CD40で媒介されるシグナリングは現在、様々なターゲッティング障害に関与するものとして認識されている。これらの障害での介入が治療的に有益となるであろうことを示す様々な前臨床データの入手可能性にも関わらず、ループス腎炎などの自己免疫疾患の処置に使用されることのできるアンタゴニスト的抗CD40抗体が依然として必要とされている。
「CD40」及び「CD40表面抗原」の用語は、正常な及び新生物性B細胞の表面上に発現される約48kDの糖タンパク質を言い、これは細胞増殖及び分化に関与するシグナルに対するレセプターとして作用する(Ledbetter et al., 1987, J. Immunol. 138:788-785)。CD40をエンコーディングするcDNA分子は、Burkittリンパ腫細胞株Rajiより調製されたライブラリーから単離されている(Stamenkovic et al., 1989, EMBO J. 8:1403)。
本願明細書で使用する場合、内因的にCD40を発現する細胞とは、CD40の細胞表面発現によって特徴付けられる任意の細胞であり、正常及び新生物性B細胞、指状嵌入細胞、基底上皮細胞、癌腫細胞、マクロファージ、内皮細胞、濾胞樹状細胞、扁桃細胞、及び骨髄由来の血漿細胞が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、CD40分子はヒトCD40分子である。
本発明の抗体は、ヒトリコンビナント及びネイティブCD40に特異的に結合する。ヒト化モノクローナル抗体は、前記抗体が1nM未満のアンタゴニスト活性IC50を有するヒトCD40に特異的結合し、B細胞増殖において100μg/mlまで作動性(agonism)を有さず、そして前記抗体はさらに、抗体が非ヒト霊長類において少なくとも10日間のin vivo半減期を有することを特徴とする。
抗体又は免疫グロブリンの一般構造は当業者に周知であり、これらの分子は典型的には、2つの同じ軽(L)鎖及び2つの同じ重(H)鎖からなる約150,000ダルトンのヘテロテトラマー糖タンパク質である。各軽鎖は1つのジスルフィド結合によって重鎖に共有結合されてヘテロ二量体を形成し、そのヘテロ二量体の2つの同じ重鎖間の共有ジスルフィド結合によって前記ヘテロテトラマーが形成される。軽鎖及び重鎖は1つのジスルフィド結合によって一緒に結合されるが、2つの重鎖間を結合するジスルフィド結合の数は免疫グロブリンアイソタイプによって変動する。各重鎖及び軽鎖はまた、規則的な間隔で鎖内ジスルフィド架橋も有している。各重鎖は、アミノ末端に可変ドメイン(VH)、続いて3又は4つの定常ドメイン(CH1、CH2、CH3、及びCH4)、さらにはCH1とCH2との間にヒンジ領域を有する。各軽鎖は、2つのドメイン、すなわちアミノ末端可変ドメイン(VL)及びカルボキシ末端定常ドメイン(CL)を有する。VLドメインは、VHドメインと非共有結合で会合し、一方CLドメインは通常、ジスルフィド結合を介してCH1ドメインに共有結合される。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間の接合点を形成すると考えられる(Chothia et al., 1985, J. Mol. Biol. 186:651-663)。
可変ドメイン内の特定ドメインは、異なる抗体間で大幅に異なる、すなわち「超可変」である。これらの超可変ドメインは、各特定の抗体のその特異抗原性決定因子のための結合及び特異性に直接関与する残基を含む。軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方における超可変性は、相補性決定領域(CDR)又は超可変ループ(HVL)として公知の3つのセグメントに集中している。CDRは、Kabat et al., 1991, In: Sequences of Proteins of Immunological Interest(免疫学的関心対象のタンパク質の配列), 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.,における配列比較によって定義されており、一方HVLは、Chothia and Lesk, 1987, J. Mol. Biol. 196: 901-917により記載されるように、可変ドメインの三次元構造に従って構造的に定義されている。これら二つの方法でCDRの同定がわずかに異なる結果となる場合には、構造的定義が好ましい。Kabatにより定義されるように、軽鎖可変ドメインにおいてCDR−L1はほぼ残基24〜34に、CDR−L2はほぼ残基50〜56に、CDR−L3はほぼ残基89−97に位置し、重鎖可変ドメインにおいてCDR−H1はほぼ残基31〜35に、CDR−H2はほぼ残基50〜65に、CDR−H3はほぼ残基95〜102に位置する。重鎖及び軽鎖のCDR1、CDR2、CDR3はそれゆえ、所与の抗体に特異的な固有且つ機能的な特性を画定する。
重鎖及び軽鎖の各々の中の3つのCDRは可変性が低い傾向のある配列を含むフレームワーク領域(FR)によって分離されている。重鎖及び軽鎖可変ドメインのアミノ末端からカルボキシ末端まで、FR及びCDRがFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4の順に並んでいる。FRの、大部分のβ−シート構成によって、鎖の各々の中のCDRが互いに、さらには他の鎖からのCDRにも近接することになる。得られたコンフォメーションは、抗原結合部位に寄与する(Kabat et al., 1991, NIH Publ. No. 91-3242, Vol. I, pages 647-669参照)が、CDR残基の全てが必ずしも抗原結合に直接関与するわけではない。
FR残基及びIg定常ドメインは抗原結合に直接関与するのではないが、抗原結合に寄与し、且つ/又は抗体エフェクター機能を媒介する。いくつかのFR残基は少なくとも三とおりに、すなわち、エピトープに直接、非共有的に結合することにより;一以上のCDR残基と相互作用することより;及び重鎖と軽鎖との間の接合点に影響を及ぼすことにより、抗原結合に対して有意な効果を有すると思われる。定常ドメインは抗原結合に直接関与しないが、種々のIgエフェクター機能を媒介する。
脊椎動物免疫グロブリンの軽鎖は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づき二つの明らかに別異のクラス、すなわちカッパ(κ)及びラムダ(λ)のうちの一つに割り当てられる。比較により、定常ドメインの配列に従って、哺乳類免疫グロブリンの重鎖は五つの主要クラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMの一つに割り当てられる。IgG及びIgAはさらに、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2に分けられる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ及びμと呼ばれる。ネイティブな免疫グロブリンのクラスのサブユニット構造及び三次元構成は周知である。
「抗体」、「抗CD40抗体」、「ヒト化抗CD40抗体」、及び「変種ヒト化抗CD40抗体」の用語は、最も広義に本願明細書で使用される場合、且つ具体的には、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、並びに可変ドメイン及び所望の生物学的活性、例えばCD40結合を呈する抗体の他の部分などの抗体フラグメントを包含する。
「モノクローナル抗体」(mAb)の用語は、実質的に均一な抗体の集団の抗体を言い、すなわち、微量に存在し得る天然の変異以外、その集団内の個々の抗体は同じである。モノクローナル抗体は、単一の抗原性決定因子「エピトープ」に対するもので、高度に特異的である。それゆえ、修飾語「モノクローナル」は、同じエピトープに対する抗体の実質的に均一な集団を指し示し、任意の特定の方法によって抗体の生成を必要とするものとして理解されるべきでない。モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法(Kohler et al., 1975, Nature 256:495)、又は当技術分野において公知のリコンビナントDNA法(例えば、U.S. Pat. No. 4,816,567参照)、又はClackson et al., 1991, Nature 352: 624-628, and Marks et al., 1991, J. Mol. Biol. 222: 581-597に記載の技術を用い、ファージ抗体ライブラリーを使用してリコンビナントにより生成されるモノクローナルの単離の方法を含む、当技術分野において公知である任意の技術又は方法論によって作成され得ることは理解されるべきである。
キメラ抗体は、一つの種(例えば、マウスなどの非ヒト哺乳動物)からの抗体の重鎖及び軽鎖可変領域と、別の種(例えば、ヒト)の抗体の重鎖及び軽鎖定常領域とからなり、第一の種(例えば、マウス)からの抗体の可変領域をエンコーディングするDNA配列を、第二の(例えば、ヒト)種からの抗体の定常領域に対するDNA配列に連結し、連結された配列を含む発現ベクターでホストを形質転換してそれを生成させることによって得ることが可能である。あるいは、キメラ抗体はまた、重鎖及び/又は軽鎖の一以上の領域又はドメインが、別の免疫グロブリンクラス若しくはアイソタイプからのモノクローナル抗体の対応する配列と同一若しくは相同であるか又は変種であるか、又はコンセンサス配列若しくは生殖系列の配列の変種である抗体であり得る。キメラ抗体はこのような抗体のフラグメントを含むことができるが、ただし当該抗体フラグメントがその親抗体の所望の生物学的活性(例えば同じエピトープと結合する活性)を示すことを条件とする(例えば、U.S. Pat. No. 4,816,567; and Morrison et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 6851-6855参照)。
「抗体フラグメント」、「抗CD40抗体フラグメント」、「ヒト化抗CD40抗体フラグメント」、「変種ヒト化抗CD40抗体フラグメント」の用語は、全長抗CD40抗体の一部分を言い、可変領域又は機能的能力、例えば特異的なCD40エピトープ結合が保持されたものである。抗体フラグメントの例として、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、scFv及びscFv−Fcフラグメント、ダイアボディ、線状抗体、単鎖抗体、ミニボディ、抗体フラグメントから形成されたダイアボディ、及び抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
