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JP2018123729A - オイル供給装置 - Google Patents

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JP2018123729A
JP2018123729A JP2017015291A JP2017015291A JP2018123729A JP 2018123729 A JP2018123729 A JP 2018123729A JP 2017015291 A JP2017015291 A JP 2017015291A JP 2017015291 A JP2017015291 A JP 2017015291A JP 2018123729 A JP2018123729 A JP 2018123729A
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貴之 細木
Takayuki Hosoki
貴之 細木
久幸 伊東
Hisayuki Ito
久幸 伊東
高木 登
Noboru Takagi
登 高木
慶信 内山
Yoshinobu Uchiyama
慶信 内山
敏貴 佐藤
Toshitaka Sato
敏貴 佐藤
和良 島谷
Kazuyoshi Shimatani
和良 島谷
貴彦 青▲柳▼
Takahiko Aoyagi
貴彦 青▲柳▼
吉田 昌弘
Masahiro Yoshida
昌弘 吉田
寛隆 渡邉
Hirotaka Watanabe
寛隆 渡邉
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Toyota Motor Corp
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】目標吐出圧に向けて吐出圧センサ値を減少させるべくアクチュエータの操作量を変更しているときにおけるアンダーシュート量を小さくすることができるオイル供給装置を提供する。【解決手段】オイル供給装置210は、目標吐出圧と吐出圧センサ値とを用いたフィードバック制御の比例項と積分項とを用いて指示用目標吐出圧を求めるフィードバック制御部303と、指示用目標吐出圧に対応した指示電流値をアクチュエータ100Aに入力する吐出圧制御部304とを備える。フィードバック制御部303は、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が吐出圧低下量判定値以上であることを条件に、積分項を正の値である規定値と等しくする置換処理を行い、比例項と処理後の積分項とを目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求める。【選択図】図1

Description

本発明は、オイル供給装置に関する。
エンジンには、オイルの供給を必要とする複数のオイル需要部に対してオイルを供給するためのオイル供給装置が設けられている。こうしたオイル供給装置は、オイルポンプと、電動式のアクチュエータと、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を検出するセンサとを備えており、アクチュエータの操作量が変更されると、オイルポンプにおけるオイルの吐出圧が変わるようになっている。
このようなオイル供給装置では、各オイル需要部に十分な量のオイルを供給できるように目標吐出圧が導出され、センサによって検出されているオイルの圧力である吐出圧センサ値と当該目標吐出圧とを用いたフィードバック制御によって、アクチュエータの操作量が導出されるようになっている。例えば特許文献1に記載されているように、目標吐出圧と吐出圧センサ値とに基づいてフィードバック制御の比例項、積分項及び微分項が算出される。そして、これら比例項と積分項と微分項とを目標吐出圧に加算した和に基づいて指示用目標吐出圧が算出され、当該指示用目標吐出圧に対応した操作量が導出され、当該操作量でアクチュエータが作動するようになっている。
特開2014−159761号公報
ところで、目標吐出圧の変更によって目標吐出圧が吐出圧センサ値よりも小さい状態になると、目標吐出圧の低下に追随して吐出圧センサ値が小さくなるようにアクチュエータの操作量が変更されることとなる。このとき、目標吐出圧の低下量が大きいと、吐出圧センサ値が目標吐出圧を一時的に下回るアンダーシュートが発生してしまう。このようにアンダーシュートが発生した場合、目標吐出圧から吐出圧センサ値を減じた差であるアンダーシュート量が大きいと、オイル需要部へのオイルの供給量が同オイル需要部の需要を下回ってしまうことがある。
本発明の目的は、目標吐出圧に向けて吐出圧センサ値を減少させるべくアクチュエータの操作量を変更しているときにおけるアンダーシュート量を小さくすることができるオイル供給装置を提供することにある。
上記課題を解決するためのオイル供給装置は、オイルポンプと、アクチュエータと、オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を検出するセンサと、を備え、アクチュエータの操作量が変更されると、オイルポンプにおけるオイルの吐出圧が変わるものである。このオイル供給装置は、オイルポンプに対する吐出圧の目標値である目標吐出圧と、センサによって検出されているオイルの圧力である吐出圧センサ値とを用いたフィードバック制御の比例項と積分項とを当該目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求めるフィードバック制御部と、算出された指示用目標吐出圧に対応した操作量に基づいてアクチュエータを作動させることで、オイルポンプにおけるオイルの吐出圧を制御する吐出圧制御部と、を備えている。そして、フィードバック制御部は、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が吐出圧低下量判定値以上であることを条件に、フィードバック制御の積分項を正の値である規定値と等しくする置換処理を行い、フィードバック制御の比例項と処理後の積分項とを目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求める。
目標吐出圧が吐出圧センサ値よりも小さくなったために吐出圧センサ値を目標吐出圧に向けて減少させる際、目標吐出圧から吐出圧センサ値を引いた差は負の値になる。そのため、比例項は負の値になる。また、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が吐出圧低下量判定値以上であるときには、積分項が大幅に減少し、積分項も負の値になる。こうして積分項も負の値になった場合、当該積分項を用いて算出した指示用目標吐出圧に対応する操作量でアクチュエータを作動させるようにした場合、操作量の変更速度が高くなる、すなわち吐出圧センサ値の減少速度が高くなりやすい。そして、積分項の影響は継続するため、吐出圧センサ値の減少速度が高い状態が継続し、アンダーシュート量が大きくなりやすい。
そこで、上記構成では、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が吐出圧低下量判定値以上であるときには、フィードバック制御の積分項を正の値である規定値と等しくする置換処理を行い、置換処理後の積分項を用いて指示用目標吐出圧が算出される。そのため、指示用目標吐出圧を、置換処理を行わない場合の積分項を用いる場合と比較して大きくすることができる。その結果、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が吐出圧低下量判定値以上になった時点での指示用目標吐出圧と吐出圧センサ値との乖離が、置換処理を行わない場合と比較して小さくなる。そして、このような指示用目標吐出圧に対応した操作量でアクチュエータを作動させることにより、指示用目標吐出圧と吐出圧センサ値との乖離が大きくなりにくい分、指示用目標吐出圧に対応した操作量の変化速度を低くすることができる。その結果、吐出圧センサ値の減少速度が高くなりにくくなり、ひいては、アンダーシュートの発生が抑制される。したがって、目標吐出圧に向けて吐出圧センサ値を減少させるべくアクチュエータを作動させているときにおけるアンダーシュート量を小さくすることができるようになる。
