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JP2018521091A - 歯科用接着剤 - Google Patents

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JP2018521091A JP2018503783A JP2018503783A JP2018521091A JP 2018521091 A JP2018521091 A JP 2018521091A JP 2018503783 A JP2018503783 A JP 2018503783A JP 2018503783 A JP2018503783 A JP 2018503783A JP 2018521091 A JP2018521091 A JP 2018521091A
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Abstract

本発明は7未満のpHを有する水性歯科用組成物、ならびに7未満のpHを有する水性歯科用組成物の調製用の安定剤の使用に関する。特に本発明は、(i) 少なくとも1つの重合性二重結合を有する1つ以上の重合性化合物、(ii) 重合開始系であって、(a) 300〜500nmの範囲に光吸収極大を有する1,2−ジケトン光開始剤化合物、及び(b) 共開始剤化合物を含む前記重合開始系(iii) 次式(I)及び/又は(II)の安定剤であって、式中、前記R が同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基若しくはアルケニル基、又はC3−8シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を独立して表し、R’が水素原子、C1−6アルキル基若しくはC2−6アルケニル基、又はC1−6フルオロアルキル基若しくはC2−6フルオロアルケニル基を表し、X が、C1−8アルキル基又はC3−8シクロアルキル基から選択される基を表し、n が0、1、又は2である前記安定剤、及び有機溶媒と、前記水性歯科用組成物の総重量に対して少なくとも1重量パーセントの水を含む溶媒混合物、を含む7未満のpHを有する水性歯科用組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は7未満のpHを有する水性歯科用組成物、ならびに7未満のpHを有する水性歯科用組成物の調製用の安定剤の使用に関する。
先行技術より7未満のpHを有する水性歯科用組成物、すなわち酸性歯科用組成物が知られている。そのような組成物は、例えば、少なくとも1つの重合性二重結合ならびに酸性基を有する重合性酸性化合物、少なくとも1つの重合性二重結合を有するその他の重合性化合物、及び開始剤系の混合物を適切な溶媒中に含むことが典型的である万能型エッチ又は一液型セルフエッチング・セルフプライミング歯科用接着剤組成物の形態で調製される。
その混合物の酸性度は、象牙質面及びエナメル質面上で充分なエッチング活性を与えることができるように改変される。しかしながら、高酸性度のため、その混合物の官能性成分の化学結合の活性化に起因する複合体安定性の問題が引き起こされる。具体的には、酸触媒作用によりそれらの重合性化合物に存在するエステル結合が加溶媒分解される場合がある。また、その酸性媒体中で開始剤系が活性化され、その混合物の早期重合が引き起こされる場合がある。
そのような混合物の安定性の問題の結果として先行技術より知られている市販の一液型酸性歯科用組成物の室温での貯蔵安定性が不充分である場合がある。よって、従来の一液型酸性歯科用組成物は加溶媒分解又は重合による劣化を回避するために冷却して、すなわち冷蔵庫内で貯蔵されねばならなかった。
欧州特許出願公開第1548021(A)号明細書により、酸性条件下で加水分解に対する耐性が改善された特定のモノマーを含む加水分解安定性一液型セルフエッチング、セルフプライミング歯科用接着剤組成物の形状の一液型酸性歯科用組成物が示唆されている。その組成物の安定性を改善するため、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、テトラメチルピペリジンN−オキシルラジカル、及びガルバンオキシルラジカル等の安定剤が欧州特許出願公開第1548021(A)号明細書により示唆されている。
欧州特許出願公開第1776943(A)号明細書により、ベンゼン環において置換されているか、又は置換されておらず、そして、C1−C18飽和炭化水素基によって水酸基のうちの1つにおいてエーテル化されていてもよい1、4−ヒドロキノンの形で熱重合阻害剤を含有する水性混合物を含む、せいぜい2のpHを有する一液型セルフエッチング、セルフプライミング歯科用接着剤が開示されている。特に、特異的阻害剤であるtert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)及びtert−ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ビスフェノールA、及び没食子酸プロピル等の従来の阻害剤と比較して歯科用接着剤組成物の安定性を改善するそれらの能力を考慮して開示及び検討されている。
米国特許第5320886(A)号明細書は歯科用途向けの親水性液体架橋性接着剤組成物に関しており、その組成物はジアンヒドリド、親水性モノマー、及び反応試薬の反応産物として得られる親水性モノマーを含む。さらに、その組成物は水、揮発性混和溶媒、又はそれらの混合物を含む場合がある。この文書により前記接着剤組成物の各成分の長いリストが開示されており、数ある阻害剤又は安定剤の中でも2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン(DTBHQ)が挙げられている。しかしながら、この文書は7未満のpHを有する組成物を開示できていない。さらに、この文書は貯蔵時の安定性の問題について何も語っていない。むしろ安定剤は出発物質であるジアンヒドリド、親水性モノマー及び反応試薬から得られる親水性モノマーの合成時に主に使用されている。この合成時の使用のために4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−(ジメチルアミノ)メチル−フェノールが特に好ましい安定剤として開示されている。
米国特許出願公開第2006/0069181(A1)号明細書は、0.1〜10重量%の水、重合性化合物、光開始剤、及び安定剤を含む歯科用組成物を開示している。その安定剤は2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを含むリストから選択される場合がある。
米国特許出願公開第2010/0197824(A1)号明細書は、安定剤として2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを含む場合がある非水性歯科用組成物を開示している。
米国特許出願公開第2011/0028589(A1)号明細書は、少なくとも重合性モノマー及びラジカル発生剤が二液型又は三液型組成物の異なる要素に含まれる歯科用重合性組成物を開示している。その組成物のうちの一要素が重合阻害剤として2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンを含む場合がある。
本発明者らは、先行技術より知られている酸性水性歯科用組成物に使用されている阻害剤が酸性条件下での貯蔵時及び/又は光硬化時に変色問題を引き起こすという点で、その酸性水性歯科用組成物には問題があることを見出した。
貯蔵時及び/又は光硬化時に変色を引き起こさず、そして、貯蔵時に有益な熱安定性を有する7未満のpHを有する水性歯科用組成物を提供することが本発明の課題である。
7未満のpHを有する水性歯科用組成物の調製に使用される安定剤であって、貯蔵時及び/又は光硬化時に変色を引き起こさず、そして、貯蔵時に有益な熱安定性を有する安定剤を提供することが本発明の別の課題である。
本発明は、7未満のpHを有する水性歯科用組成物であって、
(i)少なくとも1つの重合性二重結合を有する1つ以上の重合性化合物、
(ii)(a)300〜500nmの範囲に光吸収極大を有する1,2−ジケトン光開始剤化合物、及び
(b)共開始剤化合物を含む重合開始系、
(iii)次式(I)及び/又は(II):
Figure 2018521091

[式中、
前記Rは、同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基若しくはアルケニル基、又はC3−8シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を独立して表し、
R’は、水素原子、C1−6アルキル基若しくはC2−6アルケニル基、又はC1−6フルオロアルキル基若しくはC2−6フルオロアルケニル基を表し、
Xは、C1−8アルキル基又はC3−8シクロアルキル基から選択される基を表し、
nは、0、1、又は2である]の安定剤、並びに
(iv)有機溶媒、及び水性歯科用組成物の総重量に対して少なくとも1重量パーセントの水を含む溶媒混合物
を含む、水性歯科用組成物を提供する。
さらに、本発明は、7未満のpHを有する水性歯科用組成物の調製のための、次式(I’)又は(II):
Figure 2018521091