全長抗体をパパイン又はペプシンなどの酵素で処理して、有用な抗体フラグメントを生成することができる。パパイン消化を用いて、「Fab」と呼ばれる2つの同一抗原に結合する抗体フラグメント(各々が単一の抗原結合部位を有する)と、残りの「Fc」フラグメントとが生成される。Fabフラグメントは、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖のCH1ドメインも含む。ペプシン処理は、2つの抗原結合部位を有し、抗原をなお架橋することができるF(ab’)2フラグメントを生じる。
Fab’フラグメントは、CH1ドメインのC末端の抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む追加残基の存在によって、Fabフラグメントと相違している。F(ab’)2抗体フラグメントは、ヒンジ領域内のシステイン残基によって連結されたFab’フラグメントのペアである。抗体フラグメントの他の化学的結合もまた公知である。
「Fv」フラグメントは、強固に非共有会合している1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインとのダイマーからなる完全な抗原の認識及び結合部位を含む。この構成では、各可変ドメインの3つのCDRは相互作用して、VH−VLダイマーの表面上に抗原結合部位を画定する。集合して、6つのCDRが当該抗体に抗原結合特異性を付与する。
「単鎖Fv」又は「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVH及びVLドメインを含む単鎖Fv変種であり、この場合、当該ドメインは単一ポリペプチド鎖に存在する。単鎖Fvは抗原を認識及び結合することができる。scFvによる抗原結合のために望ましい三次元構造の形成を容易にするため、scFvポリペプチドは場合によって、VHとVLドメインの間に配置されるポリペプチドリンカーも含み得る(例えば、Pluckthun, 1994, In The Pharmacology of monoclonal Antibodies, Vol. 113, Rosenburg and Moore eds., Springer-Verlag, New York, pp. 269-315参照)。
他の認識されている抗体フラグメントとして、一対のタンデムFdセグメント(VH-CH1-VH-CH1)を含み、一対の抗原結合領域を形成するものが挙げられる。これらの 「線状抗体」は、例えばZapata et al. 1995, Protein Eng. 8(10):1057-1062に記載されたような二重特異性又は単一特異性であり得る。
ヒト化抗体又はヒト化抗体フラグメントは、免疫グロブリンアミノ酸配列変種又はそのフラグメントを含むキメラ抗体の特異型であり、所定の抗原と結合することができ、さらに実質的にヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する1つ以上のFRと、実質的に非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する1つ以上のCDRとを含む。「インポート」配列と呼ばれることが多いこの非ヒトアミノ酸配列は、典型的には「インポート」抗体ドメイン、特に可変ドメインから採取される。一般的には、ヒト化抗体は非ヒト抗体の少なくともCDR又はHVLを含み、ヒト重鎖又は軽鎖可変ドメインのFRの間に挿入される。本発明は特異的なヒト化抗CD40抗体を記載し、これは、ヒト生殖系列配列重鎖及び軽鎖可変ドメインのFRの間に挿入された、表3及び4に示すマウスモノクローナル抗体由来のCDRを含む。特定のマウスFR残基がヒト化抗体の機能に重要であり得、したがって特定のヒト生殖系列配列の重鎖及び軽鎖可変ドメイン残基は対応するマウス配列ものと同じになるように修飾されることは理解されよう。
別の態様では、ヒト化抗CD40抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全て(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fabc、及びFvフラグメントに含まれるもの)を含み、ここで、CDRの全て、又は実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリンのものに一致し、特に本願明細書では、CDRの全てが下記表1〜4に詳述するようにマウス配列であり、FRの全て、若しくは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス若しくは生殖系列の配列のものである。別の態様では、ヒト化抗CD40抗体は、免疫グロブリンFc領域の少なくとも一部分、典型的にはヒト免疫グロブリンの一部分も含む。通常、当該抗体は両軽鎖を重鎖の少なくとも可変ドメインと同様に含むであろう。当該抗体はまた、重鎖の1つ以上のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、及び/又はCH4領域を適宜に含み得る。
ヒト化抗CD40抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA及びIgEを含む免疫グロブリンの任意のクラスから、そしてIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2を含む任意のアイソタイプから選択されることができる。他に選択可能なヒト化抗CD40抗体は、1つ以上の免疫グロブリンクラス又はアイソタイプからの配列を含むことができ、所望のエフェクター機能を最適化するために特定の定常ドメインを選択することは当業者の技量範囲内である。具体的な実施形態では、本発明は、IgG1抗体、さらに具体的にはエフェクター機能がノックアウトされたIgG1抗体を提供する。
ヒト化抗CD40抗体のFR及びCDR、又はHVLは、親配列と正確に対応する必要はない。例えば、インポートCDR、又はHVL又はコンセンサス若しくは生殖系列FR配列の1つ以上の残基は、結果的に生じるアミノ酸残基はどちらの親配列の対応する位置の本来の残基とももはや一致しないが、それにもかかわらず当該抗体はCD40と結合する機能を保持するように、置換、挿入又は欠失によって改変(例えば、突然変異誘発)され得る。このような改変は、典型的には広範囲ではなく保存的改変であろう。通常は、ヒト化抗体残基の少なくとも75%が、親のコンセンサス又は生殖系列FRのものに対応し、インポートCDR配列は、より多くの場合少なくとも90%、もっとも多くの場合95%を超えて、又は98%を超えて又は99%を超えて対応することになろう。
重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間の接合点(「VL−VH接合点」)に影響を及ぼす免疫グロブリン残基は、2つの鎖の互いに対する近接さ又は方向性に影響を及ぼす残基である。鎖間の相互作用に関与し得る特定の残基には、VL残基34、36、38、44、46、87、89、91、96、及び98、並びにVH残基35、37、39、45、47、91、93、95、100、及び103が含まれる(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987)に示される番号付与系を利用)。U.S. Pat. No. 6,407,213もまた、VL残基43及び85、並びにVH残基43及び60などの残基もまたこの相互作用に関与し得ることを論じている。これらの残基はヒトIgGについてのみ示されているが、それらは種を越えて適用可能である。鎖間相互作用に関与すると合理的に予測される重要な抗体残基はコンセンサス配列への置換のために選択される。
「コンセンサス配列」及び「コンセンサス抗体」の用語は、全ての免疫グロブリンの任意の特定クラス、アイソタイプ又はサブユニット構造、例えばヒト免疫グロブリン可変ドメインの各場所にもっとも頻繁に存在するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を言う。コンセンサス配列は、特定の種又は多くの種の免疫グロブリンを基準にし得る。「コンセンサス」配列、構造又は抗体は、特定の実施形態に記載されるコンセンサスヒト配列を包含し、全てのヒト免疫グロブリンの任意の特定クラス、アイソタイプ又はサブユニット構造の各場所にもっとも頻繁に存在するアミノ酸残基を含むアミノ酸配列を言うと理解される。したがって、コンセンサス配列は、1つ以上の公知の免疫グロブリンに存在するアミノ酸を各位置に有するが、いずれの単一の免疫グロブリンの完全なアミノ酸配列の正確な複製ではないことのあるアミノ酸配列を含む。可変領域のコンセンサス配列は、天然に生成されるいずれの抗体又は免疫グロブリン及びその変種からも入手されない(Kabat et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.)。重鎖及び軽鎖コンセンサス配列のFR及びその変種は、ヒト化抗CD40抗体の調製に有用な配列を提供する。例えば、U.S. Pat. Nos. 6,037,454及び6,054,297を参照されたい。
ヒト生殖系列配列はヒトの集団で天然に見出される。それら生殖系列遺伝子の組み合わせは抗体の多様性をもたらす。抗体の軽鎖のための生殖系列の抗体配列は、保存されたヒト生殖系列カッパ又はラムダv遺伝子及びj遺伝子から生じる。同様に重鎖配列は、生殖系列v、d及びj遺伝子から生じる(LeFranc, M-P, and LeFranc, G, “The Immunoglobulin Facts Book” Academic Press, 2001)。
本願明細書で使用する場合、「変種」、「抗CD40変種」、「ヒト化抗CD40変種」、又は「変種ヒト化抗CD40」は各々、配列番号:1〜4の配列のいずれかからの少なくとも重鎖可変マウスCDR、又は配列番号:5〜配列番号:8のいずれかに示すマウスモノクローナル抗体由来の軽鎖マウスCDR配列及びヒトコンセンサス配列由来のFR配列を有するヒト化抗CD40抗体を言う。変種には、軽鎖又は重鎖可変ドメインの一方又は双方に1つ以上のアミノ酸変化を有するものが含まれるが、ただしそのアミノ酸変化はCD40への抗体の結合を実質的に損なわないことを条件とする。本願明細書で生成される例示的なヒト化抗体には、抗体A、抗体B及び抗体Cと表されるものが含まれ、それらの種々の重鎖及び軽鎖配列を配列番号:26〜配列番号:40に示す。
