JP2018133264A - 車両用内装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な発光強度を有する等の所望品質を備え、安価に製造できる車両用内装材を提供する。
【解決手段】本発明の車両内装材(例えば、シートベルトウェビング等)は、経糸1Aと緯糸1Bとが織り込まれて構成される織物本体2Aを備えるものであって、織物本体2Aを構成する経糸1A及び緯糸1Bの少なくとも一方には、光を伝達可能な光伝達糸1dが含まれ、織物本体2Aに対して、光伝達糸1dの屈折率よりも屈折率が低い素材で構成されるコーティング層2Bが設けられている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の車両内装材(例えば、シートベルトウェビング等)は、経糸1Aと緯糸1Bとが織り込まれて構成される織物本体2Aを備えるものであって、織物本体2Aを構成する経糸1A及び緯糸1Bの少なくとも一方には、光を伝達可能な光伝達糸1dが含まれ、織物本体2Aに対して、光伝達糸1dの屈折率よりも屈折率が低い素材で構成されるコーティング層2Bが設けられている。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用内装材に関する。更に詳しくは、発光機能が設けられた車両用内装材に関する。
車両用内装材の中には、車両内が暗い場合に所定の部位が発光することにより、その在処等を容易に確認できることが望ましいものがある。例えば、車両内装材である3点式シートベルト装置では、車両のセンターピラーの上部に設けられたスルーアンカーに挿通されるシートベルトウェビングを備え、このシートベルトウェビングに装着されたタングプレートがバックルにロックされる。そして、シートベルトウェビングを乗員の肩から胸、腰にかけて掛け渡しすることで、3点式シートベルト装置は使用状態となる。
3点式シートベルト装置等においては、例えば、車両が暗所に駐車された状態等であっても、車両の使用者(乗員)がシートベルトウェビング(車両用内装材)の在処を容易に確認できると利便性がよい。そのため、シートベルトウェビング等への発光部の配設が検討されている。
具体的には、例えば、シートベルトウェビング等の織物に発光部を設けるための手法としては、光ファイバーを織物の構成繊維とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。つまり、コアとクラッドとを備える光ファイバーを構成繊維に含む織物が提案されている。
しかしながら、上述の特許文献1に記載された織物を車両用内装材に適用しても、所望品質の車両用内装材を得ることが困難であったり、車両用内装材の製造上の問題点を生じたりする。
具体的には、例えば、光ファイバーの繊維径を小さくすることが困難であるため、製織された織物の屈曲剛性が高くなり、風合いが悪くなり易い。また、光ファイバーは製織時や使用時等に無用の傷を生じ易いため、この無用の傷が原因で車両用内装材の品質が低下したり、十分な発光強度が得られなくなったりする可能性がある。更に、織物の構成素材(構成糸)として光ファイバーを用いると、コスト高になるという製造上の問題を生ずる可能性がある。
具体的には、例えば、光ファイバーの繊維径を小さくすることが困難であるため、製織された織物の屈曲剛性が高くなり、風合いが悪くなり易い。また、光ファイバーは製織時や使用時等に無用の傷を生じ易いため、この無用の傷が原因で車両用内装材の品質が低下したり、十分な発光強度が得られなくなったりする可能性がある。更に、織物の構成素材(構成糸)として光ファイバーを用いると、コスト高になるという製造上の問題を生ずる可能性がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、光伝達糸を含む状態で織り込まれた織物本体に対して、クラッドの役割をなすコーティング層を設ける構成を採用することで、十分な発光強度を有する等の所望品質を備え、安価に製造できる車両用内装材を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、経糸と緯糸とが織り込まれて構成される織物本体を備える車両用内装材であって、
前記織物本体を構成する前記経糸及び前記緯糸の少なくとも一方には、光を伝達可能な光伝達糸が含まれ、
前記織物本体に対して、前記光伝達糸の屈折率よりも屈折率が低い素材で構成されるコーティング層が設けられていることを要旨とする。
前記織物本体を構成する前記経糸及び前記緯糸の少なくとも一方には、光を伝達可能な光伝達糸が含まれ、
