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JP2018131362A - 焼結体及びその製造方法 - Google Patents

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JP2018131362A
JP2018131362A JP2017026673A JP2017026673A JP2018131362A JP 2018131362 A JP2018131362 A JP 2018131362A JP 2017026673 A JP2017026673 A JP 2017026673A JP 2017026673 A JP2017026673 A JP 2017026673A JP 2018131362 A JP2018131362 A JP 2018131362A
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梶野 仁
Hitoshi Kajino
仁 梶野
祥治 今浦
Shoji Imaura
祥治 今浦
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

【課題】エッチング装置等の半導体製造装置の構成材料として好適な耐食性を具備しつつ、耐熱衝撃性及び導電性が優れた焼結体及びその製造方法の」提供。【解決手段】焼結体は、オキシフッ化物及び炭素質材料を含む。前記炭素質材料が、カーボン粉末及び/又はカーボン繊維であることが好ましい。前記炭素質材料が平均粒径0.1〜10μmの粒子状であるか、或いは、前記炭素質材料が直径1〜20以下、長さ30〜500μmの繊維状であることも好ましい。前記炭素質材料を0.1〜30体積含有する焼結体。好ましくは体積抵抗が1〜1010Ω・cmである焼結体。【選択図】図1

Description

本発明は、焼結体及びその製造方法に関する。
半導体の製造において、ドライエッチング、プラズマエッチング及びクリーニング等の工程ではフッ素系腐食性ガス、塩素系腐食性ガス及びこれらを用いたプラズマが使用される。これらの腐食性ガスやプラズマにより、半導体製造装置の構成部材は腐食され易く、また、構成部材の表面から剥離した微細粒子(パーティクル)が半導体表面に付着して製品不良の原因となりやすい。そのため、半導体製造装置の構成部材には、ハロゲン系プラズマに対して耐食性の高いセラミックスがバルク材料として使用される。このようなバルク材料の1つとして、特許文献1においてはイットリウムのオキシフッ化物が提案されている。特許文献1に記載のイットリウムのオキシフッ化物は、反応性の高いハロゲン系腐食ガスやそのプラズマに対して、従来使用されてきた石英やYAGよりも耐食性が高いものである。
また希土類元素のオキシフッ化物(以下、「希土類オキシフッ化物」ともいう)の焼結体が特許文献2において提案されている。この焼結体は、組成式でYOF又はYと表されるイットリウムのオキシフッ化物から構成されている。この焼結体は、ハロゲン系プラズマに対して優れた耐食性を示し、エッチング装置等の半導体製造装置の構成材料として有用なものである。
一方、特許文献3には、酸化イットリウムを溶媒中に分散してなる酸化イットリウムスラリーと繊維状炭素を溶媒中に分散してなる繊維状炭素スラリーとを混合して混合スラリーとする工程と、前記混合スラリーを乾燥又は乾燥・造粒して乾燥物又は造粒物とする工程と、前記乾燥物又は造粒物を、1460℃以上かつ1600℃未満の温度の下、かつ1MPa以上かつ20MPa以下の圧力下にて焼成し、酸化イットリウム及び繊維状炭素を含有してなる焼結体とする工程と、を有する焼結体の製造方法により、酸化イットリウム中にカーボン繊維を含ませた焼結体を得たことが記載されている。
特開2000−239067号公報 特開2016−98143号公報 特開2015−59067号公報
エッチング装置等の半導体製造装置の構成材料には、上述のとおり、ハロゲン系腐食ガスやそのプラズマに対して高い耐食性が求められることに加えて、高い耐熱衝撃性が求められる。しかし、希土類オキシフッ化物の焼結体は、一般に耐熱衝撃性が十分ではなく、使用時の温度変化によっては割れが生じる恐れがあった。更に、イットリウムのオキシフッ化物は絶縁体であり、導電性が要求されるような用途では使用しづらい場合があった。こうした観点から特許文献1及び2に記載の希土類オキシフッ化物の焼結体は耐熱衝撃性及び導電性が不十分であって未だ改良の余地があるものである。
また特許文献3に記載のイットリアを含む焼結体はプラズマに対する耐食性が十分でない。また、仮に特許文献3に記載されたカーボン繊維を焼結体に含有させる技術は、希土類オキシフッ化物のようなフッ素を含有する系には採用しがたかった。
したがって本発明の課題は、希土類オキシフッ化物の焼結体の更なる改良にある。すなわち、希土類オキシフッ化物の焼結体の耐食性を具備しつつ耐熱衝撃性及び導電性を従来よりも高めた材料を提供することにある。
本発明は、希土類元素のオキシフッ化物及び炭素質材料を含む焼結体を提供するものである。
また本発明は、前記焼結体の製造方法であって、
炭素質材料を酸化剤で処理する工程と、
酸化剤で処理した後の炭素質材料、並びに、希土類元素の酸化物及び希土類元素のフッ化物を分散媒に分散させてスラリーを調製する工程と、
前記スラリーの乾燥物又は造粒物を焼成する工程とを備える、焼結体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、エッチング装置等の半導体製造装置の構成材料として好適な耐食性を具備しつつ、耐熱衝撃性及び導電性に優れた焼結体が提供される。
図1は、実施例1について撮影された焼結体の走査型電子顕微鏡像である。 図2は、実施例3について撮影された焼結体の走査型電子顕微鏡像である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本実施形態の焼結体は、希土類オキシフッ化物及び炭素質材料から構成される。後述する理由から、酸化イットリウム焼結体に係る特許文献3に記載の従来からの製造方法をそのまま用いても、希土類オキシフッ化物及び炭素質材料を含む焼結体を得ることはできない。本実施形態の焼結体は、耐食性、耐熱衝撃性及び導電性に優れたものである。
焼結体中、炭素質材料は、希土類オキシフッ化物中に分散されている。
炭素質材料としては、カーボン粉末及び/又はカーボン繊維が挙げられる。カーボン粉末は、粒子状の炭素質材料を指す。ここでいう粒子状には、鱗片状、球状、板状等が含まれる。粒子状とは、好ましくは、走査型電子顕微鏡で焼結体を観察したときに、カーボン粒子のアスペクト比(最長径/最短径)が1.0以上10以下であるものを指す。
カーボン粉末の具体例としては、鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、膨張黒鉛、膨張化黒鉛、球状黒鉛等の黒鉛類、炭素ビーズ、ケッチェンブラック、カーボンブラック等が挙げられる。