また、オイルポンプとして、エンジンのクランク軸の回転に同期して駆動する機関駆動式のオイルポンプが採用されていることがある。この場合、目標吐出圧が変化していない状況下でエンジン回転速度が低下すると、吐出圧センサ値が小さくなる。すると、アクチュエータの作動によって吐出圧センサ値が目標吐出圧まで増大されることとなる。このとき、吐出圧センサ値が目標吐出圧を下回っている状態が長く続くと、エンジンにおけるオイル需要部でオイルの量の不足を招いてしまうおそれがある。
そこで、フィードバック制御部は、エンジン回転速度の単位時間あたりの低下量が回転速度低下量判定値以上であることを条件に、フィードバック制御の積分項を負の値としない処理を行い、フィードバック制御の比例項と当該処理後の積分項とを目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求めるようにしてもよい。吐出圧センサ値が目標吐出圧を下回っている状況下で積分項が負の値になってしまうと、吐出圧センサ値の増大速度が高くなりにくくなり、吐出圧センサ値が目標吐出圧を下回っている状態が長期に亘って継続してしまう。この点、上記構成によれば、エンジン回転速度の単位時間あたりの低下量が回転速度低下量判定値以上であるときには、積分項が「0」以上の値となるため、目標吐出圧と吐出圧センサ値との乖離が小さくなりにくい。すなわち、吐出圧センサ値の増大速度が低くなりにくい。その結果、吐出圧センサ値が目標吐出圧を下回っている状態が長期に亘って継続されにくくなる。
なお、目標吐出圧が低下したために吐出圧センサ値を減少させる場合、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が大きいほど、フィードバック制御の比例項の絶対値が大きくなりやすい。すなわち、吐出圧センサ値の減少速度が高くなりやすい。そこで、上記オイル供給装置は、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が大きいほど規定値を大きくする規定値設定部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が大きいほど、置換処理によって積分項を大きくすることができる。このような積分項を用いて指示用目標吐出圧を算出することで、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が大きいために比例項の絶対値が大きくなっても、吐出圧センサ値の減少速度が高くなりにくくなる。その結果、アンダーシュート量が大きくなることを抑制できる。
なお、フィードバック制御部は、置換処理によって導出した積分項を用いて算出した指示用目標吐出圧に対応した操作量でアクチュエータが作動されたあとでは、置換処理を行っていない積分項を用いて指示用目標吐出圧を算出することが好ましい。これにより、置換処理によって導出した積分項が使用され続ける場合と比較し、吐出圧センサ値の減少速度が低くなりすぎることを抑制できる。
また、目標吐出圧が低下したものの、その単位時間あたりの低下量がそれほど大きくないときに、置換処理によって導出した積分項を用いて算出した指示用目標吐出圧に対応した操作量でアクチュエータを作動させた場合、吐出圧センサ値の減少速度が低くなりすぎ、吐出圧センサ値が目標吐出圧に収束するのに要する時間が長くなりすぎてしまう。そこで、上記吐出圧低下量判定値を、第1の吐出圧低下量判定値とした場合、フィードバック制御部は、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が、第1の吐出圧低下量判定値未満であって、且つ、同第1の吐出圧低下量判定値よりも小さい第2の吐出圧低下量判定値以上であることを条件に、フィードバック制御の積分項を「0」と等しくする他の置換処理を行い、フィードバック制御の比例項と当該処理後の積分項とを目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求めるようにしてもよい。
上記構成によれば、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が、第1の吐出圧低下量判定値未満であって、且つ、第2の吐出圧低下量判定値以上であるときには、他の置換処理によって導出した積分項を用いて指示用目標吐出圧が算出される。他の置換処理によって導出される積分項は、置換処理によって導出される積分項よりも小さい。そのため、指示用目標吐出圧と吐出圧センサ値との乖離は、置換処理によって導出される積分項を用いて指示用目標吐出圧を算出する場合と比較して大きくなる。そして、このような指示用目標吐出圧に対応した操作量でアクチュエータを作動させることにより、置換処理によって導出される積分項を用いて算出した指示用目標吐出圧に対応する操作量でアクチュエータを作動させる場合と比較し、吐出圧センサ値の減少速度を高くできる。その結果、吐出圧センサ値が目標吐出圧に収束するのに要する時間が長くなってしまうことを抑制できる。
実施形態のオイル供給装置と、同オイル供給装置を備えるエンジンにおけるオイルの循環経路の概略とを示す模式図。 同オイル供給装置におけるオイルポンプを示す断面図であって、オイルの吐出圧が最大となっている状態を示す図。 同オイルポンプを示す断面図であって、オイルの吐出圧が最小となっている状態を示す図。 同オイル供給装置において、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量と規定値との関係を示すマップ。 同オイル供給装置において、指示用目標吐出圧と指示電流値との関係を示すマップ。 同オイル供給装置の制御装置におけるフィードバック制御部が、指示用目標吐出圧を算出するために実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 第2の指示値算出処理によって算出した指示用目標吐出圧に対応する指示電流値をアクチュエータに入力した場合の吐出圧センサ値の推移を示すタイミングチャート。 第3の指示値算出処理によって算出した指示用目標吐出圧に対応する指示電流値をアクチュエータに入力した場合の吐出圧センサ値の推移を示すタイミングチャート。
以下、オイル供給装置の一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1には、本実施形態のオイル供給装置210を備えるエンジン200におけるオイルの循環経路が図示されている。図1に示すように、エンジン200は、オイルを貯留しているオイルパン201と、オイルパン201内のオイルがオイル供給装置210を介して供給されるメインオイルギャラリ202とを備えている。また、エンジン200には、オイルの供給を必要とする複数のデバイス203が設けられている。これら各デバイス203が、オイルの供給の必要な部分であるオイル需要部の一例である。そして、デバイス203から排出されたオイルが、オイルパン201に戻るようになっている。
