以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態の半導体装置について図1及び図2を用いて説明する。
図1は、第1の実施の形態の半導体装置の側断面図であり、図2は、第1の実施の形態の半導体装置の放熱部の平面図である。なお、図2は、放熱部30のおもて面(半導体ユニット20が載置される側)の平面図を表している。
半導体装置10は、半導体ユニット20と放熱部30とを有している。
半導体ユニット20は、図1に示されるように、セラミック回路基板21(基板)とセラミック回路基板21のおもて面に接合された半導体素子22a,22bと半導体素子22a,22bの主電極間を電気的に接続する接続端子23とセラミック回路基板21上に電気的に接続する外部接続端子29a,29bとを有している。半導体ユニット20は、外部接続端子29a,29bの上端部を除いてこれらが封止部材25により封止されている。なお、セラミック回路基板21(後述する回路板21c)上に接合されている半導体素子22a,22bの個数(または配置)は一例であって、セラミック回路基板21(回路板21c)上であれば、図1以外の場合でも構わない。
セラミック回路基板21は、絶縁板21aと絶縁板21aの裏面に形成された金属板21bと絶縁板21aのおもて面に形成された回路板21cとを有している。
絶縁板21aは、熱伝導性に優れた、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素等の熱伝導性が高いセラミックスにより構成されている。
金属板21bは、熱伝導性に優れたアルミニウム、鉄、銀、銅、または、少なくともこれらの一種を含む合金等の金属により構成されている。
回路板21cは、複数の回路パターンを含んでおり、導電性に優れた材質により構成されている。このような材質として、例えば、アルミニウム、銅、または、少なくともこれらの一種を含む合金等により構成されている。
このような構成を有するセラミック回路基板21として、例えば、DCB(Direct Copper Bonding)基板、AMB(Active Metal Blazed)基板を用いることができる。セラミック回路基板21は、半導体素子22a,22bで発生した熱を回路板21c、絶縁板21a及び金属板21bを介して、放熱部30側に伝導させることができる。
なお、絶縁板21aは平面視で、例えば、矩形状を成している。また、金属板21bは平面視で、絶縁板21aよりも面積が小さな矩形状を成している。したがって、セラミック回路基板21は、例えば、矩形状を成している。
半導体素子22a,22bは、シリコンまたは炭化シリコンから構成される、例えば、IGBT、パワーMOSFET等のスイッチング素子を含んでいる。このような半導体素子22a,22bは、例えば、裏面に主電極としてドレイン電極(または、コレクタ電極)を、おもて面に、主電極としてゲート電極及びソース電極(または、エミッタ電極)をそれぞれ備えている。
また、半導体素子22a,22bは、必要に応じて、SBD(Schottky Barrier Diode)、FWD(Free Wheeling Diode)等のダイオードを含んでいる。このような半導体素子22a,22bは、裏面に主電極としてカソード電極を、おもて面に主電極としてアノード電極をそれぞれ備えている。上記の半導体素子22a,22bは、その裏面側が回路板21cの所定の回路パターン(図示を省略)上に接合されている。
なお、半導体素子22a,22bは、回路板21c上にはんだ24b,24cを介して接合されている。
接続端子23及び外部接続端子29a,29bは、例えば、リードフレームであり、導電性に優れた材質により構成されている。このような材質として、例えば、アルミニウム、銅、または、少なくともこれらの一種を含む合金等により構成されている。
封止部材25は、例えば、マレイミド変性エポキシ樹脂、マレイミド変性フェノール樹脂、マレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に含有される充填材とを含んでいる。このような封止部材25の一例として、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂にフィラーとして二酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化ホウ素または窒化アルミニウム等の充填材とを含んでいる。この一例の封止部材25の線膨張係数は、充填材の量に応じて、14.0ppm/℃以上、18.0ppm/℃以下とされる。また、線膨張係数は、20℃以上、100℃以下における平均線膨張係数である。封止部材25は、後述する放熱部30上でセラミック回路基板21と半導体素子22a,22bと接続端子23とを封止して凝固した状態となっている。
また、半導体装置10を構成する放熱部30は、平板部31とフィン部32と埋設部33とを有している。
放熱部30は、例えば、図1及び図2に示されるように、そのおもて面に、セラミック回路基板21がはんだ24aを介して配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し搭載領域Aの周囲を取り囲み封止部材25が接合される被封止領域Bとが設定されている。このような、放熱部30は、おもて面に、搭載領域Aを有する平板部31と、被封止領域Bに埋設される埋設部33とを有する。平板部31は、第1金属材料で構成され、埋設部33は、線膨張係数が第1金属材料よりも小さい第2金属材料で構成される。また、平板部31において、被封止領域Bは掘り込まれている。なお、平板部31の厚さは1mm以上、10mm以下であり、より好ましくは2mm以上、5mm以下である。また、被封止領域Bの掘り込み深さは0.5mm以上、8mm以下であり、より好ましくは1mm以上、3mm以下である。
さらに、平板部31はその裏面に複数のフィンからなるフィン部32が一体的に形成されている。なお、フィン部32は、平板部31の搭載領域Aに対する裏面付近に形成されている。このような平板部31及びフィン部32(併せて基体部と称する)を構成する第1金属材料は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される基体部の線膨張係数は、一般に、23.0ppm/℃以上、25.0ppm/℃以下である。
埋設部33は、平板部31のおもて面に掘り込まれた被封止領域B内に埋設されている。この際、平板部31の搭載領域Aのおもて面と埋設部33とのおもて面とは水平となっている。このような埋設部33を構成する第2金属材料は、例えば、銅または銅合金である。銅または銅合金で構成される埋設部33の線膨張係数は、16.0ppm/℃以上、18.0ppm/℃以下である。また、埋設部33を構成する第2金属材料は、例えば、アルミニウムと炭化シリコンの複合材料(Al-SiC)、マグネシウムと炭化シリコンの複合材料(Mg-SiC)等の、MMC(Metal Matrix Composites:金属基複合材料)により構成されていてもよい。MMCで構成される埋設部33の線膨張係数は、10.5ppm/℃以上、22.5ppm/℃以下である。
また、このように基体部の比重は、埋設部33の比重よりも小さい材質が選択される。上記の場合では、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金の場合の比重は、2.7g/cm3である。一方、埋設部33が銅または銅合金の場合の比重は、8.9g/cm3であり、MMCの場合の比重は、2.8g/cm3である。
そして、半導体装置10の放熱部30の体積は、基体部が90%を占め、埋設部33が10%を占めている。そこで、放熱部30が全て銅で構成されている場合の重量比を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33が銅または銅合金で構成されている場合の重量比は37となる。したがって、基体部の比重は、埋設部33の比重よりも小さく、基体部の体積は、埋設部33の体積よりも十分大きいために、放熱部30の重量の増加を抑えることができる。
なお、放熱部30が全てアルミニウムで構成されている場合の重量比は、放熱部30が全て銅で構成されている場合に対して、30となり、軽量化を図ることができる。しかしながら、既述の通り、放熱部30が全てアルミニウムで構成されていると、封止部材25が剥離してしまう。
また、放熱部30が全てMMCで構成されている場合の重量比は、放熱部30が全て銅で構成されている場合に対して、31となり、軽量化を図ることができる。しかしながら、MMCは高価なために、製造コストが増加してしまう。
また、放熱部30のおもて面の搭載領域Aにニッケル、銅、錫等のめっきが行われていることが、セラミック回路基板21をはんだ付けするために好ましい。厚さは10μm以上、100μm以下である。