「単離された」抗体は、同定され、さらにその天然の環境の成分から分離及び/又は回収された抗体である。当該抗体の天然の環境の夾雑成分は抗体の診断的又は治療的使用を妨げ得る物質であり、酵素、ホルモン、又は他のタンパク質性若しくは非タンパク質性溶質であり得る。一態様では、当該抗体は抗体重量で少なくとも95%単離を超えて精製されるであろう。
単離抗体には、当該抗体が生成されるリコンビナント細胞内のin situ抗体が含まれる。なぜならば、抗体の天然の環境の少なくとも1つの成分が存在しないからである。しかしながら通常は、単離抗体は、リコンビナント細胞性物質が除去される少なくとも1つの精製工程によって調製されるであろう。
「抗体の性能」の用語は、抗体の抗原認識又はin vivoでの抗体の有効性に寄与する要素を言う。抗体のアミノ酸配列における変化は、折り畳みなどの抗体特性に影響を及ぼすことができ、抗原への抗体結合の初速(ka)、抗原からの抗体解離定数(kd)、抗原に対する抗体の親和性定数(Kd)、抗体のコンフォメーション、タンパク質の安定性、及び抗体の半減期などの物理的要素に影響を与えることができる。
「エピトープタグ付けされた」の用語は本願明細書で使用される場合、「エピトープタグ」と融合された抗CD40抗体を言う。「エピトープタグ」は、抗体生成のためのエピトープを提供するために十分な数のアミノ酸を有し、しかもヒト化抗CD40抗体の所望の活性を妨げないように設計されたポリペプチドである。通常、エピトープタグは、当該エピトーグタグに対して生成された抗体が他のエピトープと実質的に交差反応しないよう、十分に固有である。好適なタグポリペプチドは一般的には少なくとも6アミノ酸残基を含み、通常は約8〜50アミノ酸残基、又は約9〜30残基を含む。エピトープと結合するエピトーグタグ及び抗体の例として、flu HAタグポリペプチド及びその抗体12CA5(Field et al., 1988 Mol. Cell. Biol. 8: 2159-2165);c−mycタグ及び前記に対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体(Evan et al., 1985, Mol. Cell. Biol. 5(12):3610-3616);並びに単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及び前記の抗体(Paborsky et al. 1990, Protein Engineering 3(6): 547-553)が挙げられる。特定の実施形態では、エピトープタグは「サルベージレセプター結合エピトープ」である。本願明細書で使用する場合、「サルベージレセプター結合エピトープ」の用語は、IgG分子のin vivo血清半減期の延長に必要なIgG分子(IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4など)のFc領域のエピトープを言う。
抗体はまた、プロドラッグとコンジュゲーションされてもよい。「プロドラッグ」は、薬学的に活性な物質の前駆体又は誘導体型である。例えば、Wilman, 1986,“Prodrugs in Cancer Chemotherapy”, In Biochemical Society Transactions, 14, pp. 375-382, 615th Meeting Belfast;及びStella et al., 1985,“Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery”, In Directed Drug Delivery, Borchardt et al., (ed.), pp. 247-267, Humana Pressを参照されたい。
診断目的、さらには治療のモニタリング目的のために、本発明の方法で使用される抗体はまた、ラベルと(ラベル単独又はラベルと追加の第二薬剤(プロドラッグなど)と)コンジュゲーションされ得る。他の第二薬剤とは区別して、ラベルは、検出可能な化合物又は組成物である薬剤を言い、このラベルは本発明のヒト化抗体と直接的に又は間接的にコンジュゲーションされ得る。ラベルはそれ自体検出可能であるか(例えば、放射性同位元素又は蛍光ラベル)、又は酵素ラベルの場合は、当該ラベルは検出可能な基質化合物又は組成物の化学的改変を触媒し得る。ラベルされたヒト化抗CD40抗体を調製して、in vitro及びin vivo診断を含む種々の応用で用いることができる。
本発明の方法で使用される抗体は、in vivoでのその効果的なデリバリーを行うためにリポソーム調製物の部分として処方され得る。「リポソーム」は、種々のタイプの脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤で構成される小胞である。リポソームは、本願明細書に開示されるヒト化抗CD40抗体などの、化合物又は処方物の哺乳動物へのデリバリーのために有用であり、場合により、1つ以上の薬学的活性剤及び/又はラベルとカップリング、又は組み合わされる。リポソームの成分は通常、生体膜の脂質の配列と同様に二重層を形成して配列される。
処置の目的のための「哺乳動物」の用語は、哺乳動物として分類される任意の動物を言い、ヒト、家畜化された動物及び農場動物、並びに動物園動物、スポーツ動物又はペット動物(イヌ、ウマ、ネコ、乳牛など)が含まれる。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
「障害」は、本願明細書で使用する場合ループス腎炎を言う。
「静脈内ボーラス」又は「静脈内プッシュ」の用語は、約15分以下で、一般的には5分以下で身体が薬物を受容するように、動物又はヒト静脈内へ薬物を投与することを言う。
「皮下投与」の用語は、動物又はヒトの患者の皮下、好ましくは皮膚と下部組織との間のポケット内へ、薬物容器から比較的緩徐な持続的デリバリーにより薬剤を導入することを言う。皮膚を挟むか又は引っ張り上げ、下部組織から離してポケットを作ることができる。
「皮下注入」の用語は、動物又はヒトの患者の皮下、好ましくは皮膚と下部組織との間のポケット内へ、薬物容器から一定時間(30分以下、又は90分以下を含むが、ただし前記に限定されない)をかけて比較的緩徐な持続的デリバリーにより薬物を導入することを言う。場合により、当該注入は、動物又はヒト患者の皮下に移植した薬物デリバリーポンプの皮下移植によって実施され得る。この場合、ポンプは所定量の薬物を、30分、90分、又は処置管理計画の全長に及ぶ期間などの所定時間送達する。
「皮下ボーラス」の用語は、動物又はヒトの患者の皮膚の下への医薬の投与を言い、この場合、ボーラス薬剤デリバリーは約15分未満であり、別の態様では5分未満、さらに別の態様では60秒未満である。さらにまた別の態様では、投与は皮膚と下部組織との間のポケット内であり、この場合ポケットは、皮膚を挟むか又は引っ張り上げ、下部組織から離して作ることができる。
「治療上有効量」の用語は、処置される障害の症候の一以上を軽減又は改善する活性薬剤の量を言うために用いられる。その際、例えば成長停止効果など、患者に有益な結果をもたらすか、又は細胞の欠失を引き起こすような量のことである。一態様では、治療上有効量は、アポトーシス活性を有するか、又は細胞死を誘導することができる。別の態様では、治療上有効量は、例えば疾患の進行の緩慢化に有効であることが示されている目標血清濃度を言う。有効性は、治療されるべき状態に応じて通例の方法で測定され得る。例えば、CD40を発現する細胞によって特徴付けられる新生物性疾患又は障害では、疾患が進行する時間を評価すること、又は応答速度を求めることによって有効性を測定できる。
「処置」及び「治療(療法)」などの用語は、本願明細書で使用する場合、疾患又は障害に対して臨床的に望ましいか又は有益な任意の効果をもたらす、治療的や予防的、又は鎮静的手段を含む意味を有し、一以上の症候の緩和若しくは軽減、寛解、疾患若しくは障害の進行の緩慢化又は停止が含まれるが、これらに限定されない。したがって、例えば処置という用語は、疾患又は障害の症候の開始前又は開始後の薬剤の投与を含み、これにより当該疾患又は障害の一以上の徴候を防止又は除去する。別の例として、当該用語は、疾患の臨床的表出後に薬剤を投与して、その疾患の徴候に対抗することを含む。さらにまた、発症後又は臨床症状の進展後の薬剤の投与で、当該投与が組織傷害の程度又は転移の量若しくは程度などの、疾患又は障害のパラメータに、当該処置が疾患の寛解をもたらすか否かに関わらず影響を及ぼす場合には、本願明細書で用いられる「処置」及び「治療(療法)」が含まれる。さらに、単独でも別の治療剤との併用でも、本発明の組成物がヒト化CD40抗体組成物が使用されない場合と比較して、治療される障害の少なくとも1つの症候を緩和又は改善する限り、その結果は、当該障害の全症候が改善されてもされなくても根幹の障害の有効な処置と考えられるべきである。
「パッケージインサート」の用語は、治療薬製品の市販パッケージに習慣的に含まれる指示を言うのに用いられ、適応症、使用法、投与、禁忌及び/又はこのような治療薬製品の使用に関する警告についての情報を含む。
本願明細書では特段の記載がない限り、「医薬組成物」、「医薬処方物」及び「処方物」の用語は、ほとんど同義で使用され得る。
抗体
ヒト化抗CD40抗体及び結合剤は、CD40表面抗原を発現する細胞の増殖によって特徴付けられる、ループス腎炎などの様々な疾患又は障害の治療及び/又は予防において使用され得る。ヒト化抗CD40抗体及びCD40結合剤は各々、CD40エピトープを特異的に認識する少なくとも一部分(すなわち、抗原結合フラグメント)を含む。
抗CD40抗体を製造するための方法は、以前US20110243932に記載されており、この内容全体は参照により本願明細書に援用したものとする。
以前US20110243932に記載されたとおり、初期の特性解析では、マウス抗体はCD40結合特性に基づいて選択された。
これらの初期研究から、以下の表1に示す重鎖可変領域及び表2に示す軽鎖可変領域を有するマウス抗体が選択された。
ヒトフレームワーク配列はフレームワーク相同性、CDR構造、保存された基準(canonical)残基、保存された接合点パッキング(packing)残基及び他のパラメータに基づき、マウスリードの各々につき選択された。
種々の選択されたマウス抗体のマウス重鎖及び軽鎖CDRを表3及び表4にそれぞれ示す。
前掲のH−CDR1は、Chothia番号付与系を用いた配列を用いている(Al-Lazikani et al., JMB, 273, 927-948, (1997))。配列に対するKabats番号付与は肉太斜体文字で示し、CDR1及びCDR2につき、前記表においてIMGT番号付与は残基の下線付き文字で示す。H−CDR3に対する配列は、2H11、10F2及び19B10の各々についてはTTSYYVGTYGY(配列番号:77)であり、20E2についてはARQDGYRYAMDY(配列番号:78)である。
