JP2019058128A - 微粉砕紅茶葉を添加したチョコレートの香味改善方法、および当該方法によって製造されたチョコレート - Google Patents
微粉砕紅茶葉を添加したチョコレートの香味改善方法、および当該方法によって製造されたチョコレート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019058128A JP2019058128A JP2017186343A JP2017186343A JP2019058128A JP 2019058128 A JP2019058128 A JP 2019058128A JP 2017186343 A JP2017186343 A JP 2017186343A JP 2017186343 A JP2017186343 A JP 2017186343A JP 2019058128 A JP2019058128 A JP 2019058128A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chocolate
- flavor
- finely ground
- black tea
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Confectionery (AREA)
Abstract
Description
香り立ちの改良においては、この他に特許文献3のようにチョコレート中の糖組成を工夫したのちに焼成することでカラメル化した香味を付与する方法もある。その他、より簡便にはチョコレートの香味に適合性のあるバニラ、オレンジ、ペパーミント、ストロベリー、ラズベリーなどのフレーバーを添加することも改良の手段として用いられることがある。
(1)微粉砕紅茶葉を配合することを特徴とする、チョコレートの香味改善方法。
(2)チョコレートの製造工程において、平均粒子径が1.0μm以上20.0μm未満の微粉砕紅茶葉をチョコレート中に0.2重量%以上8.0重量%未満添加することを特徴とするチョコレートの製造方法。
(3)次の香気成分グループ(A)、(B)、(C)及び(D)を含有した微粉砕紅茶葉であり、
(A)グリーン系の香調を有する成分である(Z)-3-へキセン-1-オール、n-ヘキサノール、(Z)-3-へキセン-1-オールアセテート、(E)-2-へキセン-1-アール、ヘキサナール
(B)ウッディシトラス系の香調を有する成分であるβ-ミルセン、D-リモネン、(Z)-β-オシメン、(E)-β-オシメン、p-シメン、α-テルピネオール
(C)フルーティフラワリー系の香調を有する成分であるリナロールオキシド類(フラノイド)、リナロールオキシド類(ピラノイド)、メチルサリシレート、リナロール、ホトリエノール、シトラール、ネロール、ゲラニオール
(D)フローラル系の香調を有する成分であるベンズアルデヒド、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、β-ダマセノン、β-シクロシトラール、α-イオノン、β-イオノン、(Z)-ジャスモン、5,6-エポキシ-β-イオノン
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS分析法)にて分析した際の各グループ内ピークエリア合計の比が、[(B)/{(A)+(C)+(D)}] が0.04以上である微粉砕茶紅茶葉を添加することを特徴とするチョコレートの製造方法。
(4)平均粒子径が1.0μm以上20.0μm未満の微粉砕紅茶葉を、チョコレート中に0.2重量%以上、8.0重量%未満含有することを特徴とする香り立ちが改善されたチョコレート。
(5)前記記載の微粉砕紅茶葉が次の香気成分を含有することを特徴とする(4)に記載のチョコレート。
(A)グリーン系の香調を有する成分である(Z)-3-へキセン-1-オール、n-ヘキサノール、(Z)-3-へキセン-1-オールアセテート、(E)-2-へキセン-1-アール、ヘキサナール
(B)ウッディシトラス系の香調を有する成分であるβ-ミルセン、D-リモネン、(Z)-β-オシメン、(E)-β-オシメン、p-シメン、α-テルピネオール
(C)フルーティフラワリー系の香調を有する成分であるリナロールオキシド類(フラノイド)、リナロールオキシド類(ピラノイド)、メチルサリシレート、リナロール、ホトリエノール、シトラール、ネロール、ゲラニオール
(D)フローラル系の香調を有する成分であるベンズアルデヒド、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、β-ダマセノン、β-シクロシトラール、α-イオノン、β-イオノン、(Z)-ジャスモン、5,6-エポキシ-β-イオノン
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS分析法)にて分析した際の各グループ内ピークエリア合計の比が、[(B)/{(A)+(C)+(D)}] が0.04以上