なお、半導体装置10で用いられているはんだ24a,24b,24cは、例えば、錫−銀−銅からなる合金、錫−亜鉛−ビスマスからなる合金、錫−銅からなる合金、錫−銀−インジウム−ビスマスからなる合金のうち少なくともいずれかの合金を主成分とする鉛フリーはんだにより構成される。さらに、ニッケル、ゲルマニウム、コバルトまたはシリコン等の添加物が含まれてもよい。
このような半導体装置10を製造するにあたって、まず、セラミック回路基板21と半導体素子22a,22bと接続端子23及び外部接続端子29a,29bとを用意しておく。さらに、平板部31及びフィン部32と平板部31のおもて面の搭載領域Aを取り囲んで掘り込まれた被封止領域Bに埋設された埋設部33とを備える放熱部30を用意しておく。
なお、放熱部30は、平板部31に掘り込まれた被封止領域Bの形状に対応する埋設部33を予め形成しておき、掘り込まれた被封止領域Bに埋設部33をセットして、摩擦攪拌接合により、平板部31に埋設部33を一体化させる。
平板部31の搭載領域A上にはんだペーストまたははんだ板を介してセラミック回路基板21を配置する。さらに、セラミック回路基板21の回路板21cの所定領域上にはんだペーストまたははんだ板を介して接続端子23で接続された半導体素子22a,22bをそれぞれ配置する。また、セラミック回路基板21の回路板21cの所定領域上にはんだペーストまたははんだ板を介して外部接続端子29a,29bをそれぞれ配置する。
この状態ではんだペーストまたははんだ板を加熱して溶融させて、溶融したはんだを凝固させる。これにより、平板部31の搭載領域Aにはんだ24aを介してセラミック回路基板21が固着し、セラミック回路基板21上にはんだ24b,24cを介して半導体素子22a,22bが固着する。また、セラミック回路基板21の回路板21c上には図示を省略するはんだを介して外部接続端子29a,29bが固着する。
半導体素子22a,22b(並びに外部接続端子29a,29b)が固着されたセラミック回路基板21が搭載領域Aに固着された放熱部30を所定の金型にセットして、前記金型内に溶融状態の封止部材を注入する。注入された封止部材が十分に凝固(して、封止部材25となる)すると、金型を取り外す。
これにより、封止部材25によりセラミック回路基板21と半導体素子22a,22b並びに接続端子23と放熱部30の被封止領域Bとが封止された半導体装置10が構成される。
このようにして構成される半導体装置10では、封止部材25と埋設部33(被封止領域B)との線膨張係数の差が小さいほど、半導体装置10の使用時の熱サイクルによる埋設部33(被封止領域B)に対する封止部材25の剥離の発生が防止される。
ここで、封止部材25と埋設部33との線膨張係数の差に応じた、埋設部33に対する封止部材25の剥離状況について、図3を用いて説明する。
図3は、第1の実施の形態の半導体装置における封止部材と埋設部との線膨張係数の差に応じた、埋設部に対する封止部材の剥離状況を示す表である。
なお、図3では、封止部材25の3種類の線膨張係数(14ppm/℃、16ppm/℃、18ppm/℃)に対して、埋設部33が銅、アルミニウム、アルミニウムと炭化シリコンの複合材料である場合に関するものである。この場合の封止部材25と埋設部33との線膨張係数の差に対する剥離状況(有無)を示している。
また、図3の線膨張係数の差は、次式により得られる。
線膨張係数の差(%)=(封止部材25の線膨張係数−埋設部33の線膨張係数)/(封止部材25の線膨張係数)×100
また、図3では、封止部材25及び埋設部33の各組合せの場合において、熱サイクル試験を行って、超音波顕微鏡(Scanning Acoustic Tomograph:SAT)により、剥離状況を観察した結果である。なお、熱サイクル試験は、温度を−40℃から125℃までの間で変化させて、これを1000回繰り返すものである。
この結果によれば、封止部材25と埋設部33との線膨張係数の差が、23%から−22%の間の場合(「1−1」、「1−3」、「2−1」、「2−3」、「3−1」、「3−3」)に、剥離していないことがそれぞれ観察された。すなわち、封止部材25と埋設部33との線膨張係数の差がおよそ±25%以内であれば、封止部材25と埋設部33とは剥離しないことが考えられる。
したがって、上記半導体装置10は、半導体素子22a,22bと、絶縁板21aと絶縁板21aのおもて面に形成される回路板21cとを有し、回路板21cの主面に半導体素子22a,22bが配置されるセラミック回路基板21とを有している。また、上記半導体装置10は、第1金属材料で構成される平板部31及びフィン部32と、平板部31のおもて面に埋設され、第2金属材料で構成される埋設部33とを有する放熱部30と、半導体素子22a,22b、セラミック回路基板21と放熱部30のおもて面を封止する封止部材25とを有する。さらに、上記半導体装置10は、放熱部30のおもて面は、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し、封止部材25により封止される被封止領域Bとを備え、少なくとも被封止領域Bに埋設部33が形成され、第2金属材料の線膨張係数が、第1金属材料よりも小さく、封止部材との差が±25%以内である。
このような半導体装置10では、封止部材25の封止により、絶縁性を保ちつつ、はんだ24a,24b,24cに加わる応力を小さくすることができる。このため、はんだ24a,24b,24cの寿命を延ばすことができる。
また、このような半導体装置10では、封止部材25と封止部材25により封止される放熱部30の被封止領域Bの埋設部33との線膨張係数の差は±25%以内であるために、放熱部30の被封止領域Bにおける封止部材25の剥離の発生が抑制される。
さらに、放熱部30は、大部分を占める基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、埋設部33が銅または銅合金(もしくはMMC)により構成されているために軽量化を図ることができる。
したがって、半導体装置10は低コスト化を図ると共に、信頼性の低下を抑制することができるようになる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の半導体装置10において、放熱部30の平板部31の掘り込み部分の側面と埋設部33の側面との合わせ面(境界)がセラミック回路基板21の下部に位置する場合を例に挙げて説明する。
第2の実施の形態の半導体装置10aについて、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、第2の実施の形態の半導体装置の側断面図である。図5は、第2の実施の形態の半導体装置の放熱部の平面図である。なお、図5は、放熱部30aのおもて面(半導体ユニット20が載置される側)の平面図を表している。
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成には同様の符号を付しており、それらの構成の説明の詳細は省略する場合がある。
半導体装置10aは、半導体ユニット20と放熱部30aとを有している。
放熱部30aは、平板部31aとフィン部32と埋設部33aとを有している。
放熱部30aは、図4及び図5に示されるように、そのおもて面にセラミック回路基板21がはんだ24aを介して搭載される搭載領域A(図5では破線の内側)と、搭載領域Aの周囲を取り囲み封止部材25が接合される被封止領域B(図5では破線の外側)とがそれぞれ設定されている。平板部31aでは、搭載領域Aの外周部及び被封止領域Bが合わせて掘り込まれている。なお、平板部31aの搭載領域Aの厚さも1mm以上、10mm以下であり、より好ましくは2mm以上、5mm以下である。また、搭載領域Aの外周部及び被封止領域Bの掘り込み深さも、0.5mm以上、8mm以下であり、より好ましくは1mm以上、3mm以下である。
さらに、平板部31aも、第1の実施の形態と同様に、その裏面に複数のフィンからなるフィン部32が一体的に形成されている。なお、フィン部32も、搭載領域Aに対する裏面付近に形成されている。このような平板部31a及びフィン部32(併せて基体部と称する)を構成する第1金属材料も、第1の実施の形態と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている。
埋設部33aは、平板部31aのおもて面に掘り込まれた搭載領域Aの外周部及び被封止領域B内に埋設されている。この際、平板部31aの搭載領域Aのおもて面と埋設部33aとのおもて面とは水平となっている。このような埋設部33aを構成する第2金属材料は、第1の実施の形態と同様に、銅または銅合金、もしくは、MMCにより構成されている。
さらに、埋設部33aの側面と平板部31aの掘り込み部分の側面との境界(内側境界)である搭載領域A側の合わせ面33a1は、セラミック回路基板21の下部に位置している。
