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JP2018206940A - 半導体装置、及び表示装置、並びにスパッタリングターゲット - Google Patents

半導体装置、及び表示装置、並びにスパッタリングターゲット Download PDF

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JP2018206940A
JP2018206940A JP2017110712A JP2017110712A JP2018206940A JP 2018206940 A JP2018206940 A JP 2018206940A JP 2017110712 A JP2017110712 A JP 2017110712A JP 2017110712 A JP2017110712 A JP 2017110712A JP 2018206940 A JP2018206940 A JP 2018206940A
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京慧 川田
Kei Kawada
京慧 川田
福吉 健蔵
Kenzo Fukuyoshi
健蔵 福吉
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Abstract

【課題】銅合金を用いた導電配線が高い導電率を有するとともに、TFTが低温プロセスで形成可能であり、銅やその合金金属の拡散やマイグレーションの課題が改善され、品質が安定したTFTを具備する半導体装置、及びそれを用いた表示装置を提供する。【解決手段】基板と、基板の一の面に複数の導電配線と、導電配線により電気的に接続される複数の薄膜トランジスタとを、少なくとも具備する半導体装置において、導電配線は、銅層若しくは銅合金層を第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層とで挟持する3層で構成され、第1導電性酸化物層及び第2導電性酸化物層は、酸化インジウムを含み、薄膜トランジスタは、酸化物半導体で構成されたチャネル層を有し、酸化物半導体は、酸化インジウムと酸化アンチモンとを主材とする複合酸化物である半導体装置、及びそれを用いた表示装置とする。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物半導体をチャネル層とする薄膜トランジスタと3層構成の銅合金配線とを具備する半導体装置、及びそれを用いた表示装置、並びに前記半導体装置、表示装置の製造に用いるスパッタリングターゲットに係る。
半導体装置或いは表示装置における導電配線は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと略記する)を構成するゲート電極、ゲート配線、ソース電極、ソース配線、ドレイン電極や、さらに電子回路の回路形成のための引き回し配線、タッチセンシング配線、アンテナの形成などに用いられ、電気抵抗が低いことが要求される。
アルミニウム配線は、低抵抗であるとともに、アルミニウムが不動態化することで実用的な信頼性を持つことから、各種機能デバイスの導電配線として多用されている。しかしながら、純度が高く、導電性の良いアルミニウムの配線は、これを有する機能デバイスの製造過程での熱履歴や、或いは長期的な保存などで配線表面にヒロック(半球状などの突起物)が発生しやすく絶縁不良などの信頼性低下を起こしやすい。
高純度のアルミニウムは、2.7μΩcmの電気抵抗率を持つが、前記のヒロック問題を解消するため、Nd(ネオジム)やTa(タンタル)などの金属を少量添加したアルミニウム合金としている。NdやTa添加による電気抵抗率の増加は、それぞれ3.7μΩcm/at%、8.6μΩcm/at%である。換言すれば、Ndをアルミニウムに1.0at%添加することで、アルミニウム合金の電気抵抗率は計算上、6.4μΩcmと悪くなる。アルミニウム合金配線の目標の電気抵抗率は、通常6.0μΩcm以下とされている。
一方、アルミニウムと比較し、高純度の銅は1.7μΩcmの電気抵抗率を持ち、アルミニウム合金配線に代わる導電配線として期待されている。銅合金配線は、耐アルカリ性の観点でアルミニウム合金配線より優れており、こうした耐薬品性の面からも銅合金配線の要求が高い。アルミニウムやアルミニウム合金は、ITOなど透明電極とのオーミックコンタクト(線形的な電圧−電流特性)が取れないため、こうした観点からも銅や銅合金の採用が期待されている。尚、本願では「銅」とは99.99質量%以上の銅(0.01質量%未満の不可避不純物を含む)を意味し、「銅合金」とは、前記「銅」に0.2〜5.0at%の添加元素(合金元素)を含有させた銅合金を意味する。
しかしながら、銅の配線は、銅が拡散しやすく信頼性低下をもたらすこと、及び銅の表面は不動態化せずに、銅酸化物の形成が経時的に増加する欠点を抱えている。銅の表面に形成される銅酸化物の膜厚が厚くなると、表面抵抗が高くなり電気的実装に問題が生じる。銅酸化物の形成は表面抵抗の増加に加え、コンタクト抵抗のバラツキによるTFTの閾値電圧(Vth)のバラツキにもつながるため好ましくない。それ故、銅配線や銅合金配線との電気的な実装では、表面の銅酸化物を除去するためにキレート洗浄のような前処理を必要とする。
特許文献1には、インジウムと亜鉛を含む酸化物層で挟持される銅層からなる金属配線が提供されており、前記インジウム及び亜鉛を含む酸化物層の酸化亜鉛の含有量は、10重量%以上35重量%未満とされている。その段落[0050]には、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム酸化物(InO)と表記されており、請求項1には、酸化物中の金属元素数としてのインジウム、また、亜鉛の定義がないため、これらの金属元素としての原子数比(at%)は明確でない。インジウム元素と亜鉛元素の合計に対して亜鉛元素の量が10.0at%を超えてくると、オーミックコンタクトが取りづらくなり、電気的実装での障害となってくる。特許文献1にはこうした課題が記載されていない。また、特許文献1には、銅のマイグレーションや拡散の問題については、何ら記載されていない。
また、直接基板に形成された銅合金による導電配線は、例えば10μm幅以下の細線については、その製造工程で基板から剥がれることがある。ウェットエッチング工程で形成された導電配線は、その工程以降の洗浄工程や、半導体パターン工程などの現像工程で静電破壊起因の部分的な剥がれ(導電配線の欠けや断線)を生じることがある。導電配線の線幅が細くなるほど、剥がれの傾向は顕著となる。
特許文献2、3には、ガラス基板やシリコン基板に対する、銅の密着性改善技術として、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)などを合金元素として銅に添加する技術が開示されている。しかしながら、これら2つの特許文献では、銅合金がガラス基板或いはTFTの半導体層に直接接触する構成であるため、銅の下地(ガラス基板や半導体層)への拡散を完全に抑えきれない問題がある。これらの特許文献には、当然ながら、後述のような銅合金層を導電性酸化物層で挟持する3層構成での課題は記載されていない。
電子デバイスでは、銅の抱える基本的な課題である銅の拡散抑制の目的のため、銅をチタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などの高融点金属で挟持する3層構成、或いは2層構成を用いることも多い。しかし、これら高融点金属は、銅と一括して(1液のエッチャントを用いて1回で)パターン形成することが困難である。それ故、TiやMoなどは異なるエッチング液で、或いは、ドライエッチングの手段を用いてパターン形成することが多い。(液晶表示装置では、酸化シリコンなど絶縁層上に、Ti/Cuの2層構成で対応することがある。)
さらに、回路形成や表示装置のTFTマトリクス形成では、スルーホールを介してその接続点(パッドなど)の上部の配線と電気的なコンタクトをとる必要がある。このとき、前記高融点金属の表面或いは銅の表面に銅酸化物層が形成され、高いコンタクト抵抗を生じることが多い。すなわち、従来の銅配線では、3層構成であっても実装に必要なオーミックコンタクトを取ることが難しいと言える。加えて、空気に露出された銅薄膜は、アニール(熱処理)で異常成長や薄膜表面の疎化を生じやすく、電気抵抗を悪化させやすい。
