以下、添付図面に示す画像形成装置に関する実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
本実施例では、図17に示すようにローラ軸1上にローラ部2を一体成形したローラ部材を一例とし、このローラ部材を製造するためのローラ部材金型、ローラ軸、あるいは一体成形の手法などにつき説明する。図17ではローラ軸1上の2個所にローラ部2を一体成形してある。このようなローラ部材は、複写機やプリンタなどのシート材(紙、プラスチックシートなど)を搬送するローラ部材として用いることができる。
図1は、本実施例においてローラ軸1上にローラ部2を一体成形して構成されたローラ部材12の断面構造を示している。図2は、図1のローラ部材12の全体を斜視図により示している。また、図3は本発明のローラ部材12の一体成形に使用するローラ軸1の構造を斜視図により示している。なお、図1において、一点鎖線はローラ軸1の(回転)中心を示している(後述の他の断面図でも同様)。
図1〜図3において、1はローラ軸、2はローラ部でありそれぞれ後述するような成形材料によって構成される。ローラ部2は、後述するような手法でローラ軸1の外周に摩擦材を構成可能な成形材料によって一体成形される。ローラ部2の外周部はシート材などを搬送するための摩擦面を構成し、ローラ部2の両端部はローラ部2の外周部へと立ち上る平面部3、3となっている(第1の平面部および第2の平面部)。
本実施例のローラ軸1では、ローラ部2の平面部3、3に対応する部位にそれぞれフランジ部4、4(第1および第2のフランジ部)を設けている。このフランジ部4、4は、ローラ軸1を成形する際、ローラ軸1の外形よりも大きな直径で、また所定の厚みでローラ軸1の全周にわたってローラ軸1と一体に形成される。このフランジ部4、4は一体成形後のローラ部材12において、図1に示すようにローラ部2に向かって食い込んでいる食い込み部5、5を形成する。
ローラ軸1には、特にローラ部2の下部(基台ないし台座部分)のローラ軸1の肉厚を薄くするため、肉抜き部6が形成してある(図1、図3)。肉抜き部6は、ローラ軸1の成形時に形成することができる。また、肉抜き部6は、ローラ軸1のローラ部2を除く部分にも形成することができる(図2、図3あるいは図17)。肉抜き部6を形成することにより残った部分は例えば図示のようなリブ構造となる。ローラ部2の下部の肉抜き部6には、ローラ部2に連続してローラ部2と同じ成形材料が充填される。これによりローラ部2とローラ軸1が堅固に結合され、ローラ部2がローラ軸1上で滑るような問題を回避できる。
また、図1に示すように、本実施例ではローラ軸1のフランジ部4、4がローラ部2に食い込んで(5、5)一体成形されているために隙間がなく、軸方向の位置精度が良いという作用がある。さらには隙間なく一体成形されて径方向の寸法が金型で決まるため精度が良好であり、後加工で研磨などを行う必要がない。
さらに、図1、図2のように構成したローラ部材12を一般的なシート材などの搬送用のローラ部材として使用する場合、ローラ部2の全体がその直径方向に圧縮されるような圧接力が働く。このような圧接力は、例えば複写機やプリンタなどの内部に配置された例えばスプリングなどを用いた付勢手段により発生される。一方、本実施例のローラ部材12では、図1に示すように、フランジ部4、4の食い込み部5、5においては、ローラ部の他の部分に比較して直径方向のローラ部2の肉厚がフランジ部4、4の径方向高さ分だけ小さくなっている点にひとつの特徴がある。このような構造によってフランジ部4、4(食い込み部5、5)上部のローラ部2では、上記圧接力に抗する反発力が他の部分よりも大きくなる。このため、本実施例のローラ部材12では、フランジ部4、4を設けない従来構造に比して搬送に必要なグリップ力が増加し、搬送性能を向上できる、という効果がある。
