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JP2019060031A - 炭素短繊維不織布の製造方法 - Google Patents

炭素短繊維不織布の製造方法 Download PDF

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Hiroo Kaji
裕夫 鍛治
憲司 門間
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Abstract

【課題】本発明の課題は、繊維の脱落が発生しにくく、成型加工時の加工性に優れ、強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することである。【解決手段】炭素短繊維とバインダー合成繊維とを含有してなり、湿式抄造法により製造した湿式繊維ウェブを乾燥する炭素短繊維不織布の製造方法において、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに湿式繊維ウェブを接触させながら乾燥することを特徴とする炭素短繊維不織布の製造方法であり、湿式繊維ウェブが、ポリイミドフィルムを貼りつけている金属ヒートロール表面とドライヤーカンバスに挟まれた状態で乾燥されることがより好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素短繊維不織布の製造方法に関する。
炭素繊維と樹脂を複合化してなる炭素繊維強化樹脂複合体は、金属材料に匹敵する強度・弾性率を有しながら、金属材料よりも比重が小さいため、部材の軽量化を図ることができ、また、発錆の問題も無く、酸やアルカリにも強いという性質を有していることから、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等で使用されている。
炭素繊維強化樹脂複合体は、長繊維織布、開繊織物、一方向性ウェブ、短繊維不織布等の炭素繊維布帛と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂とを複合させた複合体である。最も一般的な炭素繊維強化樹脂複合体には、長繊維不織布と熱硬化性樹脂とを複合させた複合体であるが、設計が難しい、均質材料ではない、成形加工時間が長い、高価等の課題があった。
これらの課題を解決した炭素繊維強化樹脂複合体として、炭素短繊維を含有する不織布(炭素短繊維不織布)と熱可塑性樹脂とが複合された炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。炭素短繊維不織布が使用されることによって、均質性が高まり、熱可塑性樹脂が使用されることによって、易設計・加工性が得られ、安価であり、さらに、リサイクルが可能となっている。
炭素短繊維不織布が、炭素繊維強化樹脂複合体の基材として使用される場合には、炭素短繊維不織布としての炭素短繊維の含有量が高いことが望ましい。しかし、炭素短繊維不織布の炭素短繊維の含有量が高くなると、炭素短繊維不織布の強度が低下してしまう。その結果、炭素短繊維不織布を取り扱った際に、炭素短繊維不織布表面からの繊維の脱落が発生する問題や、成型加工する工程で、圧力によって炭素短繊維不織布の均一性が損なわれる問題が発生しやすかった。
特開2013−208791号公報 特開2013−202891号公報 特開2011−21303号公報 特開2004−43985号公報 特開2011−194852号公報 特開2014−224333号公報
本発明の課題は、繊維の脱落が発生しにくく、成型加工時の加工性に優れ、強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することである。
上記課題は、下記発明によって解決することができる。
(1)炭素短繊維とバインダー合成繊維とを含有してなり、湿式抄造法により製造した湿式繊維ウェブを乾燥する炭素短繊維不織布の製造方法において、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに湿式繊維ウェブを接触させながら乾燥することを特徴とする炭素短繊維不織布の製造方法。
(2)湿式繊維ウェブが、ポリイミドフィルムを貼りつけている金属ヒートロール表面とドライヤーカンバスに挟まれた状態で乾燥されることを特徴とする上記(1)記載の炭素短繊維不織布の製造方法。
本発明によれば、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに湿式繊維ウェブを接触させながら乾燥することによって、湿式繊維ウェブを乾燥する際に、ウェブ表面からの繊維の脱離、湿式抄造ウェブの金属ヒートロール表面への貼りつきによる断紙が無く、効率的に、欠点の少ない強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することができる。さらに、湿式繊維ウェブをポリイミドフィルムを貼りつけている金属ヒートロール表面とドライヤーカンバスに挟んだ状態で乾燥することによって、更に強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することができる。
本発明の炭素短繊維不織布の製造方法では、炭素短繊維とバインダー合成繊維とを含有するスラリーを用いて、湿式抄造法により湿式繊維ウェブを形成する。次に、湿式繊維ウェブを、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールと直接接触させて乾燥させて、炭素短繊維不織布を製造する。