TFTでは、導電配線はソース電極、ドレイン電極を介して、TFTのチャネル層である酸化物半導体と接続するが、代表的な酸化物半導体であるIGZOと呼称される酸化インジウムと酸化ガリウムと酸化亜鉛の複合酸化物で形成されたチャネル層は、信頼性確保のため、400℃から700℃のアニールを必要とする。液晶表示装置などでは、このアニールのときに、チタンと銅の相互拡散が発生し、銅配線の電気抵抗が大幅に悪化することが多い。アニール無しでは、IGZOのチャネル層の経時変化によるVthの変動があり、実用的でない。さらに、ソース電極やゲート電極がチタンや銅で形成される場合、これらの金属がチャネル層の酸化物半導体を還元し、トランジスタ特性を低下させることがあった。
特許文献4には、酸化物半導体膜用として、In、Ga、Zn、Sn、Sbなどの元素が開示されている。しかし、その段落[0030]記載のIn−Zn系、Sn−In−Zn系を除いて酸化物半導体組成の詳述がなく、従って、例えば酸化アンチモンを用いたときの作用や効果の記載はない。
特開2014−78700号公報 特開2011−91364号公報 特許第5099504号公報 特開2007−73704号公報
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、銅合金を用いた導電配線が高い導電率(低い電気抵抗)を有するとともに、TFTを低温プロセスで形成可能とし、銅やその合金金属の拡散やマイグレーションの課題を改善し、品質が安定したTFTを具備する半導体装置、及びそれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基板と、前記基板の一の面に複数の導電配線と、前記導電配線により電気的に接続される複数の薄膜トランジスタとを、少なくとも具備する半導体装置において、
前記導電配線は、銅層若しくは銅合金層を第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層とで挟持する3層で構成され、
前記第1導電性酸化物層及び前記第2導電性酸化物層は、酸化インジウムを含み、
前記薄膜トランジスタは、酸化物半導体で構成されたチャネル層を有し、前記酸化物半導体は、酸化インジウムと酸化アンチモンとを主材とする複合酸化物である、ことを特徴とする半導体装置としたものである。
請求項2に記載の発明は、前記酸化物半導体は、さらに、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化サマリウムのいずれかを前記主材の質量より少ない質量で含む複合酸化物である、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置としたものである。
請求項3に記載の発明は、前記酸化物半導体は、酸素をカウントしないインジウムとアンチモンとガリウムの合計を100at%とすると、インジウムとアンチモンとを、それぞれ40.0at%から49.5at%の範囲内で含有し、
ガリウムを、20.0at%から1.0at%の範囲内で含有する酸化物半導体であることを特徴とする請求項1、または2に記載の半導体装置としたものである。
請求項4に記載の発明は、前記銅合金層は、銅に固溶する第1金属元素と、銅及び前記第1金属元素より電気陰性度が小さい第2金属元素を含み、
前記第1金属元素及び前記第2金属元素は、銅に含有する場合の前記銅合金層の電気抵抗率上昇が1.0μΩcm/at%以下の元素であり、
前記銅合金層の電気抵抗率は、1.9μΩcmから6.0μΩcmの範囲内にある、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置としたものである。
請求項5に記載の発明は、前記銅合金層は、前記第1金属元素を亜鉛とし、前記第2金属元素をカルシウムとし、
銅と亜鉛とカルシウムの合計を100at%とすると、前記第1金属元素を0.2at%から5.0at%の範囲内で含有し、
前記第2金属元素を、0.2at%から5.0at%の範囲内で含有し、
残部を銅とする組成である銅合金層である、ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置としたものである。
請求項6に記載の発明は、前記第1導電性酸化物層及び第2導電性酸化物層は、酸化インジウムを主材として含み、かつ少なくとも酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ガリウムのいずれかを含む導電性酸化物層である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置としたものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置を構成要素とする、ことを特徴とする表示装置としたものである。
請求項8に記載の発明は、アンテナを構成要素とし、
前記アンテナは、銅層若しくは銅合金層を第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層とで挟持する3層で構成され、
前記第1導電性酸化物層及び前記第2導電性酸化物層は、酸化インジウムを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置としたものである。
請求項9に記載の発明は、複合酸化物スパッタリングターゲットであって、
前記複合酸化物は、酸化インジウムと酸化アンチモンとを主材とし、安定化剤として酸化ガリウムを含み、
酸素をカウントしないインジウムとアンチモンとガリウムの合計を100at%とすると、インジウムとアンチモンとを、それぞれ40.0at%から49.5at%の範囲内で含有し、
さらにガリウムを、20.0at%から1.0at%の範囲内で含有する複合酸化物から成る、ことを特徴とするスパッタリングターゲットとしたものである。
請求項10に記載の発明は、銅合金スパッタリングターゲットであって、
銅に固溶する第1金属元素と、銅及び前記第1金属元素より電気陰性度が小さい第2金属元素を含み、
前記第1金属元素は亜鉛であり、前記第2金属元素はカルシウムであり、
銅と亜鉛とカルシウムの合計を100at%とすると、前記亜鉛を、0.2at%から5.0at%の範囲内で含有し、
前記カルシウムを、0.2at%から5.0at%の範囲内で含有し、
残部を銅とする銅合金である、ことを特徴とするスパッタリングターゲットとしたものである。
請求項11に記載の発明は、前記銅合金ターゲットの表面に表出する銅合金のグレインの平均粒径が10μmから80μmの範囲にある、ことを特徴とする請求項10に記載のスパッタリングターゲットとしたものである。
本発明によれば、銅合金を用いた導電配線が高い導電率を有するとともに、TFTが低温プロセスで形成可能であり、銅やその合金金属の拡散やマイグレーションの課題が改善され、品質が安定したTFTを具備する半導体装置、及びそれを用いた表示装置が得られる。すなわち、銅合金層を第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層とで挟持する3層構成の高い導電性の導電配線と、これと電気的に接続されるTFT、タッチセンシング配線や微小なループアンテナなどを具備し、良好な信頼性を有し、電気的実装でも問題のない半導体装置、表示装置が得られる。また、そのような半導体装置、表示装置の製造に用いるスパッタリングターゲットが得られる。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置に具備されるTFTアレイ基板の一単位の断面図。 図1に示すTFTアレイ基板のゲート電極部の部分拡大図。 本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の部分断面図。 本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の部分平面図。 本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置の部分断面図。 図5に示す有機EL表示装置のTFTアレイ基板の部分断面図。 本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置の観察者側(第2基板側)から見た平面図。 本発明の第2及び第3実施形態に係る表示装置を構成するTFTアレイ基板に形成された、アンテナユニット、画素開口部、回路群を示す平面図。 本発明の第2及び第3実施形態に係る表示装置を構成する表示装置基板に形成された第1アンテナユニットを拡大して示す部分平面図。 図9のA−A’線に沿う断面図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。各図面において、見易さのため、構成要素の厚さや比率は誇張されていることがある。構成要素の数も減らして図示していることがある。実施形態が異なる場合も、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明を省くことがある。
