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JP2018533671A - 携帯電話のハウジング用途のためのポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマー組成物 - Google Patents

携帯電話のハウジング用途のためのポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマー組成物 Download PDF

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JP2018533671A
JP2018533671A JP2018545111A JP2018545111A JP2018533671A JP 2018533671 A JP2018533671 A JP 2018533671A JP 2018545111 A JP2018545111 A JP 2018545111A JP 2018545111 A JP2018545111 A JP 2018545111A JP 2018533671 A JP2018533671 A JP 2018533671A
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ラモン・フローテ
ロベルト・ディルク・ファン・デ・フランペル
マルク・アドリアヌス・ヨハンネス・ファン・デル・メー
レムコ・ヴィルツ
ジエン・ヤン
ジュンファ・ジャン
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サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
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Abstract

本ポリカーボネート組成物は、30〜95質量%の1種以上のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーと、5〜70質量%の、その総質量に基づいて10質量%〜25質量%のシロキサン含量を有するポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーとを含むポリカーボネート組成物であって、前記ポリ(カーボネート−シロキサン)の量は、前記ポリカーボネート組成物の総質量に基づいて0.5質量%〜17.5質量%のシロキサン含量をもたらすために有効な量であり;前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーは、下記式のビスフェノールカーボネート単位、シロキサン単位、又はこれらの単位を少なくとも1つ含む組合せを含み;式中のEは、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50であり;前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーにおいて、シロキサン単位の0.5モル%未満が別のシロキサン単位に直接結合している。

Description

本開示は、ポリカーボネート組成物に関する。より詳細には、本発明は、ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマー組成物、これらの組成物の製造方法及び使用に関する。
ポリカーボネートは、その特性の良好なバランス、とりわけ成形性、耐熱性及び衝撃特性などの良好なバランスに少なくとも部分的に起因して、広範囲の用途に有用である。これらの材料に関する長年にわたる徹底的な研究にもかかわらず、家電製品、例えば携帯電話ハウジング用途等に対するますます厳しい業界基準を満たす改善されたポリカーボネート組成物の必要性が当技術分野には依然として存在する。
したがって、良好な低温衝撃性、耐化学薬品性、及び良好な審美性を含む、携帯電話ハウジング用途における現在の全ての要求を満たすことができるポリカーボネート組成物の必要性が当該技術分野において残っている。
米国特許出願公開第2004/0039145号 米国特許第6,723,864号
当技術分野の上述した不足及び他の不足は、以下のポリカーボネート組成物によって充足される:
30〜95質量%の1種以上のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーと、
5〜70質量%の、その総質量に基づいて10〜25質量%のシロキサン含量を有するポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーと
を含むポリカーボネート組成物であって、
前記ポリ(カーボネート−シロキサン)の量は、前記ポリカーボネート組成物の総質量に基づいて0.5〜17.5質量%のシロキサン含量をもたらすために有効な量であり;
前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーは、
− 下記式:
[式中、
及びRは、それぞれ独立に、C1−12アルキル、C1−12アルケニル、C3−8シクロアルキル、又はC1−12アルコキシであり、
p及びqは、それぞれ独立に、0〜4であり、
は、単結合、−O−、−S−、−S(O)− 、−S(O)−、−C(O)− 、又は式:−C(R)(R)−〔式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、C1−10アルキル、又は式−C(=R)−(式中、Rは2価のC1−10炭化水素基である。)の基である。〕のC1−11アルキリデンである。]
のビスフェノールカーボネート単位;及び、
− 下記式:
(式中、Rは、それぞれ独立に、C1−13の一価の炭化水素基であり、
Arは、それぞれ独立に、C6−30の芳香族基であり、
は、それぞれ独立に、C2−8のアルキレン基であり、
Eは、平均値であり、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50である。)
のシロキサン単位、又はこれらの単位を少なくとも1つ含む組合せ
を含み;
前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーにおいて、シロキサン単位の0.5モル%未満が、別のシロキサン単位に直接結合しており;かつ、
前記ポリカーボネート組成物は、ISO 22088−3に準拠して試験された非曝露基準と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、80%以上の引張降伏強度保持率を有し、ISO 22088−3に準拠して試験した非曝露参照と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、75%以上の破断伸び率を有する、ポリカーボネート組成物。
別の実施態様では、成形品、熱成形品、押出フィルム、押出シート、ハニカム構造、多層物品の1つ以上の層、被覆された物品のための基材、および金属化物品のための基材から選択される物品が、上述したポリカーボネート組成物を含む。
さらに別の実施態様では、物品の製造方法が、上述したポリカーボネート組成物を成形し、押出し、一体成形し、あるいは形削って物品を形成させる工程を含む。
上述した特徴及び他の特徴を、以下の図、詳細な説明、及び実施例に例示する。
図面についての記述は、例示を目的とするものであり、限定的なものではない。
図1は、ゲートブラッシュを有さない試料と、ゲートの周囲にゲートブラッシュの外観を呈する試料を例示する。 図2は、様々な種類のSiPC、すなわちSiPC1、SiPC2、SiPC3、SiPC4、及びSiPC5を含むPCのブレンドのAFM走査画像を示す。
本発明の発明者らは、耐衝撃性、耐化学薬品性及び審美性の良好なバランスを有するポリカーボネート組成物が、予想外に、ポリカーボネートホモポリマーと、その総質量に基づいて10〜25質量%のシロキサン含量を有し、そのシロキサン単位の0.5モル%未満が別のシロキサン単位に直接結合している、ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーとを混合することによって得られ得ることを見出した。理論に拘束されることは望まないが、耐衝撃性、耐化学薬品性及び審美性の予想外の組合せが、ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーにおけるシロキサン単位の質量%を注意深く選択し、バランスをとり、かつ、ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーにおけるシロキサン単位の分布を制御することによって達成されたと考えられる。
特に、同じ総シロキサン含有濃度(loading level)において、同じポリカーボネートを含有するが、その総質量に基づいて25質量%を超えるシロキサン含量を有するポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーを含有する組成物は、不十分な審美性を有し;同じポリカーボネートを含有するが、その総質量に基づいて10質量%未満のシロキサン含量を有するポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーを含有する組成物は、不十分な耐化学薬品性を有する。さらに、同じ総シロキサン含有濃度において、その総質量に基づいて10〜25質量%のシロキサン含量を有するが、0.5モル%を超えるシロキサン単位が別のシロキサン単位に直接結合しているポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーを含有する組成物は、不十分な審美性を有する。
本開示によるポリカーボネート組成物は、耐衝撃性、耐化学薬品性及び審美性の良好なバランスを有する。有利なことに、本開示のポリカーボネート組成物は、ISO 22088−3に準拠して試験された非曝露基準と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、80%以上の引張降伏強度保持率を有し、ISO 22088−3に準拠して試験した非曝露参照と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、75%以上の破断伸び率を有する。本ポリカーボネート組成物は、ASTM D1238に準拠して300℃にて1.2kg荷重下で測定して、5を超えるメルトボリュームフローレート(「MVR」)、及び、3.2mmの厚さを有する成形部品についてASTM D256−2010に準拠して測定して、−10℃以下の延性−脆性遷移温度を有する。さらに、本ポリカーボネート組成物の成形品は、非導電性真空金属被覆(Non Conductive Vacuum Metallization(NCVM))の後に、500グラム(g)の鋼球を500mmの高さから落とした後で亀裂がなく、落球衝撃試験に合格する。また、3.2mmの厚さを有する本ポリカーボネート組成物の成形品は、50%を超える透過率、及び、HazeGard(ASTM D1003−00)によって測定して25%未満のヘイズを有する。本ポリカーボネート組成物は、家庭用電子機器用途、例えば、携帯電話のハウジング用途に有利に使用することができる。
本組成物の個々の成分を、以下により詳細に記述する。
ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーは、下記式(1):
の繰り返し構造カーボネート単位を有する。
ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーは、公知の界面重合及び溶融重合などの方法、例えば国際公開第2013/175448号及び国際公開第2014/072923号に記載されている方法によって、ビスフェノールA(BPA)から製造することができる。末端封鎖剤(鎖停止剤または連鎖停止剤とも呼ばれる)は、以下の末端基:例えば、単環式フェノール、例えばフェノール、p−シアノフェノール等;C−C22アルキル置換フェノール、例えばp−クミルフェノール、レゾルシノールモノベンゾエート、並びにp−及びターシャリーブチルフェノール等;ジフェノールのモノエーテル、例えばp−メトキシフェノール等;ジフェノールのモノエステル、例えばレゾルシノールモノベンゾエート等;脂肪族モノカルボン酸の官能化塩化物、例えば、塩化アクリロイル及び塩化メタクリロイル;モノクロロホルメート、例えばフェニルクロロホルメート、アルキル置換フェニルクロロホルメート、p−クミルフェニルクロロホルメート、及びトルエンクロロホルメート等を提供するために重合中に含めることができる。フェノールおよびパラ−クミルフェノールが具体的に挙げられる。様々な末端基の組み合わせを用いることができる。分岐したポリカーボネートブロックは、重合中に分岐剤を添加することによって調製することができる。分岐剤には、トリメリット酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸トリクロリド、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビス−フェノール、トリス−フェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリス−フェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミルフタル酸無水物、トリメシン酸、及びベンゾフェノンテトラカルボン酸が挙げられる。分枝剤は、0.05〜2.0質量%の濃度で添加することができる。線状ポリカーボネートおよび分岐状ポリカーボネートを含む組合せを使用することができる。
1つの実施態様では、ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーは、架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを用い、ビスフェノールAポリカーボネート標準品で較正したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定して、10,000〜100,000ダルトン、特に15,000〜50,000ダルトン、より特に17,000〜35,000ダルトンの質量平均分子量を有する線状ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーである。GPC試料は、1ml当たり1mgの濃度に調製し、1分当たり1.5mlの流速で留出させる。この方法は、本明細書において、BPAポリカーボネート標準品を用いるGPCとも呼ぶ。
1種以上のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーが存在し得る。例えば、本ポリカーボネート組成物は、BPAポリカーボネート標準品を用いるGPCで測定して20,000〜25,000ダルトンの質量平均分子量を有する第一のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーと、それぞれBPAポリカーボネート標準品を用いるGPCで測定して28,000〜32,000ダルトンの質量平均分子量を有する第二のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマー又は16,000〜19,000ダルトンの質量平均分子量を有する第二のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーと、を含み得る。第一のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーの、第二のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーに対する質量比は、10:1〜1:10、特に5:1〜1:5、より特に3:1〜1:3、又は2:1〜1:2である。
本組成物は、ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマー〔ポリ(カーボネート−シロキサン)とも称する〕をさらに含む。このポリ(カーボネート−シロキサン)は、カーボネート単位及びシロキサン単位を含む。カーボネート単位は、式(2):
のビスフェノールカーボネート単位である。式中、
及びRは、それぞれ独立に、C1−12アルキル、C1−12アルケニル、C3−8シクロアルキル、又はC1−12アルコキシであり、
p及びqは、それぞれ独立に、0〜4であり、
は、単結合、−O−、−S−、−S(O)− 、−S(O)−、−C(O)− 、又は式:−C(R)(R)−〔式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、C1−10アルキル、又は式:−C(=R)−(式中、Rは2価のC1−10炭化水素基である。)の基である。〕のC1−11アルキリデンである。
このカーボネート単位は、ジヒドロキシ化合物、例えば、式(3):
のビスフェノール等から誘導することができる。
式(3)において、R、R、X、p、及びqは、式(2)の説明において上で定義したとおりである。
ビスフェノール化合物の例には、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ボロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、α、α’ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、 1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(5−フェノキシ−4−ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,7−ジヒドロキシピレン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’、3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミド、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアアンスレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチン、2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジメチルフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、及び2,7−ジヒドロキシカルバゾール;レゾルシノール、置換レゾルシノール、例えば5−メチルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、5−プロピルレゾルシノール、5−ブチルレゾルシノール、5−t−ブチルレゾルシノール、5−フェニルレゾルシノール、5−クミルレゾルシノール、2,4,5,6−テトラメチルレゾル−テトラフルオロレゾルシノール、2,4,5,6−テトラブロモレゾルシノール等;カテコール;ハイドロキノン;置換ハイドロキノン、例えば2−メチルハイドロキノン、2−エチルハイドロキノン、2−プロピルハイドロキノン、2−ブチルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、2−フェニルハイドロキノン、2−クミルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6−テトラブロモハイドロキノン等が含まれる。
特定のジヒドロキシ化合物には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」すなわち「BPA」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン〔N−フェニルフェノフタレインビスフェノール、「PPPBP」、すなわち3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルイソインドリン−1−オンとしても知られている。〕、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンビスフェノール)が含まれる。
シロキサン単位(ポリシロキサンブロックとも称される)は、式(4):
の単位である。式中、Rは、それぞれ独立に、C1−13の一価の有機基である。例えば、Rは、C−C13アルキル、C−C13アルコキシ、C−C13アルケニル、C−C13アルケニルオキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルコキシ、C−C14アリール、C−C10アリールオキシ、C−C13アリールアルキル、C−C13アラルコキシ、C−C13アルキルアリール又はC−C13アルキルアリールオキシであってよい。上述した基は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、又はそれらの組み合わせで完全にまたは部分的にハロゲン化されていてもよい。1つの実施態様では、透明なポリカーボネート−ポリシロキサンが望ましい場合、Rはハロゲンで置換されていない。前述のR基の組み合わせを、同じコポリマー内で用いることができる。
式(4)中のEの値は、ポリカーボネート組成物中の各成分の種類及び相対的な量、ポリカーボネート組成物の所望の特性、及び同様の考慮事項次第で、大幅に異なり得る。一般にEは、平均値であり、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50である。
1つの実施態様では、シロキサン単位は、式(5):
の単位である。式中、Eは、式(4)の説明において上で定義したとおりであり;各Rは、同一であっても異なっていてもよく、式(4)の説明において上で定義したとおりであり;Arは、同一であっても異なっていてもよく、置換又は非置換のC−C30アリーレンであり、式中、結合は、芳香族部分に直接結合している。式(5)のAr基は、C−C30ジヒドロキシアリーレン化合物、例えば、式(3)のジヒドロキシ化合物から誘導することができる。例示的なジヒドロキシアリーレン化合物は、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニルスルフィド)、及び1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパンである。前述のジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せを用いることもできる。
