キナーゼ
キナーゼは、リン酸ドナー(通常はアデノシン−5’−三リン酸(ATP))から受容体基質へのホスホリル転移反応を触媒する遍在的酵素群である。全てのキナーゼは、本質的に同じホスホリル転移反応を触媒するが、それらは、その基質特異性、構造、およびそれらが参加する経路において著しい多様性を示す。全ての利用可能なキナーゼ配列(およそ60,000配列)の近年の分類は、キナーゼが、相同的な(共通の祖先に由来することを意味する)タンパク質の25のファミリーに群分けし得ることを示している。これらのキナーゼファミリーは、構造的折り畳みの類似性に基づいて12の折り畳み群に分類される。さらに、25ファミリーのうち22(全配列のおよそ98.8%)が、構造的折り畳みが既知である10の折り畳み群に属している。他の3つのファミリーのうち、ポリリン酸キナーゼは別個の折り畳み群を形成し、残り2つのファミリーは両方とも膜内在キナーゼであり、最後の折り畳み群を含む。これらの折り畳み群は、最も広範囲に認められるタンパク質折り畳みの幾つか、例えばロスマン様折畳み(トポロジー順序β−α−β−α−βで2つのαヘリックスによって連結される3つ以上のパラレルβ鎖)、フェレドキシン様折畳み(シグネイチャーβαββαβ二次構造をその骨格に沿って有する一般的なα+βタンパク質)、TIMバレル折り畳み(ペプチド骨格に沿って交互に入れ替わる8つのαヘリックスおよび8つのパラレルβ鎖からなる保存されたタンパク質折り畳みを意味する)、およびアンチパラレルβバレル折り畳み(ベータバレルは、ツイストおよびコイルにより閉鎖構造を形成する大きなベータシートであり、第一の鎖が最後の鎖と水素結合する)を含むだけでなく、タンパク質構造の全ての主要なクラス(全てα、全てβ、α+β、α/β)を含む。折り畳み群の中で、各ファミリーのヌクレオチド結合ドメインのコアは同じ構造様式を有し、タンパク質コアのトポロジーは同一であるか、または環の並べ替えによって関連している。折り畳み群内のファミリー間の相同性は意味しない。
グループI(23,124配列)キナーゼは、タンパク質S/T−Yキナーゼ、非典型プロテインキナーゼ、脂質キナーゼ、およびATPグラスプ酵素を含み、タンパク質S/T−Yキナーゼ、および非典型プロテインキナーゼファミリーをさらに含む(22.074配列)。これらのキナーゼとしては、コリンキナーゼ(EC2.7.1.32);プロテインキナーゼ(EC2.7.1.37);ホスホリラーゼキナーゼ(EC2.7.1.38);ホモセリンキナーゼ(EC2.7.1.39);I−ホスファチジルイノシトール4−キナーゼ(EC2.7.1.67);ストレプトマイシン6−キナーゼ(EC2.7.1.72);エタノールアミンキナーゼ(EC2.7.1.82);ストレプトマイシン3’−キナーゼ(EC2.7.1.87);カナマイシンキナーゼ(EC2.7.1.95);5−メチルチオリボースキナーゼ(EC2.7.1.100);ビオマイシンキナーゼ(EC2.7.1.103);[ヒドロキシメチルグルタリル−CoAレダクターゼ(NADPH2)]キナーゼ(EC2.7.1.109);タンパク質チロシンキナーゼ(EC2.7.1.112);[イソサイトレートデヒドロゲナーゼ(NADPH+)]キナーゼ(EC2.7.1.116);[ミオシン軽鎖]キナーゼ(EC2.7.1.117);ヒグロマイシン−Bキナーゼ(EC2.7.1.119);カルシウム/カルモジュリン依存プロテインキナーゼ(EC2.7.1.123);ロドプシンキナーゼ(EC2.7.1.125);[ベータ−アドレナリン作動性受容体]キナーゼ(EC2.7.1.126);[ミオシン重鎖]キナーゼ(EC2.7.1.129);[タウタンパク質]キナーゼ(EC2.7.1.135);マクロライド2’−キナーゼ(EC2.7.1.136);I−ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(EC2.7.1.137);[RNA−ポリメラーゼ]−サブユニットキナーゼ(EC2.7.1.141);ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート3−キナーゼ(EC2.7.1.153);およびホスファチジルイノシトール−4−ホスフェート3−キナーゼ(EC2.7.1.154)が挙げられる。グループIは、脂質キナーゼファミリー(321配列)をさらに含む。これらのキナーゼとしては、I−ホスファチジルイノシトール−4−ホスフェート5−キナーゼ(EC2.7.1.68);ID−ミオ−イノシトール−トリホスフェート3−キナーゼ(EC2.7.1.127);イノシトール−テトラキスホスフェート5−キナーゼ(EC2.7.1.140);I−ホスファチジルイノシトール−5−ホスフェート4−キナーゼ(EC2.7.1.149);I−ホスファチジルイノシトール−3−ホスフェート5−キナーゼ(EC2.7.1.150);イノシトール−ポリホスフェートマルチキナーゼ(EC2.7.1.151);およびイノシトール−ヘキサキホスフェートキナーゼ(EC2.7.1.421)が挙げられる。グループIは、ATP−グラスプキナーゼ(729配列)をさらに含み、このキナーゼとしてはイノシトール−テトラキホスフェートI−キナーゼ(EC2.7.1.134);ピルベート、ホスフェート二キナーゼ(EC2.7.9.1);およびピルベート、水ジキナーゼ(EC2.7.9.2)が挙げられる。
グループII(17,071配列)キナーゼは、ロスマン様キナーゼを含む。グループIIは、P−ループキナーゼファミリー(7,732配列)を含む。これらには、グルコノキナーゼ(EC2.7.1.12);ホスホリブロキナーゼ(EC2.7.1.19);チミジンキナーゼ(EC2.7.1.21);リボシルニコチンアミドキナーゼ(EC2.7.1.22);デホスホ−CoAキナーゼ(EC2.7.1.24);アデニリルスルフェートキナーゼ(EC2.7.1.25);パントテン酸キナーゼ(EC2.7.1.33);プロテインキナーゼ(細菌性)(EC2.7.1.37);ウリジンキナーゼ(EC2.7.1.48);シキメートキナーゼ(EC2.7.1.71);デオキシシチジンキナーゼ(EC2.7.1.74);デオキシアデノシンキナーゼ(EC2.7.1.76);ポリヌクレオチド5’−ヒドロキシル−キナーゼ(EC2.7.1.78);6−ホスフォフルクト−2−キナーゼ(EC2.7.1.105);デオキシグアノシンキナーゼ(EC2.7.1.113);テトラアシルジサッカリド4’−キナーゼ(EC2.7.1.130);デオキシヌクレオシドキナーゼ(EC2.7.1.145);アデノシルコビンアミドキナーゼ(EC2.7.1.156);ポリホスフェートキナーゼ(EC2.7.4.1);ホスホメバロネートキナーゼ(EC2.7.4.2):アデニレートキナーゼ(EC2.7.4.3);ヌクレオシド−ホスフェートキナーゼ(EC2.7.4.4);グアニレートキナーゼ(EC2.7.4.8);チミジレートキナーゼ(EC2.7.4.9);ヌクレオシド−トリホスフェート−アデニレートキナーゼ(EC2.7.4.10);(デオキシ)ヌクレオシド−ホスフェートキナーゼ(EC2.7.4.13);シチジレートキナーゼ(EC2.7.4.14);およびウリジレートキナーゼ(EC2.7.4.22)が挙げられる。グループIIは、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼファミリー(815配列)をさらに含む。これらの酵素には、プロテインキナーゼ(HPrキナーゼ/ホスファターゼ)(EC2.7.1.37);ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(GTP)(EC.4.1.1.32);およびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(ATP)(EC4.1.1.49)が挙げられる。グループIIは、ホスホグリセレートキナーゼ(1,351配列)ファミリーをさらに含む。これらの酵素は、ホスホグリセレートキナーゼ(EC2.7.2.3)およびホスホグリセレートキナーゼ(GTP)(EC2.7.2.10)を含む。グループIIは、アスパルトキナーゼファミリー(2,171配列)をさらに含む。これらの酵素には、カルバメートキナーゼ(EC2.7.2.2);アスパルテートキナーゼ(EC2.7.2.4);アセチルグルタメートキナーゼ(EC2.7.2.81);グルタメート5−キナーゼ(EC2.7.2.1)およびウリジレートキナーゼ(EC2.7.4)が挙げられる。グループIIは、ホスホフルクトキナーゼ様キナーゼファミリー(1,998配列)をさらに含む。これらの酵素としては、6−ホスホフルクトキナーゼ(EC2.7.1.11);NAD(+)キナーゼ(EC2.7.1.23);I−ホスホフルクトキナーゼ(EC2.7.1.56);ジホスフェート−フルクトース−6−ホスフェートI−ホスホトランスフェラーゼ(EC2.7.1.90);スフィンガニンキナーゼ(EC2.7.1.91);ジアシルグリセロールキナーゼ(EC2.7.1.107);およびセラミドキナーゼ(EC2.7.1.138)が挙げられる。グループIIは、リボキナーゼ様ファミリー(2,722配列)をさらに含む。これらの酵素としては、グルコキナーゼ(EC2.7.1.2);ケトヘキソキナーゼ(EC2.7.1.3);フルクトキナーゼ(EC2.7.1.4);6−ホスホフルクトキナーゼ(EC2.7.1.11);リボキナーゼ(EC2.7.1.15);アデノシンキナーゼ(EC2.7.1.20);ピリドキサルキナーゼ(EC2.7.1.35);2−デヒドロ−デオキシグルコノキナーゼ(EC2.7.1.45);ヒドロキシメチルピリミジンキナーゼ(EC2.7.1.49);ヒドロキシエチルチアゾールキナーゼ(EC2.7.1.50);I−ホスホフルクトキナーゼ(EC2.7.1.56);イノシンキナーゼ(EC2.7.1.73);5−デヒドロ−2−デオキシグルコノキナーゼ(EC2.7.1.92);タガトース−6−ホスフェートキナーゼ(EC2.7.1.144);ADP−依存ホスホフルクトキナーゼ(EC2.7.1.146);ADP−依存グルコキナーゼ(EC2.7.1.147);およびホスホメチルピリミジンキナーゼ(EC2.7.4.7)が挙げられる。グループIIは、チアミンピロホスホキナーゼ(EC2.7.6.2)を含むチアミンピロホスホキナーゼファミリー(175配列)をさらに含む。グループIIは、グリセレートキナーゼ(EC2.7.1.31)を含むグリセレートキナーゼファミリー(107配列)をさらに含む。
グループIIIキナーゼ(10,973配列)は、フェロドキシン様折り畳みキナーゼを含む。グループIIIは、ヌクレオシド−ジホスフェートキナーゼファミリー(923配列)をさらに含む。これらの酵素は、ヌクレオシド−ジホスフェートキナーゼ(EC2.7.4.6)を含む。グループIIIは、HPPKキナーゼファミリー(609配列)をさらに含む。これらの酵素は、2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチルジヒドロプテリジンピロホスホキナーゼ(EC2.7.6.3)を含む。グループIIIは、グアニドキナーゼファミリー(324配列)をさらに含む。これらの酵素としては、グアニドアセテートキナーゼ(EC2.7.3.1);クレアチンキナーゼ(EC2.7.3.2);アルギニンキナーゼ(EC2.7.3.3);およびロンブリシンキナーゼ(EC2.7.3.5)が挙げられる。グループIIIは、ヒスチジンキナーゼファミリー(9,117配列)をさらに含む。これらの酵素としては、プロテインキナーゼ(ヒスチジンキナーゼ)(EC2.7.1.37);[ピルベートデヒドロゲナーゼ(リポアミド)]キナーゼ(EC2.7.1.99);および[3−メチル−2−オキシブタノエートデヒドロゲナーゼ(リポアミド)]キナーゼ(EC2.7.1.115)が挙げられる。
グループIVキナーゼ(2,768配列)は、リボヌクレアーゼH様キナーゼを含む。これらの酵素としては、ヘキソキナーゼ(EC2.7.1.1);グルコキナーゼ(EC2.7.1.2);フルクトキナーゼ(EC2.7.1.4);ラミュロキナーゼ(EC2.7.1.5);マンノキナーゼ(EC2.7.1.7);グルコノキナーゼ(EC2.7.1.12);L−リブロキナーゼ(EC2.7.1.16);キシルロキナーゼ(EC2.7.1.17);エリスリトールキナーゼ(EC2.7.1.27);グリセロールキナーゼ(EC2.7.1.30);パントテン酸キナーゼ(EC2.7.1.33);D−リブロキナーゼ(EC2.7.1.47);L−フコロキナーゼ(EC2.7.1.51);L−キシルロキナーゼ(EC2.7.1.53);アロースキナーゼ(EC2.7.1.55);2−デヒドロ−3−デオキシガラクトノキナーゼ(EC2.7.1.58);N−アセチルグルコサミンキナーゼ(EC2.7.1.59);N−アシルマンノサミンキナーゼ(EC2.7.1.60);ポリホスフェート−グルコースホスホトランスフェラーゼ(EC2.7.1.63);ベータ−グルコシドキナーゼ(EC2.7.1.85);アセテートキナーゼ(EC2.7.2.1);ブチレートキナーゼ(EC2.7.2.7);分枝鎖脂肪酸キナーゼ(EC2.7.2.14);およびプロピオン酸キナーゼ(EC2.7.2.15)が挙げられる。
グループVキナーゼ(1,119配列)は、TIMβ−バレルキナーゼを含む。これらの酵素は、ピルビン酸キナーゼ(EC2.7.1.40)を含む。
グループVIキナーゼ(885配列)は、GHMPキナーゼを含む。これらの酵素としては、ガラクトキナーゼ(EC2.7.1.6);メバロネートキナーゼ(EC2.7.1.36);ホモセリンキナーゼ(EC2.7.1.39);L−アラビノキナーゼ(EC2.7.1.46);フコキナーゼ(EC2.7.1.52);シキメートキナーゼ(EC2.7.1.71);4−(シチジン5’−ジホスホ)−2−C−メチル−D−エリスリオキナーゼ(EC2.7.1.148);およびホスホメバロネートキナーゼ(EC2.7.4.2)が挙げられる。
グループVIIキナーゼ(1,843配列)は、AIRシンターゼ様キナーゼを含む。これらの酵素としては、チアミン−ホスフェートキナーゼ(EC2.7.4.16)およびセレニド、水ジキナーゼ(EC2.7.9.3)が挙げられる。
グループVIIIキナーゼ(565配列)は、リボフラビンキナーゼ(565配列)を含む。これらの酵素は、リボフラビンキナーゼ(EC2.7.1.26)を含む。
グループIXキナーゼ(197配列)は、ジヒドロキシアセトンキナーゼを含む。これらの酵素は、グリセロンキナーゼ(EC2.7.1.29)を含む。
グループXキナーゼ(148配列)は、推定グリセレートキナーゼを含む。これらの酵素は、グリセレートキナーゼ(EC2.7.1.31)を含む。
グループXIキナーゼ(446配列)は、ポリホスフェートキナーゼを含む。これらの酵素は、ポリホスフェートキナーゼ(EC2.7.4.1)を含む。
グループXIIキナーゼ(263配列)は、膜内在キナーゼを含む。グループXIIは、ドリコールキナーゼファミリーを含む。これらの酵素は、ドリコールキナーゼ(EC2.7.1.108)を含む。グループXIIは、ウンデカプレノールキナーゼファミリーをさらに含む。これらの酵素は、ウンデカプレノールキナーゼ(EC2.7.1.66)を含む。
キナーゼは多数の細胞代謝経路およびシグナル伝達経路で必須の役割を果たし、構造レベル、生化学レベルおよび細胞レベルで最もよく研究された酵素の1つである。全てのキナーゼが同じリン酸ドナー(ほとんどの場合ATP)を用い、見かけ上同じホスホリル転移反応を触媒するという事実にもかかわらず、それらは、その構造的折り畳みおよび基質認識メカニズムにおいて顕著な多様性を示す。これはおそらく、主にそれらの基質の構造および特性の多様な性質のためである。
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)活性化プロテインキナーゼ(MK2およびMK3)
MAPK活性化プロテインキナーゼ(MAP−KAPK)の異なる群が、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)の下流で規定されてきた。これらの酵素は、MAPKの直接的基質ではない標的タンパク質にシグナルを伝達し、それゆえMAPKカスケードによるリン酸化依存性シグナル伝達を多様な細胞機能に中継するように働く。これらの群の1つは、3つのMAPKAPK:即ち、MK2、MK3(3pKとしても公知)およびMK5(PRAKとも称される)によって形成される。マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(「MAPKAPK2」、「MAPKAP−K2」、「MK2」とも称される)は、セリン/トレオニン(Ser/Thr)プロテインキナーゼファミリーのキナーゼである。MK2は、MK3に対して高度に相同である(およそ75%のアミノ酸同一性)。MK2およびMK3のキナーゼドメインは、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMK)、ホスホリラーゼbキナーゼ、およびリボソームS6キナーゼ(RSK)アイソフォームのC−末端キナーゼドメイン(CTKD)と最も類似する(約35%〜40%同一)。MK2遺伝子は、2つの選択的にスプライスされる転写産物の370アミノ酸(MK2A)および400アミノ酸(MK2B)をコードする。MK3遺伝子は、382アミノ酸の1つの転写産物をコードする。MK2およびMK3タンパク質は高度に相同であるが、MK2Aはより短いC−末端領域を有する。MK2BのC−末端は、より短いMK2Aアイソフォームには存在しない、二つの部分に分かれる機能的な核局在化配列(NLS)(Lys−Lys−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Lys−Arg−Arg−Lys−Lys;SEQ ID NO:21)を有しており、選択的スプライシングがMK2アイソフォームの細胞内局在化を決定することを示している。MK3は、類似の核局在化配列を有する。MK2BおよびMK3の両方で見出されるこの核局在化配列は、p38αおよびp38βと、MK2BおよびMK3との特異的な相互作用を媒介することが示されたDドメイン(Leu−Leu−Lys−Arg−Arg−Lys−Lys;SEQ ID NO:22)を包含する。MK2BおよびMK3はまた、NLSおよびDドメインに対してN−末端に位置する機能的な核外移送シグナル(NES)を有する。MK2B中のNESは、刺激に続く核外移送(レプトマイシンBによって阻害され得る過程)を惹起するのに十分である。MK2およびMK3の触媒ドメインに対してN−末端の配列は、プロリンに富み、1つ(MK3)または2つ(MK2)の推定Src相同性3(SH3)ドメイン−結合部位を含み、複数の研究で、MK2がインビトロでc−Ab1のSH3ドメインへの結合を媒介することが示された。近年の研究は、このドメインがMK2媒介性の細胞遊走に関与することを示唆する。
MK2BおよびMK3は主に休止細胞の核に存在し、一方でMK2Aは細胞質に存在する。MK2BおよびMK3の両方が、ストレス刺激時に染色体領域維持タンパク質(CRM1)依存性メカニズムを介して細胞質に急速に移送される。キナーゼの活性化ループ内のThr334のホスホミメティック突然変異はMK2Bの細胞質局在化を増進するため、MK2Bの核外移送はキナーゼ活性化によって媒介されるようである。理論に拘束されるわけではないが、MK2BおよびMK3は、構成的に活性な核局在化シグナル(NLS)およびリン酸化で調節される核外移行シグナル(NES)を含み得ると考えられる。
MK2およびMK3は普遍的に発現するようであるが、心臓、肺、腎臓、生殖器(乳房および精巣)、皮膚および骨格筋組織、ならびに免疫関連細胞、例えば白血球細胞/白血球および樹状細胞において相対的に発現が増加する。
活性化
p38αおよびp38βの様々なアクチベーターが、MK2およびMK3活性を強力に刺激する。p38は、4つのプロリン指定部位(Thr25、Thr222、Ser272およびThr334)でMK2のインビトロおよびインビボリン酸化を媒介する。これらの部位のうち、Thr25のみがMK3で保存されていない。理論に拘束されるわけではないが、リン酸化Thr25の機能は不明であるが、2つのSH3ドメイン結合部位の間でのその位置は、それがタンパク質−タンパク質相互反応を調節する可能性があることを示唆している。MK2中のThr222(MK3ではThr201)は、キナーゼドメインの活性化ループ内に存在し、MK2およびMK3キナーゼ活性のために必須であることが示された。MK2中のThr334(MK3ではThr313)は、触媒ドメインに対してC−末端に位置し、キナーゼ活性に必須である。MK2の結晶構造が解明されており、理論に拘束されるわけではないが、Thr334のリン酸化がMK2の核内外移送のスイッチとして働き得ることを示唆する。Thr334のリン酸化はまた、触媒ドメインへのMK2のC−末端の結合を弱めるかまたは妨害して、NESを露出させて核外移送を促進できる。
p38は核内でMK2およびMK3を活性化できる一方で、実験的証拠から、MK2およびMK3の活性化および核外移送が、p38の安定化および局在化も指令するリン酸化依存性立体構造スイッチと連動すること、ならびにp38そのものの細胞内の位置はMK2およびおそらくMK3によって制御されると示唆されることが、複数の研究から示されている。さらに別の研究から、核のp38が、MK2のリン酸化および活性化に続きMK2との複合体中で細胞質へと移送されることが示された。p38レベルがMK2欠乏細胞中で低く、触媒的に不活性なMK2タンパク質の発現がp38レベルを回復させることを、複数の研究が示しているため、p38とMK2との間の相互作用はp38の安定化のために重要であり得る。
基質および機能
MK2は、多くの基質をMK3と共有する。両酵素は、同等の基質優先性を有し、ペプチド基質を類似の速度定数でリン酸化する。MK2による効率的なリン酸化に必要な最小の配列はHyd−Xaa−Arg−Xaa−Xaa−pSer/pThr(SEQ ID NO:22)であることが見出された(ここでHydは、大きな疎水性残基である)。
蓄積した研究により、MK2は様々なタンパク質をリン酸化することが示されており、それらとしては、5−リポオキシゲナーゼ(ALOX5)、細胞分裂周期25ホモログB(CDC25B)、細胞分裂周期25ホモログC(CDC25C)、胚致死性異常視覚ドロソフィラ様1(ELAVL1)、ヘテロ核リボヌクレオタンパク質A0(HNRNPA0)、熱ショックファクタータンパク質1(HSF1)、熱ショックタンパク質ベータ−1(HSPB1)、ケラチン18(KRT18)、ケラチン20(KRT20)、LIMドメインキナーゼ1(LIMK1)、リンパ球特異的タンパク質1(LSP1)、ポリアデニル酸結合タンパク質1(PABPC1)、ポリ(A)特異的リボヌクレアーゼ(PARN)、CAMP特異的3’,5’−環状ホスホジエステラーゼ4A(PDE4A)、RCSDドメイン含有1(RCSD1)、リボソームタンパク質S6キナーゼ、90kDa ポリペプチド3(RPS6KA3)、TGF−ベータ活性化キナーゼ1/MAP3K7結合タンパク質3(TAB3)、およびトリステトラプロリン(TTP/ZFP36)が挙げられるが、それらに限定されない。
熱ショックタンパク質ベータ−1(HSPB1またはHSP27とも称される)は、正常細胞中に普遍的に存在しており、低分子量熱ショックタンパク質ファミリーのメンバーであるストレス誘導性細胞質タンパク質である。HSPB1の合成は熱ショックおよび他の環境または病態生理学的ストレス、例えばUV照射、低酸素および虚血により誘導される。熱耐性におけるその推定役割に加えて、HSPB1は、ストレス条件に曝露された細胞の生存および回復に関与する。
実験的証拠は、サイトカイン生合成および細胞遊走の調節におけるp38の役割を支持している。マウスでのmk2遺伝子の標的欠失は、p38が多くの類似のキナーゼの活性化を媒介するにもかかわらず、MK2がこれらのp38依存性の生物学的過程を担う重要なキナーゼと思われることを示唆している。MK2の損失は、(i)サイトカイン、例えば腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)、およびガンマインターフェロン(IFN−γ))のリポ多糖類(LPS)誘導性の合成の欠如、ならびに(ii)マウス胚線維芽細胞、平滑筋細胞、および好中球の遊走における変化、をもたらす。
炎症および免疫応答におけるMK2の役割と一致して、MK2欠損マウスは、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)感染に対する感受性の上昇および巣状虚血に続く炎症媒介性神経細胞死の減少を示した。MK2欠損細胞中でp38タンパク質レベルはまた有意に低下するため、これらの表現型がMK2の損失のみによるものか否かを識別する必要が有った。これを達成するために、MK2変異体をMK2欠損細胞中で発現させ、その結果は、MK2の触媒活性はp38レベルの回復に必要ではないが、サイトカイン生合成の調節には要求されることを示した。
MK2のノックアウトまたはノックダウン研究は、活性化MK2は、IL−6mRNAの高AU−3’非翻訳領域と相互作用するタンパク質のリン酸化を介してIL−6mRNAの安定性を強化することを強く裏づける。特に、MK2は、hnRNPA0(IL−6 RNAを安定化するmRNA結合タンパク質)のリン酸化を主に担うことが示された。加えて、多様な炎症疾患を究明する幾つかのさらに別の研究から、炎症促進性サイトカイン、例えばIL−6、IL−1β、TNF−αおよびIL−8のレベルが、安定した慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者からの、または喫煙者の肺胞マクロファージからの誘発喀痰中で増加することが見出された(Keatings V. et al, Am J Resp Crit Care Med, 1996, 153:530−534;Lim, S. et al., J Respir Crit Care Med, 2000, 162:1355−1360)。
mRNA翻訳の調節
MK2ノックアウトマウスまたはMK2欠損細胞を用いた過去の研究では、MK2がそのmRNAの翻訳速度を高めることによってTNF−α、IL−1およびIL−6を含む炎症性サイトカインの生成を増加させることが示された。TNF−αの転写、プロセシング、および放出における有意な減少は、MK2欠損マウスでは検出され得なかった。p38経路はmRNA安定性の調節に重要な役割を果たすことが知られており、MK2は、それによってp38がこの機能を媒介するおそらく標的である。MK2欠損マウスを利用する研究で、MK2の触媒活性がサイトカイン生成および遊走への影響に必要であることが示され、理論に拘束されるわけではないが、MK2は、mRNA安定性に関与する標的をリン酸化することが示唆される。これと一致して、MK2は、異種の核リボヌクレオタンパク質(hnRNP)A0、トリステトラプロリン(TTP)、ポリ(A)−結合タンパク質PABP1、およびHuR(RNA結合タンパク質のELAV(ドロソフィラ・メラノガスターでの胚致死性異常の視覚(Embryonic−Lethal Abnormal Visual in Drosophila melanogaster)ファミリーの遍在的に発現されるメンバー)に結合し、および/またはこれらをリン酸化することが示された。これらの基質は、その3’−非翻訳領域に高AU要素を含むmRNAに結合またはそれらと共精製されることが知られており、MK2がTNF−αなどの高AU mRNAの安定性を調節し得ることが示唆される。現在、MK3が類似の役割を果たすか否かは不明であるが、MK2欠損線維芽細胞のLPS処置はhnRNP A0のリン酸化を完全に消失させるため、MK3がMK2の欠損を補填し得ないことが示唆される。
MK3は、MK2と一緒に真核細胞伸長因子2(eEF2)キナーゼのリン酸化に加わる。eEF2キナーゼは、eEF2をリン酸化しこれを不活化する。eEF2活性は、翻訳時のmRNAの伸長に必須であり、Thr56上でのeEF2のリン酸化は、mRNA翻訳の終了をもたらす。Ser377上でのeEF2キナーゼのMK2およびMK3リン酸化は、これらの酵素がeEF2キナーゼ活性をモジュレートし、それによってmRNA翻訳伸長を調節し得ることを示唆している。
MK2およびMK3による転写調節
核内MK2は、多くのMKと同様に、cAMP応答配列結合(CREB)、活性化転写因子−1(ATF−1)、血清応答因子(SRF)、および転写因子ER81のリン酸化に寄与する。野生型細胞およびMK2欠損細胞の比較によって、MK2がストレスによって誘発される主要なSRFキナーゼであることが明らかになり、ストレス媒介性の即時初期応答におけるMK2の役割が示唆される。MK2およびMK3の両方が、インビボで塩基性ヘリックス−ループ−ヘリックス転写因子E47と相互作用し、インビトロでE47をリン酸化する。E47のMK2媒介リン酸化はE47の転写活性を抑制しそれによってE47依存性遺伝子発現を阻害することが見出されており、MK2およびMK3が組織特異性遺伝子発現および細胞分化を調節し得ることが示唆される。
MK2およびMK3の他の標的
幾つかの生物学的過程におけるMK2およびMK3の多様な機能を反映して、幾つかの他のMK2およびMK3の基質もまた同定されている。足場となるタンパク質14−3−3ζは、生理学的なMK2基質である。複数の研究から、14−3−3ζがプロテインキナーゼ、ホスファターゼ、および転写因子を含む細胞シグナル伝達経路の多数の成分と相互作用することが示される。また別の研究では、Ser58上での14−3−3ζのMK2媒介リン酸化がその結合活性を損なうことが示され、MK2が、通常は14−3−3ζによって調節される幾つかのシグナル伝達分子の調節に影響を及ぼし得ることが示唆される。
さらに別の研究で、MK2がまた、Ser77上で7員のArp2およびArp3複合体のp16サブユニット(p16−Arc)と相互作用し、これをリン酸化することが示された。p16−Arcはアクチン細胞骨格の調節において役割を有し、MK2がこの過程に関与し得ることが示唆される。さらなる研究により、低分子量熱ショックタンパク質HSPB1、リンパ球特異的タンパク質LSP−1、およびビメンチンはMK2によりリン酸化されることが示されている。HSPB1は特に興味深く、というのも、これは大きなオリゴマーを形成するからであり、これは分子シャペロンとして機能し、細胞を熱ショックおよび酸化ストレスから保護することができる。リン酸化されると、HSPB1は、その大きなオリゴマーを形成する能力を失い、アクチン重合をブロックすることができなくなり、HSPB1のMK2媒介リン酸化は、そうでなければストレス中に不安定化されるであろうアクチンダイナミクスの調節を目的とする恒常性維持機能を果たすことが示唆される。MK3はまた、HSPB1をインビトロおよびインビボでリン酸化することが示されているが、ストレス条件中のその役割はまだ解明されていない。
HSPB1はポリユビキチン鎖に、および26Sプロテアソームにインビトロおよびインビボで結合することもまた示された。ユビキチン−プロテアソーム経路はその主インヒビターであるIカッパB−アルファ(IκB−α)を分解することにより転写因子NF−カッパB(NF−κB)の活性化に関与し、HSPB1の過剰発現はNF−カッパB(NF−κB)核再局在化、DNA結合、およびエトポシド、TNF−α、およびインターロイキン−1ベータ(IL−1β)により誘導される転写活性を増加させることが示された。加えて、以前の研究により、HSPB1は、ストレス条件下で、ユビキチン化タンパク質、例えばリン酸化IカッパB−アルファ(IκB−α)の分解を促進すること;ならびにHSPB1のこの機能がNF−カッパB(NF−κB)活性の増強によるその抗アポトーシス特性の一因となっていることことが示唆される(Parcellier, A. et al., Mol Cell Biol, 23(16): 5790−5802, 2003)。
MK2およびMK3はまた、5−リポキシゲナーゼをリン酸化し得る。5−リポキシゲナーゼは、炎症媒介物質ロイコトリエンの形成における最初の過程を触媒する。チロシンヒドロキシラーゼ、グリコーゲンシンターゼ、およびAktもまた、MK2によってリン酸化されることが示された。最後に、MK2は、腫瘍サプレッサータンパク質ツベリンをSer1210上でリン酸化し、14−3−3ζのためのドッキング部位を生じる。通常ツベリンおよびハマルチンは機能的複合体を形成し、この複合体はmTOR依存性シグナル伝達と拮抗することによって細胞成長を負の方向に調節することから、MK2のp38媒介活性化は、ツベリンに結合する14−3−3ζを増加させることによって細胞成長を調節し得ることが示唆される。
蓄積した研究により、p38MAPK−経路とシグナル伝達性転写因子3(STAT3)媒介シグナル伝達の間の相互クロストークは、リポ多糖(LPS)チャレンジモデルにおいて連続的に活性化される重大な軸を形成することが示唆されている。この軸の平衡活性化は炎症マクロファージ応答の誘導および伝播の両方ならびに消散期の制御には必須であり、これは、主にIL−10および持続STAT3活性化により駆動されることが示された(Bode, J. et al., Cellular Signalling, 24: 1185−1194, 2012)。加えて、別の研究により、MK2は、LPS誘導p65およびIRF3媒介シグナル伝達に対するMK3の負制御効果を中和することにより、LPS−誘導性IFNβ遺伝子発現およびその後のSTAT3のIFNβ媒介活性化を制御することが示される。研究により、mk2/3ノックアウトマクロファージでは、IFNβ依存性STAT3活性化がIL−10とは独立して起こることがさらに示され、というのも、IFNβ−と対照的に、障害されたIL−10の発現は、mk2/3ノックアウトマクロファージにおいてMK3の追加の欠失で保存されない(Ehlting、C. et al.、J. Biol. Chem.、285(27): 24113−24124)。
キナーゼの阻害
真核細胞のプロテインキナーゼは、それらの触媒ドメインのおかげで関係する相同性タンパク質の最大のスーパーファミリーの1つを構成する。最も関係の深いプロテインキナーゼは、セリン/トレオニンリン酸化またはチロシンリン酸化のいずれかに特異的である。プロテインキナーゼは、細胞外刺激に対する細胞応答で不可欠の役割を果たす。したがって、プロテインキナーゼの刺激は、シグナル伝達系における最も一般的な活性化メカニズムの1つと考えられる。多くの基質が多数のプロテインキナーゼによってリン酸化を受けることが知られており、様々なプロテインキナーゼの触媒ドメインの一次配列に関するかなり多くの情報が発表されている。これらの配列は、ATP結合、触媒、および構造的完全性の維持に関与する多数の残基を共有する。ほとんどのプロテインキナーゼは、よく保存された30〜32kDaの触媒ドメインを有する。
複数の研究で、プロテインキナーゼの調節要素の同定および利用が試みられた。これらの調節要素としては、阻害剤、抗体、および遮断ペプチドが挙げられる。
阻害剤
酵素阻害剤は酵素と結合し、それによって酵素活性を低下させる分子である。阻害剤の結合は、基質の酵素活性部位への侵入を停止させ、そして/または酵素がその反応を触媒するのを妨害できる(キナーゼのATP結合部位に対する阻害剤におけるように)。阻害剤の結合は、不可逆性または可逆性である。不可逆的阻害剤は通常、酵素と反応し、酵素がもはやその反応を触媒できないようにその酵素を化学的に変化させる(例えば、酵素活性に必要とされる重要なアミノ酸残基を修飾することによって)。対照的に、可逆性阻害剤は非共有結合によって結合し、これらの阻害剤が酵素、酵素−基質複合体、またはその両方を結合するか否かに応じて異なるタイプの阻害が生成される。
酵素阻害剤は多くの場合、その特異性および能力によって評価される。「特異性」という用語は、本明細書では、阻害剤の選択的結合または他のタンパク質へのその結合の欠如を指す。「能力」という用語は、本明細書では、酵素の阻害に必要とされる阻害剤の濃度を示す、阻害剤の解離定数を指す。
プロテインキナーゼの阻害剤は、プロテインキナーゼ活性調節のツールとして用いるために研究されてきた。阻害剤は、例えばサイクリン依存性(Cdk)キナーゼ、MAPキナーゼ、セリン/トレオニンキナーゼ、Srcファミリータンパク質チロシンキナーゼ、カルモジュリン(CaM)キナーゼ、カゼインキナーゼ、チェックポイントキナーゼ(Chkl)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK−3)、c−Jun N−末端キナーゼ(JNK)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ1(MEK)、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)、プロテインキナーゼA、Akt(プロテインキナーゼB)、プロテインキナーゼC、プロテインキナーゼG、タンパク質チロシンキナーゼ、Rafキナーゼ、およびRhoキナーゼと共に使用するために研究されてきた。
低分子MK2阻害剤
他のキナーゼに対して少なくとも中程度の選択性を有する、MK2を標的にする個々の阻害剤が設計されてきたが、有利な溶解度および透過性を有する化合物を作製することは困難であった。その結果、インビボ前臨床研究に進んだ生化学的に効率的なMK2阻害剤は比較的まれである(Edmunds, J. and Talanian, MAPKAP Kinase 2 (MK2) as a Target for Anti−inflammatory Drug Discovery. In Levin, J and Laufer, S (Ed.), RSC Drug Discovery Series No. 26, p 158−175, the Royal Society of Chemistry, 2012;その全体が参照により組み込まれる)。
開示されたMK2阻害剤の大半は、結晶学的または生化学研究により明らかにされた古典的タイプI阻害剤である。そのようなものとして、それらはキナーゼのATP部位に結合し、よって、細胞内ATP(推定濃度1mM−5mM)と競合し、キナーゼのリン酸化および活性化を阻害する。低分子MK2阻害剤の代表例としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:
遮断ペプチド
ペプチドは、2つ以上のアミノ酸の鎖で構成され、それによって鎖の中の1つのアミノ酸のカルボキシル基がペプチド結合を介して他のアミノ酸のアミノ基と連結された化合物である。ペプチドは、とりわけタンパク質の構造および機能の研究で用いられてきた。合成ペプチドは、とりわけタンパク質−ペプチド相互作用が生じる場所を知るプローブとして用いられる。阻害ペプチドは、とりわけプロテインキナーゼ、癌タンパク質および他の障害の阻害に及ぼすペプチドの影響を調べるために臨床研究で用いられる。
幾つかの遮断ペプチドの使用が、研究されてきた。例えば、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)である、MAPKプロテインキナーゼは、細胞の増殖および分化に必須である。MAPKの活性化はカスケードメカニズムを要求し、それによってMAPKが上流のMAPKK(MEK)によってリン酸化され、このMEKは今度は第三のキナーゼMAPKKK(MEKK)によってリン酸化される。ERK阻害ペプチドは、ERKに結合することによってMEKデコイとして機能する。
他の遮断ペプチドには、オートカムチド−2関連阻害ペプチド(AIP)が含まれる。この合成ペプチドは、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)の高度に特異的で強力な阻害剤である。AIPは、CaMKIIのための高度に選択的なペプチド基質である、オートカムチド−2のリン酸化不能類似体である。AIPは、100nMのIC50(IC50は50%阻害を得るために必要な阻害剤の濃度である)でCaMKIIを阻害する。AIP阻害は、シンチド−2(CaMKIIペプチド基質)およびATPに関して非拮抗的であるが、オートカムチド−2に関しては拮抗的である。この阻害は、Ca2+/カルモジュリンの有無によって影響されない。CaMKII活性はAIP(1μM)によって完全に阻害されるが、PKA、PKCおよびCaMKIVは、影響されない。
他の遮断ペプチドとしては、細胞分裂プロテインキナーゼ5(Cdk5)阻害ペプチド(CIP)が挙げられる。Cdk5は、微小管タンパク質タウがp25と結合する時、アルツハイマー病特異的ホスホ−エピトープにおいてこのタンパク質をリン酸化する。p25は、切り詰められたアクチベーターであり、これはアミロイドβペプチドへの暴露の際に生理学的Cdk5アクチベーターp35から生成される。CIPによるニューロンの感染の際に、CIPはp25/Cdk5活性を選択的に阻害し、皮質ニューロン中で異常なタウのリン酸化を抑制する。CIPが示すその特異性の理由は、完全には理解されていない。
さらに別の遮断ペプチドが、細胞外調節キナーゼ2(ERK2)、ERK3、p38/HOG1、プロテインキナーゼC、カゼインキナーゼII、Ca2+/カルモジュリンキナーゼIV、カゼインキナーゼII、Cdk4、Cdk5、DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA−PK)、セリン/トレオニン−プロテインキナーゼPAK3、ホスホイノシチド(PI)−3キナーゼ、PI−5キナーゼ、PSTAIRE(cdk高度保存配列)、リボソーム6キナーゼ、GSK−4、胚中心キナーゼ(GCK)、SAPK(ストレス活性化プロテインキナーゼ)、SEKI(ストレスシグナル伝達キナーゼ)、および巣状接着キナーゼ(FAK)について研究されてきた。
