5.詳細な説明
細胞効力を評価するための方法、例えば、細胞の調製物(例えば、治療用途を意図した細胞のロットに属する細胞の調製物)における細胞の効力を評価するための方法が本明細書で提供される。本明細書で提供される方法は、細胞効力を評価する前に、当業界で使用される標準的な細胞効力アッセイと比較して増加した細胞培養時間、例えば回復時間を利用する。このような増加した細胞培養時間を取り入れることは、同じ細胞ロットから採取した細胞の調製物、加えて同じ細胞型を含むが異なる細胞ロットから採取した細胞の調製物にわたり、アッセイの信頼性の増加および変動性の減少をもたらすことが決定されている。
具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を、一旦その期間にわたり当該細胞を培養すると細胞数における変動性が最小化される期間にわたり培養するステップ;および(ii)アッセイを実行して、当該細胞が当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生するかどうかを決定するステップを含む、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を得るステップ;(ii)一旦その期間にわたり当該細胞を培養すると細胞数における変動性が最小化される期間にわたり当該細胞を培養するステップ;および(iii)アッセイを実行して、当該細胞が当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生するかどうかを決定するステップを含む、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を約48時間培養するステップ;および(ii)アッセイを実行して、当該細胞が当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生するかどうかを決定するステップを含む、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を得るステップ;(ii)当該細胞を約48時間培養するステップ;および(iii)アッセイを実行して、当該細胞が当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生するかどうかを決定するステップを含む、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を約48時間培養するステップ;および(ii)アッセイを実行して、当該細胞が、プロスタグランジンE2(PGE2)を産生するかどうかを決定するステップを含み、PGE2の発現は当該細胞の効力のサロゲートである、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を得るステップ;(ii)当該細胞を約48時間培養するステップ;および(iii)アッセイを実行して、当該細胞が、プロスタグランジンE2(PGE2)を産生するかどうかを決定するステップを含み、PGE2の発現は当該細胞の効力のサロゲートである、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を、一旦その期間にわたり当該細胞を培養すると細胞数における変動性が最小化される期間にわたり培養するステップ;(ii)当該細胞中で一または複数の遺伝子の産生を誘導することが可能な一または複数の薬剤を含む培地中で、当該細胞をさらに培養して、例えば当該細胞による一または複数のタンパク質の産生の増加をもたらすステップ;および(iii)アッセイを実行して、当該細胞が当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生するかどうかを決定するステップを含む、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を得るステップ;(ii)一旦その期間にわたり当該細胞を培養すると細胞数における変動性が最小化される期間にわたり当該細胞を培養するステップ;(iii)当該細胞中で一または複数の遺伝子の産生を誘導することが可能な一または複数の薬剤を含む培地中で、当該細胞をさらに培養して、例えば当該細胞による一または複数のタンパク質の産生の増加をもたらすステップ;および(iv)アッセイを実行して、当該細胞が当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生するかどうかを決定するステップを含む、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を約48時間培養して得るステップ;(ii)当該細胞中で一または複数の遺伝子の産生を誘導することが可能な一または複数の薬剤を含む培地中で、当該細胞をさらに培養して、例えば当該細胞による一または複数のタンパク質の産生の増加をもたらすステップ;および(iii)アッセイを実行して、当該細胞が当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生するかどうかを決定するステップを含む、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を得るステップ;(ii)当該細胞を約48時間培養するステップ;(iii)当該細胞中で一または複数の遺伝子の産生を誘導することが可能な一または複数の薬剤を含む培地中で、当該細胞をさらに培養して、例えば当該細胞による一または複数のタンパク質の産生の増加をもたらすステップ;および(iv)アッセイを実行して、当該細胞が当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生するかどうかを決定するステップを含む、方法が本明細書で提供される。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を約48時間培養するステップ;(ii)当該細胞によるPGEの産生を誘導することが可能な薬剤を含む培地中で、当該細胞をさらに培養するステップ;および(iii)アッセイを実行して、当該細胞がPGE2を産生するかどうかを決定するステップを含み、PGE2の発現は当該細胞の効力のサロゲートである、方法が本明細書で提供される。具体的な実施形態において、前記細胞によるPGE2の産生を誘導することが可能な薬剤は、インターロイキン−1(IL−1)ベータである。
別の具体的な実施形態において、細胞効力を評価するための方法であって、(i)細胞の集団、例えば細胞療法としての使用が意図された/そのような使用に好適な細胞の集団を得るステップ;(ii)当該細胞を約48時間培養するステップ;(iii)当該細胞によるPGEの産生を誘導することが可能な薬剤を含む培地中で、当該細胞をさらに培養するステップ;および(iv)アッセイを実行して、当該細胞がPGE2を産生するかどうかを決定するステップを含み、PGE2の発現は当該細胞の効力のサロゲートである、方法が本明細書で提供される。具体的な実施形態において、前記細胞によるPGE2の産生を誘導することが可能な薬剤は、インターロイキン−1(IL−1)ベータである。
本明細書に記載される細胞効力を評価するための方法は、あらゆる細胞型、例えば、治療剤としての使用が意図された/それに好適なあらゆる細胞型を使用して行うことができる。本明細書に記載される方法で使用できる例示的な細胞型としては、これらに限定されないが、間葉幹細胞、骨髄由来間葉幹細胞(BM−MSC)、組織培養プラスチック接着性CD34−、CD10+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞、胚幹細胞、胚性生殖細胞、誘導多能性幹細胞、間葉幹細胞、骨髄由来間葉幹細胞、骨髄由来間葉系間質細胞、組織プラスチック接着性胎盤幹細胞(PDAC)、臍帯幹細胞、羊水幹細胞、羊膜由来接着細胞(AMDAC)(特許文献1を参照)、骨形成性胎盤接着細胞(OPAC)(特許文献2を参照)、脂肪幹細胞、辺縁幹細胞、歯髄幹細胞、筋原細胞、内皮前駆細胞、ニューロン幹細胞、脱落歯由来幹細胞、毛包幹細胞、皮膚幹細胞、単為生殖由来幹細胞、再プログラム化幹細胞、羊膜由来接着細胞、サイドポピュレーション幹細胞;およびナチュラルキラー細胞、例えば、特許文献3および特許文献4または特許文献5および特許文献6に記載されるナチュラルキラー細胞が挙げられる。
具体的な実施形態において、本明細書に記載される方法で使用される細胞は、胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞である。具体的な実施形態において、本明細書に記載される方法で使用される胎盤細胞は、組織培養プラスチックに接着し、例えばフローサイトメトリーにより検出可能な、CD34−、CD10+、CD105+およびCD200+である。本明細書で提供される方法で使用することができる胎盤細胞のさらなる特徴は、セクション5.1に記載されている。
ある特定の実施形態において、本明細書で提供される方法で使用される細胞は、以前に調製された細胞のロットに由来する。ある特定の実施形態において、本明細書で提供される方法で使用される細胞が以前に調製された細胞のロットに由来する場合、前記細胞は、本方法で使用する前に、保存されている、例えば低温保存されている。ある特定の実施形態において、本明細書で提供される方法で使用される細胞が以前に調製された細胞のロットに由来する場合、前記細胞は、本方法で使用する前に、保存されていない、例えば低温保存されていない。
具体的な実施形態において、細胞数における変動性が最小化される、本明細書で提供される方法で使用される期間は、24時間より長い。別の具体的な実施形態において、細胞数における変動性が最小化される、本明細書で提供される方法で使用される期間は、48時間であるかまたは約48時間である。別の具体的な実施形態において、細胞数における変動性が最小化される、本明細書で提供される方法で使用される期間は、65時間であるかまたは約65時間である。ある特定の実施形態において、細胞数における変動性が最小化される、本明細書で提供される方法で使用される期間は、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約54時間、約60時間、または約66時間である。ある特定の実施形態において、細胞数における変動性が最小化される、本明細書で提供される方法で使用される期間は、30時間から36時間の間、36時間から42時間の間、42時間から48時間の間、48時間から54時間の間、54時間から60時間の間、または60時間から66時間の間である。
ある特定の実施形態において、細胞の集団中の細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーは、本明細書に記載される方法を使用して効力が評価される細胞の作用機序(MOA)と相関する。ある特定の実施形態において、細胞の集団中の細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーは、細胞の免疫抑制活性と相関する。具体的な実施形態において、PGE2の発現は、本明細書に記載される方法で使用される細胞の効力のサロゲートである。別の具体的な実施形態において、以下のタンパク質(および/またはそれらをコードする遺伝子):ANG、EGF、ENA−78、FGF2、フォリスタチン、G−CSF、GRO、HGF、IL−6、IL−8、レプチン、MCP−1、MCP−3、PDGFB、PLGF、Rantes、TGFB1、トロンボポエチン、TIMP1、TIMP2、uPAR、VEGF、VEGFD、アンジオポエチン−1、アンジオポエチン−2、PECAM−1(CD31;血小板内皮細胞接着分子)、ラミニンおよび/またはフィブロネクチンの一または複数の発現は、本明細書に記載される方法で使用される細胞の効力のサロゲートである。具体的な実施形態において、前記細胞は、CD34−、CD10+、CD105+およびCD200+胎盤幹細胞である(セクション5.1を参照)。
細胞効力のサロゲートとして作用するマーカーの検出は、当業界において公知のあらゆる方法を使用して達成することができる。具体的な実施形態において、細胞効力のサロゲートとして作用するマーカーは、ELISAによって検出される。別の具体的な実施形態において、細胞効力のサロゲートとして作用するマーカーは、MultiplexBeadアッセイの使用によって検出される。別の具体的な実施形態において、細胞効力のサロゲートとして作用するマーカーは、遺伝子発現を測定するアッセイ、例えばRT−PCRを使用して検出される。
ある特定の実施形態において、細胞効力のサロゲートを検出する方法は、細胞培養からの馴化培地の収集、例えば、回復時間後の細胞培養からの培地の収集、および/または細胞中で一または複数の遺伝子の産生を誘導することが可能な一または複数の薬剤を含む培地中で細胞をさらに培養した後の、細胞培養からの培地の収集を必要とする。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される方法で使用される細胞は、接着細胞である。本明細書に記載される方法におけるこのような細胞を培養するステップは、例えば、組織培養プレート、例えば、6−、24−、48−、または96−ウェルの組織培養プレートを使用して達成することができる。具体的な実施形態において、48−ウェルの組織培養プレートは、本明細書に記載される方法で接着細胞を培養するのに使用される。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される方法で使用される細胞は、非接着細胞である。本明細書に記載される方法におけるこのような細胞を培養するステップは、例えば組織培養プレート、例えば6−、24−、48−または96−ウェルの組織培養プレートを使用して、または細胞を懸濁状態で培養するための当業界において公知のチューブ、フラスコ、および/または他の容器を使用することによって達成することができる。
ある特定の実施形態において、一旦その期間にわたり当該細胞を培養すると細胞数における変動性が最小化される期間の決定は、定量的に達成される。具体的な実施形態において、一旦その期間にわたり当該細胞を培養すると細胞数における変動性が最小化される期間の決定は、所与のタイムポイントで細胞培養物中の細胞を計数すること、および計数された細胞の数を、異なるタイムポイント、例えば初期または後期のタイムポイントで、同じ細胞の培養物から計数された細胞の数と比較することによって達成される。別の具体的な実施形態において、一旦その期間にわたり当該細胞を培養すると細胞数における変動性が最小化される期間の決定は、所与のタイムポイントで細胞培養物中の細胞を視覚的に検査すること、細胞培養物のパーセント密集度を決定すること、および細胞培養物のパーセント密集度を、異なるタイムポイント、例えば初期または後期のタイムポイントで、同じ細胞の培養物から視覚的に検査された細胞のパーセント密集度と比較することによって達成される。リアルタイムで細胞培養を視覚的に検査するための方法は、当業界において公知である。具体的な実施形態において、細胞数における変動性が最小化される期間は、計数された細胞の量またはパーセント密集度における変動性の減少が、同じ細胞ロットから採取した細胞の調製物から検出される場合に同定され、および/または計数された細胞の量またはパーセント密集度における変動性の減少が、同じ細胞型を含むが異なる細胞ロットから採取した細胞の調製物から検出される場合に決定される。
ある特定の実施形態において、一旦その期間にわたり当該細胞を培養すると細胞数における変動性が最小化される期間の決定は、定性的に達成される。具体的な実施形態において、細胞数における変動性が最小化される期間は、同じ細胞ロットから採取した細胞の調製物から検出されるサロゲートマーカーの量、例えばPGE2のレベルにおける変動性の減少が決定される場合、および/または同じ細胞型を含むが異なる細胞ロットから採取した細胞の調製物から検出されるサロゲートマーカーの量、例えばPGE2のレベルにおける変動性の減少が決定される場合、同定される。