[式中、
前記Rは、同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基若しくはアルケニル基、又はC3−8シクロアルキル基又はシクロアルケニル基を独立して表し、
R’は、C1−6アルキル基若しくはC2−6アルケニル基、又はC1−6フルオロアルキル基若しくはC2−6フルオロアルケニルを表し、
Xは、C1−8アルキル基又はC3−8シクロアルキル基から選択される基を表し、
nは、0、1、又は2である]の安定剤の使用を提供する。
本発明は、少なくとも1つの重合性二重結合を有する1つ以上の重合性化合物、1,2−ジケトン重合開始剤、共開始剤、安定剤、及び有機溶媒と水を含む溶媒混合物を含有する7未満のpHを有する水性歯科用組成物が変色の点で特に問題となっているという理解に基づいている。特に、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、テトラメチルピペリジンN−オキシルラジカル、及びガルバンオキシルラジカル等の従来の安定剤は歯科用組成物に安定性を付与するが、変色の問題を引き起こす場合がある。
本発明はさらに、特定のクラスの安定剤により貯蔵時及び/又は光硬化時の変色が完全に、又は少なくとも実質的に回避され、そして、酸性水性混合物中での驚くべき安定化効果が回避されることにより、早期重合に対する耐性の改善に起因して貯蔵時の変色が無いか、又は実質的に無く、そして、優れた貯蔵安定性を提供する7未満のpHを有する水性歯科用組成物が提供され得るという理解に基づいている。
「水性歯科用組成物」という用語は、水がその水性歯科用組成物の総重量に対して少なくとも1重量パーセントの量で含有されることが好ましい、有機溶媒と水を含む溶媒混合物を含む組成物に関する。市販の有機溶媒はかなりの量の水を含有する場合がある。しかしながら、追加の水をその有機溶媒に加えることが好ましい。
本発明の水性歯科用組成物の「7未満のpH」は当技術分野において知られているあらゆる手段によって、例えば、所定量の1つ以上の酸性化合物をその水性歯科用組成物に添加することによって調節され得る。この背景で、「酸性化合物」という用語は約−10〜50の範囲内にpKを有する化合物を意味する。適切な無機酸の例は、硫酸、ホスホン酸、リン酸、塩酸、硝酸などであり、これらは単独で、又は互いに組み合わせて使用することができる。適切な有機酸の例は、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、イタコン酸、ポリ(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルリン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、コハク酸、リンゴ酸、タンニン酸、トルエンスルホン酸、アジピン酸、酒石酸、及びアスコルビン酸からなる群より選択されることが好ましいカルボン酸である。水性歯科用組成物の設定pH値は、典型的な化学的緩衝系、すなわち20℃の温度で約9〜50の範囲内のpKa値を有する有機弱酸又は無機弱酸とその対応する塩の組み合わせによって安定化させることができる。あるいは、その緩衝液系は20℃の温度におけるpK値が約6と8の間の範囲にある有機化合物を代表するノーマン・グッド緩衝液(グッド緩衝液)の形態であってよく、生化学的に不活性であり、そして、人体のような生体系での適用に適切である。典型的な化学緩衝系の例は、酸性酸/酢酸塩緩衝液、リン酸二水素塩/リン酸一水素塩緩衝液、又はクエン酸/クエン酸塩緩衝液である。グッド緩衝液の例は、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、2−N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、又はN−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)である。その用語「pH値」に関連し、pH値/系は、典型的には、水が主な化合物である水性系、すなわち、約90重量パーセントの量で存在する水性系に関することに留意する。本水性歯科用組成物において、水は典型的には主成分ではない。しかしながら、本出願に示される全てのpH値は、水性系のpH値を決定するための適切な標準的手段により、例えば、ガラス電極により決定されるpH値に関する。
前述の有機酸の外、酸性官能基を含むあらゆる有機化合物を本水性歯科用組成物のpHの設定に適用してよい。例えば、(i)に記載の少なくとも1つの重合性二重結合を有する重合性化合物が少なくとも1つの酸性官能基を有してよく、又は(ii)に記載の重合開始剤系の成分等の本水性歯科用組成物の他のあらゆる有機成分、若しくは(iv)に記載の溶媒混合物に含まれる有機溶媒が酸性官能基を含んでよい。
「重合」という用語は、モノマー等の多数のより小さい分子の共有結合による化合により大きな分子、すなわち、オリゴマー又はポリマーを形成することに関する。それらのモノマーは化合されて直鎖状構造体のみを形成する場合と、又は一般に架橋ポリマーと呼ばれる三次元構造体を形成する場合がある。重合性化合物の変換率がより高い場合には多官能性モノマーの量を減らすことができ、又は浸出問題が軽減される場合がある。
「硬化」及び「光硬化」という用語は、架橋ポリマーネットワークへの官能性オリゴマー及びモノマー、又はさらにはポリマーの重合を意味する。硬化は、架橋剤の存在下における不飽和モノマー又はオリゴマーの重合である。
「光硬化性」及び「硬化性」という用語は、例えば、紫外線(UV)、可視光線、又は遠赤外線等の化学線を照射すると、架橋ポリマーネットワークへと重合する歯科用組成物を指す。
「化学線」は、光化学的に作用することができる、少なくとも150nmから1250nm以下の、典型的には少なくとも300nmから750nm以下の波長を有し得る、任意の電磁放射線である。
(a)に記載の化合物との関連で本明細書において使用される「重合性二重結合」という用語はラジカル重合が可能であるあらゆる二重結合、好ましくは炭素間二重結合を意味する。重合性二重結合の例としては、ビニル、共役ビニル、アリル、アクリル、メタクリル、及びスチリルが挙げられる。重合性二重結合は、より好ましくは、アクリル、メタクリル、アリル、及びスチリルからなる群より選択される。アクリル及びメタクリルは、(メタ)アクリロイル又は(メタ)アクリルアミドであってよい。(a)に記載の化合物にとって重合性二重結合はアクリル又はメタクリルであることが最も好ましい。
「重合開始剤系」という用語は、300〜500nmの範囲に光吸収極大を有する1,2−ジケトン光開始剤化合物及び共開始剤化合物(b)を含む系を指す。所望によりその重合開始剤系は重合開始剤補助物質をさらに含んでもよい。
「1,2−ジケトン光開始剤」という用語は1,2−ジケトン官能基を有するあらゆる化学化合物を意味し、その化合物は、例えば、光化学プロセスにおいて光への曝露、又は共開始剤及び所望により重合開始剤補助物質との相互作用により活性化されるとフリーラジカルを形成する。
本明細書で使用する用語「共開始剤」は、電子供与化合物、すなわち、光化学プロセスにおいて電子を供与することができる化合物を意味する。適切な例は、孤立電子対を有するヘテロ原子を有する有機化合物、例えばアミン化合物を含む。
用語「重合開始剤補助物質」は、光化学プロセスにおいて重合開始剤系のいずれかの成分に有利な化学変化を生じさせる分子を指す。例えば、重合開始剤補助物質は、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、又はホスホニウム塩、及び芳香族第三級ホスフィン化合物からなる群より選択されてよい。
本明細書において使用される「一液型(組成物)」という用語は単成分歯科用組成物を意味する。そのような組成物は1つだけの容器に入れられていることが典型的である。そのような組成物は、全く混合されることなく、そして、使用前にどんな特別な装置も使用せずに貯蔵され、その組成物の用途に使用され得る。
「セルフエッチング」という用語は、異なる方法ステップにおいてエナメル質を予備的にエッチングせずに本水性歯科用組成物を歯に適用し得ることを意味する。特に、好ましくは50℃において少なくとも30日間、又は60℃若しくは70℃において少なくとも3日間、加水分解安定性である水性歯科用組成物の調製が可能になることを条件として本水性歯科用組成物のpHが設定される。本発明の組成物の高い熱安定性のため、貯蔵期間が長い歯科用組成物を調製することができる。
本水性歯科用組成物のpHは用途、例えばエッチングを考慮して適切に設定されるが、その組成物中及び/又は修復剤中に含まれる他の成分との化学的適合性も考慮して適切に設定される。本発明の水性歯科用組成物は好ましくは6.5未満のpHを有し、より好ましくはpHが1から6までであり、さらにより好ましくは2から5までである。
本発明の水性歯科用組成物は式(I)及び/又は(II)の安定剤を含む。本発明の水性歯科用組成物は式(I)及び/又は(II)の1つ以上の安定剤を含んでもよい。好ましくはその安定剤は式(I)及び/又は(II)の化合物であって、式中、Rが同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基又はC3−8シクロアルキル基を独立して表し、R’が水素原子、C1−6アルキル基又はC1−6フルオロアルキル基を表し、そして、nが0又は1であり、より好ましくは、その安定剤は式(I)及び/又は(II)の化合物であって、式中、Rが同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基を独立して表し、R’が水素原子又はC1−6アルキル基を表し、そして、nが0であり、さらにより好ましくはその安定剤は次式(Ia)、(Ib)又は(IIa)の化合物であって、
Figure 2018521091