カーボン粉末としては、特に球状のものが、希土類オキシフッ化物中への分散させやすさや応力集中により破壊源となりにくい点から好ましい。球状とは、好ましくは、前記のアスペクト比(最長径/最短径)が1.0以上3.0以下の範囲のものを指す。球状のカーボン粉末は、とりわけ、走査型電子顕微鏡で観察した観察像が円形であることが好ましい。この円形は真円形のみならず楕円形であってもよい。
カーボン繊維は、繊維状の炭素質材料を指し、具体的には、PAN系カーボン繊維、ピッチ系カーボン繊維、グラファイト繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。カーボン繊維は、好ましくは、走査型電子顕微鏡で焼結体を観察したときのアスペクト比(繊維長/繊維直径)が3.0超、100以下であるものを指す。カーボン繊維としては、希土類オキシフッ化物中への分散させやすさや繊維のほぐしやすさの点から前記のアスペクト比(繊維長/繊維直径)が3.5以上、20以下であるものが好ましく、とりわけ、4.0以上、10以下であるものが好ましい。分散させにくいものや、繊維同士が絡み合ってほぐれないものは、焼結が十分に進行せず、焼結体の密度が低くなるため好ましくない。
上記の各アスペクト比は、走査型電子顕微鏡でカーボン粉末及び/カーボン繊維を観察したときの20個以上のカーボン粒子及び/カーボン繊維のアスペクト比の平均から求められる。観察倍率としては全体像が観察でき、精度よく測定できる倍率であれば問題ないが、100倍以上2000倍以下が好ましい。
本実施形態において、炭素質材料が粒子状である場合、その平均粒径が0.1μm以上であることが、炭素質材料が凝集しやすい希土類オキシフッ化物中においても炭素質材料をランダムに分散させた焼結体を得やすい点や製造コストの点から好ましい。また炭素質材料が粒子状である場合の平均粒径は10μm以下であることが焼成体内部に炭素質材料を均質に配置させる点から好ましい。また、平均粒径が10μmを超えると、焼結後に破壊源となりやすくなるため好ましくない。これらの観点から前記の平均粒径は0.2μm以上8μm以下が更に好ましく、0.4μm以上6μm以下がより好ましい。
炭素質材料が繊維状である場合、その直径が1μm以上であることが、炭素質材料が凝集しやすい希土類オキシフッ化物中においても炭素質材料をランダムに分散させた焼結体を得やすい点や製造コストの点から好ましい。また炭素質材料が繊維状である場合の直径は20μm以下であることが好ましい。直径が20μmを超えると、破壊源となりやすくなるため好ましくない。これらの観点から前記の直径は1.1μm以上18μm以下がより好ましく、1.2μm以上15μm以下が更に好ましい。
炭素質材料が繊維状である場合、その長さが30μm以上であることが、導電性を高めやすい点や、熱伝導率を向上させて耐熱衝撃性を高める点から好ましい。また炭素質材料が繊維状である場合の長さは500μm以下であることが分散させやすさや繊維のほぐしやすさの点から好ましい。分散させにくいものや、繊維がほぐれないものは、焼結が十分に進行せず、焼結体の密度が低くなるため好ましくない。これらの観点から前記の長さは35μm以上400μm以下がより好ましく、40μm以上300μm以下が更に好ましい。
上述した炭素質材料の粒径、直径及び長さは後述した実施例に記載の方法にて測定できる。好ましくは、上述した粒子状の炭素質材料の粒径は一粒子単体の粒径を指す。同様に好ましくは、上述した繊維状の炭素質材料の直径及び長さは何れも、一繊維単体の直径及び長さを指す。
焼結体中の炭素質材料の量は、0.1体積%以上であることが、後述する体積抵抗率を望ましい値まで低減し、また耐熱衝撃性を高める点から好ましい。また焼結体中の炭素質材料の量は30体積%以下であることが好ましい。炭素質材料の量が30体積%を超えると、希土類オキシフッ化物の耐プラズマ性が損なわれたり、強度が低下するので好ましくない。これらの点から、焼結体中の炭素質材料の量は、1体積%以上25体積%以下がより好ましく、5体積%以上20体積%以下が更に好ましい。カーボン量は走査型電子顕微鏡による観察画像中の炭素質材料の面積割合に基づき算出し、具体的には後述する実施例に記載の方法にて算出される。
焼結体中に炭素質材料がランダムに分散しているとは、例えば、焼結体を任意の位置で切断した断面での、走査型電子顕微鏡による複数視野の観察画像中の炭素質材料の面積割合のばらつきから算出でき、好ましくは走査型電子顕微鏡にて100倍〜2000倍で観察して、それぞれの視野での炭素質材料の面積割合を求めたときに、10視野以上の面積割合のばらつき(最大値−最小値)が炭素質材料の面積割合の平均値に対して、10%以下である。また、焼結体中、炭素質材料同士は、凝集体を形成せずに分散していることが高強度化や高密度化の点から好ましい。炭素質材料が凝集体を形成していないとは、走査型電子顕微鏡で100〜2000倍率で炭素質材料単体を20個以上観察したときに、他の単体と接触していない炭素質材料単体の個数の割合が80%以上であることを指す。
焼結体に含まれる炭素質材料は、それが十分に焼結体中に分散されていることを反映して、表面酸化処理されたものであることが好ましい。
本実施形態の焼結体に含まれる希土類オキシフッ化物は、希土類元素(Ln)、酸素(O)、フッ素(F)からなる化合物である。組成式でxLn・yLnF(Lnは希土類元素を表す。x及びyはそれぞれ独立に1以上の自然数であり、且つ、LnOFを除く)で表される化合物(以下、単に「xLn・yLnF」ともいう)から構成されているか、又は組成式でLnOF(Lnは希土類元素を表す。)と表される化合物から構成されていることが、焼結体の強度を高める点から好ましい。xLn・yLnFは、斜方晶又は正方晶の結晶構造を有しているものであることが好ましく、X線回折においてこの結晶構造と同定されるものがxLn・yLnFの範疇に好適に包含される。一方、LnOFは立方晶の結晶構造を有していることが好ましく、X線回折においてこの結晶構造と同定されるものが包含される。
LnOFはCaで安定化されていることが好ましく、Caで安定化されているLnOFは立方晶の結晶構造を有している。
xLn・yLnF及びCa安定化LnOFは何れも広い温度範囲内において相変態を生じない安定化されたものである。これらの安定な温度範囲は、一般に25℃以上1500℃以下である。
組成式xLn・yLnF(x及びyはそれぞれ独立に1以上の自然数である)で表されるとは、言い換えると、一般にLnで表される希土類オキシフッ化物における添え字であるa,b,cが、a=2x+y、b=3x、c=3y(x及びyは前記と同義である)の関係を満たすことを意味する。「xLn・yLnF」の具体例としては、Lnが例えばYである場合には、4Y・7YF(Y)が挙げられる。またLnが例えばLaである場合には、7La・16LaF(La1016)が挙げられる。またLnが例えばNdである場合には、67Nd・166NdF(NdO0.671.66)が挙げられる。Lnが例えばEuである場合には、5Eu・8EuF(Eu)が挙げられる。これらの希土類オキシフッ化物のうち、Y及びNdO0.671.66及びEuは斜方晶の結晶形態を有することが好ましい。また、La1016は正方晶の結晶形態を有することが好ましい。