式(5)のシロキサン単位の特定の例には、以下の(5a)及び(5b):
の単位が含まれる。
別の実施態様では、シロキサン単位は、式(6):
の単位である。式中、R及びEは、式(4)の説明において上で定義したとおりであり、各Rは、独立に、二価のC−C30有機基であり、式中、重合したポリシロキサン単位は、それに相当するジヒドロキシ化合物の反応残基である。特定の実施態様では、ポリジオルガノシロキサンブロックは、式(7):
のブロックである。式中、R及びEは、式(4)の説明において上で定義したとおりである。式(7)中のRは、二価のC−C脂肪族基である。式(7)中の各Mは、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキルチオ、C〜Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、C−Cアルケニルオキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C12アラルキル、C−C12アラルコキシ、C−C12アルキルアリール又はC−C12アルキルアリールオキシであり、式中、各nは、独立に、0,1,2,3、又は4である。
1つの実施態様では、Mは、ブロモ又はクロロ、アルキル、例えばメチル、エチル又はプロピル、アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、又はプロポキシ、又は、アリール、例えばフェニル、クロロフェニル、又はトルイルであり;Rは、ジメチレン、トリメチレン、又はテトラメチレンであり;かつ、Rは、C1−8アルキル、ハロアルキル、例えばトリフルオロプロピル、シアノアルキル、又はアリール、例えばフェニル、クロロフェニル、又はトリルである。別の実施態様では、Rは、メチルであるか、メチル及びトリフルオロプロピルの組み合わせであるか、あるいはメチル及びフェニルの組み合わせである。別の実施態様では、Rはメチルであり、Mはメトキシであり、nは1であり、Rは、二価のC1−3脂肪族基である。特定のポリジオルガノシロキサンブロックは、以下の式:
のブロック、又は前述したブロックを少なくとも1つ含む組合せである。式中、Eは、平均値であり、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50である。
式(7)のブロックは、相当する式(8):
のジヒドロキシポリジオルガノシロキサンから誘導することができる。式(8)のジヒドロキシポリジオルガノシロキサンは、水素化シロキサンと、脂肪族不飽和一価フェノール(例えば、オイゲノール、2−アルキルフェノール、4−アリル−2−メチルフェノール、4−アリル−2−フェニルフェノール、4−アリル−2−ブロモフェノール、4−アリル−2−t−ブトキシフェノール、4−フェニル−2−フェニルフェノール、2−メチル−4−プロピルフェノール、2−アリル−4,6−ジメチルフェノール、2−アリル−4−ブロモ−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシ−4−メチルフェノール、及び2−アリル−4,6−ジメチルフェノール等)との間のパラジウムで触媒される付加を起こさせて調製することができる。
次いで、ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーを、米国特許出願公開第2004/0039145号に記載された管型(チューブ)反応器プロセス、又は米国特許第6,723,864号に記載されたプロセス、又は米国特許第8,466,249号に記載されたプロセスの1つ以上を用いて製造することができる。
1つの実施態様では、ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーは、ビスフェノールAから誘導されたカーボネート単位、及び、シロキサン繰り返し単位(5a)、(5b)、(7a)、(7b)、(7c)、又はこれらの単位の少なくとも1つを含む組合せ(特に、式7aの単位)を含み、式中、Eは、平均値であり、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50である。
ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーは、このポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーの総質量に基づいて10〜25質量%のシロキサン含量を有する。本明細書で使用する場合、ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーのシロキサン含量は、そのポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーの総質量に基づいたシロキサン単位の質量%を指す。ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーが、そのポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーの総質量に基づいて25質量%を超えるシロキサン含量を有する場合、ポリカーボネート組成物は、所望されるよりも低い審美性を有し得る。ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーが、そのポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーの総質量に基づいて10質量%未満のシロキサン含量を有する場合、ポリカーボネート組成物は、不十分な耐化学薬品性を有し得る。
第一のポリオルガノシロキサン−ポリカーボネートコポリマーは、架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを用い、ビスフェノールAホモポリカーボネート標準を使用して校正したゲル浸透クロマトグラフィーによって決定して、18,000〜35,000ダルトン、特に20,000〜32,000ダルトンの質量平均分子量を有し得る。GPC試料は、1ml当たり1mgの濃度で調製し、1分当たり1.5mlの流速で留出させる。
一般に、ポリカーボネート−ポリシロキサンブロックコポリマーは、式(3)のビスフェノールと、式(8)のジヒドロキシポリジオルガノシロキサンとから、これらのモノマー間のカーボネート結合によって形成されると考えることができる。カーボネートブロック(C)とシロキサンブロック(S)との間には、3つのタイプの連結基が存在する。例示的には、これらの連結基は、C−C、S−S、及びC−Sである。本発明者らは、耐衝撃性、耐化学薬品性、及び審美性をバランス良く有するポリカーボネート組成物を提供するために、ポリカーボネート−ポリシロキサンブロックコポリマーにおけるカーボネート単位とシロキサン単位との間の連結基の種類を制御すべきであることを見出した。ポリシロキサン−ポリカーボネート−において、シロキサン単位の0.5モル%未満が別のシロキサン単位に直接結合し、特にシロキサン単位の0.2モル%未満が別のシロキサン単位に直接結合し、より特にシロキサン単位の0.1モル%未満が別のシロキサン単位に直接結合している。
1つの実施態様では、ポリカーボネート組成物は、それぞれポリカーボネート組成物の総質量に基づいて、30〜95質量%の1種以上のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーと、5〜70質量%のポリ(カーボネート−シロキサン)とを含む。このポリ(カーボネート−シロキサン)は、それぞれポリカーボネート組成物の総質量に基づいて、0.5〜17.5質量%、特に1〜14質量%、より特に1.5〜12質量%、あるいは2〜12質量%の総シロキサン含量をもたらすのに効果的である。ポリ(カーボネート−シロキサン)は、ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマー及びポリ(カーボネート−シロキサン)の質量の総に基づいて、5〜40質量%の量で存在する。ポリ(カーボネート−シロキサン)は、ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマー及びポリ(カーボネート−シロキサン)の質量の総に基づいて、10〜30質量%の量で存在することもできる。
ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマー及びポリ(カーボネート−シロキサン)に加えて、ポリカーボネート組成物は、任意選択で、このようなタイプのポリマー組成物に一般的に組み入れられる様々な添加剤を含み得る。但し、これらの添加剤は、ポリカーボネート組成物の所望の特性、特に、耐衝撃性、耐化学薬品性、及び審美性に有意な悪影響を与えないように選択されることを条件とする。添加剤には、充填剤、補強剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線(UV)安定剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤(例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、及び有機染料等)が含まれる。添加剤の組合せ、例えば、熱安定剤、離型剤、及び紫外線光安定剤の組合せを使用することができる。一般に、添加剤は、一般に効果的であると知られている量で用いられる。例えば、(耐衝撃性改良剤、充填剤、又は補強剤以外の)添加剤の総量は、ポリカーボネート組成物の総質量に基づいて、0.01〜5質量%であることができる。1つの実施態様では、ポリカーボネート組成物は、加工助剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線光吸収剤、又は前述の少なくとも1つを含む組合せを、組成物の質量に基づいて5質量%未満しか含まない。
ポリカーボネート組成物は、任意選択で、顔料添加剤及び/又は染料添加剤を含む着色剤組成物を含むことができる。有用な顔料には、例えば、無機顔料、例えば、金属酸化物及び混合された金属酸化物(例えば、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄など);硫化物(例えば、硫化硫黄など);アルミン酸塩;ナトリウムスルホケイ酸塩、ケイ酸塩、クロム酸塩など;カーボンブラック;亜鉛フェライト;ウルトラマリンブルー;有機顔料、例えば、アゾ、ジアゾ、キナクリドン、ペリレン、ナフタレンテトラカルボン酸、フラバントロン、イソインドリノン、テトラクロロイソインドリノン、アントラキノン、アントラキノン、アントロン、ジオキサジン、フタロシアニン、アゾレーキなど;ピグメントレッド101、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット29、ピグメントブルー15、ピグメントブルー60、ピグメントグリーン7、ピグメントイエロー119、ピグメントイエロー147、ピグメントイエロー150、及びピグメントブラウン24;または前述の顔料の少なくとも1つを含む組合せが含まれ得る。