式中、R、R、R、R、R、及びRが同一でも異なっていてもよく、メチル基又はエチル基を独立して表す。式(Ia)、(Ib)、又は(IIa)の安定剤が次式:
Figure 2018521091
の化合物であり、好ましくはDTBHQであることが特に好ましい。
2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン(DTBHQ)、2,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール及び2,5−ジ−tert−ブチルベンゾキノン(DTBBQ)は市販されている標準的な化学物質である。一般に、式(Ib)の2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノンモノアルキルエーテルのようなR’がC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6フルオロアルキル基、又はC2−6フルオロアルケニル基である式(I)のモノエーテルは、C. Gambarottiら著、Current Organic Chemistry誌、2013年、第17巻、1108〜1113頁に記載される通りに、出発物質としてのDTBHQ等の式(I)のジヒドロキノンから、HSO等の無機酸又はスチレン系スルホン化ポリマー、例えば市販のイオン交換樹脂であるAmberlyst(登録商標)15及びAberlite(登録商標)IR120等の固体酸性触媒と組み合わせてNaNOの存在下で触媒される選択的モノエーテル化によって容易に得ることができる。あるいは、式(Ib)の2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノンモノアルキルエーテルのようなR’がC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6フルオロアルキル基、又はC2−6フルオロアルケニル基である式(I)のモノエーテルは、米国特許第4469897号明細書に記載される通りに、銅の塩及び鉄の塩から選択される遷移金属塩の存在下でDTBHQ等の式(I)のジヒドロキノンをアルキルアルコールと反応させることにより得ることができる。
この安定剤DTBHQは、本実験例より、この安定剤は変色問題の観点で最良の結果をもたらす、すなわち、50℃において30日間にわたる貯蔵時に変色が本水性歯科用組成物に生じない、又はほとんど生じないようなので特に好ましい。
別の実施形態によると、R’がC1−6アルキル基若しくはC2−6アルケニル基、又はC1−6フルオロアルキル基若しくはC2−6フルオロアルケニル基を表す式(I)の化合物が好ましい。R’がC1−6アルキル基又はC1−6フルオロアルキル基を表すことがより好ましく、R’がC1−6アルキル基を表すことが最も好ましい。
本発明の水性歯科用組成物は、その水性歯科用組成物の総重量に対して、0.001〜3重量パーセント、好ましくは0.005〜2重量パーセント、より好ましくは0.01〜1.2重量パーセント、及びさらにより好ましくは0.05〜1.0重量パーセント、一層さらにより好ましくは0.075〜0.9重量パーセント、及び最も好ましくは0.1〜0.8重量パーセントの量で前記安定剤を含む。
安定剤(iii)の量が上で示した下限である0.001よりも少ない場合、安定化効果をもたらすには安定剤の量があまりに少ないので本水性歯科用組成物の貯蔵安定性は不充分であり得る。しかしながら、安定剤(iii)の量が最大閾値である3重量パーセントより多いとき、安定剤の量が多いことで適用時にその組成物の意図した重合硬化が妨害され、又はさらに実質的に阻害される場合があるので、本水性歯科用組成物の利用可能性に対して負の影響を与える可能性がある。
貯蔵時及び/又は光硬化時に本水性歯科用組成物の有利な安定性を加えるため、前記組成物の変色を防止又は実質的に防止するため、また光硬化に有益な重合速度を加えるためにも、(ii)(a)の1,2−ジケトン光開始剤:(ii)(b)の共開始剤化合物:(iii)の式(I)及び(II)の安定剤のモル比を1:(0.3〜3.0):(0.01〜0.2)、より好ましくは1:(0.3〜1.5):(0.01〜0.1)、さらにより好ましくは1:(0.3〜1.0):(0.01〜0.05)の範囲内に設定することが好ましい場合がある。
(i)によると、本発明の水性歯科用組成物は少なくとも1つの重合性二重結合を有する1つ以上の重合性化合物を含有する。
好ましくは、重合性二重結合を有するそれらの1つ以上の重合性化合物は、(メタ)アクリレート化合物、N−置換又はN−非置換アルキルアクリル酸又はアクリル酸アミド化合物、モノ−、ビス−、又はポリ(メタ)アクリルアミド、及びビス(メタ)アクリルアミド化合物からなる群より選択される。より好ましくは、重合性二重結合を有するそれらの1つ以上の重合性化合物には(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、及び/又はビス(メタ)アクリルアミド化合物が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物を、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルメタクリレート(「bis−GMA」)、グリセロールモノアクリレート及びジアクリレート、グリセロールモノメタクリレート及びジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシド繰り返し単位の数が2から30まで変化する)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレンオキシド繰り返し単位の数が2から30まで変化する。特にトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA))、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのモノ−、ジ−、トリ−、及びテトラ−アクリレート及びメタクリレート(例えばジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノホスフェート(PENTA))、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルヘキサンエチレンジカルバメート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルジメチルベンゼンジカルバメート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル4−シクロヘキシルカルバメート、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシフェニル)プロパン、2,2’ビス(4−アクリルオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ−フェニル)]プロパン、2,2’−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ−フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−メタクリレート]プロパン、及び2,2’−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−アクリレート]プロパンからなる群より選択することができ、それらを挙げることができる。
N−置換アルキルアクリル酸又はアクリル酸アミド化合物は、好ましくは次式(A)、(B)、及び(C)のうちの1つにより特徴づけられ、
Figure 2018521091

式中、R15、R 15、R** 15、R*** 15は、独立して水素原子、−COOM;C3−6シクロアルキル基、C6−14アリール若しくはC3−14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよい直鎖又は分岐C〜C18アルキル基;C1−16アルキル基、C6−14アリール若しくはC3−14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよいC〜C18シクロアルキル基;又は−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMによって置換されてもよいC〜C18アリール基若しくはC〜C18ヘテロアリール基を表し、
16及びR 16は独立して水素原子;C3−6シクロアルキル基、C6−14アリール若しくはC3−14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよい直鎖又は分岐C〜C18アルキル基又はC〜C18アルケニル基;C1−16アルキル基、C6−14アリール若しくはC3−14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよいC〜C18シクロアルキル基;又は−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMによって置換されてもよいC〜C18アリール基若しくはC〜C18ヘテロアリール基を表し、
17は1〜45個の炭素原子を有する二価置換型又は非置換型有機残基であって、1〜14個のカルボニル基、又は酸素、窒素、及びイオウから選択されるヘテロ原子を有する前記有機残基を表し、R17は、好ましくは、1〜6個のカルボニル基、又は酸素、窒素、及びイオウから選択されるヘテロ原子を含んでよく、そして、水酸基、C6−14アリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよいC〜C18アルキレン基又はC〜C18アルケニレン基であり、その場合に前記C〜C18アルキレン基及び前記C〜C18アルケニレン基において1〜6個の−CH基が−N−(C=O)−CR19=CH基によって置き換えられてよく、式中、R19は水素原子又はC〜C18アルキル基、置換又は非置換型C〜C18シクロアルキル基、置換又は非置換型C〜C18アリール又はヘテロアリール基、置換又は非置換型C〜C18アルキルアリール又はアルキルヘテロアリール基、置換又は非置換型C〜C30アラルキル基、及び1〜14個の酸素原子を有する置換又は非置換型C〜C45モノ−、ジ−又はポリエーテル基であり、
18は飽和した二価又は多価の置換又は非置換型C〜C18炭化水素基、飽和した二価又は多価の置換又は非置換型環状C〜C18炭化水素基、二価又は多価の置換又は非置換型C〜C18アリール又はヘテロアリール基、二価又は多価の置換又は非置換型C〜C18アルキルアリール又はアルキルヘテロアリール基、二価又は多価の置換又は非置換型C〜C30アラルキル基、又は1〜14個の酸素原子を有する二価若しくは多価の置換若しくは非置換型C〜C45モノ−、ジ−、若しくはポリエーテル残基を表し、そして、
mは整数であり、好ましくは1〜10の範囲であり、
式中、R15、R 15、R** 15、R*** 15、R16、R 16、R17及びR18のいずれか1つのMは互いに独立しており、それぞれ水素原子又は金属原子を表す。
16、R 16、及びR17について、「C〜C18シクロアルキル基」という用語には2個以上のシクロアルキル基を含み、少なくとも2つの環が1つのC−C結合を共有しているポリシクロアルキル基が含まれる。C〜C14ポリシクロアルキル基が好ましく、C〜C12ポリシクロアルキル基がより好ましく、そしてトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル又はアダマンチルが最も好ましい。
15、R 15、R** 15、及びR*** 15について、直鎖又は分岐C〜C18アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、又はヘキシルであってよい。R16及びR*16について、C1−16アルキル基又はC2−16アルケニル基は、例えば、エチル(エテニル)、n−プロピル(プロペニル)、i−プロピル(プロペニル)、n−ブチル(ブテニル)、イソブチル(イソブテニル)、tert−ブチル(ブテニル)sec−ブチル(ブテニル)、ペンチル(ペンテニル)、又はヘキシル(ヘキセニル)であってよい。
15、R 15、R** 15、R*** 15、R16、及びR*16について、アリール基は、例えば、フェニル基又はナフチル基であってよく、C3−14ヘテロアリール基は窒素、酸素、及びイオウから選択される1〜3個のヘテロ原子を含んでもよい。
式(A)の化合物において、R16とR*16が共同的に環を形成する場合があり、その場合にR16とR16 はC−C結合、又はエーテル基、チオエーテル基、アミン基、及びアミド基からなる群より選択される官能基によって結合される。
式(B)において、破線で表される結合は、R15とR*** 15がCOに対してシス配置又はトランス配置で存在し得ることを示している。
好ましくは、式(B)においてR15、R 15、R** 15、及びR*** 15は独立して水素原子、−COOM;C3−6シクロアルキル基、C6−14アリール若しくはC3−14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよい直鎖又は分岐C1−16アルキル基;C1−16アルキル基、C6−14アリール若しくはC3−14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよいC3−6シクロアルキル基;−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよいC6−14アリール基又はC3−14ヘテロアリール基を表す。より好ましくは、式(B)においてR15、R 15、R** 15、及びR*** 15は独立して水素原子;C4−6シクロアルキル基、C6−10アリール又はC4−10ヘテロアリール基によって置換されてもよい直鎖又は分岐C1−8アルキル基;C1−6アルキル基、C6−10アリール若しくはC4−10ヘテロアリール基、又はC6−10アリール基によって置換されてもよいC4−6シクロアルキル基を表す。さらにより好ましくは、R15、R 15、R** 15、及びR*** 15は独立して水素原子;シクロヘキシル基又はフェニル基によって置換されてもよい直鎖又は分岐C1−4アルキル基;又はC1−4アルキル基によって置換されてもよいシクロヘキシル基を表す。最も好ましくは、R15、R 15、R** 15、及びR*** 15は独立して水素原子、又は直鎖若しくは分岐C1−4アルキル基を表す。
好ましくは、式(B)においてR16及びR*16は独立して水素原子;C3−6シクロアルキル基、C6−14アリール若しくはC3−14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよい直鎖又は分岐C1−16アルキル基又はC2−16アルケニル基;C1−16アルキル基、C6−14アリール若しくはC3−14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよいC3−6シクロアルキル基;−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMによって置換されてもよいC6−14アリール基又はC3−14ヘテロアリール基を表す。より好ましくは、R16及びR*16は独立して水素原子;C4−6シクロアルキル基、C6−10アリール又はC4−10ヘテロアリール基によって置換されてもよい直鎖又は分岐C1−10アルキル又はC2−10アルケニル基;C1−6アルキル基、C6−10アリール若しくはC4−10ヘテロアリール基、又はC6−10アリール基によって置換されてもよいC4−6シクロアルキル基を表す。さらにより好ましくは、R16及びR*16は独立して水素原子;シクロヘキシル基又はフェニル基によって置換されてもよい直鎖又は分岐C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基;又はC1−4アルキル基によって置換されてもよいシクロヘキシル基を表す。最も好ましくは、R16及びR*16は非置換型C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、さらにより好ましくは非置換型C2−6アルキル基又はC3−6アルケニル基を表し、最も好ましくはエチル基又はアリル基を表す。
特にモノ−又はビス−又は(メタ)アクリルアミド及びポリ[(メタ)アクリルアミド]は次式を有する。
Figure 2018521091