タンパク質基質−競合的阻害剤
今日までに開発されたプロテインキナーゼ阻害剤の大部分はATP競合剤である。このタイプの分子はキナーゼのATP結合部位に対して競合し、しばしば、その特異性における重大な制限のために、オフターゲット効果を示す。これらの阻害剤の低い特異性は、ATP結合部位は、多様なプロテインキナーゼの間で高度に保存されているという事実のためである。他方、ATP非競合的阻害剤、例えば基質競合的阻害剤は、基質結合部位は、様々なプロテインキナーゼ間で、ある一定の程度の可変性を有するので、より特異的であることが予想される。
基質競合的阻害剤は、通常、インビトロで、標的酵素と弱い結合相互作用を有するが、研究により、化学修飾は基質阻害剤の特異的結合親和性およびインビボ効力を改善することができることが示されている(Eldar−Finkelman, H. et al., Biochim, Biophys. Acta, 1804(3):598−603, 2010)。加えて、基質競合的阻害剤は、多くの場合、無細胞条件よりも細胞において良好な効力を示す(van Es, J. et al., Curr. Opin. Gent. Dev. 13:28−33, 2003)。
プロテインキナーゼ阻害における特異性および効力を増強させようとして、二基質阻害剤もまた開発された。二基質阻害剤は、2つのコンジュゲートされた断片から構成され、各々が二基質酵素の異なる結合部位を標的にするものであり、2つの天然基質/リガンドを模倣し、あるキナーゼの2つの領域と同時に結合するプロテインキナーゼ阻害剤の特別の群を形成する。二基質阻害剤の主な利点は、標的酵素とより多くの相互作用を生成させるそれらの能力であり、これにより、単一部位阻害剤と比べて、コンジュゲートの改善された親和性および選択性が得られる。二基質阻害剤の例としては、ヌクレオチド−ペプチドコンジュゲート、アデノシン誘導体−ペプチドコンジュゲート、およびペプチドの強力なATP−競合的阻害剤とのコンジュゲートが挙げられるが、それらに限定されない。
タンパク質形質導入ドメイン(PTD)/細胞透過性タンパク質(CPP)
細胞膜は、巨大分子の細胞中への導入に対し、強靭なバリアを提供する。ほぼ全ての治療薬がそれらの効果を発揮するには、少なくとも1つの細胞膜を横切らなければならない。従来の小分子医薬品開発はタンパク質機能をモジュレートする能力を有する膜透過性分子の偶然の発見に依存する。小分子は主要治療パラダイムを保持するが、これらの分子の多くは、特異性の欠如、副作用、および毒性に苦しむ。情報をふんだんに得ている巨大分子は、小分子よりもずっと優れたタンパク質調節機能を有し、分子、細胞、および構造データに基づく合理的薬物設計を使用して作製することができる。しかしながら、細胞膜は、500Daを超えるサイズのほとんどの分子に対し不透過性である。よって、細胞貫通ペプチド、例えば、転写トランスアクチベーター(Tat)の塩基性ドメインの、細胞膜を横切り、巨大分子カーゴをインビボで送達する能力は、治療タンパク質、ペプチド、および核酸の合理的設計を著しく促進することができる。
タンパク質形質導入ドメイン(PTD)は、哺乳動物細胞の細胞膜を貫通し、膜を横断して多くのタイプおよび分子量の化合物を輸送し得るペプチドの一クラスである。これらの化合物には、タンパク質、DNA、コンジュゲートペプチド、オリゴヌクレオチドなどのエフェクター分子、およびリポソームなどの小粒子が含まれる。PTDが、他のタンパク質へと化学的に連結または融合された場合、生じる融合ペプチドは、なおも細胞に侵入できる。形質導入の厳密なメカニズムは不明であるが、これらのタンパク質の内在化は、受容体媒介またはトランスポーター媒介であるとは考えられていない。PTDは一般的に10〜16アミノ酸長であり、例えばアルギニンおよび/またはリジンに富むペプチドなど、それらの組成にしたがって群分けされ得る。
細胞中にエフェクター分子を輸送できるPTDの使用は、それらがカーゴ分子の細胞内取り込みを促進することから、薬物の設計においてますます魅力的になった。これらの細胞貫通ペプチドは、それらの配列にしたがって両親媒性(極性または非極性末端の両方を有することを意味する)または陽イオン性(正味の正電荷原子を含むことを意味する、またはそれに関係する)として一般に分類され、巨大分子のための非侵襲性送達技術を提供する。PTDは多くの場合、「トロージャンペプチド」、「膜輸送配列」、または「細胞透過性タンパク質(CPP)」と称される。PTDはまた、新規なHSPB1キナーゼ阻害剤の細胞膜貫通を支援するために用いることができる(出願の内容が参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2008年1月10日出願の表題「Polypeptide Inhibitors of HSPB1 Kinase and Uses Therefor」の米国特許出願第11/972,459号、および2008年8月7日出願出願の表題「Kinase Inhibitors and Uses Thereof」の同第12/188,109号を参照)。
ウイルスPTD含有タンパク質
形質導入特性を有するとして記載されるべき第一のタンパク質は、ウイルス起源のものであった。これらのタンパク質はなおも、最も一般的に許容されるPTD作用のモデルである。HIV−1転写トランスアクチベーター(Tat)およびHSV−1 VP22タンパク質はもっともよく特徴付けられたウイルスPTD含有タンパク質である。
Tat(HIV−1トランスアクチベーター遺伝子産物)は、86アミノ酸のポリペプチドであり、組み込まれたHIV−1ゲノムの強力な転写因子として作用する。Tatはウイルスゲノム上で作用し、潜伏感染細胞内でウイルス複製を刺激する。Tatタンパク質の転座特性は、休止した感染細胞の活性化を可能にし、サイトカインを含む多くの細胞遺伝子を調節することによって、その後の感染のために非感染細胞のプライミングに関与できる。Tatの最小PTDは、9アミノ酸のタンパク質配列RKKRRQRRR(Tat49−57;SEQ ID NO:20)である。Tatのより長い断片を用いた研究で、120kDaまでの融合タンパク質の形質導入の成功が実証された。多数のTat−PTDおよび合成Tat誘導体の付加が、膜における転座を媒介することが実証された。Tat PTD含有融合タンパク質が、癌を含む実験、デスタンパク質(death−protein)を細胞に輸送する実験、および神経変性障害の疾患モデルで治療部分として用いられた。
細胞膜を透過するために形質導入ペプチドにより使用されるメカニズムは近年、研究者が形質導入の後の仕組みを理解することを求めてきたので、かなり関心をひく対象となっている。初期の報告は、非エンドサイトーシスメカニズムにより起きたTat形質導入は主に人為現象的として却下されたが、他の細胞貫通ペプチドは直接膜破壊により取り込まれ得ることを報告している。Tatおよび他のPTDの形質導入は、エンドサイトーシスの特殊形態のマクロピノサイトーシスにより起こるという最近の所見は、これらのペプチドの研究における新しいパラダイムを作成した。形質導入のメカニズムの強化された知識により、臨床的成功を最終目的とする形質導入効率の改善が促進された(Snyder E. and Dowdy, S., Pharm Res., 21(3):389−393, 2004)。
Tat媒介タンパク質形質導入の現在のモデルは、Tatの細胞表面への結合、マクロピノサイトーシスの刺激、Tatおよびカーゴのマクロピノソーム中への取込、ならびに細胞質中へのエンドソーム脱出を含む、多ステージプロセスである。第1の工程、細胞表面への結合は、細胞表面上の遍在的グリカン鎖によるものと考えられる。Tatによるマクロピノサイトーシスの刺激は、細胞表面タンパク質への結合を含み得る未知のメカニズムにより起こり、またはプロテオグリカンまたは糖脂質により起こる。全細胞型により使用される液相エンドサイトーシスの一形態であるマクロピノサイトーシスによる取込がTatおよびポリアルギニン形質導入に必要とされる。Tat形質導入における最終工程はマクロピノソームから細胞質中への脱出であり;このプロセスは、エンドソームにおけるpH降下に依存する可能性があり、これは、他の因子と共に、Tatによる膜への影響ならびにTatおよびそのカーゴ(すなわちペプチド、タンパク質または薬物など)の細胞質への放出を促進する(Snyder E. and Dowdy, S., Pharm Res., 21(3):389−393, 2004)。
VP22は、HSVビリオンの構造部分である、HSV−1外皮タンパク質である。VP22は、受容体に依存せず転座でき、核中に蓄積される。VP22のこの特性によって、タンパク質はPTD含有ペプチドとして分類される。完全長のVP22を含む融合タンパク質は、細胞膜を介して効率的に転座された。
細胞間転座特性を有するホメオタンパク質
ホメオタンパク質は、形態学的過程に関与する高度に保存されたトランス活性化する転写因子である。それらは、60アミノ酸の特異的配列を介してDNAに結合する。このDNA結合ホメオドメインは、ホメオタンパク質の最も高度に保存された配列である。幾つかのホメオタンパク質がPTD様活性を示すことが記載されており、それらは、細胞型特異性なしにエネルギー非依存的なおよびエンドサイトーシス非依存的な様式で細胞膜を介して効率的に転座できる。
アンテナペディアタンパク質(Antp)は、細胞膜を介して転座できるトランス活性化する因子であり、転座が可能な最小配列は、タンパク質のホメオドメイン(HD)の第三ヘリックスに対応する16アミノ酸ペプチドである。このヘリックスの内在化は4℃で起こり、この過程がエンドサイトーシス依存性ではないことを示唆する。AntpHDとの融合タンパク質として生成される100アミノ酸までのペプチドは、細胞膜を貫通する。
転座が可能な他のホメオドメインとしては、フシタラズ(Ftz)およびエングレイル(En)ホメオドメインが挙げられる。多くのホメオドメインが、高度に保存された第三のヘリックスを共有する。
ヒトPTD
ヒトPTDは、ヒト患者への導入時に潜在的免疫原性問題を回避できる。PTD配列を有するペプチドとしては、Hoxa−5、Hox−A4、Hox−B5、Hox−B6、Hox−B7、HOX−D3、GAX、MOX−2、およびFtzPTDが挙げられる。これらのタンパク質は全て、AntpPTD中で見出される配列を共有する。他のPTDとしては、エネルギー−、受容体−およびエンドサイトーシス−非依存性転座が可能な、Islet−1、インターロイキン−1(IL−1)、腫瘍壊死因子(TNF)、およびカポジ線維芽細胞増殖因子または線維芽細胞増殖因子−4(FGF−4)シグナルペプチド由来の疎水性配列が挙げられる。未確定PTDには、線維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーのメンバーが含まれる。FGFは多種多様な細胞の増殖および分化を制御するポリペプチド増殖因子である。いくつかの刊行物により、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF−2)は、VP−22、Tat、およびホメオドメインと類似する通常とは異なる内在化を示すことが報告された。酸性FGF(FGF−1)は細胞膜を4℃もの低い温度で転座したことも報告された。しかしながら、融合タンパク質の内在化または転座特性の一因となるドメインについての決定的な証拠は存在しない(Beerens, A. et al., Curr Gene Ther., 3(5):486−494, 2003)。
合成PTD
より強力なPTDを作製しようとして、かつPTDが細胞膜を横切ってタンパク質を輸送するメカニズムを解明しようとしていくつかのペプチドが合成されている。これらの合成PTDの多くが既存の、十分に裏付けされたペプチドに基づいているが、他のものは、PTD機能に不可欠であると考えられる、それらの塩基性残基および/または正電荷のために選択される。これらの合成PTDの数個が既存のものよりも良好な転座特性を示した(Beerens, A. et al., Curr Gene Ther., 3(5):486−494, 2003)。例示的なTat由来合成PTDとしては、例えば、WLRRIKAWLRRIKA(SEQ ID NO:12);WLRRIKA(SEQ ID NO:13);YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:14);WLRRIKAWLRRI(SEQ ID NO:15);FAKLAARLYR(SEQ ID NO:16);KAFAKLAARLYR(SEQ ID NO:17);およびHRRIKAWLKKI(SEQ ID NO:18)が挙げられるが、それらに限定されない。
MK2阻害ペプチド治療ドメイン(TD)に融合されたPTDを含む組成物
いくつかのMK2阻害ペプチド(TD)が合成され、合成PTDに融合され、これらの融合ポリペプチドを含む組成物の使用が研究されている。これらのポリペプチドとしては、YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1;MMI−0100)、YARAAARQARAKALNRQLGVA(SEQ ID NO:19;MMI−0200)、FAKLAARLYRKALARQLGVAA(SEQ ID NO:3;MMI−0300)、KAFAKLAARLYRKALARQLGVAA(SEQ ID NO:4;MMI−0400)、HRRIKAWLKKIKALARQLGVAA(SEQ ID NO:7;MMI−0500)、YARAAARDARAKALNRQLAVAA(SEQ ID NO:23;MMI−0600)、およびYARAAARQARAKALNRQLAVA(SEQ ID NO:24;MMI−0600−2)が挙げられるが、それらに限定されない。インビトロおよびインビボ研究の両方により、これらのポリペプチドは様々な疾患、障害および病状の治療において有用となり得ることが示されている。これらとしては、過形成および新生物(米国特許第8,536,303号および8,741,849号)、炎症性障害(米国出願第12/634,476号および米国出願第13/934,933号)、癒着(米国出願第12/582516)、新生物による移植血管不全(米国出願第13/114,872号)、回復神経突起伸長(米国出願第12、844,815号)、皮膚瘢痕(米国出願第13/829,876号)、冠動脈バイパス術移植血管不全(米国出願第13/700,087号)ならびに間質性肺疾患および肺線維症(米国出願第13/445,759号)が挙げられるが、限定はされない。
ペプチド組成物は、多くの特別な問題を製剤科学者に提供する(R. W. Payne and M.C. Manning, “Peptide formulation: challenges and strategies,” Innovations in Pharmaceutical Technology, 64−68 (2009))。第1に、ペプチドは反応基を隔離することができる球状構造を有さないので、ペプチド内のほぼ全ての残基の側鎖は、完全に溶媒に曝露され、加水分解反応、例えば、酸化および脱アミドによる化学分解を示すことができる。第2に、水溶液中での高次構造は、受容体に結合した時に見られる構造に対してほとんど類似性を有し得ない。第3に、多くのペプチドは非常に低い濃度ではモノマーとなる傾向があるが、濃度が増加するにつれ、自己組織化し、高度に組織化された状態にあるかのように挙動することができるが、これらの構造は一過性または流動的であるので、長期安定性を増加させることができない。第4に、自己組織化するペプチドの傾向は、それらの強凝集体を形成する可能性を意味する、それらの物理的な不安定性と関連する。その上、ペプチド製剤中に存在する賦形剤は、化学的に分解し、様々な表面と製造中に相互作用し、容器またはクロージャと相互作用し、またはペプチド自体と相互作用し、よって、調製物の重大な特性に悪影響を与える(Lars Hovgaard, and Sven Frokjaer, “Pharmacuetical Formulation Development of Peptides and Proteins, 2nd Ed., CRC Press (2012) pp. 212−213)。
記載される発明は、MK2のペプチド系阻害剤に融合された細胞貫通ペプチドを含む有効な製剤を提供する。
用語集
「活性」という用語は、本明細書では、意図された治療効果の一因となる本発明の組成物の材料成分、成分または構成要素を示す。「活性材料成分」という用語(「AI」、「活性薬剤材料成分」、「API」、または「バルク活性」)は、薬学的に活性である薬物中の物質である。本明細書では、「追加の活性材料成分」という句は、薬理学的な、または任意の他の有益な活性を果たす、記載される組成物の化合物以外の作用物質を示す。
「実ラベルクレーム(Actual Label Claim)(ALC)」という用語は、本明細書では、製剤の効力および標的充填重量に基づく存在する原薬の実際の量を示し;[(効力(%))/100%]×(標的充填重量(mg))×(1,000μg/mg)に等しい。
「作動」という用語は、本明細書では、推進の作用;作動するまたは動作させることを示す。
「混合物」または「ブレンド」という用語は、本明細書では一般には、2つ以上の異なる成分の物理的組み合わせを示す。
「投与する」または「投与すること」という用語は、本明細書では、与えることまたは適用することを意味し、インビボ投与、ならびに直接、組織へのエクスビボでの投与を含む。一般に、投与は、全身的、例えば、経口的、頬側、非経口的、局所的に、吸入もしくは吹送により(すなわち、口を介してまたは鼻を介して)、直腸に、従来の無毒性薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを要望通り含む用量単位製剤で、または局部的、例えば、限定はされないが、注射、埋め込み、移植、局所適用、または非経口的であってもよい。
「作用物質」という用語は、本明細書では一般に長時間作用性製剤中に、またはそれ上に含まれる化合物を示す。作用物質は、抗体または核酸または賦形剤あるいは、より一般的には、長時間作用性製剤中の任意の添加物を含み得る。「作用物質」は単一のそのような化合物を含み、複数のそのような化合物を含むことも意図される。
「アゴニスト」という用語は、本明細書では、受容体を活性化し、薬理学的応答を誘導することができる化学物質を示す。受容体は、内在性または外因性アゴニストおよびアンタゴニストにより活性化または不活性化することができ、生物学的応答が刺激または阻害される。生理的アゴニストは、同じ身体応答を生成させるが、同じ受容体に結合しない物質である。特定の受容体に対する内在性アゴニストは、その受容体に結合し、活性化する、身体により天然に生成される化合物である。スーパーアゴニストは標的受容体に対して内在性アゴニストよりも大きな最大応答を生成させることができ、よって、100%を超える効率を有する化合物である。これは、内在性アゴニストより強力であることを必ずしも意味せず、むしろ、受容体結合後の細胞内で生成され得る最大可能応答の比較である。完全アゴニストは受容体に結合し、活性化し、その受容体で完全な効力を表す。部分アゴニストもまた、ある受容体に結合し、活性化するが、完全アゴニストに比べ、その受容体で部分的効力しか有さない。インバースアゴニストは、その受容体に対するアゴニストと同じ受容体結合部位に結合し、受容体の恒常的活性を逆転させる作用物質である。インバースアゴニストは受容体アゴニストの反対の薬理学的効果を果たす。不可逆的アゴニストは、受容体が永遠に活性化されるように、永遠に受容体に結合するタイプのアゴニストである。アゴニストの受容体への結合が可逆であるが、不可逆的アゴニストの受容体への結合は不可逆的であると考えられるという点で単なるアゴニストとは異なる。これにより、化合物はアゴニスト活性の一時的な高まりを生成させ、続いて、受容体の減感作および内在化が起こり、これにより、長期治療と共に、むしろアンタゴニストに近い効果が生成される。選択的アゴニストは1つのある一定のタイプの受容体に特異的である。
「アンダーセンカスケードインパクタ」(ACI)という用語は、本明細書では、吸入された生成物の試験のために使用されるインパクタを示す。カスケードインパクタは慣性衝突に基づき動作する。インパクタの各ステージは一連のノズルまたはジェットを備え、これを介して、試料を含む空気が引き出され、全ての空中試料がその特定のステージのための捕集板の表面に向かって誘導される。特定の粒子がそのステージで衝突するかどうかは、その空気速度論的直径に依存する。十分な慣性を有する粒子はその特定ステージの捕集板に衝突し、より小さな粒子は気流中に同伴されたままであり、次のステージに移り、そこで、プロセスが繰り返される。ステージは、粒子サイズが減少する順に、通常、スタックまたは列で組み立てられる。ジェットが小さくなると、気流速度が増加し、より小さな粒子が捕集される。試験の終わりに、各ステージに関連する粒子量が好適な溶媒を用いて回収され、その後、通常HPLCを使用して分析され、実際に存在する薬物の量が決定される。
「アンタゴニスト」という用語は、本明細書では、別の物質の効果と相互作用する物質を示す。機能的または生理的拮抗作用は、2つの物質が同じ生理的機能について反対の効果を生成させるときに生じる。化学的拮抗作用または不活性化は、2つの物質の間の反応であり、それらの効果が中和される。体内動態拮抗作用は物質の体内動態(その吸収、生体内分解、分布、または排泄)の変化であり、よって、標的に到達する作用物質がより少なくなり、そこにあるその残留物が低減される。物質に対する受容体での拮抗作用は、同じ部位に対して競合する適切なアンタゴニストによる、アンタゴニストの効果の遮断を伴う。
「生物活性剤」という用語は、本明細書では、いくつかの型の治療効果を提供する、またはいくつかのタイプの生物学的応答または活性を誘発する医薬または薬用目的のために使用される医薬製剤または剤形中またはそれ上に含まれる、興味深い化合物を示す。「生物活性剤」は単一のそのような作用物質を含み、また、例えば、2つ以上の生物活性剤の組み合わせを含む、複数の生物活性剤を含むことが意図される。
「生物が利用可能な」という用語は、本明細書では、活性成分が医薬品から吸収され、作用部位で利用可能になる速度および程度を示す。
「生体適合性」という用語は、本明細書では、一般にレシピエントに対し無毒性であり、対象に対し著しい有害効果を有さず、さらに、材料のいずれの代謝産物または分解産物も対象に対し無毒性である材料を示す。典型的には、「生体適合性」である物質は、生組織に対して、臨床的に関連する組織刺激作用、損傷、毒性反応、または免疫学的反応を引き起こさない。
「生分解性」という用語は、本明細書では、侵食されて可溶性種となり、または生理的条件で分解してより小さな単位または化学種となり、それらが、それ自体、対象に対して無毒性(生体適合性)であり、対象により代謝され、排除され、または排泄され得る材料を示す。
「生物模倣物」という用語は、本明細書では、生体により生成される天然材料をまねるまたは「模倣する」材料、物質、装置、プロセス、または系を示す。
「ブリスター」または「ブリスター包装」という用語は、本明細書では、通常、1つ以上の個々の用量を含む、形成された空洞から構築される単位用量パッケージを示す。
「%ブリスタークリアランス」という用語は、本明細書では、%で表される、作動中にブリスターから放出される粉末のパーセンテージを示し、[(初期重量−最終重量)/充填重量]*100%に等しい。
「担体」という用語は、本明細書では、生物に対し著しい刺激作用を引き起こさず、記載される発明の組成物のペプチドの生物活性および特性を停止しない材料を示す。担体は処置される哺乳類への投与に好適なものとするために、十分高純度で、十分低い毒性を有するものでなければならない。担体は不活性とすることができ、あるいは、それは薬効を有することができる。「賦形剤」、「担体」、または「ビヒクル」という用語は同じ意味で使用され、本明細書で記載される、薬学的に許容される組成物の製剤化および投与に好適な担体材料を示す。本明細書で有用な担体およびビヒクルとしては、無毒性で、他の成分と相互作用しない、当技術分野で知られている、任意のそのような材料が挙げられる。
「成分」という用語は、本明細書では、構成部分、元素または材料成分を示す。
「組成物」という用語は、本明細書では、全ての活性および不活性材料成分を含む、記載される発明の生成物を示す。
「病状」という用語は、本明細書では、様々な健康状態を示し、任意の根底にあるメカニズムまたは障害、損傷、および健康な組織および器官の促進により引き起こされる障害または疾患を含むことが意味される。
「接触」という用語およびその全ての文法型は、本明細書では、触れることまたはすぐ近くまたは局所的近接の状態または条件を示す。
「制御放出」という用語は、本明細書では、製剤からの薬物放出の様式およびプロファイルが調節される、任意の薬物含有製剤を示す。これは、即時放出ならびに非即時放出製剤を示し、非即時放出製剤としては、持続放出および遅延放出製剤が挙げられるが、これらに限定されない。
「遅延放出」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、製剤の投与とそれらの治療薬の放出の間に時間遅延がある製剤を示す。「遅延放出」は長期間にわたる治療薬の漸進的放出を含んでも、含まなくてもよく、よって「持続放出」であっても、なくてもよい。
「送達用量(DD)」という用語は、本明細書では、例えば、用量採取装置(DSA)、用量均一性採取装置(DUSA)、アンダーセンカスケードインパクタ(ACI)、または次世代医薬品インパクタ(NGI)の抽出から回収した、mgまたはμgで表される原薬の量を示す。装置外の原薬の量に等しい(すなわち、ブリスターおよび/または流路に保持される原薬の量を含まない)。
「誘導送達用量(DDD)」という用語は、本明細書では、送達用量均一性(DDU)試験から得られた装置外の薬物の量とは対照的に、インパクタ試験から得られた、装置外の薬物の量を示す。
「%送達用量」という用語は、本明細書では、実ラベルクレーム(ALC)のパーセンテージを示し;(DD/ALC)×100%に等しい。
「疾患」または「障害」という用語は、本明細書では、健康の機能障害または異常機能状態を示す。
「配置された」という用語は、本明細書では、特定の様式で、置かれ、配列され、または分配されていることを示す。
「薬物」という用語は、本明細書では、疾患の防止、診断、軽減、治療、または治癒において使用される、食品以外の治療薬または任意の物質を示す。
「乾燥粉末吸入器」または「DPI」という用語は、本明細書では、定量噴霧式吸入器と同様であるが、薬物が粉末形態である装置を示す。患者は十分に息を吐き出し、唇をマウスピースの周りに置き、その後、直ちに、粉末を吸い込む。乾燥粉末吸入器は、MDIで必要とされるタイミングおよび協調を必要としない。
「有効量」という用語は、所望の生物学的効果を実現するのに必要とされる、または十分な量を示す。
「賦形剤」という用語は、本明細書では、長時間作用性製剤に含めることができ、生物活性剤ではない、任意の他の作用物質または化合物を含む。そのようなものとして、賦形剤は薬学的にまたは生物学的に許容され、または関連しなければならない(例えば、賦形剤は、一般に対象に対して無毒性である)。「賦形剤」は単一のそのような化合物を含み、また、複数のそのような化合物を含むことが意図される。
「充填重量」という用語は、本明細書では、作動前に各ブリスター中に秤量した粉末の実際の量(例えば、mgまたはμgで表される)を示す。
「最終重量」という用語は、本明細書では、作動後の密閉ブリスターおよび粉末の重量を示す。
「微粒子用量(FPD)」という用語は、本明細書では、インパクタ(例えば、ACIまたはNGI)の特定のカットオフ直径未満で回収される原薬の量(例えば、mgまたはμgで表される)を示し;呼吸用量に等しい。
「微粒子画分(実際)」という用語は、本明細書では、閉じたブリスター(複数可)中に存在する薬物の理論量に対して正規化されたFPDを示し;(FPD/[(充填重量)×(効力)]×100%に等しい。
「微粒子画分(名目ラベルクレーム)という用語は、本明細書では、NLCに対して正規化されたFPDを示し;[(FPD)/(NLC)×100%]に等しい。
「微粒子画分(送達用量)という用語は、本明細書では、DDに対して正規化されたFPDを示し;[(FPD)/(DD)×100%]に等しい。
「製剤」という用語は、本明細書では、特定の手順、式または規則に従い調製された混合物を示す。
「機能的等価物」または「機能的に等価な」という用語は、本明細書では、互換的に用いられ、類似もしくは同一の作用または用途を有する物質、分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、ペプチド、またはポリペプチドを指す。ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)と機能的に等価なポリペプチドは、例えば、SEQ ID NO:1の発現ポリペプチドと実質的に類似または同一の生物学的活性、例えば阻害活性、動態パラメータ、塩阻害、補因子依存性活性、および/または機能単位のサイズを有し得る。
YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)と機能的に等価なポリペプチドの例としては、アミノ酸配列FAKLAARLYRKALARQLGVAA(SEQ ID NO:3)のポリペプチド;アミノ酸配列KAFAKLAARLYRKALARQLGVAA(SEQ ID NO:4)のポリペプチド;アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLAVA(SEQ ID NO:5)のポリペプチド;アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVA(SEQ ID NO:6)のポリペプチド、アミノ酸配列HRRIKAWLKKIKALARQLGVAA(SEQ ID NO:7)のポリペプチド、アミノ酸配列YARAAARQARAKALNRQLGVA(SEQ ID NO:19)のポリペプチド、アミノ酸配列YARAAARDARAKALNRQLAVAAのポリペプチド(SEQIDNO:23)およびアミノ酸配列YARAAARQARAKALNRQLAVA(SEQ ID NO:24)のポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に記載のアミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)のMMI−0100ペプチドは、治療有効性を高めるために、治療ドメイン(KALARQLGVAA;SEQ ID NO:2)にタンパク質形質導入ドメイン(PTD;YARAAARQARA;SEQ ID NO:11)が動作可能に連結された融合タンパク質を含む。
ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の治療ドメイン(TD;KALARQLGVAA(SEQ ID NO:2))と機能的に等価のポリペプチドの例としては、アミノ酸配列KALARQLAVA(SEQ ID NO:8)のポリペプチド、アミノ酸配列KALARQLGVA(SEQ ID NO:9)のポリペプチド、アミノ酸配列KALARQLGVAA(SEQ ID NO:10)のポリペプチド、アミノ酸配列KALNRQLAVAA(SEQ ID NO:25)のポリペプチド、およびアミノ酸配列KALNRQLAVA(SEQ ID NO:26)のポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)のタンパク質形質導入ドメイン(PTD;YARAAARQARA;SEQ ID NO:11)と機能的に等価なポリペプチドの例としては、アミノ酸配列WLRRIKAWLRRIKA(SEQ ID NO:12)のポリペプチド、アミノ酸配列WLRRIKA(SEQ ID NO:13)のポリペプチド、アミノ酸配列YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:14)のポリペプチド、アミノ酸配列WLRRIKAWLRRI(SEQ ID NO:15)のポリペプチド、アミノ酸配列FAKLAARLYR(SEQ ID NO:16)のポリペプチド、アミノ酸配列KAFAKLAARLYR(SEQ ID NO:17)のポリペプチド、およびアミノ酸配列HRRIKAWLKKI(SEQ ID NO:18)のポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
「遺伝子送達ビヒクル」という用語は、本明細書では、細胞におけるポリペプチドの発現のためのコード配列の細胞への送達を促進する成分を示す。遺伝子送達ビヒクルは、遺伝子またはcDNAの細胞、例えば、リポソーム、ウイルス粒子、または発現ベクターへの送達を達成することができる任意の成分またはビヒクルとすることができる。
「幾何標準偏差(GSD)」という用語は、本明細書では、空気速度論的中央粒子径(MMAD)と84%または16%の直径サイズ分布のいずれかとの間の比に等しい無次元数を示す(例えば、MMAD=2pm;84%=4pm;GSD=4/2=2.0)。MMADは、GSDと共に、粒子サイズ分布を示す。
「肉芽形成」という用語は、本明細書では、小さな、赤い、粒子様突出物が治癒のプロセスにおいて、皮のむけた表面上で形成するプロセスを示す。
「親水性」という用語は、本明細書では、極性物質、例えば水に対して親和性を有する材料または物質を示す。「親油性」という用語は、本明細書では、極性または水性環境に比べ非極性環境に対する親和性を好む、または有する材料または物質を示す。
「吸入」という用語は、本明細書では、医薬が添加された蒸気を呼吸により吸い込む行為を示す。
「吸入送達装置」という用語は、本明細書では、液体または乾燥粉末エアロゾル製剤から小滴またはエアロゾルを生成させ、例えば、溶液、粉末、などでの、薬物の肺投与を達成するための経口投与のために使用される、任意の装置を示す。吸入送達装置の例としては、ネブライザー、定量噴霧式吸入器、および乾燥粉末吸入器(DPI)が挙げられるが、それらに限定されない。
「吹送」という用語は、本明細書では、身体の腔または小室に加圧下で空気、気体、または粉末を送達する行為を指す。例えば鼻吹送は、加圧下で鼻から空気、気体または粉末を送達する行為に関する。
「阻害すること」、「阻害する」または「阻害」という用語は、本明細書では、プロセスの量または速度を低減させる、プロセスを完全に中止させる、またはその作用または機能を減少、制限、またはブロックすることを示すために使用される。阻害は物質の量、速度、作用機能、またはプロセスの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%だけの低減または減少を含み得る。
「阻害剤」という用語は、本明細書では、第1の分子に結合し、これにより、第1の分子の活性を低減させる第2の分子を示す。酵素阻害剤は、酵素に結合し、これにより、酵素活性を減少させる分子である。阻害剤の結合は、基質が酵素の活性部位に入ることを中止し、および/または酵素がその反応を触媒するのを妨げることができる。阻害剤結合は可逆かまたは不可逆的である。不可逆的阻害剤は通常、酵素と反応し、例えば、酵素活性に必要とされる主要アミノ酸残基を修飾することにより、これを化学的に変化させる。対照的に、可逆阻害剤は、非共有結合により結合し、これらの阻害剤が酵素、酵素−基質複合体、または両方に結合するかによって、異なるタイプの阻害を生成させる。酵素阻害剤はしばしば、それらの特異性および効力により評価される。
「初期重量」という用語は、本明細書では、作動前に計量したブリスターおよび粉末の重量(例えば、mgで表される)を示す。
「損傷」という用語は、本明細書では、外的因子または力(物理的または化学的であり得る)によって引き起こされる、身体の構造または機能に対する傷害または損害を示す。
「単離された」という用語は、本明細書では、(1)その天然に起こる環境で見出されるように通常それに付随するかまたはそれと相互作用する成分を実質的にまたは本質的に含まない、非限定的に核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質などの材料を指す。「実質的に含まない」または「本質的に含まない」という用語は、相当にもしくは顕著に含まれず、または約95%よりも多く、または約99%よりも多く排除されていることを指すために本明細書で用いられる。単離された材料は、その天然環境においてその材料と一緒に見出されない材料を場合により含み、または(2)材料がその天然の環境にある場合に、この材料は、組成物に対する人の意図的な介入によって合成で(非天然に)改変されており、そして/またはその環境で見出される材料にとって天然ではない細胞中のある場所(例えばゲノムまたは細胞内小器官)に配置されている。合成材料を得るための改変は、その天然状態にある材料に実施されるか、またはその天然状態から取り出された材料に実施される。
「LPM」または「L/分」という用語は、本明細書では、リットル毎分を示す。
「マスバランス」という用語は、本明細書では、抽出物の各成分から回収された原薬の総量を示し、例えば、吸入器内に残された量を含む。マスバランスは、[(計量された用量)/(実際の充填重量×効力)]×100%に等しい、実際の充填重量のパーセンテージとして表すことができる。
「空気速度論的中央粒子径(MMAD)」という用語は、本明細書では、粒子の重量およびサイズに基づく、統計学的粒子サイズ分布を示す。例えば、重量で、50%の粒子は、中央径より小さい(および、粒子の50%は中央径よりも大きい)。
「計量された用量」という用語は、本明細書では、特定の量の薬物の標的への送達を示す。例えば、エアロゾル化薬物の肺への送達。
「定量噴霧式吸入器」、「MDI」、または「パッファ」という用語は、本明細書では、噴射剤を使用して特定の量の医薬(「計量された用量」)を患者の肺に送達させる、加圧された、携帯式装置を示す。「噴射剤」という用語は、本明細書では、通常、収束、発散ノズルを介してガス圧により、物質を放出するために使用される材料を示す。圧力は、圧縮ガス、または化学反応により生成されたガスに由来してもよい。排出材料はガス、液体、プラズマ、あるいは、化学反応前は、固体、液体またはゲルであってもよい。加圧定量噴霧式吸入器において使用される噴射剤は液化ガス、伝統的にはクロロフルオロカーボン(CFC)であり、次第に、ヒドロフルオロアルカン(HFA)である。好適な噴射剤としては、例えば、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばトリクロロフルオロメタン(噴射剤11とも呼ばれる)、ジクロロジフルオロメタン(噴射剤12とも呼ばれる)、および1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(噴射剤114とも呼ばれる)、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(噴射剤134a、HFC−134a、またはHFA−134aとも呼ばれる)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(噴射剤227、HFC−227、またはHFA−227とも呼ばれる)、二酸化炭素、ジメチルエーテル、ブタン、プロパン、またはそれらの混合物が挙げられる。他の実施形態では、噴射剤はクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、またはそれらの混合物を含む。他の実施形態では、ヒドロフルオロカーボンが噴射剤として使用される。他の実施形態では、HFC−227および/またはHFC−134aが噴射剤として使用される。
「MK2キナーゼ」または「MK2」という用語は、本明細書では、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(「MAPKAPK2」、「MAPKAP−K2」、「MK2」とも呼ばれる)を指し、それはセリン/トレオニン(Ser/Thr)プロテインキナーゼファミリーの1種である。
「MMI−0100」、「MMI−0100ペプチド」、「MMI−0100ポリペプチド」、「MK2阻害剤」、「MK2i」、「MK2iペプチド」、「MK2iポリペプチド」などという用語は本明細書で同じ意味で使用され、アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)を示す。
「ネブライザー」という用語は、本明細書では、肺に吸引される霧の形態として液体医薬を投与するために用いられる装置を示す。
「名目ラベルクレーム(NLC)」という用語は、本明細書では、標的効力および標的ブリスター充填重量に基づく、作動あたりの存在する原薬の意図された量を示す。
「核酸」という用語は、本明細書では、一本鎖または二本鎖形態のいずれかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを指し、他に断りがなければ、天然由来ヌクレオチドと類似の様式で一本鎖核酸にハイブリダイズする、天然ヌクレオチドの本質的性質を有する公知の類似体(例えばペプチド核酸)も包含する。