を提供するものである。
〈微粉砕紅茶葉〉
本発明の微粉砕紅茶葉に使用する茶葉としては、チャノキ(学名:Camellia sinensis)の葉や茎などの摘採物を原料として加工された紅茶葉である。詳しくは、ツバキ目、ツバキ科、ツバキ属の常緑樹である前述の「チャノキ」の中国種(Var. sinensis)やアッサム種 (Var.assamica)又はそれらの雑種から得られる茶葉から発酵工程を経て製茶されたものであり、ダージリン、アッサム、ニルギリ、ディンブラ、ウバ、ヌアラエリア、ケニア、キーモン等が挙げられ、1種あるいは2種以上の茶葉をブレンドして原料として使用できる。また、やぶきた、べにほまれ、べにひかり、べにふじ、べにふうきなどの品種から加工された日本産紅茶葉を使用してもよい。これら茶葉はいずれも使用可能ではあるが、後段で説明する香気成分組成であることが好ましく、ダージリンや日本産紅茶にその特徴が得られやすく好適である。また、使用する茶葉を焙煎して利用しても良い。
本発明で用いる微粉砕紅茶葉の粉砕方法については、所定の粒子径をもった粉末が得られれば特に限定されるものではなく、一般的に知られる粉砕機、例えば気流式粉砕機、機械式粉砕機、ボールミル、石臼等を用いて微粉末化すればよい。粉砕方式は、乾式粉砕、湿式粉砕、凍結粉砕があり特には限定されない。
微粉砕紅茶葉の粒子径は平均粒子径が1.0μm以上20.0μm未満であることが好ましく、3.0μm以上15.0μm以下であることがより好ましく、4.0μm以上10.0μm以下であることが更に好ましい。平均粒子径が1.0μm未満の場合は製造時に茶葉が舞いやすく、製造装置への付着が多くなるなど作業性が悪くなる。平均粒子径が30.0μm以上の場合は、ざらつき感や渋みが残りやすく、チョコレートの香味改善には不適である。
本発明における微粉砕紅茶葉を添加するチョコレートとは、いわゆるカカオ豆を原料として出来るチョコレート類であればその形態は問わない。つまりは、カカオ分に対し、糖類、乳製品、他の食用油脂、香料を加えたミルクチョコレートであっても、乳製品を含まないスイートチョコレートやビターチョコレートであっても、更にはカカオバターと乳製品等からなるホワイトチョコレート、またココアのような液状の形態であっても効果を得ることができる。また、それらチョコレート類の加工品、ナッツ類やパフ、ビスケット、オレンジなどと組み合わせたものやボンボン、プラリネのようなペースト状のものを内包したような形態についても同様に効果を得ることができる。
前述のように本発明の効果はチョコレート類の組成によって制限は受けないが、好ましくはカカオ分が20%〜80%のチョコレート類、より好ましくはカカオ分が30%〜70%のチョコレート類である。カカオ分が豊富である場合はもちろん効果を感じることができるが、カカオ分がそれほど高くない場合にもカカオ由来の香味が強化されたことを実感できる。
本発明の微粉砕紅茶葉はチョコレートに添加する際、微粉砕紅茶葉から特に加工することなく添加・配合してよい。一般にチョコレートに固形物を練りこむ際にはリファイニングと呼ばれる微粉砕工程を通じて他の固形物と粒度を合わせるという段階を経る。チョコレート生地は20μm程度までリファイニング工程で細かくするが、本発明で使用する微粉砕紅茶葉は平均粒子径20μm以下と非常に粒度が細かいため、テンパリング工程で混ぜ込んだとしてもざらつきは感じず、効率よく混ぜ込むことができる。つまりは、本発明の微粉砕紅茶葉を添加するにあたっては、通常のチョコレート製造に適した公知手法を適宜選択することが可能であり、製造手法には限定されない。
本発明に使用する微粉砕紅茶葉は、茶ポリフェノール、カフェイン、没食子酸を含有するが、本発明におけるチョコレートに対する効果はこれらの成分によるものではないため、特にこれらによって制限されない。茶ポリフェノール、カフェインの分析条件は、本明細書の実施例に記載する。
本発明でいう(A)グリーン系の香調を有する成分とは(Z)-3-へキセン-1-オール、n-ヘキサノール、(Z)-3-へキセン-1-オールアセテート、(E)-2-へキセン-1-アール、ヘキサナールを表す。
本発明でいう(B)ウッディシトラス系の香調を有する成分とはβ-ミルセン、D-リモネン、(Z)-β-オシメン、(E)-β-オシメン、p-シメン、α-テルピネオールを表す。
本発明でいう(C)フルーティフラワリー系の香調を有する成分とはリナロールオキシド類(フラノイド)、リナロールオキシド類(ピラノイド)、メチルサリチレート、リナロール、ホトリエノール、シトラール、ネロール、ゲラニオールを表す。
本発明でいう(D)フローラル系の香調を有する成分とはベンズアルデヒド、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、β-ダマセノン、β-シクロシトラール、α-イオノン、β-イオノン、(Z)-ジャスモン、5,6-エポキシ-β-イオノンを表す。
