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JP2018135310A - アドレナリン含有薬液の保存方法 - Google Patents

アドレナリン含有薬液の保存方法 Download PDF

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JP2018135310A
JP2018135310A JP2017032250A JP2017032250A JP2018135310A JP 2018135310 A JP2018135310 A JP 2018135310A JP 2017032250 A JP2017032250 A JP 2017032250A JP 2017032250 A JP2017032250 A JP 2017032250A JP 2018135310 A JP2018135310 A JP 2018135310A
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聡史 岡田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

【課題】アドレナリン含有薬液の変質や薬効の低下を抑制し、長期間保存できる方法を提供する。【解決手段】アドレナリン含有薬液を、ポリエステル化合物及び遷移金属触媒を含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)と、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)を前記層Aの両側に積層した、少なくとも3層を含有する酸素吸収性多層容器内に保存するアドレナリン含有薬液の保存方法であって、前記ポリエステル化合物が、少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有する、アドレナリン含有薬液の保存方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アドレナリン含有薬液を、酸素バリア性能および酸素吸収性能を有する多層容器内に保存するアドレナリン含有薬液の保存方法に関する。
アドレナリン(エピネフリンとしても知られる。)は、血圧上昇作用のあるホルモンで、神経伝達物質である。アドレナリンは交感神経の作用が高まると血中に放出され、血圧や血糖値の上昇、心拍数の増加、気管支拡張などを引き起こす。この作用を利用して、強心剤や血圧上昇剤として用いられるほか、血管収縮薬や、気管支喘息発作時の気管支拡張薬としても使用されている。
アドレナリンは、注射による、吸入による、または局所使用による投与経路に適した種々の製剤において利用可能である。中でも、アナフィラキシーショック等の救急治療の緊急注射用として使用される場合、プレフィルドシリンジ(「プレフィル用シリンジ」等と呼ばれることもある。)が使用されている。また、アドレナリンは、空気に曝されると容易に酸化するため、プレフィルドシリンジとして用いられる場合には、ガラス製のプレフィルドシリンジが使用されている。
一方、ガラス製容器は、ガスバリア性、耐熱性、透明性に非常に優れた容器であるが、薬液等が充填された状態での保管中に容器の内容液にナトリウムイオン等が溶出したり、フレークスという微細な物質を発生したり、着色した遮光性ガラス製容器を使用する場合に着色用の金属が内容物に混入したり、落下等の衝撃により破損しやすい、などの問題があった。また、ガラス製容器が破損した際に、その破片や内溶液を被液し、皮膚や人体に悪影響を及ぼす問題があった。更には、比重が大きい為に医療用包装容器が重くなってしまうという問題点があり、代替材料の開発が期待されていた。
プラスチックは、ガラスに比べて軽量であり、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー等が、ガラス代替のプラスチックとして検討されているが、酸素バリア性、水蒸気バリア性、が要求を満たせず、代替が進んでいないのが現状である。特許文献1においてバレルの最内層と最外層がポリオレフィン系樹脂からなり、中間層に酸素バリア性に優れた樹脂を使用し、酸素バリア性を向上させたプレフィルドシリンジが提示されている。
他にも、ガスバリア層としては他に、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド(以下、ナイロンMXD6と称することがある)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、アルミ箔、カーボンコート、無機酸化物蒸着等のガスバリア層を構成材料として積層する方法が行われているが、微量の酸素が透過し、且つ、内容物の溶存酸素を除去することは不可能である。
また、容器自体に酸素吸収性を付与した酸素吸収性容器も数多く提案されている。中でも、低湿度から高湿度までの広範な湿度条件下で、酸素バリア性能および酸素吸収性能に優れる酸素吸収性容器として、所定のテトラリン環を有するポリマーと遷移金属触媒を含有する酸素吸収性多層容器(特許文献2参照)が開発されている。
特開2004−229750号公報 国際公開第2013/077436号
本発明は、ガラス製容器からの代替えを図り、アドレナリン含有薬液の酸素に因る酸化劣化を抑制し、アドレナリン含有薬液を長期間保存できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、アドレナリンを含有する薬液の保存性を向上させる方法について鋭意研究を行った結果、アドレナリン含有薬液を、テトラリン環を有するポリエステル化合物と遷移金属触媒を用いる酸素吸収性多層容器に保存することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下<1>〜<5>を提供する。
<1>
少なくとも3層を含有する酸素吸収性多層容器内にアドレナリン含有薬液を保存するアドレナリン含有薬液の保存方法であって、
前記多層容器の中間層の少なくとも1層がポリエステル化合物及び遷移金属触媒を含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)であり、
前記多層容器の内層および外層が熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)であり、
前記ポリエステル化合物が、下記一般式(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有する、アドレナリン含有薬液の保存方法。
Figure 2018135310
(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。)
<2>
前記遷移金属触媒が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属を含むものである、上記<1>に記載のアドレナリン含有薬液の保存方法。
<3>
前記遷移金属触媒が、前記ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.0001〜10質量部含まれる、上記<1>または<2>に記載のアドレナリン含有薬液の保存方法。
<4>
前記一般式(1)で表される構成単位が、下記式(5)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1つである、上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載のアドレナリン含有薬液の保存方法。