Ca安定化LnOFに関し、LnOFがCaで安定化されているとは、550℃未満の低温相におけるLnOFの立方晶の状態が、より純粋なLnOFに比べて安定化されており、550℃近傍(例えば400℃以上700℃以下)での相変態を生じないことをいう。例えばCaによって安定化されているLnOFは、25℃において立方晶の結晶相を有している。本実施形態において、LnOFがCaによって安定化されていることは、例えば以下の方法で確認される。
焼結体を、常温、例えば25℃において2θ=10°以上90°以下の範囲で粉末X線回折測定に供する。以下の説明は、Ln(希土類元素)がYの場合を例にとるが、他の希土類元素でも、検出されるピークの角度が若干ずれる以外は同様に考えればよい。YOFがCaによって安定化されていることは、立方晶の特定ピークの存在の有無により判断する。特定ピークとは2θ=28.8°付近に観察される立方晶YOFの(111)面からの反射ピークである。このピークが他のピークと比較して最強ピークであるか否かで判断する。このピークは2θ=28.7°付近に観察される菱面体晶YOFの(012)面からのピークと重なっており分離できないが、2θ=28.4°付近に観察される菱面体晶YOFの(006)面からの反射ピークの強度を見ることで、菱面体晶YOFがどの程度存在するか推定できる。すなわち、2θ=28.8°付近に観察される立方晶YOFの(111)面の反射ピークが最強ピークであり、かつ、2θ=28.4°付近に観察される菱面体晶YOFの(006)面からの反射ピーク強度が、最強ピーク強度を100としたときに15以下であれば、立方晶YOFが主相であり、Caで安定化されているといえる。ここでいうピーク強度の比は、ピーク高さの比として測定される。なお、上記のX線回折測定によるYOFのピーク位置及びピーク反射面指数は、ICDDカードの記載に基づくものであり、LnがY以外のLnOFの場合も同様である。
Ca安定化LnOFは、CaがLnOFに固溶してなる固溶体であることが好ましい。この固溶体は例えば、LnOFを含む焼結体を2θ=10°以上90°以下の範囲を走査範囲とし、線源をCuKα1線とする粉末X線回折測定に供した場合に、CaFで表されるフッ化物に由来するピークが観察されないことにより確認できる。また、元素としてのCaの存在は、蛍光X線分析法等により確認できる。または、焼結体の研磨面を走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDS)で観察し、Ca濃度が高く観察される結晶粒(CaF)が存在しないことにより確認できる。
Ca安定化LnOFは、希土類元素(Ln)とCaを足したモル数100に対してCaのモル数が1モル以上40モル以下であることが好ましい。Caを1モル以上含有することにより、立方晶又は正方晶から菱面体晶への相転移がより一層効果的に抑制され、LnOFが安定化される。一方、希土類元素(Ln)のモル数に対するCaのモル数が過度に高いと、LnOF中に固溶せずに析出するCaFで表されるフッ化物の量が増大する。このCaFは熱膨張係数がLnOFよりも高いため、焼結体の割れ等の原因となり得る。したがってこのCaFの析出量低減のため、希土類元素(Ln)とCaを足したモル数100に対するCaのモル数を好ましくは40モル以下とすることによって加熱時におけるLnOFの体積変化を防止し得る。これらの効果をより高める観点から、希土類元素(Ln)とCaを足したモル数100モルに対してCaのモル数の割合は、1モル以上35モル以下であることがより好ましく、2モル以上20モル以下であることが特に好ましく、3モル以上10モル以下であることが最も好ましい。LnOFにおける希土類元素(Ln)のモル数及びCaのモル数は、例えば蛍光X線法、ICP−AES法、ICP−MS法、原子吸光法等の分析方法を用いて、Ca及びLnの定量分析を行うことにより測定することが可能である。
本明細書において希土類元素(Ln)とは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素のことである。特に、後述する実施例から明らかなとおり、希土類元素としてイットリウム(Y)を用いることが、耐食性を維持しつつ、耐熱衝撃性及び導電性を一層高めることが可能となるため、好ましい。
本実施形態の焼結体は、xLn・yLnF(Lnは希土類元素を表す。x及びyはそれぞれ独立に1以上の自然数であり、且つ、LnOFを除く)で表される、又はCaで安定化されているLnOFを主相とする結晶粒の粒界に、安定化されていないLnOFの副相が存在していることが高強度を得る点から好ましい。
詳述すると、本実施形態の焼結体は、好ましくは、その断面組織に、主相と副相とが観察されるものである。主相及び副相は何れも希土類オキシフッ化物から構成される。本明細書において「主相」とは、焼結体の断面組織を観察したときに、面積割合で50%以上の領域を占める相のことである。「副相」とは、焼結体の断面組織を観察したときに、面積割合で50%未満の領域を占める相のことである。主相を構成する希土類オキシフッ化物における希土類元素と、副相を構成する希土類オキシフッ化物における希土類元素とは必ずしも同種のものである必要はないが、製造の容易さから同種のものであることが好ましい。
本実施形態の焼結体の断面組織においては、主相の結晶粒の粒界に、主相よりも平均粒径が小さな副相の結晶粒が存在していることが好ましい。すなわち、副相は、主相の結晶粒の粒界に析出した状態になっている。本明細書において「結晶粒」とは、結晶の方位が同じである単結晶体の最大単位のことである。主相の結晶粒の粒界においては希土類オキシフッ化物の結晶の方位が乱れている。
以上の説明は、本実施形態の焼結体における主相についてのものであったところ、本実施形態の焼結体における副相は、安定化されていないLnOF(Lnは希土類元素を表す。)から構成されていることが好ましい。安定化されていないLnOF(以下「非安定化LnOF」ともいう。)は、菱面体晶の結晶構造を有している。非安定化LnOFとは、室温(25℃)下では菱面体晶の結晶構造をとり、600℃超の高温状態下では立方晶の結晶構造をとる希土類オキシフッ化物である。非安定化LnOFは、550℃以上600℃以下の温度範囲において、高温安定相である立方晶と低温安定相である菱面体晶との間で可逆的な相転移を示すことが知られている。
前述のとおり、本実施形態の焼結体は、安定化された主相の結晶粒間の粒界に、安定化されていない副相の結晶粒が存在している特殊な構造を有していることが好ましい。このような特殊な構造を有する本実施形態の焼結体によれば、希土類オキシフッ化物に起因する耐食性を維持しつつ、強度を高めることが可能となる。
本実施形態の焼結体において、主相がxLn・yLnF又はCa安定化LnOFから構成されており、副相が非安定化LnOFから構成されていることは、対象の焼結体を粉末X線回折測定に供し、各結晶構造の希土類オキシフッ化物のピークを確認すること等により確認できる。以下に希土類元素がYの場合を例にとり説明する。希土類元素が他の元素の場合でも同様に考えればよい。具体的には、本実施形態の焼結体に例えば斜方晶のイットリウムオキシフッ化物(Y)が含まれることは、X線回折測定により2θ=10°以上90°以下の範囲において、斜方晶のイットリウムオキシフッ化物の(151)面、(010)面及び(202)面にそれぞれ起因して観察される、2θ=28.1°、32.3°、及び46.9°付近でのピークの有無により判断される。