5.1 単離された胎盤細胞および単離された胎盤細胞集団
単離された胎盤細胞は、本明細書において時にはPDACとも称され(さらに時には「PDA−002」とも表される)、本明細書で提供される方法において有用であり、胎盤またはその部分から入手することができ、組織培養基材に接着し、複能性細胞または幹細胞の特徴を有するが、栄養膜ではない。ある特定の実施形態において、本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、非胎盤細胞型に分化する能力を有する。
本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、胎児または母体起源のいずれでもよい(すなわち、それぞれ胎児または母親のいずれかの遺伝子型を有していてもよい)。好ましくは、単離された胎盤細胞および単離された胎盤細胞集団は、胎児起源である。成句「胎児起源」または「非母体起源」は、本明細書で使用される場合、単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞集団が、胎児に付随する、すなわち胎児の遺伝子型を有する臍帯または胎盤構造から得られることを示す。成句「母体起源」は、本明細書で使用される場合、細胞または細胞集団が、母親に付随する、例えば母体の遺伝子型を有する胎盤構造から得られることを示す。単離された胎盤細胞、例えばPDAC、または単離された胎盤細胞を含む細胞集団は、胎児起源のみまたは母体起源のみである単離された胎盤細胞を含んでいてもよいし、または胎児および母体起源両方の単離された胎盤細胞の混成集団を含んでいてもよい。単離された胎盤細胞および単離された胎盤細胞を含む細胞集団は、以下で論じられる形態学的な、マーカーの、および培養の特徴により同定および選択することができる。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される方法で使用される細胞が、当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生することが決定される場合、元の培養されていない細胞の集団は、ヒト対象への投与に好適な細胞のロットに分割される。具体的な実施形態において、ロットは、低温保存される。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される方法で使用される細胞が、当該細胞の効力のサロゲートとして作用するマーカーを産生することが決定される場合、その細胞の集団に対応する細胞(例えば、細胞の同じロット由来の他の細胞)が、対象、例えばヒトに投与される。
5.1.1 物理的および形態学的な特徴
本明細書に記載される方法で使用することができる単離された胎盤細胞(PDAC)は、初代培養物または細胞培養物中で培養される場合、組織培養基板、例えば、組織培養容器表面(例えば、組織培養プラスチック)に接着するか、または例えばラミニン、コラーゲン(例えば、天然または変性した)、ゼラチン、フィブロネクチン、オルニチン、ビトロネクチン、および細胞外膜タンパク質(例えば、MATRIGEL(登録商標)(BD Discovery Labware、ベッドフォード、マサチューセッツ州))などの細胞外マトリックスまたはリガンドでコーティングされた組織培養表面に接着する。培養中の単離された胎盤細胞は、全体的に線維芽細胞様であり、中央の細胞本体から伸長する多数の細胞質内プロセスにより星のような外観を呈する。しかしながら、単離された胎盤細胞はこのようなプロセスを線維芽細胞より多く示すため、このような細胞は、同じ条件下で培養された線維芽細胞と形態学的に区別することができる。形態学的には、単離された胎盤細胞はさらに、造血幹細胞とも区別することができるが、これは、造血幹細胞は、培養中、より曲線的であるかまたは丸石のような形態を全体的に呈するためである。
ある特定の実施形態において、本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、増殖培地で培養される場合、胚様体様体(embryoid−like body)を発生させる。胚様体様体は、増殖中の単離された胎盤細胞の接着層の上面で成長できる隣接していない細胞の凝集塊である。用語「胚様体様」は、細胞の凝集塊が、胚様体、すなわち胚幹細胞の培養物から成長する細胞の凝集塊に似ているために使用される。単離された胎盤細胞の増殖培養中に胚様体様体を発生させることができる増殖培地としては、例えば、DMEM−LG(例えば、Gibcoから);2%ウシ胎児血清(例えば、Hyclone Labs.から);1×インスリン−トランスフェリン−セレニウム(ITS);1×リノール酸−ウシ血清アルブミン(LA−BSA);10−9Mデキサメタゾン(例えば、Sigmaから);10−4Mアスコルビン酸2−ホスフェート(例えば、Sigmaから);上皮増殖因子10ng/mL(例えば、R&D Systemsから);および血小板由来増殖因子(PDGF−BB)10ng/mL(例えば、R&D Systemsから)を含む培地が挙げられる。
5.1.2 細胞表面、分子および遺伝子マーカー
本明細書で開示された方法において有用な、単離された胎盤細胞、例えば単離された複能性胎盤細胞または単離された胎盤幹細胞、およびこのような単離された胎盤細胞の集団は、複能性細胞または幹細胞の特徴を有し、幹細胞を含む細胞または細胞集団を同定および/または単離するのに使用できる複数のマーカーを発現する、組織培養プラスチック接着性のヒト胎盤細胞である。ある特定の実施形態において、PDACは、例えばin vitroまたはin vivoにおいて血管原性である。本明細書に記載される単離された胎盤細胞および胎盤細胞集団(すなわち、2つまたはそれより多くの単離された胎盤細胞)としては、胎盤またはそのあらゆる部分(例えば、柔毛膜、胎盤絨毛叢など)から直接得られた胎盤細胞および胎盤細胞を含有する細胞集団が挙げられる。また単離された胎盤細胞集団としては、培養中の(すなわち、2以上の)単離された胎盤細胞の集団、および容器、例えばバッグ中の集団も挙げられる。本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、骨髄由来間葉細胞、脂肪由来間葉幹細胞、または臍帯血、胎盤血、もしくは末梢血液から得られた間葉細胞ではない。本明細書に記載される方法において有用な胎盤細胞、例えば、複能性胎盤細胞および胎盤細胞が本明細書に記載されており、例えば、特許文献7;特許文献8;および特許文献9;ならびに特許文献10に記載されており、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
一実施形態において、単離された胎盤細胞、例えばPDACは、フローサイトメトリーによって検出されるCD34−、CD10+およびCD105+である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、神経系の表現型を有する細胞、骨形成性の表現型を有する細胞、および/または軟骨形成性の表現型を有する細胞に分化する能力を有する。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD45−またはCD90+である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD45−およびCD90+である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+およびCD45−であり、すなわち上記細胞は、CD34−、CD10+、CD45−、CD90+、CD105+およびCD200+である。別の具体的な実施形態において、前記CD34−、CD10+、CD45−、CD90+、CD105+、CD200+細胞は、加えて、CD80−およびCD86−である。
ある特定の実施形態において、前記胎盤細胞は、CD34−、CD10+、CD105+およびCD200+であり、フローサイトメトリーによって検出されるCD38−、CD45−、CD80−、CD86−、CD133−、HLA−DR,DP,DQ−、SSEA3−、SSEA4−、CD29+、CD44+、CD73+、CD90+、CD105+、HLA−A,B,C+、PDL1+、ABC−p+、および/またはOCT−4+の1つまたは複数である。他の実施形態において、上述されるCD34−、CD10+、CD105+細胞のいずれかは、加えて、CD29+、CD38−、CD44+、CD54+、SH3+またはSH4+の1つまたは複数である。別の具体的な実施形態において、細胞は、加えて、CD44+である。上記の単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞のいずれかの別の具体的な実施形態において、細胞は、加えて、CD117−、CD133−、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、またはプログラム死−1リガンド(PDL1)+、またはそれらのあらゆる組合せの1つまたは複数である。
別の実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン低(cadherinlow)、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、またはプログラム死−1リガンド(PDL1)+、またはそれらのあらゆる組合せの1つまたは複数である。他の実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン低、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、およびプログラム死−1リガンド(PDL1)+である。
別の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるABC−p+であるか、またはRT−PCRにより決定されるようなOCT−4+(POU5F1+)であり、ここでABC−pは、胎盤特異的なABC輸送タンパク質(また、乳がん耐性タンパク質(BCRP)およびミトキサントロン耐性タンパク質(MXR)としても公知である)であり、OCT−4は、オクタマー−4タンパク質(POU5F1)である。別の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、フローサイトメトリーによって決定されるSSEA3−またはSSEA4−であり、SSEA3は、ステージ特異的胎児抗原3であり、SSEA4は、ステージ特異的胎児抗原4である。別の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、SSEA3−およびSSEA4−である。
別の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、MHC−I+(例えば、HLA−A,B,C+)、MHC−II−(例えば、HLA−DP,DQ,DR−)またはHLA−G−の1つまたは複数である。別の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、MHC−I+(例えば、HLA−A,B,C+)、MHC−II−(例えば、HLA−DP,DQ,DR−)およびHLA−G−の1つまたは複数である。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−、SSEA4−、OCT−4+、およびABC−p+の1つもしくは複数または全てであり、前記単離された胎盤細胞は、胎盤組織を物理的におよび/または酵素により破壊することにより得られる。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびABC−p+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびCD34−であり、前記単離された胎盤細胞は、以下の特徴:CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH3+、SH4+、SSEA3−、およびSSEA4−の少なくとも1つを有する。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH3+、SH4+、SSEA3−、およびSSEA4−である。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、SSEA3−、およびSSEA4−である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびCD34−であり、SH2+またはSH3+のいずれかである。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、SH2+、およびSH3+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、SSEA3−、およびSSEA4−であり、SH2+またはSH3+のいずれかである。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびCD34−である、SH2+またはSH3+のいずれかであり、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SSEA3−、またはSSEA4−の少なくとも1つである。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SSEA3−、およびSSEA4−であり、SH2+またはSH3+のいずれかである。
別の実施形態において、本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+およびOCT−4+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、CD34−、CD45−、SSEA3−、またはSSEA4−である。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−およびSSEA4−である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−およびSSEA4−、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、OCT−4+、CD34−またはCD45−である。
別の実施形態において、本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、およびSH4+であり、前記単離された胎盤細胞は、加えて、OCT−4+、SSEA3−またはSSEA4−の1つまたは複数である。
