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JP2018134061A - 反応装置および使い捨て型機能性材料カートリッジ - Google Patents

反応装置および使い捨て型機能性材料カートリッジ Download PDF

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JP2018134061A JP2017032696A JP2017032696A JP2018134061A JP 2018134061 A JP2018134061 A JP 2018134061A JP 2017032696 A JP2017032696 A JP 2017032696A JP 2017032696 A JP2017032696 A JP 2017032696A JP 2018134061 A JP2018134061 A JP 2018134061A
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昴 藤村
Subaru Fujimura
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Abstract

【課題】機能性材料を持続的に反応させる反応装置の提供。【解決手段】液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料を反応させる反応装置であって、前記機能性材料を収容する収容部を有する容器と、液体を吸い上げる性質を有する吸上材と、を備え、前記吸上材は、前記収容部の内部と外部とを連通し、前記収容部の外部に配置された液体との接触によって吸い上げた液体が前記収容部に収容された前記機能性材料に適用されるように構成されている、反応装置。【選択図】図1

Description

本発明は、液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料を反応させる反応装置、および前記反応装置に用いるための使い捨て型機能性材料カートリッジに関する。
液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料を反応させる反応装置は、従来知られている。例えば、炭酸塩と酸とを化学反応させることにより炭酸ガスを発生させる炭酸ガス発生装置がある。炭酸ガス発生装置は、例えば、蚊などの疾病媒介昆虫を誘引して捕獲する虫取り器などに使用される。特許文献1は、炭酸塩の鉛直方向上方に酸性水溶液の容器を配置し、前記容器からチューブを通して酸性水溶液を炭酸塩に添加する炭酸ガス発生装置を開示している。
酸性水溶液と炭酸塩との化学反応が終了すれば、炭酸ガスの発生も終了する。炭酸ガス発生装置のセッティング頻度の低減や炭酸ガス発生材料の節約等のために、所定量の材料で炭酸ガスをより長時間にわたって発生させる需要がある。特許文献1の炭酸ガス発生装置では、流路となるチューブの途中に開閉を制御する制御装置や流速調節装置を設置し、所定量の炭酸塩に対して酸性水溶液を少量ずつ断続的または持続的に添加するようにして、反応持続時間を延長させている。
特開2015−216877号公報
炭酸ガスが発生する反応が持続する時間を延長させるために、特許文献1の炭酸ガス発生装置では、チューブ開閉装置や流速調節装置などの装置を必要とする。
本発明の目的は、液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料を反応させる反応装置において、簡単な構成でありながら、反応を長時間にわたって持続させることができる反応装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、かかる反応装置に用いることのできる、使い捨て型機能性材料カートリッジを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の1つの態様は、液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料を反応させる反応装置であって、前記機能性材料を収容する収容部を有する容器と、液体を吸い上げる性質を有する吸上材と、を備え、前記吸上材は、前記収容部の内部と外部とを連通し、前記収容部の外部に配置された液体との接触によって吸い上げた液体が前記収容部に収容された前記機能性材料に適用されるように構成されている、反応装置である。
上記課題を解決するための本発明の別の態様は、前記1つの態様の反応装置の前記収容部に配置して用いられる使い捨て型機能性材料カートリッジであって、前記使い捨て型機能性材料カートリッジは、前記機能性材料と、前記機能性材料に接触させて用いられる通水性材料とを含む、使い捨て型機能性材料カートリッジである。
本発明の実施形態によれば、所定量の機能性材料に対して液体を少量ずつ持続的に適用することができ、これにより、反応持続時間、すなわち、機能性材料の機能が最初に発揮された時点から機能性材料の全量または所望量に対応する機能が発揮される時点までの時間を、反応に要する液体の全量を一気に加えた場合と比べて、延長させることができる。
本発明の実施形態に係る反応装置を説明する図である。 機能性材料の適用形態を説明する図である。 炭酸ガス発生シートの構成例を示す図である。 炭酸ガス発生シートの構成例を示す図である。 シクロデキストリン含有シートおよび金属(水)酸化物含有シートの構成例を示す図である。 シクロデキストリン含有シートの構成例を示す図である。 実施例に係る反応装置の使用形態を示す図である。 比較例に係る反応装置の使用形態を示す図である。 実施例に係る試験結果を示す図である。 比較例に係る試験結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は例示目的であり、本発明はこれに限定されない。
<反応装置>
図1は、本発明の実施形態に係る、液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料を反応させる反応装置を説明する図である。
(第1の実施形態)
図1(a)から(c)は、本発明の第1の実施形態に係る反応装置の構成例を説明する概略的な垂直断面図である。図1(d)は、図1(a)に示す反応装置の使用例を説明する図である。
図1(a)を参照して、本実施形態の反応装置8001は、機能性材料8100を収容する内部空間(収容部)を有する容器8010と、液体を吸い上げる性質を有する吸上材8020と、を備える。吸上材8020は、容器8010の収容部を形成する壁を貫通するように、容器8010に対して取り付けられている。つまり、容器8010の収容部の壁には孔が形成され、吸上材8020は、その孔を通るように配置されている。この構成により、容器8010の内部と外部とは吸上材8020により流体連通される。孔の大きさおよび形状と、吸上材の大きさおよび形状との関係については、好ましくは、吸上材8020は孔にぴったりと合って入り、収容部に収容された機能性材料8100や液体が、吸上材8020と容器8010の孔形成面との隙間から収容部外に漏出しないように構成されている。孔の位置に特に制限はなく、孔は、例えば図1(a)に示されるように底面の中央部に開口を有していてもよく、図1(b)および図1(c)に示されるように側面近傍に開口を有していてもよい。孔の数にも特に制限はなく、吸上材の数に応じて設けることができる。吸上材の割合(大きさ、数)が増すほど、時間当たりに機能性材料に適用される液体の量が増え、液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料の反応開始時間が早まる傾向にある。一方、吸上材が吸い上げる液体の総量は、容器の収容部に収容される材料の保水量で定まるため、吸上材の割合(大きさ、数)に影響を受けない。
吸上材8020の容器外部側の端部は、容器8010の外面から延出しており、図1(d)に示されるように、反応装置の使用形態において、吸上材8020の端部または少なくとも一部を容器の外部の液体に浸すことができるようになっている。また、吸上材8020の容器内部(収容部)側の端部は、容器8010の内部に収容した機能性材料8010と直接的にまたは間接的に流体連通が可能なように構成されている。図1(a)では、吸上材8020の端部が容器8010の内面と面一となっているが、図1(b)および(c)に例示されるように、端部が容器8010の内面から突出または延出して構成されていてもよい。端部が突出または延出している構成であると、容器の収容部に収容した機能性材料との流体連通がより確実になるという観点で、好ましい。
(容器)
容器8010は、機能性材料8100および吸上材8020が吸い上げる液体を収容しても変質しない材料で構成されている。図1(a)の例において、容器8010は、円形の底面と底面を取り囲む側面と上部開口部とを有する略円筒形状であり、垂直断面において略短矩形を示す収容部を有している。しかしながら、本発明の実施形態はこれに限定されず、容器8010は、機能性材料8100を収容することができ、且つ、収容した機能性材料8100に対して吸上材8020が吸い上げた液体を適用するのに適した形状および大きさの内部空間(収容部)を有していればよい。例えば、容器8010は、円形の底面と底面を取り囲む側面と上部開口部とを有し、収容部の底面積よりも上部開口部の開口面積の方が広い紙コップ型であってもよい。底面の形状に限定はなく、略円形(円形を含む)、略楕円形(楕円形を含む)、略正方形(正方形を含む)、略矩形(矩形を含む)、略多角形(多角形を含む)や、不規則形状等であってもよい。また、上部開口部の開口面積が収容部の底面積と同じかそれ以下であってもよく、また、開口部は上部に限定されず側部にあってもよい。また、容器8010は、底面と側面とが明確に分かれている必要はなく、底面と側面との境目が不明確なお椀型やボール型のような形状であってもよい。非限定的な例として、容器8010は、紙製やプラスチック製のコップやお椀であってもよく、内面に撥水性のコーティングやラミネートが施されていてもよい。
(吸上材)
吸上材8020は、容器8010の収容部の内部と外部とを連通し、収容部の外部に配置された液体8200との接触によって吸い上げた液体8200が収容部に収容された機能性材料8100に適用されるように構成されている。吸上材8020は、毛細管現象などにより液体を吸い上げる性質を有する材料で構成されていればよい。吸上材の種類に特に制限はなく、例えば、日本工業規格JIS L1907(2010)(繊維製品の吸水性試験方法)のバイレック法に準拠して測定された水吸い上げ高さが5mm以上である材料を好適に使用することができる。非限定的な例として、吸上材8020は、紙を寄り合わせてつくられた紙紐や紙縒りのような芯状のものや、パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布(以下、パルプエアレイド不織布ともいう)を芯状にしたものなどであってもよい。例えば、吸上材20は、雑誌を縛るのに使うような太さ2mmの紙紐を好適に用いることができる。本実施形態の吸上材の別の形態例として、紙やパルプエアレイド不織布をシートの形態で用いてもよい。
本発明の実施形態では、吸上材の液体を吸い上げる性質を利用することにより、液体を滴下する場合と異なり、特段の装置を用いることなく機能性材料に対して液体を少量ずつ供給することができるため、液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料が機能を発揮する反応の継続時間を延ばすことができる。
本発明の実施形態において、吸上材の太さ・大きさ、本数・枚数、長さに、特に制限はない。使用する吸上材の太さ・大きさや本数・枚数が増すにつれ、容器内の機能性材料に対して所定時間あたりに多量のまたは複数の箇所から液体を供給することが可能となり、所定時間あたりに吸上材が吸い上げる液体の量の合計が増える。そのため、吸上材の端部を液体に浸してから、液体を介した反応により容器内の機能性材料が全体的に機能を発揮するまでの時間が短くなる傾向にある。また、吸上材の端部を液体に浸した状態における液面から容器の収容部までの吸上材の長さが長いほど、吸い上げに時間が掛かり、吸上材の端部を液体に浸してから、液体を介した反応により容器内の機能性材料が機能発揮を開始するまでの時間が長くなる傾向にある。
吸上材が吸い上げる液体の総量は、容器の収容部に収容される材料の保水量で定まるため、吸上材の太さ・大きさ、本数・枚数および長さはこれに影響を与えない。また、そのため、この構成によれば、機能性材料に対して液体を過剰に供給することを防止し得る。
図1(d)は、図1(a)に例示する反応装置の使用例を説明する図である。反応装置8001の容器8010の内部(収容部)には、機能性材料8100が収容されている。吸上材8020の容器内部側の端部は、収容部に収容された機能性材料8100と接触しており、互いに流体連通可能となっている。吸上材8020の容器外部側の端部を、容器外部に配置された液体8200に浸すことによって、反応装置8001の使用が開始される。吸上材8020は、この外部側端部から液体8200を吸い上げて、機能性材料8100に対して供給している。液体8200が供給された機能性材料8100は、この液体8200を介した反応により機能を発揮する。吸上材8020の液体を吸い上げる性質を利用することにより、液体の供給を緩やかに行うことができ、反応の持続時間を長くすることができる。
図1(e)は、図1(a)および(d)に例示する反応装置に対して、液体を貯蔵する貯蔵部をさらに設けた変形例の構成を示す。貯蔵部8210は、内部に液体8200を貯蔵する構成要素であり、収容部8010の外部に配置されて用いられる。貯蔵部8210は、吸上材8020が吸い上げる液体8200を収容しても変質しない材料で構成されていればよく、必要量の液体8200を吸上材8020に供給可能である限り、形状および大きさは特に制限されない。図1(e)の例では、貯蔵部8210は容器(第1の容器)8010とは別体(第2の容器)に設けられているが、貯蔵部8210は容器8010自体に一体的に設けられていてもよい。
本実施形態において、容器8010と貯蔵部8210とは、使用時に、鉛直方向において容器8010が上方となり貯蔵部8210が下方となるように配置される。貯蔵部8210が容器(第1の容器)8010と別体(第2の容器)に設けられている場合、第1の容器と第2の容器とは、鉛直方向にスタック可能に構成されていてもよい。
図(d)の例では、吸上材8020の容器8010外部側の端部は、貯蔵部8210内で貯蔵部8210の内面と非接触に配置されているが、本発明の実施形態はこれに限定されず、吸上材8020は貯蔵部8210の内面と接触していてもよい。
図1(d)および(e)の例では、吸上材8020の先端が液体8200に浸っているが、本発明の実施形態はこれに限定されず、吸上材8020の少なくとも一部が浸かっていればよい。
(第2の実施形態)
図1(f)は、本発明の第2の実施形態に係る反応装置9001の構成例を説明する概略的な垂直断面図である。第1の実施形態と同一または同様の符号は、同一または同様の構成要素を示すものであり、それらについての説明は省略する場合がある。
第2の実施形態の反応装置9001は、機能性材料9100を収容する内部空間(収容部)を有する容器9010と、液体9200を貯蔵する貯蔵部を有する第2の容器9210と、液体を吸い上げる性質を有する吸上材9020と、を備える。図1(f)の例では、吸上材9020は、第2の容器9210の貯蔵部を形成する壁を貫通するように、第2の容器9210に対して取り付けられている。つまり、第2の容器9210の貯蔵部の壁には孔が形成され、吸上材9020は、その孔を通って両端が延出するように配置されている。この構成により、第2の容器9210の内部(貯蔵部)と外部とは吸上材9020により流体連通される。孔の位置は、貯蔵部に貯蔵される液体9200の液面よりも高い位置となるように設けられる。これにより、その孔を通って両端が貯蔵部の内外に延出する吸上材9020は、一方の端部から貯蔵部内の液体を吸い上げることができる。他方の端部は、鉛直方向において、貯蔵部内の液体の水位より低い高さとなるように位置付けられて用いられる。また、他方の端部近傍には、水平面方向において他方の端部が容器9010の収容部内に入るように、容器9010が配置される。この構成により、一方の端部から吸い上げられた液体は、他方の端部から収容部内に移動することができる。
このようにして、第2の実施形態に係る反応装置においても、吸上材の液体を吸い上げる性質を利用することにより、特段の装置を用いることなく、容器9010の収容部内に収容された機能性材料9100に対して液体9200を少量ずつ緩やかに供給することができる。そのため、液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料が機能を発揮する反応の継続時間を延ばすことができる。
なお、図1(f)の例では、吸上材9020を、貯蔵部を有する第2の容器9210の壁に開けられた孔を通して取り付けたが、本実施形態の変形例として、壁に孔を開けることなく、吸上材8020が第2の容器の側壁を乗り越えることで、吸上材8020中央部を貯蔵部内の液面より高く設定する構成であってもよい。
図1(f)の例では、吸上材9020の一方の端部(貯蔵部の内部に延出する端部)は先端が液体9200に浸っているが、本発明の実施形態はこれに限定されず、吸上材9020の少なくとも一部が液体に浸かっていればよい。吸上材9020の一方の端部は、貯蔵部の内面と接触していてもよい。
また、図1(f)の例では、吸上材9020の他の端部(貯蔵部の外部に延出する端部)は、機能性材料9100と非接触に位置付けられているが、本発明の実施形態は、これに限定されない。吸上材9020の他の端部は、機能性材料9100と直接的に接触して流体連通していてもよく、機能性材料9100と共に容器の収容部に収容された通水性材料を介して機能性材料と間接的に流体連通していてもよい。吸上材の他の端部は、貯蔵部を有する第2の容器の外面と接触していてもよい。
本実施形態において、吸上材の太さ・大きさ、本数・枚数に、特に制限はない。使用する吸上材の太さ・大きさや本数・枚数が増すにつれ、容器内の機能性材料に対して所定時間あたりに多量のまたは複数の箇所から液体を供給することが可能となり、所定時間あたりに吸上材が吸い上げる液体の量の合計が増える。そのため、吸上材の端部を液体に浸してから、液体を介した反応により容器内の機能性材料の全体が機能を発揮するまでの時間が短くなる傾向にある。
本実施形態において、吸上材が吸い上げる液体の総量は、貯蔵部に貯蔵された液体の水位と吸上材9020の他の端部(貯蔵部の外部に配置される端部)との鉛直方向における位置関係、および貯蔵部に貯蔵された液体の量などによって決定される。つまり、貯蔵部に貯蔵された液体の量の多少によらず、貯蔵部に貯蔵された液体の水位(液面)が、吸上材の他の端部の鉛直方向における位置と同じ高さまたはそれよりも低い場合は、吸上材の吸い上げによる貯蔵部から容器の収容部への液体の移動が生じない。また、貯蔵部に貯蔵された液体の水位(液面)が、吸上材の他の端部の鉛直方向における位置よりも高い場合は、吸上材の吸い上げによる貯蔵部から容器の収容部への液体の移動が生じる。このとき、貯蔵部に収容された液体がある限りは、液体の水位(液面)が吸上材の他の端部の鉛直方向における位置と同等になるまで、液体の移動が続く。
従って、本実施形態の構成によれば、貯蔵部に入れる液体の量、および吸上材の他の端部の位置の設定により、機能性材料に適用する液体の総量を制御することができる。
<機能性材料>
次いで、本発明の実施形態に適用可能な機能性材料、およびその適用形態について説明する。
(液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料)
本明細書において、「液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料」とは、「液体を介して別の反応物と反応して機能を発揮する反応物」、および「液体そのものと反応して機能を発揮する反応物」を含む。液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料は、液体を介した反応が生じる前の段階においては、乾燥した状態にある。液体の例としては、水や、互いに反応する複数の反応物のうちの一部が溶解した溶液等が挙げられる。液体には、他の機能性成分が含まれていてもよい。
「液体を介して別の反応物と反応して機能を発揮する反応物」の例には、例えば、酸および炭酸塩を含む炭酸ガス発生材料が挙げられる。酸は炭酸塩と反応して炭酸ガスを発生する。また、炭酸塩は酸と反応して炭酸ガスを発生する。すなわち、この例では、酸および炭酸塩は互いに反応物と別の反応物との関係を有し、水を介して互いに反応する。この場合の機能は、炭酸ガス発生機能となる。また、この例では、反応装置は炭酸ガス発生装置として使用され得る。
「液体そのものと反応して機能を発揮する反応物」の例には、機能性成分を包接したシクロデキストリンや、金属酸化物および/または金属水酸化物が挙げられる。機能性成分を包接したシクロデキストリンは、水と反応することにより、包接していた機能性成分を放出して機能を発揮することができる。金属酸化物および/または金属水酸化物は、水と反応することにより強アルカリ性を示し、抗菌作用などの機能を発揮することができる。
(炭酸ガス発生材料)
本明細書において、炭酸ガス発生材料は、「炭酸塩」および「有機酸(単に酸ともいう)」を含む。
(炭酸塩)
本明細書において「炭酸塩」とは、「炭酸塩および/または重炭酸塩」をいうものとする。炭酸塩または重炭酸塩としては、化粧料で使用できるグレードのものであれば特段の限定無く使用でき、用途によっては、特段グレードを規定しない。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、重炭酸カルシウムもしくはその誘導体等を用いることができる。炭酸塩および/または重炭酸塩は2種以上を併用しても構わない。炭酸塩および/または重炭酸塩は、固体状の組成物であり、例えば粒子の形態であることが好ましい。炭酸塩および/または重炭酸塩は、例えばシリカ等の担持体に担持させた形態であってもよい。また、炭酸塩および/または重炭酸塩は結晶水として水を含んでいてもよい。結晶水を含むと水への溶解度が高くなり、反応性が向上する。ただし、保存安定性の観点から、炭酸塩層は、加水分解や酸との反応が開始される等、変質の原因となる水分を含まないことが好ましい。本発明の実施形態に使用する炭酸塩または重炭酸塩としては、平均粒子径5〜5000μmの粒子が好ましい。平均粒子径5〜5000μmであれば、粒子の脱落が少ない。
(有機酸)
有機酸としては、化粧料で使用できるグレードのものであれば特段の限定無く使用でき、用途によっては、特段グレードを規定しない。例えば、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、ヒアルロン酸、リン酸二水素ナトリウムもしくはその誘導体、加水分解されて酸を生じる物質等を用いることができる。酸は2種以上を併用しても構わない。酸は、固体状の組成物であり、例えば粒子の形態であることが好ましい。また、酸は結晶水として水を含んでいてもよい。結晶水を含むと水への溶解度が高くなり、反応性が向上する。ただし、保存安定性の観点から、酸層は、加水分解や炭酸塩との反応が開始される等、変質の原因となる水分を含まないことが好ましい。本発明の実施形態に使用する酸としては、平均粒子径5〜5000μmの粒子が好ましい。平均粒子径5〜5000μmであれば、粒子の脱落が少ない。平均粒子径を小さくすると溶解速度が速くなり、水に濡らしてすぐに反応が進むため、使用初期のCO2ガス発生量が多くなる。一方、平均粒子径を大きくすると、水と接触した際、溶解が徐々に進むため、炭酸ガス発生の持続時間を延長する効果がある。また、平均粒子径を大きくすることで粒子脱落を少なくする効果がある。
(シクロデキストリン)
