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JP2018129168A - 固体酸化物形燃料電池用電解質シートの製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用電解質シートの製造方法 Download PDF

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JP2018129168A JP2017021010A JP2017021010A JP2018129168A JP 2018129168 A JP2018129168 A JP 2018129168A JP 2017021010 A JP2017021010 A JP 2017021010A JP 2017021010 A JP2017021010 A JP 2017021010A JP 2018129168 A JP2018129168 A JP 2018129168A
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相川 規一
Norikazu Aikawa
規一 相川
秦 和男
Kazuo Hata
和男 秦
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Abstract

【課題】本発明は、周縁部におけるバリがより一層抑制された固体酸化物形燃料電池用電解質シートを効率良く製造することができる方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る固体酸化物形燃料電池用電解質シートの製造方法は、複数のジルコニアグリーンシートを積層して第1積層体とし、1次焼成して1次焼成シートを得る工程、および、上記工程Iで得られた複数の1次焼成シートを積層して第2積層体とし、2次焼成する工程を含み、上記第2積層体が、複数の上記1次焼成シートを直接積層した1次焼成シート群、最上の当該1次焼成シート群の上に最上の1次焼成シートの全面を被覆するよう載置された緻密セラミックシート、および、当該緻密セラミックシートの上に重しを有するものであり、上記重しを、上記1次焼成シートの周縁辺から内部に向かって3mmの領域である周縁部領域の少なくとも一部の鉛直上に存在しないよう配置することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、周縁部におけるバリが抑制された固体酸化物形燃料電池用電解質シートを効率良く製造することができる方法に関するものである。
燃料電池はクリーンなエネルギー源として注目されており、その用途は家庭用発電から業務用発電、さらには自動車用発電などを主体にして、改良研究や実用化研究が急速に進められている。かかる燃料電池の中でも固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」と略記する場合がある)は、発電効率が高く長期安定性にも優れることから、家庭用や業務用の電力源として期待されている。
SOFCにおいては、固体電解質膜としてセラミックシートが一般的に用いられている。セラミックスは、耐熱性などの機械的性質に加え、電気的特性や磁気的特性にも優れることによる。中でもジルコニアを主体とするセラミックシートは、優れた酸素イオン伝導性や、耐熱性、耐食性、靭性などを有することから、SOFCの固体電解質膜として利用されている。
SOFCでは、一例として、固体電解質膜の片面に燃料極層と他方の面に空気極層を有するSOFC用単セルを複数枚直列に積み重ねてスタックとするため、各層には大きな荷重が負荷される。また、発電時の高温と停止時の常温という温度変化に曝され、さらに卑金属を含む電極は酸化時と還元時で体積が変化する。そのため、SOFCが安定した発電性能を長期にわたって維持するためには、個々の層に欠陥が無く均質であり、且つ高強度であることが求められる。よって、高品質な固体電解質層を形成するための技術が種々検討されている。
例えば特許文献1には、SOFC用の電解質シートのうねりを低減するために、ジルコニアグリーンシートを2段階で焼成するに当たり、2段階目の焼成で複数のシートを互いに直接積み重ねる方法が開示されている。また、特許文献2には、同じくSOFC用の電解質シートのバリやうねりを低減するために、1段階で焼成するに当たりグリーンシートの周縁部全てに荷重を負荷し且つ周縁部以外の少なくとも一部の鉛直上には重しが存在しないようにする方法が開示されている。
特開2012−94502号公報 特開2015−69694号公報
上述した通り、従来、固体酸化物形燃料電池用の電解質シートのバリやうねりなどの欠陥を低減する技術は種々開発されていた。しかし近年、燃料電池が実用化の段階に至り、その電解質シートに対する表面物性への要求は益々厳格になってきている。例えば、電解質シートには高度な平坦性が求められるようになっており、周縁部におけるバリに関しては、許容範囲が最大で50μm程度であったものが、例えば最大で30μmまで要求される傾向になっている。
そこで本発明は、周縁部におけるバリがより一層抑制された固体酸化物形燃料電池用電解質シートを効率良く製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ジルコニアグリーンシートを2段階で焼成し、1段階目の焼成でバリが発生しても2段階目の焼成でバリを矯正するようにし、2段階目の焼成においてはバリ矯正のための重しをシート周縁部領域の鉛直上に存在しないようにすると、意外にも電解質シートのバリを顕著に抑制できることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