炭素短繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)を原料とするPAN系炭素短繊維、ピッチ類を原料とするピッチ系炭素短繊維が挙げられる。炭素短繊維の繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。また、炭素短繊維の繊維長は1〜30mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。
本発明において、炭素短繊維としてリサイクル炭素短繊維を用いることができる。リサイクル炭素繊維とは、一度成形体として成った炭素繊維と樹脂複合体を、アルゴン、窒素などの不活性ガス中又は水蒸気中で、樹脂成分を焼結除去して得られる材料である。特に過熱水蒸気による焼結方法は、大気下で熱を奪うと水に戻ることから、安価で環境を汚染しない有効な方法である。プリプレグより成る樹脂複合体はアングルプライ積層体など多様な形態をしており、通常は一定サイズに落としてから、焼結処理し、熱硬化性樹脂を除去して、裁断する。この場合、繊維長の異なるリサイクル炭素短繊維が得られる。本発明において、炭素短繊維としてリサイクル炭素短繊維を用いる場合の好ましい繊維長は3〜500mmであり、より好ましくは6〜150mmである。
炭素短繊維不織布中の炭素短繊維の含有量は、好ましくは50〜92質量%であり、より好ましくは60〜90質量%であり、更に好ましくは65〜90質量%である。
バインダー合成繊維は、炭素短繊維が不織布から脱離することを防止し、炭素短繊維不織布に強度を付与するために添加される。バインダー合成繊維としては、非結晶性のポリビニルアルコール(PVA)短繊維、表面が低融点化されている芯鞘ポリエステル繊維、未延伸ポリエステル繊維、ポリカーボネート(PC)繊維、ポリオレフィン繊維、表面が低融点化されているポリオレフィン芯鞘繊維、表面が酸変性ポリオレフィンよりなるポリオレフィン繊維、脂肪族ポリアミド繊維、未延伸ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルケトンケトン繊維等が挙げられる。バインダー合成繊維は、「ステープル」と称されるフィブリル化されていない状態の非フィブリル化短繊維であることが好ましい。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
バインダー合成繊維の融点は60〜260℃であることが好ましく、60〜230℃であることがより好ましく、60〜180℃であることが更に好ましく、80〜160℃であることが特に好ましい。バインダー合成繊維の融点がこの温度範囲であることによって、不織布製造工程における加熱処理によって、結着性が付与され、炭素短繊維不織布に強度が付与される。
バインダー合成繊維の繊維径は3〜40μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。また、バインダー合成繊維の繊維長は1〜20mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。
炭素短繊維不織布中のバインダー合成繊維の含有量は、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは7〜40質量%であり、更に好ましくは7〜30質量%である。
本発明の炭素短繊維不織布を製造する際には、炭素短繊維、バインダー合成繊維に加えて、フィブリル化繊維を併用することができる。フィブリル化繊維を併用することで、湿式繊維ウェブの強度を改善し、製造工程での断紙を防ぐ効果が高まる。また、炭素短繊維やバインダー合成繊維と適度に絡み合い、強度に優れ、繊維の脱落の少ない炭素短繊維不織布を提供することができる。
フィブリル化繊維としては、天然繊維、再生繊維、合成繊維などをフィブリル化してなる繊維が挙げられる。天然繊維としては、木材由来のセルロース繊維、麻、綿、サトウキビなどの非木材由来のセルロース繊維、バイオセルロース繊維、羊毛、絹などが挙げられる。再生繊維としては、溶剤紡糸セルロース繊維やキュプラ繊維が挙げられる。合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリエステル、ポリエステル誘導体、アクリル系重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂からなる繊維が挙げられる。フィブリル化の程度としては、JIS P8121に規定されるカナダ標準濾水度が0〜600mlであることが好ましく、0〜500mlであることがより好ましく、0〜400mlであることが更に好ましい。
炭素短繊維不織布中のフィブリル化繊維の含有量は、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%、更に好ましくは3〜7質量%である。
本発明の炭素短繊維不織布の製造法によって製造される炭素短繊維不織布は、湿式抄造法で製造される。湿式抄造法では、まず、炭素短繊維、バインダー合成繊維、必要に応じてフィブリル化繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調整されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿式繊維ウェブが得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。また、不織布が2層以上の多層構造の場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿式繊維ウェブを積層する抄き合わせ法や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層とする流延法等で、不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿式繊維ウェブ状態であっても、乾燥状態であってもいずれでも良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造の不織布とすることもできる。