[第1実施形態:半導体装置]
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置に具備されるTFTアレイ基板3の一単位の断面図である。無アルカリガラス等である第1基板1上に、酸化窒化シリコン等よりなる絶縁層41、ゲート電極38、ゲート絶縁層である絶縁層42、酸化物半導体から成るチャネル層35、ドレイン電極37、ソース電極36が形成されている。ソース電極36は、紙面に対し垂直方向(Y方向)に走る第1導電配線(ソース配線)31と電気的につながっている。ゲート電極38は、紙面奥に位置する第2導電配線(ゲート配線)と電気的につながっている。図1では、ゲート配線はその位置の関係で図示されていない。チャネル長Lは短い方がTFT50の立ち上がりを急峻にできる。また、図1ではゲート電極38、チャネル層35を垂直に描いているが、順テーパー形状である方が特性上好ましい。
前記のように構成されるTFT50のドレイン電極37は、絶縁層43上に具備される画素電極9とコンタクトホール90を介して電気的につながっている。画素電極9は、例えば、ITOなどと呼称される透明導電膜である。画素電極9は、有機EL(エレクトロルミネセンス)や反射型の表示装置では、銀合金やアルミニウムなどの光反射性の反射電極とすることができる。
図2に、図1におけるゲート電極38の部分拡大図を示す。絶縁層41上において、ゲート電極38は、銅合金層13を第1導電性酸化物層11と第2導電性酸化物層12とで挟持する3層構成から成る。同様に、図1のドレイン電極37、ソース電極36、ソース配線31及びゲート配線も銅合金層13を第1導電性酸化物層11と第2導電性酸化物層12とで挟持する3層構成から成る。尚、「銅合金」層は用途によっては「銅」層の場合もあるが、以下の説明では銅合金層として説明する。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置、及び後述のそれを用いた第2、第3実施形態に係る表示装置は、前記のように導電配線が3層構成であることに加え、チャネル層35を形成する酸化物半導体は、酸化インジウム、酸化アンチモンを主材として含有する複合酸化物である。ここで主材とは、酸化物半導体において酸素をカウントしないインジウムとアンチモンをそれぞれ40.0at%以上含有する複合酸化物での、酸化インジウムと
酸化アンチモンのことを指す。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置、及び後述のそれを用いた第2、第3実施形態に係る表示装置が備える導電配線は、上記のように、いずれも第1導電性酸化物層11と第2導電性酸化物層12とによって銅合金層13が挟持された構成から成る。以下、第1導電性酸化物層11と第2導電性酸化物層12とを単に導電性酸化物層と表記することがある。導電性酸化物層の膜厚は、例えば10nmから100nmの範囲から選択できる。銅合金層の膜厚は、例えば50nmから500nmの範囲から選択できる。
通常、銅合金層13の電気抵抗率は、銅合金層13の成膜方法やアニール条件によって、±30%前後の変化があり得る。例えばガラス基板等に銅合金層13が直接形成された構成では、成膜時のアニールで、さらには成膜後のアニールで、銅合金層が酸化され酸化銅を形成し、抵抗値が悪化することがある。また、銅合金層を構成する合金元素が低い濃度で添加されている銅合金、すなわち希薄合金においては、酸化銅の形成と共に銅合金のグレイン(結晶粒)が大きくなり過ぎてしまうことがある。このため、隙間のある粗大なグレインバウンダリー(結晶粒界)が形成され銅合金層の表面が粗くなり、グレインバウンダリーによるキャリア散乱(電気抵抗率の悪化)により抵抗値が悪化することがある。
本発明に係る導電配線においては、銅合金層13が第1導電性酸化物層11と第2導電性酸化物層12によって挟持された構成を採用している。この構成では、アニールにより電気抵抗率が改善されることが多い。換言すれば、本発明係る導電配線においては、銅合金層13が導電性酸化物層で覆われることにより、銅合金層13の表面酸化が抑制される。また、銅合金層13の表面及び裏面に形成された導電性酸化物層による規制(アンカリング)によって、銅合金層13のグレインが極端に粗大化することがなく、銅合金層13の表面が粗くならない。銅合金層13を構成する合金元素が低い濃度(例えば、0.2at%前後)で添加されている銅合金層13であっても、グレインが大きくなりにくい。
図1に示すTFTの構成において、チャネル層35と、ソース電極36やドレイン電極37と接触する半導体界面30には、チャネル層35の電極側にコンタクト抵抗が低く、かつ、高移動度の導電性酸化物が実質的に形成されており、トランジスタ特性を向上させることができる。図1では、第1導電性酸化物層11が低抵抗、かつ高移動度の半導体層の役割を果たす。実施の形態によっては、第2導電性酸化物層12が低抵抗、かつ高移動度の半導体層の役割を果たす。
さらに、本発明の第1実施形態に係る半導体装置、及び後述のそれを用いた第2、第3実施形態に係る表示装置が備えるTFT、導電配線は、請求項2〜6で示すような、以下の特徴を備えることが好ましい。
<TFT>
(酸化物半導体)
酸化物半導体は、酸化インジウムと酸化アンチモンのみの組成であっても良いが、この酸化物半導体の場合酸素欠損を生じやすい。酸化物半導体の酸素欠損を減らすため、酸化状態の安定化剤として、さらに酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化サマリウムを酸化物半導体に添加することが好ましい。
酸化安定化剤を酸化ガリウムとする場合について説明する。酸化インジウムと酸化アンチモンとを主材とし酸化安定化剤として酸化ガリウムを含有し、酸素をカウントしないインジウムとアンチモンとガリウムの合計を100at%とすると、インジウムとアンチモンとを、それぞれ40.0at%から49.5at%含み、ガリウムを20.0at%か
ら1.0at%含ませた酸化物半導体であることが好ましい。ガリウムに代表される酸化安定化剤は、1.0at%以下では酸素欠損を十分に補うことができない。20.0at%を超えると、340℃以下のアニール温度で結晶化しづらくなる。酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ガリウムと価数の異なる酸化錫を、キャリアドーパントとして添加しても良い。
本発明に係る前記酸化物半導体は、後述のように、銅合金層の電気抵抗率を改善する180℃から340℃の低温アニールで結晶化させることができる。すなわち、本発明により結晶化温度の低い複合酸化物を提供できる。酸化物半導体の結晶化の確認は、TEMなどの観察方法により少なくとも3nmより大きい結晶粒を観察できれば良い。但し、TFTに用いるチャネル層の厚みは、3nmから80nmと極めて薄い範囲から選択されるので、明確な結晶化を確認しづらい。酸化インジウムと酸化アンチモンを主材とする本発明に係る酸化物半導体においては、上記低温アニール後に明確な結晶化を確認できない場合も実用的かつ半導体特性の安定したTFTを提供できる。
一般に、IGZOと呼称される、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛による酸化物半導体はその結晶化のために400℃から700℃の高温アニールが必要である。しかし、350℃を超えるアニールは、銅合金層からの銅の拡散を増長し、酸化物半導体の特性を劣化する可能性がある。銅配線がMo/Cu、Ti/Cuである従来構成では、400℃を超えるアニールでは銅とチタンなどとの相互拡散があり、銅配線の電気抵抗率を悪化させることがある。酸化インジウムの融点は、1910℃とされ、酸化ガリウムの融点は1740℃、酸化亜鉛の融点は1980℃といずれも1700℃以上の高温域にあり、従ってその複合酸化物の結晶化温度も高いと推定される。これらと比較し、酸化アンチモンの融点は656℃とされ、より低い結晶化温度が可能となる。尚、前記融点は「岩波 理化学辞典 第4版:久保亮五、長倉三郎、井口洋夫、江沢洋編集(岩波書店)」から抜粋した数値である。
本発明に係る酸化物半導体の組成は、酸化インジウムと酸化アンチモンをおおよそ1:1の比率とすることができる。酸化インジウムと酸化アンチモンの比率は、20%の差異があっても良いが、酸化物半導体として1:1の比率に近いことが望ましい。酸化アンチモンは、その複合酸化物ターゲットを用いた真空成膜(スパッタリング)で昇華しやすいため、出発材料である複合酸化物ターゲット中では、酸化アンチモンリッチとし、真空成膜された複合酸化物の膜として酸化インジウムと酸化アンチモンの比率を1:1に近づけることができる。
