた。
さらに、TiC主体層、隣接層および残存Cu層の層厚を求めた。
隣接層内で互いに1μm以上離れた点10点の点組成分析を行い、その平均値から隣接層内のTi、CuおよびCoの平均含有量を求めた。
なお、Cu含有量が90原子%を超えて含有される接合層の中央部分領域を、残存Cu層として特定した。
表6、表8に、TiC主体層A、隣接層A、残存Cu層、ならびにせん断強度結果を示す。
表7、表9にTiC主体層B、隣接層Bの測定結果を示す。なお、本発明複合部材1〜4および比較例複合部材1〜4、10についてはTiC主体層Aと隣接層A、およびTiC主体層Bと隣接層Bが実質的に同等であったため、TiC主体層Bと隣接層Bの記載は省略した。
次に、本発明複合部材1〜9及び比較例複合部材1〜10からなる切削工具を作製し、切削加工における破断発生の有無を調査した。
複合部材からなる切削工具は、以下のように作製した。
前記で作製した複合焼結体B−1〜B−4を、平面形状:開き角80°の一辺が4mmの二等辺三角形×厚さ:2mmの寸法に切断した。続いて、前記超硬合金A−1〜A−4を、平面形状:12.7mmの内接円で開き角80°の菱形×厚さ:4.76mmの寸法の焼結体とし、この焼結体の上下平行面の内、何れかの面の1角を、研削盤を用いて上記複合焼結体の形状に対応した大きさの切欠きを形成した。この切欠きの底面の面積は2.96mm2であり、側面の面積は4.89mm2である。次いで、超硬合金A−1〜A−4と複合焼結体B−1〜B−4の間に、表3に示される接合部材を挿入介在させ、表4に示す条件で複合焼結体とWC基超硬合金を加圧接合し、この複合部材を外周研磨加工後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNGA120408のインサート形状を有する、本発明切削工具1〜9を作製した。
なお、複合焼結体はcBN焼結体が外面、裏打ち材が内面となるよう、即ち、裏打ち材と工具基体(台金)が接合部材を介し接合するように配置した。
また、これら本発明切削工具1〜9の接合部は表6に示す本発明複合部材1〜9と実質的に同様であることを確認した。
同様に、前記で作製した複合焼結体B−1〜B−4と、前記で作製した超硬合金A−1〜A−4の間に、表3に示す接合部材を挿入介在させ、表5に示す条件で加圧接合し、比較例切削工具1〜10を作製した。
また、これら比較例切削工具1〜10の接合部は表8に示す比較例複合部材1〜10と実質的に同様であることを確認した。
複合部材からなる切削工具は、以下のように作製した。
前記で作製した複合焼結体B−1〜B−4を、平面形状:開き角80°の一辺が4mmの二等辺三角形×厚さ:2mmの寸法に切断した。続いて、前記超硬合金A−1〜A−4を、平面形状:12.7mmの内接円で開き角80°の菱形×厚さ:4.76mmの寸法の焼結体とし、この焼結体の上下平行面の内、何れかの面の1角を、研削盤を用いて上記複合焼結体の形状に対応した大きさの切欠きを形成した。この切欠きの底面の面積は2.96mm2であり、側面の面積は4.89mm2である。次いで、超硬合金A−1〜A−4と複合焼結体B−1〜B−4の間に、表3に示される接合部材を挿入介在させ、表4に示す条件で複合焼結体とWC基超硬合金を加圧接合し、この複合部材を外周研磨加工後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNGA120408のインサート形状を有する、本発明切削工具1〜9を作製した。
なお、複合焼結体はcBN焼結体が外面、裏打ち材が内面となるよう、即ち、裏打ち材と工具基体(台金)が接合部材を介し接合するように配置した。
また、これら本発明切削工具1〜9の接合部は表6に示す本発明複合部材1〜9と実質的に同様であることを確認した。
同様に、前記で作製した複合焼結体B−1〜B−4と、前記で作製した超硬合金A−1〜A−4の間に、表3に示す接合部材を挿入介在させ、表5に示す条件で加圧接合し、比較例切削工具1〜10を作製した。
また、これら比較例切削工具1〜10の接合部は表8に示す比較例複合部材1〜10と実質的に同様であることを確認した。
つぎに、前記各種の切削工具をいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、本発明切削工具1〜9、比較例切削工具1〜10について、以下に示す浸炭焼き入れ鋼の乾式高速切削試験を行い、刃先脱落および破断部の場所を観察した。
被削材:JIS・SCM415(硬さ:58HRc)の丸棒、
切削速度:280 m/min.、
切り込み:0.4 mm、
送り:0.2 mm/rev.、
切削時間:18分、
(通常の切削速度は、150m/min)、
表10に、切削試験結果を示す。
被削材:JIS・SCM415(硬さ:58HRc)の丸棒、