色素は、一般に有機材料であり、色素には、クマリン色素、例えばクマリン460(青色)、クマリン6(緑色)、ナイルレッド等;ランタニド錯体;炭化水素染料及び置換炭化水素染料;多環式芳香族炭化水素染料;シンチレーション染料、例えばオキサゾール染料又はオキサジアゾール染料等;アリールまたはヘテロアリール置換ポリ(C2−8)オレフィン染料;カルボシアニン色素;インダントロン染料;フタロシアニン染料;オキサジン染料;カルボスチリル染料;ナフタレンテトラカルボン酸染料;ポルフィリン染料;ビス(スチリル)ビフェニル染料;アクリジン染料;アントラキノン染料;シアニン色素;メチン染料;アリールメタン染料;アゾ染料;インジゴイド染料、チオインジゴイド染料、ジアゾニウム染料;ニトロ染料;キノンイミン染料;アミノケトン染料;テトラゾリウム染料;チアゾール染料;ペリレン染料、ペリノン染料;ビス−ベンゾオキサゾリルチオフェン(BBOT);トリアリールメタン染料;キサンテン染料;チオキサンテン染料;ナフタルイミド染料;ラクトン染料;蛍光色素分子、例えば、近赤外波長で吸収し可視波長で発光するアンチストークスシフト色素等;発光染料、例えば7−アミノ−4−メチルクマリン等;3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン;2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール;2,5−ビス−(4−ビフェニリル)−オキサゾール;2,2’−ジメチル−p−クォーターフェニル;2,2−ジメチル−p−テルフェニル;3,5,3””、5””−テトラ−t−ブチル−p−キンクフェニル;2,5−ジフェニルフラン;2,5−ジフェニルオキサゾール;4,4’−ジフェニルスチルベン;4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン;1,1’−ジエチル−2,2’−カルボシアニンヨウ化物;3,3’−ジエチル−4,4’、5,5’−ジベンゾチオジカルボシアニンヨージド;7−ジメチルアミノ−1−メチル−4−メトキシ−8−アザキノロン−2;7−ジメチルアミノ−4−メチルキノロン−2;2−(4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−3−エチルベンゾチアゾリウムパークロレート;3−ジエチルアミノ−7−ジエチルイミノフェノキサゾールアゾニウムパークロレート;2−(1−ナフチル)−5−フェニルオキサゾール;2,2’−p−フェニレン−ビス(5−フェニルオキサゾール);ローダミン700;ローダミン800;ピレン、クリセン、ルブレン、コロネン等;又は前述の染料の少なくとも1つを含む組合せが含まれる。
本組成物は、白色、灰色、灰白色、黒色等を含む任意の適切な色を有することができる。白色又は灰色は、80以上のL値を示し得る。白色又は灰色を有する組成物は、それぞれポリカーボネート組成物の総質量に基づいて、0.1〜30質量%、0.1〜25質量%、0.1〜20質量%、又は0.1〜15質量%の量の二酸化チタンを含むことができる。
灰色又は黒色は、80未満のL値を示し得る。灰色又は黒色を有する組成物は、それぞれ着色剤組成物の総質量に基づいて、0を超えて1.5質量%の量のカーボンブラックを含むことができる。1つの実施態様では、本組組成物から形成された1mm厚さを有する成形試料は、CIE Lab法により、10°の観測角度、D65光源を用い、鏡面反射成分を含めて反射モードで測定して、29以下の平均L値を有する。
本ポリカーボネート組成物は、任意選択で、難燃剤を含んでいてもよい。様々な種類の難燃剤を利用することができる。1つの実施態様では、難燃性添加剤には、例えば、難燃性塩、例えば、ペルフルオロ化C−C16アルキルスルホネートのアルカリ金属塩等〔例えば、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム(Rimar塩)、ペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム、ペルフルオロヘキサンスルホン酸テトラエチルアンモニウム等〕、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム(KSS)、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム(NATS)等;アルカリ金属またはアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびバリウム)の塩と、無機酸錯塩(例えばオキソアニオン)との反応によって生成する塩(例えば、炭酸のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、例えば、NaCO、KCO、MgCO、CaCO、及びBaCO)、あるいはフルオロ−アニオン錯体との反応によって生成する塩(例えば、LiAlF、BaSiF、KBF、KAlF、KAlF、KSiF、及び/又はNaAlF)などが含まれる。Rimar塩、KSS、及びNATSが、単独で、あるいは他の難燃剤との組み合わせで、本明細書に開示した組成物において特に有用である。
本ポリカーボネート組成物は、任意選択で、滴下防止剤を含んでいても良い。滴下防止剤は、フィブリル形成性フッ素ポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などであってよい。滴下防止剤は、上述した硬質コポリマー(例えば、スチレンアクリロニトリル(SAN)など)でカプセル化されたものであることができる。SAN内にカプセル化されたPTFEは、TSANとして既知である。カプセル化フッ素ポリマーは、例えば水分散液中、フッ素ポリマーの存在下で封入ポリマーを重合することにより製造され得る。TSANにより、PTFEと比べて、より容易に組成物中に分散され得るという著しい利点がもたらされる。例示的なTSANは、カプセル化フッ素ポリマーの総質量に対して、50質量%のPTFE及び50質量%のSANを含んでいてもよい。このSANは、コポリマーの総質量に対して、例えば、75質量%のスチレン及び25質量%のアクリロニトリルを含んでいてもよい。あるいは、フッ素ポリマーを、第2のポリマー(例えば、芳香族ポリカーボネート又はSANなど)と何らかの方法で事前に混合して、滴下防止剤として使用される凝集材料を形成させてもよい。いずれの方法も、カプセル化フッ素ポリマーを生成させるために使用することができる。
本ポリカーボネート組成物は、任意選択で、充填剤組成物をさらに含んでいてよい。充填剤組成物は、ポリカーボネート組成物の総質量に基づいて、1〜20質量%又は1〜15質量%の量で存在する。1つの実施態様では、充填剤組成物は、二酸化チタンを含む。
本ポリカーボネート組成物は、優れた審美特性を有する。本組成物の成形品は、審美的欠陥(例えば、黒すじ;ニットラインの視認性;ゲートブラッシュ;又は真珠光沢など)が、同じシロキサン充含有量を有するが、ビスフェノールAカーボネート単位及びシロキサン単位を含むポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーであって、20モル%を超えるシロキサン単位が別のシロキサン単位に直接結合しているものを含有する参照組成物と比較して、低減されている。
厚さが3.2mm厚の本組成物の成形品は、50%を超える透過率と、HazeGard(ASTM D1003−00)によって測定して25%未満のヘイズとを有する。
本ポリカーボネート組成物は、良好な耐衝撃性をさらに有し得る。組成物は、ISO 3167タイプAに従う多目的試験片を用いて、ISO 180/1Aに準拠して23℃で測定して、少なくとも60kJ/m又は少なくとも70kJ/mのアイゾットノッチ付き衝撃エネルギーを有し得る。組成物は、ISO 3167タイプAに従う多目的試験片を用いて、ISO 180/1Aに準拠して−30℃で測定して、少なくとも50kJ/m又は少なくとも60kJ/mのアイゾットノッチ衝撃エネルギーを有し得る。組成物は、ISO 3167タイプAに従う多目的試験試料を使用して、ISO 180/1Aに準拠して23〜−30℃で測定して、80%を超える延性を有することができる。組成物は、ASTM D256−10に準拠し、+23℃、−10℃、−20℃、−30℃、−40℃、又は−50℃で測定して、少なくとも600J/m、少なくとも700J/m、又は少なくとも800J/mのアイゾットノッチ衝撃エネルギーを有し得る。これらの値は、例えば0.1〜10mm、0.5〜5mm、3mm、又は4mmの広い範囲の厚さを有する物品で得ることができる。
本ポリカーボネート組成物は、3.2mmの厚さを有する成形部品についてASTM D256−2010に準拠して測定して、−10℃以下の延性−脆性遷移温度を有する。
ポリカーボネート組成物の成形品は、非導電性真空金属被覆(Non Conductive Vacuum Metallization(NCVM))の後に、500グラム(g)の鋼球を500mmの高さから落とした後で亀裂がなく、落球衝撃試験に合格する。
本ポリカーボネート組成物は、良好な耐化学薬品性を有し得る。本組成物は、ISO 22088−3に準拠して試験された非曝露基準と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、80%以上の引張降伏強度保持率を有し;ISO 22088−3に準拠して試験した非曝露参照と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、75%以上の破断伸び率を有する。
本ポリカーボネート組成物は、加工を助ける良好な溶融粘度をさらに有することができる。ポリカーボネート組成物は、ASTM D1238に準拠して1.2kgの荷重下で300℃にて測定して、4〜30、5以上、8以上、10以上、12以上、14以上、16以上、18以上、又は20以上のメルトボリュームフローレート(MVR、10分当たりの立方センチメートル(cc/10分))を有し得る。同じ又は同様の値が、広い範囲の厚さを有する物品、例えば0.1〜10mm、又は0.5〜5mmの厚さを有する物品で得られ得る。
ポリカーボネート組成物は、当技術分野で公知の様々な方法によって製造することができる。例えば、粉末ポリカーボネートホモポリマー、ポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマー、及び他の任意の成分を、任意にいずれかの充填剤と、高速ミキサー内で、あるいは手で混合することによって、最初にブレンドする。次に、このブレンドを、ホッパーを介して二軸スクリュー押出機のスロートに供給する。あるいは、成分の少なくとも1つを、スロート及び/又は下流でサイドスタッファーを介して押出機に直接供給することによって、あるいは所望のポリマーと共にマスターバッチにコンパウンド化して押出機に供給することによって、組成物に組み込むことができる。押出機は、一般に、組成物を流動させるのに必要な温度より高い温度で操作される。押出物は、水浴中で直ちに急冷され、ペレット化され得る。このようにして調製されたペレットは、所望により1/4インチ以下の長さにすることができる。このようなペレットは、その後の成型、成形、又は形成のために使用することができる。
ポリカーボネート組成物を含む成形品、形成品、キャスト品または成型品も提供される。ポリカーボネート組成物は、射出成形、押出成形、回転成形、ブロー成形、および熱成形などの様々な方法によって有用な成形品に成形することができる。物品は、成型品、熱成形品、押出フィルム、押出シート、ハニカム構造、多層物品の1つ以上の層、被覆物品のための基材、及び金属被覆物品のための基材であり得る。
