発明の詳細な説明
本発明は、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を基礎にする特定のエステルを製造するための方法、とりわけHMF−アクリレートまたはHMF−メタクリレートを製造するための方法に関する。さらに、本発明は、エステルそれ自体、とりわけHMF−アクリレートまたはHMF−メタクリレートに関する。本発明の別の対象は、分散液の製造におけるモノマーまたはコモノマーとしてのその使用、および架橋性コポリマーを製造するためのその使用である。
糖から得ることができるHMFは、再生可能な原料からの有望な合成構成要素である。
米国特許出願公開第2009/0018300号明細書(US2009/0018300)およびPolymer Reprints 2008、914〜915には、HMFと塩化アクリルを、化学量論的量のトリエチルアミンを使用して反応させることによるHMF−アクリレートの製造が記載されている。しかし、この合成には、特に、大規模工業的に実施することに関していくつの欠点がある。
例えば、反応の過程でトリエチルアンモニウム塩酸塩が生じ、このことは、場合によって問題を伴う、固形物の取り扱いを必要にするだけでなく、その分離の際に収率損失をもたらすこともある。さらに、高反応性の酸塩化物の使用およびそれに伴う塩化物の放出は欠点である、それというのは、それによって、生産設備の原材料の選択が制限され、かつ相応して耐性がある材料は高価であるからである。同じく、反応を、湿分を排除して実施しなければならないことが欠点である、それというのは、塩酸化物は、加水分解に不安定であるからである。さらに、酸塩化物との反応によって、一般に、比較的高い塩化物含分を有する、比較的暗く着色した生成物がもたらされる。
本発明の課題は、上述の欠点が克服され、かつ大規模工業的にも実施可能な方法を提供することにある。
本課題は、式(I)
[式中、Rは、HまたはC
1〜C
6−アルキルである]の化合物を、
少なくとも1つの式(II)
[式中、Rは、式(I)と同じ意味を有し、
R
1は、H、C
1〜C
12−アルキルまたはC
3〜C
12−シクロアルキルである]の化合物と、
式(III)
[式中、R
2は、HまたはC(O)R
3であり、
ここで、R
3は、HまたはC
1〜C
12−アルキルである]の化合物とを、
少なくとも1つの、エステル交換に好適な酵素の存在下に反応させることによって製造するための方法によって解決される。
酵素反応が高選択性に進行すること、および高い純度を有する生成物が得られることが判明した。酵素反応は、大規模工業的にも実施可能である。
本発明による方法は、少なくとも1つの、エステル交換に好適な酵素の存在下に実施されるため、化学量論的量で生じる塩様の固形物、例えばトリエチルアンモニウム塩酸塩を取り扱う必要も、分離する必要もない。さらに、本発明による方法は、高反応性の酸塩化物を出発点とするのではなく、カルボン酸またはエステルを出発点としており、それによって、塩化物腐食に関して生産設備の材料に特別な要求を課すのではなく、慣用の装置で支障なく実施することができる。本発明による方法の別の利点は、湿分を厳密に排除して実施する必要がないことである。さらに、HMFのある程度の温度不安定性および酸不安定性に関しても、本発明による方法は、温和な反応条件下、例えば比較的低い温度で実施できることが利点である。酵素反応は、酸塩化物との反応より明らかに少ない塩化物含分を有する、明らかに明色の生成物をもたらす。多くの場合に比較的高い温度を必要とする一般的なエステル交換または直接エステル化と比べても、本発明による方法は、明らかにより明色の生成物を提供する。酵素反応は高選択的に進行し、高い純度を有する生成物が得られる。
本発明によれば、式(I)のRは、HまたはC1〜C6−アルキルである。
C1〜C6−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルである。
本発明の好ましい実施形態では、式(I)のRは、HまたはC1〜C4−アルキルである。
C1〜C4−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルである。
本発明の特に好ましい実施形態では、式(I)のRは、HまたはCH3である。
本発明の殊に好ましい実施形態では、式(I)のRは、Hである。
本発明の別の殊に好ましい実施形態では、式(I)のRは、CH3である。
本発明の別の実施形態では、式(I)のRは、C1〜C6−アルキルである。
本発明の別の実施形態では、式(I)のRは、C1〜C4−アルキルである。
本発明によれば、式(II)のRは、式(I)のRと同じ意味を有する。
式(II)のRには、式(I)のRに好ましい意味を有するものが好ましい。
式(II)のRには、式(I)のRに特に好ましい意味を有するものが特に好ましい。
式(II)のRには、式(I)のRに殊に好ましい意味を有するものが殊に好ましい。
本発明によれば、式(II)のR1は、H、C1〜C12−アルキルまたはC3〜C12−シクロアルキルである。
C1〜C12−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、とりわけ2−エチルヘキシル、ノニル、とりわけイソノニル、デシル、とりわけ2−プロピルヘプチル、ウンデシル、ドデシルである。
C3〜C12−シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルである。
本発明の好ましい実施形態では、式(II)のR1は、C1〜C12−アルキルである。
本発明の特別な実施形態では、式(II)のR1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルまたは2−エチルヘキシルである。
本発明の別の好ましい実施形態では、式(II)のR1は、HまたはC1〜C4−アルキルである。
C1〜C4−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルである。
本発明の特に好ましい実施形態では、式(II)のR1は、C1〜C4−アルキルである。
本発明の殊に好ましい実施形態では、式(II)のR1は、CH3またはCH2CH3であり、とりわけCH3である。
本発明の別の実施形態では、式(II)のR1は、Hである。
本発明の別の好ましい実施形態では、式(II)のR1は、C1〜C12−アルキルまたはC5〜C7−シクロアルキルである。
本発明の別の好ましい実施形態では、式(II)のR1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシルまたはシクロヘキシルである。
本発明の別の好ましい実施形態では、式(II)のR1は、H、C1〜C4−アルキルまたはシクロヘキシルである。
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(II)のR1は、C1〜C4−アルキルまたはシクロヘキシルである。
本発明の別の実施形態では、式(II)のR1は、C8〜C10−アルキルであり、好ましくは2−エチルヘキシル、イソノニルまたは2−プロピルヘプチルであり、特に好ましくは2−エチルヘキシルである。
本発明の別の実施形態では、式(II)のR1は、C5〜C7−シクロアルキル、好ましくはシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、特に好ましくはシクロヘキシルである。
式(II)の化合物の例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、sec−ペンチルアクリレート、tert−ペンチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、とりわけ2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、とりわけイソノニルアクリレート、デシルアクリレート、とりわけ2−プロピルヘプチルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレートである。
式(II)の化合物の別の例は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、イソペンチルメタクリレート、sec−ペンチルメタクリレート、tert−ペンチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、とりわけ2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、とりわけイソノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、とりわけ2−プロピルヘプチルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレートである。
式(II)の化合物の別の例は、アクリル酸、メタクリル酸である。
本発明の好ましい実施形態では、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレートまたは2−エチルヘキシルメタクリレートが、式(II)の化合物として使用される。
本発明の特に好ましい実施形態では、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートまたはエチルメタクリレートが、式(II)の化合物として使用される。
本発明の殊に好ましい実施形態では、メチルアクリレートが、式(II)の化合物として使用される。
本発明の別の殊に好ましい実施形態では、メチルメタクリレートが、式(II)の化合物として使用される。
本発明の別の実施形態では、アクリル酸が、式(II)の化合物として使用される。
本発明の別の実施形態では、メタクリル酸が、式(II)の化合物として使用される。
本発明によれば、少なくとも1つの式(II)の化合物が使用される。好ましくは、1つから3つまでの式(II)の化合物が使用される。特に好ましくは、1つまたは2つの式(II)の化合物が使用される。殊に好ましくは、1つの式(II)の化合物が使用される。
式(II)の化合物は、市販されているものか、または当業者に公知の方法によって製造できるものである。
R1がHではない式(II)の化合物は、例えば、R1がHである式(II)の化合物から、エステル化によって、例えば触媒である酸の存在下にアルコールを使用して製造することができる。
例えば、R1がメチル、エチルまたはn−ブチルである式(II)の化合物は、R1がHである式(II)の化合物から、触媒である酸の存在下にメタノール、エタノールまたはn−ブタノールをアルコールとして使用するエステル化によって製造することができる。