Figure 2018135310
<5>
前記酸素吸収性多層容器がプレフィルドシリンジ用容器である、上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載のアドレナリン含有薬液の保存方法。
本発明によれば、アドレナリン含有薬液を低酸素濃度下で保存できるため、アドレナリンの変質や薬効の低下を抑制することが出来る。また、携帯時や使用時にガラスと比べ破損の恐れが小さく、軽量なので利便性も高い。アドレナリンの変質や薬効の低下を抑制すると同時に、安全かつ利便性の高いアドレナリン含有薬液の保存方法を提供することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されない。
本実施形態の酸素吸収性多層容器は、酸素吸収層(層A)を有し、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)を前記層Aの両側に積層した、少なくとも3層を含有する。本実施形態の酸素吸収性多層容器における層構成はB/A/Bの構成を有していれば良く、この他に任意の層を設けることが出来る。また、層Aは1層以上、層Bは2層以上であれば、数や種類は特に限定されない。例えば、1層の層A並びに層B1及び層B2の2種4層の層BからなるB1/B2/A/B2/B1の5層構成であってもよい。さらに、本実施形態の酸素吸収性多層容器においては、層Aと層Bとの間に必要に応じて接着層(層AD)等の任意の層を含んでもよく、例えば、B1/B2/AD/A/AD/B2/B1の7層構成であってもよい。
[酸素吸収層(層A)]
本実施形態の酸素吸収性多層容器の酸素吸収層(層A)は、上記一般式(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有するポリエステル化合物(以下、単に「テトラリン環含有ポリエステル化合物」ともいう。)と遷移金属触媒とを含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる。
層A中の前記テトラリン環含有ポリエステル化合物の含有割合は、特に限定されないが、層Aの総量に対して、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。テトラリン環含有ポリエステル化合物の含有割合が50質量%以上であると、酸素吸収性能がより高められる傾向にある。
<テトラリン環含有ポリエステル化合物>
酸素吸収層(層A)の酸素吸収性樹脂組成物において用いられるテトラリン環含有ポリエステル化合物は、上記一般式(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を構成単位として有するポリエステル化合物であれば何ら限定されず、例えば、国際公開第2013/077436号(特許文献1)に記載されたポリエステル化合物を用いることができる。中でも、成形加工性と酸素吸収性能、コストの観点から、本実施形態のテトラリン環含有ポリエステル化合物としては、上記式(5)〜(7)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。ここで、「構成単位を含有する」とは、化合物中に当該構成単位を1以上有することを意味する。かかる構成単位は、テトラリン環含有ポリエステル化合物中に繰り返し単位として含まれていることが好ましい。このようにテトラリン環含有ポリエステル化合物が重合体である場合、上記構成単位のホモポリマー、上記構成単位と他の構成単位とのランダムコポリマー、上記構成単位と他の構成単位とのブロックコポリマーのいずれであっても構わない。
上記のテトラリン環含有ポリエステル化合物の分子量は、所望する性能や取扱性などを考慮して適宜設定することができ、特に限定されない。一般的には、重量平均分子量(Mw)が1.0×10〜8.0×10であることが好ましく、より好ましくは5.0×10〜5.0×10である。また同様に、数平均分子量(Mn)が1.0×10〜1.0×10であることが好ましく、より好ましくは5.0×10〜5.0×10である。なお、ここでいう分子量は、いずれもポリスチレン換算の値を意味する。なお、上記のテトラリン環含有ポリエステル化合物は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、テトラリン環含有ポリエステル化合物の極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定値)は、特に限定されないが、テトラリン環含有ポリエステル化合物の成形性の観点から、0.1〜2.0dL/gであることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5dL/gである。
また、上記のテトラリン環含有ポリエステル化合物のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、0〜90℃であることが好ましく、より好ましくは10〜80℃である。なお、ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量測定により測定される値を意味する。
上述したテトラリン環含有ポリエステル化合物は、いずれも、テトラリン環のベンジル位に水素を有するものであり、上述した遷移金属触媒と併用することでベンジル位の水素が引き抜かれ、これにより優れた酸素吸収能を発現する。
また、酸素吸収層(層A)の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収後の臭気発生が無いものである。その理由は明らかではないが、例えば以下の酸化反応機構が推測される。すなわち、上記のテトラリン環含有ポリエステル化合物においては、まずテトラリン環のベンジル位にある水素が引き抜かれてラジカルが生成し、その後、ラジカルと酸素との反応によりベンジル位の炭素が酸化され、ヒドロキシ基またはケトン基が生成すると考えられる。言い換えれば、酸素吸収層(層A)の酸素吸収性樹脂組成物においては、上記従来技術のような酸化反応による酸素吸収主剤の分子鎖の切断がなく、テトラリン環含有ポリエステル化合物の構造が維持され、臭気の原因となる低分子量の有機化合物が酸素吸収後に生成され難く、その結果、酸素吸収後の臭気発生が外部から検知できない程に抑制されていると推測される。
<遷移金属触媒>
酸素吸収層(層A)の酸素吸収性樹脂組成物において用いられる遷移金属触媒としては、上記のテトラリン環含有ポリエステル化合物の酸化反応の触媒として機能し得るものであれば、公知のものから適宜選択して用いることができ、特に限定されない。