次に、図1、図2に示したローラ部材12を製造するためのローラ部材金型、ローラ部材の製造方法などについて図4〜図8を参照して説明する。図4は、本実施例のローラ成形用金型の構成例を断面図形式で示している。図4の状態は、金型を開き、金型内にローラ軸1をインサート(挿入、載置)した状態である。なお、ローラ軸1は、図3に示すような肉抜き部6や、ローラ部(2)の台座に相当する部位に上記のフランジ部4、4を有する形状に別途、他の金型を用いて射出成形されているものとする。
図4において、7はローラ部2の外周部を画成する第1の金型面を備えた第1の金型部材である。また、8はローラ部2の一方の平面部(3:第1の平面部)を画成する第2の金型面を備えた第2の金型部材、9はローラ部2のもう一方の平面部(3:第2の平面部)を画成する第3の金型面を備えた第3の金型部材である。
本実施例では、成形材料の注入口10は第2の金型部材8に設けてある。図4の型閉めしていない状態では、フランジ部4と第2の金型部材8および第3の金型部材9との間のそれぞれの境界部11には隙間がある状態となっている。
なお、第1〜第3の金型部材7〜9のうち、任意の金型部材については、型開きやローラ部材12の取り出しなどの都合で必要に応じて複数の部位に分割できる(例えば金型中心で2分割、など)。後述の図7、図8においては、金型部材7〜9の分割構造の一例を示す。
しかしながら、上記の第1の金型部材7、第2の金型部材8、第3の金型部材9のような金型分割の構造はあくまでも一例で、ローラ部2の射出成形が可能であれば金型分割の構造は当業者が任意に変更してよい。どのような金型分割構造であれ、本実施例において本質的に必要な金型面は、少なくとも以下の3つである(それぞれの箇条書きの最後の括弧書きは本実施例の第1〜第3の金型部材との関係を示す)。
(1)ローラ部2の外周部を画成する第1の金型面(第1の金型部材7)
(2)ローラ部2の外周部へ立ち上る第1の平面部(3)を画成する第2の金型面(第2の金型部材8)
(3)ローラ部2の外周部へ立ち上る第2の平面部(3)を画成する第3の金型面(第3の金型部材9)
本実施例のローラ部2の一体成形は、上記の第1〜第3の金型面を画成する金型中にローラ軸1をインサート、型閉めし、ローラ軸1の周囲に成形材料を注入(注型)してローラ部2をローラ軸1に一体成形する製造方法に相当する。
図5は、図4の金型を型閉めし、成形材料を注入する前の状態を断面図形式で示している。図5の状態は、ローラ軸1のインサート工程が完了した状態に相当する。
上述のように、金型中にインサートされているローラ軸1は、第1および第2の平面部3、3に対応する部位にそれぞれ第1および第2のフランジ部4、4を備えている。そして、第1の金型部材7、第2の金型部材8、第3の金型部材9により画成されるキャビティ形状(ないしローラ軸1の形状)は、ローラ軸1をインサートし型閉めした時、ローラ軸1と金型面が次のような当接状態を形成するよう構成してある。
即ち、この当接状態とは、ローラ軸1の第1および第2のフランジ部4、4に第2の金型面(第2の金型部材8)および第3の金型面(第3の金型部材9)がそれぞれ当接し密着するよう金型中にローラ軸1がインサートされた状態である。
あるいはさらに、次のような当接状態を形成するのがより好適である。即ち、第1および第2のフランジ部4、4に第2の金型面(第2の金型部材8)および第3の金型面(第3の金型部材9)が接触するだけではなく、左右のフランジ部4、4をそれぞれ内側に弾性(あるいは塑性)変形する程度に押し込む当接状態を形成する。
上記金型のインサート、型閉め時に、以上のような当接状態を形成するのは、金型、特に第2の金型部材8、第3の金型部材9により画成されるキャビティ形状と、ローラ軸1、特に第1および第2のフランジ部4、4との寸法設定によって実現できる。
上記金型のインサート、型閉め時に、上記のような当接状態を形成することにより、第1および第2のフランジ部4、4に第2の金型面(第2の金型部材8)および第3の金型面(第3の金型部材9)を密着させることができる。これにより、ローラ部2とローラ軸1の境界部11の部位における隙間を完全になくすことができる。
