JP2019048498A - 空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の感じる温熱感を正確に判定し、快適な空調を行うことのできる空調装置、を提供する。
【解決手段】空調装置10は、車両の乗員が感じる温熱感を判定する判定部101と、乗員の深部における体温、である深部温度を取得する第1取得部102と、乗員の末梢皮膚における体温、である末梢温度の時間変化を取得する第2取得部103と、末梢温度の時間変化と深部温度とに基づいて、温熱感を補正する補正部104と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】空調装置10は、車両の乗員が感じる温熱感を判定する判定部101と、乗員の深部における体温、である深部温度を取得する第1取得部102と、乗員の末梢皮膚における体温、である末梢温度の時間変化を取得する第2取得部103と、末梢温度の時間変化と深部温度とに基づいて、温熱感を補正する補正部104と、を備える。
【選択図】図1
Description
本開示は、車両に搭載される空調装置に関する。
近年、車室内の温度を予め設定された目標温度に維持するだけでなく、乗員の温熱感を快適に維持するために、よりきめ細やかな制御を行うことのできる空調装置について検討が進められている。例えば下記特許文献1に記載の空調制御装置では、乗員の額及び頬のそれぞれの温度に基づいて当該乗員の代謝量を推定し、推定された代謝量を用いて空調機器の制御を行っている。
本発明者らが検討したところによれば、額や頬等の表面温度が仮に同じであったとしても、人によっては寒いと感じていたり、暑いと感じていたりすることが判明している。つまり、乗員が感じる温熱感は個人差によるばらつきが大きく、特定箇所の体温の測定値のみに基づいて、温熱感を正確に判定することは難しいという知見が得られている。
本開示は、乗員の感じる温熱感を正確に判定し、快適な空調を行うことのできる空調装置、を提供することを目的とする。
本開示に係る空調装置は、車両に搭載される空調装置(10)であって、車両の乗員が感じる温熱感を判定する判定部(101)と、乗員の深部における体温、である深部温度を取得する第1取得部(102)と、乗員の末梢皮膚における体温、である末梢温度の時間変化を取得する第2取得部(103)と、末梢温度の時間変化と深部温度とに基づいて、温熱感を補正する補正部(104)と、を備える。
このような構成の空調装置では、補正部が、予め判定された乗員の温熱感を、当該乗員の深部温度と、末梢温度の時間変化と、の両方に基づいて補正する。深部温度に基づいて温熱感を補正することにより、例えば、深部温度が高めの乗員が感じる温熱感をより「暑い」側に補正することが可能となる。また、末梢温度の時間変化に基づいて温熱感を補正することにより、末梢温度が変化しやすい(つまり所謂「冷え性の」)乗員が感じる温熱感を、例えば冬期においてより「寒い」側に補正することが可能となる。
本開示によれば、乗員の感じる温熱感を正確に判定し、快適な空調を行うことのできる空調装置、が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る空調装置10の構成について、図1を参照しながら説明する。空調装置10は、不図示の車両に搭載され、当該車両の車室内の空調を行うための装置である。空調装置10は、熱画像カメラ110と、空調機構部120と、制御装置100と、を備えている。
熱画像カメラ110は、車室内に存在する物体(人体を含む)の表面温度を、当該物体からの輻射に基づいて検知するセンサである。熱画像カメラ110は、車室内の各部の温度分布を示す画像、すなわち熱画像を生成し、後述の制御装置100へと送信することができる。熱画像カメラ110は、車室内のうち、各座席に着座した全ての乗員を含む熱画像を撮影し得るような位置に設置されている。このような位置としては、例えばインストルメントパネルの上面等が挙げられる。
空調機構部120は、車室内の空調を行うための機構部分である。空調機構部120には、冷凍サイクルを構成する圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器や、空気を送り出すための送風機、吹き出される空調風の向きを調整するためのスイングルーバ等が含まれる。尚、このような空調機構部120の構成としては公知のものを採用し得るので、その具体的な図示や説明については省略する。空調機構部120の動作は制御装置100によって制御される。
制御装置100は、空調装置10の全体の動作を制御するための装置である。制御装置100は、CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムとして構成されている。制御装置100は、熱画像カメラ110で撮影された熱画像に基づいて空調機構部120の動作を制御することにより、車室内の空調を適切に行う。例えば、一部の乗員の表面温度が高くなっていることを示すような熱画像が得られた場合には、当該乗員に向けて低温の空調風を吹き出すよう、空調機構部120の動作を制御する。
制御装置100は、機能的な制御ブロックとして、判定部101と、第1取得部102と、第2取得部103と、補正部104と、空調制御部105と、を有している。