ある特定の実施形態において、本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD200+またはHLA−G−である。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD200+およびHLA−G−である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD73+およびCD105+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。別の具体的な実施形態において、前記幹細胞は、CD34−、CD38−、CD45−、CD73+およびCD105+である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+またはHLA−G−胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下での、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞集団における胚様体様体の形成を容易にする。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、幹細胞または複能性細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+、CD105+、およびCD200+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、HLA−G−である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD34−、CD38−またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD34−、CD38−およびCD45−である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD34−、CD38−、CD45−、およびHLA−G−である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、およびCD200+胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、単離された胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
ある特定の他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−、SSEA4−、OCT−4+、HLA−G−またはABC−p+の1つまたは複数である。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−、SSEA4−、およびOCT−4+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD45−、CD54+、SH2+、SH3+、およびSH4+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD45−、CD54+、SH2+、SH3+、SH4+およびOCT−4+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、HLA−G−、SH2+、SH3+、SH4+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびABC−p+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+およびOCT−4+である。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、SSEA3−、およびSSEA4−である。具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+、CD34−、SSEA3−、およびSSEA4−胎盤細胞は、加えて、CD10+、CD29+、CD34−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、およびSH4+である。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびCD34−であり、SH3+またはSH4+のいずれかである。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD34−であり、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、またはOCT−4+のいずれかである。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD200+およびOCT−4+である。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD73+およびCD105+である。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、HLA−G−である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、CD34−、CD38−またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、CD34−、CD38−およびCD45−である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、CD34−、CD38−、CD45−、CD73+、CD105+およびHLA−G−である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、単離された細胞を含む胎盤細胞集団によって、一または複数の胚様体様体の産生を容易にする。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+、CD105+およびHLA−G−である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+およびHLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、OCT−4+である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD200+である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−、CD45−、OCT−4+およびCD200+である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、前記細胞を含む胎盤細胞集団における胚様体様体の形成を容易にする。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+およびCD105+であり、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、前記CD73+、CD105+細胞を含む単離された胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、OCT−4+である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、OCT−4+、CD34−、CD38−およびCD45−である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、OCT−4+であり、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、前記細胞を含む単離された胎盤細胞集団において一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD73+およびCD105+である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−、またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD73+、CD105+、CD200+、CD34−、CD38−、およびCD45−である。別の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、OCT−4+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたHLA−A,B,C+、CD45−、CD133−およびCD34−胎盤細胞である。別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞集団であり、前記単離された細胞の集団中の細胞の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%は、単離されたHLA−A,B,C+、CD45−、CD133−およびCD34−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、HLA−A,B,C+、CD45−、CD133−およびCD34−胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞集団は、母体の要素を実質的に含まず、例えば、前記単離された胎盤細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、5−0%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%が非母体起源である。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45−、CD117−およびCD133−胎盤細胞である。別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞集団であり、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%は、単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45−、CD117−およびCD133−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、前記単離された胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45−、CD117−およびCD133−胎盤細胞は、非母体起源であり、すなわち胎児の遺伝子型を有する。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞集団の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10−、CD33−、CD44+、CD45−、およびCD117−胎盤細胞である。別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む、例えばそれが濃縮されている細胞集団であり、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%は、単離されたCD10−、CD33−、CD44+、CD45−、およびCD117−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10−、CD13−、CD33−、CD45−、およびCD117−胎盤細胞である。別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な細胞集団は、単離されたCD10−、CD13−、CD33−、CD45−、およびCD117−胎盤細胞を含む、例えばそれらが濃縮されている細胞集団であり、前記集団中の細胞の、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%は、CD10−、CD13−、CD33−、CD45−、およびCD117−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、HLA A、B、C+、CD45−、CD34−、およびCD133−であり、加えて、CD10+、CD13+、CD38+、CD44+、CD90+、CD105+、CD200+および/またはHLA−G−であり、および/またはCD117陰性である。別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞集団であり、前記集団中の細胞の、少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または約99%は、HLA A、B、C−、CD45−、CD34−、CD133−であり、加えて、CD10、CD13、CD38、CD44、CD90、CD105、CD200陽性であり、および/またはCD117および/またはHLA−G陰性である単離された胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、抗体結合によって決定した場合、CD200+およびCD10+であり、抗体結合とRT−PCRの両方によって決定した場合、CD117−である、単離された胎盤細胞である。別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29−、CD54+、CD200+、HLA−G−、MHCクラスI+およびβ−2−ミクログロブリン+である、単離された胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞である。別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、少なくとも1つの細胞マーカーの発現が間充織幹細胞(例えば、骨髄由来間充織幹細胞)の場合より少なくとも2倍高い胎盤細胞である。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。別の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、CD80−、CD86−、CD103−、CD104−、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE−カドヘリン低、CD184/CXCR4−、β2−ミクログロブリン低(microglobulinlow)、MHC−I低、MHC−II−、HLA−G低、および/またはPDL1低の1つまたは複数である、単離された胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞である。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、少なくともCD29+およびCD54+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、少なくともCD44+およびCD106+である。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、少なくともCD29+である。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含み、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62−E−、CD62−L−、CD62−P−、CD80−、CD86−、CD103−、CD104−、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE−カドヘリン弱(cadherin弱)、CD184/CXCR4−、β2−ミクログロブリン弱(microglobulin弱)、HLA−I弱、HLA−II−、HLA−G弱、および/またはPDL1弱の1つまたは複数である単離された胎盤細胞である。別の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62−E−、CD62−L−、CD62−P−、CD80−、CD86−、CD103−、CD104−、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE−カドヘリン弱、CD184/CXCR4−、β2−ミクログロブリン弱、MHC−I弱、MHC−II−、HLA−G弱、およびPDL1弱である。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−、SSEA4−、OCT−4+、およびABC−p+の1つもしくは複数または全てである単離された胎盤細胞であり、ABC−pは、胎盤特異的なABC輸送タンパク質(また、乳がん耐性タンパク質(BCRP)およびミトキサントロン耐性タンパク質(MXR)としても公知である)であり、前記単離された胎盤細胞は、臍帯血を引き出し、潅流して、残留した血液を除去した、哺乳類、例えばヒトの胎盤を潅流することにより得られる。
