JP2018204013A - 導電性インク及び導電性基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 膜厚均一性に優れ、クラックの発生が抑制された導電膜を実現可能な導電性インクを提供する。【解決手段】 銀コロイド粒子と、水と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとを含有し、上記銀コロイド粒子は、銀ナノ粒子と、分散剤とを含む導電性インクであり、好ましくは、上記ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル以外のグリコールエーテルを更に含有する導電性インク。【選択図】 なし
Description
本発明は、導電性インク及び導電性基板の製造方法に関する。
電子回路等の配線パターンを形成する方法として、例えば、基板の全面にスパッタ、蒸着等によって金属薄膜を形成した後、フォトリソグラフィー法で不要な部分をエッチングして必要な導電膜パターンを形成する方法が従来から用いられている。しかしながら、このような方法においては、工程が煩雑であることに加えて、高価な真空装置を用いる必要がある。そのため、より簡便で安価な配線パターンの形成方法が求められており、近年では、例えば、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の印刷法を用いて導電膜パターンを形成する方法が検討されている。また、より高精細な導電膜パターンを形成する方法として、例えば、反転印刷法、マイクロコンタクト印刷法等の印刷法を用いる方法が検討されている。これらの検討においては、各種の印刷法に適した導電性インクの開発も合わせて行われている。
特許文献1では、金属成分と有機成分とからなる金属コロイド粒子を主成分とする固形分と、溶媒とからなり、かつ、下記の特徴を有する導電性インクが開示されている。
・溶媒は、水、及び、1〜40重量%の多価アルコール類化合物を含む。
・多価アルコール類化合物は、重量平均分子量が600〜1000であるポリエチレングリコール、及び/又は、炭素数が4〜6であり、かつ、水酸基の数が2〜3である多価アルコールである。
・溶媒は、水、及び、1〜40重量%の多価アルコール類化合物を含む。
・多価アルコール類化合物は、重量平均分子量が600〜1000であるポリエチレングリコール、及び/又は、炭素数が4〜6であり、かつ、水酸基の数が2〜3である多価アルコールである。
特許文献2では、記録媒体にインクジェットヘッドを用いて第1層目の塗膜を形成し、第1層目の塗膜上にインクジェットヘッドを用いて多層的に塗膜を形成する際に、下層に形成した塗膜のインクの塗布量よりも少ない量のインクを、各層毎にインクの塗膜周辺部が互いに接触しないように分割して塗布した後、乾燥することを特徴とするインクジェット印刷方法が開示されている。
特許文献3では、インクを凝集させる機能を有する処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、処理液が付与された記録媒体の表面に存在する溶媒量を特定するとともに、記録媒体の表面に存在する溶媒を蒸発させるための加熱条件を決める第1の加熱条件決定工程と、第1の加熱条件決定工程によって決められた加熱条件に基づき、記録媒体の表面に存在する溶媒を蒸発させるように記録媒体の表面を輻射加熱する第1の加熱工程と、記録媒体への溶媒の浸透量が、記録媒体のコックリング量が所定量以下となる溶媒の記録媒体に対する浸透量しきい値以下となるように加熱条件を決める第2の加熱条件決定工程と、第2の加熱条件決定工程によって決められた加熱条件に基づき、記録媒体を加熱する第2の加熱工程と、第1の加熱工程及び第2の加熱工程による加熱処理が施された後の記録媒体にインクを打滴する打滴工程とを含むことを特徴とする画像記録方法が開示されている。
上述したようなインクジェット印刷法等の印刷法によって導電膜パターンを形成する場合、通常は、導電性インクを基材の表面上にパターン化して塗布する。しかしながら、導電性インクを、例えば、インク非吸収性の基材の表面上に塗布する場合、基材に対する導電性インクの濡れ性が不充分であると、導電性インクが偏在し、その塗膜を焼成して得られる導電膜の膜厚均一性が低下する、例えば、導電膜の膜厚が設計値に対して大きくなる箇所が部分的に発生することがあった。このように、導電膜の膜厚が大きい箇所が存在すると、クラックの発生につながることがあった。
特許文献1では、低い加熱温度によっても高い導電性を有する被膜が得られ、描画前の乾燥による変質が起こりにくく、耐レベリング性に優れた導電性インクが実現されると記載されている。しかしながら、この導電性インクを、特に、インク非吸収性の基材の表面上に塗布する場合、低抵抗化を目指して膜厚を大きくするために導電性インクの塗布量を増やすと、上述したように、導電膜(被膜)の膜厚均一性が低下してしまうため、改善の余地があった。
特許文献2では、導電膜の膜厚均一性を向上することを目的として、インクの塗布及び乾燥を段階的に繰り返す方法が記載されている。しかしながら、この方法では、導電膜の膜厚均一性が充分ではなく、更に、工程数の増加に伴って製造効率が低下してしまうため、改善の余地があった。
特許文献3では、導電膜の膜厚均一性を向上することを目的として、インクを凝集させる機能を有する処理液を、下地(記録媒体)に塗布する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、導電膜の膜厚均一性が充分ではない点と、下地(記録媒体)の表面に処理液を塗布する必要があり、工程数の増加に伴って製造効率が低下する点と、使用可能な下地(記録媒体)に制約がある点とにおいて、改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、膜厚均一性に優れ、クラックの発生が抑制された導電膜を実現可能な導電性インクと、上記導電性インクを用いた、上記導電膜を有する導電性基板の製造方法とを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、銀ナノ粒子及び所定の組成を有する分散剤を含む銀コロイド粒子と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとを導電性インクに配合することによって、導電性インクの流動性が抑制され、得られる導電膜の膜厚均一性が高まることを見出し、本発明を完成した。
本発明の導電性インクは、銀コロイド粒子と、水と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとを含有し、上記銀コロイド粒子は、銀ナノ粒子と、分散剤とを含むことを特徴とする。
上記導電性インクは、上記ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル以外のグリコールエーテルを更に含有することが好ましい。
上記グリコールエーテルは、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及び、ジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
上記導電性インクは、ブタノール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコール、及び、グリセリンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を更に含有することが好ましい。
本発明の導電性基板の製造方法は、基材と、上記基材の表面上に配置される導電膜とを備える導電性基板の製造方法であって、本発明の導電性インクを上記基材の表面上に塗布して塗膜を形成する塗布工程と、上記塗膜を焼成して上記導電膜を形成する焼成工程とを含むことを特徴とする。
本発明の導電性インクによれば、膜厚均一性に優れ、クラックの発生が抑制された導電膜を実現可能である。また、本発明の導電性インクは、インク非吸収性の基材への塗布にも適している。更に、本発明の導電性インクによれば、基材へ塗布する際の工程数が増加することなく、製造効率の低下が抑制される。
本発明の導電性基板の製造方法によれば、膜厚均一性に優れ、クラックの発生が抑制された導電膜(本発明の導電性インクの焼成物)を有する導電性基板を製造することができる。
本発明の導電性基板の製造方法によれば、膜厚均一性に優れ、クラックの発生が抑制された導電膜(本発明の導電性インクの焼成物)を有する導電性基板を製造することができる。
[導電性インク]
本発明の導電性インクは、銀コロイド粒子と、水と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとを含有し、上記銀コロイド粒子は、銀ナノ粒子と、分散剤とを含むことを特徴とする。