[1] 固体酸化物形燃料電池用電解質シートを製造するための方法であって、
工程I: 複数のジルコニアグリーンシートを積層して第1積層体とし、1次焼成して1次焼成シートを得る工程、および、
工程II: 上記工程Iで得られた複数の1次焼成シートを積層して第2積層体とし、2次焼成する工程を含み、
上記第2積層体が、複数の上記1次焼成シートを直接積層した1次焼成シート群、最上の当該1次焼成シート群の上に最上の1次焼成シートの全面を被覆するよう載置された緻密セラミックシート、および、当該緻密セラミックシートの上に重しを有するものであり、
上記重しを、上記1次焼成シートの周縁辺から内部に向かって3mmの領域である周縁部領域の少なくとも一部の鉛直上に存在しないよう配置することを特徴とする方法。
[2] 上記周縁部領域の面積に対する、上記周縁部領域の鉛直上に存在する上記重しの平面部面積の割合が0%以上、90%以下である上記[1]に記載の方法。
[3] 上記第2積層体において、複数の上記1次焼成シート群が緻密セラミックシートを介して積層されている上記[1]または[2]に記載の方法。
[4] 上記第2積層体において、最上の上記1次焼成シートにかかる荷重が5.0g/cm2以上、80.0g/cm2以下である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 上記ジルコニアグリーンシートが、スカンジア、イットリア、セリア、ガドリニアおよびイッテルビアからなる群より選択される1種または2種以上の希土類元素酸化物で安定化されたジルコニアを含む上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、固体酸化物形燃料電池用電解質シートにおけるバリの発生を顕著に抑制することができる。また、本発明方法ではジルコニアグリーンシートを2段階で焼成し、主に2段階目の焼成においてシート積層体における重しの位置を調整するのみで、容易にバリの発生を抑制できる。よって本発明は、実用化が進みつつある固体酸化物形燃料電池の必須構成要素である高性能の電解質シートを効率良く製造できる技術として、産業上極めて有用である。
図1は、1次焼成シート、アルミナ緻密板および重しを含む第2積層体とセラミックセッターの側面模式図である。 図2は、従来の2次焼成時における1次焼成シートと重しとの位置関係を示す模式俯瞰図である。 図3は、本発明に係る2次焼成時における1次焼成シートと重しとの位置関係を示す模式俯瞰図である。 図4は、本発明に係る2次焼成時における1次焼成シートと重しとの位置関係を示す模式俯瞰図である。 図5は、本発明に係る2次焼成時における1次焼成シートと重しとの位置関係を示す模式俯瞰図である。 図6は、本発明に係る2次焼成時における1次焼成シートと重しとの位置関係を示す模式俯瞰図である。 図7は、本発明に係る2次焼成時における1次焼成シートと重しとの位置関係を示す模式俯瞰図である。 図8は、本発明に係る2次焼成時における1次焼成シートと重しとの位置関係を示す模式俯瞰図である。
本発明で用いるジルコニアグリーンシートは、常法により製造することができる。例えば、以下の通り、ジルコニア粉末を含むスラリーを調製し、当該スラリーをシート状に成形してジルコニアグリーンシートとすればよい。以下、ジルコニアグリーンシートの一般的な製造方法を含め、本発明方法につき説明する。
スラリー調製工程
本工程では、少なくともジルコニア粉末、溶媒およびバインダーを混合してスラリーを調製する。
ジルコニア粉末の材料としては、1種以上の安定化剤で安定化されたジルコニアを用いることができる。例えば、MgO、CaO、SrO、BaO等のアルカリ土類金属酸化物;Sc23、Y23、La23、CeO2、Pr23、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Yb23等の希土類元素酸化物;および、Bi23、In23等の金属酸化物から選択される1種または2種以上を安定化剤として含有するジルコニアの粉末が挙げられる。さらに、その他の添加剤として、SiO2、Ge23、B23、SnO2、Ta25およびNb25から選択されるいずれかの酸化物が含まれていてもよい。これらの中でも、より高レベルの酸素イオン伝導性、強度および靭性を確保する上で好ましいのは、スカンジア、イットリア、セリア、ガドリニアおよびイッテルビアからなる群より選択される1種または2種以上の希土類元素酸化物で安定化されたジルコニアである。金属酸化物の固溶量は適宜調整すればよいが、例えば、ジルコニアも含めた全体に対する希土類元素酸化物の固溶量を8モル%以上、15モル%以下とすることができる。当該固溶量が8モル%以上であれば、立方晶の割合が高くなり、ジルコニアの結晶をより確実に安定化することが可能になる。一方、当該固溶量が15モル%以下であれば、酸化物イオン伝導性がより確実に高くなり、電解質としての性能を十分に確保することができる。当該固溶量としては9モル%以上が好ましく、また、12モル%以下が好ましく、11モル%以下がより好ましい。なお、上記希土類元素酸化物は1種のみであってもよいし、2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合には、上記固溶量は、それぞれの元素の酸化物としてのモル濃度の総和とする。