かかる遷移金属触媒の具体例としては、遷移金属の有機酸塩、ハロゲン化物、燐酸塩、亜燐酸塩、次亜燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酸化物、水酸化物等が挙げられる。ここで、遷移金属触媒に含まれる遷移金属としては、例えば、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅が好ましい。また、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタノイック酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アセチルアセトン、ジメチルジチオカルバミン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、リノール酸、トール酸、オレイン酸、カプリン酸、ナフテン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属触媒は、これらの遷移金属と有機酸とを組み合わせたものが好ましく、遷移金属がマンガン、鉄、コバルト、ニッケルまたは銅であり、有機酸が酢酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸またはナフテン酸である組み合わせがより好ましい。なお、遷移金属触媒は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸素吸収層(層A)の酸素吸収性樹脂組成物におけるテトラリン環含有ポリエステル化合物および遷移金属触媒の含有割合は、使用するテトラリン環含有ポリエステル化合物や遷移金属触媒の種類および所望の性能に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収量の観点から、遷移金属触媒の含有量は、テトラリン環含有ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.0001〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.0002〜2質量部である。
ポリエステル化合物及び遷移金属触媒は、公知の方法で混合する事が出来るが、好ましくは押出機により混練することにより、分散性の良い酸素吸収性樹脂組成物として使用することができる。また、酸素吸収性樹脂組成物には、本実施形態の効果を損なわない範囲で、乾燥剤、顔料、染料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤等を添加しても良いが、以上に示したものに限定されることなく、種々の材料を混合することができる。
なお、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収反応を促進させるために、必要に応じて、さらにラジカル発生剤や光開始剤を含有していてもよい。ラジカル発生剤の具体例としては、各種のN−ヒドロキシイミド化合物が挙げられ、例えば、N−ヒドロキシコハクイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタルイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、3−スルホニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−ヒドロキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ニトロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−メトキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−カルボキシ−N−ヒドロキシヘキサヒド
ロフタルイミド、4−メチル−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、光開始剤の具体例としては、ベンゾフェノンとその誘導体、チアジン染料、金属ポルフィリン誘導体、アントラキノン誘導体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、これらのラジカル発生剤及び光開始剤は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
<他の熱可塑性樹脂>
また、本実施形態の酸素吸収性樹脂組成物は、本実施形態の目的を阻害しない範囲で他の熱可塑性樹脂と押出機で混練することも出来る。混練に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、あるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムまたはブロック共重合体等のポリオレフィン、無水マレイン酸グラフトポリエチレンや無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やそのイオン架橋物(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル等あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
本実施形態の酸素吸収性多層容器において、酸素吸収層(層A)の厚みは、特に限定されないが、1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは10〜900μmであり、さらに好ましくは50〜800μmである。層Aの厚みがこの好ましい範囲内にあることにより、そうでない場合に比べて、加工性や経済性を過度に損なうことなく、酸素吸収性能がより高められ、より長期の保存が可能になる傾向にある。
[熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)]
本実施形態の熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)は、熱可塑性樹脂を含有する層である。層Bにおける熱可塑性樹脂の含有率は特に限定されないが、層Bの総量に対する熱可塑性樹脂の含有率が、70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。
本実施形態の酸素吸収性多層容器は、層Bを複数有していてもよく、複数の層Bの構成は互いに同一であっても異なっていてもよい。層Bの厚みは、用途に応じて適宜決定することができ、多層容器に要求される諸物性を確保するという観点からは、好ましくは30〜10000μm、より好ましくは50〜7000μm、更に好ましくは70〜5000μmである。
本実施形態の熱可塑性樹脂には任意の熱可塑性樹脂を使用することができ、特に限定されない。例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、植物由来樹脂及び塩素系樹脂を挙げることができる。本実施形態において熱可塑性樹脂としては、これら樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。また、前記熱可塑性樹脂においては、本発明の前記テトラリン環含有ポリエステル化合物以外の熱可塑性樹脂の含有量が、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。
[ポリオレフィン]
ポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとα−オレフィン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体等の公知の樹脂であり、好ましいのはノルボルネンもしくはテトラシクロドデセンまたはそれらの誘導体などのシクロオレフィン類開環重合体およびその水素添加物、ノルボルネンもしくはテトラシクロドデセンまたはその誘導体などのシクロオレフィンと、エチレンまたはプロピレンとの重合により分子鎖にシクロペンチル残基や置換シクロペンチル残基が挿入された共重合体である樹脂である。ここで、シクロオレフィンは単環式および多環式のものを含む。好ましいのは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂または熱可塑性テトラシクロドデセン系樹脂である。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加型重合体などが挙げられる。熱可塑性テトラシクロドデセン系樹脂としては、テトラシクロドデセン系単量体の開環重合体、その水素添加物、テトラシクロドデセン系単量体の付加型重合体、テトラシクロドデセン系単量体とオレフィンの付加型重合体などが挙げられる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、例えば特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報、特開平4−63807号公報などに記載されている。