やはり、Chothia番号付与系を表4で使用し、配列に対するKabats番号付与は肉太斜体文字で示し、IMGT番号付与は下線付き文字で示す。
キメラの親Fabと比べて同等以上の結合を示したFabを、IgGへの変換用に選択した。20E2シリーズからのクローンを2つの異なるIgGフォーマットに変換した。a)IgG4DM(二重突然変異体)は、Fc/ヒンジ領域に2つの変異(半分の分子形成を低減するSer228Pro、及びFcγR結合をさらに低減するLeu235Glu)を有する。b)IgG1KO(エフェクター機能のノックアウト)は、Fc領域に2つの変異(FcγR及び補体結合などのエフェクター機能を低減するLeu234Ala及びLeu235Ala)を有する。両方のIgGフォーマットは文献に記載されている。実施例1に、3つの候補のヒト化をさらに詳説している。このようなヒト化の結果、ヒト化抗体配列が得られ、これらは以下に示す重鎖及び軽鎖配列を有する。
いくつかの実施形態では、重鎖及び軽鎖可変ドメインなどの抗原結合フラグメントを含むヒト化抗CD40抗体は、本願明細書に前記される、抗体A(重鎖配列=配列番号:27;配列番号:28;配列番号:29又は配列番号:30;軽鎖配列=配列番号:26)、抗体B(重鎖配列=配列番号:32;配列番号:33;配列番号:34;又は配列番号:35;軽鎖配列=配列番号:31)及び抗体C(重鎖配列=配列番号:37;配列番号:38;配列番号:39又は配列番号:40;軽鎖配列=配列番号:36;)のCDR由来の残基のアミノ酸配列と、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域由来のアミノ酸残基とを含む。ヒト化抗CD40抗体は場合により、コンセンサス又は生殖系列フレームワーク領域に特有のアミノ酸置換を含む。
これらのフレームワーク位置でのアミノ酸残基の特有の置換は、下記実施例に示すように、CDR又はHVLとヒト生殖系列フレームワーク領域との「直接交換」によって形成されるヒト化抗体で例証される抗体性能改善を超えて、結合親和性及び/又は安定性を含む抗体性能の種々の特徴を改善することができる。
いくつかの実施形態では、本発明は配列番号:1〜配列番号:4の重鎖(VH)配列と、配列番号:5〜配列番号:8の軽鎖(VL)配列(前記表1及び2参照)を持つ他のモノクローナル抗体を記載する。これらのマウス抗体のCDR配列を表3及び4に示す。ヒトコンセンサス重鎖及び軽鎖可変ドメインのFRに、このようなCDRを配置することによって、本発明の有用なヒト化抗体が生じるであろう。
いくつかの特有の実施形態では、本願明細書に開示されるヒト化抗CD40抗体は、前記表1〜4に示すマウスモノクローナル抗体のCDR又はHVLを含む少なくとも重鎖又は軽鎖可変ドメインと、ヒト生殖系列重鎖及び軽鎖可変ドメインのFRとを含む。例示的な実施形態では、本願明細書で生成されるヒト化抗体は、抗体A、抗体B及び抗体Cであり、それらの種々の重鎖及び軽鎖配列は配列番号:26〜配列番号:40に示される。
具体的な実施形態では、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29又は配列番号:30のいずれかの重鎖配列を配列番号:26の軽鎖配列と組み合わせて有する抗体が企図される。あるいは、抗体は配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34又は配列番号:配列番号:35の重鎖配列を、配列番号:31の軽鎖配列と組み合わせて有するものを含む。さらに付加的な実施形態では、配列番号:37、配列番号:38;配列番号:39又は配列番号:40の重鎖配列を、配列番号:36の軽鎖配列と組み合わせて有するヒト化抗体が提供される。
これらの配列のCDRを表3及び4に示す。具体的な実施形態では、これら例示的な免疫グロブリン間でCDR領域が取替えられたキメラ抗体は有用な抗体を生成し得ることが企図される(すなわち、例えば抗体Aの1又は2つのCDRを抗体Cからの類似のCDRで取替える)。
特定の実施形態では、ヒト化抗CD40抗体は抗体フラグメントである。種々の抗体フラグメントが前記で一般的に論じられ、抗体フラグメントの生成のために開発されてきた技術が存在する。フラグメントは、インタクトな抗体のタンパク分解消化により誘導することができる(例えば、Morimoto et al., 1992, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117; and Brennan et al., 1985, Science 229:81参照)。あるいは、フラグメントはリコンビナントホスト細胞から直接生成することができる。例えば、Fab’−SHフラグメントを大腸菌(E. coli)から直接回収し、さらに化学的にカップリングさせてF(ab’)2フラグメントを形成できる(例えば、Carter et al., 1992, Bio/Technology 10:163-167参照)。別のアプローチによると、F(ab’)2フラグメントはリコンビナントホスト細胞培養から直接単離することができる。抗体フラグメントを生成する他の技術は当業者には明白であろう。
特定の実施形態に含まれるのは、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29又は配列番号:30のいずれかの重鎖配列を、配列番号:26の軽鎖配列と組み合わせて含むヒト化抗CD40抗体のF(ab’)2フラグメントである。あるいは、抗体は配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34又は配列番号:35の重鎖配列を、配列番号:31の軽鎖配列と組み合わせて有するものを含む。さらに付加的な実施形態では、配列番号:37、配列番号:38;配列番号:39又は配列番号:40の重鎖配列を、配列番号:36の軽鎖配列と組み合わせて有するヒト化抗体が提供される。このような実施形態には、かかるF(ab’)2を含むインタクトな抗体が含まれ得る。
抗体のエフェクタードメインは任意の好適な脊椎動物種及びアイソタイプに由来し得る。異なる動物種からのアイソタイプは、エフェクター機能の媒介能力が異なる。例えば、ヒト免疫グロブリンがCDC及びADCC/ADCPを媒介する能力は、一般的にそれぞれIgM≒IgG1≒IgG3>IgG2>IgG4及びIgG1≒IgG3>IgG2/IgM/IgG4の順である。マウス免疫グロブリンは、一般的にCDC及びADCC/ADCPをそれぞれマウスIgM≒IgG3>>IgG2b>IgG2a>>IgG1及びIgG2b>IgG2a>IgG1>>IgG3の順で媒介する。別の例では、マウスIgG2aはADCCを媒介するが、マウスIgG2a及びIgMは両方ともCDCを媒介する。
抗体修飾
ヒト化抗CD40抗体及び薬剤は、当該ヒト化抗CD40抗体又はその抗原結合フラグメントの修飾を含むことができる。
ヒト化抗CD40抗体の接合体は、例えば以下の様々な二官能性タンパク質カップリング剤を用いて公知の方法により実施できる:N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオレン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCLなど)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベラートなど)、アルデヒド(グルタールアルデヒドなど)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トルエン2,6−ジイソシアナートなど)、及びビス−活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンなど)。例えば、リシン免疫毒素はVitettaらが記載したように調製できる(Vitetta et al., 1987, Science 238:1098)。14Cラベル1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性核種と抗体との複合物形成のための例示的なキレート剤である。接合体はまた切断可能なリンカーを用いても形成可能である。
本願明細書に開示されるヒト化抗CD40抗体はまた、免疫リポソームとして処方できる。抗体を含むリポソームは、Epstein et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688; Hwang et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030;並びにU.S. Pat. Nos. 4,485,045及び4,544,545に記載のものなど、当技術分野において公知の方法によって調製される。循環時間が増強されたリポソームは、例えばU.S. Pat. No. 5,013,556に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG−誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用いる逆相エバポレーション法によって生成され得る。リポソームを規定の細孔径のフィルターから押し出して、所望の直径を有するリポソームを生成する。Martin et al., 1982, J. Biol. Chem. 257:286-288に記載のように、ジスルフィド鎖間相互作用を介して本願明細書に開示する抗体のFab’フラグメントとリポソームとをコンジュゲーションさせることができる。
他の実施形態では、ヒト化抗CD40抗体の共有結合性修飾もまた含まれる。共有結合性修飾には、システイニル残基、ヒスチジル残基、リシニル及びアミノ末端残基、アルギニル残基、チロシル残基、カルボキシル側鎖基(アスパルチル又はグルタミル)、グルタミニル及びアスパラギニル残基、又はセリル若しくはスレオニル残基の修飾が含まれる。別のタイプの共有結合性修飾には、抗体への、グリコシドの化学的若しくは酵素的カップリングが関わる。このような修飾が適用可能な場合には、抗体の化学的合成によって又は抗体の酵素的若しくは化学的切断によって実施され得る。抗体の他のタイプの共有結合性修飾は、抗体のターゲッティングされたアミノ酸残基と、選択した側鎖又はアミノ若しくはカルボキシ末端残基と反応できる有機誘導剤とを反応させることによって当該分子に導入できる。