酸化物半導体の電気的特性や移動度を調整するために、チャネル層の厚み方向に、例えば酸化ガリウム濃度を変えても良い。酸化ガリウム濃度の異なる複数層でチャネル層を形成しても良い。或いは、ソース電極などのウェットエッチング加工性を拡げるため、チャネル層の表面層を酸化錫リッチとして、チャネル層に耐酸性を付与することができる。或いは、チャネル層形成のために、図1のチャネル幅Lに相当する酸化物半導体の表面にエッチングストッパー層を形成しても良い。
チャネル層35のゲート絶縁層42として機能する絶縁層材料として、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化サマリウム、或いはこれら材料を混合して得られた絶縁層等が用いられる。
ゲート絶縁層42の構造として、単層膜、混合膜、或いは多層膜であってもよい。混合膜や多層膜の場合、上記絶縁層材料から選択された材料によって混合膜や多層膜を形成することができる。ゲート絶縁層の膜厚は、例えば、2nm以上300nm以下の範囲内から選択可能な膜厚である。また、チャネル層を酸化物半導体で形成する場合、酸素が多く含まれる状態(成膜雰囲気)で、チャネル層35と接触するゲート絶縁層42の界面を形成することができ、チャネル層35の酸素欠損を減らすことができる。
<導電配線>
(銅合金層)
銅合金層13は、銅に固溶する第1金属元素と、銅及び前記第1金属元素より電気陰性度が小さい第2金属元素とを含むことが好ましい。第1金属元素及び第2金属元素は、いずれも銅に添加する場合の電気抵抗率上昇が1.0μΩcm/at%以下の元素であり、銅合金層13の電気抵抗率は1.9μΩcmから6.0μΩcmの範囲内となることが好ましい。
本発明に係る銅と固溶する第1金属元素とは、例えば車載向けを含む電子機器の使用範囲である−(マイナス)40℃から+(プラス)80℃の温度領域で安定して銅との置換型固溶をとる元素である。この温度範囲で、かつ銅合金として本発明で規定する添加(含有)量で、銅の結晶構造の中で銅原子の位置に置換できる元素となり固溶する。
銅に対し、広い固溶域を持つ金属は、金(Au)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、パラジウム(Pd)、マンガン(Mn)が例示できる。アルミニウム(Al)は広くはないが、銅への固溶域を持つ。
電気抵抗率の小さい金属元素としては、パラジウム(Pd)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、金(Au)、カルシウム(Ca)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)が挙げられる。これらの金属元素は、純銅に対し1.0at%添加したときに電気抵抗率の増加が、ほぼ1.0μΩcm以下となる。特にカルシウム(Ca)、カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)はその電気抵抗率の増加が0.4μΩcm/at%以下であるので、合金元素として好ましい。
さらに経済因子及び環境因子を考慮すると、亜鉛及びカルシウムが好ましい。亜鉛及びカルシウムは、それぞれ5.0at%まで銅への合金元素として添加できる。この添加量よりカルシウムを増やし亜鉛を減らした添加量などそれぞれの増減があっても良い。添加による効果は、それぞれ0.2at%以上の添加にて顕著となる。第1金属元素と第2金属元素を合せて0.4at%以上添加した銅合金とすることで緻密な銅合金層13となり、グレインが小さくなりグレインバウンダリーによる電気抵抗率の悪化を抑制することができる。5.0at%の添加量を超えてくると電気抵抗率の増加が顕著となるので、5.0at%未満の添加量であることが好ましい。純粋な銅に、亜鉛及びカルシウムをあわせ0.4at%添加した銅合金は、およそ1.9μΩcmとなる。それ故、本発明に係る銅合金層13の電気抵抗率の下限は、上記の1.9μΩcmとなる。
電気陰性度は、原子(元素)が電子を引き寄せる強さの相対尺度である。この値の小さい元素ほど陽イオンになりやすく酸化されやすい。本発明に係る導電配線において、そのアニール工程などで第2金属元素は、銅及び第1金属元素に先んじて、酸化され酸化物を形成することが好ましい。尚、本発明で「第1金属元素」は、銅より電気陰性度が小さくても良い。「第2金属元素」は銅に固溶域を持っていても良い。銅より電気陰性度が小さく、かつ銅に固溶域を持っているという、それぞれ2つの性質を持つ2種以上の金属元素を用いる場合、より電気陰性度の小さい金属元素を「第2金属元素」とする。
銅の電気陰性度は1.9である。酸素の電気陰性度は、3.5である。電気陰性度の小さい元素には、アルカリ土類元素、チタン族元素、クロム族元素などが挙げられる。アルカリ金属元素の電気陰性度も小さいが、銅の近傍にアルカリ金属元素や水分が存在すると銅の拡散を増長するので、ナトリウムやカリウムなどアルカリ金属元素を銅の合金元素としては使えない。
カルシウムの電気陰性度は、1.0と小さい。カルシウムを銅の合金元素として用いた場合、アニール時などにカルシウムが銅に先んじて酸化され、酸化カルシウムとなることで銅の拡散を抑えることが可能となる。本発明に係る導電配線では、導電性酸化物層で覆われない銅合金層の露出面や、銅合金層と導電性酸化物層との界面に、選択的にカルシウム酸化物を形成させることが可能である。特に、導電性酸化物層で覆われない銅合金層の露出面にカルシウム酸化物を形成することが銅の拡散の抑制、従って導電配線ひいては半導体装置の安定性・信頼性向上に寄与する。本発明に係る銅合金層及び導電配線は、アニールなどの熱工程で導電率の向上が得られる。尚、上記の電気陰性度はポーリングの電気陰性度の値で示した。
(導電性酸化物層)
第1及び第2導電性酸化物層の材料としては、酸化インジウムを主材として含有するとともに、少なくとも酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ガリウムのいずれかを含む導電性酸化物層であることが望ましい。
すなわち、酸素元素をカウントしない金属元素のみを100at%とすると、導電性酸化物層に含まれるインジウムの量は、80.0at%より多いことが好ましく、90.0at%より多いことがさらに好ましい。インジウムの量が80.0at%より少ない場合、形成される導電性酸化物層の電気抵抗率が大きくなる。亜鉛の含有量が20.0at%を超えると、導電性酸化物層の耐アルカリ性が低下するので好ましくない。
酸化アンチモンは、金属アンチモンが銅との固溶域を形成しにくく、積層構成での銅の拡散を抑制するため、上記導電性酸化物層に加えることができる。導電性酸化物層中には、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、ゲルマニウム等の他の元素を少量添加することもできる。
一般に銅層或いは銅合金層は、ガラスや樹脂等の透明基板やブラックマトリクス等に対する十分な密着性を有していない。そのため、導電性酸化物層を設けない場合、導電配線とガラス等の透明基板との界面や導電配線とブラックマトリクスの界面、或いはSiOなどで形成される絶縁層との界面で剥がれが生じる可能性がある。
細い配線パターンを有する導電配線として銅或いは銅合金を用いる場合、導電配線の下地層として導電性酸化物層が形成されていない表示装置基板においては、剥がれによる不良以外にも、表示装置基板の製造工程の途中で導電配線に静電破壊による不良が生じる場合があり実用的ではない。このような静電破壊は、カラーフィルタを基板上に積層する後工程や、表示装置基板とTFTアレイ基板とを貼り合わせる工程、或いは洗浄工程等によって配線パターンに静電気が蓄積され、静電破壊によりパターン欠け、断線等を生じる現象である。
加えて、銅層や銅合金層の表面に、導電性を有しない銅酸化物が経時的に形成され、コンタクトホールでの接続抵抗にバラツキを生じやすい。接続抵抗のバラツキは、そのままTFTの閾値電圧(Vth)のバラツキとなり、有機EL層や液晶層の駆動に支障を生じる。尚、本願においてコンタクトホールとスルーホールは同義として扱う。
一方、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ガリウム、酸化錫等の複合酸化物層は、ガラスや樹脂等の透明基板やブラックマトリクス等に対する十分な密着性を有しており、かつ銅層や銅合金層に対する密着性も十分であり、安定したオーミックコンタクトを実現することができ、Vthのバラツキの少ないTFTを提供できる。本発明に係る複合酸化物を導電性酸化物層として用いる導電配線は、導通転移(トランスファ)やコンタクトホールを介しての電気的実装を容易に行うことができる。