特に好ましいのは、ノルボルネンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体、およびテトラシクロドデセンとエチレン等のオレフィンを原料とした共重合体であるシクロオレフィンコポリマー(COC)、また、ノルボルネンを開環重合し、水素添加した重合物であるシクロオレフィンポリマー(COP)も好ましい。このようなCOCおよびCOPは例えば特開平5−300939号公報あるいは特開平5−317411号公報に記載されている。
COCは、例えば三井化学株式会社製、アペル(登録商標)として市販されており、またCOPは、例えば日本ゼオン株式会社製、ゼオネックス(登録商標)又はゼオノア(登録商標)や株式会社大協精工製、Daikyo Resin CZ(登録商標)として市販されている。
COCおよびCOPは、耐熱性や耐光性などの化学的性質や耐薬品性はポリオレフィン樹脂としての特徴を示し、機械特性、溶融、流動特性、寸法精度などの物理的性質は非晶性樹脂としての特徴を示すことから最も好ましい材質である。
[ポリエステル]
ここで説明するポリエステルは、熱可塑性樹脂として用いることの出来るポリエステルであって、本実施形態のテトラリン環含有ポリエステル化合物では無い。本実施形態において、ポリエステルとは、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種又は二種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる一種又は二種以上とから成るもの、又はヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体からなるもの、又は環状エステルからなるものをいう。エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、一般に70モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるものであり、ガラス転移温度(Tg)が50〜90℃、融点(Tm)が200〜275℃の範囲にあるものが好適である。エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートが耐圧性、耐熱性、耐熱圧性等の点で特に優れているが、エチレンテレフタレート単位以外にイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸とプロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用できる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸等に例示される飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等に例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等に例示される芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、2−リチウムスルホテレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸等に例示される金属スルホネート基含有芳香族ジカルボン酸又はそれらの低級アルキルエステル誘導体等が挙げられる。
上記のジカルボン酸のなかでも、特に、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の使用が、得られるポリエステルの物理特性等の点で好ましく、必要に応じて他のジカルボン酸を共重合してもよい。
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
グリコールとしてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等に例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノ−ル、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加されたグリコール等に例示される芳香族グリコールが挙げられる。
上記のグリコールのなかでも、特に、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分として使用することが好適である。これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロ−ル、ヘキサントリオール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、又はこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチド等が挙げられる。
多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物等が例示される。
本実施形態で用いられるポリエステルとしては、主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であり、主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルが好ましい。
主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルとは、全酸成分に対してテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。主たる酸成分がナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルも同様に、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。
本実施形態で用いられるナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、上述のジカルボン酸類に例示した1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。
主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルとは、全グリコール成分に対してアルキレングリコールを合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。ここで言うアルキレングリコールは、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいてもよい。