抗体に存在する任意の炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に成し遂げることができる。化学的な脱グリコシレーションは、Hakimuddin et al., 1987, Arch. Biochem. Biophys. 259:52 and by Edge et al., 1981, Anal. Biochem., 118:131に記載されている。抗体の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura et al., 1987, Meth. Enzymol 138:350に記載されるように、様々なエンドグリコシダーゼ及びエキソグリコシダーゼの使用によって成し遂げることができる。
有用な共有結合性修飾の別のタイプは、U.S. Pat. No. 4,640,835, U.S. Pat. No. 4,496,689, U.S. Pat. No. 4,301,144, U.S. Pat. No. 4,670,417, U.S. Pat. No. 4,791,192及びU.S. Pat. No. 4,179,337の一以上に示されるように、当該抗体と、様々な非タンパク質性ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリオキシアルキレンの1つとを連結させることを含む。
ヒト化及びアミノ酸配列変種
抗CD40抗体のアミノ酸配列変種は、適切なヌクレオチド変化を抗CD40抗体DNAに導入することによって、又はペプチド合成によって調製できる。このような変種には、例えば、本願明細書に例示の抗CD40抗体のアミノ酸配列内の残基における欠失及び/又は挿入及び/又は置換が含まれる。最終構築物に到達するのに欠失、挿入及び置換の任意の組み合わせがなされるが、ただし最終構築物が所望の特徴を保有することを条件とする。アミノ酸変更はまた、グリコシレーション部位の数又は位置の変更など、ヒト化又は変種抗CD40抗体の翻訳後プロセスを変更することができる。
変異誘発のための好ましい場所である抗CD40抗体の特定の残基又は領域を同定する有用な方法は、Cunningham and Wells,Science, 244:1081-1085,1989により記載されるように「アラニンスキャン変異誘発」と呼ばれる。この場合、ターゲッティング残基の1残基又は残基群(例えば、Arg、Asp、His、Lys及びGluなどの荷電残基)が同定され、中性又は陰性荷電アミノ酸(典型的にはアラニン)によって入れ替えられて、当該アミノ酸とCD40抗原との相互作用に影響を及ぼす。その後、置換に対して機能的感受性を示すそれらアミノ酸の場所を、当該置換部位に又は当該置換部位のためにさらなる変異又は他の変異を導入することによって精選する。したがって、アミノ酸配列変動を導入するための部位は予め決定されるが、一方、変異それ自体の性質を予め決定する必要はない。例えば、所与の部位での変異の性能を分析するために、アラニンスキャン又はランダム変異誘発をターゲッティングコドン又は領域で行い、発現される抗CD40抗体変種が所望の活性につきスクリーニングされる。
アミノ酸配列の挿入には、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドの長さにわたるアミノ末端及び/又はカルボキシ末端融合の他に、単一アミノ酸残基又は複数アミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例として、エピトープタグに融合された抗CD40抗体が挙げられる。抗CD40抗体分子の他の挿入変種には、抗体の血清半減期を延長する酵素又はポリペプチドの、抗CD40抗体のN末端又はC末端への融合が含まれる。
別のタイプの変種はアミノ酸置換変種である。これらの変種は、抗CD40抗体分子中の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、その箇所に異なる残基が挿入されている。置換変異誘発のための最も関心対象の部位には超可変領域が含まれるが、FR改変もまた企図される。保存的置換は、「好ましい置換」の表題の表5に示されている。このような置換が生物学的活性に変化を引き起こす場合には次いで、「例示的置換」と命名され、又はアミノ酸クラスを参照して下記でさらに述べるように、より実質的な変化が導入され、その生成物がスクリーニングされ得る。
タンパク質化学では、抗体の生物学的特性は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造(例えば、シート又はへリックス構造として)、(b)ターゲッティング部位の分子の荷電若しくは疎水性、又は(c)側鎖の大きさ、の維持において置換の効果が顕著に相違する置換を選択することによって達成させ得ることが一般的に認められている。天然に存在する残基は共通の側鎖特性に基づいて以下のように分類される。
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性親水性:cys、ser、thr;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:asn、gin、his、lys、arg;
(5)鎖の方向性に影響する残基:gly、pro;及び
(6)芳香族:trp、tyr、phe。
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴うであろう。
ヒト化又は変種抗CD40抗体の適切なコンフォメーションの維持に関与しないいずれのシステイン残基もまた、一般的にはセリンと置換して、分子の酸化安定性を向上させ、異常な架橋を防止し、又はターゲティング化合物とのコンジュゲーションの確定点を提供し得る。逆に、システイン結合を抗体に付加してその安定性を向上させ得る(特に、抗体が例えばFvフラグメントなどの抗体フラグメントである場合)。
置換変種のあるタイプには、親抗体(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基の置換が関与する。一般的には、さらなる開発のために選択される作出変種は、それらが生成される元となる親抗体と比較して向上した生物学的特性を有するであろう。そのような置換変種を生成する便利な方法は、ファージディスプレーを用いる親和性成熟である。略記すれば、超可変領域のいくつかの部位(例えば6〜7部位)を変異させて、各位置で全ての可能なアミノ酸置換を生じさせる。このようにして生成された抗体変種は、繊維状ファージ粒子から各粒子内に収納されたM13の遺伝子III産物との融合物として一価態様でディスプレーされる。次いで、ファージディスプレーされた変種をそれらの生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。修飾のための超可変領域の候補部位を同定するために、アラニンスキャン変異誘発を実施して、抗原結合に顕著に寄与する超可変領域残基を同定できる。また別に、又はさらに加えて、抗原抗体複合体の結晶構造を解析して、抗体とヒトCD40との間の接触点を同定することは有益であり得る。このような接触残基及び近傍残基は、本願明細書の精巧な技術による置換のための候補である。いったんこのような変種が生成されれば、変種パネルを本願明細書に記載するようなスクリーニングに付し、一以上の関連アッセイで優れた特性を有する抗体をさらなる開発のために選択し得る。
抗体のアミノ酸変種の別のタイプは、抗体の本来のグリコシレーションパターンを改変する。「改変する」は、抗体で見出される1つ以上の炭水化物部分の欠失、及び/又は抗体に存在しない1つ以上のグリコシレーション部位の付加を意味する。
いくつかの実施形態では、本発明の抗体を改変してグリコシレーション部位を付加することが所望され得る。抗体のグリコシレーションは典型的には、N−結合又はO−結合のいずれかである。N−結合は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。トリペプチド配列(アスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−スレオニン(Xはプロリン以外の任意のアミノ酸))は、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合のための認識配列である。したがって、ポリペプチド中のこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在は、潜在的なグリコシレーション部位を作り出す。O−結合グリコシレーションは、糖類(N−アセチルガラクトサミン、ガラクトース又はキシロース)の1つの、ヒドロキシアミノ酸(もっとも一般的にはセリン又はスレオニンであるが、5−ヒドロキシプロリン又は5−ヒドロキシリルセリンも使用され得る)への結合を指す。したがって、所与のタンパク質、例えば抗体をグリコシレーションするために、そのタンパク質のアミノ酸配列を操作して、1つ以上の前記記載のトリペプチド配列を保持させる(N−結合グリコシレーション部位のため)。この改変はまた、本来の抗体配列への1つ以上のセリン又はスレオニン残基の付加又はそれによる置換であり得る(O−結合グリコシレーション部位のため)。
抗CD40抗体のアミノ酸配列変種をエンコーディングする核酸分子は、当技術分野において公知の様々な方法によって調製される。これらの方法には、天然供給源からの単離(天然に存在するアミノ酸配列変種の場合)又はオリゴヌクレオチド媒介性(又は部位特異的)変異誘発、PCR変異誘発、及び抗CD40抗体の以前に調製した変種又は非変種型のカセット変異誘発による調製が含まれるが、これらに限定されない。
本願明細書で使用する場合、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列に関連して「同一」又は「パーセント同一性」の用語は、最大一致のためにアラインメントを実施したときに、2つ以上の配列又は部分配列が同じであるか、又は同じヌクレオチド又はアミノ酸残基を指定されたパーセンテージ有することを言う。パーセント同一性を求めるため、配列は最適比較を目的としてアラインメントされる(例えば、第二アミノ酸又は核酸配列との最適なアラインメントのために、第一アミノ酸又は核酸配列の配列内にギャップを導入することができる)。次いで、対応するアミノ酸の位置又はヌクレオチドの位置のアミノ酸残基又はヌクレオチドが比較される。第一配列のある位置が、第二の配列の該当する位置と同じアミノ酸残基又はヌクレオチドによって占有されるとき、当該位置で前記分子は同一である。2つの配列間のパーセント同一性は、当該配列によって共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、%同一性=同一の位置の数/位置の総数(例えばオーバーラップする位置)×100)。いくつかの実施形態では、比較される2つの配列はギャップを適切な配列内に導入した後に長さが同じである(例えば、比較される配列を超えて伸長する付加配列を除外する)。例えば、可変領域配列が比較されるとき、リーダー及び/又は定常ドメイン配列は考慮されない。2つの配列間の配列比較のために、「対応する」CDRは両配列の同じ場所のCDRを言う(例えば、各配列のCDR−H1)。