シクロデキストリンは、サイクロデキストリンまたは環状オリゴ糖とも呼ばれ、ゲストとして種々の分子を空洞に取り込み(包接し)包接錯体を形成する性能、および取り込んだゲスト分子を徐放する性能を有する。シクロデキストリン1分子中に含まれるグルコース基の数が6個のα−シクロデキストリン、7個のβ−シクロデキストリン、8個のγ−シクロデキストリンのいずれも、包接される機能性成分との相性を勘案して使用することができる。シクロデキストリンはメチル化、ヒドロキシル化、アセチル化等の化学修飾がされていてもよい。また、シクロデキストリンは、分岐を有していてもよい。これらのシクロデキストリンは、単独で使用することができ、また、併用することもできる。本実施形態では、上述のようなシクロデキストリンに、機能性成分を包接させたものを使用することができる。使用するシクロデキストリンには機能性成分を包接していない空のシクロデキストリンが含まれていてもよい。
(機能性成分)
機能性成分としては、用途および目的等に応じてさまざまな機能性成分を用いることができる。
本発明の実施形態で用いることのできる機能性成分としては、例えば、ワサビ成分、マスタード成分、唐辛子成分、ジンジャー成分、レモン成分、オレンジ成分、グレープフルーツ成分、ユズ成分、ウメ成分、抹茶成分、アーモンド成分、天然ミートフレーバー、ローズ、ハーブなどの抽出成分、植物抽出エキス、茶抽出物等の天然物系抗菌剤もしくは香料、l-メントール成分等の天然系または有機系揮発性抗菌剤もしくは香料、コエンザイムQ10やイソフラボン等の化粧品原料等が挙げられる。
上述のもの以外にも、機能性成分としては、例えば:薬用成分、保湿剤、感触向上剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類およびその誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、香料、色素、着色剤、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌性物質、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、生薬、補助剤、湿潤剤、止痒剤、角質軟化剥離剤、防腐殺菌剤、脂溶性物質、消臭成分等の公知の化合物を、用途および目的に応じて任意に選択することができる。
これらの機能性成分は、単独で使用されることができ、また、併用されることもできる。
(機能性成分が包接されたシクロデキストリン)
本発明の実施形態において、機能性成分が包接されたシクロデキストリンは、粉末(粒子)の形態で用いられる。粉末(粒子)の形態の、機能性成分が包接されたシクロデキストリンは、当技術分野で知られている任意の方法で得ることができる他、メーカーから販売品を購入することができる。例えば、塩水港製糖株式会社製のデキシーエース(サイクロデキストリン利用製品)や株式会社シクロケム製のCAVAMAX(登録商標)などを好適に使用することができる。これらの、粉末(粒子)の形態の、機能性成分が包接されたシクロデキストリンには、機能性成分が包接された状態のシクロデキストリンに加えて、機能性成分が包接されていない状態のシクロデキストリンが含まれていてもよい。
(金属酸化物)
本発明の実施形態で用いられる金属酸化物は、水と接触して強アルカリになる金属酸化物であり、好ましくは2価の金属の酸化物であり、より好ましくは周期表2族元素の金属の酸化物であり、さらに好ましくはMO(前記Mは、Mg、Ca、SrまたはBaである)で表される金属酸化物であり、特段好ましくはアルカリ土類金属の酸化物である。非限定的な例として、酸化マグネシウム(11.4)、酸化カルシウム(12.7)、酸化ストロンチウム(13.2)、酸化バリウム(13.4)、および酸化マンガン(10.6)を好ましく使用することができる。なお、物質名の後の括弧内の数値は、酸解離定数pKaの値を示す。用途や所望の効果に応じて、使用する金属酸化物を選択することができる。例えば、食品に接し得る用途においては、安全性等の観点から、酸化カルシウムが好ましく使用される。これらの金属酸化物は、単独で使用することができ、また、併用することもできる。
(金属水酸化物)
本発明の実施形態で用いられる金属水酸化物は、水と接触して強アルカリになる金属水酸化物であり、好ましくは2価の金属の水酸化物であり、より好ましくは周期表2族元素の金属の水酸化物およびであり、さらに好ましくはM(OH)2(前記Mは、Mg、Ca、SrまたはBaである)で表される金属水酸化物であり、特段好ましくはアルカリ土類金属の水酸化物である。非限定的な例として、水酸化マグネシウム(11.4)、水酸化カルシウム(12.7)、水酸化ストロンチウム(13.2)、水酸化バリウム(13.4)、および水酸化マンガン(10.6)を好ましく使用することができる。物質名の後の括弧内の数値は、酸解離定数pKaの値を示す。用途や所望の効果に応じて、使用する金属水酸化物を選択することができる。例えば、食品に接し得る用途においては、安全性等の観点から、水酸化カルシウムが好ましく使用される。これらの金属水酸化物は、単独で使用することができ、また、併用することもできる。
<機能性材料の適用形態>
図2を参照して、本実施形態の反応装置の容器の収容部に収容される機能性材料の適用形態の例について説明する。
図2(a)は、図1(d)で説明した第1の実施形態に係る反応装置の使用例である。この反応装置8001の容器8010の収容部には、機能性材料8100を、図2(b)に例示されるような種々の形態で収容することができる。以下の例は、機能性材料が発揮する機能が炭酸ガス発生機能であり、機能性材料が有機酸および炭酸塩を含む場合を想定して説明する。
図2(b)(A)は、機能性材料8100として、有機酸の粉末(以下、有機酸粒子ともいう)および炭酸塩の粉末(以下、炭酸塩粒子ともいう)の一方または両方8146を反応物として容器8010の収容部に配置する例である。本例において、液体8200は水を含む。機能性材料が炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方を含み他方を含まない場合は、液体8200として前記他方の水溶液を用いる。この構成によれば、吸上材8020が吸い上げた液体により、機能性材料の反応物は反応を生じて機能を発揮する(すなわち、炭酸ガスを発生する)ことができる。
また、この構成において、機能性材料8100が炭酸塩粒子および酸粒子の両方を含む場合は、炭酸塩粒子および酸粒子の両方は混合物として含まれてもよく、または、積層体として含まれてもよい。図2(a)では、吸上材8020の先端は容器収容部の内面と面一であるが、本発明の実施形態は、これに限定されず、吸上材の先端が突出していて、混合物の層中に位置していたり、層を貫通していたり、積層体の1つまたは複数の層に接していたりしてもよい。つまり、吸上材は、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方と直接的に流体連通するように構成されていることができる。吸上材の先端の突出度合いが大きいほど、容器の収容部において、吸い上げた水を拡散することができ、水を介した反応が進行しやすい傾向にある。そのため、吸上材の収容部内における突出度合いや配置によって、反応持続時間を調整し得る。
図2(b)(B)は、機能性材料8100として、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方を、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方を含有する層を含むシート8126の形態で、収容部に配置する例である(以下、このようなシートを、炭酸ガス発生シートともいう)。この構成によると、炭酸ガス発生シートを収容部に取り外し可能に配置することができ、機能性材料の取り扱いが容易になり、反応装置に対する機能性材料のセッティングを簡便に行うことができる。
図2(b)(C)は、機能性材料8100として、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方8146を、通水性シート8130に包まれた袋状物8132の形態で、容器の収容部に配置する例である。この例では、袋状物の表面つまり通水性シート8130と吸上材8020とを接触させて配置することにより、吸上材と機能性材料8146とを間接的に流体連通させる。この構成によると、吸上材が吸い上げた水は、通水性シートにより通水性シートの面方向に拡散され、広い範囲での反応を促すことができる。また、この構成によると、機能性材料を袋状物として取り扱うことができるため、取り扱いが容易になり、反応装置に対する機能性材料のセッティングを簡便に行うことができる。
(通水性シート)
通水性シートとしては、水分を通す性質(通水性)を有する任意のシートを何ら制限なく用いることができる。吸上材8020が吸い上げた水は、通水性シート8130により通水性シートの面方向に拡散され、広い範囲での反応を促すことができる。
通水性シートは、水分を内部に取り込んで保持することができるとともに内部の水分を放出することができるような性質(吸液保持性)をさらに有していてもよい。通水性シートは、吸液保持性が低いほど液体を通す速度が速い。一方、通水性シート吸液保持性が高いほど液体を保持する力が強いため、液体を介した反応を遅らせて反応持続時間を延長し得る。通水性シートは、例えば、不織布、布または他のメッシュ構造を有するシートであることができ、例えば、ワリフ(登録商標)などの特殊不織布であることができる。非限定的な例として、例えば、パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布(パルプエアレイド不織布)を、好適に使用することができる。
通水性シートはボンドなどの接着剤により袋状に形成することができる。また、通水性シートの材質によっては、熱融着などにより袋状に形成することができる。
図2(b)(D)は、機能性材料8100として、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方8146を、容器の収容部の底面に敷いた通水性シート8130の上に配置する例である。この構成によると、吸上材8020が吸い上げた液体は、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方8146自体を伝わると共に、通水性シート8130により通水性シートの面方向に拡散され、広い範囲での反応を促すことができる。通水性シート8130と、吸上材8020とは、同一素材であっても異なる素材であってもよく、また一体型であっても別体型であってもよい。
図2(b)(E)は、機能性材料8100として、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方8146を、容器の収容部の底面に広げて層状にし、その上面に、通水性シート8130を配置する例である。また、図2(b)(F)は、図2(b)(E)の構成に対して、さらに、通水性シート8130の上面に、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方8146を広げて層状にして配置する例である。通水性シート8130の下方の炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方8146と、上方の炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方8146と、は同一材料であってもよく、異なっていてもよい。これらの構成によっても、吸上材8020を突出させて通水性シート8130に接触した状態とすることにより、吸上材8020が吸い上げた水は、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方8146自体を伝わると共に、通水性シート8130により通水性シートの面方向に拡散され、広い範囲での反応を促すことができる。
図2(b)(F)の構成において、通水性シート8130の1つの面に炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方を配置し、別の面に他方を配置すると、炭酸塩粒子および酸粒子の両方を混合して同じ面に配置する場合と比べて、反応が緩やかに進む傾向にある。
以上、図2を参照して説明したように、本発明の実施形態の1つの態様において、機能性材料は、通水性シートのような通水性材料と接するように、前記通水性材料と共に前記収容部に収容され、吸上材は、通水性材料を介して機能性材料と流体連通可能に構成される。通水性シートのような通水性材料は、収容部に収容された状態の機能性材料に関し、機能性材料と容器との間、機能性材料の中、および機能性材料の容器との非接触面のうちの少なくとも一箇所に配置されることができる。例えば、通水性材料は、炭酸塩粒子の層と有機酸粒子の層との間に配置されるものであってもよい。
通水性シートは、袋状であってもよい。袋状の通水性シートは、内部に、機能性材料の少なくとも一部を含んでいてもよく、全部を含んでいてもよい。例えば、機能性材料が炭酸塩粒子および有機酸粒子を含む場合、袋状の通水性シートは、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方を包む袋状、両方を別個に包む袋状、または両方を一緒に包む袋状であることができる。
機能性材料は複数の反応物の反応により機能を発揮するものであってもよく、複数の材料を含んでいることができる。複数の材料のうちの溶解度が相対的に高い方の材料に対して、吸上材を介する液体の適用が優先的に行われるように、構成要素の配置が決定されてもよい。この構成によると、溶解度が相対的に低い方の材料に対して液体を優先的に適用する場合と比べて、反応が迅速に進む傾向にある。
以上の例は、機能性材料の発揮する機能が炭酸ガス発生機能であり、機能性材料が有機酸および炭酸塩を含む場合を想定して説明した。本発明の実施形態は、これに限定されず、機能性材料は、機能性成分が包接されたシクロデキストリンを含んでいてもよい。機能性成分が包接されたシクロデキストリンは、シクロデキストリンを含有する層を含む不織布シートの形態で含まれていてもよい。シクロデキストリンを含有する層は乾式法で設けられていてもよい。また、機能性材料は、金属酸化物および/または金属水酸化物を含んでいてもよい。金属酸化物および/または金属水酸化物は、金属酸化物および/または金属水酸化物を含有する層を含む不織布シートの形態で含まれていてもよい。
<使い捨て型機能性材料カートリッジ>
機能性材料が、機能性材料を含むシートまたは袋状物の形態で用いられる場合、シートまたは袋状物は、反応装置の容器の収容部に取り外し可能に配置することができるため、取り扱いが容易になる。また、機能性材料をシートまたは袋状物の形態とすると、反応装置の使用者が機能性材料の量を使用の都度計量する必要がない。本発明の実施形態において、機能性材料を含むシートまたは袋状物を、反応容器の収容部に取り外し可能に配置して、使い捨て型機能性材料カートリッジとして用いることができる。
使い捨て型機能性材料カートリッジは、機能性材料と、機能性材料に接触させて用いられる通水性材料とを含んでいることができる。通水性材料は、粒子状および/または繊維状であってもよく、通水性シートであってもよい。通水性シートは、反応装置の容器の収容部に収容された状態の機能性材料に関し、機能性材料と容器との間、機能性材料の中、および機能性材料の容器との非接触面のうちの少なくとも一箇所に配置されることができる。通水性シートは、機能性材料の構成要素の少なくとも一部を包む袋状であることができる。
本発明の実施形態に係る使い捨て型機能性材料カートリッジの非限定的な例として、炭酸ガス発生シート、シクロデキストリン含有シート、金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートなどが挙げられる。
以下に、本発明の実施形態に適用可能な使い捨て型機能性材料カートリッジの例を説明する。
I.使い捨て型機能性材料カートリッジの第1の例[炭酸ガス発生シート]
以下、図3および図4を参照して、本発明の実施形態に係る使い捨て型機能性材料カートリッジとしてとして適用可能な炭酸ガス発生シートについて説明する。
[第1の態様]
本発明の実施形態の第1の態様の炭酸ガス発生シートは、炭酸塩層および酸層を備える積層体であって、炭酸塩層と酸層との間に吸水性シートを備え、前記炭酸塩層および前記酸層は、前記吸水性シートの表面に炭酸塩粒子または酸粒子と熱融着性樹脂との混合物を配置して熱により前記熱融着性樹脂を溶融することにより得られたものであることを特徴とする。つまり、本実施形態において、使い捨て型機能性材料カートリッジとして用いられる炭酸ガス発生シートは、機能性材料である炭酸塩および酸と、機能性材料に接触して用いられる吸水性材料である吸水性シートと、を含んでいる。
本実施形態において、吸水性シートとしては、水分を通す性質(通水性)を有するシート、および水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートのうちから任意のシートを用いることができる。水分を通す性質(通水性)を有するシートとしては、水を通しさえすればよく、何ら限定はない。水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートとしては、水分を内部に取り込んで保持することができるとともに、内部の水分を放出することができるシートを使用することができる。すなわち、本発明の実施形態に適用することのできる水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートは、水を通す性質(通水性)を有するシートの一種であるといえる。炭酸ガス発生シートにおける吸水性シートは、本発明の実施形態の使い捨て型機能性材料カートリッジにおける通水性シートとして機能することができ、吸上材から供給された液体を面方向に拡散し得る。
炭酸塩層において、炭酸塩粒子は、一部が熱融着性樹脂により被覆された状態で固着されている。同様に、酸層において、酸粒子は、一部が熱融着性樹脂により被覆された状態で固着されている。本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートは、製造工程中における炭酸塩と酸との間の反応を防止するために、乾式法で製造される。
(層構成および作用効果)
図3は、本実施形態の第1の態様に係る炭酸ガス発生シートの構成を限定目的ではなく例示目的で示す図である。図中において、同一の符号は同一の構成要素を示す。同一の構成要素に関しては、重複する説明を割愛する場合がある。
図3(a)に示す本実施形態の第1の態様に係る炭酸ガス発生シートは、吸水性シート300と、炭酸塩層130と、吸水性シート300と、酸層230と、吸水性シート300と、を順に積層した構成を有する。炭酸塩層130は、炭酸塩粒子13および熱融着性樹脂16の混合物を吸水性シート300の表面に配置して、熱融着性樹脂16を熱溶融させる工程を経て形成された層である。また、酸層230は、炭酸塩粒子23および熱融着性樹脂16の混合物を吸水性シート300の表面に配置して、熱融着性樹脂16を熱溶融させる工程を経て形成された層である。吸水性シート300は通水性を有するため、液体が供給されると、供給された液体を面方向に広げて、炭酸塩層130および酸層230の炭酸塩および酸に適用することができる。
図3(a)の構成においては、炭酸塩層130中で、炭酸塩粒子13はその一部が熱融着性樹脂により被覆された状態で固定されている。そのため、炭酸塩粒子13は炭酸ガス発生シートから粉落ちし難く、また、炭酸ガス発生シートの使用時に、水分は炭酸塩と接触することができる。熱融着性樹脂と炭酸塩粒子が均一に分散しているため、炭酸塩粒子を面内で均一に配置することが可能となる。
同様に、酸層230中で、酸粒子23はその一部が熱融着性樹脂により被覆された状態で固定されている。そのため、酸粒子23は炭酸ガス発生シートから粉落ちし難く、また、炭酸ガス発生シートの使用時に、水分は酸と接触することができる。熱融着性樹脂と酸粒子が均一に分散しているため、酸粒子を面内で均一に配置することが可能となる。
また、炭酸塩層130および酸層230の上面を覆って吸水性シート300が設けられていることから、炭酸ガス発生シートからの炭酸塩または酸の粉落ちの可能性を、さらに低減させることができ、また供給された液体を面方向に広げることができる。なお、炭酸ガス発生シートの内層に相当する吸水性シート300を有し、炭酸ガス発生シートの外層に相当する吸水性シート300の一方または両方を有さない構成も、本発明の範囲である。
図3(b)に示す炭酸ガス発生シートは、図3(a)に示す構成のうち、炭酸塩層130および酸層230の上面を覆って設けられた吸水性シート300のうちの一方を、相対的に通気性の低いフィルム400で置き換えた構成を示す。片面に通気性の低いフィルム400を有する構成では、図3(a)に示す構成と同様の粉落ち防止効果に加え、使用時に発生した炭酸ガスがフィルム配置側の面から放出されることを防止または抑制するという効果を奏することができる。
この構成の炭酸ガス発生シートを使い捨て型機能性材料カートリッジとして用いる場合
は、例えば、フィルム400配置側の面を反応装置の容器の底面と対向させて配置することで、フィルム配置側の面とは反対側の面から外部に向かって、炭酸ガスを指向的に適用することが可能になる。この構成では、反応装置の吸上材を、炭酸ガス発生シートのフィルム400以外の層および炭酸ガス発生シートと共に配置されてもよい通水性シートのうちの少なくとも1つと接触させることで、吸上材が吸い上げた液体を炭酸ガス発生シートに拡散させることが容易になる。
また、例えば、炭酸塩層130および酸層230のうちの一方または両方は、さらに吸水性材料を含んでいてもよい。
吸水性材料としては、パルプ、麻、綿、絹、羊毛、鉱物繊維等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリ乳酸、ナイロン等の合成繊維を用いることができる。吸水性材料は、例えば解繊チョップドファイバーの形態で用いることができる。吸水性材料は、2種以上を併用しても構わない。また、吸水性材料として、吸水性樹脂粒子等の粒子の形態の助剤を用いることもできる。吸水性樹脂粒子の例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールや高分子吸収体(SAP)などが挙げられる。
図3(c)に示す炭酸ガス発生シートは、シート状の吸水性材料である吸水性シート300と、繊維や粒子のような形態の吸水性材料を含む炭酸塩層100と、吸水性シート300と、酸層230と、吸水性シート300と、を順に積層した構成を有する。吸水性材料を含む炭酸塩層100は、炭酸塩粒子13および熱融着性樹脂16の混合物に加えて吸収性材料を吸水性シート300の表面に配置して、熱融着性樹脂16を熱溶融させる工程を経て形成された層である。吸水性材料を含む炭酸塩層100において、炭酸塩粒子13および吸収性材料は、熱融着性樹脂16により一部が被覆された状態で固定されている。
図3(d)に示す炭酸ガス発生シートは、吸水性シート300と、吸水性材料を含む酸層200と、吸水性シート300と、炭酸塩層130と、吸水性シート300と比べて相対的に通気性の低いフィルム400と、を順に積層した構成を有する。吸水性材料を含む酸層200は、酸粒子23および熱融着性樹脂16の混合物に加えて吸収性材料を吸水性シート300の表面に配置して、熱融着性樹脂16を熱溶融させる工程を経て形成された層である。吸水性材料を含む酸層200において、酸粒子23および吸収性材料は、熱融着性樹脂16により一部が被覆された状態で固定されている。
図3(c)および図3(d)では、炭酸塩層および酸層のどちらか一方にのみ吸水性材料を配合したが、吸水性材料を両方の層に配合してもよい。このように、炭酸塩層および/または酸層にさらに吸水性材料を配合する構成では、図3(a)または図3(b)に示す構成と同様の粉落ち防止効果を奏する上に、炭酸塩および酸は、吸水性材料の存在により層の厚み方向に分散して存在することができる。さらに、吸水性材料は、水分を徐々に浸透させることができる。そのため、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始の時間に幅を持たせることができ、その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