ジルコニア粉末は、ジルコニア電解質の作製のし易さなどから、ボールミルやビーズミルなどにより粉砕することが好ましい。粉砕の程度は適宜調整すればよいが、例えば、平均二次粒子径が0.08μm以上、1.0μm以下程度になるようにすればよい。当該平均二次粒子径が1.0μm以下と比較的細かい固体電解質材料を用いることで、スラリー調製におけるバインダー使用量を低減することができ、また、密度の高い固体電解質層などが得られ易くなる。一方、細か過ぎると分散剤などの必要量が多くなることから、好適には0.08μm以上とする。当該平均二次粒子径としては、0.2μm以上、0.8μm以下程度がより好ましい。なお、平均二次粒子径は、例えば、固体電解質材料の分散液を調製し、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いてその粒度分布を測定し、50体積%における径(D50)として求めることができる。
スラリー調製に用いる溶媒としては、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノンなどのケトン類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類などを例示することができ、これらから適宜選択して使用する。これらの溶媒は単独で使用し得る他、2種以上を混合して使用することができる。
バインダーとしては、特に制限はなく、従来から知られている有機質バインダーを適宜選択して使用できる。有機質バインダーとしては、例えばエチレン系共重合体、スチレン系共重合体、アクリレート系および/またはメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ビニルブチラール系樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ワックス類、エチルセルロースなどのセルロース系樹脂などが例示される。これらのバインダーは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリーンシート表面への陥没や凸起などの形成のための加工性、グリーンシート成形性、焼成時の熱分解性などの点から、熱可塑性で、且つ数平均分子量が20,000以上250,000以下、ガラス転移温度が−40℃以上20℃以下の(メタ)アクリレート系共重合体が好ましいものとして推奨される。かかる数平均分子量は、常法により測定できる。しかし、市販のバインダーでカタログ値がある場合には、それを参照すればよい。
スラリーには、ジルコニア粉末、溶媒およびバインダー以外の成分も適宜配合してよい。その他の成分としては、例えば、分散剤、可塑剤、消泡剤などを挙げることができる。
上記各成分は、常法により混合すればよい。例えば、所望の二次粒子径を有する固体電解質材料を事前に得ている場合は、ディスパーなどを用い、それ以上粉砕されない条件で混合すればよい。安定化ジルコニア粉末の二次粒子径を事前に調整していない場合には、ボールミルなどを用い、所望の二次粒子径となるまで粉砕混合してもよい。
ジルコニアグリーンシートの調製工程
次に、上記スラリーを基材に塗工してテープ状またはシート状に成形した後に乾燥することによりジルコニアグリーンシートを得る。基材としては、PETフィルムなどの基材フィルムを用いればよい。スラリーの塗工方法は特に制限されず、ドクターブレード法やカレンダーロール法などの常法を用いることができる。具体的には、例えば、スラリーを塗工ダムへ輸送し、ドクターブレードにより均一な厚さとなるように基材上にキャスティングし、乾燥することにより5cm以上、100cm以下程度の幅のジルコニアグリーンテープを得た後に、所望の形状に切断してジルコニアグリーンシートとしてもよい。ジルコニアグリーンシートの形状や大きさは、目的とする電解質シートの形状や大きさに合わせて決定すればよい。
工程I: 1次焼成工程
本工程では、複数のジルコニアグリーンシートを積層して第1積層体とし、1次焼成して1次焼成シートを得る。本工程は、ジルコニアグリーンシートの一般的な焼成工程に相当する。
第1積層体においては、有機成分や残留溶媒などの留去を良好にして、うねり、反り、バリなどの欠陥を抑制すること等を主な目的として、ジルコニアグリーンシートと多孔質スペーサを交互に積層することが好ましい。この際、個々のジルコニアグリーンシートの平面部全面がジルコニアグリーンシートにより被覆されるように両シートを配置することが好ましく、また、ジルコニアグリーンシート−多孔質スペーサ積層体の最下と最上にはそれぞれ多孔質スペーサを配置することが好ましい。さらに、当該積層体の下にはセラミックセッターを配置してもよく、また、当該積層体の最上多孔質スペーサの上には重しを配置してもよい。
第1積層体におけるジルコニアグリーンシートの積層数は適宜調整すればよいが、例えば、2枚以上、20枚以下とすることができる。製造効率の面から、ジルコニアグリーンシートは2枚以上積層することが好ましい。一方、当該積層数が20枚以下であれば、第1積層体を十分に安定なものとすることができる。当該積層数としては、4枚以上、15枚以下がより好ましい。
本発明において用いることができる多孔質スペーサの材質としては、例えば、アルミナ、ジルコニアおよびムライトからなる群より選択される少なくともいずれか1種を挙げることができる。これらからなる多孔質シートは、耐クリープ性や耐スポーリング性に優れており、高温雰囲気下でジルコニアとの反応性が低いという利点を有する。