微粉砕紅茶葉の香気成分は、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS分析法)にて分析し、各々の香気成分のピークエリアを(A)〜(D)のグループ毎に合計した結果として評価する。本発明における茶葉中の前記香気成分のピークエリアとは、固相マイクロ抽出法(Solid Phase Micro Extraction:SPME)を用いたガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS分析法)で得られる値を採用する。詳細な条件は本明細書の実施例の項に記載する。
後述の実施例1〜19の官能評価についてはチョコレートを5名の専門パネラーに試食してもらい実施した。試食に使用するチョコレートについては15℃に冷蔵したチョコレートを室温で30分置いたものとし、室温は25℃で実施した。
フードプロセッサーで粉砕した茶葉を約150mgずつ秤量し、100mLメスフラスコに移した後、80%メタノール(v/v)を40mL加え、30分間超音波抽出を行った。次いで、1M塩酸0.4mLを加えて超純水で仮定容し、室温に戻るまで静置後、超純水で100mLに定容した。その抽出液を親水性PTFEフィルター(アドバンテック(株)製,DISMIC−13HP;0.45μm)でろ過し、ろ液の2mL以降を測定用試料液とした。
茶ポリフェノールの定量は「日本食品標準成分表2015年度版(七訂)分析マニュアル・解説」(文部科学省科学技術・学術政策局政策課資源室監修、建帛社2016年2月)のp242-243に記載の酒石酸鉄吸光光度法に従って行った。なお、定量用標準物質には没食子酸エチル(東京化成工業(株)製)を用い、調製溶液には1M塩酸を0.4%添加した32%メタノール(v/v)を用いた。また、本発明において茶ポリフェノールは茶に含まれるポリフェノールのことであり、タンニンや茶タンニン等の用語と同義に扱う。
カフェインの定量はHPLC分析法により次の条件で行った。
・標準物質:カフェイン(関東化学(株)製)
・装置:Alliance HPLCシステム(ウォーターズ社製)
・カラム:Poroshell 120 EC‐C18(4.6×100mm,粒子径2.7μm、アジレント社製)
・カラム温度:40℃
・移動相:A液0.05%リン酸水/アセトニトリル=1000/25(体積比)、B液メタノール
・グラジエントプログラム:0〜1分(B液0%)、1〜11分(B液0〜33%)、11〜11.25分(B液33〜95%)、11.25〜13.25分(B95%)、13.25〜13.5分(B液95〜0%)、13.5〜15.5分(B液0%)
・流速:1.5mL/min
・検出:UV275nm
カテキン類の定量はHPLC分析法により次の条件で行った。
・標準物質:EGCg(エピガロカテキンガレート)、EGC(エピガロカテキン)、ECg(エピカテキンガレート)、EC(エピカテキン)、GCg(ガロカテキンガレート)、GC(ガロカテキン)、Cg(カテキンガレート)、C(カテキン)(三井農林(株)製)
・装置:Alliance HPLCシステム(ウォーターズ社製)
・カラム:Poroshell 120 EC‐C18(4.6×100mm,粒子径2.7μm、アジレント社製)
・カラム温度:40℃
・移動相:A液0.05%リン酸水/アセトニトリル=1000/25(体積比)、B液メタノール
・グラジエントプログラム:0〜1分(B液0%)、1〜11分(B液0〜33%)、11〜11.25分(B液33〜95%)、11.25〜13.25分(B液95%)、13.25〜13.5分(B液95〜0%)、13.5〜15.5分(B液0%)
・流速:1.5mL/min
・検出:UV230nm
フードプロセッサーで粉砕した茶葉200mgおよび塩化ナトリウム3gを20mLバイアルに入れ、水10mL(内部標準物質としてシクロヘプタノール(東京化成工業(株)製)を終濃度で500ppbとなるように添加)を加えた。このサンプル液について固相マイクロ抽出法(Solid Phase Micro Extraction:SPME)を用いたGC/MS分析に供した。評価は各香気成分のピークエリアと内部標準物質のピークエリアの比によって求めた。
GC:TRACE GC ULTRA(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
MS:TSQ QUANTUM XLS(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
SPMEファイバー:50/30μm Divinylbenzene/Carboxen/Polydimethylsiloxane Stableflex
抽出:60℃、30分
カラム:SUPELCO WAX10(0.25mmI.D.×60m×0.25μm、シグマアルドリッチ社製)
オーブンプログラム:40℃で2分間保持した後、160℃まで3℃/分で昇温し、その後280℃まで10℃/分で昇温