本発明の導電性インクは、銀コロイド粒子と、水と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとを含有し、上記銀コロイド粒子は、銀ナノ粒子と、分散剤とを含むことを特徴とする。
本発明の導電性インクによれば、粘度を高くすることなく、つまり、塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)を確保しつつ、基材に塗布された(着滴した)後の流動性が抑制される。そのため、本発明の導電性インクは、塗布された(着滴した)位置に留まり、インク非吸収性の基材の表面上に塗布された後に焼成される場合であっても、得られる導電膜の膜厚均一性の低下が抑制される。その結果、導電膜のクラックの発生が抑制される。
本発明者らは、本発明の導電性インクの流動性が基材への塗布後に抑制されるメカニズムについて、銀ナノ粒子とジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとの間の相互作用が、本発明の導電性インクの塗布後に強まるためであると考えている。本発明の導電性インクは、水を含有しているためにそれ自体(塗布前の状態)の粘度が低いものの、基材への塗布後に焼成された状態では、水が揮発することに伴って、上述したような相互作用が強まると考えられる。
これに対して、導電性インクの流動性を抑制するための手段としては、例えば、導電性インクに高粘度物質を添加することも考えられるが、導電性インク自体(塗布前の状態)の粘度が高くなるため、塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)が低下してしまう。また、基材に対する導電性インクの濡れ性を高めることも、導電性インクの流動性を塗布後に抑制する手段として考えられるが、導電性インクの濡れ性が高くなり過ぎると、細線描画(細線印刷)が困難となってしまう。以上の観点から、本発明者らは、塗布前の状態では粘度が適度に低く、塗布後に増粘して流動性が抑制される性質を有する本発明の導電性インクが極めて有用であると考えている。
本発明の導電性インクの構成成分について、以下に説明する。以下では、本発明の導電性インクが、銀コロイド粒子を含有するコロイド液を用いて調製される場合について説明する。なお、本明細書中、「導電性インク」とは、「導電性ペースト」と同義である。
本明細書中、「X〜Y」は、「X以上、Y以下」を意味する。
(銀コロイド粒子を含有するコロイド液)
コロイド液としては、銀ナノ粒子及び分散剤を含む銀コロイド粒子を主成分とする固形分と、固形分を分散する分散媒とを含有する、種々のコロイド液を用いることができる。
コロイド液としては、銀ナノ粒子及び分散剤を含む銀コロイド粒子を主成分とする固形分と、固形分を分散する分散媒とを含有する、種々のコロイド液を用いることができる。
コロイド液中の銀コロイド粒子の形態としては、特に限定されず、例えば、銀ナノ粒子の表面に分散剤が付着している形態、銀ナノ粒子をコアとして、その表面が分散剤で被覆されている形態、銀及び分散剤が均一に混合されて構成されている形態等が挙げられる。中でも、銀ナノ粒子をコアとして、その表面が分散剤で被覆されている形態、又は、銀及び分散剤が均一に混合されて構成されている形態が好ましい。上述した各形態を有する銀コロイド粒子は、本発明の分野における周知技術を用いて適宜調製可能である。銀ナノ粒子は化学的な安定性に優れているため、このような銀コロイド粒子を含有する本発明の導電性インクによれば、酸化しにくく、体積抵抗値が低下しにくい導電膜が得られる。
コロイド液中の銀コロイド粒子の平均粒径は、好ましくは1〜400nm、より好ましくは1〜70nmである。銀コロイド粒子の平均粒径が1nm以上であれば、導電性に優れた導電膜を形成可能な導電性インクが得られ、銀コロイド粒子の製造に係るコストが抑えられる。銀コロイド粒子の平均粒径が400nm以下であれば、銀コロイド粒子の分散安定性が経時的に変化しにくくなる。
コロイド液中の銀コロイド粒子の平均粒径は、例えば、動的光散乱法(ドップラー散乱光解析)を用いて、粒径基準を体積基準としたメジアン径(D50)として測定可能である。このような測定は、例えば、堀場製作所社製の動的光散乱式粒径分布測定装置「LB−550」により行うことができる。
本発明の導電性インク中の銀コロイド粒子の含有量は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%である。銀コロイド粒子の含有量が10質量%以上であれば、導電性が充分に高い導電膜を形成可能な導電性インクが得られる。銀コロイド粒子の含有量が70質量%以下であれば、導電性インクの粘度が高くなり過ぎず、塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)が充分に確保される。
コロイド液は、銀ナノ粒子に加えて、銀ナノ粒子よりも平均粒径が大きい(例えば、平均粒径が1μm以下)サブミクロンサイズの銀サブミクロン粒子を含有していてもよい。ナノサイズの銀ナノ粒子とサブミクロンサイズの銀サブミクロン粒子とを併用することで、銀ナノ粒子が銀サブミクロン粒子の周囲で融点降下するため、良好な導電パスが得られる。
コロイド液は、銀ナノ粒子に加えて、銀以外の金属の粒子を少なくとも1種含有する混合コロイド液であってもよい。このような混合コロイド液を用いれば、本発明の導電性インクによって形成される導電膜においてマイグレーションが発生しにくくなる。銀以外の金属としては、イオン化列が水素より貴である金属が好ましい。イオン化列が水素より貴である金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウムが好ましく、金、銅、白金、パラジウムがより好ましい。これらの金属は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。コロイド液が混合コロイド液である場合、銀及びその他の金属は、合金コロイド粒子を構成してもよく、コア−シェル構造、多層構造等の構造を有するコロイド粒子を構成してもよい。銀以外の金属の粒子は、ナノサイズの粒子であってもよいし、サブミクロンサイズの粒子であってもよい。
銀コロイド粒子を構成する分散剤は、COOH基及びOH基を有し、かつ、COOH基の個数がOH基の個数以上であるヒドロキシ酸又はその塩である。このような分散剤によれば、銀コロイド粒子の分散安定性が高まる。そのため、コロイド液中の銀ナノ粒子の含有量を増加させても、銀コロイド粒子が凝集しにくく、その結果、良好な分散性が保たれる。よって、このような分散剤を用いれば、本発明の導電性インクに含有されるジエチレングリコールモノイソブチルエーテルと銀ナノ粒子との間の相互作用が効果的に強まり、本発明の導電性インクの流動性が基材への塗布後に抑制される。また、このような分散剤によれば、100℃程度の低温で焼成しても導電性に優れた導電膜を形成可能な導電性インクが得られる。特に、COOH基及びOH基を合わせて3個以上有し、かつ、COOH基の個数がOH基の個数以上であるヒドロキシ酸又はその塩を分散剤として用いると、銀コロイド粒子の分散安定性がより高まるため、より優れた導電性を有する導電膜を形成可能である。
COOH基及びOH基を有し、かつ、COOH基の個数がOH基の個数以上であるヒドロキシ酸又はその塩である分散剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸等の有機酸;クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、クエン酸一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸二水素カリウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、グリコール酸ナトリウム等のイオン性化合物;これらの水和物等が挙げられる。中でも、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、これらの水和物が好ましい。これらの分散剤は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
COOH基及びOH基を有し、かつ、COOH基の個数がOH基の個数以上であるヒドロキシ酸又はその塩である分散剤について、銀コロイド粒子中の含有量は、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。分散剤の含有量が0.5質量%以上であれば、得られる銀コロイド粒子の貯蔵安定性が充分に高まる。分散剤の含有量が30質量%以下であれば、得られる銀コロイド粒子を用いて製造される導電性インクの導電性が充分に高まる。