本発明において、炭素短繊維不織布が多層構造である場合、各層の繊維配合が同一である多層構造であっても良く、各層の繊維配合が異なっている多層構造であっても良い。多層構造である場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、不織布の地合いが良くなり、その結果、不織布の地合いの均一性が向上する。また、各層の地合いが不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
本発明の炭素短繊維不織布の製造法において、湿式抄造法の抄紙網で製造された湿式繊維ウェブを、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに接触させながら乾燥させる。具体的には、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールを組み込んだヤンキードライヤー、シリンダードライヤーで乾燥させる。金属ヒートロールの表面にポリイミドフィルムを貼りつけることにより、湿式繊維ウェブ中に含有されるバインダー合成繊維の金属ヒートロールへの貼りつきを防止し、その結果、金属ヒートロールに接した湿式繊維ウェブの面の表面からの繊維の脱落、剥がれを無くすことが可能となる。
湿式繊維ウェブの乾燥の際に、ポリイミドフィルムを貼りつけた金属ヒートロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、炭素短繊維不織布の強度が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿式繊維ウェブを押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃が更に好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは100〜800N/cmである。
さらに、湿式繊維ウェブが、ポリイミドフィルムを貼りつけた金属ヒートロール表面とドライヤーカンバスに挟まれた状態で乾燥されることにより、より強度に優れ、均一性に優れた炭素短繊維不織布を提供することができる。湿式繊維ウェブを金属ヒートロールとドライヤーカンバスを挟んで乾燥することにより、金属ヒートロールから湿式繊維ウェブへ効率的に熱を伝えることが可能となり、炭素短繊維不織布の強度が向上する。
本発明の製造法で製造された炭素短繊維不織布は、熱可塑性樹脂フィルムと積層してなる複合体として提供することが可能である。複合体は、炭素短繊維不織布と熱可塑性樹脂フィルムとを重ね合わせて、加熱処理又は加熱加圧処理することによって、製造することができる。この複合体を熱圧加工(熱プレス加工)することによって、成型品を製造することができる。
熱可塑性樹脂フィルムの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリ1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂等のポリアミド(PA)樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリオキシメチレン(POM)樹脂;ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリエーテルイミド(PEI)樹脂;ポリスルホン(PSF)樹脂;ポリエーテルスルホン(PES)樹脂;ポリケトン樹脂;ポリアリレート(PAR)樹脂;ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂;ポリエーテルケトン(PEK)樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂;ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂;ポリイミド(PI)樹脂;ポリアミドイミド(PAI)樹脂;フッ素(F)樹脂;液晶ポリエステル樹脂等の液晶ポリマー樹脂;ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系又はフッ素系等の熱可塑性エラストマー;又はこれらの共重合体樹脂や変性樹脂;アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中から、1種又は2種以上を用いることができる。燃焼性の観点から、PC、PPS、PEEK、PEI等が好ましい。
アイオノマー樹脂としては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合樹脂のカルボキシル基の一部を金属イオンで中和してなるエチレン系アイオノマー樹脂が挙げられる。カルボキシル基の10モル%以上、好ましくは10〜90モル%を金属イオンで中和したものが使用される。金属イオンとしては、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属;亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属のような多価金属イオンを挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りの無い限り、すべて質量によるものである。