キャリアーガス:ヘリウム(100kPa、一定圧力)
インジェクター:スプリットレス、240℃
イオン化:電子イオン化
イオン化電圧:70eV
ジェットミル((株)セイシン企業製)にて平均粒子径4.5μm粉砕した各産地(アッサム、日本産、ディンブラ、ウバ、ダージリン)の微粉砕紅茶葉をチョコレートに配合し、それぞれの香味について官能評価を実施した。それぞれの香味の評価基準としては、比較例1の微粉砕茶葉が入っていないチョコレートをコントロールとして、味と香りを表2に従って評価実施した。
なお、比較例1および実施例1〜4は一般で販売されているカカオマス、砂糖、ココアバターを公知の方法で調整したものである。すなわち、カカオマスとココアバターを湯煎にて40℃〜50℃で溶解し、砂糖、微粉砕紅茶葉を加え、テンパリング(攪拌しながら26℃〜28℃に冷却、約32℃に加温を繰り返す)工程を実施したのち、冷蔵庫で冷却するという手順でチョコレートとした。表1にそれぞれの組成をまとめた。
また、微粉砕紅茶葉に換えて紅茶抽出物を上記同様にチョコレートに配合したもの(実施例3で使用した同一茶葉から得られた抽出物を茶葉換算量として4重量%相当となるように添加)を比較例2として評価を実施した。
各実施例において甘味よりも苦味の評価点が上回ったものを○とし、甘味の評価点が上回ったもののうち、評価点の差が、0.5未満のものを△、0.5以上のものを×として、味の判定とした。
香りについてはコメントとは別に、総合的にカカオ感が強まったと感じられるものを○、変わらないものを△、弱まったと感じられるものは×として香りの判定とした。これら味と香りの判定結果より、下記に示す総合判定基準に基づいて、味と香り、即ち香味の総合判定とした。この総合判定については表3で示す。
<総合判定基準>
味が○かつ香りが○・・・◎
味および香りのうちどちら一方が○、他方が△・・・○
味が△かつ香りが△・・・△
味および香りのどちらかが×・・・×
下記表4のように比較例1を基本として微粉砕紅茶葉の配合量を振ったチョコレートを作製し、効果が確認できる濃度についてざらつきと香味の官能評価で検討した。官能評価としては、比較例1に比べカカオ由来の香味が強化されているものは○、わずかに強化されていると感じる場合には△、効果が感じられない場合には×とした。ざらつきは、違和感を感じないものは○、少しざらつきを感じる場合には△、ざらつきを強く感じる場合には×とした。また、総合評価として両方が○の場合は◎とし、×が一つ以上ある場合には×、それ以外は○とした。
表4より、微粉砕紅茶葉でカカオ由来の香味を強化しながらも、ざらつきを感じない範囲としては0.2重量%から8.0重量%未満であることが確認できた。さらに0.2重量%では効果が微弱であり、8.0重量%では茶葉の香味が強めに出てしまうことを加味すると好適な範囲は0.5重量%から6.0重量%であることが確認できた。また、10.0重量%まで配合量を上げると、ざらつきもさる事ながらカカオバターが少ないこともあり、チョコレート自体が硬く固まり作製も難しくなるという傾向が明らかとなった。
平均粒子径4.5μm、11.8μm、13.7μm、19.1μmの微粉砕紅茶葉アッサム4品を使用してチョコレートを作製し、粒子径によって効果に変化があるかどうかをざらつきと香味の官能評価で検討した。4.5μmはジェットミル((株)セイシン企業製)、11.8μmおよび19.1μmはエアータグミル(ミクロパウテック(株))、13.7μmはACMパルペライザ(ホソカワミクロン(株)製)を用いて製造した。
各微粉砕を使用したチョコレートは表4の実施例10(微粉砕紅茶葉配合量4.0重量%)と同等の組成で作製した。ざらつきと官能評価の評価基準は試験例2と同等で実施した。
結果として、表5より平均粒子径の大きさで香味の効果は大きな違いはなかったが、粒子が粗くなった場合にはざらつきを感じることがあり、チョコレート本来の滑らかさが失われる可能性が確認された。
試験例1で確認された微粉砕紅茶葉中のポリフェノール等の抽出成分によって、カカオ由来の香味の強化度合いに影響を及ぼすのかを確認した。微粉砕紅茶葉由来の成分を確認するため微粉砕紅茶葉単体でのポリフェノール、カテキン類、カフェインの抽出成分と香気成分の分析を実施した。茶葉の抽出成分と香気成分の分析方法は、前記<茶ポリフェノールおよびカフェイン測定用試料液の調製方法>、<茶ポリフェノールの測定方法>、<カフェインの分析条件>、<カテキン類の分析条件>、<香気成分の分析方法>に基づき実施した。 結果を表6に示した。まず、ポリフェノール量が多い、実施例19の日本産、実施例20のダージリン、実施例22のウバを比較した場合、どれもカカオ由来の香味強化効果は得られているが、日本産、ダージリンのほうが、ウバよりも効果が得られていることが確認できた。