ローラ部2の平面部3、3の基部の部位に相当するローラ部2とローラ軸1の境界部11は、例えばローラ軸1のローラ部2以外の部分へと成形材料が漏れる経路になり得る。しかしながら、本実施例では、ローラ軸1に第1および第2のフランジ部4、4を設けておりに第2の金型面(第2の金型部材8)および第3の金型面(第3の金型部材9)を密着させるよう構成している。このため、後述の成形材料の注入時に成形材料のローラ軸1のローラ部2以外の部分へ成形材料が漏れるのを効果的に防止できる。
図6は、図5のインサート、型閉め終了後、注入口10からローラ部2を形成する成形材料を注入した状態を断面図形式で示している。図6では、ローラ部2を形成する成形材料はハッチングにより図示してある。注入口10を介して注入された成形材料は、図6に示すように第1〜第3の金型部材7〜9により画成されたキャビティ(空隙)中に注入され、これによりハッチングにより示すようにローラ部2およびローラ軸の肉抜き部6に充填される。
本実施例では、上記のように金型のキャビティ形状とローラ軸1の各部の寸法設定によって、第1および第2のフランジ部4、4に第2の金型面(第2の金型部材8)および第3の金型面(第3の金型部材9)がそれぞれ当接し密着する状態が形成されている。あるいはさらに、第2、第3の金型面(第2、第3の金型部材8、9)が左右のフランジ部4、4の一部をそれぞれ内側に弾性(あるいは塑性)変形する程度に押し込むような当接状態を形成する。これにより、ローラ部2とローラ軸1の境界部11の部位の隙間が完全に遮蔽される。従って、充填した成形材料がこの境界部11から漏れたり、バリとして残ったりすることがなく、後加工などを必要とせずに一体(射出)成形のみによって良質なローラ部材12を得ることができる。
図7、図8は、図4〜図6に示したローラ部材金型を用いてローラ軸1に対してローラ部2を一体(射出)成形する成形装置100の構成例を断面図形式で示している。
なお、図7、図8の構成では、第2の金型部材は注入口10の形状が上部のブッシュ10aから成形材料を注入できるよう、ほぼL字型となっている点や、各金型部材の寸法は多少、図4〜図6の状態とは異なる。
また、図7、図8の構成では、特に図8に明らかなように第1の金型部材7と第3の金型部材9はリング状とされ、両者は一体として成形装置100の移動ステージ101により左右に摺動できるよう構成されている。例えば第1の金型部材7と第3の金型部材9を円環状に構成することにより、ローラ部2の外周面を継ぎ目などを生じることなく一体成形できる。また、図7の第2の金型部材8は例えば上、下の2分割であって、注入口10を含む上半分は図8に示すように型開き時に取り外すことができる。
しかしながら、図7、図8の金型、第1〜第3の金型部材7〜9は、ローラ軸1にローラ部2を一体成形する製造工程に関しては依然として図4〜図6のものと機能的に同等である。
図7は、各金型部材を型開きしてローラ軸1をインサートした後、第1〜第3の金型部材7、8、9を型閉めし、成形材料を注入口10から注入した状態に相当する。
また、図8は、その後、型開きした状態に相当する。図8では、第1の金型部材7、第3の金型部材9が成形装置100の移動ステージ101によってローラ軸1の軸方向に沿って図中右方に移動されている。また、上、下の2分割の第2の金型部材8のうち、注入口10を含む上半分は取り外されている。図8のような型開き状態を形成することにより、ローラ軸1上の所定部位にローラ部2を一体成形したローラ部材12を上方に向かって成形装置100から搬出できる。この搬出操作は、作業者の手動操作によって行ってもよく、またロボットハンドなどを用いて行ってもよい。