前記織物本体に対して、前記光伝達糸の屈折率よりも屈折率が低い素材で構成されるコーティング層が設けられていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記車両用内装材は、シートベルトウェビングであり、
前記経糸の一部に前記光伝達糸を備えることを要旨とする。
前記経糸の一部に前記光伝達糸を備えることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記光伝達糸は前記シートベルトウェビングの長手方向に沿って配置されており、
前記光伝達糸の一端部に向かって光を発光可能な発光手段を備え、該発光手段の発光と該発光の停止とを制御可能であることを要旨とする。
前記光伝達糸の一端部に向かって光を発光可能な発光手段を備え、該発光手段の発光と該発光の停止とを制御可能であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記光伝達糸が、シートベルトウェビングの短手方向における両端側に配置されていることを要旨とする。
本発明の車両用内装材によれば、光伝達糸が従来の芯鞘構造の光ファイバーにおけるコア部の役割を擬似的に果たし、且つコーティング層がクラッド部の役割を擬似的に果たす。そのため、光伝達糸に入射された光を導光させるとともに、周面方向に光を漏光させることができる。そして、このようにして得られる発光により車両用内装材の視認性や意匠性を向上させることができる。また、従来のように、構成糸として光ファイバー(芯鞘構造の光ファイバー)を用いて製織していないため、得られる織物の屈曲剛性を抑制することが容易であり、生地の風合いを良くすることができる。更に、織物本体に対して、事後的にコーティング層が設けられているため、従来の光ファイバーを構成糸として用いた織物(光ファイバーが表面に露出してしまう織物)において問題となっていた耐久性や傷付き易さを大幅に改善し、品質の向上を図ることができる。また、車両用内装材の製造にかかるコストを従来の光ファイバーを用いた場合よりも低く抑えることができる。
また、車両用内装材がシートベルトウェビングであり、経糸の一部に光伝達糸を備えた形態である場合、発光によってシートベルトウェビングの視認性が大幅に向上し、ウェビングの先端部を探すことなく、容易にシートベルトを着用することができる。
更に、光伝達糸はシートベルトウェビングの長手方向に沿って配置されており、光伝達糸の一端部に向かって光を発光可能な発光手段を備え、発光手段の発光と発光の停止とを制御可能な形態である場合には、シートベルトウェビングの利便性を向上させることができる。つまり、車両の駆動を開始(例えば、エンジンキーを鍵穴に差し込む)としたり、車両の駆動開始の準備(乗員が車両の座席に着座する)のための動作を行ったりすると、発光手段が駆動し、シートベルトウェビングが発光を開始する。一方、車両の駆動を停止せたり、車両の駆動停止の準備のための動作を行ったりすると、発光手段が駆動を停止し、シートベルトウェビングが発光を停止することとすると、車両の駆動開始・駆動停止と、発光手段の駆動開始・駆動停止が連動し、利便性が高い。
また、光伝達糸がシートベルトウェビングの短手方向(幅方向)における両端側に配置された形態である場合には、発光によりシートベルトウェビング全体のシルエット(特に幅領域)を視認(理解)し易く、シートベルトウェビングの視認性をより向上させることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
シートベルト装置の構成を説明するための模式的な射視図である。
シートベルトウェビングの構成を説明するための模式的な平面図である。
(a)は実施例1の織物本体の織り組織の模式的な一部平面図であり、(b)は図2におけるX−X断面を説明するための模式図であり、(c)は図2におけるY−Y断面を説明するための模式図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本実施形態に係る車両用内装材(1)は、経糸(1A)と緯糸(1B)とが織り込まれて構成される織物本体(2A)を備える車両用内装材であって、織物本体(2A)を構成する経糸(1A)及び緯糸(1B)の少なくとも一方には、光を伝達可能な光伝達糸(1d)が含まれる。そして、織物本体(2A)に対して、光伝達糸(1d)の屈折率よりも屈折率が低い素材で構成されるコーティング層(2B)が設けられていることを特徴とする(図1〜図3参照)。