上記の特徴のいずれかの別の具体的な実施形態において、細胞マーカー(例えば、表面抗原分類または免疫原性マーカー)の発現は、フローサイトメトリーによって決定され、別の具体的な実施形態において、マーカーの発現は、RT−PCRによって決定される。
遺伝子プロファイリングから、単離された胎盤細胞、および単離された胎盤細胞集団は、他の細胞、例えば間葉幹細胞、例えば骨髄由来間葉幹細胞と区別できることが確認される。本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、一または複数の遺伝子の発現に基づき、例えば間葉幹細胞と区別することができ、ここでこの一または複数の遺伝子の発現は、単離された胎盤細胞、または特定の単離された臍帯幹細胞において、骨髄由来間葉幹細胞と比較して有意に高い。特定には、本明細書で提供される方法において有用な単離された胎盤細胞は、一または複数の遺伝子の発現に基づき間葉幹細胞からと区別することができ、これらの遺伝子の発現は、単離された胎盤細胞において、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞の場合より有意に高く(すなわち、少なくとも2倍高く)、ここで一または複数の遺伝子は、等しい条件下で細胞を成長させる場合、ACTG2、ADARB1、AMIGO2、ARTS−1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、DMD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、HLA−G、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN、ZC3H12A、または前述のもののいずれかの組合せである。例えば、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる特許文献10を参照されたい。ある特定の具体的な実施形態において、前記一または複数の遺伝子の前記発現は、例えばRT−PCRまたはマイクロアレイ分析により、例えば、U133−Aマイクロアレイ(Affymetrix)を使用して決定される。別の具体的な実施形態において、DMEM−LG(例えば、Gibcoから);2%ウシ胎児血清(例えば、Hyclone Labs.から);1×インスリン−トランスフェリン−セレニウム(ITS);1×リノール酸−ウシ血清アルブミン(LA−BSA);10〜9Mのデキサメタゾン(例えば、Sigmaから);10〜4Mのアスコルビン酸2−ホスフェート(例えば、Sigmaから);10ng/mLの上皮増殖因子(例えば、R&D Systemsから);および10ng/mLの血小板由来増殖因子(PDGF−BB)(例えば、R&D Systemsから)を含む培地中で、数回の集団倍加、例えば約3から約35回の集団倍加で培養される場合、前記単離された胎盤細胞は、前記一または複数の遺伝子を発現する。別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞に特異的な、または単離された臍帯細胞特異的な遺伝子は、CD200である。
これらの遺伝子に特異的な配列は、GenBankにおいて、2008年3月現在、受託番号NM_001615(ACTG2)、BC065545(ADARB1)、(NM_181847(AMIGO2)、AY358590(ARTS−1)、BC074884(B4GALT6)、BC008396(BCHE)、BC020196(C11orf9)、BC031103(CD200)、NM_001845(COL4A1)、NM_001846(COL4A2)、BC052289(CPA4)、BC094758(DMD)、AF293359(DSC3)、NM_001943(DSG2)、AF338241(ELOVL2)、AY336105(F2RL1)、NM_018215(FLJ10781)、AY416799(GATA6)、BC075798(GPR126)、NM_016235(GPRC5B)、AF340038(ICAM1)、BC000844(IER3)、BC066339(IGFBP7)、BC013142(IL1A)、BT019749(IL6)、BC007461(IL18)、(BC072017) KRT18、BC075839(KRT8)、BC060825(LIPG)、BC065240(LRAP)、BC010444(MATN2)、BC011908(MEST)、BC068455(NFE2L3)、NM_014840(NUAK1)、AB006755(PCDH7)、NM_014476(PDLIM3)、BC126199(PKP−2)、BC090862(RTN1)、BC002538(SERPINB9)、BC023312(ST3GAL6)、BC001201(ST6GALNAC5)、BC126160またはBC065328(SLC12A8)、BC025697(TCF21)、BC096235(TGFB2)、BC005046(VTN)、およびBC005001(ZC3H12A)で見出すことができる。
ある特定の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、ACTG2、ADARB1、AMIGO2、ARTS−1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、DMD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、HLA−G、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN、およびZC3H12Aのそれぞれを、等しい条件下で細胞を成長させる場合、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞より検出できる程度に高いレベルで発現する。
具体的な実施形態において、胎盤細胞は、CD200およびARTS1(1型腫瘍壊死因子のアミノペプチダーゼレギュレーター);ARTS−1およびLRAP(白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ);IL6(インターロイキン−6)およびTGFB2(トランスフォーミング増殖因子、ベータ2);IL6およびKRT18(ケラチン18);IER3(前初期応答3)、MEST(中胚葉特異的転写物相同体)およびTGFB2;CD200およびIER3;CD200およびIL6;CD200およびKRT18;CD200およびLRAP;CD200およびMEST;CD200およびNFE2L3(核内因子(赤血球由来2)様3);またはCD200およびTGFB2を、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞(BM−MSC)より検出できる程度に高いレベルで発現し、前記骨髄由来間葉幹細胞は、培養中、前記単離された胎盤細胞が受けた継代回数に等しい継代回数を受けている。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞は、ARTS−1、CD200、IL6およびLRAP;ARTS−1、IL6、TGFB2、IER3、KRT18およびMEST;CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、およびTGFB2;ARTS−1、CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、およびTGFB2;またはIER3、MESTおよびTGFB2を、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞BM−MSCより検出できる程度に高いレベルで発現し、前記骨髄由来間葉幹細胞は、培養中、前記単離された胎盤細胞が受けた継代回数に等しい継代回数を受けている。
上記で述べた遺伝子の発現は、標準的な技術により評価することができる。例えば、遺伝子の配列に基づくプローブを、従来の技術によって個々に選択して構築することができる。遺伝子の発現は、例えば、遺伝子の1つまたは複数に対するプローブを含むマイクロアレイ、例えば、AffymetrixのGENECHIP(登録商標)ヒトゲノムU133A2.0アレイ、またはAffymetrixのGENECHIP(登録商標)ヒトゲノムU133プラス2.0(サンタクララ、カリフォルニア州)で評価することができる。これらの遺伝子の発現は、特定のGenBank受託番号の配列が修正されている場合でも、修正された配列に特異的なプローブは周知の標準的な技術を使用して容易に生成できるため、評価することができる。
これらの遺伝子の発現レベルは、単離された胎盤細胞集団の同一性を確認するのに使用すること、細胞集団を、少なくとも複数の単離された胎盤細胞を含むと同定するのに使用することなどが可能である。同一性が確認されている単離された胎盤細胞の集団は、クローン性であってもよく、例えば、単一の単離された胎盤細胞から拡張された単離された胎盤細胞集団、または幹細胞の混成集団、例えば、複数の単離された胎盤細胞から拡張された単離された胎盤細胞を単独で含む細胞集団、または本明細書に記載されるような単離された胎盤細胞と少なくとも1つの他のタイプの細胞とを含む細胞集団であってもよい。
これらの遺伝子の発現レベルは、単離された胎盤細胞集団を選択するのに使用することができる。例えば、細胞、例えば、クローン的に拡張した細胞の集団は、上記で列挙した遺伝子の一または複数の発現が、その細胞集団からのサンプル中で等価な間葉幹細胞集団より有意に高い場合に選択することができる。このような選択は、複数の単離された胎盤細胞集団からの集団の選択、その同一性が公知ではない複数の細胞集団からの集団などの選択であってもよい。
単離された胎盤細胞は、例えば間充織幹細胞対照における前記一または複数の遺伝子における発現レベル、例えば、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞における前記一または複数の遺伝子の発現のレベルと比較した場合の、一または複数のこのような遺伝子の発現レベルに基づき選択することができる。一実施形態において、等しい数の間葉幹細胞を含むサンプル中の前記一または複数の遺伝子の発現レベルが、対照として使用される。別の実施形態において、対照は、ある特定の条件下で試験された単離された胎盤細胞の場合、前記条件下での間葉幹細胞における前記一または複数の遺伝子の発現レベルを表す数値である。
ある特定の実施形態において、本明細書で提供される方法において有用な胎盤細胞(例えば、PDAC)は、1から100ng/mLのVEGFに4から21日曝露した後、免疫学的局在法により検出した場合、CD34を発現しない。具体的な実施形態において、前記胎盤接着細胞は、組織培養プラスチックに接着性を有する。別の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、例えばMATRIGEL(商標)などの基材上で、血管新生因子、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)、上皮性増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)または塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)などの存在下で培養される場合、内皮細胞の芽または管状構造の形成を誘導する。
別の態様において、本明細書で提供されるPDAC、細胞集団、例えばPDAC集団、または前記単離された細胞の集団中の細胞の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%または98%がPDACである細胞の集団は、VEGF、HGF、IL−8、MCP−3、FGF2、フォリスタチン、G−CSF、EGF、ENA−78、GRO、IL−6、MCP−1、PDGF−BB、TIMP−2、uPAR、またはガレクチン−1の1つもしくは複数または全てを、例えば細胞または複数の細胞が成長している培養培地に分泌する。別の実施形態において、PDACは、酸素正常条件下(例えば、約20%または約21%O2)と比較して低い酸素条件下(例えば、約5%未満のO2)で、高いレベルのCD202b、IL−8および/またはVEGFを発現する。
別の実施形態において、本明細書に記載されるPDACまたはPDACを含む細胞集団のいずれかは、前記胎盤由来の接着細胞と接触する内皮細胞の集団において、芽または管状構造の形成を引き起こすことができる。具体的な実施形態において、PDACはヒト内皮細胞と共培養され、それにより、例えば、細胞外マトリックスタンパク質、例えばIおよびIV型コラーゲンなど、ならびに/または血管新生因子、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)、上皮性増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)もしくは塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の存在下で、例えば胎盤のコラーゲンまたはMATRIGEL(商標)などの基材中またはその上で少なくとも4日培養される場合、芽もしくは管状構造が形成されるか、または内皮細胞の芽の形成が維持される。別の実施形態において、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞を含む細胞集団のいずれかは、血管新生因子、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、またはインターロイキン−8(IL−8)を分泌し、それによって、例えばIおよびIV型コラーゲンなどの細胞外マトリックスタンパク質の存在下で、例えば胎盤のコラーゲンまたはMATRIGEL(商標)などの基材中またはその上で培養される場合、ヒト内皮細胞の芽または管状構造の形成を誘導することができる。
別の実施形態において、上記の胎盤由来の接着細胞を含む細胞集団(PDAC)のいずれかは、血管新生因子を分泌する。具体的な実施形態において、細胞集団は、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、および/またはインターロイキン−8(IL−8)を分泌する。他の具体的な実施形態において、PDACを含む細胞集団は、一または複数の血管新生因子を分泌し、それによってin vitroでの創傷治癒アッセイにおいてヒト内皮細胞の移動を誘導する。他の具体的な実施形態において、胎盤由来の接着細胞を含む細胞集団は、ヒト内皮細胞、内皮前駆細胞、筋細胞または筋原細胞の成熟、分化または増殖を誘導する。
本明細書に記載される単離された胎盤細胞は、初代培養で、または例えばDMEM−LG(Gibco)、2%ウシ胎児血清(FCS)(Hyclone Laboratories)、1×インスリン−トランスフェリン−セレニウム(ITS)、1×リノール酸(lenolenic−acid)−ウシ−血清−アルブミン(LA−BSA)、10〜9Mのデキサメタゾン(Sigma)、10〜4Mのアスコルビン酸2−ホスフェート(Sigma)、10ng/mlの上皮増殖因子(EGF)(R&D Systems)、10ng/mlの血小板由来増殖因子(PDGF−BB)(R&D Systems)、および100Uのペニシリン/1000Uのストレプトマイシンを含む培地中での増殖中に、上記の特徴(例えば、細胞表面マーカーおよび/または遺伝子発現プロファイルの組合せ)を提示する。
本明細書で開示された胎盤細胞のいずれかのある特定の実施形態において、細胞は、ヒトである。本明細書で開示された胎盤細胞のいずれかのある特定の実施形態において、細胞マーカーの特徴または遺伝子発現の特徴は、ヒトマーカーまたはヒト遺伝子である。