次に香気成分の分析結果と比較した。前記の区分に分け検証したところ、(B)のウッディシトラス系の香調と(D)のフローラル系の香調にカカオ由来の香味強化効果が見られたが、茶葉ごとにトータルのピーク面積量も異なるため他の香気との比率も参照した。その結果、(B)ウッディシトラス系香気成分に対する(A)グリーン系香気成分と(C)フルーティフラワリー系香気成分と(D)フローラル系香気成分の合計の比[(B)/{(A)+(C)+(D)}] がより高い値を示す、実施例19の日本産、実施例20のダージリンにカカオ由来の香味強化効果が見られた。
即ち、本発明のカカオ由来の香味の強化は、特許文献2のように抽出成分であるポリフェノール、カテキン類、カフェイン等よりも、茶葉が持つ香気、特に(B)ウッディシトラス系の香調を有する成分が関係し、さらには(B)ウッディシトラス系香気成分に対する(A)グリーン系香気成分と(C)フルーティフラワリー系香気成分と(D)フローラル系香気成分の合計の比[(B)/{(A)+(C)+(D)}]がより深く関係していることが確認できた。
(B)のウッディシトラス系の香気成分をチョコレートに配合し、同様にカカオ由来の香味の強化効果が発揮されるのかについて検証した。配合するウッディシトラス系の香気成分には比較的ピーク面積が大きかったβ-ミルセンを使用した。各配合は下記表7に示した。評価は官能評価によって比較例1よりもカカオ由来の香味が強化されているかと人工的な異味の2点で実施した。なお、人工的な異味についてはここでは薬品感と表現した。カカオ由来香味が強化されたかの判定基準としては、比較例1よりもカカオ由来の香味が強く感じられれば○、やや強く感じられれば△、感じられなければ×とした。薬品感の基準については、チョコレート以外の違和感のある香りを感じなければ○、少し感じる程度であれば△、強く感じる程度であれば×とした。さらに2項目を合わせて総合評価も実施した、両方が○であれば◎、×が一つでもあれば×とし、それ以外は○とした。
結果は表7に示した通り、β-ミルセンにはカカオ由来香味を強化する効果があるとみられるが、香味のバランスを考えると微粉砕紅茶として含有させる、もしくは両方合わせて使用する形がベストであるということが確認された。
飲料状態での効果についても確認するため、下記表8に示す調整ココアを作製し、カカオ由来の香味が強化しているかどうか官能評価実施した。評価は、作製した調整ココア15gを140mlの熱湯で溶解したものを試飲し、コントロールに比べカカオ由来の香味が強化しているかどうかという質問項目で実施した。
微粉砕紅茶葉はアッサム、平均粒子径4.5μmを使用した。微粉砕紅茶葉を配合していないものを比較例3とした。
結果としては、5名のパネラー全員がカカオ由来の香味をより強く感じたと評価しており、液状の形態であっても試験例1と同様にカカオ由来の香味が強化されていることが確認できた。
Claims (5)
- 微粉砕紅茶葉を配合することを特徴とするチョコレートの香味の改善方法。
- チョコレートの製造工程において、平均粒子径が1.0μm以上20.0μm未満の微粉砕紅茶葉をチョコレート中に0.2重量%以上8.0重量%未満添加することを特徴とするチョコレートの製造方法。
- 次の香気成分グループ(A)、(B)、(C)及び(D)を含有した微粉砕紅茶葉であり、
(A)グリーン系の香調を有する成分である(Z)-3-へキセン-1-オール、n-ヘキサノール、(Z)-3-へキセン-1-オールアセテート、(E)-2-へキセン-1-アール、ヘキサナール
(B)ウッディシトラス系の香調を有する成分であるβ-ミルセン、D-リモネン、(Z)-β-オシメン、(E)-β-オシメン、p-シメン、α-テルピネオール
(C)フルーティフラワリー系の香調を有する成分であるリナロールオキシド類(フラノイド)、リナロールオキシド類(ピラノイド)、メチルサリチレート、リナロール、ホトリエノール、シトラール、ネロール、ゲラニオール
(D)フローラル系の香調を有する成分であるベンズアルデヒド、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、β-ダマセノン、β-シクロシトラール、α-イオノン、β-イオノン、(Z)-ジャスモン、5,6-エポキシ-β-イオノン
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS分析法)にて分析した際の各グループ内ピークエリア合計の比が、[(B)/{(A)+(C)+(D)}] が0.04以上である微粉砕茶紅茶葉を添加することを特徴とするチョコレートの製造方法。 - 平均粒子径が1.0μm以上20.0μm未満の微粉砕紅茶葉を、チョコレート中に0.2重量%以上8.0重量%未満含有することを特徴とする香り立ちが改善されたチョコレート。
- 前記記載の微粉砕紅茶葉が次の香気成分を含有することを特徴とする請求項4に記載のチョコレート。
(A)グリーン系の香調を有する成分である(Z)-3-へキセン-1-オール、n-ヘキサノール、(Z)-3-へキセン-1-オールアセテート、(E)-2-へキセン-1-アール、ヘキサナール
(B)ウッディシトラス系の香調を有する成分であるβ-ミルセン、D-リモネン、(Z)-β-オシメン、(E)-β-オシメン、p-シメン、α-テルピネオール