判定部101は、車両の乗員が感じる温熱感を判定する部分である。判定部101は、車両に設けられた不図示のセンサ(例えば車室内温度センサ等)からの情報に基づいて、乗員が感じる温熱感を−5から+5までの数値として算出する。−5は乗員が最も「寒い」と感じているときの温熱感であり、+5は乗員が最も「暑い」と感じているときの温熱感である。判定部101による温熱感の具体的な判定方法としては、例えばSET*(新標準有効温度)やPMV(予測平均温冷感)のような、公知の方法を用いることができる。車室内に複数の乗員が存在する場合には、判定部101はそれぞれの乗員ごとに温熱感を判定する。
第1取得部102は、乗員の深部温度を取得する部分である。「深部温度」とは、乗員の深部、すなわち乗員の体表面よりも内側の部分における体温のことである。本実施形態における第1取得部102は、熱画像カメラ110で撮影された熱画像に基づいて乗員の口の内部の温度を測定し、当該温度を乗員の深部温度として取得する。このような態様に換えて、第1取得部102が、熱画像カメラ110で撮影された熱画像に基づいて乗員の脇の下の温度を測定し、当該温度を乗員の深部温度として取得するような態様であってもよい。
また。乗員の身体に装着されたウェアラブルセンサからの信号に基づいて、第1取得部102が深部温度を取得するような態様であってもよい。例えば、第1取得部102が、乗員の耳に装着された温度センサからの信号に基づいて耳の内部の温度を測定し、当該温度を乗員の深部温度として取得するような態様であってもよい。このように、本実施形態における「深部」とは、乗員の脇の下、口の内部、及び耳の内部のいずれかなのであるが、他の部分の温度が深部温度として取得されてもよい。
乗員の深部温度の測定が車両の外部(例えば乗員の自宅)において予め行われ、当該深部温度を第1取得部102が通信等によって取得するような態様であってもよい。また、乗員の手入力によって入力された数値を、第1取得部102が深部温度として取得するような態様であってもよい。
第2取得部103は、末梢温度の時間変化を取得する部分である。「末梢温度」とは、乗員の末梢皮膚における体温のことである。本実施形態における第2取得部103は、熱画像カメラ110で撮影された熱画像に基づいて乗員の手先(指先)の温度を測定し、当該温度の時間変化を末梢温度の時間変化として取得する。乗員の手先の温度の測定は、ステアリングハンドルに設けられた温度センサによって行われてもよい。
上記のような態様に換えて、第2取得部103が、ウェアラブルセンサからの信号に基づいて乗員の足先の温度を測定し、当該温度の時間変化を末梢温度の時間変化として取得するような態様であってもよい。
補正部104は、第1取得部102で取得された深部温度と、第2取得部103で取得された末梢温度の時間変化と、に基づいて、判定部101で判定された温熱感を補正し出力する部分である。具体的な補正の方法については後に説明する。
空調制御部105は、補正部104から出力された補正後の温熱感に基づいて、空調機構部120の動作を制御する部分である。例えば、乗員の感じる温熱感が+1(少し暑い)と判定された場合には、空調制御部105は、当該乗員に向けて低温の空調風を吹き付けるよう、空調機構部120の動作を制御する。これにより、乗員の感じる温熱感をより快適なものとすることができる。
このような制御を行うに当たっては、乗員の感じる温熱感を判定部101が正確に判定する必要がある。しかしながら、乗員の感じる温熱感は個人差によるばらつきが大きく、単に特定箇所の温度のみに基づくだけでは正確に判定することが難しい。そこで、制御装置100は、以下に説明するような処理を行うことにより、乗員の感じる温熱感を従来よりも正確に判定することとしている。
図2に示される一連の処理は、空調装置10による空調が行われている期間において、所定の周期が経過する毎に、制御装置100によって繰り返し実行されるものである。最初のステップS01では、判定部101によって温熱感を判定する処理が行われる。既に述べたように、判定部101は、SET*等の公知の方法を用いて温熱感を判定する。
ステップS01に続くステップS02では、乗員の身体(具体的には、第2取得部103により末梢温度が取得される部分)における温度変化が生じる状況であるか否かが判定される。「温度変化が生じる状況」としては、例えば、乗員が車両に乗り込んだ直後の状況や、乗員に当たる空調風の温度や風量が変更された直後の状況等が挙げられる。温度変化が生じる状況であると判定された場合には、ステップS03に移行する。
ステップS03では、第2取得部103によって末梢温度の時間変化が取得される。ここでは、1秒間あたりにおける末梢温度の変化量(℃/秒)が取得される。このときの状況は「温度変化が生じる状況」なのであるから、多くの場合、末梢温度は一定とはならず時間の経過とともに変化する。ステップS03で取得される末梢温度の時間変化は、乗員の体温調節機能によって異なる値となる。
ステップS03に続くステップS04では、ステップS03で取得された末梢温度の時間変化に基づいて、補正部104によってパラメータαが決定される。パラメータαは、後述のステップS07において補正部104が温熱感を補正するために用いるパラメータの一つとなっている。