上記織物本体(2A)は、構成糸である経糸(1A)及び緯糸(1B)を織り込んで構成された織り組織を有する布帛である。なお、織り組織は特に限定されず、平織り、綾織り、朱子織り等の種々の織り組織を採用することができる。
上記光伝達糸(1d)は、経糸(1A)及び緯糸(1B)の少なくとも一方に含まれていればよい。特に、車両用内装材が帯状のシートベルトウェビングである場合には、製織性の観点から、光伝達糸が経糸に含まれていることが好ましい。
この光伝達糸(1d)としては、例えば、モノフィラメントやマルチフィラメントを用いることができる。
上記光伝達糸(1d)の具体的な素材としては、透明度が高く光の伝達損失が少ない樹脂を使用することが好ましい。例えば、PMMA(ポリメチルメタルクリレート)、PET(ポリエチレンレテレフタレート)、アクリル、ポリカーボネート等を例示することができる。但し、この光伝達糸(1d)の屈折率は、コーティング層(2B)を構成する素材の屈折率よりも高い。
この光伝達糸(1d)としては、例えば、モノフィラメントやマルチフィラメントを用いることができる。
上記光伝達糸(1d)の具体的な素材としては、透明度が高く光の伝達損失が少ない樹脂を使用することが好ましい。例えば、PMMA(ポリメチルメタルクリレート)、PET(ポリエチレンレテレフタレート)、アクリル、ポリカーボネート等を例示することができる。但し、この光伝達糸(1d)の屈折率は、コーティング層(2B)を構成する素材の屈折率よりも高い。
尚、光伝達糸(1d)において、経糸(1A)及び緯糸(1B)には、同一の糸が用いられていてもよいし、異なる糸が用いられていてもよい。また、経糸に用いられる光伝達糸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。同様に、緯糸に用いられる光伝達糸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
光伝達糸(1d)の繊度は特に限定されないが、例えば、100dtex以上1000dtex以下であることが好ましく、より好ましくは200dtex以上700dtex以下、更に好ましくは300dtex以上500dtex以下である。
また、織物本体(布帛)(2A)において光伝達糸(1d)を配置する範囲は、車両用内装材(1)の種類や用途に応じて種々選択できる。
また、光伝達糸以外の他の構成糸[即ち、光を伝達不可能な非光伝達糸(1c、1e)]としては、例えば、モノフィラメントやマルチフィラメントを用いことができる。
この非光伝達糸(1c、1e)の具体的な構成は特に限定されず、上述の光伝達糸以外の一般的な構成糸を用いることができる。例えば、植物系及び動物系の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成樹脂からなる合成繊維等を材料とするものを採用することができる。
合成繊維を構成する樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
この非光伝達糸(1c、1e)の具体的な構成は特に限定されず、上述の光伝達糸以外の一般的な構成糸を用いることができる。例えば、植物系及び動物系の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成樹脂からなる合成繊維等を材料とするものを採用することができる。
合成繊維を構成する樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
尚、非光伝達糸(1c、1e)において、経糸(1A)及び緯糸(1B)には、同一の糸が用いられていてもよいし、異なる糸が用いられていてもよい。また、経糸に用いられる構成糸(非光伝達糸)は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。同様に、緯糸に用いられる構成糸(非光伝達糸)は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
非光伝達糸(1c、1e)の繊度は特に限定されないが、例えば、100dtex以上1000dtex以下であることが好ましく、より好ましくは200dtex以上700dtex以下、更に好ましくは300dtex以上500dtex以下である。
上記コーティング層(2B)を構成する素材としては、例えば、フッ素樹脂、ウレタン等を例示できる。但し、この素材の屈折率は、光伝達糸(1d)よりも低い。