また、第1の実施の形態と同様に、このような基体部の比重は、埋設部33aの比重よりも小さく、2.7g/cm3(アルミニウムまたはアルミニウム合金)である。埋設部33aの比重は、8.9g/cm3(銅または銅合金)または、2.8g/cm3(MMC)である。
そして、半導体装置10aの放熱部30aの体積は、基体部が75%を占め、埋設部33aが25%を占めている。そこで、放熱部30aが全て銅で構成されている場合の重量比を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33aが銅または銅合金で構成されている場合の重量比は48となる。また、この場合において、埋設部33aがMMCで構成されている場合の重量比は45となる。したがって、基体部の比重は、埋設部33aの比重よりも小さく、基体部の体積は、埋設部33aの体積よりも大きいために、放熱部30aの重量の増加を抑えることができる。
また、第1の実施の形態と同様に、放熱部30のおもて面の搭載領域Aにニッケル、銅、錫等のめっきが行われていることが、セラミック回路基板21をはんだ付けするために好ましい。厚さは10μm以上、100μm以下である。
このような半導体装置10aも第1の実施の形態と同様の製造することができる。
したがって、上記半導体装置10aは、半導体素子22a,22bと、絶縁板21aと絶縁板21aのおもて面に形成される回路板21cとを有し、回路板21cの主面に半導体素子22a,22bが配置されるセラミック回路基板21とを有している。また、上記半導体装置10aは、放熱部30aを有している。放熱部30aは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される平板部31a及びフィン部32を備える。さらに平板部31aのおもて面に埋設され、銅または銅合金(もしくはMMC)で構成される埋設部33aを備える。封止部材25により半導体素子22a,22b、セラミック回路基板21及び放熱部30aのおもて面が封止される。さらに、上記半導体装置10aは、放熱部30aのおもて面は、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し、封止部材25により封止される被封止領域Bとを備え、少なくとも被封止領域Bに埋設部33aが形成され、銅または銅合金(もしくはMMC)の線膨張係数が、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりも小さく、封止部材25との差が±25%以内である。また、上記半導体装置10aは、埋設部33aと平板部31aの搭載領域A側の合わせ面33a1が、セラミック回路基板21の下部に位置している。
このような半導体装置10aでは、封止部材25の封止により、絶縁性を保ちつつ、はんだ24a,24b,24cに加わる応力を小さくすることができる。このため、はんだ24a,24b,24cの寿命を延ばすことができる。
また、このような半導体装置10aでも、封止部材25と封止部材25により封止される放熱部30aの埋設部33aの被封止領域Bとの線膨張係数の差は±25%以内と小さい。このため、放熱部30aの埋設部33aの被封止領域Bにおける封止部材25の剥離の発生が抑制される。
また、放熱部30aは、大部分を占める基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、埋設部33aが銅または銅合金により構成されている。このため、放熱部30aは軽量化を図ることができる。
また、平板部31aと埋設部33aとはそれらの線膨張係数の差により、合わせ面33a1に変形、歪み、隙間が発生してしまう。半導体装置10aでは、平板部31aと埋設部33aとの合わせ面33a1が、セラミック回路基板21の下部に位置している。このため、合わせ面33a1に発生する変形等に起因する応力が封止部材25に進展することがなく、半導体装置10aの絶縁性の低下が抑制される。さらに、平板部31aと埋設部33aとの合わせ面33a1の凹凸により、はんだ24aの接合面積が増加するために、平板部31aの搭載領域Aとセラミック回路基板21との接合強度が向上する。
したがって、半導体装置10aは低コスト化を図ると共に、信頼性の低下を抑制することができるようになる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、半導体素子及びセラミック回路基板等がケースに収納された半導体装置について、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、第3の実施の形態の半導体装置の側断面図であり、図7は、第3の実施の形態の半導体装置の放熱部の平面図である。なお、図7は、放熱部30bのおもて面(半導体ユニット20aが載置される側)の平面図を表している。
なお、第3の実施の形態では、第1,第2の実施の形態と同様の構成には同様の符号を付しており、それらの構成の説明の詳細は省略する場合がある。
半導体装置10bは、半導体ユニット20aと放熱部30bとを有している。
半導体ユニット20aは、図6に示されるように、セラミック回路基板21(基板)とセラミック回路基板21のおもて面に接合された半導体素子22a,22bと半導体素子22a,22bの主電極間を電気的に接続する接続端子23とを有している。また、半導体ユニット20aは、これらを収納するケース26と、ケース26に設けられた内部接続部26a1,26b1とセラミック回路基板21の回路板21cとを電気的に接続するボンディングワイヤ27a,27bとを有している。そして、半導体装置10bでは、ケース26内でこれらが封止部材25により封止されている。
ケース26は、セラミック回路基板21等の外周に設けられ、セラミック回路基板21等の側部を囲み、平面視で中央部に開口26cが形成された箱型を成している。このようなケース26は、熱可塑性樹脂により構成されている。前記樹脂として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリブチレンサクシネート(PBS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、または、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂等がある。
また、このようなケース26は、ケース26の接合材28を介して放熱部30bに接合される。なお、このような接合材28は、ケース26の底部、または、放熱部30bの平板部31bのおもて面のケース26が接合される配置領域C上に塗布してもよい。接合材28の塗布は、マスクによるスクリーン印刷法やシリンジを用いたディスペンス法等の前記技術において知られている任意の方法を用いることができる。また、接合材28は、例えば、エポキシ樹脂系、シリコーンゴム系の硬化系の接着剤が用いられる。
また、ケース26は、上記の樹脂により、一端の内部接続部26a1,26b1が内側の段差部に配置され、他端の外部接続部26a2,26b2が外側の上面に配置される接続端子がインサート成形されている。このようなケース26では、セラミック回路基板21の回路板21cの所定箇所と内部接続部26a1,26b1とがボンディングワイヤ27a,27bで電気的にそれぞれ接続されている。このため、半導体素子22a,22bは、回路板21cとボンディングワイヤ27a,27bと内部接続部26a1,26b1とを経由して、外部接続部26a2,26b2から外部に対して信号を入出力することができる。
なお、封止部材25は、第1の実施の形態と同様に、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂にフィラーとして二酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化ホウ素または窒化アルミニウム等の充填材とを含んでいる。このような封止部材25の線膨張係数は、充填材の量に応じて、14.0ppm/℃以上、18.0ppm/℃以下とされる。また、封止部材25は、第3の実施の形態では、ゲルを用いることも可能である。
このような封止部材25は、ケース26の開口26cからケース26内に注入される。ケース26内に注入された封止部材25は、放熱部30b上における、セラミック回路基板21と半導体素子22a,22bと接続端子23とボンディングワイヤ27a,27bとを封止する。
また、半導体装置10bを構成する放熱部30bは、平板部31bとフィン部32と埋設部33bとを有している。
放熱部30bは、図6及び図7に示されるように、そのおもて面にセラミック回路基板21がはんだ24aを介して搭載される搭載領域Aと、搭載領域Aの周囲を取り囲み封止部材25が接合される被封止領域Bと、さらに被封止領域Bの外側を取り囲みケース26が接合される配置領域Cとがそれぞれ設定されている。平板部31bでは、搭載領域A及び被封止領域Bが合わせて掘り込まれている。なお、平板部31bの配置領域Cの厚さも1mm以上、10mm以下であり、より好ましくは2mm以上、5mm以下である。また、搭載領域Aの外周部及び被封止領域Bの掘り込み深さも、0.5mm以上、8mm以下であり、より好ましくは1mm以上、3mm以下である。
さらに、平板部31bも、第1の実施の形態と同様に、その裏面に複数のフィンからなるフィン部32が一体的に形成されている。なお、フィン部32も、平板部31bの搭載領域Aに対する裏面付近に形成されている。このような平板部31b及びフィン部32(併せて基体部と称する)を構成する第1金属材料も、第1の実施の形態と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている。
埋設部33bは、平板部31bのおもて面に掘り込まれた搭載領域A及び被封止領域B内に埋設されている。この際、平板部31bのおもて面と埋設部33bとのおもて面とは水平となっている。このような埋設部33bを構成する第2金属材料は、第1の実施の形態と同様に、銅または銅合金、もしくは、MMCにより構成されている。
また、第1の実施の形態と同様に、このような基体部の比重は、埋設部33bの比重よりも小さく、2.7g/cm3(アルミニウムまたはアルミニウム合金)である。埋設部33bの比重は、8.9g/cm3(銅または銅合金)または、2.8g/cm3(MMC)である。
そして、半導体装置10bの放熱部30bの体積は、基体部が67%を占め、埋設部33bが33%を占めている。そこで、放熱部30bが全て銅で構成されている場合の重量比を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33bが銅または銅合金で構成されている場合の重量比は53となる。したがって、基体部の比重は、埋設部33bの比重よりも小さく、基体部の体積は、埋設部33bの体積よりも大きいために、放熱部30bの重量の増加を抑えることができる。
このような半導体装置10bを製造するにあたって、まず、セラミック回路基板21と半導体素子22a,22bと接続端子23とを用意しておく。さらに、平板部31bとフィン部32と平板部31bのおもて面に掘り込まれた搭載領域A及び被封止領域Bに埋設された埋設部33bとを備える放熱部30bを用意しておく。
なお、放熱部30bは、平板部31bに掘り込まれた搭載領域A及び被封止領域Bの形状に対応する埋設部33bを予め形成しておき、掘り込まれた搭載領域A及び被封止領域Bに埋設部33bをセットして、摩擦攪拌接合により、平板部31bに埋設部33bを一体化させる。
放熱部30bの埋設部33bの搭載領域A上にはんだペーストまたははんだ板を介してセラミック回路基板21を搭載する。そして、セラミック回路基板21の回路板21cの所定領域上にはんだペーストまたははんだ板を介して半導体素子22a,22bをそれぞれ配置する。さらに、半導体素子22a,22bの主電極にはんだペーストまたははんだ板を介して接続端子23を配置する。
この状態ではんだペーストまたははんだ板を加熱して溶融させて、溶融したはんだを凝固させる。これにより、放熱部30bの埋設部33bの搭載領域Aにはんだ24aを介してセラミック回路基板21が固着し、セラミック回路基板21上にはんだ24b,24cを介して半導体素子22a,22bが固着する。さらに、半導体素子22a,22bの主電極間が接続端子23により電気的に接続される。
ケース26の底面、または、平板部31bのおもて面の配置領域C上に接合材28を塗布して、ケース26を平板部31bのおもて面の配置領域Cに取り付ける。この際、セラミック回路基板21等はケース26の開口26cに収納されて、囲まれている。
図示しないボンディングツールを用いて、セラミック回路基板21の回路板21cの所定箇所とケース26の内部接続部26a1,26b1とをボンディングワイヤ27a,27bで電気的に接続する。
セラミック回路基板21及び半導体素子22a,22b等を収納するケース26の開口26cに溶融状態の封止部材を、開口26c内を満たすまで注入する。注入された封止部材が十分に凝固(して、封止部材25となる)する。
これにより、封止部材25によりセラミック回路基板21と半導体素子22a,22b並びに接続端子23とボンディングワイヤ27a,27bと放熱部30bの埋設部33bの被封止領域Bとが封止された半導体装置10bが構成される。
また、第1の実施の形態と同様に、封止部材25と埋設部33b(被封止領域B)との線膨張係数の差がおよそ±25%以内であるために、封止部材25と埋設部33bとは剥離しないことが考えられる。
したがって、上記半導体装置10bは、半導体素子22a,22bと、絶縁板21aと絶縁板21aのおもて面に形成される回路板21cとを有し、回路板21cの主面に半導体素子22a,22bが配置されるセラミック回路基板21とを有している。また、上記半導体装置10bは、放熱部30bを有している。放熱部30bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される平板部31b及びフィン部32を備える。さらに、放熱部30bは、平板部31bのおもて面に埋設され、銅または銅合金(もしくはMMC)で構成される埋設部33bを備える。また、封止部材25が、半導体素子22a,22b、セラミック回路基板21及び放熱部30bのおもて面を封止する。さらに、上記半導体装置10bは、放熱部30bのおもて面は、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し、封止部材25により封止される被封止領域Bとを備え、少なくとも被封止領域Bに埋設部33bが形成され、銅または銅合金(もしくはMMC)の線膨張係数が、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりも小さく、封止部材25との差が±25%以内である。
このような半導体装置10bでは、封止部材25の封止により、絶縁性を保ちつつ、はんだ24a,24b,24cに加わる応力を小さくすることができる。このため、はんだ24a,24b,24cの寿命を延ばすことができる。
また、このような半導体装置10bでは、封止部材25と封止部材25により封止される放熱部30bの埋設部33bの被封止領域Bとの線膨張係数の差は±25%以内と小さい。このため、放熱部30bの埋設部33bの被封止領域Bにおける封止部材25の剥離の発生が抑制される。
さらに、放熱部30bは、大部分を占める基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、埋設部33bが銅または銅合金により構成することができる。また、基体部の比重は、埋設部33bの比重よりも小さい。このため、放熱部30bは軽量化を図ることができる。
また、半導体装置10bでは、セラミック回路基板21が搭載される搭載領域Aに銅または銅合金で構成された埋設部33bが設けられている。このような埋設部33bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成された基体部に比べて熱伝導率が高く、放熱性に優れている。このため、半導体装置10bは、第1,第2の実施の形態の半導体装置10よりも、半導体素子22a,22bの冷却性が向上する。
したがって、半導体装置10bは低コスト化を図ると共に、信頼性の低下を抑制することができるようになる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、第3の実施の形態の半導体装置10bにおいて、放熱部30bの平板部31bと埋設部33bとの合わせ面(境界)がケースの下に位置する場合を例に挙げて説明する。
第4の実施の形態の半導体装置10cについて、図8及び図9を用いて説明する。
図8は、第4の実施の形態の半導体装置の側断面図である。図9は、第4の実施の形態の半導体装置の放熱部の平面図である。なお、図9は、放熱部30bのおもて面(半導体ユニット20bが載置される側)の平面図を表している。
なお、第4の実施の形態では、第1〜第3の実施の形態と同様の構成には同様の符号を付しており、それらの構成の説明の詳細は省略する場合がある。
半導体装置10cは、半導体ユニット20bと放熱部30bとを有している。
半導体ユニット20bは、図8に示されるように、セラミック回路基板21(基板)とセラミック回路基板21のおもて面に接合された半導体素子22a,22bと半導体素子22a,22bの主電極間を電気的に接続する接続端子23とを有している。また、半導体ユニット20bは、これらを収納するケース36と、ケース36に設けられた内部接続部26a1,26b1とセラミック回路基板21の回路板21cとを電気的に接続するボンディングワイヤ27a,27bとを有している。そして、半導体装置10cでは、ケース36内でこれらが封止部材25により封止されている。
ケース36は、セラミック回路基板21等の外周に設けられ、セラミック回路基板21等の側部を囲み、平面視で中央部に開口36cが形成された箱型を成している。なお、ケース36は、第3の実施の形態のケース26の開口26cと比較して、開口36cの開口面積が狭くなっている。すなわち、ケース36の(図中左右方向の)厚さが、第3の実施の形態のケース26よりも、厚くなっている。
このようなケース36もまた、熱可塑性樹脂により構成されている。前記樹脂として、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリアミド樹脂、または、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂等がある。
また、このようなケース36もまた、接合材28を介して放熱部30bの配置領域Cに接合される。なお、このような接合材28は、ケース36の底部、または、放熱部30bの平板部31bのおもて面の配置領域C上に塗布してもよい。接合材28の塗布は、マスクによるスクリーン印刷法やシリンジを用いたディスペンス法等の前記技術において知られている任意の方法を用いることができる。
また、ケース36もまた、上記の樹脂により、一端の内部接続部26a1,26b1が内側の段差部に配置され、他端の外部接続部26a2,26b2が外側の上面に配置される接続端子がインサート成形されている。このようなケース36では、セラミック回路基板21の回路板21cの所定箇所と内部接続部26a1,26b1とがボンディングワイヤ27a,27bで電気的にそれぞれ接続されている。このため、半導体素子22a,22bは、回路板21cとボンディングワイヤ27a,27bと内部接続部26a1,26b1とを経由して、外部接続部26a2,26b2から外部に対して信号を入出力することができる。
また、放熱部30bは、第3の実施の形態と同様に、平板部31bとフィン部32と埋設部33bとを有している。
但し、既述の通り、ケース36は、その(図8中左右方向の)厚さが、第3の実施の形態のケース26よりも、厚くなっている。このため、配置領域C(図9中の外側破線の外側)が広くなるに伴って被封止領域B(図9中の内側破線と外側破線の間の領域)が狭くなっている。したがって、平板部31bのおもて面は搭載領域Aと被封止領域Bと配置領域Cの内周部(併せて図9中の実線33a2の内側)が掘り込まれて、埋設部33bが埋設されている。
また、第3の実施の形態と同様に、このような平板部31b及びフィン部32(併せて基体部と称する)の比重は、埋設部33bの比重よりも小さく、2.7g/cm3(アルミニウムまたはアルミニウム合金)である。埋設部33bの比重は、8.9g/cm3(銅または銅合金)または、2.8g/cm3(MMC)である。
そして、半導体装置10cの放熱部30bの体積は、基体部が55%を占め、埋設部33bが45%を占めている。したがって、放熱部30bが全て銅で構成されている場合の重量比を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33bが銅または銅合金で構成されている場合の重量比は62となる。
また、このような配置領域Cに、耐食性に優れた材質によりめっき処理を施すことも可能である。このような材質は、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、タンタル、ニオブ、タングステン、バナジウム、ビスマス、ジルコニウム、ハフニウム、金、白金、パラジウム、または、少なくともこれらの一種を含む合金等である。または、めっき処理により酸化膜を形成しても構わない。また、配置領域C上に、このようなめっき処理を施すことで、耐食性を向上させると共に、はんだ24aの濡れを防ぐことができる。このため、配置領域Cに接合材28を介してケース36を適切に取り付けることができる。なお、はんだ24aの流れを防止するためにめっき処理に代わりケガキを行うことも考えられる。しかし、ケガキを行うと塵が発生して、前記塵が起因して半導体装置10cに不具合が発生してしまうおそれがある。めっき処理を行うと、このような問題が生じることはない。
このような半導体装置10cも第3の実施の形態と同様に製造することができる。
したがって、上記半導体装置10cは、半導体素子22a,22bと、絶縁板21aと絶縁板21aのおもて面に形成される回路板21cとを有し、回路板21cの主面に半導体素子22a,22bが配置されるセラミック回路基板21とを有している。また、上記半導体装置10cは、放熱部30bを有している。放熱部30bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される平板部31b及びフィン部32を備える。さらに放熱部30bは、平板部31bのおもて面に埋設され、銅または銅合金(もしくはMMC)で構成される埋設部33bを備える。また、封止部材25が、半導体素子22a,22b、セラミック回路基板21及び放熱部30bのおもて面を封止する。さらに、上記半導体装置10cは、放熱部30bのおもて面は、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し、封止部材25により封止される被封止領域Bとを備え、少なくとも被封止領域Bに埋設部33bが形成され、銅または銅合金(もしくはMMC)の線膨張係数が、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりも小さく、封止部材25との差が±25%以内である。さらに、上記半導体装置10cは、ケース36の開口36cの内壁面36c1,36c2が、埋設部33bと平板部31bとの境界(外側境界)である合わせ面33a2から内側に位置している。すなわち、埋設部33bの合わせ面33a2が、ケース36の下部に位置している。
このような半導体装置10cでは、封止部材25の封止により、絶縁性を保ちつつ、はんだ24a,24b,24cに加わる応力を小さくすることができる。このため、はんだ24a,24b,24cの寿命を延ばすことができる。
また、このような半導体装置10cでも、封止部材25と封止部材25により封止される放熱部30bの埋設部33bの被封止領域Bとの線膨張係数の差は±25%以内と小さい。このため、放熱部30bの埋設部33bの被封止領域Bにおける封止部材25の剥離の発生が抑制される。
また、放熱部30bは、大部分を占める基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、埋設部33bが銅または銅合金により構成することができる。このため、放熱部30bは軽量化を図ることができる。
なお、半導体装置10cでは、第3の実施の形態の半導体装置10b(図6を参照)に対してケース26の厚さを厚くしたケース36を用いた場合である。一方、半導体装置10cは、第3の実施の形態の半導体装置10bにおいて埋設部33bの面積(図中左右方向の長さ)を広げて埋設部33bと平板部31bとの合わせ面33a2がケース26の下に位置するようにすることも可能である。この場合の半導体装置10cの放熱部30bの体積は、例えば、基体部が55%を占め、埋設部33bが45%を占める。そこで、放熱部30bが全て銅で構成されている場合の重量比を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33bが銅または銅合金で構成されている場合の重量比は62となる。したがって、基体部の比重は、埋設部33bの比重よりも小さく、基体部の体積は、埋設部33bの体積よりも大きいために、放熱部30bの重量の増加を抑えることができる。
また、半導体装置10cでも、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aに銅または銅合金で構成された埋設部33bが設けられている。このような埋設部33bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成された基体部に比べて熱伝導率が高く、放熱性に優れている。このため、半導体装置10cは、第1の実施の形態の半導体装置10よりも、半導体素子22a,22bの冷却性が向上する。
また、平板部31bと埋設部33bとはそれらの線膨張係数の差により、合わせ面33a2に変形、歪み、隙間が発生してしまう。半導体装置10cでは、平板部31bと埋設部33bとの合わせ面33a2が、ケース36の下部に位置している。このため、合わせ面33a2に発生する変形等に起因する応力が封止部材25に進展することがなく、半導体装置10cの絶縁性の低下が抑制される。さらに、平板部31bと埋設部33bとの合わせ面33a2の凹凸により、接合材28の接合面積が増加するために、平板部31bの配置領域Cとケース36との接合強度が向上する。
したがって、半導体装置10cは低コスト化を図ると共に、信頼性の低下を抑制することができるようになる。
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態では、第1の実施の形態の半導体装置10にケースを取り付けた場合を例に挙げて説明する。
第5の実施の形態の半導体装置10dについて、図10を用いて説明する。
図10は、第5の実施の形態の半導体装置の側断面図である。
なお、第5の実施の形態では、第1〜第4の実施の形態と同様の構成には同様の符号を付しており、それらの構成の説明の詳細は省略する場合がある。
半導体装置10dは、半導体ユニット20aと放熱部30cとを有している。
また、放熱部30cは、平板部31cとフィン部32とを有している。
放熱部30cは、図10に示されるように、そのおもて面にセラミック回路基板21がはんだ24aを介して搭載される搭載領域Aと、搭載領域Aの周囲を取り囲み封止部材25が接合される被封止領域Bと、さらに被封止領域Bの外側を取り囲みケース26が接合される配置領域Cとがそれぞれ設定されている。平板部31cでは、被封止領域Bが掘り込まれている。なお、平板部31cの掘り込まれていない部分の厚さも1mm以上、10mm以下であり、より好ましくは2mm以上、5mm以下である。また、被封止領域Bの掘り込み深さも、0.5mm以上、8mm以下であり、より好ましくは1mm以上、3mm以下である。
さらに、平板部31cも、第1の実施の形態と同様に、その裏面に複数のフィンからなるフィン部32が一体的に形成されている。なお、フィン部32も、平板部31cの搭載領域Aに対する裏面付近に形成されている。このような平板部31c及びフィン部32(併せて基体部と称する)を構成する第1金属材料も、第1の実施の形態と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている。
埋設部33cは、平板部31cのおもて面に掘り込まれた被封止領域B内に埋設されている。この際、平板部31cのおもて面と埋設部33cとのおもて面とは水平となっている。このような埋設部33cを構成する第2金属材料は、第1の実施の形態と同様に、銅または銅合金、もしくは、MMCにより構成されている。
また、第1の実施の形態と同様に、このような平板部31c及びフィン部32の比重は、埋設部33cの比重よりも小さく、2.7g/cm3(アルミニウムまたはアルミニウム合金)である。埋設部33cの比重は、8.9g/cm3(銅または銅合金)または、2.8g/cm3(MMC)である。
そして、半導体装置10dの放熱部30cの体積は、基体部が90%を占め、埋設部33cが10%を占めている。そこで、放熱部30cが全て銅で構成されている場合の重量比を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33cが銅または銅合金で構成されている場合の重量比は37となる。したがって、基体部の比重は、埋設部33cの比重よりも小さく、基体部の体積は、埋設部33cの体積よりも大きいために、放熱部30cの重量の増加を抑えることができる。
また、第1の実施の形態と同様に、放熱部30cのおもて面の搭載領域Aにニッケル、銅、錫等のめっきが行われていることが、セラミック回路基板21をはんだ付けするために好ましい。厚さは10μm以上、100μm以下である。
このような半導体装置10dも第3の実施の形態と同様に製造することができる。
したがって、上記半導体装置10dは、半導体素子22a,22bと、絶縁板21aと絶縁板21aのおもて面に形成される回路板21cとを有し、回路板21cの主面に半導体素子22a,22bが配置されるセラミック回路基板21とを有している。また、上記半導体装置10dは、放熱部30cを有している。放熱部30cは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される平板部31c及びフィン部32を備える。さらに放熱部30cは、平板部31cのおもて面に埋設され、銅または銅合金(もしくはMMC)で構成される埋設部33cを備える。また、封止部材25が、半導体素子22a,22b、セラミック回路基板21及び放熱部30cのおもて面を封止する。さらに、上記半導体装置10dは、放熱部30cのおもて面は、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し、封止部材25により封止される被封止領域Bとを備え、少なくとも被封止領域Bに埋設部33cが形成され、銅または銅合金(もしくはMMC)の線膨張係数が、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりも小さく、封止部材25との差が±25%以内である。
このような半導体装置10dでは、封止部材25の封止により、絶縁性を保ちつつ、はんだ24a,24b,24cに加わる応力を小さくすることができる。このため、はんだ24a,24b,24cの寿命を延ばすことができる。
また、このような半導体装置10dでも、封止部材25と封止部材25により封止される放熱部30cの埋設部33cの被封止領域Bとの線膨張係数の差は±25%以内と小さい。このため、放熱部30cの埋設部33cの被封止領域Bにおける封止部材25の剥離の発生が抑制される。
また、放熱部30cは、大部分を占める基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、埋設部33cが銅または銅合金により構成することができる。このため、放熱部30cは軽量化を図ることができる。
したがって、半導体装置10dは低コスト化を図ると共に、信頼性の低下を抑制することができるようになる。
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態では、第5の実施の形態の半導体装置10dにおいて、放熱部30cの平板部31cと埋設部33cとの合わせ面がそれぞれケース26及びセラミック回路基板21の下部に位置する場合を例に挙げて説明する。
第6の実施の形態の半導体装置10eについて、図11及び図12を用いて説明する。
図11は、第6の実施の形態の半導体装置の側断面図である。図12は、第6の実施の形態の半導体装置の放熱部の平面図である。なお、図12は、放熱部30dのおもて面(半導体ユニット20aが載置される側)の平面図を表している。
なお、第6の実施の形態では、第1〜第5の実施の形態と同様の構成には同様の符号を付しており、それらの構成の説明の詳細は省略する場合がある。
半導体装置10eは、半導体ユニット20aと放熱部30dとを有している。
また、放熱部30dは、平板部31dとフィン部32と埋設部33dとを有している。
放熱部30dは、図11及び図12に示されるように、そのおもて面にセラミック回路基板21がはんだ24aを介して搭載される搭載領域A(図12中の内側破線の内側の領域)と搭載領域Aの周囲を取り囲む被封止領域B(図12中の内側破線と外側破線の間の領域)とさらに被封止領域Bの外側の配置領域C(図12中の外側破線の外側の領域)とがそれぞれ設定されている。平板部31dでは、搭載領域Aの外周部と被封止領域Bと配置領域Cの内周部と(併せて図12中の合わせ面33d1と合わせ面33d2との間の領域)が掘り込まれている。なお、平板部31dの掘り込まれていない部分の厚さも1mm以上、10mm以下であり、より好ましくは2mm以上、5mm以下である。また、被封止領域Bの掘り込み深さも、0.5mm以上、8mm以下であり、より好ましくは1mm以上、3mm以下である。
さらに、平板部31dも、第1の実施の形態と同様に、その裏面に複数のフィンからなるフィン部32が一体的に形成されている。なお、フィン部32も、搭載領域Aに対する裏面付近に形成されている。このような平板部31d及びフィン部32(併せて基体部と称する)を構成する第1金属材料も、第1の実施の形態と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている。
埋設部33dは、平板部31dのおもて面に掘り込まれた搭載領域Aの外周部と被封止領域Bと配置領域Cの内周部との内に埋設されている。この際、平板部31dのおもて面と埋設部33dとのおもて面とは水平となっている。このような埋設部33dを構成する第2金属材料は、第1の実施の形態と同様に、銅または銅合金、もしくは、MMCにより構成されている。
また、第1の実施の形態と同様に、このような基体部の比重は、埋設部33dの比重よりも小さく、2.7g/cm3(アルミニウムまたはアルミニウム合金)である。埋設部33dの比重は、8.9g/cm3(銅または銅合金)または、2.8g/cm3(MMC)である。
さらに、埋設部33dと平板部31dとの搭載領域A側の境界(内側境界)の合わせ面33d1は、セラミック回路基板21の下部に位置している。また、埋設部33dと平板部31dとの配置領域C側の境界(外側境界)の合わせ面33d2は、ケース26の下部に位置している。
そして、半導体装置10eの放熱部30dの体積は、基体部が75%を占め、埋設部33dが25%を占めている。そこで、放熱部30dが全て銅で構成されている場合の重量比を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33dが銅または銅合金で構成されている場合の重量比は48となる。また、この場合において、埋設部33dがMMCで構成されている場合の重量比は45となる。したがって、基体部の比重は、埋設部33dの比重よりも小さく、基体部の体積は、埋設部33dの体積よりも大きいために、放熱部30dの重量の増加を抑えることができる。
また、第1の実施の形態と同様に、放熱部30dのおもて面の搭載領域Aにニッケル、銅、錫等のめっきが行われていることが、セラミック回路基板21をはんだ付けするために好ましい。なお、厚さは10μm以上、100μm以下である。
また、このような放熱部30dの配置領域Cに、耐食性に優れた材質によりめっき処理を施すことも可能である。このような材質は、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、タンタル、ニオブ、タングステン、バナジウム、ビスマス、ジルコニウム、ハフニウム、金、白金、パラジウム、または、少なくともこれらの一種を含む合金等である。または、めっき処理により酸化膜を形成しても構わない。また、配置領域C上に、このようなめっき処理を施すことで、耐食性を向上させると共に、はんだ24aの濡れを防ぐことができる。このため、配置領域Cに接合材28を介してケース26を適切に取り付けることができる。なお、はんだの流れを防止するためにめっき処理に代わりケガキを行うことも考えられる。しかし、ケガキを行うと塵が発生して、前記塵が起因して半導体装置10eに不具合が発生してしまうおそれがある。めっき処理を行うと、このような問題が生じることはない。
このような半導体装置10eも第3の実施の形態と同様に製造することができる。
したがって、上記半導体装置10eは、半導体素子22a,22bと、絶縁板21aと絶縁板21aのおもて面に形成される回路板21cとを有し、回路板21cの主面に半導体素子22a,22bが配置されるセラミック回路基板21とを有している。また、上記半導体装置10eは、放熱部30dを有している。放熱部30dは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される平板部31d及びフィン部32を備える。さらに放熱部30dは、平板部31dのおもて面に埋設され、銅または銅合金(もしくはMMC)で構成される埋設部33dを備える。また、封止部材25が、半導体素子22a,22b、セラミック回路基板21及び放熱部30dのおもて面を封止する。さらに、上記半導体装置10eは、放熱部30dのおもて面は、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し、封止部材25により封止される被封止領域Bとを備え、少なくとも被封止領域Bに埋設部33dが形成され、銅または銅合金(もしくはMMC)の線膨張係数が、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりも小さく、封止部材25との差が±25%以内である。さらに、上記半導体装置10eは、埋設部33dの搭載領域A側の合わせ面33d1がセラミック回路基板21の下部に位置し、埋設部33dの配置領域C側の合わせ面33d2がケース26の下部に位置している。
このような半導体装置10eでは、封止部材25の封止により、絶縁性を保ちつつ、はんだ24a,24b,24cに加わる応力を小さくすることができる。このため、はんだ24a,24b,24cの寿命を延ばすことができる。
また、このような半導体装置10eでも、封止部材25と封止部材25により封止される放熱部30dの埋設部33dの被封止領域Bとの線膨張係数の差は±25%以内と小さい。このため、放熱部30dの埋設部33dの被封止領域Bにおける封止部材25の剥離の発生が抑制される。
また、放熱部30dは、大部分を占める基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、埋設部33dが銅または銅合金(もしくはMMC)により構成することができる。このため、放熱部30dは軽量化を図ることができる。
また、平板部31dと埋設部33dとはそれらの線膨張係数の差により、合わせ面33d1,33d2に変形、歪み、隙間が発生してしまう。半導体装置10eでは、平板部31dと埋設部33dとの合わせ面33d1,33d2が、セラミック回路基板21及びケース26の下部にそれぞれ位置している。このため、合わせ面33d1,33d2に発生する変形等に起因する応力が封止部材25に進展することがなく、半導体装置10eの絶縁性の低下が抑制される。さらに、平板部31dと埋設部33dとの合わせ面33d2の凹凸により、接合材28の接合面積が増加するために、平板部31dの配置領域Cとケース26との接合強度が向上する。
したがって、半導体装置10eは低コスト化を図ると共に、信頼性の低下を抑制することができるようになる。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態では、第3の実施の形態の半導体装置10bにおいて、放熱部30bの被封止領域Bに凸部を形成した場合を例に挙げて説明する。
第7の実施の形態の半導体装置10fについて、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、第7の実施の形態の半導体装置の側断面図であり、図14は、第7の実施の形態の半導体装置の放熱部の平面図である。なお、図14は、放熱部30eのおもて面(半導体ユニット20aが載置される側)の平面図を表している。
なお、第7の実施の形態では、第1〜第6の実施の形態と同様の構成には同様の符号を付しており、それらの構成の説明の詳細は省略する場合がある。
半導体装置10fは、半導体ユニット20aと放熱部30eとを有している。
このうち、放熱部30eは、平板部31bとフィン部32と埋設部33bとを有している。
埋設部33bは、平板部31bのおもて面に掘り込まれた搭載領域A及び被封止領域B内に埋設されている。この際、平板部31bのおもて面と埋設部33bとのおもて面とは水平となっている。このような埋設部33bを構成する第2金属材料は、第1の実施の形態と同様に、銅または銅合金、もしくは、MMCにより構成されている。
また、第1の実施の形態と同様に、平板部31b及びフィン部32(併せて基体部と称する)の比重は、埋設部33bの比重よりも小さく、2.7g/cm3(アルミニウムまたはアルミニウム合金)である。埋設部33bの比重は、8.9g/cm3(銅または銅合金)または、2.8g/cm3(MMC)である。
さらに、埋設部33bは被封止領域Bに複数の凸部33b1が搭載領域Aの各辺に沿って形成されている。なお、図10及び図11に示す凸部33b1は一例である。このような凸部33b1の形状は円筒状、半球状、直方体状、三角錐状、四角錐状等とすることができ、凸部33b1の配置も1列に限らず、複数列等とすることができる。
したがって、半導体装置10fの放熱部30eの体積は、基体部が67%を占め、埋設部33bが33%を占めている。そこで、放熱部30eが全て銅で構成されている場合の重量を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33bが銅または銅合金で構成されている場合の重量比は53となる。このため、基体部の比重は、埋設部33bの比重よりも小さく、基体部の体積は、埋設部33bの体積よりも大きいために、放熱部30eの重量の増加を抑えることができる。
このような半導体装置10fも第3の実施の形態と同様に製造することができる。
このようにして構成される半導体装置10fでは、第1の実施の形態と同様に、封止部材25と埋設部33b(被封止領域B)との線膨張係数の差がおよそ±25%以内であり、封止部材25と埋設部33bとは剥離しないことが考えられる。