「ヌクレオチド」という用語は、複素環塩基、糖、および1つまたは複数のリン酸基からなる化合物を指すために本明細書で用いられる。最も一般的なヌクレオチドでは、塩基はプリンまたはピリミジンの誘導体であり、糖はペントースデオキシリボースまたはリボースである。ヌクレオチドは核酸のモノマーであり、3つ以上が一緒に結合して核酸を形成する。ヌクレオチドは、RNA、DNA、および非限定的にCoA、FAD、DMN、NAD、およびNADPを含むいくつかの補因子の構造単位である。プリンはアデニン(A)、およびグアニン(G)を含み、ピリミジンはシトシン(C)、チミン(T)、およびウラシル(U)を含む。
以下の用語は、2つ以上の核酸またはポリヌクレオチド間の配列関係を記述するために本明細書で用いられる:(a)「参照配列」、(b)「比較ウィンドウ」、(c)「配列同一性」、(d)「配列同一性%」、および(e)「実質的同一性」。
(a)「参照配列」という用語は、配列比較の基準として用いられる配列を指す。参照配列は、例えば、完全長cDNAもしくは遺伝子配列のセグメント、または完全なcDNAもしくは遺伝子配列としての、特定した配列のサブセットまたは全体であり得る。
(b)「比較ウィンドウ」という用語は、ポリヌクレオチド配列の連続した特定のセグメントを指し、ここでポリヌクレオチド配列が参照配列と比較されてもよく、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列の部分が、この2つの配列の最適なアラインメントのために参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して付加または欠失(即ち、ギャップ)を含んでいてもよい。一般的に比較ウィンドウは、少なくとも20の連続ヌクレオチド長であり、場合によって少なくとも30連続ヌクレオチド長、少なくとも40連続ヌクレオチド長、少なくとも50連続ヌクレオチド長、少なくとも100連続ヌクレオチド長であるか、またはそれより長くてよい。ポリヌクレオチド配列にギャップを含ませることによる参照配列に対する高度な類似性を回避するために、典型的にはギャップペナルティーが導入されマッチする数から差し引かれることは、当業者に理解されよう。
比較のための配列アラインメントの方法は、当該技術分野で周知である。比較のための配列の最適アラインメントは、Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによって;Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443(1970)の相同アラインメントアルゴリズムによって;Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. 85:2444(1988)の類似性のための検索方法によって;これらのアルゴリズムのコンピュータ化手段(非限定的にIntelligenetics, Mountain View, Calif.によるPC/遺伝子プログラム中のCLUSTAL;Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group (GCG), 575 Science Dr., Madison, Wis., USA内のGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA、およびTFASTAなど)によって実施され得、CLUSTALプログラムは、Higgins and Sharp, Gene 73:237−244 (1988);Higgins and Sharp, CABIOS 5:151−153 (1989);Corpet, et al., Nucleic Acids Research 16:10881−90 (1988);Huang, et al., Computer Applications in the Biosciences, 8:155−65 (1992)、およびPearson, et al., Methods in Molecular Biology, 24:307−331(1994)によって十分に記載されている。データベースの類似性検索に用いられ得るプログラムのBLASTファミリーとしては、ヌクレオチドデータベース配列に対するヌクレオチド照会配列のためのBLASTN;タンパク質データベース配列に対するヌクレオチド照会配列のためのBLASTX;タンパク質データベース配列に対するタンパク質照会配列のためのBLASTP;ヌクレオチドデータベース配列に対するタンパク質照会配列のためのTBLASTN;およびヌクレオチドデータベース配列に対するヌクレオチド照会配列のためのTBLASTXが挙げられる。Current Protocols in Molecular Biology, Chapter 19, Ausubel, et al., Eds., Greene Publishing and Wiley−Interscience, New York(1995)を参照されたい。
他に断りがなければ、本明細書で提供される配列同一性/類似性の値は、規定値パラメータを利用するBLAST2.0一式のプログラムを用いて得られた値を指す。Altschul et al., Nucleic Acids Res. 25:3389−3402(1997)。BLAST分析を実施するソフトウェアは、例えばNational Center for Biotechnology−Informationから、公的に入手できる。このアルゴリズムは、照会配列内で長さWの短いワードを同定することにより高スコア配列ペア(HSP)を最初に同定することを含み、それらのペアはデータベース内の同じ長さのワードを用いてアラインメントを実施した時に、幾つかの正の値の閾値スコアTと一致または適合する。Tは、近傍ワードスコア閾値と称される(Altschul et al.上掲書)。これらの最初の近傍ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを発見するために検索を開始するためのシードとして作用する。このワードヒットをその後、累積的アラインメントスコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に伸長する。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(マッチ残基ペアの報奨スコア;常に>0)およびN(ミスマッチ残基のペナルティースコア;常に<0)を用いて算出する。アミノ酸残基については、スコアリングマトリックスを用いて、累積スコアを算出する。各方向におけるワードヒットの伸長は、累進アライメントスコアが最大達成値から量Xだけ減少した時;累積スコアが、負のスコアを与える1つもしくは複数の残基アラインメントの累積のために0以下になった時;またはいずれかの配列の末端に達した時に、停止される。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、およびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、規定値として11のワード長(W)、10の期待値(E)、100のカットオフ、M=5、N=−4、および両方の鎖の比較を用いる。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、規定値として3のワード長(W)、10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリックスを用いる(Henikoff & Henikoff(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915を参照されたい)。
配列同一性%の計算に加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計分析を実施する(例えば、Karlin Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873−5787, 1993参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は最小合計確率(P(N))であり、それは2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間の一致が偶然によって生じる確率を示す。BLAST検索は、タンパク質がランダム配列としてモデル化され得ると仮定する。しかし、多くの現実のタンパク質は、非ランダム配列の領域を含み、それはホモポリマー域、短区間のリピート、または1つもしくは複数のアミノ酸に富む領域であり得る。そのような低複雑性領域は、このタンパク質の他の領域が完全に非類似であったとしても、無関係のタンパク質間でアラインメントされ得る。多くの低複雑性フィルタープログラムを用いて、そのような低複雑性アラインメントを減少させることができる。例えば、SEG(Wooten and Federhen, Comput. Chem., 17:149−163(1993))およびXNU(Claverie and States, Comput. Chem., 17:191−201(1993))低複雑性フィルターを、単独でまたは組み合わせて利用してもよい。
(c)2つの核酸またはポリペプチド配列の文脈における「配列同一性」または「同一性」という用語は、特定の比較ウィンドウ全体で最大一致のアラインメントを実施した時に同一である2つの配列中の残基を指す。配列同一性%が、タンパク質に対して用いられる場合、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって、即ち、アミノ酸残基が類似する化学的特性(例えば荷電または疎水性)を有する他のアミノ酸で置換され、したがってその分子の機能的特性が変わらない場合、しばしば異なることが認識される。配列が保存的置換において異なる場合、配列同一性%を上方に調整して、この置換の保存的性質について修正できる。そのような保存的置換により異なる配列は、「配列類似性」または「類似性」を有すると言われる。この調整を実施する手段は、当業者に周知である。典型的にはこれは、保存的置換を完全ミスマッチではなく部分的ミスマッチとして評価し、それによって配列同一性%を高めることを含む。したがって、例えば同一アミノ酸が1のスコアを与えられ、非保存的置換が0のスコアを与えられる場合、保存的置換は、0と1の間のスコアが与えられる。保存的置換の評価は、例えばPC/GENEプログラム(Intelligenetics, Mountain View, Calif., USA)で履行されるように、例えばMeyersとMiller,Computer Applic. Biol. Sci., 4:11−17(1988)のアルゴリズムにしたがって計算される。
(d)「配列同一性%」という用語は、最適にアラインメントされた2つの配列を、比較ウィンドウ全体で比較することによって決定される値を意味するために本明細書で用いられ、ここで比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントのために参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して付加または欠失(即ち、ギャップ)を含み得る。その%値は、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両配列中に存在する位置の数を決定して一致する位置の数を得て、この一致した位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で割算し、その結果を100倍して配列同一性の%値を得ることにより計算される。
(e)ポリヌクレオチド配列の「実質的同一性」という用語は、ポリヌクレオチドが、記載されたアラインメントプログラムの1つを用いて標準的なパラメータにより参照配列と比較して、少なくとも70%の配列同一性、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性および少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。当業者であれば、これらの値を適宜調整して、2つのヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質の対応する同一性を、コドンの縮重、アミノ酸類似性、リーディングフレームの位置などを考慮しながら決定できることを認識するであろう。これらの目的のためのアミノ酸配列の実質的同一性は、少なくとも60%、または少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を意味する。ヌクレオチド配列が実質的に同一であることのもう1つの指標は、ストリンジェントな条件下で2つの分子が互いにハイブリダイズするか否かということである。しかし、ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一であれば、なお実質的に同一である。このようなことは、例えば核酸のコピーが、遺伝子コードによって許容される最大のコドン縮重を用いて作製された場合に、生じ得る。2つの核酸配列が実質的に同一であることの1つの指標は、第一の核酸がコードするポリペプチドが、第二の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。
「動作可能に連結される」という用語は、本明細書では、生じた融合ペプチドの各タンパク質ドメインまたはポリペプチドがその本来の機能を保持できるように、2つ以上のタンパク質ドメインまたはペプチドが、組換えDNA技術または化学反応により連結または合体された結合を指す。例えば、SEQ ID NO:1は、タンパク質形質導入ドメイン(SEQ ID NO:26)を治療ドメイン(SEQ ID NO:2)と動作可能に連結して、SEQ ID NO:26の細胞貫通機能およびSEQ ID NO:2のMK2キナーゼ阻害剤機能の両方を保有する融合ペプチドを作製することによって構築される。
「粒子」という用語は、本明細書では、全体的にまたは部分的に本明細書で記載される少なくとも1つの治療薬を含み得る非常に小さな構成要素、例えば、ナノ粒子または微小粒子)を示す。「微小粒子」という用語は、一般に、約10nm〜2000ミクロン(2ミリメートル)のサイズを有する様々な実質的な構造を示すために本明細書で使用され、マイクロカプセル、ミクロスフェア、ナノ粒子、ナノカプセル、ナノスフェアならびに一般に、約2000ミクロン(2ミリメートル)未満である粒子が含まれる。粒子はコーティングにより囲まれるコア中に治療薬(複数可)を含み得る。治療薬(複数可)はまた、粒子全体に分散され得る。治療薬(複数可)はまた、粒子中に吸着され得る。粒子は任意の次数の放出速度論を有することができ、0次放出、1次放出、2次放出、遅延放出、持続放出、即時放出、など、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。粒子は、治療薬(複数可)に加えて、薬学および医薬の分野でルーチン的に使用されるそれらの材料のうちのいずれか、例えば、限定はされないが、侵食性、非侵食性、生分解性、もしくは非生分解性材料またはそれらの組み合わせを含み得る。粒子は、活性剤を溶液または半固体状態で含むマイクロカプセルであってもよい。粒子は事実上任意の形状を有し得る。
「薬学的に許容される塩」という用語は、適切な医学的判定の範囲内で、ヒトおよびより下等な動物の組織と接触する使用に適し、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応などを有さず、合理的な利益/リスク比に関して釣合いがとれたそれらの塩を意味する。
「医薬製剤」または「医薬組成物」という用語は、本明細書では、標的病状または疾患を防止する、強度を低減させる、治癒させるまたは別様に治療するために使用される製剤または組成物を示す。
「防止」という用語は、本明細書では、イベント、行為または作用が生じる、起こる、または発生することがないように維持する、邪魔するまたは防ぐことを示す。
「プロドラッグ」という用語は、本明細書では、不活性な形態であるが、対象への投与後、生物学的変換により活性な形態に変換されるペプチドまたは誘導体を意味する。
「組換え」という用語は、本明細書では、遺伝子操作により生成される物質を示す。
「低減させる」、「低減された」、「低減させるため」または「低減させること」という用語は、本明細書では、程度、強度、限度、サイズ、量、密度または数の縮小、減少、減弱または減退を示す。
「類似」という用語は、用語:類似する、匹敵する、または似る、と互換的に用いられ、共通の特質または特徴を有することを意味する。
医薬品の「安定性」という用語は、本明細書では、特定の製剤の、その物理、化学、微生物学、治療および毒性学仕様内にとどまる能力を示す。
「しやすい」という用語は本明細書では、リスクのある集団の1種を示す。
「対象」または「個体」または「患者」という用語は、非限定的にマウス、ラット、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ハムスター、フェレット、カモノハシ、ブタ、イヌ、モルモット、ウサギおよび霊長類、例えばサル、類人猿またはヒトを含む、哺乳動物起源の動物種の1種を指すために互換的に用いられる。
「それを必要とする対象」という句は、本明細書では、その句の文脈および使用が別の意味を示さない限り、(i)少なくとも1つの治療ペプチド薬を含む製剤が投与されるであろう、(ii)少なくとも1つの治療ペプチド薬を含む製剤を受けている;または(iii)少なくとも1つ治療薬を含む製剤を受けた患者を示す。
「持続放出」という用語(「徐放」とも呼ばれる)は、本明細書では、長期間にわたる治療薬の漸進的放出を提供し、好ましくは、かならずではないが、長期間にわたり、実質的に一定レベルの作用物質が得られる、薬物製剤を示すその従来の意味で使用される。
「症状」という用語は、本明細書では、特定の疾患または障害から生じる、およびこれに付随する、ならびにその徴候として機能する現象を示す。
「症候群」という用語は本明細書では、いくつかの疾患または病状を示す症状のパターンを示す。
「治療薬」という用語は、本明細書では、治療効果を提供する薬物、分子、核酸、タンパク質、組成物または他の物質を示す。「治療薬」および「活性剤」という用語は同じ意味で使用される。
「治療成分」という用語は、本明細書では、集団の一定の割合において特定の疾患徴候の進行を排除し、低減させ、または防止する治療的に有効な投与量(すなわち、投与の用量および頻度)を示す。一般的に使用される治療成分の一例は、集団の50%において特定の疾患徴候に対して治療的に有効となる特定の投与における用量を説明するED50である。
「治療効果」という用語は、本明細書では、その結果が、望ましい、および有益であると判断される治療の成績を示す。治療効果は、直接的または間接的に、疾患徴候の停止、低減、または排除を含み得る。治療効果はまた、直接的または間接的に、疾患徴候の進行の停止、低減または排除を含み得る。
1つ以上の活性剤の「治療的有効量」または「有効な量」という用語は、意図する処置利益を提供するのに十分な量である。使用することができる活性剤の有効量は一般に0.1mg/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲とすることができる。しかしながら、投薬レベルは、損傷のタイプ、患者の年齢、体重、性別、医学的状態、症状の重度、投与経路、および用いられる特定の活性剤を含む様々な因子に基づく。したがって投薬レジメンは広範囲に変動し得るが、外科医が標準的な方法を用いて日常的にこれを決定できる。
「処置する」または「処置すること」という用語は、疾患、病状、障害または損傷の停止、実質的阻害、その進行の緩徐化または逆行、疾患、病状、障害または損傷の臨床的または美的症状の実質的寛解、疾患、病状、障害または損傷の臨床的または美的症状の出現の実質的防止、および有害または不快な症状の防御を包含する。「処置する」または「処置すること」という用語は本明細書ではさらには、以下の1つまたは複数の達成を示す:(a)疾患、病状、障害または損傷の重症度の低減;(b)処置される疾患、病状、障害または損傷に特徴的な症状の発生の制限;(c)処置される疾患、病状、障害または損傷に特徴的な症状の悪化の制限;(d)過去に疾患、病状、障害または損傷を有した患者における疾患、病状、障害または損傷の再発の制限;ならびに(e)過去に疾患、病状、障害または損傷に対して症候性であった患者における症状の再発の制限。
用語「変種」、「変異体」、および「誘導体」は、参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列に対して実質的な同一性を有するヌクレオチドまたはポリペプチド配列を指すために本明細書で用いられる。配列における相違は、配列または構造における、天然のまたは計画的な変化の結果であり得る。天然の変化は、特定の核酸配列に本質的な通常の複製または複写過程で生じ得る。計画的な変化は、特定の目的のために特別に設計され、配列に導入される。そのような特別な変化は、様々な変異誘発技術を用いてインビトロで実施され得る。特別に作製されたそのような配列変種は、本来の配列の「変異体」または「誘導体」と称することができる。
当業者は、1つのまたは複数のアミノ酸置換、欠失、付加または交換(replacements)を有するが、SEQ ID NO:1と機能的に等価であるポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)のポリペプチド変種を生成できる。これらの変種としては、とりわけ:(a)1つまたは複数のアミノ酸残基が保存的または非保存的アミノ酸で置換された変種;(b)1つまたは複数のアミノ酸が付加された変種;(c)少なくとも1つのアミノ酸が置換基を含む変種;(d)ある種のアミノ酸残基が保存的または非保存的な位置で別の種の対応する残基と置換された変種;および(d)標的タンパク質が別のペプチドまたはポリペプチド、例えば融合パートナー、タンパク質タグ、または他の化学的成分と融合されて、標的タンパク質に有用な特性(例えば抗体のためのエピトープ)を付与し得る変種、を挙げることができる。非限定的に遺伝的技術(抑制、欠失、変異など)、化学的技術、および酵素的技術を含む、そのような変種を得る技術は、当業者には公知である。本明細書で用いられるように、「変異」という用語は、親のタイプには見出されない新規な特徴もしくは特質の創出をもたらす生物の遺伝子もしくは染色体内のDNA配列の変化、またはそのような変化が、遺伝子をコードするDNAのヌクレオチド配列の改変を介して、もしくは染色体の物理的編成における変化を介して染色体内に生じる過程を指す。変異の3つのメカニズムは、置換(1つの塩基対と別の塩基対との交換)、付加(配列への1つまたは複数の塩基の挿入)、および欠失(1つまたは複数の塩基対の損失)を含む。
「ビヒクル」という用語は、本明細書では、薬物の使用を容易にする物質または薬物と混合される他の材料を指す。
1つの実施形態によれば、記載される発明は、MK2キナーゼの阻害剤を含む医薬製剤を提供する。別の実施形態によれば、MK2阻害剤はポリペプチドである。別の実施形態によれば、ポリペプチドとしては、MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1))またはその機能的等価物が挙げられるが、それらに限定されない。
1つの実施形態によれば、医薬製剤は、MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物、5%w/w固体を含む、ニート噴霧乾燥分散物を含む。別の実施形態によれば、医薬製剤は、MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物、1%w/w固体を含むニート噴霧乾燥分散物を含む。別の実施形態によれば、医薬製剤は、80/20のMMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物/トレハロースを含む噴霧乾燥分散物を含む。別の実施形態によれば、医薬製剤は、92.5/7.5のMMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物/トレハロースを含む噴霧乾燥分散物を含む。
噴霧乾燥分散物(SDD)は、薬物を含むポリマーマトリックスの単相、アモルファス分子分散物である。これは、固体マトリックス中に「溶解された」化合物(例えば、薬物)分子を有する固体溶液である。SDDは、薬物およびポリマーを有機溶媒中で溶解させて溶液を得て、その後、溶液を噴霧乾燥させることにより得られる。医薬品用途のための噴霧乾燥の使用により、生物薬剤学分類システム(BCS)クラスII(高透過性、低溶解度)およびクラスIV(低透過性、低溶解度)薬物の溶解度が増加したアモルファス分散物が得られる。製剤およびプロセス条件は、溶媒が小滴から迅速に蒸発し、よって、相分離または結晶化に不十分な時間しか得られないように選択される。SDDは長期安定性および製造可能性を証明した。例えば、2年を超える有効期間が、SDDでは、一貫して証明された。SDDの利点としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:水溶性が不十分な化合物の経口バイオアベイラビリティの増強、従来の固体剤形(例えば、錠剤およびカプセル)を用いた送達、再現でき、制御可能で、スケーラブルな製造プロセスおよび幅広い物理的性質を有する構造的に多様な不溶性化合物への幅広い適用性。
1つの実施形態によれば、医薬製剤は、MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物および0.9%NaCl(生理食塩水)を含む。別の実施形態によれば、医薬製剤は、7mg/mL、6mg/mL、5mg/mL、4mg/mL、3mg/mL、2mg/mL、または1mg/mLのMMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物を含む。別の実施形態によれば、医薬製剤は、0.9mg/mL、0.8mg/mL、0.7mg/mL、0.6mg/mL、0.5mg/mL、0.4mg/mL、0.3mg/mL、0.2mg/mL、または0.1mg/mLのMMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物を含む。別の実施形態によれば、MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物を含む製剤は液体製剤である。別の実施形態によれば、液体製剤はエアロゾル化される。
1つの実施形態によれば、医薬製剤は、MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物およびグリセリンを含む。
1つの実施形態によれば、医薬製剤は、MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物およびナノポリプレックスポリマーを含む。別の実施形態によれば、ナノポリプレックスポリマーは、ポリ(アクリル酸)(PAA)である。別の実施形態によれば、ナノポリプレックスポリマーは、ポリ(プロピルアクリル酸)(PPAA)である。別の実施形態によれば、医薬製剤は、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:1.5、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9および1:10からなる群より選択されるチャージ比(CR)のMMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物対PPAA([NH3 +]MK2i:[COO-]PPAA)を含む。別の実施形態によれば、医薬製剤は、1:3のチャージ比のMMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物対PPAA([NH3 +]MK2i:[COO-]PPAA)を含む。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(MMI−0100;SEQ ID NO:1)の機能的等価物は、アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)と実質的な配列同一性を有する。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(MMI−0100;SEQ ID NO:1)の機能的等価物は、アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)と少なくとも80パーセントの配列同一性を有する。別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(MMI−0100;SEQ ID NO:1)の機能的等価物は、アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)と少なくとも90パーセントの配列同一性を有する。別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(MMI−0100;SEQ ID NO:1)の機能的等価物は、アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)と少なくとも95パーセントの配列同一性を有する。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(MMI−0100;SEQ ID NO:1)の機能的等価物はアミノ酸配列YARAAARQARAKALNRQLGVA(MMI−0200;SEQ ID NO:19)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(MMI−0100;SEQ ID NO:1)の機能的等価物はアミノ酸配列FAKLAARLYRKALARQLGVAA(MMI−0300;SEQ ID NO:3)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の機能的等価物はアミノ酸配列KAFAKLAARLYRKALARQLGVAA(MMI−0400;SEQ ID NO:4)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の機能的等価物はアミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLAVA(SEQ ID NO:5)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の機能的等価物はアミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVA(SEQ ID NO:6)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の機能的等価物はアミノ酸配列HRRIKAWLKKIKALARQLGVAA(MMI−0500;SEQ ID NO:7)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の機能的等価物はアミノ酸配列YARAAARQARAKALNRQLAVAA(MMI0600、SEQ ID NO:23)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の機能的等価物はアミノ酸配列YARAAARQARAKALNRQLAVA(MMI0600−2、SEQ ID NO:24)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の機能的等価物は、第2のポリペプチドに動作可能に連結された第1のポリペプチドを含む融合ペプチドであり、ここで、第1のポリペプチドはアミノ酸配列YARAAARQARA(SEQ ID NO:11)を有し、第2のポリペプチドはその配列がアミノ酸配列KALARQLGVAA(SEQ ID NO:2)と実質的同一性を有する治療ドメインを含む。
別の実施形態によれば、第2のポリペプチドは、アミノ酸配列KALARQLGVAA(SEQ ID NO:2)と少なくとも70パーセントの配列同一性を有し、医薬製剤はマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性を阻害する。別の実施形態によれば、第2のポリペプチドは、アミノ酸配列KALARQLGVAA(SEQ ID NO:2)と少なくとも80パーセントの配列同一性を有し、医薬製剤はマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性を阻害する。別の実施形態によれば、第2のポリペプチドは、アミノ酸配列KALARQLGVAA(SEQ ID NO:2)と少なくとも90パーセントの配列同一性を有し、医薬製剤はマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性を阻害する。別の実施形態によれば、第2のポリペプチドは、アミノ酸配列KALARQLGVAA(SEQ ID NO:2)と少なくとも95パーセントの配列同一性を有し、医薬製剤はマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性を阻害する。
別の実施形態によれば、第2のポリペプチドはアミノ酸配列KALARQLAVA(SEQ ID NO:8)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第2のポリペプチドはアミノ酸配列KALARQLGVA(SEQ ID NO:9)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第2のポリペプチドはアミノ酸配列KALNRQLAVAA(SEQ ID NO:25)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第2のポリペプチドはアミノ酸配列KALNRQLAVA(SEQ ID NO:26)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第2のポリペプチドはアミノ酸配列KALARQLGVAA(SEQ ID NO:10)のポリペプチドであり;例えば、米国公開出願第2009−0196927号、米国公開出願第2009−0149389号、および米国公開出願第2010−0158968号(その各々がその全体として参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
別の実施形態によれば、ポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の機能的等価物は、第2のポリペプチドに動作可能に連結された第1のポリペプチドを含む融合ペプチドであり、第1のポリペプチドはYARAAARQARA(SEQ ID NO:11)と機能的に等価なタンパク質形質導入ドメインを含み、第2のポリペプチドはアミノ酸配列KALARQLGVAA(SEQ ID NO:2)を有する。
別の実施形態によれば、第1のポリペプチドはアミノ酸配列WLRRIKAWLRRIKA(SEQ ID NO:12)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第1のポリペプチドはアミノ酸配列WLRRIKA(SEQ ID NO:13)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第1のポリペプチドはアミノ酸配列YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:14)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第1のポリペプチドはアミノ酸配列WLRRIKAWLRRI(SEQ ID NO:15)。のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第1のポリペプチドはアミノ酸配列FAKLAARLYR(SEQ ID NO:16)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第1のポリペプチドはアミノ酸配列KAFAKLAARLYR(SEQ ID NO:17)のポリペプチドである。
別の実施形態によれば、第1のポリペプチドはアミノ酸配列HRRIKAWLKKI(SEQ ID NO:18)のポリペプチドである。
いくつかの実施形態によれば、薬物効力を増強させ、非標的組織でのポリペプチドYARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)またはその機能的等価物の蓄積を防止するために、アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)の本発明のポリペプチドまたはその機能的等価物は、標的指向性部分に連結または結合させることができ、それは、このポリペプチドを特定の細胞型または組織に向かわせる。標的指向性部分の例としては、(i)公知または未知の受容体のためのリガンドまたは(ii)特定の細胞型の表面上で発現される、特定の分子標的、例えば、ペプチドまたはまたは炭水化物に結合する化合物、ペプチド、またはモノクローナル抗体が挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態によれば、記載される発明のポリペプチドは化学的に合成される。固相、液相、またはペプチド縮合技術、またはそれらの任意の組み合わせのよく知られた技術を用いて調製された、そのような合成ポリペプチドは、天然および非天然アミノ酸を含み得る。ペプチド合成のために使用されるアミノ酸は、Merrifieldのオリジナル固相手順の標準脱保護、中和、カップリングおよび洗浄プロトコルを伴う標準Boc(N−α−アミノ保護N−α−t−ブチルオキシカルボニル)アミノ酸樹脂(1963, J. Am. Chem. Soc. 85:2149−2154)、またはCarpinoおよびHanにより最初に記載された塩基不安定N−α−アミノ保護9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)アミノ酸(1972, J. Org. Chem. 37:3403−3409)であってもよい。FmocおよびBocN−α−アミノ保護アミノ酸はどちらもSigma, Cambridge Research Biochemical、または当業者によく知られている他の化学会社から入手することができる。加えて、ポリペプチドは当業者によく知られている他のN−α−保護基を用いて合成され得る。固相ペプチド合成は、当業者によく知られており、例えば、Stewart and Young, 1984, Solid Phase Synthesis, 第2版, Pierce Chemical Co., Rockford, Ill.; Fields and Noble, 1990, Int. J. Pept. Protein Res. 35:161−214において提供される技術により、または自動合成機を使用して達成され得る(各々、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの実施形態によれば、発明のポリペプチドは、D−アミノ酸(インビボでL−アミノ酸特異的プロテアーゼに対して耐性である)、D−およびL−アミノ酸の組み合わせ、ならびに様々な「デザイナー」アミノ酸(例えば、β−メチルアミノ酸、C−α−メチルアミノ酸、およびN−α−メチルアミノ酸、など)を含み、特別な特性が伝達される。合成アミノ酸置換の例としては、リジンの代わりのオルニチン、およびロイシンまたはイソロイシンの代わりのノルロイシンが挙げられる。
いくつかの実施形態によれば、ポリペプチドは、インビボでの半減期の増加を促進する他の化合物、例えばポリエチレングリコールまたはデキストランに連結させてもよい。そのような連結は、当業者に理解されるように共有結合または非共有結合とすることができる。いくつかの他の実施形態によれば、ポリペプチドはミセル、例えば、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(ポリプロピレングリコール)またはポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリラクチドで作られたミセルに封入されてもよい。いくつかの他の実施形態によれば、ポリペプチドは、分解性ポリエステル、例えば、限定はされないが、ポリ乳酸、ポリグリコライド、およびポリカプロラクトンからなる分解性ナノまたはミクロ粒子に封入されてもよい。
1つの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤は吸入装置により投与され得る。医薬製剤を投与するために使用することができる吸入装置の例としては、ネブライザー、定量噴霧式吸入器、乾燥粉末吸入器および水滴吸入器が挙げられるが、それらに限定されない。