前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞を含む細胞集団の別の具体的な実施形態において、前記細胞または集団は、拡張されており、例えば、少なくとも、約、または最大で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20回、またはそれより多く継代されているか、または少なくとも、約、または最大で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50回の集団倍加で増殖されている。前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞を含む細胞集団の別の具体的な実施形態において、前記細胞または集団は、初代単離物である。本明細書で開示される単離された胎盤細胞、または単離された胎盤細胞を含む細胞集団の別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、胎児起源である(すなわち胎児の遺伝子型を有する)。
ある特定の実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、増殖培地中で、すなわち、例えば増殖培地中で培養される間に増殖を促進するように配合された培地中で培養される間、分化しない。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、増殖するためにフィーダー層を必要としない。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、培養中、フィーダー層の非存在下で、単にフィーダー細胞層の欠如のために分化しない。
別の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な細胞は、単離された胎盤細胞であり、複数の前記単離された胎盤細胞は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性アッセイにより評価された場合、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)陽性である。このようなアッセイは、当業界において公知である(例えば、非特許文献1を参照)。具体的な実施形態において、前記ALDHアッセイは、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性のマーカーとしてAldefluor(登録商標)(Aldagen,Inc.、アシュランド、オレゴン州)を使用する。具体的な実施形態において、前記複数は、前記細胞集団中の細胞の約3%から約25%の間である。別の実施形態において、単離された臍帯細胞、例えば単離された複能性臍帯細胞の集団が本明細書で提供され、複数の前記単離された臍帯細胞は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性のインジケーターとしてAldefluor(登録商標)を使用するアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性アッセイにより評価された場合、アルデヒドデヒドロゲナーゼ陽性である。具体的な実施形態において、前記複数は、前記細胞集団中の細胞の約3%から約25%の間である。別の実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された臍帯細胞の集団は、ほぼ同じ数の細胞を有し、同じ条件下で培養された骨髄由来間葉幹細胞の集団より、少なくとも3倍、または少なくとも5倍高いALDH活性を示す。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む細胞の集団のいずれかのある特定の実施形態において、前記細胞の集団中の胎盤細胞は、母体の遺伝子型を有する細胞を実質的に含まず、例えば、前記集団中の胎盤細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%が、胎児の遺伝子型を有する。本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む細胞の集団のいずれかのある特定の他の実施形態において、前記胎盤細胞を含む細胞の集団は、母体の遺伝子型を有する細胞を実質的に含まず、例えば、前記集団中の細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%が、胎児の遺伝子型を有する。
上記の単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の細胞集団のいずれかの具体的な実施形態において、前記集団中の細胞、または少なくとも細胞の約95%または約99%の核型は、正常である。上記の胎盤細胞または細胞集団のいずれかの別の具体的な実施形態において、細胞、または細胞集団中の細胞は、非母体起源である。
上記のマーカーの組合せのいずれかを有する単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞集団は、あらゆる比率で組み合わせることができる。上記の単離された胎盤細胞集団のいずれか2つ以上を組み合わせて、単離された胎盤細胞集団を形成することができる。例えば、単離された胎盤細胞の集団は、上述したマーカーの組合せの1つによって定義された第1の単離された胎盤細胞集団、および上述したマーカーの組合せの別のものによって定義された第2の単離された胎盤細胞集団を含んでいてもよく、前記第1および第2の集団は、約1:99、2:98、3:97、4:96、5:95、10:90、20:80、30:70、40:60、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、または約99:1の比率で組み合わされる。同様の様式で、上述した単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞集団のいずれか3つ、4つ、5つまたはそれより多くを組み合わせることができる。
本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞は、例えば胎盤組織の破壊により得ることができ、この破壊は、酵素による消化(5.2.3章を参照)または潅流(5.2.4章を参照)を用いてもよいし、または用いなくてもよい。例えば、単離された胎盤細胞集団は、臍帯血を引き出し、潅流して、残留した血液を除去した哺乳類胎盤を潅流するステップ;前記胎盤を潅流溶液で潅流するステップ;および前記潅流溶液を収集するステップであって、潅流後の前記潅流溶液は、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞集団を含む、ステップ;および前記細胞集団から複数の前記単離された胎盤細胞を単離するステップを含む方法に従って産生することができる。具体的な実施形態において、潅流溶液は、臍帯静脈と臍帯動脈の両方を通過して、それが胎盤から滲出した後に収集される。別の具体的な実施形態において、潅流溶液は、臍帯静脈を通過して臍帯動脈から収集されるか、または臍帯動脈を通過して臍帯静脈から収集される。
様々な実施形態において、胎盤の潅流から得られた細胞の集団内に含有される単離された胎盤細胞は、前記胎盤細胞の集団の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または少なくとも99.5%である。別の具体的な実施形態において、潅流によって収集された単離された胎盤細胞は、胎児の細胞および母体の細胞を含む。別の具体的な実施形態において、潅流によって収集された単離された胎盤細胞は、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または少なくとも99.5%が胎児細胞である。
別の具体的な実施形態において、本明細書に記載されるように、潅流により収集された単離された胎盤細胞集団を含む組成物であって、前記組成物は、単離された胎盤細胞を収集するのに使用される潅流溶液の少なくとも一部を含む、組成物が本明細書で提供される。
本明細書に記載される単離された胎盤細胞の単離された集団は、組織を破壊する酵素で胎盤組織を消化して、細胞を含む胎盤細胞集団を得ること、および前記胎盤細胞の残りから複数の胎盤細胞を単離すること、または実質的に単離することによって産生することができる。胎盤の全体またはそのいずれか一部を消化して、本明細書に記載される単離された胎盤細胞を得ることができる。具体的な実施形態において、例えば、前記胎盤組織は、胎盤全体、羊膜、柔毛膜、羊膜と柔毛膜の組合せ、または前述のもののいずれかの組合せであってもよい。他の具体的な実施形態において、組織を破壊する酵素は、トリプシンまたはコラゲナーゼである。様々な実施形態において、胎盤を消化することから得られた細胞の集団内に含有される単離された胎盤細胞は、前記胎盤細胞集団の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または少なくとも99.5%である。
上述した単離された胎盤細胞集団、および単離された胎盤細胞集団は、一般的に、約、少なくとも、または最大で、1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の単離された胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物の一部として)を含んでいてもよいし、または約1×103個から3×103個の間、3×103個から5×103個の間、5×103個から1×104個の間、1×104個から3×104個の間、3×104個から5×104個の間、5×104個から1×105個の間、1×105個から3×105個の間、3×105個から5×105個の間、5×105個から1×106個の間、1×106個から3×106個の間、3×106個から5×106個の間、5×106個から1×107個の間、1×107個から3×107個の間、3×107個から5×107個の間、5×107個から1×108個の間、1×108個から3×108個の間、3×108個から5×108個の間、5×108個から1×109個の間、1×109個から5×109個の間、または5×109個から1×1010個の間の単離された胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物の一部として)を含んでいてもよい。本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤細胞集団は、例えば、例えばトリパンブルー排除によって決定される場合、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の生存可能な単離された胎盤細胞を含む。
5.2 単離された胎盤細胞を得る方法
5.2.1 幹細胞収集組成物
一般的に、上記のセクション5.1に記載される単離された胎盤細胞は、生理的に許容される溶液、例えば細胞収集組成物を使用して、哺乳類胎盤から得られる。例示的な細胞収集組成物は、「Improved Medium for Collecting Placental Stem Cells and Preserving Organs」という表題の関連する特許文献11で詳細に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
細胞収集組成物は、細胞、例えば本明細書に記載される単離された胎盤細胞の収集および/または培養に好適なあらゆる生理的に許容できる溶液、例えば、塩類溶液(例えば、リン酸緩衝塩類溶液、クレブス溶液、改変クレブス溶液、イーグル溶液、0.9%NaClなど)、培養培地(例えば、DMEM、H.DMEMなど)、および同種のものを含んでいてもよい。
細胞収集組成物は、収集時間から培養時間まで、単離された胎盤細胞を保存する傾向がある、すなわち、単離された胎盤細胞が乾燥しないようにする、または単離された胎盤細胞の死を遅延させる、細胞集団中の死亡する単離された胎盤細胞の数を低減する等の一または複数の要素を含んでいてもよい。このような要素は、例えば、アポトーシス阻害剤(例えば、カスパーゼ阻害剤またはJNK阻害剤);血管拡張剤(例えば、硫酸マグネシウム、抗高血圧薬、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、副腎皮質刺激ホルモン、コルチコトロピン放出ホルモン、ニトロプルシドナトリウム、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシンまたは硫酸マグネシウム、ホスホジエステラーゼ阻害剤など);壊死阻害剤(例えば、2−(1H−インドール−3−イル)−3−ペンチルアミノ−マレイミド、ピロリジンジチオカルバメート、またはクロナゼパム);TNF−α阻害剤;および/または酸素運搬ペルフルオロカーボン(例えば、ペルフルオロオクチルブロミド、ペルフルオロデシルブロミドなど)であり得る。
細胞収集組成物は、一または複数の組織分解酵素、例えば、メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、RNアーゼ、またはDNアーゼ、または同種のものを含んでいてもよい。このような酵素としては、これらに限定されないが、コラゲナーゼ(例えば、コラゲナーゼI、II、IIIまたはIV、クロストリジウム・ヒストリチカム(Clostridium histolyticum)由来のコラゲナーゼなど);ディスパーゼ、サーモリシン、エラスターゼ、トリプシン、LIBERASE、ヒアルロニダーゼ、および同種のものが挙げられる。
細胞収集組成物は、殺菌的または静菌的に有効な量の抗生物質を含んでいてもよい。ある特定の非限定的な実施形態において、抗生物質は、マクロライド(例えば、トブラマイシン)、セファロスポリン(例えば、セファレキシン、セフラジン、セフロキシム、セフプロジル、セファクロル、セフィキシムまたはセファドロキシル)、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン(例えば、ペニシリンV)またはキノロン(例えば、オフロキサシン、シプロフロキサシンまたはノルフロキサシン)、テトラサイクリン、ストレプトマイシンなどである。特定の実施形態において、抗生物質は、グラム(+)および/またはグラム(−)細菌、例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などに対して活性である。一実施形態において、抗生物質は、ゲンタマイシンであり、例えば、培養培地中約0.005%から約0.01%(w/v)である。
細胞収集組成物はまた、以下の化合物の1つまたは複数:アデノシン(約1mMから約50mM);D−グルコース(約20mMから約100mM);マグネシウムイオン(約1mMから約50mM);20,000ダルトンより大きい分子量を有する巨大分子、一実施形態において、内皮の完全性および細胞の生存能を維持するのに十分な量で存在するもの(例えば、合成または天然に存在するコロイド、多糖類、例えば約25g/lから約100g/l、または約40g/lから約60g/lで存在するデキストランまたはポリエチレングリコールなど);抗酸化剤(例えば、約25μMから約100μMで存在する、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、グルタチオン、ビタミンCまたはビタミンE);還元剤(例えば、約0.1mMから約5mMで存在するN−アセチルシステイン);細胞へのカルシウム侵入を予防する薬剤(例えば、約2μMから約25μMで存在するベラパミル);ニトログリセリン(例えば、約0.05g/Lから約0.2g/L);抗凝血剤、一実施形態において、残留した血液の凝固の予防を助けるのに十分な量で存在する抗凝血剤(例えば、約1000ユニット/lから約100,000ユニット/lの濃度で存在するヘパリンまたはヒルジン);またはアミロライド含有化合物(例えば、約1.0μMから約5μMで存在する、アミロライド、エチルイソプロピルアミロライド、ヘキサメチレンアミロライド、ジメチルアミロライドまたはイソブチルアミロライド)を含んでいてもよい。