物品は、ゲームコンソール、ゲームコントローラ、携帯ゲーム機器、携帯電話、テレビ、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末、ポータブルメディアプレーヤー、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤ、電気器具、電動工具、ロボット、おもちゃ、グリーティングカード、家庭用娯楽システム、及びアクティブスピーカー、又はサウンドバーから選択される家庭用電子機器の部品である。
物品は、アダプタ、携帯電話、スマートフォン、GPS装置、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、電子リーダー、コピー機、又はソーラー装置用の電子ハウジングである。
物品は、パネル、クォーターパネル、ロッカーパネル、トリム、フェンダー、バッテリーカバー、ドア、デッキ蓋、トランクリッド、フード、ボンネット、屋根、バンパー、ダッシュボード、グリル、ミラーハウジング、ピラーカバー、クラッド、ボディサイドモールディング、ホイールカバー、ハブキャップ、ドアハンドル、スポイラー、窓枠、ヘッドランプベゼル、ヘッドランプ、テールランプ、テールランプハウジング、テールランプベゼル、ナンバープレートエンクロージャー、ルーフラック、及びランニングボードを含む、自動車、スクーター、及びオートバイの外装及び内装部品である。
上述した特徴及びその他の特徴は、以下の詳細な説明および実施例によって例示される。 実施例において、特に明記しない限り、成分のパーセント(%)及びシロキサンの百分率(%)は、ビスフェノールA線状ポリカーボネートホモポリマー及び(ポリジメチルシロキサン)−ビスフェノールA線状ポリカーボネートコポリマーの重量の合計に対する重量パーセントである。
材料
実施例で用いた材料を表1に記載している。
「チューブ」コポリマーは、米国特許出願公開第2004/0039145号明細書に記載されたチューブリアクター法、又は米国特許第6,723,864号明細書に記載された方法、又は米国特許第8,466,249号明細書に記載された方法の1つ以上を使用して製造した。「アップフロント」コポリマーは、界面反応条件下で、ビスフェノールA及びオイゲノール末端ポリジメチルシロキサンの混合物にホスゲンを導入することによって製造した。EE/EB比は、PDMS-BPAポリカーボネートコポリマーについて、BPAサブユニットに直接結合したポリジオルガノシロキサンサブユニット(EB)に対する、別のポリジオルガノシロキサンサブユニットに直接結合したポリジオルガノシロキサンサブユニット(EE)のモル比をいう。このEE/EB比は、核磁気共鳴分光法(NMR)によって測定した。
実施例で用いた添加剤組成物は、0.03〜0.06%のIrgafos 168を含んでおり(表に示したとおり)、灰色、白、又は黒色パッケージで示されている。
ブレンド、押出し、及び成形条件
組成物は、ドライブレンドで全ての成分を予備混合し、15分間タンブルミキサーで混合することによって調製した。予備混合物を、表2に示した条件下で、同方向回転二軸スクリュー押出器に直接供給した。押出物をペレット化し、除湿乾燥器中で、約120℃において約3時間乾燥させた。試験片を作成するために、乾燥させたペレットを表2に示した条件下でENGEL成形機中で射出成形して、適切な試験サンプルを形成させた。
試験法
ISO 527に準拠して、50mm/分で、室温において、標準ISO引張り試験片について引張り特性を測定した。
ASTM D256-10に準拠して、5重量ポンド(lbf)の負荷のもとで、及びISO 180に準拠して5.5 Jの負荷のもとで、23℃、-20℃、-30℃、-40℃、又は-50℃の温度を含む様々な温度で、ノッチ付きアイゾット衝撃強度(INI)を測定した。全てのASTM INIの測定は3.2 mm厚さのサンプル片について行い、一方ISO INI測定は3 mm厚さのサンプル片について行った。
ASTM D256-10又はISO 180にしたがい、様々な温度において衝撃特性を測定して、脆性破壊が最初に観察される温度を同定することによって、INI延性/脆性遷移温度(D/B遷移温度)を測定した。D/B遷移温度は低いほど良い。
メルトボリュームレート(MVR)は、ASTM D1238に準拠して、1.2 kgの負荷のもとで300℃において測定した。
ヘイズガード(ASTM D1003-00)によるヘイズ及び透過率測定は、3.2 mm厚さの射出成形サンプルを使用した。
真珠光沢は外観検査によって決定した。1サンプル当たり3つのパーツを、3人の検査者によって、4つの参照材料〔格付け3及び5の2つの中間参照品とともに、格付け1の優れた性能(真珠光沢なし)から格付け7の非常に真珠光沢までの範囲に相当する材料〕とランダムに比較した。参照は、3名の経験豊富な試験者によって選択され、真珠光沢についての全ての分析に対して固定された。各パーツは、4つの参照と別個に比較され、各参照に対してより良い、より悪い、又は同等に格付けした。この評価に基づいて、1〜7の格付けされた評価が各パーツに与えられ、全体としての格付けは、全ての試験者による全ての測定の平均である。
ゲートブラッシュは、1.0 mmの厚さを有し、1.4 mmの直径を有する1つのゲートを備えた、成形したモバイルフォンパーツを用いて評価した。このパーツを様々な加工条件の下で成形し、ゲート周りの領域を各加工条件について評価し、ゲートブラッシュを示したサンプルの数を数えた。
環境応力亀裂耐性(ESCR)は、環境、温度、及び応力の組み合わせによる影響としての、ポリマー材料の加速破壊のことをいう。破壊は、主に材料の特性、化学薬品、曝露の条件、及び応力の大きさに左右される。この試験は、ISO 22088-3規格に従い、0.5%又は1%の応力のもとで、24時間、室温において、表面に化学薬品(BANABA BOATサンスクリーン)を適用して、ISO引張り試験片を用いた。24時間後、引張り強度の保持率、及び破断時伸びをISO 527に準拠して測定し、曝露されていない参照品と比較した。
非導電性真空金属被覆(NCVM)を、典型的な工業的標準法によって行った。NCVMとは、真空チャンバー内で、物品の上に金属被覆材料を適用することを意味する。適用される被覆材料は、それが蒸発を始めるまで加熱される。この気化した金属が、その物品の上に、被覆中に均一さを作り出す薄い金属膜として凝縮する。
NCVMの前及び後で、モバイルフォンパーツに対して、その中央部及び角部に落球試験を行った。500 mmの試験高さから、500 gの鋼球をモバイルフォンパーツの上に落とし、壊れたサンプルの数を数えた。
様々なSiPC/PCブレンド物の審美性
EE/EB比及びシロキサン含有量(6〜40%)について変化のある様々なSiPCコポリマーとPCとのブレンド物の審美性を表3に比較している。
表3は、類似の組成物中のシロキサン含有量における、ポリカーボネートとSiPCとのブレンド物の全体特性に対する、SiPCコポリマー中のEE/EB比並びにシロキサン含有量の両方の影響を示している。
CEx4は、アップフロント法によって作られ、38/62のEE/EBモル比を有する、20%シロキサンを有するSiPC4を含み、3.5%シロキサンを有するSiPC4/PCブレンド物が、高いレベルの真珠光沢を有する(7の値である)ことを示している。図2において実証されているように、シロキサンドメインは比較的大きく(典型的には20〜50 nm)、これはアップフロント法を用いたこと及び高いEE/EB比によるものであり、典型的には比較的「ブロック」的なSiPCコポリマーをもたらし、これが効果的な耐衝撃性改良剤として作用するが、比較的劣る審美性を引き起こす。
CEx5は、チューブ法によって作られ、0/100のEE/EBモル比を有する、6%シロキサンを有するSiPC5を含み、3.75%のシロキサンを有するSiPC5/PCブレンド物が、はるかに良い審美特性を有し、真珠光沢の外観を示さない(1の値である)ことを示している。図2において実証されているように、シロキサンドメインは比較的小さく(典型的には20 nm未満)、これはチューブ法を用いたこと及び低いEE/EBモル比によるものであり、典型的には比較的ランダムなSiPCコポリマーをもたらし、これはより効果の小さな耐衝撃性改良剤として作用するが、良好な審美性を有する。
20%シロキサン含有PCに対する審美特性の改善は、アップフロント法(SiPC4)に代えてチューブ法(SiPC1)を用いることによって達成することができる。EX1は、チューブ法によって作られ、0/100のEE/EBモル比を有する、3.5%シロキサンを有するSiPC1/PCブレンド物は、CEx4よりもはるかに良好な審美特性を有し、2の真珠光沢の格付けであり、CEx5に近い。図2において実証されているように、シロキサンドメインは比較的小さく(約20 nm)、これはチューブ法を用いたこと及び低いEE/EBモル比によるものであり、典型的には比較的ランダムなSiPCコポリマーをもたらし、これは比較的良好な審美性を有し、さらに、良好な衝撃特性を有する。
チューブ法によって作られるSiPCコポリマー中のシロキサン%を30%(SiPC2)又は40%(SiPC3)へとさらに高めることは、同じようには良好な審美特性をもたらさない。CEx2及びCEx3は、チューブ法を用い、0/100のEE/EB比をもつランダムSiPCコポリマーを生成しているにもかかわらず、チューブ法によって作られた3.5%シロキサンを有するSiPC2/PC及びSiPC3/PCブレンド物が非常に劣る審美特性を有し、7の高い真珠光沢値をもつことを示している。このことに対する説明は、図2に示したモルフォロジーに見ることができる。SiPC2及びSiPC3とPCとのブレンド物の場合には、シロキサンドメインが非常に大きい(100〜200 nmの大きさ)。非常にランダムなコポリマーであるにもかかわらず、ドメインサイズは大きく、このことは、高いシロキサン含有量をもつSiPCコポリマーはPCホモポリマーと良好に混じることができず、そのために、比較的劣る審美性を有することを示唆している。
結論として、これらの結果は、良好な審美性を有するようにSiPCコポリマーとPCのブレンド物を配合することができるが、方法(チューブ法)(これはEE/EB比に影響を及ぼす)とシロキサン含有量(10〜30%)の両方が、特性の適正なバランスを達成するように最適化されなければならないことを示している。
衝撃及び流動特性
本明細書の開示の例示組成物及び比較組成物の衝撃及び流動特性を表4及び5に示している。
表4は、アップフロント法(SiPC4)及びチューブ法(SiPC1)によって作られた20%シロキサンを有するSiPCコポリマーとPCのブレンド物を、高いフローレベル(15〜20のMVR)で比較している。様々なPCタイプの含有量は、このMVR目標値を達成するように調節した。
例6〜9は、SiPC1/PCブレンド物が、同じシロキサン含有量(CEx10〜CEx13)をもつSiPC4/PCブレド物と同様のフロー(15〜19のMVR)及び同様の低温衝撃特性(D/B遷移温度)を有することを示している。しかし、前に示したように、SiPC4/PCブレンド物は劣る審美性を有しており、なぜならそれはアップフロント法で作られ、38/62のEE/EBモル比を有するからである。
同様のフローレベルのPCホモポリマー組成物(CEx14)と比べると、SiPC1/PCブレンド物は、組成物中にわずか5%のSiPC1しかなくても優れた衝撃性能を有し、PC(CEx14)の0%延性と比較して-20℃で80%の延性を有し(Ex6)、より高いSiPC1含有量においてはさらに改善された衝撃性を有する。