また、図7、図8に示した金型および成形装置100の構成では、移動ステージ101によって、ローラ軸1に対して第1の金型部材7、第3の金型部材9の位置をローラ軸1の軸方向に摺動させて、任意に制御できる。従って、移動ステージ101によってこの摺動量を調整することで、フランジ部4、4(ないし食い込み部5、5)に対する第2の金型部材8および第3の金型部材9の押し込み量を自由に設定することができる。上記の構成によれば、例えばローラ部2の周囲に漏れやバリなどが生じているような場合においても、移動ステージ101によって型閉め時の第1の金型部材7、第3の金型部材9の位置を調節することによって対応することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、旧来のローラ部の圧入工程などを必要とせずローラ軸(1)にローラ部(2)を一体成形したローラ部材(12)を製造することができる。このため、ローラ部の後付け、圧入方式のように寸法誤差や作業精度に影響されることがなく、また、ローラ外径に不要な力が加わらないために、ローラ部の寸法や位置精度を高精度に保つことができる。また、ローラ軸(1)とローラ部(2)を高い強度で結合することができ、実装後の動作時にローラ部の滑りや変形を生じることなく、高精度にシート材などの対象を搬送することができる。
また、本実施例で用いるローラ軸(1)は、ローラ部(2)の第1および第2の平面部(3、3)に対応する部位にそれぞれ第1および第2のフランジ部(4、4)を備えている。ローラ軸の金型へのインサート、型閉め時には、この第1および第2のフランジ部(4、4)に第2および第3の金型面(金型部材8、9)をそれぞれ当接、あるいはさらに各金型面をフランジ部の一部を半ば変形させる程度まで押し込む。このような第2のフランジ部(4、4)と第2および第3の金型面(金型部材8、9)の当接、ないし押し込み状態は、上記のように各金型部材の形状、寸法によって、また、金型部材を装着する成形装置の型位置の制御によって実現される。特に、図7、図8で説明したように上記の当接、ないし押し込み状態は、成形装置による微調整が可能である。
上記のように第2のフランジ部(4、4)と第2および第3の金型面(金型部材8、9)の当接ないし押し込み状態において、成形材料を金型のキャビティ(空隙)に注入し、ローラ軸にローラ部を一体成形する。このため、本実施例では、注型時にはローラ部(2)とローラ軸(1)の境界部の部位の隙間が完全に遮蔽される。従って、充填した成形材料がこの境界部からローラ軸上の不要な部位に漏れたり、バリとして残ったりすることがなく、後加工などを必要とせず一体成形のみによって樹脂漏れやバリのない良質なローラ部材(12)を得ることができる。
さらに、本実施例によれば、ローラ部材(12)は、ローラ部(2)のそれぞれの平面部(3、3)の部分でローラ軸(1)のフランジ部(4、4)の一部が食い込んだ状態で製造される。このため、例えば、平面部(3、3)の部分におけるローラ部(2)の直径方向の厚みがフランジ部の分だけ薄くなり、圧縮に対する反発力が強くなる。このため、シート材搬送などにおいて付勢部材によりローラ部材(12)を対象物に圧接して用いる用途では、ローラ部(2)両端の平面部(3、3)付近におけるグリップ力が強くなり、結果として搬送不良が起きにくくなる効果がある。
以下、図9〜図12を参照して、本発明におけるローラ部材を製造するためのローラ部材金型、ローラ軸、あるいは一体成形の手法などに関する異なる実施例2につき説明する。図9、図10、図11および図12は、それぞれ実施例1の図1、図4、図5、および図6に相当する。成形装置(ローラ部材の製造装置)については、本実施例においても図7、図8に示したような構成を利用できる。本実施例において、最終的に製造されるローラ部材(12)の外観は、実施例1の図17に示したものと同等である。以下では、上述の実施例1と同一ないし相当する部材には同一の参照符号を用い、その詳細な説明は省略するものとする。