コロイド液は、還元剤を更に含有していてもよい。還元剤としては、適当な溶媒中に溶解して還元作用を示すものであれば特に限定されないが、タンニン酸、ヒドロキシ酸が好ましく用いられる。これらの還元剤は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
タンニン酸としては、「タンニン酸」に一般的に分類される(総称される)ものであれば特に限定されず、例えば、ガロタンニン酸、五倍子タンニン等も含まれる。タンニン酸の含有量は、1価の銀イオン1g当たり、好ましくは0.01〜6g、より好ましくは0.02〜1.5gである。タンニン酸の含有量が銀イオン1g当たり0.01gよりも少ない場合、還元反応が不充分となることがある。タンニン酸の含有量が銀イオン1g当たり6gよりも多い場合、タンニン酸が過剰に吸着して導電性インク中に残存することがある。なお、タンニン酸は、分散剤としても機能することができるが、上述したような、COOH基及びOH基を有し、かつ、COOH基の個数がOH基の個数以上であるヒドロキシ酸又はその塩には該当しないものである。
コロイド液は、固形分(主成分:銀コロイド粒子)を分散する分散媒を含有していてもよい。分散媒は、固形分の一部を溶解するものであってもよい。このような分散媒としては、銀コロイド粒子を分散可能なものであれば特に限定されないが、導電性インクを製造する際の環境に対する影響を抑制する観点からは、水、水溶性有機分散媒等の水性分散媒が好ましく用いられる。これらの水性分散媒は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
水溶性有機分散媒としては、例えば、水溶性有機溶剤等が挙げられる。水溶性有機分散媒を水と混合して用いる場合、得られる混合物が水性となるように、例えば、75体積%以下の水溶性有機分散媒を用いることが好ましい。
コロイド液は、界面活性剤を更に含有していてもよい。多成分溶媒系の導電性インクにおいては、乾燥時の揮発速度の違いによって、塗膜表面の荒れ及び固形分の偏りが発生しやすい。これに対して、コロイド液に界面活性剤を添加すると、これらの不利益が抑制され、均一な導電膜を形成可能な導電性インクが得られる。
界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。このような界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、四級アンモニウム塩等が挙げられる。少量で効果が得られる観点からは、フッ素系界面活性剤が好ましい。
コロイド液は、固形分に対して昇温速度10℃/分で熱重量分析を行ったときの100〜500℃における重量損失が10質量%以下であることが好ましい。固形分を500℃まで加熱すると、有機物等は酸化分解され、その大部分がガス化されて消失する。そのため、500℃まで加熱したときの減量分は、固形分中の有機物の含有量にほぼ相当し得る。
上記重量損失が多いほど銀コロイド粒子の分散安定性は優れたものとなるが、上記重量損失が多過ぎると、有機物が導電性インク中に不純物として残留し、得られる導電膜の導電性が低下することがある。特に、100℃程度の低温での加熱(焼成)によって導電性に優れた導電膜を得るためには、上記重量損失が10質量%以下であることが好ましい。一方、上記重量損失が少な過ぎると、銀コロイド粒子の分散安定性が損なわれるため、上記重量損失は0.01質量%以上であることが好ましい。上記重量損失は、より好ましくは0.05〜4.5質量%である。
(水)
本発明の導電性インクは、水を含有する。上述したように、コロイド液が固形分(主成分:銀コロイド粒子)を分散する分散媒として水を含有する場合もあるが、本発明の導電性インクの濃度を調整するために、コロイド液の調製後に水が添加されてもよい。
本発明の導電性インクは、水を含有する。上述したように、コロイド液が固形分(主成分:銀コロイド粒子)を分散する分散媒として水を含有する場合もあるが、本発明の導電性インクの濃度を調整するために、コロイド液の調製後に水が添加されてもよい。
本発明の導電性インク中の水の含有量は、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは25〜45質量%である。水の含有量が20質量%以上であれば、銀コロイド粒子の分散性が充分に保たれる。水の含有量が50質量%以下であれば、銀コロイド粒子等の他成分の含有量が相対的に少なくなり過ぎないため、導電性インクの粘度が低くなり過ぎず、インクジェット印刷法等での取り扱いも容易となる。
(ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル)
本発明の導電性インクは、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルを含有する。これにより、銀ナノ粒子とジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとの間の相互作用が働き、本発明の導電性インクの流動性が基材への塗布後に抑制される。
本発明の導電性インクは、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルを含有する。これにより、銀ナノ粒子とジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとの間の相互作用が働き、本発明の導電性インクの流動性が基材への塗布後に抑制される。
本発明の導電性インク中のジエチレングリコールモノイソブチルエーテルの含有量は、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは3〜6質量%である。ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルの含有量が1質量%以上であれば、導電性インクの流動性が基材への塗布後に充分に抑制される。ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルの含有量が10質量%以下であれば、導電性インクの粘度が高くなり過ぎず、塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)が充分に確保される。
本発明の導電性インクは、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル以外のグリコールエーテルを更に含有することが好ましい。これにより、基材に対する導電性インクの濡れ性が適度に高まるため、細線描画時(細線印刷時)でも導電性インクが基材に弾かれず、より高い描画性(印刷性)が得られる。
ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル以外のグリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ポリオキシエチレンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。これらのグリコールエーテルは、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
このようなグリコールエーテルの中でも、少量で高い濡れ性が得られる観点からは、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。つまり、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル以外のグリコールエーテルは、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及び、ジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル以外のグリコールエーテルについて、本発明の導電性インク中の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。上述したグリコールエーテルの含有量が0.1質量%以上であれば、導電性インクの濡れ性が充分に高まる。上述したグリコールエーテルの含有量が10質量%以下であれば、導電性インクの粘度が高くなり過ぎないとともに表面張力が低くなり過ぎず、塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)及び描画性(特に、細線描画時の描画性)が充分に高まる。