5.2.2 胎盤の収集および取り扱い
一般的に、ヒト胎盤は、出産後に排除された直後に回収される。好ましい実施形態において、胎盤は、インフォームドコンセントの後、および患者の完全な病歴を把握し、胎盤と関連付けた後に、患者から回収される。好ましくは、病歴は、分娩後も継続する。このような病歴は、それに続く胎盤または胎盤から回収された単離された胎盤細胞の使用と連携させるのに使用することができる。例えば、単離されたヒト胎盤細胞は、病歴を考慮して、胎盤に関連する乳児のための、または乳児の親、兄弟もしくは他の親族のための個別化薬に使用することができる。
単離された胎盤細胞の回収の前に、臍帯血および胎盤血は、好ましくは除去される。ある特定の実施形態において、分娩後、胎盤中の臍帯血が回収される。胎盤は、従来の臍帯血回収プロセスに供することができる。典型的には、針またはカニューレを使用して、重力の助けによって胎盤を放血させる(例えば、アンダーソン(Anderson)、特許文献12;ヘッセル(Hessel)ら、特許文献13を参照)。通常、針またはカニューレを臍帯静脈中に置き、胎盤を穏やかに揉んで胎盤からの臍帯血の引き出しを助けることができる。このような臍帯血回収は商業的に実行することもでき、例えば、LifeBank USA、Cedar Knolls、N.J.である。好ましくは、臍帯血回収中の組織の破壊が最小化されるように、胎盤は、さらなる操作を用いずに重力により引き出される。
典型的には、胎盤は、例えば潅流または組織解離による臍帯血の回収および幹細胞の収集のために、分娩または出産室から別の場所、例えば実験室に輸送される。胎盤は、好ましくは、断熱された滅菌輸送デバイス(胎盤の温度を20〜28℃の間に維持する)で、例えば、滅菌ジップロックプラスチックバッグ中に近位の臍帯を固定して胎盤を置き、次いでこれを断熱容器中に置くことにより輸送される。別の実施形態において、胎盤は、その開示が参照により本明細書に組み入れられる係属中の特許文献14に実質的に記載されるような臍帯血収集キットで輸送される。好ましくは、胎盤は、分娩後4から24時間で実験室に届けられる。ある特定の実施形態において、近位の臍帯は、臍帯血回収の前に、盤状胎盤(placental disc)への挿入部の、好ましくは4〜5cm(センチメートル)以内に固定される。他の実施形態において、近位の臍帯は、臍帯血回収の後、ただしさらなる胎盤加工の前に固定される。
胎盤は、細胞収集の前に、滅菌条件下で、室温または5℃から25℃の温度のいずれかで貯蔵することができる。胎盤は、胎盤を潅流して全ての残留した臍帯血を除去する前の、4から24時間の期間にわたり、48時間まで、または48時間より長く、貯蔵してもよい。一実施形態において、胎盤は、排除後、約0時間から約2時間の間に収穫される。胎盤は、好ましくは、抗凝血剤溶液中で、5℃から25℃の温度で、貯蔵される。好適な抗凝血剤溶液は当業界において周知である。例えば、ヘパリンまたはワルファリンナトリウムの溶液を使用することができる。好ましい実施形態において、抗凝血剤溶液は、ヘパリンの溶液(例えば、1:1000溶液中、1%w/w)を含む。放血された胎盤は、好ましくは胎盤細胞を収集する前の36時間以下で貯蔵される。
哺乳類胎盤またはその部分は、上述したようにひとたび一般的に収集され調製されたら、あらゆる当業界公知の方式で処理することができ、例えば、潅流または破壊することにより、例えば一または複数の組織を破壊する酵素で消化することにより、単離された胎盤細胞を得ることができる。
5.2.3 胎盤組織の物理的な破壊および酵素消化
胎盤細胞は、臓器の一部または全ての物理的な破壊によって、哺乳類胎盤から収集することができる。例えば、胎盤またはその部分を、例えば、粉砕する、剪断する、細かく刻む、さいの目に切る、切り刻む、ほぐす等することができる。次いで組織を培養して、単離された胎盤細胞の集団を得ることができる。典型的には、胎盤組織は、例えば、培養培地、塩類溶液、または幹細胞収集を使用して破壊される。
胎盤は、物理的な破壊および/または酵素消化ならびに幹細胞の回収の前に要素に切り分けることができる。単離された胎盤細胞は、羊膜、柔毛膜、臍帯、胎盤絨毛叢の全てまたは一部、または胎盤全体を含むそれらのいずれかの組合せから得ることができる。好ましくは、単離された胎盤細胞は、羊膜および柔毛膜を含む胎盤組織から得られる。典型的には、単離された胎盤細胞は、小さいブロックの胎盤組織の破壊、例えば、体積が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または約1000立方ミリメートルの胎盤組織のブロックの破壊により得ることができる。例えばトリパンブルー排除によって決定される場合、前記臓器中の複数の細胞、より好ましくは大多数の細胞、より好ましくは少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%の細胞を生存可能なままにする破壊方法であれば、どのような物理的な破壊方法を使用してもよい。
単離された接着性胎盤細胞は、一般的に、排除後の最初の3日以内のいつでも、ただし好ましくは排除後約8時間から約18時間の間に、胎盤またはその一部から収集することができる。
具体的な実施形態において、破壊された組織は、単離された胎盤細胞の増殖に好適な組織培養培地中で培養される。
別の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、物理的な胎盤組織の破壊によって収集され、物理的な破壊としては、一または複数の組織消化酵素の使用によって達成できる酵素消化が挙げられる。また胎盤またはその部分を物理的に破壊し、一または複数の酵素で消化してもよく、次いで得られた材料を細胞収集組成物中に浸すか、またはそれに混合してもよい。
好ましい細胞収集組成物は、一または複数の組織を破壊する酵素を含む。胎盤組織を破壊するのに使用できる酵素としては、パパイン、デオキシリボヌクレアーゼ、セリンプロテアーゼ、例えばトリプシン、キモトリプシン、コラゲナーゼ、ディスパーゼまたはエラスターゼなどが挙げられる。セリンプロテアーゼは、血清中のアルファ2ミクログロブリンによって阻害される場合があるため、消化に使用される培地は通常、無血清である。細胞回収効率を増加させるために、EDTAおよびDNアーゼが酵素消化手順において一般的に使用される。粘性の消化物中への細胞の捕獲が回避されるように、消化されるものを好ましくは希釈する。
組織消化酵素のあらゆる組合せを使用することができる。トリプシンを使用する消化のための典型的な濃度としては、0.1%から約2%のトリプシン、例えば約0.25%のトリプシンが挙げられる。プロテアーゼは、組み合わせて使用してもよく、すなわち2つ以上のプロテアーゼを同じ消化反応で使用してもよく、または胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞および複能性胎盤細胞を遊離させるために逐次的に使用してもよい。例えば、一実施形態において、胎盤またはその部分は、最初に、適切な量のコラゲナーゼIで、約1から約2mg/mlで、例えば30分間消化され、それに続いてトリプシンで、約0.25%の濃度で、例えば10分間、37℃で消化される。セリンプロテアーゼは、好ましくは、他の酵素の使用後に連続して使用することができる。
別の実施形態において、幹細胞収集組成物を用いて幹細胞を単離する前に、キレート化剤、例えば、エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’N’−四酢酸(EGTA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を、幹細胞を含む幹細胞収集組成物に、またはその中で組織が破壊および/または消化される溶液に添加することによって、組織をさらに破壊することもできる。
消化後、消化されたものを例えば培養培地で3回洗浄し、洗浄した細胞を培養フラスコに植え付ける。次いで細胞を示差的な接着により単離し、例えば生存能、細胞表面マーカー、分化、および同種のものに関して特徴付ける。
胎盤全体または胎盤の部分が胎児の細胞と母体の細胞の両方を含む(例えば、胎盤の部分が柔毛膜または絨毛叢を含む場合)単離された胎盤細胞は、胎児源と母体源の両方に由来する胎盤細胞の混合物を含むことができると理解されると予想される。胎盤の部分が母体の細胞(例えば、羊膜)を含まないかごく少数しか含まない場合、それから単離された胎盤細胞は、ほぼ胎児の胎盤細胞(すなわち、胎児の遺伝子型を有する胎盤細胞)のみを含むと予想される。
胎盤細胞、例えば、上記の5.1章に記載される胎盤細胞は、示差的なトリプシン処理(以下の5.2.5章を参照)、それに続く一または複数の新しい培養容器中における新鮮な増殖培地中での培養、任意選択でそれに続く第2の示差的なトリプシン処理工程によって、破壊された胎盤組織から単離することができる。
5.2.4.胎盤の潅流
胎盤細胞、例えば、上記の5.1章に記載される胎盤細胞はまた、哺乳類胎盤の潅流によっても得ることができる。胎盤細胞を得るための哺乳類胎盤を潅流する方法は、例えば、ハリリ(Hariri)の特許文献15および特許文献16、特許文献10ならびに特許文献11で開示されており、これらそれぞれの開示は、この参照によりそれらの全体が開示に組み入れられる。
胎盤細胞は、潅流溶液として例えば細胞収集組成物を使用する、例えば胎盤の血管系を介した潅流によって収集することができる。一実施形態において、哺乳類胎盤は、臍帯動脈および臍帯静脈のいずれかまたはその両方に潅流溶液を通過させることによって潅流される。胎盤を通る潅流溶液の流動は、例えば胎盤への重力流を使用して達成することができる。好ましくは、ポンプ、例えば蠕動ポンプを使用して、潅流溶液を胎盤に押し通す。臍帯静脈に、例えば、滅菌接続器具、例えば滅菌管材料などに接続された、カニューレ、例えばTEFLON(登録商標)またはプラスチックカニューレを挿入することができる。滅菌接続器具は、潅流マニホールドに接続される。
潅流の準備において、胎盤は、好ましくは、胎盤の最も高い地点に臍帯動脈および臍帯静脈が配置されるような方式で方向付けられる(例えば、吊り下げられる)。潅流流体を胎盤の血管系および周囲の組織を通過させることによって、胎盤を潅流することができる。また、臍帯静脈への潅流流体の通過および臍帯動脈からの収集、または臍帯動脈への潅流流体の通過および臍帯静脈からの収集によっても、胎盤を潅流することができる。
一実施形態において、例えば、臍帯動脈および臍帯静脈は、例えばフレキシブルなコネクターを介して潅流溶液のリザーバに接続されているピペットに、同時に接続される。潅流溶液は、臍帯静脈および動脈に注入される。潅流溶液は、血管壁からおよび/またはそれを通過して胎盤の周囲組織に滲出し、妊娠中に母親の子宮に付着していた胎盤の表面から好適な開放血管に収集される。また潅流溶液を、臍帯の開口部を介して導入し、母体の子宮壁との境界面である胎盤の壁中の開口部から流動または浸透させてもよい。この方法は、「受け皿(pan)」方法と称することができ、それにより収集される胎盤細胞は、典型的には胎児の細胞と母体の細胞との混合物である。
別の実施形態において、潅流溶液は、臍帯静脈を通過し、臍帯動脈からから収集されるか、または臍帯動脈を通過し、臍帯静脈から収集される。この方法は、「閉回路」方法と称することができ、それにより収集される胎盤細胞は、典型的にはほぼ胎児のみである。
受け皿方法、すなわちそれによって潅流液が胎盤の母体側から滲出した後に収集される方法を使用する潅流は、胎児の細胞と母体の細胞との混合物を生じることが理解されると予想される。結果として、この方法によって収集された細胞は、胎児起源と母体起源の両方の、混成の胎盤細胞集団、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞を含み得る。対照的に、閉回路方法で胎盤の血管系のみを通る潅流、すなわちそれによって潅流流体が1または2つの胎盤の血管を通過して残りの血管のみを通って収集される潅流は、ほぼ胎児起源の胎盤細胞の集団のみの収集がもたらされる。
閉回路潅流方法は、一実施形態において、以下のように実行することができる。出産後約48時間以内に産後の胎盤を得る。臍帯を固定し、クランプ上で切断する。臍帯は、捨ててもよいし、または例えば臍帯幹細胞を回収するために加工したり、および/またはバイオマテリアル産生のために臍帯膜を加工したりすることもできる。羊膜は、潅流中に保持されていてもよいし、または例えば指での鈍的剥離を使用して柔毛膜から分離されてもよい。羊膜が潅流の前に柔毛膜から分離される場合、羊膜は、例えば、捨ててもよいし、または例えば、酵素消化によって幹細胞を得るために、または例えば羊膜バイオマテリアル、例えばその開示が参照によりその全体が本明細書に組み入れられる特許文献17に記載のバイオマテリアルを産生するために加工されてもよい。全ての目に見える血餅や残留した血液を例えば滅菌ガーゼを使用して胎盤からクリーニングした後、例えば臍帯膜を部分的に切断して臍帯の断面を露出させることによって、臍帯血管を露出させる。血管を確認して、例えば各血管の切断端部末端を通って閉じたワニ口クランプを進めることによって開く。次いで潅流デバイスまたは蠕動ポンプに接続された器具、例えばプラスチック管材料を、胎盤動脈のそれぞれに挿入する。ポンプは、目的に好適な、例えば蠕動ポンプであり得る。次いで、滅菌収集リザーバ、例えば血液バッグ、例えば250mL収集バッグなどに接続されたプラスチック管材料は、胎盤静脈に挿入される。代替として、ポンプに接続された管材料が胎盤静脈に挿入され、収集リザーバへの管は、胎盤動脈の一方または両方に挿入される。次いで胎盤を、所定体積の潅流溶液、例えば、約750mlの潅流溶液で潅流する。次いで潅流液中の細胞を、例えば遠心分離によって収集する。ある特定の実施形態において、胎盤を潅流溶液、例えば100〜300mLの潅流溶液で潅流して、潅流の前に残留した血液を除去し、胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞および/または複能性胎盤細胞を収集する。別の実施形態において、胎盤を潅流溶液で潅流せずに、潅流の前に残留した血液を除去し、胎盤細胞を収集する。
一実施形態において、近位の臍帯は、潅流中固定され、より好ましくは、盤状胎盤(placental disc)への臍帯の挿入部の4〜5cm(センチメートル)以内に固定される。
放血プロセス中における哺乳類胎盤からの潅流流体の第1の収集物は、一般的に、臍帯血および/または胎盤の血液の残留した赤血球で着色されている。潅流流体は、潅流が進むにつれてより無色になり、残留した臍帯血細胞は胎盤から洗い落とされる。一般的に30から100ml(ミリリットル)の潅流流体が、初期に胎盤を放血させるのに十分であるが、観察された結果に応じてそれより多いまたは少ない潅流流体を使用してもよい。
胎盤細胞を単離するのに使用される潅流液体の体積は、収集しようとする細胞の数、胎盤のサイズ、単一の胎盤から作製しようとする収集物の数などに応じて様々であり得る。様々な実施形態において、潅流液体の体積は、50mLから5000mL、50mLから4000mL、50mLから3000mL、100mLから2000mL、250mLから2000mL、500mLから2000mL、または750mLから2000mLであり得る。典型的には、胎盤は、放血後、700〜800mLの潅流液体で潅流される。
