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JP2019044052A - 吸蔵材及びその製造方法 - Google Patents

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Yuji Inui
祐巳 乾
譲 小林
Yuzuru Kobayashi
譲 小林
竜也 牧野
Tatsuya Makino
竜也 牧野
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Abstract

【課題】吸着材としての樹脂多孔質体に吸蔵対象分子が好適に担持された、吸蔵材を提供する。【解決手段】樹脂多孔質体と、樹脂多孔質体の空孔内に担持された吸蔵対象分子と、を備え、樹脂多孔質体のBET比表面積が200m2/g以上であり、0.1〜400nmの範囲で測定された樹脂多孔質体の空孔径分布がピークを示す空孔径が、2nm以上60nm以下である、吸蔵材。【選択図】なし

Description

本発明は、吸蔵材及びその製造方法に関する。
従来、内部に空孔が形成されている多孔質材料は、軽量、断熱性、遮音性など、優れた特性を有し、極めて広範な分野で利用されている。
また、任意の吸蔵対象分子を、吸着材としての多孔質材料に担持させた吸蔵材が提案されており、さらに、それらを徐放することで効果を持続させる徐放性材料が提案されている。例えば、特許文献1には、親水性多孔質体の細孔内に、液体香料と疎水性物質とを混練させて細孔内に吸蔵させた徐放性香料が開示されている。また、特許文献2には、表層及び/又はその内部にOH基を有する被担持体樹脂粒子に液体香料を担持させた徐放性香料担持樹脂粒子が開示されている。特許文献3には、所定の分子量を有し、ランダム又はブロック共重合ポリエステルからなる生分解性樹脂に、溶融混練、浸漬等で香料を含有させた香料含有徐放性生分解性樹脂組成物が開示されている。
特開平10−17846号公報 特開2003−155496号公報 特開平11−106629号公報
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に記載されている方法では、香料の担持量が不充分であるという問題があった。また、長期間に亘って香料を一定の速度で放出させることができず、放出させる香料濃度(香気の強さ)が時間とともに低下するという問題があった。特許文献3の方法では、香料の放出が極端に遅かったり、内部に存在する香料が十分に放出されず、放出が途中で止まったりするという問題があった。
本発明は、吸着材としての樹脂多孔質体に吸蔵対象分子が好適に担持された、吸蔵材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、空孔径が任意の大きさに制御され、更に、BET比表面積も所定の範囲に制御された樹脂多孔質体に吸蔵対象分子を担持させた吸蔵材が、吸蔵能において優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、第1の態様として、樹脂多孔質体と、樹脂多孔質体の空孔内に担持された吸蔵対象分子と、を備え、樹脂多孔質体のBET比表面積が200m/g以上であり、0.1〜400nmの範囲で測定された樹脂多孔質体の空孔径分布がピークを示す空孔径が、2nm以上60nm以下である、吸蔵材を提供する。
空孔は、好ましくは連通性を有する。
吸蔵材は、好ましくは、フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド化合物との重縮合体を含む。
吸蔵対象分子は、好ましくは、リボフラビンである。
本発明は、第2の態様として、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルデヒド化合物と、吸蔵対象分子とを含む溶媒中で、フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド化合物とを重縮合させて湿潤ゲルを得る工程と、湿潤ゲルから溶媒を除去して、樹脂多孔質体及び樹脂多孔質体の空孔内に担持された吸蔵対象分子を有する吸蔵材を得る工程と、を備える、吸蔵材の製造方法を提供する。