Figure 2018521091
ビス−(メタ)アクリルアミドである
次の構造式を有するN,N’−ジアリル−1,4−ビスアクリルアミド−(2E)−ブテ−2−エン(BAABE)、
Figure 2018521091

及び
次の構造式を有するN,N’−ジエチル−1,3−ビスアクリルアミド−プロパン(BADEP)が特に好ましい。
Figure 2018521091
重合性二重結合を有する重合性化合物の他の適切な例はイソプロペニルオキサゾリン、ビニルアザラクトン、ビニルピロリドン、スチレン、ジビニルベンゼン、ウレタンアクリレート又はメタクリレート、エポキシアクリレート又はメタクリレート、及びポリオールアクリレート又はメタクリレートである。
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの重合性二重結合を有する前記重合性化合物の少なくとも1つが酸性基を有する。この酸性基はカルボン酸基、スルホン酸エステル基、ホスホン酸エステル基、及びリン酸エステル基から選択されることが好ましい。
少なくとも1つの重合性二重結合を有するリン酸エステル基含有重合性化合物は、好ましくは次式(D)を有し、
Figure 2018521091

式中、
互いに独立した部分Yは、水素原子又は
次式(Y*)、(Y**)、若しくは(Y***)の部分を表し、
Figure 2018521091
式中、
はCOOR20、COSR21、CON(R20、CONR2021、又はCONHR20であり、式中、R20及びR21は独立して水素原子、所望によりC3−8シクロアルキル基によって置換されてもよいC1−18アルキル基、所望により置換されてもよいC3−8シクロアルキル基、所望により置換されてもよいC4−18アリール又はヘテロアリール基、所望により置換されてもよいC5−18アルキルアリール又はアルキルヘテロアリール基、又は所望により置換されてもよいC7−30アラルキル基を表し、それにより2つのR20残基が結合する隣接する窒素原子と共にさらに窒素原子又は酸素原子を含んでもよい5〜7員の複素環を形成してもよく、そして、それらの所望により置換されてもよい基が1〜5個のC1−5アルキル基によって置換されてもよく、
22及びR23は独立して水素原子、所望により置換されてもよいC1−18アルキル基、所望により置換されてもよいC3−18シクロアルキル基、所望により置換されてもよいC5−18アリール又はヘテロアリール基、所望により置換されてもよいC5−18アルキルアリール又はアルキルヘテロアリール基、所望により置換されてもよいC7−30アラルキル基を表し、それによりそれらの所望により置換されてもよい基が1〜5個のC1−5アルキル基によって置換されてもよく、
Lは、2〜45個の炭素原子を含有し、そして、所望により酸素原子、窒素原子、及びイオウ原子等のヘテロ原子を含有してもよい(a+b)価の有機残基(式(D)中のYが丸括弧内にある場合にbは1である)を表し、それらの炭素原子は第一級及び第二級脂肪族の炭素原子、第二級脂環式炭素原子、及び芳香族炭素原子から選択されるa+b価の炭素原子を含み、前記a+b価の炭素原子の各々が式(Y*)、(Y**)、又は(Y***)のいずれか1つの式のリン酸又は部分に結合しており、aが1から10まで、好ましくは1から5までの整数であり、bが1から10まで、好ましくは1から5までの整数であるが、ただし少なくとも1つのYは水素ではない。Y=Yであるそのような化合物の調製が欧州特許出願公開第1548021(A)号明細書から公知である。
本水性歯科用組成物は、
(b1) 次式(E)の重合性酸性化合物であって、
Figure 2018521091