(C)フルーティフラワリー系の香調を有する成分であるリナロールオキシド類(フラノイド)、リナロールオキシド類(ピラノイド)、メチルサリチレート、リナロール、ホトリエノール、シトラール、ネロール、ゲラニオール
(D)フローラル系の香調を有する成分であるベンズアルデヒド、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、β-ダマセノン、β-シクロシトラール、α-イオノン、β-イオノン、(Z)-ジャスモン、5,6-エポキシ-β-イオノン
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS分析法)にて分析した際の各グループ内ピークエリア合計の比が、[(B)/{(A)+(C)+(D)}] が0.04以上である
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017186343A JP6683662B2 (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 微粉砕紅茶葉を添加したチョコレートの香味改善方法、および当該方法によって製造されたチョコレート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017186343A JP6683662B2 (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 微粉砕紅茶葉を添加したチョコレートの香味改善方法、および当該方法によって製造されたチョコレート |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019058128A true JP2019058128A (ja) | 2019-04-18 |
| JP6683662B2 JP6683662B2 (ja) | 2020-04-22 |
Family
ID=66175638
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2017186343A Active JP6683662B2 (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 微粉砕紅茶葉を添加したチョコレートの香味改善方法、および当該方法によって製造されたチョコレート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6683662B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020262454A1 (ja) * | 2019-06-25 | 2020-12-30 | 株式会社明治 | 油脂性菓子及びその製造方法 |
| JP2021042162A (ja) * | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 三井農林株式会社 | 肌質改善剤 |
| DE112020001475T5 (de) | 2019-03-26 | 2021-12-16 | Autonetworks Technologies, Ltd. | Metallmaterial und Anschlussklemme |
| CN114588083A (zh) * | 2022-02-28 | 2022-06-07 | 湖南农业大学 | 一种大叶种红茶香水及其制备方法 |
| JP2023097506A (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-10 | 三井農林株式会社 | 酸味成分配合飲料の香味改善方法 |
-
2017
- 2017-09-27 JP JP2017186343A patent/JP6683662B2/ja active Active
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE112020001475T5 (de) | 2019-03-26 | 2021-12-16 | Autonetworks Technologies, Ltd. | Metallmaterial und Anschlussklemme |
| WO2020262454A1 (ja) * | 2019-06-25 | 2020-12-30 | 株式会社明治 | 油脂性菓子及びその製造方法 |
| JP2021003022A (ja) * | 2019-06-25 | 2021-01-14 | 株式会社明治 | 油脂性菓子及びその製造方法 |
| JP2021042162A (ja) * | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 三井農林株式会社 | 肌質改善剤 |