本発明の導電性インクは、ブタノール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコール、及び、グリセリンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を更に含有することが好ましい。これにより、導電性インクの塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)がより高まる。これらの化合物は、保湿剤として機能するものである。
ブタノールとしては、「ブタノール」に一般的に分類される(総称される)ものであれば特に限定されず、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール等も含まれる。プロパンジオールとしては、「プロパンジオール」に一般的に分類される(総称される)ものであれば特に限定されず、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール等も含まれる。ブタンジオールとしては、「ブタンジオール」に一般的に分類される(総称される)ものであれば特に限定されず、例えば、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等も含まれる。ペンタンジオールとしては、「ペンタンジオール」に一般的に分類される(総称される)ものであれば特に限定されず、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等も含まれる。
ブタノール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコール、及び、グリセリンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(保湿剤)について、本発明の導電性インク中の含有量は、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%である。上述した化合物(保湿剤)の含有量が5質量%以上であれば、保湿効果が充分に得られ、導電性インクの塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)が充分に高まる。上述した化合物(保湿剤)の含有量が35質量%以下であれば、導電性インクの粘度が高くなり過ぎず、塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)が充分に確保される。
本発明の導電性インクの25℃での粘度は、1〜30cPであることが好ましい。導電性インクの25℃での粘度が1cPよりも低い又は30cPよりも高い場合、塗布性(例えば、インクジェットヘッドからの吐出性)が低下することがある。導電性インクの25℃での粘度は、例えば、セコニック社製の振動式粘度計「VM−10A」により測定可能である。
本発明の導電性インクの25℃での表面張力は、20〜40mN/mであることが好ましい。導電性インクの25℃での表面張力が20mN/m以上であれば、基材に対する導電性インクの濡れ性が高くなり過ぎず、描画性(特に、細線描画時の描画性)が充分に確保される。導電性インクの25℃での表面張力が40mN/m以下であれば、基材に対する導電性インクの濡れ性が低くなり過ぎず、塗膜のパターンが途切れる等の不具合が充分に防止される。導電性インクの表面張力は、例えば、協和界面科学社製の表面張力計「CBVP−Z」により測定可能である。
本発明の導電性インクの接触角(静的接触角)は、導電性基板を製造する際に塗布される基材の表面に対して、15〜40°であることが好ましい。導電性インクの接触角が15°以上であれば、基材に対する導電性インクの濡れ性が高くなり過ぎず、描画性(特に、細線描画時の描画性)が充分に確保される。導電性インクの接触角が40°以下であれば、基材に対する導電性インクの濡れ性が低くなり過ぎず、塗膜のパターンが途切れる等の不具合が充分に防止される。導電性インクの接触角は、所定量の導電性インクを基材の表面に滴下した状態で、例えば、協和界面科学社製の接触角計「DropMaster DM−300」により測定可能である。
[導電性インクの製造方法]
本発明の導電性インクの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、下記の方法が挙げられる。まず、銀ナノ粒子及び分散剤を含む銀コロイド粒子を主成分とする固形分を含有するコロイド液を調製する。次に、得られたコロイド液と、水(コロイド液に含まれる場合がある)と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルと、必要に応じて上述した任意の成分とを混合することにより、本発明の導電性インクが得られる。
本発明の導電性インクの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、下記の方法が挙げられる。まず、銀ナノ粒子及び分散剤を含む銀コロイド粒子を主成分とする固形分を含有するコロイド液を調製する。次に、得られたコロイド液と、水(コロイド液に含まれる場合がある)と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルと、必要に応じて上述した任意の成分とを混合することにより、本発明の導電性インクが得られる。
コロイド液の調製方法としては、特に限定されないが、例えば、銀コロイド粒子の溶液を調製した後、その溶液の洗浄を行う方法等が挙げられる。
銀コロイド粒子の溶液を調製するには、例えば、分散剤を用いて分散媒中に分散させた銀塩(又は銀イオン)を還元してもよい。銀塩の還元手順としては、化学還元法に基づく手順が採用されればよい。すなわち、銀コロイド粒子の溶液は、銀ナノ粒子を構成する銀塩(又はその水和物)と、分散剤と、分散媒とを含有する原料水溶液を還元することによって調製可能である。この還元によれば、分散剤が銀ナノ粒子の表面の少なくとも一部に存在する(例えば、付着する、被覆する等)ようになる。
原料水溶液に含有される分散媒としては、例えば、水、水溶性有機分散媒等の水性分散媒が好ましく用いられる。これらの水性分散媒は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。なお、原料水溶液においては、一部の成分が溶解せずに分散していてもよい。
銀コロイド粒子を得るための出発材料としては、還元可能な公知の銀塩(又はその水和物)を用いることができ、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、硫化銀等の銀塩(又はその水和物)が挙げられる。これらの銀塩(又はその水和物)は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。また、これらの銀塩(又はその水和物)は、適当な溶媒中に溶解させた状態で用いられてもよく、溶媒中に分散させた状態で用いられてもよい。
原料水溶液において、銀塩(又はその水和物)を還元する方法としては、特に限定されず、例えば、還元剤を用いる方法、光(例えば、紫外線)、電子線、超音波、熱等を加える方法等が挙げられる。中でも、容易性の観点から、還元剤を用いる方法が好ましい。
還元剤としては、分散媒に溶解し、銀塩(又はその水和物)を還元可能なものであれば特に限定されず、例えば、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニドン、ヒドラジン等のアミン化合物;水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ素化水素、水素ガス等の水素化合物;一酸化炭素、亜硫酸等の酸化物;硫酸第一鉄、酸化鉄、フマノレ酸鉄、乳酸鉄、シュウ酸鉄、硫化鉄、酢酸スズ、塩化スズ、二リン酸スズ、シュウ酸スズ、酸化スズ、硫酸スズ等の低原子価金属塩;ホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロール、タンニン、タンニン酸、ヒドロキシ酸、サリチル酸、D−グルコース等の有機化合物、等が挙げられる。中でも、タンニン酸、ヒドロキシ酸が好ましい。これらの還元剤は、1種のみの単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。また、これらの還元剤を用いる場合、光及び熱のうちの少なくとも一方を加えて還元反応を促進させてもよい。
原料水溶液を還元剤で還元することによって銀コロイド粒子の溶液を調製する方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。まず、銀塩(又はその水和物)を純水等(分散媒)に溶解させて銀塩溶液を調製する。次に、その銀塩溶液を、分散剤及び還元剤が溶解した水溶液中に徐々に滴下することにより、銀コロイド粒子の溶液が調製される。