式中、
部分Yは、次式(Y*)、(Y**)又は(Y***)の部分を表し、
Figure 2018521091
はZについて定義された同一の意味を独立して有し、
24及びR25はR22及びR23について定義された同一の意味を独立して有し;
は、2〜45個の炭素原子を含有し、そして、所望により酸素、窒素、及びイオウ等のヘテロ原子を含有してもよい(c+d)価の有機残基を表し、それらの炭素原子は第一級及び第二級脂肪族の炭素原子、第二級脂環式炭素原子、及び芳香族炭素原子から選択されるc+d価の炭素原子を含み、前記c+d価の炭素原子の各々が式(Y)、(Y**)、又は(Y1***)のいずれか1つの式のホスホン酸又は部分に結合しており、そして、
c及びdが独立して1から10までの整数を表す前記重合性酸性化合物、
(b2) 次式(F)の重合性酸性化合物であって、
Figure 2018521091
式中、
部分Yは、次式(Y*)、(Y**)、又は(Y***)の部分を表し、
Figure 2018521091
はZについて定義された同一の意味を独立して有し、
26及びR27はR22及びR23について定義された同一の意味を独立して有し、
は、2〜45個の炭素原子を含有し、そして、所望により酸素原子、窒素原子、及びイオウ原子等のヘテロ原子を含有してもよい(e+f)価の有機残基を表し、それらの炭素原子は第一級及び第二級脂肪族の炭素原子、第二級脂環式炭素原子、及び芳香族炭素原子から選択されるe+f価の炭素原子を含み、前記e+f価の炭素原子の各々が式(Y*)、(Y**)及び(Y***)のいずれか1つの式のスルホン酸又は部分に結合しており、そして、
e及びfが独立して1〜10の整数を示す前記重合性酸性化合物、からなる群より選択される少なくとも1つの重合性二重結合を有する重合性化合物を含んでもよい。
式(D)、(E)、及び(F)の化合物がエステル基を含有しないか、又は少なくとも、pH3の水性媒体中で室温において1か月以内に加水分解することがない、式(D)の化合物のリン酸エステル基のようなエステル基だけを含有することを条件として、それらの化合物を選択することが好ましい。それにより、未硬化歯科用組成物の貯蔵期間安定性、ならびに患者の口腔内での硬化後の安定性に関して7未満のpHを有する本水性歯科用組成物の有利な安定性が確保される。したがって、ZがCOOR20又はCOSR21である式Y***の部分及び式Y*の部分を除外する式(D)の化合物、ZがCOOR20又はCOSR21である式Y***の部分及び式Y*の部分を除外する式(E)の化合物、ならびにZがCOOR20又はCOSR21である式Y***の部分及び式Y*の部分を除外する式(F)の化合物が特に好ましい。
少なくとも1つの重合性二重結合を有するカルボン酸基含有重合性化合物は、例えばアクリル酸及びメタクリル酸から選択され得る。
少なくとも1つの重合性二重結合を有するリン酸エステル基含有重合性化合物のうち、次式のうちの1つを特徴とする式(D’)の化合物が特に好ましく、
Figure 2018521091
式中、Zは上記のように定義され、Lは所望により置換されてもよいアルキレン基である。より好ましくは、Zはメチルであり、Lは非置換アルキレン基である。さらにより好ましくは、LはC〜C16アルキレンであり、一層さらにより好ましくはC〜C12アルキレンであり、特にC10アルキレン(デシレン)である。式(D’)の好ましい化合物はジペンタエリスリトールペンタアクリレートホスフェート(PENTA)及び/又は10−メタクリロイルオキシデシル二水素ホスフェート(MDP)であり、MDPが最も好ましい。
少なくとも1つの重合性二重結合を有するスルホン酸エステル基含有重合性化合物のうち、次式のうちの1つを特徴とする式(F’)の化合物が特に好ましい。
Figure 2018521091
特に好ましい実施形態では、(i)に従い、本発明の水性歯科用組成物は、少なくとも1つの(メタ)アクリル部分を有する少なくとも1つの重合性化合物、及び所望により重合性二重結合と酸性基を有する少なくとも1つの重合性化合物を含有し、より好ましくは上記の式(A)、(B)、又は(C)の少なくとも1つの重合性化合物、及び所望により上記の式(D)、(E)、又は(F)の少なくとも1つの重合性化合物を含有し、さらにより好ましくは式(B)の少なくとも1つの重合性化合物及び所望により式(D)の少なくとも1つの化合物を含有する。
(ii)に従い、前記重合開始剤系は
(a) 300〜500nmの範囲に光吸収極大を有する1,2−ジケトン光開始剤化合物、及び
(b) 共開始剤化合物、を含有する。
前記重合開始剤系は(a)に記載の1つ以上の1,2−ジケトン光開始剤を含んでよい。(a)に記載のその1,2−ジケトン光開始剤は、光化学的抽出によりフリーラジカル中間物を供与するノリッシュII型光開始剤に属する。好ましくは、(a)に記載のその1,2−ジケトン光開始剤は、カンファーキノン、ベンジル、2,2’−、3 3’−、及び4,4’−ジヒドロキシルベンジル、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオンフリル、ベアセチル、1,2−シクロヘキサンジオン、1,2−ナフタキノン、及びアセナフタキノンからなる群より選択される。
前記重合開始剤系は(b)に記載の1つ以上の共開始剤化合物を含んでもよい。(b)に記載のその共開始剤化合物は、光開始に関して(a)に記載の1,2−ジケトン光開始剤と共に相乗効果をもたらすあらゆる化合物である。その共開始剤は、アミン、アミド、エーテル、チオエーテル、ウレア、チオウレア、フェロセン、スルフィン酸及びそれらの塩、フェロシアニドの塩、アスコルビン酸及びその塩、ジチオカルバミン酸及びその塩、キサントゲン酸の塩、エチレンジアミンテトラ四酢酸の塩、及びテトラフェニルボロン酸の塩からなる群より選択され得る電子供与体であることが好ましい。特に好ましい供与体は窒素原子、酸素原子、リン原子、又はイオウ原子等の電子供与原子、及びその電子供与原子に対してα位の炭素原子又はケイ素原子に結合した抽出可能水素原子を含む。
より好ましくは、電子供与体はアミン化合物であり、さらに好ましくはトリエタノールアミン、4−N,N−ジメチルアミノベンゾニトリル、メチルN,N−ジメチルアミノベンゾエート、エチルN,N−ジメチルアミノベンゾエート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、イソアミル4−N,N−ジメチルアミノベンゾエート、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエタノールトルイジン、ジメチルアミノアニソール、1又は2−ジメチルアミノナフタレンからなる群から選択される第三級アミンである。特に、その第三級アミンは、トリエタノールアミン、メチル4−N,N−ジメチルアミノベンゾエート、エチル4−N,N−ジメチルアミノベンゾエート、4−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート及びイソアミル4−N,N−ジメチルアミノベンゾエートからなる群から選択される。
さらに、前記重合開始剤系はヨードニウム塩、スルホニウム塩、又はホスホニウム塩、及び芳香族第三級ホスフィン化合物からなる群より選択される1つ以上の化合物を追加的に含んでよい。
好ましくは、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、又はホスホニウム塩は次の基から選択される:
(1) 次式(III)のヨードニウム化合物であって、
−I−R
(III)
式中、
及びR
互いに独立しており、有機部分を表し、
はアニオンである、
(2) 次式(IV)のスルホニウム化合物であって、
1011
(IV)
式中、
、R10及びR11
互いに独立しており、有機部分を表すか、又はR、R10及びR11のいずれか2つが、それらが結合しているイオウ原子と共に環状構造を形成し、そして、
はアニオンである、
(3) 次式(V)のホスホニウム化合物であって、
121314
(V)
式中、
12、R13及びR14
互いに独立しており、有機部分を表し、
はアニオンである、及び
(4) ピリジニウム塩。
式(III)のヨードニウム化合物において、R及びRは、好ましくは、芳香族、脂肪族又は脂環式の基を表す。芳香族基はフェニル基であってもよい。そのフェニル基は、1つ以上の1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基等の芳香族基、3〜6個の炭素原子を有する脂環式基、ハロゲン原子、水酸基、又はアミノ基によって置換されてもよい。その脂肪族基は1つ以上の芳香族基、3〜6個の炭素原子を有する脂環式基、ハロゲン原子、水酸基、又はアミノ基によって置換されてもよい1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基であってよい。脂環式基は1つ以上の芳香族基、脂肪族基、ハロゲン原子、水酸基、又はアミノ基によって置換されてもよい3〜6個の炭素原子を有する基であってよい。
好ましい実施形態によると、式(III)のヨードニウム化合物はジアリールヨードニウム塩である。有用なジアリールヨードニウム塩の例は、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを含み、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム(DPI)テトラフルオロボレート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウム(Me2−DPI)テトラフルオロボレート、フェニル−4−メチルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−ヘプチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(3−ニトロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−クロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(ナフチル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、DPIヘキサフルオロホスフェート、Me2−DPIヘキサフルオロホスフェート、DPIヘキサフルオロアルセネート、ジ(4−フェノキシフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、フェニル−2−チエニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、3,5−ジメチルプラゾリル−4−フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、DPIヘキサフルオロアンチモネート、2,2’−DPIテトラフルオロボレート、ジ(2,4−ジクロロフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−ブロモフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−カルボキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−メトキシカルボニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(3−メトキシスルホニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−アセトアミドフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(2−ベンゾチエニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、及びDPIヘキサフルオロホスフェートを含む。
特に好ましい式(III)のヨードニウム化合物は、ジフェニルヨードニウム(DPI)ヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウム(Me2−DPI)ヘキサフルオロホスフェート、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(Irgacure(登録商標)250、BASF SEより入手可能な商品)、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムテトラフルオロボレート、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、及び4−(1−メチルエチル)フェニル4−メチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のジアリールヨードニウムヘキサフルオロホスフェートを含む。
特に好ましい実施形態によると、式(III)のヨードニウム化合物はDPIヘキサフルオロホスフェート及び4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(Irgacure(登録商標)250、BASF SEより入手可能な商品)からなる群より選択される。
好ましい実施形態によると、前記重合性マトリックスはその組成物の総重量に対して0.001〜2重量パーセントの量で、次式(III)のヨードニウム化合物を好ましくはジフェニルヨードニウム(DPI)化合物又はジ(4−メチルフェニル)ヨードニウム(Me2−DPI)化合物の形で、より好ましくはジ(4−メチルフェニル)ヨードニウム(Me2−DPI)の形で含有する。
好ましい式(IV)のスルホニウム化合物は次式のS−(フェニル)チアントレニウムヘキサフルオロホスフェートである。
Figure 2018521091
式(V)のホスホニウム化合物はテトラキス−(ヒドロキシメチル)−ホスホニウム(THP)塩又はテトラキス−(ヒドロキシメチル)−ホスホニウムヒドロキシド(THPOH)塩であってよく、式中、アニオンAはホルマート、アセテート、ホスフェート、サルフェート、フルオリド、クロリド、ブロミド、及びヨージドからなる群より選択される。
式(III)〜(VI)のいずれか1つの式の化合物の塩において、そのアニオンは、塩素、臭素、及びヨウ素、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート、ヘキサフルオロアンチモネート、及びトリフルオロメチルスルホネート等のハロゲン化物から選択されるアニオンであってよい。
さらに、前記光開始剤系は芳香族第三級ホスフィン化合物を追加的に含んでよく、その場合にその芳香族第三級ホスフィン化合物次式(VI)
−R28
(VI)
を有することが好ましく、式中、
は次式(VII)の基であり、
29(Ar)P−
(VII)
式中、
29 は置換又は非置換型ヒドロカルビル基を表し、
Ar は置換又は非置換型アリール又はヘテロアリール基を表し、
28 は置換又は非置換型ヒドロカルビル基又はL 基であり、式中
は、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、及びウレタン結合から選択される結合を含有してよい置換又は非置換型二価ヒドロカルビル基であり、そして
’ はZと同一の意味を有し、それによりZ及びZ’は同一でも異なっていてもよく、
式中、R29基及びAr基は、水酸基、オキソ基、−NR3031基(式中、R30及びR31は同一でも異なっていてもよく、水素原子及びC1−6アルキル基から選択される)、カルボキシル基、及び重合性二重結合を有する基から選択される1つ以上の基によって置換されてよく、そして、
28及びLは、水酸基、オキソ基、−NR3031基(式中R30及びR31は同一でも異なっていてもよく、水素原子及びC1−6アルキル基から選択される)、カルボキシル基、及び重合性二重結合を有する基から選択される1つ以上の基によって置換されてよい。
式(VI)の芳香族第三級ホスフィン化合物において、部分Z、R29、Ar*、R28、及びLは以下の通りに定義されてよい。
29について、一価のヒドロカルビル基が、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アリールアルキル基又はアリール基であってもよい。
Arは置換又は非置換型アリール又はヘテロアリール基を表す。アリール基は、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、及びスチリル基から選択されてもよい。ヘテロアリール基は、ピリジル基であってもよい。
は、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、及びウレタン結合から選択される結合を含有していてもよい置換又は非置換型の二価のヒドロカルビル基である。Lについて、二価のヒドロカルビル基が、アルキルジイル基、シクロアルキルジイル基、シクロアルキルアルキル−ジイル基、アリールアルキル−ジイル基又はアリールジイル基であってもよい。シクロアルキルアルキル−ジイルにおいて、シクロアルキル部分若しくはアルキル部分のそれぞれに一価が結合していてもよく、又は両方の原子価がシクロアルキル部分若しくはアルキル部分のどちらかに結合していてもよい。アリールアルキル−ジイル基において、アリール部分若しくはアルキル部分のそれぞれは、それぞれ一価であってもよく、又はアリール部分若しくはアルキル部分のどちらかが二価であり、他方の部分はゼロ価である。シクロアルキルアルキル−ジイルにおいて、シクロアルキル部分又はアルキル部分のそれぞれは、それぞれ一価であってもよく、又はシクロアルキル部分又はアルキル部分のどちらかが二価、他方の部分はゼロ価である。
以下の定義は一価及び二価の両方のヒドロカルビル基に当てはまり、したがって二価ヒドロカルビル基の定義のために「ジイル」及び「ジイル」という接尾辞が括弧書きされている。
アルキル(ジイル)基は、直鎖又は分岐C1−20アルキル(ジイル)基、典型的にはC1−8アルキル(ジイル)基であってもよい。C1−6アルキル(ジイル)基の例は、1〜6個の、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル(ジイル)基、例えば、メチル(ジイル)、エチル(ジイル)、n−プロピル(ジイル)、イソプロピル(ジイル)、n−ブチル(ジイル)、イソブチル(ジイル)、sec−ブチル(ジイル)、tert−ブチル(ジイル)、n−ペンチル(ジイル)、イソペンチル(ジイル)及びヘキシル(ジイル)を含むことができる。
シクロアルキル(ジイル)基は、C3−20シクロアルキル(ジイル)基であってもよい。シクロアルキル(ジイル)基の例は、3〜14個の炭素原子を有する基を含むことができ、例えばシクロプロピル(ジイル)、シクロブチル(ジイル)、シクロペンチル(ジイル)及びシクロヘキシル(ジイル)を含むことができる。シクロアルキルアルキル(ジイル)基は、4〜20個の炭素原子を有する基を含むことができる。
シクロアルキルアルキル(−ジイル)基は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル(ジイル)基と3〜14個の炭素原子のシクロアルキル(ジイル)基との組み合わせを含むことができる。シクロアルキルアルキル(−ジイル)基の例は、例えば、メチルシクロプロピル(−ジイル)メチルシクロブチル(−ジイル)、メチルシクロペンチル(−ジイル)、メチルシクロヘキシル(−ジイル)、エチルシクロプロピル(−ジイル)、エチルシクロブチル(−ジイル),エチルシクロペンチル(−ジイル)、エチルシクロヘキシル(−ジイル)、プロピルシクロプロピル(−ジイル)、プロピルシクロブチル(−ジイル)、プロピルシクロペンチル(−ジイル)、プロピルシクロヘキシル(−ジイルを)含むことができる。
アリールアルキル(−ジイル)基は、C7−20アリールアルキル(−ジイル)基、典型的には、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル(ジイル)基と6〜10個の炭素原子を有するアリール(−ジイル)基との組み合わせであってもよい。アリールアルキル(−ジイル)基の具体例は、ベンジル(−ジイル)基又はフェニルエチル(−ジイル)基である。
アリール(ジイル)基は、6〜10個の炭素原子を有するアリール(ジイル)基を含むことができる。アリール(ジイル)基の例は、フェニル(ジイル)及びナフチル(ジイル)である。アリール(ジイル)基は、1〜3つの置換基を含むことができる。このような置換基の例は、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、アミノ基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基を含むことができる。ここで、ハロゲン原子の例は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素であることができる。C1−4アルキル(ジイル)基は、例えば、メチル(ジイル)、エチル(ジイル)、n−プロピル(ジイル)、イソプロピル(ジイル)及びn−ブチル(ジイル)である。C1−4アルコキシ(ジイル)基の例は、例えば、メトキシ(ジイル)、エトキシ(ジイル)及びプロポキシ(ジイル)である。これらの置換基におけるアルキル(ジイル)部分は、直鎖状、分岐状、又は環状であってもよい。
好ましくは、ヒドロカルビル基は、フェニル(ジイル)基及びナフチル(ジイル)基から選択されるアリール(ジイル)基であり、これらの基は、選択的にハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基から選択される1〜3個の基により置換されてもよく、又はヒドロカルビル基は直鎖若しくは分岐アルキル基直鎖若しくは分岐アルケニル基、又は直鎖若しくは分岐アルキニル基から選択された非芳香族ヒドロカルビル基である。
1−8アルキル(ジイル)基及びC3−14シクロアルキル(ジイル)基は所望により、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、フェニル基、及び水酸基から選択される基の1つ以上のメンバーによって置換されてもよい。C1−4アルキル基の例は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを含むことができる。C1−4アルコキシ基の例は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、及びtert−ブトキシを含むことができる。
また、式(VI)において、いずれのヒドロカルビル基も、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、又は水酸基から選択される1つ以上の基によって置換されてもよい。したがって、ヒドロカルビル基では、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子(例えば、フルオロ、ブロモ、クロロ)、例えばクロロメチル、クロロプロピル、ブロモエチル及びトリフルオロプロピル等のハロ置換アルキル基、並びにシアノエチルで置き換えられる。
ヒドロカルビル基がアルキル(ジイル)鎖を含む場合、アルキル(ジイル)鎖中の1個以上の炭素原子が酸素原子、イオウ原子、アミド基、エステル基、又はウレタン基で置き換えられてもよい。ヒドロカルビル基が1個より多い炭素原子を有するアルキル基である場合、アルキル基はアルキレンを含む。したがって、ヒドロカルビル基がn−ヘキシル基である場合、末端メチル基を除くアルキレン鎖の炭素原子のいずれかが酸素原子、イオウ原子、アミド基、エステル基、ウレタン基、又はNH基で置き換えられてもよい。したがって、以下の基を酸素原子が1つ以上の場合の具体的な例に挙げることができる。
Figure 2018521091
式(VI)において、基R29及び/又はAr、並びにR28基及び/又はL基は重合性二重結合、好ましくは炭素間二重結合で置換されていてもよい。重合性炭素間二重結合の例は、ビニル、共役ビニル、アリル、アクリル、メタクリル、及びスチリルを含む。好ましくは、重合性二重結合は、メタクリル、アクリル及びスチリルからなる群から選択される。より好ましくは、その二重結合はスチリルである。
好ましくは、R29及びArは、独立して、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、及びスチリル基から選択される芳香族ヒドロカルビル基である。
28に関し、この部分は、水酸基、アミノ基、−NR3031基(式中、R30及びR31は同一でも異なっていてもよく、C1−6アルキル基から選択される)、カルボキシル基、及び重合性二重結合を有する基から選択される1つ以上の基によって置換されてもよいアリール基であることが好ましい。あるいは、R28はZ’及びZが同一であるL’基であることが好ましい。
より好ましくは、R28はC1−6アルキル基又はC1−6アルケニル基であり、これらの基は水酸基、アミノ基、−NR3031基(式中、R30及びR31は同一でも異なっていてもよく、C1−6アルキル基から選択される)、カルボキシル基、及び重合性二重結合を有する基から選択される1つ以上の基によって置換されてもよい。重合性二重結合を有する基は、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリロイルアミド基であってもよい。
さらにより好ましくは、芳香族ホスフィン化合物は、式(VI)の化合物であり、式中、Zが次式の基である。
Figure 2018521091
式(VI)の化合物の具体例は、トリフェニルホスフィン(TPP)、4−(ジフェニルホスフィノ)スチレン(DPPS)、4−(ジフェニルホスフィノ)安息香酸、4−(ジフェニルホスフィノ)安息香酸、3−(ジフェニルホホニノ)プロピオン酸、(4−(ジフェニルホスフィノ)N、N´−ジメチルアニリン、2、2´−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゾフェノン(BDPPEP)、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(BDPPE)、(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィンを含む。好ましくは式(VI)の化合物はトリフェニルホスフィン(TPP)又は4−(ジフェニルホスフィノ)スチレン(DPPS)であり、より好ましくは4−(ジフェニルホスフィノ)スチレン(DPPS)である。
驚くべきことに、式(VI)の芳香族第三級ホスフィン化合物は、式(VI)の芳香族第三級ホスフィン化合物を含まない重合開始剤系を含む歯科用組成物と比較してより速い重合速度とより高い最終変換率の両方の点で有利な効率をもたらすことが見出された。患者の歯に本水性歯科用組成物を適用するとき、又は人口補綴物を形成するときにまだ修正が加えられる範囲で重合速度を調節可能であることが利点である。本重合開始剤系のため、より速い重合速度及びより高い変換率で光重合が達成されるが、例えば、硬化した歯科用組成物を変色させる望ましくない副反応を効果的に抑制することができる。また、本重合開始剤系に式(VI)の芳香族第三級ホスフィン化合物を添加することにより、光硬化の前に既に最終的に生じた本水性歯科用組成物の黄色の着色を効率的に低下/減少させることができる。すなわち、本水性歯科用組成物の黄色の変色を有利なことに効果的に低下/減少させる光退色効果が存在し、一方でその開始剤系は光重合の全過程を通して有利な重合速度及び変換率をさらに提供する。
光開始剤系の追加成分としての式(VI)の芳香族第三級ホスフィンの用途に関連するその他の正の効果は、それらにより有利な貯蔵安定性を示す水性歯科用組成物が提供されること、すなわち、長期貯蔵期間、例えば約2か月の後でもより速い重合速度とより高い変換率の点で効率が有利であるという特徴を維持することである。
特に好ましい実施形態によると、(ii)に記載の前記重合開始剤系は、(a)カンファーキノン及び/又は1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオンから選択される1,2−ジケトン光開始剤化合物、及び(b)アミンである、好ましくはジメチルアミノベンゾニトリル(DMABN)である共開始剤を含む。
本発明の水性歯科用組成物は、その水性歯科用組成物の総重量に対して、好ましくは0.01〜10重量パーセント、好ましくは0.05〜7重量パーセント、より好ましくは0.1〜5重量パーセントの量で前記重合開始剤系を含有してよい。0.01重量パーセント未満の重合開始剤系の量は充分な重合速度を光硬化にもたらさない可能性がある。10重量パーセントという最大閾値を超える量は、光硬化時の重合速度があまりに速い可能性があり、例えば歯の亀裂又は虫歯の穴に合わせて本水性歯科用組成物の外形を修正する時間枠が全く、又はほとんど無いことを意味するので、本水性歯科用組成物の適用時に問題が生じる可能性がある。
(iv)によると、本発明の水性歯科用組成物は、水及び有機溶媒を含む溶媒混合物を含む。その溶媒混合物は1種類以上の有機溶媒を含んでもよい。
本明細書において使用される「有機溶媒」という用語は、液体、又は室温で液体であり、そして、本水性歯科用組成物の(i)、(ii)及び(iii)に記載の成分を溶解可能である、又は少なくとも部分的に溶解可能であるあらゆる有機化合物を意味する。その有機溶媒は、その揮発性及び生理学的無害性の観点から適宜選択される。好ましくは、その有機溶媒は水よりも揮発性が高く、すなわち20℃の水よりも高い蒸気圧を有する。さらに、その有機溶媒は治療を受ける患者、特にヒト患者にとって無毒であることが好ましい。
(iv)によると、その溶媒混合物はその水性歯科用組成物の総重量に対して少なくとも1重量パーセント、好ましくは10重量パーセントを超える量で水を含む。
驚くべきことに、その水性歯科用組成物の総重量に対して10重量パーセントを超える水分含量のため、本水性歯科用組成物の使用を簡便にする、本発明の水性歯科用組成物に関して有利な流動学的性質及び/又は粘性を得ることができる。
この発見は、特定の流動学的性質及び/又は粘度を達成するために必須水分含量が歯科用組成物の0.1〜10重量%である必要があることを教示する米国特許出願公開第2006/0069181(A1)号明細書と対照的である。なぜなら、米国特許出願公開第2006/0069181(A1)号明細書によると、水分含量が高くなると粘性があまりに低くなり、そして、所望の粘性及び/又はずり減粘挙動を得ることが直ぐにできなくなる可能性があるためである。
概して溶媒混合物(iv)は、本水性歯科用組成物の総重量に対して2〜60重量パーセントの値の範囲内の水、より好ましくは5〜40重量パーセント、最も好ましくは10超〜30重量パーセントの水を含むことが好ましい。
溶媒混合物(iv)は、本水性歯科用組成物の総重量に対して10重量パーセント超の下限を有する値の範囲内の水、すなわち、10超〜60重量パーセント、好ましくは12〜55重量パーセント、より好ましくは14〜50重量パーセント、最も好ましくは16〜40重量パーセントの水を含むことが特に好ましい。
(iv)によると、その溶媒混合物の有機溶媒は、本水性歯科用組成物の総重量に対して少なくとも5重量パーセント、より好ましくは8〜40重量パーセント、さらにより好ましくは10〜30重量パーセントの量で本水性歯科用組成物に含まれることが好ましい。
さらに、(iv)に記載の溶媒混合物では、水に対する有機溶媒の重量比が100:1〜1:100、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは5:1〜1:5、及びさらにより好ましくは2:1〜1:2であることが好ましい。
適切な有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール(n−、i−)、ブタノール(n−、イソ−、tert−)等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、又はそのようなものから選択され得る。好ましくは、その有機溶媒はプロパノールであり、より好ましくはイソプロパノールである。
本発明の水性歯科用組成物はその組成物の総重量に対して5〜75重量パーセントの(iv)に記載の溶媒混合物を含み得ることが好ましい。
さらに、本発明の水性歯科用組成物は微粒子状充填剤をさらに含んでよい。本発明の水性歯科用組成物は1種類以上の微粒子状充填剤を含んでよい。
好適な微粒子状充填剤は、歯科用組成物に現在使用されている充填剤から選択されることができる。充填剤は、微細に分割されていなければならず、好ましくは約100μm未満の最大粒子径及び約10μm未満の平均粒子径を有する。充填剤は、単峰性又は多峰性(例えば、二峰性)の粒子径分布を有し得る。
充填剤は無機材料であってもよい。充填剤はまた、重合性樹脂に不溶性であり、所望により無機充填剤で充填される架橋有機材料であってもよい。充填剤は放射線不透過性であることができる。適切な微粒子状無機充填剤の例は、石英、窒化ケイ素のような窒化物、例えばCe、Sb、Sn、Zr、Sr、Ba及びAlから誘導されるガラス、コロイダルシリカ、長石、ホウケイ酸ガラス、カオリン、タルク、チタニア、及び亜鉛ガラスのような天然材料又は合成材料、及び焼成シリカのようなサブミクロンシリカ粒子である。適切な非反応性有機充填剤粒子の例としては、充填又は非充填粉砕ポリカーボネート又はポリエポキシドが挙げられる。好ましくは、充填剤粒子の表面は、充填剤とマトリックスとの間の結合を強化するためにカップリング剤で処理される。適切なカップリング剤の使用としては、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
微粒子状充填剤はまた、1〜70μmのメジアン粒子径(D50)を有する複合充填剤粒子を提供するため、
(1) 1〜1200nmのメジアン粒子径(D50)を有する微粒子状充填剤の表面上にコーティング層を形成する被膜形成剤を含有するコーティング組成物を被覆し、前記コーティング層によりそのコーティング層の表面上に付加重合性基及び逐次重合性基から選択される反応性基が提示され、それによりコーティング済み微粒子状充填剤を形成すること、続いて、又は同時に
(2) 少なくとも1層のコーティング層により分離され、そして、相互に結合されているコーティング済み微粒子状充填剤粒子と選択的な追加の微粒子状充填剤粒子を含有することを特徴とするコーティング済み微粒子状充填剤の顆粒を提供するため、前記反応性基と所望により追加の架橋剤の反応により得られた架橋基によってその少なくとも1層のコーティング層を架橋することができるように所望により追加の架橋剤の存在下、及び所望により反応性基を提示しない追加の微粒子状充填剤の存在下でコーティング済み微粒子状充填剤を凝集すること、
(3) コーティング済み微粒子状充填剤の顆粒を所望により粉砕、分級、及び/又はふるい分けすること、及び
(4) コーティング済み微粒子状充填剤の顆粒を所望によりさらに架橋すること
を含む複合充填剤粒子の製造方法であって、反応性基が反応性基と所望により追加の架橋剤の反応により得られた架橋基に変換され、そして、微粒子状充填剤が欧州特許出願公開第2604247(A)号明細書にさらに記載されるように体積ベースで複合充填剤粒子の主成分である前記製造方法によって得られる充填剤であってもよい。
本発明の水性歯科用組成物は、好ましくは、その組成物の総重量に対して0.1〜85重量パーセントの微粒子状充填剤を含み得る。
本発明の水性歯科用組成物は保存剤、顔料、フリーラジカルスカベンジャー、重合阻害剤、反応性及び非反応性希釈剤、充填剤の反応性を高めるためのカップリング剤、レオロジー調整剤、及び界面活性剤などの追加成分を含有し得る。
適切な保存剤は、ビタミンC、無機硫化物、多硫化物等のような還元剤から選択され得る。
好ましくは、前述の請求項のいずれか1項に記載の水性歯科用組成物は、50℃において少なくとも30日間、又は60℃若しくは70℃において少なくとも3日間、安定である。
本水性歯科用組成物は、1つ以上の成分からなる組成物として提供されてもよい。しかしながら、一液型組成物の形態で提供されることが好ましい。
本水性歯科用組成物は、歯科用複合組成物、樹脂改質歯科用セメント、小窩裂封鎖材、減感剤、保護塗料、及び歯科用接着剤組成物からなる群より選択され得る。本水性歯科用組成物は化学線の照射によって硬化され得る。本水性歯科用組成物は歯科用接着剤組成物であることが好ましい。
本発明の水性歯科用組成物は、ISO7491:2000(英語版)に従って測定されると色調安定性を有することが好ましい。
本発明の水性歯科用組成物について、カルボン酸官能性ポリマーが除外されることが好ましい。不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸、又はトリカルボン酸のホモポリマー及び共ポリマーの形態のカルボン酸官能性ポリマー、及び/又は少なくとも1つのエチレン性不飽和基で置換されていてもよいそれらの無水物が除外されることがより好ましい。次式
B(X)(Y)
を有するカルボン酸官能性ポリマーが除外されることがさらにより好ましく、式中、Bは有機骨格を表し、各Xは独立してカルボキシル基であり、各Yは独立して重合性基であり、mは2以上の平均値を有する数であり、nは0以上の平均値を有する数である。式B(X)(Y)の化合物において、骨格Bは所望により、酸素ヘテロ原子、窒素ヘテロ原子、又はイオウヘテロ原子等、重合反応を過度に妨害しない置換基を含んでもよい炭素間結合からなるオリゴマー性骨格又はポリマー性骨格を表してよく、Y基は置換及び非置換型のアクリレート、メタクリレート、アルケン、及びアクリルアミドを含み、そして、重量平均分子量は少なくとも約250、好ましくは約500と500,000の間、より好ましくは約1,000と100,000の間である。
そのようなカルボン酸官能性ポリマーは、本発明の水性歯科用組成物の適切な成分を表すのではなく、接着剤組成物、好ましくは特定の流動学的性質及び/又は粘性を必要とするセルフエッチング接着剤の形の歯科用組成物に適用される。これらの特定の流動学的性質及び/又は粘性の達成について、米国特許出願公開第2006/0069181(A1)号明細書は、これらのカルボン酸官能性ポリマーは、歯科用組成物の総重量に対して0.1〜10重量%の水と組み合わさって当技術分野から公知の組成物と比較して上昇した粘度及び/又はずり減粘挙動を提供することを教示する。
本水性歯科用組成物の成分の特別な組合せのため、そのようなカルボン酸官能性ポリマーを使用せずに有利な流動学的性質及び/又は粘度を達成することができるので、本水性歯科用組成物はそのようなカルボン酸官能性ポリマー無しで済ますことができる。
特に好ましい実施形態によると、7未満のpHを有する本水性歯科用組成物は、
(i) 少なくとも1つの重合性二重結合を有する1つ以上の重合性化合物、好ましくは少なくとも1つの(メタ)アクリル部分を有する少なくとも1つの重合性化合物、及び所望により少なくとも1つの重合性二重結合と酸性基を有する少なくとも1つの重合性化合物、より好ましくは上記の式(A)、(B)、又は(C)の少なくとも1つの重合性化合物、及び所望により上記の式(D)、(E)、又は(F)の少なくとも1つの重合性化合物、さらにより好ましくは上記の式(B)の少なくとも1つの重合性化合物及び所望により上記の式(D)の少なくとも1つの重合性化合物、最も好ましくは少なくともN,N’−ジアリル−1,4−ビスアクリルアミド−(2E)−ブテ−2−エン(BAABE)及び/又はN,N’−ジエチル−1,3−ビスアクリルアミド−プロパン(BADEP)及び所望により10−メタクリロイルオキシデシル二水素ホスフェート(MDP)及び/又はジペンタエリスリトールペンタアクリレートホスフェート(PENTA)、好ましくはMDP、
(ii) 重合開始系であって、
(a) 300〜500nmの範囲に光吸収極大を有する1,2−ジケトン光開始剤化合物としてのカンファーキノン(CQ)、及び
(b) アミン、好ましくはジメチルアミノベンゾニトリル(DMABN)の形態の共開始剤化合物、
(c) 所望により、次式(III)のヨードニウム化合物であって、
7’−I−R8’ A’
(III)
式中、
7’及びR8’が互いに独立しており、1つ以上の1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル基、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐アルコキシ基によって置換されてもよいフェニル基を表し、そして、
A’ がヘキサフルオロアンチモネート又はヘキサフルオロホスフェートである前記ヨードニウム化合物、を含む前記重合開始系、
(iii) 水性歯科用組成物の総重量に対して、0.001〜1重量パーセント、好ましくは0.05〜1.0重量パーセント、より好ましくは0.075〜0.9重量パーセント、及び最も好ましくは0.1〜0.8重量パーセントの次式(I)及び/又は(II)の安定剤であって、
Figure 2018521091