尚、織物本体に対するコーティング方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。例えば、浸漬法、スプレー法、ナイフコート法、ロールコート法等を例示することができる。
尚、織物本体に対するコーティング方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。例えば、浸漬法、スプレー法、ナイフコート法、ロールコート法等を例示することができる。
本実施形態に係る車両用内装材(1)においては、構成糸(特に、本発明をシートベルトウェビングに適用した場合には経糸)の一部に光伝達糸(1d)が用いて織られた織物本体(2A)を、当該光伝達糸(1d)よりも屈折率の低い素材(以下、コーティング樹脂という。)でコーティングする。つまり、前もって織られた織物本体(2A)に対して、事後的にコーティング樹脂をコーティングし、コーティング層(2B)を形成することで、擬似的に光ファイバーと同様な構成を得ることとしている。すなわち、光伝達糸(1d)が、従来の光ファイバーのコア部の役割を担い、光伝達糸(1d)よりも屈折率が低いコーティング層(コーティング樹脂)(2B)が、従来の光ファイバーのクラッド部の役割を担っている。
そのため、光伝達糸(1d)に入射された光を導光させるとともに、周面方向に光を漏光させることができる。そして、このようにして得られる発光により車両用内装材(1)の視認性や意匠性を向上させることができる。また、従来のように、構成糸として光ファイバー(芯鞘構造の光ファイバー)を用いて製織していないため、得られる織物の屈曲剛性を抑制することが容易であり、生地の風合いを良くすることができる。更に、織物本体(2A)に対して、事後的にコーティング層(2B)が設けられているため、従来の光ファイバーを構成糸として用いた織物(光ファイバーが表面に露出してしまう織物)において問題となっていた耐久性や傷付き易さを大幅に改善し、品質の向上を図ることができる。また、車両用内装材(1)の製造にかかるコストを従来の光ファイバーを用いた場合よりも低く抑えることができる。
本実施形態に係る車両用内装材としては、例えば、シートベルトウェビング(1)であり、経糸(1A)の一部に光伝達糸(1d)を備える形態を挙げることができる(図1〜図3参照)。これにより、発光によってシートベルトウェビングの視認性を大幅に向上させ、ウェビングの先端部を探すことなく、乗員が容易にシートベルトを着用することができる。
上述の形態の場合、例えば、光伝達糸(1d)はシートベルトウェビングの長手方向に沿って配置されており、光伝達糸(1d)の一端部(1L)に向かって光を発光可能な発光手段(8)を備え、発光手段(8)の発光と発光の停止とを制御可能であるものとすることができる。これにより、シートベルトウェビングの利便性を向上させることができる。つまり、車両の駆動を開始(例えば、エンジンキーを鍵穴に差し込む)としたり、車両の駆動開始の準備(乗員が車両の座席に着座する)のための動作を行ったりすると、発光手段が駆動し、シートベルトウェビングが発光を開始する。一方、車両の駆動を停止せたり、車両の駆動停止の準備のための動作を行ったりすると、発光手段が駆動を停止し、シートベルトウェビングが発光を停止することとすると、車両の駆動開始・駆動停止と、発光手段の駆動開始・駆動停止が連動し、利便性を高めることができる。
また、上述の形態の場合、例えば、光伝達糸(1d)が、シートベルトウェビングの短手方向における両端側に配置されているものとすることができる。これにより、発光によってシートベルトウェビング全体のシルエット(特に幅領域)を視認(理解)し易くでき、シートベルトウェビングの視認性をより向上させることができる。
尚、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本実施例では、本発明に係る「車両用内装材」として、3点式シートベルト装置を例示する。
[1]実施例1
実施例1では、図1〜図3を用いて本発明を、3点式シートベルト装置のシートベルトウェビングに適用した具体例を説明する。
実施例1の3点式シートベルト装置Sは、図1に示すように、シートベルトウェビング1を備える。つまり、このシートベルト装置Sでは、車両に設けられたボディパネルのピラーの下部に配置されたリトラクター5に、ウェビング1の一端部が取り付けられる。そして、3点式シートベルト装置Sの使用時(乗員がウェビング1を装着する時)、ウェビング1がリトラクター5から引き出される。
実施例1では、図1〜図3を用いて本発明を、3点式シートベルト装置のシートベルトウェビングに適用した具体例を説明する。