このようにして調製された銀コロイド粒子の溶液には、銀コロイド粒子の他に、還元剤の残留物、分散剤等が存在しており、溶液全体の電解質濃度が高い傾向にある。このような状態の溶液では、電導度が高い等の理由で、銀コロイド粒子の凝析が起こり、沈殿しやすい。そこで、この溶液を洗浄して余分な電解質を取り除くことにより、所望のコロイド液(銀コロイド粒子)が得られる。
銀コロイド粒子の溶液の洗浄方法としては、例えば、得られた溶液を一定期間静置して上澄み液を取り除いた後、純水を加えて撹拌し、更に一定期間静置して上澄み液を取り除く工程を幾度か繰り返す方法が挙げられる。その他の洗浄方法としては、例えば、上述した静置の代わりに遠心分離を行う方法、限外濾過装置、イオン交換装置等により脱塩する方法等が挙げられる。中でも、脱塩する方法が好ましい。脱塩した液は、適宜濃縮されてもよい。
コロイド液中の銀コロイド粒子の含有量は、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは10〜65質量%である。銀コロイド粒子の含有量が1質量%以上であれば、充分な導電性を有する導電膜を実現可能な量の銀ナノ粒子が、導電性インク中に確保される。銀コロイド粒子の含有量が70質量%以下であれば、コロイド液の粘度が高くなり過ぎず、取り扱いが容易となる。
[導電性基板]
本発明の導電性インクを用いて形成される導電性基板としては、例えば、基材と、上記基材の表面上に配置され、かつ、本発明の導電性インクの焼成物である導電膜とを備える導電性基板が挙げられる。
本発明の導電性インクを用いて形成される導電性基板としては、例えば、基材と、上記基材の表面上に配置され、かつ、本発明の導電性インクの焼成物である導電膜とを備える導電性基板が挙げられる。
基材の材料としては、種々のインク吸収性材料(例えば、紙、布帛、多孔性セラミックス等)の他に、インク非吸収性材料が用いられてもよく、耐熱性に優れたものが好ましく用いられる。インク非吸収性材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、ABS、AS、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂(エンプラ、スーパーエンプラ)が挙げられる。ここで、インク非吸収性材料とは、インク受容機能を有する構造を有さない材料を意味する。本発明の導電性インクによれば、インク非吸収性の基材の表面上に塗布される場合であっても、その偏在が抑制され、後に焼成されることで得られる導電膜の膜厚均一性の低下が抑制される。また、本発明の導電性インクによれば、低温(例えば、100℃程度)で焼成しても導電性に優れた導電膜を形成可能であるため、この低い焼成温度よりも高い温度範囲で、従来よりも耐熱温度の低い基材を用いることも可能である。更に、本発明の導電性インクによれば、種々の基材に対する密着性に優れた導電膜を形成可能である。基材の表面には、導電膜との密着性を更に高める目的で、表面層が設けられていてもよく、親水化処理等の表面処理が施されていてもよい。
本発明の導電性インクを用いて形成される導電性基板としては、例えば、電子回路基板(例えば、半導体集積回路)、プリント配線基板、薄膜トランジスタ基板等が挙げられる。導電性基板における導電膜は、上記で例示された基板の配線、電極等に相当する。
[導電性基板の製造方法]
本発明の導電性基板の製造方法は、基材と、上記基材の表面上に配置される導電膜とを備える導電性基板の製造方法であって、本発明の導電性インクを上記基材の表面上に塗布して塗膜を形成する塗布工程と、上記塗膜を焼成して上記導電膜を形成する焼成工程とを含むことを特徴とする。
本発明の導電性基板の製造方法は、基材と、上記基材の表面上に配置される導電膜とを備える導電性基板の製造方法であって、本発明の導電性インクを上記基材の表面上に塗布して塗膜を形成する塗布工程と、上記塗膜を焼成して上記導電膜を形成する焼成工程とを含むことを特徴とする。
(塗布工程)
塗布工程においては、本発明の導電性インクを基材の表面上に塗布して塗膜を形成する。ここで、塗布とは、導電性インクを面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。塗膜(導電膜)の形状は、面状であってもよく、線状であってもよく、これらを組み合わせた形状であってもよい。また、塗膜(導電膜)は、連続するパターンであってもよく、不連続なパターンであってもよく、これらを組み合わせたパターンであってもよい。
塗布工程においては、本発明の導電性インクを基材の表面上に塗布して塗膜を形成する。ここで、塗布とは、導電性インクを面状に塗布する場合も線状に塗布(描画)する場合も含む概念である。塗膜(導電膜)の形状は、面状であってもよく、線状であってもよく、これらを組み合わせた形状であってもよい。また、塗膜(導電膜)は、連続するパターンであってもよく、不連続なパターンであってもよく、これらを組み合わせたパターンであってもよい。
本発明の導電性インクの塗布方法としては、特に限定されず、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、反転印刷法、マイクロコンタクト印刷法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、スピンコート法、ディスペンサー法、流延法、フレキソ法、グラビア法、シリンジ法、刷毛による塗布法等が挙げられる。
(焼成工程)
焼成工程においては、塗布工程で形成された本発明の導電性インクの塗膜に対して、加熱による焼成を行い、導電膜を形成する。この焼成工程によれば、本発明の導電性インク中の銀ナノ粒子(銀コロイド粒子)同士の結合が高まり、焼結される。
焼成工程においては、塗布工程で形成された本発明の導電性インクの塗膜に対して、加熱による焼成を行い、導電膜を形成する。この焼成工程によれば、本発明の導電性インク中の銀ナノ粒子(銀コロイド粒子)同士の結合が高まり、焼結される。
塗膜の焼成温度は、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは100℃以下である。本発明の導電性インクによれば、150℃以下の温度で焼成しても、導電性に優れた導電膜を形成可能である。一方、焼成温度の下限値は必ずしも限定されず、基材の表面上に導電膜を形成可能な温度であって、かつ、本発明の効果を損なわない範囲で水を蒸発可能な(一部が残存していてもよいが、全て除去されるのが好ましい)温度であることが好ましい。
塗膜の焼成時間は、特に限定されず、焼成温度に応じて適宜設定可能である。
塗膜の焼成方法としては、特に限定されず、例えば、従来公知のギヤオーブン等を用いる方法が挙げられる。
本発明の導電性インクによれば、低温(例えば、100℃程度)で焼成しても導電性に優れた導電膜を形成可能であるため、比較的熱に弱い基材の表面上にも導電膜を形成することができる。
本発明の導電性基板の製造方法においては、基材と導電膜との密着性を更に高める目的で、基材に表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理等のドライ処理を行う方法、プライマー層、導電性インク受容層等を基材の表面上に予め設ける方法等が挙げられる。
本発明の導電性基板の製造方法で得られる導電膜の膜厚は、例えば、0.1〜5μmであり、好ましくは0.2〜3μmである。
本発明の導電性基板の製造方法で得られる導電膜の体積抵抗値は、好ましくは1.1×10−4Ω・cm以下、より好ましくは1.0×10−4Ω・cm以下、更に好ましくは5.0×10−5Ω・cm以下である。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例において、導電性インクを製造する際に用いたコロイド液は以下の通りであった。
「銀コロイド水溶液A」
まず、10N−NaOH水溶液3mLを添加してアルカリ性にした水50mLに、クエン酸三ナトリウム二水和物17gと、タンニン酸0.36gとを溶解させた。そして、室温(25℃)下にて、得られた水溶液を撹拌しながら、硝酸銀2gを含有する水溶液3mLを添加し、銀コロイド粒子の水溶液を調製した。次に、得られた銀コロイド粒子の水溶液に対して、限外濾過器を用いて、濾液の電導度が30μS/cm以下になるまで脱塩を繰り返した。その後、得られた濾液に対して遠心分離を10分間行うと、下層の沈殿物と上層の分散液とに分離した。そして、この上層の分散液を銀コロイド水溶液Aとして採取した。