オイル供給装置210は、オイルの吐出圧を変更可能なオイルポンプ10と、オイル制御バルブ100とを備えている。そして、制御装置300がオイル制御バルブ100の駆動を制御することで、オイルポンプ10におけるオイルの吐出圧が変更されるようになっている。
次に、図1、図2及び図3を参照し、オイルポンプ10について説明する。
オイルポンプ10は、エンジン200のクランク軸の回転に基づいて駆動する可変容量型のポンプである。図2及び図3に示すように、オイルポンプ10は、クランク軸と同期して回転する入力軸11と、内部に収容空間40が区画されているケーシング部材CSとを備えている。この収容空間40には、入力軸11と一体回転するインナロータ50と、インナロータ50よりも外周側に配置されているアウタロータ60と、アウタロータ60を取り囲むリング状の調整リング70とが設けられている。
ケーシング部材CSには、その内部にオイルを吸入する吸入ポート12と、内部のオイルをケーシング部材CS外に吐出する吐出ポート13とが設けられている。なお、図1に示すように吸入ポート12はオイルパン201に通じる吸入油路114に連通しており、図2及び図3に示すように吐出ポート13はメインオイルギャラリ202に通じる吐出油路13aに連通している。
図2及び図3に示すように、インナロータ50の外周には複数の外歯51が設けられており、アウタロータ60の内周には、インナロータ50の外歯51と噛み合う複数の内歯61が設けられている。内歯61の数は外歯51の数よりも1つ多くなっている。そして、アウタロータ60は、調整リング70によって回転可能に保持されている。
アウタロータ60の回転中心は、インナロータ50の回転中心に対して偏心している。インナロータ50の外歯51とアウタロータ60の内歯61とは、それらの一部分(図2では右側部分)が互いに噛み合った状態となっている。インナロータ50の外周とアウタロータ60の内周との間には、オイルにより満たされる作動室41が形成されている。
作動室41において、インナロータ50の外歯51とアウタロータ60の内歯61とが互いに噛み合う位置から図2に矢印で示す入力軸11の回転方向における所定位置までの部分では、各ロータ50,60の回転に伴ってインナロータ50の外歯51とアウタロータ60の内歯61との間の隙間が徐々に大きくなる。そして、このようにインナロータ50の外歯51とアウタロータ60の内歯61との間の隙間が徐々に大きくなる部分が、吸入ポート12と連通する。一方、作動室41において、ロータ50,60の回転に伴ってインナロータ50の外歯51とアウタロータ60の内歯61との間の隙間が徐々に小さくなる部分が、吐出ポート13と連通する。
オイルポンプ10が駆動する際には、入力軸11が回転することにより、各ロータ50,60が互いに噛み合いながら回転する。そして、オイルパン201に貯留されているオイルが吸入油路114を介して吸入ポート12から作動室41に吸入され、吐出ポート13から吐出油路13aに吐出される。
調整リング70は、アウタロータ60を保持するリング状の本体部71と、本体部71の外周からロータ50,60の径方向に突出する突出部72とを有している。調整リング70の本体部71には、規定方向に延びる長孔711,712が設けられている。これら長孔711,712には、ケーシング部材CSに固定されているガイドピン81,82が挿通されている。これにより、調整リング70は、長孔711,712の延びる方向に変位可能となっている。
調整リング70の突出部72の先端には第1のシール部材83が設けられているとともに、本体部71には第2のシール部材84が設けられている。各シール部材83,84はケーシング部材CSの側壁に当接し、側壁と調整リング70の外周との間の空間がシールされることにより、収容空間40には、調整リング70及び各シール部材83,84によって制御油室42が区画形成されている。
制御油室42には、制御油路111と連通する開口部14が設けられており、この制御油路111及び開口部14を通じてオイル制御バルブ100から制御油室42にオイルが供給可能となっている。また、収容空間40には、制御油室42の容積を小さくする方向への付勢力を突出部72に付与するスプリング15が設けられている。このスプリング15は、突出部72を挟んだ制御油室42の反対側に配設されている。図2には、制御油室42の内圧が低いため、スプリング15からの付勢力によって、制御油室42の容積が最小となる位置で調整リング70が保持されている状態が示されている。なお、本実施形態では、このように制御油室42の容積が最小となるときの調整リング70の位置、すなわち図2での調整リング70の位置を、「初期位置」というものとする。
そして、調整リング70が初期位置に配置されている状況下で、制御油室42にオイルが供給され、制御油室42の内圧が高くなると、スプリング15からの付勢力に抗し、制御油室42の容積を大きくする方向に初期位置から調整リング70が変位する。すなわち、図2に示す状態から図3に示す状態に向かう方向(図2における反時計回り方向)に調整リング70が回動しながら変位する。一方、オイル制御バルブ100の駆動によって制御油室42からオイルが排出されるようになると、制御油室42の内圧が低くなり、スプリング15からの付勢力によって、制御油室42の容積を小さくする方向に調整リング70が変位する。すなわち、図3に示す状態から図2に示す状態に向かう方向(図3における時計回り方向)に調整リング70が回動しながら変位する。つまり、調整リング70の位置は、制御油室42の内圧とスプリング15からの付勢力とによって決まる。そして、調整リング70の位置の変化によって、吸入ポート12及び吐出ポート13の各々の開口に対するインナロータ50及びアウタロータ60の歯51,61の噛み合う部分の相対的な位置が変化する。このため、制御油室42の内圧の調整による調整リング70の位置の変更を通じ、吐出ポート13から吐出されるオイルの圧力である吐出圧が変更される。
具体的には、オイルポンプ10では、図2に示されているように調整リング70の位置が「初期位置」にあるときに、オイルの吐出圧が最大になる。図2に示すようにオイルの吐出圧が最大となる位置にある状態から制御油室42の内圧が高くなると、内圧の上昇に伴い、調整リング70が、スプリング15からの付勢力に抗して図2における反時計回り方向に回動しながら変位する。その結果、ロータ50,60の回転に伴って外歯51と内歯61との間の隙間が徐々に大きくなる部分のうち、吸入ポート12と重なる範囲が小さくなるとともに、外歯51と内歯61との間の隙間が徐々に小さくなる部分の一部が吸入ポート12と重なるようになる。その結果、オイルの吐出圧が低くなる。反対に、制御油室42の内圧が低くなると、内圧の低下に伴い、調整リング70が、スプリング15からの付勢力によって図3における時計回り方向に回動しながら変位し、オイルの吐出圧が高くなる。
次に、図1、図2及び図3を参照し、オイル制御バルブ100について説明する。
図1及び図2に示すように、オイル制御バルブ100は、電磁駆動式のアクチュエータ100Aの駆動によってスプールの位置を切り替えることにより複数の油路の連通状態を切り替えることができる。すなわち、オイル制御バルブ100は、制御油路111が接続される制御ポート101と、オイルポンプ10の吐出油路13aから分岐する供給油路112が接続される供給ポート102と、オイルを排出するための排出油路113が接続される排出ポート103とを備えている。そして、アクチュエータ100Aに対する指示電流値Iocvの調整によってスプールの位置を変化させることにより、同スプールの位置が、制御ポート101に還流してきたオイルを排出ポート103から排出する排出位置(図2)と、供給ポート102に供給されるオイルを制御ポート101から制御油路111に送り出す供給位置(図3)との間で切り替わるようになっている。すなわち、本実施形態では、アクチュエータ100Aの操作量、すなわちアクチュエータ100Aに入力する指示電流値Iocvが大きくなるにつれて、スプールが、図2に示す位置から図3に示す位置に向けて変位するようになる。このように図2に示す位置から図3に示す位置に向けてスプールを変位させることで、オイルポンプ10の制御油室42の内圧を高くすることができる、すなわちオイルポンプ10におけるオイルの吐出圧を低くすることができる。