また、吸水性材料を含む層において、特に吸水性材料が繊維状である場合、炭酸塩または酸は、吸水性材料の存在により層内に維持されやすくなる。また、炭酸ガス発生シートは、炭酸塩層および/または酸層に吸水性材料が含まれることにより、形状維持がされやすくなる。そのため、炭酸ガス発生シートの製造時、保管時および使用時において、炭酸塩および/または酸の歩留まりを向上させることができると共に、例えば折り畳まれるなどの変形を受けた場合でも、粉落ちを防止することができる。したがって、炭酸ガス発生剤のロスが防止され、コスト削減に繋がる。また、吸水性材料自体の選択によっても、コスト削減を図ることができる。
以上、図3(a)から(d)を用いて本発明の実施形態の第1の態様に係る炭酸ガス発生シートの構成を説明した。しかしながらこれらは例示であり、これ以外の構成や各構成の組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。
例えば、図3(a)から(d)に示す炭酸ガス発生シートは、それぞれ複数の吸水性シート300の層を含むが、これらの層は必ずしも同一の材料でなくともよい。
例えば、炭酸ガス発生シートの中間層に相当する吸水性シート300は、高い保水性を有し内部の水を徐放可能な吸水性シート500(不図示)であってもよい。炭酸塩層130と酸層230との間にそのような高い保水性を有する吸水性シート500を配置する構成では、使用時に一方の面に付与した化粧水等の水分を、時間をかけて徐々に他方の面へ浸透させることができる。したがって、炭酸塩と酸との反応開始の時間に幅を持たせることができ、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生を持続せることができる。なお、外層の吸水性シート300も、中間層に用いる高い保水性を有する吸水性シート500と同一の素材であってもよい。
(炭酸塩層)
炭酸塩層は、炭酸塩および/または重炭酸塩を含有する層である。
炭酸塩または重炭酸塩として使用可能な材料の例については、上述の通りであるので、説明を省略する。
炭酸塩層は、炭酸塩および/または重炭酸塩粒子に加えて、熱融着性樹脂をさらに含有していてもよい。この場合、炭酸塩および/または重炭酸塩粒子は、炭酸塩層中で、その一部が熱融着性樹脂により被覆された状態で固定されている。そのような炭酸塩層は、例えば、炭酸ガス発生シートを構成する他の層の表面に、炭酸塩および/または重炭酸塩粒子と熱融着性樹脂との混合物を配置して、熱により熱融着性樹脂を溶融することにより形成することができる。
(酸層)
酸層は、固体の酸を含有する層である。
酸として有機酸を使用することができる。使用可能な有機酸の例については、上述の通りであるので、説明を省略する。
酸層は、酸粒子に加えて、熱融着性樹脂をさらに含有していてもよい。この場合、酸粒子は、酸層中で、その一部が熱融着性樹脂により被覆された状態で固定されている。そのような酸層は、例えば、炭酸ガス発生シートを構成する他の層のうちの1つの表面に、酸粒子と熱融着性樹脂との混合物を配置して、熱により熱融着性樹脂を溶融することにより形成することができる。
(熱融着性樹脂)
本発明の実施形態における熱融着性樹脂は、炭酸塩層および/または酸層中に、炭酸塩粒子または酸粒子をその一部を被覆した状態で固定するバインダーの役割を果たす。熱融着性樹脂は、例えば、炭酸塩粒子または酸粒子と均一に混合され、炭酸ガス発生シートを構成する他の層のうちの1つ表面に配置され、加熱されて溶融することにより、炭酸塩層および/または酸層中に、炭酸塩粒子または酸粒子をその一部を被覆した状態で固定することができる。熱融着性樹脂は、粒子、繊維、その他の任意の形態であることができる。熱融着性樹脂は、層形成工程における炭酸塩粒子または酸粒子との均一混合の観点からは、粒子状であることが望ましい。また、熱融着性樹脂は、複数の炭酸塩粒子間または複数の酸粒子間を接合する観点からは、繊維状であることが望ましい。熱融着性樹脂は、例えば、ショートカットファイバーの形態であることができる。種々の形状の熱融着性樹脂を併用してもよい。
熱融着性樹脂としては、例えば、融点が95℃〜130℃の低密度ポリエチレン(PE)、融点が120℃〜140℃の高密度ポリエチレン、融点が160℃〜165℃のホモポリマーまたはブロックコポリマーからなるポリプロピレン(PP)、融点が135℃〜150℃のコポリマーからなるポリプロピレン、融点が110〜190℃の低融点ポリエチレンテレフタレート(PET)、融点が100〜130℃の低融点ポリアミド、融点が110℃〜150℃の低融点ポリ乳酸、融点が115℃のポリブチレンサクシネート等が挙げられる。融点が110℃を超える熱可塑性樹脂は、本発明の実施形態において好ましく使用される。熱融着性樹脂は2種類以上を併用しても構わない。
熱融着性樹脂が繊維状である場合、熱融着性繊維の繊度は1dtex〜120dtexであることが好ましく、1dtex〜85dtexであることがより好ましい。また、熱融着性繊維の平均繊維長は1〜100mmであることが好ましく、1〜60mmであることがより好ましく、2〜30mmであることがさらに好ましい。熱融着性繊維の繊度および平均繊維長が前記範囲であると、ウェブ層の形成が容易であり、均一な結着力や分散状態を得やすい。
熱融着性樹脂が粒子状である場合、熱融着性粒子の平均粒径は、1〜1,000μmであることが好ましく、10〜800μmであることがより好ましい。熱融着性樹脂の平均粒子径は使用する炭酸塩と酸粒子を完全に被覆しない範囲で適宜選択することができる。
(熱融着性樹脂の複合体)
上述の熱融着性樹脂は2成分以上の複合体であってもよい。たとえば、融点の異なる樹脂を複合化した芯鞘繊維、長手方向に垂直な断面で異なる樹脂を使用したサイドバイサイド繊維、コアとシェルとを有するコアシェル粒子等が挙げられる。これらの中でも、異種の樹脂を容易に複合化できることから、芯鞘繊維が好適に用いられる。
芯鞘繊維としては、芯部分の融点よりも鞘部分の融点が低い芯鞘繊維が好適に用いられる。例えば、ポリプロピレン繊維(融点160℃)からなる芯部分と、該芯部分の外周に形成された、ポリエチレン(融点130℃)からなる鞘部分とを備えたPP/PE複合芯鞘繊維が挙げられる。
また、他の芯鞘繊維としては、例えば、PET/低融点PET複合芯鞘繊維、高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン複合芯鞘繊維、ポリエチレン/低融点PET複合芯鞘繊維、ポリアミド/低融点ポリアミド複合芯鞘繊維、ポリ乳酸/低融点ポリ乳酸複合芯鞘繊維、ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート複合芯鞘繊維等が挙げられる。
一般的な芯鞘繊維は鞘部分の融点が110℃を超えるものが多く、そのような芯鞘繊維は本発明の実施形態において好ましく使用される。
本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートに芯部分の融点よりも鞘部分の融点が低い芯鞘繊維を用いた場合、鞘部分の融点以上であって芯部分の融点よりも低い温度に加熱されると、鞘部分の樹脂は溶融し、芯部分の樹脂は形状を維持する。これにより、鞘部分の溶融した樹脂は、炭酸塩層中に炭酸塩および/または重炭酸塩を保持し、および/または酸層中に酸を保持するとともに、吸水性材料と芯部分の繊維とにより構成される構造体の構成成分同士を結着する効果を示す。そのため、本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートは、シート内の空隙を確保した上でシート強度を付与し、柔らかで強度に優れたシートを提供することが可能となる。
上述したような2成分以上の複合体は、外部に露出する熱融着性樹脂の存在により、熱融着性を提供することができ、バインダーとして機能することができる。したがって、これらの複合体は、本発明の実施形態において熱融着性樹脂として配合されることができる。
(吸水性材料)
本発明の実施形態の第1の態様においては、炭酸塩層および酸層の少なくとも一方に、吸水性材料が含有されていてもよい。吸水性材料の例は、上述の通りである。吸水性材料は、例えば解繊チョップドファイバーの形態で用いることができる。吸水性材料は、2種以上を併用しても構わない。また、吸水性材料として、吸水性樹脂粒子等の粒子の形態の助剤を用いることもできる。吸水性樹脂粒子の例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールや高分子吸収体(SAP)などが挙げられる。
炭酸塩または酸は、吸水性材料の存在により、層内で分散して存在することができる。また、本発明の実施形態の吸収性材料は、炭酸ガス発生シートの使用時に、水および水に溶解した炭酸塩または酸と接触してこれらを吸収し、保持する一方で、徐放することができるので、炭酸ガス発生シート内で、水分を徐々に浸透させることができる。したがって、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始の時間に幅を持たせることができ、その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
(効果促進剤)
本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートには、その用途に応じて、1つまたは複数の効果促進剤を配合することができる。
効果促進剤としては、例えば:油性基剤、保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘・ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、pH調整剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類およびその誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、金属含有化合物、不飽和単量体、多価アルコール、高分子添加剤、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌性物質、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、生薬、補助剤、湿潤剤、増粘剤、粘着付与物質、止痒剤、角質軟化剥離剤、油性原料、紫外線遮断剤、防腐殺菌剤、抗酸化物質、液状マトリックス、脂溶性物質、高分子カルボン酸塩、添加剤、金属セッケン等、が挙げられる。
効果促進剤は、例えば、炭酸塩層および酸層のうちの一方または両方に配合することができる。また、他の層に加えることもできる。
(吸水性シート)
吸水性シート300としては、水分を通す性質(通水性)を有するシート、および水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートのうちから任意のシートを用いることができる。水分を通す性質(通水性)を有するシートとしては、水を通しさえすればよく、何ら限定はない。水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートとしては、水分を内部に取り込んで保持することができるとともに、内部の水分を放出することができるシートを使用することができる。すなわち、本発明の実施形態に適用することのできる水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートは、水を通す性質(通水性)を有するシートの一種であるといえる。つまり、炭酸ガス発生シートにおける吸水性シートは、本発明の実施形態の使い捨て型機能性材料カートリッジにおける通水性シートとして機能し得る。吸水性シート300は、JIS L1907規格に規定される沈降速度の測定方法に準じて測定される吸水速度が60秒以下であり、30秒以下であることがさらに好ましい。もしくは、JIS L1907規格に規定される滴下法による吸水(もしくは通水)速度が60秒以下であり、30秒以下であることがさらに好ましい。吸水性シート300は、吸水性が低いほど水を通す速度が速く、これを用いた炭酸ガス発生シートでは、炭酸塩と酸との反応が迅速に進み、炭酸ガスを短時間に集中的に発生させることができる。また、吸水性シート300は、吸水性(水分の保持力)が高いほど、炭酸塩と酸との反応の開始を遅らせることができるので、炭酸ガス発生シート全体での炭酸ガスの発生の持続時間を長くすることができる。吸水性シート300は、例えば、不織布、布または他のメッシュ構造を有するシートであることができ、例えば、ワリフ(登録商標)などの特殊不織布であることができる。
高い保水性を有する吸水性シート500としては、内部を通る水分または内部に吸収した水分を時間をかけて徐々に放出することが可能な性質を有する任意のシートを用いることができる。
また、意匠性付与等を目的として、炭酸ガス発生シートの外層となる吸水性シートの表面には、凹凸などの表面加工を施してもよい。
表面に使用する吸水性シートとして、厚手のシートや密度の低いシートを使用することで、炭酸ガス発生シートの外面に現れる粒状感を低減する効果がある。一方、薄手のシートや通水性、通気性の高いシートを使用すると、炭酸ガス発生シートの表面からの水分の浸入および発生した炭酸ガスの外部への放出が妨げられにくく、炭酸ガス発生の即時効果を得やすい。用途や目的に合わせて、吸水性シートは適宜選択される。
(フィルム)
フィルム400として、吸水性シート300と比べて通気性が相対的に低い、任意のフィルムを用いることができる。
フィルム400を用いる構成の炭酸ガス発生シートを使い捨て型機能性材料カートリッジとして用いる場合は、例えば、フィルム400配置側の面を反応装置の容器の底面と対向させて配置することで、フィルム配置側の面とは反対側の面から容器の外部に向かって、炭酸ガスを指向的に適用することが可能になる。この構成では、反応装置の吸上材を、炭酸ガス発生シートのフィルム400以外の層および炭酸ガス発生シートと共に配置されてもよい通水性シートのうちの少なくとも1つと接触させることで、吸上材が吸い上げた液体を炭酸ガス発生シート内に拡散させることが容易になる。
フィルムは、通気性が低いほど、炭酸ガス発生シートの使用時に発生した炭酸ガスのフィルム配置側の面からの放出防止/抑制効果は高くなる。そのため、フィルム配置側の面とは反対側の面を容器の外部に向けて適用することにより、炭酸ガスを指向的に適用することが可能になるという効果を奏する。その一方で、通気性が低いと液体の供給が困難となったり、炭酸ガスがシート内に篭り易くなったりするため、フィルムは適度な通気性を有していてもよい。例えば、日本工業規格JIS L1096:2010に規定される「織物及び編物の生地試験方法」によって測定される通気度が、好ましくは200cm3/cm2/s以下、より好ましくは150cm3/cm2/s以下のフィルムを用いることができる。この通気度は、所定の圧力を加えた時の単位面積、単位時間あたりのフィルムを透過する空気量であり、値が大きいほど通気性が高いことを示す。炭酸ガス発生シートの他の層、特に、吸水性シートと比べて通気性が相対的に低いフィルムを使用することで、炭酸ガスの透過に指向性を持たせることができる。
フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
本構成では、図3(a)に示す構成と同様の粉落ち防止効果に加え、使用時に発生した炭酸ガスを指向的にフィルム配置側の面から放出されることを防止または抑制するという効果を奏することができる。
(各成分の含有比率)
炭酸ガス発生シートにおける炭酸塩および酸は、コストの観点からは、それぞれ化学当量で使用されることが好ましいが、肌への影響を鑑みると酸を過配合にして、反応後のpHが5程度となるように調整することもできる。また、炭酸塩および酸の粒子径等の要因による溶解性の違いにより、炭酸塩及び酸の好ましい配合比率は異なる場合があり、適宜、調整することができる。
炭酸塩層および酸層のそれぞれにおいて、炭酸塩または酸と熱融着性樹脂との含有比率(質量基準)は、例えば2/98〜98/2であることができ、5/95〜95/5であることができ、10/90〜90/10であることができる。比率が前記範囲にあると、炭酸ガス発生シートの面内方向の炭酸塩および酸が均一に配合でき、粉落ちを抑制することができる。
炭酸塩層および酸層のそれぞれにおいて、さらに吸水性材料が含有されている場合は、炭酸塩または酸と熱融着性樹脂と吸収材料との含有比率(質量基準)は、例えば2/49/49〜96/2/2であることができ、6/47/47〜94/3/3であることができ、10/45/45〜90/5/5であることができる。比率が前記範囲にあると、炭酸塩および酸は、炭酸ガス発生シートの面内方向で均一に配置されることができるとともに、吸水性材料の存在により、層内で分散して存在することができる。また、本発明の実施形態の吸水性材料は、炭酸ガス発生シートの使用時に、水および水に溶解した炭酸塩または酸と接触してこれらを吸収し、保持する一方で、徐放することができるので、炭酸ガス発生シート内で、水分を徐々に浸透させることができる。したがって、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始の時間に幅を持たせることができ、その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
その他、炭酸塩層、酸層および他の層のうちの1つまたは複数の層に、1つまたは複数の効果促進剤を、適量、配合することができる。
(坪量)
炭酸ガス発生シートの坪量は、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、30〜300g/m2であることが好ましい。
<炭酸ガス発生シートの製造方法>
本実施形態の第1の態様に係る炭酸ガス発生シートの製造方法として、例えば、ウェブ層を搬送するためのキャリアシート上に、酸粒子または炭酸塩粒子と例えばポリエチレン(PE)のような熱融着性樹脂との均一混合物を配置し、その上に、吸水性シートとなるウェブ層を積層し、さらにその上に、炭酸塩粒子または酸粒子と例えばポリエチレン(PE)のような熱融着性樹脂との均一混合物を配置し、さらにその上にキャリアシートを配置して、熱融着性樹脂を加熱処理により溶融させて接合する方法がある。このとき、キャリアシートに本発明の吸水性シートを用いて、本発明の第1の態様に係る層構成を有する炭酸ガス発生シートを得てもよい。また、キャリアシートの1つに、他の層と比べて通気性が相対的に低い任意のフィルムを用いて、本実施形態の第1の態様に係る層構成を有する炭酸ガス発生シートを得てもよい。キャリアシートは、本発明の実施形態において必須ではなく、上記加熱処理後に、形成された積層体から剥がしてもよい。製造時における炭酸塩と酸との反応を防ぐために、本発明の実施形態において、これらの積層は乾式法にて行う。また、別の実施形態として例えば、エアレイド法を採用するウェブ形成装置を用いる方法がある。
(エアレイド法を採用する炭酸ガス発生シートの製造方法)
エアレイド法を採用する本実施形態の炭酸ガス発生シートの製造方法は、解繊工程と混合工程とウェブ形成工程と結着工程とを有する。
(解繊工程)
解繊工程は、ショートカットファイバーの形態の熱融着性樹脂を、空気流によって解繊して解繊ショートカットファイバーを得る工程である。
ショートカットファイバーの空気流による解繊方法では、ブロアー等によって空気流を形成し、その空気流にショートカットファイバーを供給し、空気流の攪拌効果によって解繊する。
解繊方法としては、旋回する空気流で解繊することが好ましい。旋回する空気流を利用した解繊方法によれば、ショートカットファイバーを充分に解繊することができ、エアレイド法によってエアレイドウェブを形成する際に、解繊ショートカットファイバーの分散性をより高めることができる。
旋回する空気流を利用した解繊方法としては、例えば、ブロアーの中にショートカットファイバーを投入してブロアーにて解繊する方法が挙げられる。また、ブロアーによって円筒容器内に、周方向に沿うように空気を送って旋回流を形成し、その旋回流の中にショートカットファイバーを供給し、攪拌して解繊する方法が挙げられる。
空気流の流速は、ショートカットファイバーの量に応じて適宜選択されるが、通常は、10〜150m/秒の範囲内である。
(混合工程)
混合工程は、解繊ショートカットファイバーの形態の熱融着性樹脂と炭酸塩または酸とを混合してウェブ原料を得る工程である。このとき同時に、任意の他の材料を混合することができる。任意の他の材料の形状は、繊維状でも粒子状でもよい。任意の他の材料の例としては、吸水性樹脂粒子や効果促進剤等の必要に応じて添加される助剤等が挙げられる。これらの材料の添加順に特に限定は無く、また、これらの材料は、混合工程よりも後の工程で、例えば散布等によって添加することもできる。
混合に際しては、解繊ショートカットファイバーの分散性を向上させるために、解繊ショートカットファイバーと炭酸塩または酸とを攪拌することが好ましい。ただし、解繊ショートカットファイバーの破断を防ぐために、機械的剪断力を利用した攪拌ではなく、空気流を用いた攪拌を適用することが好ましい。
混合工程は、解繊工程の後でもよいし、解繊工程と同時でもよい。混合工程を解繊工程と同時とする場合には、解繊工程での空気流を利用して、解繊ショートカットファイバーと炭酸塩または酸とを混合する。また、後述する粒子散布工程で解繊ショートカットファイバーのウェブ形成ラインに炭酸塩または酸の粉体を投入し、混合してもよい。
(ウェブ形成工程)
ウェブ形成工程は、エアレイド法によってウェブ原料からエアレイドウェブを得る工程である。ここで、エアレイド法とは、空気流を利用して繊維を3次元的にランダムに堆積させてウェブを形成する方法である。
(粒子散布工程)
粒子散布工程は、既知の方法よってウェブ原料に粉体を配合する工程である。繊維に粉体を混合してウェブを形成する方式もしくはウェブやキャリアシートの表面に散布する方式のいずれを用いてもよい。
本実施形態におけるウェブ形成工程では、例えば、コンベア10と透気性無端ベルト20と繊維混合物供給手段30と第1のキャリアシート供給手段40と第2のキャリアシート供給手段50とサクションボックス60と備えるウェブ形成装置1を用いることができる(不図示)。
ここで、コンベア10は、複数のローラー11によって構成されている。透気性無端ベルト20は、コンベア10に装着されて回転するようになっている。繊維混合物供給手段30は、透気性無端ベルト20に繊維混合物を空気流と共に供給するものである。第1のキャリアシート供給手段40は、透気性無端ベルト20に向けて第1のキャリアシート41を供給するものである。第2のキャリアシート供給手段50は、透気性無端ベルト20を通過した第1のキャリアシート41に向けて第2のキャリアシート51を供給するものである。サクションボックス60は、透気性無端ベルト20をその内側から吸引するものである。
ウェブ形成装置1においては、繊維混合物供給手段30は透気性無端ベルト20の上方に設置され、第1のキャリアシート供給手段40は透気性無端ベルト20よりも上流に設置され、第2のキャリアシート供給手段50は透気性無端ベルト20よりも下流に設置されている。
上記ウェブ形成装置1を用いたウェブ形成工程では、各ローラー11を同方向に回転させることによりコンベア10を駆動させて透気性無端ベルト20を回転させる。また、透気性無端ベルト20の上に接触するように、第1のキャリアシート41を第1のキャリアシート供給手段40から繰り出す。
次いで、サクションボックス60によって透気性無端ベルト20を吸引しながら、繊維混合物供給手段30から空気流と共に繊維混合物を下降させ、透気性無端ベルト20上の第1のキャリアシート41上に繊維混合物を落下、堆積させる。これにより、エアレイドウェブAを形成する。
次いで、エアレイドウェブAの上に、第2のキャリアシート51を第2のキャリアシート供給手段50より供給して、エアレイドウェブ含有積層シートを得る。