まず、10N−NaOH水溶液3mLを添加してアルカリ性にした水50mLに、クエン酸三ナトリウム二水和物17gと、タンニン酸0.36gとを溶解させた。そして、室温(25℃)下にて、得られた水溶液を撹拌しながら、硝酸銀2gを含有する水溶液3mLを添加し、銀コロイド粒子の水溶液を調製した。次に、得られた銀コロイド粒子の水溶液に対して、限外濾過器を用いて、濾液の電導度が30μS/cm以下になるまで脱塩を繰り返した。その後、得られた濾液に対して遠心分離を10分間行うと、下層の沈殿物と上層の分散液とに分離した。そして、この上層の分散液を銀コロイド水溶液Aとして採取した。
銀コロイド水溶液A中の銀コロイド粒子の平均粒径は、27nmであった。銀コロイド粒子の平均粒径は、下記の方法で測定された。まず、純水10mL中に銀コロイド水溶液Aを数滴滴下し、手で振動させることで分散させて、測定用試料を調製した。次に、測定用試料3mLを、堀場製作所社製の動的光散乱式粒径分布測定装置「LB−550」のセル内に投入し、下記の条件にてメジアン径(D50)を測定した。
<測定条件>
データ読み込み回数:100回
セルホルダー内温度:25℃
<表示条件>
分布形態:標準
反復回数:50回
粒径基準:体積基準
分散質の屈折率:0.200〜3.900(銀)
分散媒の屈折率:1.33(水)
<システム条件>
強度基準:Dynamic
散乱強度レンジ上限:10000.00
散乱強度レンジ下限:1.00
<測定条件>
データ読み込み回数:100回
セルホルダー内温度:25℃
<表示条件>
分布形態:標準
反復回数:50回
粒径基準:体積基準
分散質の屈折率:0.200〜3.900(銀)
分散媒の屈折率:1.33(水)
<システム条件>
強度基準:Dynamic
散乱強度レンジ上限:10000.00
散乱強度レンジ下限:1.00
銀コロイド水溶液A中の銀コロイド粒子の含有量は、乾燥重量法によって測定したところ、58質量%であった。また、銀コロイド粒子には、COOH基及びOH基を有し、かつ、COOH基の個数がOH基の個数以上であるヒドロキシ酸又はその塩に該当するクエン酸三ナトリウム二水和物が分散剤として含まれており、その含有量は2質量%であった。
「銀コロイド水溶液B」
まず、タンニン酸0.5gをイオン交換水100mLに溶解させたタンニン酸溶液に、10N−NaOH水溶液2mLを添加した。そして、室温(25℃)下にて、得られた水溶液を撹拌しながら、硝酸銀1gを含有する水溶液2mLを添加し、銀コロイド粒子の水溶液を調製した。次に、得られた銀コロイド粒子の水溶液に対して、限外濾過器を用いて、濾液の電導度が30μS/cm以下になるまで脱塩を繰り返した。その後、得られた濾液に対して遠心分離を10分間行うと、下層の沈殿物と上層の分散液とに分離した。そして、この上層の分散液を銀コロイド水溶液Bとして採取した。
まず、タンニン酸0.5gをイオン交換水100mLに溶解させたタンニン酸溶液に、10N−NaOH水溶液2mLを添加した。そして、室温(25℃)下にて、得られた水溶液を撹拌しながら、硝酸銀1gを含有する水溶液2mLを添加し、銀コロイド粒子の水溶液を調製した。次に、得られた銀コロイド粒子の水溶液に対して、限外濾過器を用いて、濾液の電導度が30μS/cm以下になるまで脱塩を繰り返した。その後、得られた濾液に対して遠心分離を10分間行うと、下層の沈殿物と上層の分散液とに分離した。そして、この上層の分散液を銀コロイド水溶液Bとして採取した。
銀コロイド水溶液Aと同様に測定したところ、銀コロイド水溶液B中の銀コロイド粒子の平均粒径は、27nmであった。
銀コロイド水溶液B中の銀コロイド粒子の含有量は、乾燥重量法によって測定したところ、58質量%であった。また、銀コロイド粒子には、分散剤としてタンニン酸が含まれており、その含有量は7質量%であった。ただし、タンニン酸は、COOH基及びOH基を有し、かつ、COOH基の個数がOH基の個数以上であるヒドロキシ酸又はその塩には該当しないものであった。
(実施例1)
銀コロイド水溶液A69質量部と、水6質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル5質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例1の導電性インクを製造した。
銀コロイド水溶液A69質量部と、水6質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル5質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例1の導電性インクを製造した。
(実施例2)
銀コロイド水溶液A69質量部と、水5質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル4質量部と、エチレングリコールモノメチルエーテル2質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例2の導電性インクを製造した。
銀コロイド水溶液A69質量部と、水5質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル4質量部と、エチレングリコールモノメチルエーテル2質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例2の導電性インクを製造した。
(実施例3)
銀コロイド水溶液A69質量部と、水5質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル4質量部と、エチレングリコールモノブチルエーテル2質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例3の導電性インクを製造した。
銀コロイド水溶液A69質量部と、水5質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル4質量部と、エチレングリコールモノブチルエーテル2質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例3の導電性インクを製造した。
(実施例4)
銀コロイド水溶液A74質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル3質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン13質量部とを混合して、実施例4の導電性インクを製造した。
銀コロイド水溶液A74質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル3質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン13質量部とを混合して、実施例4の導電性インクを製造した。
(実施例5)
銀コロイド水溶液A64質量部と、水8質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル6質量部と、エチレングリコールモノブチルエーテル2質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例5の導電性インクを製造した。
銀コロイド水溶液A64質量部と、水8質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル6質量部と、エチレングリコールモノブチルエーテル2質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例5の導電性インクを製造した。
(比較例1)
銀コロイド水溶液A69質量部と、水11質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、比較例1の導電性インクを製造した。
銀コロイド水溶液A69質量部と、水11質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、比較例1の導電性インクを製造した。
(比較例2)
銀コロイド水溶液A69質量部と、水6質量部と、エチレングリコールモノブチルエーテル5質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、比較例2の導電性インクを製造した。
銀コロイド水溶液A69質量部と、水6質量部と、エチレングリコールモノブチルエーテル5質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、比較例2の導電性インクを製造した。
(実施例6)
銀コロイド水溶液B69質量部と、水6質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル5質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例6の導電性インクを製造した。