上記テレフタル酸/エチレングリコール以外の共重合成分は、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが、透明性と成形性とを両立する上で好ましく、特にイソフタル酸、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることがより好ましい。
本実施形態に用いられるポリエステルの好ましい一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、より好ましくはエチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステルである。
また本実施形態に用いられるポリエステルの好ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−2,6−ナフタレートから構成されるポリエステルであり、より好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのは、エチレン−2,6−ナフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステルである。
また本実施形態に用いられるポリエステルの好ましいその他の例としては、プロピレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、プロピレンナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、ブチレンナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、またはブチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルである。
特にポリエステル全体の組成として、テレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコールの組合せ、テレフタル酸//エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノールの組合せ、テレフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコールの組合せは透明性と成形性とを両立する上で好ましい。なお、当然ではあるが、エステル化(エステル交換)反応、重縮合反応中に、エチレングリコールの二量化により生じるジエチレングリコールを少量(5モル%以下)含んでもよいことは言うまでもない。
また本実施形態に用いられるポリエステルの好ましいその他の例としては、グリコール酸やグリコール酸メチルの重縮合もしくは、グリコリドの開環重縮合にて得られるポリグリコール酸が挙げられる。このポリグリコール酸には、ラクチド等の他成分を共重合しても構わない。
[ポリアミド]
本実施形態で使用するポリアミドは、ラクタムもしくはアミノカルボン酸から誘導される単位を主構成単位とするポリアミドや、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする脂肪族ポリアミド、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド等が挙げられ、必要に応じて、主構成単位以外のモノマー単位を共重合してもよい。
前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸としては、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等が使用できる。
前記脂肪族ジアミンとしては、炭素数2〜12の脂肪族ジアミンあるいはその機能的誘導体が使用できる。さらに、脂環族のジアミンであってもよい。脂肪族ジアミンは直鎖状の脂肪族ジアミンであっても分岐を有する鎖状の脂肪族ジアミンであってもよい。このような直鎖状の脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、1−メチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられる。また、脂環族ジアミンの具体例としては、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、前記脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖状の脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジカルボン酸が好ましく、さらに炭素数4〜12のアルキレン基を有する直鎖状脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。このような直鎖状脂肪族ジカルボン酸の例としては、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸およびこれらの機能的誘導体等を挙げることができる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラ−ビス(2−アミノエチル)ベンゼン等が挙げられる。
また、前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸およびその機能的誘導体等が挙げられる。
具体的なポリアミドとしては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6IT、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、イソフタル酸共重合ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6I)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカナミド(ポリアミドMXD12)、ポリ1,3−ビスアミノシクロヘキサンアジパミド(ポリアミドBAC6)、ポリパラキシリレンセバカミド(ポリアミドPXD10)等がある。より好ましいポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミドMXD6、ポリアミドMXD6Iが挙げられる。
また、前記ポリアミドの共重合成分として、少なくとも一つの末端アミノ基、もしくは末端カルボキシル基を有する数平均分子量が2000〜20000のポリエーテル、又は前記末端アミノ基を有するポリエーテルの有機カルボン酸塩、又は前記末端カルボキシル基を有するポリエーテルのアミノ塩を用いることもできる。具体的な例としては、ビス(アミノプロピル)ポリ(エチレンオキシド)(数平均分子量が2000〜20000のポリエチレングリコール)が挙げられる。
また、前記部分芳香族ポリアミドは、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3塩基以上の多価カルボン酸から誘導される構成単位を実質的に線状である範囲内で含有していてもよい。
[エチレン−ビニルアルコール共重合体]
本実施形態で使用されるエチレン−ビニルアルコール共重合体としては、特に限定されないが、好ましくはエチレン含量15〜60モル%、更に好ましくは20〜55モル%、より好ましくは29〜44モル%であり、酢酸ビニル成分のケン化度が好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上のものである。