好ましくはDTBHQ及び/又は(DTBBQ)、より好ましくはDTBHQである前記安定剤、
(iv) 有機溶媒、及び水性歯科用組成物の総重量に対して、少なくとも1重量パーセントの水、好ましくは10重量パーセントを超える水を含む溶媒混合物、好ましくはその有機溶媒がアルコールであり、より好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール(n−、i−)、及びブタノール(n−、イソ−、tert−)からなる群より選択されるアルコールであり、さらにより好ましくはそのアルコールがイソプロパノールである
を含む。
式(I)及び(II)の安定剤の使用に関し、その安定剤は上記の7未満のpHを有する水性歯科用組成物のうちのいずれか1つの調製に使用され得る。
本発明を以下の実施例によりさらに説明する。
水性歯科用組成物の調製
表1〜3に記載の組成を有する一連の水性歯科用組成物A1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、及びC3を調製した。各組成物はヒドロキノン(HQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MeHQ)、tert−ブチル−ヒドロキノン(TBHQ)、及び2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン(DTBHQ)から選択される安定剤を含有し、その構造は以下に示される。A1、B1、及びC1では0.05重量%の量で安定剤が含まれる。A2、B2及びC2では0.1重量%の量で安定剤が含まれ、A3、B3及びC3では0.4重量%の量で安定剤が含まれる。
Figure 2018521091
HQ、MeHQ、及びTBHQは本発明によるものではない。DTBHQは本発明に記載の式(I)の安定剤(ii)である。
Figure 2018521091
Figure 2018521091
Figure 2018521091