胎盤は、数時間または数日にわたり複数回潅流することができる。胎盤を複数回潅流しようとする場合、無菌条件下において容器または他の好適な入れ物中で維持または培養して、抗凝血剤(例えば、ヘパリン、ワルファリンナトリウム、クマリン、ビスヒドロキシクマリン)含有または非含有の、および/または抗微生物剤(例えば、β−メルカプトエタノール(0.1mM);抗生物質、例えばストレプトマイシン(例えば、40〜100μg/mlで)、ペニシリン(例えば、40U/mlで)、アンホテリシンB(例えば、0.5μg/mlで)など)含有または非含有の、細胞収集組成物、または標準的な潅流溶液(例えば、リン酸緩衝塩類溶液(「PBS」)などの通常の塩類溶液)で潅流してもよい。一実施形態において、潅流および潅流液の収集前の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24時間、または2もしくは3日間またはそれより多くの日数にわたり胎盤が維持または培養されるように、単離された胎盤は、所定期間にわたり潅流液を収集せずに維持または培養される。潅流された胎盤は、1または複数の追加の回、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間またはそれより長い時間維持して、2回目に、例えば700〜800mLの潅流流体で潅流してもよい。胎盤は、1、2、3、4、5回またはそれより多く、例えば1、2、3、4、5または6時間毎に1回潅流することができる。好ましい実施形態において、胎盤の潅流および潅流溶液、例えば細胞収集組成物の収集は、回収した有核細胞の数が細胞100個/ml未満に落ちるまで繰り返される。異なるタイムポイントでの潅流液はさらに、時間依存的な細胞、例えば幹細胞の集団を回収するために個々に加工することができる。異なるタイムポイントからの潅流液はまた、プールすることもできる。好ましい実施形態において、胎盤細胞は、排除後の約8時間から約18時間の間の1つの時点または複数の時点で収集される。
潅流は、好ましくは、前記溶液で潅流されておらず、胎盤細胞を得るための別段の処置(例えば、組織の破壊、例えば酵素消化による)がなされていない哺乳類胎盤から入手可能な数より有意に多くの胎盤細胞の収集をもたらす。この状況において、「より有意に多く」は、少なくとも10%より多いことを意味する。潅流は、例えば胎盤またはその一部を培養した培養培地から分離可能な胎盤細胞の数より有意に多くの胎盤細胞を生じる。
胎盤細胞は、一または複数のプロテアーゼまたは他の組織を破壊する酵素を含む溶液での潅流によって胎盤から単離することができる。具体的な実施形態において、胎盤またはその部分(例えば、羊膜、羊膜および柔毛膜、胎盤小葉もしくは絨毛叢、臍帯、または前述のもののいずれかの組合せ)を25〜37℃にして、200mLの培養培地中の一または複数の組織を破壊する酵素と共に30分インキュベートする。潅流液からの細胞を収集し、4℃にして、5mMのEDTA、2mMジチオスレイトールおよび2mMベータ−メルカプトエタノールを含む冷たい阻害剤混合物で洗浄する。数分後に冷たい(例えば、4℃の)幹細胞収集組成物で胎盤細胞を洗浄する。
5.2.5 胎盤細胞の単離、ソーティング、および特徴付け
単離された胎盤細胞、例えば上記の5.1章に記載される細胞は、潅流により得られたか、または物理的な破壊、例えば酵素消化により得られたかにかかわらず、最初に、Ficoll勾配遠心分離によって他の細胞から精製することができる(すなわち、それから単離することができる)。このような遠心分離は、遠心分離速度などに関してどのような標準的なプロトコールに従っていてもよい。一実施形態において、例えば、胎盤から収集された細胞を、5000×gで15分、室温での遠心分離によって潅流液から回収し、それにより例えば混入している死細胞片および血小板から細胞を分離する。別の実施形態において、胎盤潅流液を約200mlに濃縮し、穏やかにFicoll上に層化して、約1100×gで20分、22℃で遠心分離し、さらなる加工のために低密度の細胞の境界層を収集する。
細胞ペレットは、新鮮な幹細胞収集組成物、または細胞の維持、例えば、幹細胞の維持に好適な培地、例えば、2U/mlヘパリンおよび2mMのEDTA(GibcoBRL、NY)を含有するIMDM無血清培地に再懸濁することができる。総単核細胞画分は、例えば、Lymphoprep(Nycomed Pharma、Oslo、Norway)を製造元の推奨された手順に従って使用して単離することができる。
潅流または消化により得られた胎盤細胞は、例えば、さらに、または最初に、例えば0.2%EDTA(Sigma、St.Louis MO)を含む0.05%トリプシン溶液を使用する示差的なトリプシン処理によって単離することができる。単離された胎盤細胞は、組織培養プラスチック接着性であり、典型的には約5分以内にプラスチック表面から取り外されるため、示差的なトリプシン処理が可能であり、それに対して他の接着性集団は、典型的には20〜30分より長いインキュベーションを必要とする。取り外された胎盤細胞は、例えばトリプシン中和溶液(Trypsin Neutralizing Solution;TNS、Cambrex)を使用するトリプシン処理およびトリプシン中和後、収穫することができる。接着細胞単離の一実施形態において、例えば細胞約5〜10×106個のアリコートを、数々のT−75フラスコ、好ましくはフィブロネクチンでコーティングしたT75フラスコのそれぞれ中に入れる。このような実施形態において、細胞を市販の間充織幹細胞増殖培地(MSCGM)(Cambrex)で培養して、組織培養インキュベーター(37℃、5%CO2)中に入れることができる。10から15日後、PBSで洗浄することによって非接着細胞をフラスコから除去する。次いでPBSをMSCGMで交換する。様々な接着細胞タイプの存在について、特定には線維芽細胞様細胞のクラスターの同定および拡張について、フラスコを、好ましくは毎日検査することができる。
哺乳類胎盤から収集された細胞の数およびタイプは、例えば、例えばフローサイトメトリー、セルソーティング、免疫細胞化学(例えば、組織特異的なまたは細胞−マーカー特異的な抗体での染色)、蛍光活性化セルソーティング(FACS)、磁気活性化セルソーティング(MACS)などの標準的な細胞検出技術を使用して形態および細胞表面マーカーの変化を測定することによって、光学または共焦点顕微鏡法を使用する細胞の形態の検査によって、および/または例えばPCRおよび遺伝子発現プロファイリングなどの当業界において周知の技術を使用して遺伝子発現の変化を測定することによってモニターすることができる。これらの技術はまた、一または複数の特定のマーカーに関して陽性である細胞を同定するのにも使用することができる。例えば、CD34に対する抗体を使用して、上記技術を使用して、細胞が検出可能な量のCD34を含むのかどうかを決定することができ、含む場合、細胞はCD34+である。同様に、細胞が、RT−PCRによって検出するのに十分なOCT−4 RNAを産生するか、または成体細胞より有意に多くのOCT−4 RNAを産生する場合、その細胞は、細胞表面マーカー(例えば、CD34などのCDマーカー)に対するOCT−4+抗体であり、幹細胞特異的遺伝子、例えばOCT−4などの配列は当業界において周知である。
胎盤細胞、特にFicoll分離、示差的な接着、またはそれら両方の組合せによって単離された細胞は、蛍光活性化セルソーター(FACS)を使用してソートされてもよい。蛍光活性化セルソーティング(FACS)は、細胞などの粒子を、粒子の蛍光特性に基づいて分離するための周知の方法である(非特許文献2)。個々の粒子の蛍光性部分のレーザー励起は、混合物からの陽性および陰性粒子の電磁気分離を可能にする小さい電荷を生じる。一実施形態において、細胞表面マーカー特異的な抗体またはリガンドは、別個の蛍光標識で標識される。細胞をセルソーターを介して処理することにより、使用される抗体に結合するそれらの能力に基づいて細胞の分離が可能になる。FACSでソートされた粒子は、分離およびクローニングを容易にするために、96−ウェルまたは384−ウェルプレートの個々のウェルに直接堆積させることができる。
1つのソーティングスキームにおいて、胎盤、例えばPDACからの細胞は、マーカーCD34、CD38、CD44、CD45、CD73、CD105、OCT−4および/またはHLA−Gの一または複数の発現に基づきソートされる。これは、培養中のそれらの接着特性に基づきこのような細胞を選択するための手順と共に達成することができる。例えば、組織培養プラスチックへの接着の選択は、マーカー発現に基づきソーティングの前または後に達成することができる。一実施形態において、例えば、細胞はまず、それらのCD34発現に基づきソートされ、CD34−細胞が保持されて、加えてCD200+およびHLA−G−であるCD34−細胞が、全ての他のCD34−細胞から分離される。別の実施形態において、胎盤からの細胞は、それらのマーカーCD200および/またはHLA−Gの発現に基づきソートされ、例えば、CD200を提示しHLA−Gが欠如した細胞が、さらなる使用のために単離される。具体的な実施形態において、例えばCD200を発現し、および/または例えばHLA−Gがない細胞は、それらのCD73および/もしくはCD105、または抗体SH2、SH3もしくはSH4によって認識されるエピトープの発現、またはCD34、CD38もしくはCD45の発現の欠如に基づきさらにソートすることができる。例えば、別の実施形態において、胎盤細胞は、CD200、HLA−G、CD73、CD105、CD34、CD38およびCD45の発現またはそれらの欠如によってソートされ、CD200+、HLA−G−、CD73+、CD105+、CD34−、CD38−およびCD45−である胎盤細胞が、さらなる使用のために他の胎盤細胞から単離される。
ソートされた胎盤細胞の上記実施形態のいずれかの具体的な実施形態において、ソーティング後に残存する細胞集団中の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または95%が、前記単離された胎盤細胞である。胎盤細胞は、上記の5.1章に記載されるマーカーのいずれかの1つまたは複数によってソートすることができる。
具体的な実施形態において、例えば、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、(2)CD10+、CD34−およびCD105+である胎盤細胞が、他の胎盤細胞からソートされる(すなわち、それから単離される)。別の具体的な実施形態において、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、(2)CD10+、CD34−、CD105+およびCD200+である胎盤細胞が、他の胎盤細胞からソートされる(すなわち、それから単離される)。別の具体的な実施形態において、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、(2)CD10+、CD34−、CD45−、CD90+、CD105+およびCD200+である胎盤細胞が、他の胎盤細胞からソートされる(すなわち、それから単離される)。
胎盤細胞のヌクレオチド配列ベースの検出に関して、本明細書に列挙したマーカーの配列は、例えばGenBankまたはEMBLなどの公開された形で利用可能なデータベースで容易に入手可能である。
胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞の抗体媒介性検出およびソーティングに関して、特定のマーカーに特異的なあらゆる抗体が、細胞の検出およびソーティング(例えば、蛍光活性化セルソーティング)に好適なあらゆるフルオロフォアまたは他の標識と組み合わせて使用することができる。特異的なマーカーに対する抗体/フルオロフォアの組合せとしては、これらに限定されないが、HLA−Gに対するフルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートモノクローナル抗体(Serotec、ローリー、ノースカロライナ州より入手可能)、CD10(BD Immunocytometry Systems、サンノゼ、カリフォルニア州より入手可能)、CD44(BD Biosciences Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州より入手可能)、およびCD105(R&D Systems Inc.、ミネアポリス、ミネソタ州より入手可能);CD44、CD200、CD117、およびCD13に対するフィコエリトリン(PE)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);CD33およびCD10に対するフィコエリトリン−Cy7(PE Cy7)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);CD38に対するアロフィコシアニン(APC)コンジュゲートストレプトアビジンおよびモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);およびビオチン化CD90(BD Biosciences Pharmingen)が挙げられる。使用できる他の抗体としては、これらに限定されないが、CD133−APC(Miltenyi)、KDR−ビオチン(CD309、Abcam)、サイトケラチンK−Fitc(SigmaまたはDako)、HLA ABC−Fitc(BD)、HLA DR、DQ、DP−PE(BD)、β−2−ミクログロブリン−PE(BD)、CD80−PE(BD)およびCD86−APC(BD)が挙げられる。使用できる他の抗体/標識の組合せとしては、これらに限定されないが、CD45−PerCP(ペリジニン(peridin)クロロフィルタンパク質);CD44−PE;CD19−PE;CD10−F(フルオレセイン);HLA−G−Fおよび7−アミノ−アクチノマイシン−D(7−AAD);HLA−ABC−F;および同種のものが挙げられる。この列挙は全てを網羅したわけではなく、他の供給元からの他の抗体も商業的に利用可能である。
本明細書で提供される単離された胎盤細胞は、CD117またはCD133に関して、例えば、フィコエリトリン−Cy5(PE Cy5)コンジュゲートストレプトアビジンと、CD117またはCD133に対するビオチンコンジュゲートモノクローナル抗体とを使用してアッセイすることができる。しかしながら、このシステムを使用して、細胞は、比較的高いバックグラウンドのために、CD117またはCD133それぞれに関して陽性のように見える可能性がある。
単離された胎盤細胞は、単一のマーカーに対する抗体で標識して、検出および/ソートすることができる。また胎盤細胞は、異なるマーカーに対する複数の抗体で同時に標識することもできる。
別の実施形態において、磁気ビーズを使用して、細胞を分離することができる。細胞は、磁気ビーズ(直径0.5〜100μm)と結合するそれらの能力に基づいて粒子を分離するための方法である磁気活性化セルソーティング(MACS)技術を使用してソートすることができる。磁気マイクロスフェアに、特定の細胞表面分子またはハプテンを特異的に認識する抗体の共有結合による付加などの様々な有用な改変を行ってもよい。次いでビーズを細胞と混合して、結合を可能にする。次いで細胞を磁場に通過させて、特異的な細胞表面マーカーを有する細胞を分離する。一実施形態において、次いでこれらの細胞を単離して、追加の細胞表面マーカーに対する抗体にカップリングされた磁気ビーズと再混合することができる。細胞を磁場に再度通過させて、両方の抗体に結合した細胞を単離する。次いでこのような細胞を希釈して、別々のプレート、例えばクローン単離のためのマイクロタイタープレートなどに移すことができる。
単離された胎盤細胞はまた、細胞形態学および増殖特徴に基づいて特徴付けおよび/またはソートすることもできる。例えば、単離された胎盤細胞は、培養中、例えば線維芽細胞様の外観を有するとして特徴付けることができ、および/または線維芽細胞様の外観に基づき選択することができる。単離された胎盤細胞はまた、胚様体を有するとして特徴付けることもでき、および/または胚様体を形成するそれらの能力に基づき選択することもできる。一実施形態において、例えば、培養中、形状が線維芽細胞様であり、CD73およびCD105を発現し、一または複数の胚様体を産生する胎盤細胞が、他の胎盤細胞から単離される。別の実施形態において、培養中一または複数の胚様体を産生するOCT−4+胎盤細胞が、他の胎盤細胞から単離される。