またエチレン−ビニルアルコール共重合体には、本実施形態の効果に悪影響を与えない範囲で、更に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等のコモノマーを含んでいてもよい。
[植物由来樹脂]
本実施形態で使用される植物由来樹脂は、原料として植物由来物質を含む樹脂であれば良く、原料の植物由来物質は特に限定されない。具体例としては、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が挙げられる。脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等のポリアルキレンアルカノエート等が挙げられる。
[塩素系樹脂]
本実施形態で使用される塩素系樹脂は、構成単位に塩素を含む樹脂であれば良く、公知の樹脂を用いることが出来る。具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及び、これらと酢酸ビニル、マレイン酸誘導体、高級アルキルビニルエーテル等との共重合体を挙げることができる。
本実施形態の酸素吸収性多層容器は、前記酸素吸収層(層A)及び層Bに加えて、所望する性能等に応じて任意の層を含んでいてもよい。そのような任意の層としては、例えば、接着層等が挙げられる。
本実施形態の酸素吸収性多層容器において、隣接する2つの層の間で実用的な層間接着強度が得られない場合には、当該2つの層の間に接着層(層AD)を設けることが好ましい。接着層は、接着性を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。接着性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系ブロック共重合体を主成分とした、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが挙げられる。接着層としては、接着性の観点から、層Bとして用いられている熱可塑性樹脂と同種の樹脂を変性したものを用いることが好ましい。接着層の厚みは、実用的な接着強度を発揮しつつ成形加工性を確保するという観点から、好ましくは2〜100μm、より好ましくは5〜90μm、更に好ましくは10〜80μmである。
本実施形態の酸素吸収性多層容器の製造方法及び層構成については特に限定されず、通常の射出成形法により製造することができる。例えば、2台以上の射出機を備えた成形機及び射出用金型を用いて、層Aを構成する材料及び層Bを構成する材料をそれぞれの射出シリンダーから金型ホットランナーを通して、キャビティー内に射出して、射出用金型の形状に対応した多層容器を製造することができる。また、先ず、層Bを構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層Aを構成する材料を別の射出シリンダーから、層Bを構成する樹脂と同時に射出し、次に層Bを構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより3層構造B/A/Bの多層容器が製造できる。
また、先ず、層Bを構成する材料を射出し、次いで層Aを構成する材料を単独で射出し、最後に層Bを構成する材料を必要量射出して金型キャビティーを満たすことにより、5層構造B/A/B/A/Bの多層容器が製造できる。
また、先ず、層B1を構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層B2を構成する材料を別の射出シリンダーから、層B1を構成する樹脂と同時に射出し、次に層Aを構成する樹脂を層B1、層B2を構成する樹脂と同時に射出し、次に層B1を構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより5層構造B1/B2/A/B2/B1の多層容器が製造できる。
また、射出成形法ではないが、圧縮成形法により多層成形体を得てもよい。例えば、熱可塑性樹脂溶融物中に酸素吸収樹脂剤を設け、その溶融塊を雄型に供給するとともに、雌型により圧縮し、圧縮成形物を冷却固化することにより成形体を得られる。得られた成形体の口頸部に耐熱性を与えるため、この段階で口頸部を熱処理により結晶化させてもよい。結晶化度は好ましくは30〜50%、より好ましくは35〜45%である。なお、結晶化は後述する二次加工を施した後に実施してもよい。
また押出成形、圧縮成形(シート成形、ブロー成形)等の成形手段によって所望の容器形状に成形してもよい。
該容器の形状は特に限定されるものではないが、例えば、バイアル、アンプル、プレフィルドシリンジが挙げられる。
〔バイアル〕
本実施形態のバイアルの構成は、一般的なバイアルとなんら変わるものではなく、ボトル、ゴム栓、キャップから構成される。薬液をボトルに充填後、ゴム栓をして、更にその上からキャップを巻締めることで密閉して用いられる。前記ボトル部分が、本実施形態で用いられる酸素吸収性多層容器であって、中間層の少なくとも一層が酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)であり、最内層及び最外層が熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)である。
本実施形態のバイアルのボトル部分の成形方法は射出ブロー成形、押出しブロー成形にて製造される。例として射出ブロー成形方法を以下に示す。
例えば、2台以上の射出機を備えた成形機及び射出用金型を用いて、層Aを構成する材料及び層Bを構成する材料をそれぞれの射出シリンダーから金型ホットランナーを通して、キャビティー内に射出して、射出用金型の形状に対応した多層成形体を製造することができる。また、先ず、層Bを構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層Aを構成する材料を別の射出シリンダーから、層Bを構成する樹脂と同時に射出し、次に層Bを構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより3層構造B/A/Bの成形体が製造できる。
また、先ず、層Bを構成する材料を射出し、次いで層Aを構成する材料を単独で射出し、最後に層Bを構成する材料を必要量射出して金型キャビティーを満たすことにより、5層構造B/A/B/A/Bの多層成形体が製造できる。
また、先ず層B1を構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層B2を構成する材料を別の射出シリンダーから、層B1を構成する樹脂と同時に射出し、次に層Aを構成する樹脂を層B1、層B2を構成する樹脂と同時に射出し、次に層B1を構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより5層構造B1/B2/A/B2/B1の多層インジェクション成形体が製造できる。射出ブロー成形では上記方法により得られた多層成形体をある程度加熱された状態を保ったまま最終形状金型(ブロー金型)に嵌め、空気を吹込み、膨らませて金型に密着させ、冷却固化させることでボトル状に成形することができる。
〔アンプル〕
本実施形態のアンプルの構成は、一般的なアンプルとなんら変わることなく、頸部を細くした小容器である。薬液を充填後、頸部の先を熔封する事で密閉して用いられる。前記がアンプル本発明で用いられる酸素吸収性多層容器であって、中間層の少なくとも一層が酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)であり、最内層、最外層が熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)である。本実施形態のアンプルの成形方法は射出ブロー成形、押出しブロー成形にて製造される。