切削速度:280 m/min.、
切り込み:0.4 mm、
送り:0.2 mm/rev.、
切削時間:18分、
(通常の切削速度は、150m/min)、
表10に、切削試験結果を示す。
表6、表8に示されるせん断強度の値から、本発明複合部材1〜9は、比較例複合部材1〜10に比して、すぐれた接合強度を有することが分かる。
また、表10に示される結果から、本発明複合部材1〜9によって構成される本発明切削工具1〜9は、刃先の脱落もなく、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮するのに対して、比較例複合部材1〜10から構成される比較例切削工具1〜10は、切削中に接合部から刃先脱落が生じ、早期に工具寿命に至ることが分かる。
また、表10に示される結果から、本発明複合部材1〜9によって構成される本発明切削工具1〜9は、刃先の脱落もなく、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮するのに対して、比較例複合部材1〜10から構成される比較例切削工具1〜10は、切削中に接合部から刃先脱落が生じ、早期に工具寿命に至ることが分かる。
なお、本実施例においては、インサートを例にとって具体的に説明したが、本発明は、インサートに限られることなく、ドリル、エンドミルなど切刃部と工具本体との接合部をもつすべての切削工具、ビット等の掘削工具に適用可能であることはいうまでもない。
本発明の複合部材は、その接合強度が大であり、この複合部材から作製した切削工具は、各種の鋼や鋳鉄などの高負荷切削加工に使用することができ、しかも、長期に亘って安定した切削性能を発揮するものであるから、切削加工装置の高性能化、並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
Claims (3)
- 一方のWC基超硬合金部材Aと他方のWC基超硬合金部材Bが、接合層を介して接合されている複合部材であって、
(a)一方のWC基超硬合金部材Aに隣接して、TiC相を50面積%以上含有するTiC主体層Aが0.5〜3μmの平均層厚で形成され、
(b)前記TiC主体層Aの接合層中央側に隣接して、平均含有量40原子%以上のTiと平均含有量20原子%以上のCuを含有し、Coの平均含有量が3原子%未満である隣接層Aが2〜15μmの平均層厚で形成されていることを特徴とする複合部材。 - 請求項1に記載の複合部材において、
(a)他方のWC基超硬合金部材Bに隣接して、TiC相を50面積%以上含有するTiC主体層Bが0.5〜3μmの平均層厚で形成され、
(b)前記TiC主体層Bの接合層中央側に隣接して、平均含有量40原子%以上のTiと平均含有量20原子%以上のCuを含有し、Coの平均含有量が3原子%未満である隣接層Bが2〜15μmの平均層厚で形成され、
(c)前記隣接層Aと前記隣接層Bの間に残存Cu層が存在することを特徴とする請求項1に記載の複合部材。 - 請求項1または2に記載の複合部材から構成されていることを特徴とする切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017189540A JP2019063901A (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | 複合部材及び切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019063901A true JP2019063901A (ja) | 2019-04-25 |
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ID=66337097
Family Applications (1)
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| JP2017189540A Pending JP2019063901A (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | 複合部材及び切削工具 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2019063901A (ja) |
-
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- 2017-09-29 JP JP2017189540A patent/JP2019063901A/ja active Pending
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