銀コロイド水溶液B69質量部と、水6質量部と、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル5質量部と、1,3−プロパンジオール10質量部と、グリセリン10質量部とを混合して、実施例6の導電性インクを製造した。
各例の導電性インク中の各構成成分の含有量は、表1、2に示した通りであった。
次に、各例の導電性インクを、ポリカーボネート(PC)製の基材の表面上に塗布して塗膜を形成した。導電性インクの塗布は、富士フイルム社製のインクジェットプリンタ「Dimatix DMP−2831」及びカートリッジ「DMC−11610」(インク滴:10pL)を用いて行われた。その後、形成された塗膜を、ギヤオーブンを用いて焼成し、導電膜を形成した。その結果、各例の導電性基板が得られた。ここで、各例の焼成条件(焼成温度及び焼成時間)は、表1、2に示すように設定された。
[物性]
各例の導電性インクについて、以下の物性測定を行った。結果を表1、2に示した。
各例の導電性インクについて、以下の物性測定を行った。結果を表1、2に示した。
(1)粘度
セコニック社製の振動式粘度計「VM−10A」を用いて、導電性インクの25℃での粘度を測定した。
セコニック社製の振動式粘度計「VM−10A」を用いて、導電性インクの25℃での粘度を測定した。
(2)表面張力
協和界面科学社製の表面張力計「CBVP−Z」を用いて、導電性インクの25℃での表面張力を測定した。
協和界面科学社製の表面張力計「CBVP−Z」を用いて、導電性インクの25℃での表面張力を測定した。
(3)接触角
導電性インク0.5μLをポリカーボネート(PC)製の基材の表面に滴下し、着滴してから5秒後の接触角(静的接触角)を、協和界面科学社製の接触角計「DropMaster DM−300」を用いて測定した。そして、このような測定を10回繰り返し、得られた10個の測定値のうちで最大値及び最小値を除いた8個の測定値の平均値を算出した。
導電性インク0.5μLをポリカーボネート(PC)製の基材の表面に滴下し、着滴してから5秒後の接触角(静的接触角)を、協和界面科学社製の接触角計「DropMaster DM−300」を用いて測定した。そして、このような測定を10回繰り返し、得られた10個の測定値のうちで最大値及び最小値を除いた8個の測定値の平均値を算出した。
[評価]
各例の導電性基板について、以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
各例の導電性基板について、以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(1)膜厚均一性
導電性基板を製造する際、導電性インクで下記の直線パターン1〜4を描画して塗膜を形成した。
<直線パターン1>
描画方向:インクジェットヘッドの走査方向に対して平行な方向
長さ:15mm
線幅:250μm
<直線パターン2>
描画方向:インクジェットヘッドの走査方向に対して平行な方向
長さ:15mm
線幅:500μm
<直線パターン3>
描画方向:インクジェットヘッドの走査方向に対して垂直な方向
長さ:15mm
線幅:250μm
<直線パターン4>
描画方向:インクジェットヘッドの走査方向に対して垂直な方向
長さ:15mm
線幅:500μm
そして、直線パターン1〜4の塗膜を焼成する(焼成条件:表1、2)ことで得られた導電膜1〜4について、膜厚比を下記式(A)により算出した。ここで、導電膜1〜4の膜厚は、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡「VK−X150」を用いて測定された。
「膜厚比」=「描画開始点から描画終了点に向かって500μm離れた位置での膜厚(μm)」/「描画終了点から描画開始点に向かって500μm離れた位置での膜厚(μm)」 (A)
判定基準は、下記の通りとした。
○:導電膜1〜4の膜厚比の最大値が1.5以下であった。
△:導電膜1〜4の膜厚比の最大値が1.5よりも大きく、2.0以下であった。
×:導電膜1〜4の膜厚比の最大値が2.0よりも大きかった。
導電性基板を製造する際、導電性インクで下記の直線パターン1〜4を描画して塗膜を形成した。
<直線パターン1>
描画方向:インクジェットヘッドの走査方向に対して平行な方向
長さ:15mm
線幅:250μm
<直線パターン2>
描画方向:インクジェットヘッドの走査方向に対して平行な方向
長さ:15mm
線幅:500μm
<直線パターン3>
描画方向:インクジェットヘッドの走査方向に対して垂直な方向
長さ:15mm
線幅:250μm
<直線パターン4>
描画方向:インクジェットヘッドの走査方向に対して垂直な方向
長さ:15mm
線幅:500μm
そして、直線パターン1〜4の塗膜を焼成する(焼成条件:表1、2)ことで得られた導電膜1〜4について、膜厚比を下記式(A)により算出した。ここで、導電膜1〜4の膜厚は、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡「VK−X150」を用いて測定された。
「膜厚比」=「描画開始点から描画終了点に向かって500μm離れた位置での膜厚(μm)」/「描画終了点から描画開始点に向かって500μm離れた位置での膜厚(μm)」 (A)
判定基準は、下記の通りとした。
○:導電膜1〜4の膜厚比の最大値が1.5以下であった。
△:導電膜1〜4の膜厚比の最大値が1.5よりも大きく、2.0以下であった。
×:導電膜1〜4の膜厚比の最大値が2.0よりも大きかった。
(2)耐クラック性
導電性基板を製造する際、導電性インクで、上述した直線パターン1〜4に加えて、下記の直角パターン1、2も描画して塗膜を形成した。
<直角パターン1>
インクジェットヘッドの走査方向に対して平行な方向に長さ10mmの直線パターンを描画し、その終点からインクジェットヘッドの走査方向に対して垂直な方向に長さ10mmの直線パターンを描画した。線幅は、250μmであった。
<直角パターン2>
インクジェットヘッドの走査方向に対して平行な方向に長さ10mmの直線パターンを描画し、その終点からインクジェットヘッドの走査方向に対して垂直な方向に長さ10mmの直線パターンを描画した。線幅は、500μmであった。
そして、直線パターン1〜4の塗膜を焼成する(焼成条件:表1、2)ことで得られた導電膜1〜4と、直角パターン1、2の塗膜を焼成する(焼成条件:表1、2)ことで得られた導電膜5、6とについて、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡「VK−X150」を用いてクラックの個数(導電膜1〜6中のクラックの合計数)を数えた。判定基準は、下記の通りとした。
○:導電膜1〜6中に、50μm四方以上のクラックが無かった。
△:導電膜1〜6中に、50μm四方以上、100μm四方未満のクラックが1〜14個あった。
×:導電膜1〜6中に、50μm四方以上、100μm四方未満のクラックが15個以上あった、又は、100μm四方以上のクラックが1個以上あった。
導電性基板を製造する際、導電性インクで、上述した直線パターン1〜4に加えて、下記の直角パターン1、2も描画して塗膜を形成した。
<直角パターン1>
インクジェットヘッドの走査方向に対して平行な方向に長さ10mmの直線パターンを描画し、その終点からインクジェットヘッドの走査方向に対して垂直な方向に長さ10mmの直線パターンを描画した。線幅は、250μmであった。
<直角パターン2>
インクジェットヘッドの走査方向に対して平行な方向に長さ10mmの直線パターンを描画し、その終点からインクジェットヘッドの走査方向に対して垂直な方向に長さ10mmの直線パターンを描画した。線幅は、500μmであった。
そして、直線パターン1〜4の塗膜を焼成する(焼成条件:表1、2)ことで得られた導電膜1〜4と、直角パターン1、2の塗膜を焼成する(焼成条件:表1、2)ことで得られた導電膜5、6とについて、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡「VK−X150」を用いてクラックの個数(導電膜1〜6中のクラックの合計数)を数えた。判定基準は、下記の通りとした。
○:導電膜1〜6中に、50μm四方以上のクラックが無かった。
△:導電膜1〜6中に、50μm四方以上、100μm四方未満のクラックが1〜14個あった。
×:導電膜1〜6中に、50μm四方以上、100μm四方未満のクラックが15個以上あった、又は、100μm四方以上のクラックが1個以上あった。
(3)密着性