本発明に係る導電性酸化物層や銅合金層13の成膜は、スパッタリングなどの真空成膜によることが好ましい。電気的実装のため、端子部の銅合金層13の部分にはメッキを施しても良い。
第1導電性酸化物層11と銅合金層13と第2導電性酸化物層12の3層を、例えば180℃以下の基板温度で連続成膜を行うことができる。基板温度は、室温(25℃)、さらには室温以下の温度に設定しても良い。また、チャネル層のパターンを形成した後の後工程で、例えば180℃から340℃の低温アニールを施す。この低温アニールは、ソース配線やドレイン配線なとの導電配線を形成する工程の前に行っても良い。低温アニールにより電気抵抗率を含む電気特性改善が可能である。
上記のように、本発明の第1実施形態に係る半導体装置は低温プロセスで作製でき、基板材料を樹脂基板、或いは0.4mm厚み以下のガラスなどとする液晶表示装置や有機EL表示装置にとりわけ有効に適用できる。
<TFTによる回路形成>
以上の本発明に係る技術を、TFTによる回路形成へ適用する例を挙げる。
上述の銅合金層、導電性酸化物層、或いは酸化物半導体の膜を所望のパターンとすることで、抵抗素子を形成できる。抵抗素子や、電子をキャリアとするn型のTFTを用いた周知の技術で、インバーター回路やSRAMを構成することができる。同様に、ROM回路、NAND回路、NOR回路、フリップフロップ、シフトレジスタ等の論理回路を構成することができる。酸化物半導体は漏れ電流が極めて少ないため、低消費電力の回路を形成できる。酸化物半導体は電気的な耐圧が高いため、パワー半導体として用いることができる。
また、シリコン半導体にはないメモリー性(電圧保持性)を有するため、良好なメモリー素子を提供できる。或いは、異なる基板にポリシリコン半導体をチャネル層とするTFT(アクティブ素子)のマトリクスを1層目に形成し、絶縁層のスルーホールを介して、酸化物半導体をチャネル層とするアクティブ素子のマトリクスを2層目に形成する積層構成として、上記メモリーや論理回路を形成することもできる。異なる基板に形成した回路と、本発明に係る半導体装置を貼り合わせても良い。
後述する第3実施形態で示すように、本発明に係る表示装置には、液晶層や有機EL発光層を駆動するTFTを具備する第1基板(アレイ基板)と対向する第2基板にタッチセンシング機能を持たせることができる。換言すれば、第2基板をタッチパネルとし、第2基板にタッチセンシング制御回路を上記抵抗素子やn型のTFTを用いて形成しても良い。
本発明に係る半導体装置として、例えば、液晶(Liquid Crystal)、発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)、有機EL(OLED: Organic Light Emitting Diode)を駆動するアクティブ素子のマトリクスとして用いることができる。さらには、EMS(Electro Mechanical System)素子、MEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、IMOD(Interferomet
ric Modulation )素子、RFID(Radio Frequency Identification)素子を駆動するアクティブ素子、前記のタッチセンシングを制御するタッチセンシング制御回路に適用できる。これらのアクティブ素子は、本発明に係る電気抵抗率の低い導電配線で電気的に接続することで、電気信号のなまりが少なく、低消費電力の回路を形成できる。
本発明に係る半導体装置では、例えば有機EL層や液晶層を駆動するTFTとして適用する場合、導電性酸化物層を表面とする導電配線は、コンタクトホールを介して画素電極(或いは駆動電極)のITOとほぼ完全なオーミックコンタクトをとることができる。このオーミックコンタクトは、半導体特性の向上及び消費電力の低減に寄与する。一般的なTFTでは、画素電極のITOはモリブデンやチタンといった高融点金属層と接触する構成をとることが多い。これらの高融点金属は、既述のように表面に金属酸化物を形成するため、電気的なコンタクトが取りづらい。尚、ITOはアルミニウムとはオーミックコンタクトがとれず、アルミニウムとの密着性も不十分である。
また、導電配線を従来技術であるCu/Tiの2層積層、或いはTi/Cu/Tiの3層積層構成とする場合、Ti層に含まれやすい水素が酸化物半導体に悪影響を与えやすい。具体的には、Ti層から放出される水素がトランジスタのチャネル長に変化を与え、トランジスタ特性を変化させることがある。本発明が提案する導電配線は、Ti層を用いず、銅合金層を導電性酸化物層で挟持する構成なので、水素の悪影響は極めて少ない。
[第2実施形態:液晶表示装置(LCD)]
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を構成要素に含む、第2実施形態に係る液晶表示装置6の部分断面図である。ここでは偏光板、位相差フィルム、バックライトユニット、配向膜は図示を省いている。第1基板1上には、TFT50が平面視ではマトリクス状に形成されている。平面視とはZ方向から見た表示装置の面を指す。
第2基板2の、第1基板1と向かい合う面には、画素開口部にそれぞれ赤画素16、緑画素17、青画素18がカラーフィルタとして形成されている。第2基板2側から見たカラーフィルタ上には透明樹脂であるオーバーコート層19が積層され、さらにITOである透明電極8が形成されている。第1基板1と第2基板2との間には、液晶層4が形成されている。液晶層4はTFT50を介して画素電極9で駆動される。図3の表示装置6は、縦電界(透明電極8と画素電極9間の電圧)で駆動されるが、IPS、FFSと呼ばれる横電界方式の液晶表示装置であっても良い。
図4は、図3の第2実施形態の液晶表示装置6の、観察者側から見た部分平面図である。赤画素16、緑画素17、青画素18はブラックマトリクス15で区分されている。
[第3実施形態:有機EL表示装置、タッチ配線付き]
図5は、第1実施形態に係る半導体装置を構成要素に含む第3実施形態に係る有機EL表示装置7の部分断面図である。有機EL表示装置7は、接着層である透明樹脂層97を介して第1基板1と第2基板2とを貼り合わせた構造となっている。
第1基板1には、有機EL層を駆動するTFT(不図示。以下、駆動TFTと呼称。)を具備する。第1実施形態と同様、酸化物半導体をチャネル層とするTFTを具備し、さらに銅合金層を導電性酸化物層で挟持する導電配線を具備する。第3実施形態の表示装置7の平面視は、画素開口形状など第2実施形態の表示装置とほぼ同様である。第2実施形態の表示装置と同様、画素開口部に赤画素、緑画素、青画素などのカラーフィルタを配設しても良い。
図5の第2基板2は、ブラックマトリクス15とタッチセンシング機能を備える。以下、タッチセンシングは単にタッチと略称する。第1方向(X方向)に延線される複数の第1タッチ配線と、第2方向(Y方向)に延線される複数の第2タッチ配線が具備されている。これらのタッチ配線は、タッチセンシングを制御する回路の構成要素として、酸化物半導体をチャネル層とするTFTと第3導電配線33と第4導電配線34とを含む。尚、第3導電配線33と第1タッチ配線とは同じ導電配線の構造であり、同一レイヤとして形成される。第4導電配線34と第2タッチ配線とは同じ導電配線の構造であり、同一レイヤとして形成される。
第3導電配線33と第4導電配線34間には、透明樹脂である絶縁層45が配設されている。それぞれのタッチ配線は本発明に係る銅合金層を導電性酸化物層で挟持する導電配線である。尚、絶縁層44は樹脂で形成しても良く、必要に応じて酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコンなどで形成しても良い。
図6は、図5に示す有機EL表示装置7のTFTアレイ基板200の部分断面図である。表示装置7において、表示機能層は有機EL層である発光層92及びホール注入層91を含み、駆動TFT50で駆動される。図6において、駆動TFT50を選択するスイッチングTFT及び補助容量の図示は省略されている。駆動TFTのソース電極36は、電源線39と電気的につながり、映像信号を受けてスイッチングTFTがオンとなると駆動TFTにより電源線から有機EL層に電源が供給され、有機EL層が発光する。
第1基板1には、第1絶縁層41、第1絶縁層41上に形成された駆動TFT50、第1絶縁層41及び駆動TFT50を覆うように形成された第2絶縁層42、駆動TFT50のチャネル層35に対向するように第2絶縁層42上に形成されたゲート電極38、第2絶縁層42及びゲート電極38を覆うように形成された第3絶縁層43、及び第3絶縁43上に形成された平坦化層96が順に積層されている。チャネル層35は本発明に係る酸化物半導体で形成されている。なお、スイッチングTFTは、駆動TFTと同じ構成であり、同じレイヤに配設されている。