次に、図1及び図4を参照し、オイル供給装置210の制御装置300について説明する。
図1に示すように、制御装置300には、吐出圧センサ311と、温度センサ312と、クランク角センサ313とが電気的に接続されている。吐出圧センサ311はオイルポンプ10から吐出されたオイルの圧力である吐出圧センサ値PSを検出し、温度センサ312はオイルポンプ10に供給されるオイルの温度である油温TMPを検出する。また、クランク角センサ313は、クランク軸の回転速度であるエンジン回転速度NEを検出する。そして、制御装置300は、これら各センサ311〜313によって検出された情報を基に、オイル供給装置210の作動を制御するようになっている。
また、制御装置300は、オイルポンプ10におけるオイルの吐出圧を制御するための機能部として、目標設定部301、規定値設定部302、フィードバック制御部303及び吐出圧制御部304を有している。
目標設定部301は、オイルポンプ10に対する目標吐出圧PTrを設定する。具体的には、目標設定部301は、上記各デバイス203における要求油圧を個別に導出し、各要求油圧のうち、最も高い要求油圧、又は最も高い要求油圧よりもやや高い油圧を目標吐出圧PTrとする。また、目標設定部301は、エンジン回転速度NEが予め設定された所定速度領域A内の値となっている場合、目標吐出圧PTrを所定値で保持する。そして、目標設定部301は、設定した目標吐出圧PTrを規定値設定部302及びフィードバック制御部303に出力する。
規定値設定部302は、目標吐出圧PTrの単位時間あたりの低下量DPTrに応じて規定値Fを設定する。具体的には、図4に示すように、規定値設定部302は、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1未満である場合、「0」よりも大きい最小値Fminと等しくする。すなわち、目標吐出圧PTrが低下していない場合でも、規定値Fが最小値Fminと等しくされる。また、規定値設定部302は、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上である場合、低下量DPTrが大きいほど規定値Fを大きくする。そのため、規定値Fは、必ず正の値となる。そして、規定値設定部302は、導出した規定値Fをフィードバック制御部303に出力する。
図1に示すように、フィードバック制御部303は、指示用目標吐出圧PTrAを算出するための処理として、第1の指示値算出処理、第2の指示値算出処理及び第3の指示値算出処理を実施可能である。各算出処理の内容については後述する。すなわち、フィードバック制御部303は、状況に応じて算出処理を使い分けている。そして、フィードバック制御部303は、これら算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAを吐出圧制御部304に出力する。
吐出圧制御部304は、フィードバック制御部303から入力された指示用目標吐出圧PTrAに対応した指示電流値Iocvを算出する。指示電流値Iocvが、アクチュエータ100Aの操作量の一例である。本実施形態では、図5に示すように、指示電流値Iocvは、指示用目標吐出圧PTrAが小さいほど大きくなる。そして、吐出圧制御部304は、算出した指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力することで、アクチュエータ100Aの作動を制御する、すなわちオイルポンプ10におけるオイルの吐出圧を制御する。
次に、図6を参照し、指示用目標吐出圧PTrAを算出するためにフィードバック制御部303が実行する処理ルーチンについて説明する。なお、この処理ルーチンは、予め設定された制御サイクル毎に実行される。
図6に示すように、本処理ルーチンにおいて、フィードバック制御部303は、定常状態であるか否かを判定する(ステップS11)。定常状態とは、吐出圧センサ値PSが目標吐出圧PTrに収束している状態のことであり、吐出圧センサ値PSが目標吐出圧PTrに収束していない状態のことを非定常状態という。そして、定常状態である場合(ステップS11:YES)、フィードバック制御部303は、後述する補正フラグFLGにオフをセットし(ステップS12)、第1の指示値算出処理を行う(ステップS13)。すなわち、フィードバック制御部303は、目標吐出圧PTrと吐出圧センサ値PSとを用いたフィードバック制御の比例項Xと積分項Yとを算出する。そして、フィードバック制御部303は、算出した比例項Xと積分項Yとを目標吐出圧PTrに加算して算出した指示用目標吐出圧PTrAを求める。具体的には、フィードバック制御部303は、目標吐出圧PTr、比例項X及び積分項Yを以下に示す関係式(式1)に代入することで、指示用目標吐出圧PTrAを算出する。なお、関係式(式1)における「G」は共通のゲインであり、ゲインGは、オイルポンプ10に供給されるオイルの温度、すなわち温度センサ312によって検出されている油温TMPに応じた値に設定される。
PTrA=(PTr+X+Y)×G ・・・(式1)
そして、第1の指示値算出処理で指示用目標吐出圧PTrAを算出すると、フィードバック制御部303は、その処理を後述するステップS21に移行する。
その一方で、ステップS11において、定常状態ではない場合(NO)、フィードバック制御部303は、補正フラグFLGにオフがセットされているか否かを判定する(ステップS14)。補正フラグFLGにオンがセットされている場合(ステップS14:NO)、フィードバック制御部303は、その処理を前述したステップS13に移行する。一方、補正フラグFLGにオフがセットされている場合(ステップS14:YES)、フィードバック制御部303は、エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で変化していることと、エンジン回転速度NEの単位時間あたりの低下量DNEが回転速度低下量判定値DNETh以上であることとの双方が成立しているか否かを判定する(ステップS15)。ここでいう「単位時間」とは、上記制御サイクルの一周期の時間の長さと等しい。
本処理ルーチンの前回の実行時におけるエンジン回転速度NEが所定速度領域A内の値であり、且つ、本処理ルーチンの今回の実行時におけるエンジン回転速度NE、すなわち現在のエンジン回転速度NEが所定速度領域A内の値である場合、エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で変化していると判定することができる。この場合、目標吐出圧PTrが所定値で保持されていると判定することができる。一方、以下に示す3つの条件のうち少なくとも1つの条件が成立している場合、エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で変化していると判定することができない。
(条件1)本処理ルーチンの前回の実行時におけるエンジン回転速度NEと、本処理ルーチンの今回の実行時におけるエンジン回転速度NEとがほぼ同等である場合。
(条件2)本処理ルーチンの前回の実行時におけるエンジン回転速度NEが所定速度領域A内の値ではない場合。
(条件3)本処理ルーチンの今回の実行時におけるエンジン回転速度NE、すなわち現在のエンジン回転速度NEが所定速度領域A内の値ではない場合。