実施例1の3点式シートベルト装置Sは、図1に示すように、シートベルトウェビング1を備える。つまり、このシートベルト装置Sでは、車両に設けられたボディパネルのピラーの下部に配置されたリトラクター5に、ウェビング1の一端部が取り付けられる。そして、3点式シートベルト装置Sの使用時(乗員がウェビング1を装着する時)、ウェビング1がリトラクター5から引き出される。
このウェビング1は、ボディパネルのピラーの上部に配置されたスルーアンカー7のウェビング挿通孔7aに挿通され、その一面側がウェビング挿通孔7aの周面と摺動される。また、ウェビング1の他端部は、車両のシートのボディパネル側に配置されたスルーアンカー9に対して取り付けられている。更に、ウェビング1の長さ方向の中間部には、タングプレート11が嵌められている。そして、シートベルト装着時、タングプレート11はバックル13に係止される。一方、ウェビング1の解除時、タングプレート11はバックル13から脱離され、ウェビング1はタングプレート11がスルーアンカー7に近接する位置まで巻き戻される。
また、図2及び図3に示すように、ウェビング1は、経糸1Aと緯糸1Bとが織り込まれて構成される織物本体2Aと、織物本体2Aに対してコーティングされたコーティング層2Bと、を備える。この織物本体2Aは、経糸1A及び緯糸1Bを織り込んで構成された織り組織を有する布帛である。つまり、経糸1Aはウェビング1の長手方向に沿って織り込まれ、且つ緯糸1Bはウェビング1の幅方向に沿って織り込まれている。
ここで、図3(a)は織物本体2Aの表面(図面上、表面を上に向けた表面)を示す平面図であり、経糸1Aと緯糸1Bとが交差する部分(略十字状に構成する部分)において、経糸1Aの下方に緯糸1Bが潜るか、緯糸1Bの下方に経糸1Aが潜っている。そして、図3(b)(ウェビング1の長手方向に対して垂直な断面を示す模式図)に示すように、経糸1Aは短手方向(ウェビング1の短手方向)に一定間隔をおいて等間隔に複数配置されている。また、緯糸1Bは、経糸1Aの間をうねるような経路を描いて(波型の経路を描いて)配置されている。更に、図3(c)(ウェビング1の短手方向に対して垂直な断面を示す模式図)に示すように、緯糸1Bは、ウェビング1の長手方向に向かって等間隔に配置されている。更に、経糸1Aは、緯糸1Bの間をうねるように(波型の経路を描いて)配置されている。このように、織物本体2Aは、経糸1Aと緯糸1Bとが交差する部分にクランプ(屈曲部)を備える。但し、織物本体2Aの織り組織の態様は特に限定されず、例えば、平織り、綾織り、朱子織り等の種々の織り組織を採用することができる。
図2及び図3(a)に示すように、経糸1Aは光を伝達不可能な非光伝達糸1cと、光を伝達可能な光伝達糸1dとを備え、緯糸1Bは光を伝達不可能な非光伝達糸1eのみを備える。但し、経糸1Aを非光伝達糸のみで構成し、緯糸1Bを非光伝達糸と光伝達糸とで構成してもよいし、経糸1A及び緯糸1Bが、それぞれ、非光伝達糸と光伝達糸とで構成されてもよい。
ここで、図3(a)で図示する経糸1Aのうちで、ハッチング表示がなされていない経糸1Aが非光伝達糸1cであり、ハッチング表示がなされている経糸1Aが光伝達糸1dである。なお、緯糸1Bは非光伝達糸1eのみを備えるため、緯糸1Bにはハッチング表示がなされていない。
ここで、図3(a)で図示する経糸1Aのうちで、ハッチング表示がなされていない経糸1Aが非光伝達糸1cであり、ハッチング表示がなされている経糸1Aが光伝達糸1dである。なお、緯糸1Bは非光伝達糸1eのみを備えるため、緯糸1Bにはハッチング表示がなされていない。
図2に示すように、織物本体(布帛)2Aにおいて、短手方向(幅方向)における一端部1f側の経糸1A(1c)よりも内側の部位(一端部から5mm以上の部位)の3本の経糸1A(a1〜a3)と、短手方向の他端部1g側の経糸1A(1c)よりも内側の部位(他端部から5mm以上の部位)の3本の経糸1A(a4〜a6)が光伝達糸1dであり、残りの経糸1Aが非光伝達糸1cである。
実施例1の織物本体(布帛)2Aでは、図2に示すように、短手方向における一端部1f(一端縁)側を構成する経糸1Aを非光伝達糸1cとし、当該非光伝達糸1cに隣り合う3本の経糸1A(他端部1g方向に隣り合う3本の経糸a1〜a3)を光伝達糸1dとする。また、短手方向における他端部1g(他端縁)側を構成する経糸1Aを非光伝達糸1cとし、当該非光伝達糸1cに隣り合う3本の経糸1A(一端部1f方向に隣り合う3本の経糸a4〜a6)を光伝達糸1dとする。つまり、光伝達糸1dからなる経糸1Aは、織物本体(布帛)2Aでは、短手方向の両端部1f、1g側において連続して隣り合うように配置されている。