平坦化層96には、TFT50のドレイン電極37に対応する位置にコンタクトホール90が形成されている。また、平坦化層96上には、チャネル層35に対応する位置にバンク94が形成されている。断面視において互いに隣り合うバンク94の間の領域、すなわち平面視においてバンク94に囲まれた領域には、平坦化層96の上面、コンタクトホール90の内部、及びドレイン電極37を覆うように下部電極88(画素電極)が形成されている。尚、下部電極88はバンク94の上面に形成されなくても良い。
さらに、下部電極88、バンク94、及び平坦化層96を覆うようにホール注入層91が形成されている。ホール注入層91上には、順に発光層92、上部電極87、及び封止層98(図5参照)が積層されている。
バンク94の材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラックフェノール樹脂等の有機樹脂を用いることができる。バンク94には、更に、酸化シリコン、酸窒化シリコン等の無機材料を積層しても良い。平坦化層96の材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド樹脂等を用いても良い。低誘電率材料(low−k材料)を用いることもできる。尚、視認性向上のため、平坦化層96や封止層98、或いは基板のいずれかが光散乱の機能を有しても良い。或いは、観察者の視認側、第2基板2の上方に光散乱層を形成しても良い。
図7は、本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置の観察者側(第2基板2側)から見た平面図である。第2基板2の額縁領域72の一部には、ブラックマトリクス15を
形成せず、TFTなどを用い、絶縁層44(図5参照)上にタッチ駆動スイッチング回路56、タッチ検知スイッチング回路57等の回路が形成されている。尚、図7において、タッチ駆動スイッチング回路56、タッチ検知スイッチング回路57等の回路上に、直接あるいは間接的にブラックマトリクスを形成し、観察者からの視認性を向上させることも可能である。
[第3実施形態の変形例:LED表示装置]
上記有機EL層をLEDチップに置き換えて LED表示装置とすることができる。例えば、図6に示すバンク94間に、ホール注入層91や発光層92などの有機ELに係るレイヤを形成せず、反射電極である下部電極88に直接、LEDチップを載置しても良い。LEDチップの裏面や側面に導体を形成し、上部電極87と電気的接続を行うことができる。前記導体は、後述のn型GaNからの電極と導通する。
前記LEDチップは、サファイアやGaNなどの基板上に、例えば、n型GaN/発光層/p型GaN/LED反射電極(Ag合金やAl合金などを含む薄膜)をこの順で積層した構成のLEDチップをフェースダウンで載置すれば良い。この場合、LED反射電極と下部電極88は電気的に接合される。これらのLEDチップは、赤色発光、緑色発光、青色発光などの3種類をそれぞれバンク94間の画素開口部に配列させることができる。あるいは、それぞれバンク94間の画素開口部に青色発光のLEDチップを載置し、画素開口部上に直接あるいは間接的に量子ドットなどを含む波長変換層を、それぞれ配置しても良い。波長変換層は、青色発光光を緑色光、あるいは青色発光光を赤色光などに変換する波長変換層を含む。あるいは、青色発光LEDのほかに赤色発光LEDや赤外発光LEDを別途、載置しても良い。
[本発明に係る表示装置の構成要素としてのアンテナ]
第2実施形態及び第3実施形態に係る表示装置において、ループアンテナなどのアンテナユニットを形成することができる。アンテナユニットもタッチ配線と同様に、銅合金層を第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層で挟持する3層構成で形成することができる。
尚、本発明における「アンテナユニット」とは、タッチセンシング信号の送受信や電力の受電及び給電等の目的で、1以上のアンテナが基板上に配置された構成を意味する。アンテナユニットの構成として、アンテナがループ(同一平面に形成されたコイル、螺旋状のパターン)形状のアンテナである場合、互いに逆向き方向に巻かれた2つのアンテナを隣接させた構成が、通信の安定性確保の観点で好ましい。逆向き方向に巻かれたアンテナを交互に2以上隣接させて、そのうち1組のアンテナを選択して用いることも可能である。尚、当実施形態において、ループアンテナはタッチ信号の送受信及び電源の授受に用いているが、こうしたループアンテナは表示装置外部のアンテナ、たとえばICカードに具備されるアンテナと通信する形で用いても良い。これらのアンテナは、例えば表示装置外の外部電源に備えられるアンテナからの非接触給電に用いてもよい。
図5におけるタッチ駆動スイッチング回路56の紙面奥には、図示されていない第1アンテナユニット21と第2アンテナユニット22が、第2基板2の第1基板1と対向する面に配設されている(図7参照)。図5の有機EL駆動スイッチング回路99の紙面奥には、図示されていない第3アンテナユニットと第4アンテナユニットが、第1基板1の第2基板2と対向する面に配設されている。第1アンテナユニットと第2アンテナユニットは、第3導電配線33と同じレイヤで同じ工程で形成することができる。第3アンテナユニットと第4アンテナユニットは、第1導電配線31あるいは第2導電配線32と同じレイヤで同じ工程で形成することができる。
図8は、本発明の第2及び第3実施形態に係る表示装置の構成要素であるTFTアレイ基板に形成された、第3アンテナユニット23、第4アンテナユニット24、ソース信号スイッチング回路51、ゲート信号スイッチング回路52等の回路を示す平面図である。
図8に示すように、TFTアレイ基板における第1基板1の面上の有効表示領域外には、第3アンテナユニット23、第4アンテナユニット24、ソース信号スイッチング回路51、ゲート信号スイッチング回路52、電源送電部53、信号送受信部60等の回路、及びFPC(フレキシブルプリント基板)が設けられている。TFTアレイ基板において画素開口部10に相当する位置にはアクティブ素子(TFT)50が設けられている。ソース信号スイッチング回路51、ゲート信号スイッチング回路52、電源送電部53、信号送受信部60の電源は、FPCを経由して、図示されていないバッテリー、或いはアダプターを介して100Vなどの外部電源と接続される。
以下の説明では、第1アンテナユニット21、第2アンテナユニット22、第3アンテナユニット23、及び第4アンテナユニット24のうち、代表として、第1アンテナユニット21の構造について説明するが、他のアンテナユニットにおいても、同様の構造を採用することができる。
図9は、本発明の第2及び第3実施形態に係る表示装置の構成要素である、第1基板1と向かい合う第2基板2の面に形成された第1アンテナユニット21を拡大して示す部分平面図である。尚、アンテナユニット間の共振回路形成のためのコンデンサや抵抗などの部品の図示は省略している。図10は、図9のA−A’線に沿う断面図である。
図9に示すアンテナユニット21は、逆巻きのループアンテナで構成される。逆巻きのループアンテナの磁界の発生方向が逆方向となることで、ノイズ発生の少ない、安定した送受信が可能となる。換言すれば、逆巻きのループアンテナには、それぞれ方向の異なる磁界形成により外部磁界の遮蔽効果が得られ、外部ノイズの影響を低減できる。なお、逆巻きとは、例えば図9の対のループアンテナ61、62の巻き方向が、平面視、中心線64で線対称となることを言う。
ループアンテナの巻き数は、2以上、或いは3以上が好ましい。アンテナの外形が5mm以下と小さいサイズの場合、巻き線数を3以上20以下とすることができる。図9では、巻き数は3とし、外部からのノイズ影響を緩和するため、アンテナユニット21の周辺にコの字状の導体パターン65を形成している。ここで、巻き数が2以上のループアンテナの平面視形状は、同一平面上で旋回するに従い中心に近づく曲線となる。線間がほぼ等間隔となるアルキメデスの螺旋を典型的に例示できる。
図10に示すように、第2基板2上にブラックマトリクス15が形成され、ブラックマトリクス15上に絶縁層44が形成され、絶縁層44上に第1アンテナユニット21及び第2アンテナユニット22が形成されている。絶縁層44上には、図示しないが第3導電配線が形成されている。すなわち、第3導電配線、第1アンテナユニット21、及び第2アンテナユニット22は、同一のレイヤに位置する。
第1アンテナユニットと第2アンテナユニットとは、第1基板の第3アンテナユニットと第4アンテナユニットと平面視、位置整合してそれぞれ重なる。