一方、立方晶のイットリウムオキシフッ化物(YOF)が含まれることは、X線回折測定により2θ=10°以上90°以下の範囲において、立方晶の希土類オキシフッ化物(YOF)の(111)面、(220)面、及び(311)面にそれぞれ起因して観察される、2θ=28.8°、47.9°及び56.9°付近でのピークの有無により判断される。
また、菱面体晶のイットリウムオキシフッ化物(YOF)が含まれることは、X線回折測定により2θ=10°以上90°以下の範囲において、菱面体晶の希土類オキシフッ化物(YOF)の(009)面、(107)面、(018)面、及び(110)面にそれぞれ起因して観察される、2θ=43.1°、43.4°、47.4°、及び47.9°付近でのピークの有無により判断される。
一方、斜方晶のユウロピウムオキシフッ化物(Eu)が含まれることは、X線回折測定により2θ=10°以上90°以下の範囲において、斜方晶のユウロピウムオキシフッ化物の(161)面、(002)面、(261)面及び(0 12 2)面にそれぞれ起因して観察される、2θ=27.5°、31.7°、39.6°、及び45.6°付近でのピークの有無により判断される。
また、菱面体晶のユウロピウムオキシフッ化物(EuOF)が含まれることは、X線回折測定により2θ=10°以上90°以下の範囲において、菱面体晶のユウロピウムオキシフッ化物(EuOF)の(012)面、(018)面、(110)面、及び(116)面にそれぞれ起因して観察される、2θ=28.1°、46.2°、46.8°及び55.2°付近でのピークの有無により判断される。
前記のX線回折測定は室温下、具体的には25℃において行う。また本明細書において特に断りがない限り、焼結体のX線回折測定は粉末X線回折測定である。X線回折測定は具体的には、後述する実施例に記載の方法によって行うことができる。
本実施形態の焼結体において、主相がxLn・yLnFである場合には、xLn・yLnFのX線回折ピークの強度、すなわち最強ピーク強度に対する、副相である非安定化LnOFの(018)面又は(110)面のX線回折ピークの強度の比が0.5%以上30%以下であることが好ましく、1%以上25%以下であることが更に好ましく、3%以上20%以下であることが最も好ましい。主相のX線回折ピークの強度と、副相のX線回折ピークの強度との比率がこの範囲内であると、希土類オキシフッ化物に起因する耐食性を維持しつつ、強度を一層高めることが可能となる。詳細には、ピーク強度比が0.5%以上であることで、強度の改善が十分に達成される。また、ピーク強度比が30%以下であることで、副相であるLnOFの相転移の影響が小さくなり、焼結体中にクラックが発生したり、使用の際に高温で急激な寸法変化を起こしたりすることが効果的に防止される。この場合、副相である非安定化LnOFの(018)面又は(110)面のX線回折ピークの強度の少なくとも一方が、前記の強度の比を満たしていればよい。
主相が例えばYである場合には、最強ピークは(151)面である2θ=28.1°に観察される。主相が例えばLa1016である場合には、最強ピークは(001)面である2θ=26.5°に観察される。主相が例えばNdO0.671.66である場合には、最強ピークは(001)面である2θ=27.1°に観察される。主相が例えばEuである場合には、最強ピークは(161)面である2θ=27.5°に観察される。
なお、xLn・yLnFの最強ピークと、非安定化LnOFの(006)面のピークとは、それらのピーク位置(2θ)がほぼ同じであることから、X線回折測定においては、xLn・yLnFのピークには、非安定化LnOFの(006)面のピークが重畳されており、両者を分離することは技術的に容易でない。そこで、上述のピーク強度の比率は、この重畳されたピーク強度を100としたときの、非安定化LnOFの(018)面又は(110)面のピークの強度の割合であると定義する。
以上の説明において「ピーク強度」とは、X線回折測定によって観察される回折ピークのcpsカウントによる高さのことである。以後の説明において「ピーク強度」というときは、これと同じ意味で用いる。
本実施形態の焼結体において、主相がCa安定化LnOFである場合には、Ca安定化LnOFの(111)面のX線回折ピークの強度、すなわち最強ピーク強度に対する、副相である非安定化LnOFの(009)面又は(107)面のX線回折ピークの強度の比が0.5%以上10%以下であることが好ましく、1%以上9%以下であることが更に好ましく、2%以上8%以下であることが最も好ましい。主相のX線回折ピークの強度と、副相のX線回折ピークの強度との比率がこの範囲内であると、希土類オキシフッ化物に起因する耐食性を維持しつつ、強度を一層高めることが可能となる。詳細には、ピーク強度比が0.5%以上であることで、強度の改善が十分に達成される。また、ピーク強度比が10%以下であることで、副相であるLnOFの相転移の影響が小さくなり、焼結体中にクラックが発生したり、使用の際に高温で急激な寸法変化を起こしたりすることが効果的に防止される。この場合、副相である非安定化LnOFの(009)面又は(107)面のX線回折ピークの強度の少なくとも一方が、前記の強度の比を満たしていればよい。
なお、Ca安定化LnOFの(111)面のピークと、非安定化LnOFの(012)面のピークとは、それらのピーク位置(2θ)がほぼ同じであることから、X線回折測定においては、Ca安定化LnOFの(111)面のピークには、非安定化LnOFの(012)面のピークが重畳されており、両者を分離することは技術的に容易でない。そこで、上述のピーク強度の比率は、この重畳されたピーク強度を100としたときの、非安定化LnOFの(009)面又は(107)面のピークの強度の割合であると定義する。
本実施形態の焼結体をより緻密なものにする観点からは、該焼結体は相対密度(RD)が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、95%以上であることが最も好ましい。相対密度は、高ければ高いほど好ましく、上限は100%である。このような高い相対密度を有する焼結体は、本実施形態の焼結体を製造する際に、焼成時の温度条件や圧力条件等を調整することにより得ることができる。相対密度はJIS R1634に基づいて、アルキメデス法により測定できる。具体的な測定方法は、実施例において詳述する。
本実施形態の焼結体は、希土類オキシフッ化物に起因する耐食性を維持しつつ、導電性を高めたものである。焼結体の体積抵抗率は、1010Ω・cm以下であることが、導電性が要求される用途への使用の点から好ましい。導電性が低くても問題ないが、耐プラズマ性およびコスト面を考えると、1Ω・cm以上であることが好ましい。これらの点から、焼結体の体積抵抗率は5Ω・cm以上5×10Ω・cm以下がより好ましく、10Ω・cm以上3×10Ω・cm以下が更に好ましい。体積抵抗率は後述する実施例に記載の方法にて求めることができる。
本実施形態の焼結体は、希土類オキシフッ化物に起因する耐食性を維持しつつ、耐熱衝撃性を高めたものである。焼結体の熱衝撃破壊抵抗係数R’は、0.5以上であることが、良好な耐熱衝撃性が得られる点から好ましい。また熱衝撃破壊抵抗係数は高ければ高いほど好ましいが、コスト面を考えると、5以下であることが好ましい。これらの点から、焼結体の熱衝撃破壊抵抗係数R’は0.6以上4.5以下がより好ましく、0.7以上4以下が更に好ましい。熱衝撃破壊抵抗係数R’は後述する実施例に記載の方法にて求めることができる。
本実施形態の焼結体は、希土類オキシフッ化物に起因する耐食性を維持しつつ、高い強度を有することが好ましい。したがって本実施形態の焼結体を例えば切削加工等の精密加工に付しても、割れや欠け等が生じにくく、寸法精度が高く、また表面粗さの小さい製品を容易に製造できるようになる。具体的には、本実施形態の焼結体は、その3点曲げ強度が、好ましくは20MPa以上300MPa以下であり、更に好ましくは30MPa以上200MPa以下であり、最も好ましくは50MPa以上150MPa以下である。3点曲げ強度の測定方法は、後述する実施例において詳述する。3点曲げ強度が50MPa以上であることで、本実施形態の焼結体に対して精度の良い加工を行うことができる。3点曲げ強度は300MPaを超えても差し支えないが、その場合には高価な原料を使用したり、HIP(Hot Isostatic Pressing)のような生産性の低い焼結方法で製造しないと製造できないので、工業的生産の観点からは300MPaを上限とすることが妥当である。3点曲げ強度は後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
体積抵抗率、熱衝撃破壊抵抗係数R’、3点曲げ強度を上記の範囲とした焼結体は後述する実施例に記載の方法にて得ることができる。
本実施形態の焼結体は、溶射膜と異なり緻密なものであるから、ハロゲン系腐食ガスの遮断性を高いものとすることが可能である。溶射膜では、溶射材料を構成する各粒子が溶射により溶解したものが積み重なった構造を有しているので、この溶解した粒子間における微小な隙間にハロゲン系腐食ガスが流入してしまうことがある。これに比して本実施形態の焼結体は緻密であり、ハロゲン系腐食ガスの遮断性に優れる。このため、本実施形態の焼結体を例えば半導体装置の構成部材に用いた場合、この部材内部へのハロゲン系腐食ガスの流入を抑制でき、腐食防止効果に優れる。このようにハロゲン系腐食ガスの遮断性が高い部材としては、例えば、エッチング装置の真空チャンバー構成部材、エッチングガス供給口、フォーカスリング、ウェハーホルダーなどが挙げられる。
本実施形態の焼結体は、実質的に希土類オキシフッ化物及び炭素質材料のみからなるものであってもよいが、希土類オキシフッ化物及び炭素質材料以外の成分を含んでいてもよい。すなわち、オキシフッ化物及び炭素質材料以外に、不可避的不純物が含まれていても良く、具体的には、焼結体中の希土類オキシフッ化物及び炭素質材料の含有量の合計量は好ましくは99質量%以上である。こうした不可避的不純物としては、例えば以下に述べる方法で製造した場合に生成する酸化イットリウム等の副生物が挙げられる。
本実施形態の焼結体における希土類オキシフッ化物の含有量は、70質量%以上であることが、本発明の耐プラズマ性の効果を一層高くする観点や、強度を向上させる観点から好ましい。これらの効果をより高める観点からは、焼結体中の希土類オキシフッ化物の量は、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。
本実施形態の焼結体において、希土類オキシフッ化物以外の成分としては、例えば各種の焼結助剤、バインダ樹脂及び炭素等が挙げられる。また本実施形態の焼結体は、希土類オキシフッ化物に加えて、従来用いられてきたアルミニウム酸化物、イットリウム酸化物、アルミニウムイットリウム複合酸化物や、イットリウムフッ化物、イットリウム以外の他の希土類元素含有化合物等の各種のセラミックス材料を含有していてもよい。
本発明の焼結体の好適な製造方法について、以下説明する。
本製造方法は、炭素質材料を酸化剤で処理する工程と、
酸化剤で処理した後の炭素質材料、並びに、希土類元素の酸化物及び希土類元素のフッ化物を分散媒に分散させてスラリーを調製する工程と、
前記スラリーの乾燥物又は造粒物を焼成する工程とを備える。
まず炭素質材料を酸化剤で処理する。セラミックス材料からなる焼結体に炭素質材料を含有させる場合には、通常、セラミックス材料の原料粉と水と炭素質材料とを含むスラリーを調製する必要がある。本発明者が検討したところ、希土類オキシフッ化物からなる焼結体の原料である希土類フッ化物粉末の存在下ではスラリー中で炭素質材料が凝集してしまい、緻密な焼結体を得ることができないことが判った。更にエタノール等の有機溶媒で炭素質材料を分散させたスラリーと、希土類オキシフッ化物を水で分散させたスラリーを別々に作製し、それらを混合した場合も、炭素質材料が凝集し、緻密な焼結体を得ることが出来なかった。更に検討したところ、炭素質材料に酸化剤で表面処理をすると、希土類フッ化物粉末存在下であっても、スラリー中でカーボン粉末及び/又はカーボン繊維が均一に分散した成形体及び焼結体が得られることが判った。
酸化剤としては、硝酸や硫酸、過塩素酸、塩素酸、次亜塩素酸、過マンガン酸過酸化水素等やその塩が挙げられ、特に硝酸が好ましい。硝酸を用いることで、炭素質材料の表面に存在する様々な官能基を効率よく酸化して親水性を向上させることができるほか、分散剤が効果的に作用し、スラリー中のセラミックス材料の原料粉と炭素質材料が均一に分散する効果がある。
酸化剤による処理は、酸化剤を含む溶液と炭素質材料とを接触させることで行う。接触方法は特に限定されず、例えば酸化剤溶液と炭素質材料とを混合させる方法が挙げられる。酸化剤溶液の溶媒としては、例えば水が挙げられる。酸化剤の濃度は、例えば0.1M以上13M以下が挙げられ、1M以上10M以下が好ましい。表面処理において酸化剤溶液を加熱することが好ましく、例えば加熱温度としては50℃以上110℃以下が好ましく、80℃以上105℃以下がより好ましい。表面処理時間は、例えば0.5時間以上10時間以下が好ましく、1時間以上5時間以下がより好ましい。
酸化剤による処理後の炭素質材料は、洗浄後、乾燥させて用いることが好ましい。乾燥温度としては50℃以上100℃以下が好適である。
次いで、上記で得られた表面処理後の炭素質材料、希土類酸化物(Ln)粉末及び希土類フッ化物(LnF)粉末を混合し、スラリーとする。Ln及びLnF粉末の合計量に対する炭素質材料の割合は、耐食性、耐熱衝撃性、導電性を両立させた焼結体を好適に得る観点から、好ましくは、前記の合計量100質量部に対して、0.05質量部以上15質量部以下とすることが好ましく、1質量部以上10質量部以下とすることがより好ましい。
希土類酸化物(Ln)及び希土類フッ化物(LnF)粉末との混合比率は、目的とする希土類オキシフッ化物の結晶構造により異なる。
中でもLnをYとし、主相がYであり安定化されていないYOFの副相が存在している焼結体を製造する場合は、以下の(方法1)に記載の比率にて希土類酸化物(Y)及び希土類フッ化物(YF)を混合する。
(方法1)
の量論比である希土類オキシフッ化物を製造するためには、これらの原料を量論比であるY:YF=47:53(質量比)で混合する。一方、Yの量論比の化合物ではなく、Yを主相とし、非安定化YOFを副相とするものであれば、高強度となるため、さらに好ましい。この場合、Y:YF=47:53の量論比よりも、Yを若干多く添加する(つまりYFを若干少なく添加する)ことが必要となる。この観点から、原料であるY及びYFを、Y:YFの質量比で表して、好ましくは48:52〜60:40、更に好ましくは49:51〜55:45、最も好ましくは50:50〜54:46の割合で混合する。Y:YFが48以下:52以上の場合は、強度の改善が十分ではない。また、Y:YFが60以上:40以下の場合は、副相であるYOFの相転移の影響が大きくなり、焼結体中にクラックが発生したり、使用の際、高温で急激な寸法変化を起こしたりするので好ましくない。
以上の方法1における説明は、Ln(希土類元素)がYの場合についてのものであったが、Y以外の希土類元素を用いた場合にも同様に考えることができる。すなわち、LnとLnFとの混合比率を、xLn・yLnF(Lnは希土類元素を表す。x及びyはそれぞれ独立に1以上の自然数であり、且つ、LnOFを除く)が生成する量論比の比率よりも、Lnが多くなるようにこれらの粉を混合すればよい。
また主相がCa安定化LnOFであり、安定化されていないLnOFの副相が存在している焼結体を製造する場合の混合粉は、Ln(希土類元素)がYの場合には、以下の方法2に記載の組成とする。Lnが他の元素の場合でも同様に考えればよい。下記方法2に従いCa安定化LnOFを焼結体中に生成させるためには、カルシウム源としてフッ化カルシウム(CaF)を用いることが安価で品質も安定するため工業的に有利である。このため、方法2においては、目的とする焼結体を製造するために原料として、希土類酸化物(Ln)及び希土類フッ化物(LnF)に加えて、フッ化カルシウム(CaF)を用いる。
(方法2)
希土類酸化物、希土類フッ化物及びフッ化カルシウムの割合は、次のとおりとすることが好ましい。フッ化カルシウムの量は、希土類酸化物、希土類フッ化物及びフッ化カルシウムの全体質量100質量%に対し、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。希土類酸化物及び希土類フッ化物の質量配分は、全体質量からフッ化カルシウム質量を引いた質量に対し、LnOFのモル比となるように設定すれば良い。フッ化カルシウムを1質量%以上用いることで、副相である非安定化LnOFの相転移の影響を小さくでき、焼結体中にクラックが発生したり、使用の際、高温で急激な寸法変化を起こしたりすることを効果的に防止できる。また、フッ化カルシウムを10質量%以下用いることで、3点曲げ強度の向上効果が十分なものとなる。
以上のようにして得られた、表面処理後の炭素質材料、希土類酸化物(Ln)粉末及び希土類フッ化物(LnF)粉末並びに必要に応じてCaF粉末を、分散媒並びに必要に応じて分散剤及びバインダなどを添加して、スラリーとし、これを乾燥物又は造粒物とした後に所望の方法にて成形することができる。スラリーの分散媒としては、水を用いることができる。スラリーを乾燥物又は造粒物とする方法としては、スプレードライ法、凍結乾燥法、転動造粒法等が挙げられる。乾燥物又は造粒物の成形方法としては、金型を用いた一軸の油圧プレス法や静水圧プレス法(CIP)、ホットプレス法、シート成形法、押出成形法等にて成形する方法が挙げられる。油圧プレス法や静水圧プレス法(CIP)、ホットプレス法に供する場合、加圧力は10MPa以上200MPa以下、特に20MPa以上150MPa以下であることが緻密且つ熱伝導率及び導電性等が所望の範囲の焼結体を得やすい点から好ましい。また、上記スラリーを鋳込み成形法等によって、直接成形することもできる。
このようにして成形体が得られたら、次にこの成形体を焼成して焼結体を得る。焼成の条件としては、焼成温度は900℃以上1500℃以下であることが緻密な焼結体を得る観点から好ましく、更に好ましくは1000℃以上1450℃以下、最も好ましくは1100℃以上1400℃以下である。焼成温度をこの範囲に設定することで、耐熱衝撃性及び導電性、強度が好ましい焼結体が得やすい。焼成時間は、焼成温度がこの範囲内であることを条件として、好ましくは1時間以上24時間以下、更に好ましくは2時間以上18時間以下、最も好ましくは3時間以上14時間以下である。焼成時間を1時間以上に設定することで、反応が十分に起こり、主相と副相が首尾よく形成される。また、十分に緻密な焼結体が得られる。一方、焼成時間を24時間以下に設定することで、著しい結晶成長が抑制され、強度の低下を抑制できる。
目的とする結晶組織の希土類オキシフッ化物を緻密に製造し得る観点から、焼成の雰囲気は真空であることが好ましい。真空度は、絶対圧で表して、500Pa以下であることが好ましく、200Pa以下であることが更に好ましく、100Pa以下であることが最も好ましい。このようにして、目的とする焼結体が得られる。
このようにして得られた焼結体は、ドライエッチング装置の真空チャンバー及び該チャンバー内における試料台やチャック、フォーカスリング、エッチングガス供給口といった半導体製造装置の構成部材に用いることができる。また本発明の焼結体は半導体製造装置の構成部材以外にも各種プラズマ処理装置、化学プラントの構成部材の用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
カーボン粉末100gを、7Mの硝酸水溶液1リットル中に投入し、ホットスターラーにて100℃で1時間撹拌し、表面処理を行った。処理されたカーボン粉末は、純水にて十分に洗浄し、60℃にて乾燥させた。使用したカーボン粉末は球状であり、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による積算体積50容量%における積算体積粒径D50が6μmであった。Y粉末とYF粉末と前記で得られた表面処理カーボン粉末を、それぞれ48.5%、50.5%、1%の割合で混合した。得られた混合物100部に対し、水20部、分散剤2部及びバインダ2部を添加し、均一な水系スラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒にした。得られた顆粒を金型に入れ、油圧プレスを用い、100MPaの圧力で0.5分間一軸加圧することにより成形体を得た。得られた成形体を真空中、1400℃で4時間焼成し、焼結体を得た。実施例1で得られた焼結体の走査型電子顕微鏡像を図1に示す。また上記の方法にて焼結体中の断面積における炭素質の割合のばらつきの平均値に対する比を測定したところ、8%であった。また上記の方法で焼結体における他の単体と接触していない炭素質材料単体の個数の割合を測定したところ95%以上であった。
〔実施例2〕