また、実施例1の織物本体(布帛)2Aでは、短手方向(幅方向)における幅を「d」とした場合、例えば、一端部1f(一端縁)側及び他端部1g(他端縁)側のそれぞれから「d/16」から「2d/16」の範囲の位置を構成する経糸1Aを、光伝達糸1dとすることができる。なお、経糸1Aを、光伝達糸1dとする範囲はこれに限定されず、例えば、一端部1f(一端縁)側及び他端部1g(他端縁)側のそれぞれから、「d/32」から「2d/32」の範囲(より狭い範囲)としたり、「d/32」から「5d/32」の範囲(より広い範囲)としたりすることができる。
また、実施例1では光伝達糸1dがウェビング1の短手方向における端部(短手方向に沿った最端部)寄りの部位に配置されている。本実施例では、ウェビング1の視認性を向上することを目的とするため、幅方向における両端に近い部位が光っていた方が、ウェビング1全体のシルエットを把握し易くなるため、当該端部に近いところを発光させることとしている。その一方で、視認性の観点からは、ウェビング1の幅方向における中央部位は発光させる必要があまりないため、光伝達糸1dをウェビング1の幅方向における中央部位を除く位置に配置している。
しかも、ウェビング1の短手方向における両端部分(エッジ部分)は、シートベルトの使用時に摺動を生じ易い部分であるため、当該部分を避けて、光伝達糸1dを配置した方が性能的に好ましい。実施例1では、かかる理由で、ウェビング1の幅領域が視認(理解)し易く、使用上の不都合を生じ難い箇所に、光伝達糸を配置することとしている。
実施例1では、織物本体2Aに、光伝達糸1dの屈折率よりも屈折率が低い素材(フッ素樹脂、ウレタン等)をコ−ティングし、コーティング層2B(薄膜)を形成している。つまり、織物本体2Aに対して、光伝達糸1dの屈折率よりも屈折率が低い素材からなるコーティング層2Bが形成されている。
つまり、実施例1では、光伝達糸1dを含む織物本体2Aの表裏面の全域にコーティング層2Bが設けられていることで、光ファイバーと同様な構成を擬似的に構築している。具体的には、図3(b)及び(c)に示すように、ウェビング1では、従来の芯鞘構造の光ファイバーにおけるコア部の役割を光伝達糸1dが果たしており、従来の芯鞘構造の光ファイバーにおけるクラッド部の役割をコーティング層2Bが果たしている。
なお、図面では、コーティング層2Bを実際よりも厚く記載しているが、通常、コーティング層2Bの膜厚は、例えば、5mm以下(特に1mm以下)とされる。
なお、図面では、コーティング層2Bを実際よりも厚く記載しているが、通常、コーティング層2Bの膜厚は、例えば、5mm以下(特に1mm以下)とされる。
また、図2に示すように、ウェビング1の長手方向における一端部1Lであって光伝達糸1dと対向する位置には、当該光伝達糸1dに光を入射させるための発光手段8(例えば、LED装置)が配置されている。つまり、織物本体2の長手方向における一端部(つまり、リトラクター5に収納される端部)1Lには、発光手段8が配置され、発光手段8から織物本体2Aの端部1Lに向かって光を入射させることができる。この発光手段8は、ワイヤーハーネス等(図示せず)を介してエンジンコントロールユニット(ECU)等(図示せず)に接続されている。
そして、例えば、エンジンキーをキー穴に差し込むか、エンジンキーにエンジンの起動する操作を施すこと(例えば、エンジンキーを所定方向に捻ること)で、発光手段8は発光を開始する。これにより、織物本体2の長手幅の方向に沿った一方の端部1Lから入射した光は、織物本体2の長手方向における他端部1Rに向かって導光される。
つまり、織物本体2Aに対して、光伝達糸1dの構成素材よりも屈折率が低い素材で形成されたコーティング層2Bが設けられているため、光伝達糸1dの部分が光ファイバーのコア部と同様に機能し、発光手段8から入射された光の大部分は、ウェビング1の長手方向(一端部1Lから他端部1Rに向かう方向)に導光される。そして、前述のように、織物本体2Aがクランプ(屈曲)を備えるため、光伝達糸1dの長手方向に導光される光の一部が周囲に漏光し、十分な発光強度が得られる。この発光により、実施例1では、ウェビング1の視認性を向上させることができる。