従来、吸着材のような被担持物質に任意の吸蔵対象分子を担持させる場合、混練溶融、あるいは浸漬によって多孔質材料に担持させる方法が一般的である。しかし、この手法では任意の物質を担持材中に均一に分散させることが難しい。さらに、徐放を目的としている場合には、長期間に亘って吸蔵対象分子を一定の速度で放出させることができず、放出させる被担持物質の濃度が時間とともに低下してしまうという問題点がある。また、吸蔵材の製造においては、被担持物質を作製後に別途担持工程が必要であるため、製造コストが増加する。加えて、被担持物質を長期間使用することなく保管する場合、紫外線の影響で被担持物質が劣化するという問題もある。上記の方法によれば、このような問題を回避することができる。
本発明によれば、吸着材としての樹脂多孔質体に吸蔵対象分子が好適に担持された、吸蔵材及びその製造方法を提供することができる。
実施例1〜2の吸蔵材を、紫外可視吸収スペクトルにより経時的に観測したグラフである。縦軸はリボフラビン特有の吸収ピークにおける吸光度である。 樹脂多孔質体の平行透過率測定の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態に係る吸蔵材は、樹脂多孔質体と、樹脂多孔質体の空孔内に担持された吸蔵対象分子と、を備える。樹脂多孔質体は、吸蔵対象分子を担持する吸着材の役割を有する。
樹脂多孔質体は、空孔が形成された樹脂により形成されている。樹脂多孔質体は、好ましくは、フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド化合物との重縮合体を含む。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、及びこれらのヒドロキシメチル化合物又はアルコキシメチル化合物からから選ばれる1種以上を用いることができる。
アルデヒド化合物としては、特に限定されないが、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、へキシルアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルキルアルデヒド、サリチルアルデヒド、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−4−メチルベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド等のヒドロキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒド等のヒドロキシ基とアルコキシ基の両方を有するベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、エトキシベンズアルデヒド等のアルコキシベンズアルデヒド、1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド等のヒドロキシナフトアルデヒド、ブロムベンズアルデヒド等のハロゲン化ベンズアルデヒド、フルフラールからから選ばれる1種以上を用いることができる。
樹脂多孔質体のBET比表面積は、200m/g以上である。BET比表面積は、樹脂多孔質体に吸蔵対象分子をより好適に担持させる観点から、好ましくは300m/g以上であり、より好ましくは400m/g以上であり、更に好ましくは500m/g以上であり、特に好ましくは600m/g以上である。BET比表面積はできる限り大きい方がよいが、例えば、2500m/g以下であってよい。BET比表面積は、BET法により算出できる比表面積のことをいう。
樹脂多孔質体の内部には複数の空孔が形成されている。細孔分析装置を用いることにより、樹脂多孔質体に形成されている空孔の空孔径分布を得ることができる。本実施形態に係る樹脂多孔質体について、空孔径が0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径は、2nm以上60nm以下である。以下、「空孔径が0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径」を、単に「空孔径ピーク」と呼ぶことがある。空孔径ピークは、2nm以上50nm未満であってもよく、好ましくは2nm以上40nm未満、より好ましくは3nm以上30nm未満、更に好ましくは10nm以上30nm未満である。
樹脂多孔質体の空孔について、2nm未満の径を有する空孔を「ミクロ孔」、2nm以上50nm未満の径を有する空孔を「メソ孔」、50nm以上の径を有する空孔を「マクロ孔」と呼ぶことがある。本実施形態に係る樹脂多孔質体は、ミクロ孔、メソ孔、マクロ孔のいずれの空孔が形成されていてもよいが、メソ孔が主として形成されている樹脂多孔質体であることが好ましい。
細孔分析装置を用いることにより、樹脂多孔質体の空孔容積を求めることもできる。樹脂多孔質体において、メソ孔又は2nm以上60nm以下の径を有する空孔の容積はできる限り大きい方がよく、好ましくは0.05cc/g以上であり、より好ましくは0.4cc/g以上であり、更に好ましくは0.6cc/g以上である。空孔径が1〜100nmの空孔容積に対する、メソ孔の容積(以下、「メソ孔容積比率」ともいう。)又は2nm以上60nm以下の径を有する空孔の容積はできる限り大きい方がよく、好ましくは10体積%以上であり、より好ましくは20体積%以上であり、更に好ましくは50体積%以上である。
樹脂多孔質体において、ミクロ孔の容積はできる限り小さい方がよく、好ましくは0.5cc/g以下であり、より好ましくは0.4cc/g以下であり、更に好ましくは0.3cc/g以下である。空孔径が1〜100nmの空孔容積に対するミクロ孔の容積(以下、「ミクロ孔容積比率」ともいう。)はできる限り小さい方がよく、好ましくは50体積%以下であり、より好ましくは30体積%以下であり、更に好ましくは20体積%以下である。
樹脂多孔質体には、連通性を有する空孔が形成されていることが好ましい。本明細書における連通性を有する空孔とは、空孔同士が連なることにより、樹脂多孔質体が液体(例えば、水)を通過させることができるように形成された空孔をいう。樹脂多孔質体においては、必ずしも全ての空孔が連通している必要はなく、一部独立した空孔が形成されていてもよく、樹脂多孔質体全体として液体を通過させることができればよい。
樹脂多孔質体の形状は、特に限定されないが、塊状、板状、膜状、粉体状などであってよい。比表面積を増大させる観点から、好ましくは粉体状である。
吸蔵対象分子は、特に限定されず、リボフラビン、メチレンブルー、銅フタロシアニン等の色素、香料、医薬品系化合物、蛋白質、糖質、脂質等の天然由来化合物、金属類、塩類、イオン化物類からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。吸蔵対象分子は、好ましくは可溶性の物質である。吸蔵対象分子が可溶性であることで、樹脂多孔質体の重縮合体作製時に添加する溶媒に溶解させて配合することができるため、より均一に樹脂多孔質体に担持させることができる。
本実施形態の吸蔵材は、吸蔵対象分子が安定に、また、均一に担持されている。また、吸蔵材を構成する吸着材としての樹脂多孔質体は紫外線吸収能を有するため、吸蔵材の長期間の保管中における紫外線曝露から吸蔵対象分子を保護することができる。さらに、樹脂多孔質体に形成されている空孔が連通性を有していると、吸蔵対象分子と樹脂多孔質体が相溶しないため、徐放性に優れる吸蔵材となる。
次に、吸蔵材の製造方法を説明する。一実施形態に係る吸蔵材の製造方法は、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルデヒド化合物と、吸蔵対象分子とを含む溶媒中で、フェノール性水酸基を有する化合物と前記アルデヒド化合物とを重縮合させて湿潤ゲルを得る第1の工程と、湿潤ゲルから溶媒を除去する第2の工程と、を備える。
第1の工程は、例えば、以下のように行うことができる。まず、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルデヒド化合物と、吸蔵対象分子とを溶媒に添加し、撹拌する。次に、触媒を添加してから、加熱することにより、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルデヒド化合物とを重縮合させ、湿潤ゲルを得る。加熱の前には、必要に応じて酸を添加し、撹拌する工程を更に備えてもよい。
溶媒は、特に限定されないが、水、有機溶剤、又はこれらの混合溶媒であってよい。溶媒は、好ましくは、フェノール性水酸基を有する化合物、アルデヒド化合物、触媒の溶解性が高い溶媒を任意に選択することができ、これにより、未反応原料が少ない湿潤ゲルを、短時間で作製することができる。
溶媒に用いられる有機溶剤は、プロパノール、ブタノール、オクタノール、エチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類等であってよい。
触媒は、特に限定されないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、アンモニア、アミン類等の塩基性触媒であってよい。このうち、無機塩基性触媒は、安価かつ取り扱いが容易であるため、より有用である。
溶媒に対する吸蔵対象分子の添加量は用途に依存し、特に限定されないが、溶媒の重量に対して、好ましくは0.0001〜50質量%であり、より好ましくは0.001〜20質量%である。吸蔵対象分子がこの範囲で配合されることで、樹脂多孔質体の重合反応を阻害せず、収率を高めることができる。
フェノール性水酸基を有する化合物(P)とアルデヒド化合物(A)とのモル比(P/A)は、好ましくは0.1〜2.0であり、より好ましくは0.2〜1.5であり、更に好ましくは0.2〜1.0である。これにより、未反応のアルデヒド化合物の含有量が少ない湿潤ゲルを好適に得ることができる。
フェノール性水酸基を有する化合物(P)と、触媒(B)とのモル比(P/B)は、好ましくは1〜50000であり、より好ましくは10〜30000であり、更に好ましくは20〜20000である。これにより、未反応原料の少ない湿潤ゲルを、短時間で得ることができる。
フェノール性水酸基を有する化合物(P)と、溶媒(S)との重量比(P/S)は、好ましくは0.01〜4であり、より好ましくは0.05〜1であり、更に好ましくは0.1〜0.8である。これにより、未反応原料の少ない湿潤ゲルを、短時間で得ることができる。
第1の工程では、フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド化合物とを、例えば、加熱により重縮合させることができる。加熱条件は、好ましくは40℃〜90℃の温度下で4時間〜480時間であり、より好ましくは50℃〜90℃の温度下で5時間〜300時間であり、更に好ましくは60℃〜80℃の温度下で6時間〜200時間である。これにより、未反応原料の少ない湿潤ゲルを、短時間で好適に得ることができる。
第2の工程において、溶媒を除去する方法は、例えば、常圧乾燥、ピンホール乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、加熱減圧乾燥、真空凍結乾燥、超臨界乾燥などであってよい。このうち、真空凍結乾燥あるいは超臨界乾燥は、乾燥後の体積収縮、空孔の破壊を防げることから好適である。
溶媒の揮発速度を効率よく制御できる観点から、溶媒を除去する方法は、第1の工程で得られた湿潤ゲル中の溶媒を他の溶媒に置換する溶媒置換工程と、溶媒置換された湿潤ゲルから置換後の溶媒を揮発させる乾燥工程と、を含んでいてもよい。
本実施形態では、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルデヒド化合物と、吸蔵対象分子とを溶媒に添加した状態で、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルデヒド化合物とを重縮合させ、湿潤ゲルを得たが、他の実施形態として、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルデヒド化合物とを重縮合させて樹脂多孔質体を得た後に、吸蔵対象分子を樹脂多孔質体に担持させる方法であってもよい。
本実施形態に係る製造方法によれば、水溶液中、有機溶剤中、あるいはこれらの混合溶媒中で樹脂多孔質体をポリマー化できるため、樹脂多孔質体の空孔径又は比表面積といった多孔構造を制御しやすくなり、紫外線吸収能を付与することもできる。また、多孔構造を制御することで、吸蔵対象分子の担持量を制御したり、吸蔵対象分子の選択性を付与したりすることができる。また、吸蔵材に徐放性を付与することができ、更に、徐放速度を制御することもできる。加えて、吸蔵対象分子を混合溶媒中に溶解させることにより、吸蔵対象分子を樹脂多孔質体中に均一に担持させることができるほか、別途の担持工程を必要としないので、製造コストを削減できる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
50mLのラボランスクリュー管に撹拌子を入れ、レゾルシノール4.80g、リボフラビン2.8mg、超純水14.55gを加えて室温で撹拌した後、35−38%ホルムアルデヒド水溶液7.18gを加え、再度室温で撹拌した。更に5%炭酸ナトリウム水溶液0.09gを添加し、ポリプロピレン容器に移して密閉し、静置した状態で60℃で5日間加熱を行った。加熱後、容器から取り出し、tert−ブチルアルコール50mLに浸漬させ、室温で1日静置後、上澄みをデカンテーションにより除去する操作を合計3回行った。その後、−20℃の冷凍庫で1時間凍結し、デシケータ内に移して、室温下、ダイアフラムポンプで3日間以上真空乾燥することによってtert−ブチルアルコールを除去して、リボフラビンを担持させた吸蔵材を作製した。