別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、コロニー形成単位アッセイによって同定および特徴付けすることができる。コロニー形成単位アッセイは一般的に当業界で公知であり、例えばMesenCult(商標)培地(Stem Cell Technologies,Inc.、Vancouver、British Columbia)などである。
単離された胎盤細胞は、生存能、増殖可能性、および寿命に関して、例えばトリパンブルー排除アッセイ、フルオレセイン二酢酸取り込みアッセイ、ヨウ化プロピジウム取り込みアッセイ(生存能を評価するため);およびチミジン取り込みアッセイ、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)細胞増殖アッセイ(増殖を評価するため)などの当業界において公知の標準的な技術を使用して評価することができる。寿命は、当業界において周知の方法によって、例えば長期の培養で集団倍加の最大回数を決定することによって決定することができる。
単離された胎盤細胞、例えば上記の5.1章に記載される単離された胎盤細胞はまた、当業界において公知の他の技術、例えば、所望の細胞の選択的な成長(陽性選択)、不要な細胞の選択的な破壊(陰性選択);例えばダイズ凝集素を用いた場合のような混成の集団中の示差的な細胞の凝集力に基づく分離;凍結融解手順;濾過;従来のおよびゾーン遠心分離;遠心水簸(対向流遠心分離(counter−streaming centrifugation));単位重力分離;向流分配;電気泳動などを使用して、他の胎盤細胞から分離することもできる。
5.2.6 低温保存した単離された胎盤細胞
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な単離された胎盤の細胞集団は、本明細書に記載の方法で使用する前に、保存されており、例えば低温保存されている。細胞、例えば幹細胞などの低温保存のための方法は当業界において周知である。ある特定の実施形態において、胎盤細胞は、個体に容易に投与可能な形態で調製され、例えば、単離された胎盤細胞集団は、医学的用途に好適な容器内に含有される。このような容器は、例えば、シリンジ、滅菌プラスチックバッグ、フラスコ、ジャー、またはそれから単離された胎盤細胞集団を容易に分配することができる他の容器であり得る。例えば、容器は、血液バッグ、またはレシピエントへの液体の静脈内投与に好適な他のプラスチックの医学的に許容できるバッグであり得る。ある特定の実施形態において、容器は、組み合わされた細胞集団の低温保存を可能にするものである。
低温保存した単離された胎盤細胞集団は、単一のドナー由来の、または複数のドナー由来の単離された胎盤細胞を含んでいてもよい。単離された胎盤細胞集団は、意図したレシピエントに対して完全にHLA適合であってもよいし、または部分的にまたは完全にHLA不適合であってもよい。
したがって、一実施形態において、単離された胎盤細胞は、本明細書に記載される方法において、容器中の組織培養プラスチック接着性の胎盤細胞集団を含む組成物の形態で使用することができる。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存される。別の具体的な実施形態において、容器は、バッグ、フラスコ、またはジャーである。別の具体的な実施形態において、組成物は、組み合わされた細胞集団の低温保存を容易にする一または複数の化合物を含む。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞集団は、生理的に許容できる水溶液中に含有される。別の具体的な実施形態において、前記生理的に許容できる水溶液は、0.9%のNaCl溶液である。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞集団は、前記細胞集団のレシピエントに対してHLA適合の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施形態において、前記組み合わされた細胞集団は、前記細胞集団のレシピエントに対して少なくとも部分的にHLA不適合の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、複数のドナー由来である。
ある特定の実施形態において、容器中の単離された胎盤細胞は、単離されたCD10+、CD34−、CD105+胎盤細胞であり、前記細胞は、低温保存されており、容器内に含有される。具体的な実施形態において、前記CD10+、CD34−、CD105+胎盤細胞はまた、CD200+でもある。別の具体的な実施形態において、前記CD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤細胞はまた、CD45−またはCD90+でもある。別の具体的な実施形態において、前記CD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤細胞はまた、CD45−およびCD90+でもある。別の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン弱、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、またはプログラム死−1リガンド(PDL1)+、またはそれらのあらゆる組合せの1つまたは複数である。別の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン弱、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、およびプログラム死−1リガンド(PDL1)+である。
ある特定の他の実施形態において、上記で述べた単離された胎盤細胞は、単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞であり、前記細胞は、低温保存されており、容器内に含有される。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるCD73+、CD105+、CD200+細胞である。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるCD200+、OCT−4+幹細胞である。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるCD73+、CD105+細胞であり、前記単離された胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で胎盤細胞集団と共に培養される場合、一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるCD73+、CD105+、HLA−G−細胞である。別の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるOCT−4+胎盤細胞であり、前記細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で胎盤細胞集団と共に培養される場合、一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。
別の具体的な実施形態において、上記で述べた単離された胎盤細胞は、フローサイトメトリーによって検出されるCD34−、CD10+およびCD105+(例えば、PDAC)である、胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、神経系の表現型を有する細胞、骨形成性の表現型を有する細胞、または軟骨形成性の表現型を有する細胞に分化する能力を有する。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45−である。別の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+、CD200+細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+およびCD45−である。別の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+、CD200+、CD90+、CD45−細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD80−およびCD86−である。別の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+細胞は、加えて、CD29+、CD38−、CD44+、CD54+、CD80−、CD86−、SH3+またはSH4+の1つまたは複数である。別の具体的な実施形態において、細胞は、加えて、CD44+である。上記の単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞のいずれかの具体的な実施形態において、細胞は、加えて、CD117−、CD133−、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、および/またはPDL1+の1つまたは複数である。
前述の低温保存した単離された胎盤細胞のいずれかの具体的な実施形態において、前記容器は、バッグまたはチューブである。様々な具体的な実施形態において、前記容器は、約、少なくとも、または最大で、1×106個の前記単離された胎盤細胞、5×106個の前記単離された胎盤細胞、1×107個の前記単離された胎盤細胞、5×107個の前記単離された胎盤細胞、1×108個の前記単離された胎盤細胞、5×108個の前記単離された胎盤細胞、1×109個の前記単離された胎盤細胞、5×109個の前記単離された胎盤細胞、1×1010個の前記単離された胎盤細胞、または1×1010個の前記単離された胎盤細胞を含む。前述の低温保存した集団のいずれかの他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、約、少なくとも、または最大で5回、最大で10回、最大で15回、または最大で20回継代されている。前述の低温保存した単離された胎盤細胞のいずれかの別の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、前記容器内で拡張される。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される方法で使用される胎盤由来接着細胞の単回分の単位用量は、様々な実施形態において、約、少なくとも、または最大で、1×103、3×103、5×103、1×104、3×104、5×104、1×105、3×105、5×105、1×106、3×106、5×106、1×107、3×107、5×107、1×108、3×108、5×108、1×109、5×109、または1×1010個の胎盤細胞を含んでいてもよい。ある特定の実施形態において、胎盤由来の接着細胞の単回分の単位用量は、1×103個から3×103個の間、3×103個から5×103個の間、5×103個から1×104個の間、1×104個から3×104個の間、3×104個から5×104個の間、5×104個から1×105個の間、1×105個から3×105個の間、3×105個から5×105個の間、5×105個から1×106個の間、1×106個から3×106個の間、3×106個から5×106個の間、5×106個から1×107個の間、1×107個から3×107個の間、3×107個から5×107個の間、5×107個から1×108個の間、1×108個から3×108個の間、3×108個から5×108個の間、5×108個から1×109個の間、1×109個から5×109個の間、または5×109個から1×1010個の間の胎盤細胞を含んでいてもよい。
6.実施例
6.1 実施例1:細胞効力アッセイ
この実施例は、CD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を使用して実行される細胞効力アッセイを記載している。
低温保存したCD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤幹細胞の3つの別個のロットを実験に使用した。各ロットから、3つの別個の細胞の調製物を得た。各細胞の調製物からの4つのアリコートを、細胞10,000個/cm2(ウェル当たり合計9200個の細胞)で48−ウェルプレート中に植え付けた。
次いで細胞を、24時間または48時間で、同じ標準的な細胞培養培地(基礎DMEM)中で培養した(「回収培養」)。回収培養期間の経過中の細胞のパーセント密集度を、IncuCyte ZOOM(登録商標)In−Incubator Imaging and Image Analysis Systemを使用して、1時間毎に視覚的に評価した。24時間または48時間の回収期間後、PGE2産生を誘導するためにインターロイキン−1ベータを含む培地中で細胞を培養し、追加で24時間培養した。24時間の誘導培養後、細胞培養物から馴化培地を収集し、馴化培地中のPGE2の量をELISAで評価した。
図1で示されるように、48時間の回収培養期間の使用は、24時間の回収培養期間とは対照的に、細胞のパーセント密集度によって測定される場合、アッセイ間に加えてアッセイ内の変動性を改善した。48時間培養した細胞の調製物の変動係数(%CV)は、いずれの場合においても、24時間培養した細胞の調製物の変動係数より低かった。実験を繰り返したところ、同じ結果が観察された。図2を参照されたい。
図3で示されるように、48時間の回収培養を利用する細胞効力アッセイは、24時間の回収培養を使用する細胞効力アッセイより優れている。アッセイの変動性における改善は、CD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤幹細胞の細胞効力のサロゲート因子であるPGE2の測定によって決定した。特定には、PGE2発現は、胎盤幹細胞の免疫抑制活性のサロゲートとして作用する。試験された胎盤幹細胞の3つの別個のロットのそれぞれにおいて、48時間の回収培養からの細胞を使用して測定されたPGE2レベルの変動係数(%CV)は、24時間の回収培養からの細胞を使用して測定されたPGE2レベルの変動係数より低かった。
48時間の回収培養を利用する細胞効力アッセイの優秀さをさらに確認するために、多数の細胞の調製物を使用したラージスケールの実験を実行した。図4を参照されたい。それによっても、回収培養時間を48時間に増加させることにより、24時間の回収培養を利用した細胞効力アッセイと比較して、アッセイ内の変動性を低減させ(図4A)、アッセイ間の変動性を低減させた(図4B)ことが実証された。さらに、回収培養の長さを48時間に増加させることは、ダイナミックレンジに影響を与えなかったが(図4C)、48時間の回復時間を利用する細胞効力アッセイは、統計学的検出力を増加させた(図4D)ことが実証された。
結論として、この実施例は、細胞効力アッセイで採用された回収培養期間は、重要なパラメーターであることを実証する。
均等物:
本発明の開示は、本明細書に記載される具体的な実施形態によって範囲が限定されないものとする。実際に、記載されたものに加えて、前述の説明から本明細書で提供される主題の様々な改変が当業者には明らかになると予想される。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
様々な刊行物、特許および特許出願が本明細書に引用されており、これらの開示は、参照によりそれらの全体が組み入れられる。