2つの配列間のパーセント同一性又はパーセント類似性の決定は、数値計算用アルゴリズムを用いて達成できる。2つの配列の比較のために利用される数値計算用アルゴリズムの好ましい限定を意図しない例は、Karlin and Altschul, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268のアルゴリズムであり、これはKarlin and Altschul, 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877におけるように改変される。このようなアルゴリズムは、Altschul et al., 1990, J. Mol. Biol. 215:403-410のNBLAST及びXBLASTプログラムに取り入れられている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム(スコア=100、ワード長=12)を用いて実施され得、関心対象のタンパク質をエンコーディングする核酸と相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム(スコア=50、ワード長=3)を用いて実施され得、関心対象のタンパク質と相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的でギャップを加えたアラインメントを得るために、ギャップ付加BLASTをAltschul et al., 1997, Nucleic Acids Res. 25:3389-3402に記載のように利用できる。あるいは、PSI−Blastを用いて、分子間の離間関係を検出する反復検索を実施できる(同所に)。BLAST、ギャップ付加BLAST、及びPSI−Blastプログラムを利用するときは、それぞれのプログラム(例えばXBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメータを用いることができる。配列の比較に利用される数値計算用アルゴリズムの、限定を意図しない別の好ましい例は、Myers and Miller, CABIOS (1989)のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの部分であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に取り込まれている。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用するとき、PAM120重み残基表(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティー、及び4のギャップペナルティーを用いることができる。配列分析のためのさらなるアルゴリズムが当技術分野において公知であり、Torellis and Robotti, 1994, Comput. Appl. Biosci. 10:3-5に記載のようなADVANCE及びADAM、並びにPearson and Lipman, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444-8に記載のFASTAが挙げられる。FASTAでは、ktupが検索の感度及び速度を設定する制御選択肢である。ktup=2であるならば、比較される2つの配列内の類似の領域は、アラインされた残基のペアを調べることによって見出され、ktup=1ならば、単一のアラインされたアミノ酸が調べられる。ktupはタンパク質配列については2又は1に設定され得、DNA配列については1〜6に設定され得る。ktupが指定されなければ、デフォルトはタンパク質については2であり、DNAについては6である。あるいは、タンパク質配列アラインメントは、Higgins et al., 1996, Methods Enzymol. 266:383-402に記載のように、CLUSTAL Wアルゴリズムを用いて実施され得る。
治療的使用
ヒト化抗CD40抗体又は薬剤は、非経口、皮下、腹腔内、肺内、及び鼻内投与を含む任意の好適な手段によって投与され、また局所免疫抑制処置のために望ましい場合には、病巣内投与(灌流、又は別の方法では移植前に移植片を抗体に接触させることを含む)によって投与される。ヒト化抗CD40抗体又は薬剤は、例えば注入として又はボーラスとして投与されることができる。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。加えて、ヒト化抗CD40抗体は、パルス注入によって、特に抗体用量を低下させながら、好適に投与される。一態様では、投薬は注射によって、もっとも好ましくは静脈内又は皮下注射によって、部分的には投与が短時間であるか又は長時間であるかに応じて、与えられる。
疾患の予防又は治療のため、抗体の適切な投薬量は、先に定義したような処置されるべき疾患のタイプ、疾患の重症度及び経過、抗体が予防又は治療目的のために投与されるか否か、以前の療法、患者の病歴及び抗体への応答、並びに主治医の判断などの様々な因子次第であろう。抗体は患者に一時に又は一連の処置にわたって好適に投与される。
疾患のタイプ及び重症度に応じて、約1μg/kg〜20mg/kg(例えば0.1〜15mg/kg)の抗体が、例えば1回以上の別々の投与によるか又は連続注入によるかいずれにせよ、患者に投与される初期の候補投薬量である。典型的な1日の投薬量は、前記の因子に応じて、約1μg/kg〜100mg/kg以上の範囲であり得るかもしれない。条件に応じて、数日以上にわたる反復投与については、望ましい症状の抑制が起こるまで処置が維持される。しかしながら、他の投薬量管理計画も有用であり得る。この療法の進行は、通常の技術及びアッセイによって容易に追跡監視される。例示的な投薬管理計画はWO94/04188に開示されたものである。
「抑制」の用語は本願明細書で、当該疾患の一以上の特徴の低減を意味する「軽減」及び「緩和」と同じ状況で使用される。
抗体組成物は、良好な医療行為に合致する態様で処方され、用量決定され、そして投与される。これに関して考慮される因子として、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤のデリバリー部位、投与方法、投与スケジュール、及び医師にとって公知の他の因子が挙げられる。投与されるべき抗体の「治療上有効量」はこのような考慮事項に左右され、かつCD40発現に関連する障害を予防し、軽減し又は治療するために必要な最小量である。
抗体は、必ずというわけではないが場合によって、ループス腎炎を予防又は治療するために従来用いられている1つ以上の薬剤と一緒に処方される。このような他の薬剤の有効量は、処方物に存在するヒト化抗CD40抗体の量、及び前記で論じた他の因子次第である。これらは、一般的にはこれまでに用いられたと同じ投薬量及び投与経路で用いられるか、又は以前に用いられた投薬量の約1〜99%で用いられる。
本願明細書に記載される方法にかかるループス腎炎の治療又は予防は、抗CD40抗体又は薬剤の有効量を、このような治療又は予防を必要とする被検対象に投与することで、抗体が(i)CD40を発現し、且つ病状に関連する活性化免疫細胞と結合し、そして
(ii)活性化免疫細胞に対して免疫抑制性効果を奏することによって成し遂げられる。
医薬組成物及びその投与
CD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)を含む組成物は、ループス腎炎を有するか又はそのリスクがある被検対象に投与され得る。本発明はさらに、ループス腎炎の予防又は治療のための医薬の製造におけるCD40結合剤(例えば抗CD40抗体)の使用を提供する。「被検対象」の用語は、本願明細書で使用する場合、CD40結合剤を投与できる任意の哺乳動物患者を意味し、例えば、ヒト並びに霊長類、げっ歯類、及びイヌなどの非ヒト哺乳動物が含まれる。本願明細書に記載の方法を用いる処置が特に意図される被検対象はヒトを含む。ループス腎炎の予防又は治療で、当該抗体又は薬剤は単独又は他の組成物と併用して投与され得る。
このような医薬組成物において使用するための好ましい抗体は、配列番号:1〜4、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:38、配列番号:39、又は配列番号:40のいずれかの重鎖可変領域アミノ酸配列を有するヒト化抗体又は抗体フラグメントを含むものである。
具体的な実施形態では、CD40結合剤組成物は、注射によって、カテーテルの手段によって、座薬の手段によって、又は移植物の手段によって投与され、当該移植物は有孔性、無孔性又はゼラチン質材料であって、シアラスチック膜などの膜又は繊維を含む。典型的には、組成物を投与するときに抗CD40抗体又は薬剤が吸収されない材料が用いられる。
他の実施形態では、抗CD40抗体又は薬剤は、制御放出系でデリバリーされる。一実施形態では、ポンプを用い得る(例えば、Langer, 1990, Science 249:1527-1533; Sefton, 1989, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201; Buchwald et al., 1980, Surgery 88:507; Saudek et al., 1989, N. Engl. J. Med. 321:574参照)。別の実施形態では、ポリマー材料を用いることができる(例えば、Medical Applications of Controlled Release (Langer and Wise eds., CRC Press, Boca Raton, Fla., 1974); Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance (Smolen and Ball eds., Wiley, New York, 1984); Ranger and Peppas, 1983, Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23:61参照。Levy et al., 1985, Science 228:190; During et al., 1989, Ann. Neurol. 25:351; Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71:105も参照のこと)。他の制御放出系は、例えばLanger(前記)で論じられている。