ネブライザーは、液体製剤を能動的にエアロゾル化し、ロードされるとすぐに連続して動作し、圧縮空気または給電のいずれかを必要とする。例示的なネブライザーとしては、振動メッシュ式ネブライザー、ジェットネブライザー(アトマイザとしても知られている)および超音波ネブライザーが挙げられる。例示的な振動メッシュ式ネブライザーとしては、Respironics i−Neb、Omron MicroAir、Beurer Nebulizer IH50およびAerogen Aeronebが挙げられるが、それらに限定されない。Acorn−I、Acorn−II、AquaTower、AVA−NEB、Cirrhus、Dart、DeVilbiss 646、Downdraft、Fan Jet、MB−5、Misty Neb、Salter Labs 8900、Sidestream、Updraft−II、およびWhisper Jetは、ジェットネブライザーの例である。例示的な超音波ネブライザーとしては、Omron NE−U17ネブライザーおよびBeurer Nebulizer IH30が挙げられるが、それらに限定されない。
定量噴霧式吸入器(MDI)は、一定体積の液体溶液または懸濁液を患者に、スプレーの形態で送達するために、噴射剤を使用する。
乾燥粉末吸入器(DPI)は、薬物が付着したずっと大きな粒子(例えば、ラクトース)を含む賦形剤と混合された活性薬物を含む。エアロゾル化中に、活性薬物は、担体粒子が口および喉に衝突し、摂取される間に、担体からはぎ取られ、吸入される。DPIは、薬物送達を吸入と同期させる。
1つの実施形態によれば、記載される発明のポリペプチドは(それぞれ、口を介するまたは鼻を介する)吸入もしくは吹送による送達のために分散性乾燥粉末の形態であってもよい。乾燥粉末組成物は、当技術分野で知られているプロセス、例えば、国際特許公開第WO91/16038号で開示された、および米国特許第6,921,527号で開示された凍結乾燥およびジェットミリング(その開示内容は参照により組み込まれる)により調製され得る。記載される発明の組成物は、好適な投与容器内に、対象に単位投与量治療を提供するのに十分な量で入れられる。投与容器は、ガス流中に分散させることにより乾燥粉末組成物のエアロゾル化を可能にしてエアロゾルを形成する好適な吸入装置内に適合するものであり、その後、そのように生成されたエアロゾルは、治療を必要とする対象によるその後の吸入のために取り付けられたマウスピースを有するチャンバに捕集される。そのような投与容器は、組成物を封入する任意の容器、例えばゼラチンまたはプラスチックカプセルを、ガス(例えば、空気)流が、容器中に誘導され、乾燥粉末組成物を分散させることを可能にする取り外し可能な部分と共に含む。そのような容器は、米国特許第4,227,522号;米国特許第4,192,309号;および米国特許第4,105,027号で示されるものにより例示される。好適な容器はまた、GlaxoのVentolin(登録商標)Rotohalerブランド粉末吸入器またはFisonのSpinhaler(登録商標)ブランド粉末吸入器と併用して使用されるものを含む。優れた水分バリアを提供する別の好適な単位用量容器が、アルミ箔プラスチックラミネートから形成される。医薬品に基づく粉末は重量または体積に基づいて成形可能なくぼみに充填され、被覆箔−プラスチックラミネートで密閉される。粉末吸入装置と共に使用するためのそのような容器は、米国特許第4,778,054号に記載され、GlaxoのDiskhaler(登録商標)(米国特許第4,627,432号;4,811,731号;および5,035,237号)と共に使用される。これらの参考文献は全て、それらの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
水滴吸入器(ADI)は予め計量した用量の液体製剤を噴射剤を使用せずに送達する。ADIは液体を能動的にエアロゾル化し、微粒子のソフトミストを生成させる。Berodual Respimat(登録商標)(Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co.)が例示的な水滴吸入器である。
1つの実施形態によれば、記載される発明のポリペプチドは噴霧溶液の形態であってもよい。別の実施形態によれば、噴霧製剤はマンニトールを含まない。1つの実施形態によれば、噴霧溶液はネブライザーにより送達される。
別の実施形態によれば、ポリペプチドは、固体形態(顆粒、粉末または坐薬を含む)または液体形態(例えば、溶液、懸濁液、またはエマルジョン)で調製され得る。
別の実施形態によれば、記載される発明のポリペプチドはナノポリプレックスの形態であってもよい。1つの実施形態によれば、ナノポリプレックスポリマーはアニオン性である。別の実施形態によれば、ナノポリプレックスポリマーは、エンドソーム溶解性ポリマーである。例示的なナノポリプレックスポリマーとしては、キトサン、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(アクリル酸)(PAA)およびポリ(プロピルアクリル酸)(PPAA)が挙げられるが、それらに限定されない。
1つの実施形態によれば、記載される発明の製剤は、生物医学装置を埋め込むことにより送達され得る。生物医学装置としては、グラフトが挙げられるが、それらに限定されない。別の実施形態によれば、製剤はグラフト上または中で配置され得る。別の実施形態によれば、グラフトとしては、移植血管が挙げられるが、それに限定されない。別の実施形態によれば、製剤は非経口的に送達され得る。別の実施形態によれば、製剤は局所的に送達され得る。
別の実施形態によれば、記載された本発明の製剤は担体を含む。担体としては、制限されないが、放出剤、例えば持続放出性または遅延放出性担体が挙げられる。そのような実施形態によれば、担体は、より効率的な投与、例えばより少ない頻度および/またはポリペプチド投与量の削減、取り扱いの容易さの改善、および疾患、障害、病状、症候群などに及ぼす影響の延長または遅延を提供するために、ポリペプチドの持続または遅延放出を可能にする任意の材料であり得る。そのような担体の非限定的な例としてはリポソーム、マイクロスポンジ、ミクロスフェア、または天然および合成ポリマーのマイクロカプセルなどが挙げられる。リポソームは、限定はされないが、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンを含む様々なリン脂質から形成され得る。
別の実施形態によれば、本発明のポリペプチドは、様々な溶液中で適用できる。適切な製剤は、滅菌されており、十分量の治療ポリペプチドを溶解し、治療ポリペプチドの安定性を保存し、提案された適用について有害でない。例えば、記載された本発明の組成物は、活性材料成分(複数可)が水性懸濁物の製造に適した賦形剤との混合物中に存在する、水性懸濁物として製剤化され得る。
そのような賦形剤としては、懸濁剤(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴム)、天然由来ホシファチドを含む分散剤または湿潤剤(例えばレシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチル−エンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合生成物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られる部分エステルとの縮合生成物(例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)が挙げられるが、これらに限定されない。
記載された本発明の組成物はまた、活性材料成分を植物油(例えばピーナツ油、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油)中にまたは鉱物油(例えば流動パラフィン)中に懸濁させることによって油性懸濁物として製剤化され得る。油性懸濁物は、増粘剤(例えば蜜蝋、ハードパラフィンまたはセチルアルコール)を含み得る。
記載された本発明の組成物はまた、水を添加して水性懸濁物を調製するのに適した分散性粉末または顆粒の形態で製剤化され得る。そのような粉末および顆粒中の活性材料成分は、分散または湿潤剤、懸濁剤、および1つまたは複数の防腐剤との混合物として提供される。適切な分散または湿潤剤および懸濁剤は、既に先に挙げられたものが具体例である。さらなる賦形剤もまた、存在し得る。
記載された本発明の組成物はまた、エマルジョンの形態として存在し得る。エマルジョンは、2つの非混合性液体担体を組み合わせることによって調製される二相系であり、担体の一方は、他方の全体に均質分配され、最大コロイド粒子以上の直径を有する小球体からなる。小球体のサイズは重要であり、この系が最大の安定性を達成するようなものでなければならない。通常は、この2つの相の分離は、第三の物質(乳化剤)が組み込まれない限り起こらないであろう。したがって、基本的なエマルジョンは、少なくとも3つの成分(2つの非混合性液体担体および乳化剤)を活性材料成分と共に含む。ほとんどのエマルジョンは、非水相に水相を取り込む(またはその逆もある)。しかし、基本的に非水性であるエマルジョン、例えば非水性で非混合性の系のグリセリンおよびオリーブ油の陰イオン性および陽イオン性界面活性剤を調製することが可能である。したがって、本発明の組成物は、水中油エマルジョンの形態で存在し得る。油相は、植物油、例えばオリーブ油またはピーナッツ油、または鉱物油、例えば流動パラフィン、またはそれらの混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然由来のゴム、例えばアカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然由来のホスファチド、例えば大豆レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られるエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、ならびに部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る。
いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性を阻害することができる。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも50%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも55%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも60%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも65%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも70%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも75%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも80%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも85%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも90%を阻害する。いくつかの実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤はMK2キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも95%を阻害する。
別の実施形態によれば、医薬製剤はマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ3(MK3)のキナーゼ活性を阻害するのに有効である。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも50%を阻害する。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも55%を阻害する。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも60%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも65%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも70%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも75%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも80%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも85%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも90%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はMK3キナーゼのキナーゼ活性の少なくとも95%を阻害する。
別の実施形態によれば、医薬製剤は、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性を阻害するのに有効である。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも50%をさらに阻害する。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも55%をさらに阻害する。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも60%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも65%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも70%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも75%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも80%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも85%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも90%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも95%をさらに阻害する。
別の実施形態によれば、医薬製剤はBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性を阻害することができる。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬品は、BDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも50%をさらに阻害する。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬品は、BDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも55%をさらに阻害する。いくつかのそのような実施形態によれば、医薬品は、BDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも60%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬品は、BDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも65%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬品は、BDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも70%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬品は、BDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも75%をさらに阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも80%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも85%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも90%を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤はBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも95%を阻害する。
別の実施形態によれば、医薬製剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性およびカルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性を阻害するのに有効である。
別の実施形態によれば、医薬製剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性およびBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性を阻害するのに有効である。
別の実施形態によれば、医薬製剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性、およびBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性を阻害するのに有効である。
別の実施形態によれば、医薬製剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性の少なくとも65%およびカルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも65%を阻害する。
別の実施形態によれば、医薬製剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性の少なくとも65%およびBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも65%を阻害する。
別の実施形態によれば、医薬製剤はマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)のキナーゼ活性の少なくとも65%、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)のキナーゼ活性の少なくとも65%、およびBDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)のキナーゼ活性の少なくとも65%を阻害する。
別の実施形態によれば、医薬製剤は、MK2、MK3、CaMKI、TrkBの群から選択される少なくとも1つのキナーゼのキナーゼ活性を阻害し、本明細書の表1に列挙された残りの群からの1つまたは複数の他の選択されたキナーゼの活性を実質的に阻害しない。
いくつかの実施形態によれば、MMI−0100(SEQ ID NO:1)およびその機能的等価物のインビボにおける阻害プロファイルは投与量、投与経路、およびこれらの阻害剤に応答する細胞型に依存する。
いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の65%未満を阻害する。いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の60%未満を阻害する。いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の55%未満を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の50%未満を阻害する。いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の45%未満を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の40%未満を阻害する。いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の35%未満を阻害する。いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の30%未満を阻害する。いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の25%未満を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の20%未満を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の15%未満を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の10%未満を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼ(複数可)のキナーゼ活性の5%未満を阻害する。別の実施形態によれば、医薬製剤は選択されるその他のキナーゼのキナーゼ活性を増加させる。
直前の段落の実施形態によれば、実質的に阻害されない1つまたは複数の選択されるその他のキナーゼは、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII、そのサブユニットCaMKIIδを含む)、プロトオンコジーンセリン/トレオニンプロテインキナーゼ(PIM−1)、細胞性肉腫(c−SRC)、脾臓チロシンキナーゼ、(SYK)、c−Srcチロシンキナーゼ(CSK)、およびインスリン様増殖因子1受容体(IGF−1R)の群から選択される。
いくつかの実施形態によれば、本発明の少なくとも1つのMMI阻害剤(すなわち、MMI−0100(SEQ ID NO:1)、MMI−0200(SEQ ID NO:19)、MMI−0300(SEQ ID NO:3)、MMI−0400(SEQ ID NO:4)、およびMMI−0500(SEQ ID NO:7)の少なくとも1つ)により実質的に阻害されるキナーゼ(すなわち、そのキナーゼ活性が少なくとも65%だけ阻害されるキナーゼ)は、下記からなる群より選択される:Abelsonマウス白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ1(Abl)、Abelsonマウス白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ1(T3151)(Abl(T3151))、Abelsonマウス白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ1(Y253F)(Abl(Y253F))、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)、Abelson関連遺伝子(Arg)、5’−AMP活性化プロテインキナーゼ触媒サブユニットアルファ−1(AMPKα1)、5’−AMP活性化プロテインキナーゼ触媒サブユニットアルファ−2(AMPKα2)、AMPK関連プロテインキナーゼ5(ARK5)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(ASK1)、オーロラキナーゼB(Aurora−B)、AXL受容体チロシンキナーゼ(Axl)、X染色体タンパク質中の骨髄チロシンキナーゼ遺伝子(Bmx)、乳腺腫瘍キナーゼ(BRK)、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)、ブルトンチロシンキナーゼ(R28H)(BTK(R28H))、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKI)、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIβ(CaMIIβ)、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIγ(CaMKIIγ)、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼδ(CaMKIδ)、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIδ(CaMKIIδ)、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIV(CaMKIV)、細胞分裂キナーゼ2(CDK2/サイクリンE)、細胞分裂キナーゼ3(CDK3/サイクリンE)、細胞分裂キナーゼ6(CDK6/サイクリンD3)、細胞分裂キナーゼ7(CDK7/サイクリンH/MAT1)、細胞分裂キナーゼ9(CDK9/サイクリンT1)、チェックポイントキナーゼ2(CHK2)、チェックポイントキナーゼ2(1157T)(CHK2(1157T))、チェックポイントキナーゼ2(R145W)(CHK2(R145W))、癌原遺伝子チロシン−プロテインキナーゼcKit(D816V)(cKit(D816V))、C−srcチロシンキナーゼ(CSK)、Raf癌原遺伝子セリン/スレオニンプロテインキナーゼ(c−RAF)、癌原遺伝子チロシン−プロテインキナーゼ(cSRC)、細胞死関連プロテインキナーゼ1(DAPK1)、細胞死関連プロテインキナーゼ2(DAPK2)、筋強直性ジストロフィー−プロテインキナーゼ(DMPK)、DAPキナーゼ関連アポトーシス誘導プロテインキナーゼ1(DRAK1)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮増殖因子受容体(EGFR L858R)、上皮増殖因子受容体L861Q(EGFR(L861Q))、Eph受容体A2(EphA2)(EphA2)、Eph受容体A3(EphA3)、Eph受容体A5(EphA5)、Eph受容体B2(EphB2)、Eph受容体B4(EphB4)、赤芽球性白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ4(ErbB4)、c−Fesタンパク質チロシンキナーゼ(Fes)、線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)、線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)、線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)、Fms様チロシンキナーゼ受容体−3(Flt3)、FMS癌原遺伝子(Fms)、一倍体胚細胞特異的核プロテインキナーゼ(Haspin)、インスリン受容体関連受容体(IRR)、インターロイキン−1受容体関連キナーゼ1(IRAK1)、インターロイキン−1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)、IL2−誘導性T−細胞キナーゼ(Itk)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR)、リンパ球特異的タンパク質−チロシンキナーゼ(Lck)、リンパ球指向性キナーゼ(LOK)、Lynチロシンプロテインキナーゼ(Lyn)、MAPキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)、MAPキナーゼ活性化プロテインキナーゼ3(MK3)、MEK1、母性胚性ロイシンジッパーキナーゼ(MELK)、c−Mer癌原遺伝子チロシンキナーゼ(Mer)、c−Met癌原遺伝子チロシンキナーゼ(Met)、c−Met癌原遺伝子チロシンキナーゼD1246N(Met(D1246N))、c−Met癌原遺伝子チロシンキナーゼY1248D(MetY1248D)、Misshapen/NIK関連キナーゼ(MINK)、MAPキナーゼキナーゼ6(MKK6)、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)、混合系統キナーゼ1(MLK1)、MAPキナーゼシグナル統合キナーゼ2(MnK2)、筋緊張性ジストロフィーキナーゼ関連CDC42−結合キナーゼアルファ(MRCKα)、筋緊張性ジストロフィーキナーゼ関連CDC42−結合キナーゼベータ(MRCKβ)、マイトジェンおよびストレス活性化プロテインキナーゼ1(MSK1)、マイトジェンおよびストレス活性化プロテインキナーゼ2(MSK2)、筋特異的セリンキナーゼ1(MSSK1)、哺乳類STE20様プロテインキナーゼ1(MST1)、哺乳類STE20様プロテインキナーゼ2(MST2)、哺乳類STE20様プロテインキナーゼ3(MST3)、筋肉、骨格受容体チロシン−プロテインキナーゼ(MuSK)、非有糸分裂(Never in mitosis)A関連キナーゼ2(NEK2)、非有糸分裂(Never in mitosis)A関連キナーゼ3(NEK3)、非有糸分裂(Never in mitosis)A関連キナーゼ11(NEK11)、70kDaリボソームタンパク質S6キナーゼ1(p70S6K)、PASドメイン含有セリン/スレオニンキナーゼ(PASK)、ホスホリラーゼキナーゼサブユニットガンマ−2(PhKγ2)、Pim−1キナーゼ(Pim−1)、プロテインキナーゼBアルファ(PKBα)、プロテインキナーゼBベータ(PKBβ)、プロテインキナーゼBガンマ(PKBγ)、プロテインキナーゼC、アルファ(PKCα)、プロテインキナーゼC、ベータ1(PKCβ1)、プロテインキナーゼC、ベータII(PKCβII)、プロテインキナーゼC、ガンマ(PKCγ)、プロテインキナーゼC、イプシロン(PKCε)、プロテインキナーゼC、イオタ(PCKι)、プロテインキナーゼC、ミュー(PKCμ)、プロテインキナーゼC、ゼータ(PKCζ)、プロテインキナーゼD2(PKD2)、cGMP依存性プロテインキナーゼ1アルファ(PKG1α)、cGMP依存性プロテインキナーゼ1ベータ(PKG1β)、タンパク質−キナーゼC関連キナーゼ2(PRK2)、プロリンリッチチロシンキナーゼ2(Pyk2)、癌原遺伝子チロシン−プロテインキナーゼ受容体Ret V804L(Ret(V804L))、受容体共役セリン−スレオニンキナーゼ2(RIPK2)、Rho関連プロテインキナーゼI(ROCK−I)、Rho関連プロテインキナーゼII(ROCK−II)、リボソームタンパク質S6キナーゼ1(Rsk1)、リボソームタンパク質S6キナーゼ2(Rsk2)、リボソームタンパク質S6キナーゼ3(Rsk3)、リボソームタンパク質S6キナーゼ4(Rsk4)、ストレス活性化プロテインキナーゼ2A T106M(SAPK2a、T106M)、ストレス活性化プロテインキナーゼ3(SAPK3)、血清/グルココルチコイド制御キナーゼ(SGK)、血清/グルココルチコイド制御キナーゼ2(SGK2)、血清/グルココルチコイド−制御キナーゼ3(SGK3)、癌原遺伝子チロシン−プロテインキナーゼSrc1−530(Src、1−530)、セリン/スレオニン−プロテインキナーゼ33(STK33)、脾臓チロシンキナーゼ(Syk)、サウザンドアンドワン(Thousand and one)アミノ酸タンパク質1(TAO1)、サウザンドアンドワン(Thousand and one)アミノ酸タンパク質2(TAO2)、サウザンドアンドワン(Thousand and one)アミノ酸タンパク質3(TAO3)、TANK−結合キナーゼ1(TBK1)、Tecタンパク質チロシンキナーゼ(Tec)、内膜内皮細胞キナーゼ2(Tie2)、チロシンキナーゼ受容体A(TrkA)、BDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)、TXKチロシンキナーゼ(Txk)、WNKリジン欠失プロテインキナーゼ2(WNK2)、WNKリジン欠失プロテインキナーゼ3(WNK3)、Yamaguchi肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ1(Yes)、ゼータ鎖(TCR)関連プロテインキナーゼ70kDa(ZAP−70)、およびZIPキナーゼ(ZIPK)。
いくつかの他の実施形態によれば、本発明の少なくとも2つのMMI阻害剤(すなわち、MMI−0100(SEQ ID NO:1)、MMI−0200(SEQ ID NO:19)、MMI−0300(SEQ ID NO:3)、MMI−0400(SEQ ID NO:4)、およびMMI−0500(SEQ ID NO:7)の少なくとも2つ)により実質的に阻害されるキナーゼ(すなわち、そのキナーゼ活性が少なくとも65%だけ阻害されるキナーゼ)は、下記からなる群より選択される:未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)、乳腺腫瘍キナーゼ(BRK)、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼI(CaMKIδを含む)、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII、例えばCaMKIIβ、CaMKIIδおよびCaMKIIγ)、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIV(CaMKIV)、チェックポイントキナーゼ2(CHK2(R145W))、癌原遺伝子チロシン−プロテインキナーゼcKit(D816V)(cKit(D816V))、C−srcチロシンキナーゼ(CSK)、癌原遺伝子チロシン−プロテインキナーゼ(cSRC)、細胞死関連プロテインキナーゼ1(DAPK1)、細胞死関連プロテインキナーゼ2(DAPK2)、DAPキナーゼ関連アポトーシス誘導プロテインキナーゼ1(DRAK1)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、上皮増殖因子受容体L861Q(EGFR(L861Q))、Eph受容体A2(EphA2)、Eph受容体A3(EphA3)、Eph受容体A5(EphA5)、Eph受容体B2(EphB2)、赤芽球性白血病ウイルス癌遺伝子ホモログ4(ErbB4)、c−Fesタンパク質チロシンキナーゼ(Fes)、線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)、線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)、および線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)、Fms様チロシンキナーゼ受容体−3(Flt3)、インスリン受容体関連受容体(IRR)、リンパ球指向性キナーゼ(LOK)、Lynチロシンプロテインキナーゼ(Lyn)、MAPキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MK2)、MAPキナーゼ活性化プロテインキナーゼ3(MK3)、母性胚性ロイシンジッパーキナーゼ(MELK)、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)、マイトジェンおよびストレス活性化プロテインキナーゼ(MSK1)、哺乳類STE20様プロテインキナーゼ1(MST1)、哺乳類STE20様プロテインキナーゼ2(MST2)、非有糸分裂(Never in mitosis)A関連キナーゼ11(NEK11)、70kDaリボソームタンパク質S6キナーゼ1(p70S6K)、PASドメイン含有セリン/スレオニンキナーゼ(PASK)、Pim−1キナーゼ(Pim−1)、プロテインキナーゼB、ガンマ(PKBγ)、プロテインキナーゼC、ミュー(PKCμ)、プロテインキナーゼD2(PKD2)、タンパク質−キナーゼC関連キナーゼ2(PRK2)、血清/グルココルチコイド−制御キナーゼ3(SGK3)、癌原遺伝子チロシン−プロテインキナーゼSrc(Src)、脾臓チロシンキナーゼ(Syk)、Tecタンパク質チロシンキナーゼ(Tec)、内膜内皮細胞キナーゼ2(Tie2)、チロシンキナーゼ受容体A(TrkA)、BDNF/NT−3増殖因子受容体(TrkB)、ゼータ鎖(TCR)関連プロテインキナーゼ70kDa(ZAP−70)、およびZIPキナーゼ(ZIPK)。
いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は、限定はされないが、下記を含むMK2の低分子阻害剤を含む:
いくつかの実施形態によれば、アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)のポリペプチドおよびその機能的等価物は、TGF−β発現のレベル、免疫調節性細胞の浸潤、または両方を低減させるのに有効である。
別の実施形態によれば、記載される発明の医薬製剤は、1つ以上のタイプの炎症または幹細胞、例えば、限定はされないが、単球、線維細胞、マクロファージ、リンパ球、およびマストまたは樹状細胞の創傷中への浸潤を低減させるのに有効である。
別の実施形態によれば、細胞型は、限定はされないが、CD4および/またはCD8を含む細胞表面マーカー(複数可)の発現により特徴付けられる。
いくつかの実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.00001mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.0001mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.001mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.01mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.1mg/kg(または100μg/kg)体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約1mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約10mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約2mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約3mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約4mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約5mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約60mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約70mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約80mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約90mg/kg体重〜約100mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約90mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約80mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約70mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約60mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約50mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約40mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約30mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約20mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約10mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約1mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約0.1mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約0.1mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約0.01mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約0.001mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約0.0001mg/kg体重の量である。別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は、約0.000001mg/kg体重〜約0.00001mg/kg体重の量である。
いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は1μg/kg/日〜25μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は1μg/kg/日〜2μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は2μg/kg/日〜3μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は3μg/kg/日〜4μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は4μg/kg/日〜5μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は5μg/kg/日〜6μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は6μg/kg/日〜7μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は7μg/kg/日〜8μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は8μg/kg/日〜9μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は9μg/kg/日〜10μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は1μg/kg/日〜5μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は5μg/kg/日〜10μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は10μg/kg/日〜15μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は15μg/kg/日〜20μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は25μg/kg/日〜30μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は30μg/kg/日〜35μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は35μg/kg/日〜40μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は40μg/kg/日〜45μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は45μg/kg/日〜50μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は50μg/kg/日〜55μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は55μg/kg/日〜60μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は60μg/kg/日〜65μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は65μg/kg/日〜70μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は70μg/kg/日〜75μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は80μg/kg/日〜85μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は85μg/kg/日〜90μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は90μg/kg/日〜95μg/kg/日の範囲である。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は95μg/kg/日〜100μg/kg/日の範囲である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は1μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は2μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は3μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は4μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は5μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は6μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は7μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は8μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は9μg/kg/日である。
別の実施形態によれば、医薬製剤の治療用阻害ペプチドの治療量は10μg/kg/日である。
アミノ酸配列YARAAARQARAKALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)のポリペプチドまたはその機能的等価物は薬学的に許容される塩の形態で投与され得る。医薬中で使用される場合、塩は薬学的に許容されなければならないが、薬学的に許容されない塩はその薬学的に許容される塩を調製するために、都合よく使用され得る。そのような塩としては、下記酸から調製されるものが挙げられるが、それらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸。また、そのような塩はカルボン酸基のアルカリ金属またはアルカリ土類塩、例えばナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩として調製され得る。薬学的に許容される塩はよく知られている。例えば、P.H.Stahlらは、薬学的に許容される塩を、“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” (Wiley VCH, Zurich, Switzerland: 2002)において詳細に説明している。塩は、記載される発明内で記載される化合物の最終単離および精製中にインサイチューで調製され得、または遊離塩基官能基を好適な有機酸と別個に反応させることにより調製され得る。代表的な酸付加塩としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩。また、塩基性窒素含有基は下記などの作用物質により四級化され得る:低級アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピル、およびブチル;ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル硫酸塩のようなジアルキル硫酸塩;長鎖ハロゲン化物、例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルクロリド、ブロミドおよびヨージド;ベンジルおよびフェネチルブロミドのようなアリールアルキルハロゲン化物、など。これにより、水溶性もしくは油溶性または分散性生成物が得られる。薬学的に許容される酸付加塩を形成させるために使用され得る酸の例としては下記が挙げられる:塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸。塩基付加塩は、本発明内で記載される化合物の最終単離および精製中に、カルボン酸含有部分を好適な塩基、例えば、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩と、あるいはアンモニアまたは有機一級、二級もしくは三級アミンと反応させることにより、インサイチューで調製され得る。薬学的に許容される塩としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属に基づくカチオン、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩など、ならびに無毒性四級アンモニアおよびアミンカチオン、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミンなどが挙げられるが、それらに限定されない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンとしては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどが挙げられる。薬学的に許容される塩はまた、当技術分野でよく知られた標準手順を用いて、例えば、アミンなどの塩基性化合物を、生理的に許容されるアニオンを生成する好適な酸と十分反応させることにより得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムもしくはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えばカルシウムもしくはマグネシウム)塩もまた、生成され得る。
製剤は便宜上、単位剤形で提供され得、薬学の分野で知られている方法により調製され得る。そのような方法は、治療薬(複数可)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物(「活性化合物」)を1つ以上の補助剤を構成する担体と一緒にする工程を含む。一般に、製剤は、均一にかつ密接に、活性剤を液体担体または微細化固体担体または両方と一緒にし、その後、必要に応じて、生成物を、所望の製剤に成形することにより、調製される。
いくつかの実施形態によれば、担体は制御放出担体である。「制御放出」という用語は、製剤からの薬物放出の様式およびプロファイルが制御される任意の薬物含有製剤を示すことが意図される。これは即時ならびに非即時放出製剤を含み、非即時放出製剤は、限定はされないが、持続放出および遅延放出製剤を含む。いくつかの実施形態によれば、医薬製剤の制御放出は温度の変化により媒介される。いくつかの他の実施形態によれば、医薬製剤の制御放出は、pHの変化により媒介される。
注射可能なデポー形態は、生分解性ポリマー、例えば、限定はされないが、ポリエステル(ポリグリコライド、ポリ乳酸およびそれらの組み合わせ)、ポリエステルポリエチレングリコールコポリマー、ポリアミノ由来生体高分子、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリフォスファゼン、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)、光重合性生体高分子、天然起源生体高分子、タンパク質ポリマー、コラーゲン、および多糖中で治療薬/薬物のマイクロカプセル化マトリクスを形成させることにより製造され得る。薬物対ポリマーの比および使用される特定のポリマーの性質によって、薬物放出速度が制御され得る。そのような長時間作用製剤は好適なポリマーまたは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂を用いて、または難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として、製剤化され得る。注射可能なデポー製剤はまた、薬物を、体組織と適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンに封入することにより調製される。
いくつかの実施形態によれば、担体は遅延放出担体である。別の実施形態によれば、遅延放出担体は生分解性ポリマーを含む。別の実施形態によれば、生分解性ポリマーは合成ポリマーである。別の実施形態によれば、生分解性ポリマーは天然起源のポリマーである。
いくつかの実施形態によれば、担体は持続放出担体である。別の実施形態によれば、持続放出担体は生分解性ポリマーを含む。別の実施形態によれば、生分解性ポリマーは合成ポリマーである。別の実施形態によれば、生分解性ポリマーは天然起源のポリマーである。
いくつかの実施形態によれば、担体は短期放出担体である。「短期」放出という用語は、本明細書では、インプラントが治療レベルの活性材料成分を約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23時間の間送達するように構築および配置されていることを意味する。いくつかの他の実施形態によれば、短期放出担体は、治療レベルの活性材料成分を約1、2、3、または4日の間送達する。
いくつかの実施形態によれば、担体は長期放出担体である。「長期」放出という用語は、本明細書では、インプラントが治療レベルの活性材料成分を少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、29、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、48、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60日の間送達するように構築および配置されていることを意味する。別の実施形態によれば、長期−放出担体は生分解性ポリマーを含む。別の実施形態によれば、生分解性ポリマーは合成ポリマーである。
いくつかの実施形態によれば、担体は粒子を含む.いくつかの実施形態によれば、本明細書で記載される製剤は粒子中に含まれる。いくつかの実施形態によれば、本明細書で記載される製剤は粒子上に含まれる。いくつかの実施形態によれば、本明細書で記載される製剤は粒子中およびそれ上の両方に含まれる。
製剤はまた、適切なアジュバントを含むことができ、限定はされないが、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤が挙げられる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌薬および抗真菌薬、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、などにより確実にされ得る。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましい場合もある。注射可能な剤型の延長吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用により引き起こされ得る。
いくつかの実施形態によれば、本発明のポリペプチドは共有結合により、ポリエチレングリコール(PEG)ポリマー鎖へ付着させることができる。いくつかの他の実施形態によれば、本発明のポリペプチドは炭化水素と結合され、炭化水素結合ペプチドが生成され、これらは安定なαヘリックス構造を形成することができる(Schafmeister, C. et al., J. Am. Chem. Soc., composition2000, 122, 5891−5892、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
いくつかの他の実施形態によれば、本発明のポリペプチドは、安定性を増加させ、送達を延長し、またはペプチドの活性を変化させるために、ミクロスフェア、ナノカプセル、リポソーム、またはマイクロエマルジョン中にカプセル化され、または封入され、あるいは、d−アミノ酸を含む。これらの技術は安定性を延長すると同時に、放出を数時間〜数日延長する、または、薬物の付近の細胞による取込を遅延させることができる。
治療薬(複数可)の製剤は薬学的に許容される溶液中で投与され得、これは、ルーチン的に、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、保存剤、適合性担体、アジュバント、および任意で他の治療材料成分を含み得る。
いくつかの実施形態によれば、医薬製剤は、少なくとも1つ追加の治療薬をさらに含む。
いくつかのそのような実施形態によれば、追加の治療薬はEXC001(結合組織増殖因子(CTGF)に対するアンチセンスRNA)、AZX100(熱ショックタンパク質20(HSP20)のホスホペプチド類似体)、PRM−151(組換えヒト血清アミロイドP/Pentaxin2)、PXL01(ヒトラクトフェリンに由来する合成ペプチド)、DSC127(アンジオテンシン類似体)、RXI−109(結合組織増殖因子(CTGF)を標的にする自己送達RNAi化合物)、TCA(トリクロロ酢酸)、ボツリヌス(Botulium)毒素タイプA、またはそれらの組み合わせを含む。
別の実施形態によれば、追加の治療薬は抗炎症薬である。
いくつかの実施形態によれば、抗炎症薬はステロイド系抗炎症薬である。「ステロイド系抗炎症薬」という用語は、本明細書では、17−炭素4−環系を含む多くの化合物の任意の1つを示し、ステロール、様々なホルモン(タンパク質同化ステロイドとして)、およびグリコシドを含む。ステロイド系抗炎症薬の代表例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:コルチコステロイド、例えばヒドロコルチゾン、ヒドロキシルトリアムシノロン、α−メチルデキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デスオキシコルチコステロン酢酸エステル、デキサメタゾン、ジクロリゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、フルプレドニデン(フルプレドニリデン)酢酸エステル、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン、フルラドレノロン、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフロロゾン、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾンおよびそのエステルの平衡物、クロロプレドニゾン、酢酸クロルプレドニゾン、クロコルテロン、クレスシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドナート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニソロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンプロピオン酸シクロペンチル、ヒドロコルタマート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロン、およびそれらの混合物。
別の実施形態によれば、抗炎症薬は非ステロイド系抗炎症薬である。「非ステロイド系抗炎症薬」という用語は、本明細書では、それらの作用がアスピリン様である作用物質の大集団を示し、下記が挙げられるが、それらに限定されない:イブプロフェン(Advil(登録商標))、ナプロキセンナトリウム(Aleve(登録商標))、およびアセトアミノフェン(タイレノール(登録商標))。記載される発明との関連で使用可能な非ステロイド系抗炎症薬の追加の例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:オキシカム、例えばピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカム、およびCP−14,304;ジサルシド、ベノリラート、トリリサート、サファピリン、ソルプリン、ジフルニサル、およびフェンドザール;酢酸誘導体、例えばジクロフェナク、フェンクロフェナック、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパック、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン、フェンチアザク、ゾメピラク、クリンダナク、オキセピナク、フェルビナク、およびケトロラク;フェナム酸、例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、およびトルフェナム酸;プロピオン酸誘導体、例えばベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、およびチアプロフェン;ピラゾール、例えばフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾン、およびトリメタゾン。これらの非ステロイド系抗炎症薬混合物もまた、ならびにこれらの作用物質の皮膚科学的に許容される塩およびエステルも使用され得る。例えば、エトフェナマート、フルフェナム誘導体は特に局所適用に有用である。
別の実施形態によれば、抗炎症薬は、限定はされないが、トランスフォーミング増殖因子−ベータ3(TGF−β3)、抗腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)剤、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態によれば、追加の作用物質は鎮痛薬である。いくつかの実施形態によれば、鎮痛薬は、疼痛閾値を上昇させることにより、意識を障害させる、または他の感覚様式を変えることなく、疼痛を軽減する。いくつかのそのような実施形態によれば、鎮痛薬は非オピオイド性鎮痛薬である。「非オピオイド性鎮痛薬」は疼痛を低減させるが、オピオイド鎮痛薬ではない天然または合成物質である。非オピオイド性鎮痛薬の例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ナブメトン、ピロキシカム、アセトアミノフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、アスピリン、コリンマグネシウムトリサリチル酸、ジフルニサル、メクロフェナム酸、メフェナム酸、およびフェニルブタゾン。いくつかの他の実施形態によれば、鎮痛薬はオピオイド鎮痛薬である。「オピオイド鎮痛薬」、「オピオイド」、または「麻薬性鎮痛薬」は、中枢神経系中のオピオイド受容体に結合し、アゴニスト作用を生成させる天然または合成物質である。オピオイド鎮痛薬の例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルフォン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィン、およびペンタゾシン。
別の実施形態によれば、追加の作用物質は抗感染薬である。別の実施形態によれば、抗感染薬は抗生物質製剤である。「抗生物質製剤」という用語は、本明細書では、細菌、および他の微生物の増殖を阻害する、またはこれを破壊する能力を有し、主に感染性疾患の治療において使用される化学物質の群のいずれかを意味する。抗生物質製剤の例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:ペニシリンG;メチシリン;ナフシリン;オキサシリン;クロキサシリン;ジクロキサシリン;アンピシリン;アモキシシリン;チカルシリン;カルベニシリン;メズロシリン;アズロシリン;ピペラシリン;イミペネム;アズトレオナム;セファロチン;セファクロル;セフォキシチン;セフロキシム;セフォニシド;セフメタゾール;セフォテタン;セフプロジル;ロラカルベフ;セフェタメト;セフォペラゾン;セフォタキシム;セフチゾキシム;セフトリアキソン;セフタジジム;セフェピム;セフィキシム;セフポドキシム;セフスロジン;フレロキサシン;ナリジクス酸;ノルフロキサシン;シプロフロキサシン;オフロキサシン;エノキサシン;ロメフロキサシン;シノキサシン;ドキシサイクリン;ミノサイクリン;テトラサイクリン;アミカシン;ゲンタマイシン;カナマイシン;ネチルマイシン;トブラマイシン;ストレプトマイシン;アジスロマイシン;クラリスロマイシン;エリスロマイシン;エリスロマイシンエストレート;エリスロマイシンエチルコハク酸エステル;エリスロマイシングルコヘプトン酸エステル;エリスロマイシンラクトビオン酸塩;ステアリン酸エリスロマイシン;バンコマイシン;テイコプラニン;クロラムフェニコール;クリンダマイシン;トリメトプリム;スルファメトキサゾール;ニトロフラントイン;リファンピン;ムピロシン;メトロニダゾール;セファレキシン;ロキシスロマイシン;コアモキシクラブアナート(Co−amoxiclavuanate);ピペラシリンとタゾバクタムの組み合わせ;ならびにそれらの様々な塩、酸、塩基、および他の誘導体。抗菌抗生物質製剤としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:ペニシリン、セファロスポリン、カルバセフェム、セファマイシン、カルバペネム、モノバクタム、アミノグリコシド、グリコペプチド、キノロン、テトラサイクリン、マクロライド、およびフルオロキノロン。
少なくとも1つ追加の治療薬の他の例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:ローズヒップ油、ビタミンE、5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、タマネギエキス、ペントキシフィリン、プロリル−4−ヒドロキシラーゼ、ベラパミル、タクロリムス、タモキシフェン、トレチノイン、コルヒチン、カルシウム拮抗薬、トラニルスト(tranilst)、亜鉛、抗生物質、およびそれらの組み合わせ。
特に断りがなければ、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。本明細書に記載された方法および材料と類似する、または等価ないずれの方法および材料もまた、本発明の実施または試験に用いることができるが、好ましい方法および材料をこれから記載する。本明細書に記載された全ての刊行物は、参照により本明細書に組み入れられ、引用された刊行物との関係で方法および/または材料を開示および記載する。
ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限の間に介在する各値(文脈が明確に示さない限り下限の10分の1まで)、および任意の他の表記された値または表記範囲中に介在する値が、本発明に包含されることは理解されよう。これらより小さな範囲に独立して含まれ得るより小さな範囲の上限および下限もまた、本発明に包含されるが、ただし表記範囲中の特に排除された任意の限界を受ける。表記の範囲が一方または両方の限界を含む場合、それらの含まれる限界の一方または両方を排除した範囲もまた、本発明に含まれる。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる通り、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにその他を記載しない限り、複数の対応物を含むことが特記されなければならない。本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は同じ意味を有する。
本明細書で議論される刊行物は、その内容は参照により本明細書に組み入れられ、本出願の出願日前のそれらの開示内容を示すためにのみ提供される。それらのいずれも、記載された本発明が先行発明を理由にそのような刊行物に先行しないということを容認するものと解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の発行日とは異なることが有り、それは独立して確認されるべきであろう。
記載される発明は、その精神またはその必須の属性から逸脱せずに、他の特定の形態で具体化され得、したがって、発明の範囲を示す場合、前記明細書ではなく、添付の特許請求の範囲に言及しなければならない。
実施例
以下の実施例は、本発明の実施および使用の方法の完全な開示および記載を当業者に提供するために示されるものであり、本発明者らが本発明者らの発明とみなすものの範囲を制限しようとするものでもなく、また下記の実験が全てであること、あるいは実施された実験に過ぎないことを表すものでもない。使用する数値(例えば数、温度など)に関して正確さを確保するために努力を払ったが、若干の実験誤差および偏差が考慮されなければならない。他に断りがなければ、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧は大気圧または大気圧近辺である。
材料および方法
A.MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)の乾燥粉末製剤
MMI−0100製剤:
MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)、凍結乾燥(American Peptide, Inc., Sunnyvale CA)Lot番号100429、製造日2010年6月29日、500mg。
ニート噴霧乾燥MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)、5%w/w固体(Bend Research, Bend OR)Lot番号BREC00708−003A、製造日2012年7月27日、1g。
ニート噴霧乾燥MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)、1%w/w固体(Bend Research, Bend OR)Lot番号BREC00708−003B、製造日2012年7月27日、1g。
噴霧乾燥80/20MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)/トレハロース(Santa Cruz Biotechnology,Inc. Dallas TX)、1%w/w固体(Bend Research, Bend OR)Lot番号BREC00708−011C、製造日w/c2012年9月10日、500mg。
噴霧乾燥92.5/7.5MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)/トレハロース(Santa Cruz Biotechnology,Inc. Dallas TX)、1%w/w固体(Bend Research, Bend OR)Lot番号BREC00708−011F、製造日w/c2012年9月10日、500mg。
迅速HPLCおよびNGI試料抽出方法
材料および機器
水、Milliporeまたは等価物
アセトニトリル、HPLCグレード
メタノール、HPLCグレード
トリフルオロ酢酸
Tween20
MMI−0100ニート凍結乾燥原薬
微量天秤(Mettler−Toledo, Columbus OH)
次世代インパクタ(NGI)(MSP Corp, Shoreview MN)
用量単位採取装置(Copley, Nottingham UK)
TPK制御装置(Copley, Nottingham UK)
HPLCシステム
HPLC機器(Waters Alliance 2695, Milford MA)、サーモスタット制御されたカラム区画またはカラムオーブンおよび試料区画を有する
カラム:Supelco、Ascentis Express(登録商標)ペプチドES−C18、50×4.6mm(Sigma−Aldrich, St Louis MO)
流速:1.5mL/分
注入体積:40ILL
カラム温度:40℃
試料温度:5℃
検出器波長:215nm
移動相A:0.1%ITAを含む水(72%)
移動相B:0.1%TFAを含む1:1メタノール:アセトニトリル(28%)
ランタイム:3分。MMI−0100の保持時間は約2.35分である。
溶液調製
移動相A:0.1%TFAを含む水
2.0mLのTFAを2Lメスフラスコ中の1000mLの水中にピペッティングし、水で希釈して一定体積にする。混合し、脱気する。代替用の量を調製してもよいが、割合は等しく維持される。
移動相B:0.1%TFAを含む1:1メタノール:アセトニトリル
1.0mLのTFAを、1Lメスフラスコ中の500mLのメタノール中にピペッティングし、メタノールで希釈して一定体積にする。混合し、脱気する。代替用の量を調製してもよいが、割合は等しく維持される。1.0mLのTFAを、1Lメスフラスコ中の500mLのアセトニトリル中にピペッティングし、アセトニトリルで希釈して一定体積にする。混合し、脱気する。代替用の量を調製してもよいが、割合は等しく維持される。2,000mLの移動相のために上記調製された溶液を混合する。
試料溶媒:0.02%Tween20を含む水
目盛り付き広口TCピペットを使用して、0.8mLのTween20をおよそ3,000mLの水を含む4,000mLメスフラスコ中に移す。Tween20は粘性である。必ず、数回、水でピペットをすすいでフラスコに入れ、ピペットからTween20をフラッシングする。水で希釈して一定体積にする。よく混合する。
コーティング溶液:5%Tween20を含むメタノール
目盛り付き広口TCピペットを使用して5mLのTween20を、およそ75mLのメタノールを含む100.0mLメスフラスコ中に移す。Tween20は粘性である。必ず、数回、ピペットをメタノールですすいでフラスコに入れ、Tween20をピペットからフラッシングする。メタノールで希釈して一定体積にする。よく混合する。
注:MMI−0100は吸湿性である。ニート原薬の取扱は全て5%相対湿度で維持されたグローブボックス内で実施されなければならない。
注:凍結乾燥MMI−0100は−10℃〜−20℃で保存される。使用前に、凍結乾燥MMI−0100はデシケーターまたは5%相対湿度で維持されたグローブボックスで少なくとも2時間の間解凍されなければならない。
標準原液−1.1mg/mL
11mgの純粋MMI−0100と等価な量のMMI−0100を適切な計量容器中に秤量する。必要とされる実際の重量は、11mgを分析証明書に報告されている純度係数で割ることにより計算することができる。実際に秤量したMMI−0100の量は、この計算重量の±0.250mgでなければならない。MMI−0100(そのまま)の重量+計量容器をWiとして記録する。MMI−0100を10.0mLメスフラスコに移す。空の計量容器を天秤上に置き、重量(Wf)を記録する。標準量はWi−Wfに等しい。およそ6mLの試料溶媒を添加する。メスフラスコを回転させて溶解させ、試料溶媒で希釈して一定体積にする。よく混合し、直ちに、溶液をポリプロピレン遠心管に移す。チェック標準原液のための第2の溶液を調製する。
標準試薬溶液−110μg/mL
5.0mLの標準原液を50mLメスフラスコ中にピペッティングする。試料溶媒で希釈して一定体積にし、直ちに、溶液をポリプロピレン遠心管に移す。最終濃度:110μg/mL。
標準試薬溶液−11μg/mL
5.0mLの標準原液を50mLメスフラスコ中にピペッティングする。試料溶媒で希釈して一定体積にする。最終濃度:11μg/mL。
定量下限(LOQ)溶液
1.0mLの110μg/mL標準試薬溶液を50mLメスフラスコ中にピペッティングする。試料溶媒で希釈して一定体積にする。最終濃度:2.2μg/mL。
手順
安定なシグナルが達成されるまで、HPLCを移動相で平衡化させる。下記配列の1つを、必要に応じて使用して、システム適合性および試料注入を実施する。
注:HPLCオートサンプラー温度は、5℃で維持される。MMI−0100試料溶液は、調製直後にHPLCに移されなくてはならず、注入前少なくとも10−15分の間熱平衡化される。
注:ガラスはMMI−0100ペプチドを溶液から吸収するであろう。ポリプロピレンHPLCバイアルのみが分析に使用されるべきである。
NGI試料
試料溶媒(1×)
LOQ溶液(6×)
11μg/mL標準試薬(5×)
11μg/mLチェック標準(1×)
NGI試料−1複製、ブリスターからMOCまで(それぞれ1×)
11μg/mL標準試薬(1×)
NGI試料の追加の複製
11μg/mL標準試薬(各NGI複製後1×)
下記標的要求が満たされた場合、システム適合性は達成される。
試料溶媒ピーク:MMI−0100の保持時間で検出されない
LOQ溶液:n=6注入について%RSD(相対標準偏差)が<10%でなければならない
最初、n=5の標準試薬の注入:
%RSDは、<1.5%でなければならない
テーリング係数は、<2.0でなければならない
k’は、>2.0でなければならない。ボイドタイムについては、溶媒前端における第1のピークを使用する。
理論段数は、情報のみのために記録されなければならない。
チェック標準:98.0−102.0%
実行による標準試薬注入:全ての標準試薬注入の%RSDは、<2.0%でなければならない
NGI試料調製
NGI分析のためのブリスターは、研究で使用される吸入器のために標準使用説明書に従い、投与されなければならない。
ブリスター、流路、スロート、およびNGIインパクションカップは、表2で列挙される抽出体積を用いて、ステージに対する標準lab業務を使用して、試料溶媒で抽出されなければならない。
NGIインパクションカップは、混合中、被覆される必要はない。混合時間は、3分でなければならない。
プレセパレーター抽出
プレセパレーターは容積測定ガラス容器中に抽出されない。
プレセパレータートップ:プレセパレータートップは抽出されない。
プレセパレーターインサート:プレセパレーターインサートは投与中に中央カップに添加された10.0mLの試料溶媒を有する。この溶液は、短時間でピペットにより、中央カップ中で混合され、その後、HPLCバイアルに追加の希釈なしで移される。
プレセパレーターベース:プレセパレーターベースを栓でしっかり閉じる。10.0mLの試料溶媒をベースの平坦部分に添加する。平坦部分の表面積全体を数回、ピペットによりすすぐ。この同じ試料溶液を使用して、ベースの基部の内壁をすすぐ。試料溶液をピペットにより混合する。
計算
下記式を使用してチェック標準精度を計算する:
(Aチェック標準)(C標準)(100%)/(A標準)(Cチェック標準)
ここで:
Aチェック標準=チェック標準溶液におけるMMI−0100ピークのピーク面積
C標準=標準試薬溶液中のMMI−0100の濃度
A標準=標準試薬溶液の第1の5つの(5)注入におけるMMI−0100ピークの平均ピーク面積
Cチェック標準=チェック標準溶液におけるMMI−0100の濃度
個々の試験溶液中のMMI−0100の量をμgで、下記式を用いて計算する:
(A試料)(C標準)(V試料)(P)/(A標準)
ここで:
A試料=試験溶液中のMMI−0100ピークのピーク面積
C標準=標準試薬溶液中のMMI−0100の濃度
P=参照物質(適用可能な場合)の効力係数
A標準=標準試薬溶液の第1の5つの(5)注入におけるMMI−0100ピークの平均ピーク面積
表3で列挙されるブリスターおよび装置パラメータをエアロゾル性能の最適化のための起点として使用した。
B.MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)のネブライザー製剤
MMI−0100製剤:
製剤A:7mg/mL;200mLの0.9%生理食塩水を含むメスフラスコ中に秤量された、1.8gの凍結乾燥ペプチド。
製剤B:0.7mg/mL;200mLの0.9%生理食塩水を含むメスフラスコ中に秤量された、0.18gの凍結乾燥ペプチド。
機器:
Malvern MasterSizer X V2.15:Malvern Instruments GmbH, Munchen II
カラムオーブンを備えたHPLC Alliance2695、2487二重吸光度検出器およびクロマトグラフィーデータシステム(Empower3);Waters
マスフロー制御装置0〜30l/分、例えばPR4000;MKS
相対湿度および温度のための測定システム、例えば、testo645
デジタルマノメーター、例えば、testo525
精密天秤、例えばExcellence XS603S DR、Mettler Toledo
調整システム
気泡流量計、例えばGilibrator2、Gillian
呼吸シミュレータZ
フィルタパッド(ポリプロピレン)
フィルタケーシング
研究室振盪機、例えば3015、IKA Werke
温度/湿度センサ、例えばTesto645、Testo
ガスメータ、G4、Elster Instromet
Pipette Research1000、Eppendorf
Multipetteストリーム、Eppendorf
Waterbath、例えばF12;Julabo
マグネットスターラー、例えばIKA RCTベーシック
レオメータ、例えばRheostressl、Haake