カーボン粉末100gを用い、実施例1と同様に表面処理、洗浄及び乾燥を行った。使用したカーボン粉末は球状であり、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による積算体積50容量%における積算体積粒径D50が0.5μmであった。Y粉末とYF粉末と前記で得られた表面処理カーボン粉末を、それぞれ45.9.%、44.1%、10%の割合で混合した。得られた混合物100部に対し、水50部、分散剤3部及びバインダ2部を添加し、均一な水系スラリーを得た。得られたスラリーから実施例1と同様にして、焼結体を得た。
〔実施例3〕
直径10μm、長さ50μmのピッチ系カーボン繊維100gを、5Mの硝酸水溶液1リットル中に添加し、ホットスターラーにて100℃で3時間撹拌し、表面処理を行った。処理されたカーボン繊維は、純水にて十分に洗浄し、60℃にて乾燥させた。Y粉末とYF粉末と前記で得られた表面処理カーボン繊維とを、それぞれ48.5%、50.5%、1%の割合で混合した。得られた混合物100部に対し、水20部、分散剤2部及びバインダ2部を添加し、均一な水系スラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒にした。この顆粒を金型に入れ、油圧プレスを用い、70MPaの圧力で3分間一軸加圧することにより成形体を得た。得られた成形体を真空中、1300℃で6時間焼成し、焼結体を得た。実施例3で得られた焼結体の走査型電子顕微鏡像を図2に示す。また上記の方法にて焼結体中の断面積における炭素質の割合のばらつきの平均値に対する比を測定したところ、9%であった。また上記の方法で焼結体における他の単体と接触していない炭素質材料単体の個数の割合を測定したところ85%以上であった。
〔実施例4〕
直径3μm、長さ40μmのピッチ系カーボン繊維を用い、実施例3と同様に表面処理、洗浄、及び乾燥を行った。Y粉末とYF粉末と前記で得られた表面処理カーボン繊維とを、それぞれ48.5%、46.5%、5%の割合で混合した。得られた混合物100部に対し、水25部、分散剤2部及びバインダ2部を添加し、均一な水系スラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒にした。この顆粒をカーボン型に入れ、ホットプレスを用い、真空中、30MPaの圧力をかけながら、1300℃で1時間焼成し、焼結体を得た。
〔実施例5〕
直径10μm、長さ50μmのピッチ系カーボン繊維を用い、実施例3と同様に表面処理、洗浄、及び乾燥を行った。Y粉末とYF粉末とCaF粉末と前記で得られた表面処理カーボン繊維とを、それぞれ53.6%、34.6%、6.8%、5%の割合で混合した。得られた混合物100部に対し、水25部、分散剤2部及びバインダ2部を添加し、均一な水系スラリーを得た。このスラリーを石膏型に入れ、鋳込み成形を行い、100℃で乾燥し、成形体を得た。得られた成形体を真空中、1300℃で4時間焼成し、焼結体を得た。
〔実施例6〕
直径10μm、長さ50μmのピッチ系カーボン繊維を用い、実施例3と同様に表面処理、洗浄、及び乾燥を行った。Eu粉末とEuF粉末と前記で得られた表面処理カーボン繊維とを、それぞれ55.4%、43.6%、1%の割合で混合した。それ以外は実施例3と同様にして焼結体を得た。
〔比較例1〕
粉末とYF粉末とを、それぞれ51%、49%の割合で混合した。得られた混合物100部に対し、水20部、分散剤2部及びバインダ2部を添加し、均一な水系スラリーを得た。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒にした。この顆粒を金型に入れ、油圧プレスを用い、100MPaの圧力で0.5分間一軸加圧することにより成形体を得た。得られた成形体を真空中、1400℃で4時間焼成し、焼結体を得た。
〔比較例2〕
平均粒径(D50)10μmのカーボン粉末を用い、Y粉末とYF粉末と該カーボン粉末とを、それぞれ48.5%、50.5%、1%の割合で混合した。得られた混合物100部に対し、水20部、分散剤2部及びバインダ2部を添加しスラリーを得た。カーボン粉末の凝集により、スラリーにムラが見られた。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒にした。この顆粒を金型に入れ、油圧プレスを用い、100MPaの圧力で0.5分間一軸加圧することにより成形体を得た。得られた成形体を真空中、1400℃で4時間焼成したが、焼結中に表面に割れや変形が生じ、焼結体を得ることができなかった。
〔測定・評価〕
実施例、比較例で得られた焼結体について、以下に述べる方法で、相対密度を測定した。また、以下に述べる方法で、カーボン粒子の粒径又はカーボン繊維の直径を測定した。更に、以下に述べる方法で、カーボン量を測定した。更に、以下に述べる方法で、X線回折測定(以下、XRD測定ともいう。)によって主相及び副相の同定を行うとともに、ピーク強度比を測定した。また、以下に述べる方法で、体積抵抗率及び熱衝撃破壊抵抗係数R’を測定した。
<相対密度>
JIS R 1634:1998に基づき以下のようにかさ密度を測定した。 焼結体を蒸留水に入れ、ダイアフラム型真空ポンプによる減圧下で1時間保持した後、水中重量W[g]を測定する。また、余分な水分を湿布で取り除き、飽水重量W[g]を測定する。その後、乾燥器に入れて焼結体を十分に乾燥させた後、乾燥重量W[g]を測定する。以下の式により、かさ密度ρ[g/cm]を算出する。
ρ=W/(W-W)×ρ(g/cm)[g/cm
式中、ρ[g/cm]は蒸留水の密度である。得られたかさ密度ρと、理論密度ρ[g/cm]を用いて、相対密度(RD)[%]を以下の式により算出する。
RD=ρ/ρ×100[%]
からの比較で、相対密度を計算した。
<カーボン粒子の粒径>
焼結体を鏡面研磨し、走査型電子顕微鏡(SEM)観察することにより、カーボン粒子の粒径を測定した。カーボンの結晶粒径が測定できる倍率である100倍〜2000倍で複数枚撮影をした。撮影された視野に存在するカーボン粒子の結晶粒径を円で近似して測定し、粒子20個の平均値をとって、平均粒径とした。
<カーボン繊維の直径>
焼結体を鏡面研磨し、SEM観察することにより、カーボン繊維の直径及び長さを測定した。カーボンの直径・長さが測定できる倍率である100倍〜2000倍で複数枚撮影をした。撮影された視野に存在するカーボン繊維を長方形で近似し、短径を直径、長径を長さとし、20個の平均値をとって、平均直径及び平均長さとした。
<カーボン量>
炭素質がカーボン粉末の場合は、カーボン粒子の平均粒径と個数、及び視野の面積から、カーボン粒子の占める面積比を計算した。その面積比を体積比に換算して、カーボン量とした。炭素質がカーボン繊維の場合は、その平均直径と平均長さを用い、長方形として面積を計算し、その個数、及び視野の面積から、カーボン繊維の占める面積比を計算した。その面積比を体積比に換算して、カーボン量とした。
<XRD測定>
焼結体の一部を、乳鉢と乳棒を用いて粉砕して粉末を得、この粉末について、XRD測定を行った。測定機器としては、装置名:MiniFlex600、メーカー:リガクを用いた。