CD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)は、治療上有効量の当該結合剤及び1つ以上の薬学的適合性成分を含む医薬組成物として投与されることができる。
典型的な実施形態では、医薬組成物は、ヒトへの静脈内又は皮下投与に適応する医薬組成物として、日常的な手順に従って処方される。典型的には、注射投与用組成物は無菌の水性等張緩衝液である。必要な場合には、医薬組成物はまた、可溶化剤、及び注射部位の痛みを和らげるリグノカインなどの局所麻酔剤も含むことができる。一般的には、複数成分は、別々に又は単位剤形で一緒に混合され、例えば、アンプル又はサシェ(sachette)などの密閉封印容器中の凍結乾燥粉末又は水分不含濃縮物として、活性薬剤の量を示して供給される。医薬組成物が注入によって投与される場合には、当該組成物は、医薬品等級の無菌水又は生理食塩水を含む注入瓶により分配され得る。医薬組成物が注射によって投与される場合は、注射用滅菌水又は生理食塩水のアンプルが提供され、成分は投与前に混合されることができる。
さらに、医薬組成物は、(a)凍結乾燥フォームのCD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)を含む容器と、(b)注射用の薬学的に許容し得る希釈剤(例えば滅菌水)を含む第二の容器とを含む医薬キットとして提供され得る。薬学的に許容し得る希釈剤は、凍結乾燥した抗CD40抗体又は薬剤の再構成又は希釈に用いられることができる。このような容器には場合により、医薬又は生物学的産物の製造、使用又は販売を規制する政府機関が規定した形式の通知が添付され得、この通知はヒトへの投与のための製造、使用又は販売に関する当該機関の承認を反映する。
一実施形態では、医薬組成物は、約10mg/mlから約200mg/mlまで;又は約100mg/mlから約200mg/mlまで;又は約120mg/mlから約180mg/mlまで;又は約120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml又は200mg/mlの抗CD40抗体の濃度を有する水性組成物を含む。
抗CD40抗体に加えて、医薬組成物は緩衝液、安定化剤、及び任意にpH調整剤をさらに含み得る。非限定的な緩衝剤の例として、塩化ナトリウム、塩酸アルギニン、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛及び酢酸ナトリウムなどの1つ以上の塩;又は酢酸及びアミノ酸などの好適な酸の塩が挙げられる。緩衝剤は、例えば注射によって、処方物を患者に投与するために好適な粘度を与えるのに十分な量で添加される。医薬組成物は、約100mMから約200mMを上限とする塩若しくは緩衝液、又は約120mMから約180mMを上限とする塩又は緩衝液を含み得る。一実施形態では、医薬組成物は、約20mMから約30mMまでの濃度で酢酸ナトリウムと、約120mMから約140mMまでの濃度で塩化ナトリウムとを含む緩衝液を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、約25mMの濃度の酢酸ナトリウムと、約130mMの濃度の塩化ナトリウムとを含む緩衝液を含む。
好適な安定化剤の非限定的な例は、ポリソルベート20(Tween 20)である。安定化剤は、医薬組成物の化学的及び物理的安定性を維持するのに十分な量で存在する。医薬組成物は、約0.001%から約0.1%(w/v)までの安定化剤;又は約0.0015%から約0.015%(w/v)までの安定化剤;又は約0.01%(w/v)の安定化剤を含み得る。
一実施形態では、医薬組成物は、約120mg/mlから約180mg/mlの量の抗CD40抗体;約20mMから約30mMまでの濃度で酢酸ナトリウムと、約120mMから約140mMまでの濃度で塩化ナトリウムとを含む緩衝液;及び約0.0015%から約0.015%(w/v)までの濃度のポリソルベート20である界面活性剤を含む。別の実施形態では、抗CD40抗体処方物は、約120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml又は200mg/mlの量の抗CD40抗体;約25mMの濃度の酢酸ナトリウムと、約130mMの濃度の塩化ナトリウムとを含む緩衝液;及び約0.01%(w/v)のポリソルベート20である界面活性剤を含む。
別の実施形態では、前記医薬組成物の各々は、約70mgから約250mgまでの抗CD40抗体;又は約80mgから240mgまでの抗CD40抗体を含み得る。別の実施形態では、前記医薬組成物は、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、又は250mgの抗CD40抗体を含む。
前記医薬組成物の各々は、約4.0から約12.0まで;又は約5から約6.0まで;又は約5.5のpHを有する。pHは、酸(例えば、塩酸)又は塩基(例えば、水酸化ナトリウム)などの好適なpH調整剤を十分な量添加することによって調整され得る。
別の実施形態では、本発明は、ループス腎炎を治療又は予防するための、本願明細書に記載される抗CD40抗体医薬組成物のいずれかを使用する方法に関する。
ループス腎炎の治療又は予防に有効なCD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)の量は、標準的な臨床技術によって決定できる。加えて、場合によってin vitroアッセイを利用して、最適な投薬量の範囲の同定に役立てることができる。処方物に用いられる厳密な用量はまた投与経路及びループス腎炎のステージに応じ、主治医の判断及び各患者の状況に従って決定されるべきである。有効な用量は、in vitro又は動物モデルの試験系から誘導される用量応答曲線に外挿することができる。
例えば、抗CD40抗体又は薬剤の毒性及び治療的効力は、ED50(集団の50%で治療上有効な用量)を求めるための標準的な医薬手順により、細胞培養又は実験動物にて決定され得る。大きな治療指数を呈するCD40結合剤(例えば、抗CD40抗体)が好ましい。CD40結合剤が毒性の副作用を呈する場合は、非CD40発現細胞の潜在的損傷を最小限にするために、患部組織の部位へCD40結合剤をターゲッティングするデリバリーシステムを使用することができ、これにより副作用が低減できる。
細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒトにおいて使用するための投薬量の範囲を策定する際に使用されることができる。CD40結合剤の投薬量は典型的には、毒性が無いかほぼ無いED50を含む循環濃度の範囲内である。投薬量は、用いられる剤形及び利用される投与経路に応じ、この範囲内で変動し得る。当該方法にて使用されるいずれのCD40結合剤についても、治療上有効な用量は最初に細胞培養アッセイから見積り可能である。用量は、細胞培養にて求められるようなIC50(すなわち、症候の最高阻害の半分を達成する、試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成すべく、動物モデルにて策定されることができる。このような情報は、ヒトにおいて有効な用量をより正確に決定するために使用できる。血漿中のレベルは、例えば、高性能液体クロマトグラフィー、ELISAなどによって測定可能である。
一般的に、ループス腎炎の患者に投与される抗CD40抗体又はCD40結合剤の投薬量は、典型的には被検対象の体重に対して約0.1mg/kg〜約100mg/kgである。被検対象に投与される投薬量は、被検対象の体重に対して約0.1mg/kg〜約50mg/kg、約1mg/kg〜約30mg/kg、約1mg/kg〜約20mg/kg、約1mg/kg〜約15mg/kg、又は約1mg/kg〜約10mg/kgである。
例示的な用量は、1ng/kgから100mg/kgまでを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、用量は、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg又は約16mg/kgである。当該用量を、例えば毎日、1週間に(毎週)1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、2週間毎若しくは1カ月毎、2カ月毎、又は3カ月毎に投与できる。具体的な実施形態では、用量は、約0.5mg/kg/週、約1mg/kg/週、約2mg/kg/週、約3mg/kg/週、約4mg/kg/週、約5mg/kg/週、約6mg/kg/週、約7mg/kg/週、約8mg/kg/週、約9mg/kg/週、約10mg/kg/週、約11mg/kg/週、約12mg/kg/週、約13mg/kg/週、約14mg/kg/週、約15mg/kg/週、又は約16mg/kg/週である。いくつかの実施形態では、用量は約1mg/kg/週から約15mg/kg/週までの範囲である。
別の実施形態では、用量は、1週間に約70mgから約250mgまで;又は1週間に約80から240mgまでである。別の実施形態では、用量は、1週間に約80mg、1週間に120mg、1週間に130mg、1週間に140mg、1週間に160mg、1週間に170mg、1週間に180mg、1週間に200mg、1週間に210mg、1週間に220mg、1週間にmg、1週間に240mg、又は1週間に250mgである。
いくつかの実施形態では、CD40結合剤を含む医薬組成物はさらに、本結合剤とコンジュゲーションしているか否かに関わらず、治療薬剤を含むことができる。抗CD40抗体又はCD40結合剤は、ループス腎炎の治療又は予防のための1つ以上の治療薬剤と組み合わせて共投与され得る。
このような併用療法投与は、疾患パラメータ(例えば症候の重症度、症候の数又は再発頻度)に相加的又は相乗的効果を有し得る。
併用投与の治療管理計画に関して、特有の実施形態では、抗CD40抗体又はCD40結合剤は治療薬剤と同時に投与される。別の具体的な実施形態では、当該治療薬剤は、抗CD40抗体又はCD40結合剤の投与前又は投与後に投与され、抗CD40抗体又はCD40結合剤の投与前又は投与後、少なくとも1時間及び数カ月まで、例えば少なくとも1時間、5時間、12時間、1日、1週間、1カ月、又は3カ月に投与される。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬剤は免疫抑制剤である。免疫抑制剤は、例えばガンシクロビル、エタネルセプト、タクロリムス、シクロスポリン、ラパマイシン、ミコフェノラート(MMF)、シクロホスファミド(CyP)、アザチオプリン、ヒドロキシクロロキン、ミゾリビン、ミコフェノール酸モフェチル又はメトトレキセートであることができる。あるいは、免疫抑制剤は、例えばグルココルチコイド(例えば、コルチゾール又はアルドステロン)又はグルココルチコイド類似体(例えば、プレドニゾン又はデキサメタゾン)であることができる。別の実施形態では、免疫抑制剤はアンギオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター(例えば、カプトプリル、キナプリル又はエナラプリル)、又はアンギオテンシンIIレセプターブロッカー(ARB)(例えば、ロサルタン又はカンデサルタン)であることができる。