SiPC1/PCブレンド物は、同様のシロキサン含有量において、SiPC4/PCブレンド物と比較してはるかに高い透過率及びより低いヘイズを有し、これは典型的に、改善された審美特性、例えば改善された真珠光沢又はゲートブラッシュを示している。これは、0/100のEE/EBモル比を有し、チューブ法によって作られたSiPC1に関連しており、その一方、SiPC4は38/62のEE/EBモル比を有する。
これらの結果は、SiPC1/PCブレンド物は、同様のシロキサン含有量及びフローをもつSiPC4/PCブレンド物と比較して、良好な審美性と組み合わせて、低温衝撃性及び流動特性の優れたバランスを有し、かつ審美性と衝撃特性のより良いバランスを有するように配合することができることを実証している。
表5は、中間のフローレベル(7〜10のMVR)において、アップフロント法(SiPC4)及びチューブ法(SiPC1)によって作られた20%シロキサンを有するSiPCコポリマーとPCのブレンド物を比較している。異なるPCタイプの含有量は、このMVR目標値を達成するように調節した。
例15〜18は、低いSiPC1含有量でさえ、SiPC1/PCブレンド物は優れた低温衝撃特性を有し、-30又は-40℃のD/B遷移をもつことを示している。同じシロキサン含有量において、SiPC1/PCブレンド物は、SiPC4/PCブレンド物と同様の性能を示す(CEx19と比較したEx17)。
これらの結果は、前に示したように、同様のシロキサン含有量及びフローをもつSiPC4/PCブレンド物と比較して、良好な審美性と組み合わせて、低温衝撃及びフロー特性の優れたバランスを有し、かつ審美性と衝撃特性のより良いバランスを有するように、SiPC1/PCブレンド物を配合することができることを実証している。
耐化学薬品性
本明細書で開示する例示組成物と比較組成物の耐化学薬品特性を表6に示している。さまざまなPCタイプの含有量は、7〜9のMVR目標値を達成するように調節した。
表6中の結果は、SiPC1/PCブレンド物が、0.5%歪みにおいて、24時間、Banana Boat SPF30サンスクリーンに曝露させた後で、引張り強度及び破断時伸びを良好に保持することを示しており、その値は15〜25%の間のSiPC1含有量について75%より高い(Ex17, Ex20, Ex21, 及びEx18)ことを示している。これは、同じシロキサン含有量におけるSiPC4/PCブレンド物に似ており(Ex17と比較したCEx23)、SiPC5/PC(CEx22)のブレンド物よりも顕著に良好であり、後者は引張り特性を保持していない。前に示したとおり、SiPC4/PCブレンド物は顕著な真珠光沢を伴う劣る審美特性(CEx4)及び低い透過率(CEx12)を有し、その一方でSiPC1/PC及びSiPC5/PCブレンド物は低い真珠光沢を有するか全く真珠光沢を有しない。
結論として、SiPC1/PCブレンド物は、SiPC4/PCブレンド物(同じ耐化学薬品性であるが、劣る審美性)又はSiPC5/PCブレンド物(良好な審美性であるが、劣る耐化学薬品性)と比べて、サンスクリーンに対する耐化学薬品性と審美性の良好なバランスを有する。
モバイルフォン部品の成形
表7は、本明細書で開示した例示組成物及び比較組成物に対するゲートブラッシュの発生及び金属被覆後の衝撃性能を示している。様々なPCタイプの含有量は、10〜15のMVR目標値を達成するように調節した。
これらの例は、典型的なモバイルフォン試験におけるSiPC1/PCブレンド物の性能を実証している。モバイルフォンを成形し、様々な条件、すなわち、溶融温度(300、320、又は340℃)及び射出速度(22〜155 mm/s)(これはゲートにおいて様々な剪断速度をもたらす)のもとで試験を行った。落球試験性能を、中央及び角部において、非導電性真空金属被覆(NCVM)の前及び後で測定した。ゲートブラッシュについては、データは、ゲートブラッシュを示した部品の数/部品の総数を示している。落球試験については、データは、落球試験に不合格だった部品の数/部品の総数を示している。
結果は、溶融温度及び射出速度を変えたほとんどの条件下で、特に高い射出速度において、SiPC4(20%シロキサン, アップフロント法によって製造したもの, EE/EBモル比38/62)及びPCを含む白色及び灰色のサンプル(CEx25及びCEx28)について、顕著なゲートブラッシュの問題があることを示している。一方、PCと、SiPC1(20%シロキサン, チューブ法によって製造したもの, EE/EBモル比0/100)(Ex24及びEx27)又はSiPC5(6%シロキサン, チューブ法によって製造したもの, EE/EBモル比0/100)(CEx26及びCEx29)とのブレンド物は、どの評価した条件の下でもゲートブラッシュを有しない。これは、SiPC4/PCブレンド物を上回る、SiPC1/PC及びSiPC5/PCブレンド物の優れた審美性能を実証している。
落球試験データは、金属被覆の前及び後の両方において、白色のSiPC1/PC、SiPC4/PC、及びSiPC5/PCブレンド物については全ての場所において全ての部品が試験に合格することを示している。しかし、灰色のものの場合には、不合格である(角部で3/3)SiPC5/PCブレンド物について、顕著な差異が観察できるが、その一方、全てのSiPC1/PC及びSiPC4/PCブレンド物は試験に合格している。これは、SiPC5/PCブレンド物のより低いMVR(これは衝撃性能に対して一般に有利である)にもかかわらず、同じシロキサン含有量においてSiPC5と比較して、NCVM金属被覆の後で、SiPC1又はSiPC4を含むブレンド物は優れた衝撃保持を有することを示している。
これらの結果は、組成物中の同じシロキサン含有量において、SiPC4/PC(良好な衝撃保持,しかしゲートブラッシュの問題)及びSiPC5/PC(ゲートブラッシュなし, しかし金属被覆後、衝撃性能を失う)と比較して、SiPC1/PCブレンド物は、審美性(ゲートブラッシュなし)及び金属被覆後の衝撃保持の優れたバランスを有することを示している。
審美性及び耐化学薬品性
表8は、本明細書の開示による例示組成物についての真珠光沢の発生と、サンスクリーンに曝露した後の特性保持を示している。
CEx45は、SiPC4(アップフロント法によって作られ、20%シロキサン及び38/62のEE/EBモル比をもつSiPC)及びPCのブレンド物は、3.5%のシロキサン含有量において、7の真珠光沢値(これは最大値である)をもち、真珠光沢試験において非常に劣る結果を示し、これはポリカーボネート及びSiPC4を含むサンプルが、劣る審美性能を有することを示している。
CEx40は、SiPC5(チューブ法によって作られ、6%シロキサン及び0/100のEE/EBモル比をもつSiPC)及びPCのブレンド物は、3.5%のシロキサン含有量において、純粋なPC組成物と同様の、真珠光沢値をもつ優れた真珠光沢特性を有し、最良の可能な格付け1を有することを示している。
例30から33は、SiPC1(チューブ法によって作られ、20%シロキサン及び0/100のEE/EB比をもつSiPC)及びPCのブレンド物は、様々なブレンド比において優れた真珠光沢特性を有することを示している。シロキサン含有量10%以下で、最良の可能な格付けがSiPC5と同様に達成されるが、その一方で、10%〜70%の範囲のSiPC1の含有量をもつ、より多いシロキサン含有量において、真珠光沢性能はいくらか低下して2.25の格付けを有するが、それでもなおSiPC4よりもはるかに優れている。これは、70%以下のSiPCという広い範囲で変化させたSiPC1含有量において、SiPC1及びPCのブレンド物を用いて良好な審美性を得ることができることを実証しており、これは、その他の特性、例えば、衝撃及び流動特性に対してブレンド組成を最適化することを可能にする。
さらに、例30〜33はまた、0.5%(Ex30)及び1%の歪み(Ex31〜33)において、バナナボートサンスクリーンへの曝露後に、引張り強度及び破断時伸びを良好に保持しており、CEx45〔これはPCとSiPC4(アップフロント法によって作られ38/62のEE/EBをもつ20D45 SiPC)とのブレンド物に基づいている〕と同等であり、CEx40〔これはSiPC5とPCのブレンド物である(チューブ法によって作った6D45 SiPC)〕よりも優れている。
これらの結果は、SiPC1/PCブレンド物は、組成物中の同じシロキサン含有量において、SiPC4/PC(良好な耐化学薬品性、しかし顕著な真珠光沢)及びSiPC5/PC(真珠光沢なし、しかし劣る耐化学薬品性)ブレンド物と比較して、審美性(低い真珠光沢)とサンスクリーンに対する耐化学薬品性との優れたバランスを有することを示している。
ここでの開示には、以下の具体的な態様がさらに含まれ、これらは特許請求の範囲を必ずしも制限するものではない。
態様1.30〜95質量%の1種以上のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーと、
5〜70質量%の、その総質量に基づいて10〜25質量%のシロキサン含量を有するポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーと
を含むポリカーボネート組成物であって、
前記ポリ(カーボネート−シロキサン)の量は、前記ポリカーボネート組成物の総質量に基づいて0.5〜17.5質量%の総シロキサン含量をもたらすために有効な量であり;
前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーは、
− 下記式:
[式中、
及びRは、それぞれ独立に、C1−12アルキル、C1−12アルケニル、C3−8シクロアルキル、又はC1−12アルコキシであり、
p及びqは、それぞれ独立に、0〜4であり、
は、単結合、−O−、−S−、−S(O)− 、−S(O)−、−C(O)− 、又は式:−C(R)(R)−〔式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、C1−10アルキル、又は式:−C(=R)−(式中、Rは2価のC1−10炭化水素基である。)の基である。〕のC1−11アルキリデンである。]
のビスフェノールカーボネート単位;及び、
− 下記式:
(式中、Rは、それぞれ独立に、C1−13の一価の炭化水素基であり、
Arは、それぞれ独立に、C6−30の芳香族基であり、
は、それぞれ独立に、C2−8のアルキレン基であり、
Eは、平均値であり、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50である。)
のシロキサン単位、又はこれらの単位を少なくとも1つ含む組合せ
を含み;
前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーにおいて、シロキサン単位の0.5モル%未満が、別のシロキサン単位に直接結合しており;かつ、
前記ポリカーボネート組成物は、ISO 22088−3に準拠して試験された非曝露基準と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、80%以上の引張降伏強度保持率を有し、ISO 22088−3に準拠して試験した非曝露参照と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、75%以上の破断伸び率を有する、ポリカーボネート組成物。