R1がtert−ブチルである式(II)の化合物は、例えば、R1がHである式(II)の化合物から、触媒である酸の存在下にイソブテンと反応させることによって製造することができる。
R1がHではない式(II)の化合物は、例えば、R1が同じくHではない式(II)の化合物から、エステル交換によって、例えば触媒である酸または塩基の存在下にアルコールを使用して製造することができる。
R1がHである式(II)の化合物は、例えば、R1がHではない式(II)の化合物から、加水分解によって、例えば触媒である酸または塩基の存在下に製造することができる。
本発明によれば、式(III)のR2は、HまたはC(O)R3である。
本発明の好ましい実施形態では、式(III)のR
2はHである。R
2がHである式(III)の化合物は、式(IIIa)の化合物と呼ばれる。
本発明の別の実施形態では、式(III)のR
2は、C(O)R
3である。R
2がC(O)R
3である式(III)の化合物は、式(IIIb)の化合物と呼ばれる。
本発明によれば、R3は、HまたはC1〜C12−アルキルである。
C1〜C12−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、とりわけ2−エチルヘキシル、ノニル、とりわけイソノニル、デシル、とりわけ2−プロピルヘプチル、ウンデシル、ドデシルである。
本発明の好ましい実施形態では、R3は、HまたはC1〜C8−アルキルである。
C1〜C8−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルまたは2−エチルヘキシルである。
本発明の特に好ましい実施形態では、R3は、HまたはC1〜C4−アルキルである。
C1〜C4−アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルである。
本発明の殊に好ましい実施形態では、R3は、HまたはCH3であり、とりわけCH3である。
本発明の別の特別な実施形態では、R3はHである。
式(III)の化合物は、市販されているものか(例えば、Aldrich)、または文献公知の方法によって製造できるものである(B.Kim et al.、Ind.Eng.Chem.Res.2014、53、4633〜4641、R.−J.van Putten et al.、Chem.Rev.2013、113、1499〜1597、欧州特許出願公開第1958944号明細書(EP1958944)、独国特許出願公開第3309564号明細書(DE3309564))。
式(IIIb)の化合物を製造するために好適な方法、とりわけ基C(O)R3を導入するために好適なホルミル化法またはアシル化法は、当業者に公知である。
少なくとも1つの式(II)の化合物および式(III)の化合物は、一般的に、1:10から25:1まで、好ましくは1:1から20:1まで、特に好ましくは5:1から15:1まで、殊に好ましくは8:1から12:1までのモル比で使用される。
本発明の実施形態では、式(III)のR2がC(O)R3である場合、式(II)のR1は、Hである。本発明の別の実施形態では、式(II)のR1がHである場合、式(III)のR2は、C(O)R3である。本発明の別の実施形態では、式(II)のR1は、Hであり、式(III)のR2は、C(O)R3である。
本発明の1つの実施形態では、式(III)のR2がHである場合、式(II)のR1は、Hではない。本発明の別の実施形態では、式(II)のR1がHではない場合、式(III)のR2はHである。本発明の別の実施形態では、式(II)のR1は、Hではなく、式(III)のR2は、Hである。
本発明によれば、少なくとも1つの、エステル交換に好適な酵素が使用される。好ましくは、1つから3つまでの酵素が使用される。特に好ましくは、1つまたは2つの酵素が使用される。殊に好ましくは、1つの酵素が使用される。
エステル交換に好適な酵素は、当業者に公知である。
好ましくは、加水分解酵素(EC 3.−.−.−)が酵素として使用される。
好適な加水分解酵素(EC 3.−.−.−)の例は、エステラーゼ(EC 3.1.−.−)、グリコシラーゼ(EC 3.2.−.−)またはプロテアーゼ(EC 3.4.−.−)であり、好ましくはエステラーゼ(EC 3.1.−.−)またはプロテアーゼ(EC 3.4.−.−)である。
特に好ましくは、エステラーゼ(EC 3.1.−.−)が酵素として使用される。
好適なエステラーゼ(EC 3.1.−.−)の例は、リパーゼ(EC 3.1.1.−)である。
殊に好ましくは、リパーゼ(EC 3.1.1.−)が酵素として使用される。
好適なリパーゼ(EC 3.1.1.−)の例は、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC 3.1.1.3)である。
とりわけ好ましくは、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC 3.1.1.3)が酵素として使用される。
特に好ましくは、Novozym(登録商標)435(カンジダアンタルクティカ(Candida antarctica)由来リパーゼB)またはアルカリゲネス(Alcaligenes)種、アスペルギルス(Aspergillus)種、ムコール(Mucor)種、ペニシリウム(Penicilium)種、ゲオトリクム(Geotricum)種、リゾープス(Rhizopus)種、バークホルデリア(Burkholderia)種、カンジダ(Candida)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、サーモマイセス(Thermomyces)種またはブタ膵臓に由来するリパーゼであり、殊に好ましくは、カンジダアンタルクティカ由来リパーゼBまたはバークホルデリア種由来リパーゼであり、とりわけ好ましくはカンジダアンタルクティカ由来リパーゼBである。
酵素は、市販されているもの(例えば、Novozym(登録商標)435)または当業者に公知の方法によって得られるものである。
少なくとも1つの酵素は、遊離形態または固定化形態で使用されてよい。本発明の1つの実施形態では、少なくとも1つの酵素は、遊離形態で使用される。本発明の別の実施形態では、少なくとも1つの酵素は、固定化形態で使用される。
少なくとも1つの酵素は、化学的または物理的に固定化されていてよい。固定化するための好適な担体および好適な方法は、当業者に公知である。
好適な担体の一例は、アクリル樹脂である。好適な担体の別の例は、Lewatit(登録商標)である。好適な担体の別の例は、Lewatit(登録商標)VP OC 1600である。Lewatit(登録商標)VP OC 1600は、メタクリレートを基礎にする、球状ビーズ形態の、マクロ多孔性の、ジビニルベンゼンで架橋されたポリマーである。それゆえ、好適な担体の別の例は、メタクリレートを基礎にする、球状ビーズ形態の、マクロ多孔性の、ジビニルベンゼンで架橋されたポリマーである。
本発明の好ましい実施形態では、カンジダアンタルクティカ由来リパーゼBが酵素として使用される。
本発明の特に好ましい実施形態では、固定化形態のカンジダアンタルクティカ由来リパーゼBが酵素として使用される。
本発明の特別な実施形態では、固定化形態のカンジダアンタルクティカ由来リパーゼBが酵素として使用され、ここで、担体としては、アクリル樹脂が使用される。本発明の別の特別な実施形態では、固定化形態のカンジダアンタルクティカ由来リパーゼBが酵素として使用され、ここで、担体として、Lewatit(登録商標)、とりわけLewatit(登録商標)VP OC 1600が使用される。本発明の別の特別な実施形態では、固定化形態のカンジダアンタルクティカ由来リパーゼBが酵素として使用され、ここで、担体としては、メタクリレートを基礎にする、球状ビーズ形態の、マクロ多孔性の、ジビニルベンゼンで架橋されたポリマーが使用される。
本発明の殊に好ましい実施形態では、Novozym(登録商標)435が酵素として使用される。
少なくとも1つの酵素は、一般的に、使用される式(III)の化合物の量を基準として0.1質量%から15質量%まで、好ましくは1質量%から10質量%まで、特に好ましくは5質量%から9質量%まで、殊に好ましくは6質量%から8質量%までの範囲の量で使用される。
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの酵素は、固定化形態で、使用される式(III)の化合物の量を基準として0.1質量%から15質量%まで、好ましくは1質量%から10質量%まで、特に好ましくは5質量%から9質量%まで、殊に好ましくは6質量%から8質量%までの範囲の量で使用される。
本発明の特に好ましい実施形態では、Novozym(登録商標)435が、酵素として、使用される式(III)の化合物の量を基準として0.1質量%から15質量%まで、好ましくは1質量%から10質量%まで、特に好ましくは5質量%から9質量%まで、殊に好ましくは6質量%から8質量%までの範囲の量で使用される。
本発明によれば、配列番号1は、以下のアミノ酸配列を指す。
配列番号1のN末端25アミノ酸は、シグナルペプチドの配列およびプロペプチドの配列を含みうるプレプロペプチドと見なすことができる。したがって、配列は、場合によって位置26のアミノ酸で開始してもよい。
好ましくは、本発明により使用される酵素は、配列番号1に対して少なくとも80%の相同性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも85%の相同性、さらにより好ましくは配列番号1に対して少なくとも90%の相同性、さらにより好ましくは配列番号1に対して少なくとも95%の相同性、さらにより好ましくは配列番号1に対して少なくとも98%の相同性、さらにより好ましくは配列番号1に対して少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むものであり、とりわけ配列番号1のアミノ酸配列を含むものである。代替的に、本発明により使用される酵素は、好ましくは、その官能性誘導体である。
特に好ましくは、本発明により使用される酵素は、配列番号1に対して少なくとも80%の相同性、より好ましくは配列番号1に対して少なくとも85%の相同性、さらにより好ましくは配列番号1に対して少なくとも90%の相同性、さらにより好ましくは配列番号1に対して少なくとも95%の相同性、さらにより好ましくは配列番号1に対して少なくとも98%の相同性、さらにより好ましくは配列番号1に対して少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列からなるものであり、とりわけ配列番号1のアミノ酸配列からなるものである。代替的に、本発明により使用される酵素は、特に好ましくは、その官能性誘導体である。