第1アンテナユニットと第3アンテナユニットとの重なり部では、例えば、CPUからのタッチ駆動信号の受信、或いは、タッチ検知スイッチング回路から信号送受信制御部を経て出力されるタッチ検出信号の送信が行われる。タッチ駆動信号は、タッチ駆動制御部を経てタッチ駆動スイッチング回路を駆動する。
第2アンテナユニットと第4アンテナユニットとの重なり部では、例えば、第4アンテナユニットから共振周波数の電磁波の形の送電を第2アンテナユニットが受電する。電源受電部は、受信電圧を平滑化、定電圧化し、タッチ駆動電圧として電源制御部に出力する。
第3導電配線と同じ構成、同じレイヤで形成された第1アンテナユニット21と第2アンテナユニット22は、図9のように、それぞれのアンテナの内側には第1接続用パッドP1を具備する。図10に示すように、第1接続用パッドP1上のスルーホール90を介して、第4導電配線の一部34’に接続されている。第3導電配線33と第4導電配線34とは、絶縁層45を介した2層配線となっている(図5参照)。
同様にして、図示しないが第1導電配線31と同じ構成、同じレイヤで形成された第3アンテナユニットと第4アンテナユニットは、それぞれのアンテナの内側には第2接続用パッドを具備し、第2接続用パッド上のスルーホールを介して、第2導電配線の一部に接続されている。第1導電配線31と第2導電配線32とは、絶縁層42を介した2層配線となっている(図5参照)。
[第4実施形態:複合酸化物スパッタリングターゲット]
以下、本発明の第4実施形態として、TFTのチャネル層となる酸化物半導体の成膜に用いる複合酸化物スパッタリングターゲットについて説明する。尚、以下の複合酸化物スパッタリングターゲットに係る記載は、銅合金層を挟持する第1導電性酸化物及び第2導電性酸化物に用いる複合酸化物スパッタリングターゲットにも適用することができる。
本発明に係る複合酸化物は、酸化インジウム(In)と酸化アンチモン(Sb)を主材とし、複合酸化物として酸素欠損を生じにくくする酸化安定化剤として酸化ガリウム(Ga)を含む。ここで「主材」とは、酸化インジウム及び酸化アンチモンのそれぞれ含有割合が酸化ガリウムより多いことを指す。
本発明係る複合酸化物は、酸素をカウントしないインジウムとアンチモンとガリウムの合計を100at%とすると、インジウムとアンチモンとを、それぞれ40.0at%から49.5at%含み、ガリウムを、20.0at%から1.0at%含む複合酸化物である。キャリアドーパントとして、酸化錫(SnO)など価数の異なる酸化物を加えても良い。酸化錫や酸化チタンを、例えば 0.2at%から5at%加えることで、スパッタリングターゲットの導電性を調整できる。
本発明に係る複合酸化物スパッタリングターゲットは、酸化インジウムの粉末(純99.99質量%)と、酸化アンチモンの粉末(純度99.9質量%)と、酸化ガリウムの粉末(純度99.9質量%)を混合して成型し、焼結することにより製造することができるが、その製造方法を限定するものでない。焼結は、たとえば常圧、酸素含有雰囲気中において、800℃から1600℃の温度範囲にて行うことができる。1600℃を超える高温では、酸化アンチモンや酸化ガリウムが蒸散することがあるので1600℃以下が好ましい。800℃未満では、ターゲットとして十分な密度が得られないことがある。
上記、それぞれの粉末は、純水とともに湿式での分散によりスラリーとして、さらに造粒、成型し、急速乾燥させる。このあと、プレス(例えば冷間静圧プレス)のあと、上記の焼結温度で数十時間焼結させ、焼結体とする。この焼結体は平面研削盤で研削し、さらにダイヤモンド砥石などで研磨する。研磨仕上げの終わった焼結体を、銅製バッキングプレートに、金属インジウムなど低融点金属を接着金属として、貼りあわせて複合酸化物スパッタリングターゲットを得ることができる。
[第5実施形態:銅合金スパッタリングターゲット]
以下、本発明の第5実施形態として、銅合金スパッタリングターゲットについて説明する。尚、以下の記載において、「銅合金」はスパタリングターゲットの銅合金を指し、「銅合金膜」或いは「銅合金層」は、真空成膜で基板上に形成された銅合金薄膜を指す。
例えば、スパッタリングターゲットの原料として、無酸素銅(純度99.99質量%)、亜鉛(純度99.99質量%)、カルシウム(純度99.9質量%)のそれぞれ所定量を高純度グラファイトルツボ内で高周波溶解し、次に冷却されたカーボン鋳型に鋳造する。得た鋳塊を必要に応じて熱間圧延し、たとえば、5mm程度の厚みに加工、研磨する。次に銅製バッキングプレートに、金属インジウムなど低融点金属を接着金属として、
鋳塊を貼りあわせてスパッタリングターゲットを得ることができる。
このスパッタリングターゲットの表面に観察される銅合金のグレイン(結晶粒)の平均粒径は、10μmから80μmであることが好ましい。グレインの平均粒径が80μmを超えたスパッタリングターゲットを用いると、真空成膜でのスパッタリング時に異常放電を生じやすく、製品不良を招きやすい。平均粒径を10μm以下とすることも可能であるが、この場合、溶融している鋳塊を急速冷却するか、或いは、亜鉛の添加量を増やす必要がある。亜鉛の添加量を増やすことは、銅合金膜の電気抵抗率を増加させるため、好ましいことではない。急速冷却は、スパッタリングターゲットにひずみを生じやすい。上記溶解及び鋳造時の雰囲気は、極力、酸素を排除することが好ましい。
銅と亜鉛とカルシウムの合計を100at%とすると、カルシウムが5at%を超えると銅合金の鋳造性が悪くなるので、5at%以下であることが好ましい。カルシウムが0.2at%未満では、第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層との間、かつ、その端部に露出する銅合金層の表面での保護作用が低下し、導電配線としたときの信頼性確保が不十分となる。
銅と亜鉛とカルシウムの合計を100at%とすると、亜鉛が5at%を超えると銅合金層の導電率を低下させるため、5at%以下が好ましい。亜鉛が0.2at%未満では、銅合金層を第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層とで挟持する構成において、銅の拡散抑制ができず、信頼性確保が不十分となる。
本発明の好ましい実施形態を上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって制限されている。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、もとより本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
無アルカリガラスである第1基板1上(以下、図2参照)に、酸化窒化シリコンよりなる絶縁層41をCVD装置により成膜した。次に、ゲート電極38となる第1導電性酸化物層11、銅合金層13、第2導電性酸化物層12を、真空を破らずに連続スパッタリングにより3層構成に成膜した。
前記第1導電性酸化物層11と第2導電性酸化物層12は、酸化インジウム、酸化亜鉛
、酸化錫を、酸素をカウントしない金属元素の割合で、インジウム(In)量を90at%、亜鉛(Zn)を8at%、錫(Sn)を2at%とした。第1導電性酸化物層11と第2導電性酸化物層12の膜厚は、それぞれ30nm、50nmとした。銅合金層13の組成は、亜鉛0.5at%、カルシウム2.0at%とし、残部は銅及び不可避不純物の銅合金となるようにした。銅合金層13の膜厚は280nmとした。これら3層構成は、公知のフォトリソグラフィの手法で、ゲート電極38及びゲート配線32としてパターン形成した。
次に、上記3層構成の上に、酸化セリウムと酸化窒化シリコンの複合酸化物よりなる絶縁層42(以下、図1参照)を、スパッタリング装置により、酸素添加したアルゴン(Ar)ベースのスパッタリングガスを用いて成膜した後、さらにチャネル層35となる酸化物半導体をスパッタリング装置により成膜した。酸化物半導体の組成は、酸素をカウントしないインジウムとアンチモンとガリウムの合計を100at%とすると、インジウムとアンチモンとをそれぞれ約46at%とし、ガリウムを約8at%含む酸化物半導体となるようにした。チャネル層35は、公知のフォトリソグラフィの手法でパターン形成した。
次に、前記チャネル層35を覆うように、ソース電極36やドレイン電極37及び第1導電配線31となる層を、上記第1導電性酸化物層11、銅合金層13、第2導電性酸化物層12と同じ3層構成により連続成膜し、さらに上記電極や配線としてパターン形成した。
以上の後、酸化物半導体であるチャネル層の安定化と、第1導電性酸化物層11と銅合金層13と第2導電性酸化物層12の3層構成の導電配線の低抵抗化のために、260℃、1時間の熱処理(アニール)を行った。その後、銅合金層13の電気抵抗率を測定したところ、2.7μΩcmであり、低温アニールによって低抵抗化がなされたことを確認した。