36種類の水性歯科用組成物からなるセットを調製した。さらに、4種類の異なる安定剤を含む12種類の水性歯科用組成物C1、C2、及びC3を二組調製した。
貯蔵安定性検査
36種類の水性歯科用組成物からなる前記セットについて、エージングを加速し、貯蔵後の変色挙動を実証するために、60℃で3日間(72時間)貯蔵安定性を検査した。検査液C1、C2、及びC3の二組の12試料について追加の貯蔵安定性検査を70℃で3日間(72時間)実施した。
60℃又は70℃で3日間(72時間)の後、変色を目視により判断し、黄色光下でのデジタル写真撮影により文書化した。以下に基づいて変色を評価した。
(+)=変色無し、
(−)=わずかな変色、及び
(−−)=強い変色。
(−)及び(−−)で表示された変色は受け入れられない。
さらに幾つかの試料では、(P)で表示されている望ましくない早期重合が生じた。そのような望ましくない重合が起きた場合では、安定剤の性能が高温貯蔵時に不充分であった。
貯蔵安定性検査の結果が表4及び表5に記載されている。
Figure 2018521091
Figure 2018521091
貯蔵安定性検査の結果から、安定剤として2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノンDTBHQを含む本発明による水性歯科用組成物について、溶媒として2−プロパノールを使用しているにも関わらず、望ましくない変色を効率的に抑制することができているので、有利な貯蔵安定性を獲得することができていることが示される。このことは、60℃で検査された組成物A1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、及びC3を用いて得られた貯蔵安定性検査の結果、及び70℃で検査された組成物C1、C2、及びC3を用いて得られた結果により裏付けられる。本発明によるものではないHQ、MeHQ、及びTBHQは満足のいく貯蔵安定性を提供することがない。むしろ、溶媒として2−プロパノールが使用されると変色及び望ましくない重合が生じる場合がある。