また、目標吐出圧PTrが変化していない状況下で、エンジン回転速度NEが低下すると、吐出圧センサ値PSが目標吐出圧PTr未満の状態になる。このとき、低下量DNEが大きいと、各デバイス203でオイルの供給量不足が発生するおそれがある。そこで、エンジン回転速度NEの低下に起因して吐出圧センサ値PSと目標吐出圧PTrとの乖離が大きくなる可能性があるか否かを判定できるように、回転速度低下量判定値DNEThが設定されている。
そして、エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で変化していることと、低下量DNEが回転速度低下量判定値DNETh以上であることとの双方が成立している場合(ステップS15:YES)、フィードバック制御部303は、その処理を後述するステップS18に移行する。一方、エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で変化していることと、低下量DNEが回転速度低下量判定値DNETh以上であることとの何れか一方が成立していない場合(ステップS15:NO)、フィードバック制御部303は、目標吐出圧PTrの単位時間あたりの低下量DPTrが第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2以上であるか否かを判定する(ステップS16)。
なお、目標吐出圧PTrが吐出圧センサ値PSよりも小さくなったために吐出圧センサ値PSを目標吐出圧PTrに向けて減少させる際、目標吐出圧PTrから吐出圧センサ値PSを引いた差は負の値になる。そのため、比例項Xは負の値になる。また、低下量DPTrが大きいと、積分項Yが大幅に減少し、積分項Yも負の値になる。そこで、本実施形態では、低下量DPTrが第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2以上であるときには積分項Yが負の値となるように、第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2が設定されている。
そして、低下量DPTrが第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2未満である場合(ステップS16:NO)、フィードバック制御部303は、その処理を前述したステップS13に移行する。一方、低下量DPTrが第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2以上である場合(ステップS16:YES)、フィードバック制御部303は、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上であるか否かを判定する(ステップS17)。第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1は、第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2よりも大きい値に設定されている。そのため、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上である場合、当然、積分項Yは負の値となる。
そして、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上である場合(ステップS17:YES)、フィードバック制御部303は、その処理を次のステップS18に移行する。
ステップS18において、フィードバック制御部303は、第2の指示値算出処理を行う。すなわち、フィードバック制御部303は、目標吐出圧PTrと吐出圧センサ値PSとを用いたフィードバック制御の比例項Xと積分項Yとを算出する処理と、積分項Yを、規定値設定部302によって導出された規定値Fに置き換える置換処理とを行う。そして、フィードバック制御部303は、算出した比例項Xと置換処理によって導出した積分項Yとを、上記関係式(式1)に代入することで指示用目標吐出圧PTrAを求める。
上述したように、目標吐出圧PTrが吐出圧センサ値PSよりも小さくなったために吐出圧センサ値PSを目標吐出圧PTrに向けて減少させる際、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上であるときには、フィードバック制御の積分項Yも負の値になる。
これに対し、規定値Fは、正の値であるとともに、図4に示すように低下量DPTrが大きいほど大きくなる。そのため、本実施形態では、このように吐出圧センサ値PSを目標吐出圧PTrに向けて減少させる際、積分項Yを必ず「0」よりも大きい値とすることができる。つまり、第1の指示値算出処理は積分項Yを何ら補正することなく、当該積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを求める処理であるのに対し、第2の指示値算出処理は、積分項Yを正の値とし、当該積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを求める処理である。
図6に戻り、第2の指示値算出処理で指示用目標吐出圧PTrAを算出すると、フィードバック制御部303は、その処理を後述するステップS20に移行する。
その一方で、ステップS17において、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1未満である場合(NO)、フィードバック制御部303は、第3の指示値算出処理を行う(ステップS19)。すなわち、フィードバック制御部303は、目標吐出圧PTrと吐出圧センサ値PSとを用いたフィードバック制御の比例項X及び積分項Yを算出する処理と、積分項Yを「0」と等しくする他の置換処理を行う。そして、フィードバック制御部303は、算出した比例項Xと他の置換処理によって導出した積分項Yとを、上記関係式(式1)に代入することで指示用目標吐出圧PTrAを求める。
他の置換補正によって導出された積分項Yは、何ら補正を行っていない積分項Yよりも大きく、且つ、規定値Fよりも小さい。そのため、指示用目標吐出圧PTrAを、第1の指示値算出処理によって算出する場合よりも大きく、第2の指示値算出処理によって算出する場合よりも小さくすることができる。そして、第3の指示値算出処理で指示用目標吐出圧PTrAを算出すると、フィードバック制御部303は、その処理を次のステップS20に移行する。
第1の指示値算出処理は積分項Yを何ら補正することなく、当該積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを求める処理であるのに対し、第3の指示値算出処理は、積分項Yを「0」にリセットするための他の置換処理を行い、当該積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを求める処理である。
ステップS20において、フィードバック制御部303は、補正フラグFLGにオンをセットする。すなわち、補正フラグFLGは、第1の指示値算出処理とは異なる他の算出処理、すなわち第2の指示値算出処理又は第3の指示値算出処理で指示用目標吐出圧PTrAを算出したときにオンがセットされるフラグである。そして、フィードバック制御部303は、その処理を次のステップS21に移行する。