したがって、上記半導体装置10fは、半導体素子22a,22bと、絶縁板21aと絶縁板21aのおもて面に形成される回路板21cとを有し、回路板21cの主面に半導体素子22a,22bが配置されるセラミック回路基板21とを有している。また、上記半導体装置10fは、放熱部30eを有している。放熱部30eは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される平板部31b及びフィン部32を備える。さらに放熱部30eは、平板部31bのおもて面に埋設され、銅または銅合金(もしくはMMC)で構成される埋設部33bを備える。また、封止部材25が、半導体素子22a,22b、セラミック回路基板21及び放熱部30eのおもて面を封止する。さらに、上記半導体装置10fは、放熱部30eのおもて面は、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し、封止部材25により封止される被封止領域Bとを備え、少なくとも被封止領域Bに埋設部33bが形成され、銅または銅合金(もしくはMMC)の線膨張係数が、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりも小さく、封止部材25との差が±25%以内である。さらに、上記半導体装置10fは、放熱部30eの埋設部33bの被封止領域Bに複数の凸部33b1が形成されている。
このような半導体装置10fでも、封止部材25の封止により、絶縁性を保ちつつ、はんだ24a,24b,24cに加わる応力を小さくすることができる。このため、はんだ24a,24b,24cの寿命を延ばすことができる。
また、このような半導体装置10fでも、封止部材25と封止部材25により封止される放熱部30eの埋設部33bの被封止領域Bとの線膨張係数の差は±25%以内と小さい。さらに、半導体装置10fでは、埋設部33bの被封止領域Bに複数の凸部33b1が形成されているために、封止部材25と被封止領域Bとの密着面積が増加すると共に、凸部33b1のアンカー効果により、封止部材25の被封止領域Bに対する接合強度が向上する。このため、放熱部30eの埋設部33bの被封止領域Bにおける封止部材25の剥離の発生がより抑制される。
また、放熱部30eは、大部分を占める基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、基体部よりも体積が少ない埋設部33bが銅または銅合金により構成することができる。また、基体部の比重は、埋設部33bの比重よりも小さい。このため、放熱部30eは軽量化を図ることができる。
また、半導体装置10fでも、セラミック回路基板21が搭載される搭載領域Aに銅または銅合金で構成された埋設部33bが設けられている。このような埋設部33bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成された基体部に比べて熱伝導率が高く、放熱性に優れている。このため、半導体装置10fは、第1の実施の形態の半導体装置10よりも、半導体素子22a,22bの冷却性が向上する。
したがって、半導体装置10fは低コスト化を図ると共に、信頼性の低下を抑制することができるようになる。
[第8の実施の形態]
第8の実施の形態では、第3の実施の形態の半導体装置10bにおいて、放熱部30bの被封止領域Bに凹部を形成した場合を例に挙げて説明する。
第8の実施の形態の半導体装置10gについて、図15を用いて説明する。
図15は、第8の実施の形態の半導体装置の側断面図である。
なお、第8の実施の形態では、第1〜第7の実施の形態と同様の構成には同様の符号を付しており、それらの構成の説明の詳細は省略する場合がある。
半導体装置10gは、半導体ユニット20aと放熱部30fとを有している。
このうち、放熱部30fは、平板部31bとフィン部32と埋設部33bとを有している。
埋設部33bは、平板部31bのおもて面に掘り込まれた搭載領域A及び被封止領域B内に埋設されている。この際、平板部31bのおもて面と埋設部33bとのおもて面とは水平となっている。このような埋設部33bを構成する第2金属材料は、第1の実施の形態と同様に、銅または銅合金、もしくは、MMCにより構成されている。
また、第1の実施の形態と同様に、このように平板部31b及びフィン部32(併せて基体部と称する)の比重は、埋設部33bの比重よりも小さく、2.7g/cm3(アルミニウムまたはアルミニウム合金)である。埋設部33bの比重は、8.9g/cm3(銅または銅合金)または、2.8g/cm3(MMC)である。
さらに、埋設部33bは被封止領域Bに複数の凹部33b2が搭載領域Aの各辺に沿って形成されている。なお、凹部33b2の被封止領域Bに対する形成箇所は、例えば、図13の凸部33b1に対応している。このような凹部33b2の形状は円筒状、半球状、直方体状、三角錐状、四角錐状等とすることができ、凹部33b2の配置も1列に限らず、複数列等とすることができる。
したがって、半導体装置10gの放熱部30fの体積は、基体部が67%を占め、埋設部33bが33%を占めている。そこで、放熱部30fが全て銅で構成されている場合の重量を100とすると、基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、埋設部33bが銅または銅合金で構成されている場合の重量比は53となる。このため、基体部の比重は、埋設部33bの比重よりも小さく、基体部の体積は、埋設部33bの体積よりも大きいために、放熱部30fの重量の増加を抑えることができる。
このような半導体装置10gも第3の実施の形態と同様に製造することができる。
このようにして構成される半導体装置10gでは、第1の実施の形態と同様に、封止部材25と埋設部33b(被封止領域B)との線膨張係数の差がおよそ±25%以内であり、封止部材25と埋設部33bとは剥離しないことが考えられる。
したがって、上記半導体装置10gは、半導体素子22a,22bと、絶縁板21aと絶縁板21aのおもて面に形成される回路板21cとを有し、回路板21cの主面に半導体素子22a,22bが配置されるセラミック回路基板21とを有している。また、上記半導体装置10gは、放熱部30fを有している。放熱部30fは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される平板部31b及びフィン部32を備える。さらに放熱部30fは、平板部31bのおもて面に埋設され、銅または銅合金(もしくは、MMC)で構成される埋設部33bを備える。また、封止部材25が、半導体素子22a,22b、セラミック回路基板21及び放熱部30fのおもて面を封止する。さらに、上記半導体装置10gは、放熱部30fのおもて面は、セラミック回路基板21が配置される搭載領域Aと、搭載領域Aに隣接し、封止部材25により封止される被封止領域Bとを備え、少なくとも被封止領域Bに埋設部33bが形成され、銅または銅合金(もしくはMMC)の線膨張係数が、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりも小さく、封止部材25との差が±25%以内である。さらに、上記半導体装置10gは、放熱部30fの埋設部33bの被封止領域Bに複数の凹部33b2が形成されている。
このような半導体装置10gでも、封止部材25の封止により、絶縁性を保ちつつ、はんだ24a,24b,24cに加わる応力を小さくすることができる。このため、はんだ24a,24b,24cの寿命を延ばすことができる。
また、このような半導体装置10gでも、封止部材25と封止部材25により封止される放熱部30fの埋設部33bの被封止領域Bとの線膨張係数の差は±25%以内と小さい。さらに、半導体装置10gでは、埋設部33bの被封止領域Bに複数の凹部33b2が形成されているために、封止部材25と被封止領域Bとの密着面積が増加することにより、封止部材25の被封止領域Bに対する接合強度が向上する。このため、放熱部30fの埋設部33bの被封止領域Bにおける封止部材25の剥離の発生がより抑制される。
また、放熱部30fは、大部分を占める基体部がアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されており、基体部よりも体積が少ない埋設部33bが銅または銅合金(もしくはMMC)により構成されている。このため、放熱部30fは軽量化を図ることができる。
また、半導体装置10gでも、セラミック回路基板21が搭載される搭載領域Aに銅または銅合金(もしくはMMC)で構成された埋設部33bが設けられている。このような埋設部33bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成された基体部に比べて熱伝導率が高く、放熱性に優れている。このため、半導体装置10gは、第1の実施の形態の半導体装置10よりも、半導体素子22a,22bの冷却性が向上する。
したがって、半導体装置10gは低コスト化を図ると共に、信頼性の低下を抑制することができるようになる。
なお、上記第7,第8の実施の形態の複数の凸部33b1、凹部33b2は、第1〜第6の実施の形態の半導体装置10,10a,10b,10c,10d,10eの放熱部30,30a,30b,30c,30dの被封止領域B(埋設部33,33a,33b,33c,33d)上、にもそれぞれ形成することが可能である。これにより、凸部33b1、凹部33b2がない場合に比べて、封止部材25の被封止領域Bに対する接合強度が向上する。