| JP7309276B2 (ja) | 2019-09-11 | 2023-07-18 | 三井農林株式会社 | 肌質改善剤 |
| JP2023097506A (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-10 | 三井農林株式会社 | 酸味成分配合飲料の香味改善方法 |
| CN114588083A (zh) * | 2022-02-28 | 2022-06-07 | 湖南农业大学 | 一种大叶种红茶香水及其制备方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP6683662B2 (ja) | 2020-04-22 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6683662B2 (ja) | 微粉砕紅茶葉を添加したチョコレートの香味改善方法、および当該方法によって製造されたチョコレート | |
| JP5679615B1 (ja) | 茶飲料及びその製造方法並びに容器詰緑茶飲料の甘渋味調整方法 | |
| WO2017030187A1 (ja) | インスタント発酵茶飲料用組成物及びその製造方法 | |
| CN102753030B (zh) | 饮料用原料茶的制造方法 | |
| JP5679614B1 (ja) | 容器詰緑茶飲料及びその製造方法並びに容器詰緑茶飲料の濃度感向上方法 | |
| Adhikary et al. | Green tea processing by pan-firing from region-specific tea (Camellia sinensis L.) cultivars-a novel approach to sustainable tea production in Dooars region of North Bengal | |
| JP5707530B1 (ja) | 容器詰緑茶飲料及びその製造方法並びに容器詰緑茶飲料の苦渋味抑制方法 | |
| JP5368652B1 (ja) | 茶葉及びその製造方法 | |
| JP7227747B2 (ja) | 茶葉の製造方法 | |
| Xu et al. | Improving the quality of fermented black tea juice with oolong tea infusion | |
| EP3409129A1 (en) | Soybean milk having controlled green smell, and method for producing same | |
| JP2008306980A (ja) | インスタント粉末茶 | |
| JP6525492B2 (ja) | ウーロン茶飲料及びその製造方法 | |
| JP2019140930A (ja) | 茶類抽出物 | |
| JP7653823B2 (ja) | 茶葉の香味改善方法 | |
| JP4912923B2 (ja) | コーヒー配合飲食品用組成物 | |
| JP2018108109A (ja) | ウーロン茶飲料、ウーロン茶飲料の製造方法、及び油脂感が低減する感覚等の持続性向上方法 | |
| JP6018261B1 (ja) | のどごし感に優れた高濃度茶由来粒子含有容器詰め茶飲料 | |
| JPWO2018150571A1 (ja) | 茶飲料 | |
| JP6607538B2 (ja) | 容器詰乳含有焙じ茶飲料及びその製造方法 | |
| JP2011120585A (ja) | 茶系製品 | |
| CN111676112A (zh) | 饮料伴侣的用途及饮料或饮料酒和制备方法 | |
| JP6161342B2 (ja) | コーン茶の製造方法 | |
| JP6789618B2 (ja) | 酸味劣化の抑制された容器詰コーヒー飲料 | |
| JP5820033B1 (ja) | 微粉砕焙じ茶葉含有豆乳飲料の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181211 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191119 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200117 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200319 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200326 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6683662 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |