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JP2018125525A - 太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム及び太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを巻き取ってなる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法 - Google Patents

太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム及び太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを巻き取ってなる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法 Download PDF

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JP2018125525A
JP2018125525A JP2018008615A JP2018008615A JP2018125525A JP 2018125525 A JP2018125525 A JP 2018125525A JP 2018008615 A JP2018008615 A JP 2018008615A JP 2018008615 A JP2018008615 A JP 2018008615A JP 2018125525 A JP2018125525 A JP 2018125525A
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健太郎 仲辻
Kentaro Nakatsuji
健太郎 仲辻
雅俊 井澤
Masatoshi Izawa
雅俊 井澤
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Abstract

【課題】高拡散と高反射を併せ持つことにより、発電効率が向上し、生産性及び低コスト性に優れた太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム、および太陽電池を提供する。【解決手段】以下(1)〜(4)を満たす太陽電池バックシート2に用いるポリエステルフィルム。(1)フィルムの断面における空洞含有率が4%以上40%以下であること。(2)フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物が無機粒子を含有しており、その含有量がポリエステル組成物全体に対して0.5重量%以上20重量%以下であること。(3)少なくとも一方の表面のRz(最大粗さ)が2μm以下であること。(4)フィルム表面を有する層を表層7,9、フィルム表面を有さない層を基材層8の3層からなる積層ポリエステルフィルムであること。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム及び太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを巻き取ってなる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法に関するものである。
近年、二酸化炭素の増加による温室効果で地球の温暖化が生じることが予測され、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーの要求が高まっている。このような状況下で、太陽電池モジュールを利用した太陽光発電は、安全性と汎用性の高さから非常に注目されている。
一般に、太陽電池モジュールは、受光面側から順にカバー材、表側封止材、光電変換を行う太陽電池セル、裏側封止材、およびバックシートが積層され、構成されている。
ここで、太陽電池バックシートは、太陽電池の発電素子を雨などの外的影響から保護すること、また、太陽電池の出力を向上させることを目的として用いられるものである。太陽電池は、屋外で長期間置かれるため、太陽電池バックシートに用いられるポリエステルフィルムは高い耐湿熱性が要求される。これまでに、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの耐加水分解性や出力特性を高める検討がなされている(特許文献1、2、3)。
国際公開第2012/121076号パンフレット 国際公開第2011/052290号パンフレット 特開2012−179816号公報
太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、屋外に長期間置かれても裏面封止材(以下EVAと称する)と密着し続ける必要があるが、上記の文献ではその要求特性を満たすものではなかった。本発明が解決しようとする課題は、耐湿熱性に優れて屋外に長期間置かれても裏面封止材と密着し続けることができ、かつ、高い光反射特性を持つことにより太陽電池の発電効率を向上させることができる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム及び太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを巻き取ってなる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。
[I]以下(1)〜(4)を満たす太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
(1)フィルムの断面における空洞含有率が4%以上40%以下であること。
(2)フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物が無機粒子を含有しており、その含有量がポリエステル組成物全体に対して0.5重量%以上20重量%以下であること。
(3)少なくとも一方の表面のRz(最大粗さ)が2μm以下であること。
(4)3層からなる積層ポリエステルフィルムであること。
〔II〕 [I]に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムのいずれか一方の表面に、エチレン-酢酸ビニル共重合体からなるシート(以下、EVAシートと称する)、半強化ガラスをこの順に重ねてなる積層体であって、EVAシートと太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを180°の角度で剥離した際の密着強度が10N/10mm以上である積層体。
[III] 前記積層体を、温度120℃、相対湿度100%RHの条件下に48時間放置した後、EVAシートと太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを180°の角度で剥離した際の密着強度が10N/10mm以上である、[II]記載の積層体。[IV]下記(5)〜(10)を満たす太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを巻き取ってなる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法
(5) ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物を押出機で溶融混練した後、押出しし、冷却ドラム上にて冷却固化して未配向ポリエステルフィルムを得る工程(キャスト工程)を含むこと。
(6)(5)により得られた未配向ポリエステルフィルムを、長手方向に、延伸温度70〜120℃、延伸倍率2.0〜4.0倍で延伸して、一軸配向ポリエステルフィルムを得る工程を含むこと。
(7)(6)の工程で得られた一軸配向ポリエステルフィルムを、幅方向に、延伸温度70〜150℃、延伸倍率3.0〜4.0倍で延伸して、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程を含むこと。
(8)(7)の工程で得られた二軸配向ポリエステルフィルムを、205〜240℃で熱処理しながら、幅方向に0〜10%弛緩する工程を含むこと。
(9)前記(8)で弛緩した二軸配向ポリエステルフィルムを、ロール形状に巻き取る工程(ワインダー工程)を含むこと。
(10)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触する面をD面とするとき、(9)のワインダー工程において、前記D面がロールの巻き外面となるように巻き取ること。
[V]下記(11)〜(12)を満たす[IV]に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法。
(11)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムの温度が冷却ドラムの温度が冷却ドラムに接する層を構成するポリエステル樹脂のTg−70℃以上Tg−30℃以下であること。
(12)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触している時間(滞留時間)が20秒以上120秒以下であること。
[VI][I]に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを巻き取ってなる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法であって、下記(5)〜(10)を満たす太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法
(5) ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物を押出機で溶融混練した後、押出しし、冷却ドラム上にて冷却固化して未配向ポリエステルフィルムを得る工程(キャスト工程)を含むこと。
(6)(5)により得られた未配向ポリエステルフィルムを、長手方向に、延伸温度70〜120℃、延伸倍率2.0〜4.0倍で延伸して、一軸配向ポリエステルフィルムを得る工程を含むこと。
(7)(6)の工程で得られた一軸配向ポリエステルフィルムを、幅方向に、延伸温度70〜150℃、延伸倍率3.0〜4.0倍で延伸して、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程を含むこと。
(8)(7)の工程で得られた二軸配向ポリエステルフィルムを、205〜240℃で熱処理しながら、幅方向に0〜10%弛緩する工程を含むこと。
(9)前記(8)で弛緩した二軸配向ポリエステルフィルムを、ロール形状に巻き取る工程(ワインダー工程)を含むこと。
(10)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触する面をD面とするとき、(9)のワインダー工程において、前記D面がロールの巻き外面となるように巻き取ること。
[VII〕下記(11)〜(12)を満たす[VI]に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法。
(11)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムの温度が冷却ドラムの温度が冷却ドラムに接する層を構成するポリエステル樹脂のTg−70℃以上Tg−30℃以下であること。
(12)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触している時間(滞留時間)が20秒以上120秒以下であること。
本発明によれば、高い光反射特性を持つことにより太陽電池の発電効率を向上させることができ、耐湿熱性に優れ、かつ、裏面封止剤との貼り合わせ後において、湿熱処理後も密着力に優れた太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムが得られる。
図1は、本発明のポリエステルフィルムを太陽電池バックシートとして用いた太陽電池の一例を示す断面図である。 図2は、本発明のポリエステルフィルムを太陽電池バックシートとして用いた太陽電池の一例を示す断面図である。
次に、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの実施の形態について詳細に説明する。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、以下(1)〜(4)を満たすものである。
(1)フィルムの断面における空洞含有率が4%以上40%以下であること。
(2)フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物が無機粒子を含有しており、その含有量がポリエステル組成物全体に対して0.5重量%以上20重量%以下であること。
(3)少なくとも一方の表面のRz(最大粗さ)が2μm以下であること。
(4)3層からなる積層ポリエステルフィルムであること。
以下、各構成要素について説明する。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物が無機粒子を含有していることが必要である。本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に含有する無機粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、アルミナ、タルク、カオリン、およびフッ化カルシウム等などを用いることが可能である。これらの中でも、光反射特性などの観点から酸化チタンを用いることが好ましい態様である。
酸化チタンとしては、例えば、アナターゼ型酸化チタンおよびルチル型酸化チタンのような結晶型の酸化チタンを挙げることができる。
また、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物が、上述した無機粒子を含有しており、その含有量がポリエステル組成物全体に対して0.5重量%以上20重量%以下である必要がある。フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物の無機粒子の含有量が0.5重量%未満であると、耐紫外線性が不足し、且つ光反射特性が十分でなく、太陽電池の発電効率を向上させることができない。一方、20重量%を超えると、耐加水分解性が悪化し、また、無機粒子とポリエステルの間に発生する微細な隙間がきっかけとなり湿熱処理後の封止剤との密着力が悪化する。好ましい濃度は、1.5重量%以上15重量%以下である。
また、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、フィルム表面を有する層を表層(A)、フィルム表面を有さない層を基材層(B)としたとき、上述した無機粒子を、表層(A)に対して1.0重量%以上50重量%以下であることが好ましい。表層(A)に対する無機粒子の含有量が1.0重量%未満であると、耐紫外線性が不足し、且つ光反射特性が十分でなく、太陽電池の発電効率を向上させることができないことがある。一方、50重量%を超えると、耐加水分解性が悪化し、また、無機粒子とポリエステルの間に発生する微細な隙間がきっかけとなり湿熱処理後の封止剤との密着力が悪化することがある。
上述した無機粒子の粒径は、数平均二次粒径として0.5μm以下であることが好ましい。数平均二次粒径が0.5μmを超えると、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムと裏面封止剤(EVA)(図2の3)との間に隙間ができるため、湿熱環境下にさらされると水が浸入してフィルムが加水分解し、太陽電池セル部分を長期に保護するという役割を果たすことができないことがある。また、粗さが大きいところが剥がれの起点となって密着力が低下してしまう場合がある。
また、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、後述する測定方法により求められるフィルムの断面における空洞含有率が4%以上40%以下であることが必要である。空洞含有率が4%未満であると、光反射特性が十分でなく、太陽電池の発電効率を向上させることができない。一方、40%を超えると、製膜性が悪化すると共にフィルムの耐湿熱性が悪化し、また、裏面封止剤との貼り合せ後における湿熱処理後の密着性が悪化する。ポリエステルフィルムに空洞を形成させる方法については、特に限定されないが、詳しくは後述する。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、3層からなる積層ポリエステルフィルムであることが必要である。フィルム表面を有する層を表層(A)、フィルム表面を有さない層を基材層(B)としたとき、基材層(B)の空洞含有率が、表層(A)の空洞含有率よりも高いことが好ましい。表層(A)の空洞含有率が高いと、フィルム内部に水が浸入しやすくなり、加水分解が進みやすくなる場合がある。
また、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、太陽電池セルの封止剤との接着性が求められるところ、すなわち、裏面封止剤と接する側(図2の7)の表層に、空洞を多く含むと、密着力が低下してしまうため、太陽電池を組んだときに太陽電池セル部分などを保護する目的を達成できない場合がある。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、少なくとも一方の表面の最大粗さ(Rz)が2μm以下であることが必要である。最大粗さ(Rz)が2μmより大きくなると、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムと裏面封止剤(EVA)(図2の3)との間に隙間ができるため、湿熱環境下にさらされると水が浸入してフィルムが加水分解し、太陽電池セル部分を長期に保護するという役割を果たすことができない。また、粗さが大きいところが剥がれの起点となって密着力が低下してしまう。最大粗さ(Rz)は好ましくは1.5μm以下であり、さらに好ましくは1.0μm以下である。最大粗さ(Rz)は小さいことが好ましいが、最大粗さを0.1μm未満とするのは製膜が困難になるため、0.1μm以上であることが好ましい。最大粗さ(Rz)を上記の範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、例えばポリエステルフィルムを後述する製造方法により得る方法を挙げることができる。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、フィルム全体の厚みが25μm〜500μmの範囲であることが好ましい。厚みが25μmより薄いと、反射層の反射性能と拡散層の拡散性能の効果が不十分となり、発電効率を向上させるという性能が不足する場合がある。また、厚みが500μmより厚いと、生産性が悪化し、太陽電池バックシートの重量が重くなってしまう場合がある。より好ましくは125μm〜500μmの範囲であり、特に好ましくは150μm〜500μmの範囲である。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、3層からなる積層ポリエステルフィルムであり、表層(A)は、少なくとも片側の層厚みが12μm以上であることが好ましい。太陽電池セル側に置かれる表層の層厚みが12μm以上であると、太陽電池側から入射される紫外線が反射層で反射した光を拡散することが可能となり、太陽電池の発電効率を高めることが可能となる。また、太陽電池セルとは反対側の層厚みを12μm以上とすると、耐紫外線性を高めることが可能となる。以上から表層は両層とも12μm以上であることが、発電効率、耐紫外線性向上の観点から好ましい。また、ポリエステルフィルムは紫外線や、雨風により少しずつ膜減りすることが知られているため、20μm以上であることがより好ましい。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、フィルムの断面における空洞含有率が4%以上40%以下である必要がある。ポリエステルフィルムに空洞を含有させる方法は、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂とポリエステル樹脂に非相溶な樹脂あるいは無機粒子を含むポリエステル樹脂組成物からフィルムを構成することにより形成することが好ましい。ポリエステル樹脂中に、ポリエステル樹脂に非相溶な樹脂あるいは無機粒子を細かく分散させ、それを延伸(例えば、二軸延伸)することにより、この非相溶な樹脂あるいは無機粒子の周りに空洞が形成される。フィルム内に形成された空洞は、ポリエステル樹脂と屈折率差を有するため、その界面において入射してきた光は反射するため、空洞が多いほど高い反射率を得ることが可能となる。より好ましくは8%以上20%以下である。空洞含有率を低くすることで、機械強度の低下を抑制することが可能となり、高くすることで反射率を向上させることが可能である。
また、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、基材層(B)の断面における空洞含有率が5%以上50%未満であることが好ましい。基材層(B)の空洞含有率が5%未満であると、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの反射率を向上させることができず、太陽電池モジュールに本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを組み込んだときの発電向上率を高くすることができないことがある。また、基材層(B)の空洞含有率が50%以上であると、製膜性が悪化すると共にフィルムの耐湿熱性が悪化し、また、裏面封止剤との貼り合せ後における湿熱処理後の密着性が悪化することがある。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂は、固有粘度が0.5以上1.0以下であることが機械特性、耐熱性の点から好ましい。より好ましくは、0.7以上0.9以下である。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物においては、末端カルボキシル基量(以降、COOH末端基量と称する場合がある)が25eq./t(equivalent/ton)以下であることが耐湿熱性の点から好ましい。さらに好ましくは14eq./t以下である。
上記ポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、有機系/無機系の易滑剤、有機系/無機系の微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等の添加剤が配合されていてもよい。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂は、ジオールとジカルボン酸、あるいは、ヒドロキシカルボン酸、あるいはそれらの誘導体とから縮重合によって得られるポリマーである。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸およびセバシン酸などで代表されるものである。また、ジオールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールなどで代表されるものである。
ポリエステル樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどが挙げられる。本発明においては、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
また、このポリエステル樹脂の中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤および帯電防止剤などが添加することができる。
本発明で用いられる非相溶な樹脂としては、ポリエステルに非相溶な樹脂であれば、特に限定されない。例えば、ポリ−3−メチルフテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジメチルブタジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリ−2−メチル−4−フルオロスチレン、ポリビニル−t−ブチルエーテル、セルロールトリアセテート、セルロールトリプロピオネート、ポリビニルフルオライド、非晶ポリオレフィン、環状オレフィン共重合樹脂などから選ばれた融点180℃以上のポリマーなどが挙げられる。
中でも、ポリエステル樹脂母材に対して非相溶な樹脂としては、ポリオレフィン、特にポリメチルペンテンおよび環状オレフィン共重合樹脂が好ましく用いられる。環状オレフィン共重合樹脂とは、例えば、エチレンとビシクロアルケンおよびトリシクロアルケンからなる群から選ばれた少なくとも1種の環状オレフィンとからなる共重合体である。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、基材層(B層)が、非相溶な樹脂を含有していることが好ましく、その含有量が、当該層を構成するポリエステル樹脂組成物全体に対して、8重量%以上40重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、10重量%以上30重量%以下であり、更に好ましくは10重量%以上25重量%以下である。非相溶な樹脂の添加量を多くすることで高い反射率を得ることが可能となり、添加量を減らすことで機械強度の低下を抑制し、生産性を向上させることが可能となる。
光学特性との関係については、非相溶な樹脂の添加量を増加させるにつれて、空洞核が増加し空洞層数が増加することから、反射率が向上し出力特性向上に貢献する。なお、本願では、非相溶ポリマーの含有量は、添加量のことを指すものとする。
非相溶な樹脂を分散させるには、分散助剤を添加することが有効である。分散助剤とは、分散を促進させる効果を持つ化合物のことであり、次に挙げるような化合物にその効果が認められる。
すなわち、分散助剤としては、熱可塑性ポリエステルエラストマーが好ましく用いられる。分散助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール共重合体、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、さらにはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホネートナトリウム塩、グリセリンモノステアレート、テトラブチルホスホニウム、およびパラアミノベンゼンスルホネートなどが挙げられる。
本発明で使用される分散助剤としては、特にポリアルキレングリコールが好ましく、中でもポリエチレングリコールが好ましく用いられる。また、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールの共重合体なども、非相溶な樹脂の分散性を向上させるために好ましく用いられる。
分散助剤の添加量としては、非相溶な樹脂を含有する層を構成するポリエステル樹脂組成物全体に対して、3重量%以上40重量%以下であることが好ましい。分散助剤の添加量を多くすることで非相溶な樹脂の分散性を向上させることが可能であり、添加量を少なくすることでフィルム母材本来の特性を損なうことなく使用することが可能となる。
このような分散助剤は、予めフィルム母材ポリマー中に添加してマスターポリマ(マスターチップ)として調整することが可能である。光学特性との関係については、分散助剤を添加し、3重量%以上40重量%以下の領域までは、分散径が極度に小径化することから、同厚み当たりのボイド層数が増加し反射率が向上し、太陽電池モジュールの高効率化に寄与する。分散助剤の添加が40重量%より大きい領域では、添加量を増加させても分散径は小径化しないことがあり、添加しても効果がないことがある。
太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの製造方法として、例えば、表層と基材層の原料をそれぞれ別の押出機に投入し、Tダイからシート状に押し出す工程を含む製造方法(共押出法)、単膜で作製したシートに被覆層原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)などが挙げられるが、本発明のポリエステルフィルムにおいては、後に述べる共押出法が好ましい。
本発明において、基材層と表層の上記の積層方法について具体的に説明するが、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
非相溶な樹脂として環状オレフィン共重合樹脂を用い、分散助剤としてポリエチレングリコール、およびポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコール共重合物を用い、これらをポリエチレンテレフタレートに混合し、それを十分混合し乾燥させて、270〜300℃の温度に加熱された押出機Bに供給する。別に、酸化チタンなどの無機粒子を含むポリエチレンテレフタレートを押出機Aに供給し、Tダイ2層口金内で、押出機Aと押出機Bからのポリマーをそれぞれ1層ずつ押し出すことにより、基材層と表層が積層されたシートとすることが可能である。
このようにして溶融され積層されたシートを、ドラム表面温度が10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気力によって密着冷却固化して未延伸フィルムとする。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを巻き取ってなる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールは、例えば、以下(5)〜(10)を満たす製造方法で製造することが好ましい。
(5)ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物を押出機で溶融混練した後、押出しし、冷却ドラム上にて冷却固化して未配向ポリエステルフィルムを得る工程(キャスト工程)を含むこと。
(6)(5)により得られた未配向ポリエステルフィルムを、長手方向に、延伸温度70〜120℃、延伸倍率2.0〜4.0倍で延伸して、一軸配向ポリエステルフィルムを得る工程を含むこと。
(7)(6)の工程で得られた一軸配向ポリエステルフィルムを、幅方向に、延伸温度70〜150℃、延伸倍率3.0〜4.0倍で延伸して、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程を含むこと。
(8)(7)の工程で得られた二軸配向ポリエステルフィルムを、205〜240℃で熱処理しながら、幅方向に0〜10%弛緩する工程を含むこと。
(9)前記(8)で弛緩した二軸配向ポリエステルフィルムを、ロール形状に巻き取る工程(ワインダー工程)を含むこと。
(10)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触する面をD面とするとき、(9)のワインダー工程において、D面をロールの巻き外面とすること。
また、さらに、(11)〜(12)を満たす製造方法により得られることが好ましい。
(11)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムの温度が冷却ドラムに接する層を構成するポリエステル樹脂のTg−70℃以上Tg−30℃以下であること。
(12)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触している時間(滞留時間)が20秒以上120秒以下であること。
以降(5)〜(12)の製造方法について説明する。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールは、ポリエステルフィルム(表層、基材層)を構成するポリエステル樹脂組成物をそれぞれの押出機で溶融混練した後、押出し、冷却ドラム上にて冷却固化して未配向ポリエステルフィルムを得る共押出法が好ましい。溶融ラミネート法では表層と基材層の間の密着力が弱く剥がれやすいからである。
(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触する面をドラム面(D面)と非ドラム面(非D面)とするとき、ドラム面は冷却ドラムにより冷却され、非ドラム面は、10〜20℃のエアーで冷却することで破れにくいフィルムを製膜することができる。また、冷却ドラムの温度は、表層を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度(以降Tgと称する)−70℃以上Tg−30℃以下であることが好ましい。冷却ドラムの温度を上記の範囲とすることで、未配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の熱結晶化度を適当な範囲に維持したまま縦延伸へと進むことが可能となる。上記の範囲から外れる場合、ドラム面側の熱結晶化度が適当な範囲とならないため、これが原因でフィルム破れを起こしてしまう場合がある。冷却ドラムの温度は、冷却ドラムの温度が冷却ドラムに接する層を構成するポリエステル樹脂のTg−60℃以上Tg−35℃以下であることが好ましく、Tg−55℃以上Tg−40℃以下であることが特に好ましい。
また、前記、冷却ドラムに接触している時間(滞留時間)は、20秒以上120秒以下であることが好ましい。冷却ドラムに接することで、ドラム面側は冷却ドラムの凹凸を転写するため、ドラム面の最大粗さを2μm以下にすることができる。20秒より短いとポリマーの冷却が急激となるため、熱結晶化が大きく発生し、縦延伸以降でフィルム破れを起こしてしまう場合がある。またドラムの凹凸が十分にフィルムに転写できず、最大粗さを規定にすることができない場合がある。冷却ドラムに接している時間が60秒を超える場合は、ドラムがとても大きくなるか、ドラムの回転速度がとても遅くなるため、経済的でなく、また、熱結晶化が小さすぎて、縦延伸以降でフィルム破れを起こしてしまう場合がある。冷却ドラムに接触している時間(滞留時間)は、20秒以上60秒以下であることが好ましく、25秒以上45秒以下であることが特に好ましい。
冷却されたフィルムはまず、長手方向に延伸される。このとき、延伸温度は70〜120℃、延伸倍率は2.0〜4.0倍で延伸して、一軸配向ポリエステルフィルムを得ることが好ましい。この範囲で生産すると生産性を良好に維持したまま、得られるポリエステルフィルムの耐久性や湿熱処理後の密着力を良好にできるため好ましい。
幅方向の延伸は、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、70〜150℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3〜4倍に延伸することが好ましい。長手方向、幅方向の延伸温度、延伸倍率を上記の範囲とすることにより、フィルム破れなどの発生を抑制し、生産性良く、また、湿熱処理後のEVA密着力を良好にできるため好ましい。
二軸配向ポリエステルフィルムを、205〜240℃で熱処理しながら、幅方向に0〜10%弛緩する工程を含むと、表層に形成された表面形状(最大粗さ)をそのまま維持することが容易となる。
次の工程で均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取る工程を含むことが好ましい。巻き取ることで生産されたフィルムを一度に多量に運搬することができるため経済的である。
このときドラム面(D面)をロールの巻き外面(巻き取り時の外側になるよう)にすることが好ましい。ドラム面(D面)を巻き外面にすると湿熱処理後のEVA密着力が高くなる。現時点において、この効果が得られる原因は定かになっているわけではないが、急速にポリエステルが冷却されたドラム面(D面)側が凸になるように巻き取り工程で巻き癖がつくことにより、EVA加工時の密着力が大きくなるのではないかと推定している。
前記した本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを太陽電池バックシートとして用いることで、高い光反射特性を有し、耐湿熱性に優れ、湿熱処理後も裏面封止剤と太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの密着性に優れたバックシートを有する太陽電池を得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムが、反射層、拡散層を有する場合、反射層は、太陽電池セルの裏側封止材側に配置されることが好ましい。そして、太陽電池は、カバー材、表側封止材、太陽電池セル、裏側封止材、および本発明の前述の太陽電池バックシートの順に積層され、加熱され得られる。
本発明において、上記の各材料を積層し加熱する方法については、具体的には大気圧の状態で封止材の融点以上の温度環境下で、加圧することにより熱圧着する方法や、真空状態で封止材の融点以上の温度環境下で、加圧することにより熱圧着する方法などが挙げられるが、太陽電池内の気泡発生を抑制する観点から、真空状態で加圧し熱圧着することが好ましい態様である。
前記の拡散層が裏側封止材と反射層の間に配置されることにより、太陽電池セルの隙間を通過し、反射層で反射された光をより効率的に太陽電池セルに入射させることが可能となる。
本発明の太陽電池の概略構成を図1、図2に示す。
図1は、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを太陽電池バックシートとして用いた太陽電池の一例を示す断面図である。太陽電池1は、カバー材5、表側封止材4、太陽電池セル6、裏側封止材3、および本発明のポリエステルフィルム(太陽電池バックシート2)の順に積層され、加熱され得られる。太陽電池セル6が1枚あるいは複数枚が直列、または並列に導電材料を用いて接続されており、表側封止材4と裏側封止材3の間に隣り合う太陽電池セル6同士の間に隙間ができるように設置される。
図2は、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムが、表層、基材層を有する3層積層構成を有する場合の、本発明のポリエステルフィルムを太陽電池バックシートとして用いた太陽電池の一例を示す断面図である。太陽電池バックシート2は、表層7と基材層8が積層されており、表層7は封止材3側に位置することが好ましい。
本発明で用いられるカバー材は、太陽電池の最表面に位置する材料であり、太陽光が直接照射される部分でガラスがよく用いられる。カバー材には、太陽光に対する透過性と、電気絶縁性や積雪や風圧などに対する機械的強度、酸性雨や長期の温度、湿度および紫外線などに対する耐候性、および砂塵や太陽電池施工の際の耐傷付性などが要求される。
太陽電池に用いられる封止材としては、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、シリコン樹脂、ポリウレタンおよび変性ポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中では、耐候性や他部材との密着性および部材コストの観点からEVAが好ましく用いられる。本発明では、主要な封止材であるEVA密着力が高いことを目的としている。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、該フィルムのいずれか一方の表面に、EVAシート、半強化ガラスをこの順に重ねてなる積層体であって、EVAシートと太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを180°の角度で剥離した際の密着強度が10N/10mm以上である積層体とすることが好ましい。さらに好ましくは15N/mm以上、より好ましくは40N/mm以上である。10N/mm以上であると、後述する高温高湿環境したにおける密着強度が良好としやすくなる。
さらに、前記積層体は、温度120℃、相対湿度100%RHの条件下に48時間放置した後、EVAシートと太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを180°の角度で剥離した際の密着強度が10N/10mm以上であることが好ましい。さらに好ましくは15N/mm以上、より好ましくは40N/mm以上である。10N/mm以上であると、太陽電池モジュールとした際に、長期間屋外にさらされた場合であっても間剥離が抑制されモジュールの寿命が長期化することができる。
ここで、本発明でいう半強化ガラスとは、JIS R 3222に挙げられる、フロート倍強度ガラスあるいは熱線反射倍強度ガラスを表す。
本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムは、後述する測定方法により求められるこれをバックシート用部材として用いて太陽電池モジュールを作製したときの発電向上率が6%以上であることが好ましい。より好ましくは7%以上、さらに好ましくは8%以上である。発電向上率が6%未満であると、太陽電池モジュールを構成するその他の部材の変化による向上率のバラツキとの区別が明確にできない場合がある。
以下、本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムについて実施例を用いて説明する。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)ポリエステルフィルムの厚みと各層の厚み:
ポリエステルフィルムの厚みは、JIS C2151:2006に準じて測定した。ポリエステルフィルムを、ミクロトームを用いて厚み方向に切断し、切片サンプルを得た。その切片サンプルの断面を、日立製作所製電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−800を用いて、3000倍の倍率で3点撮像し、3点の撮像から層の厚みの平均値を採寸し各層の厚みと各層の厚みの合計である総厚みを算出した。
(2)フィルム断面における空洞含有率:
フィルムをミクロトームを用いて厚み方向に切断し、得られたサンプルの断面を、日立製作所製電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−800を用いて、3000倍の倍率で3点撮像し、下記の基準で評価し、3点の撮像から空洞の面積割合を算出し、平均値から空洞のフィルム全体または各層の断面方向に占める面積の割合を、次の式に従い算出した。
・空洞のフィルム全体または各層の断面方向に占める面積の割合
=視野内の空洞の面積/視野内のフィルム全体または各層の面積。
(3)末端カルボキシル基量(表中ではCOOH量と記載する。)
末端カルボキシル基量について、 Mauliceの方法に準じて、以下の条件よって測定した。ポリエステルフィルム2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mLに温度80℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基量を測定し、当量/ポリエステル1トンの値で示す。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とする。
なお、ポリエステル組成物を溶解させた溶液中に不溶物がある場合は、溶液を濾過して濾物の重量測定を行い、濾物の重量を測定試料重量から差し引いた値を測定試料重量として測定する。(文献M.J. Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
(4)固有粘度
オルトクロロフェノール100mlに、測定試料(ポリエステル樹脂(原料))を溶解させ(溶液濃度C(測定試料重量/溶液体積)=1.2g/ml)、その溶液の25℃での粘度をオストワルド粘度計を用いて測定した。また、同様に溶媒の粘度を測定した。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記式(I)により、[η]を算出し、得られた値をもって固有粘度(IV)とした。
ηsp/C=[η]+K[η]・C ・・・(I)
(ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)―1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)
なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、以下の方法を用いて測定を行った。
i)オルトクロロフェノール100mLに測定試料を溶解させ、溶液濃度が1.2mg/mLよりも濃い溶液を作成する。ここで、オルトクロロフェノールに供した測定試料の重量を測定試料重量とする。
ii)次に、不溶物を含む溶液を濾過し、不溶物の重量測定と、濾過後の濾液の体積測定を行う。
iii)濾過後の濾液にオルトクロロフェノールを追加して、(測定試料重量(g)−不溶物の重量(g))/(濾過後の濾液の体積(mL)+追加したオルトクロロフェノールの体積(mL))が、1.2g/100mLとなるように調整する。
(例えば、測定試料重量2.0g/溶液体積100mLの濃厚溶液を作成したときに、該溶液を濾過したときの不溶物の重量が0.2g、濾過後の濾液の体積が99mLであった場合は、オルトクロロフェノールを51mL追加する調整を実施する。((2.0g−0.2g)/(99mL+51mL)=1.2g/100mL))
iv)iii)で得られた溶液を用いて、25℃での粘度をオストワルド粘度計を用いて測定し、得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、上記式(C)により、[η]を算出し、得られた値をもって固有粘度(IV)とする。
(5)製膜安定性:
ポリエステルフィルムを安定に製膜することができるか、下記の基準で評価した。
◎:48時間以上安定に製膜できる。
○:24時間以上48時間未満安定に製膜できる。
△:12時間以上24時間未満安定に製膜できる。
×:12時間以内に破断が発生し、安定な製膜ができない。
(6)モジュール化による発電向上率:
多結晶シリコン型太陽電池セル「ジンテック社製G156M3」の表面と裏面の銀電極部分に、フラックス「HOZAN社製H722」をディスペンサーで塗布し、表面と裏面の銀電極の上に、155mmの長さに切断した配線材「日立電線社製銅箔SSA−SPS0.2×1.5(20)」を、表面側のセルの片端から10mm離れたところが配線材の端に、そして裏面側は表面側と対称になるように乗せ、半田ごてを用いて、セル裏面側から半田ごてを接触させて表面と裏面を同時に半田溶着し、1セルストリングスを作製した。次に作製した1セルストリングスのセルから飛び出している前記の配線材の長手方向と、180mmに切断した取り出し電極「日立電線社製銅箔A−SPS0.23×6.0」の長手方向が垂直になるよう置き、前記の配線材と取り出し電極が重なる部分に前記のフラックスを塗布して半田溶着を行い、取り出し電極付きストリングスを作製した。この時点において、JIS C8914:2005の基準状態に準じて短絡電流の測定を実施し、セル単体の発電性能とした。
次に、太陽光側から図1のように下の順にセットする。
・カバー材として190mm×190mmのガラス(旭硝子社製太陽電池用3.2mm厚白板熱処理ガラス)
・表側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製封止材0.5mm厚)
・セル単体の発電性能評価を実施した取り出し電極付きストリングス
・裏側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製封止材0.5mm厚)
・測定したいバックシート用ポリエステルフィルム
(ポリエステルフィルムが、表層がエチレンビニルアセテート側にくるようにし、190mm×190mmに裁断したもの)
セットしたものをカバー材側から真空ラミネータの熱板と接触するようにセットし、熱板温度145℃、真空引き4分、プレス1分および保持時間10分の条件で、真空ラミネートし、太陽電池モジュールを得た。このとき、取り出し電極付きストリングスはガラス面がセル表面側になるようにセットした。得られた太陽電池モジュールを、JIS C8914:2005の基準状態に準じて測定した短絡電流の測定を実施し、モジュール化後の発電性能とした。
このようにして得られたセル単体の発電性能とモジュール化後の発電性能から、次の式に従い、モジュール化による発電向上率を算出した。
・モジュール化による発電向上率(%)=((モジュール化後の発電性能/セル単体の発電性能)×100)−100(%)
(7)無機粒子含有量
測定試料を秤量し、重さをm1とする。秤量した試料を試料ボートに乗せ、試料ボートをマッフル炉に入れ、900℃にて灰化する。デシケータ内で室温まで試料ボートを冷却し、重さを秤量してmとする。無機粒子含有量(質量%)を下記式で算出する。この試行を5回行い、算術平均を以て含有量(質量%)とする。
(m2−m)/m1×100 ただし、mは試料ボートの重さ
(8)EVAシートとの密着強度評価
JIS K 6854−2(1999)に基づいて、EVAシートとの密着強度を測定した。本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの表層面側(ロール時の巻き外側)にEVAシート(サンビック(株)製、ファストキュアタイプ(500μm厚シート))を重ね、さらにその上に厚さ3mmの半強化ガラスを重ねて、市販のガラスラミネーターを用いて真空引き後、135℃加熱条件下、29.4N/cm荷重で15分プレス処理をして、評価サンプル(疑似太陽電池モジュールサンプル)を作製した。密着強度試験の試験片の幅は10mm、長さは150mmの密着強度評価サンプルを作製した。剥離方法は、一方に半強化ガラスとEVAシートとを把持し、他方に本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを把持して、180°剥離、測定数はn=3で測定した。3つの測定値の平均値を密着強度S0の値として、次の様に判定した。
S:密着強度S0が、40N/10mm以上の場合
A:密着強度S0が、25N/10mm以上40N/10mm未満の場合
B:密着強度S0が、15N/10mm以上25N/10mm未満の場合
C:密着強度S0が、10N/10mm以上15N/10mm未満の場合
D:密着強度S0が、10N/10mm未満の場合
S〜Bが良好であり、Cまでは太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムとして使用可能。その中でもSが最も優れている。
(9)湿熱試験後の密着性(湿熱試験後のEVAシートとの密着強度)
上記(8)項と同様にして、評価サンプル(疑似太陽電池モジュールサンプル)を作製し、タバイエスペック(株)製プレッシャークッカーにて、温度120℃、相対湿度100%RHの条件下にて48時間処理を行った。その後、上記(8)項に従って、耐湿熱試験後のEVAシートとの密着強度S1を測定し、次の様に判定した。
S:密着強度S1が、40N/10mm以上の場合
A:密着強度S1が、20N/10mm以上40N/10mm未満の場合
B:密着強度S1が、15N/10mm以上15N/20mm未満の場合
C:密着強度S1が、10N/10mm以上15N/10mm未満の場合
D:密着強度S0が、10N/10mm未満の場合
E:シート破壊により密着強度S1の測定不可
S〜Bが良好であり、Cまでは太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムとして使用可能。その中でもSが最も優れている。
(10)最大粗さ(Rz)
触針法の高精細微細形状測定器を用いてJIS−B0601(1994年)に準拠して、下記条件にて本発明の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの最大粗さ(Rz)を測定した。
測定装置:3次元微細形状測定器(小坂研究所製 型式ET−4000A)
解析機器:3次元表面粗さ解析システム(小坂研究所製 型式TDA−31)
触針:先端半径0.5μmR、径2μm、ダイヤモンド製
針圧:100μN
測定方向・算出法:フィルム長手方向、フィルム幅方向を各々10回測定する。その20回の測定の平均値を表面粗さとする。
次に、本発明について実施例を用いて説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例により限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
(ポリエチレンテレフタレート)
テレフタル酸100重量部、エチレングリコール57.5重量部、酢酸マンガン0.03重量部(Mn金属元素換算で1.35mol/t)、三酸化アンチモン0.03重量部を150℃、窒素雰囲気下で溶融後、攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、リン酸0.005重量部(P元素換算で0.52mol/t相当)とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.021重量部(P元素換算で1.3mol/t相当)をエチレングリコール0.5重量部に溶解したエチレングリコール溶液(pH5.0)を添加した。その後、重合反応を最終到達温度285℃、真空度0.1Torrで行い、固有粘度0.52、末端カルボキシル基量16eq/tのポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させたのち、220℃、真空度0.3Torr、8時間の固相重合を行い、固有粘度0.85、末端カルボキシル基量10.2eq/t、融点255℃、ガラス転移温度Tgが82℃のポリエチレンテレフタレート1を得た。
(内層(基材層))
基材層材料について上述の方法で作成したポリエチレンテレフタレート1を72.2重量%と、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールの共重合物(PBT/PTMG、商品名:東レデュポン社製“ハイトレル”(登録商標))を8重量%と、全ジオール単位中1,4−シクロヘキサンジメタノールを33mol%共重合された共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/CHDM)を8重量%と、非相溶ポリマーとして環状オレフィン共重合体としてガラス転移温度Tgが190℃であるエチレン−ノルボルネン共重合体(COC)10重量%と無機粒子として、数平均二次粒径0.25μmの二酸化チタン50重量%を分散させたポリエチレンテレフタレートマスターチップ(マスターチップ総量に対して二酸化チタン50重量%含有)を1.8重量%を、調整混合し基材層材料Aとし、これを180℃の温度で3時間乾燥させた後、270〜300℃の温度に加熱された押出機Bに投入する。
(表層)
一方、表層を構成する原料として、上で作成したポリエチレンテレフタレート1を70重量%と、無機粒子として、数平均二次粒径0.25μmの二酸化チタン50重量%を分散させたポリエチレンテレフタレートマスターチップ(マスターチップ総量に対して二酸化チタン50重量%含有)を30重量%とを、調整混合し、表層材料Aとする。これを180℃の温度で3時間真空乾燥した後、280℃の温度に加熱された押出機Aに投入する。
(積層ポリエステルフィルム)
押出機A、Bに供給されたポリマーを、A/B/A(表層/基材層/表層(耐UV層))となり、フィルム層の厚み比で12:126:12となるように積層装置を通して積層し、Tダイからシート状に成形しフィルムを得た。さらに、このフィルムを、表面温度が25℃の冷却ドラムで40秒間冷却固化して得た。その間、ドラムに接触しない側は15℃のエアーを風速20m/秒でかけることで冷却をおこなった。こうして得られた未延伸フィルムを、85〜98℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向に3.4倍縦延伸し、21℃の温度のロール群で冷却した。続いて、このようにして得られた縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、120℃の温度に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後、テンター内で200℃の温度の熱固定を行い、均一に徐冷後、25℃まで冷却して、冷却固化するときにドラムに接触した面を巻き外面として巻き取り、厚み150μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムを太陽電池バックシートとして使用した際のモジュール化による発電向上率は、8.1%であり、物性は表のとおりである。この実施例1においては、製膜安定性があり、湿熱処理後の密着性も良好であった。
(実施例2−5)
B層中の非相溶な樹脂の含有量、A層中の無機粒子含有量を表1に記載のとおりとした以外は実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表1に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表1に示す通り、製膜安定性やEVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力は実施例1と同等、あるいは、やや劣るが問題ない程度であった。
(実施例6)
Tダイからシート状に成形しフィルムを得、このフィルムを、表面温度が25℃の冷却ドラムで20秒間冷却固化した以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表1に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表1に示す通り、製膜安定性はやや実施例1より劣るものの、EVA密着力は実施例1と同等程度であった。
(実施例7)
Tダイからシート状に成形しフィルムを得、このフィルムを、表面温度が25℃の冷却ドラムで100秒間冷却固化した以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表1に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表1に示す通り、製膜安定性はやや実施例1より劣るものの、EVA密着力は実施例1と同等程度であった。
(実施例8)
実施例1と同様の方法にて製膜を行い、冷却固化したときにドラムと接触した面を巻き内面にして巻き取って、表1に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表1に示す通り、湿熱処理後のEVA密着力はやや実施例1より劣るものの、その他は実施例1と同等程度であった。
(実施例9−15)
B層中の無機粒子含有量、フィルム厚み、B層中の非相溶な樹脂の含有量を表1または表2に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表1または表2に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表1または表2に示す通り、製膜安定性やEVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力は実施例1と同等、あるいは、やや劣るが問題ない程度であった。
(実施例16)
無機粒子として炭酸カルシウムを用いる以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表2に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表2に示す通り、製膜安定性やEVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力は実施例1と同等、あるいは、やや劣るが問題ない程度であった。
(実施例17)
Tダイからシート状に成形しフィルムを得、このフィルムを、表面温度が25℃の冷却ドラムで50秒間冷却固化した以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表2に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表2に示す通り、EVA密着力は実施例1と同等程度であった。
(実施例18)
Tダイからシート状に成形しフィルムを得、このフィルムを、表面温度が25℃の冷却ドラムで65秒間冷却固化した以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表2に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表2に示す通り、EVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力は実施例1と比較してやや劣るが問題ない程度であった。
(実施例19−20)
フィルム厚みを表2に記載のとおりとした以外は実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表2に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表2に示す通り、製膜安定性やEVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力は実施例1と同等、あるいは、やや劣るが問題ない程度であった。
(実施例21)
Tダイからシート状に成形しフィルムを得、このフィルムを、表面温度が25℃の冷却ドラムで15秒間冷却固化した以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表2に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表2に示す通り、製膜性に乏しく、かつ、EVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力が実施例1と比べて低かった。
(実施例22)
フィルム厚み、B層中の無機粒子含有量を表2に記載のとおりとした以外は実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表3に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表2に示す通り、EVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力が実施例1と比べて低かった。
(実施例23)