態様2.ASTM D1238に準拠して300℃にて1.2kg荷重下で測定して、5を超えるメルトボリュームフローレート、及び、3.2mmの厚さを有する成形部品についてASTM D256−2010に準拠して測定して、−10℃以下の延性−脆性遷移温度を有する、態様1のポリカーボネート組成物。
態様3.着色剤組成物をさらに含み、
前記ポリカーボネート組成物から形成された1mm厚さの成形試料が、CIELAB法により、10°の観測角度、D65光源を用い、鏡面反射成分を含めて反射モードで測定して、29以下の平均L値を有する、態様1または2のポリカーボネート組成物。
態様4.前記ポリカーボネート組成物の成形品が、同じシロキサン含量を有し、ビスフェノールAカーボネート単位とシロキサン単位とを含むポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーであるが、20モル%を超えるシロキサン単位が別のシロキサン単位に直接結合しているポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーを含有する参照組成物の成形品と比較して、低減された審美的欠陥を有し、前記審美的欠陥が、以下:黒すじ;ニットラインの視認性;ゲートブラッシュ;又は真珠光沢の1つ以上を含む、態様1〜3のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様5.前記ポリカーボネート組成物の成形品が、非導電性真空金属被覆(Non Conductive Vacuum Metallization(NCVM))の後に、500グラム(g)の鋼球を500mmの高さから落とした後で亀裂がなく、落球衝撃試験に合格する、態様1〜4のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様6.厚さ3.2mmを有する前記ポリカーボネート組成物の成形品が、50%を超える透過率、及び、HazeGard(ASTM D1003−00)によって測定して25%未満のヘイズを有する、態様1〜5のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様7.前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーのビスフェノールカーボネート単位が、ビスフェノールAカーボネート単位であり、前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーのシロキサン単位が、以下の式:
(式中、Eは、平均値であり、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50である。)
又はこれらの少なくとも1つを含む組合せの単位である、態様1〜6のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様8.前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーが、前記ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマー及び前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーの総質量に基づいて5〜40質量%の量で存在する、態様1〜7のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様9.前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーが、前記ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマー及び前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーの総質量に基づいて10〜30質量%の量で存在する、態様1〜7のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様10.前記着色剤組成物が、カーボンブラックを、前記着色剤組成物の総質量に基づいて、0を超え、1.5質量%未満の量で含む、態様3〜9のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様11.充填剤組成物をさらに含む、態様1〜10のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様12.前記充填剤組成物が、TiOを含む、態様11のポリカーボネート組成物。
態様13.前記充填剤組成物が、前記ポリカーボネート組成物の総質量に基づいて、1〜20質量%の量で存在する、態様11又は12のポリカーボネート組成物。
態様14.難燃剤、滴下防止剤、又はこれらの少なくとも1つを含む組合せをさらに含み、任意選択で、前記難燃剤が、ペルフルオロ化されたC1−16アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、無機酸の錯塩、又はこれらの少なくとも1つを含む組合せを含んでいてもよい、態様1〜13のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様15.加工助剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、又はこれらの少なくとも1つを含む組合せを、前記ポリカーボネート組成物の質量に基づいて5%を超えない量でさらに含む、態様1〜14のいずれかのポリカーボネート組成物。
態様16.態様1〜15のいずれかのポリカーボネート組成物から作製された、成形品、熱成形品、押出フィルム、押出シート、ハニカム構造、多層物品の1つ以上の層、被覆された物品のための基材、及び金属被覆物品のための基材から選択される物品。
態様17.前記物品が、ゲームコンソール、ゲームコントローラ、携帯ゲーム機器、携帯電話、テレビ、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末、ポータブルメディアプレーヤー、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤ、電気器具、電動工具、ロボット、おもちゃ、グリーティングカード、家庭用娯楽システム、及びアクティブスピーカー、又はサウンドバーから選択される家庭用電子機器の部品であるか、
前記物品が、アダプタ、携帯電話、スマートフォン、GPS装置、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、電子リーダー、コピー機、又はソーラー装置用の電子ハウジングであるか、
前記物品が、電気接続箱、電気コネクタ、電気自動車充電器、屋外電気エンクロージャ、スマートメータエンクロージャ、スマートグリッド電力ノード、光起電力フレーム、又は小型回路遮断器であるか、あるいは、
前記物品が、パネル、クォーターパネル、ロッカーパネル、トリム、フェンダー、バッテリーカバー、ドア、デッキ蓋、トランクリッド、フード、ボンネット、屋根、バンパー、ダッシュボード、グリル、ミラーハウジング、ピラーカバー、クラッド、ボディサイドモールディング、ホイールカバー、ハブキャップ、ドアハンドル、スポイラー、窓枠、ヘッドランプベゼル、ヘッドランプ、テールランプ、テールランプハウジング、テールランプベゼル、ナンバープレートエンクロージャー、ルーフラック、及びランニングボードを含む、自動車、スクーター、及びオートバイの外装及び内装部品である、態様16の物品。
態様18.態様1〜15のいずれかのポリカーボネート組成物を成形し、押出し、一体成形し、あるいは形作って物品を形成させる工程を含む、物品の製造方法。
単数形の語は、文脈が明らかに別の意味を示していない限り、複数の指示対象を含む。「または(又は)」は、文脈によって明らかに別の意味が示されていない限り、
「および/または(及び/又は)」を意味する。別の定義がされていない限り、ここで用いる技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。「組み合わせ」は、ブレンド(ブレンド物)、混合物、合金、反応生成物などを含む。
ここで用いる場合、「ヒドロカルビル」及び「炭化水素」は、炭素及び水素、場合によっては1〜3のヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、ハロゲン、ケイ素、硫黄、又はそれらの組み合わせを含む置換基を広くいう。「アルキル」は直鎖又は分岐鎖の、飽和一価炭化水素基をいう。「アルキレン」は、直鎖又は分岐鎖の、飽和二価炭化水素基をいう。「アルキリデン」は、直鎖又は分岐鎖の、一つの共通の炭素原子上に両方の原子価をもつ飽和二価炭化水素基をいう。「アルケニル」は、炭素−炭素二重結合によって結合された少なくとも2つの炭素原子を有する、直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基をいう。「シクロアルキル」は、少なくとも3つの炭素原子を有する、非芳香族の一価の単環式又は多環式炭化水素基をいう。「シクロアルケニル」は、少なくとも1の不飽和度をもち、少なくとも3つの炭素原子を有する、非芳香族環状炭化水素基をいう。「アリール」は、その芳香環(1つ又は複数)中に炭素のみを含む芳香族の一価の基をいう。「アリーレン」は、その芳香環(1つ又は複数)中に炭素のみを含む芳香族の二価の基をいう。「アルキルアリール」は、上で定義したアルキル基で置換されているアリール基をいい、4-メチルフェニルが例示のアルキルアリール基である。「アリールアルキル」は、上で定義したアリール基で置換されているアルキル基をいい、ベンジルが例示のアリールアルキル基である。「アルコキシ」は、酸素架橋(-O-)を通して結合した、示した数の炭素原子を有する上で定義したアルキル基をいう。「アリールオキシ」は、酸素架橋(-O-)を通して結合した、示した数の炭素原子を有する上で定義したアリール基をいう。
別段の指示がない限り、前述した基のそれぞれは非置換であるか、その置換がその化合物の合成、安定性、又は使用に著しく悪影響を及ぼさない限り置換されていることができる。ここで用いる場合、「置換」の語は、指し示された原子又は基の上の少なくとも1つの水素が別の基で置き換えられていることを意味する(但し、その指し示された原子の正常な原子価を超えないことを条件とする)。置換がオキソ(すなわち=O)である場合、その原子上の2つの水素が置き換えられる。置換基及び/又は変数の組み合わせは、その置換がその化合物の合成又は使用に著しく悪影響を及ぼさない限り許容される。「置換された」位置に存在しうる基の例には以下のものが含まれるがそれらに限定されない:シアノ;ヒドロキシル;ニトロ;アジド;アルカノイル(例えば、C2−6アルカノイル基、例えば、アシル);カルボキサミド;C1−6又はC1−3アルキル、シクロアルキル、アルケニル、及びアルキニル(少なくとも1つの不飽和結合と2〜8又は2〜6個の炭素原子を有する基を含む);C1−6又はC1−3アルコキシ;C6−10アリールオキシ、例えばフェノキシ;C1−6アリールチオ;C1−6又はC1−3アルキルスルフィニル;C1−6又はC1−3アルキルスルホニル;アミノジ(C1−6又はC1−3)アルキル;少なくも1つの芳香環を有するC6−12アリール(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどであり、各環は置換又は非置換芳香族である);1〜3の別個の又は縮合した環と6〜18の環炭素原子を有するC7−19アリールアルキル;又は、1〜3の別個の又は縮合した環と6〜18の環炭素原子を有するアリールアルコキシ(ベンジルオキシがアリールアルコキシの例である)。