上述した膜厚均一性及び耐クラック性の評価時に用いた導電膜1〜4に対して、セロテープ(登録商標)を貼り付けた後で剥離した。その後、導電膜1〜4の基材からの剥離度合いを目視観察した。判定基準は、下記の通りとした。
○:導電膜1〜4が全く剥離していなかった。
△:導電膜1〜4のうちで剥離度合いが最も悪い導電膜において、一部(全体の10%以下の範囲)が剥離していた。
×:導電膜1〜4のうちで剥離度合いが最も悪い導電膜において、大部分(全体の10%よりも広い範囲)が剥離していた。
上述した膜厚均一性及び耐クラック性の評価時に用いた導電膜1〜4に対して、セロテープ(登録商標)を貼り付けた後で剥離した。その後、導電膜1〜4の基材からの剥離度合いを目視観察した。判定基準は、下記の通りとした。
○:導電膜1〜4が全く剥離していなかった。
△:導電膜1〜4のうちで剥離度合いが最も悪い導電膜において、一部(全体の10%以下の範囲)が剥離していた。
×:導電膜1〜4のうちで剥離度合いが最も悪い導電膜において、大部分(全体の10%よりも広い範囲)が剥離していた。
(4)導電性
導電性基板を製造する際、導電性インクで、長さ20mm、線幅1mmの直線パターンを3本描画して塗膜を形成した。そして、これら3本の直線パターンの塗膜を焼成する(焼成条件:表1、2)ことで得られた3つの導電膜について、各々の体積抵抗値を下記式(B)により算出し、これらの平均値を算出した。ここで、導電膜の抵抗値は、カイセ社製のデジタルテスター「SK−6511」を用いて測定された。導電膜の膜厚は、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡「VK−X150」を用いて測定された。
「体積抵抗値(Ω・cm)」=「抵抗値(Ω)」×「線幅(cm)」×「膜厚(cm)」/「抵抗値測定時の端子間距離(cm)」 (B)
判定基準は、下記の通りとした。
○:体積抵抗値の平均値が5.0×10−5Ω・cm以下であった。
△:体積抵抗値の平均値が5.0×10−5Ω・cmよりも大きく、5.0×10−4Ω・cm以下であった。
×:体積抵抗値の平均値が5.0×10−4Ω・cmよりも大きかった。
−:直線パターンが描画できず、体積抵抗値が測定できなかった。
導電性基板を製造する際、導電性インクで、長さ20mm、線幅1mmの直線パターンを3本描画して塗膜を形成した。そして、これら3本の直線パターンの塗膜を焼成する(焼成条件:表1、2)ことで得られた3つの導電膜について、各々の体積抵抗値を下記式(B)により算出し、これらの平均値を算出した。ここで、導電膜の抵抗値は、カイセ社製のデジタルテスター「SK−6511」を用いて測定された。導電膜の膜厚は、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡「VK−X150」を用いて測定された。
「体積抵抗値(Ω・cm)」=「抵抗値(Ω)」×「線幅(cm)」×「膜厚(cm)」/「抵抗値測定時の端子間距離(cm)」 (B)
判定基準は、下記の通りとした。
○:体積抵抗値の平均値が5.0×10−5Ω・cm以下であった。
△:体積抵抗値の平均値が5.0×10−5Ω・cmよりも大きく、5.0×10−4Ω・cm以下であった。
×:体積抵抗値の平均値が5.0×10−4Ω・cmよりも大きかった。
−:直線パターンが描画できず、体積抵抗値が測定できなかった。
(5)描画性
上述した導電性評価時に、3つの導電膜の形状を目視観察した。判定基準は、下記の通りとした。
○:3つの導電膜とも導通しており、形状荒れが無かった。
△:3つの導電膜のうちの1つが導通していない、又は、3つの導電膜とも導通しているが、形状荒れがあった。
×:3つの導電膜のうちの2〜3つが導通していない、又は、3つの導電膜とも導通しているが、著しい形状荒れがあった。
上述した導電性評価時に、3つの導電膜の形状を目視観察した。判定基準は、下記の通りとした。
○:3つの導電膜とも導通しており、形状荒れが無かった。
△:3つの導電膜のうちの1つが導通していない、又は、3つの導電膜とも導通しているが、形状荒れがあった。
×:3つの導電膜のうちの2〜3つが導通していない、又は、3つの導電膜とも導通しているが、著しい形状荒れがあった。
(6)総合評価
上述した評価(1)〜(5)の結果に基づき、下記の判定基準で総合評価を行った。
◎:評価(1)〜(5)の結果がすべて「○」であった。
○:評価(1)〜(5)の結果において、「○」が4つであった。
△:評価(1)〜(5)の結果において、「○」が3つであった。
×:評価(1)〜(5)の結果において、「○」が0〜2つであった。
上述した評価(1)〜(5)の結果に基づき、下記の判定基準で総合評価を行った。
◎:評価(1)〜(5)の結果がすべて「○」であった。
○:評価(1)〜(5)の結果において、「○」が4つであった。
△:評価(1)〜(5)の結果において、「○」が3つであった。
×:評価(1)〜(5)の結果において、「○」が0〜2つであった。
実施例1〜5では、膜厚均一性及び耐クラック性が優れていた。また、実施例1〜5では、膜厚均一性及び耐クラック性に加えて、密着性、導電性、及び、描画性も良好であり、総合評価が優れていた。中でも、実施例2、3、5では、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルに加えて、それ以外のグリコールエーテルも配合されていたため、描画性が実施例1、4よりも高かった。
比較例1では、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルが配合されていなかったため、膜厚均一性及び耐クラック性が低かった。また、比較例1では、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル以外のグリコールエーテルも配合されていなかったため、描画性も低かった。
比較例2では、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルが配合されていなかったため、膜厚均一性及び耐クラック性が低かった。
実施例6では、COOH基及びOH基を有し、かつ、COOH基の個数がOH基の個数以上であるヒドロキシ酸又はその塩である分散剤が配合されていなかったため、導電性が低かった。また、実施例6では、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルが配合されていたものの、それ以外のグリコールエーテルが配合されていなかったため、描画性も低かった。
Claims (5)
- 銀コロイド粒子と、
水と、
ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとを含有し、
前記銀コロイド粒子は、銀ナノ粒子と、分散剤とを含むことを特徴とする導電性インク。 - 前記導電性インクは、前記ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル以外のグリコールエーテルを更に含有することを特徴とする請求項1に記載の導電性インク。
- 前記グリコールエーテルは、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及び、ジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求項2に記載の導電性インク。
- 前記導電性インクは、ブタノール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、エチレングリコール、及び、グリセリンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を更に含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性インク。
- 基材と、前記基材の表面上に配置される導電膜とを備える導電性基板の製造方法であって、
請求項1〜4のいずれかに記載の導電性インクを前記基材の表面上に塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
前記塗膜を焼成して前記導電膜を形成する焼成工程とを含むことを特徴とする導電性基板の製造方法。
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|---|---|---|---|---|
| CN109872834A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-06-11 | 东北大学 | 一种透明导电银网格薄膜及其制备方法 |
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