(結着工程)
結着方式は、水を使わずに結着させる観点から、サーマルボンド方式を使用することが好ましい。サーマルボンド方式による結着工程は、エアレイドウェブを加熱処理して、解繊ショートカットファイバー同士を熱融着性樹脂によって結着させる工程である。
エアレイドウェブの加熱処理としては、熱風処理、赤外線照射処理が挙げられ、装置が低コストである点では、熱風処理が好ましい。
熱風処理としては、エアレイドウェブを、周面に通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアードライヤに接触させて熱処理する方法(熱風循環ロータリードラム方式)や、エアレイドウェブを、ボックスタイプドライヤに通し、エアレイドウェブに熱風を通過させることで熱処理する方法(熱風循環コンベアオーブン方式)などが挙げられる。
本実施形態のように、エアレイドウェブが第1のキャリアシートおよび第2のキャリアシートに挟まれて積層シートになっている場合には、積層シートのまま熱風処理してもよい。第1のキャリアシートおよび第2のキャリアシートは、熱風処理後にエアレイドウェブから剥離することができる。加熱処理温度は、熱融着性樹脂が溶融する温度とすればよい。例えば、一般的にサーマルボンド方式に使用されるPP、PEなどの材料を使用する場合、加熱温度を115℃以上に設定することが望ましい。
結着工程の後には、炭酸ガス発生シートの厚みおよび密度を微調整する目的で、加熱ロールに通して圧縮処理してもよい。
(作用効果)
上記製造方法では、炭酸塩または酸の粒子と熱融着性樹脂とを均一に配合することができる。そのため、シートの面内方向で均一にガスを発生させることができる。
炭酸塩または酸が熱融着性樹脂と配合されることによって、炭酸ガス発生シート内において炭酸塩または酸が熱融着性樹脂をバインダーとしてしっかりと固定され得るため、粉落ちを防ぐことができる。
[第2の態様]
図4を参照して、本発明の実施形態の第2の態様に係る炭酸ガス発生シートの層構成および作用効果について説明する。第1の態様と同様の構成については説明を割愛する場合がある。
<炭酸ガス発生シート>
本発明の実施形態の第2の態様に係る炭酸ガス発生シートは、炭酸塩層および酸層を備える積層体であり、炭酸塩層および酸層は隣接して設けられており、炭酸塩層および酸層のうちの少なくとも一方は吸水性材料を含む層である。本発明の第2の態様に係る炭酸ガス発生シートは、製造工程中における炭酸塩と酸との間の反応を防止するために、乾式法で製造され
る。
(層構成および作用効果)
図4は、本発明の実施形態の第2の態様に係る炭酸ガス発生シートの構成を限定目的ではなく例示目的で示す図である。図中において、同一の符号は同一の構成要素を示す。同一の構成要素に関しては、重複する説明を割愛する場合がある。
図4(a)および(b)は、それぞれ、炭酸塩層および酸層のうちの一方が吸水性材料を含む層であり、他方が吸水性材料を含まない層である例である。
詳細には、図4(a)に示す炭酸ガス発生シートは、吸水性材料を含む酸層200と、吸水性材料を含まない炭酸塩層120と、吸水性シート300と、を順に積層した構成を有する。また、図2(b)に示す炭酸ガス発生シートは、吸水性材料を含む炭酸塩層100と、吸水性材料を含まない酸層220と、吸水性シート300と、を順に積層した構成を有する。
図4(a)および(b)の構成においては、炭酸塩層および酸層のうちの一方に吸水性材料を含むため、層の厚み方向における炭酸塩または酸の分布を広げると共に、使用時に水分を徐々に浸透させることができる。したがって、炭酸塩と酸との反応開始の時間に幅を持たせることができる。また、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生を持続せることができる。
図4(a)および(b)の構成においては、吸水性シート300を表面に含む。そのため、使用時に、化粧水等の水を十分に透過させて炭酸塩と酸との反応を促すことができる。また、吸水性シート300は、吸水性材料を含まない層120、220の上面を覆って設けられていることから、炭酸ガス発生シートからの炭酸塩または酸の粉落ちを防止することができる。
図4(c)は、炭酸塩層100および酸層200の両方が吸水性材料を含む層である例である。炭酸塩層および酸層の両方に吸水性材料を含むため、炭酸塩または酸の厚み方向における分布を広げると共に、使用時に水分を徐々に浸透させることができ、炭酸塩と酸との反応開始の時間に幅を持たせることができる。したがって、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生を持続させることができる。
図4(d)および(e)は、図4(c)に示す構成に対して片面または両面に吸水性シート300をさらに積層した例である。吸水性シート300を表面に含むため、使用時に化粧水等の水を十分に透過させまたは保持して炭酸塩と酸との反応を促すことができる。なお、本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートにおいて吸水性シート300の層が複数含まれる場合、それらは必ずしも同一の材料でなくともよい。表面にシート300を設ける場合、酸もしくは塩基が肌と直接触れるのを防ぐことができるため、炭酸ガス発生シートを取り扱う者に対する酸もしくはアルカリによる刺激を緩衝させる効果がある。
図4(f)に示す炭酸ガス発生シートは、図4(d)に示す構成に対して、吸水性シート300を有さない方の表面に相対的に通気性の低いフィルム400を設けた例である。
図4(f)の構成においては、片面に相対的に通気性の低いフィルム400を有するため、使用時に発生した炭酸ガスがフィルム配置側の面から放出されることを防止または抑制することができる。この構成の炭酸ガス発生シートを使い捨て型機能性材料カートリッジとして用いる場合は、例えば、フィルム400配置側の面を反応装置の容器の底面と対向させて配置することで、フィルム配置側の面とは反対側から容器の外部に向かって炭酸ガスを指向的に適用することが可能になる。
以上、図4(a)から(f)を用いて本発明の炭酸ガス発生シートの構成を説明した。しかしながらこれらは例示であり、これ以外の構成、例えば図中、炭酸塩と酸との関係が逆の構成例も本発明の範囲に含まれる。
(炭酸塩層)
炭酸塩層は、炭酸塩および/または重炭酸塩を含有する層である。炭酸塩または重炭酸塩として使用可能な材料および効果については、上述の通りであるので、説明を省略する。
(酸層)
酸層は、固体の酸を含有する層である。酸は、有機酸であることができる。有機酸として使用可能な材料および効果については、上述の通りであるので説明を省略する。
(吸水性材料を含む層)
上述の本発明の実施形態の第1の態様においては、炭酸塩層および酸層の少なくとも一方に、吸水性材料が含有されていてもよいことを説明した。これに対し、本発明の実施形態の第2の態様においては、炭酸塩層および酸層の少なくともいずれか一方に、吸水性材料を含有させることを必須の構成要件とする。この吸水性材料を含有させた層が、本発明の第2の態様における吸水性材料を含む層となる。
(吸水性材料)
使用可能な吸水性材料については、上述の通りであるので、説明を省略する。
炭酸塩または酸は、吸水性材料の存在により、層内で分散し、厚み方向において分布が広がって存在することができる。また、本発明の吸収性材料は、炭酸ガス発生シートの使用時に、水および水に溶解した炭酸塩または酸と接触してこれらを吸収し、保持する一方で、徐放することができるので、炭酸ガス発生シート内で、水分を徐々に浸透させることができる。したがって、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始の時間に幅を持たせることができ、その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
(効果促進剤)
本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートには、その用途に応じて、1つまたは複数の効果促進剤を配合することができる。
効果促進剤としては、例えば:油性基剤、保湿剤、感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘・ゲル化剤、溶剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤、抗菌剤、キレート剤、pH調整剤、酸、アルカリ、粉体、無機塩、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類およびその誘導体類、消炎剤、抗炎症剤、育毛用薬剤、血行促進剤、刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤、抗老化剤、ひきしめ剤、冷感剤、温感剤、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、酵素、核酸、香料、色素、着色剤、染料、顔料、金属含有化合物、不飽和単量体、多価アルコール、高分子添加剤、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌性物質、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、生薬、補助剤、湿潤剤、増粘剤、粘着付与物質、止痒剤、角質軟化剥離剤、油性原料、紫外線遮断剤、防腐殺菌剤、抗酸化物質、液状マトリックス、脂溶性物質、高分子カルボン酸塩、添加剤、金属セッケン等、が挙げられる。
効果促進剤は、例えば、炭酸塩層および酸層のうちの一方または両方に配合することができる。また、他の層に加えることもできる。
(熱融着性樹脂)
本発明の実施形態における熱融着性樹脂は、吸水性材料および炭酸塩または酸を結着させるバインダー樹脂となる。また、熱融着性樹脂は、炭酸ガス発生シートにおける強度付与の効果があり、形状が維持されやすくなる。
熱融着性樹脂は繊維状であってもよいし、粒子状であってもよい。強度がより高くなる点からは、熱融着性樹脂は繊維状であることが好ましい。熱融着性樹脂は、例えば、ショートカットファイバーの形態であってもよい。
熱融着性樹脂としては、例えば、融点が95℃〜130℃の低密度ポリエチレン(PE)、融点が120℃〜140℃の高密度ポリエチレン、融点が160℃〜165℃のホモポリマーまたはブロックコポリマーからなるポリプロピレン(PP)、融点が135℃〜150℃のコポリマーからなるポリプロピレン、融点が110〜190℃の低融点ポリエチレンテレフタレート(PET)、融点が100〜130℃の低融点ポリアミド、融点が110℃〜150℃の低融点ポリ乳酸、融点が115℃のポリブチレンサクシネート等が挙げられる。融点が110℃を超える熱可塑性樹脂は、本発明の実施形態において好ましく使用される。熱融着性樹脂は2種類以上を併用しても構わない。
熱融着性樹脂が繊維状である場合、熱融着性繊維の繊度は1dtex〜120dtexであることが好ましく、1dtex〜85dtexであることがより好ましい。また、熱融着性繊維の平均繊維長は1〜100mmであることが好ましく、1〜60mmであることがより好ましく、2〜30mmであることがさらに好ましい。熱融着性繊維の繊度および平均繊維長が前記範囲であると、ウェブ層の形成が容易であり、均一な結着力や分散状態を得やすい。
熱融着性樹脂が粒子状である場合、熱融着性粒子の平均粒径は、1〜1,000μmであることが好ましく、10〜800μmであることがより好ましい。熱融着性樹脂の平均粒子径は使用する炭酸塩と酸粒子を完全に被覆しない範囲で適宜選択することができる。
(熱融着性樹脂の複合体)
熱融着性樹脂は2成分以上の複合体であってもよい。たとえば、融点の異なる樹脂を複合化した芯鞘繊維、長手方向に垂直な断面で異なる樹脂を使用したサイドバイサイド繊維、コアとシェルとを有するコアシェル粒子等が挙げられる。これらの中でも、異種の樹脂を容易に複合化できることから、芯鞘繊維が好適に用いられる。
芯鞘繊維としては、芯部分の融点よりも鞘部分の融点が低い芯鞘繊維が好適に用いられる。例えば、ポリプロピレン繊維(融点160℃)からなる芯部分と、該芯部分の外周に形成された、ポリエチレン(融点130℃)からなる鞘部分とを備えたPP/PE複合芯鞘繊維が挙げられる。
また、他の芯鞘繊維としては、例えば、PET/低融点PET複合芯鞘繊維、高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン複合芯鞘繊維、ポリエチレン/低融点PET複合芯鞘繊維、ポリアミド/低融点ポリアミド複合芯鞘繊維、ポリ乳酸/低融点ポリ乳酸複合芯鞘繊維、ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート複合芯鞘繊維等が挙げられる。 一般的な芯鞘繊維は鞘部分の融点が110℃を超えるものが多く、そのような芯鞘繊維は本発明の実施形態において好ましく使用される。
本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートに芯部分の融点よりも鞘部分の融点が低い芯鞘繊維を用いた場合、鞘部分の融点以上であって芯部分の融点よりも低い温度に加熱されると、鞘部分の樹脂は溶融し、芯部分の樹脂は形状を維持する。これにより、鞘部分の溶融した樹脂は、炭酸塩層中に炭酸塩および/または重炭酸塩を保持し、および/または酸層中に酸を保持するとともに、吸水性材料と芯部分の繊維とにより構成される構造体の構成成分同士を結着する効果を示す。そのため、本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートは、シート内の空隙を確保した上でシート強度を付与し、柔らかで強度に優れたシートを提供することが可能となる
(吸水性シート)
使用可能な吸水性シート300については、上述の通りであるので、説明を省略する。吸水性シート300は、吸水性(水分の保持力)が高いほど、炭酸塩と酸との反応の開始を遅らせることができるので、炭酸ガス発生シート全体での炭酸ガスの発生の持続時間を長くすることができる。吸水性シート300は、例えば、不織布、布または他のメッシュ構造を有するシートであることができ、例えば、ワリフ(登録商標)などの特殊不織布であることができる。
また、意匠性付与等を目的として、炭酸ガス発生シートの外層となる吸水性シートの表面には、凹凸などの表面加工を施してもよい。表面に使用する吸水性シートとして、厚手のシートや密度の低いシートを使用することで、炭酸ガス発生シートの外面に現れる粒状感を低減する効果がある。一方、薄手のシートや通水性、通気性の高いシートを使用すると、炭酸ガス発生シートの表面からの水分の浸入および発生した炭酸ガスの外部への放出が妨げられにくく、炭酸ガス発生の即時効果を得やすい。用途や目的に合わせて、吸水性シートは適宜選択される。
(フィルム)
フィルム400としては、吸水性シート300と比べて通気性が相対的に低い、任意のフィルムを用いることができる。フィルム400を用いる構成の炭酸ガス発生シートを使い捨て型機能性材料カートリッジとして用いる場合は、例えば、フィルム400配置側の面を反応装置の容器の底面と対向させて配置することで、フィルム配置側の面とは反対側の面から容器の外部に向かって、炭酸ガスを指向的に適用することが可能になる。この構成では、反応装置の吸上材を、炭酸ガス発生シートのフィルム400以外の層および炭酸ガス発生シートと共に配置されてもよい通水性シートのうちの少なくとも1つと接触させることで、吸上材が吸い上げた液体を炭酸ガス発生シート内に拡散させることが容易になる。
フィルムは、通気性が低いほど、炭酸ガス発生シートの使用時に発生した炭酸ガスのフィルム配置側の面からの放出防止/抑制効果は高くなる。そのため、フィルム配置側の面とは反対側の面を容器の外部に向けて適用することにより、炭酸ガスを指向的に適用することが可能になるという効果を奏する。その一方で、通気性が低いと液体の供給が困難となったり、炭酸ガスがシート内に篭り易くなったりするため、フィルムは適度な通気性を有していてもよい。例えば、日本工業規格JIS L1096:2010に規定される「織物及び編物の生地試験方法」によって測定される通気度が、好ましくは150cm3/cm2/s以下で、より好ましくは200cm3/cm2/s以下フィルムを用いることができる。この通気度は、所定の圧力を加えた時の単位面積、単位時間あたりのフィルムを透過する空気量であり、値が大きいほど通気性が高いことを示す。炭酸ガス発生シートの他の層、特に、吸水性シートと比べて通気性が相対的に低いフィルムを使用することで、炭酸ガスの透過に指向性を持たせることができる。
フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
(各成分の含有比率)
炭酸ガス発生シートにおける炭酸塩および酸は、コストの観点からは、それぞれ化学当量で使用されることが好ましいが、肌への影響を鑑みると酸を過配合にして、反応後のpHが5程度となるように調整することもできる。また、炭酸塩および酸の粒子径等の要因による溶解性の違いにより、炭酸塩及び酸の好ましい配合比率は異なる場合があり、適宜、調整することができる。
炭酸塩層および酸層のそれぞれにおいて、炭酸塩または酸と熱融着性樹脂との含有比率(質量基準)は、例えば2/98〜98/2であることができ、5/95〜95/5であることができ、10/90〜90/10であることができる。比率が前記範囲にあると、炭酸ガス発生シートの面内方向の炭酸塩および酸が均一に配合でき、粉落ちを抑制することができる。
炭酸塩層および酸層のそれぞれにおいて、さらに吸水性材料が含有されている場合は、炭酸塩または酸と熱融着性樹脂と吸収材料との含有比率(質量基準)は、例えば2/49/49〜96/2/2であることができ、6/47/47〜94/3/3であることができ、10/45/45〜90/5/5であることができる。比率が前記範囲にあると、炭酸塩および酸は、炭酸ガス発生シートの面内方向で均一に配置されることができるとともに、吸水性材料の存在により、層内で分散して存在することができる。また、本発明の実施形態の吸収性材料は、炭酸ガス発生シートの使用時に、水および水に溶解した炭酸塩または酸と接触してこれらを吸収し、保持する一方で、徐放することができるので、炭酸ガス発生シート内で、水分を徐々に浸透させることができる。したがって、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始の時間に幅を持たせることができ、その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
その他、炭酸塩層、酸層および他の層のうちの1つまたは複数の層に、1つまたは複数の効果促進剤を、適量、配合することができる。
(坪量)
炭酸ガス発生シートの坪量は、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、30〜300g/m2であることが好ましい。
<炭酸ガス発生シートの製造方法>
本発明の実施形態の第2の態様に係る炭酸ガス発生シートの製造方法として、例えば、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で吸水性材料を含む層を作製し、これに対し他の層を別途積層させる製造方法を用いることができる。そのような方法として、炭酸塩または酸を含有する吸水性材料を含む層の表面に、酸粒子または炭酸塩粒子と例えばポリエチレン(PE)のような融着性バインダー粒子との均一混合物を配置し、融着性バインダーを熱により溶融させて接合する方法がある。あるいはまた、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で吸水性材料を含む層を作製する際に、ウェブ層を搬送するためのキャリアシートに本発明の吸水性シートを用いることによって積層体を形成して、本発明の第2の態様に係る層構成を有する炭酸ガス発生シートを得てもよい。また、別途作製した炭酸ガス発生シートの各層を、エンボス加工やヒートシール加工により接合させてもよい。また、炭酸ガス発生シートの各層の接合面の少なくとも一方に粘着層を設けて、各層を接合させる方法などもある。製造時における炭酸塩と酸との反応を防ぐために、本発明の実施形態において、これらの積層は乾式法にて行う。
乾式法により積層を行うことにより製造された本発明の炭酸ガス発生シートにおいて、酸粒子および炭酸塩粒子は、それぞれ別個の層の中に粒子の状態で存在していることができる。そのため、本発明の実施形態の炭酸ガス発生シートは、酸粒子および炭酸塩粒子が同一の層に配合されている構成と比べて、周囲雰囲気中の水分によって両成分が容易に反応することが抑制され、安定性および貯蔵保存性に優れる。
(エアレイド法を採用する炭酸ガス発生シートの製造方法)
エアレイド法を採用する本実施形態の炭酸ガス発生シートの製造方法は、解繊工程と混合工程とウェブ形成工程と結着工程とを有する。
(解繊工程)
解繊工程は、ショートカットファイバーの形態の材料を、空気流によって解繊して解繊ショートカットファイバーを得る工程である。
ショートカットファイバーの空気流による解繊方法では、ブロアー等によって空気流を形成し、その空気流にショートカットファイバーを供給し、空気流の攪拌効果によって解繊する。
解繊方法としては、旋回する空気流で解繊することが好ましい。旋回する空気流を利用した解繊方法によれば、ショートカットファイバーを充分に解繊することができ、エアレイド法によってエアレイドウェブを形成する際に、解繊ショートカットファイバーの分散性をより高めることができる。
旋回する空気流を利用した解繊方法としては、例えば、ブロアーの中にショートカットファイバーを投入してブロアーにて解繊する方法が挙げられる。また、ブロアーによって円筒容器内に、周方向に沿うように空気を送って旋回流を形成し、その旋回流の中にショートカットファイバーを供給し、攪拌して解繊する方法が挙げられる。
空気流の流速は、ショートカットファイバーの量に応じて適宜選択されるが、通常は、10〜150m/秒の範囲内である。
(混合工程)
混合工程は、解繊ショートカットファイバーの形態の吸水性材料と炭酸塩または酸とを混合してウェブ原料を得る工程である。このとき同時に、任意の他の材料を混合することができる。任意の他の材料の形状は、繊維状でも粒子状でもよい。任意の他の材料の例としては、熱融着性樹脂、吸水性樹脂粒子、効果促進剤等の必要に応じて添加される助剤等が挙げられる。これらの材料の添加順に特に限定は無く、また、これらの材料は、混合工程よりも後の工程で、例えば散布等によって添加することもできる。
混合に際しては、解繊ショートカットファイバーの分散性を向上させるために、解繊ショートカットファイバーと他の材料とを攪拌することが好ましい。ただし、解繊ショートカットファイバーの破断を防ぐために、機械的剪断力を利用した攪拌ではなく、空気流を用いた攪拌を適用することが好ましい。
混合工程は、解繊工程の後でもよいし、解繊工程と同時でもよい。混合工程を解繊工程と同時とする場合には、解繊工程での空気流を利用して、解繊ショートカットファイバーと任意の材料を混合する。また、後述する粒子散布工程で解繊ショートカットファイバーのウェブ形成ラインに任意の粒子を投入し、混合してもよい。
(ウェブ形成工程)
ウェブ形成工程は、エアレイド法によってウェブ原料からエアレイドウェブを得る工程である。ここで、エアレイド法とは、空気流を利用して繊維を3次元的にランダムに堆積させてウェブを形成する方法である。
(粒子散布工程)
粒子散布工程は、既知の方法よってウェブ原料に粉体を配合する工程である。繊維に粉体を混合してウェブを形成する方式もしくはウェブの表面もしくはキャリアシート上に散布する方式のいずれを用いてもよい。
本実施形態におけるウェブ形成工程では、例えば、炭酸ガス発生シートの第1の態様の説明において上述したウェブ形成装置1を同様に用いることができる。
(作用効果)
上記製造方法では、粒子と吸水性材料の繊維とを、吸水性材料を含む層中に、効率良く含有させることができる。そのため、材料のロスが少なく、コスト削減が図れる。また、風合いの良いシートを容易に製造できる。