<実施例2>
銅合金層13の組成、チャネル層35となる酸化物半導体の組成、及びアニール温度を以下のように変更した以外は、実施例1と同じ条件とした。
すなわち、銅合金層13の組成は、亜鉛0.8at%、カルシウム2.5at%とし、残部は銅及び不可避不純物の銅合金となるようにした。酸化物半導体の組成は、酸素をカウントしないインジウムとアンチモンとガリウムの合計を100at%とすると、インジウムとアンチモンとをそれぞれ約45at%とし、ガリウムを約10at%含む酸化物半導体となるようにした。アニール温度は280℃とした。
以上の後、銅合金層13の電気抵抗率を測定したところ、3.1μΩcmであり、低温アニールによって低抵抗化がなされたことを確認した。
本発明の実施形態に係る半導体装置、及びそれを用いた表示装置は、種々の応用が可能である。上述の実施形態に係る表示装置が適用可能な電子機器としては、携帯電話、携帯型ゲーム機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍、イメージセンサ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤ等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、自動販売機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、個人認証機器、光通信機器等が挙げられる。上記の各実施形態は、自由に組み合わせて用いることができる。
1 ・・・第1基板
2 ・・・第2基板
3 ・・・TFTアレイ基板
4 ・・・液晶層
6 ・・・液晶表示装置
7 ・・・有機EL表示装置
8 ・・・透明電極
9 ・・・画素電極
10 ・・・画素開口部
11 ・・・第1導電性酸化物層
12 ・・・第2導電性酸化物層
13 ・・・銅合金層
15 ・・・ブラックマトリクス
16 ・・・赤画素(赤層)
17 ・・・緑画素(緑層)
18 ・・・青画素
19 ・・・オーバーコート層
21 ・・・第1アンテナユニット
22 ・・・第2アンテナユニット
21’ ・・・第1アンテナユニットの一部
22’ ・・・第2アンテナユニットの一部
23 ・・・第3アンテナユニット
24 ・・・第4アンテナユニット
30 ・・・半導体界面
31 ・・・第1導電配線(ソース配線:第1、第2実施形態)
32 ・・・第2導電配線(ゲート配線)
33 ・・・第3導電配線(第1タッチ配線)
34 ・・・第4導電配線(第2タッチ配線)
34’ ・・・第4導電配線の一部
35 ・・・チャネル層
36 ・・・ソース電極
37 ・・・ドレイン電極
38 ・・・ゲート電極
39 ・・・電源線(第3実施形態)
41〜46・・・絶縁層
50 ・・・薄膜トランジスタ(TFT)
51 ・・・ソース信号スイッチング回路
52 ・・・ゲート信号スイッチング回路
53 ・・・電源送電部
54 ・・・電源受電部
55 ・・・タッチ駆動制御部
56 ・・・タッチ駆動スイッチング回路
57 ・・・タッチ検知スイッチング回路
58 ・・・タッチ信号送受信制御部
59 ・・・検波及びAD変換部
60 ・・・信号送受信部
61、62 ・・・ループアンテナ
P1 ・・・接続用パッド
64 ・・・中心線
65 ・・・導体パターン
71 ・・・有効表示領域
72 ・・・額縁領域
87 ・・・上部電極
88 ・・・下部電極
90 ・・・コンタクトホール(スルーホール)
91 ・・・ホール注入層
92 ・・・発光層
94 ・・・バンク
96 ・・・平坦化層
97 ・・・透明樹脂層(接着層)
98 ・・・封止層
99 ・・・有機EL駆動スイッチ回路
100 ・・・表示装置基板
200 ・・・TFTアレイ基板

Claims (11)

  1. 基板と、前記基板の一の面に複数の導電配線と、前記導電配線により電気的に接続される複数の薄膜トランジスタとを、少なくとも具備する半導体装置において、
    前記導電配線は、銅層若しくは銅合金層を第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層とで挟持する3層で構成され、
    前記第1導電性酸化物層及び前記第2導電性酸化物層は、酸化インジウムを含み、
    前記薄膜トランジスタは、酸化物半導体で構成されたチャネル層を有し、前記酸化物半導体は、酸化インジウムと酸化アンチモンとを主材とする複合酸化物である、
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記酸化物半導体は、さらに、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化サマリウムのいずれかを前記主材の質量より少ない質量で含む複合酸化物である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記酸化物半導体は、酸素をカウントしないインジウムとアンチモンとガリウムの合計を100at%とすると、
    インジウムとアンチモンとを、それぞれ40.0at%から49.5at%の範囲内で含有し、
    ガリウムを、20.0at%から1.0at%の範囲内で含有する酸化物半導体である、
    ことを特徴とする請求項1、または2に記載の半導体装置。
  4. 前記銅合金層は、銅に固溶する第1金属元素と、銅及び前記第1金属元素より電気陰性度が小さい第2金属元素を含み、
    前記第1金属元素及び前記第2金属元素は、銅に含有する場合の前記銅合金層の電気抵抗率上昇が1.0μΩcm/at%以下の元素であり、
    前記銅合金層の電気抵抗率は、1.9μΩcmから6.0μΩcmの範囲内にある、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記銅合金層は、前記第1金属元素を亜鉛とし、前記第2金属元素をカルシウムとし、
    銅と亜鉛とカルシウムの合計を100at%とすると、
    前記第1金属元素を、0.2at%から5.0at%の範囲内で含有し、
    前記第2金属元素を、0.2at%から5.0at%の範囲内で含有し、
    残部を銅とする組成である銅合金層である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記第1導電性酸化物層及び第2導電性酸化物層は、酸化インジウムを主材として含み、かつ少なくとも酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ガリウムのいずれかを含む導電性酸化物層である、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置を構成要素とする、
    ことを特徴とする表示装置。
  8. アンテナを構成要素とし、
    前記アンテナは、銅層若しくは銅合金層を第1導電性酸化物層と第2導電性酸化物層とで挟持する3層で構成され、
    前記第1導電性酸化物層及び前記第2導電性酸化物層は、酸化インジウムを含む、
    ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  9. 複合酸化物スパッタリングターゲットであって、
    前記複合酸化物は、酸化インジウムと酸化アンチモンとを主材とし、安定化剤として酸化ガリウムを含み、
    酸素をカウントしないインジウムとアンチモンとガリウムの合計を100at%とすると、
    インジウムとアンチモンとを、それぞれ40.0at%から49.5at%の範囲内で含有し、
    さらにガリウムを、20.0at%から1.0at%の範囲内で含有する複合酸化物から成る、
    ことを特徴とするスパッタリングターゲット。
  10. 銅合金スパッタリングターゲットであって、
    銅に固溶する第1金属元素と、銅及び前記第1金属元素より電気陰性度が小さい第2金属元素を含み、
    前記第1金属元素は亜鉛であり、前記第2金属元素はカルシウムであり、
    銅と亜鉛とカルシウムの合計を100at%とすると、
    亜鉛を、0.2at%から5.0at%の範囲内で含有し、
    カルシウムを、0.2at%から5.0at%の範囲内で含有し、
    残部を銅とする銅合金である、
    ことを特徴とするスパッタリングターゲット。
  11. 前記銅合金ターゲットの表面に表出する銅合金のグレインの平均粒径が10μmから80μmの範囲にある、
    ことを特徴とする請求項10に記載のスパッタリングターゲット。
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