テンシオメータ、例えばscience line t60、SitaMesstechnik
Osmomat、例えばGonotec auto
C.MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)のナノポリプレックス製剤
細胞貫通MK2阻害ペプチドの合成
MK2阻害ペプチド(MK2i)MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)を、PS3ペプチドシンセサイザー(Protein Technologies, Inc. Tucson, AZ)上で、標準Fmoc化学を用いて合成した。N−メチルピロリドン(NMP、Fischer Scientific)を溶媒として全てのペプチド合成において使用した。HCTU(1H−ベンゾトリアゾリウム1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5クロロ−,ヘキサフルオロホスフェート(1−),3−オキシド)をアクチベーター(Chempep、Wellington、FL)として、N−メチルモルホリンの存在下で使用した。全てのアミノ酸を収率および純度を最大にするために、ダブルカップリングさせた。ペプチドをトリフルオロ酢酸(TFA)/フェノール/H2O/トリイソプロピルシラン(88/5/5/2)中で、切断/脱保護させた。ペプチドをその後、逆相HPLCにより、延長フローキット、Waters2489UV/可視検出器、およびphenomenex Luna C18(2)AXIA充填カラム(100A、250×21.2mm、5ミクロン)が装備されたWaters 1525バイナリHPLCポンプ上でさらに精製した。A)0.05%ギ酸を有するHPLCグレード水およびB)HPLCグレードアセトニトリルを移動相として使用し、ペプチドを90%A〜90%B勾配を使用して25分(16mL/分)にわたり精製した。アセトニトリルを精製画分から、ロータリー・エバポレーターを用いて除去し、精製画分をその後凍結乾燥させた。ペプチド純度をエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)により、Waters Synapt ESI−MS上で確認した。
モノマーおよびポリマー合成
全ての試薬はSigmaから購入し、それらは別記されない限り分析グレードを有した。2−プロピルアクリル酸をFerritoら(Macromolecular Syntheses 11,59−62 (1992))により概説される手順に従い、プロピルマロン酸ジエチル(Alfa Aesar)を前駆体として使用して合成した。4−シアノ−4−(エチルスルファニルチオカルボニル)スルファニルペンタン酸(ECT)連鎖移動剤(CTA)をConvertineら(J. Control Release 133,221−229 (2009))により記載されるように合成した。ポリ(プロピルアクリル酸)(PPAA)ホモポリマーの可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合を、窒素雰囲気下、70℃で48時間、2,2’−アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)をフリーラジカル開始剤として使用して、バルクで実施した。反応混合物を3回の凍結−真空−解凍サイクルに通し、30分間窒素でパージし、その後、重合させた。連鎖移動剤(CTA)対AIBNのモル比は1対1であり、モノマー対CTA比は、190の重合度(DP)が100%変換で達成されるように設定した。重合後、得られたポリマーをジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、エーテル中に5回沈殿させ、その後、一晩真空で乾燥させた。ポリ(アクリル酸)(PAA)ホモポリマーのRAFT重合を、蒸留ジオキサン中で窒素雰囲気下、70℃で18時間、AIBNをフリーラジカル開始剤として使用して実施した。反応混合物を30分間窒素でパージし、その後、重合させた。CTA対AIBNのモル比は5対1であり、モノマー対CTA比は、150の重合度が100%変換で達成されるように設定した。重合後、得られたポリマーをジオキサンに溶解させ、エーテル中に5回沈殿させ、その後、一晩真空で乾燥させた。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、Agilent)を使用して、0.1%LiBrを含むHPLC−グレードDMFを60℃で移動相として使用して、PPAAおよびPAAホモポリマーの分子量および多分散性(Mw/Mn、PDI)を決定した。分子量計算は、ASTRA Vソフトウェア(Wyatt Technology)を用いて実施し、これらは、屈折率検出器によるポリマーのオフライン注入により決定された、実験的に決定したdn/dc値に基づいた(計算されたPPAAdn/dc=0.087mL/g、DP=193(GPC)、PDI=1.47(GPC);計算されたPAAdn/dc=0.09mL/g、DP=150(GPC)、PDI=1.27(GPC))。ポリマー純度および分子量は核磁気共鳴分光法によりD6MSOを溶媒として使用して確認した(PPAA DP=190(H1 NMR);PAA DP=106(H1 NMR))。
MMI−0100ナノポリプレックス(MK2i−NP)および蛍光体−HSP20ナノプレックス(HSP20−NP)合成およびキャラクタリゼーション
PPAAを1M NaOHに溶解し、リン酸バッファー(pH8)中に希釈し、原液を得た。精製MMI−0100ペプチドをリン酸バッファー(pH8)に溶解した。MMI−0100ペプチドおよびPPAAポリマーを[NH3 +]:[COO-]=10:1〜1:10の範囲のチャージ比(CR)で混合し、MK2i−NPを形成させた。得られたポリプレックスを、0.45μMポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタを通してシリンジ濾過し、流体力学直径およびζ電位を、Malvern Zetasizer Nano−ZS上で再利用可能なディップ細胞キット(Malvern Instruments Ltd., Worcestershire, U.K.)を用いて特徴付けた。
1:3のCRをその後、最適MK2i−NP製剤として選択し、一方、3:1のチャージ比をリードp−HSP20−NP製剤として選択した。これらの製剤を、その後のインビトロ、エクスビボ、およびインビボ研究において使用した。同じCRで非エンドソーム溶解性ポリマーPAAを用いて製剤化したナノポリプレックス(すなわち、NE−MK2i−NP)を、動的光散乱(DLS)により分析し、ビヒクル対照として全てのその後の研究で使用した。DLS分析により示されたサイズを確認するために、MK2i−NPおよびHSP20−NPを、透過型電子顕微鏡法(TEM)イメージングにより可視化した。TEM試料を、炭素フィルムで裏打ちされた銅グリッド(Ted Pella)を水性ポリプレックス懸濁液(1mg/mL)の20μL滴上にふせることにより調製し、ブロットして、乾燥させた。全ての試料をその後、3%酢酸ウラニルの20μL滴上にふせ、2分間染色した。試料をブロッティングして乾燥させた後、試料を真空で2時間乾燥させ、その後、200kVで動作するPhilips CM20システム上でイメージングさせた。画像をAMT画像取込エンジンソフトウェアを備えた電荷結合デバイス(CCD)カメラ(Advanced Microscopy Techniques, Danvers, MA)を用いて収集した。1:3のCRでのポリペックス(polypexes)のpH依存性サイズ変化をその後、DLS分析により様々なpH値で、PBS−/−において(すなわちpH7.4、6.8、6.2、および5.6)定量した。
pH依存性膜破壊溶血アッセイ
MK2i−NPのエンドソーム破壊電位を評価するために、赤血球溶血アッセイをHenryら(Biomacromolecules 7,2407−2414 (2006))により前に記載されるように使用して、脂質二重層のMK2i−NPpH依存性破壊を測定した。全ヒト血液を匿名ドナーから引き出し、血漿を遠心分離および生理食塩水洗浄により除去した。残りの赤血球を3回、150mM NaClで洗浄し、生理的(pH7.4)、初期エンドソーム(pH6.8)、初期/後期エンドソーム(pH6.2)、および後期エンドソーム/リソソーム(pH5.8)環境に対応するリン酸バッファー中に再懸濁させた。MK2i−NP、NE−MK2i−NP、MMI−0100(MK2i)ペプチド単独(1〜40μg/mL)、PBS(陰性対照)、または1%トリトンX−100(陽性対照)を赤血球懸濁液に添加し、37℃で1時間インキュベートした。無傷の赤血球を遠心分離によりペレット化し、上清を新しい96−ウェルプレートに移した。上清内のヘモグロビン含量をその後、541nmでの吸光度により測定した。パーセント溶血をトリトンX−100およびPBS対照に対して決定した。
細胞培養
初代ヒト冠動脈血管平滑筋細胞(HCAVSMC)をLonzaから入手した。HCAVSMCを、完全増殖培地[5%FBS、ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、5ng/mL)、ヒトインスリン(5μg/mL)、アスコルビン酸(50μg/mL)、L−グルタミン(10mM)、ヒト上皮増殖因子(EGF、5ng/mL)、および1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補充された血管細胞基本培地(ATCC)]で培養した。
全ての培養物を、75cm2ポリスチレン組織培養フラスコ中、37℃および5%CO2環境において、細胞培地を一日おきに新しくして維持した。細胞を、80〜90%コンフルエンスまで増殖させ、その後、回収し、継代培養した。全ての細胞を、必要に応じて個々の特定の実験に対し、20,000〜30,000細胞/cm2の密度で播種した。初期継代からの細胞(番号3〜8)のみを実験で使用した。
炎症性サイトカイン分析
200μLの細胞懸濁液(10,000細胞/ウェル)を96−ウェルプレート上に播種し、およそ70%コンフルエンス/ウェルを得た。細胞をプレートに一晩接着させた。
腫瘍壊死因子−α ELISA
HCAVSMCを、低血清培地(DMEM、1%FBS、および1%P/S、細胞静止状態を達成するため)中で、10μM ANG−IIを用いて4時間処置し、続いて、MK2i−NP、MK2i、またはNE−MK2i−NPを用いて2時間処置した。処置後、各ウェルを吸引し、新鮮培地を補充した。24時間後、100μLの上清を回収し、サイトカイン分析を実施するまで、−80℃で凍結させた。ヒトTNF−α(cat#900−K25)ELISA発色キット(Peprotech; Rocky Hill, NJ)を使用して、製造者のプロトコルに従い、処置された細胞から回収された上清中のサイトカインレベルを測定した。簡単に言うと、ポリクローナル捕捉抗体をリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS; Gibco BRL、cat. # 14200−075)(1X、pH7.20)で、1μg/mLの濃度まで希釈し、100μLの希釈捕捉抗体をマイクロタイタープレートの各ウェルに添加することにより、マイクロタイタープレート(Nunc MaxiSorp, cat. # 439454)を調製した。プレートを密閉し、一晩、室温でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルを吸引し、4回、300μLの洗浄バッファー(0.05%Tween−20(Sigma、cat.#P7949)を含むPBS)/ウェルで洗浄した。次に、300μLのブロッキングバッファー(1%ウシ血清アルブミン(BSA;Sigma、cat.#A−7030)を含むPBS)を各ウェルに添加し、マイクロタイタープレートを1時間室温でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルを吸引し、4回、300μLの洗浄バッファー/ウェルで洗浄した。次に、TNF−α標準を0.01μg/mLから0μg/mLまで、希釈剤(0.05%Tween−20、0.1%BSAを含むPBS)中で段階希釈した。希釈した標準および試料(100μL/ウェル)をマイクロタイタープレートに3連で添加し、プレートを2時間室温でインキュベートした。ウェルを吸引し、プレートを4回、洗浄バッファーで洗浄した。洗浄後、100μLのビオチン化検出抗体(0.5μg/mLの濃度で;希釈剤中500ng/mL)を各ウェルに添加し、マイクロタイタープレートを2時間室温でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルを吸引し、4回、洗浄バッファーで洗浄した。アビジン−HRPコンジュゲート(Sigma、cat.#A−7419)を希釈剤中1:2000で希釈し、プレートの各ウェルに添加した(100μL/ウェル)。プレートを30分間室温でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルを吸引し、プレートを4回、洗浄バッファーで洗浄した。次に、100μLのABTS液体基質溶液(Sigma、cat.#A3219)を各ウェルに添加し、プレートを発色のために室温でインキュベートした。プレートをプレートリーダー(Molecular Devices)を用いて、405nm(650nm波長補正)で読み取った。全てのデータをその後、CytoTox−ONE(商標)Homogenous Membrane Integrityアッセイ(Promega)により、製造者のプロトコルに従い決定された細胞生存率に対して正規化した。簡単に言うと、200μLのHCAVSMC細胞懸濁液を(10,000細胞/ウェルで)、96−ウェルプレート上に播種し、およそ70%コンフルエンス/ウェルを得た。細胞を、一晩プレートに接着させた。次に、プレートを22℃におよそ30分の間平衡化させた。平衡化後、200μLのYtoTox−ONE(商標)試薬を各ウェルに添加し、プレートを30秒間振盪させ、その後、10分間22℃でインキュベートした。インキュベーション後、100μLの停止液を各ウェルに添加し、プレートを10秒間振盪させ、蛍光を560nmの励起波長および590nmの発光波長でプレートリーダー(Molecular Devices)を用いて記録した。
インターロイキン−6ELISA
HCAVSMCを、20ng/mL TNF−αを含む低血清培地中で、4時間処置し、続いて、MK2i−NP、MMI−0100(MK2i)、またはNE−MK2i−NPを用いて2時間処置した。処置後、各ウェルを吸引し、新鮮培地を補充した。24時間後、100μLの上清を回収し、サイトカイン分析が実施できるまで、−80℃で凍結させた。ヒトIL−6(cat#900−K16)ELISA発色キット(Peprotech; Rocky Hill、NJ)を使用して、製造者のプロトコルに従い、処置された細胞から回収された上清中のサイトカインレベルを測定した。簡単に言うと、ポリクローナル捕捉抗体をリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS; Gibco BRL、cat. # 14200−075)(1X、pH7.20)で、1μg/mLの濃度まで希釈し、100μLの希釈捕捉抗体をマイクロタイタープレートの各ウェルに添加することにより、マイクロタイタープレート(Nunc MaxiSorp, cat. # 439454)を調製した。プレートを密閉し、一晩、室温でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルを吸引し、4回、300μLの洗浄バッファー(0.05%Tween−20(Sigma、cat.#P7949)を含むPBS)/ウェルで洗浄した。次に、300μLのブロッキングバッファー(1%ウシ血清アルブミン(BSA;Sigma、cat.#A−7030)を含むPBS)を各ウェルに添加し、マイクロタイタープレートを1時間室温でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルを吸引し、4回、300μLの洗浄バッファー/ウェルで洗浄した。次に、IL−6標準を、0.01μg/mLから0μg/mLまで、希釈剤(0.05%Tween−20、0.1%BSAを含むPBS)中で段階希釈した。希釈した標準および試料(100μL/ウェル)をマイクロタイタープレートに3連で添加し、プレートを2時間室温でインキュベートした。ウェルを吸引し、プレートを4回、洗浄バッファーで洗浄した。洗浄後、100μLのビオチン化検出抗体(0.5μg/mLの濃度で;希釈剤中500ng/mL)を各ウェルに添加し、マイクロタイタープレートを2時間室温でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルを吸引し、4回、洗浄バッファーで洗浄した。アビジン−HRPコンジュゲート(Sigma、cat.#A−7419)を希釈剤中1:2000で希釈し、プレートの各ウェルに添加した(100μL/ウェル)。プレートを30分間室温でインキュベートした。インキュベーション後、ウェルを吸引し、プレートを4回、洗浄バッファーで洗浄した。次に、100μLのABTS液体基質溶液(Sigma、cat.#A3219)を各ウェルに添加し、プレートを発色のために室温でインキュベートした。プレートをプレートリーダー(Molecular Devices)を用いて、405nm(650nm波長補正)で読み取った。全てのデータをその後、CytoTox−ONE Homogenous Membrane Integrityアッセイ(Promega)により、製造者のプロトコルに従い決定された細胞生存率に対して正規化した。
単球走化性タンパク質−1(MCP−1)ELISA
HCAVSMCを低血清培地中で、MK2i−NP、MK2i、またはNE−MK2i−NPを用いて2時間処置した。処置後、各ウェルを吸引し、新鮮培地を補充した。3または5日後、細胞をTNF−α(20ng/ml)で24時間刺激した。刺激後、100μLの上清を回収し、サイトカイン分析が実施できるまで、−80℃で凍結させた。ヒト単球走化性タンパク質−1(cat#EH2MCP1)ELISA発色キット(ThermoFisher Scientific/Pierce Biotechnology; Rockford, IL)を使用して、製造者のプロトコルに従い、処置された細胞から回収された上清中のサイトカインレベルを測定した。簡単に言うと、50μLの標準希釈剤を、抗ヒトMCP−1プレコート96−ウェルストリッププレートの各ウェルに添加した。次に、50μLの標準または試料をストリッププレートに2連で添加し、ストリッププレートを粘着プレートシーラーで被覆し、室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、ストリッププレートを3回、洗浄バッファーで洗浄した。洗浄後、100μLのビオチン化抗体試薬をストリッププレートの各ウェルに添加し、プレートを粘着プレートシーラーで被覆し、室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、ストリッププレートを3回、洗浄バッファーで洗浄した。次に、100μLのストレプトアビジン−HRP溶液をストリッププレートの各ウェルに添加し、ストリッププレートを粘着プレートシーラーで被覆し、室温で30分間インキュベートした。インキュベーション後、ストリッププレートを3回、洗浄バッファーで洗浄した。洗浄後、100μLのTMB基質溶液をストリッププレートの各ウェルに添加し、ストリッププレートを室温で20分間発色させた。次に、100μLの停止液をストリッププレートの各ウェルに添加した。吸光度をプレートリーダー(Molecular Devices)上、450nm(550nm波長補正)で測定し、結果をカーブフィッティング統計ソフトウェアを用いて計算した
遊走アッセイ
ひっかき傷ケモキネシスアッセイ
HCAVSMCをLab−TEK II8ウェルチャンバカバーガラスにおいて20,000細胞/ウェルの密度で250μl低血清増殖培地中に播種し、一晩接着させ、ほぼコンフルエント(90〜95%)単層を達成させた。細胞をMK2i−NP、NE−MK2i−NP、MMI−0100(MK2i)ペプチドまたはPBS−/−で30分間処置した。処置後、ひっかき傷を、10μLピペットチップを用いて各細胞単層の中央から作った。培地をその後、CellTracker(商標)Green BODIPY(登録商標)染料(インビトロジェン)を含む低血清増殖培地と、製造者のプロトコルに従い、30分間交換し、遊走細胞の可視化を可能にした。染料による処置後、培地を、50ng/ml血小板由来増殖因子−BB(PDGF−BB)を含む低血清増殖培地と(または、陰性対照のためのPBS−/−と)交換した。ひっかき傷領域をその後、0、3、6、12、および24時間でNikon Eclipse Ti倒立蛍光顕微鏡(Nikon Instruments Inc, Melville, NY)を使用して、NIS Elementsイメージングソフトウェアを用いて画像化した。創傷閉鎖をimageJソフトウェアを用いて、遊走細胞の外縁周りのひっかき傷面積を定量することにより計算し、元のひっかき傷面積に対して正規化した。各処置群に対するひっかき傷アッセイを、3つの独立した実験で実施した。
Boyden chamber走化性アッセイ
HCAVSMCを24ウェルプレートにおいて30,000細胞/ウェルの密度で低血清培地(DMEM、1%FBS、および1%P/S)中に播種し、一晩接着させた。細胞を30分間MK2i−NP、NE−MK2i−NP、MMI−0100(MK2i)ペプチド、またはPBSで処置した。処置後、各ウェルを2回、PBS−/−で洗浄し、トリプシン処理し、100μl低血清増殖培地中に再懸濁させ、下側チャンバ中の50ng/mlPDGF−BB(または陰性対照のためのPBS−/−)を含む600μl低血清増殖培地を有する24ウェルプレートにおける、6.5mm、8μmポアポリカーボネートインサート(Corning)上に播種した。細胞を8時間遊走させ、その後、各インサートの上側の細胞を綿スワブで優しく除去した。各インサートの下側の細胞をその後、固定し、Modified Giemsa Differential Quik Stainキット(Polysciences)を用いて染色した。インサートを溶液A中で少なくとも10秒間固定し、5回、溶液Bに浸漬させ、その後5回、溶液Cに浸漬させた。染色後、4つの画像を各インサートの4つの四分円から撮像し、細胞の数/高倍率視野を、ImageJにおいて、各画像を閾値化し、細胞を手動計数することにより定量した。各処置を3連で実施し、平均細胞数/視野を計算した。
細胞増殖アッセイ
HCAVSMCを、96ウェルプレートにおいて10,000細胞/ウェルで、低血清培地(DMEM、1%FBS、および1%P/S)中に播種し、一晩接着させた。細胞を30分間MK2i−NP、NE−MK2i−NP、MMI−0100(MK2i)ペプチドまたはPBS−/−(陽性および陰性対照のため)で処置した。各処置をその後、吸引し、100μl低血清増殖培地±50ng/mLPDGF−BBと交換した。24時間のインキュベーション後、CellTiter96(登録商標)Aqueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assay(Promega)を製造者のプロトコルに従い実施した。簡単に言うと、100μlフェナジンメトサルフェート(PMS)溶液を、2.0ml MTS溶液に添加し、混合した。20μlのPMS/MTS溶液をその後、100μl培地を含む96ウェルプレートの各ウェルに添加し、プレートを4時間、37℃で、加湿、5%CO2雰囲気にてインキュベートした。インキュベーション後、各ウェルの吸光度を490nmでTECAN Infinite M1000 Proプレートリーダーを用いて記録し、全ての処置群の相対増殖速度を決定した。
細胞取込および細胞内輸送の顕微鏡分析
アミン反応性Alexa−488スクシンイミジルエステルをDMSOに溶解し、1対3モル比で、MMI−0100(MK2i)ペプチドと、100mM重炭酸ナトリウムバッファー(pH=8.3)中で混合した。未反応フルオロフォアおよび有機溶媒をPD−10 miditrap G−10脱塩カラムを用いて除去し、蛍光標識されたペプチドを凍結乾燥させた。PPAAおよびPAAポリマーを蛍光標識されたMMI−0100(MK2i)ペプチドと[NH3 +]/[COO-]=1:3のCRで混合し、0.45μmPTFEフィルタを通してシリンジ濾過し、それぞれ、蛍光MK2i−NPおよび対照NE−MK2i−NPを形成させた。蛍光MK2i−NPおよびNE−MK2i−NP流体力学直径および表面電荷を、それぞれ、DLSおよびゼータ電位分析により測定した。蛍光MK2i−NP、NE−MK2i−NP、またはMMI−0100(MK2i)ペプチド単独をLab−TEK II8ウェルチャンバカバーガラス(Thermo Scientific Nunc)上で増殖させたHCAVSMCに、1%FBSおよび1%P/Sが補充されたDMEM培地中、10μM MMI−0100(MK2i)ペプチドの濃度で適用させた。細胞を2時間処置し、2回、PBS−/−で洗浄し、培地を交換させた。細胞をその後、追加の0、2、4、10、または22時間の間、新鮮培地中でインキュベートした。インキュベーションの最後の2時間の間、50nM Lysotracker Red DND−99(インビトロジェン)を、細胞内の酸性エンド/リソソーム小胞を可視化するために、各ウェルに添加した。インキュベーション後、細胞を、0.1%トリパンブルーで1分洗浄し、細胞外蛍光を消光させ、続いて、2回、PBS−/−で追加の洗浄を実施した。細胞をその後、LSM 710 META蛍光顕微鏡を使用して、ZENイメージングソフトウェア(Carl Zeiss Thornwood, NY)を用いて画像化した。利得設定を獲得した全ての画像について一定に維持した。
全ての画像をImageJを使用して処理し、共局在をJust Another Colocalization Plugin(JACoP)(62)を用いて分析した。マンダーのオーバーラップ係数(両方の蛍光チャネルにおける正の画素値を有する画素の割合)をその後、各処置群について、n≧3の別々の画像に対し計算し、共局在を定量した。ペプチドが見出された区画のサイズに対する処置効果を決定するために、ImageJにおけるフリーハンド選択ツールを使用して、各処置群についてn≧50の個々の細胞内区画の輪郭を描き、各々の面積を定量化し、平均化した。
細胞内取込および保持のフローサイトメトリー定量
HCAVSMCを、80−90%コンフルエンスまで増殖させ、回収し、24ウェルプレートにおいて20,000細胞/ウェルで播種し、低血清培地(DMEM、1%FBS、および1%P/S)中で一晩接着させた。蛍光MMI−0100(MK2i)ペプチド、MK2i−NP、およびNE−MK2i−NPを顕微鏡分析のために上述されたように合成し、HCAVSMCを10μM MMI−0100(MK2i)の濃度で2時間処置した。処置後、細胞を、PBS−/−で洗浄し、CellScrubバッファー(Genlantis)で10分間室温で洗浄し、細胞外ポリプレックスおよび/またはペプチドを除去し、2回、PBS−/−で洗浄し、新鮮完全増殖培地を与えた。細胞をその後、さらに0、12、24、72、または120時間の間インキュベートした。細胞をその後PBS−/−で洗浄し、トリプシン処理し、0.1%トリパンブルーを含むPBS(−/−)中に再懸濁させ、FACSCaliburフローサイトメーター(Becton Dickinson)で、BD CellQuest(商標)Proソフトウェア(V5.2)を用い、分析を実施した。データをエクスポートし、FlowJoソフトウェア(V7.6.4)で分析した。全ての試料を3連で実行した。
MK2i−NPおよびHSP20−NP研究では、アミン反応性Alexa−488スクシンイミジルエステル(Life Technologies)をDMSOに溶解し、1対3モル比でMK2iまたはp−HSP20ペプチドと100mM重炭酸ナトリウムバッファー(pH=8.3)中で混合し、3時間反応させた。未反応フルオロフォアおよび有機溶媒をPD−10 miditrap G−10脱塩カラムを用いて除去し、蛍光標識されたMK2iおよびp−HSP20ペプチドを凍結乾燥させた。PPAAポリマーを蛍光標識されたMK2iペプチドと[NH3 +]/[COO-]=1:3のCRで混合し、0.45μmPTFEフィルタを通してシリンジ濾過し、蛍光MK2i−NPを形成させた。同様に、PPAAを蛍光標識されたp−HSP20と[NH3 +]/[COO-]=1:3のCRで混合し、0.45μmPTFEフィルタを通してシリンジ濾過し、蛍光HSP20−NPを形成させた。HCAVSMCを、80〜90%コンフルエンスまで増殖させ、回収し、20,000細胞/ウェルで24ウェルプレートにおいて播種し、一晩接着させた。HCAVSMCを蛍光MK2iペプチド、MK2i−NP、p−HSP20ペプチド、p−HSP20−NP、または対照としてのPBSで、10μMペプチドの濃度で1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補充されたOpti−MEM培地中において、30分間処置した。処置後、細胞を2回、PBS中で洗浄し、直ちに回収し、あるいは完全増殖培地中でさらに72時間インキュベートした。細胞を0.05%トリプシン−EDTAを用いて回収し、遠心分離し、0.1%トリパンブルーを含むPBS(−/−)中に懸濁させ、FACSCaliburフローサイトメーター(Becton Dickinson)でBDCellQuest(商標)Proソフトウェア(V5.2)を用い、分析を実施した。データをエクスポートし、FlowJoソフトウェア(V7.6.4)で分析した。全ての試料を3連で実行した。
細胞内MK2i半減期(t1/2)を、細胞内ペプチド蛍光の指数関数的減衰非線形回帰分析により、処置除去後0および5日に、指数関数的減衰関数を使用して計算した[ここで、N=細胞内蛍光およびλ=減衰率]:
各指数関数的減衰関数の減衰定数からのt1/2の計算は下記の通りである:
ヒト伏在静脈(HSV)
HSVの匿名化され、廃棄されたセグメントを、冠動脈または末梢血管バイパス術を受ける同意した患者から収集した。外科的切除後、HSVセグメントを外科手技の終わりまで生理食塩水中で保存し、その時点で、それらを冷たい移植片回収バッファー(100mMラクトビオン酸カリウム、25mM KH2PO4、5mM MgSO4、30mMラフィノース、5mMアデノシン、3mMグルタチオン、1mMアロプリノール、50g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH7.4)に入れた。全てのHSVセグメントを回収の24時間以内に使用した。無菌培養フードにおいて無菌技術を使用して、HSVセグメントを、60mmペトリ皿に移した。各セグメント(0.5mm)の端をブレードで除去し、過剰の外膜および脂肪組織を最小操作で除去した。HSVセグメントを切断し、およそ1.0mmの幅の連続した環とし、器官培養実験に使用した。各セグメント由来の2つの環を直ちに10%ホルマリン中で、37℃にて30分間固定し、前培養内膜厚測定値を得た。
実験前に、HSV生存率を確認した。HSV環を秤量し、それらの長さを記録した。HSV環をその後、95%O2および5%CO2と37℃で平衡化させた重炭酸塩バッファー(120mM NaCl、4.7mM KCl、1.0mM MgSO4、1.0mM NaH2PO4、10mMグルコース、1.5mMCaCl2、および25mM Na2HCO3、pH7.4)を含む筋肉浴に懸濁させた。環を伸展させ、最大張力49が得られるまで長さを漸進的に調節した。各血管セグメントに対して受動的長さ−張力関係を決定することにより、正規化された反応性が得られた。環を1gの静止張力で維持し(前に決定されるように、収縮性アゴニストに対して最大応答を生成させる)、2時間バッファー中で平衡化させた。力測定値をPowerlabデータ取得システムおよびLabChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)とインターフェースさせたRadnoti Glass Technology(Monrovia、CA)力トランスデューサー(159901A)を用いて取得した。
HSV環を最初、110mM KCl(重炭酸塩バッファー中NaClの等モル置換)で等尺性で収縮させ、発生した力を測定した。110mM KClは、膜脱分極を引き起こし、機能的に生存可能な平滑筋を含む血管の収縮に至らしめる。血管生存率を複数回のKClチャレンジにより確認した後、追加の環を切断し、平滑筋生理学実験において、およびF−アクチン染色のために使用した。
HSV平滑筋生理学研究
HSV収縮の阻害
生存HSV環を洗浄し、重炭酸塩溶液中で30分間平衡化させ、その後、フェニレフリン(PE、1μM)で収縮させた。全ての環を洗浄し、新鮮バッファー中で平衡化させ、ベースライン収縮が達成されるまで弛緩させた。環をその後、MK2iペプチド、MK2i−NP、p−HSP20ペプチド、p−HSP20−NP、またはバッファー単独のいずれかと共に2時間インキュベートした。処置したHSV環をその後、同じ用量のPEで収縮させ、発生した力を再び記録した。測定された力を環重量および長さについて正規化し、収縮のパーセント阻害を、処置後収縮力を処置前収縮力で割ることにより計算し;1μMPEで発生した処置前力を100%収縮として設定した。データは、n≧3の別々の患者由来のHSVにおいて取得した。
増強されたHSV血管弛緩
生存HSV環を洗浄し、重炭酸塩溶液中で30分間平衡化させ、その後、フェニレフリン(PE、1μM)で収縮させた。環を累積対数用量のニトロプルシドナトリウム(SNP、0.1−10μM)、一酸化窒素ドナーで弛緩させ、得られた収縮力の減少を経時的に記録した。全ての環を再び洗浄し、バッファー中で15分間平衡化させた。環をその後、MK2iペプチド、MK2i−NP、p−HSP20、p−HSP20−NP、またはバッファー単独のいずれかと共に2時間インキュベートし、続いて、同じ用量のPEおよびSNPで処置した。発生した力を再び記録し、測定された力を環重量および長さについて正規化し、パーセント弛緩を計算し;100μM PEで発生した力を、0%弛緩として設定した。データは、n≧3の別々の患者由来のHSVにおいて取得した。
アンジオテンシンII刺激HSVのアクチン染色
生存HSV環を24ウェルプレートにおいて、10%FBSおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補充されたRPMI培地中に入れ、インキュベーター中で、37℃および5%CO2にて数時間の間平衡化させた。HSV環をその後、100μM MK2iペプチド、100μM MK2i−NP、500μM p−HSP20、または500μM p−HSP20−NPまたは陰性対照としてのPBS−/−で30分間、1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補充されたOpti−MEM培地において処置し、その後、2回、PBS−/−で洗浄した。その後、処置したHSV環を10μMアンジオテンシンIIで2時間刺激し、その後、2回、PBS−/−で洗浄した。HSV環をその後、直ちに4%パラホルムアルデヒド中で4時間、37℃にて固定した。HSV環をその後、一晩、30%スクロースを含む1×PBS−/−中でインキュベートした。HSV環を2回、PBS−/−で洗浄し、OCTに埋め込み、凍結させた。10ミクロンの凍結切片を各HSV環の中央部から切断し、SuperFrost Plus顕微鏡スライド(Fisher Scientific)上に置いた。スライドをその後、上記F−アクチンストレスファイバーアッセイセクションで述べられた手順に従い、染色し、画像化した。全部のHSV切片をNIS Elementsソフトウェアにおける画像つなぎ合わせ能によりまとめた。
HSV器官培養およびエクスビボ内膜過形成(IH)のためのアッセイ
器官培養実験の前に、HSV生存率を確認した。HSV環を秤量し、それらの長さを記録した。HSV環をその後、重炭酸塩バッファー(120mM NaCl、4.7mM KCl、1.0mM MgSO4、1.0mM NaH2PO4、10mMグルコース、1.5mMCaCl2、および25mM Na2HCO3、pH7.4)を含む筋肉浴に懸濁させ、95%O2および5%CO2と、37℃で平衡化させた。環を伸展させ、最大張力が得られるまで長さを漸進的に調節した。各血管セグメントに対して受動的長さ−張力関係を決定することにより、正規化された反応性が得られた。環を1gの静止張力で維持し(前に決定されるように、収縮性アゴニストに対して最大応答を生成させる)、2時間バッファー中で平衡化させた。力測定値をPowerlabデータ取得システムおよびChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)とインターフェースさせたRadnoti Glass Technology(Monrovia、CA)力トランスデューサー(159901A)を用いて取得した。
HSV環を最初、110mM KCl(重炭酸塩バッファー中NaClの等モル置換)で収縮させ、発生した力を測定した。110mM KClは、膜脱分極を引き起こし、機能的に生存可能な平滑筋を含む血管の収縮に至らしめる。血管生存率を複数回のKClチャレンジにより確認した後、追加の環を切断し、24ウェルプレートに入れ、30%FBS、1%L−グルタミンおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンが補充されたRPMI1640培地中で、14日間、37℃で、5%CO2を含む空気の雰囲気中で維持した。環は、処置せず、MK2i−NP、NE−MK2i−NP、MMI−0100(MK2i)ペプチド、またはバッファー単独で2時間処置し、洗浄し、新鮮培地を与えた。処置なし培地を2日毎に14日間交換した。
HSV生存率
処置が組織生存率に影響しないことを確認するために、細胞生存率を評価するためのMTTアッセイ(Life Technologies)を、HSV環に処置後1および14日で実施した。HSV環を調製し、上述のように処置し、1または14日の器官培養後、HSV環を秤量し、その後、250μLの、DPBSに溶解された0.01%メチルテトラゾリウムに入れた。環を37℃インキュベーターに1時間入れた。反応を、環を蒸留水中に入れることにより停止させた。環をその後、1mLのCelloSolveに入れ、37℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、環を溶液中で混合し、CelloSolveを抽出し、キュベットに入れ、そこで、570nmでの光学密度が決定された。相対生存率計算は、環の湿重量に対して正規化された光学密度に基づいた。
血管形態計測
14日の器官培養後、静脈セグメントを0.5mLの10%ホルマリン中、37℃で30分間固定し、切片作製のためにパラフィンに埋め込んだ。各環の中央部から開始して、5つの横断切片を、5μm離して、各標本から切断した。切片をその後、Verhoeff−van Gieson染色を用いて染色した。組織学的切片をNikon Eclipse Ti倒立蛍光顕微鏡(Nikon Instruments Inc, Melville, NY)を用いて画像化し、内膜および中膜厚さの6つの放射状に平行な測定値をランダムに、各切片からNIS Elementsイメージングソフトウェアを用いて取得した(合計6〜12の測定/環、n≧3の環/別々のドナー由来の処置群)。内膜は内弾性板の管腔側上の組織またはその中に含まれる細胞の無秩序な組織化として規定され、一方、中膜層は内膜層と外弾性板の間に含まれた。内膜および中膜肥厚を各切片について、10×拡大率で顕微鏡のコンピュータ化された画像解析ソフトウェアを用いて測定した。
HSVへのMK2i送達の顕微鏡分析
生存を確認した後、HSV環をAlexa−568標識MMI−0100(MK2i)ペプチド、MK2i−NP、またはNE−MK2i−NPで30分間処置し、2回、PBS−/−で洗浄し、直ちに、最適切断温度(OCT)化合物(Fisher Scientific)中に埋め込み、ドライアイス上で凍結させた。5μm凍結切片を、各処置血管の中央部から切断し、顕微鏡スライド上に、血管壁中へのペプチド送達の分析のために載置した。蛍光免疫染色をその後、CD31およびα−SMA一次抗体およびFAM標識二次抗体を用いて実施した。顕微鏡画像を、Nikon Eclipse Ti倒立蛍光顕微鏡またはLSM710メタ蛍光顕微鏡を使用し、ZENイメージングソフトウェア(Carl Zeiss Thornwood, NY)を用いて取得した。利得設定を、全ての処置群に対して獲得した全ての画像について一定に維持し、画像をAdobe Photoshopでつなぎ合わせ、HSV環の全切片の巨視的画像を提供した。
ウエスタンブロット分析