また、例えば、エンジンキーをキー穴から抜き取るか、エンジンの駆動を停止する操作を施すこと(例えば、エンジンキーを所定方向と逆の方向に捻ること)で、発光手段8は発光を停止する。これにより、発光手段8の発光を停止し、ウェビング1は発光しない状態となる。このように、実施例1では、エンジンを駆動したり、エンジンに駆動開始の準備のための操作を施したりすると、発光手段8が駆動を開始し、ウェビング1が発光する。また、エンジンの駆動を停止させたり、エンジンの駆動停止の準備のための操作を施したりすると、発光手段8が駆動を停止し、ウェビング1が発光を停止する。このように、実施例1では、車両(エンジン)の駆動開始・駆動停止と、発光手段8の駆動開始・駆動停止が連動し、利便性が高い。つまり、ウェビング1を光らせたいときと、ウェビング1を光らせたくないときとを、発光手段8の駆動制御を通じてコントロールすることができる。
実施例1によると、光伝達糸1dを含む経糸1Aと、緯糸1Bとを織り込んで、織物本体2Aを構成した後、織物本体2Aの全体に対し、フッ素樹脂若しくはウレタンでコーティングを行い、織物本体2Aにコーティング層2Bを設ける。つまり、コアとクラッドとを備える光ファイバー(芯鞘構造)ではなく、コアに相当する光伝達糸(クラッドを備えない光伝達糸)を含む経糸1A、及び緯糸1Bを構成糸として用い、織物本体2Aを製織した後、織物本体2A全体に対して、クラッドに相当するコーティング層2Bを設ける。
このように、実施例1のウェビング1は、擬似的にコアとクラッドとを備える構成部分(光ファイバーと同様に作用する構成部分)を備え、この構成部分に入射された光を導光させたり、この構成部分で光を漏光させたりすることができる。このため、当該構成部分を発光させることで、ウェビング1の視認性を向上させることができる。また、光ファイバー(芯鞘構造の光ファイバー)を用いて製織を行わないため、製織された織物の屈曲剛性を抑制することが容易であり、風合いを良くすることができる。
また、シートベルト装置Sは、過酷な状況で連続に使用されるが、仮にウェビング1が芯鞘型の光ファイバーを構成糸として製織されていると、ウェビング1の耐傷付き性を満足することが困難となるおそれがある。一方、過酷に使用されるウェビング1の構成糸の耐摩耗性の高めようとすれば(例えば、鞘の肉厚を厚くすれば)、当該構成糸を用いて織物を上手く製織できない可能性が出てくる。これに対して、実施例1では、鞘を備えない光伝達糸1dを構成糸として織物本体2Aを製織し、製織後に事後的にコーティング層2Aを構成することで、擬似的に光ファイバーと同様な構成を得る。そして、製織後、事後的に形成されるコーティング層2Aの肉厚を高めること等で、シートベルトウェビングを過酷な状況で連続に使用しても、傷が付き難くされる。このため、実施例1によると、ウェビング1の視認性を向上させ、シートベルトの着用を促すこともできる。更に、構成糸に光ファイバーを用いないため、コスト的にも有利となる。なお、このように、実施例1では、従来の芯鞘構造の光ファイバーを使用しないため、ウェビング1(車両用内装材)の製造上、精度や材質などの制約を解消することができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例を例示することもできる。
例えば、光伝達糸1dは必ずしも、無色透明である必要はなく、有色透明として車両用内装材の意匠性を向上させること等もできる。つまり、上記実施例のように、経糸1A及び緯糸1Bのうちの一方が光伝達糸1dを含む態様において、経糸1A及び緯糸1Bのうちの他方(光伝達糸1dを含まない糸)を有色とし、車両用内装材の意匠性の向上を図ってもよい。更に、コーティング層2Bに無機物(タルク、粘度質等)を混入することにより、無機物によって乱反射を生じさせ、発光強度を向上させてもよい。
例えば、光伝達糸1dは必ずしも、無色透明である必要はなく、有色透明として車両用内装材の意匠性を向上させること等もできる。つまり、上記実施例のように、経糸1A及び緯糸1Bのうちの一方が光伝達糸1dを含む態様において、経糸1A及び緯糸1Bのうちの他方(光伝達糸1dを含まない糸)を有色とし、車両用内装材の意匠性の向上を図ってもよい。更に、コーティング層2Bに無機物(タルク、粘度質等)を混入することにより、無機物によって乱反射を生じさせ、発光強度を向上させてもよい。
また、経糸1Aを構成する光伝達糸1dと、非光伝達糸1cの配置態様として、実施例1とは異なる配置態様を選択することもできる。例えば、光伝達糸1dと、非光伝達糸1cの配置態様として、光伝達糸1dと非光伝達糸1cとを交互に配置する態様、織物本体(布帛)2Aの短手方向における両端部1f、1g側で光伝達糸1dを1本だけ配置する配置態様、織物本体(布帛)2Aを構成する経糸1Aの全体を光伝達糸1dとする配置態様等を例示することもできる。