好ましくは、本発明により使用される酵素は、配列番号1のアミノ酸配列を含む、好ましくは配列番号1のアミノ酸配列からなる酵素のエステル交換活性の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、またはそれどころか100%以上を示す。
同じく好ましくは、本発明により使用される酵素は、配列番号2に対して少なくとも80%の相同性、より好ましくは配列番号2に対して少なくとも85%の相同性、さらにより好ましくは配列番号2に対して少なくとも90%の相同性、さらにより好ましくは配列番号2に対して少なくとも95%の相同性、さらにより好ましくは配列番号2に対して少なくとも98%の相同性、さらにより好ましくは配列番号2に対して少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むものであり、とりわけ配列番号2のアミノ酸配列を含むものである。代替的に、本発明により使用される酵素は、好ましくはその官能性誘導体である。
同じく好ましくは、本発明により使用される酵素は、配列番号2に対して少なくとも80%の相同性、より好ましくは配列番号2に対して少なくとも85%の相同性、さらにより好ましくは配列番号2に対して少なくとも90%の相同性、さらにより好ましくは配列番号2に対して少なくとも95%の相同性、さらにより好ましくは配列番号2に対して少なくとも98%の相同性、さらにより好ましくは配列番号2に対して少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列からなるものであり、とりわけ配列番号2のアミノ酸配列からなるものである。代替的に、本発明により使用される酵素は、特に好ましくはその官能性誘導体である。
同じく好ましくは、本発明により使用される酵素は、配列番号2のアミノ酸配列を含む、好ましくは配列番号2のアミノ酸配列からなる酵素のエステル交換活性の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、またはそれどころか100%以上を示す。
特別な実施形態では、本発明により使用される酵素は、Structure 1994、Vol 2、No 4、293〜308ページ(Jonas Uppenberg、Mogens Trier Hansen、Shamkant Patkar、T Alwyn Jones:The sequence, crystal structure determination and refinement of two crystal forms of lipase B from Candida antarctica)に記載されているアミノ酸配列からなるものであり、ここで、参照によって含められる。アミノ酸配列は、この論文の294ページ、図1およびその添付テキストに開示されている。図1の添付テキストに記載の通り、N末端25アミノ酸、すなわち、−25位アミノ酸から−1位アミノ酸まではプレプロペプチドと呼ばれる。1つの実施形態では、酵素は、294ページ、図1およびその添付テキストに開示された、−25位アミノ酸から−1位アミノ酸までも含む全長ポリペプチドである。別の実施形態では、酵素は、294ページ、図1およびその添付テキストに開示された、−25位アミノ酸から−1位アミノ酸までを含まないアミノ酸配列からなる。酵素を、294ページの図1に図示されたC末端OPAなしで使用することもできることは、当業者に公知である。
本発明によれば、「相同性」という用語は、配列相同性および/または三次元(3D)構造相同性を意味する。好ましくは、「相同性」という用語は、配列相同性を意味する。
本発明によれば、「その官能性誘導体」という用語は、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、またはそれどころか100%以上の、配列番号1もしくは配列番号2のアミノ酸を含む、好ましくは配列番号1もしくは配列番号2のアミノ酸からなる酵素のエステル交換活性を示す酵素を指す。
本発明により使用される酵素が、場合によって1つまたは複数の翻訳後修飾を含みうることは当業者に公知である。
本発明により使用される酵素が、場合によって1つもしくは複数の別の分子と共役しているか、または1つもしくは複数の別の分子に結合していてよいことは当業者に公知である。そのような別の分子の例は、蛍光分子を含む。蛍光誘導体化試薬の例は、オルト−フタルジアルデヒド(OPA)である。
本発明により使用される酵素が、場合によって種々の同位体、例えば2H、3H、13C、14C、32Pおよび/または35Sで標識されていてよいことは当業者に公知である。
場合によって、本発明による方法は、1つまたは複数の別の添加剤の存在下に実施される。
別の添加剤の例は、安定剤、分子ふるいまたはゼオライトである。好適な安定剤、分子ふるいまたはゼオライトは、当業者に公知である。安定剤、分子ふるいまたはゼオライトの使用可能な量も当業者に公知である。
場合によって、本発明による方法は、1つまたは複数の安定剤の存在下に実施される。
本発明による方法が、1つまたは複数の安定剤の存在下に実施される場合、好ましくは、1つから3つまでの安定剤、特に好ましくは1つまたは2つの安定剤、殊に好ましくは1つの安定剤が使用される。
好適な安定剤の例は、N−オキシド(ニトロキシルラジカルまたはN−オキシルラジカル)、例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、セバシン酸ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、4,4’,4’’−トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル)ホスファイトまたは3−オキソ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−N−オキシル、場合によって1つまたは複数のアルキル基を有する一価または多価フェノール、例えばアルキルフェノール、例えばo−クレゾール、m−クレゾールまたはp−クレゾール(メチルフェノール)、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェノールまたは6−tert−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、キノン、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2−メチルヒドロキノンまたは2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、ヒドロキシフェノール、例えばピロカテコール(1,2−ジヒドロキシベンゼン)またはベンゾキノン、アミノフェノール、例えばp−アミノフェノール、ニトロソフェノール、例えばp−ニトロソフェノール、アルコキシフェノール、例えば2−メトキシフェノール(グアイアコール、ピロカテコールモノメチルエーテル)、2−エトキシフェノール、2−イソプロポキシフェノール、4−メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、モノ−tert−ブチル−4−メトキシフェノールまたはジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、トコフェロール、例えばα−トコフェロールならびに2,3−ジヒドロ−2,2−ジ−メチル−7−ヒドロキシベンゾフラン(2,2−ジメチル−7−ヒドロキシクマラン)、芳香族アミン、例えばN,N−ジフェニルアミンまたはN−ニトロソジフェニルアミン、フェニレンジアミン、例えばN,N’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン、ここで、アルキル基は、同じであるか、または異なっていてよく、それぞれ互いに独立して、1個から4個までの炭素原子からなり、直鎖状または分岐鎖状であってよく、例えばN,N’−ジメチル−p−フェニレンジアミンまたはN,N’−ジエチル−p−フェニレンジアミン、ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、イミン、例えばメチルエチルイミンまたはメチレンバイオレット、スルホンアミド、例えばN−メチル−4−トルエンスルホンアミドまたはN−tert−ブチル−4−トルエンスルホンアミド、オキシム、例えばアルドオキシム、ケトキシムまたはアミドキシム、例えばジエチルケトキシム、メチルエチルケトキシムまたはサリチルアルドオキシム、リン含有化合物、例えばトリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリエチル、次亜リン酸または亜リン酸のアルキルエステル、硫黄含有化合物、例えばジフェニルスルフィドまたはフェノチアジン、金属塩、例えば銅塩またはマンガン塩、セリウム塩、ニッケル塩、クロム塩、例えば塩化銅、硫酸銅、サリチル酸銅、トシル酸銅、アクリル酸銅もしくは酢酸銅、塩化マンガン、硫酸マンガン、サリチル酸マンガン、トシル酸マンガン、アクリル酸マンガンもしくは酢酸マンガン、塩化セリウム、硫酸セリウム、サリチル酸セリウム、トシル酸セリウム、アクリル酸セリウムもしくは酢酸セリウム、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、サリチル酸ニッケル、トシル酸ニッケル、アクリル酸ニッケルもしくは酢酸ニッケル、塩化クロム、硫酸クロム、サリチル酸クロム、トシル酸クロム、アクリル酸クロムもしくは酢酸クロム、例えば、酢酸銅、塩化銅(II)、サリチル酸銅、酢酸セリウム(III)またはエチルヘキサン酸セリウム(III)である。
好ましい安定剤は、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、セバシン酸ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−tert−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−メチル−4−tert−ブチルフェノール、次亜リン酸、酢酸銅、塩化銅(II)、サリチル酸銅および酢酸セリウム(III)からなる群から選択されるものである。
特に好ましい安定剤は、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−tert−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルおよび4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルからなる群から選択されるものである。