炭酸塩または酸は、吸水性材料を含む層において、吸水性材料の存在により層の厚み方向に分散して存在することができる。吸水性材料は、水分を徐々に浸透させることができ、炭酸ガス発生シートの使用時において、炭酸塩と酸との間の反応開始に幅を持たせることができる。その結果、炭酸ガス発生シート全体としての炭酸ガス発生の持続時間を長くすることができる。
II.使い捨て型機能性材料カートリッジの第2の例[シクロデキストリン含有シート]
以下、図5および図6を参照して、本発明の実施形態の使い捨て型機能性材料カートリッジとして適用可能なシクロデキストリン含有シートについて説明する。
本発明の実施形態の使い捨て型機能性材料カートリッジとして適用することのできるシクロデキストリン含有シートは、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層を備え、前記シクロデキストリン含有層が乾式法で設けられたシートである。
本明細書において、「機能性成分が包接されたシクロデキストリン」という際には、必ずしも、包接性能を有するシクロデキストリンの全量が最大量の機能性成分を包接しているものに限定されない。すなわち、本明細書における「機能性成分が包接されたシクロデキストリン」は、機能性成分が包接された状態のシクロデキストリンに加えて、機能性成分が包接されていない状態のいわゆる空のシクロデキストリンを含んでいることができるものとする。
図5を参照して、本発明の実施形態に含まれるシクロデキストリン含有シートの構成について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るシクロデキストリン含有シートの構成を限定目的ではなく例示目的で示す図である。図中において、同一の符号は同一の構成要素を示す。同一の構成要素に関しては、重複する説明を割愛する場合がある。
図5(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100を備えるシクロデキストリン含有シートを示す。図5(a)は、シクロデキストリン含有層5100のみからなるシクロデキストリン含有シートである。図5(b)および(c)は、シクロデキストリン含有層5100の片面または両面に他の層5300が積層されたシクロデキストリン含有シートである。
本発明の実施形態のシクロデキストリン含有シートは、このように、単層構造を有していてもよく、2層、3層、または図示しない4層以上の多層構造を有していてもよい。シクロデキストリン含有シートは、シクロデキストリン含有層5100を2層以上含んでいてもよい。
他の層5300に、水分を通す性質(通水性)を有するシート、および水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートのうちの任意のシートを用いることができる。水分を通す性質(通水性)を有するシートとしては、水を通しさえすればよく、何ら限定はない。水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートとしては、水分を内部に取り込んで保持することができるとともに、内部の水分を放出することができるシートを使用することができる。すなわち、本発明の実施形態に適用することのできる水分を吸収する性質(吸水性)を有するシートは、水を通す性質(通水性)を有するシートの一種であるといえる。他の層5300に用いられるこれらのシートは、本発明の実施形態における通水性シート8130として機能し得る。他の層5300に用いられるシートは、JIS L1907規格に規定される沈降速度の測定方法に準じて測定される吸水速度が60秒以下であってもよく、30秒以下であることがさらに好ましい。もしくは、JIS L1907規格に規定される滴下法による吸水(もしくは通水)速度が60秒以下であってもよく、30秒以下であることがさらに好ましい。他の層5300に用いられるシートは、吸水性が低いほど水を通す速度が速く、これを用いたシクロデキストリン含有シートでは、機能性成分が包接されたシクロデキストリンと液体との反応が迅速に進み、機能性成分を短時間に放出することができる。また、吸水性シート300は、吸水性(水分の保持力)が高いほど、機能性成分が包接されたシクロデキストリンと液体との反応の開始を遅らせることができるので、シクロデキストリン含有シート全体での機能性成分の放出の持続時間を長くすることができる。吸水性シート300は、例えば、不織布、布または他のメッシュ構造を有するシートであることができ、例えば、ワリフ(登録商標)などの特殊不織布であることができる。
高い保水性を有する吸水性シート500としては、内部を通る水分または内部に吸収した水分を時間をかけて徐々に放出することが可能な性質を有する任意のシートを用いることができる。
また、他の層5300は、例えば、シクロデキストリン含有シートの表面を改質する目的や、シクロデキストリン含有シートに強度(剛性)を付与する目的など、シクロデキストリン含有シートに何らかの機能性を付与する目的等で配設することもできる。このような目的において、他の層5300には、例えば、布、不織布、紙、フィルム等のシートを用いることができる。他の層5300には、熱融着性樹脂が含まれていてもよい。シクロデキストリン含有シートが複数の層5300を備える場合、これらの層5300は、同一材料であっても異なる材料であってもよい。
本発明の実施形態のシクロデキストリン含有シートにおいて、シクロデキストリン含有層5100に、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCのみが含まれている場合、シクロデキストリン含有シートは、他の層5300を含んでいてもよく、別体としての通水性シートと共に使用されてもよい。他の層5300および別体としての通水性シートのそれぞれは、本発明の実施形態に係る使い捨て型機能性カートリッジの通水性シートとして機能し得る。この構成によれば、反応装置の吸上材が吸い上げた液体は、他の層5300または通水性シートにより面方向に拡散され、広い範囲での反応を促すことができる。また、他の層5300を含む構成においては、シクロデキストリンの取り扱いは容易となる。
機能性成分が包接されたシクロデキストリンCは、一種類に限定されず、複数種類が含まれていることができる。すなわち、機能性成分およびシクロデキストリンのそれぞれは、一種類であってもよく複数種類であってもよい。本発明の実施形態おいて用いることのできる機能性成分の種類、およびシクロデキストリンの種類については、前述のとおりであるので説明を省略する。
本発明の実施形態において、シクロデキストリン含有層5100に、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCに加えて、繊維、熱融着性樹脂、および/または効果促進剤などが含まれていて、シクロデキストリン含有層5100自体が通水性を有する場合は、シクロデキストリン含有シートは、他の層5300を含んでいてもいなくてもよい。通水性を有するシクロデキストリン含有層5100および他の層5300は、それぞれ、本発明の実施形態に係る使い捨て型機能性カートリッジの通水性シートとして機能し得る。この構成によれば、シクロデキストリン含有シートの取り扱いは容易であり、吸上材が吸上げた液体は、通水性を有するシクロデキストリン含有層5100および/または他の層5300により面方向に拡散され、広い範囲での反応を促すことができる。
シクロデキストリン含有シートから機能性成分が包接されたシクロデキストリンCが粉落ちしないための構成の例として、以下の第1の態様から第6の態様に示すような具体的態様を説明する。
(第1の態様)
図5(d)は、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100が繊維Fを含む例である。繊維Fを含むシクロデキストリン含有層5110において、機能性成分が包接されたシクロデキストリンの粉末は、繊維Fによって形成される空隙、すなわち繊維Fが構成する繊維構造物中の空隙に保持されることによって、粉落ちが防止されている。
繊維を含むシクロデキストリン含有層5110には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCおよび繊維Fのみが含まれていることができる。また、繊維を含むシクロデキストリン含有層5110には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCおよび繊維Fに加えて、熱融着性樹脂、および効果促進剤などが含まれていてもよい。また、繊維F自体が、熱融着性樹脂であってもよい。
本態様において、シクロデキストリン含有シートは、例えば通水性付与、表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、繊維Fを含むシクロデキストリン含有層5110の片面または両面に他の層5300が積層された多層構造(不図示)を有していてもよい。
(第2の態様)
図5(e)は、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100が熱融着性樹脂Aを含む例である。熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120は、機能性成分が包接されたシクロデキストリンの粉末と熱融着性樹脂Aとを含む混合物中の熱融着性樹脂Aを溶融することにより得られたものである。
熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120において、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCは、溶融した熱融着性樹脂Aが固化する際に、一部が被覆された状態で固着されることによって、粉落ちが防止されている。また、熱融着性樹脂Aは、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCの全体を被覆しないような量で配合されており、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCは、熱融着性樹脂Aによって被覆されていない部分を有し、機能性成分を放出する性能が保証されている。
熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCおよび熱融着性樹脂Aのみが含まれていることができる。また、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120には、機能性成分が包接されたシクデキストリンCおよび熱融着性樹脂Aに加えて、繊維、および効果促進剤などが含有されていてもよい。また、熱融着性樹脂A自体が、繊維状であってもよい。
本態様において、シクロデキストリン含有シートは、例えば通水性付与、表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120の片面または両面に他の層5300が積層された多層構造(不図示)を有していてもよい。
(第3の態様)
図5(f)は、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100に隣接する層が熱融着性樹脂Bを含む例である。シクロデキストリン含有層に隣接する、熱融着性樹脂Bを含む層5200は、シクロデキストリン含有層5100の表面に熱融着性樹脂Bを配置して熱により熱融着性樹脂Bを溶融することにより得られたものである。
シクロデキストリン含有層5100に含まれる、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCは、これに隣接する熱融着性樹脂Bを含む層5200において溶融した熱融着性樹脂Bが固化する際に、一部が被覆されて固着されることによって、粉落ちが防止されている。また、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCは、熱融着性樹脂Bによって被覆されていない部分を有し、機能性成分を放出する性能が保証されている。
熱融着性樹脂Bを含む層5200には、熱融着性樹脂Bのみが含まれていることができる。また、熱融着性樹脂Bを含む層5200には、熱融着性樹脂Bに加えて、繊維、および効果促進剤などが含まれていてもよい。これら他の成分が含まれる場合は、熱融着性樹脂Bを含む層5200は、シクロデキストリン含有層5100の表面に熱融着性樹脂Bとこれら他の成分との混合物を配置して熱により熱融着性樹脂Bを溶融することにより得ることができる。
図5(f)に示す例のシクロデキストリン含有シートは、詳細には、熱融着性樹脂Bを含む層5200と、機能性成分が包接されたシクロデキストリンの粉末からなるシクロデキストリン含有層5100と、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120と、からなる3層構造を有する。この例の場合、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120もまた、中間層として位置付けられたシクロデキストリン含有層5100に含まれるシクロデキストリンの粉落ち防止に寄与し得る。また、ここではシクロデキストリン含有層5100と熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120とを別々の層として図示および説明したが、この2つの層が一体的に構成されていて1層の熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120を成している構成も、本態様に含まれる。本態様によれば、特に、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120において、シクロデキストリンの粉末が表面側に偏在している場合に、粉落ちを有効に防止することができる。
本態様において、熱融着性樹脂Bを含む層5200は、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層の両面に設けられていてもよい。
本態様において、シクロデキストリン含有シートは、例えば通水性付与、表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、シクロデキストリン含有層および熱融着性樹脂Bを含む層5200の積層体の外面のうちの片面または両面に他の層5300が積層された多層構造(不図示)を有していてもよい。
(第4の態様)
上述の本発明の実施形態に係るシクロデキストリン含有シートは、ヒートシール加工によって形成されていてもよい。1つの例として、図5(g)は、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100の両面に熱融着性樹脂を含む他の層300が積層され、四辺がヒートシールされた構成を示す。
(第5の態様)
図5(h)は、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層100に隣接して接着層が設けられている例である。シクロデキストリン含有層に隣接する、接着層5500は、シクロデキストリン含有層の表面に接着層5500を配置することにより得られたものである。接着層としては、シクロデキストリン含有層5100に含まれるシクロデキストリンの粉落ちが防止されるように粘着機能を示す層であれば特に限定されないが、例えば、ホットメルト接着剤等が挙げられる。
詳細には、図5(h)に示すシクロデキストリン含有シートは、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100と他の層5300との間に、例えば熱可塑性樹脂のようなホットメルト接着剤からなる接着層5500を介在させて、ホットメルト加工により層間接着された構成を示す。
より詳細には、図5(h)に示す例のシクロデキストリン含有シートは、シクロデキストリン含有層5100の、接着層5500とは反対側の面に、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120を有する。図5(h)に示す例のシクロデキストリン含有シートにおいても、図5(f)に示す例の場合と同様に、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120は、中間層として位置付けられたシクロデキストリン含有層5100に含まれるシクロデキストリンの粉落ち防止に寄与し得る。また、ここではシクロデキストリン含有層5100と熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120とを別々の層として図示および説明したが、この2つの層が一体的に構成されていて1層の熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層120を成している構成も、本態様に含まれる。本態様によれば、特に、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120において、シクロデキストリンの粉末が表面側に偏在している場合に、粉落ちを有効に防止することができる。
(第6の態様)
上述の本発明の実施形態に係るシクロデキストリン含有シートは、エンボス加工によって形成されていてもよい。1つの例として、図5(i)は、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120の両面に層5300が積層され、エンボス加工により層間接着された構成を示す。
以上、図5(a)から(i)を用いて本発明の実施形態のシクロデキストリン含有シートの構成を説明した。しかしながらこれらは例示であり、これ以外の構成、例えば例示した各態様の組み合わせも本発明の範囲に含まれる。例えば、図中で機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100として示した層は、繊維Fを含むシクロデキストリン含有層5110、または熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120であってもよく、あるいは、繊維Fおよび熱融着性樹脂Aの両方を含む層であってもよい。同様に、これらの層間で層を置き換えた構成は、本発明の範囲に含まれる。
以下に、本発明の実施形態に係るシクロデキストリン含有シートの構成要素の詳細について説明する。
(機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層)
本発明の実施形態の機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層は、機能性成分が包接された状態のシクロデキストリンを含む層である。本発明の実施形態の機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層には、機能性成分が包接された状態のシクロデキストリンに加えて、機能性成分が包接されていない状態のいわゆる空のシクロデキストリンが含まれていてもよい。シクロデキストリンは、粉末(粒子)として含まれる。機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンのみが含まれていることができる。機能性成分が包接されたシクロデキストリンとしては、一種類に限定されず、複数種類が含まれていてもよい。また、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンに加えて、繊維、熱融着性樹脂、および効果促進剤などが含有されていてもよい。さらに、本発明の実施形態において、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層には、機能性成分が包接されたシクロデキストリン(すなわち、機能性成分が包接された状態のシクロデキストリンに加えて、機能性成分が包接されていない状態のいわゆる空のシクロデキストリンが含まれていてもよいシクロデキストリン)の他に、機能性成分を包接させていないシクロデキストリン(すなわち、包接性能を有する部位がいわゆる空の状態のシクロデキストリン)がさらに配合されてもよい。
(シクロデキストリン)
本発明の実施形態で用いられるシクロデキストリンについては、上述の通りであるので、説明を省略する。
(機能性成分)
機能性成分としては、シクロデキストリン含有シートの用途および目的等に応じてさまざまな機能性成分を用いることができる。
本発明の実施形態で用いることのできる機能性成分については、上述の通りであるので、説明を省略する。
機能性成分は、シクロデキストリン含有シート中において、単独で使用されることができ、また、併用されることもできる。
(機能性成分が包接されたシクロデキストリン)
本発明の実施形態において用いられる、機能性成分が包接されたシクロデキストリンについては、上述の通りであるので、説明を省略する。
(繊維)
繊維としては、パルプ(例えば、針葉樹および/または針葉樹の化学パルプ、セミケミカルパルプ、機械パルプや、古紙パルプ等)、レーヨン、麻、綿、絹、羊毛、鉱物繊維等の天然繊維、ポリ乳酸、ナイロン、ポリビニルアルコール(PVA)、高分子吸収繊維(SAF)等の合成繊維を用いることができる。これらの繊維は、吸水性を有するため、吸水性材料として配合して、シクロデキストリン含有シートの使用時に機能性成分の放出を促進させることもできる。機能性成分として冷感材料を包接したシクロデキストリンを使用する場合に、繊維としてSAFなど吸水性の高い繊維を使用すると、冷感が強く持続時間の長いシートを提供することが可能となる。また、本発明の繊維として、非吸水性の繊維を用いることもできる。以下に説明する熱融着性樹脂を、繊維の形態で使用してもよい。これらの繊維は、例えば解繊ショートカットファイバーの形態で用いることができる。これらの繊維は、2種以上を併用しても構わない。
(熱融着性樹脂)
本発明の実施形態における熱融着性樹脂は、構成成分を結着させるバインダー樹脂となる。また、熱融着性樹脂は、シクロデキストリン含有シートにおける強度付与の効果を有し、シクロデキストリン含有シートは熱融着性樹脂を含むことにより形状が維持されやすくなる。
熱融着性樹脂AおよびBは、機能性成分が包接されたシクロデキストリン同士、および他の成分が含まれる場合は機能性成分が包接されたシクロデキストリンおよび他の成分を結着させることができる。熱融着性樹脂AおよびBは、機能性成分が包接されたシクロデキストリンからの機能性成分の放出を妨げないように、溶融され固化する際に、機能性成分が包接されたシクロデキストリンの粉末(粒子)の全体を被覆しないような量で配合される。
熱融着性樹脂は繊維状であってもよいし、粒子状であってもよい。強度がより高くなる点からは、熱融着性樹脂は繊維状であることが好ましい。熱融着性樹脂は、例えば、ショートカットファイバーの形態であってもよい。
熱融着性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、低融点ポリエチレンテレフタレート、低融点ポリアミド、低融点ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等が挙げられる。
熱融着性樹脂は、2種類以上の樹脂の複合体であってもよい。例えば、芯部分と鞘部分とからなる芯鞘繊維、長手方向に垂直な断面において片側の半分ともう一方の片側の半分とが異なる樹脂からなるサイドバイサイド繊維、異なる樹脂からなるコアとシェルとを有するコアシェル粒子等が挙げられる。
熱融着性樹脂は2種類以上を併用しても構わない。すなわち、熱融着性樹脂AおよびBは、同一の熱融着性樹脂であってもよく異なる熱融着性樹脂であってもよい。熱融着性樹脂Aおよび熱融着性樹脂Bとして、それぞれ、1種類の熱融着性樹脂を用いてもよく、また、複数種類の熱融着性樹脂を併用してもよい。シクロデキストリン含有シートが、他の層5300を含む場合であって、他の層5300が熱融着性樹脂を含む場合は、他の層5300に含まれる熱融着性樹脂は、熱融着性樹脂AおよびBと同一であってもよく異なっていてもよく、1種類であっても複数種類の併用であってもよい。
(他の層)