そして、ステップS21において、フィードバック制御部303は、ステップS13又はステップS18又はステップS19で算出した指示用目標吐出圧PTrAを吐出圧制御部304に出力する。その後、フィードバック制御部303は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、図7を参照し、目標吐出圧PTrが低下したために第2の指示値算出処理が実施される際の作用を効果とともに説明する。なお、図7における太い実線は、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上になったタイミングである規定タイミングで第2の指示値用算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力する本実施形態での吐出圧センサ値PSの推移を示している。一方、図7における破線は、規定タイミングでも第1の指示値用算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力する比較例での吐出圧センサ値PSの推移を示している。
図7に示すように、定常状態である第1のタイミングt11で目標吐出圧PTrが小さくなると、定常状態から非定常状態に移行する。図7に示す例では、第1のタイミングt11での低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上である。そのため、規定タイミングである第1のタイミングt11では、第1の指示値用算出処理及び第3の指示値用算出処理ではなく、第2の指示値用算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAが算出される。
ここで、図7に破線で示す比較例では、第1のタイミングt11でも第1の指示値用算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAが算出される。このように目標吐出圧PTrが吐出圧センサ値PSよりも小さくなったために吐出圧センサ値PSを目標吐出圧PTrに向けて減少させる際、目標吐出圧PTrと吐出圧センサ値PSとを用いたフィードバック制御の積分項Y、すなわち何ら補正を行っていない積分項Yは負の値となる。そして、比較例では、この積分項Yを用いる第1の指示値用算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvがアクチュエータ100Aに入力される。その結果、図7に破線で示すように、アンダーシュートが発生し、このアンダーシュート終了後にオーバーシュートが発生し、その後、吐出圧センサ値PSが目標吐出圧PTrに収束するようになる。
これに対し、本実施形態では、第1のタイミングt11では、第2の指示値用算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAを算出している。第2の指示値算出処理では、置換処理によって導出された規定値Fが積分項Yに代入され、当該積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAが算出される。この積分項Yは、何ら補正を行っていない積分項Yよりも大きい。よって、指示用目標吐出圧PTrAを、第1の指示値算出処理によって算出する場合よりも大きくすることができる。その結果、第1のタイミングt11での指示用目標吐出圧PTrAと吐出圧センサ値PSとの乖離は、比較例の場合よりも小さくなる。そして、第2の指示値算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応した指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力することにより、第1のタイミングt11よりもあとでは、第1の指示値算出処理によって算出される指示用目標吐出圧PTrAに対応した指示電流値Iocvの変化速度を低くすることができる。その結果、図7に実線で示すように、吐出圧センサ値PSの減少速度が比較例の場合よりも低くなるため、アンダーシュートの発生が抑制される。したがって、目標吐出圧PTrに向けて吐出圧センサ値PSを減少させるべくアクチュエータ100Aに入力する指示電流値Iocvを変更しているときにおけるアンダーシュート量を小さくすることができる。また、アンダーシュート終了後のオーバーシュート量も、比較例の場合よりも小さくすることができる。
なお、本実施形態では、規定タイミングである第1のタイミングt11での低下量DPTrが大きいほど、規定値Fが大きくなる。そのため、低下量DPTrが大きいために負の値となるフィードバック制御の比例項Xの絶対値が大きくなる場合ほど、指示用目標吐出圧PTrAの算出に用いられる積分項Yを大きくすることができる。したがって、吐出圧センサ値PSを目標吐出圧PTrに向けて減少させる際における吐出圧センサ値PSの減少速度が高くなりすぎることを抑制でき、ひいては、アンダーシュート量が大きくなることを抑制できる。
また、本実施形態では、規定タイミングでは、第2の指示値算出処理によって算出した積分項Y(=規定値F)を用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出している一方で、規定タイミングよりもあとでは、第1の指示値算出処理によって算出した積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出している。そのため、規定タイミングよりもあとでも第2の指示値算出処理によって算出した積分項Yを用いた指示用目標吐出圧PTrAの算出が行われる場合と比較し、吐出圧センサ値PSの減少速度が低くなりすぎることを抑制できる。
次に、図8を参照し、目標吐出圧PTrが低下したために第3の指示値算出処理を行う場合の作用を効果とともに説明する。なお、図8における太い実線は、低下量DPTrが第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2以上になったタイミングである規定タイミングで第3の指示値用算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力する場合の吐出圧センサ値PSの推移を示している。一方、図7における破線は、規定タイミングで第2の指示値用算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力する場合の吐出圧センサ値PSの推移を示している。
図8に示すように、第1のタイミングt21で目標吐出圧PTrが小さくなると、定常状態から非定常状態に移行する。図8に示す例では、第1のタイミングt21での低下量DPTrは、第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2以上ではあるものの、第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1未満であるため、吐出圧センサ値PSと目標吐出圧PTrとの乖離はあまり大きくないと判断することができる。そのため、第1のタイミングt21では、第2の指示値用算出処理ではなく、第3の指示値用算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAが算出される。
ここで、第1のタイミングt21での低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1未満であっても第2の指示値算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力したとする。この場合、図8に破線で示すように、第1のタイミングt21よりもあとでの指示電流値Iocvの変更速度が低い分、吐出圧センサ値PSの減少速度が低くなる。その結果、アンダーシュート量を小さくすることができるものの、第1のタイミングt21から吐出圧センサ値PSが目標吐出圧PTrに収束するまでに要する時間が長くなる。