殊に好ましい安定剤は、ヒドロキノンモノメチルエーテルおよびフェノチアジンからなる群から選択されるものである。
とりわけ好ましい安定剤は、ヒドロキノンモノメチルエーテルである。
本発明による方法が、1つまたは複数の、好ましくは1つから3つまでの、特に好ましくは1つまたは2つの安定剤、殊に好ましくは1つの安定剤の存在下に実施される場合、それぞれの安定剤は、一般的に、使用される式(II)の化合物の量を基準として1ppmから10000ppmまで、好ましくは10ppmから5000ppmまで、特に好ましくは30ppmから2500ppmまで、殊に好ましくは50ppmから1500ppmまでの範囲の量で使用される。
本発明の特別な実施形態では、本発明による方法は、安定剤であるヒドロキノンモノメチルエーテルの存在下に実施され、安定剤のヒドロキノンモノメチルエーテルは、一般的に、使用される式(II)の化合物の量を基準として1ppmから10000ppmまで、好ましくは10ppmから5000ppmまで、特に好ましくは30ppmから2500ppmまで、殊に好ましくは50ppmから1500ppmまでの範囲の量で使用される。
1つまたは複数の安定剤の使用、とりわけヒドロキノンモノメチルエーテルを安定剤として使用することの利点は、使用される式(II)の化合物および製造された式(I)の化合物の重合が防止されることである。
場合によって、本発明による方法は、1つまたは複数の分子ふるいの存在下に実施される。
本発明による方法が、1つまたは複数の分子ふるいの存在下に実施される場合、好ましくは1つから3つまでの分子ふるい、特に好ましくは1つまたは2つの分子ふるい、殊に好ましくは1つの分子ふるいが使用される。
好適な分子ふるいの例は、3オングストロームから10オングストロームまで、好ましくは3オングストロームから7オングストロームまで、特に好ましくは4オングストロームから6オングストロームまでの範囲、殊に好ましくは5オングストロームの細孔径を有する分子ふるいである。
本発明による方法が、1つまたは複数の分子ふるい、好ましくは1つから3つまでの分子ふるい、特に好ましくは1つまたは2つの分子ふるい、殊に好ましくは1つの分子ふるいの存在下に実施される場合、それぞれの分子ふるいおよび式(III)の化合物は、一般的に、1:10から10:1まで、好ましくは1:1から5:1まで、特に好ましくは1.5:1から4:1まで、殊に好ましくは2:1から3:1までの質量比で使用される。
本発明の特別な実施形態では、本発明による方法は、5オングストロームの細孔径を有する分子ふるいの存在下に実施され、5オングストロームの細孔径を有する分子ふるいおよび式(III)の化合物は、一般的に、1:10から10:1まで、好ましくは1:1から5:1まで、特に好ましくは1.5:1から4:1まで、殊に好ましくは2:1から3:1までの質量比で使用される。
1つまたは複数の分子ふるいの使用、とりわけ5オングストロームの細孔径を有する分子ふるいを使用することの利点は、使用される式(III)の化合物から製造される式(I)の化合物への比較的高い転化率が達成されることである。場合によって使用される分子ふるい、とりわけ場合によって使用される5オングストロームの細孔径を有する分子ふるいは、遊離アルコール、例えば遊離メタノールを取り込み、そのようにして平衡から逸脱することができる。
本発明の殊に好ましい実施形態では、本発明による方法は、安定剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルの存在下に、および5オングストロームの細孔径を有する分子ふるいの存在下に実施される。
本発明の別の殊に好ましい実施形態では、本発明による方法は、安定剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルの存在下に、および5オングストロームの細孔径を有する分子ふるいの存在下に実施され、ここで、安定剤のヒドロキノンモノメチルエーテルは、一般的に、使用される式(II)の化合物の量を基準として1ppmから10000ppmまで、好ましくは10ppmから5000ppmまで、特に好ましくは30ppmから2500ppmまで、殊に好ましくは50ppmから1500ppmまでの範囲の量で使用され、かつここで、5オングストロームの細孔径を有する分子ふるいおよび式(III)の化合物は、一般的に、1:10から10:1まで、好ましくは1:1から5:1まで、特に好ましくは1.5:1から4:1まで、殊に好ましくは2:1から3:1までの質量比で使用される。
一般的に、本発明による方法は、0℃から100℃まで、好ましくは10℃から80℃まで、特に好ましくは20℃から60℃まで、殊に好ましくは30℃から50℃までの範囲の温度で実施される。
好ましくは、少なくとも1つの式(II)の化合物と式(III)の化合物とは、少なくとも1つの酵素の存在下に、および場合によって1つまたは複数の別の添加剤の存在下に、1時間から96時間まで、特に好ましくは12時間から72時間まで、殊に好ましくは24時間から60時間までの期間にわたって相互に反応する。
本発明の特に好ましい実施形態では、使用される少なくとも1つの式(II)の化合物は、溶媒として作用する。
本発明の殊に好ましい実施形態では、メチルアクリレートが溶媒として作用する。
本発明の別の殊に好ましい実施形態では、メチルメタクリレートが溶媒として作用する。
本発明の別の実施形態では、本発明による方法は、希釈剤の存在下に実施される。
好適な希釈剤の例は、C3〜C6−アルコール、好ましくはC4〜C6−アルコール、例えば第三級モノオール、特に好ましくはtert−ブタノール、tert−アミルアルコール、ピリジン、ポリ−C1〜C4−アルキレングリコールジ−C1〜C4−アルキルエーテル、好ましくはポリエチレングリコールジ−C1〜C4−アルキルエーテル、例えば1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル500、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、C1〜C4−炭酸アルキレン、とりわけ炭酸プロピレン、C3〜C6−アルキル酢酸エステル、とりわけtert−ブチル酢酸エステル、テトラヒドロフラン、トルエン、1,3−ジオキソラン、アセトン、イソブチルメチルケトン、エチルメチルケトン、1,4−ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、ヘキサン、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタンまたはアセトニトリルである。
これらの希釈剤の混合物を使用することもできる。
遊離アルコールを、使用される酵素の最適温度にできる限り近い温度で沸騰する二成分または三成分の異相共沸混合物によって分離することが有利であることがある。そのようにして分離されたアルコールは、その後、相分離または膜蒸気分離によって除去することができる。
任意に、有機希釈剤に、水性の希釈剤が添加されてよいため、(有機希釈剤に応じて)単相または多相の反応混合物が生じる。水性希釈剤の例は、水または水性の、希釈された(例えば10mMから100mMまでの)緩衝液、例えば約6から8までの範囲のpH値を有する緩衝液、例えばリン酸カリウム緩衝液またはTRIS−HCl−緩衝液である。
反応混合物は、一般的に、ほぼ無水である、すなわち、反応混合物は、一般的に10体積%未満、好ましくは5体積%未満、特に好ましくは1体積%未満、殊に好ましくは0.5体積%未満の水を含む。
好ましくは、反応物質は、前処理(例えば乾燥または水添加)なしに使用される。
希釈剤とは、本発明の範囲では、使用される少なくとも1つの式(II)の化合物および使用される式(III)の化合物を希釈する物質であると理解される。
本発明の好ましい実施形態では、本発明による方法は、希釈剤の非存在下に実施される。
好ましくは、本発明による方法は、酸素含有気体の存在下に、例えば空気または空気・酸素混合物の存在下に実施される。特に好ましくは、本発明による方法は、空気の存在下に実施される。
一般的に、本発明による方法は、0mbarから1023mbarまで、好ましくは500mbarから1018mbarまで、特に好ましくは800mbarから1013mbarまでの範囲の圧力で、殊に好ましくは1013mbarの圧力で実施される。
本発明の殊に好ましい実施形態では、本発明による方法は、大気圧で実施される。大気圧とは、本発明の範囲では、1003mbarから1023mbarまでの範囲の圧力、好ましくは1008mbarから1018mbarまでの範囲の圧力、特に好ましくは1013mbarの圧力であると理解される。
本発明の別の実施形態では、本発明による方法は、0mbarから1013mbarまで、好ましくは0mbarから500mbarまで、特に好ましくは0mbarから100mbarまで、殊に好ましくは0mbarから10mbarまでの範囲の圧力で実施される。
本発明の別の実施形態では、本発明による方法は、減圧下で実施される。減圧下とは、本発明の範囲では、0mbarから10mbarまでの範囲の圧力、好ましくは0mbarから5mbarまでの範囲の圧力、特に好ましくは0mbarから1mbarまでの範囲の圧力であると理解される。
反応は、連続的に、例えば管型反応器もしくは撹拌反応器カスケードで行われるか、または不連続的に行われてよい。
反応は、そのような反応に好適なあらゆる反応器で行うことができる。そのような反応器は、当業者に公知である。好ましくは、反応は、撹拌槽型反応器または固定床反応器で行われる。
混合のためには、任意の方法が使用されてよい。反応混合物は、例えば撹拌されてよい。特別な撹拌装置は、必要ではない。反応混合物は、例えば振とうされてよい。特別な振とう装置は、必要ではない。
希釈剤または希釈剤の混合物が使用される場合、使用される反応物質および場合によって使用される添加剤は、例えば希釈剤中に溶解、懸濁または乳化され、場合によって装入されてよく、反応の開始時に、ならびに場合によって反応の進行中に1回または複数回、酵素が加えられてよい。希釈剤が使用されない場合、使用される反応物質および場合によって使用される添加剤は、例えば装入されて、反応の開始時、ならびに反応の進行中に1回または複数回、酵素が加えられてよい。温度は、反応の開始時に所望の値に調節され、所望の場合、反応の進行中に高められるか、または下げられてよい。