表1記載の「繊維配合」で原料繊維を秤量し、分散濃度0.2質量%、分散時間5分間で分散した後、90メッシュの金属ワイヤーを有した円網抄紙機で、湿式繊維ウェブを形成した。その後、表1記載の「乾燥工程 条件」で湿式繊維ウェブを乾燥し、坪量50g/mの実施例1〜5と比較例1〜3の炭素短繊維不織布を得た。表1において、「PIフィルム有り」は、金属ヒートロールがポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有することを意味する。
Figure 2019060031
「炭素繊維」:ゾルテック社製炭素繊維、繊維径7μm、6mmカット品
「芯鞘PET繊維」:繊維径15μm×5mmカット品(鞘部のガラス転移点72℃)
「PVA繊維」:繊維径11μm×3mmカット品
「ミクロフィブリルセルロース」:ダイセルファインケム社製「セリッシュ(登録商標)KY100G」
実施例及び比較例で製造した炭素短繊維不織布に対して、以下の評価を行い、結果を表2に示した。
(表面状態評価)
25cm×25cmの炭素短繊維不織布における表裏の表面状態を下記指標に従って、目視評価を行った。「2」以上であれば、実用上、使用が可能と判断した。
「4」:表面が滑らかであり、表面を擦っても繊維の脱落が見られない。
「3」:表面の凹凸は、ほとんど見られない。表面を擦っても繊維脱落が、ほとんど見られない。
「2」:表面に窪みが見られる。表面を擦った際に、繊維脱落がわずかに見られる。
「1」:表面に繊維が浮きだった凹凸が見られる。表面を擦った際に、繊維脱落が見られる。
(比強度評価)
幅方向15mm×流れ方向240mmの炭素短繊維不織布を採取して、縦強度測定紙片とし、幅方向240mm×流れ方向15mmの炭素短繊維不織布を採取して、横強度測定紙片とした。得られた縦・横強度測定紙片の引張強度を、JIS P8113(1976)に準拠して、引っ張り速度20mm/minで測定した。縦・横強度(単位:N/15mm)の平均値を坪量で除した値を「比強度」とした。「比強度」としては、実用上、0.40((N/15mm)/(g/m))以上が好ましく、より好ましくは、0.60((N/15mm)/(g/m))以上であり、更に好ましくは、0.65((N/15mm)/(g/m))以上である。
Figure 2019060031
実施例1と比較例1及び2を比較することで、炭素短繊維とバインダー合成繊維とを含有してなる炭素短繊維不織布を製造する際に、湿式抄造法により製造した湿式繊維ウェブを、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに接触させながら乾燥することで、湿式繊維ウェブ表面から繊維の脱離が抑えられ、湿式繊維ウェブの金属ヒートロール表面への貼りつきによる断紙も無く、効率的に、欠点の少ない強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することができることがわかる。
実施例1と比較例3を比較することで、炭素短繊維不織布がバインダー合成繊維を含有し、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに湿式繊維ウェブを接触させながら乾燥することで、強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することができることがわかる。
実施例1と実施例2を比較することで、バインダー合成繊維をPVA繊維から芯鞘PET繊維に変更しても、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに湿式繊維ウェブを接触させながら乾燥することで、欠点の少ない強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することができることがわかる。
実施例1と実施例3を比較することで、バインダー合成繊維と共に、ミクロフィブリル化セルロースを併用し、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに湿式繊維ウェブを接触させながら乾燥することで、表面強度及び不織布全体の強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することができることがわかる。
実施例1と実施例4との比較及び実施例3と実施例5との比較から、湿式繊維ウェブが、ポリイミドフィルムを貼りつけている金属ヒートロール表面とドライヤーカンバスに挟まれた状態で乾燥されることで、より表面強度及び不織布全体の強度に優れた炭素短繊維不織布を提供することができることがわかる。
本発明の炭素短繊維不織布及び複合体は、電子機器材料、電気機器材料、土木材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、各種製造業で使用されるロボット、ロール等の製造部品等に利用可能である。

Claims (2)

  1. 炭素短繊維とバインダー合成繊維とを含有してなり、湿式抄造法により製造した湿式繊維ウェブを乾燥する炭素短繊維不織布の製造方法において、ポリイミドフィルムを貼りつけている表面を有する金属ヒートロールに湿式繊維ウェブを接触させながら乾燥することを特徴とする炭素短繊維不織布の製造方法。
  2. 湿式繊維ウェブが、ポリイミドフィルムを貼りつけている金属ヒートロール表面とドライヤーカンバスに挟まれた状態で乾燥されることを特徴とする請求項1記載の炭素短繊維不織布の製造方法。
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