MMI−0100(MK2i)ペプチドによる2時間の処置後、処置したHSV環の一部を液体窒素で瞬間凍結し、微粉砕し、尿素−DTT−CHAPSバッファーを使用してホモジナイズさせた。ヘテロ核リボヌクレオタンパク質A0(hnRNP A0)リン酸化の分析のために、処置したHSV環を新鮮培地中での器官培養において24時間維持し、その後ホモジナイズした。CREBおよびHSP27リン酸化の分析のために、HSV環を2時間処置後に凍結させた。ライセートを遠心分離し(6000g、20分)、上清をhnRNP A0、cAMP応答配列結合(CREB)タンパク質、および熱ショックタンパク質27(HSP27)リン酸化の評価のために回収した。等量のタンパク質(20μg/レーン)を、15、10、または4〜20%SDS−PAGEゲル上にロードし;タンパク質を電気泳動的に分離させ、その後、Immobilonメンブレン(Millipore, Billerica, MA)に転写した。hnRNP A0リン酸化では、メンブレンを一晩4℃で、ホスホ−hnRNP A0(Millipore)および非リン酸化hnRNP A0(Santa Cruz)のための一次抗体でプロービングした。CREBリン酸化では、メンブレンを一晩4℃で、ホスホ−CREB(abcam)および非リン酸化CREB(abcam)のための一次抗体でプロービングした。HSP27リン酸化では、メンブレンを一晩4℃で、ホスホ−HSP27(Epitomics)および非リン酸化HSP27(Santa Cruz)のための一次抗体でプロービングした。洗浄後、メンブレンを適切な二次抗体(Li−Cor)と1時間室温でインキュベートした。二次抗体を、Odyssey直接赤外蛍光イメージングシステム(Li−Cor)を使用して画像化し、LiCor Odysseyソフトウェアv2.1を800および680nm波長で用いてデンシトメトリーにより定量した。各生物学的反復のために、全ての処置試料を、未処置対照組織に対して正規化した。
MK2i−NPおよびHSP20−NP研究では、ジギトニン半透過処理手順からのサイトゾルおよび小器官画分のウエスタンブロット分析を実施した。簡単に言うと、サイトゾルおよび小器官画分を、遠心分離機上で、Vivacon 500 DNA濃縮装置(2000MWCO)を用いて濃縮した。等量のタンパク質(20μg/レーン)を、4〜20%SDS−PAGEゲル上にロードし;タンパク質を電気泳動的に分離させ、その後、Immobilonメンブレンに移した。メンブレンをその後、一晩4℃で、細胞質タンパク質マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ1/2(MEK1/2)およびグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)およびエンドリソソームマーカー初期エンドソーム抗原1(EEA1)およびリソソーム関連タンパク質1(LAMP1)のための一次抗体でプロービングした。全ての抗体をCell Signaling Technologiesから入手した。洗浄後、メンブレンを適切な二次抗体(Li−Cor)と1時間室温でインキュベートした。二次抗体を、Odyssey直接赤外蛍光イメージングシステムを使用して画像化し、デンシトメトリーにより、LiCor Odysseyソフトウェアv2.1を800および680nmの波長で用いて定量した。
ウサギ両側性頸静脈グラフト間置モデル
雄ニュージーランドホワイトウサギ(3.0〜3.5kg;n=24)をケタミン塩酸塩(1.4mg/kg)およびキシラジン(0.2mg/kg)を用いた筋肉内注射により、麻酔した。麻酔を気管内挿管および吸入されたイソフルラン(2.0〜5.0%)により維持した。高用量IVヘパリンボーラス(250U/kg)を、頸動脈クロスクランプの直前に投与した。操作手順を無菌技術により、光学拡大率(拡大率×2.5)下で実施した。
静脈バイパスグラフトをJiangら(Am. J. Physiol. Heart Circ. Phyisol. 286,H240−245 (21004)により記載される吻合カフ技術を用いて構築した。簡単に言うと、2.0−mm本体ループからなるポリマーカフを4−Frイントロデューサシース(Terumo Medical, Elkton, MD)から作った。より小さな分岐血管の結紮後、総頸動脈中への間置グラフトの作製のために、外頸静脈を回収した(3.0〜4.0cmの長さ)。頸静脈端をカフに通し、裏返し、6−0絹で固定した。静脈グラフトをその後、30分間、30μM MK2i−NP、30μM MMI−0100(MK2i)ペプチド、またはPBS(処置なし)のいずれかを含む2mLのヘパリンプラズマライト溶液中で処置した。処置後、頸動脈管腔を2.0−cm動脈切開術で露出させ、カフ付きの、逆転させた静脈端を挿入した。3−0絹を使用して、動脈をカフの周りに固定した。最後に、1.0cmの頸動脈後壁をカフ間で切り取り、静脈グラフト伸張を可能にした。
ウサギを術後28日に安楽死させ、静脈グラフトを、10%中性緩衝ホルマリンで、約50mmHg圧力下、ローラーポンプを用いてインサイチューで灌流固定させた。静脈グラフトをその後切除し、4つのセグメントに切開し、グラフトの長さに沿った形態学的な変化の評価を可能にするために、カフに重なる組織を回避した。組織切片を調製し、内膜および中膜厚を、各血管切片の各四分円から3つの測定値をとることにより定量した(12測定/セグメント=48測定/グラフト)。別々の切片をウサギマクロファージ抗体RAM−11(Dako)で染色し、免疫細胞の各グラフトの内膜中への浸潤に対する処置効果を評価した。内膜におけるマクロファージ陽性染色を、染色グラフト切片の内膜中の陽染細胞の数を手作業で計数することにより定量した。4つの異なるグラフト切片からの16の組織画像を各処置群について分析した。
細胞毒性アッセイ
200μLの細胞懸濁液(10,000細胞/ウェルで)を96−ウェルプレート上に播種し、およそ70%コンフルエンス/ウェルを得た。細胞をプレートに一晩接着させた。細胞をその後、10、50、100、および500μM用量のMK2i−NP、p−HSP20−NP、MK2iペプチド、p−HSP20ペプチド、または対照処置としてのPBSで2時間、1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補充されたOpti−MEM培地中で処置した。処置をその後除去し、細胞を、新鮮完全増殖培地で24時間培養した。細胞をその後、2回PBS+/+で洗浄し、細胞生存率をその後、CytoTox−ONE Homogenous Membrane Integrityアッセイ(Promega)により製造者のプロトコルに従い決定した。簡単に言うと、100μLのAmbion KDalert溶解バッファーを各ウェルに添加し、その後、100μLの新たに調製したCytoTox−ONE試薬を各ウェルに添加した。10分のインキュベーション後、50μLの停止液を添加し、各ウェルの蛍光(λex=560nm、λem=590nm)を、TECAN Infinite M1000 Proプレートリーダーにより測定した。
F−アクチンストレスファイバーアッセイ
HCAVSMCをLab−TEK II8ウェルチャンバカバーガラス(Thermo Scientific Nunc)において15,000細胞/ウェルで播種し、一晩接着させた。細胞をその後、低血清培地(Optimem、1%FBS、および1%P/S)中、MK2i−NP、p−HSP20−NP、MK2iペプチド、p−HSP20ペプチドで、または10、25、および50μM(対照としてのPBS−/−)の濃度で1時間、処置した。処置後、細胞を2回、PBS−/−で洗浄し、その後1μMアンジオテンシンII(Sigma Aldrich)またはPBS−/−(陰性対照)で2時間処置した。ANG−II刺激後、細胞を2回、PBSで洗浄し、4%パラホルムアルデヒド中で5分間固定し、0.4%トリトン−X100で10分間透過処理し、1%BSAを含むPBS−/−で15分間ブロックした。細胞をその後、Hoechst溶液(PBS−/−中1/5000希釈)で10分間染色し、続いて、Alexa−488−Phallodin(Life Technologies)で30分間、製造者の指示に従い染色した。染色したカバースリップをその後、ProLong Gold Antifade封入剤(インビトロジェン)を用いて、ガラスカバースライド上に伏せた。スライドを24時間乾燥させ、その後、シーリングし、イメージングした。処置細胞を、Nikon Eclipse Ti倒立蛍光顕微鏡(Nikon Instruments Inc, Melville, NY)を使用して、NIS Elementsイメージングソフトウェアを用いて画像化した。利得設定および露光時間を撮影した全ての画像について一定に維持した。ストレスファイバーの数/細胞を前に記載されるように48定量した。簡単に言うと、NIS elementsソフトウェアにおいて、3つの別々の強度プロファイルを細胞の極性に垂直な染色細胞の軸を横切って作成させた。画像解析の前に、70画素の半径を有するローリングボールバックグラウンド除去フィルタを用いて、各画像からの暗雑音を除去した。2000RFUの蛍光レベルを、陽性F−アクチンファイバ染色に対する閾値として設定した。というのも、染色細胞の外側のバックグラウンド蛍光は、この値を決して超えなかったからである。ストレスファイバー/細胞をその後、各処置群に対して2つの別々の実験からのn≧6の細胞からの3つの強度プロファイルの平均から定量した(各処置群に対して合計n≧36のROI)。細胞F−アクチン含量の相対定量を、さらにimageJソフトウェアを使用して定量し、個々の細胞を自由選択し、各処置群に対する2つの別々の実験からのn≧12の細胞の相対蛍光強度を計算した。
半透過処理によるサイトゾル対小器官結合ペプチドの定量
MK2iおよびHSP20ペプチドのサイトゾルバイオアベイラビリティを定量するために、サイトゾルおよび小器官結合(すなわち、エンドソーム、リソソーム、ゴルジ、など)ペプチドを分離するための方法をLiuら40により開発された方法から適合させた。手順を様々な濃度のジギトニン(Calbiochem)を含むバッファー(150mM NaCl、0.2mMEDTA、20mMHEPES−NaOH(pH7.4)、2mM DTTおよび2mM MgCL2)で、氷上にて10分間、100RPMで動作する回転式振盪機(補足図3)上で処置したHCAVSMCからのLDH放出に基づいて、この実験のために最適化した。25μg/mLの濃度をその後、HCAVSMC膜の選択半透過処理のための最適ジギトニン濃度として選択し、その後、細胞内ペプチド分布の分析のために使用した。
MK2iおよびp−HSP20ペプチドの細胞内分布を定量するために、HCAVSMCを96ウェルプレート中に、20,000細胞/cm2の密度で播種し、完全増殖培地中で一晩接着させた。細胞の一部を500nMバフィロマイシンA1(Sigma)で30分間前処置し、バフィロマイシンをその後のペプチド/NP処置および処置後インキュベーション相に含め、エンドソーム酸性化を阻害した。細胞をその後、Alexa−488標識MK2iペプチド、MK2i−NP、p−HSP20ペプチド、p−HSP20−NPで、10μMペプチド(または対照としてのPBS−/−)の濃度で、1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補充されたOpti−MEM培地において、500nMバフィロマイシンA1ありまたはなしで30分間処置した。処置を除去し、細胞を新鮮培地中で、500nMバフィロマイシンA1ありまたはなしで6時間インキュベートした。各ウェルをその後、1回氷冷PBS+/+で洗浄し、それからその後、20μLの25μg/mLジギトニン溶液と共に0℃で(氷上で)、100RPMで動作する回転式振盪機上にて10分間インキュベートした。各ウェルからの上清をその後新しい96ウェルプレートに移し、各ウェルを80μLの氷冷PBS+/+で洗浄し、これをその後、ジギトニン(サイトゾル)画分を含む96ウェルプレートに移した。100μLの1%トリトンX−100を含むPBS−/−をその後、各ウェルに添加し、全ての非サイトゾル(すなわち小器官結合)細胞成分を含む96ウェルプレートを得、各ウェルの蛍光(λex=495nm、λem=519nm)をTECAN Infinite M1000 Proプレートリーダーで決定した。読み値を、CytoTox−ONE Homogenous Membrane Integrityアッセイ(Promega)により製造者のプロトコル(セクション4.5)に従い決定した、細胞数およびサイトゾル含量に対して正規化した。
統計
統計解析を一元配置ANOVA、続いてTukey事後検定を用いて実施し、実験群を比較した。解析をOriginPro8ソフトウェア(Originlab, Northampton, MA)またはMinitab16ソフトウェア(State College, PA)を用いて実施した。統計学的有意性は95%信頼限界内で認められた。結果を算術平均±SEMとしてグラフにより提示し、p値は図面内、または図説明文中に含まれる。
実施例1.MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)の乾燥粉末製剤
1および2mgのニート噴霧乾燥MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)5%固体製剤を充填したブリスターの重量測定クリアランス試験を使用してエアロゾル性能を最適化し、決定した。ブリスターを、グローブボックスの内側で、4−5%相対湿度において充填した。ブリスターのシーリングは、グローブボックスの内側で、ベンチトップヒートシーラーを用いて実施した。EPICスタイル吸入器を関数発生器と結合させ、全てのエアロゾル試験を実施した。表3は最終(最適)ブリスター、装置および試験条件についての情報を含む。
噴霧乾燥製剤による水の取込を調べた。動的水蒸気吸着(DVS)等温線は、%相対湿度(RH)が時間に伴て増加した時に噴霧乾燥製剤における水の迅速な取込を確認した(図3)。製剤中3%未満の水を維持するために、DVSにより、材料は、20%RH未満で取り扱われなければならないことが示された(図3)。加えて、制御された電荷放散ユニットをグローブボックスの内側に設置し、正電荷を持つ充填ステーション(すなわち、グローブボックスのポリカーボネート構成による)を中和した。正電荷を中和するために充填近く辺りで、パルスDC制御装置により、負イオンを放出させた。
迅速HPLC法を、例えば、製剤不純物および製剤に含まれるMMI−0100の濃度を決定するために開発した。簡単に言うと、Supelco Ascentis Express(登録商標)ペプチドES−C18カラムを使用した。流速、カラム温度、および移動相を3分のランタイムを与えるように調整した。迅速HPLC法の線形性の評価により、10.8μg/mL標準試薬に対する平均応答係数の%応答係数に基づいて6.5〜32mg/mLの間で許容される線形性が示された(平均応答係数の97.0〜101.4%)。線形性の減少が、2.2μg/mLで観察されたが、しかしながら、この減少は、定量下限(LOQ)については、低堆積次世代インパクタ(NGI)ステージ(例えば、マイクロオリフィスコレクタ(MOC))を定量するのに、許容されるレベルであった。標準試薬のクロマトグラム例を図4に示す。最終HPLC法パラメータの概要を以下に列挙する:
カラム:Supelco Ascentis Express(登録商標)ペプチドES−C18、50×4.6mm、2.7Jim
流速:1.5mL/分
注入体積:40μL
カラム温度:40℃
試料温度:5℃
検出器波長:215nm
移動相A:0.1%TFAを含む水(72%)
移動相B:0.1%TFAを含む1:1メタノール:アセトニトリル(28%)。
次世代インパクタ(NGI)法を開発した。NGIカップを、5%Tween20を含むメタノールでコートした。製剤ニート噴霧乾燥MMI−0100 5%w/w固体で充填したブリスターを、15L/分でEPIC装置を使用して表3で概説されるように投与した。プレセパレーターの使用は、非ラクトース系製剤には典型的には必要とされないが、可能性のある大きな強凝集体を収集するために含められた。全てのNGI成分は最初に、試料溶媒としての、10mLの0.02%Tween20を含む水で抽出された。抽出体積の調整は、充填重量およびインパクタ中に投与されるMMI−0100の量に基づき、プロジェクトを通して変動した。回収物を評価し、85%を超える回収を維持するために、方法変更を開発した。
エアロゾル性能を評価し、図5に示される装置と類似するEPIC吸入器を用いて最適化した。関数発生器設定を使用し、駆動スキーム開発において、より大きな柔軟性が得られた。1および2mgの5%固体ならびに2mgの1%固体製剤で充填したブリスターを、ブリスターおよび装置からの粉末クリアランスを評価する重量測定クリアランスについて評価した。2.0秒持続期間の単一パルスからなる駆動スキームを標準EPIC流路を有するEPIC吸入器と共に使用した。ベースラインクリアランス結果は許容されたので(>80%質量がブリスターから除去された)、NGI試験は、空気力学的粒子サイズ分布(PSD)を評価するために実施した。表4はエアロゾル結果概要を含む。図6は粒子サイズ分布プロットを示す。
初期エアロゾル性能試験の結果は、5%および1%固体製剤は吸入器から良好な効率で分配させることができ、2μmの標的により近いMMAD値を低減するための最適化のための良好な起点を提供したことを示した。1.0mg充填重量での結果は、3.2μmで、標的MMADに最も近かった。2mg用量レベルでは、1%固体製剤はより高い微粒子用量(FPD)<3.0μmにより示されるより微細な分布およびNGIのステージ5を中心とする粒子サイズ分布を提供した(図6)。追加の最適化により、1%固体製剤は、プロジェクトの開始で規定されたエアロゾル性能標的を満たす可能性が高く、よって、前進するリード製剤として選択された。
充填重量を2mgを超えて増加させようとして、吸入器の既存の流路を改善し、ブリスターの穿孔された穴を越える気流速度を増加させた。理論に縛られないが、気流速度の増加は、ブリスターからの粒子のクリアランス速度を増加させると考えられる。10mgまでの1%固体製剤で充填したブリスターの重量測定クリアランスは、25L/分の流速では許容される(>90%)ことが見出された。3つのNGI試験は、5および8mgの充填重量で実施し、単一のNGIを、10mgを投与する実現可能性を評価するために実施した。これらの結果を、表5および図7にまとめて示す。エラーバーは5および8mg充填重量について含める。5mgエアロゾル性能試験は高度に再現性があった。
装置最適化により、増加した微粒子用量(FPD)、減少したMMAD、ならびに減少したスロートおよびプレセパレータ保持により示される効率的な製剤分散物が得られた。2.1〜2.2μmの得られたMMADはプロジェクト標的を満たし、10mgの製剤の成功した送達により4.7mgの微粒子用量<3.0μmが得られる。5〜10mgからの結果により、用量線形性も示され、これは、要求される臨床用量を達成するためのブリスターの充填重量および数の両方の調整を可能にする(線形性プロットのための図8を参照されたい)。
同一の装置条件を使用して、7.5および20%トレハロース(Santa Cruz Biotechnology, Inc. Dallas TX)と共噴霧乾燥させた製剤を、5mgの充填重量で各々について単一NGIを実施することにより、エアロゾル性能についてスクリーニングした。結果を表6および図9において、5mgで、まとめて示し、ニート製剤と比較した。
7.5および20%のトレハロース変種はニート製剤と比べて同じ充填重量で、非常に類似したエアロゾル分布を示した。これにより、MMI−0100はトレハロースとうまく共噴霧乾燥させ、吸入器から効率的に分散させることができ、ニート製剤に比べ性能の変化はほとんど、あるいは全くないことが証明された。
2つの安定性研究を、MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)製剤のエアロゾル性能および不純物に対する様々な条件の効果を評価するために実施した。ブリスターを、5mgの、4つの製剤(ニートスプレーMMI−0100 5%w/w固体;ニートスプレーMMI−0100 1%w/w固体;噴霧乾燥80/20MMI−0100/トレハロース1%w/w固体;噴霧乾燥92/5/7.5MMI−0100/トレハロース1%w/w固体)の各々で充填した。ブリスターを1×5ブリスターホルダーに入れ、アルミニウムパウチに密閉した。パウチブリスターを、表7に従い、保存し、取り出し、エアロゾル性能について試験した(n=3のNGI試験/取り出し条件)。
ブリスターにおける化学安定性を、5%固体ニートMMI−0100製剤を用いて試験した。ブリスターを10mgで充填し、1×5ブリスターホルダーに入れ、アルミニウムパウチに密閉した。パウチに入れたブリスターを40℃/75%相対湿度で保存し、2および4週間で取り出し、アッセイおよび不純物のために試験した。
バルク安定性を、およそ50mgの1%および5%固体MMI−0100製剤を使用して試験した。製剤を、琥珀ガラスバイアルに移し、キャップをパラフィルムで包み、バイアル全体をアルミニウムオーバーラップパウチ中に入れ、密閉した。トレハロース変種では、オリジナルのガラス瓶を、同様に処置した。各バイアルを40℃/75%相対湿度の安定性チャンバに入れ、4週間後に、アッセイおよび不純物試験のために取り出した。
単回投与ブリスター中で、オーバーラップパウチを用いて5mg充填重量で保存した4つ全ての製剤についてのエアロゾル性能(n=3 NGI)に関する安定性結果を表8、表9、および表10で提示する。
結果から、5%固体製剤(10.7%変化)以外の全ての製剤変種について、初期時間点からのエアロゾル性能の10%未満の変化が示される。1%固体を含む3つのMMI−0100製剤は、4週間までの間、40℃/75%RHで安定であり、オーバーラップパウチ中においた場合、周囲条件で3−4ヶ月の効果的な有効期間が与えられる。トレハロースを製剤に7.5%または20%の変種いずれかで添加しても、エアロゾル性能の観点から、性能には本質的に差はなかった。40℃/75%RHでの4週間の保存後の、1%固体/0%トレハロース製剤からの代表的な粒子サイズ分布プロットを図10に示す。各安定性条件で0、2、および4週間での製剤の各々についての粒子サイズ分布ならびにエアロゾル結果の完全な一覧が図11〜22において見出され得る。5%固体製剤についての不純物およびMMI−0100含量もまた、単回投与ブリスター中、箔オーバーラップパウチ内で保存した後、40℃/75%RHで2および4週間後に、評価した。5%製剤を、材料の使用可能な残りの供給に基づき、この研究のために使用した。結果を、表11にまとめて示す。
40℃/75%RHで、4週間後アッセイ含量においてわずかな減少があり(100.6から99.4%)、不純物プロファイルにおいて1つの余分な未同定ピークが検出された。不純物プロファイルおよび%含量は全ての他の時間点および条件で安定であった。このデータはまた、5%固体製剤について、周囲条件での3〜4ヶ月の効果的な有効期間を支持する。
ガラス瓶中バルクで保存した製剤の、40℃/75%RHで4週間保存後の、アッセイおよび不純物プロファイルを、表12にまとめて示す。(時間点後に、ブリスターを充填し、投与することにより)、バルクで保存した試料のエアロゾル性能を決定するのに十分使用可能な製剤はなかった。また、製剤の制限されたストックのために、トレハロース含有製剤は、初期時間点では評価しなかった。ニート製剤についての初期結果を、アッセイ/不純物法の方法の移行中に決定した。試料は、同じように取扱/調製した。
ガラス瓶中で保存した1%固体製剤についての安定性結果は、初期結果からほとんど変化を示さなかった。5%固体製剤は、0.9から1.4%まで、不純物含量にいくらかの増加を示したが、アッセイ含量が100.6から98.7%まで対応した減少を示し、観察されたピークの数が増加した(6から7)。トレハロース含有製剤は、初期には試験しなかったが、4週間後の結果は、総不純物およびピークの数の観点から、1%ニート製剤に対して得られた結果の範囲にある。理論に縛られないが、バルクでガラス内に保存した場合の、1%ニート製剤の改善された安定性に基づくと、1%製剤はまた、化学安定性の観点から(ブリスター中の5%ニート製剤についてのデータに基づく)、ブリスターで安定であることが可能である。
実施例2.MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)のネブライザー製剤
この研究では、2つの濃度のMMI−0100吸入製剤のエアロゾル化を、3μmおよび4μmの細孔サイズ(それぞれ、タイプ1およびタイプ2)を有する振動メッシュを含む電子ネブライザーを用いて特徴付けた。レーザ回折(Laser defraction)測定を使用して滴サイズ分布を決定した。呼吸シミュレーション実験を実施し、送達用量および噴霧時間を決定した。加えて、物理化学的パラメータ(例えば、粘度、表面張力、浸透圧および密度)を決定した。研究設計を表13で概説する。
幾何学的滴サイズ分布の評価をレーザ回折(Malvern MasterSizerX)により実施した。図27はレーザ回折試験設定の概略図を示す。充填体積を各試験溶液について2mLとした。製剤の試験前に、ネブライザーを0.9%NaCl(生理食塩水)溶液で試験した。レーザ回折測定の結果を、表14に示す。
フィルタ回収を、0.9%生理食塩水を用い、吸入フィルタからの試料抽出について決定した。簡単に言うと、およそ1,000mgの製剤A(7.0mg/mL)を、一定の気流をポンプによりフィルタに適用しながら、吸入フィルタ(n=3)上に噴霧した。製剤Aの適用後、フィルタパッドを30mLの0.9%生理食塩水を含む50mL円錐管に入れ、250rpmで4時間までの間振盪させた。試料(およそ800μL)を0.5、1、2、3および4時間後に収集した。フィルタ回収実験の結果を、表15に示し、図28でグラフ表示する。
最大、おおよそ96%回収が0.5時間の抽出時間後に達成された。より長い抽出時間(1、2、3および4時間)で回収は改善されなかった。
呼吸シミュレーションを、成人呼吸パターン(一回呼吸量:500mL、1分あたりの呼吸:15;吸入/呼気比:50:50)を使用して実施した。表16は、5〜200μg/kgの所望の呼吸用量(70kgの平均体重を仮定)を満たすために選択した充填体積を含む。
充填体積を副鼻腔ポンプ(sinus pump)に接続されたネブライザーの薬物カップ中にロードした。吸気フィルタをネブライザー(マウスピースを含む)とポンプの間に取り付け、ゴムコネクタで固定した。製剤を充填したネブライザーを、自動遮断が装置を停止させるまで駆動した。MMI−0100含有エアロゾルを吸入ポリプロピレン吸入フィルタ上で回収した。噴霧後、吸入フィルタをフィルタケーシングから、鉗子を用いて除去し、プラスチックねじキャップを有するガラスバイアル中に入れた。フィルタケーシングを0.9%生理食塩水ですすぎ、生理食塩水を50mL円錐管中に回収した。対応するフィルタを、0.9%生理食塩水を含む円錐管に移し、250rpmで0.5時間振盪させた。0.5時間後、HPLC分析を使用して、フィルタから抽出されたMMI−0100を決定した。ネブライザーを数回0.9%生理食塩水ですすぎ、生理食塩水をガラスビーカー中に回収した。
生理食塩水試料のペプチド含量をグラジエントHPLCにより線形標準較正を用いて決定した。HPLC機器および設定は下記の通りとした:
カラムオーブン、UV検出器およびクロマトグラフィーデータシステムを有するHPLC;
Zorbax 300SB、3.5μm、150×3.0mm(L×ID)カラム(または等価物);
カラム温度:25℃;
試料温度:4℃;
流速:0.5mL/分;
移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含む水;
移動相B:0.1%TFAを含むアセトニトリル/メタノール(50:50);
注入体積:20μL;
ランタイム:15分;および
検出器波長:215nm。
回収による正確さおよび方法精度実験を、実施した。MMI−0100を秤量し、0.9%生理食塩水に溶解し、記載されるHPLC法により決定した。回収による正確さ実験からの試料2および4をそれぞれ、6つの(6)バイアルに分け、方法精度実験で使用した。これらの実験の結果を、表18および19に示す。このHPLC法は12〜600μg/mLの範囲のMMI−0100ペプチド含量を決定することができた。
呼吸シミュレーション実験の結果を、表20および21ならびに図29〜33にまとめて示す。
送達用量(DD[mg]または[%])は、特定の呼吸パターンを仮定して、患者に送達されるMMI−0100の量を表す。呼吸用量<xpm(RD<xμm[mg]または[%])は、小滴<xpmの部分に含まれるMMI−0100の量を与える。滴サイズはエアロゾルクラウド中の粒子が堆積する可能性がある場所を規定する。理論に縛られないが、処置的に有効となるには、粒子は、肺中で堆積するためには1〜5μmの範囲になければならないと考えられる。対照的に、>5μmを有する粒子は一般に中咽頭で衝突し、嚥下され、一方、<1μm未満の粒子は気流中に取り込まれたままで、吐き出される。呼吸用量はDD[mg]に、レーザ回折測定により決定される呼吸画分のパーセンテージ(RF[%]])をかけることにより計算される。
図29および30は、充填薬物量と送達される薬物の量(DD[mg])ならびに呼吸用量<5μm(RD<5μm)として与えられる肺中に呼吸される量の間に線形相関があることを示す。直線が両方のネブライザー装置(ネブライザータイプ1およびネブライザータイプ2)について与えられる。結果に基づき、噴霧性能は製剤濃度に依存しないと考えられる。
物理化学的キャラクタリゼーションを、両方のMMI−0100製剤について、浸透圧、粘度、表面張力および密度に関して実施した。各実験の結果を、表22に示す。
これらの実験の結果により、製剤Aについての質量中央径(MMD)(ネブライザータイプ1=3.0μm;ネブライザータイプ2=4.0μm)は、製剤B(ネブライザータイプ1=3.3μm;ネブライザータイプ2=4.4μm)よりもわずかに小さかったことが示される。これらの値は純粋0.9%生理食塩水について測定したデータに匹敵した。同様に、幾何標準偏差(GSD)、呼吸画分(RF)および総出力速度(TOR)値もまた、製剤Aでは、製剤Bと比べてわずかに小さかった。線形相関が、送達用量(呼吸用量<5μm)と充填MMI−0100量の間に存在することが見出された。理論に縛られないが、この相関は、ネブライザー装置により患者に投与されるMMI−0100の量を計算するために使用することができる。
実施例3.MMI−0100(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)のナノポリプレックス(NP)製剤
MMI−0100(MK2i)−NPの合成および物理化学的キャラクタリゼーション
アニオン性、エンドソーム溶解性ポリマーのポリ(プロピルアクリル酸)(PPAA)を有する、正電荷を持つ、CPPに基づくMMI−0100(MK2i)ペプチドの製剤を、ペプチドエンドリソソーム脱出(endolysosomal escape)および処置有効性を増強させるための方法として概念化した。このアプローチは、核酸の非ウイルス性送達に対する慣習により引き出され、これはアニオン性核酸と正電荷を持つCPP配列、脂質、または取込およびエンドソーム脱出を増強させるポリマートランスフェクション剤の間でのポリプレックスの静電形成に基づく(K. A. Mislick et al., Proc Natl Acad Sci USA 93, 12349−12354 (1996); J. P. Richard et al., J Biol Chem 280, 15300−15306 (2005); C. E. Nelson et al., ACS Nano 7, 8870−8880 (2013))。
MMI−0100(MK2i)ペプチド(YARAAARQARAKALARQLGVAA;SEQ ID NO:1)を固相合成により合成し、純度をエレクトロスプレーイオン化質量分析により確認した(図40)。可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合を使用して、ポリ(アクリル酸)(PAA)[DP=150(GPC)、DP=106(H1 NMR)、PDI=1.27(GPC)図41Aおよび42A]およびポリ(プロピルアクリル酸)(PPAA)[DP=193(GPC)、DP=190(H1 NMR)、PDI=1.47(GPC)図41Bおよび42B]を合成した。NPをPAAまたはPPAAホモポリマーをMMI−0100(MK2i)ペプチドとPBS中pH8.0(MMI−0100(MK2i)ペプチド上に存在する一級アミンと、PPAAポリマー中のカルボン酸部分のpKa値の間である)で単純混合することにより形成させ;これにより、両方の分子上の最適溶解度および正味荷電が確保される(図35A)。その明確に定義されたpH依存性膜破壊活性(R. A. Jones et al., Biochem J 372, 65−75 (2003); C.A. Lackey et al., Bioconjugate Chemistry 13, 996−1001 (2002); N . Murthy et al., J Control Release 61, 137−143 (1999); S. Foster et al., Bioconjug Chem 21, 22015−2212 (2010))および動物モデルにおける以前の安全な使用(S. Foster et al., Bioconjug Chem 21, 2205−2212 (2010); E. Crownover et al., J Control Release 155, 167−174 (2011)のために、PPAAを使用した(図35B)。PAAをベクター対照として使用した。というのも、これは、PPAAと構造類似性を有するアニオン性ポリマーであるが、そのより低いpKaのために(pKa約4.3)生理的に適切な範囲においてpH−応答を欠くからである(図35C)。
最適ナノ粒子製剤条件を決定するために、MK2i−NPのライブラリをある範囲のチャージ比[すなわち、CR=([NH
3 +]
MK2i:[COO
-]
PPAA)]で調製し、サイズ分布および粒子表面電荷を、それぞれ、動的光散乱(DLS)およびζ電位分析により特徴付けた。表23は、DLS分析により決定される異なるチャージ比で調製したMMI−0100(MK2i)−NPのサイズ概要を含む。予想通りに、MK2i−NPζ電位はCRに正比例し、見かけの等電点はCR約2:1にあった(図35D)。CRはまた著しく、MMI−0100(MK2i)−NPサイズに影響し、狭い範囲のCRしか単峰形サイズ分布が得られなかった(すなわち、CR=1:2および1:3、補足表1)。1:3のCRを最適製剤として選択した。というのも、この比では一貫して最小粒子サイズおよび多分散性を有する単峰形サイズ分布が得られたからである(d
h=119±28nm、ζ=−11.9±3.2mV)。非エンドソーム溶解性MK2iナノポリプレックス(NE−MK2i−NP)を、生物学的研究のためのビヒクル対照としてのPAAと共に製剤化した。CR=1:3で、PAAを用いて調製したNE−MK2i−NPは、エンドソーム溶解性MK2i−NP(d
h=114±38nm、ζ=−16.4±5.1mV)と統計学的に等価なサイズおよびζ電位を有した。蛍光MMI−0100(MK2i)−NPおよびNE−MK2i−NPを、細胞内トラッキングを可能にするために、Alexa−488コンジュゲートMMI−0100(MK2i)ペプチドを用いて1:3のCRで調製し、非標識NPと類似するサイズおよび電荷を得た。CR=1:3で調製したNPはまた、TEMイメージング(図43)により特徴付け、これは、DLS結果と一致した。PPAA−MK2i製剤により、正味の負電荷を持つNPが得られた。
*マルチモーダルサイズ分布(複数ピーク)を示す。
1:3(Alexa)ポリプレックスを、Alexa488−コンジュゲートMMI−0100(MK2i)ペプチドを用いて製剤化し、細胞取込研究において使用した。1:3(NE)ポリプレックスを、エンドソームpH範囲においてpH依存性膜破壊活性を示さない非エンドソーム溶解性(NE)ポリ(アクリル酸)ポリマーを、ビヒクル対照として用いて製剤化した。
エンドリソソーム条件下でのMMI−0100(MK2i)−NPアンパッケージング(unpackaging)を、DLSを用いてある範囲のpHで評価し、MK2i−NPは、pHがPPAA上で、細胞外pHからカルボン酸のpKa(pH約6.7)に向かって低下するにつれ(これはまた、初期エンドソーム条件に対応する)、解離したことを明らかにした(A. Sorkin et al., Nat Rev Mol Cell Biol 3, 600−614 (2002))(図35E)。理論に縛られないが、より低いpHでは、PPAAポリマーはプロトン化/脱イオン化され、ペプチド上の正味の正電荷は静電反発およびMK2i−NPの解体を引き起こすことが、仮定される。初期エンドソーム様条件下でのNP解体は、ペプチド生理活性および/またはPPAAエンドソーム膜破壊機能が、ポリマー−ペプチド相互作用により立体障害される可能性を低減させる。
MMI−0100(MK2i)−NP細胞内在化、エンドソーム脱出、および細胞内保持
経時的なMMI−0100(MK2i)−NP取込および細胞内保持の量を、2時間処置し、洗浄し、新鮮培地中で5日間維持したヒト冠動脈血管平滑筋細胞(HCAVSMC)のフローサイトメトリー分析により評価した。NE−MK2i−NPおよびMMI−0100(MK2i)に比べ、MK2i−NP処置細胞において、ペプチド取込における1桁を越える増加を測定した(図36Aおよび図54A)。NE−MK2i−NP取込は遊離ペプチドと等価であるので、これらのデータにより、細胞内在化の差は、NP製剤によるものであり、粒子形態および電荷とは独立していることが示される。MK2i−NP製剤による増強されたペプチド送達はまた、内皮細胞上での類似の研究でも検出され、これは細胞型特異的観察ではないことが示唆される(図56)。半減期計算(図54B)により、MK2i−NPは4日から58日で、1桁分を越てMK2iペプチドの細胞内半減期を増加させたことが示された。加えて、MMI−0100(MK2i)−NPで処置されたHCAVSMCは、NE−MK2i−NPおよびMK2i処置細胞と比べ、より長いペプチド細胞内保持を証明した。おそらく、エンドリソソーム経路および/または細胞からの開口分泌リサイクリングにおけるより高いペプチド分解速度のためである(I.R. Ruttekolk et al., Mol Pharmaceut 9, 1077−1086 (2012))(図36B)。興味深いことに、MK2i−NPは、処置/洗浄後、最初の72時間のインキュベーションにわたって蛍光の増加を示した。この効果は細胞の外膜に結合されたMK2i−NPの遅延内在化によるものではなく、この蛍光の増加はAlexa−488自己消光メカニズムによるものであり(W. H. t. Humphries et al., Anal Biochem 424, 178−183 (2012));経時的な蛍光の増加は、MMI−0100(MK2i)がNPから細胞内にアンパッケージされるにつれ、減少した消光によるものであり得る(図57)ことが確認された。
MMI−0100(MK2i)−NPを介して送達されたペプチドの改善された細胞内保持のメカニズムを明確にするために、赤血球溶血アッセイ((B. C. Evans et al., J Vis Exp, e50166 (2013))および顕微鏡法/共局在研究を使用して、MK2i−NPのpH依存性膜破壊活性およびエンドソーム脱出を評価した。PPAAは、そのpKa(約6.7)以下のpHで赤血球膜を破壊する(図36C)。細胞外(7.4)および初期エンドソーム(6.8)pHでは、MK2i−NPはほとんど膜破壊活性を示さなかった。しかしながら、後期エンドソーム(6.2)およびリソソーム(5.6)を代表するpHでは、溶血の著しい増加が観察された。後期エンドソーム/リソソームpHでのMK2i−NPの溶血挙動はポリマー濃度に正比例し(図44)、>90%赤血球溶解が40μg/mLのMK2i−NPで、pH5.6にて起きた。MK2i−NPはPPAAポリマーの固有の膜破壊活性を保持するが、NPへの製剤化は遊離PPAAに比べ、pH6.8で、膜破壊活性を部分的にマスクした。予想通りに、MK2iペプチド単独も非エンドソーム溶解性NE−MK2i−NP製剤もエンドリソソームpH範囲では膜破壊活性を示さなかった。
MK2i−NPエンドソーム脱出をHCAVSMCにおいてインビトロで画像化し、定量した(図36D)。遊離ペプチドとして、またはNE−MK2i−NPを介して送達されたおよそ90%のMK2iはLysotracker染料と共局在化し、一方、MK2i−NP製剤は著しく、MK2iエンドリソソーム共局在を低減させた。2時間処置および洗浄後のMK2i/Lysotracker共局在の縦断定量は、全ての時間点でのMK2i−NP製剤についての著しく低減されたMK2i/Lysotracker共局在を明らかにした(図36E)。興味深いことに、区画サイズの定量により、NE−MK2i−NPまたはMK2i処置細胞はエンドソームを代表するより小さな小胞内でMK2i局在を示し、一方、MK2i−NPにより送達されるMK2iは、サイトゾルまたは破壊された小胞を潜在的に代表するより大きな区画内で見出されたことが明らかになった(図45および58B)。