反応が固定床反応器で実施される場合、固定床反応器は、好ましくは固定化された酵素が備えられており、ここで、反応混合物は、酵素が充填されたカラムを通って圧送される。反応を流動床で実施することも可能であり、ここで、酵素は、担体上に固定化して使用される。反応混合物は、連続的にカラムを通って圧送されてよく、ここで、流速によって、滞留時間およびしたがって所望の転化率が制御可能である。反応混合物を循環させてカラムを通して圧送させることも可能であり、ここで、遊離アルコールは、例えば真空下に、同時に留去させることができる。
遊離アルコールは、連続的に、または段階的に、自体公知の方法、例えば蒸留、真空、共沸除去、吸収、パーベーパレーションまたは膜による拡散によって除去することができる。
反応混合物の後処理は、当業者に公知の方法、例えばろ過(例えば、場合によって使用される分子ふるいの分離のために)および/または蒸留(例えば、場合によって過剰量で使用される式(II)の化合物、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートまたはエチルメタクリレートの除去のために)によって行われる。生成物は、部分的に粘性の油の形態で生じ、この油から、減圧下に、および適度に高められた温度で、揮発性含分が除去または精製される。生成物が固形物として得られる場合、精製は、再結晶化または温浸(Digerieren)によって行われてもよい。
反応の終了後、得られた反応混合物は、さらなる精製なしに再利用されるか、または場合によって別の工程で精製されてよい。一般に、さらなる精製工程では、使用された酵素、場合によって使用された希釈剤、および場合によって存在している過剰量の、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートまたはエチルメタクリレートのみが、得られた反応混合物から分離される。使用された酵素の分離は、一般に、ろ過、吸収、遠心分離またはデカンテーションによって行われる。分離された酵素は、次に、さらなる反応のために使用することができる。場合によって使用された希釈剤の分離は、一般に、蒸留、精留によって行われるか、または固形の反応生成物の場合、ろ過によって行われる。反応生成物のさらなる精製のために、クロマトグラフィーが実施されてもよい。
本発明の別の対象は、式(Ia)
[式中、Rは、C
1〜C
6−アルキルである]の化合物である。
本発明の好ましい実施形態では、式(Ia)のRは、C1〜C4−アルキルである。
本発明の特に好ましい実施形態では、式(Ia)のRは、CH3またはCH2CH3である。
本発明の殊に好ましい実施形態では、式(Ia)のRは、CH3である。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、例えば分散液および硬化性組成物におけるコモノマーとして好適である。
HMF構造は、例えばプラスチック上のコーティングの接着特性を改善するが、その他の材料、例えば木材またはセメント系上の接着特性も改善する。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、例えば、特に接着剤、塗料材料またはテキスタイル助剤、皮革助剤および紙助剤(Papierhilfsmittel)として使用される分散液の製造におけるモノマーまたはコモノマーとして用いられる。
さらに、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、さらにまた燃料油および潤滑剤のための添加剤として、とりわけ燃料油における低温流動性向上剤として使用されるポリマーにおけるコモノマーとして用いることができる。そのような使用は、例えば欧州特許出願公開第1923454(EP1923454A1)に開示されている。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、例えば、特に印刷用インクとして使用される分散液の製造におけるモノマーまたはコモノマーとしても用いられる。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、例えば、特に化粧品において、とりわけケア製品として、例えばスキンケア製品、ヘアケア製品またはネイルケア製品として使用される分散液の製造におけるモノマーまたはコモノマーとしても用いられる。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、例えば、特に自動車分野におけるコーティングのために、工業用コーティングのために、建物建築におけるコーティングのために、接着剤、例えば感圧接着剤として、紙コーティングのために、または印刷用インクとして使用される分散液の製造におけるモノマーまたはコモノマーとしても用いられる。
それゆえ、本発明の別の対象は、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物の、分散液の製造におけるモノマーまたはコモノマーとしての使用である。
製造された分散液は、以下
1つもしくは複数の式(I)の化合物、好ましくは1つもしくは複数の本発明により製造された式(I)の化合物、または1つもしくは複数の本発明による式(Ia)の化合物、
および/または
1つもしくは複数の式(I)の化合物、好ましくは1つもしくは複数の本発明により製造された式(I)の化合物、または1つもしくは複数の本発明による式(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたオリゴマー、
および/または
1つもしくは複数の式(I)の化合物、好ましくは1つもしくは複数の本発明により製造された式(I)の化合物、または1つもしくは複数の本発明による式(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたポリマー
を含んでいてよい。
本発明の1つの実施形態では、製造された分散液は、1つもしくは複数の式(I)の化合物、好ましくは1つもしくは複数の本発明により製造された式(I)の化合物、または1つもしくは複数の本発明による式(Ia)の化合物を含む。
本発明の別の実施形態では、製造された分散液は、1つもしくは複数の式(I)の化合物、好ましくは1つもしくは複数の本発明により製造された式(I)の化合物、または1つもしくは複数の本発明による式(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたオリゴマーを含む。そのようなオリゴマーは、本発明の範囲では、2から8までの繰り返し単位で構成されている。
本発明の別の実施形態では、製造された分散液は、1つもしくは複数の式(I)の化合物、好ましくは1つもしくは複数の本発明により製造された式(I)の化合物、または1つもしくは複数の本発明による式(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたポリマーを含む。そのようなポリマーは、本発明の範囲では、9以上、好ましくは50以上、特に好ましくは100以上、殊に好ましくは1000以上の繰り返し単位で構成されている。
本発明の好ましい実施形態では、製造された分散液は、わずかなモノマー含分を有しており、このことは、本発明の範囲では、製造された分散液が、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物を、(製造された分散液中に含まれる式(I)または(Ia)の化合物、式(I)または(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたオリゴマー、および式(I)または(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたポリマーの合計を基準として)0質量%から5質量%まで、好ましくは0質量%から2質量%まで、特に好ましくは0質量%から1質量%まで、殊に好ましくは0質量%から0.1質量%まで含むことを意味する。
本発明の別の好ましい実施形態では、製造された分散液は、わずかなオリゴマー含分を有しており、このことは、本発明の範囲では、製造された分散液が、1つもしくは複数の式(I)の化合物、好ましくは1つもしくは複数の本発明により製造された式(I)の化合物、または1つもしくは複数の本発明による式(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたオリゴマーを、(製造された分散液中に含まれる式(I)または(Ia)の化合物、式(I)または(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたオリゴマー、および式(I)または(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたポリマーの合計を基準として)0質量%から5質量%まで、好ましくは0質量%から2質量%まで、特に好ましくは0質量%から1質量%まで、殊に好ましくは0質量%から0.1質量%まで含むことを意味する。
本発明の特に好ましい実施形態では、製造された分散液は、高いポリマー含分を有しており、このことは、製造された分散液が、1つもしくは複数の式(I)の化合物、好ましくは1つもしくは複数の本発明により製造された式(I)の化合物、または1つもしくは複数の本発明による式(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたポリマーを、(製造された分散液中に含まれる式(I)もしくは(Ia)の化合物、式(I)もしくは(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたオリゴマー、および式(I)もしくは(Ia)の化合物をモノマーまたはコモノマーとして使用して製造されたポリマーの合計を基準として)90質量%から100質量%まで、好ましくは96質量%から100質量%まで、特に好ましくは98質量%から100質量%まで、殊に好ましくは99.8質量%から100質量%まで含むことを意味する。
本発明の殊に好ましい実施形態では、製造された分散液は、わずかなモノマー含分、わずかなオリゴマー含分、および高いポリマー含分を有している。「わずかなモノマー含分」「わずかなオリゴマー含分」および「高いポリマー含分」という用語は、上に定義されている。
本発明の1つの実施形態では、製造された分散液は、接着剤、塗料材料、テキスタイル助剤、皮革助剤もしくは紙助剤として、または燃料油および潤滑剤のための添加剤として使用される。
それゆえ、本発明の別の対象は、製造された分散液の使用であり、ここで、分散液は、接着剤、塗料材料、テキスタイル助剤、皮革助剤もしくは紙助剤として使用されるか、または燃料油および潤滑剤のための添加剤として使用される。
本発明の1つの実施形態では、製造された分散液は、固体または液体の印刷用インクとして使用される。
それゆえ、本発明の別の対象は、製造された分散液の使用であり、ここで、分散液は、固体もしくは液体の印刷用インクとして使用される。