図9は本実施例において、製造されるローラ部材12の断面構造を示している。図示のようにこのローラ部材12では、フランジ部4、4の外側の表面にフランジ部の厚み方向に凹んだ段差形状を有する凹部13、13が形成されている。この段差形状を有する凹部13は、ローラ軸1の射出成形時に形成するのではなく、金型の圧接によって形成する。例えば、段差形状を有する凹部13は、図10〜図12に示すようにローラ部2の第1、第2の平面部3、3を画成する第2および第3の金型面(下記の第2の金型部材8、第3の金型部材9)の型閉め(締め)時の圧接力によって形成される。
なお、段差形状を有する凹部13、13は、ローラ部2の平面部3、3の基部に第2の金型部材8、第3の金型部材9の当接痕として残ることになる。
図10は、本実施例のローラ成形用金型の構成例を断面図形式で示している。図10の状態は、金型を開き、金型内にローラ軸1をインサート(挿入、載置)した状態である。図10と図4を比較すると明らかなように金型の全体的な構成や配置は図4の金型と同等である。また、ローラ軸1の構造は実施例1と同等であり、フランジ部4、4の形状も図4のものとほぼ同じである。
図4の構成では、第2の金型部材8、第3の金型部材9のローラ部2の第1、第2の平面部3、3に相当する部位は、型閉め時にフランジ部4、4の上部にそれぞれ当接する程度の寸法、形状であった(図5)。
これに対して、図10の構成では第2の金型部材8、第3の金型部材9のローラ部2の第1、第2の平面部3、3を画成する第2および第3の金型面は図4のものよりそれぞれキャビティ(空隙)の内側方向に大きく突出している。このような第2の金型部材8、第3の金型部材9を型閉め(締め)してフランジ部4、4に当接させることにより、フランジ部4、4に上記の段差形状を有する凹部13、13が形成される。すなわち、第2の金型部材8、第3の金型部材9のフランジ部4、4の上部に圧接される金型面部位13a、13aの角型の形状に沿ってフランジ部4、4の一部が変形し、段差形状を有する凹部13、13が形成される。
図11は、図10の金型を型閉めし、成形材料を注入する前の状態である。この段階で、上記のような形状の金型を型閉めすると、ローラ軸1のフランジ部4、4の食い込み部5、5を弾性(あるいは塑性)変形させるよう第2の金型部材8と第3の金型部材9の金型面部位13a、13a(図10)が当接、圧縮されることになる。これにより、図示のようにフランジ部4、4の上部のそれぞれ外側に段差形状を有する凹部13、13が形成される。凹部13、13の形状は、第2の金型部材8と第3の金型部材9の形状によって規定されるとともに、あるいはさらに成形装置100の移動ステージ101(図7、図8)の圧接力によっても凹部13、13の変形量を調整できる。
図12は実施例1の図6に相当し、成形材料を注入した状態を示している。この段階では、上記のように、フランジ部4、4を弾性(あるいは塑性)変形させ、凹部13、13が形成される程度の型閉め(締め)状態で第2の金型部材8と第3の金型部材9がローラ軸1に対して圧接されている。このため、食い込み部5、5に対して第2の金型部材8および第3の金型部材9が密着し、境界部11、11における隙間が完全に遮蔽される。従って、この状態で注入口10から成形材料を注入してもこの境界部11、11から充填した成形材料の漏出やバリが発生せず、実施例1と同等、あるいはそれ以上に良質なローラ部材12を得ることができる。
以下、図13〜図16を参照して、本発明におけるローラ部材を製造するためのローラ部材金型、ローラ軸、あるいは一体成形の手法などに関する異なる実施例3につき説明する。本実施例では、実施例2と同様に第2の金型部材8および第3の金型部材9の形状、ないしはその圧接力によって、ローラ軸1のフランジ部4、4に凹部(14、14)を形成する。実施例2と異なるのは、ローラ軸1のフランジ部4、4に形成される凹部(14、14)の形状であり、それ以外の図13〜図16に示したローラ部材金型、ローラ軸、あるいは一体成形の手法の全体は図9〜図12のものとそれぞれ同等である。なお、以下では、上述の実施例1ないし2と同一ないし相当する部材には同一の参照符号を用い、その詳細な説明は省略するものとする。