パラメータαを決定する方法について、図3を参照しながら説明する。図3に示されるのは、末梢温度の時間変化の範囲(左欄)と、決定されるパラメータαの値(右欄)との対応関係である。このような対応関係は、予めマップとして設定され、制御装置100が有する不図示の記憶装置に記憶されている。補正部104は、このようなマップを参照することにより、末梢温度の時間変化に対応するパラメータαを決定する。図3に示されるように、末梢温度の時間変化が0のときには、パラメータαは1.0に設定される。末梢温度の時間変化が+側に大きくなると、パラメータαは1.0よりも大きな値に設定される。また、末梢温度の時間変化が−側に大きくなると、パラメータαは1.0よりも小さな値に設定される。このように決定されるパラメータαは、本実施形態における「第2パラメータ」に該当する。
図2に戻って説明を続ける。ステップS04の処理が完了した場合、又は、ステップS02において温度変化が生じる状況ではないと判定された場合には、ステップS05に移行する。尚、後者の場合には、パラメータαの値は1.0に設定される。
ステップS05では、第1取得部102によって乗員の深部温度が取得される。ステップS05に続くステップS06では、ステップS05で取得された深部温度に基づいて、補正部104によってパラメータβが決定される。パラメータβは、上記のパラメータαと共に、後述のステップS07において補正部104が温熱感を補正するために用いるパラメータの一つとなっている。
パラメータβを決定する方法について、図4を参照しながら説明する。図4に示されるのは、深部温度の範囲(左欄)と、決定されるパラメータβの値(右欄)との対応関係である。このような対応関係は、予めマップとして設定され、制御装置100が有する不図示の記憶装置に記憶されている。補正部104は、このようなマップを参照することにより、深部温度に対応するパラメータβを決定する。図4に示されるように、深部温度が36.6℃以上36.8℃未満のときには、パラメータβは0.0に設定される。深部温度が上記範囲よりも高くなると、パラメータβは0.0よりも大きな値(正値)に設定される。また、深部温度が上記範囲よりも低くなると、パラメータβは0.0よりも小さな値(負値)に設定される。このように決定されるパラメータβは、本実施形態における「第1パラメータ」に該当する。
図2に戻って説明を続ける。ステップS06に続くステップS07では、補正部104によって、ステップS01で判定された温熱感を補正する処理が行われる。ステップS01で判定された温熱感の値をXとすると、ステップS07では、以下の式(1)を用いて補正後の温熱感の値が算出される。
補正後の温熱感の値=(X+β)×α・・・・(1)
補正後の温熱感の値=(X+β)×α・・・・(1)
すなわち、補正部104は、深部温度に応じて決定された第1パラメータ(β)をXに加算することにより、ステップS01で判定された温熱感(X)を補正している。その後、補正部104は、上記のように得られた値に対し、末梢温度の時間変化に応じて決定された第2パラメータ(α)を乗算することにより、温熱感を更に補正している。
このような補正が行われる結果、最終的に補正部104から出力される温熱感は、乗員の深部温度が高い程(つまり乗員の基礎的な体温が高い程)高く算出され、乗員の末梢温度の時間変化が大きい程(つまり乗員の体温調整能力が低い程)その変化量が大きく算出される。これにより、乗員の感じる温熱感を、深部温度等の個人差に応じてより正確に判定することが可能となっている。本実施形態に係る空調装置10では、上記の補正により正確に判定された温熱感に基づいて空調の制御を行うことにより、車室内をより快適に保つことが可能となっている。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:空調装置
101:判定部
102:第1取得部
103:第2取得部
104:補正部
101:判定部
102:第1取得部
103:第2取得部
104:補正部
Claims (5)
- 車両に搭載される空調装置(10)であって、
前記車両の乗員が感じる温熱感を判定する判定部(101)と、
前記乗員の深部における体温、である深部温度を取得する第1取得部(102)と、
前記乗員の末梢皮膚における体温、である末梢温度の時間変化を取得する第2取得部(103)と、
前記末梢温度の時間変化と前記深部温度とに基づいて、前記温熱感を補正する補正部(104)と、を備える空調装置。 - 前記末梢皮膚とは前記乗員の手先又は足先の皮膚である、請求項1に記載の空調装置。
- 前記深部とは、前記乗員の脇の下、口の内部、及び耳の内部のいずれかである、請求項1に記載の空調装置。
- 前記補正部は、
前記深部温度に応じて決定された第1パラメータを加算することによって前記温熱感を補正する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空調装置。 - 前記補正部は、
前記末梢温度の時間変化に応じて決定された第2パラメータを乗算することによって前記温熱感を更に補正する、請求項4に記載の空調装置。
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