本発明の1つの実施形態では、製造された分散液は、化粧品において、とりわけケア製品として、例えばスキンケア製品、ヘアケア製品またはネイルケア製品として使用される。
それゆえ、本発明の別の対象は、製造された分散液の使用であり、ここで、分散液は、化粧品において、とりわけケア製品として、例えばスキンケア製品、ヘアケア製品またはネイルケア製品として使用される。
本発明の1つの実施形態では、製造された分散液は、自動車分野におけるコーティングのために、工業用コーティングのために、建物建築におけるコーティングのために、接着剤、例えば感圧接着剤として、紙コーティングのために、または固体もしくは液体の印刷用インクとして使用される。
それゆえ、本発明の別の対象は、製造された分散液の使用であり、ここで、分散液は、自動車分野におけるコーティングのために、工業用コーティングのために、建物建築におけるコーティングのために、接着剤、例えば感圧接着剤として、紙コーティングのために、または固体もしくは液体の印刷用インクとして使用される。
本発明の1つの実施形態では、製造された分散液は、コーティング、とりわけ自動車分野におけるコーティング、工業用コーティングまたは建物建築におけるコーティングのために、接着剤として、固体もしくは液体の印刷用インクとして、または化粧品において使用される。
それゆえ、本発明の別の対象は、製造された分散液の使用であり、ここで、分散液は、コーティング、とりわけ自動車分野におけるコーティング、工業用コーティングまたは建物建築におけるコーティングのために、接着剤として、固体もしくは液体の印刷用インクとして、または化粧品において使用される。
製造された分散液は、例えば屋内領域または屋外領域におけるコーティング、例えば壁、床もしくは天井のコーティングのために使用することもでき、とりわけ壁塗料、床用塗料もしくは天井用塗料として使用することもできる。
製造された分散液は、例えば屋内領域または屋外領域における組積造のコーティングのために使用することもできる。
製造された分散液は、例えば路面標示のために使用することもできる。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物の利点は、それらの化合物が、その色数が低いために、塗料用途において、およびそこで、とりわけクリアコートとして有利に使用することができることである、それというのは、それらの化合物は、その固有着色がわずかであることによって、慣用の方法によって製造された(メタ)アクリレートと比べて、コーティングの着色の低下をもたらすからである。
さらに、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物を用いるコーティングは、きわめて高い耐引っかき性、硬度、耐化学薬品性、弾性および接着性を、親水性基材上でも疎水性基材上でも有することができる。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、ポリ(メタ)アクリレートにおけるモノマーもしくはコモノマーとして、または熱硬化性、放射線硬化性および/もしくはデュアルキュア硬化性のポリ(メタ)アクリレートにおける反応性希釈剤として有利に使用することができる。そのようなポリ(メタ)アクリレートは、例えば熱硬化性、放射線硬化性またはデュアルキュア硬化性のコーティング剤における、ならびに接着剤における、例えばアクリレート接着剤、ならびにシーリング材における結合剤として好適である。
本発明の別の対象は、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物の、放射線硬化性またはデュアルキュア硬化性のコーティング材料における、好ましくはトップコートにおける、特に好ましくは透明なクリアコートにおける、反応性希釈剤または結合剤としての使用である。当然、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、重合におけるモノマーとして、場合によってその他の重合性モノマー、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルまたはN−ビニルホルムアミドとともに使用することもできる。
「デュアルキュア」とは、コーティング材料が、熱によって、および化学線によって硬化可能であることと理解される。本発明の範囲では、化学線とは、電磁放射線、例えば可視光、UV線またはX線、とりわけUV線、および粒子放射線、例えば電子線であることと理解される。
放射線硬化性結合剤は、上に定義された化学線によって、とりわけUV線によって硬化可能なものである。
本発明の別の対象は、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物を含む塗料配合物である。ここで、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、ベースコートでもトップコートでも使用することができる。それらの化合物の特別な特性のため、とりわけその色数が低いため、トップコートおよび放射線硬化性のクリアコートにおいてそれらを使用することが好ましい。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物の他に、本発明による放射線硬化性材料は、さらに以下の成分を含んでいてよい:
(G)複数の共重合可能なエチレン性不飽和基を有する少なくとも1つの重合性化合物、
(H)場合によって、反応性希釈剤、
(P)場合によって、光開始剤、ならびに
(J)場合によって、別の一般的な塗料添加剤。
化合物(G)としては、複数の、すなわち、少なくとも2つの、共重合可能な、エチレン性不飽和基を有する放射線硬化性のラジカル重合性化合物が考慮される。
反応性希釈剤(化合物(H))としては、エチレン性不飽和の、共重合可能な基1つのみを有する、放射線硬化性の、ラジカルまたはカチオン重合性化合物が考慮される。
光開始剤(P)としては、例えば「Advances in Polymer Science」、Volume 14、Springer Berlin 1974またはK.K.Dietliker、Chemistry and Technology of UV− and EB−Formulation for Coatings, Inks and Paints、Volume 3;Photoinitiators for Free Radical and Cationic Polymerization、P. K. T. Oldring (Eds)、SITA Technology Ltd、Londonに記載の、当業者に公知の光開始剤を使用することができる。
別の一般的な塗料添加剤(J)としては、例えば酸化防止剤、酸化抑制剤、安定剤、活性剤(促進剤)、充填剤、顔料、染料、脱気剤、光沢剤、静電気防止剤、防火剤、増粘剤、チキソトロピー剤、レベリング助剤、結合剤、泡消し剤、香料、表面活性剤、粘土改質剤、可塑剤、可塑化剤、接着性付与樹脂(接着性付与剤)、キレート剤または相溶剤(相溶化剤)を使用することができる。
前述の化合物クラス(G)、(H)、(P)および(J)の例は、国際公開第2006/005491号(WO2006/005491)および独国特許出願公開第102005037430号明細書(DE102005037430)に開示されている。2つの文献をこの箇所で明確に参照する。
放射線硬化性材料の一般的な組成は、例えば、以下
(I)または(Ia) 20質量%から100質量%まで、好ましくは40質量%から90質量%まで、特に好ましくは50質量%から90質量%まで、とりわけ60質量%から80質量%まで、
(G) 0質量%から60質量%まで、好ましくは5質量%から50質量%まで、特に好ましくは10質量%から40質量%まで、とりわけ10質量%から30質量%まで、
(H) 0質量%から50質量%まで、好ましくは5質量%から40質量%まで、特に好ましくは6質量%から30質量%まで、とりわけ10質量%から30質量%まで、
(P) 0質量%から20質量%まで、好ましくは0.5質量%から15質量%まで、特に好ましくは1質量%から10質量%まで、とりわけ2質量%から5質量%まで、ならびに
(J) 0質量%から50質量%まで、好ましくは2質量%から40質量%まで、特に好ましくは3質量%から30質量%まで、とりわけ5質量%から20質量%まで
であるが、ただし、(I)または(Ia)、(G)、(H)、(P)および(J)は、合計して100質量%である。
基材のコーティングは、通常の、当業者に公知の方法によって行われ、ここで、少なくとも1つのコーティング材料が、被覆される基材上に所望の厚さで塗布され、コーティング材料の場合によって含まれている揮発性成分は、場合によって加熱下に除去される。この工程は、所望の場合、1回または複数回繰り返すことができる。基材への塗布は、公知の方法で、例えば噴霧法、ヘラ塗り法、ナイフコーティング法、刷毛塗り法、ロール法、ローラー法、流し込み法、積層法、インサート成形法または共押出法によって行うことができる。コーティング厚さは、一般に、約3g/m2から1000g/m2まで、好ましくは10g/m2から200g/m2までの範囲にある。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、その着色がわずかであるため、熱誘起(ラジカル)(共)重合においても有利に使用することができる。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物と、例えば共重合することができるモノマーとしては、例えばC1〜C20−アルキル(メタ)アクリレート、20個までの炭素原子を有するビニル芳香族化合物、20個までの炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステル、エチレン性不飽和ニトリル、1個から10個までの炭素原子を含むアルコールのビニルエーテル、および2個から8個までの炭素原子および1つまたは2つの二重結合を有する脂肪族炭化水素が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、C1〜C10−アルキル基を有するもの、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよび分岐鎖状のアルキル誘導体、例えば2−エチル−ヘキシルアクリレートが好ましい。
とりわけ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も好適である。