これに対し、本実施形態では、規定タイミングである第1のタイミングt21での低下量DPTrが、第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2以上であって、且つ、第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1未満であるときには、第3の指示値算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAが算出される。置換処理によって積分項Yを正の値とする第2の指示値算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAを算出する場合と比較し、第3の指示値算出処理では、積分項Yを「0」と等しくしているため、指示用目標吐出圧PTrAを小さくすることができる。そのため、第1のタイミングt21での指示用目標吐出圧PTrAと吐出圧センサ値PSとの乖離は、第2の指示値算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAを算出する場合と比較して大きくなる。そして、第1のタイミングt21で第3の指示値算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力することにより、第1のタイミングt21よりもあとでは、第1の指示値算出処理によって算出された指示用目標吐出圧に対応する指示電流値Iocvの変化速度を高くすることができる。その結果、第2の指示値算出処理によって算出された指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力する場合と比較し、吐出圧センサ値PSの減少速度を高くでき、ひいては、吐出圧センサ値PSが目標吐出圧PTrに収束するのに要する時間を短くすることができる。
なお、第3の指示値算出処理によって算出された指示用目標吐出圧PTrAは、第2の指示値算出処理によって算出された指示用目標吐出圧PTrAよりは小さいものの、第1の指示値算出処理によって算出された指示用目標吐出圧PTrAよりは大きい。そのため、第1のタイミングt21で第1の指示値算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAを算出し、この指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力する場合と比較し、指示電流値Iocvの減少速度を低くすることができる。その結果、アンダーシュート量を小さくすることができる。
また、本実施形態では、規定タイミングでは、第3の指示値算出処理によって算出した積分項Y(=0)を用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出している一方で、規定タイミングよりもあとでは、第1の指示値算出処理によって算出した積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出している。そのため、規定タイミングよりもあとでも第3の指示値算出処理によって算出した積分項Yを用いた指示用目標吐出圧PTrAの算出が行われる場合と比較し、吐出圧センサ値PSの減少速度が低くなりすぎることを抑制できる。
次に、エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で低下したために第2の指示値算出処理が実施される際の作用を効果とともに説明する。
オイルポンプ10は、クランク軸の回転に同期して駆動する機関駆動式のポンプであるため、エンジン回転速度NEが低くなると、オイルポンプ10におけるオイルの吐出圧が低くなる。すなわち、目標吐出圧PTrを吐出圧センサ値PSが下回るようになる。吐出圧センサ値PSが目標吐出圧PTrまで増大されるように、オイルポンプ10の作動が制御される。このとき、エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で低下した場合、その単位時間あたりの低下量DNEが回転速度低下量判定値DNETh以上であると、第2の指示値用算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAが算出される。そのため、指示用目標吐出圧PTrAの算出に用いられる積分項Yは、必ず負の値にならない。そして、この指示用目標吐出圧PTrAに対応した指示電流値Iocvがアクチュエータ100Aに入力される。そのため、第1の指示値用算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAが算出される場合と比較し、吐出圧センサ値PSの増大速度が低くなりにくい。その結果、吐出圧センサ値PSを早期に目標吐出圧PTrまで増大させることができる。
また、本実施形態では、低下量DNEが回転速度低下量判定値DNETh以上であると判定されたタイミングでは、第2の指示値算出処理によって算出した積分項Y(=規定値F)を用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出している一方で、当該タイミングよりもあとでは、第1の指示値算出処理によって算出した積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出している。そのため、当該タイミングよりもあとでも第2の指示値算出処理によって算出した積分項Yを用いた指示用目標吐出圧PTrAの算出が行われる場合と比較し、吐出圧センサ値PSの増大速度が高くなりすぎることを抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第3の指示値算出処理では、積分項Yを「0」とは僅かに異なる値に置き換え、当該積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出するようにしてもよい。
・目標吐出圧の単位時間あたりの低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上である場合において規定値Fを低下量DPTrが大きいほど大きくできるのであれば、低下量DPTrが大きくなるときには規定値Fを段階的に大きくするようにしてもよい。
・目標吐出圧の単位時間あたりの低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1未満であっても、規定値Fを、低下量DPTrに応じて可変させるようにしてもよい。
・エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で変化していることと、エンジン回転速度NEの単位時間あたりの低下量DNEが回転速度低下量判定値DNETh以上であることとの双方が成立している場合、規定値Fを、低下量DNEが大きいほど大きくなるようにしてもよい。
・規定値Fは、目標吐出圧の単位時間あたりの低下量DPTrによらず、予め決められた一定の値で固定してもよい。ただし、この一定の値は正の値である。
・目標吐出圧の単位時間あたりの低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1未満であるときには「0」よりも大きい第1の値で規定値Fを固定し、低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1以上であるときには、第1の値よりも大きい第2の値で規定値Fを固定するようにしてもよい。
・目標吐出圧PTrは低下したものの、その単位時間あたりの低下量DPTrが第1の吐出圧低下量判定値DPTrTh1未満であって且つ第2の吐出圧低下量判定値DPTrTh2以上であるときには、第1の指示電流値算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvのアクチュエータ100Aへの入力を継続させるようにしてもよい。