本発明の実施形態のシクロデキストリン含有シートは、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100、5110、5120に加えて、例えば通水性付与、表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、他の層5300を含むことができる。
他の層5300としては、例えば、不織布、布、紙などの水分を通す性質(通水性)および/または水分を吸収する性質(吸水性)を有する任意のシートを用いることができる。また、任意のフィルムを用いることができる。他の層5300は、熱融着性樹脂を含んでいてもよい。シクロデキストリン含有シートの1つの面に通気性が相対的に低いフィルムを用いると、放出された機能性成分がその面から放散することを防止できる。
フィルムを有する構成のシクロデキストリン含有シートを使い捨て型機能性材料カートリッジとして用いる場合は、例えば、フィルム配置側の面を反応装置の容器の底面と対向させて配置することで、フィルム配置側の面とは反対側の面から外部に向かって、シクロデキストリンに包接されていた機能性成分を指向的に適用することが可能になる。この構成では、反応装置の吸上材を、シクロデキストリン含有シートのフィルム以外の層およびシクロデキストリン含有シートと共に配置されてもよい通水性シートのうちの少なくとも1つと接触させることで、吸上材が吸い上げた液体をシクロデキストリン含有シート炭酸ガス発生シートに拡散させることが容易になる。
シクロデキストリン含有シートの外層となる他の層5300の表面には、凹凸などの表面加工を施してもよい。
(効果促進剤)
本発明の実施形態のシクロデキストリン含有シートには、その用途に応じて、1つまたは複数の効果促進剤を配合することができる。
効果促進剤として用いることのできる材料および効果については、上述の通りであるので、説明を省略する。
効果促進剤は、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層5100、5110、5120に配合することができる。また、シクロデキストリン含有シートが、シクロデキストリン含有層と他の層とを含む多層構造である場合は、複数の層のうちのいずれか1つまたは複数の層に配合することができる。
例えば、シクロデキストリン含有シートが多層構造である場合、1つの層に酸を配合し、別の1つの層に炭酸塩を配合して、使用時に炭酸ガスが発生するシートとしてもよい。
(ヒートシール)
ヒートシールは、ヒートシーラーなどの加熱手段により熱を加えて層間接着させる方法である。本発明の実施形態においては、例えば、機能性成分が包接されたシクロデキストリンのみからなる機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層を中間層とし、その両面に、熱融着性樹脂を含む層5200を配置して、四隅をヒートシールすることにより、多層構造のシクロデキストリン含有シートを形成することができる。
(接着層)
接着層の形成方法は特に限定されないが、ホットメルト加工によって得られた接着層であることが好ましい。ホットメルト加工は、熱可塑性樹脂を溶かして押し出し、シートとシートを接着する加工方法である。シクロデキストリン含有層と他の層を接合する際の層間接着に用いることができる。
ホットメルト加工に用いることのできる熱可塑性樹脂としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などがあり、一般にホットメルト接着剤として知られている樹脂を用いることができる。
(エンボス加工)
エンボス加工は、凸凹模様を彫った押し型で強圧し、熱を加える加工である。この方法もまた、多層構造の層間接着に用いることができる。また、この方法は、単層または多層構造のシクロデキストリン含有シートに凹凸などの表面加工を施すために用いることもできる。
(各成分の含有比率)
シクロデキストリン含有シートにおけるシクロデキストリンの配合量は、シート全量に占める粉末の量が0.01質量%以上が好ましい。0.01質量%以上であれば、シクロデキストリン包接成分を効果的に除放することができる。
(坪量)
シクロデキストリン含有シートの坪量は、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、10〜4000g/m2であることが好ましい。
(乾式法によるシクロデキストリン含有層の形成)
本発明の実施形態において、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層は、乾式法で設けられた層である。本発明で用いることのできる乾式法には、水を使用しない任意の層形成方法が含まれる。
(シクロデキストリン含有シートの製造方法)
例えば、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層を作製し、他の層が含まれる場合は、シクロデキストリン含有層に対して他の層を別途積層させる製造方法を用いることができる。そのような方法として、機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層の表面に、例えばポリエチレン(PE)のような熱融着性樹脂Bを配置し、熱融着性樹脂Bを熱により溶融させて接合する方法がある。あるいはまた、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で機能性成分が包接されたシクロデキストリン含有層(例えば、熱融着性樹脂Aを含むシクロデキストリン含有層5120)を作製する際に、シクロデキストリン含有層5120となるウェブ層を搬送するためのキャリアシートに本発明の他の層5300を用いることによって、他の層5300とシクロデキストリン含有層5120との積層体を形成して、本発明の実施形態に係る層構成を有するシクロデキストリン含有シートを得てもよい。また、別途作製したシクロデキストリン含有シートの各層を、エンボス加工やヒートシール加工により接合させてもよい。また、シクロデキストリン含有シートの各層の接合面の少なくとも一方に熱可塑性樹脂のようなホットメルト接着剤などにより接着層(粘着層)を設けて、ホットメルト加工により各層を接合させる方法などもある。製造時における、機能性成分の放出(流出)や、シクロデキストリンの凝集等を防ぐために、本発明の実施形態において、これらの積層は乾式法にて行う。
(エアレイド法を採用するシクロデキストリン含有シートの製造方法)
エアレイド法を採用する本実施形態のシクロデキストリン含有シートの製造方法は、解繊工程と混合工程とウェブ形成工程と結着工程とを任意選択的に有する。
(解繊工程)
解繊工程は、ショートカットファイバーの形態の材料を、空気流によって解繊して解繊ショートカットファイバーを得る工程である。
ショートカットファイバーの空気流による解繊方法では、ブロアー等によって空気流を形成し、その空気流にショートカットファイバーを供給し、空気流の攪拌効果によって解繊する。
解繊方法としては、旋回する空気流で解繊することが好ましい。旋回する空気流を利用した解繊方法によれば、ショートカットファイバーを充分に解繊することができ、エアレイド法によってエアレイドウェブを形成する際に、解繊ショートカットファイバーの分散性をより高めることができる。
旋回する空気流を利用した解繊方法としては、例えば、ブロアーの中にショートカットファイバーを投入してブロアーにて解繊する方法が挙げられる。また、ブロアーによって円筒容器内に、周方向に沿うように空気を送って旋回流を形成し、その旋回流の中にショートカットファイバーを供給し、攪拌して解繊する方法が挙げられる。
空気流の流速は、ショートカットファイバーの量に応じて適宜選択されるが、通常は、10〜150m/秒の範囲内である。
(混合工程)
混合工程は、機能性成分が包接されたシクロデキストリンの粉末(粒子)と解繊ショートカットファイバーの形態の材料(含まれる場合)とを混合してウェブ原料を得る工程である。このとき同時に、任意の他の材料を混合することができる。任意の他の材料の形状は、繊維状でも粒子状でもよい。任意の他の材料の例としては、熱融着性樹脂、効果促進剤等の必要に応じて添加される助剤等が挙げられる。これらの材料の添加順に特に限定は無く、また、これらの材料は、混合工程よりも後の工程で、例えば散布等によって添加することもできる。
混合に際しては、解繊ショートカットファイバーの分散性を向上させるために、解繊ショートカットファイバーと他の材料とを攪拌することが好ましい。ただし、解繊ショートカットファイバーの破断を防ぐために、機械的剪断力を利用した攪拌ではなく、空気流を用いた攪拌を適用することが好ましい。
混合工程は、解繊工程の後でもよいし、解繊工程と同時でもよい。混合工程を解繊工程と同時とする場合には、解繊工程での空気流を利用して、解繊ショートカットファイバーと任意の材料を混合する。また、後述する粒子散布工程で解繊ショートカットファイバーのウェブ形成ラインにシクロデキストリンの粉末(粒子)および/または任意の粒子を投入し、混合してもよい。
(ウェブ形成工程)
ウェブ形成工程は、エアレイド法によってウェブ原料からエアレイドウェブを得る工程である。ここで、エアレイド法とは、空気流を利用して繊維を3次元的にランダムに堆積させてウェブを形成する方法である。
(粒子散布工程)
粒子散布工程は、既知の方法よってウェブ原料に粉末(粒子)の形態の材料を配合する工程である。繊維に粉末(粒子)の形態の材料を混合してウェブを形成する方式もしくはウェブの表面もしくはキャリアシート上に散布する方式のいずれを用いてもよい。
本実施形態におけるウェブ形成工程では、例えば、炭酸ガス発生シートの実施形態の説明において上述したウェブ形成装置1を同様に用いることができる。
(シクロテキストリン含有シートの層構成の例)
図6を参照して、本発明の実施形態のシクロテキストリン含有シートの層構成の例を示す。これは、単なる例示目的であり、本発明を制限するものではない。なお、同一の符号は同一の構成を示す。
図6(a)は、どのような用途においても好適に使用されることができる、汎用の構成の例を示す。詳細には、図6(a)には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCと熱融着性樹脂Aとを含むシクロデキストリン含有層1010と、その両面に配設された不織布3010と、からなる層構成が示される。
本例において、不織布3010は、木材パルプを主原料として乾式法にて形成されている。不織布3010は、例えば、原材料を、エアレイド法を用いて堆積させ、および表面にバインダーをスプレーすることにより接着して、シート化したものであってもよい。そのような不織布として、例えば、王子キノクロス株式会社製のキノクロス(登録商標)を使用することができる。かかる不織布は、ウェブ密度が低く、保液性・ろ過性・嵩高性などに優れている。そのため、使用時に水分を通過させやすく、および水分を保持する性能が高く、好適に用いられる。このような不織布3010は、本発明の実施形態の使い捨て型機能性カートリッジの通水性シートとして機能し得る。
図6(b)には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCと熱融着性樹脂Aとを含むシクロデキストリン含有層1010と、その一方の面に配設された不織布3010と、その他方の面にこの順番で配設された不織布3020およびティシュ3030と、からなる層構成が示される。
本例において、シクロデキストリン含有層1010とティシュ3030との間に配設される不織布3020は、例えば、パルプと合成繊維とを含んでいてもよく、合成繊維は高分子吸収繊維(SAF)を含んでいてもよい。したがって、不織布3020の層は、水分の吸収性および保持性が高い。ここで、シクロデキストリン含有層1010は、不織布3020の表面に置かれた層として存在していてもよく、不織布3020を構成する繊維間に一部または全部が埋め込まれる形で存在していてもよい。すなわち、シクロデキストリン含有層101と不織布3020とは、シクロテキストリン含有シートの厚さ方向において、別個に存在していてもよく重複する部分を有して存在していてもよい。また、外層となるティシュ3030の層は、薄く密度が低いため、水分の透過性が良好である。このようなティシュ3030の層は、本発明の実施形態の使い捨て型機能性カートリッジの通水性シートとして機能し得る。さらにティシュ3030は、柔らかい肌触りを提供することができる。また、もう一方の外層となる不織布3010の層は、柔らかい肌触りを提供することができる。加えて、不織布3010は、保液性が高いため、シクロデキストリンCを添加した効果を徐々に体感させる効果がある。したがって、かかる構成のシートは、取り扱いにおいて手肌に優しく、また、効果が発現しやすく持続されやすい傾向にある。
図6(c)には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCと熱融着性樹脂Aとに加えて繊維を含むシクロデキストリン含有層1020と、その両面に配設されたティシュ3030と、からなる層構成が示される。
本例において、シクロデキストリン含有層1020は不織布の層であり、繊維としてパルプと合成繊維とを含み、合成繊維は高分子吸収繊維(SAF)を含んでいてもよい。したがって、シクロデキストリン含有層1020は、水分の吸収性および保持性が高い。また、外層となるティシュ3030の層は、薄く密度が低いため、水分の透過性が良好である。さらにティシュ3030は、柔らかい肌触りを提供することができる。したがって、かかる構成のシートは、取り扱い時に手肌に優しく、効果が発現しやすく持続されやすい傾向にある。また、外層として、ティシュ以外の層を用いることもでき、ティシュの上にさらに表裏面材を設けることもできる。例えば片面に水分の流出を防ぐための層を設けることができる。層1020は、繊維によって形成される空隙の中に粒子を含有させることができる。そのため、層1020は、バインダーとしての樹脂を用いなくとも粒子を層中に保持することができるので、熱融着性樹脂Aを含んでいてもよく、含んでいなくともよい。熱融着性樹脂Aを含む場合、粉落ちを軽減させる効果がある。
図6(d)には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCと熱融着性樹脂Aと繊維に加えて効果促進剤Yを含むシクロデキストリン含有層1030と、その一方の面に配設された任意の不織布3040と、その他方の面に配設されたフィルム3050と、からなる層構成が示される。
本例において、シクロデキストリン含有層1030は不織布の層であり、繊維としてパルプと合成繊維とを含み、合成繊維は高分子吸収繊維(SAF)を含んでいてもよい。したがって、シクロデキストリン含有層1030は、水分の吸収性および保持性が高い。また、本例において、シクロデキストリン含有層1030は、効果促進剤Yを含んでいてもよい。効果促進剤Yは、ゼオライト、活性炭、シリカなどの任意の無機顔料であってもよい。効果促進剤Yとして、抗菌性および吸収性を有する材料を選択することができる。
外層となるフィルム3050の層は、水分を通さないかまたはほとんど通さないため、フィルムを外層に含む構成のシクロデキストリン含有シートを使い捨て型機能性材料カートリッジとして用いる場合、例えば、フィルム配置側の面を反応装置の容器の底面と対向させて配置することで、フィルム配置側の面とは反対側の面から外部に向かって、機能性成分を指向的に適用することが可能になる。この構成では、反応装置の吸上材を、シクロデキストリン含有のフィルム3050以外の層およびシクロデキストリン含有シートと共に配置されてもよい通水性シートのうちの少なくとも1つと接触させることで、吸上材が吸い上げた液体を炭酸ガス発生シートに拡散させることが容易になる。
なお、フィルム3050の代わりに、撥水性の高い不織布を使用してもよい。
図6(e)には、機能性成分が包接されたシクロデキストリンCと熱融着性樹脂Aと繊維と効果促進剤Zとを含むシクロデキストリン含有層1040と、その一方の面に配設された不織布、フィルムなどの任意の層3060と、からなる層構成が示される。
本例において、シクロデキストリン含有層1040は不織布の層であり、繊維として合成繊維を含む。合成繊維を主原料とする場合、シート強度が強く、かきとり性(固形物を掻き落とす性能)の良いシートを提供することができる。合成繊維は、吸液性、保液性を高める目的で、高分子吸収繊維(SAF)を含んでいてもよく、吸液性を高める目的でパルプなどの吸水性繊維を含んでいてもよい。また、本例において、シクロデキストリン含有層1040は、効果促進剤Zを含んでもよい。効果促進剤Zは、クエン酸、重曹などの任意の掃除用成分であってもよい。効果促進剤Zとして、掃除用成分を選択することにより、掃除シート等の用途に用いるシクロデキストリン含有シートの効果を促進することができる。1つの変形例として、シクロデキストリン含有層1040には、層3060とは反対側の面に、通水性もしくは通気性のある不織布等のシートが設けられていてもよい。
III.使い捨て型機能性材料カートリッジの第3の例[金属酸化物および/または金属水酸化物含有シート]
以下、本発明の実施形態の使い捨て型機能性材料カートリッジとして適用可能な金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートについて説明する。
(金属酸化物および/または金属水酸化物含有シート(不織布))
本発明の実施形態の金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートは、金属成分を含有する層を備える不織布であって、前記金属成分は金属酸化物および/または金属水酸化物として存在する、ことを特徴とする不織布である。
ここで、前記「シート」は、「不織布」と表現することも可能である。すなわち、上記本発明のシートは、金属酸化物および/または金属水酸化物含有層を備え、前記金属酸化物および/または金属水酸化物含有層が乾式法で設けられた、金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートともいえる。
この場合、「金属酸化物および/または金属水酸化物含有層」とは、前記「金属成分を含む層」に相当し、前記金属成分の金属とは、水と接触して強アルカリになる金属酸化物または金属水酸化物を構成する金属であり、好ましくは2価の金属であり、より好ましくは周期表2族元素の金属であり、さらに好ましくはM(前記Mは、Mg、Ca、SrまたはBaである)で表される金属であり、特段好ましくはアルカリ土類金属である。
以下、本明細書において、「金属酸化物および/または金属水酸化物」を「金属(水)酸化物」ともいうものとする。また、「金属成分を含む層」を、「金属酸化物および/または金属水酸化物含有層」または「金属(水)酸化物含有層」ともいうものとする。また、本発明の不織布を、金属酸化物および/または金属水酸化物含有シート、金属(水)酸化物含有不織布または金属(水)酸化物含有シートともいうものとする。
以下、本発明の範囲に含まれる金属(水)酸化物含有シートの構成について説明する。基本的な構成は図5を参照して説明したシクロデキストリン含有シートと同様であるため、説明には図5を援用する。図5は、本発明の金属(水)酸化物含有シートの構成を限定目的ではなく例示目的で示す図である。図中において、同一の符号は同一の構成要素を示す。同一の構成要素に関しては、重複する説明を割愛する場合がある。
図5(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る、金属(水)酸化物含有層5100を備える金属(水)酸化物含有シートを示す。図5(a)は、金属(水)酸化物含有層5100のみからなる金属(水)酸化物含有シートである。図5(b)および(c)は、金属(水)酸化物含有層5100の片面または両面に他の層5300が積層された金属(水)酸化物含有シートである。
本発明の実施形態に係る金属(水)酸化物含有シートは、このように、単層構造を有していてもよく、2層、3層、または図示しない4層以上の多層構造を有していてもよい。金属(水)酸化物含有シートは、金属(水)酸化物含有層5100を2層以上含んでいてもよい。他の層5300は、例えば、金属(水)酸化物含有シートの表面を改質する目的や、金属(水)酸化物含有シートに通水性や強度(剛性)を付与する目的など、金属(水)酸化物含有シートに何らかの機能性を付与する目的等で配設することができる。他の層5300には、例えば、布、不織布、紙、フィルム等のシートを用いることができる。他の層5300には、熱融着性樹脂が含まれていてもよい。金属(水)酸化物含有シートが複数の層5300を備える場合、これらの層5300は、同一材料であっても異なる材料であってもよい。
金属(水)酸化物含有層5100には、金属(水)酸化物Cのみが含まれていることができる。このとき、一種類に限定されず複数種類の金属(水)酸化物Cが含まれていることができる。金属(水)酸化物の種類については上述の通りである。
本発明の実施形態の金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートにおいて、金属酸化物および/または金属水酸化物含有層100に、金属酸化物および/または金属水酸化物のみが含まれている場合、金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートは、他の層5300を含んでいてもよく、別体としての通水性シートと共に使用されてもよい。他の層5300および別体としての通水性シートのそれぞれは、本発明の実施形態に係る使い捨て型機能性カートリッジの通水性シートとして機能し得る。この構成によれば、反応装置の吸上材が吸い上げた液体は、他の層5300または通水性シートにより面方向に拡散され、広い範囲での反応を促すことができる。また、他の層5300を含む構成においては、金属酸化物および/または金属水酸化物の取り扱いは容易となる。
また、金属(水)酸化物含有層5100には、金属(水)酸化物Cに加えて、繊維、熱融着性樹脂、および効果促進剤などが含まれていてもよい。
金属(水)酸化物含有シートから金属(水)酸化物Cが粉落ちしないための構成の例として、以下の第1の態様から第6の態様に示すような具体的態様を説明する。
(第1の態様)
図5(d)は、金属(水)酸化物含有層5100が繊維Fを含む例である。繊維Fを含む金属(水)酸化物含有層5110において、金属(水)酸化物の粉末は、繊維Fによって形成される空隙、すなわち繊維Fが構成する繊維構造物中の空隙に保持されることによって、粉落ちが防止されている。
繊維を含む金属(水)酸化物含有層5110には、金属(水)酸化物Cおよび繊維Fのみが含まれていることができる。また、繊維を含む金属(水)酸化物含有層5110には、金属(水)酸化物Cおよび繊維Fに加えて、熱融着性樹脂、および効果促進剤などが含まれていてもよい。また、繊維F自体が、熱融着性樹脂であってもよい。
本態様において、金属(水)酸化物含有シートは、例えば表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、繊維Fを含む金属(水)酸化物含有層5110の片面または両面に他の層5300が積層された多層構造(不図示)を有していてもよい。
ここで、金属(水)酸化物含有層において、金属(水)酸化物は、熱融着性樹脂(熱融着性繊維)によって固着されている。本実施形態において、金属(水)酸化物含有層における金属(水)酸化物の粉末は、熱融着性樹脂(熱融着性繊維)によって形成される空隙、すなわち熱融着性樹脂(熱融着性繊維)が構成する構造物中の空隙に保持されている。
(第2の態様)
図5(e)は、金属(水)酸化物含有層5100が熱融着性樹脂Aを含む例である。熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120は、金属(水)酸化物Cの粉末と熱融着性樹脂Aとを含む混合物中の熱融着性樹脂Aを溶融することにより得られたものである。この例では、金属(水)酸化物含有層中の金属(水)酸化物Cの粉末は、前記粉末の一部が前記熱融着樹性樹脂Aで被覆された状態で固定(結着または固着ともいう)される。
熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120において、金属(水)酸化物Cは、溶融した熱融着性樹脂Aが固化する際に、一部が被覆された状態で固着されることによって、粉落ちが防止されている。また、熱融着性樹脂Aは、金属(水)酸化物Cの全体を被覆しないような量で配合されており、金属(水)酸化物Dは、熱融着性樹脂Aによって被覆されていない部分を有し、シート使用時における水との接触および溶出が保証されている。
熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120には、金属(水)酸化物Cおよび熱融着性樹脂Aのみが含まれていることができる。また、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120には、金属(水)酸化物Cおよび熱融着性樹脂Aに加えて、繊維、および効果促進剤などが含有されていてもよい。また、熱融着性樹脂A自体が、繊維状であってもよい。
本態様において、金属(水)酸化物含有シートは、例えば表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120の片面または両面に他の層5300が積層された多層構造(不図示)を有していてもよい。
(第3の態様)
図5(f)は、金属(水)酸化物含有層5100に隣接する層が熱融着性樹脂Bを含む例である。金属(水)酸化物含有層に隣接する熱融着性樹脂Bを含む層5200は、金属(水)酸化物含有層5100の表面に熱融着性樹脂Bを配置して熱により熱融着性樹脂Bを溶融することにより得られたものである。この例では、金属(水)酸化物層中の金属(水)酸化物Cの粉末は、前記粉末の一部が前記熱融着樹性樹脂Bで被覆された状態で固定されている。
金属(水)酸化物含有層5100に含まれる金属(水)酸化物Cは、これに隣接する熱融着性樹脂Bを含む層5200において溶融した熱融着性樹脂Bが固化する際に、一部が被覆されて固着されることによって、粉落ちが防止されている。また、金属(水)酸化物Cは、熱融着性樹脂Bによって被覆されていない部分を有し、シート使用時における水との接触および溶出が保証されている。
熱融着性樹脂Bを含む層5200には、熱融着性樹脂Bのみが含まれていることができる。また、熱融着性樹脂Bを含む層5200には、熱融着性樹脂Bに加えて、繊維、および効果促進剤などが含まれていてもよい。これら他の成分が含まれる場合は、熱融着性樹脂Bを含む層5200は、金属(水)酸化物含有層5100の表面に熱融着性樹脂Bとこれら他の成分との混合物を配置して熱により熱融着性樹脂Bを溶融することにより得ることができる。
図5(f)に示す例の金属(水)酸化物含有シートは、詳細には、熱融着性樹脂Bを含む層5200と、金属(水)酸化物の粉末からなる金属(水)酸化物含有層5100と、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120と、からなる3層構造を有する。この例の場合、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120もまた、中間層として位置付けられた金属(水)酸化物含有層5100に含まれる金属(水)酸化物の粉落ち防止に寄与し得る。また、ここでは金属(水)酸化物含有層5100と熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120とを別々の層として図示および説明したが、この2つの層が一体的に構成されていて1層の熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120を成している構成も、本態様に含まれる。本態様によれば、特に、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120において、金属(水)酸化物の粉末が表面側に偏在している場合に、粉落ちを有効に防止することができる。
本態様において、熱融着性樹脂Bを含む層5200は、金属(水)酸化物含有層の両面に設けられていてもよい。すなわち、例えば、熱融着性樹脂Bを含む層5200と、金属(水)酸化物含有層と、熱融着性樹脂Bを含む層5200と、をこの順で含む構成(不図示)は、本態様の範囲である。
本態様において、金属(水)酸化物含有シートは、例えば通水性、表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、金属(水)酸化物含有層および熱融着性樹脂Bを含む層5200の積層体の外面のうちの片面または両面に他の層5300が積層された多層構造(不図示)を有していてもよい。
(第4の態様)
上述の本発明の実施形態に係る金属(水)酸化物含有シートは、ヒートシール加工によって形成されていてもよい。1つの例として、図5(g)は、金属(水)酸化物含有層5100の両面に熱融着性樹脂を含む他の層5300が積層され、四辺がヒートシールされた構成を示す。
(第5の態様)
図5(h)は、金属(水)酸化物含有層5100に隣接して接着層が設けられている例である。金属(水)酸化物含有層に隣接する接着層5500は、金属(水)酸化物含有層の表面に接着層を配置することにより得られたものである。接着層としては、金属(水)酸化物含有層5100に含まれる金属(水)酸化物の粉落ちが防止されるように粘着機能を示す層であれば特に限定されないが、例えば、ホットメルト接着剤等が挙げられる。
詳細には、図5(h)に示す金属(水)酸化物含有シートは、金属(水)酸化物含有層5100と他の層5300との間に、例えば熱可塑性樹脂のようなホットメルト接着剤からなる接着層5500を介在させて、ホットメルト加工により層間接着された構成を示す。
より詳細には、図5(h)に示す例の金属(水)酸化物含有シートは、金属(水)酸化物含有層5100の、接着層5500とは反対側の面に、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120を有する。図5(h)に示す例の金属(水)酸化物含有シートにおいても、図5(f)に示す例の場合と同様に、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120は、中間層として位置付けられた金属(水)酸化物含有層5100に含まれる金属(水)酸化物の粉落ち防止に寄与し得る。また、ここでは金属(水)酸化物含有層5100と熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120とを別々の層として図示および説明したが、この2つの層が一体的に構成されていて1層の熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120を成している構成も、本態様に含まれる。本態様によれば、特に、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120において、金属(水)酸化物の粉末が表面側に偏在している場合に、粉落ちを有効に防止することができる。
本態様において、接着層5500を介した他の層5300は、金属(水)酸化物含有層の両面に設けられていてもよい。すなわち、例えば、他の層5300と、接着層5500と、金属(水)酸化物含有層と、接着層5500と、他の層5300と、をこの順で含む構成(不図示)は、本態様の範囲である。このとき、両面に設けられた接着層5500同士および他の層5300同士は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。他の層5300は、例えば表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で設ける層であり、その詳細については後述する。
(第6の態様)
上述の本発明の実施形態に係る金属(水)酸化物含有シートは、エンボス加工によって形成されていてもよい。1つの例として、図5(i)は、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120の両面に層5300が積層され、エンボス加工により層間接着された構成を示す。
以上、図5(a)から(i)を用いて本発明の実施形態の金属(水)酸化物含有シートの構成を説明した。しかしながらこれらは例示であり、これ以外の構成、例えば例示した各態様の組み合わせも本発明の範囲に含まれる。例えば、図中で金属(水)酸化物含有層5100として示した層は、繊維Fを含む金属(水)酸化物含有層5110、または熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120であってもよく、あるいは、繊維Fおよび熱融着性樹脂Aの両方を含む層であってもよい。同様に、これらの層間で層を置き換えた構成は、本発明の範囲に含まれる。
以下に、本発明の実施形態に係る金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートの構成要素の詳細について説明する。
(金属成分を含有する層(金属酸化物および/または金属水酸化物含有層))
本発明の実施形態の不織布は、金属成分を含有する層が設けられている。ここで、金属成分を含有する層を、金属成分含有層、金属酸化物および/または金属水酸化物含有層、または金属(水)酸化物含有層とも記載する。すなわち、前記金属成分は、金属酸化物および/または金属水酸化物として存在する。金属酸化物および/または金属水酸化物は、粉末(粒子)として含まれる。金属酸化物および/または金属水酸化物含有層には、金属酸化物のみが含まれていることができ、金属水酸化物のみが含まれていることができ、また、金属酸化物と金属水酸化物とが含まれていることができる。金属酸化物および金属水酸化物のそれぞれとしては、一種類に限定されず、複数種類が含まれていてもよい。また、金属酸化物および/または金属水酸化物含有層には、金属酸化物および/または金属水酸化物に加えて、繊維、熱融着性樹脂、および効果促進剤などが含有されていてもよい。
(金属酸化物)
上述のように、本発明で用いられる金属酸化物は、水と接触して強アルカリになる金属酸化物であり、好ましくは2価の金属の酸化物であり、より好ましくは周期表2族元素の金属の酸化物であり、さらに好ましくはMO(前記Mは、Mg、Ca、SrまたはBaである)で表される金属酸化物であり、特段好ましくはアルカリ土類金属の酸化物である。非限定的な例として、酸化マグネシウム(11.4)、酸化カルシウム(12.7)、酸化ストロンチウム(13.2)、酸化バリウム(13.4)、および酸化マンガン(10.6)を好ましく使用することができる。なお、物質名の後の括弧内の数値は、酸解離定数pKaの値を示す。用途や所望の効果に応じて、使用する金属酸化物を選択することができる。例えば、食品に接する用途においては、安全性等の観点から、酸化カルシウムが好ましく使用される。これらの金属酸化物は、単独で使用することができ、また、併用することもできる。
(金属水酸化物)
上述のように、本発明で用いられる金属水酸化物は、水と接触して強アルカリになる金属水酸化物であり、好ましくは2価の金属の水酸化物であり、より好ましくは周期表2族元素の金属の水酸化物およびであり、さらに好ましくはM(OH)2(前記Mは、Mg、Ca、SrまたはBaである)で表される金属水酸化物であり、特段好ましくはアルカリ土類金属の水酸化物である。非限定的な例として、水酸化マグネシウム(11.4)、水酸化カルシウム(12.7)、水酸化ストロンチウム(13.2)、水酸化バリウム(13.4)、および水酸化マンガン(10.6)を好ましく使用することができる。物質名の後の括弧内の数値は、酸解離定数pKaの値を示す。用途や所望の効果に応じて、使用する金属水酸化物を選択することができる。例えば、食品に接する用途においては、安全性等の観点から、水酸化カルシウムが好ましく使用される。これらの金属水酸化物は、単独で使用することができ、また、併用することもできる。
このように、金属成分を含有する層は、金属酸化物および/金属水酸化物を含有する層であって、前記金属酸化物および/金属水酸化物を構成する前記金属成分は、前記金属酸化物および/金属水酸化物が水と接触して強アルカリになるような金属成分である。金属成分の好ましくは2価の金属であり、より好ましくは周期表2族元素の金属であり、さらに好ましくはM(前記Mは、Mg、Ca、SrまたはBaである)で表される金属であり、特段好ましくはアルカリ土類金属である。
本発明の実施形態で用いられる金属酸化物および/または金属水酸化物は、粉末(粒子)の形態で用いられる。粉末(粒子)の形態の金属酸化物および/または金属水酸化物は、当技術分野で知られている任意の方法で得ることができる他、メーカーから販売品を購入することができる。例えば、酸化カルシウムの場合は、ナチュラルジャパン株式会社のオホーツクカルシウム、およびユニセラ株式会社のホタテ貝殻焼成パウダーなどを好適に使用することができる。また、例えば、水酸化カルシウムの場合は、株式会社抗菌研究所が製造し菱江化学株式会社が販売するスカロー(登録商標)などを好適に使用することができる。なお、酸化カルシウムや水酸化カルシウムの場合、カルシウム原料としては、ホタテ貝殻から得られるカルシウム(炭酸カルシウム)を好適に用いることができるが、これに限定されず、他の貝の貝殻(例えば、牡蠣の貝殻など)、動物の骨(例えば、ウニの殻など)、および鉱物などから得られるものであってもよい。
前記金属酸化物および/または金属水酸化物の粉末(粒子)の平均粒径は限定的ではないが、1〜1000μmが好ましく、2〜800μmがより好ましい。前記平均粒径が小さすぎるとシート(不織布)からの脱落や、製造工程において飛散による作業効率の低下、などの懸念がある。また、前記平均粒径が大きすぎると、均一に不織布全体に配合することが難しくなる場合がある。
(繊維)
繊維としては、シクロデキストリン含有シートについて説明したものを同様に使用することができる。
(熱融着性樹脂)
本発明の実施形態における熱融着性樹脂は、構成成分を結着させるバインダー樹脂となる。また、熱融着性樹脂は、金属(水)酸化物含有シートにおける強度付与の効果を有し、金属(水)酸化物含有シートは熱融着性樹脂を含むことにより形状が維持されやすくなる。
熱融着性樹脂AおよびBは、金属(水)酸化物同士、および他の成分が含まれる場合は金属(水)酸化物および他の成分を結着させることができる。熱融着性樹脂AおよびBは、金属(水)酸化物の水との接触および溶出を妨げないように、溶融され固化する際に、金属(水)酸化物の粉末(粒子)の全体を被覆しないような量で配合される。
熱融着性樹脂は繊維状であってもよいし、粒子状であってもよい。強度がより高くなる点からは、熱融着性樹脂は繊維状であることが好ましい。熱融着性樹脂は、例えば、ショートカットファイバーの形態であってもよい。
熱融着性樹脂としては、シクロデキストリン含有シートについて説明したものを同様に使用することができる。
(他の層)
本発明の実施形態の金属(水)酸化物含有シートは、金属(水)酸化物含有層5100、5110、5120に加えて、例えば表面改質や強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、他の層5300を含むことができる。
他の層5300としては、例えば、不織布、布、紙などの水分を通す性質(通水性)および/または水分を吸収する性質(吸水性)を有する任意のシートを用いることができる。また、任意のフィルムを用いることができる。他の層5300は、熱融着性樹脂を含んでいてもよい。金属(水)酸化物含有シートの1つの面に通水性が相対的に低いフィルムを用いると、シートの使用時に抗菌剤がその面から溶出することを防止できる。すなわち、抗菌剤成分が他方の面から放出することを促進させることができる。
金属(水)酸化物含有シートの外層となる他の層5300の表面には、凹凸付与などの表面加工や、孔やスリットの形成などの加工を施してもよい。例えば、金属(水)酸化物含有シートの1つまたは両方の面に、衛生材料の表面材のような多数の孔が形成された孔あきフィルムやスリットの入ったフィルムを好ましく用いることができる。そのような構成であると、シートの使用時に孔やスリットにより、金属(水)酸化物が容易に溶解することができる。
(効果促進剤)
本発明の金属(水)酸化物含有シートには、その用途に応じて、1つまたは複数の効果促進剤を配合することができる。
配合可能な効果促進剤の例としては、上述の通りであり、ここでの説明を省略する。
効果促進剤は、金属(水)酸化物含有層5100、5110、5120に配合することができる。また、金属(水)酸化物含有シートが、金属(水)酸化物含有層と他の層とを含む多層構造である場合は、複数の層のうちのいずれか1つまたは複数の層に配合することができる。
(ヒートシール加工)
ヒートシールは、ヒートシーラーなどの加熱手段により熱を加えて層間接着させる方法である。本発明の実施形態においては、例えば、金属(水)酸化物のみからなる金属(水)酸化物含有層を中間層とし、その両面に、熱融着性樹脂を含む層5200を配置して、四隅をヒートシールすることにより、多層構造の金属(水)酸化物含有シートを形成することができる。
(接着層)
接着層の形成方法は特に限定されないが、ホットメルト加工によって得られた接着層であることが好ましい。ホットメルト加工は、熱可塑性樹脂を溶かして押し出し、シートとシートを接着する加工方法である。金属(水)酸化物含有層と他の層を接合する際の層間接着に用いることができる。
ホットメルト加工に用いることのできる熱可塑性樹脂としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などがあり、一般にホットメルト接着剤として知られている樹脂を用いることができる。
(エンボス加工)
エンボス加工は、凸凹模様を彫った押し型で強圧し、熱を加える加工である。この方法もまた、多層構造の層間接着に用いることができる。また、この方法は、単層または多層構造の金属(水)酸化物含有シートに凹凸などの表面加工を施すために用いることもできる。
(成分の含有比率)
金属(水)酸化物含有シートにおける金属(水)酸化物の配合量としては、用途および所望の効果によっても異なるが、金属(水)酸化物の抗菌性能発揮の観点から、シート全量に占める粉末の量が0.01質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上であることが特段好ましい。また、金属(水)酸化物の消臭性発揮の観点からは、消臭対象ガスの種類にもよるが、シート全量に占める粉末の量が1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましく、8質量%以上がなお一層好ましく、10質量%以上であることが特段好ましい。また、金属(水)酸化物の粉落ち防止の観点から、金属(水)酸化物含有シート全量に占める金属(水)酸化物の粉末の量が60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
(坪量)
金属(水)酸化物含有シートの坪量は、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、10〜4000g/m2であることが好ましく、30〜3000g/m2がより好ましく、50〜300g/m2がさらに好ましい。前記坪量が小さすぎると均一なシート(不織布)を作製することが困難になる場合があり、前記坪量が大きすぎると使用時のハンドリングが悪くなる場合がある。
(乾式法による金属酸化物および/または金属水酸化物含有層の形成)
本発明の実施形態において、金属(水)酸化物含有層は、乾式法で設けられた層である。本発明で用いることのできる乾式法には、水を使用しない任意の層形成方法が含まれる。
(金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートの製造方法)
例えば、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で金属(水)酸化物含有層を作製し、他の層が含まれる場合は、金属(水)酸化物含有層に対して他の層を別途積層させる製造方法を用いることができる。そのような方法として、金属(水)酸化物含有層の表面に、例えばポリエチレン(PE)のような熱融着性樹脂Bを配置し、熱融着性樹脂Bを熱により溶融させて接合する方法がある。あるいはまた、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で金属(水)酸化物含有層(例えば、熱融着性樹脂Aを含む金属(水)酸化物含有層5120)を作製する際に、金属(水)酸化物含有層5120となるウェブ層を搬送するためのキャリアシートに本発明の他の層5300を用いることによって、他の層5300と金属(水)酸化物含有層5120との積層体を形成して、本発明の実施形態に係る層構成を有する金属(水)酸化物含有シートを得てもよい。また、別途作製した金属(水)酸化物含有シートの各層を、エンボス加工やヒートシール加工により接合させてもよい。また、金属(水)酸化物含有シートの各層の接合面の少なくとも一方に熱可塑性樹脂のようなホットメルト接着剤などにより接着層(粘着層)を設けて、ホットメルト加工により各層を接合させる方法などもある。製造時における、金属(水)酸化物の水との接触および溶解を防ぐために、本発明の実施形態において、これらの積層は乾式法にて行う。
(エアレイド法を採用する金属酸化物および/または金属水酸化物含有シートの製造方法)
エアレイド法を採用する本実施形態の金属(水)酸化物含有シートの製造方法は、解繊工程と混合工程とウェブ形成工程と結着工程とを任意選択的に有する。
(解繊工程)
解繊工程は、ショートカットファイバーの形態の材料を、空気流によって解繊して解繊ショートカットファイバーを得る工程である。
ショートカットファイバーの空気流による解繊方法では、ブロアー等によって空気流を形成し、その空気流にショートカットファイバーを供給し、空気流の攪拌効果によって解繊する。
解繊方法としては、旋回する空気流で解繊することが好ましい。旋回する空気流を利用した解繊方法によれば、ショートカットファイバーを充分に解繊することができ、エアレイド法によってエアレイドウェブを形成する際に、解繊ショートカットファイバーの分散性をより高めることができる。
旋回する空気流を利用した解繊方法としては、例えば、ブロアーの中にショートカットファイバーを投入してブロアーにて解繊する方法が挙げられる。また、ブロアーによって円筒容器内に、周方向に沿うように空気を送って旋回流を形成し、その旋回流の中にショートカットファイバーを供給し、攪拌して解繊する方法が挙げられる。
空気流の流速は、ショートカットファイバーの量に応じて適宜選択されるが、通常は、10〜150m/秒の範囲内である。
(混合工程)
混合工程は、金属(水)酸化物の粉末(粒子)と解繊ショートカットファイバーの形態の材料(含まれる場合)とを混合してウェブ原料を得る工程である。このとき同時に、任意の他の材料を混合することができる。任意の他の材料の形状は、繊維状でも粒子状でもよい。任意の他の材料の例としては、熱融着性樹脂、効果促進剤等の必要に応じて添加される助剤等が挙げられる。これらの材料の添加順に特に限定は無く、また、これらの材料は、混合工程よりも後の工程で、例えば散布等によって添加することもできる。
混合に際しては、解繊ショートカットファイバーの分散性を向上させるために、解繊ショートカットファイバーと他の材料とを攪拌することが好ましい。ただし、解繊ショートカットファイバーの破断を防ぐために、機械的剪断力を利用した攪拌ではなく、空気流を用いた攪拌を適用することが好ましい。
混合工程は、解繊工程の後でもよいし、解繊工程と同時でもよい。混合工程を解繊工程と同時とする場合には、解繊工程での空気流を利用して、解繊ショートカットファイバーと任意の材料を混合する。また、後述する粒子散布工程で解繊ショートカットファイバーのウェブ形成ラインに金属(水)酸化物の粉末(粒子)および/または任意の粒子を投入し、混合してもよい。
(ウェブ形成工程)
ウェブ形成工程は、エアレイド法によってウェブ原料からエアレイドウェブを得る工程である。ここで、エアレイド法とは、空気流を利用して繊維を3次元的にランダムに堆積させてウェブを形成する方法である。