多孔質スペーサの気孔率としては、30%以上、70%以下が好ましい。当該気孔率が30%以上であれば、多孔質スペーサとジルコニアグリーンシートとを交互に積み重ねた状態でジルコニアグリーンシートを焼成する際に、有機成分の熱分解によって生成するガスを速やかに外部に放出して脱脂効果を十分に促進でき、1次焼成シートのうねり、クラック、割れ等の欠陥をより確実に抑制することができる。一方、当該気孔率が70%以下であれば、多孔質スペーサ自体の強度や平滑性を十分に確保することができ、繰り返しの使用が可能になり、また、1次焼成シートのクラックや割れをより一層低減できる。上記気孔率としては35%以上がより好ましく、40%以上がよりさらに好ましく、また、65%以下がより好ましく、60%以下がよりさらに好ましい。なお、上記気孔率はJIS R2205の「耐火れんがの見掛気孔率の測定方法」に準拠して、下記式より算出される。
0=[(W3−W1)/(W3−W2)]×100
[式中、P0は試料の見掛気孔率を示し、W1は乾燥試料の質量を示し、W2は飽水試料の水中の質量を示し、W3は飽水試料の質量を示す。]
多孔質スペーサの厚さとしては、100μm以上、500μm以下が好ましい。当該厚さが100μm以上であれば、多孔質スペーサの強度を十分に確保することができ、500μm以下であれば、焼成時における有機成分分解ガスが十分に放散され、1次焼成シートのうねり等の欠陥をより確実に抑制できる。当該厚さとしては、120μm以上がより好ましく、150μm以上がよりさらに好ましく、また、400μm以下がより好ましく、350μm以下がよりさらに好ましい。また、多孔質スペーサの面積や形状は、ジルコニアグリーンシートの平面部全面を被覆できるように決定すればよい。但し、多孔質スペーサには適宜穴を設けてもよい。
ジルコニアグリーンシートは、多孔質スペーサと交互に積み重ねられた状態で焼成されるので、ジルコニアグリーンシートにかかる荷重が均一になるようにすることが好ましい。そのために、多孔質スペーサの面積は、ジルコニアグリーンシートの面積よりも若干大きくし、且つジルコニアグリーンシートが多孔質スペーサの周縁からはみ出ないようにすることが好ましい。具体的には、ジルコニア系グリーンシートの周縁から多孔質スペーサがはみ出る寸法としては、0.5mm以上、5mm以下の範囲が好ましく、1mm以上、3mm以下がより好ましく、1mm以上、2mm以下がよりさらに好ましい。また、多孔質スペーサの面積としては80cm2以上、500cm2以下が好ましく、100cm2以上、400cm2以下がより好ましい。なお、多孔質スペーサの面積とは、スペーサに穴が設けられている場合は、当該穴の面積を含んだ多孔質スペーサの平面部の面積であり、外形によって決定される面積を意味する。
本発明で用い得るセラミックセッターは、一般に、主に電子部品やガラスの焼成に使用されるセラミック製の焼成用治具のことであり、棚板や敷板とも呼ばれる。本発明で用い得るセラミックセッターは、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア等の酸化物、および/または、コージェライト、ジルコニア、ムライト等の複合酸化物からなり、厚さが5mm以上、30mm以下程度で、一辺が150mm以上、400mm以下程度の平板状であり、多孔質スペーサが載置される敷板であることが好ましい。
ジルコニアシートを積層した第1積層体の最上部には重しを載置し、ジルコニアグリーンシートに荷重をかけた状態で焼成することが好ましい。重しの材質は適宜選択すればよいが、例えば、ムライトおよび/またはアルミナを挙げることができ、重しの形状としては、例えば板状やブロック状を挙げることができる。また、重しは、第1積層体における最上のジルコニアグリーンシートにかかる荷重が好ましくは0.1g/cm2以上、1.0g/cm2以下、より好ましくは0.2g/cm2以上、0.5g/cm2以下となるように選択すればよい。なお、かかる荷重については、最上のジルコニアグリーンシート上に多孔質スペーサを載置する場合には当該多孔質スペーサの重量を考慮してもよいが、重しに対する多孔質スペーサの重量が無視できるほど小さい場合には、多孔質スペーサの重量を考慮なくてもよいものとする。
第1積層体の焼成条件は、適宜調整すればよい。例えば、1次焼成温度は1200℃以上、1600℃以下に設定することができる。当該温度としては、1250℃以上が好ましく、1300℃以上がよりさらに好ましく、また、1550℃以下が好ましく、1500℃以下がよりさらに好ましい。なお、1次焼成時の昇温速度、降温速度、焼成時間などは、特に限定されない。
工程II: 2次焼成工程
本工程では、上記工程Iで得られた複数の1次焼成シートを積層して第2積層体とし、2次焼成する。本工程により、上記工程Iで1次焼成シートにバリが発生していても、バリを矯正して低減することができる。よって、上記工程Iの後に1次焼成シートにおけるバリの有無を検査し、所定値以上のバリを有する1次焼成シートのみ本工程の2次焼成に付してもよい。しかし、かかる検査を実施せず、上記工程Iを経た1次焼成シートをそのまま2次焼成に付してもよい。上記検査を実施しないことにより全体の製造効率を高めることができ、また、欠陥が所定値未満の1次焼成シートであっても、その表面性状をより一層改善することができる。
本発明において「バリ」とは、シート周縁辺の反り返りをいい、シート周縁部領域における最低点と最高点との高さの差異として表すことができる。本発明において「シート周縁部」とは、1次焼成シートおよび2次焼成シートの周縁辺と周縁辺から内部に向かって3mmの位置の間の部分のことであり、「シート周縁部領域」とは、1次焼成シートおよび2次焼成シートの周縁辺と周縁辺から内部に向かって3mmの位置の間のすべての領域のことをいう。
本発明において、バリ高さはレーザー光学式三次元形状測定装置を用いて測定され、シート面にレーザー光を照射してその反射光を三次元形状解析することによって求めることができる。即ちレーザー光学式三次元形状測定装置とは、被測定対象となる電解質シート面にレーザー光を照射してシート面でフォーカスを結び、その反射光をフォトダイオード上に均等に結像させるとき、シート面が変位に対し像に不均等が生じると、即座にこれを解消する信号を発して対物レンズの焦点を常にシート面に合う様にレンズが制御される構造を備えた非接触式の微小三次元形状解析装置であり、その移動量を検出することによって、被測定対象となるシート面の凹凸を非接触的に検出することができる。その分解能が通常1μm以下、望ましくは0.1μm以下のものが使用されるが、本発明では各区間におけるバリ高さを正確に検知するために、0.01μmの分解能の装置が使用される。
レーザー光学式三次元形状測定装置について、具体的な例を挙げて説明する。レーザー測定器は、波長670nm、スポット径が約2μmの赤色半導体レーザーを光源として備え、分解能は0.01μm、スキャン幅は0〜1100μmの間で6段階に設定可能である。レーザー測定器は、さらに波長870nmの赤外LEDを照明光源とするマイクロスコープ機能も附属されているものが好ましい。好適な測定器の一例としては、キーエンス社製のダブルスキャン高精度レーザー測定器LTシリーズが挙げられる。レーザー測定器コントローラは、最小表示単位が0.01μm、表示周期は10回/秒で、コントロールI/Oは無電圧入力、NPNオープンコレクタ出力となっている。また、レーザー測定器コントローラは、PINコネクタでモニタに接続される。
本発明では、1次焼成シートと2次焼成シートのバリ高さは、具体的には、前記のキーエンス社製のダブルスキャン高精度レーザー測定器LTシリーズと、コムス社製の高速3次元形状測定システム「EMS2002AD−3D」を用いて、任意の十字の方向にレーザー光を0.01mmピッチで、シート8箇所の周縁辺付近について、シート外からシート中心部に向かって周縁辺から約6mmの長さまでスキャンさせて、任意の8箇所の周縁部領域での最高点と最低点の高さの差異を測定する。従来は任意の周縁部領域での4箇所ともバリ高さ50μmが許容範囲とされていたが、電解質シートの平坦性がより重要視されており、本発明では任意の周縁部領域での8箇所とも30μm以下である焼成シートを合格とする。
本工程で焼成すべき第2積層体は、複数の1次焼成シートを直接積層した1次焼成シート群を含む。1次焼成シート群においては、焼成シートが互いにずれないよう全体をテープ等で固定してもよい。1次焼成シート群を構成する1次焼成シートの枚数としては、10枚以上、100枚以下が好ましい。当該枚数が10枚以上であれば、良好な製造効率を確保することができる。一方、当該枚数が100枚以下であれば、第2積層体を十分に安定なものとすることができる。また、焼成シート間に異物が混入すると異物近傍の多数の焼成シートに異物の痕跡が残って不良となるおそれがあり得、また、1次焼成シートのバリによって第2積層体が崩れるおそれがあり得るので、第2積層体においては緻密セラミックシートを介して1次焼成シート群を互いに積み重ねられた構成を有するように形成してもよい。本発明で用い得る緻密セラミックシートとしては、アルミナ、ジルコニアおよびムライトからなる群より選択される少なくともいずれか1種を含む材料によって形成されているものが好ましい。これらは、耐クリープ性や耐スポーリング性に優れており、高温雰囲気下でジルコニアとの反応性が低い。第2積層体における1次焼成シート群の積層数は適宜調整すればよいが、例えば、1以上、10以下とすることができる。
なお、本発明で用い得る緻密セラミックシートの緻密度は適宜調整すればよいが、例えば、相対密度が90%以上のものが好ましい。当該相対密度としては、95%以上がより好ましく、98%以上がよりさらに好ましく、99%以上が特に好ましい。相対密度は、下記式により算出する。下記式中、理論密度とは、結晶の単位格子の体積と単位格子に含まれる質量の総和から計算によって求められる密度のことであり、嵩密度はJIS R1634に基づいて求められ、焼結体の質量を焼結体の外形容積で除した値である。
相対密度(%)=[嵩密度(g/cm3)/理論密度(g/cm3)]×100
第2積層体においては、最上の1次焼成シート群の上には、最上の1次焼成シートの全面を被覆するように緻密セラミックシートを載置する。このように緻密セラミックシートを載置しつつ2次焼成を行うことにより、1次焼成シートにおけるバリが顕著に抑制される。かかる緻密セラミックシートは、最上の1次焼成シートの周縁部領域全体を被覆できれば、内部に穴を有していてもよい。
第2積層体においては、最上の1次焼成シート群の上に載置した緻密セラミックシートの上に、さらに重しを載置する。かかる重しは、1次焼成シートの周縁辺から内部に向かって3mmの領域である周縁部領域の少なくとも一部の鉛直上に存在しないよう配置する。即ち、第2積層体を水平面においた場合、当該第2積層体を構成する1次焼成シートの周縁部領域の真上の少なくとも一部に重しが存在しない。通常、バリの低減のためには、周縁辺にこそ加重を付すべきと考えられる。しかし本発明者らの知見によれば、1次焼成シートを2次焼成に付すに当たり、シート周縁部領域の少なくとも一部の鉛直上に重しが存在しないよう配置することにより、かえってバリを低減することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、2次焼成時におけるシートへの熱の伝わり方が関与しているのではと考えられる。例えば、バリの低減が荷重のみに起因するものであるとすると、2次焼成時にバリが生じている面を上にするか下にするかが問題となり得ると考えられるが、本発明においては1次焼成シートの向きによる結果の違いは認められなかった。
本発明においては、第2積層体における1次焼成シートの周縁部領域の鉛直上に重しがまったく存在しないよう重しを配置してもよい。この場合の重しの形状は、2次焼成対象である1次焼成シートの周縁部領域以外の平面部に収まる範囲で自由に決定することができる。
1次焼成シートの周縁部領域の一部の鉛直上に重しが存在するよう配置する場合であっても、重しの形状は適宜決定することができる。例えば1次焼成シートの平面形状が方形である場合、各周縁辺の鉛直上には重しが存在する部分と存在しない部分があるよう重しの形状や配置を決定したり、或いは、少なくとも一辺の周縁辺の鉛直上には重しが存在する部分と存在しない部分があり且つ他の周縁辺の鉛直上には重しが存在しないよう重しの形状や配置を決定することが好ましい。1次焼成シートの平面形状が円形である場合には、円周を4分割し、各円弧が方形1次焼成シートの各周縁辺に相当するものとして同様に重しの形状や配置を決定することができる。
また、1次焼成シートの周縁部領域の面積に対する、当該周縁部領域の鉛直上に存在する重しの平面部面積の割合が0%以上、90%以下となるように重しの形状や配置を決定することが好ましい。当該面積割合としては、80%以下または70%以下が好ましく、50%以下または40%以下がより好ましい。
その他、1次焼成シートの平面方向の重心の位置が重しの平面方向の重心の位置と一致するよう、重しの形状や配置を決定することが好ましい。重しの具体的な平面形状の具体例を図2〜8に示す。
重しの材質は特に制限されないが、例えばムライトおよび/またはアルミナを挙げることができる。また、重しは多孔質としてもよい。
上記の通り、本発明においては第2積層体中の1次焼成シートに重しにより荷重をかけつつ2次焼成を行う。例えば、最上の1次焼成シートにかかる荷重が5.0g/cm2以上、80.0g/cm2以下となるように調整することができる。当該荷重としては15.0g/cm2以上がより好ましく、20.0g/cm2以上がよりさらに好ましく、また、50.0g/cm2以下がより好ましく、40.0g/cm2以下がよりさらに好ましい。なお、かかる荷重については、最上の緻密セラミックシートの重量を考慮してもよいが、重しに対する緻密セラミックシートの重量が無視できるほど小さい場合には、緻密セラミックシートの重量を考慮しなくてもよいものとする。
本発明においては、2次焼成の温度、即ち2次焼成の最高温度を、1次焼成の温度、即ち1次焼成の最高温度以下に設定することが好ましい。かかる焼成温度と重しの調整によって、1次焼成シートのバリを2次焼成によってより確実に矯正することができる。2次焼成の温度は1次焼成の温度以下であればよいが、効果的にバリを矯正するために、1次焼成の温度に近い方が望ましい。従って2次焼成の温度は、好ましくは1次焼成温度と1次焼成温度よりも200℃低い温度との間、より好ましくは1次焼成温度と1次焼成温度よりも100℃低い温度との間、さらに好ましくは1次焼成温度と1次焼成温度よりも50℃低い温度との間に設定する。
2次焼成における昇温速度と降温速度は、特に限定されない。しかし、降温速度については、最高温度から当該最高温度よりも100℃低温までの降温速度を5℃/min以下として、徐冷することが好ましい。2次焼成においてこのような降温条件が満たされることにより、2次焼成による割れや欠けの発生を低減することができる。かかる割れや欠けを低減するために、2次焼成時の最高温度から室温までの温度範囲の降温速度を10℃/min以下とすることがより好ましく、8℃/min以下とすることがより好ましく、5℃/min以下とすることがさらに好ましい。また、割れや欠けの発生低減のためには、より低温度まで徐冷することが好ましい。そのため、より好ましくは最高温度から当該最高温度よりも200℃低温まで、さらに好ましくは最高温度から当該最高温度よりも300℃低温までの降温速度を、5℃/min以下とすることが好ましい。当該降温速度としては、2℃/min以下がより好ましく、1℃/min以下がよりさらに好ましく、0.5℃/min以下が特に好ましい。ここでいう降温速度は、通常、炉温度をプログラム制御する温度調整器を用いて調整される降温速度である。実際の炉の温度は、温度調整器の指示温度と必ずしも完全には一致していないが、本発明では、これらの誤差を含めた温度変化の平均値を降温速度とみなす。
なお、2次焼成時の昇温速度は、特に限定されない。本実施の形態の製造方法において、例えば、2次焼成時の昇温速度を1℃/minとした時の割れや欠けの発生低減率と、昇温速度をこれよりも速くした場合または遅くした場合の割れや欠けの発生低減率とを比較しても、結果に大きな差は見られない。
上記の工程Iと工程IIを経たジルコニアシートは、バリが顕著に、具体的には30μm以下に低減された表面特性に優れているシートであり、強度が高く耐性にも優れることから、固体酸化物形燃料電池の電解質シート等として非常に有用である。
例えば、本発明に係るジルコニアシートには、常法により電極層などを形成することによりSOFC用単セルとすることができる。例えば本発明によりジルコニア電解質シートを得た場合には、通常、焼結温度の関係から、当該シート上に先ず燃料極層を形成し、次に空気極層を形成する。固体電解質層であるジルコニア電解質シートと空気極層との間には、層間反応を抑制するための中間層を形成してもよい。中間層は、燃料極層よりも先に形成してもよいし、或いは、中間層用スラリーと燃料極層用スラリーをそれぞれ塗工して乾燥した後に、同時に焼結して形成してもよい。
本発明に係る電解質シートは、強度が高いことから、これらを含むSOFC用単セルおよびSOFCも強度が高く、優れた耐久性を示す。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1: ジルコニアシートの作製
(1) ジルコニアグリーンシートの作製
スカンジア安定化ジルコニアのグリーンシートを作製した。まず、スカンジア安定化ジルコニア((ZrO20.92(Sc230.08)(以下、「8ScSZ」と記載する。)粉末(第一稀元素化学工業社製,平均粒径:0.6μm)100質量部に対して、メタクリレート系共重合体からなるバインダー(分子量:30000,ガラス転移温度:−8℃,固形分濃度:50質量%)を固形分換算で15質量部、分散剤としてソルビタン酸トリオレート2質量部、可塑剤としてジブチルフタレート3質量部、溶剤としてトルエン/酢酸エチル=3/2(質量比)の混合溶剤50質量部を、ジルコニアボールが装入されたナイロンポットに入れ、35時間混練して8ScSZスラリーを調製した。得られたスラリーを、碇型の攪拌機を備えた内容積50Lのジャケット付丸底円筒型減圧脱泡容器へ移し、攪拌機を30rpmの速度で回転させながら、ジャケット温度40℃とし、約4〜21kPaの減圧下で濃縮脱泡して粘度を2Pa・sに調整し、塗工用スラリーとした。この塗工用スラリーを塗工装置のスラリーダムに移し、ドクターブレード法によってポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工し、塗工部に続く乾燥部(50℃、80℃および110℃の3ゾーンを有する)を0.4m/minの速度で通過させて乾燥させることにより、厚さ180μmの8ScSZグリーンテープを得た。このグリーンテープを切断して、一辺が約118mmの正方形の8ScSZグリーンシートを得た。
(2) アルミナ多孔質スペーサの作製
市販の低ソーダアルミナ粉末(商品名「AL−13」昭和電工社製,平均粒径:55μm)100質量部に対して、上記ジルコニアグリーンシートの作製時に用いた上記バインダー12質量部、上記分散剤1質量部、上記可塑剤2質量部および上記溶剤35質量部を加え、ジルコニアグリーンシート作製時と同様の方法でアルミナスラリーを調製した。このアルミナスラリーの粘度を、ジルコニアグリーンシート作製時と同様の方法で10Pa・sに調整して、塗工用スラリーとした。この塗工用スラリーを、グリーンシート作製時と同様の方法でPETフィルム上に塗工し、さらに乾燥させた。但し、乾燥部の通過速度を0.8m/minとした。これにより、厚さ200μmのアルミナグリーンテープを得た。このアルミナグリーンテープを切断して、一辺が約130mmの正方形のアルミナグリーンシートを得た。
切断された正方形のアルミナグリーンシートを表面が研磨されたアルミナ板上に載置し、その上に刷毛を用いてコーンスターチを均一に塗布し、さらにその上に正方形のアルミナグリーンシートを重ね合わせた。同様の操作を繰り返して、合計10枚のアルミナグリーンシートを、コーンスターチを介して重ね合わせた。この状態で、大気雰囲気下で500℃にて脱脂を行い、その後1580℃で2時間焼成して、アルミナ多孔質スペーサを得た。得られたスペーサは、厚さ180μm、一辺120mm、気孔率45%、質量4.4gであった。
(3) 1次焼成(本発明における工程(I)の焼成)
300mm角セラミックセッターの上に、上記(2)で作製されたアルミナ多孔質スペーサと上記(1)で作製されたジルコニアグリーンシートからなる第1の積層体を配置した。具体的には、セラミックセッターの上にアルミナ多孔質スペーサを4枚並べて載置し、それぞれの上にジルコニアグリーンシートを載置した。これらジルコニアグリーンシートそれぞれの上に、さらに、アルミナ多孔質スペーサとジルコニアグリーンシートを交互に積み重ね、最終的に、最下層と最上層にアルミナ多孔質スペーサが配置された、6枚のアルミナ多孔質スペーサと5枚のジルコニアグリーンシートとからなる4組の第1の積層体をセラミックセッター上に配置した。第1の積層体の最上層に位置するアルミナ多孔質スペーサ上に、重しとして、ムライトとアルミナの結晶相を持つ約50gの多孔質ブロック(気孔率58%)を載置した。4組の積層体が配置されたセラミックセッター10枚(合計40組の積層体)をコンベアベルト上に載置し、間口340mm、高さ20mm、前方が約500℃以下で温度設定可能な脱脂ゾーン、後方が約1500℃以下で温度設定可能な焼成ゾーンとなっているトンネル炉式の連続加熱炉に走行速度0.3m/時間で投入して、1400℃を最高温度として1次焼成を行い、1次焼成ジルコニアシートを作製した。1次焼成での降温速度は、1400℃〜1050℃まで1.2℃/minとした。なお、ここで、連続炉における昇降温速度とは、隣り合うゾーンの温度(通常は、ゾーンの長さ方向の中央に配置される温度計(熱電対)の指示値)差を、その間の移動時間で除した数値である。
(4) 1次焼成ジルコニアシートのバリの有無の検査
焼成シートのバリ高さは、キーエンス社製のダブルスキャン高精度レーザー測定器LTシリーズと、コムス社製の高速3次元形状測定システム「EMS2002AD−3D」を用いて、シート8箇所の周縁辺付近について、任意の十字の方向にレーザー光をシート外からシート中心部に向かって周縁辺から約5mmの長さまで0.01mmピッチでスキャンさせて測定した。そして、周縁辺と周縁辺から3mmの距離の間での最高点と最低点の高さの差異が8箇所とも30μm以下であるシートを合格とし、30μmを超えるシートを不合格とした。
(5) 2次焼成(本発明における工程(II)の焼成)
上記1次焼成ジルコニアシートのうち、30μm超のバリが発生しているジルコニアシートのみを抜き出して、表1に示す重ね方で積層体を作製した。例えば、試験例1の第2の積層体は、図1のように焼成シート20枚が互いに直接積み重ねられたジルコニア焼成シート群を有しており、このジルコニアシート群3つをアルミナ緻密板(ニッカトー社製,約100mm角,厚さ1mm)を介して互いに積み重ね、最上層と最下層にもアルミナ緻密板を配置し、さらに最上層に位置するアルミナ緻密板上に、重しとして、ムライトとアルミナの結晶相を持つ多孔質ブロック(気孔率19%)を載置することにより形成した。また、試験例1〜8における1次焼成シートと重しとの位置関係を上から見た俯瞰模式図を図2〜8に示す。なお、図2〜8では、1次焼成シートの周縁部領域と重しとの位置関係を明確にするために、最上層の緻密セラミックシートは図示していない。表1には、1次焼成シートの周縁部領域の面積に対する、周縁部領域の鉛直上に存在する重しの平面部面積の割合を示す。なお、2次焼成では、アルミナ緻密板の重量に基づく荷重は重しによる荷重よりもかなり小さかったため、ここでは、重しによる荷重を第2積層体の最上1次焼成ジルコニアシートにかかる荷重として問題はない。
重しが載置された第2の積層体を有効容積約0.4m3の電気炉に投入し、表1に示す2次焼成温度が最高温度となるように、2次焼成を行った。電気炉の昇温速度は1℃/minとした。第2積層体を2次焼成温度で3時間保持した後、表1に示す降温速度で冷却した。2次焼成後の2次焼成ジルコニアシートに対し、1次焼成ジルコニアシートのバリ評価方法と同様の条件でバリを評価して、バリが回復した焼成シートの数を求めた。その結果と下記式から、バリ矯正率を算出した。結果を表1に示す。
バリ矯正率(%)={[バリが矯正された焼成シートの数(割れたシートを除く)]/[2次焼成を行った焼成シートの全数]}×100)
Figure 2018129168
表1に示す結果の通り、2次焼成時において1次焼成シートの周縁部領域全体の鉛直上に重しを存在させる場合(試験例1,2)、1次焼成シートのバリは矯正されるものの、その割合は低く、割れや欠けの発生率も高かった。それに対して、1次焼成シートの周縁部領域の鉛直上の少なくとも一部に重しが存在しないよう重しの形状や配置を工夫した場合(試験例3〜8)、バリ矯正率はいずれも80%以上となり、バリが低減された平坦性に優れる電解質シートが得られた。さらに、割れ及びクラックの発生率が3%未満と少なく、本発明方法が低破損率で電解質シートを製造できる優れた技術であることが示された。
1: 1次焼成シート(両端の黒色部分は周縁部領域)
2: 緻密セラミックシート 3: セラミックセッター
4: 重し 5: 1次焼成シート群
6: 第2積層体

Claims (5)

  1. 固体酸化物形燃料電池用電解質シートを製造するための方法であって、
    工程I: 複数のジルコニアグリーンシートを積層して第1積層体とし、1次焼成して1次焼成シートを得る工程、および、
    工程II: 上記工程Iで得られた複数の1次焼成シートを積層して第2積層体とし、2次焼成する工程を含み、
    上記第2積層体が、複数の上記1次焼成シートを直接積層した1次焼成シート群、最上の当該1次焼成シート群の上に最上の1次焼成シートの全面を被覆するよう載置された緻密セラミックシート、および、当該緻密セラミックシートの上に重しを有するものであり、
    上記重しを、上記1次焼成シートの周縁辺から内部に向かって3mmの領域である周縁部領域の少なくとも一部の鉛直上に存在しないよう配置することを特徴とする方法。
  2. 上記周縁部領域の面積に対する、上記周縁部領域の鉛直上に存在する上記重しの平面部面積の割合が0%以上、90%以下である請求項1に記載の方法。
  3. 上記第2積層体において、複数の上記1次焼成シート群が緻密セラミックシートを介して積層されている請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記第2積層体において、最上の上記1次焼成シートにかかる荷重が5.0g/cm2以上、80.0g/cm2以下である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 上記ジルコニアグリーンシートが、スカンジア、イットリア、セリア、ガドリニアおよびイッテルビアからなる群より選択される1種または2種以上の希土類元素酸化物で安定化されたジルコニアを含む請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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