図13は、本実施例において、製造されるローラ部材12の断面構造を示している。図示のようにこのローラ部材12では、フランジ部4、4の外側の表面にフランジ部の厚み方向に凹んだテーパ形状の凹部14、14が形成されている。このテーパ形状の凹部14、14は、ローラ軸1の射出成形時に形成するのではなく、金型の圧接によって形成する。図14〜図16に示すように、凹部14、14は、実施例2と同等の手法によって形成される。即ち、本実施例においても、フランジ部4、4の凹部14、14は、実施例2と同様、第2の金型部材8、第3の金型部材9の形状、あるいはさらに成形装置100の移動ステージ101の圧接力を利用して形成される。実施例2と異なるのは凹部14、14の形状とこれに対応する第2の金型部材8、第3の金型部材9の形状のみである。
本実施例のテーパ形状を有する凹部14、14は、図14〜図16のようにローラ部2の第1、第2の平面部3、3を画成する第2および第3の金型面(下記の第2の金型部材8、第3の金型部材9)の型閉め(締め)時の圧接力によって形成される。
ただし、本実施例では、図14に示すように、第2の金型部材8、第3の金型部材9のローラ部2の第1、第2の平面部3、3の下部に相当する金型面部位14a、14aはテーパ形状に形成してある。
このため、図15のように各金型を型閉め(締め)した時に、第2の金型部材8、第3の金型部材9の金型面部位14a、14a(図14)により、フランジ部4、4の上部のそれぞれ外側にテーパ形状を有する凹部14、14が形成される。即ち、図15のように各金型を型閉め(締め)すると、ローラ軸1のフランジ部4、4の食い込み部5、5に対して第2の金型部材8と第3の金型部材9の金型面部位14a、14a(図14)が圧接され、テーパ形状の凹部14、14が形成される。凹部14、14の形状は、第2の金型部材8と第3の金型部材9の形状によって規定されるとともに、あるいはさらに成形装置100の移動ステージ101(図7、図8)の圧接力によっても凹部14、14の変形量を調整できる。
なお、テーパ形状を有する凹部14、14は、ローラ部2の平面部3、3の基部に第2の金型部材8、第3の金型部材9の当接痕として残ることになる。
図16は実施例1の図6(あるいは実施例2の図12)に相当し、成形材料を注入した状態を示している。この段階では、上記のように、フランジ部4、4を弾性(あるいは塑性)変形させ、凹部14、14が形成される程度の型閉め(締め)状態で第2の金型部材8と第3の金型部材9がローラ軸1に対して圧接されている。このため、食い込み部5、5に対して第2の金型部材8および第3の金型部材9が密着し、境界部11、11における隙間が完全に遮蔽される。従って、この状態で注入口10から成形材料を注入してもこの境界部11、11から充填した成形材料の漏出やバリが発生せず、実施例1と同等、あるいはそれ以上に良質なローラ部材12を得ることができる。
また、本実施例では、金型面部位14a、14a(図14)ないし凹部14、14の形状に角部のないテーパ形状を採用しているため、フランジ部4、4の断面積を大きくでき、例えば型閉め時のフランジ部4、4の割れや欠けを防止することができる。
以下、具体的な寸法数値などを参照しつつ、ローラ部材の一体成形の具体例をいくつか示す。
(ローラ部材の一体成形の具体例(1))
ここでは、上記実施例1で説明した図1〜図3のローラ部材12を図4〜8に示したローラ部材金型ないし製造方法によって成形する場合の具体例につき示す。
ローラ部材12の形状、金型および成形条件などは以下の通りである。例えば、ローラ部材12のローラ軸1は直径Φ6mm、長さ70mm程度とする。また、ローラ部2を一体成形する一体成形部の直径はΦ10mm程度とする。一体成形するローラ部2は外径Φ14mm、内径Φ10mm、肉厚2mm、長さ10mm程度とし、1本のローラ軸に対してローラ部を1個、一体成形するものとした。さらに、ローラ部2を一体成形するローラ軸1の台座部(一体成形部)の両側、ローラ部2の平面部3、3にほぼ相当する位置に幅0.4mm、外径Φ10.6mmのフランジ部を2か所に形成した(高さはほぼ0.3mm)。以上のようなローラ軸1は、上述のように他の金型を用いて一体成形とは別途、射出成形などにより製造する。