(粒子散布工程)
粒子散布工程は、既知の方法よってウェブ原料に粉末(粒子)の形態の材料を配合する工程である。繊維に粉末(粒子)の形態の材料を混合してウェブを形成する方式もしくはウェブの表面もしくはキャリアシート上に散布する方式のいずれを用いてもよい。
本実施形態におけるウェブ形成工程では、例えば、炭酸ガス発生シートの実施形態の説明において上述したウェブ形成装置1を同様に使用することができる。
(作用効果)
上記製造方法では、金属(水)酸化物の粉末(粒子)を、水を介さずに、粉末(粒子)の形態のまま、金属(水)酸化物含有層中に含有させることができる。そのため、製造工程によって金属(水)酸化物が金属炭酸塩になる可能性が防止され、製造されたシートは、金属(水)酸化物を抗菌剤として含むことができ、良好な抗菌性能を有することができる。また、前記製造されたシートは、良好な抗ウイルス性能も有する。
以上、本発明の実施形態に係る使い捨て型機能性材料カートリッジの構成例を説明したが、本発明の実施形態は、これらの構成に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
図7(a)の概略図を参照して実施例1を説明する。
(反応装置)
底面の直径φが5cmの市販の紙コップ8010を用意した。また、雑誌を縛る用途に用いられる市販の太さ約2mmの紙紐8020を長さ5cmで用意した。紙コップの底面の中央部に紙紐がぴったりと合って入るような直径約2mmの穴を開け、紙紐をその穴に差し込んで嵌め、紙紐の1つの端部を紙コップの内部空間(収容部)に約5mmだけ突出させ、残りの部分を紙コップの外部に延出させて、実施例1の反応装置8001とした。
(機能性材料)
5.7gの重曹8144の粉末を、紙コップの収容部に入れ、紙コップの底面に均一の厚さの層となるように広げた。また、パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布(坪量80g/m2)を直径φ約5cmの円形に切り取ったシート8130を用意し、このシートを重曹の層の上面を覆うように敷いた。このとき、紙紐の端部が重曹の層を貫通してシートに接触するようにした。次いで、4.3gのクエン酸8142の粉末を、シートの上面に均一の厚さの層となるように広げた。
(試験方法)
水8200を入れたバットを用意し、バットの鉛直方向上方に、上述のように機能性材料をセットした反応装置を配置した。紙コップから外部に延出する紙紐の部分の一部が試験時間中バット内の水に浸っているように、紙紐を水に漬けた。紙コップの収容部で発生するガスを捕集し、紙紐を水に漬けてからの経過時間に対応するガス発生量(体積)をメスシリンダで測定した。
[実施例2]
図7(b)の概略図を参照して実施例2および3を説明する。
(反応装置)
底面の直径φが5cmの市販の紙コップ8001を用意した。また、雑誌を縛る用途に用いられる市販の太さ約2mmの紙紐8020を長さ5cmで用意した。紙コップの底面の側面近傍に紙紐がぴったりと合って入るような直径約2mmの穴を開け、紙紐をその穴に差し込んで嵌め、紙紐の1つの端部を紙コップの内部空間(収容部)に約15mmだけ突出させ、残りの部分を紙コップの外部に延出させて、実施例2の反応装置8001とした。
(機能性材料)
5.0gの重曹8144の粉末を、紙コップの収容部に入れて、紙コップの底面に均一の厚さの層となるように広げた。また、パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布(坪量80g/m2)を直径φ約5cmの円形に切り取ったシート8130を用意し、このシートを重曹の層の上面を覆うように敷いた。次いで、4.5gのクエン酸8142の粉末を、シートの上面に均一の厚さの層となるように広げた。このとき、紙紐が、重曹の層、シート、およびクエン酸の層の全てに接触するようにした。
(試験方法)
実施例1と同様にして、試験を行なった。
[実施例3]
重曹の粉末の量を10.0gとし、クエン酸の粉末の量を10.0gとした以外は実施例2と同様にして、実施例3とした。
[実施例4]
図7(c)の概略図を参照して実施例4を説明する。
(反応装置)
実施例1と同様にして、実施例4の反応装置を作製した。
(機能性材料)
パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布(坪量80g/m2)を直径φ約5cmの円形に切り取ったシート8130を用意し、このシートを紙コップの収容部の底面に敷いた。次いで、10.0gの重曹の粉末と9.0gのクエン酸の粉末とを混合して得た混合物8146を、シートの上面に均一の厚さの層となるように広げた。このとき、紙紐が、シートと混合物とに接触するようにした。
(試験方法)
実施例1と同様にして、試験を行った。
[実施例5]
図7(d)の概略図を参照して実施例5を説明する。
(反応装置)
実施例1と同様にして、実施例5の反応装置を作製した。
(機能性材料)
4.5gのクエン酸8142の粉末を、パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布8130(坪量80g/m2)で包み、不織布の開口部を木工用ボンドで閉じて縦5cm、横5cmの大きさの第1の袋状物とした。同様に、5.0gの重曹8144の粉末を、パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布8130(坪量80g/m2)で包み、不織布の開口部を木工用ボンドで閉じて縦5cm、横5cmの大きさの第2の袋状物とした。紙コップの収容部に、第1の袋状物と第2の袋状物とをこの順番で重ねて入れた。このとき、第1の袋状物の1つの面と紙コップの底面とが接触し、第1の袋状物の別の面と第2の袋状物の1つの面とが接触し、紙紐が第1の袋状物と接触し、第2の袋状物と離間するようにした。また、第1の袋状物内のクエン酸の粉末、および第2の袋状物内の重曹は、それぞれ、袋状物内で紙コップの底面方向に広がって均一の厚さの層となるようにした。
(試験方法)
実施例1と同様にして、試験を行った。
[実施例6]
図7(e)の概略図を参照して実施例6を説明する。
(反応装置)
実施例2と同様にして、実施例6の反応装置を作製した。
(機能性材料)
パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布(坪量80g/m2)を直径φ約5cmの円形に切り取ったシート8130を用意し、このシートを紙コップの収容部の底面に敷いた。実施例5と同様にして作製した第1の袋状物および第2の袋状物を、第1の袋状物の1つの面と第2の袋状物の1つの面とが接触し、且つ第1の袋状物および第2の袋状物の一部がそれぞれシートと接触するように、第1の袋状物および第2の袋状物を収容部に立てて入れた。このとき、紙紐を、シートと接触させ、且つ第1の袋状物および第2の袋状物と離間させた。
(試験方法)
実施例1と同様にして、試験を行った。
[比較例1]
図8(a)の概略図を参照して比較例1を説明する。
(反応装置)
底面の直径φが5cmの市販の紙コップ8010を用意して、比較例1の反応装置10010とした。
(機能性材料)
パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布(坪量80g/m2)を直径φ約5cmの円形に切り取ったシート8130を用意し、このシートを紙コップの収容部の底面に敷いた。次いで、5.0gの重曹の粉末と4.5gのクエン酸の粉末とを混合して得た混合物8146を、シートの上面に均一の厚さの層となるように広げた。
(試験方法)
紙コップの収容部に、5mlの水8200(不図示)を一気に注いだ。紙コップの収容部で発生するガスを捕集し、水を注いでからの経過時間に対応するガス発生量(体積)をメスシリンダで測定した。
[比較例2]
図8(b)の概略図を参照して比較例2を説明する。
(反応装置)
底面の直径φが5cmの市販の紙コップ8010を用意した。紙コップの底面の側面近傍に直径約2mmの穴を開けて、比較例2の反応装置10010とした。
(機能性材料)
パルプを原料としエアレイド法で製造された不織布(坪量80g/m2)を直径φ約5cmの円形に切り取ったシート8130を用意し、このシートを紙コップの収容部の底面に敷いた。実施例5と同様にして作製した第1の袋状物および第2の袋状物を、第1の袋状物の1つの面と第2の袋状物の1つの面とが接触し、且つ第1の袋状物および第2の袋状物の一部がそれぞれシートと接触するように、第1の袋状物および第2の袋状物を収容部に立てて入れた。このとき、紙コップの底面の穴の位置と、第1の袋状物および第2の袋状物の位置とを、底面の面方向において離間させた。
(試験方法)
水を入れたバットを用意し、バットの内部に、機能性材料を上述のようにセットした反応装置を配置した。このとき、バット内の水が、紙コップの底部の穴から収容部内に浸入し、シートと接触するようにした。紙コップの収容部で発生するガスを捕集し、紙コップをバットの内部に配置してからの経過時間に対応するガス発生量(体積)をメスシリンダで測定した。
[試験結果および評価]
実施例についての経過時間とガス発生量との関係を、図9(a)から(f)に示す。また、比較例についての経過時間とガス発生量との関係を、図10(a)および(b)に示す。
機能性材料に対して水を一気に加える比較例1では、水を加えた直後に反応が一気に生じ、水を加えてから2時間以内に、ガス発生量の積算量がほぼ飽和に達した。これに対し、本発明の実施形態に係る実施例1から6は、いずれも、ガス発生量の積算量がほぼ飽和に達するまでの時間、すなわちガス発生の継続時間が、比較例1と比べて長かった。
また、紙紐を介して機能性材料に水を付与した実施例6と、紙紐を介さずに機能性材料に水を付与した比較例2とを比較すると、実施例6は、16時間経過後においてもガス発生量の積算量が比較例2の3時間経過後のガス発生量の積算量に未達であり、反応が緩やかに進んでいた。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、これらの実施形態および本明細書中で使用される用語は、限定目的ではなく例示目的であることは理解されよう。本明細書の教示の利益を得る当業者は、本明細書に記載される本発明の実施形態に対して多数の変更を行うことができ、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく変更を行ってもよい。
以下に、本発明の好ましい態様を示す。
1. 液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料を反応させる反応装置であって、前記機能性材料を収容する収容部を有する容器と、液体を吸い上げる性質を有する吸上材と、を備え、前記吸上材は、前記収容部の内部と外部とを連通し、前記収容部の外部に配置された液体との接触によって吸い上げた液体が前記収容部に収容された前記機能性材料に適用されるように構成されている、反応装置。
2. 前記吸上材は、前記収容部に収容された前記機能性材料と流体連通するように構成されている、1.に記載の反応装置。
3. 前記収容部内に位置する前記吸上材のうちの少なくとも一部は、前記収容部の外部に配置された液体の水位よりも鉛直方向下方に位置するように構成されている、1.または2.に記載の反応装置。
4. 前記液体を貯蔵し前記収容部の外部に配置される貯蔵部を有する、1.から3.のいずれかに記載の反応装置。
5. 前記貯蔵部は、前記容器に設けられている、1.から4.のいずれかに記載の反応装置。
6. 前記貯蔵部は、前記容器とは別の第2の容器に設けられている、1.から4.のいずれかに記載の反応装置。
7. 前記容器は、鉛直方向において前記第2の容器の上方に配置される、6.に記載の反応装置。
8. 前記容器と前記第2の容器とは、鉛直方向にスタック可能に構成されている、6.または7.に記載の反応装置。
9. 前記吸上材は、前記機能性材料と接触するように構成されている、1.から8.のいずれかに記載の反応装置。
10. 前記機能性材料は、通水性材料と接するように前記通水性材料と共に前記収容部に収容され、前記吸上材は、前記通水性材料を介して前記機能性材料と流体連通可能に構成されている、1.から9.のいずれかに記載の反応装置。
11. 前記通水性材料は、通水性シートを含み、前記通水性シートは、前記収容部に収容された状態の前記機能性材料に関し、前記機能性材料と前記容器との間、前記機能性材料の中、および前記機能性材料の前記容器との非接触面のうちの少なくとも一箇所に配置される、10.に記載の反応装置。
12. 前記通水性シートは、袋状であり、前記機能性材料の少なくとも一部を内部に含む、10.または11.に記載の反応装置。
13. 前記機能性材料は複数の材料を含み、前記吸上材を介する前記液体の適用は前記複数の材料のうちの溶解度の高い方の材料に対して優先的に行われるように構成要素の配置が決定される、1.から12.のいずれかに記載の反応装置。
14. 前記機能性材料は、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方を含み、
前記液体は水を含み、前記機能性材料が前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方を含み他方を含まない場合は、前記液体は前記他方の水溶液である、1.から13.のいずれかに記載の反応装置。
15. 前記吸上材は、前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方と直接的に流体連通するように構成されている、14.に記載の反応装置。
16. 前記吸上材は、前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方と、通水性材料を介して間接的に流体連通するように構成されている、14.または15.に記載の反応装置。
17. 前記通水性材料は通水性シートであり、前記通水性シートは、前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方を包む袋状、両方を別個に包む袋状、または両方を一緒に包む袋状である、16.に記載の反応装置。
18. 前記通水性材料は通水性シートであり、前記通水性シートは、前記炭酸塩粒子と前記酸粒子との間に配置される、16.または17.に記載の反応装置。
19. 前記機能性材料が前記炭酸塩粒子および酸粒子の両方を含む場合は、前記炭酸塩粒子および酸粒子の両方は、混合物として含まれる、14.に記載の反応装置。
20. 前記機能性材料が前記炭酸塩粒子および酸粒子の両方を含む場合は、前記炭酸塩粒子および酸粒子の両方は、積層体として含まれる、14.に記載の反応装置。
21. 前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方は、前記前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方を含有する層を含むシートの形態で含まれる、14.に記載の反応装置。
22. 前記シートは不織布シートである、21.に記載の反応装置。
23. 前記機能性材料は、機能性成分が包接されたシクロデキストリンを含む、1.から22.のいずれかに記載の反応装置。
24. 前記機能性成分が包接されたシクロデキストリンは、前記シクロデキストリンを含有する層を含む不織布シートの形態で含まれる、23.に記載の反応装置。
25. 前記シクロデキストリンを含有する層は乾式法で設けられた、24.に記載の反応装置。
26. 前記機能性材料は、金属酸化物および/または金属水酸化物を含む、1.から25.のいずれかに記載の反応装置。
27. 前記金属酸化物および/または金属水酸化物は、前記金属酸化物および/または金属水酸化物を含有する層を含む不織布シートの形態で含まれる、26.に記載の反応装置。
28. 1.から27.のいずれかに記載の反応装置の前記収容部に配置して用いられる使い捨て型機能性材料カートリッジであって、前記使い捨て型機能性材料カートリッジは、前記機能性材料と、前記機能性材料に接触させて用いられる通水性材料とを含む、使い捨て型機能性材料カートリッジ。
29. 前記通水性材料は、通水性シートであり、前記通水性シートは、前記収容部に収容された状態の前記機能性材料に関し、前記機能性材料と前記容器との間、前記機能性材料の中、および前記機能性材料の前記容器との非接触面のうちの少なくとも一箇所に配置される、28.に記載の使い捨て型機能性材料カートリッジ。
30. 前記通水性シートは、前記機能性材料の少なくとも一部を包む袋状である、29.に記載の使い捨て型機能性材料カートリッジ。
以上のように、本発明の実施形態に係る反応装置は、液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料に対して広く用いることができる。例えば、機能性材料が液体(水)を介した反応により炭酸ガスを発生する材料(酸および炭酸塩)である場合は、本発明の反応装置は、炭酸ガス発生装置として使用され得る。また、他の機能性材料として、液体を適用することにより抗菌性を発揮可能な抗菌性材料や、芳香を発現可能な芳香性材料等を用いることができる。そのような材料の例として、例えば、金属酸化物および/または金属水酸化物や、抗菌性成分および/または芳香性成分を包接するシクロデキストリン等がある。複数の機能性材料を組み合わせて用いることもできる。液体としては、例えば水を用いることができる。機能性材料が複数の成分(例えば、炭酸ガス発生材料における酸および炭酸塩などの反応物)からなる場合は、発明に係る液体として、複数の成分(反応物)のうちの一部の成分(反応物)の溶液(水溶液)などを用いてもよい。
また、特許文献1の炭酸ガス発生装置では、常に酸を水溶液の形態で用いるため、炭酸ガス発生装置の使用者は、酸を水溶液の形態で購入、運搬、貯蔵するか、固体の形態で入手した酸を自ら水溶液の形態に調製する必要があるなど、材料の取り扱いに不便な点があった。これに対し、本発明の実施形態に係る反応装置を炭酸ガス発生装置として使用する場合に、酸および炭酸塩の両方を固体の形態で用いて、液体として水道水などの水を用いることができる。つまり、本発明の実施形態に係る反応装置では、機能性材料を固体の形態で用いる使用形態をとることができるため、従来技術における上述の不便な点を解消し得る。
8001、9001 反応装置
8010、9010 容器(第1の容器)
8020、9020 吸上材
8100、9100 機能性材料
8130 通水性シート
8142 クエン酸(酸粒子)
8144 重曹(炭酸塩粒子)
8146 炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方
8210、9210 第2の容器

Claims (22)

  1. 液体を介した反応により機能を発揮する機能性材料を反応させる反応装置であって、
    前記機能性材料を収容する収容部を有する容器と、
    液体を吸い上げる性質を有する吸上材と、
    を備え、
    前記吸上材は、前記収容部の内部と外部とを連通し、前記収容部の外部に配置された液体との接触によって吸い上げた液体が前記収容部に収容された前記機能性材料に適用されるように構成されている、反応装置。
  2. 前記吸上材は、前記収容部に収容された前記機能性材料と流体連通するように構成されている、請求項1に記載の反応装置。
  3. 前記収容部内に位置する前記吸上材のうちの少なくとも一部は、前記収容部の外部に配置された液体の水位よりも鉛直方向下方に位置するように構成されている、請求項1または2に記載の反応装置。
  4. 前記液体を貯蔵し前記収容部の外部に配置される貯蔵部を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の反応装置。
  5. 前記貯蔵部は、前記容器とは別の第2の容器に設けられている、請求項4に記載の反応装置。
  6. 前記容器は、鉛直方向において前記第2の容器の上方に配置される、請求項5に記載の反応装置。
  7. 前記吸上材は、前記機能性材料と接触するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の反応装置。
  8. 前記機能性材料は、通水性材料と接するように前記通水性材料と共に前記収容部に収容され、前記吸上材は、前記通水性材料を介して前記機能性材料と流体連通可能に構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の反応装置。
  9. 前記通水性材料は、通水性シートを含み、前記通水性シートは、前記収容部に収容された状態の前記機能性材料に関し、前記機能性材料と前記容器との間、前記機能性材料の中、および前記機能性材料の前記容器との非接触面のうちの少なくとも一箇所に配置される、請求項8に記載の反応装置。
  10. 前記通水性シートは、袋状であり、前記機能性材料の少なくとも一部を内部に含む、請求項9に記載の反応装置。
  11. 前記機能性材料は、炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方を含み、
    前記液体は水を含み、前記機能性材料が前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方を含み他方を含まない場合は、前記液体は前記他方の水溶液である、請求項1から10のいずれか一項に記載の反応装置。
  12. 前記機能性材料が前記炭酸塩粒子および酸粒子の両方を含む場合は、前記炭酸塩粒子および酸粒子の両方は、混合物として含まれる、請求項11に記載の反応装置。
  13. 前記機能性材料が前記炭酸塩粒子および酸粒子の両方を含む場合は、前記炭酸塩粒子および酸粒子の両方は、積層体として含まれる、請求項11に記載の反応装置。
  14. 前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方は、前記前記炭酸塩粒子および酸粒子のうちの一方または両方を含有する層を含むシートの形態で含まれる、請求項11に記載の反応装置。
  15. 前記シートは不織布シートである、請求項14に記載の反応装置。
  16. 前記機能性材料は、機能性成分が包接されたシクロデキストリンを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の反応装置。
  17. 前記機能性成分が包接されたシクロデキストリンは、前記シクロデキストリンを含有する層を含む不織布シートの形態で含まれる、請求項16に記載の反応装置。
  18. 前記シクロデキストリンを含有する層は乾式法で設けられた、請求項17に記載の反応装置。
  19. 前記機能性材料は、金属酸化物および/または金属水酸化物を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の反応装置。
  20. 前記金属酸化物および/または金属水酸化物は、前記金属酸化物および/または金属水酸化物を含有する層を含む不織布シートの形態で含まれる、請求項19に記載の反応装置。
  21. 請求項1から20のいずれか一項に記載の反応装置の前記収容部に配置して用いられる使い捨て型機能性材料カートリッジであって、前記使い捨て型機能性材料カートリッジは、前記機能性材料と、前記機能性材料に接触させて用いられる通水性材料とを含む、使い捨て型機能性材料カートリッジ。
  22. 前記通水性材料は、通水性シートを含み、前記通水性シートは、前記収容部に収容された状態の前記機能性材料に関し、前記機能性材料と前記容器との間、前記機能性材料の中、および前記機能性材料の前記容器との非接触面のうちの少なくとも一箇所に配置される、請求項21に記載の使い捨て型機能性材料カートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021136982A (ja) * 2020-03-05 2021-09-16 桃香 丸島 蚊の誘引方法および誘引装置

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