Claims (15)

  1. (i)少なくとも1つの重合性二重結合を有する1つ以上の重合性化合物、
    (ii)(a)300〜500nmの範囲に光吸収極大を有する1,2−ジケトン光開始剤化合物、及び
    (b)共開始剤化合物を含む重合開始系、
    (iii)次式(I)及び/又は(II):
    Figure 2018521091
    [式中、
    前記Rは、同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基若しくはアルケニル基、又はC3−8シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を独立して表し、
    R’は、水素原子、C1−6アルキル基若しくはC2−6アルケニル基、又はC1−6フルオロアルキル基若しくはC2−6フルオロアルケニル基を表し、
    Xは、C1−8アルキル基又はC3−8シクロアルキル基から選択される基を表し、
    nは、0、1、又は2である]の安定剤、並びに
    (iv)有機溶媒、及び水性歯科用組成物の総重量に対して少なくとも1重量パーセントの水を含む溶媒混合物
    を含む、7未満のpHを有する水性歯科用組成物。
  2. 前記安定剤が、式(I)及び/又は(II)の化合物であり、式中、Rが同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基又はC3−8シクロアルキル基を独立して表し、
    R’が水素原子、C1−6アルキル基又はC1−6フルオロアルキル基を表し、そして、nが0又は1であり;
    好ましくは、前記安定剤が、式(I)及び/又は(II)の化合物であり、式中、Rが同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基を独立して表し、R’が水素原子又はC1−6アルキル基を表し、そして、nが0であり;
    より好ましくは、前記安定剤が、次式(Ia)、(Ib)、又は(IIa):
    Figure 2018521091

    [式中、R、R、R、R、R、及びRは、同一でも異なっていてもよく、メチル基又はエチル基を独立して表す]の化合物である、請求項1に記載の水性歯科用組成物。
  3. 前記重合開始剤系が、次の群:
    (1)次式(III):
    −I−R
    (III)
    [式中、
    及びRは、
    互いに独立しており、有機部分を表し、そして
    は、アニオンである]のヨードニウム化合物
    (2)次式(IV):
    1011
    (IV)
    [式中、
    、R10及びR11は、
    互いに独立しており、有機部分を表すか、又はR、R10及びR11のいずれか2つは、それらが結合しているイオウ原子と共に環状構造を形成し、そして、
    は、アニオンである]のスルホニウム化合物、
    (3)次式(V):
    121314
    (V)
    [式中、
    12、R13及びR14は、
    互いに独立しており、有機部分を表し、
    は、アニオンである]のホスホニウム化合物、並びに
    (4)ピリジニウム塩
    より選択される1つ以上の化合物をさらに含む、請求項1又は2に記載の水性歯科用組成物。
  4. 前記有機溶媒がイソプロパノールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  5. 前記1,2−ジケトン光開始剤化合物が、カンファーキノン及び1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオンから選択され、そして前記共開始剤がアミンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  6. 前記式(I)又は(II)の安定剤が、次式:
    Figure 2018521091
    の化合物であり、
    好ましくはDTBHQである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  7. 50℃で少なくとも30日間、又は60℃若しくは70℃で少なくとも3日間、安定である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  8. 前記水性歯科用組成物の総重量に対して、0.001〜3重量パーセント、好ましくは0.005〜2重量パーセント、より好ましくは0.01〜1.2重量パーセント、最も好ましくは0.05〜0.8重量パーセントの量で前記安定剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  9. 前記水性歯科用組成物の総重量に対して、0.01〜10重量パーセントの量で前記重合開始剤系を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  10. 前記重合性二重結合を有する1つ以上の重合性化合物が、カルボン酸基、スルホン酸エステル基、ホスホン酸エステル基、及びリン酸エステル基から選択される酸性基を有する化合物、好ましくは10−メタクリロイルオキシデシル二水素ホスフェート(MDP)及び/又はジペンタエリスリトールペンタアクリレートホスフェート(PENTA)を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  11. 前記重合性二重結合を有する1つ以上の重合性化合物が、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、及び/又はビス(メタ)アクリルアミド化合物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  12. 歯科用接着剤組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  13. ISO7491:2000(英語版)に従って測定されると色調安定性を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
  14. 7未満のpH値を有する水性歯科用組成物の調製のための、
    次式(I’)又は(II):、
    Figure 2018521091
    [式中、
    前記Rが、同一でも異なっていてもよく、分岐C3−8アルキル基若しくはアルケニル基、又はC3−8シクロアルキル基又はシクロアルケニル基を独立して表し、
    R’が、C1−6アルキル基若しくはC2−6アルケニル基、又はC1−6フルオロアルキル基若しくはC2−6フルオロアルケニルを表し、
    Xが、C1−8アルキル基又はC3−8シクロアルキル基から選択される基を表し、
    nが0、1、又は2である]の安定剤の使用。
  15. R’がC1−6アルキル基若しくはC2−6アルケニル基、又はC1−6フルオロアルキル基若しくはC2−6フルオロアルケニル基を表す、請求項1〜13のいずれか一項に記載の水性歯科用組成物。
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