ここで、成形装置100の移動ステージ101によって、ローラ軸1に設けたフランジ部4、4に対して、第2の金型部材と第3の金型部材を接触するのみならず、フランジ部4、4を弾性(ないし塑性)変形させる程度の圧接力を印加した。例えば、成形装置100の移動ステージ101によって、第2の金型部材と第3の金型部材のローラ軸1の軸方向の押し込み量がそれぞれ0.02mm程度となるように設定して密着させた。
ローラ軸1の材質は例えばPET樹脂(例えばライナイト(商標名))とし、あらかじめ別の金型で成形する。ローラ部2の材料は例えばスチレン系エラストマー樹脂(例えばアクティマー(商標名))でJIS硬度A60°程度のものを使用した。
金型各部は、図4〜図6に示したような概略構成で、注入口10からの1点ゲート、コールドランナー方式とした。成形装置100に設定した成形条件は、樹脂温度設定200℃、金型冷却媒体温度30℃程度とし、保圧60MPaで成形を行った。この実例では、ローラ部2の成形サイクルは約40秒であった。
上記条件で製造したローラ部材12ではローラ軸1とローラ部2の同軸精度が0.05mm以下、ローラ部の外径精度は±0.1mm以下、ローラ部の軸方向位置精度は±0.05mm以下と良好であり、樹脂漏れやバリがなく安定した成形を行うことができた。
さらに、上記の条件で製造したローラ部材12をシート材などの搬送用のローラ部材として圧接力を印加して用いた場合、上述のようにローラ部2両端の平面部3、3付近におけるグリップ力が強くなる特性が得られた。これはフランジ部4、4のためにローラ部2の弾性材料の反発力が他の部位よりも大きくなるため、と考えられる。その結果、例えばフランジ部4、4の構造を用いない構成に比して摩擦力値が1.5→2.0と改善し、シート材などの搬送性能を大きく向上することができた。
(ローラ部材の一体成形の具体例(2))
ここでは、上記実施例2で説明した図9のローラ部材12を図10〜図12に示したローラ部材金型ないし製造方法によって成形する場合の具体例につき示す。
ローラ部材12の形状、金型および成形条件などは上記の具体例(1)と同等で、以下の通りである。例えば、ローラ軸1は直径Φ6mm、長さ70mm程度とする。また、ローラ部2を一体成形する一体成形部の直径はΦ10mm程度とする。一体成形するローラ部2は外径Φ14mm、内径Φ10mm、肉厚2mm、長さ10mm程度とし、1本のローラ軸に対してローラ部1個を一体成形するものとした。さらに、ローラ部2を一体成形するローラ軸1の台座部(一体成形部)の両側、ローラ部2の平面部3、3にほぼ相当する位置に幅0.4mm、外径Φ10.6mmのフランジ部を2か所に形成した(高さはほぼ0.3mm)。以上のようなローラ軸1は、上述のように他の金型を用いて一体成形とは別途、射出成形などにより製造する。
実施例1の場合に比べ、実施例2の構成では、より積極的に第2の金型部材8と第3の金型部材9を圧接して金型面部位13a、13aの角型の形状に沿ってフランジ部4、4を弾性(ないし塑性)変形させる。このため、第2の金型部材8と第3の金型部材9のローラ軸1の軸方向の押し込み量は上記の具体例(1)よりも大きく取った。例えば、成形装置100の移動ステージ101によって、第2の金型部材8と第3の金型部材9のローラ軸1の軸方向の押し込み量がそれぞれ0.05mm程度となるように設定して密着させた。
各部の材質は上記の具体例(1)と同等である。即ち、ローラ軸1の材質は例えばPET樹脂(例えばライナイト(商標名))とし、あらかじめ別の金型で成形する。ローラ部2の材料は例えばスチレン系エラストマー樹脂(例えばアクティマー(商標名))でJIS硬度A60°程度のものを使用した。