・エンジン回転速度NEが所定速度領域A内で変化していることと、エンジン回転速度NEの単位時間あたりの低下量DNEが回転速度低下量判定値DNETh以上であることとの双方が成立している場合、負の値ではない積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出できるのであれば、第2の指示値算出処理とは異なる別の処理を実施するようにしてもよい。例えば、別の処理は、第3の指示値算出処理であってもよい。また、別の処理は、上記置換処理や上記他の置換処理を何ら行わないで算出した積分項Yと、所定値とのうち大きい方の値を積分項Yとし、この積分項Yを用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出する処理であってもよい。この場合、所定値は、「0」と等しい値又は「0」よりも大きい値に設定されることとなる。
・上記実施形態では、目標吐出圧PTrが小さくなったり、エンジン回転速度NEが低くなったりし、第2の指示値算出処理又は第3の指示値算出処理を実施する場合、第1の指示値算出処理ではない他の算出処理で算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに1回入力したあとでは、第1の指示値算出処理で算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvがアクチュエータ100Aに入力される。しかし、これに限らず、第2の指示値算出処理又は第3の指示値算出処理を実施する場合、規定期間の間、上記他の算出処理で算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力し続け、そのあとに第1の指示値算出処理で算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値Iocvをアクチュエータ100Aに入力するようにしてもよい。
・上記実施形態では、フィードバック制御の比例項Xと積分項Yとを用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出するようにしているが、比例項X及び積分項Yに加えて微分項をも用いて指示用目標吐出圧PTrAを算出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、オイル供給装置210は、オイルポンプ10としてギヤポンプを備えている。しかし、オイル供給装置210は、ギヤポンプ以外の他の種類のポンプ(例えば、ベーンポンプ)をオイルポンプ10として備えた構成であってもよい。
・オイルポンプは、機関駆動式のポンプではなく、電動式のポンプであってもよい。この場合、オイルポンプを駆動させるための電動モータがアクチュエータに相当することとなり、この電動モータの回転速度、すなわち電動モータに対する指示電流値を調整することによってオイルポンプにおけるオイルの吐出圧を制御することができる。このような電動式のオイルポンプを備えるオイル供給装置では、目標吐出圧PTrが低下し、吐出圧センサ値PSと目標吐出圧PTrとの乖離が大きいと判定できるときには、第2の指示値算出処理又は第3の指示値算出処理によって指示用目標吐出圧PTrAを算出し、この指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値を、電動モータに入力することとなる。そして、こうした指示電流値を電動モータに入力したあとでは、第1の指示値算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値を電動モータに入力することにより、アンダーシュートの発生を抑制することができる。
なお、このような電動式のオイルポンプを備えるオイル供給装置では、電動モータの回転速度は、エンジン回転速度NEとは同期していない。そのため、エンジン回転速度NEが低くなっても、電動モータの回転速度が高くならない限り第2の指示値算出処理によって算出した指示用目標吐出圧PTrAに対応する指示電流値を電動モータに入力することはない。
10…オイルポンプ、100A…アクチュエータ、200…エンジン、210…オイル供給装置、302…規定値設定部、303…フィードバック制御部、304…吐出圧制御部、311…吐出圧センサ。

Claims (5)

  1. オイルポンプと、アクチュエータと、前記オイルポンプから吐出されるオイルの圧力を検出するセンサと、を備え、前記アクチュエータの操作量が変更されると、前記オイルポンプにおけるオイルの吐出圧が変わるオイル供給装置であって、
    前記オイルポンプに対する吐出圧の目標値である目標吐出圧と、前記センサによって検出されているオイルの圧力である吐出圧センサ値とを用いたフィードバック制御の比例項と積分項とを当該目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求めるフィードバック制御部と、
    算出された指示用目標吐出圧に対応した操作量に基づいて前記アクチュエータを作動させることで、前記オイルポンプにおけるオイルの吐出圧を制御する吐出圧制御部と、を備え、
    前記フィードバック制御部は、前記目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が吐出圧低下量判定値以上であることを条件に、前記フィードバック制御の積分項を正の値である規定値と等しくする置換処理を行い、前記フィードバック制御の比例項と当該処理後の積分項とを前記目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求める
    オイル供給装置。
  2. 前記オイルポンプは、エンジンのクランク軸の回転に同期して駆動するものであり、
    前記フィードバック制御部は、エンジン回転速度の単位時間あたりの低下量が回転速度低下量判定値以上であることを条件に、前記フィードバック制御の積分項を負の値としない処理を行い、前記フィードバック制御の比例項と当該処理後の積分項とを前記目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求める
    請求項1に記載のオイル供給装置。
  3. 前記目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が大きいほど前記規定値を大きくする規定値設定部を備える
    請求項1又は請求項2に記載のオイル供給装置。
  4. 前記フィードバック制御部は、前記置換処理によって導出した積分項を用いて算出した指示用目標吐出圧に対応した操作量で前記アクチュエータが作動されたあとでは、前記置換処理を行っていない積分項を用いて指示用目標吐出圧を算出する
    請求項1に記載のオイル供給装置。
  5. 前記吐出圧低下量判定値を、第1の吐出圧低下量判定値とした場合、
    前記フィードバック制御部は、前記目標吐出圧の単位時間あたりの低下量が、前記第1の吐出圧低下量判定値未満であって、且つ、同第1の吐出圧低下量判定値よりも小さい第2の吐出圧低下量判定値以上であることを条件に、前記フィードバック制御の積分項を「0」と等しくする他の置換処理を行い、前記フィードバック制御の比例項と当該処理後の積分項とを前記目標吐出圧に加算して算出した指示用目標吐出圧を求める
    請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のオイル供給装置。
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