〔プレフィルドシリンジ〕
本実施形態のプレフィルドシリンジの構成は一般的なプレフィルドシリンジとなんら変わるものではなく、少なくとも薬液を充填する為のバレル、バレルの一端に注射針を接合する為の接合部及び使用時に薬液を押出す為のプランジャーから構成される。前記バレルが本発明で用いられる酸素吸収性多層容器であって、中間層の少なくとも一層が酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)であり、最内層、最外層が熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)である。
本発明のプレフィルドシリンジの成形方法は射出成形法にて製造される。多層成形体となるバレルは、先ず層Bを構成する樹脂をキャビティ内に一定量射出し、次いで層Aを構成する樹脂を一定量射出し、再び層Bを構成する樹脂を一定量射出することにより製造される。バレルと接合部は一体のものとして成形しても良いし、別々に成形した物を接合しても良い。接合部の先端は封をする必要があるが、その方法は接合部先端の樹脂を溶融状態に加熱、ペンチ等で挟み込んで融着させる等すればよい。
容器の厚さは、使用目的や大きさによるが0.5〜20mm程度のものであればよい。また、厚さは均一であっても、厚さを変えたものであってもいずれでもよい。また表面(処理されない)に長期保存安定の目的で、別のガスバリア膜や遮光膜が形成されていてもよい。かかる膜およびその形成方法としては、特開2004−323058号公報に記載された方法などを採用できる。
〔アドレナリン含有薬液〕
本実施形態の酸素吸収性多層容器に充填するアドレナリン含有薬液のアドレナリン濃度は特に制限はなく、用途に応じて適宜決定することができ、好ましくは0.01〜10mg/ml、更に好ましくは0.02〜9mg/ml、より好ましくは0.05〜8mg/mlである。また、薬液中に、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、クロロブタノール、塩酸、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム等の添加剤を含んでいても良い。
また、これらの被保存物の充填前後に、被保存物に適した形で、医療多層容器や被保存物の殺菌を施すことができる。殺菌方法としては、100℃以下での熱水処理、100℃以上の加圧熱水処理、121℃以上の高温加熱処理等の加熱殺菌、紫外線、マイクロ波、ガンマ線、電子等の電磁波殺菌、エチレンオキサイド等のガス処理、過酸化水素や次亜塩素酸等の薬液殺菌等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
なお、特に記載が無い限り、NMR測定は室温で行った。なお、実施例ではプレフィルドシリンジを例に挙げているが、本願明細書に示したとおりアンプル、バイアルに対する要求特性はプレフィルドシリンジに対するものと同じである為、本発明がこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
<モノマー合成例>
内容積18Lのオートクレーブに、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル2.20kg、2−プロパノール11.0kg、及び5重量%パラジウムを活性炭に担持させた触媒350g(50重量%含水品)を仕込んだ。次いで、オートクレーブ内の空気を窒素と置換し、さらに窒素を水素と置換した後、オートクレーブ内の圧力が0.8MPaとなるまでオートクレーブ内に水素を供給した。次に、オートクレーブに設置された撹拌機を起動し、該撹拌機の回転速度を500rpmに調整した。オートクレーブ内の混合物を撹拌しながら、30分かけて内温を100℃まで上げた後、さらにオートクレーブ内に水素を供給しオートクレーブ内の圧力を1MPaとした。その後、反応の進行による圧力低下に応じ、1MPaを維持するようオートクレーブ内への水素の供給を続けた。7時間後にオートクレーブ内の圧力低下が無くなったので、オートクレーブを冷却し、未反応の残存水素を放出した後、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液を濾過し、触媒を除
去した後、分離濾液から2−プロパノールをエバポレーターで蒸発させて粗生成物を得た。得られた粗生成物に、2−プロパノールを4.40kg加え、再結晶により精製し、テトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルを80%の収率で得た。精製したテトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチルの融点は77℃であった。なお、NMRの分析結果は下記の通りであった。1H‐NMR(400MHz CDCl3)δ7.76-7.96(2H m)、7.15(1H d)、3.89(3H s)、3.70(3H s)、2.70-3.09(5H m)、2.19-2.26(1H m)、1.80-1.95(1H m)。
<ポリマー製造例>
(製造例1)
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置及び窒素導入管を備えたポリエステル樹脂製造装置に、上記モノマー合成例で得られたテトラリン−2,6−ジカルボン酸ジメチル543g、エチレングリコール217g、テトラブチルチタネート0.038g、及び酢酸亜鉛0.15gを仕込み、装置内の混合物を窒素雰囲気下で230℃まで昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を90%以上とした後、昇温と減圧とを徐々に90分かけて行い、275℃、133Pa以下で重縮合を1時間行い、テトラリン環含有ポリエステル化合物(1)(以下「ポリエステル化合物(1)」とも記す。)を得た。
得られたポリエステル化合物(1)の重量平均分子量と数平均分子量とをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定を行った結果、ポリスチレン換算の重量平均分子量は6.5×10であり、数平均分子量は2.8×10であった。また、ポリエステル化合物(1)のガラス転移温度と融点とをDSC(示差走査熱量測定)により測定を行った結果、ガラス転移温度は69℃であり、融点は非晶性のため認められなかった。極限粘度は0.92dL/gであった。
(製造例2)
エチレングリコールに代えて1,4−ブタンジオール315gを用いること以外は、製造例1と同様にしてテトラリン環含有ポリエステル化合物(2)を合成した。得られたポリエステル化合物(2)のポリスチレン換算の重量平均分子量は8.5×10、数平均分子量は3.6×10、極限粘度は1.08dL/g、ガラス転移温度は36℃、融点は145℃であった。
(製造例3)
エチレングリコールに代えて1,6−ヘキサンジオール413gを用いること以外は、製造例1と同様にしてテトラリン環含有ポリエステル化合物(3)を合成した。得られたポリエステル化合物(3)のポリスチレン換算の重量平均分子量は6.6×10、数平均分子量は2.4×10、極限粘度は0.98dL/g、ガラス転移温度は16℃、融点は137℃であった。
<シリンジの製造例>