金型各部は、図10〜図12に示したような概略構成で、注入口10からの1点ゲート、コールドランナー方式とした。成形装置100に設定した成形条件は、樹脂温度設定200℃、金型冷却媒体温度30℃程度とし、保圧60MPaで成形を行った。この実例では、ローラ部2の成形サイクルは約40秒であった。
上記条件で製造したローラ部材12ではローラ軸1とローラ部2の同軸精度が0.05mm以下、ローラ部の外径精度は±0.1mm以下、ローラ部の軸方向位置精度は±0.05mm以下と良好であり、樹脂漏れやバリがなく安定した成形を行うことができた。
さらに、上記の条件による注型時、ローラ部2の平面部3、3の下部に露出するフランジ部4、4に段差形状の凹部13、13が深さ0.03mm程度に形成される程度まで第2の金型部材8および第3の金型部材9が圧接される。これによって、成形時の樹脂漏れをより完全にかつ安定して防止することができた。
(ローラ部材の一体成形の具体例(3))
ここでは、上記実施例3で説明した図13のローラ部材12を図14〜図16に示したローラ部材金型ないし製造方法によって成形する場合の具体例につき示す。
ローラ部材12の形状、金型および成形条件などは上記の具体例(1)、具体例(2)と同等で、以下の通りである。例えば、ローラ軸1は直径Φ6mm、長さ70mm程度とする。また、ローラ部2を一体成形する一体成形部の直径はΦ10mm程度とする。一体成形するローラ部2は外径Φ14mm、内径Φ10mm、肉厚2mm、長さ10mm程度とし、1本のローラ軸に対してローラ部1個を一体成形するものとした。さらに、ローラ部2を一体成形するローラ軸1の台座部(一体成形部)の両側、ローラ部2の平面部3、3にほぼ相当する位置に幅0.4mm、外径Φ10.6mmのフランジ部を2か所に形成した(高さはほぼ0.3mm)。以上のようなローラ軸1は、上述のように他の金型を用いて一体成形とは別途、射出成形などにより製造する。
実施例3の構成では、実施例2と同様、積極的に第2の金型部材8と第3の金型部材9を圧接して金型面部位14a、14aの傾斜したテーパ形状に沿ってフランジ部4、4を弾性(ないし塑性)変形させる。このため、第2の金型部材8と第3の金型部材9のローラ軸1の軸方向の押し込み量は上記の具体例(1)、(2)よりも大きく取った。例えば、成形装置100の移動ステージ101によって、第2の金型部材8と第3の金型部材9のローラ軸1の軸方向の押し込み量がそれぞれ0.1mm程度となるように設定して密着させた。
各部の材質は上記の具体例(1)、(2)と同等である。即ち、ローラ軸1の材質は例えばPET樹脂(例えばライナイト(商標名))とし、あらかじめ別の金型で成形する。ローラ部2の材料は例えばスチレン系エラストマー樹脂(例えばアクティマー(商標名))でJIS硬度A60°程度のものを使用した。
金型各部は、図14〜図16に示したような概略構成で、注入口10からの1点ゲート、コールドランナー方式とした。成形装置100に設定した成形条件は、樹脂温度設定200℃、金型冷却媒体温度30℃程度とし、保圧60MPaで成形を行った。この実例では、ローラ部2の成形サイクルは約40秒であった。
上記条件で製造したローラ部材12ではローラ軸1とローラ部2の同軸精度が0.05mm以下、ローラ部の外径精度は±0.1mm以下、ローラ部の軸方向位置精度は±0.05mm以下と良好であり、樹脂漏れやバリがなく安定した成形を行うことができた。
さらに、上記の条件で製造したローラ部材12では、第2の金型部材8と第3の金型部材9をより強くローラ軸1に密着させるようにしており、テーパ形状の凹部14、14が最深部で深さ約0.1mm程度に形成される。注型時にこのような型締めを行っているため、成形時の樹脂漏れをより完全にかつ安定して防止することができた。また、実施例3の構成によれば、フランジ部4、4に形成される凹部14、14(あるいは金型面部位14a、14a)にテーパ形状を採用しているため、フランジ部4、4が割れたり欠けたりすることがなく、大きな歩留まりの向上を期待できる。