NP製剤は、遊離のCPPに基づくMMI−0100(MK2i)ペプチドに比べ、血管平滑筋細胞(VSMC)によるペプチド取込を著しく増加させた(図36A)。理論に縛られないが、図35に示されるMMI−0100(MK2i)−NPおよびNE−MK2i−NPのインビトロ比較により、高レベルのMK2i−NP細胞内在化は、NP形態および表面電荷により純粋に決定されるより、むしろ、PPAAの特定の製剤に依存したことが示唆される。プロピル部分のα−アルキル置換によりPPAAはアクリル酸に比べより親油性/疎水性となり、取込における観察された差は、MMI−0100(MK2i)−NPの細胞膜との増加した疎水性相互作用の結果であり得ることが示唆される。疎水性相互作用はMK2i−NP細胞内在化を非特異的に誘発する可能性があり、またはMK2i−NP内在化は、血管ストレスの設定において上方制御され、負電荷を持つ/疎水性粒子(例えば、LDL)をインターナライズするVSMCスカベンジャー受容体により媒介され得る。
効率的な細胞内在化に加えて、エンドリソソーム分解および細胞外リサイクリングを回避することが処置効力およびサイトゾル活性ペプチドの作用の寿命を最適化するのに必須である(C. L. Duvall et al., Mol Pharm 7, 468−476 (2010))。この持続性処置効果は、ペプチドに基づく静脈グラフト治療にとって非常に重要である。この場合、1回の、術中処置で、移植後炎症および治癒相を通して延長された生理活性が達成されなければならない。この目的を達成するために、MK2i−NP製剤はMMI−0100(MK2i)ペプチドの細胞内保持を著しく改善した(図36AおよびB)。この増強された保持は、PPAAのpH依存性膜破壊活性により達成され、これはエンドリソソーム脱出(endolysosomal escape)を誘導するために理想的に調整される(図36C〜E)。細胞イメージング研究はPPAAのエンドソーム溶解機能を支持し、MK2i−NPにより送達されるペプチドはエンドリソソーム染料との共局在を著しく減少させたことを示した(図36D、E)。エンドソーム封入の回避は、細胞内ペプチド保持の増加した寿命と関連した。処置除去後0および5日での細胞内ペプチド蛍光の指数関数的減衰非線形回帰分析に基づく、MMI−0100(MK2i)の細胞内半減期(Τ1/2)の推定により、MK2i−NPへの組み込みにより細胞内Τ1/2は14倍増加したことが明らかになった(MK2i−NP Τ1/2=57.8日対MK2i Τ1/2=4.1日)(データ示さず)。
MMI−0100(MK2i)−NPは、用量反応曲線のシフトに基づき、ペプチド効力を改善した(すなわち、ほとんどのアッセイにおいて効力を約10倍増加させた、図38)。しかしながら、NP製剤によるMK2iペプチドのより長い細胞内半減期はまた、優れた作用寿命を可能にし、例えば、長期グラフト開存性を改善し得る。理論に縛られないが、NPにより送達されるMMI−0100(MKi)の細胞内半減期は、処置的に関連することが予想され、というのも、TGF−β媒介分化転換およびp38MAPK経路により媒介される細胞遊走は、移植後35日までの病理学的静脈グラフトリモデリングに寄与することが見出されたからである(A. V. Bakin et al., J Cell Sci 115, 3193−3206 (2002))。ウサギおよびイヌモデルにおける内膜過形成(IH)発病の速度論に関する他の研究は、第1週中の細胞増殖の初期バースト、続いて、第12週までには定常状態に到達する連続グラフト適応を検出した(M. Kalra et al., J Vasc Res 37, 576−584 (2000); R. M. Zwolak et al., J Vasc Surg 5, 126−136 (1987))。MK2i−NPによって延長された半減期は、例えば、埋め込み前の単一処置後に、根底にあるシグナル経路を阻害し、炎症の消散および定常状態に到達するのに必要とされる時間を加速することにより、著しく改善された長期性能を与えることが予想される。
ペプチドの無傷のヒト伏在静脈(HSV)中へのMK2i−NP送達もまた、評価した。この実験の結果により、取込は内皮と平滑筋細胞の両方において起きることが示唆された。予想通りに、MK2i−NPおよび対照は、拡散バリアとして機能する管腔および外膜表面でより濃縮された取込を示した(図59)。内膜および中膜層中へのMK2i貫通を、平滑筋マーカーα−SMAとの共局在により確認した(図60a〜b)。さらに、インビトロ結果によれば、MK2i−NPは血管壁内でのペプチド取込全体を増加させた(図60c;図59e)。
内膜過形成の阻害(ヒト伏在静脈(HSV)におけるIH
3次元ヒト移植血管組織における効率的な送達およびMMI−0100(MK2i)−NP生理活性を確認するために、静脈IHのエクスビボ器官培養モデルを、ヒト伏在静脈(HSV)を用いて完成した。HSV環を、筋肉浴中でのKClチャレンジへの収縮応答に基づき生存していることが確認されたHSV試料から切断した。環を2時間処置し、洗浄し、新生内膜形成を加速する高血清条件で維持した。Alexa−568コンジュゲートMK2iペプチドを使用して、処置の直後の血管壁へのペプチド送達を可視化し、インビトロ結果と同様に、MMI−0100(MK2i)−NPは、遊離MMI−0100(MK2i)と比べ、一貫してペプチド送達を増加させた(図37A)。14日の培養後、弾性ラミナのVerhoeff−Van Gieson(VVG)染色を組織切片に対して実施した(図37B)。複数のヒトドナーからの試料の内膜厚の定量により、MK2i−NPは用量依存的に、かつ遊離MMI−0100(MK2i)よりも1桁分低いペプチド用量でIHを著しく阻害したことが明らかになった(図37Cおよび図46)。さらに、100μMのMK2iでのMK2i−NP療法は、IHを完全に抑制した唯一の処置であり、回収直後に組織構造のために調製した対照組織と統計学的に等価な内膜厚が得られた(p=0.49)。MTTアッセイを、処置後1および14日に実施し、器官培養結果は組織生存率に対する処置効果に影響されなかったことを確認した(図47)。ヒト伏在静脈の100μM MK2i−NPによる処置は、IHのエクスビボ器官培養モデルにおいて2週間にわたって、新生内膜増殖を完全に抑制した。
MMI−0100(MK2i)−NP生理活性の機構的解明
MK2i−NPがヒト静脈においてIHを低減させたメカニズムを解明するために、hnRNP A0およびCREBのリン酸化を、ウエスタンブロット分析を使用して最初に評価した。MK2の下流では、hnRNP A0はmRNAを安定化し、炎症性サイトカインの翻訳を増加させ(S. Rousseau et al., EMBO J 21, 6505−6514 (2002); N. Ronkina et al., Biochem Pharmacol 80, 1915−1920 (2010); E. Hitti et al., Mol Cell Biol 26, 2399−2407 (2006))、CREBは、cAMP−応答配列に結合し、平滑筋細胞遊走(S. Jalvy et al., Circulation Research 100, 1292−1299 (2007); H. Ono et al., Arterioscl Throm Vas 24, 1634−1639 (2004))、増殖(P. Molnar et al., J Cell Commun Signal 8, 29−37 (2014); K. Nakanishi et al., Journal of Vascular Surgery 57, 182−U254 (2013))、およびIL−6などの炎症性サイトカインの産生(G. L. Lee et al., Arterioscl Throm Vas 32, 2751−+(2012))を誘導する遺伝子の発現を促進する。MMI−0100(MK2i)−NPは、HSVにおけるhnRNP A0およびCREBリン酸化の両方を著しく低減させた(図37D、E)。このメカニズムをさらに支持して、MK2i−NPはまた、アンジオテンシン−II刺激HCAVSMCにおいて、インビトロで一次hnRNP A0標的TNFαの分泌を著しく阻害した(S. Rousseau et al., EMBO J 21, 6505−6514 (2002))(図38A、図48)。この研究では、MK2i−NPは、NE−MK2i−NPおよびMK2iと等価なTNFα阻害を1桁分低い用量で達成し(すなわち10μMのMMI−0100(MK2i)が100μMのMMI−0100(MK2i)と等価な効果を生成し)、100μM MK2i−NPは、アンジオテンシンII−刺激TNFα産生を完全に抑制した。MK2i−NPは、TNFα刺激HCAVSMCにおいて、IL−6、CREB標的遺伝子の産生を著しく低減させたこともまた確認された(G. L. Lee et al., Arterioscl Throm Vas 32, 2751−+(2012))。この研究により、MK2i−NPは、遊離MK2iより著しく生理活性が高かったことも示された(図49)。インビトロ処置のいずれにおいても、未処置対照と比べ、処置後1および14日に、組織生存率により評価される著しい毒性は得られなかった(図50および51)。
MK2i−NPはHSP−27のリン酸化を著しく減少させたこともまた確認され(図37D、F)、これは、CREBと共に、IHに特徴的な病理学的血管平滑筋細胞遊走を促進すると考えられる(T. Zarubin et al., Cell Res 15, 11−18 (2005); H. F. Chen et al., Mol Cell Biochem 327, 1−6 (2009); L. B. Lopes et al., J Vasc Surg 52, 1596−1607 (2010))。
ケモカインPDGF−BBの存在下でのHCAVSMC遊走に対するMK2i−NPの効果もまた、インビトロで、ひっかき傷ケモキネシスおよびBoyden chamber走化性遊走アッセイの両方を使用して調査した(図38B、−D)。MK2i−NPは細胞遊走を著しく阻害し、遊離MMI−0100(MK2i)ペプチドよりも1桁分低い用量で阻害した。MK2i−NPは、HCAVSMC増殖に著しく影響せず、これらの結果は細胞増殖に対する処置効果に起因しなかったことが確認された(図52)。加えて、MK2i−NPは、血管平滑筋(VSMC)および内皮細胞(EC)遊走の両方を強力に阻害し(図61a〜d)、MK2i−NPは、遊離MK2iペプチドに比べ、VSMC遊走を阻害することについて著しくより強力であった(図61a)。これらの結果はヒト血管組織において検出されるCREBおよびHSP27リン酸化のMK2i−NP阻害と相関した。
HSVにおけるIHのエクスビボ器官培養モデルはまた、MK2i−NPは新生内膜形成を用量依存的様式で、遊離MK2iよりも1桁分低いペプチド用量で著しく阻害したことを明らかにした(図37bおよびc;図48〜51)。
これらの研究により、MMI−0100(MK2i)−NPの広い抗炎症および抗遊走作用機序も確認され(図38)、IH発病の根底にある複数の因子を阻害するためにp38−MK2経路を標的にする有用性も確認された。MK2i−NPは、hnRNP A0およびCREBなどのMK2の下流で活性化される炎症促進性媒介物質を調節することが示された。MMI−0100(MK2i)−NPは、ヒト組織においてhnRNP A0リン酸化を減少させ、これは炎症性サイトカインTNF−αおよびIL−6のインビトロでのアンジオテンシン−II刺激産生の減少と相関した。MK2i−NPはまた、HSP27のリン酸化(遊走および線維性筋線維芽細胞表現型へのVSMC移行を誘発し、静脈グラフト血管収縮を引き起こす)の低減により証明される、ヒト組織における遊走関連経路を調節することが示されている。HSP27の効果は細胞骨格動力学の調節により媒介され、これは、アンジオテンシンIIおよびPDGFなどの病理学的に関連する刺激に向かう遊走に影響を与える。加えて、MK2i−NPは、VSMC遊走の一因となり、IHに特徴的な病理学的VSMC表現型に至らしめることも知られているCREB転写因子のリン酸化を減少させる(例えば、 H.F. Chen et al., Mole Cell Biochem 327, 1−6 (2009); K. Nakanishi et al., Journal of Vascular Surgery 57, 182−U254 (2013); G. L. Lee et al., Arterioscl Throm Vas 32, 2751−+ (2012); L. C. Fuchs et al., Am J Physiol−Reg I 279, R492−R498 (2000)を参照されたい)。HSP27およびCREBの活性化の阻害はインビトロでのPDGFに向かうVSMC遊走の低減と相関した。
MK2i−NPにより送達された場合、MK2iの細胞内半減期は、著しくより高くなったので、インビトロ生理活性アッセイをまた、処置後3および5日に実施し、NP製剤のペプチド処置作用の寿命に対する影響を評価した。我々の細胞内半減期計算と一致して、遊離MK2iペプチドの単球走化性タンパク質−1(hnRNP A0およびTNFαの両方により上方制御されるMCP−1)の産生を阻害する(Rousseau S, Morrice N, Peggie M, Campbell DG, Gaestel M, Cohen P. Inhibition of sapk2a/p38 prevents hnrnp a0 phosphorylation by mapkap−k2 and its interaction with cytokine mrnas. EMBO J. 2002;21:6505−6514; Mueller L, von Seggern L, Schumacher J, Goumas F, Wilms C, Braun F, Broering DC. Tnf−alpha similarly induces il−6 and mcp−1 in fibroblasts from colorectal liver metastases and normal liver fibroblasts. Biochem Biophys Res Commun. 2010;397:586−591)および静脈グラフト内膜過形成(IH)に関与する(Stark VK, Hoch JR, Warner TF, Hullett DA. Monocyte chemotactic protein−1 expression is associated with the development of vein graft intimal hyperplasia. Arterioscl Throm Vas. 1997;17:1614−1621)能力は、処置後3および5日に、血管平滑筋細胞(VSMC)および内皮細胞(EC)の両方において著しく減少した(図61f〜g)。対照的に、MK2i−NPは、処置後5日に両方の細胞型において持続性阻害生理活性を証明した。その上、MK2i−NPは、処置後5日にVSMC遊走の著しい阻害を証明し、一方、遊離MK2iまたはNE−MK2i−NPは最小の効果を示した(図61h〜i)。第3日と第5日の間の抗炎症および抗遊走活性の減少は、遊離MK2iペプチドの計算された細胞内半減期と一致した。
これらの結果から、無傷の、ヒト血管組織における、MK2と下流炎症促進および遊走促進因子hnRNP A0、CREB、およびHSP27の間の関係が確立される。MK2i−NPの集合的な抗炎症および抗遊走作用は、細胞増殖、遊走、炎症、およびマトリックス合成の複雑な相互作用が関与する、例えば、IHのような多因子性プロセスに対するこの療法の有用性を強調する。この翻訳関連のMK2i−NP製剤(単純混合により形成される;複雑な合成、コンジュゲーション、または精製は必要とされない)はIHに関与する複数の因子を包括的に標的にするので、これは、より狭い作用メカニズムを有する前の治療候補の不足分を克服する可能性を有する。
ウサギ静脈グラフト間置モデルにおけるインビボ生理活性
MMI−0100(MK2i)−NPのインビボでの処置効果を、ポリマーカフ法を使用して、激しい血流を誘導し、グラフトIHを加速する、ウサギ両側性頸静脈グラフト間置移植モデルにおいて評価した。このモデルでは、頸静脈グラフトを、30分間(グラフトがヒト血行再建手順中に外植される時間量を代表する)エクスビボで処置し、またはビヒクル対照を与えた。グラフトを術後28日に回収し、VVG染色組織切片を内膜厚定量のために使用した(図39Aおよび図62a)。30μMのMMI−0100(MK2i)−NPによる処置は未処置対照および遊離MMI−0100(MK2i)ペプチド(試験した30μM用量では、ビヒクル対照に比べ、新生内膜形成において著しい変化を生成させなかった)の両方と比べ、新生内膜形成を著しく阻害した(図39Bおよび図62b)。
インビボで、新生内膜肥厚のMK2i−NP媒介阻害の根底にある細胞に基づくメカニズムを評価するために、増殖細胞核抗原(PCNA)、α−平滑筋アクチン(α−SMA)、およびビメンチン染色組織切片を使用して、細胞増殖および血管平滑筋細胞表現型を分析した。内膜PCNA染色は、MK2i−NPで処置したグラフトでは約17倍著しく減少し、一方、遊離MK2iによる処置は未処置グラフトに類似した(図62c〜d)。MK2i−NP処置グラフトはまた、未処置グラフトまたは遊離MK2iで処置したグラフトに比べ、収縮性SMC表現型に対するマーカーであるα−SMAについて増加した染色強度を証明した(Rensen SSM, Doevendans PAFM, van Eys GJJM. Regulation and characteristics of vascular smooth muscle cell phenotypic diversity. Neth Heart J. 2007;15:100−108)(図62f)。α−SMA免疫染色切片の画像は、未処置および遊離MK2i処置群は、低密度の内膜染色を示すことを明らかにし(図62e)、収縮性VSMC表現型の損失および/または細胞外マトリクスタンパク質の過剰産生(どちらも、静脈グラフトIHに関与する)が示された。増加した収縮性マーカー発現に一致して、合成VSMCマーカービメンチンの内膜発現もまた、MK2i−NP処置グラフトで減少したが、遊離MK2iペプチドで処置したグラフトでは減少しなかった(図62g〜h)。
移植後28日において静脈グラフトの内膜中に存在する残留炎症細胞の数を、組織切片において、ウサギマクロファージ特異抗体、RAM−11を使用して評価した(図39C、図53および図63)。著しく少ない内膜マクロファージがMK2i−NP処置グラフトにおいて検出され、MK2i−NPは、局所マクロファージ動員および/または残留を鈍らせたことが示唆された(図39D)。このメカニズムは、マクロファージ炎症性タンパク質2(MIP−2、CXCL2としても知られている)および/または単球走化性タンパク質−1(MCP−1)の減少した分泌により潜在的に媒介され(A. Muto et al., Vascul Pahrmacol 56, 47−55 (2012))、それらはどちらも炎症細胞を誘引し、直接的または間接的にhnRNP A0により上方制御される(S. Rousseau et al., EMBO J 21, 6505−6514 (2002); L. Mueller et al., Biochem Biophys Res Commun 397, 586−591 (2010); R. N. Mitchell et al., Circ Res 100, 967−978 (2007))。MK2i−NPが平滑筋および内皮細胞の両方においてMCP−1産生を阻害したということを示す我々のインビトロ研究結果はこのメカニズムを支持する。炎症反応は主に28−日に全ての試料において解決されたが、未処置試料における残留マクロファージは、MCP−1は静脈移植後8週間であっても、上昇し、単球の局所動員およびIHの発病となることがあるという以前の観察結果と一致する(V. K. Stark et al., Arterioscl Throm Vas 17, 1614−1621 (1997))。100μMのMK2i−NPによる処置は、2週間にわたり、ウサギ移植モデルにおいて新生内膜増殖を完全に抑制した。30μMのMK2i−NPによる術中処置は、移植後4週間で、グラフトにおいてマクロファージの数およびIHの程度を著しく低減させた(図39)。
実施例4.MK2i−NPおよびp−HSp20−NPの合成、キャラクタリゼーションおよび最適化
配列YARAAARQARA−KALARQLGVAA(SEQ ID NO:1)を有するMK2iペプチドおよび配列YARAAARQARA−WLRRAsAPLPGLK(SEQ ID NO:27)を有するp−HSP20ペプチドを固相合成により合成し、純度をエレクトロスプレーイオン化質量分析により確認した(図64)。可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合を使用して、ポリ(プロピルアクリル酸)(PPAA)を合成した[DP=193(GPC)、DP=190(H1 NMR)、PDI=1.47(GPC)]。NPをPPAAホモポリマーとMK2iまたはp−HSP20ペプチドとの、PBS中、pH8.0(ペプチド上に存在する一級アミンのpKa値(pKa約9〜12、アミノ酸残基に依存)とPPAAポリマー中のカルボン酸部分(pKa約6.7)の間である)での単純混合により形成させ;これにより、最適溶解度および両方の分子上の静電複合体形成を促進する正味荷電が確保される。
ナノ粒子製剤条件の影響を評価するために、一連のMK2i−NPおよびp−HSP20−NPをある範囲のチャージ比[すなわちCR=([NH
3 +]
MK2i/p-HSP20:[COO
-]
PPAA)]で調製し、サイズ分布および粒子表面電荷を、それぞれ、動的光散乱(DLS)およびζ電位分析により特徴付けた。予想通りに、MK2i−NPおよびp−HSP20−NPζ電位はCRに正比例した(図65A、66A)。CRはまた、NPサイズに著しく影響し、狭い範囲のCRにより、単峰型サイズ分布が得られた(すなわち、MK2i−NPではCR=1:2および1:3(表24)およびp−HSP20−NPではCR=3:1(表25)。1:3のCRをMK2i−NP製剤ついてのその後の研究で使用し、3:1のCRをp−HSP20−NP製剤について使用し;これらのチャージ比により一貫して、最小粒子サイズおよび多分散性を有する単峰型サイズ分布が得られた(MK2i−NP d
h=119±28nm、ζ=−11.9±3.2mV、図65B;p−HSP20−NP d
h=141±6nm、ζ=−7.5±2.8mV、図66B)。2つのペプチド間の単峰形粒子を生成させたこのチャージ比の差は、ペプチドサイズ、電荷分布、配列疎水性、または二次構造の差に起因する可能性があり、これらの製剤の構造−機能関係をよりよく理解するには、より広いライブラリのペプチドの将来の分析が必要とされるであろう。興味深いことに、どちらの最適NP製剤も、負のζ電位を証明し、カチオン性ペプチドがナノポリプレックスのコア中に隔離され、アニオン性PPAAポリマーはより優先的に粒子表面に局在されることが示される。リードMK2i−NPおよびp−HSP20−NP製剤はまた、TEMイメージングにより特徴付けられ(図65C、66C)、これにより、DLS結果によるサイズ分布を有するナノ構造の存在が確認された。その後のインビトロおよびエクスビボ研究では、これらのリードNP製剤(図65D、66D)を対応する遊離ペプチドと比較した。
実施例5.NPインビトロ生体適合性、取込、保持、輸送および生理活性
リード候補MK2i−NPおよびHSP20−NP製剤の生体適合性を、対応する遊離ペプチドと、ある範囲の用量(10−500μMペプチド)で、ヒト冠動脈血管平滑筋細胞(HCAVSMC)においてインビトロで比較した。HCAVSMCを2時間処置し、その後、新鮮培地中で24時間インキュベートし、その後、細胞毒性アッセイを実行した。著しい細胞毒性はMK2i−NPについては試験した全ての濃度で明らかにならなかったが、一方、遊離MK2iペプチドは試験した最高用量で弱い毒性を示した(500μMで76%細胞生存率、図67)。HSP20−NPおよびHSP20ペプチドは、500μMで検出された弱い細胞毒性を除いて、生体適合性であることが見出された(それぞれ、p−HSP20−NPおよび遊離p−HSP20ペプチドについて60%および77%生存率)。
経時的なMK2i−NPおよびp−HSP20−NP取込の量および細胞内保持を、30分間処置し、洗浄し、新鮮培地中で0または3日間維持したHCAVSMCのフローサイトメトリー分析により評価した。NPに組み込まれた場合、取込の1桁を越える増加(MK2i取込の約70倍増加およびp−HSP20取込の約35倍増加)が両方ペプチドについて検出された(図68)。両方のNP製剤の負のζ電位は、PPAAポリマーがNP表面上で主として露出されでいることを示し、この取込の増加はおそらく、pH応答性ポリマーにより促進される。より特定的には、プロピル部分のα−アルキル置換がPPAAに親油性/疎水性の特徴を与えており、取込の観察された差は、NPの細胞膜との増加した疎水性相互作用の結果であり得ることが示唆される。増加した取込に加えて、MK2i−NPまたはp−HSP20−NPで処置したHCAVSMCは、処置除去後3日に、遊離MK2iまたはp−HSP20ペプチドと比べて増加した細胞内ペプチド保持を示した(MK2i−NP対遊離MK2iについて初期の取込が残存した82%対54%、図4A、E;p−HSP20−NP対遊離p−HSP20の70%対35%保持、図68B、F)。生理活性カーゴの細胞内保持は、無傷のペプチドのエキソサイトーシスを低減させる、かつ/または酸性エンドリソソーム区画内でのペプチドの分解を低減させることにより改善させることができる18、35。これらの最適化NP製剤は、意図的に、エンドリソソーム輸送経路において遭遇する減少したpHに応答し、サイトゾルペプチド送達を促進するように設計される。というのも、PPAAポリマーは明確に定義されたpH依存性エンドソーム溶解活性を有し36、37、以前に動物モデルにおいて生体適合性を証明しており38、PPAAポリマーのペプチドへのストレプトアビジンリンカーを介する多段階生体共役反応により、アポトーシス促進性抗癌ペプチドの細胞内送達のために適用されている39からである。よって、これらの研究では、単純な静電複合体形成アプローチを使用して、PPAAポリマーを組み入れ、治療的エンドソーム脱出および保持を促進した:PPAAは、生理的pHでのイオン化され、伸長された高次構造から、酸性/エンドソーム条件でのつぶれた、疎水性球状高次構造への移行を受ける。この移行により、エンドソーム膜中の脂質との疎水性相互作用が得られ、最終的にはエンドソーム脱出、ならびに治療ペプチドカーゴの改善された細胞内保持および生理活性が得られる。
NP製剤を介して送達されたペプチドの増加したペプチド細胞内保持とエンドソーム脱出の間の関係を調査するために、ジギトニンに基づく、半透過処理技術40を適合させ、最適化し、NPおよび遊離ペプチド処置HCAVSMCについてサイトゾルおよび小胞結合ペプチドの相対量を測定した(図69A)。ジギトニンは非イオン性洗浄剤であり、最適化条件下で、細胞内小器官(例えば、エンドソームおよびリソソーム)は無傷のままで、細胞膜の選択的半透過処理が得られる。最適化された半透過処理手順を、ある範囲の濃度のジギトニンと共に10分間氷上でインキュベートしたHCAVSMCからの「サイトゾル」および「小器官」画分中のLDH(サイトゾルに局在化することが知られている)量を測定することにより決定した(図70)。最適化半透過処理プロトコルを使用して集めたサイトゾルおよび小器官画分のウエスタンブロット分析により、エンドリソソームマーカー初期エンドソーム抗原1(EEA1)およびリソソーム関連タンパク質1(LAMP1、図69B)からの細胞質タンパク質マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ1/2(MEK1/2)およびグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の有効な分離を確認した。蛍光標識されたMK2iおよびp−HSP20ペプチドを使用することにより、それらの遊離形態での、対NP製剤を介する送達後の両方のペプチドの細胞内分布の定量が可能になった。この分析により、NP中への製剤化は、ペプチド取込を増加させただけでなく、サイトゾル中に内在化したペプチドの画分を著しく増加させたことが確認され;正味の効果はサイトゾルMK2i送達のおよそ8倍増加およびサイトゾルp−HSP20送達の約29倍増加となった(図69C、D)。増加したサイトゾルペプチド送達がNP製剤中のPPAAのpH依存性膜破壊活性により促進されることを確認するために、細胞を液胞型H+ATPアーゼ阻害剤バフィロマイシンA1の存在下にて、NPで処置し、エンド−リソソーム酸性化を防止した。エンドソーム酸性化を防止すると、両方のNP製剤について、サイトゾル中に内在化したペプチドの画分が著しく低減し、エンドソームからのNP脱出のメカニズムはpH依存性であることが確認された(図69C、D)。バフィロマイシン処置は、内在化した遊離MK2iまたはp−HSP20ペプチドのサイトゾル画分に無視できる効果しか有さないことが見出された(データ示さず:MK2i:9.64%±8.17%サイトゾル、p−HSP20:7.36%±8.28%サイトゾル)。
F−アクチンストレスファイバー形成のMK2i−NPおよびp−HSP20−NP媒介阻害の効力を、アンジオテンシン−II(ANG II)刺激HCAVSMCにおいて定量した。両方のNP製剤は、細胞当たりのストレスファイバーの平均数の著しい減少により測定されるように、ペプチド機能生理活性を増強した(図71A)。定性的に、NP製剤およびANG IIで処置されたHCAVSMCは、未刺激対照細胞と一致する細胞形態および染色を示し、一方、遊離ペプチドで処置されたHCAVSMCは、ANG II刺激対照細胞に類似するストレスファイバー形成を示した(図71B)。細胞当たりのF−アクチンの総量もまた、球状ではなく、線維状アクチンに選択的に結合する染色剤のAlexa−488ファロイジンを用いて定量した(図72および73)。この分析は、細胞当たりのストレスファイバーの数の定量と一致し、NP中への製剤化は、両方ペプチドのストレスファイバー阻害活性を著しく増強させたことを明らかにした。
実施例6.ヒト血管組織における平滑筋生理機能に対するNP効果
血管攣縮のための可能性のある処置として、これらの製剤を評価するために、MK2i−NPおよびp−HSP20−NP製剤の、ヒト血管組織における平滑筋生理機能への効果を評価した。これらの研究では、ヒト伏在静脈(HSV)を、バイパス移植術を受けている、同意した患者から回収し、切開して環とした。筋肉浴においてKCLチャレンジにより生存を確認した後、各NP製剤のフェニレフリン(PE)誘導血管収縮を阻害する能力をHSV環において、力トランスデューサーが装備された臓器浴システムを用いて測定した。血管が収縮され、弛緩され、処置され、その後、再び収縮される実験設計では、未処置対照HSV環は初期収縮に比べ、2回目のPE誘導収縮において何の変化も示さなかった。しかしながら、MK2iまたはp−HSP20ペプチドによる中間処置は2回目のPE誘導HSV収縮を著しく阻害した(図74A〜C)。インビトロF−アクチンストレスファイバー結果と一致して、NP製剤により送達される等価用量のペプチドは、遊離ペプチドに比べ、収縮の著しく増強されたペプチド媒介阻害を示した(図74C)。特に、投与される最高NP用量と等価の用量の遊離PPAAポリマーによる処置では、PE誘導HSV収縮について無視できる効果しか示されず(図74B)、増強された阻害活性はペプチド生理活性の増強により媒介され、エンドソーム溶解性ポリマー担体の非特異的効果ではないことが示される。ペプチド−NPの、血管収縮を強力に阻害するこの能力は、これらの製剤の、冠動脈血管または末梢血管バイパス移植などの適用における血管攣縮を防止する予防的アプローチとしての翻訳に関する可能性を証明する。
これらのNP製剤の予防療法としての効力を試験することに加えて、MK2i−およびp−HSP20−NPのニトロプルシドナトリウム(SNP)誘導血管弛緩を増強させる能力を、可能性のある有益な処置介入として(例えば、SAH誘導血管攣縮を処置する)、生存HSV外植片において評価した(図74D)。再び、両方のNP製剤は試験した全ての濃度で、SNP誘導血管弛緩を促進する増強された能力を証明し(図74E、F)、一方、未処置HSVまたはPPAAポリマー単独で処置されたHSVは血管弛緩において無視できる差しか示さなかった(図74E)。MK2i−NPおよびp−HSP20−NP製剤は、別個の分子メカニズムを介して血管弛緩を誘発するので、両方のペプチドを合わせてNP製剤にすると、将来の研究のための有望なアプローチが表される。というのも、より低いペプチド用量で処置効果を生成させる相乗効果を達成し得るからである。
ヒト組織において、F−アクチンストレスファイバー形成の平滑筋生理学的結果との相関を定性的に評価するために、HSV環を、遊離ペプチドまたはNP製剤で前処置し、それからその後で、Alexa−488ファロイジンによるF−アクチン染色前にANG IIで刺激した(図74G)。平滑筋生理学結果によれば、NP製剤で処置されたHSV環は遊離ペプチドで処置されたと比べて、減少したファロイジン染色を示した。まとめると、これらの結果から、MK2i−およびp−HSP20−NPは、ヒト平滑筋組織におけるアクチンダイナミクスを調節することにより、MK2iおよびp−HSP20ペプチドの血管収縮を阻害し、血管弛緩を促進する能力を著しく増強することが示される。
上記で明記される実験の結果は、治療ペプチド、例えばMMI−0100(MK2i)の細胞および組織送達、生理活性、および細胞内薬物動態を増強する、ナノテクノロジーの可能性のある使用を確立する。一般に、CPPは高カチオン性であり、よって、PPAAとの複合体形成は潜在的に、治療ペプチドの細胞内送達を促進する、一般化プラットフォームバイオテクノロジーとして機能する。
実施例7.溶液中のMMI−0100のアッセイおよび純度決定のためのHPLC法
この研究の目的は、とりわけ、カラム洗浄工程、溶離勾配、精度(注入反復性)および線形性を評価することにより、溶液中のMMI−0100のアッセイおよび純度決定のためのHPLC法を評価し、最適化することであった。
多数の製剤を用いる清浄なカラムを維持するために、カラム洗浄工程(42〜45分)を7分だけ延長した(42から52分)。したがって、カラム平衡化工程を2分だけ増加させた(47〜55分から54〜64分)。MMI−0100が溶離する溶離条件を変化させた(例えば0〜40分)。最適化勾配を表2に列挙する。
希釈剤および1mg/mLのMMI−0100標準の代表的なHPLCクロマトグラムをそれぞれ、図77AおよびBに示す。
精度
精度(または注入反復性)を、0.02%Tween20中に1.1mg/mLのMMI−0100を含む溶液をHPLC上に合計6回の連続注入で注入することにより評価した。MMI−0100ピークについての保持時間(RT)、ピーク面積、テーリング係数および理論段数を各注入について記録し、それらの個々の相対標準偏差(RSD)を計算した。精度試験結果を、表28に示す。6回の注入からのRTおよび応答係数についてのRSDは2%未満であり、この方法は精度/注入反復性試験判断基準を満たすことが示される。
線形性
線形性試験溶液をMMI−0100の原液を使用し段階希釈して調製した。MMI−0100の原液を1.9mg/mLで調製した(1.1mg/mLの名目濃度の167%)。
実際のストック調製:
(24.0mgのMMI−0100)*(CoA0.774からのペプチド含量)/(10mLメスフラスコ)。
線形性溶液調製は表29に詳述する。線形性試験結果を、表30および図78に示す。図78はMMI−0100濃度対ピーク面積の線形性プロットを示す。Y切片バイアスを式(y−int)/(100%名目濃度についての平均ピーク面積)
*100を使用して0.5%であると計算した(62.339/12242*100=0.5%)。線形性については、許容される相関係数(R
2)値は規定範囲内で>0.995であり、y切片バイアスは、名目濃度で得られたピーク面積の≦5%でなければならない。得られた線形性試験結果はR
2およびy切片試験判断基準を満たす(表30および図78)。
実施例8.4〜8のpH範囲を有する様々なバッファー中でのMMI−0100の熱加速安定性研究
この研究の目的は、pH−安定性プロファイルMMI−0100を作成すること、選択バッファー中5.5.mg/mLでのMMI−0100の溶解度を決定すること、pHmax(MMI−0100が最も安定であるpH)を決定すること、pHmaxで不純物プロファイルを作成すること、室温および2〜8℃での長期予想または安定性を維持するために凍結乾燥が必要かどうかを決定すること、どちらがMMI−0100に対してより良好な溶解度および安定性を提供するかを決定するためDI水とバッファーを比較すること、ならびに5.5mg/mLでのMMI−0100の全ての見かけの粘度変化またはゲル化を観察することであった。
調製し、試験したMMI−0100製剤を表31で列挙する。
0.4mLの各MMI−0100製剤をHPLCバイアル中に充填させ(各組成物あたり合計5つのバイアル)、表32に記載される安定性を行った。
安定性試料の試験はpH(初期のみ)、外観、HPLCアッセイおよび不純物を含んだ。結果を、表33〜49に示す。CC=透明および無色。
クエン酸塩を含むpH6.5、リン酸塩を含むpH7、0.9%NaClを含むpH7およびL−リジンを含むpH8のMMI−0100製剤溶液は曇りを示し、沈殿物の存在が示される。
図79AおよびBは25℃でのアッセイ回収および不純物増大の概要を示す。図80AおよびBは、40℃でのアッセイ回収および不純物増大の概要を示す。図81AおよびBは、60℃でのアッセイ回収および不純物増大の概要を示す。
この研究の結果は、下記を示した:
i.MMI−0100は、pH7で最も安定である;
ii.リン酸塩およびNaClは、pH7でMMI−0100の沈殿を誘導した;
iii.クエン酸塩は、pH6.5でMMI−0100の沈殿を誘導した;
iv.クエン酸塩中では、MMI−0100は、pH6で最も安定である;
v.MMI−0100についてのpHmaxはpH7であり、DI水(すなわち、バッファーなし)が、最良溶液であった;
vi.T−5では、0.2%を越える5つの不純物が初期(T=0)試験で検出された;
vii.T−5では(バッファーなしでpH7)、アッセイ回収は、40℃で14日後ほぼ100%であり、60℃で7日後93%であり、有効期間(T90により規定)が25℃で2年または5℃で2年である可能性が示される;
viii.T−5がT90(例えば10%アッセイ損失)に到達した場合、7つの不純物は増大して、0.1%を超え得る(上位3つの不純物はRRT=1.14、RRT=0.94およびRRT=0.70であった);
ix.T−5において60℃で7日後、アッセイ損失は7%であり、総不純物は2.12%であり、不純物は215nmの検出波長ではより低い消衰係数を有し得ることが示される;ならびに
x.理論により制限されないが、RRT=1.14、RRT=0.94不純物は、脱アミノ生成物(Gln8およびGln17)であり、RRT=0.70不純物は加水分解生成物であることが疑われる。
実施例9.様々な浸透圧剤および/またはリオプロテクタント(Lyoprotectant)を含むDI水中、pH7の複数のMMI−0100製剤溶液の安定性の評価
この研究の目的は非緩衝0.7mg/mLおよび7mg/mL水溶液のpH7での浸透圧を決定し、安定性に基づいて浸透圧剤(複数可)を選択し、等浸透圧に到達するのに必要とされる浸透圧剤(複数可)の濃度を計算することであった(例えば、吸入のためのグリセリンIIL限界は7.3%であり;吸入のためのラクトースIIL限界は9%である)。
MMI−0100製剤溶液を表50に記載されるように調製した。
5gの各MMI−0100製剤溶液を調製した。0.7mLの各製剤溶液を、HPLCガラスバイアルに添加した(それぞれ、5つのバイアル)。1つのHPLCバイアルをT=0として使用した。残り4つのHPLCバイアルを60℃で保存し、0、1、2および4週間に試験した。結果を、表51〜59に示す。
この研究の結果は、下記を示した:
i.バッファーなしでpH7のMMI−0100製剤溶液は、高濃度(7mg/mL)で、そのpHを7で維持することができたが、一方、pHはより低い濃度では(0.7mg/mL)約8までドリフトし、7mg/mL強度では、pHバッファーは必要とされないことが示される;
ii.ラクトースの添加により、pHドリフトが得られ(約6まで)、より多くのMMI−0100の分解が引き起こされると考えられた;
iii.グリセリンの添加は高濃度製剤においてpHドリフトを引き起こさず、よって、グリセリンはラクトースよりも好ましい;
iv.グリセリンのMMI−0100製剤溶液への添加はまた、浸透圧剤を有さない製剤溶液(F−2)よりも、わずかに多いMMI−0100の分解(F−3)を引き起こし、等張性製剤が必要ない場合、F−2製剤溶液が好ましいであろう。
記載された本発明は、その具体的な実施形態を参照しながら記載されたが、本発明の真の主旨および範囲を逸脱することなく様々な変更を実施し得ること、および等価物で代用し得ることは、当業者には理解されるはずである。加えて、記載された本発明の目的とする主旨および範囲に対して、多くの改変を実施して、個々の状況、材料、物質組成、工程、工程ステップまたは複数のステップを採用することが可能である。そのような改変の全てが、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。