[実施例2]
50mLのラボランスクリュー管に撹拌子を入れ、レゾルシノール4.80g、リボフラビン2.8mg、超純水13.76gを加えて室温で撹拌した後、35−38%ホルムアルデヒド水溶液7.18gを加え、再度室温で撹拌した。更に5%炭酸ナトリウム水溶液0.92gを添加し、ポリプロピレン容器に移して密閉し、静置した状態で60℃で5日間加熱を行った。加熱後、容器から取り出し、tert−ブチルアルコール50mLに浸漬させ、室温で1日静置後、上澄みをデカンテーションにより除去する操作を合計3回行った。その後、−20℃の冷凍庫で1時間凍結し、デシケータ内に移して、室温下、ダイアフラムポンプで3日間以上真空乾燥することによってtert−ブチルアルコールを除去して、リボフラビンを担持させた吸蔵材を作製した。
[空孔径ピーク・BET比表面積の測定]
実施例1〜2の吸蔵材について、リボフラビンを添加せずに樹脂多孔質体を作製し、比表面積及び空孔径分布を、細孔分析装置(Quantachrome製、AutoSorb iQ)を用いて測定した。前処理として、試料管(φ9mm)に50mgの試料を採取し、100℃で1.5〜2時間真空加熱乾燥することで、試料表面の吸着物質を除去した。測定中は液体窒素を用いて試料を冷却し、不活性ガスとしてヘリウム、吸着ガスとして窒素を用いた。単分子吸着量Wm(g)を、測定結果から得られるBETプロットからBET式を用いて算出し、全表面積Stotal(m)及び比表面積SBET(m/g)を求めた。また、空孔径分布はKelvin式と脱着等温線を利用したBJH法を用いて求め、空孔径ピークΦpeak(nm)を求めた。同時に、2nm未満の径を有する空孔の容積であるミクロ孔容積Vmic(cc/g)、2nm以上50nm未満の径を有する空孔の容積であるメソ孔容積Vmeso(cc/g)、100nm以下の細孔容積V(cc/g)を算出し、100nm以下の空孔容積におけるメソ孔容積比率Vmeso/V(%)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2019044052
[樹脂多孔質体の紫外線吸収能の評価]
実施例2と同じ作製条件で、リボフラビンを添加せずに、光路長さ1cmの石英セル中で樹脂多孔質体を作成し、その平行透過率を吸光度計を用いて測定した。結果を図1に示す。その結果、樹脂多孔質体が紫外線を透過しにくいことがわかった。
[吸蔵状態、徐放性の評価]
実施例1〜2の吸蔵材を、直径9mm、高さ3mmの円柱状に切り出し、アセトン7mLに浸漬させて所定の時間経過後、上澄みから3mLを光路長1cmの石英セルに採取し、吸光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製、UV−2900)を用いてリボフラビン由来の吸光度(446nm)を観測した。結果を図2に示す。その結果、吸蔵材がリボフラビンを担持していることが確認でき、時間の経過とともにリボフラビンを徐放することがわかった。
本発明によれば、吸蔵対象分子を安定して担持させることができ、かつ、吸蔵対象分子の徐放性に優れる吸蔵材を、別途の担持工程を設けることなく得ることができる。これにより、製造コストの削減が見込まれる。

Claims (5)

  1. 樹脂多孔質体と、
    前記樹脂多孔質体の空孔内に担持された吸蔵対象分子と、を備え、
    前記樹脂多孔質体のBET比表面積が200m/g以上であり、
    0.1〜400nmの範囲で測定された前記樹脂多孔質体の空孔径分布がピークを示す空孔径が、2nm以上60nm以下である、吸蔵材。
  2. 前記空孔が連通性を有する、請求項1に記載の吸蔵材。
  3. フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド化合物との重縮合体を含む、請求項1又は2に記載の吸蔵材。
  4. 前記吸蔵対象分子がリボフラビンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸蔵材。
  5. フェノール性水酸基を有する化合物と、アルデヒド化合物と、吸蔵対象分子とを含む溶媒中で、前記フェノール性水酸基を有する化合物と前記アルデヒド化合物とを重縮合させて湿潤ゲルを得る工程と、
    前記湿潤ゲルから前記溶媒を除去して、樹脂多孔質体及び前記樹脂多孔質体の空孔内に担持された吸蔵対象分子を有する吸蔵材を得る工程と、を備える、吸蔵材の製造方法。
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