下記の条件により、層Bを構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層Aを構成する材料を別の射出シリンダーから、層Bを構成する樹脂と同時に射出し、次に層Aを構成する樹脂を必要量射出して射出金型内キャビティーを満たすことにより、B/A/Bの3層構成のシリンジを製造した。層Aの質量をシリンジの総質量の30質量%とした。層Bを構成する樹脂としてはシクロオレフィンポリマー(日本ゼオン株式会社製、商品名:ZEONEX5000、ガラス転移温度68℃)を使用した。成形後のゲートを切断後の径がISO594−1(φ3.976±0.051)に規定の値となる位置にて超音波溶断機にて切断した。
(シリンジの形状)
ISO11040−6に準拠した内容量1cc(ロング)とした。なお、シリンジの製造には、射出成形機(日精エー・エス・ビー機械株式会社製、型式:ASB−12N/10)を使用した。
(シリンジの成形条件)
層A用の射出シリンダー温度:260℃
層B用の射出シリンダー温度:260℃
射出金型内樹脂流路温度:260℃
金型温度:18℃
<シリンジの性能評価>
実施例及び比較例で得られたシリンジの酸素透過率、耐衝撃試験、アドレナリン含有薬液の保存試験について、以下の方法で測定し評価した。
(1)シリンジの酸素透過率(OTR)
23℃、成形体外部の相対湿度50%、内部の相対湿度100%の雰囲気にて、測定開始から30日目の酸素透過率を測定した。測定は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、商品名:OX−TRAN 2/61)を使用した。測定値が低いほど酸素バリア性が良好であることを示す。なお、測定の定量下限値は酸素透過率5×10−4cc/(0.21atm・day・package)である。
(2)耐衝撃試験
シリンジを40℃、相対湿度90%にて1カ月保存した後、50gの金属球をシリンジ胴部に2mの高さから落下させた時の破壊の有無を20個のサンプルに対して調査した。
(3)アドレナリン含有薬液の保存試験
アドレナリン500mg、ピロ亜硫酸ナトリウム1670mgに水を加え、1000mLの無色透明の薬液を調整した。多層シリンジバレルの先端部をゴムキャップで封止し、上記薬液を1mL充填した後、ツバ側を多層シリンジバレル内に空間が生じないようにガスケットで封止した。この状態で、30℃、相対湿度50%に6ヶ月間保存した後、薬液の色調を目視確認した。
尚、薬液調整直後は無色透明であるが、アドレナリンが酸化した場合、薬液が黄色に変色する。
(実施例1)
ポリエステル化合物(1)100質量部に対し、ステアリン酸コバルト(II)をコバルト量が0.0002質量部となるようドライブレンドして得られた混合物を、直径37mmのスクリューを2本有する2軸押出機に12kg/hの速度で供給し、シリンダー温度210℃の条件にて溶融混練を行い、押出機ヘッドからストランドを押し出し、冷却後、ペレタイジングすることにより、酸素吸収性樹脂組成物を製造した。層Aを構成する樹脂として前記酸素吸収性樹脂組成物を用い、シリンジを製造し、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
ポリエステル化合物(1)に代えてポリエステル化合物(2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリンジを製造し、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
ポリエステル化合物(1)に代えてポリエステル化合物(3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリンジを製造し、性能評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン株式会社製、商品名:ZEONEX5000、ガラス転移温度68℃)を用いて実施例1と同形状の単層のシリンジを製造し性能評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
ポリエステル化合物(1)に代えて、コバルトを溶融混練していないポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ディ・エス・エム(DSM)ジャパンエンジニアリングプラスチックス株式会社製、製品名:「ノバミッド(登録商標)X21」、以下、N−6I/6T)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリンジを製造し、性能評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2018135310
実施例で得られたシリンジは、良好な酸素バリア性、耐衝撃性を維持し、アドレナリン含有薬液の保存性も良好であることがわかる。

Claims (5)

  1. 少なくとも3層を含有する酸素吸収性多層容器内にアドレナリン含有薬液を保存するアドレナリン含有薬液の保存方法であって、
    前記多層容器の中間層の少なくとも1層がポリエステル化合物及び遷移金属触媒を含有する酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(層A)であり、
    前記多層容器の内層および外層が熱可塑性樹脂を含有する樹脂層(層B)であり、
    前記ポリエステル化合物が、下記一般式(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも1つのテトラリン環を有する構成単位を含有する、アドレナリン含有薬液の保存方法。
    Figure 2018135310
    (式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子または一価の置換基を示し、一価の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基及びイミド基からなる群より選択される少なくとも1種であり、これらはさらに置換基を有していてもよい。mは0〜3、nは0〜7の整数を表し、テトラリン環のベンジル位に少なくとも1つ以上の水素原子が結合している。Xは芳香族炭化水素基、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基及び複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含有する2価の基を表す。)
  2. 前記遷移金属触媒が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属を含むものである、請求項1に記載のアドレナリン含有薬液の保存方法。
  3. 前記遷移金属触媒が、前記ポリエステル化合物100質量部に対し、遷移金属量として0.0001〜10質量部含まれる、請求項1または2に記載のアドレナリン含有薬液の保存方法。
  4. 前記一般式(1)で表される構成単位が、下記式(5)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアドレナリン含有薬液の保存方法。
    Figure 2018135310
  5. 前記酸素吸収性多層容器がプレフィルドシリンジ用容器である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアドレナリン含有薬液の保存方法。
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