1個から20個までの炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えば、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酢酸ビニルである。
ビニル芳香族化合物としては、例えばビニルトルエン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン、好ましくはスチレンが考慮される。
ニトリルの例は、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。
好適なビニルエーテルは、例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルヘキシルエーテルおよびビニルオクチルエーテルである。
2個から8個までの炭素原子および1つまたは2つのオレフィン二重結合を有する非芳香族炭化水素としては、ブタジエン、イソプレン、ならびにエチレン、プロピレンおよびイソブチレンが挙げられる。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物と、例えば共重合することができるモノマーとしては、ビニルモノマー、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、スチレン、置換スチレン、ジビニルベンゼン、複素環式ビニル化合物またはビニルハロゲン化物、ビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルまたはラウリン酸ビニル、ビニルエーテル、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテルまたはビニル−2−クロロエチルエーテル、C1〜C24−アルコールを有する(メタ)アクリルエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレートまたはイソプロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、tert−アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エーテルアルコールの(メタ)アクリルエステル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ならびにC1〜C6−ジオールのジ(メタ)アクリレート、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリル酸もしくはその他の、ビニル性不飽和カルボン酸、カルボン酸アミドまたはカルボン酸ニトリルが挙げられる。
そのような(共)重合体を製造するための、よくあるが、唯一の方法ではない方法は、溶媒または希釈剤におけるラジカル(共)重合またはイオン(共)重合である。
そのようなモノマーのラジカル(共)重合は、例えば、重合条件下にラジカルに分解する重合開始剤、例えばペルオキソ二硫酸塩、H2O2−レドックス系またはヒドロペルオキシド、例えばtert−ブチルヒドロペルオキシドまたはクモルヒドロペルオキシドの存在下に水溶液中で行われる。(共)重合は、幅広い温度範囲で、場合によって減圧下または高められた圧力下でも、一般に、100℃までの温度で実施することができる。反応混合物のpH値は、通常、4から10までの範囲の値に調節される。
しかし、(共)重合は、当業者に自体公知のその他の方法で、例えば溶液重合、沈殿重合、油中水滴型乳化重合、逆乳化重合、懸濁重合または逆懸濁重合として、連続的または不連続的に実施することもできる。
ここで、1つ以上のモノマーは、ラジカル重合開始剤、例えばラジカルに分解するアゾ化合物、例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)−ヒドロクロリドまたは4,4’−アゾビス(4’−シアノペンタン酸)、またはジアルキルペルオキシド、例えばジ−tert−アミルペルオキシド、アリールアルキルペルオキシド、例えばtert−ブチルクミルペルオキシド、アルキルアシルペルオキシド、例えばtert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ペルオキシジカーボネート、例えばジ−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートまたはヒドロペルオキシドを使用して(共)重合される。
好適な重合開始剤の別の例は、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ化合物またはいわゆるレドックス開始剤である。
好適な重合開始剤の別の例は、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert−アミルペルピバレート、tert−ブチルペルピバレート、tert−ブチルペルネオヘキサノエート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチル−ペル−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルイソノナノエート、tert−ブチルペルマレエート、tert−ブチルペルベンゾエート、ジ−(2−エチルヘキシル)−ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジミリスチルペルオキシジカーボネート、ジアセチルペルオキシジカーボネート、アリルペルエステル、クミルペルオキシネオデカノエート、tert−ブチルペル−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシドまたはtert−アミルペルネオデカノエートである。
好ましい重合開始剤の例は、アゾ化合物、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)および2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ−メチルバレロニトリル)である。
前述の化合物は、たいてい、水溶液または水性エマルションの形態で使用され、ここで、下限濃度は、(共)重合で代替可能な水量によって決められ、上限濃度は、当該化合物の水への溶解度によって決められている。
溶媒または希釈剤としては、例えば水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノール、n−ブタノールまたはイソブタノール、またはケトン、例えばアセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトンまたはイソブチルメチルケトンを用いることができる。特に好ましくは、非極性溶媒、例えばキシレンおよびその異性体混合物、Shellsol(登録商標)Aおよびソルベントナフサである。
好ましい実施形態では、モノマーは予備混合され、開始剤には、場合によって溶媒に溶解された別の添加物が添加される。特に好ましい実施形態は、国際公開第2001/23484号(WO2001/23484)、そこで特に10ページ3行目から24行目までに記載されている。
場合によって、(共)重合は、重合調節剤、例えばヒドロキシルアンモニウム塩、塩素化炭化水素およびチオ化合物、例えばtert−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸エチルアクリルエステル、メルカプトエタノール、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンまたはアルカリ金属次亜リン酸塩の存在下に実施することができる。(共)重合では、これらの調節剤は、例えば(共)重合されるモノマーの100重量部を基準として0重量部から0.8重量部までの量で使用することができ、これらによって、生じる(コ)ポリマーのモル質量が低下する。
乳化重合では、分散剤、イオン性乳化剤および/または非イオン性乳化剤および/または保護コロイドもしくは安定剤を、界面活性化合物として使用することができる。そのようなものとしては、乳化重合の実施のために通常使用される保護コロイドも乳化剤も考慮される。
好適な保護コロイドは、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体またはビニルピロリドンを含む共重合体である。別の好適な保護コロイドの詳細な説明は、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、Band XIV/1、makromolekulare Stoffe、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgart、1969、411〜420ページに記載されている。当然、乳化剤および/または保護コロイドの混合物を使用することもできる。好ましくは、分散剤としては、相対分子量が保護コロイドと異なり、通常1,000未満である乳化剤のみが使用される。それらは、アニオン性、カチオン性の性質であってもよく、非イオン性の性質であってもよい。当然、界面活性物質の混合物を使用する場合、個々の成分は、相互に相溶性がなければならず、このことは、疑わしい場合には、いくつかの予備試験によって検査することができる。一般的に、アニオン性乳化剤は、相互に相溶性があり、かつ非イオン性乳化剤と相溶性がある。
同じことがカチオン性乳化剤にも当てはまる一方、アニオン性乳化剤とカチオン性乳化剤は、多くの場合、相互に相溶性がない。慣用の乳化剤は、例えばエトキシ化モノアルキルフェノール、エトキシ化ジアルキルフェノールおよびエトキシ化トリアルキルフェノール(EO度:3〜100、アルキル基:C4〜C12)、エトキシ化脂肪アルコール(EO度:3〜100、アルキル基:C8〜C18)、ならびに硫酸アルキルのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩(アルキル基:C8〜C16)、エトキシ化アルキルフェノールの硫酸半エステルのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩(EO度:3〜100、アルキル基:C4〜C12)、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩(アルキル基:C12〜C18)、およびアルキルアクリルスルホン酸のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩(アルキル基:C9〜C18)である。別の好適な乳化剤、例えばスルホコハク酸エステルは、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、Band XIV/1、Makromolekulare Stoffe、Georg−Thieme Verlag、Stuttgart、1961、192〜208ページに記載されている。