測定条件は、ターゲットCu、線源CuKα1線、管電圧40kV、管電流15mA、走査速度20°/min、走査範囲2θ=3°以上90°以下とした。
LnがYである実施例1から4では主相であるYの(151)面と、副相である非安定化YOF(菱面体晶)の(006)面(ともに2θ=28.2°付近)が重なるピーク強度を100としたときの、副相である非安定化YOF(菱面体晶)の(018)面又は(110)面(2θ=47.4°、47.9°付近)のピーク強度比を求めた。
LnがYである実施例5では主相であるCa−YOFの(111)面と、副相である非安定化YOF(菱面体晶)の(012)面(2θ=28.8°、28.7°付近)が重なるピーク強度を100としたときの、副相である非安定化YOF(菱面体晶)の(009)面又は(107)面(2θ=43.1°、43.4°付近)のピーク強度比を求めた。
また、LnがEuである実施例6では主相であるEu658の(161)面と副相である非安定化EuOF(菱面体晶)の(006)面(2θ=27.5°、27.7°)が重なるピーク強度を100としたときの、副相である非安定化EuOF(菱面体晶)の(018)面又は(110)面(2θ=46.2°、46.8°付近)のピーク強度比を求めた。
<体積抵抗率>
エーディーシー社製デジタル微少電流計を用い、JIS C 2141:1992に基づき直流三端子法にて、室温(27℃)、大気中で体積抵抗率(Ωcm)を測定した。体積抵抗率(Ωcm)は印加電圧500V、保持時間60秒での電流値から、換算して求めた。焼結体はφ25mm×2mmに加工したものを用いた。
<3点曲げ強度>
焼結体を切断し、片面を鏡面研磨することにより、厚さ3.0mm、幅約4mm、長さ約35mmの短冊形の試験片を作製する。これをSiC製治具に置き、万能材料試験機(1185型、INSTRON製)で3点曲げ試験を行う。条件は、支点間距離30mm、クロスヘッドスピード0.5mm/minとし、試験片本数は5本とする。JIS R1601:2008に基づき、以下の式を用いて曲げ強度σ[MPa]を算出する。
σ=(3×P×L)/(2×w×t)[MPa]
式中、Pは試験片が破断したときの荷重[N]、Lはスパン距離[mm]、wは試験片の幅[mm]、tは試験片の厚さ[mm]である。
<熱膨張係数>
JIS R 1618:2002に基づいて測定した。具体的には、以下のようにした。
リガク社製TMA8310の示差式熱機械分析(TMA)装置に、焼結体5mm×5mm×20mmテストピースをセットした。大気雰囲気下、25℃から1000℃まで昇温速度5℃/分の速度で昇温した。荷重は5mNとした。リファレンスとして、テストピースと同サイズのアルミナを熱機械分析(TMA)装置にセットし、同様に昇温し、アルミナとテストピースの寸法差△Laを測定した。この間のリファレンスの伸び△Lbとして、次式により熱膨張係数を計算した。
熱膨張係数(/K)=(△La+△Lb)/(L×△t)(上記式中、L=試験前のテストピースの長さ、△t=伸びを測定した温度差である)
<熱伝導率>
焼結体φ12.7mm×2mmテストピースについて、JIS R1611:2010に基づき、レ−ザーフラッシュ法により測定した。
<静的弾性率>
JIS R1602:1995に基づき、具体的には以下のようにした。
測定はオシロスコープ(WJ312A、LECROY製)及びパルサーレシーバー(5072PR、Olympus NDT製)を用いる。試験片に縦波振動子(V110、5 MHz)、横波振動子(V156、5 MHz)を接着剤(縦波用:COUPLANT B GLYCERIN(オリンパス製)、横波用:ソニコートSHN-B25(ニチゴー日興製))を用いて固定し、パルスの伝搬速度から縦波速度V [m/s]と横波速度Vt [m/s]を測定する。得られたV及びV、試験片のかさ密度ρb [kg/mm]から、以下の式を用いて弾性率E[GPa]を算出する。
E = ρb・(Vt ・V - 4Vt )/(V - Vt )×10−9 (GPa)
<熱衝撃破壊抵抗係数R’>
上記の各測定値から、下記の式により、R’を計算した。なお、ポアソン比は各サンプルで一定と考え、計算式から除外した。
R’=((3点曲げ強度MPa)×(熱伝導率W/mK))/((静的弾性率GPa)×(熱膨張係数10/K))
熱衝撃破壊抵抗係数R’は、数値が大きいほど、耐熱衝撃性に優れる。表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた焼結体は、熱衝撃破壊抵抗係数R’が0.7以上、且つ体積抵抗率が3×10Ωcm以下であり、優れた耐熱衝撃性及び導電性を有していた。これに対し、炭素質材料を含有しない比較例1は熱衝撃破壊抵抗係数R’が0.2、且つ体積抵抗率が3×1015であって耐熱衝撃性及び導電性に劣るものであった。また比較例2では焼結中に外見に割れや変形が生じ、焼結体を得ることができなかった。

Claims (12)

  1. 希土類元素のオキシフッ化物及び炭素質材料を含む焼結体。
  2. 前記炭素質材料が、カーボン粉末及び/又はカーボン繊維である請求項1に記載の焼結体。
  3. 前記炭素質材料が平均粒径0.1μm以上10μm以下の粒子状である請求項1又は2に記載の焼結体。
  4. 前記炭素質材料が直径1μm以上20μm以下、長さ30μm以上500μm以下の繊維状である請求項1又は2に記載の焼結体。
  5. 前記炭素質材料の量が0.1体積%以上30体積%以下である請求項1ないし4の何れか1項に記載の焼結体。
  6. 体積抵抗率が1Ω・cm以上1010Ω・cm以下である請求項1ないし5の何れか1項に記載の焼結体。
  7. 希土類元素のオキシフッ化物が、LnOF(Lnは希土類元素を表す。)で表されるものである請求項1ないし6の何れか1項に記載の焼結体。
  8. 希土類元素のオキシフッ化物が、Caで安定化されたLnOFである請求項7に記載の焼結体。
  9. 希土類元素のオキシフッ化物が、xLn・yLnF(Lnは希土類元素を表す。x及びyはそれぞれ独立に1以上の自然数であり、且つ、LnOFを除く)で表されるものである請求項1ないし6の何れか1項に記載の焼結体。
  10. 希土類元素がYである請求項1ないし9の何れか1項に記載の焼結体。
  11. 希土類元素のオキシフッ化物が、xLn・yLnF(Lnは希土類元素を表す。x及びyはそれぞれ独立に1以上の自然数であり、且つ、LnOFを除く)、又はCaで安定化されているLnOFを主相とする結晶粒の粒界に、安定化されていないLnOFの副相が存在しているものである請求項1ないし10の何れか1項に記載の焼結体。
  12. 請求項1に記載の焼結体の製造方法であって、
    炭素質材料を酸化剤で処理する工程と、
    酸化剤で処理した後の炭素質材料、並びに、希土類元素の酸化物及び希土類元素のフッ化物を分散媒に分散させてスラリーを調製する工程と、
    前記スラリーの乾燥物又は造粒物を焼成する工程とを備える、焼結体の製造方法。
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