Tダイからシート状に成形しフィルムを得、このフィルムを、表面温度が25℃の冷却ドラムで125秒間冷却固化した以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表3に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表2に示す通り、EVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力が実施例1と比べて低かった。
(比較例1)
押出機Bのみを用いて製膜を行い、サンプルを採取し、評価を行った。製膜安定性に乏しく、湿熱処理後のEVA密着力も低いものとなった(表3)。
(比較例2)
B層中の非相溶な樹脂の含有量を表3に記載のとおりとした以外は実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表3に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表3に示す通り、製膜性に乏しく、かつ、湿熱処理後のEVA密着力が太陽電池バックシート用途に用いるに耐えない程度であった。
(比較例3)
押出機A、Bに供給されたポリマーを、A/B(表層(耐UV層)/基材層)となり、フィルム層の厚み比で12:138となるように積層装置を通して積層した以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表3に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表3に示す通り、製膜性に乏しく、かつ、EVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力が太陽電池バックシート用途に用いるに耐えない程度であった。

(比較例4)
表層を構成する原料のうち、無機粒子として、数平均二次粒径0.6μmの二酸化チタン50重量%を分散させたポリエチレンテレフタレートマスターチップを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表3に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表3に示す通り、EVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力が太陽電池バックシート用途に用いるに耐えない程度であった。
(比較例5)
フィルム厚み、B層中の無機粒子含有量を表3に記載のとおりとした以外は実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表3に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表3に示す通り、製膜性に乏しく、かつ、比較例4−6、及び8はEVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力が太陽電池バックシート用途に用いるに耐えない程度であった。
(比較例6)
表層を構成する原料のうち、無機粒子として、数平均二次粒径0.15μmの二酸化チタン50重量%を分散させたポリエチレンテレフタレートマスターチップを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表3に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表3に示す通り、製膜性に乏しく、かつ、湿熱処理後のEVA密着力が太陽電池バックシート用途に用いるに耐えない程度であった。

(比較例7−8)
B層中の無機粒子含有量、B層中の非相溶な樹脂の含有量を表3に記載のとおりとした以外は実施例1と同様の方法にて製膜を行い、表3に記載するようなフィルムを得た。評価結果は表3に示す通り、製膜安定性やEVA密着力、湿熱処理後のEVA密着力は実施例1と同等、あるいは、やや劣るが問題ない程度であった。ただし、モジュール化による発電向上率が実施例1と比較して著しく低く、本発明が解決すべき課題である、高い光反射特性を持つことにより太陽電池の発電効率を向上させることができる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを提供することを達成することができない程度であった。
Figure 2018125525
Figure 2018125525
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本発明のポリエステルフィルムは、高い光反射特性を持つことにより太陽電池の発電効率を向上させることができ、かつ、耐湿熱性、湿熱処理後の密着性に優れるため、太陽電池バックシート用途に好適に用いることができる。
1:太陽電池
2:太陽電池バックシート
3:裏側封止材
4:表側封止材
5:カバー材
6:太陽電池セル
7:表層(セル側)
8:基材層
9:表層(耐UV層と称する場合もある)

Claims (5)

  1. 以下(1)〜(4)を満たす太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム。
    (1)フィルムの断面における空洞含有率が4%以上40%以下であること。
    (2)フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物が無機粒子を含有しており、その含有量がポリエステル組成物全体に対して0.5重量%以上20重量%以下であること。
    (3)少なくとも一方の表面のRz(最大粗さ)が2μm以下であること。
    (4)3層からなる積層ポリエステルフィルムであること。
  2. 請求項1に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムのいずれか一方の表面に、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)シート、半強化ガラスをこの順に重ねてなる積層体であって、EVAシートと太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを180°の角度で剥離した際の密着強度が10N/10mm以上である積層体。
  3. 温度120℃、相対湿度100%RHの条件下に48時間放置した後、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)シートと太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを180°の角度で剥離した際の密着強度が10N/10mm以上である、請求項2記載の積層体。
  4. 下記(5)−(10)を満たす太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムを巻き取ってなる太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法。
    (5)ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物を押出機で溶融混練した後、押出しし、冷却ドラム上にて冷却固化して未配向ポリエステルフィルムを得る工程(キャスト工程)を含むこと。
    (6)(5)により得られた未配向ポリエステルフィルムを、長手方向に、延伸温度70〜120℃、延伸倍率2.0〜4.0倍で延伸して、一軸配向ポリエステルフィルムを得る工程を含むこと。
    (7)(6)の工程で得られた一軸配向ポリエステルフィルムを、幅方向に、延伸温度70〜150℃、延伸倍率3.0〜4.0倍で延伸して、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程を含むこと。
    (8)(7)の工程で得られた二軸配向ポリエステルフィルムを、205〜240℃で熱処理しながら、幅方向に0〜10%弛緩する工程を含むこと。
    (9)前記(8)で弛緩した二軸配向ポリエステルフィルムを、ロール形状に巻き取る工程(ワインダー工程)を含むこと。
    (10)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触する面をD面とするとき、(9)のワインダー工程において、前記D面がロールの巻き外面となるように巻き取ること。
  5. 下記(11)〜(12)を満たす請求項4に記載の太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムロールの製造方法。
    (11)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムの温度が冷却ドラムに接する層を構成するポリエステル樹脂のTg−70℃以上Tg−30℃以下であること。
    (12)(5)のキャスト工程において、冷却ドラムに接触している時間(滞留時間)が20秒以上120秒以下であること。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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