一般に、使用される分散剤の量は、ラジカル重合されるモノマーを基準として0.5質量%から6質量%まで、好ましくは1質量%から3質量%までである。
(メタ)アクリレートを含む分散液の例は、接着剤として用いられるn−ブチルアクリレート/アクリロニトリル分散液、ならびにn−ブチルアクリレート/ブタジエン/スチレン分散液である。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物が使用される重合分散液は、さらに化学的および/または物理的に脱臭することができる。
化学的脱臭は、例えばP.H.H.Araujo、C.Sayer、J.G.R.Poco、R.Giudici、Polymer Engineering and Science、2002(42)、1442〜1468に記載の通り、および欧州特許第1375530号明細書(EP1375530B1)に開示の通りに実施することができる。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物によって得られる共重合体は、一般に、低い色数を有しており、このことは、塗料分野においては有利である。前述の共重合体は、その場合、例えば欧州特許出願公開第0738740号明細書(EP0738740)または欧州特許出願公開第0675141号明細書(EP0675141)に記載の通り、自体公知の方法で、例えばアミノプラスト、例えばメラミンと反応して、架橋された塗料樹脂にすることができる。
特に好ましくは、コーティング材料は、屋外コーティング、つまり、日光に曝されている用途、好ましくは建物もしくは建物部分の屋外コーティング、屋内コーティング、路面標示、車両および航空機のコーティングとして、またはそれらにおいて好適である。とりわけ、コーティングは、木材コーティング、紙コーティングまたはプラスチックコーティングとして、例えば寄木張りの床または家具のために使用することもできる。
本発明の別の対象は、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物の、電気めっき技術における光沢添加剤のための中間生成物としての使用である。その色数が慣用的に得られる生成物と比べて低下していることが、それらの化合物をこの用途にきわめて適したものにする。
本発明の別の対象は、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物の、ポリ(メタ)アクリレートにおけるモノマーもしくはコモノマーとしての、または熱硬化性、放射線硬化性および/もしくはデュアルキュア硬化性のポリ(メタ)アクリレートにおける、とりわけデュアルキュア硬化性のコーティング材料における反応性希釈剤としての、または電気めっき技術における光沢添加剤の中間生成物としての使用である。
本発明の別の対象は、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物の、熱硬化性、放射線硬化性および/またはデュアルキュア硬化性のポリ(メタ)アクリレート、とりわけデュアルキュア硬化性のポリ(メタ)アクリレートにおける反応性希釈剤としての使用である。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、後架橋性の系におけるコモノマーとしても好適である。
後架橋可能な系は、例えばIranian Polymer Journal 2008、17(7)、555〜564およびProgress in Polymer Science 2011、36、191〜217に記載されている。
本発明の別の対象は、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物の、架橋性コポリマーを製造するための使用である。
例えば、式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、架橋活性コモノマーと組み合わせて、自己架橋性樹脂における使用に好適である。自己架橋性樹脂における使用に好適な架橋活性コモノマーは、官能性側基が本発明によるアルデヒド基を含むモノマーと反応しうるコモノマー、例えばアミン、ヒドラジンまたはオキシムブロックイソシアネートである。そのようなコモノマーは、例えば欧州特許出願公開第2246403号明細書(EP2246403)または独国特許出願公開第4237030号明細書(DE4237030)に記載されている。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物は、架橋官能基が、ポリマー成分それ自身に導入されているのではなく、別個の架橋剤が添加される樹脂における使用にも好適である。一般的に、ここで、例えばアミン、ジアミン、トリアミン、ヒドロキシルアミン、オキシム、オキシムエーテル、オキシアミン、ジヒドラジン、ジヒドラジド、トリヒドラジドまたはポリヒドラジドが使用される。別の好適な架橋剤は、例えば国際公開第2006/086322(WO2006/086322)に記載されている。
式(I)の化合物、好ましくは本発明により製造された式(I)の化合物、または本発明による式(Ia)の化合物のコポリマーにおける使用量は、一般的に、0.2質量%から35質量%まで、好ましくは0.5質量%から20質量%まで、特に好ましくは1質量%から10質量%までである。それぞれの架橋活性コモノマーの使用量は、それに基づいてモルで調整することができる。このことは、別個の架橋剤の使用量にも当てはまる。
架橋性系は、例えば、多孔性および非多孔性の基材、例えば紙、不織布材料、テキスタイル、皮革、木材、コンクリート、組積造、下地ありまたは下地なしの金属、プラスチック(例えばポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン)、建築材料、ポリマー製物品、保護装備のためのコーティング、接着剤および膜の製造に用いられる。
架橋性系は、例えば、繊維材料、膜、プレート、複合材、インキ、印刷用結合剤(Druckbinder)、フロック材料(Flockstoffen)、接着剤、ケア製品、例えばスキンケア製品、ヘアケア製品またはネイルケア製品の製造にも用いられる。
架橋性系は、例えば、屋内または屋外の使用のための耐引っかき性保護層、例えば車両、電気機器または板張りの床のためのプラスチックコーティングの製造にも用いられる。
架橋性系は、例えば、カーペット、または衣類、布張り家具、テント、日よけテントなどのために使用することができるテキスタイルのコーティングまたは含浸にも用いられる。好適なテキスタイルは、織られたものか、もしくは織られていないものか、または編まれたものであるかどうか、および天然のものか、合成または再生されたものであるかどうかに関わらず、生地、糸または混合テキスタイルを含む。好適なテキスタイルの例は、セルロースアセテート、アクリル、ウール、木綿、黄麻、麻、ポリエステル、ポリアミド、再生セルロース(レイヨン)などを含む。
本発明を以下の例によって詳述する。
例
合成例で使用した5−(ヒドロキシメチル)−フルフラール(HMF)は、Aldrich(CAS番号67−47−0)の市販品を入手した。
合成例で使用したメチルアクリレートならびにメチルメタクリレートは、BASFのものを入手した。
合成例で使用した酵素BASF Novozym(登録商標)435は、BASFのものを入手した。
合成例で使用したHMF−アクリレートという用語は、以下に図示される化合物を表す。
合成例で使用したHMF−メタクリレートという用語は、以下に図示される化合物を表す。
合成例で使用したMEHQという用語は、「ヒドロキノンのモノメチルエーテル」もしくはヒドロキノンモノメチルエーテルを表す。その同義語は、パラ−メトキシフェノール(PMP)である。
ガスクロマトグラフィー:
ガスクロマトグラフィーによる反応の進捗の観察は、以下の方法によって行った:
測定器:Agilent 6890N
カラム:RTX−200−MS長さ=30m、φ内=0.32mm、φ外=0.45mm、膜厚0.5μm;Restec社注文番号:15639
流量:5.7PSIで1.0mL/min(炉温度80℃で測定)
スプリット:1:50、スプリット流量:50mL/min、セプタムパージ 3.0mL/min(炉温度80℃で測定)
キャリアガス:窒素
インジェクター:siltecで不活性処理されたライナーを用いるスプリット/スプリットレス(Restec社 番号20782−213.5)
インジェクター温度:280℃
注入量:1μL
検出器:300mL/minの空気、30mL/Lの水素および30mL/minの付加ガス(窒素)を用いるFID
検出器温度:320℃
温度プログラム:
開始:60℃
滞留時間1:5分
温度勾配1:15℃/min
最終温度1:310℃
滞留時間2:10分
全実行時間:31.7分
測定および結果:溶媒およびアクリレートを含まない、面積による希釈された試料%
評価:Empower−3−Software Service Release 1(Waters社)。
例1:
25mLのSchottフラスコ内で、HMF(1g、0.0079モル)をメチルアクリレート(6.83g、0.079モル)に溶解した。このバッチに、分子ふるい(2.5g、5オングストローム)ならびにスパチュラ先端量のMEHQを添加した。バッチに、酵素BASF Novozym(登録商標)435(0.075g、7.5質量%)を加えて、40℃の反応温度にて水浴内で振とうさせた。反応の進捗をガスクロマトグラフィーによって観察した:
48時間後、76.6%の転化率(HMFからHMF−アクリレートへの)を検出した。反応は、副生成物の形成なしに、ならびに反応バッチの着色なしに、きわめて選択的に進行した。分子ふるいをろ過によって分離した後、バッチは、減圧下問題なく濃縮することができた(揮発性のメチルアクリレートの除去)。反応残留物は、無色で得られた。
生成物の識別は、GC−MS(質量理論:180.6(C9H8O4);質量測定:180)ならびに1H−NMRによって検証した。
例2:
25mLのSchottフラスコ内で、HMF(1g、0.0079モル)をメチルメタクリレート(7.9g、0.079モル)に溶解した。このバッチに、分子ふるい(2.5g、5オングストローム)ならびにスパチュラ先端量のMEHQを添加した。バッチに、酵素BASF Novozym(登録商標)435(0.075g、7.5質量%)を加えて、40℃の反応温度にて水浴内で振とうさせた。反応の進捗をガスクロマトグラフィーによって観察した。48時間後、6%の転化率(HMFからHMF−メタクリレートへの)を検出した。