全ての引用した特許、特許出願、及びその他の参考文献を参照により本明細書に援用する。しかし、本明細書中の用語が援用した参考文献中の用語と矛盾し又は対立する場合には、本明細書による用語が、援用した参考文献の矛盾する用語よりも優先する。
典型的な態様を、説明する目的のために明らかにしているが、これまでの記述は、本明細書において、範囲に対する限定とみなされるべきではない。したがって、様々な変形、改変、及び置き換えが、ここでの精神及び範囲から離れることなく当業者に可能である。

Claims (18)

  1. 30〜95質量%の1種以上のビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーと、
    5〜70質量%の、その総質量に基づいて10〜25質量%のシロキサン含量を有するポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーと
    を含むポリカーボネート組成物であって、
    前記ポリ(カーボネート−シロキサン)の量は、前記ポリカーボネート組成物の総質量に基づいて0.5〜17.5質量%の総シロキサン含量をもたらすために有効な量であり;
    前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーは、
    − 下記式:
    [式中、
    及びRは、それぞれ独立に、C1−12アルキル、C1−12アルケニル、C3−8シクロアルキル、又はC1−12アルコキシであり、
    p及びqは、それぞれ独立に、0〜4であり、
    は、単結合、−O−、−S−、−S(O)− 、−S(O)−、−C(O)− 、又は式:−C(R)(R)−〔式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、C1−10アルキル、又は式:−C(=R)−(式中、Rは2価のC1−10炭化水素基である。)の基である。〕のC1−11アルキリデンである。]
    のビスフェノールカーボネート単位;及び、
    − 下記式:
    (式中、Rは、それぞれ独立に、C1−13の一価の炭化水素基であり、
    Arは、それぞれ独立に、C6−30の芳香族基であり、
    は、それぞれ独立に、C2−8のアルキレン基であり、
    Eは、平均値であり、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50である。)
    のシロキサン単位、又はこれらの単位を少なくとも1つ含む組合せ
    を含み;
    前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーにおいて、シロキサン単位の0.5モル%未満が別のシロキサン単位に直接結合しており;かつ、
    前記ポリカーボネート組成物は、ISO 22088−3に準拠して試験された非曝露基準と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、80%以上の引張降伏強度保持率を有し、ISO 22088−3に準拠して試験した非曝露参照と比較して、0.5%歪み下で日焼け止め剤にISO引張りバーを24時間曝露した後に、75%以上の破断伸び率を有する、ポリカーボネート組成物。
  2. ASTM D1238に準拠して300℃にて1.2kg荷重下で測定して、5を超えるメルトボリュームフローレート(「MVR」)、及び、3.2mmの厚さを有する成形部品についてASTM D256−2010に準拠して測定して、−10℃以下の延性−脆性遷移温度を有する、請求項1に記載のポリカーボネート組成物。
  3. 着色剤組成物をさらに含み、
    前記ポリカーボネート組成物から形成された1mm厚さの成形試料が、CIELab法により、10°の観測角度、D65光源を用い、鏡面反射成分を含めて反射モードで測定して、29以下の平均L値を有する、請求項1または2に記載のポリカーボネート組成物。
  4. 前記ポリカーボネート組成物の成形品が、同じシロキサン含量を有し、ビスフェノールAカーボネート単位とシロキサン単位とを含むポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーであるが、20モル%を超えるシロキサン単位が別のシロキサン単位に直接結合しているポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーを含有する参照組成物の成形品と比較して、低減された審美的欠陥を有し、前記審美的欠陥が、以下:黒すじ;ニットラインの視認性;ゲートブラッシュ;又は真珠光沢の1つ以上を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  5. 前記ポリカーボネート組成物の成形品が、非導電性真空金属被覆(Non Conductive Vacuum Metallization(NCVM))の後に、500グラム(g)の鋼球を500mmの高さから落とした後で亀裂がなく、落球衝撃試験に合格する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  6. 厚さ3.2mmを有する前記ポリカーボネート組成物の成形品が、50%を超える透過率、及び、HazeGard(ASTM D1003−00)によって測定して25%未満のヘイズを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  7. 前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーのビスフェノールカーボネート単位が、ビスフェノールAカーボネート単位であり、前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーのシロキサン単位が、以下の式:
    (式中、Eは、平均値であり、10〜100、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜50である。)
    又はこれらの少なくとも1つを含む組合せの単位である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  8. 前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーが、前記ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマー及び前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーの総質量に基づいて5〜40質量%の量で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  9. 前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーが、前記ビスフェノールAポリカーボネートホモポリマー及び前記ポリ(カーボネート−シロキサン)コポリマーの総質量に基づいて10〜30質量%の量で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  10. 前記着色剤組成物が、カーボンブラックを、前記着色剤組成物の総質量に基づいて、0を超え、1.5質量%未満の量で含む、請求項3〜9のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  11. 充填剤組成物をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  12. 前記充填剤組成物が、TiOを含む、請求項11に記載のポリカーボネート組成物。
  13. 前記充填剤組成物が、前記ポリカーボネート組成物の総質量に基づいて、1〜20質量%の量で存在する、請求項11又は12に記載のポリカーボネート組成物。
  14. 難燃剤、滴下防止剤、又はこれらの少なくとも1つを含む組合せをさらに含み、任意選択で、前記難燃剤が、ペルフルオロ化されたC1−16アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、無機酸の錯塩、又はこれらの少なくとも1つを含む組合せを含んでいてもよい、請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  15. 加工助剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、又はこれらの少なくとも1つを含む組合せを、前記ポリカーボネート組成物の質量に基づいて5%を超えない量でさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物から作製された、成形品、熱成形品、押出フィルム、押出シート、ハニカム構造、多層物品の1つ以上の層、被覆された物品のための基材、及び金属被覆物品のための基材から選択される物品。
  17. 前記物品が、ゲームコンソール、ゲームコントローラ、携帯ゲーム機器、携帯電話、テレビ、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末、ポータブルメディアプレーヤー、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤ、電気器具、電動工具、ロボット、おもちゃ、グリーティングカード、家庭用娯楽システム、及びアクティブスピーカー、又はサウンドバーから選択される家庭用電子機器の部品であるか、
    前記物品が、アダプタ、携帯電話、スマートフォン、GPS装置、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、電子リーダー、コピー機、又はソーラー装置用の電子ハウジングであるか、
    前記物品が、電気接続箱、電気コネクタ、電気自動車充電器、屋外電気エンクロージャ、スマートメータエンクロージャ、スマートグリッド電力ノード、光起電力フレーム、又は小型回路遮断器であるか、あるいは、
    前記物品が、パネル、クォーターパネル、ロッカーパネル、トリム、フェンダー、バッテリーカバー、ドア、デッキ蓋、トランクリッド、フード、ボンネット、屋根、バンパー、ダッシュボード、グリル、ミラーハウジング、ピラーカバー、クラッド、ボディサイドモールディング、ホイールカバー、ハブキャップ、ドアハンドル、スポイラー、窓枠、ヘッドランプベゼル、ヘッドランプ、テールランプ、テールランプハウジング、テールランプベゼル、ナンバープレートエンクロージャー、ルーフラック、及びランニングボードを含む、自動車、スクーター、及びオートバイの外装及び内装部品である、請求項16に記載の物品。
  18. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のポリカーボネート組成物を成形し、押出し、一体成形し、あるいは形作って物品を形成させる工程を含む、物品の製造方法。
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