更に、実施例1においてシートベルト装置について述べたが、暗所においてシートベルト装置の視認性を向上させる他の手段(本発明とは異なる手段)として、車両のドアを開放したり、エンジンキーをキー穴に差し込んだりした場合に、タングプレート11をリフトアップさせたり、発光させることも可能である。但し、実施例1のように、乗員の目に付き易い箇所であるウェビング1を発光させ、その視認性を向上させることが望ましい。
また、上記実施例では、経糸1Aと緯糸1Bとを織り込み、織物本体2Aにクランプを設けたことによる漏光によって発光を図っているが、コーティング層2Bの周面に「キズ」を設けるなどして漏光を行ってもよい。
また、上記実施例では、経糸1Aと緯糸1Bとを織り込み、織物本体2Aにクランプを設けたことによる漏光によって発光を図っているが、コーティング層2Bの周面に「キズ」を設けるなどして漏光を行ってもよい。
更に、実施例1では、シートベルト装置に適用するウェビング1について述べたが、前述の織物本体2Aと、コーティング層2Bとを備える構成を、ウェビング1以外の車両用内装材(例えば、車両用シート、車両用シートカバー等)にも適用することができる。そして、発光による意匠性の向上を意図する車両用内装材では、織物本体(2A)においてより広範囲(例えば、短手方向、長手方向に沿って、5〜9割の範囲、若しくは、全域)に光伝達糸を配置する態様を例示することもできる。
前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施形態を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
本発明の車両用内装材は、各種車両(自動車及び鉄道車両等)におけるシートベルトウェビングや表皮材等の織物が関わる分野において好適に利用することができる。
1;ウェビング、1A;経糸、1B緯糸、1c;非光伝達糸、1d;光伝達糸、1e;非光伝達糸、2A;織物本体、2B;コーティング層、5;リトラクター、7;スルーアンカー、8;発光手段、9;アンカー、11;タングプレート、13;バックル、S;シートベルト装置。
Claims (4)
- 経糸と緯糸とが織り込まれて構成される織物本体を備える車両用内装材であって、
前記織物本体を構成する前記経糸及び前記緯糸の少なくとも一方には、光を伝達可能な光伝達糸が含まれ、
前記織物本体に対して、前記光伝達糸の屈折率よりも屈折率が低い素材で構成されるコーティング層が設けられていることを特徴とする車両用内装材。 - 前記車両用内装材は、シートベルトウェビングであり、
前記経糸の一部に前記光伝達糸を備える請求項1に記載の車両用内装材。 - 前記光伝達糸は前記シートベルトウェビングの長手方向に沿って配置されており、
前記光伝達糸の一端部に向かって光を発光可能な発光手段を備え、該発光手段の発光と該発光の停止とを制御可能である請求項2に記載の車両用内装材。 - 前記光伝達糸が、シートベルトウェビングの短手方向における両端側に配置されている請求項2又は3に記載の車両用内装材。
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| JP2017027345A JP2018133264A (ja) | 2017-02-16 | 2017-02-16 | 車両用内装材 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20220363217A1 (en) * | 2018-11-21 | 2022-11-17 | Zf Automotive Gmbh | Method for producing a belt strap for a safety belt system in a vehicle, belt strap, and vehicle having belt strap |
| CN115506066A (zh) * | 2022-10-13 | 2022-12-23 | 华懋(厦门)新材料科技股份有限公司 | 一种耐用性发光汽车安全带及其生产工艺 |
| DE102023130361A1 (de) * | 2023-11-02 | 2025-05-08 | Audi Aktiengesellschaft | Innenraumbauteil für ein Kraftfahrzeug |
-
2017
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