別の実施形態では、追加の治療薬剤は、ミコフェノラート(MMF)、シクロホスファミド(CyP)、グルココルチコイド(GC)、及びコルチコステロイド、又はこれらのいずれかの組み合わせからなる群より選択される。
一実施形態では、追加の治療薬剤はミコフェノラート(MMF)である。
別の実施形態では、追加の治療薬剤はシクロホスファミド(CyP)である。
別の実施形態では、追加の治療薬剤はグルココルチコイド(GC)である。
別の実施形態では、追加の治療薬剤はコルチコステロイドである。
製品
別の態様では、前記障害の処置に有用な物質を含有する製品が含まれる。当該製品は容器及びラベルを含む。好適な容器として、例えば瓶、バイアル、シリンジ、及び試験管が挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、当該状態の処置に有効な組成物を保持し、無菌的アクセスポートを有し得る。例えば、容器は、静脈注射溶液用バッグ又は皮下注射針で突き通すことができるストッパを有するバイアルであり得る。組成物中の活性薬剤はヒト化抗CD40抗体である。容器上の又は容器に付随するラベルは、組成物が選択される状態の処置に用いられることを示す。当該製品はさらに、リン酸緩衝性生理食塩水、リンゲル溶液及びデキストロース溶液などの薬学的に許容し得る緩衝液が含まれる第二の容器を含み得る。製品はさらに、商業的又は使用者の見地から、望ましい他の物質を含み得、それらには他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用説明を備えたパッケージインサートが含まれる。
本発明をさらに以下の実施例で説明するが、それらが本発明の範囲を限定することは意図されない。
実施例
実施例1:ヒト化抗CD40抗体の生成
本発明のヒト化抗CD4抗体は、US20110243932に記載の手順に従って調製されることができる。抗体A、抗体B及び抗体Cは、ヒトIgG1−KO(KO=ノックアウト)/カッパ骨格へクローニングされたマウス抗体20E2(抗体A及び抗体B)又は2H11(抗体C)由来のヒト化抗体であった。IgG1−KOは、Fc領域に2つの変異、Leu234Ala及びLeu235Alaを有し、FcγR及び補体結合が低減している。
このようなヒト化の結果、以下に示す種々のヒト化重鎖及び軽鎖可変配列が得られた。
配列番号:41(可変軽鎖配列)
配列番号:42(可変重鎖配列)
配列番号:43(可変軽鎖配列)
配列番号:44(可変重鎖配列)
配列番号:45(可変軽鎖配列)
配列番号:46(可変重鎖配列)
配列番号:47(可変軽鎖配列)
配列番号:48(可変重鎖配列)
配列番号:49(可変軽鎖配列)
配列番号:50(可変軽鎖配列)
配列番号:51(可変軽鎖配列)
配列番号:52(可変軽鎖配列)
配列番号:53(可変重鎖配列)
配列番号:54(可変軽鎖配列)
配列番号:55(可変軽鎖配列)
配列番号:56(可変軽鎖配列)
配列番号:57(可変重鎖配列)
配列番号:58(可変重鎖配列)
配列番号:59(可変重鎖配列)
配列番号:60(可変重found配列)
配列番号:61(可変重配列)
配列番号:62(可変重配列)
配列番号:63(可変重配列)
配列番号:64(可変重配列)
配列番号:65(可変重配列)
配列番号:66(可変重配列)
配列番号:67(可変重配列)
配列番号:68(可変重配列)
配列番号:69(可変重配列)
配列番号:70(可変重配列)
配列番号:71(可変重配列)
配列番号:72(可変重配列)
配列番号:73(可変重配列)
配列番号:74(可変軽配列)1 抗体10F2Hum由来
配列番号:75(可変軽配列)2 抗体10F2Hum由来
配列番号:76(可変軽配列)
例示的な本発明びヒト化抗体は、以下の表に示す重鎖及び軽鎖配列を有するものである。以下の表中、肉太の下線付き配列は可変ドメインであり、一方、通常の下線なし配列は定常ドメインである。
可変領域は、1つ、又は2つの異なる好適なIgG発現ベクターへサブクローニングされた。
A)FcγR及び補体結合などのエフェクター機能を低減する、Leu234Ala、Leu235Alaの二重突然変異をFc領域に有するヒトIgG1−KO(ノックアウト)/カッパフォーマット、
B)IgG4の半分の分子が生じるのを低減するヒンジ領域のSer228Pro突然変異と、FcγR結合をさらに低減するLeu235Glu突然変異とを有するヒトIgG4−DM(二重突然変異体)/カッパフォーマット
抗体A及び抗体Bを精製し、以下の基準により評価した。
−CCFの外観(濁度)
−CCFの濾過特性
rProteinAの収率
−溶出及び中和時の濁度
−可溶性の凝集体(SEC)
−純度/夾雑パターン(SDS)
−荷電パターン(IEF)
実施例2
SLEは、種々の自己抗原、特に核酸及びそれらの結合タンパク質に対するB細胞寛容の喪失によって特徴付けられる全身性自己免疫疾患である。これらの自己抗体は身体中至るところの種々の組織に沈着する免疫複合体を形成し、また部分的には他の因子と共に、腎臓において炎症細胞及びメディエーターのリクルートメントを作動してその結果ループス腎炎を引き起こす。自己抗体の生成はリンパ節内でのT細胞-B細胞相互作用に依存し、B細胞増殖及び胚中心の形成を作動するCD40−CD40Lを必要とする。胚中心内では、Igアイソタイプ切り替え、体細胞突然変異、高親和性B細胞のクローン増殖、及び血漿細胞への終分化を通じて、CD40−CD40L相互作用がB細胞成熟を媒介する(Tarlington, 1998)。ループス患者におけるT細胞及び血小板上でのCD40Lの異常な発現(Koshy et al., 1996 and Manea et al., 2009)もまた、自己反応性B細胞を作動する機構として働き得る。最後に、SLE B細胞でのCD40Lの発現増加の結果、自発的な自己抗体生成がT細胞非依存的に引き起こされる(Grammer et al., 2003)。US20110243932も参照されたく、この内容全体は参照により本願明細書に援用したものとする。
ループス腎炎におけるCD40経路を関係づけるさらなる証拠は、罹患患者でCD40及びCD40Lのレベル及び発現が増加していることに基づく。膜結合CD40Lの増加に伴い、SLEの患者の循環血中で可溶性CD40Lが増加し(Goules et al., 2006)そしてこの増加は疾患活性と相関している。単球上でのCD40発現の増加もまた、ループス腎炎での疾患活性と相関している(Kuroiwa et al., 2003)。腎臓での自己抗体及び炎症の生成におけるCD40経路の役割に加えて、ループス腎炎での炎症を作動する非免疫細胞の調節におけるこの経路の役割をデータが含意している。例えば、CD40−CD154相互作用を介した内皮細胞の活性化は、炎症誘発性サイトカイン及びケモカイン生成、マトリックスメタロプロテアーゼ及び組織因子発現、並びに白血球接着分子CD62E、CD106及びCD54の密度増加の誘因となる(Pulivenet et al, 2008)。これらの事象は、炎症の部位での活性化T細胞の管外遊出及び蓄積の促進に重要な役割を果たす。ヒト腎臓糸球体間質細胞は、低レベルのCD40を発現しており、IFN−γ処理及びSLE患者からの活性化CD154+血小板に応答してこのレセプターをアップレギュレーションする。(Delams et al., 2005)。同様に、近位尿細管上皮細胞(PTEC)において、IL−6、IL−8などのサイトカインのCD40L媒介性誘導が観察される。
ヒト内皮細胞(HUVEC)及びヒト近位尿細管上皮細胞(PTEC)に対するCD40ライゲーションの効果は、CD40Lで細胞を刺激することによって評価され得る。HUVECはLonza Allendale, NJ HUVEC P901から購入された(Cat. C2519A, lot 0000220212)。細胞をHUVEC培地(Lonza EBM-2培地、単一弾丸状サプリメント併用)及び継代培養試薬(Lonza Allendale, NJ Cat. CC-3156, lot 0000243756)にて培養した。細胞は、BD Biocoat Collagen I T75フラスコ(BD Biosciences San Jose, CA Cat. 356485, lot 1108951)において成育された。Lonza継代培養キットを用い、製造業者指示書に従って細胞を継代した。
図1は、可溶性CD40LがHUVECにおいてMCP−1などの炎症性サイトカインを誘導し、これが用量依存的に、例示的な抗体B(○)により効果的にブロッキングされること、又はアイソタイプコントロール(IgG1ヒト抗体)(△)での場合を示す。
図2は、3名の異なるヒト提供者からのPTECにおけるsCD40Lへの応答を示す。PTECSは、Lonzaから購入し(cat.#CC-2553)、3名の異なる提供者(D1、D2、D3)が含まれた。細胞は50ng/mlのsCD40L(Recombinant human mega CD40L, Alexis Biochemical-Enzo Life Science Farmingdale, NY Cat. 522-110-C010, lot 26945, 10 ug/ml)を含有するRenal Cell Growth Medium(REGM)培地にて成育された。REGM SingleQuotキット(Lonza, cat.# CC-4127, lot #0000193027)により、0.5%ウシ胎仔血清(FBS)、ヒドロコルチゾン、ヒト上皮成長因子(hEGF)、エピネフリン、インスリン、トリヨードチロニン、トランスフェリン、ゲンタマイシン/アンホテリシン−Bを含む培地が提供された。図2での結果は、3名の異なるヒト提供者からのPTECがsCD40L刺激に応答してIL−6を生成し、この応答は抗体Bにより用量依存的に阻害され得る(0ng/mlから2000ng/mlまでの抗体Aの濃度)ことを示す。
出願人は、以上の結果及び本願明細書に記載される他の開示によって、CD40経路がループス腎炎の病変形成における中心的役割を果たしていることに対する強い論理的根拠が確立されると考える。